以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。なお、図4〜図6の各図はZ軸方向下方から後述するヘッドユニット4を見た図である。
第1実施形態による部品実装装置100は、図1に示すように、基台1と、基台1上に配置されX方向に基板110を搬送する基板搬送装置2と、部品供給部3と、部品実装用のヘッドユニット4とを備えている。
基板搬送装置2は、基板110の搬送方向(X方向)に延びる一対のコンベア2aを有している。一対のコンベア2aは、X1方向側から基板110を受け入れて所定の実装作業位置に搬送するとともに、実装作業後に、作業済みの基板110をX2方向側に搬出するように構成されている。
部品供給部3は、基板搬送装置2の前方側(Y2方向側)および後方側(Y1方向側)に配置されている。部品供給部3には、基板搬送装置2に沿ってX方向に並ぶ複数のテープフィーダ3aが配置されている。これらのテープフィーダ3aには、IC、トランジスタおよびコンデンサ等の部品10が収納されている。そして、テープフィーダ3aは、間欠的にテープを繰り出しながら部品10を基板搬送装置2近傍の所定の部品供給位置に供給するように構成されている。
ヘッドユニット4は、後述する吸着ノズル42を介して部品供給部3から供給される部品10を吸着して基板110に実装する機能を有している。ヘッドユニット4は、基板110の搬送方向(X方向)および前後方向(Y方向)に移動可能に構成されている。具体的には、ヘッドユニット4は、X方向に延びるユニット支持部材5によりX方向に移動可能に支持されている。また、ヘッドユニット4は、X軸モータ6aによりボールねじ軸6bが回動されることによってX方向に移動される。ユニット支持部材5は、Y方向に延びる一対の固定レール1bを介して、一対の高架フレーム1aによりY方向に移動可能に支持されている。ユニット支持部材5は、Y軸モータ7aによりボールねじ軸7bが回動されることによってY方向に移動される。
また、ヘッドユニット4は、部品吸着用の複数の吸着ノズル42がそれぞれ取り付けられる3つのロータリーヘッド41を備えている。具体的には、図4に示すように、3つのロータリーヘッド41には、それぞれ、円形状に等間隔で8個の吸着ノズル42が取り付けられている。また、図2に示すように、3つのロータリーヘッド41は、それぞれに対応してヘッドユニット4に取り付けられたR軸モータ41aの駆動により、互いに独立して、鉛直軸線を回動中心としてR方向に回動可能に構成されている。なお、ロータリーヘッド41の回転中心軸となる鉛直軸線を、図4においてVで表記する。また、各ロータリーヘッド41の回転中心の周囲に配置され部品を吸着する複数の吸着ノズルを含む実装用ヘッドと複数の吸着ノズル42は、各ロータリーヘッド41に取り付けられたZ軸モータ41bの駆動により、互いに独立して、昇降(Z方向の移動)可能に構成されている。なお、ロータリーヘッド41は、本発明の「実装用ヘッド」の一例である。
ここで、部品実装装置100には、図1に示すように基板搬送装置2のY方向両外側には、ヘッドユニット4の吸着ノズル42に吸着された状態の部品10を撮像する部品撮像装置8がそれぞれ設けられている。部品撮像装置8は、ヘッドユニット4により部品供給部3から取り出された部品10の保持状態を認識するために設けられている。また、部品撮像装置8は、図3に示すように、ライン撮像を行うラインセンサカメラ8aと、部品10に対して撮像用の照明光を照射する照明装置8bとを備えている。部品撮像装置8は、ヘッドユニット4により吸着された部品10がX方向(X1方向あるいはX2方向)に移動する間に、部品10をその下方から撮像するように構成されている。なお、部品撮像装置8は、本発明の「撮像部」の一例である。
詳細には、ラインセンサカメラ8aには撮像素子が直線状に並ぶ1ラインの撮像素子列8aaが含まれており、図4に示すように、この撮像素子列8aaの方向がY方向となるようにラインセンサカメラ8aが基台1上に設置されている。そして、部品撮像装置8(ラインセンサカメラ8a)の上方をX方向に移動する部品10に対して、Y方向に1ラインとなるライン撮像を所定の微小時間毎に実施する。これにより、X方向に並ぶライン画像の集合からなる1個または複数個の部品10の画像を含む撮像画像が得られる。すなわち、吸着ノズル42に吸着された1個または複数個の部品10のX方向の一方側(移動方向がX1方向の場合X1方向側)端部から移動方向へ所定距離の位置x1から、他方側(移動方向がX1方向の場合X2方向側)端部から反移動方向へ所定距離の位置x2の間が、X方向の撮像範囲D1(D2)と決められる。この撮像範囲D1(D2)を撮像して得られるY方向の撮像素子列8aaの長さW、X方向の撮像範囲D1(D2)の矩形の撮像領域A1(A2)の撮像画像10bから、各部品10の大きさに応じた部品画像領域10a(図5参照)が、画像処理部94(図2参照)により切り出される。この部品画像領域10aに基づき、画像中の部品10について吸着ノズル42に対する位置ずれ量(X方向、Y方向およびR方向の各量)が検出される。
部品実装装置100は、図2に示すように、その動作を統括的に制御する制御装置9をさらに備えている。制御装置9は、CPUからなる主制御部91と、駆動制御部92と、撮像制御部93と、画像処理部94と、バルブ制御部95と、記憶部96とを含む。なお、制御装置9は、本発明の「制御部」の一例である。
主制御部91は、記憶部96に記憶されている実装プログラムに従い、駆動制御部92を介して部品実装装置100の各駆動機構を総合的に制御する機能を有している。また、主制御部91は、撮像制御部93を介して、部品撮像装置8を制御するように構成されている。また、主制御部91は、画像処理部94を介して、ラインセンサカメラ8aからの画像データに所定の画像処理を施すように構成されている。また、主制御部91は、処理した画像に基づいて、吸着ノズル42に吸着された部品10の保持状態を認識するように構成されている。また、主制御部91は、バルブ制御部95を介して、ヘッドユニット4に設けられた負圧供給バルブ(負圧発生器)43を制御することにより、吸着ノズル42による部品10の吸着動作および実装動作を制御するように構成されている。負圧供給バルブ43は、吸着前から部品吸着を経て吸着ノズル42が部品実装位置上方へ移動し下降途中までの間、負圧発生源(図示せず)と吸着ノズル42内部を連通し、吸着ノズル42が下降端に到着する前に正圧発生源(図示せず)へ切り替え連通する。また、記憶部96には、実装部品の種類やサイズなどの情報を含む部品情報が格納されている。主制御部91は、記憶部96に格納された部品情報に基づいて実装部品に応じた制御を行うように構成されている。
駆動制御部92は、基板搬送装置2の駆動を制御して、基板110の搬送を制御するように構成されている。また、駆動制御部92は、X軸モータ6aの駆動を制御して、ヘッドユニット4の搬送方向(X方向)の移動を制御するように構成されている。また、駆動制御部92は、Y軸モータ7aの駆動を制御して、ヘッドユニット4の前後方向(Y方向)の移動を制御するように構成されている。また、駆動制御部92は、R軸モータ41aの駆動を制御して、ロータリーヘッド41を回動(回転)させるように構成されている。また、駆動制御部92は、Z軸モータ41bの駆動を制御して、ロータリーヘッド41の複数の吸着ノズル42をそれぞれ昇降(Z方向の移動)させるように構成されている。
撮像制御部93は、部品撮像装置8による吸着ノズル42に吸着された状態の部品10の撮像を制御するように構成されている。具体的には、撮像制御部93は、吸着ノズル42に部品10を吸着させた状態で、ヘッドユニット4(ロータリーヘッド41)を部品撮像装置8(ラインセンサカメラ8a)に対してX1方向(各実装ターンにおける吸着対象の複数の部品10の内、最後の部品を吸着する時のヘッドユニット4の位置が、部品撮像装置8のX2方向側にある場合はX1方向。一方、部品撮像装置8のX1方向側にある場合はX2方向。なお、実装ターンとは、部品供給部3における最多で吸着ノズル42の数と同数の部品吸着、ヘッドユニット4を移動しつつの部品撮像装置8による吸着された部品10の撮像を経て、ヘッドユニット4を基板110上方まで移動し、基板110への実装を実施し、再びヘッドユニット4が部品供給部3上方まで戻るまでの工程を言う)に相対移動させて、吸着ノズル42に吸着された状態の部品10をラインセンサカメラ8aによりライン撮像する制御を行うように構成されている。また、撮像制御部93は、部品撮像装置8の照明装置8bによる部品10への撮像用の照明光の照射を制御するように構成されている。
ここで、第1実施形態では、制御装置9は、部品撮像装置8による複数の吸着ノズル42のうちの一部に吸着された状態の部品10を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させる制御を行うように構成されている。具体的には、制御装置9は、ヘッドユニット4を部品撮像装置8(ラインセンサカメラ8a)に対して相対的に移動させながら、吸着ノズル42に吸着された状態の部品10に対するラインセンサカメラ8aによるライン撮像を所定の微小時間毎に実施するように構成されている。そして、制御装置9は、ラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際に、ヘッドユニット4を移動させる方向(X方向)の撮像距離を短くして撮像範囲が小さくなるように、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させる制御を行うように構成されている。
たとえば、図5に示す例では、制御装置9は、吸着ノズル42に吸着された状態の部品10をラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際に、X1方向側のロータリーヘッド41を時計回りに90度回転(回動)させる制御を行う。つまり、図5に示す例では、ロータリーヘッド41の回転前では、吸着ノズル42に吸着された2個の部品10が、1つのロータリーヘッド41のX方向に対して反対側に位置した状態である。この場合、撮像領域A1におけるX方向の撮像範囲の長さはD1となる。この場合、ヘッドユニット4をX方向にD1移動させながら撮像することになる。
これに対して、ロータリーヘッド41の回転後では、吸着ノズル42に吸着された2個の部品10は、ロータリーヘッド41の回転により、1つのロータリーヘッド41のY方向に対して反対側に位置した状態に移動される。この場合、撮像領域A2におけるX方向の撮像範囲の長さは、D1よりも短いD2となる。この場合、吸着ノズル42に吸着された状態の2個の部品10をラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際に、ヘッドユニット4をX方向にD1よりも短いD2移動させながら撮像することになる。これにより、ロータリーヘッド41を回転させることによって、撮像距離が短くなり撮像範囲が小さくなる。
また、図6に示す例では、図5に示す例とは異なり、複数のロータリーヘッド41をトータルで考えて撮像範囲が小さくなるように、複数のロータリーヘッド41が回転される。具体的には、制御装置9は、吸着ノズル42に吸着された状態の部品10をラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際に、中央のロータリーヘッド41を反時計回りに90度回転(回動)させるとともに、X1方向側のロータリーヘッド41を時計回りに90度回転(回動)させる制御を行う。つまり、図6に示す例では、3つのロータリーヘッド41のうち、隣接する中央のロータリーヘッド41およびX1方向側のロータリーヘッド41に、それぞれ、5個ずつ部品10が保持されている。ロータリーヘッド41の回転前では、中央のロータリーヘッド41およびX1方向側のロータリーヘッド41には、それぞれ、5個の部品10が、X1方向に対して時計周りに0度、45度、90度、135度および180度の位置に吸着されている。この場合、撮像領域A3におけるX方向の撮像範囲の長さはD3となる。つまり、ロータリーヘッド41を回転させずに、吸着ノズル42に吸着された状態の10個の部品10をラインセンサカメラ8aによりライン撮像した場合、ヘッドユニット4をX方向にD3移動させながら撮像することになる。
これに対して、ロータリーヘッド41の回転後では、中央のロータリーヘッド41の吸着ノズル42に吸着された5個の部品10は、ロータリーヘッド41の回転により、それぞれ、X1方向に対して時計周りに−90度、−45度、0度、45度および90度の位置に移動される。また、X1方向側のロータリーヘッド41の吸着ノズル42に吸着された5個の部品10は、ロータリーヘッド41の回転により、それぞれ、X1方向に対して時計周りに90度、135度、180度、225度および270度の位置に移動される。この場合、撮像領域A4におけるX方向の撮像範囲の長さは、D3よりも短いD4となる。つまり、吸着ノズル42に吸着された状態の10個の部品10をラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際に、ヘッドユニットをD3よりも短いD4移動させながら撮像することになる。これにより、ロータリーヘッド41を回転させることによって、撮像距離が短くなり撮像範囲が小さくなる。
なお、撮像範囲が最小になるようにロータリーヘッド41を回転させることが好ましいが、ロータリーヘッド41の回転前(部品10の吸着直後)に比べて撮像範囲が小さくなるように回転させれば、撮像範囲が最小にならなくてもよい。
また、第1実施形態では、制御装置9は、各回における実装ターンにおいて、最後の部品10を吸着した位置から撮像位置にヘッドユニット4(ロータリーヘッド41)を移動させながら、部品撮像装置8(ラインセンサカメラ8a)による吸着ノズル42に吸着された状態の部品10を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させる制御を行うように構成されている。具体的には、制御装置9は、ロータリーヘッド41が吸着ノズル42を介して部品10を吸着する部品供給部3の上方の位置から、部品撮像装置8の上方の撮像開始位置に移動する間に、ロータリーヘッド41が部品10を最後に吸着した状態から、撮像範囲が小さくなる状態にロータリーヘッド41を回転させる制御を行うように構成されている。
また、制御装置9は、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させる制御を行い、吸着ノズル42に部品10が吸着されている範囲は、部品撮像装置8による撮像を行うとともに、吸着ノズル42に部品10が吸着されていない範囲は、部品撮像装置8による撮像を行わないように構成されている。たとえば、図5に示す例では、制御装置9は、X方向においてD2の撮像範囲分だけラインセンサカメラ8aによる撮像を行う。また、図6に示す例では、制御装置9は、X方向においてD4の撮像範囲分だけラインセンサカメラ8aによる撮像を行う。
次に、図7を参照して、部品実装装置100の制御装置9が行う部品撮像処理について説明する。
ステップS1において、制御装置9は、吸着グループの決定を行う。具体的には、制御装置9は、記憶部96に記憶されている実装プログラムに基づいて、各実装ターン毎に吸着する部品10に対応する吸着ノズル42および吸着順序を決定する。制御装置9は、ステップS2において、ロータリーヘッド41の回転角度を決定する。具体的には、制御装置9は、部品10の吸着位置に基づいて、部品撮像の際のヘッドユニット4を移動させる方向(X方向)の撮像距離が短くなるような3つのロータリーヘッド41の回転角度位置を決定する。
制御装置9は、ステップS3において、撮像条件を設定する。具体的には、制御装置9は、部品撮像の際のヘッドユニット4(ロータリーヘッド41)におけるX方向の撮像開始位置およびX方向の撮像終了位置を設定する。つまり、制御装置9は、部品撮像の際に、部品撮像装置8の上方を通過させるヘッドユニット4(ロータリーヘッド41)のX方向の範囲を設定する。また、制御装置9は、部品撮像の際の照明装置8bによる照明の条件を設定する。
制御装置9は、ステップS4において、ステップS1において決定した吸着グループに基づいて、ロータリーヘッド41の吸着ノズル42により部品10を吸着させる制御を行う。制御装置9は、ステップS5において、部品撮像前に、ステップS2において決定した3つのロータリーヘッド41の回転角度位置に基づいて、3つのロータリーヘッド41をそれぞれ回転させる制御を行う。
制御装置9は、ステップS6において、ヘッドユニット4の吸着ノズル42に吸着された状態の部品10を、部品撮像装置8(ラインセンサカメラ8a)により撮像する制御を行う。その後、部品撮像処理を終了する。
第1実施形態では、上記のように、部品撮像装置8により複数の吸着ノズル42のうちの一部に吸着された状態の部品10を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させる制御を行う制御装置9を設けることによって、部品10を撮像する際の撮像範囲が小さくなるので、複数の部品10を同時に撮像するために部品撮像装置8の個数を増加させる必要がない。また、部品10を撮像する際の撮像範囲が小さくなるので、その分、部品10の撮像時間を短縮することができる。したがって、この部品実装装置100では、部品10を撮像するための部品撮像装置8の数が増加するのを抑制しながら、部品10の撮像時間(撮像動作のタクトタイム)の短縮を図ることができる。また、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させることにより、部品10を撮像する際の撮像範囲を容易に小さくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御装置9を、吸着ノズル42に部品10を吸着させた状態で、ロータリーヘッド41を部品撮像装置8のラインセンサカメラ8aに対してX方向に相対移動させて、吸着ノズル42に吸着された状態の部品10を部品撮像装置8のラインセンサカメラ8aにより撮像するとともに、X方向の撮像距離を短くして撮像範囲が小さくなるように、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させる制御を行うように構成する。これにより、部品撮像の際のラインセンサカメラ8aに対するロータリーヘッド41の相対移動の距離を短くすることができるので、ラインセンサカメラ8aにより部品10を撮像する場合において、部品10の撮像時間を短縮することができる。また、1台のラインセンサカメラ8aにより、部品10の撮像を行うことができるので、部品撮像装置8の数が増加するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御装置9を、部品10を吸着する位置から撮像位置にロータリーヘッド41を移動させながら、部品撮像装置8による吸着ノズル42に吸着された状態の部品10を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させる制御を行うように構成する。これにより、部品10を吸着する位置から撮像位置にロータリーヘッド41を移動させながら、並行してロータリーヘッド41を回転させることができるので、ロータリーヘッド41の移動動作および回転動作の両方に要するトータル時間を短縮することができる。その結果、撮像範囲を小さくするために、ロータリーヘッド41を回転させる場合でも、部品10の撮像時間を短縮することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御装置9を、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させる制御を行い、吸着ノズル42に部品10が吸着されている範囲は、部品撮像装置8による撮像を行うとともに、吸着ノズル42に部品10が吸着されていない範囲は、部品撮像装置8による撮像を行わないように構成する。これにより、部品10が吸着されている範囲のみを効率的に撮像することができるので、部品10の撮像時間を効果的に短縮することができ、複数の部品10の撮像終了後、直ちにヘッドユニット4が部品撮像装置8上方を離れて基板110上方へ移動するようにできる。
(第2実施形態)
次に、図8〜図11を参照して、本発明の第2実施形態による部品実装装置100について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、部品撮像装置8による部品10を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、複数の吸着ノズル42のうち部品10を吸着する吸着ノズル42を選択する制御を行う構成について説明する。
ここで、第2実施形態では、制御装置9は、部品撮像装置8による複数の吸着ノズル42のうちの一部に吸着された状態の部品10を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、複数の吸着ノズル42により部品10を吸着するロータリーヘッド41を選択する制御、複数のロータリーヘッド41を選択した場合における、部品の割り振りを行う制御、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させる制御、および、複数の吸着ノズル42のうち部品10を吸着する吸着ノズル42を選択する制御を行うように構成されている。具体的には、制御装置9は、各ロータリーヘッド41に設けられた吸着ノズル42の総数より実装対象となっている部品10の数が少ない実装ターンの部品吸着において、ラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際に、ヘッドユニット4を移動させる方向のロータリーヘッド41の吸着ノズル42を優先的に使用して部品吸着させるように構成されている。これにより、吸着に使用するロータリーヘッド41の数を減らすことができ、さらに、ラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際に、ヘッドユニット4を移動させる方向(X方向)の撮像距離を短くして撮像範囲が小さくなるようにすることができる。
また、制御装置9は、ヘッドユニット4を部品撮像装置8(ラインセンサカメラ8a)に対して相対的に移動させながら吸着ノズル42に吸着された状態の部品10をラインセンサカメラ8aによりライン撮像するように構成されている。そして、制御装置9は、ラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際に、ヘッドユニット4を移動させる方向(X方向)の撮像距離を短くして撮像範囲が小さくなるように、複数の吸着ノズル42のうち部品10を吸着する吸着ノズル42を選択して部品10を吸着するとともに、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させる制御を行うように構成されている。
たとえば、図10に示す例では、制御装置9は、吸着ノズル42の総数24本に対して2個の部品を吸着するのみであり、ラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際のヘッドユニット4の移動方向であるX1方向の右側端部のロータリーヘッド41を選択し、このロータリーヘッド41の8本の吸着ノズル42の内いずれか2本を使って2個の部品を吸着するようにしている。仮に図6に示すように10個の部品を吸着する場合、制御装置9は、ライン撮像する際のヘッドユニット4の移動方向であるX1方向の右側端部のロータリーヘッド41と、右から2番目のロータリーヘッド41を選択し、右側端部のロータリーヘッド41に8個の部品10、右から2番目のロータリーヘッド41に2個の部品10を割り振り、部品吸着させるようにすることで、ライン撮像する際に、ヘッドユニット4を移動させる方向(X方向)の撮像距離を短くして撮像範囲が小さくなるようにすることができる。しかしながら、後述するように、10個の部品の中に、吸着できる吸着ノズル42の種類が限られている部品10が含まれ、右側端部のロータリーヘッド41にこの部品10を吸着できる吸着ノズルが不足する場合には、制御装置9は、例えば図6に示すように、右側端部のロータリーヘッド41に5個の部品10、右から2番目のロータリーヘッド41に5個の部品10を割り振るようにする。
そして、図10に示す例において、制御装置9は、吸着ノズル42に2つの部品10を吸着してラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際に、X1方向側のロータリーヘッド41のX1方向に対して時計周りに90度および270度の位置の吸着ノズル42を選択して部品10を吸着させる制御を行う。つまり、図10に示す例では、吸着位置を変更(選択)する前では、X1方向側のロータリーヘッド41のX1方向に対して時計周りに135度および180度の位置の吸着ノズル42に2個の部品10が吸着される。この場合、撮像領域A5におけるX方向の長さ(撮像範囲)は、D5となる。つまり、吸着位置を変更せずに部品10を吸着した場合、吸着ノズル42に吸着された状態の2個の部品10をラインセンサカメラ8aによりライン撮像した場合、ヘッドユニット4をX方向にD5移動させながら撮像することになる。
これに対して、吸着位置を変更(選択)した後では、X1方向側のロータリーヘッド41のX1方向に対して時計周りに90度および270度の位置の吸着ノズル42に2個の部品10が吸着される。この場合、撮像領域A6におけるX方向の長さ(撮像範囲)は、D5よりも短いD6となる。つまり、吸着ノズル42に吸着された状態の2個の部品10をラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際に、ヘッドユニット4をX方向にD5よりも短いD6移動させながら撮像することになる。これにより、部品10を吸着する吸着ノズル42を選択することによって、撮像距離が短くなり撮像範囲が小さくなる。
また、図11に示す例では、制御装置9は、吸着ノズル42に吸着された状態の部品10をラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際に、X1方向側のロータリーヘッド41のX1方向に対して時計周りに90度、135度、225度および270度の位置の吸着ノズル42を選択して部品10を吸着させる制御を行う。つまり、図11に示す例では、吸着位置を変更(選択)する前では、X1方向側のロータリーヘッド41のX1方向に対して時計周りに90度、135度、180度および225度の位置の吸着ノズル42に4個の部品10が吸着される。この場合、撮像領域A7におけるX方向の長さ(撮像範囲)は、D7となる。つまり、吸着位置を変更せずに部品10を吸着した場合、吸着ノズル42に吸着された状態の4個の部品10をラインセンサカメラ8aによりライン撮像した場合、ヘッドユニット4をX方向にD7移動させながら撮像することになる。
これに対して、吸着位置を変更(選択)した後では、X1方向側のロータリーヘッド41のX1方向に対して時計周りに90度、135度、225度および270度の位置の吸着ノズル42に4個の部品10が吸着される。この場合、撮像領域A8におけるX方向の長さ(撮像範囲)は、D7よりも短いD8となる。つまり、吸着ノズル42に吸着された状態の4個の部品10をラインセンサカメラ8aによりライン撮像する際に、ヘッドユニット4をX方向にD7よりも短いD8移動させながら撮像することになる。これにより、部品10を吸着する吸着ノズル42を選択することによって、撮像距離が短くなり撮像範囲が小さくなる。
また、制御装置9は、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させる制御、および、複数の吸着ノズル42のうち部品10を吸着する吸着ノズル42を選択する制御を行い、吸着ノズル42に部品10が吸着されている範囲は、部品撮像装置8による撮像を行うとともに、吸着ノズル42に部品10が吸着されていない範囲は、部品撮像装置8による撮像を行わないように構成されている。たとえば、図10に示す例では、制御装置9は、X方向においてD6の撮像範囲分だけラインセンサカメラ8aによる撮像を行う。この範囲よりX2方向側の2つのロータリーヘッド41においては、部品10を吸着するロータリーヘッド41として選択されておらず、全ての吸着ノズル4において部品10の吸着がされていない。これにより、X方向においてD6の撮像範囲分だけのライン撮像が終了した時点で、直ちにヘッドユニット4はY方向の移動を含む基板110上方への移動を開始できる。また、図11に示す例では、制御装置9は、X方向においてD8の撮像範囲分だけラインセンサカメラ8aによる撮像を行う。
また、第2実施形態では、図8に示すように、制御装置9が行う部品撮像処理において、ステップS10において、制御装置9は、吸着グループの決定処理を行う。詳しくは、図9に示すように、ステップS11において、制御装置9は、記憶部96に記憶されている実装プログラムに基づいて、吸着する部品10を抽出する。制御装置9は、ステップS12において、抽出した部品10に対応するノズルタイプを抽出する。
制御装置9は、ステップS13において、部品吸着数が、吸着ノズル数と等しいか否かを判断する。つまり、制御装置9は、ヘッドユニット4に設けられた全ての吸着ノズル42に部品10を吸着するか否かを判断する。部品吸着数が吸着ノズル数よりも少なければ、ステップS14に進み、部品吸着数が吸着ノズル数と等しければ、ステップS16に進む。
制御装置9は、ステップS14において、吸着ノズル42の制約が大きい部品10を対応する吸着ノズル42に割り付ける。つまり、制御装置9は、吸着できる吸着ノズル42の種類が限られている部品10を、優先的に対応する吸着ノズル42に割り付ける。制御装置9は、ステップS15において、既に割り付けた部品10を基準に残りの部品10を吸着ノズル42に割り付ける。具体的には、制御装置9は、吸着ノズル42の制約が大きい部品10を基準にして、部品10を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、残りの部品10を吸着する吸着ノズル42を選択する。たとえば、制御装置9は、ロータリーヘッド41の回動中心を通るX方向の線に対して、吸着ノズル42の制約が大きい部品10と線対称の位置の吸着ノズル42を、残りの部品10のうちの1つを吸着する吸着ノズル42として選択する。その後、制御装置9は、吸着グループ決定処理を終了する。
ステップS13において、部品吸着数が吸着ノズル数と等しいと判断した場合、制御装置9は、ステップS16において、通常のノズル割り付けを行う。その後、制御装置9は、吸着グループ決定処理を終了する。
制御装置9は、図8のステップS10(図9のステップS11〜S15)において、吸着グループを決定した後、第1実施形態と同様に、ステップS2〜S6の処理を行う。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
上記のように、制御装置9を、部品撮像装置8により吸着ノズル42に吸着された状態の部品10を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、複数の吸着ノズル42のうち部品10を吸着する吸着ノズル42を選択する制御を行うように構成した第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、部品10を撮像するための部品撮像装置8の数が増加するのを抑制しながら、部品10の撮像時間(撮像動作のタクトタイム)の短縮を図ることができる。また、吸着ノズル42に吸着する部品10の位置を吸着時に調整することができるので、部品10を撮像する際の撮像範囲を容易に小さくすることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、制御装置9を、部品撮像装置8による複数の吸着ノズル42のうちの一部に吸着された状態の部品10を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させる制御、および、複数の吸着ノズル42のうち部品10を吸着する吸着ノズル42を選択する制御の両方を行うように構成する。これにより、吸着ノズル42に吸着する部品10の位置を吸着時に調整した後に、ロータリーヘッド41を回転させて吸着ノズル42に吸着された部品10の位置を移動させることができるので、部品10を撮像する際の撮像範囲をより容易に小さくすることができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、部品撮像装置(撮像部)による複数の吸着ノズルのうちの一部に吸着された状態の部品を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、ロータリーヘッド(実装用ヘッド)を回転させて吸着ノズルに吸着された部品の位置を移動させる制御を行う構成の例を示した。また、上記第2実施形態では、部品撮像装置(撮像部)による複数の吸着ノズルのうちの一部に吸着された状態の部品を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、ロータリーヘッド(実装用ヘッド)を回転させて吸着ノズルに吸着された部品の位置を移動させる制御、および、複数の吸着ノズルのうち部品を吸着する吸着ノズルを選択する制御の両方を行う構成の例を示した。しかしながら、本発明はこれらに限られない。本発明では、実装用ヘッドを回転させることなく、撮像部による複数の吸着ノズルのうちの一部に吸着された状態の部品を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、複数の吸着ノズルのうち部品を吸着する吸着ノズルを選択する制御を行う構成であってもよい。また、実装用ヘッドを回転させる制御と吸着ノズルを選択する制御とをユーザが選択可能な構成であってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、本発明の実装用ヘッドとしてロータリーヘッドを用いる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、図12に示すように、実装用ヘッド20は、X方向に沿って所定の間隔で配列された複数の吸着ノズル21を含む構成であってもよい。この場合、撮像部による複数の吸着ノズルのうちの一部に吸着された状態の部品を撮像する際の撮像範囲が小さくなるように、複数の吸着ノズルのうち部品を吸着する吸着ノズルを選択する制御を行う構成であってもよい。たとえば、撮像範囲が小さくなるように、複数の部品を吸着する吸着ノズルとして、隣接する吸着ノズル21を選択するようにしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、本発明の撮像部としての部品撮像装置が、ライン撮像を行うラインセンサカメラを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮像部は、エリア撮像を行うエリアカメラを含む構成であってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、部品撮像装置(撮像部)により部品を撮像する際に、部品撮像装置に対してロータリーヘッド(実装用ヘッド)をX方向に移動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮像部により部品を撮像する際に、実装用ヘッドに対して撮像部をX方向に移動させる構成であってもよい。
また、上記第1実施形態では、撮像範囲が小さくなるように、隣接する2つのロータリーヘッド(実装用ヘッド)を回転させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、トータルの撮像範囲が小さくなるように、離間する2つの実装用ヘッドを回転させてもよいし、3つ以上の実装用ヘッドを回転させてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、本発明の制御部の処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。