JP5876753B2 - 遠心圧縮装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遠心圧縮機、電動機及びこの電動機の動力を前記遠心圧縮機に伝える動力伝達機構を備えた遠心圧縮装置に関するものである。
遠心圧縮機は、インペラによる圧縮ガスがインペラの背面側を通ってケーシング(ハウジング)外部へ漏れ出るのを抑制する軸シールを備えている。従来、軸シールを備えた遠心圧縮機の一例として、特許文献1に示されているようなものがあり、これを図7を用いて説明する。図7は軸シールを備えた遠心圧縮機の従来例を示す断面図である。
図7に示すように、この従来の遠心圧縮機51は、回転軸52と、この回転軸52の先端部に連結されたインペラ53と、回転軸52及びインペラ53を囲むケーシング(ハウジング)54と、ケーシング54と回転軸52との間に配置され、インペラ53による圧縮ガスがインペラ53の背面側を通ってケーシング54外部へ漏れ出るのを抑制する環状の軸シール58とを備えている。
前記回転軸52は、歯車箱66に固定された軸受65によって回転可能に支持されている。前記歯車箱66は、上半部66aと下半部66bとを有し、上半部66aはメンテナンス時には破線で示すように取り外すことができるようになっている。また、前記ケーシング54には、ガスGを導入するための入口通路を形成するインレット部材55が固定されている。インペラ53により吸入されたガスGは、半径方向外側に送り出される過程で減速加圧された後、環状のスクロール室56に導入され、図示しない排出口から需要側へ送出されるようになっている。
そして、前記軸シール58について説明すると、軸シール58のインペラ53側の端部には、半径方向外側に突出するフランジ部58aが形成されている。また、軸シール58の他端側に、軸シール58から半径方向外側に突出するように固定されたシール固定部材62が設けられており、このシール固定部材62は、ボルト等の締結部材63により軸シール58の他端側に固定されている。このように、前記フランジ部58aと前記シール固定部材62の間にケーシング54が挟まれることで、ケーシング54に対する軸シール58の軸方向移動が拘束されるようになっている。
なお、ラビリンス式の非接触シールである前記軸シール58を構成するために、回転軸52のうち軸シール58に対向する外周部分には、軸方向に間隔をおいて複数のラビリンス群57が支持されており、また、軸シール58において、その内周部には環状のシール室59が複数形成され、外周部には各シール室59に対応した環状の均圧室60が複数形成され、さらに、対応するシール室59と均圧室60を連通する通路61が複数形成されている。
特開2011−7050号公報(図3)
しかしながら、前述した従来の遠心圧縮機51では、その軸シール58において、軸シール58の反インペラ側の端部にボルト等の締結部材63によって固定されている前記シール固定部材62が、前記ボルト等が緩み、万一、軸シール58から外れた場合には、インペラ53に軸シール58が接触する虞がある。
そこで、本発明の課題は、軸シールを備えた遠心圧縮機、電動機及びこの電動機の動力を前記遠心圧縮機に伝える動力伝達機構を備えた遠心圧縮装置において、インペラと軸シールとの干渉を防止できるようにした、遠心圧縮装置を提供することにある。
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
請求項1の発明は、遠心圧縮機と、電動機と、前記電動機の動力を前記遠心圧縮機に伝える動力伝達機構とを備え、前記遠心圧縮機が、ガスを圧縮するための回転部と、前記回転部を収容し支持するための静止部とを備え、前記回転部が、前記動力伝達機構によって軸心線を中心として回転駆動されるピニオンロータと、前記ピニオンロータの端部に取り付けられるインペラとを備え、前記静止部が、前記ピニオンロータが挿通された状態で前記インペラを収容し、該インペラにガスを導き、圧縮されたガスを需要側へ送出するためのハウジングと、前記ピニオンロータを回転可能に支持する軸受と、前記ピニオンロータの下方に位置し、前記軸受の下半部を支持する下カバー部材と、前記ピニオンロータの上方に位置し、前記軸受の上半部を支持する上カバー部材と、前記ハウジングの前記軸心線を中心とする環状部の内側に固定され、前記インペラによる圧縮ガスがハウジング外部へ漏れ出るのを抑制する環状の軸シールと、を備え、前記軸シールが、前記軸心線を中心とする半径方向外方に突出する突起部を備え、前記環状部が、その内周部に、軸心線を中心とする環状をなし、かつ、前記インペラに対向する面とは反対側の面に軸シール当接部が形成された軸シールアダプタを備え、前記軸シールは、その前記突起部が前記軸シールアダプタの前記軸シール当接部に軸方向に当接した状態で前記軸シールアダプタに取り付けられていることを特徴とする遠心圧縮装置である。
請求項2の発明は、請求項1記載の遠心圧縮装置において、前記静止部が、軸方向において前記軸シールと前記軸受との間に位置し、前記上カバー部材及び前記下カバー部材に取り付けられ、軸受潤滑油が前記ハウジング内に侵入することを防ぐ環状のオイルバッフルを備えることを特徴とするものである。
請求項の発明は、請求項1又は2記載の遠心圧縮装置において、前記軸シールアダプタに形成された前記軸シール当接部が、インペラ側に向かって窪む環状凹部であることを特徴とするものである。
請求項の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の遠心圧縮装置において、前記軸シールの内周部が、前記軸心線を中心とする環状の複数の溝、を備え、前記インペラ側の溝から順に径が小さくなることを特徴とするものである。
請求項1の遠心圧縮装置によれば、遠心圧縮機において、環状部のインペラに対向する面とは反対側の面に設けられた軸シール当接部に、軸シールの突起部が軸方向に当接することにより、インペラと軸シールとの干渉を防止することができる。また、遠心圧縮機において、ハウジングの軸シールアダプタに軸シールを取り付けるようにしたので、この軸シールアダプタの存在により、軸シールを容易に小径のものとすることができる。その結果、遠心圧縮機の組立てに際し、オイルバッフルを支持する部材が邪魔になることなく、軸シールを軸シールアダプタに固定することができる。
請求項2の遠心圧縮装置によれば、遠心圧縮機において、ハウジングに取り付けられた軸シールと軸受との間に、オイルバッフルを設けているので、軸受潤滑油がハウジング内に侵入することを防止することができる。
請求項の遠心圧縮装置によれば、遠心圧縮機において、軸シールアダプタは、軸シール当接部としてインペラ側に向かって窪む環状凹部を備えているので、軸シールアダプタの前記環状凹部に軸シールの突起部が嵌ることにより、遠心圧縮機の軸方向の長さを抑えることができる。
請求項の遠心圧縮装置によれば、遠心圧縮機において、軸シールが複数の溝を備え、インペラ側の溝から順に径が小さくなることにより、圧縮ガスがハウジング外部へ漏れ出すことを確実に抑制することができる。
本発明の一実施形態による遠心圧縮装置の全体構成を概略的に示す模式図である。 図1における第1遠心圧縮機の上半分部分の構成を示す断面図である。 図1における第1遠心圧縮機の下半分部分の構成を示す断面図である。 軸シールアダプタに軸シール下半部を取り付ける様子を説明するための図である。 下カバー部材にオイルバッフル下半部を取り付ける様子を説明するための図である。 軸シール当接部の他の例を示す図である。 軸シールを備えた遠心圧縮機の従来例を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態による遠心圧縮装置の全体構成を概略的に示す模式図である。
図1において、1はガス(空気)を圧縮してこれを需要側へ送出する遠心圧縮装置である。この遠心圧縮装置1は、増速機4と、電動機3と、を備える。増速機4は、ブルギア軸5aと、ブルギア5と、第1ピニオンロータ110と、第2ピニオンロータ110’と、第1ピニオンギア6と、第2ピニオンギア7と、を備える。ブルギア軸5aは、ブルギア5と一繋がりの部材である。第1ピニオンロータ110は、第1ピニオンギア6と一繋がりの部材である。第2ピニオンロータ110’は、第2ピニオンギア7と一繋がりの部材である。電動機3の出力軸3aは、カップリング8を介して前記ブルギア軸5aに接続される。500は、前記増速機4の下半分を収容する下カバー部材である。実際には、増速機4の上半分を覆う上カバー部材も設けられる。
また、この遠心圧縮装置1は、第1遠心圧縮機2Aと、第2遠心圧縮機2Bと、第3遠心圧縮機2Cと、を備える。図1では、第1乃至第3遠心圧縮機2A〜2Cのハウジング300を二点鎖線にて示している。第1遠心圧縮機2Aのインペラ130は、第1ピニオンロータ110の一方の端部に接続される。第2遠心圧縮機2Cのインペラ130’は、前記第1ピニオンロータ110の他方の端部に接続される。第1ピニオンロータ110の両端部はそれぞれ、第1および第2遠心圧縮機2A,2Bの一部でもある。第3遠心圧縮機2Cのインペラ130”は、第2ピニオンロータ110’の一方の端部に接続される。第2ピニオンロータ110’は、第3遠心圧縮機2Cの一部でもある。前記第1ピニオンロータ110には、第1ピニオンロータ110の軸方向の移動を規制するために、前記第1ピニオンギア6よりも大径をなす一対のリング部材120がこの第1ピニオンギア6を挟むようにして設けられている。同様に、前記第2ピニオンロータ110’には、一対のリング部材120’が設けられている。
このように、この遠心圧縮装置1は、同一構成の遠心圧縮機2A〜2Cと、電動機6と、電動機6の動力を遠心圧縮機2A〜2Cに伝える増速機4(動力伝達機構)とを備えている。そして、第1遠心圧縮機2Aへ導かれたガス(空気)は、この第1遠心圧縮機2Aによって圧縮され1段圧縮ガスとして、第1遠心圧縮機2Aの吐出口と第2遠心圧縮機2Bの吸込口とを連絡する1段圧縮ガス流路14に導かれる。そして、この1段圧縮ガスは、前記1段圧縮ガス流路14を構成する1段圧縮機吐出流路14aと2段圧縮機吸込流路14bの間に介設された1段クーラ11を経て第2遠心圧縮機2Bに導入される。
次いで、第2遠心圧縮機2Bに導入された1段圧縮ガスは、第2遠心圧縮機2Bによって圧縮され2段圧縮ガスとして、第2遠心圧縮機2Bの吐出口と第3遠心圧縮機2Cの吸込口とを連絡する2段圧縮ガス流路15に導かれる。この2段圧縮ガスは、2段圧縮ガス流路15を構成する2段圧縮機吐出流路15aと3段圧縮機吸込流路15bの間に介設された2段クーラ12を経て第3遠心圧縮機2Cに導入される。
そして、この第3遠心圧縮機2Cによって圧縮され3段圧縮ガスは、第3遠心圧縮機2Cの吐出口から3段圧縮ガス流路16を構成する3段圧縮機吐出流路16aと3段クーラ出側流路16bの間に介設された3段クーラ13により冷却された後、圧縮ガスの需要先に供給されるようになっている。
以下、前記遠心圧縮装置1を構成する前記遠心圧縮機2A〜2Cのうち、その代表としての第1遠心圧縮機2Aについて、説明する。第2遠心圧縮機2B及び第3遠心圧縮機2Cの構造は、第1遠心圧縮機2Aと同様である。
図2は図1における第1遠心圧縮機の上半分部分の構成を示す断面図、図3は図1における第1遠心圧縮機の下半分部分の構成を示す断面図である。
<<遠心圧縮機の構成>>
図2と図3において、第1遠心圧縮機2Aは、ガスを圧縮するための回転部100と、回転部100を収容し支持するための静止部200と、を備えている。
<回転部>
前記回転部100は、前記増速機4によって回転駆動される第1ピニオンロータ110と、この第1ピニオンロータ110の先端部に取り付けられたインペラ130と、を備えている。第1ピニオンロータ110の先端部には、先端に行くにつれて先細りするテーパフィット部111が形成されており、このテーパフィット部111の部位に、ハブ131と複数のブレード132からなるインペラ130が固定されている。また、第1ピニオンロータ110の前記テーパフィット部111に連なる部位には、後述する軸シール700に対応する回転側ラビリンス通路形成部として、反インペラ130側、すなわち、インペラ130とは反対側に行くにつれて縮径する多段のラビリンス通路形成用フランジ部112が形成されている。
<静止部>
前記静止部200は、前記第1ピニオンロータ110が挿通された状態で前記インペラ130を収容し、該インペラ130にガスを導き、圧縮されたガスを需要側へ送出するためのハウジング300と、このハウジング300の反インペラ側の外側に位置し、第1ピニオンロータ110を回転可能に支持する軸受400と、第1ピニオンロータ110の下方に位置し、前記軸受400の下半部402を支持する下カバー部材500と、第1ピニオンロータ110の上方に位置し、前記軸受400の上半部401を支持する上カバー部材600と、を備えている。
また、さらに、前記静止部200は、第1ピニオンロータ110を囲む状態でハウジング300に取り付けられ、インペラ130による圧縮ガスがハウジング外部へ漏れ出るのを抑制する環状の軸シール700と、前記軸受400の潤滑油がハウジング300内に侵入することを防ぐ環状のオイルバッフル800と、を備えている。
<ハウジング>
前記静止部200に備えられる前記ハウジング300は、ハウジング本体310とこれに固定されたスクロールケーシング320とを備えており、これにより、インペラ130を収容するとともに、インペラ130に向けてガスを吸い込む吸込口301と、インペラ130の外周側において軸心線J1を中心とする周方向に形成され、インペラ130からの圧縮ガスを外部へ導くスクロール室302とを有している。以下、軸心線J1を中心とする周方向を単に「周方向」という。このハウジング300の環状をなす前記ハウジング本体310は、第1遠心圧縮機2Aの軸心線J1を中心とする半径方向に延びる環状部311と、この環状部311の外縁部全周から前記軸心線J1に平行に延びる側部312とを備えている。なお、軸心線J1は、前記第2遠心圧縮機2Bの軸心線でもある。以下、軸心線J1を中心とする半径方向を単に「半径方向」という。環状部311は、環状外縁部313と、軸シールアダプタ340と、を備える。環状外縁部313、側部312および下カバー部材500は、鋳造により一繋がりの部材として形成される。環状外縁部313のインペラ130側の面には、環状凹部313aが形成されている。
<軸シールアダプタ>
軸シールアダプタ340は、フランジ部341と、環状凹部342と、を備える。フランジ部341は、軸心線J1を中心として環状であり、外周部におけるインペラ130側の部位から半径方向外方へ突出する。環状凹部342は、軸心線J1に平行な方向において、軸シールアダプタ340のインペラ130に対向する面とは反対側の面340aに設けられる。以下、軸心線J1方向または軸心線J1に平行な方向を単に「軸方向」という。軸シールアダプタ340では、その前記フランジ部341が環状外縁部313の前記環状凹部313aに嵌り合う。軸シールアダプタ340は、その溝部343に回り止めピン303を装着することで、環状外縁部313に対する周方向における位置が固定される。軸シールアダプタ340には、後述するように、軸シール700が取り付けられている。
<ディフューザ>
前記ハウジング300は、さらに、インペラ130の出口側から前記スクロール室302に通じる通路空間として設けられるディフューザ330を備えている。ディフューザ330は、前記環状部312の環状外縁部313に取り付けられている。これにより、軸シールアダプタ340は、フランジ部341の先端部分がディフューザ330と環状外縁部313との間に挟まれることにより、環状外縁部313に取り付けられている。
<軸受>
前記静止部200に備えられる前記軸受400は、ハウジング300の反インペラ130側に位置し、ピニオンロータ110を回転可能に支持するすべり軸受である。本実施形態では上下二分割型のもので、軸受上半部401と軸受下半部402とから構成されている。
<カバー部材>
前記静止部200に備えられる前記カバー部材500,600について説明する。下カバー部材500は、ピニオンロータ110の下方に配置されており、この下カバー部材500に前記軸受下半部402が固定されている。また、上カバー部材600は、ピニオンロータ110の上方に配置されており、この上カバー部材600に前記軸受上半部401が固定されている。上カバー部材600は、下カバー部材500に図示しないボルトにて固定されている。
<軸シール>
前記静止部200に備えられる前記軸シール700は、固定側ラビリンス通路形成部として設けられており、前記ピニオンロータ110に回転側ラビリンス通路形成部として設けられている前記の多段のラビリンス通路形成用フランジ部112と協働して、圧縮ガスがハウジング外部へ漏れ出るのを抑制する働きをなすものである。この軸シール700は、軸心線J1を中心とする環状をなしており、分割可能であって、本実施形態では、上下二分割型のもので、軸シール上半部710と軸シール下半部720とから構成されている。
図2に示す前記軸シール上半部710は、軸心線J1を中心とする半円環状をなしている。軸シール上半部710の外周部には、反インペラ130側の端部に半径方向外方(図2における上側)へ突出する半円環状をなす突起部711が形成されている。軸シール上半部710は、その突起部711が前記環状凹部342(軸シール当接部)に軸方向に当接した状態で、該突起部711をボルト713締めすることにより、前記軸シールアダプタ340に固定されている。また、軸シール上半部710の内周部には、軸方向に多段に複数の溝部712が形成されている。軸シール上半部710では、インペラ130側の溝部712から順に溝部712の径が小さくなる。
同様に、図3に示す前記軸シール下半部720は、軸心線J1を中心とする半円環状をなしている。軸シール下半部720の外周部には、反インペラ130側の端部に半径方向外方(図3における下側)へ突出する半円環状をなす突起部721が形成されている。軸シール下半部720は、その突起部721が前記環状凹部342(軸シール当接部)に軸方向に当接した状態で、該突起部721をボルト723締めすることにより、前記軸シールアダプタ340に固定されている。また、軸シール下半部720の内周部には、軸方向に多段に複数の溝部722が形成されている。軸シール下半部720では、インペラ130側の溝部722から順に溝部722の径が小さくなる。
軸シール700では、溝部712及び溝部722が上下に重なることにより、軸心線J1を中心とする環状の複数の溝701が形成される。インペラ130側の溝701から順にその径が小さくなることから、遠心圧縮機2Aの駆動時には、軸シール700の内周部のうち、インペラ130側の部位において、溝701内に生じる気流の遠心力を大きくすることができ、インペラ130とは反対側の部位において、軸シール700と第1ピニオンロータ110との間の隙間の大きさを抑えることができる。その結果、複数の溝の径が同じ遠心圧縮機に比べて、ハウジング300内のガスの漏出をより抑えることができる。
<オイルバッフル>
オイルバッフル800は、軸心線J1を中心とする環状をなしており、分割可能であって、本実施形態では、半円環状のオイルバッフル上半部801と半円環状のオイルバッフル下半部802とから構成されている。
そして、前記オイルバッフル上半部801は、図2に示すように、前記軸シール上半部710と前記軸受上半部401との間に位置させ、外周部に形成された凹溝801aを前記上カバー部材600の凸部600aに嵌め合わせて、該上カバー部材600に固定されている。また、同様に、前記オイルバッフル下半部802は、図3に示すように、前記軸シール下半部720と前記軸受下半部402との間に位置させ、外周部に形成された凹溝802aを前記下カバー部材500の凸部500aに嵌め合わせて、該下カバー部材500に固定されている。
ここで、前記軸シール上半部710と前記オイルバッフル上半部801との大小関係についてみると、図2に示すように、軸シール上半部710の外周半径(軸心線J1から軸シール上半部710の突起部711先端までの距離)は、オイルバッフル上半部801の外周半径(軸心線J1からオイルバッフル上半部801の外周端までの距離)よりも小さくなるようになされている。同様に、図3に示すように、軸シール下半部720の外周半径は、オイルバッフル下半部802の外周半径よりも小さくなるようになされている。これは遠心圧縮機2Aの組立順序に関係しており、この点については後述する。軸シール下半部720と、オイルバッフル下半部802との間の軸方向の距離は、軸シール下半部720の厚みよりも短い。
<<遠心圧縮機の組立て>>
次に、第1遠心圧縮機2Aの組立順序について、前記の図2,図3を参照しながら説明する。第2及び第3遠心圧縮機2B,2Cの組み立ての流れは、第1遠心圧縮機2Aと同様である。
(1)下カバー部材500に軸受下半部402を固定する。
(2)前記リング部材120が前記軸受下半部402に当たらないように、第1ピニオンロータ110を軸心線J1から上側ずらした状態にて、第1ピニオンロータ110を環状外縁部313の孔部に通し、図1の第1ピニオンギア6がブルギア5に噛合する。
(3)環状外縁部313に軸シールアダプタ340を取り付ける。すなわち、軸シールアダプタ340の溝部343に回り止めピン303を配置し、フランジ部341が環状凹部313aに嵌り合うようにして、軸シールアダプタ340を環状外縁部313に固定する。
(4)環状外縁部313にディフューザ330を取り付ける。これにより、前記軸シールアダプタ340は、そのフランジ部341の先端側部分が、このディフューザ330と環状外縁部313との間に挟まれる状態となる。
(5)図4は、軸シールアダプタに軸シール下半部を取り付ける様子を説明するための図である。軸シール下半部720を、軸受下半部402と軸シールアダプタ340との間の隙間に挿入し、軸シール下半部720の突起部721が軸シールアダプタ340の環状凹部(軸シール当接部)342の下半分部分に嵌り合うようにして、この軸シールアダプタ340に軸シール下半部720を取り付ける。軸シール下半部720の突起部721は、軸シールアダプタ340の環状凹部342に軸方向に当接する。そして、軸シールアダプタ340に対して前記突起部721をボルト723締めすることにより、軸シールアダプタ340に軸シール下半部720を固定する。
軸シールアダプタ340が設けられることにより、軸シール下半部720の外周半径を軸心線J1から下カバー部材500の凸部500aまでの距離よりも小さくすることができる。その結果、下カバー部材500(凸部500aの部分)が邪魔になることなく、軸シール下半部720を軸シールアダプタ340に容易に固定することができる。
(6)図2に示すように、軸シール上半部710の突起部711が軸シールアダプタ340の環状凹部(軸シール当接部)342の上半分部分に嵌り合うようにして、この軸シールアダプタ340に軸シール上半部710を取り付ける。軸シール上半部710の突起部711が軸シールアダプタ340の環状凹部342に軸方向に当接する。そして、軸シールアダプタ340に対して前記突起部711をボルト713締めすることにより、軸シールアダプタ340に軸シール上半部710を固定する。
(7)前記第1ピニオンロータ110にインペラ130を取り付ける。この場合、第1ピニオンロータ110のテーパフィット部111に対してインペラ130を押し込むことによる摩擦力とロックナットの締め付け力により、第1ピニオンロータ110にインペラ130を強固に取り付けることができるので、第1遠心圧縮機2Aの運転中に、軸心線J1に垂直な方向において、第1ピニオンロータ110に対するインペラ130の位置がずれることを防止することができる。その結果、インペラ130の重心の偏りに起因する第1遠心圧縮機2Aの振動を防止することができる。
(8)前記ハウジング本体310にスクロールケーシング320を取り付ける。
(9)図5は、下カバー部材にオイルバッフル下半部を取り付ける様子を説明するための図であり、図3の凸部500aの位置にて第1遠心圧縮機2Aを軸心線J1を中心とする面にて切断した断面を示している。オイルバッフル下半部802の周方向の一端側において下カバー部材500の凸部500aにオイルバッフル下半部802の凹溝802aを嵌め合わせ、この状態で該オイルバッフル下半部802を軸心線J1を中心として180度回転させることにより、オイルバッフル下半部802を下カバー部材500に取り付ける。
(10)前記下カバー部材500に取り付けられている前記軸受下半部322に図2の軸受上半部401を装着する。
(11)オイルバッフル上半部801を上カバー部材600に取り付け、この上カバー部材600を前記下カバー部材500に固定するとともに、上カバー部材600に軸受上半部401を固定する。これにより、第1遠心圧縮機2Aの基本的な組立てが完了する。
以上のように構成され、組み立てられる前記第1遠心圧縮機2Aでは、軸シール700の突起部711,721が、軸シールアダプタ340のインペラ130に対向する面とは反対側の面340aに設けられた環状凹部342と軸方向に当接する。これにより、ボルト713,723が緩むなど軸シール700に万一の固定不良が生じた場合でも、該軸シール700のインペラ130側への移動が阻止され、インペラ130と軸シール700との干渉を防止することができる。第1遠心圧縮機2Aでは、軸シール当接部として環状凹部342が設けられていることから、軸シール700の突起部711,721が軸シールアダプタ340から突出することが防止される。その結果、第1遠心圧縮機2Aの軸方向の長さを抑えることができる。
また、前記第1遠心圧縮機2Aでは、軸シールアダプタ340に軸シール下半部720を取り付けるに際し、この軸シールアダプタ700の存在により、軸シール下半部720の外周半径が、後に下カバー部材500に取り付けられるオイルバッフル下半部802の外周半径よりも小さくされる。これにより、第1遠心圧縮機2Aの組立時に、軸受下半部402と軸シールアダプタ340との間の狭い隙間空間に軸シール下半部720を配置することができ、軸シール下半部720を軸シールアダプタ340に容易に固定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。図6は、軸シール当接部の他の例を示す図である。同図では、軸シールアダプタ340の上半分部分を示す。図6に示すように、軸シールアダプタ340のインペラ130とは反対側の面340aに、軸方向に突出する環状の突出部344が設けられてもよい。軸方向において、突出部344と軸シール上半部710の突起部711とが当接する。軸シール上半部710と同様に、図示省略するが、軸シール下半部720では、突起部721と前記突出部344とが軸方向に当接する。このように、軸シール当接部として突出部344が設けられることにより、軸シール700の軸方向の長さを確保することができ、ハウジング300からの圧縮ガスの漏出をより確実に防止することができる。
上記実施形態では、環状部311が、1つの部材にて構成されてもよい。この場合であっても、環状部311の内縁部において、インペラ130に軸方向に対向する面とは反対側の面に軸シール当接部を設けることにより、軸シール700のインペラ130側への移動を阻止することができる。また、環状外縁部313および側部312は、下カバー部材500と別部材でもよい。環状外縁部313および側部312はそれぞれ、上下に分離可能な2つの部材にて構成されてもよい。この場合、遠心圧縮機の組み立て時には、第1ピニオンロータ110を軸受下半部402に載置した後に、第1ピニオンロータ110の周囲にて環状外縁部313および側部312を組み立ててもよい。また、第1ピニオンロータ110の外周面のうち、軸シール700と半径方向に対向する位置に、環状の複数の溝が設けられていてもよい。
1…遠心圧縮装置
2A,2B,2C…遠心圧縮機 3…電動機 4…増速機(動力伝達機構)
100…回転部
110…第1ピニオンロータ 112…ラビリンス通路形成用フランジ部
120…リング部材 130…インペラ
200…静止部
300…ハウジング
310…ハウジング本体
311…環状部 312…側部 313…環状外縁部 313a…環状凹部
320…スクロールケーシング 330…ディフューザ
340…軸シールアダプタ
341…フランジ部 342…環状凹部(軸シール当接部) 343…溝部
400…軸受 401…軸受上半部 402…軸受下半部
500…下カバー部材 600…上カバー部材
700…軸シール 701…溝
710…軸シール上半部 711…突起部 712…溝部 713…ボルト
720…軸シール下半部 721…突起部 722…溝部 723…ボルト
800…オイルバッフル
801…オイルバッフル上半部 802…オイルバッフル下半部

Claims (4)

  1. 遠心圧縮機と、電動機と、前記電動機の動力を前記遠心圧縮機に伝える動力伝達機構とを備え、
    前記遠心圧縮機が、ガスを圧縮するための回転部と、前記回転部を収容し支持するための静止部とを備え、
    前記回転部が、前記動力伝達機構によって軸心線を中心として回転駆動されるピニオンロータと、前記ピニオンロータの端部に取り付けられるインペラとを備え、
    前記静止部が、
    前記ピニオンロータが挿通された状態で前記インペラを収容し、該インペラにガスを導き、圧縮されたガスを需要側へ送出するためのハウジングと、
    前記ピニオンロータを回転可能に支持する軸受と、
    前記ピニオンロータの下方に位置し、前記軸受の下半部を支持する下カバー部材と、
    前記ピニオンロータの上方に位置し、前記軸受の上半部を支持する上カバー部材と、
    前記ハウジングの前記軸心線を中心とする環状部の内側に固定され、前記インペラによる圧縮ガスがハウジング外部へ漏れ出るのを抑制する環状の軸シールと、を備え、
    前記軸シールが、前記軸心線を中心とする半径方向外方に突出する突起部を備え、
    前記環状部が、その内周部に、軸心線を中心とする環状をなし、かつ、前記インペラに対向する面とは反対側の面に軸シール当接部が形成された軸シールアダプタを備え、
    前記軸シールは、その前記突起部が前記軸シールアダプタの前記軸シール当接部に軸方向に当接した状態で前記軸シールアダプタに取り付けられていることを特徴とする遠心圧縮装置。
  2. 前記静止部が、軸方向において前記軸シールと前記軸受との間に位置し、前記上カバー部材及び前記下カバー部材に取り付けられ、軸受潤滑油が前記ハウジング内に侵入することを防ぐ環状のオイルバッフルを備えることを特徴とする請求項1記載の遠心圧縮装置。
  3. 前記軸シールアダプタに形成された前記軸シール当接部が、インペラ側に向かって窪む環状凹部であることを特徴とする請求項1又は2記載の遠心圧縮装置。
  4. 前記軸シールの内周部が、前記軸心線を中心とする環状の複数の溝、を備え、前記インペラ側の溝から順に径が小さくなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の遠心圧縮装置。
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