以下、本発明の第1実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は車両に搭載されるリヤワイパモータの平面図を、図2は図1のA−A線に沿う部分断面図を、図3は図1の破線円B部分の拡大図をそれぞれ表している。
図1に示すように、モータ装置としてのリヤワイパモータ10は、車両のリヤハッチに搭載されるリヤワイパ装置(図示せず)の駆動源として用いられるもので、モータ部20およびギヤ部30を備えている。モータ部20およびギヤ部30は、一対の締結ネジ11によりそれぞれ一体となるよう連結されている。リヤワイパモータ10は、リヤハッチ等の幅狭空間に配置され、図示しないリヤガラス(ウィンドシールド)上に設けられるワイパブレード(図示せず)を、所定角度範囲で往復払拭動作(揺動駆動)させるようになっている。
図1,2に示すように、モータ部20は、ブラシ付きの4極モータとして構成され、その外郭を形成するモータケース(ヨーク)21を備えている。モータケース21は、磁性体である鋼板をプレス加工することにより有底筒状に形成され、その開口側には、各締結ネジ(締結部材)11が挿通される挿通孔21aを備えたフランジ部21bが一体に設けられている。モータケース21は、図2に示すように、一対の円弧部21cおよび一対の直線部21dを有するよう断面が略小判形状に形成されている。これにより、モータケース21の幅寸法、つまり図中左右方向の厚み寸法を詰めて薄型化を図っている。
モータケース21の内部には、断面が略円弧形状に形成された合計4つのマグネット22が固定されている。各マグネット22は、例えばフェライト磁石であって、モータケース21の周方向に沿ってそれぞれ等間隔(90度間隔)で固定され、各マグネット22の内側には、所定の隙間を介してアーマチュア(回転子)23が回転自在に収容されている。アーマチュア23の回転中心には、アーマチュア軸(回転軸)24の基端側が貫通して固定されている。
アーマチュア軸24の軸方向に沿う略中央部分には、コンミテータ(整流子)25が固定されており、コンミテータ25は10個のセグメント25aを備えている。また、アーマチュア軸24の基端側には、アーマチュア23を形成するアーマチュアコア26が固定されており、アーマチュアコア26は10個のスロット26aを備えている。各スロット26aには、所定の巻き方および所定の巻数で複数のアーマチュアコイル26bが巻装されている。各アーマチュアコイル26bのコイル端は、各セグメント25aにそれぞれ電気的に接続されている。
コンミテータ25の各セグメント25aには、複数の給電ブラシ(ブラシ)25b(図1では1つのみ示す)が摺接するようになっている。各給電ブラシ25bは、ギヤケース31のブラシホルダ収容部34に収容されたブラシホルダ70に移動自在に設けられ、各給電ブラシ25bには、コネクタユニット50からの駆動電流が供給されるようになっている。このように、モータ部20とコネクタユニット50とは、各給電ブラシ25b,コンミテータ25およびアーマチュアコイル26bを介して電気的に接続され、これによりアーマチュアコイル26bに電磁力が発生し、アーマチュア23(アーマチュア軸24)が回転するようになっている。なお、図2においては、説明を分かり易くするために各給電ブラシ25bおよびブラシホルダ70の図示を省略している。
アーマチュア軸24の基端側は、モータケース21の底部に設けられたラジアル軸受27のみによって回転自在に支持されており、アーマチュア軸24の基端側とモータケース21の底部との間には、アーマチュア軸24をその軸方向から支持するスラスト軸受を設けていない。ここで、ラジアル軸受27は、例えば、焼結材により略円筒形状に形成され、これにより、低騒音かつ耐衝撃性および自己潤滑性を備え、さらには摩耗粉が発生し難くなっている。ただし、ラジアル軸受27は、焼結材に換えて耐熱性に優れたプラスチック材料等により形成しても良い。
アーマチュア軸24の先端側には、ウォームギヤ24a(詳細図示せず)が一体に設けられ、当該ウォームギヤ24aは、アーマチュア軸24の回転に伴いギヤケース31内で回転するようになっている。ウォームギヤ24aは螺旋状に形成され、ウォームホイール32のギヤ歯32aに噛み合うようになっている。ここで、ウォームギヤ24aおよびウォームホイール32は減速機構を構成している。ウォームホイール32は、ウォームギヤ24aの回転に伴い、当該ウォームギヤ24aよりも減速状態で回転し、減速して高トルク化した回転を外部に出力するようになっている。
アーマチュア軸24のアーマチュア23とウォームギヤ24aとの間には、図3に示すように、アーマチュア軸24の径方向に向けて凹凸形状(セレーション形状)となったベアリング固定部24bが形成されている。ベアリング固定部24bには、ボールベアリング(軸受部材)28の内輪部材28aが圧入嵌合により固定されている。ここで、ベアリング固定部24bに凹凸形状(セレーション形状)を形成せずに、単にアーマチュア軸24に内輪部材28aを圧入した際の緊迫力のみで、ベアリング固定部24bにボールベアリング28を固定するようにしても良い。
ボールベアリング28は、内輪部材28aと外輪部材28bとを備え、内輪部材28aと外輪部材28bとの間には、複数の鋼球28cが設けられている。内輪部材28aと外輪部材28bとの間には、各鋼球28cに加えて、各鋼球28cに塗布した潤滑グリス(図示せず)の外部への漏れを防止する一対の環状カバー部材28dが設けられている。
ボールベアリング28の外輪部材28bは、ギヤケース31のベアリング嵌合部36と、ギヤケース31に装着されるストッパプレート60との間に挟持されている。このように、ボールベアリング28の内輪部材28aをアーマチュア軸24のベアリング固定部24bに固定し、ボールベアリング28の外輪部材28bをギヤケース31に固定することで、アーマチュア軸24は回転自在に支持されるとともに、ギヤケース31に対する軸方向および径方向への移動が規制される。
このように、ボールベアリング28は、ラジアル軸受けおよびスラスト軸受としての機能を備えている。したがって、アーマチュア軸24の先端側とギヤケース31との間においても、アーマチュア軸24をその軸方向から支持するスラスト軸受を設けていない。
ここで、リヤワイパモータ10は、小型の4極モータとして構成されるため、例えば同じ出力の大型の2極モータに比して発熱量が多くなる。しかしながら、アーマチュア軸24の軸方向両端側にはスラスト軸受を設けていないので、その分、アーマチュア軸24の摺動ロス、つまりスラスト軸受との摩擦抵抗を無くして、余計な発熱量の増大を防止するようにしている。
ベアリング嵌合部36は、ギヤケース31におけるコネクタユニット収容部35(図1参照)の近傍に設けられ、ギヤケース31内で環状に形成されている。ベアリング嵌合部36は、モータ部20(モータケース21)側に向けて開口しており、ベアリング嵌合部36には、モータ部20側からボールベアリング28が嵌合されるようになっている。ここで、ベアリング嵌合部36のモータ部20側とは反対側には、ベアリング嵌合部36と同軸の貫通孔37が設けられ、当該貫通孔37には、モータ部20およびギヤ部30の組み付け時において、アーマチュア軸24の先端側、つまりウォームギヤ24aが挿通されるようになっている。
ギヤケース31におけるベアリング嵌合部36のモータ部20側には、ストッパプレート60が差し込まれるストッパプレート差し込み部38が設けられている。ストッパプレート差し込み部38は、ギヤカバー側(図中手前側)に向けて開口しており、ストッパプレート差し込み部38には、ギヤカバーを装着していないギヤケース31の開口側から、ストッパプレート60を差し込めるようになっている。
図4(a),(b)はストッパプレートの詳細を示す斜視図を表している。
ストッパプレート60は、図4に示すように、鋼板をプレス加工することで略U字形状に形成され、支持本体部61と一対の被差し込み部62とを備えている。支持本体部61には、ストッパプレート差し込み部38への装着時において、アーマチュア軸24(図中破線)に対して非接触の状態を保持する切欠部61aが形成されている。また、支持本体部61には、ストッパプレート60のストッパプレート差し込み部38への装着時において、ボールベアリング28の外輪部材28bに当接し、これによりボールベアリング28をベアリング嵌合部36に固定する一対のベアリング支持凸部61bが設けられている。
各被差し込み部62は、アーマチュア軸24の軸方向に沿う支持本体部61の位置から所定量オフセットした位置に設けられている。このように、ストッパプレート60を鋼板により略階段状に形成することでストッパプレート60はバネ性を備え、これによりボールベアリング28の外輪部材28bを弾性的に押圧して、ボールベアリング28のギヤケース31内でのガタつきを確実に防止するようにしている。さらに、各ベアリング支持凸部61bは、ストッパプレート60の装着方向(図中上下方向)に対して、ボールベアリング28の中心位置から図中上方にずれて配置されている。これにより、各構成部品の製造精度のバラつきに左右されること無く、ボールベアリング28のギヤケース31内でのガタつきをより効果的に防止するようにしている。
切欠部61aの開口側および被差し込み部62の先端側(図中下側)には、それぞれ案内テーパ61c,62aが設けられ、各案内テーパ61c,62aはストッパプレート60のストッパプレート差し込み部38への装着案内として機能するようになっている。これにより、ギヤケース31に対するストッパプレート60の装着作業を容易にして、リヤワイパモータ10の組み立て作業性を向上させている。
ここで、ストッパプレート60はアーマチュア軸24を軸方向に支持し、かつアーマチュア軸24の軸方向両端側にはスラスト軸受を設けていないため、リヤワイパモータ10の組み立て後において、アーマチュア軸24の軸方向への位置調整が不要となっている。また、ギヤケース31やモータケース21のアーマチュア軸24の軸方向両端側と対向する部分のクリアランス設定に高精度を必要としないため、リヤワイパモータ10の製造コストを大幅に低減させ、組み付け性を向上させている。
図5(a),(b)はギヤケースの詳細を示す斜視図および平面図を、図6は図1のC−C線に沿うギヤケースのみを示す断面図をそれぞれ表している。
ギヤ部30は、図1,5,6に示すように、溶融したアルミ材料等を鋳造成形することにより略バスタブ形状に形成されたギヤケース(ケーシング)31を備えている。ギヤケース31は底部31aおよび壁部31bを備え、底部31a側とは反対側は装着開口部31cとなっている。装着開口部31cは、図示しないギヤカバーによって閉塞されるようになっており、装着開口部31cからは、ウォームホイール32やコネクタユニット50等が、ギヤケース31内に収容されるようになっている。
ギヤケース31のモータ部20側には、ブラシホルダ収容部34が一体に設けられている。ブラシホルダ収容部34は、アーマチュア軸24(図1参照)の軸方向に沿って延びるよう筒状に形成され、その断面はモータケース21(図2参照)と同様に略小判形状に形成されている。
ブラシホルダ収容部34は、一対の円弧状壁部34a,34bおよび一対の直線状壁部34cを備えており、一方の円弧状壁部34aには、ブラシホルダ70の収容壁部71b(図11参照)が入り込む凹部34dが形成され、他方の円弧状壁部34bには、ブラシホルダ70のホルダ側第2アース端子ET2(図12参照)が位置決めされる段差部34eが形成されている。ここで、凹部34dおよび段差部34eは、何れもアーマチュア軸24の軸方向に延びて形成されている。
ブラシホルダ収容部34のアーマチュア軸24の軸方向に沿うモータ部20側とは反対側には、合計4つの位置決め突起34fが一体に設けられている。各位置決め突起34fは、各円弧状壁部34a,34bと各直線状壁部34cとの接続部分、つまり略小判形状に形成したブラシホルダ収容部34の内側の4つの角部にそれぞれ設けられている。各位置決め突起34fは、ブラシホルダ収容部34の中心部分を挟んで対向するよう配置され、アーマチュア軸24の径方向に沿う断面形状が略三角形形状となるようブラシホルダ収容部34の内側に向けて突出している。
各位置決め突起34fは、アーマチュア軸24の軸方向(ブラシホルダ70の収容方向)に面する先端面SF1と、アーマチュア軸24の径方向(ブラシホルダ70の収容方向と直交する方向)に面する一対の外側面SF2とを備えている。各位置決め突起34fは、ブラシホルダ70の各位置決め凹部71d(図11参照)に入り込んで係合するようになっており、先端面SF1は位置決め凹部71dの底面SF3に当接し、各外側面SF2は位置決め凹部71dの各内側面SF4にそれぞれ当接するようになっている。
これによりブラシホルダ70を、ブラシホルダ収容部34内において、ガタつくこと無く正規位置に位置決めできるようにしている。ただし、位置決め突起34fは4つ設けなくても良く、ブラシホルダ収容部34の中心部を挟んで対向するよう少なくとも2つ設ければ良い。
ブラシホルダ収容部34の内壁、つまり各円弧状壁部34a,34bおよび各直線状壁部34cは、アーマチュア軸24の軸方向に対して所定角度傾斜しており、この傾斜はギヤケース31を鋳造成形する際に用いる金型(図示せず)をスムーズに抜き取るための抜き勾配PS1となっている。具体的には、図6に示すように、各直線状壁部34c間の離間距離(対向間距離)は、ブラシホルダ収容部34の各位置決め突起34f側ではT1に設定され、ブラシホルダ収容部34のモータ部20側ではT1よりも若干長いT2に設定されている(T1<T2)。
このように、各直線状壁部34c間の離間距離をT1,T2に設定することで、ブラシホルダ収容部34の抜き勾配PS1を2.0°(図14参照)としている。ここで、各円弧状壁部34a,34b間の離間距離(対向間距離)についても、各直線状壁部34c間の離間距離と同様の大小関係となるように設定されている。これにより、ブラシホルダ収容部34の抜き勾配PS1は、ブラシホルダ収容部34の内壁の全周に亘って2.0°に設定されている。
図6に示すように、ギヤケース31におけるブラシホルダ収容部34のモータ部20側とは反対側には、ブラシホルダ収容部34に隣接して、コネクタユニット50を収容するコネクタユニット収容部35が一体に設けられている。コネクタユニット収容部35は、ブラシホルダ収容部34の各位置決め突起34f側に位置するモータ部側壁部35aを備えている。また、アーマチュア軸24の軸方向に沿うモータ部20側とは反対側にストッパプレート差し込み部38を形成し、底部31aから装着開口部31cに向けて延びるギヤ部側壁部35bを備えている。
モータ部側壁部35aとギヤ部側壁部35bとの間には、コネクタユニット50のコネクタ本体部51(図8〜10参照)が収容されるようになっている。モータ部側壁部35aおよびギヤ部側壁部35bは、アーマチュア軸24の軸方向に対して所定角度傾斜しており、この傾斜はギヤケース31を鋳造成形する際に用いる金型(図示せず)をスムーズに抜き取るための抜き勾配PS2となっている。具体的には、図6に示すように、各壁部35a,35b間の離間距離(対向間距離)は、底部31a側ではT3に設定され、装着開口部31c側ではT3よりも若干長いT4に設定されている(T3<T4)。
このように、各壁部35a,35b間の離間距離をT3,T4に設定することで、コネクタユニット収容部35の抜き勾配PS2を1.5°(図14参照)としている。
モータ部側壁部35aとギヤ部側壁部35bとの間で、かつ各位置決め突起34f間には、アーマチュア軸24の径方向に窪んだ窪み部(被係合部)35cが設けられている。窪み部35cには、コネクタユニット50をコネクタユニット収容部35に収容した状態のもとで、コネクタユニット50の挿入凸部51e(図8〜10参照)が入り込むようになっている。ここで、コネクタユニット50をコネクタユニット収容部35に収容する際に、窪み部35cに挿入凸部51eを係合するよう位置合わせをすることで、コネクタユニット50をコネクタユニット収容部35の正規位置に正確に位置決めできるようになっている。
図1,5に示すように、コネクタユニット収容部35は、コネクタユニット50のコネクタ接続部52を支持するコネクタ支持部35dを備えている。コネクタ支持部35dは、装着開口部31cの開口側と同じ側が開口した有底の箱形状に形成されている。コネクタ支持部35dは、底壁部35eおよび側壁部35fを備え、底壁部35eはコネクタ接続部52の底壁部52aを支持するようになっている。一方、側壁部35fの一部(図1中右側)は、コネクタ接続部52の側壁部52bの一部を、支持突起52d(図9参照)を介して支持するようになっている。
これにより、コネクタ接続部52に車両側の外部コネクタ(図示せず)を接続する際に、コネクタユニット50のみに大きな負荷が掛かるのを防止して、コネクタユニット50が折損したりするのを防止している。また、アルミ材料よりなるコネクタ支持部35dは、コネクタ接続部52の周囲を覆うので、コネクタ接続部52を介してブラシノイズが外部に漏洩するのを防止するようになっている。
図7はコンタクトプレートが摺接するスイッチングプレートの詳細を示す平面図を表している。
図1,7に示すように、ギヤケース31内にはウォームホイール32が回転自在に設けられ、当該ウォームホイール32は、プラスチック等の樹脂材料を射出成形することにより所定形状に形成されている。ウォームホイール32の外周部分にはギヤ歯32aが一体に設けられ、当該ギヤ歯32aには、ウォームギヤ24aが噛み合わされている。ウォームホイール32の回転中心には、断面が円形の鋼棒よりなるホイール軸32bの軸方向一端側が固定されており、ホイール軸32bの軸方向他端側は、ギヤケース31の底部31aに設けられたボス部31d(図5,6参照)に回動自在に支持されている。
ウォームホイール32の底部31a側には、図7の斜線部分に示すように、導電性を有する鋼板よりなるスイッチングプレート32cが装着されている。スイッチングプレート32cは、略円環状に形成され、当該スイッチングプレート32cの径方向内側に向けて窪む凹部32dおよび径方向内側に向けて突出する凸部32eを備えている。スイッチングプレート32cには、ウォームホイール32の回転に伴って、コネクタユニット50に設けられた3つのコンタクトプレートCP1〜CP3の先端側が摺接するようになっている。
このように、ウォームホイール32に凹部32dおよび凸部32eを有するスイッチングプレート32cを装着し、当該スイッチングプレート32c上を摺接するよう各コンタクトプレートCP1〜CP3を設けることで、各コンタクトプレートCP1〜CP3の短絡状態(通電状態)や非通電状態が、図示しない車載コントローラに送られる。これにより車載コントローラは、ウォームホイール32の回転状態、つまりワイパブレードの揺動位置を把握し、ワイパブレードを所定の停止位置に停止できるようになっている。
図1に示すように、ギヤケース31のウォームホイール32から離れた部分(図中左側)には、断面が円形の鋼棒よりなる出力軸33が配置されており、当該出力軸33は、ギヤケース31の底部31aに設けられたボス部31e(図5,6参照)に回動自在に支持されている。出力軸33の基端側はギヤケース31内に設けられ、出力軸33の先端側(図中奥側)はギヤケース31の外部に延出されている。そして、出力軸33の外部に延出した延出部分(図示せず)には、ワイパブレードの基端部が装着(固定)されている。
ギヤケース31内で、出力軸33の基端側とウォームホイール32との間には、ウォームホイール32の回転運動を出力軸33の揺動運動に変換する運動変換機構40が設けられている。運動変換機構40は、揺動リンク41,連結板42および摺接板43を備えている。
揺動リンク41は、鋼板を打ち抜き加工等することで板状に形成され、揺動リンク41の長手方向一端側は、出力軸33の基端側に固定されている。一方、揺動リンク41の長手方向他端側は、連結板42の長手方向一端側に、第1連結ピンP1を介して回動自在に連結されている。連結板42の長手方向他端側は、第2連結ピンP2を介してウォームホイール32の回転中心から偏心した位置に回動自在に連結されている。ここで、揺動リンク41の長さ寸法は連結板42の長さ寸法に対して略半分(略1/2)の長さ寸法に設定されている。また、連結板42においても、揺動リンク41と同様に鋼板を打ち抜き加工等することで板状に形成されている。
このように、出力軸33とウォームホイール32との間に運動変換機構40を設けることで、ウォームホイール32の一方向への回転に伴い出力軸33を所定角度範囲で揺動できるようになっている。具体的には、ウォームギヤ24aおよびウォームホイール32の回転により、減速して高トルク化された回転力が第2連結ピンP2に伝達され、第2連結ピンP2がホイール軸32bを中心に回転する(二点鎖線矢印R参照)。すると、連結板42の長手方向他端側もホイール軸32bを中心に回転し、これにより連結板42の長手方向一端側が、第1連結ピンP1を介して揺動リンク41に規制された状態で、出力軸33を中心に揺動する(二点鎖線矢印S参照)。
摺接板43は、自己潤滑性に優れたプラスチック等の樹脂材料により板状に形成され、連結板42のギヤカバー側(図中手前側)に装着されている。摺接板43の長手方向中央部分には、ギヤカバーに摺接する摺接部43aが一体に設けられ、当該摺接部43aにはグリス(図示せず)が塗布されている。これにより、運動変換機構40のギヤケース31内での動作をスムーズにするとともに、運動変換機構40が出力軸33の軸方向(図中奥行方向)に沿ってガタつくのを防止している。
図8はコネクタユニットをギヤ部側から見た斜視図を、図9はコネクタユニットをモータ部側から見た斜視図を、図10は図1のD−D線に沿う部分断面図をそれぞれ表している。
図8〜10に示すように、コネクタユニット50は、プラスチック等の樹脂材料を射出成形することにより所定形状に形成され、板状に形成されたコネクタ本体部51と有底の箱形状に形成されたコネクタ接続部52とを備えている。ここで、図8,9においては、構成部品の説明を分かりやすくするために、導電部材(電気部品)に網掛けを施している。
コネクタ本体部51の短手方向に沿う断面形状は、コネクタユニット50のコネクタユニット収容部35(図6参照)に対する収容方向(図中下側)に向けて、先細り形状となっている。具体的には、コネクタ本体部51の短手方向に沿う収容方向先端側(図中下側)の板厚寸法はT3となっており、コネクタ本体部51の短手方向に沿う収容方向後端側(図中上側)の板厚寸法は、収容方向先端側の板厚寸法T3よりも若干厚い板厚寸法T4に設定されている(T3<T4)。
このような板厚寸法T3,T4とし、コネクタ本体部51を収容方向に向けて先細り形状とすることで、コネクタ本体部51の表面51aおよび裏面51bを、アーマチュア軸24の軸方向に対してそれぞれ1.5°傾斜した傾斜面としている(図14参照)。したがって、コネクタ本体部51は、コネクタユニット50のコネクタユニット収容部35への収容時において、各壁部35a,35bによって案内されつつ、表面51aはギヤ部側壁部35bに、裏面51bはモータ部側壁部35aにそれぞれ密着するようになっている。つまり、作業者の手による組み立て作業であっても、コネクタユニット50をコネクタユニット収容部35内に容易に収容でき、かつコネクタユニット50をコネクタユニット収容部35の正規位置に正確に位置決めできるようになっている。
コネクタ本体部51の略中央部分には、アーマチュア軸24(図1参照)が貫通する貫通孔51cが形成されている。貫通孔51cの内径寸法は、ボールベアリング28(図3参照)の外径寸法よりも若干大きい寸法に設定され、これによりリヤワイパモータ10の組み立て時において、ボールベアリング28を備えたアーマチュア軸24がコネクタ本体部51を通過できるようになっている。
貫通孔51cのコネクタ接続部52側とは反対側には、コンタクトプレート支持部51dが一体に設けられ、当該コンタクトプレート支持部51dは、コネクタ本体部51の表面51aからアーマチュア軸24の軸方向に突出している。コンタクトプレート支持部51dには、3つのコンタクトプレートCP1〜CP3が装着されており、各コンタクトプレートCP1〜CP3は、それぞれコネクタ本体部51の短手方向一側(図8〜10の下方向)から差し込み固定されるようになっている。
貫通孔51cとコンタクトプレート支持部51dとの間には、アース端子ETが装着されている。アース端子ETは、コネクタ本体部51の短手方向他側(図8〜10の上方向)から差し込み固定されるようになっている。ここで、アース端子ETは、リヤワイパモータ10の組み立て状態のもとで、ギヤケース31のモータ部側壁部35a(図6参照)に電気的に接続されるようになっている。
貫通孔51cのコネクタ接続部52側には、外部コネクタからの駆動電流が流れる一対のメス型端子(コネクタユニット端子)TM2が設けられている。各メス型端子TM2の基端側には、先端側がコネクタ接続部52内に露出された各オス型端子TM1の基端側が、スポット溶接等により電気的に接続されている。各メス型端子TM2の先端側には、リヤワイパモータ10の組み立て状態において、ブラシホルダ70に設けた各ブラシホルダ側オス型端子TM3(図11参照)がそれぞれ差し込まれるようになっている。
ここで、各ブラシホルダ側オス型端子TM3は、各メス型端子TM2に対して、コネクタ本体部51の裏面51b側から差し込まれて電気的に接続されるようになっている。また、ブラシホルダ70の各ブラシホルダ側オス型端子TM3は、コネクタ接続部52への外部コネクタの接続方向と交差(直交)する方向から各メス型端子TM2に接続されるようになっている。これにより、コネクタ接続部52に対する外部コネクタの接続時において、各ブラシホルダ側オス型端子TM3と各メス型端子TM2との電気的な接続が弛むのを防止している。
コネクタ本体部51の各コンタクトプレートCP1〜CP3およびアース端子ETと、各オス型端子TM1および各メス型端子TM2との間には、貫通孔51cを跨ぐようにして、一対のジャンパー線JPが装着されている。各ジャンパー線JPの一端側は、各オス型端子TM1および各メス型端子TM2のうちの何れか2つにスポット溶接等により電気的に接続され、各ジャンパー線JPの他端側は、各コンタクトプレートCP1〜CP3およびアース端子ETのうちの何れか2つにスポット溶接等により電気的に接続されている。
コネクタ本体部51の短手方向に沿う収容方向先端側、つまり貫通孔51cの図中下方側には、図10に示すように、ギヤケース31に設けた窪み部35cに挿入される挿入凸部(係合部)51eが一体に設けられている。挿入凸部51eはギヤケース31への収容方向に向けて突出しており、挿入凸部51eのコネクタ本体部51の長手方向に沿う長さ寸法は、ギヤケース31の底部31a側に設けた各位置決め突起34f間の距離と略同じ寸法となっている。これにより、挿入凸部51eは窪み部35cに対してガタつくこと無く係合するようになっている。
挿入凸部51eの収容方向先端側で、かつ挿入凸部51eの長手方向に沿う両端側には、それぞれテーパ部51fが設けられている。各テーパ部51fは、挿入凸部51eの窪み部35cへの係合動作を案内するものであって、コネクタユニット50をコネクタユニット収容部35に収容する際に、各位置決め突起34fにそれぞれ摺接するようになっている。これにより、作業者の手による組み立て作業であっても、コネクタユニット50をコネクタユニット収容部35の正規位置に容易に位置決めできるようになっている。ただし、テーパ部は、挿入凸部51eのみに設けるに限らず、挿入凸部51eおよび窪み部35cの双方に設けても良いし、窪み部35cのみに設けても良い。
コネクタ本体部51の貫通孔51cにおけるコンタクトプレート支持部51d側で、かつコネクタ本体部51の短手方向に沿う収容方向後端側には、貫通孔51cに隣接してコネクタ側接続ガイド孔51gが設けられている。コネクタ側接続ガイド孔51gは、コネクタ本体部51の板厚方向に沿って貫通して設けられ、コネクタ側接続ガイド孔51gの横断面形状は、角部が円弧形状に面取りされた略四角形形状に形成されている。
コネクタ側接続ガイド孔51gには、リヤワイパモータ10の組み立て時において、ブラシホルダ70のホルダ側接続ガイド突起71c(図11参照)が差し込まれるようになっており、これによりブラシホルダ収容部34に対するブラシホルダ70の誤組み付けを防止するようにしている。ここで、ブラシホルダ70の誤組み付けとは、例えば、ブラシホルダ収容部34に対してブラシホルダ70が正しい状態から上下反転した状態で組み付けられること等を指している。
コネクタ接続部52は、底壁部52aおよび側壁部52bを備え、コネクタ接続部52の底壁部52a側とは反対側には、外部コネクタが接続される側となる接続開口部52cが設けられている。つまり、コネクタ接続部52の外部コネクタが接続される側とは反対側には底壁部52aが設けられることになり、当該底壁部52aは、図10に示すようにコネクタ支持部35dの底壁部35eによって支持されている。また、コネクタ接続部52の側壁部52bの一部は、各支持突起52dを介してコネクタ支持部35dの側壁部35fの一部によって支持されている。
コネクタ接続部52には、コネクタ本体部51にまで延びるよう複数のオス型端子TM1がインサート成形により埋設されている。各オス型端子TM1の先端側はコネクタ接続部52内に露出しており、これにより各オス型端子TM1の先端側に、外部コネクタ側の複数のメス型端子(図示せず)が電気的に接続されるようになっている。
このようにコネクタユニット50を形成することで、リヤワイパモータ10の組み立て時において、コネクタユニット50のモータ部20側(図9参照)から、各メス型端子TM2に対してブラシホルダ70の各ブラシホルダ側オス型端子TM3(図11参照)が電気的に接続され、コネクタユニット50のギヤ部30側(図8参照)のスイッチングプレート32c(図7参照)に対して、各コンタクトプレートCP1〜CP3の先端側が接触するようになっている。
図11はブラシホルダをギヤ部側から見た斜視図を、図12はブラシホルダをモータ部側から見た斜視図を、図13は図1のE−E線に沿う部分断面図をそれぞれ表している。
図11〜13に示すように、ブラシホルダ70は、プラスチック等の樹脂材料を射出成形することにより所定形状に形成され、略小判形状に形成されたベース部71と、当該ベース部71の外周部分からアーマチュア軸24の軸方向に延びる外周壁部72とを備えている。外周壁部72は、ベース部71の周方向に向けて略平坦となった一対の平坦壁部72aと、ベース部71の周方向に向けて略曲面となった一対の曲面壁部72b,72cとを備えている。各平坦壁部72aおよび各曲面壁部72b,72cは、ベース部71を中心にそれぞれ対向して配置されている。ここで、図11,12においては、構成部品の説明を分かりやすくするために、導電部材(電気部品)に網掛けを施している。
ブラシホルダ70は、当該ブラシホルダ70のブラシホルダ収容部34に対する収容方向(図中左側)に向けて、先細り形状となっている。具体的には、各平坦壁部72a間の距離が、ブラシホルダ70の収容方向先端側(図中左側)ではT1となっており、ブラシホルダ70の収容方向後端側(図中右側)ではT1よりも若干大きいT2となっている(T1<T2)。なお、各曲面壁部72b,72c間の距離についても、各平坦壁部72a間の距離と同様の大小関係となっており、これによりブラシホルダ70を収容方向に向けて先細り形状としている。
このように、ブラシホルダ70を収容方向に向けて先細り形状とすることで、各平坦壁部72aおよび各曲面壁部72b,72c(外周壁部72)は、アーマチュア軸24の径方向に対してそれぞれ2.0°傾斜した傾斜面となっている(図14参照)。したがって、ブラシホルダ70は、ブラシホルダ70のブラシホルダ収容部34への収容時において、各円弧状壁部34a,34bおよび各直線状壁部34cにより案内され、一方の曲面壁部72bは一方の円弧状壁部34aに、他方の曲面壁部72cは他方の円弧状壁部34bに、各平坦壁部72aは各直線状壁部34cにそれぞれ密着するようになっている(図13参照)。つまり、作業者の手による組み立て作業であっても、ブラシホルダ70をブラシホルダ収容部34内に容易に収容でき、かつブラシホルダ70をブラシホルダ収容部34の正規位置に正確に位置決めできるようになっている。
ベース部71の略中央部分には、アーマチュア軸24(図1参照)が貫通する貫通孔71aが形成されている。貫通孔71aの内径寸法は、ボールベアリング28(図3参照)の外径寸法よりも若干大きい寸法に設定され、これによりリヤワイパモータ10の組み立て時において、ボールベアリング28を備えたアーマチュア軸24がベース部71を通過できるようになっている。
図11,13に示すように、ベース部71のコネクタユニット50側で、かつ貫通孔71aの曲面壁部72b側には、電気部品としてのバリスタVSを収容する収容壁部71bが一体に設けられている。収容壁部71bは、曲面壁部72bよりも外側に突出しており、ブラシホルダ70をブラシホルダ収容部34に収容する際に、円弧状壁部34aに形成した凹部34d(図5参照)内に入り込むようになっている。
ベース部71のコネクタユニット50側で、かつ貫通孔71aの曲面壁部72c側には、ホルダ側接続ガイド突起71cが一体に設けられている。ホルダ側接続ガイド突起71cは、貫通孔71aの中心軸よりも図中上方側に配置され、コネクタユニット50側に向かうにつれて先細り形状となっている。また、ホルダ側接続ガイド突起71cの横断面形状は、コネクタ側接続ガイド孔51gと同様に、角部が円弧形状に面取りされた略四角形形状に形成されている。
これにより、ブラシホルダ70がブラシホルダ収容部34に正しい状態で収容された際に、ホルダ側接続ガイド突起71cの根元がコネクタ側接続ガイド孔51gに嵌合するようになっている。ここで、例えば、ブラシホルダ70を上下反転させた状態、つまり間違った状態でブラシホルダ収容部34に臨ませると、ブラシホルダ70の収容方向に向けてホルダ側接続ガイド突起71cとコネクタ側接続ガイド孔51gとが対向せず、よってブラシホルダ70をブラシホルダ収容部34に収容することができない。このようにして、ブラシホルダ70の誤組み付けを防止している。
ここで、ホルダ側接続ガイド突起71cのベース部71からの突出量L1は、各ブラシホルダ側オス型端子TM3のベース部71からの突出量L2よりも大きくなっており(L1>L2)。これにより、ブラシホルダ70をブラシホルダ収容部34に誤組み付けしたとしても、各ブラシホルダ側オス型端子TM3の先端部がコネクタユニット50の裏面51bに接触することは無く、ひいては各ブラシホルダ側オス型端子TM3を折損等から保護できるようになっている。
ベース部71のコネクタユニット50側、つまりブラシホルダ70のギヤケース31への収容方向に沿う先端側で、ギヤケース31と対向する対向面71iには、合計4つの位置決め凹部71dが一体に設けられている。各位置決め凹部71dは、対向面71iの中心部(貫通孔71a)を挟んで対向するよう配置され、ベース部71の四隅、つまり外周壁部72を形成する各平坦壁部72aおよび各曲面壁部72b,72cのそれぞれの接続部分に設けられている。このように各位置決め凹部71dをベース部71の四隅に配置することで、ブラシホルダ70をブラシホルダ収容部34に収容する際に、各位置決め凹部71dとブラシホルダ収容部34の各位置決め突起34fとが、ブラシホルダ70の収容方向に向けて対向するようにしている。ただし、位置決め凹部71dにおいても、位置決め突起34fと同様に4つ設けなくても良く、対向面71iの中心部を挟んで対向するよう少なくとも2つ設ければ良い。
各位置決め凹部71dは、アーマチュア軸24の軸方向(ブラシホルダ70の収容方向)に面する底面SF3と、アーマチュア軸24の径方向(ブラシホルダ70の収容方向と直交する方向)に面する一対の内側面SF4とから形成されている。底面SF3は、ベース部71の対向面71iの一部によって形成され、各内側面SF4は、対向面71iからコネクタユニット50側に突出した略L字形状に形成された突出壁71eによって形成されている。
これにより、ブラシホルダ70をブラシホルダ収容部34に収容する際に、図13に示すように、各位置決め突起34fが各位置決め凹部71dにそれぞれ入り込んで互いに係合するようになっている。各位置決め凹部71dに各位置決め突起34fが係合すると、底面SF3は先端面SF1に、各内側面SF4は各外側面SF2にそれぞれ当接し、ブラシホルダ70のギヤケース31に対するガタが抑制される。
ここで、図11に示すように、各位置決め凹部71dを形成する各突出壁71eの先端側には、案内テーパ71fがそれぞれ設けられている。各案内テーパ71fは、各位置決め凹部71dへの各位置決め突起34fの係合動作を案内するようになっている。これにより、ブラシホルダ70をブラシホルダ収容部34の正規位置に容易に収容でき、ひいてはギヤケース31に対する各給電ブラシ25bの位置精度が向上する。よって、進角バラつきに起因するモータ特性のバラつきを抑制しつつ、磁気ノイズの発生を低減できるようになっている。ただし、テーパ部は、各突出壁71eの先端側のみに設けるに限らず、各突出壁71eの先端側および各位置決め突起34fの先端側(先端面SF1側)の双方に設けても良いし、各位置決め突起34fの先端側のみに設けても良い。
ベース部71の収容壁部71b側には、バリスタVSに隣接して一対のブラシホルダ側オス型端子(ブラシホルダ端子)TM3が設けられている。各ブラシホルダ側オス型端子TM3は、ベース部71をアーマチュア軸24の軸方向に向けて貫通するとともに、ベース部71に差し込み固定されている。各ブラシホルダ側オス型端子TM3の先端側は、図11に示すようにベース部71のコネクタユニット50側に配置され、各ブラシホルダ側オス型端子TM3の基端側は、図12に示すようにベース部71のモータ部20側に配置されている。
各ブラシホルダ側オス型端子TM3のコネクタユニット50側には、図11に示すように、バリスタVSと、電気部品としての一対のチョークコイルCCの一方側が電気的に接続されている。一方のチョークコイルCCはベース部71に、他方のチョークコイルCCは一方の平坦壁部72aに、それぞれ横たわるようにして設けられ、各チョークコイルCCは貫通孔71aを横切らないようになっている。
各ブラシホルダ側オス型端子TM3のモータ部20側には、図12に示すように、電気部品としてのコンデンサCDが電気的に接続され、当該コンデンサCDには、各ブラシホルダ側オス型端子TM3に加えて、ホルダ側第1アース端子ET1も電気的に接続されている。ここで、ホルダ側第1アース端子ET1は、ブラシホルダ70のブラシホルダ収容部34への収容状態において、ブラシホルダ収容部34の凹部34dに電気的に接続されるようになっている。
図12に示すように、ベース部71のモータ部20側で、かつ貫通孔71aの曲面壁部72c側には、一対の給電ブラシ25bおよび電気部品としてのサーキットブレーカCBが配置されている。各給電ブラシ25bは、ベース部71に一体に設けられた一対のブラシボックス71gに移動自在に保持され、サーキットブレーカCBは、ベース部71の各ブラシボックス71g間に一体に設けられた保持爪71hに保持されている。
図11,12に示すように、一方のチョークコイルCCの他方側は、サーキットブレーカCBを介して一方の給電ブラシ25bに電気的に接続され、他方のチョークコイルCCの他方側は、他方の給電ブラシ25bに電気的に接続されている。サーキットブレーカCBには、さらにホルダ側第2アース端子ET2も電気的に接続され、当該ホルダ側第2アース端子ET2は、ブラシホルダ70のブラシホルダ収容部34への収容状態において、ブラシホルダ収容部34の段差部34e(図5参照)に位置決めされつつ、段差部34eに電気的に接続されるようになっている。これにより、各ブラシホルダ側オス型端子TM3から各給電ブラシ25bに対して、外部コネクタからの駆動電流が供給されるようになっている。
次に、以上のように形成したリヤワイパモータ10の組み立て手順について、図面を用いて詳細に説明する。図14はコネクタユニットおよびブラシホルダのギヤケースへの収容手順を説明する説明図を、図15はコネクタユニットを収容したギヤケースをモータ部側から見た斜視図を、図16はギヤ部とモータ部との連結手順を説明する説明図をそれぞれ表している。
[準備工程(第1工程)]
まず、図14に示すように、別の製造工程で鋳造成形したギヤケース31(図5,6参照)、別の組立工程で組み立てられたコネクタユニット50(図8〜10参照)およびブラシホルダ70(図11〜13参照)を準備する。さらに、コネクタユニット50およびブラシホルダ70を組み付けた後に、ギヤケース31に組み付けられるウォームホイール32,運動変換機構40,ストッパプレート60,モータ部20等(図1参照)を準備する。
[コネクタユニット収容工程(第2工程)]
準備工程に引き続き、コネクタユニット収容工程へ移行する。コネクタユニット収容工程では、まず、コネクタユニット50を、ギヤケース31の装着開口部31c側(図中上側)に位置させる。このとき、コネクタユニット50の挿入凸部51eを、ギヤケース31の装着開口部31cに向けつつ、コネクタユニット収容部35に臨ませる。その後、図中破線矢印(1)に示すように、作業者の手または組立装置(何れも図示せず)によって、コネクタユニット50をギヤケース31に向けて徐々に移動させ、コネクタユニット50をコネクタユニット収容部35に収容していく。
ここで、コネクタ本体部51はコネクタユニット収容部35に収容されていくが、コネクタ本体部51の表面51aと裏面51b、およびコネクタユニット収容部35のモータ部側壁部35aとギヤ部側壁部35bは、1.5°傾斜した傾斜面となっており、これが収容作業の案内として機能する。つまり、コネクタユニット50がギヤケース31に対して、アーマチュア軸24の軸方向(図中左右方向)に若干ずれていたとしても、コネクタユニット50はコネクタユニット収容部35に対して、収容作業の過程で自動的に正規位置に位置決めされる。これにより、コネクタユニット50をコネクタユニット収容部35に容易に収容可能となっている。
コネクタユニット50のコネクタユニット収容部35への収容作業の後半においては、挿入凸部51eが、当該挿入凸部51eに設けた各テーパ部51fに案内されて、各位置決め突起34f間に形成された窪み部35cに挿入される。さらには、コネクタ接続部52の底壁部52aがコネクタ支持部35dの底壁部35e(図1,5参照)に支持されるとともに、コネクタ接続部52の側壁部52bが各支持突起52dを介してコネクタ支持部35dの側壁部35f(図1,5参照)に支持される。これにより、コネクタユニット50がギヤケース31に対して、アーマチュア軸24の周方向に若干傾いていたとしても、コネクタユニット50はコネクタユニット収容部35に対して、収容作業の過程で自動的に正規位置に位置決めされる。これにより、コネクタユニット50をコネクタユニット収容部35に容易に収容可能となっている。
また、コネクタユニット50のコネクタユニット収容部35への収容作業の後半において、コネクタユニット50に設けたアース端子ETが、モータ部側壁部35aに摺接しつつ電気的に接続される。
このようにして、コネクタユニット50はコネクタユニット収容部35に収容され、コネクタユニット50の各コンタクトプレートCP1〜CP3はウォームホイール32側(図1参照)に、コネクタユニット50の各メス型端子TM2の接続側(図中右側)はブラシホルダ70側にそれぞれ配置される。これにより、コネクタユニット収容工程が完了する。
ここで、コネクタユニット50の裏面51b側(モータ部20側)は、端子の突出等が無い略平滑面となっているため、コネクタユニット50のコネクタユニット収容部35への組み付け方向性を分かり易くしつつ、ブラシホルダ収容部34の形状を簡素化できるようになっている。
[ブラシホルダ収容工程(第3工程)]
コネクタユニット収容工程に引き続き、ブラシホルダ収容工程に移行する。ブラシホルダ収容工程では、まず、ブラシホルダ70を、ギヤケース31のモータ部20側(図中右側)に位置させる。このとき、ブラシホルダ70のホルダ側接続ガイド突起71cおよび各ブラシホルダ側オス型端子TM3が突出する側を、ブラシホルダ収容部34の開口部に向けて臨ませる。その後、図14の破線矢印(1)に示すコネクタユニット50の収容方向と交差(直交)する方向の図11,14,15の破線矢印(2)に示す方向から、作業者の手または組立装置によって、ブラシホルダ70をギヤケース31に向けて徐々に移動させ、ブラシホルダ70をブラシホルダ収容部34に収容していく。
このとき、ブラシホルダ70を、ギヤケース31に対して正しい状態から上下方向に反転した間違った状態とならないようにする。ここで、ホルダ側接続ガイド突起71cは、貫通孔71a(図11参照)の中心軸から偏心(オフセット)した位置にあり、また、図15に示すように、ギヤケース31に収容したコネクタユニット50のコネクタ側接続ガイド孔51gをブラシホルダ収容部34の開口部から覗けるため、誤組み付けを確実に防止できる。
さらには、収容壁部71bと凹部34dとを整合させ、かつホルダ側第2アース端子ET2(図12参照)と段差部34eとを整合させるため、これらはブラシホルダ70をブラシホルダ収容部34に収容する前段階で、作業者による目視等により容易に確認することができ、ひいては誤組み付けをより確実に防止できるようになっている。
ブラシホルダ70はブラシホルダ収容部34に収容されていくが、ブラシホルダ70の外周壁部72と、ブラシホルダ収容部34の各円弧状壁部34a,34bおよび各直線状壁部34cとは、それぞれ2.0°傾斜した傾斜面となっており、これが収容作業の案内として機能する。つまり、ブラシホルダ70がギヤケース31に対して、アーマチュア軸24の径方向(図中上下方向)に若干ずれていたり、アーマチュア軸24の周方向に若干傾いていたりしても、ブラシホルダ70はブラシホルダ収容部34に対して、収容作業の過程で自動的に正規位置に位置決めされる。これにより、ブラシホルダ70をブラシホルダ収容部34に容易に収容可能となっている。
ブラシホルダ70のブラシホルダ収容部34への収容作業を進めていくと、まず、ホルダ側接続ガイド突起71cがコネクタ側接続ガイド孔51gに入り込み、次いでギヤケース31内で各ブラシホルダ側オス型端子TM3が各メス型端子TM2に徐々に接続されていく。これにより、ブラシホルダ70がコネクタユニット50に電気的に接続され、コネクタユニット50からの駆動電流を、ブラシホルダ70を介してモータ部20に流せるようになる。
ここで、各ブラシホルダ側オス型端子TM3は、ブラシホルダ70の収容方向に突出しているので、収容する際に各ブラシホルダ側オス型端子TM3を逃がすための所謂「逃げ」を、ギヤケース31のブラシホルダ収容部34に設ける必要が無い。よって、ギヤケース31の形状を簡素化できるようになっている。
ブラシホルダ70のブラシホルダ収容部34への収容作業の後半においては、ベース部71に設けた各位置決め凹部71dに、ブラシホルダ収容部34の各位置決め突起34fが入り込む。このとき、各位置決め凹部71dの各案内テーパ71f(図11参照)が、各位置決め突起34fの各位置決め凹部71dへの嵌合を案内するようになっており、これによりブラシホルダ70はブラシホルダ収容部34に対して、容易かつ正確に正規位置に位置決めされつつ収容される。
また、ブラシホルダ70のブラシホルダ収容部34への収容作業の後半において、ブラシホルダ70に設けた各アース端子ET1,ET2が、ブラシホルダ収容部34の各円弧状壁部34a,34bにそれぞれ摺接しつつ電気的に接続される。
その後、図13に示すように、ブラシホルダ収容部34の末端部ES1の位置と、ブラシホルダ70の末端部ES2の位置とが、アーマチュア軸24の軸方向に対して一致するまでブラシホルダ70をブラシホルダ収容部34に押し進める。これにより、各位置決め凹部71dの底面SF3(図11参照)が各位置決め突起34fの先端面SF1(図5参照)に当接するとともに、各位置決め凹部71dの各内側面SF4(図11参照)が各位置決め突起34fの各外側面SF2(図5参照)にそれぞれ当接し、ブラシホルダ70のブラシホルダ収容部34への収容が完了する。
ここで、上記のように末端部ES1の位置および末端部ES2の位置が一致したことを確認することで、ブラシホルダ70のブラシホルダ収容部34への完全な収容、つまりブラシホルダ収容工程が完了する。これは言い換えれば、末端部ES1の位置および末端部ES2の位置が一致しない場合には、ブラシホルダ70がブラシホルダ収容部34に対して誤組み付けされていると判断できる。これにより、目視することができない各ブラシホルダ側オス型端子TM3と各メス型端子TM2との電気的な接続についても、外部から把握可能となっている。
[モータ部連結工程(第4工程)]
ブラシホルダ収容工程に引き続き、モータ部連結工程に移行する。モータ部連結工程では、まず、モータケース21に4つのマグネット22を固定するとともに、コンミテータ25やボールベアリング28等を組み付けたアーマチュア軸24を組み付けた状態のモータ部20(図1参照)を、図16の破線矢印(3)に示すように、ギヤケース31のブラシホルダ収容部34、つまりギヤ部30に臨ませる。このとき、モータ部20のモータケース21から延出したウォームギヤ24a側を、ブラシホルダ収容部34に向けるようにする。
そして、ウォームギヤ24aおよびボールベアリング28を、ブラシホルダ70の貫通孔71a(図11参照)およびコネクタユニット50の貫通孔51c(図8参照)に挿通する。その後さらに、モータ部20をギヤケース31に向けて移動させ、これによりウォームギヤ24aをギヤケース31の貫通孔37(図3参照)に挿通させる。
ここで、ブラシホルダ70に設けた各給電ブラシ25b(図12参照)は、コンミテータ25に対して後退した位置から前進した位置に向けて、コンミテータ25の装着に伴って移動し、これによりコネクタユニット50とモータ部20とがブラシホルダ70を介して電気的に接続される。その後、ギヤケース31に対してモータ部20をさらに移動させることで、モータケース21のフランジ部21bをブラシホルダ収容部34の末端部ES1に当接させる。これにより、ベアリング嵌合部36にボールベアリング28の外輪部材28bが嵌合する。そして、図示しない締結工具(電動ネジ回し等)によって、図中破線矢印(4)に示すように各締結ネジ11を所定の締め付けトルクで締め付ける。
次に、ストッパプレート60における切欠部61aの開口側を、ギヤケース31の装着開口部31cと対向させ、図中破線矢印(5)に示すように、ストッパプレート60をアーマチュア軸24の径方向から臨ませて、ストッパプレート差し込み部38にストッパプレート60を差し込んでいく。すると、各ベアリング支持凸部61b(図4参照)が外輪部材28bに当接しつつ、各被差し込み部62がストッパプレート差し込み部38に入り込む。これにより、ストッパプレート60は弾性変形しつつ外輪部材28bを押圧し、ボールベアリング28はベアリング嵌合部36で強固に固定される(図3参照)。
ここで、ストッパプレート60のストッパプレート差し込み部38への差し込み量は、アーマチュア軸24が挿通される貫通孔37の中心軸を基準として定められており、したがって、ストッパプレート60の装着方向に沿う先端部分と、ストッパプレート差し込み部38の底部(底部31a)との間には所定のクリアランスが形成されることになる。このように、貫通孔37の中心軸を基準にストッパプレート60のストッパプレート差し込み部38への差し込み量を一定とすることで、モータ部20およびその他の各構成部品の製造精度のバラつきを吸収できるようにしている。これにより、モータ部20およびその他の各構成部品の製造精度のバラつきに左右されること無く、ストッパプレート60を確実に装着させることができ、ひいてはリヤワイパモータ10の組み立て性を向上させつつ、ボールベアリング28のギヤケース31内でのガタつきを防止できるようにしている。
ストッパプレート60をストッパプレート差し込み部38に装着した後は、ウォームホイール32を装着開口部31cからギヤケース31内に装着するとともに、揺動リンク41が固定された出力軸33(図1参照)を装着開口部31cからギヤケース31内に装着する。ここで、図7に示すように、ウォームホイール32のスイッチングプレート32cが装着された側を、各コンタクトプレートCP1〜CP3と対向させるようにする。
次いで、連結板42および摺接板43(図1参照)をその順番で揺動リンク41とウォームホイール32との間に装着し、これによりギヤケース31内への各部品の装着が完了する。その後、ギヤケース31の装着開口部31cにギヤカバーを装着し、当該ギヤカバーをギヤケース31に複数の固定ネジ(図示せず)を介して固定する。ここで、ギヤカバーはコネクタ接続部52の接続開口部52cを閉塞することは無い。これにより、ギヤカバーによって摺接板43およびコネクタユニット50のコネクタ本体部51が支持されて、モータ部連結工程が完了し、リヤワイパモータ10が完成する。
以上詳述したように、第1実施の形態に係るリヤワイパモータ10によれば、コネクタユニット50のギヤケース31への収容方向に沿う先端側に挿入凸部51eを設け、ギヤケース31には挿入凸部51eと係合してコネクタユニット50をギヤケース31の正規位置に位置決めする窪み部35cを設け、コネクタユニット50およびブラシホルダ70を、リヤワイパモータ10の組み立て時にギヤケース31内で接続した。
これにより、コネクタユニット50をギヤケース31に対して精度良く位置決めすることができ、ギヤケース31内においてブラシホルダ70とコネクタユニット50とを容易かつ正確に接続できる。コネクタユニット50およびブラシホルダ70は、それぞれ個別にギヤケース31内に収容され、ギヤケース31内で互いに接続されるので、従前のようにリヤワイパモータ10の組立時にコネクタユニット50およびブラシホルダ70を予め接続しておく必要が無く、リヤワイパモータ10の組み立て作業性を向上させることができる。
また、第1実施の形態に係るリヤワイパモータ10によれば、挿入凸部51eの長手方向に沿う両端側に、挿入凸部51eの窪み部35cへの係合動作を案内するテーパ部51fを設けた。これにより、コネクタユニット50のギヤケース31への収容時において、挿入凸部51eは容易に窪み部35cに入り込むことができ、ひいてはリヤワイパモータ10の組み立て作業性をより向上させることができる。
次に、本発明の第2実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図17は第2実施の形態に係るリヤワイパモータのギヤ部を示す平面図を表している。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図17に示すように、第2実施の形態に係るリヤワイパモータ(モータ装置)80は、第1実施の形態に係るリヤワイパモータ10(図1参照)に比して、出力軸33の位置および運動変換機構90の構造が異なっている。
リヤワイパモータ80の出力軸33は、ギヤケース(ケーシング)81のウォームホイール32を挟んでアーマチュア軸24側とは反対側に配置されている。これにより、リヤワイパモータ80においては、第1実施の形態に比して、アーマチュア軸24の軸方向に沿う寸法を詰められるようになっている。
リヤワイパモータ80の運動変換機構90は、ピニオンギヤ91,運動変換部材92,連結板42および摺接板43を備えている。ピニオンギヤ91は出力軸33の基端側に固定され、出力軸33とともに揺動するようになっている。
運動変換部材92は、ピニオンギヤ91と噛み合うセクタギヤ92aと、第2連結ピンP2を介してウォームホイール32の偏心位置に回動自在に連結されるアーム部92bとを備えている。セクタギヤ92aの中心部分には第1連結ピンP1が設けられ、当該第1連結ピンP1と出力軸33との間には、連結板42が設けられている。具体的には、連結板42の長手方向一端側は出力軸33の基端側に回動自在に連結され、連結板42の長手方向他端側は第1連結ピンP1に回動自在に連結されている。このように、本実施の形態に係る連結板42は、出力軸33と第1連結ピンP1との距離を一定に保ち、ピニオンギヤ91とセクタギヤ92aとの噛み合いを維持するようになっている。
リヤワイパモータ80の運動変換機構90においても、ウォームホイール32の回転運動を出力軸33の揺動運動に変換するようになっている。具体的には、ウォームホイール32の回転に伴い第2連結ピンP2がホイール軸32bを中心に回転すると(二点鎖線矢印R参照)、運動変換部材92のアーム部92bもホイール軸32bを中心に回転する。これにより、セクタギヤ92aが第1連結ピンP1を中心に揺動し、その結果、セクタギヤ92aに噛み合うピニオンギヤ91、つまり出力軸33が揺動する(二点鎖線矢印S参照)。
以上詳述したように、第2実施の形態に係るリヤワイパモータ80においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
次に、本発明の第3実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図18は第3実施の形態に係る図2に対応した部分断面図を表している。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図18に示すように、第3実施の形態に係るモータ部100は、断面が正6角形のモータケース101を備え、当該モータケース101の各辺部101aの内側には、板状マグネット102がそれぞれ固定されている。各板状マグネット102は、ネオジウム磁石により断面が略長方形形状に形成されている。また、コンミテータ25は9個のセグメント25aを備え、これに対応してアーマチュアコア26は9個のスロット26aを備えている。
このように構成した第3実施の形態においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第3実施の形態においては、各板状マグネット102を各辺部101aにそれぞれ固定するので、互いに平面同士の固定となり、各板状マグネット102のモータケース101に対する固定強度を向上させることができる。また、各板状マグネット102を、大きな磁力を発生するネオジウム磁石としたので、フェライト磁石を用いた第1実施の形態に比して、より小型軽量化を図ることができる。
ここで、上述した各実施の形態におけるモータ部20,100(図2,18参照)の仕様、つまりモータケースの断面形状,磁石の種類,磁石の個数,セグメント数およびスロット数等は、それぞれ自由に設定することができる。例えば、モータ部20の各マグネット22(フェライト磁石)に換えて、各板状マグネット(ネオジウム磁石)を採用することもできる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態においては、コネクタユニット50に挿入凸部51eを設け、ギヤケース31に窪み部35cを設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、凹凸関係を逆にしても良い。つまり、コネクタユニット50に窪み部を設け、ギヤケース31に挿入凸部を設けるようにしても良い。この場合、コネクタユニット50の窪み部が本発明における係合部となり、ギヤケース31の挿入凸部が本発明における被係合部となる。
また、上記各実施の形態においては、ブラシホルダ70に位置決め凹部71dを設け、ギヤケース31に位置決め突起34fを設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、凹凸関係を逆にしても良い。つまり、ブラシホルダ70に位置決め突起を設け、ギヤケース31に位置決め凹部を設けるようにしても良い。
さらに、上記各実施の形態においては、コネクタユニット50のコネクタ本体部51とコネクタ接続部52とを、ブラシホルダ70の接続方向と外部コネクタの接続方向とが直交(90度)するよう一体に設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、リヤワイパモータ10が搭載される搭載スペースの形状(広狭)等に合わせて、例えば60度等で交差させても良い。
また、上記各実施の形態においては、モータ部連結工程にて、モータケース21にマグネット22を固定するとともに、コンミテータ25やボールベアリング28等を組み付けたアーマチュア軸24を組み付けた状態のモータ部20を、ギヤ部30に臨ませることが示されているが、本発明はこれに限らず、モータケース21からアーマチュア軸24を取り外した状態で、アーマチュア軸24をギヤ部30に臨ませても良い。その際の組み付け順序としては、ブラシホルダ収容工程に引き続き、コンミテータ25やボールベアリング28等を組み付けたアーマチュア軸24をギヤ部30に臨ませ、ボールベアリング28がベアリング嵌合部36の嵌合位置まで到達するようアーマチュア軸24を挿入した後、ストッパプレート差し込み部38にストッパプレート60を差し込んでいく。その後、モータケース21とギヤケース31とを組み付けた後、ウォームホイール32等をギヤケース31に対して組み付けていくこととなる。
さらに、上記各実施の形態においては、ウォームギヤ24aおよびウォームホイール32からなる減速機構(ウォーム減速機)を採用したものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば減速機構として遊星歯車減速機を採用することもできる。この場合、例えばサンギヤを入力側(アーマチュア軸24側)のギヤとし、リングギヤを出力側(出力軸33側)のギヤとすれば良い。
また、上記各実施の形態においては、モータ装置として、リヤワイパモータ10であるものを示したが、本発明はこれに限らず、自動車等の車両に搭載されるパワーウィンド装置,電動サンルーフ装置,電動シート装置等の駆動源として用いられるモータ装置にも適用することができる。