[第1実施形態]
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、可撓性を有する導電部材と、回路基板とを電気的に接続する電気的接続装置として、種々の用途に広く適用することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気的接続装置1及び基板102を示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る電気的接続装置1による電気的な接続が解除された状態を示す、主要部の斜視図である。図1に示すように、電気的接続装置1(1a,1b)は、例えば、LEDチップ101が実装されたLED基板としての基板102と、電線等の導電用部材103(103a,103b)と、を電気的に接続する、LED基板用電気的接続装置として設けられている。導電用部材103(103a,103b)は、例えば、電気的接続装置1と同様の電気的接続装置を介して、電源回路、又は、他の基板に電気的に接続されている。
基板102は、平板状に形成されるとともに直線状に延びるリジッド基板として設けられている。基板102は、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)を含むLEDチップ101が表面実装された基板として構成されている。即ち、基板102の表面としての実装面102aに、LEDチップ101が実装されている。基板102は、例えば、照明装置、又は、ディスプレイ装置等において用いられる。
電気的接続装置1aは、導電用部材103aと、基板102とを電気的に接続するために設けられている。電気的接続装置1aは、コネクタ2aと、端子部材3aと、を備えている。電気的接続装置1bは、導電用部材103bと、基板102とを電気的に接続するために設けられている。電気的接続装置1bは、コネクタ2bと、端子部材3bと、を備えている。
コネクタ2(2a,2b)は、基板102に実装されている。導電用部材103aは、端子部材3aに固定されている。また、導電用部材103bは、端子部材3bに固定されている。コネクタ2aには、端子部材3aが取り外し可能に結合されている。コネクタ2bには、端子部材3bが取り外し可能に結合されている。
図1は、コネクタ2aと端子部材3aとが接続された状態を示しており、且つ、コネクタ2bと端子部材3bとが接続された状態を示している。図2は、コネクタ2aと端子部材3aとの接続が解除された状態を示しており、且つ、コネクタ2bと端子部材3bとの接触が解除された状態を示している。
コネクタ2aに端子部材3aを嵌合することにより、コネクタ2aと端子部材3aとは、機械的に接続されるとともに電気的に接続される。この際、コネクタ2bと端子部材3bも互いに嵌合される。これにより、コネクタ2bと端子部材3bとは、機械的に接続されるとともに電気的に接続される。尚、電気的接続装置1a,1bの一方が、正極及び負極のうちの一方として設けられ、他方が、正極及び負極のうちの他方として設けられている。尚、以下では、特に記載なき場合、コネクタ2aが基板102に実装され、且つ、コネクタ2(2a,2b)に端子部材3(3a,3b)が嵌合されている状態を基準として説明する。
電気的接続装置1a,1bは、互いに同様の構成を有している。そして、コネクタ2a及びコネクタ2bは、基板102に対して、同様の態様で実装される。また、端子部材3aと導電用部材103aとの接続の態様、及び端子部材3bと導電用部材103bとの接続の態様は、同様である。このため、以下の説明では、同様に構成される電気的接続装置1a,1bのうちの一方の電気的接続装置1aの構成について説明し、他方の電気的接続装置1bの構成についての説明を省略する。
尚、以下では電気的接続装置1aの長手方向、幅方向、及び高さ方向を、それぞれ、長手方向X1、幅方向Y1、及び高さ方向Z1という。長手方向X1は、コネクタ2aの長手方向でもあり、端子部材3aの長手方向でもある。また、幅方向Y1は、長手方向X1と直交する方向である。幅方向Y1は、コネクタ2aの幅方向でもあり、端子部材3aの幅方向でもある。また、高さ方向Z1は、長手方向X1及び幅方向Y1の双方と直交する方向である。高さ方向Z1は、コネクタ2aの高さ方向でもあり、端子部材3aの高さ方向でもある。
図3は、端子部材3a及び導電用部材103aを下方側から見た斜視図である。図4(a)は、端子部材3a及び導電用部材103aの平面図であり、図4(b)は、端子部材3a及び導電用部材103aの側面図であり、図4(c)は、端子部材3a及び導電用部材103aの底面図である。図5(a)は、端子部材3a及び導電用部材103aの側面図であり、一部を破断した状態を示している。図5(b)は、図5(a)のVb−Vb線に沿う、端子部材3aの断面図であり、図5(c)は、端子部材3aの正面図である。図6は、端子部材3aがコネクタ2aに結合された状態を示す平面図である。図7は、図6のVII−VII線に沿う断面図であり、一部を側面で示している。
図3、図4(a)、図4(b)、図4(c)、図5(a)、図5(b)、図5(c)、図6及び図7に示すように、本実施形態では、導電用部材103aは、被覆電線である。導電用部材103aは、可撓性及び導電性を有する部材として設けられている。
導電用部材103aは、絶縁部材104と、導電部材105と、を有している。
絶縁部材104は、樹脂材料等を用いて形成されている。絶縁部材104は、導電部材105を取り囲んでいる。導電部材105は、複数の金属線を撚った撚線によって形成されている。当該金属線として、すずめっき等のめっき処理が施された銅線を例示することができる。尚、導電部材105は、単一の銅線にめっき処理が施された構成を有していてもよい。導電部材105は、作業員の手からの力によって、容易に曲がる程度の可撓性を有しており、且つ、可撓性を有している。絶縁部材104の一端部から、導電部材105の一端部が露出している。導電用部材103aの一端部に、端子部材3aが固定されている。
端子部材3aは、導電用部材103aに電気的、且つ、機械的に接続されている。また、端子部材3aは、コネクタ2aに対して着脱可能に構成されている。また、端子部材3aとコネクタ2aとは、電気的、且つ、機械的に接続可能に構成されている。
端子部材3aは、平板状の金属材料が加工されることで形成されており、例えば、銅合金を素材として構成されている。端子部材3aは、単一の材料を用いて一体に形成されている。そして、端子部材3aの表面には、例えば、すずめっき又は金めっき、等のめっき処理が施されている。本実施形態では、端子部材3aの表面のうち、後述するコンタクト形成部19の第2面19bは、金めっき層によって構成されている。また、端子部材3aの表面のうち、コンタクト形成部19の表面以外は、すずめっき層によって構成されている。端子部材3aは、長手方向X1に細長く、且つ、幅方向Y1の長さと高さ方向Z1の長さとが、概ね同じに設定されている。
端子部材3aは、固定部11と、中間部12と、挿入部13と、を有している。固定部11と、中間部12と、挿入部13とは、長手方向X1に沿って上記の順に並んでいる。
固定部11は、導電用部材103aに固定される部分として設けられている。固定部11は、第1固定部14と、第2固定部15と、を有している。
第1固定部14は、導電用部材103aの絶縁部材104に固定される部分として設けられている。第1固定部14は、長手方向X1における端子部材3aの基端部を構成している。第1固定部14は、細長い帯状の部分を曲げ加工することにより形成されており、絶縁部材104の一端部に巻きつけられている。第1固定部14に隣接して、第2固定部15が配置されている。
第2固定部15は、帯状の部分を曲げ加工することにより形成されている。第2固定部15は、導電用部材103aの導電部材105の一端部に巻きつけられている。これにより、第2固定部15と導電部材105との電気的及び機械的な接続が達成されている。第2固定部15と長手方向X1に隣接するようにして、中間部12が配置されている。
中間部12は、天板部16と、一対の第1側壁17(17a,17b)と、を有している。
天板部16は、第2固定部15に連続しており、長手方向X1と平行に延びている。幅方向Y1における天板部16の両端部に、一対の第1側壁(17a,17b)が接続されている。一対の第1側壁17(17a,17b)は、基板102に受けられる部分として設けられている。尚、端子部材3aがコネクタ2aに接続されている状態を、「接続状態」という。また、端子部材3aとコネクタ2aとの接続が解除されている状態を、「接続解除状態」という。
一対の第1側壁17(17a,17b)は、幅方向Y1に対称な形状を有している。各第1側壁17(17a,17b)は、接続状態において、天板部16から基板102側に向けて延びている。各第1側壁17(17a,17b)は、基板102の実装面102aに接触している。上記の構成を有する中間部12とは長手方向X1に隣接するようにして、挿入部13が配置されている。
挿入部13は、コネクタ2aの後述する開口孔部40に挿入可能な部分として設けられている。また、挿入部13は、端子部材3aの先端部を含んでいる。挿入部13は、長手方向X1に細長い形状を有している。挿入部13は、長手方向X1と平行な挿入方向D1に向けて変位されることで、コネクタ2aに挿入される。また、挿入部13は、挿入方向D1と反対向きの引き抜き方向D2に変位されることで、コネクタ2aから取り外される。
挿入部13は、傾斜部18と、コンタクト形成部19と、一対の第2側壁20(20a,20b)と、延伸部21と、を有している。
傾斜部18は、中間部12の天板部16に連続する部分として設けられている。傾斜部18は、基板102に対して傾斜するように延びており、挿入方向D1側に進むに従い、高さ方向Z1の一方(高さ方向Z1のうちの下側)に向けて延びている。傾斜部18は、ストッパ部を構成している。ストッパ部は、コネクタ2aに接触することにより、挿入方向D1側への端子部材3aの変位を規制する。傾斜部18と長手方向X1に隣接するようにして、コンタクト形成部19が配置されている。
コンタクト形成部19は、コネクタ2aと導通可能に接触するための部分として設けられている。コンタクト形成部19は、長手方向X1及び幅方向Y1と平行な平板状に配置されており、実装面102aと平行である。コンタクト形成部19は、長手方向X1に細長い矩形形状を有している。
コンタクト形成部19は、基板102の実装面102aと対向する面としての第1面19aと、当該第1面19aとは反対向きの第2面19bと、を含んでいる。
当該第2面19bは、コネクタ2aの後述する端子31と導通可能に接触するために設けられている。第2面19bは、金めっき層によって形成されている。端子部材3aの外表面のうち、第2面19bのみが、金めっき層によって形成されている。このように、金めっき層を設けることにより、耐熱性及び耐久性に優れた端子部材3aを、コスト安価に実現することができる。幅方向Y1におけるコンタクト形成部19の両端部に、一対の第2側壁20(20a,20b)が接続されている。
一対の第2側壁20(20a,20b)は、基板102に受けられる部分として設けられている。一対の第2側壁20(20a,20b)は、幅方向Y1に対称な形状を有している。各第2側壁20(20a,20b)は、コンタクト形成部19から基板102側に向けて延びている。各第2側壁20(20a,20b)は、基板102の実装面102aに接触している。
長手方向X1に関して、一対の第2側壁20(20a,20b)の長さは、一対の第1側壁17(17a,17b)の長さよりも長い。これにより、コネクタ2aの後述する端子31からの荷重をコンタクト形成部19が受けた際に、コンタクト形成部19を、一対の第2側壁20(20a,20b)によって、堅固に支持できる。
また、一対の第2側壁20(20a,20b)と、一対の第1側壁17(17a,17b)とは、長手方向X1に離隔して配置されている。これにより、一対の第1側壁17(17a,17b)及び一対の第2側壁20(20a,20b)がコンタクト形成部19を支持するスパン(サポートスパン)を、長手方向X1に関して、十分に長く確保することができる。これにより、コネクタ2aの端子31からの荷重をコンタクト形成部19が受けた際に、コンタクト形成部19を、一対の第1側壁17及び一対の第2側壁20(20a,20b)によって、より一層堅固に支持できる。一対の第2側壁20(20a,20b)が接続されているコンタクト形成部19から、延伸部21が延びている。
延伸部21は、コンタクト形成部19から延伸された弾性片部として設けられている。即ち、延伸部21は、弾性変形可能な部分として設けられている。
延伸部21は、折り返し部22と、長尺部23と、抜け止め部24と、を有している。
折り返し部22の基端部は、長手方向X1におけるコンタクト形成部19の一端部に連続している。折り返し部22は、側面視において、U字形状に形成されており、挿入方向D1に向けて延びた後、引き抜き方向D2に向かうように延びている。即ち、折り返し部22は、コンタクト形成部19に向かうように折り返された形状を有している。折り返し部22の先端部は、長尺部23の基端部に接続されている。
長尺部23は、側面視において、基板102側に向けて凸となる、湾曲状に形成されており、長手方向X1に細長く延びている。長尺部23は、コンタクト形成部19の第1面19aに隣接している。長尺部23と、コンタクト形成部19とは、実装面102aと直交する高さ方向Z1に隣接しており、重なり合うように配置されている。長尺部23は、コンタクト形成部19と基板102との間に配置されている。
上記の構成によると、基板102側への延伸部21の変位量が所定値に達した場合に、長尺部23は、基板102の実装面102aに接触する。これにより、延伸部21の変位が規制される。よって、延伸部21が基板102側へ過大に変位されることを抑制できる。即ち、長尺部23は、延伸部21の過大な変位を規制するストッパとしての機能を有している。折り返し部22及び長尺部23は、一対の第2側壁20(20a,20b)間に配置されている。長尺部23の先端側部分に、抜け止め部24が配置されている。
抜け止め部24は、端子部材3aがコネクタ2aから抜けることを規制するランスとして設けられている。抜け止め部24は、幅方向Y1における長尺部23の一端から延びている。抜け止め部24は、高さ方向Z1と平行に延びている。抜け止め部24は、側面視において、略矩形状に形成されている。抜け止め部24は、挿入部13の一部を貫通するように配置されている。具体的には、コンタクト形成部19に、貫通孔19cが形成されている。この貫通孔19cには、抜け止め部24が挿通されている。貫通孔19cの縁部は、抜け止め部24に隣接した位置で、当該抜け止め部24を取り囲んでいる。上記の構成により、抜け止め部24は、コンタクト形成部19を貫通している。よって、コンタクト形成部19の第2面19b側から、抜け止め部24を押圧することが可能である。
また、抜け止め部24が外力を受けることにより、長手方向X1及び幅方向Y1の少なくとも一方に抜け止め部24が変位した場合に、抜け止め部24は、貫通孔19cの縁部によって受けられる。これにより、抜け止め部24及び長尺部23が過大に変位されることを抑制でき、端子部材3aが後述する規制部43に対して引き抜き方向D2に変位することを抑制できる。よって、端子部材3aに大きな引張力が作用した場合でも、端子部材3aがコネクタ2aから不用意に抜けることを、確実に抑制することができる。
抜け止め部24には、第1変形促進部25が設けられている。第1変形促進部25は、端子部材3aをコネクタ2aに挿入する際に、延伸部21の弾性変形を促進するために設けられている。第1変形促進部25は、抜け止め部24のうち、コンタクト形成部19の第2面19b側に突出している部分に形成されている。第1変形促進部25は、挿入方向D1における抜け止め部24の先端部に形成された、傾斜状の部分である。第1変形促進部25は、挿入方向D1に進むに従い、基板102側に延びる形状に形成されている。以上が、端子部材3aの概略構成である。次に、端子部材3aが接続されるコネクタ2aについて説明する。
図8は、コネクタ2aの斜視図である。図9(a)は、コネクタ2aの平面図であり、図9(b)は、コネクタ2aの側面図であり、図9(c)は、コネクタ2aの底面図である。図10(a)は、コネクタ2aの正面図であり、図10(b)は、図9(b)のXb−Xb線に沿う断面図であり、図10(c)は、コネクタ2aの背面図である。
図7、図8、図9(a)、図9(b)、図9(c)、図10(a)、図10(b)及び図10(c)に示すように、コネクタ2aは、基板102に実装されることにより、基板102に固定され、且つ、基板102の導体パターン(図示せず)に電気的に接続されている。コネクタ2aは、長手方向X1の長さが約6mm程度であり、幅方向Y1の長さが約2mm程度であり、高さ方向Z1の長さが約1mm程度である。
コネクタ2aは、端子31と、ハウジング32と、固定金具33(33a,33b)と、を備えている。
端子31は、基板102の実装面102aに回路パターン(導電部)に対して電気的に接続されるとともに、基板102に対して固定される部材として設けられている。この端子31は、金属材料で構成された板状の部材が加工されることで形成されており、例えば、銅合金を素材として構成されている。そして、端子31の外表面には、例えば、すずめっき又は金めっき、等のめっき処理が施されている。端子31は、単一の材料を用いて一体に形成されている。
端子31は、本体部35と、一対の第1突出部36(36a,36b)と、接続端部37と、第2突出部38と、を有している。
本体部35は、基板102の実装面102aと平行な方向に沿って平板状に細長く延びるように設置されている。長手方向X1における本体部35の途中部に、一対の第1突出部36(36a,36b)が設けられている。一対の第1突出部36(36a,36b)は、本体部35から、幅方向Y1の両側に向けて延びている。端子31は、この第1突出部36(36a,36b)において、ハウジング32に対して強固に一体化されて保持されている。
そして、端子31には、長手方向X1における本体部35の一端側において、折り曲げ形成された接続端部37が設けられている。この接続端部37は、基板102の導体パターンに接続される端部として設けられている。即ち、接続端部37が、はんだ付けによって、基板102の導体パターンに電気的に接続され、且つ、基板102に固定される。
一方、長手方向X1における本体部35の他端側には、第2突出部38が連続している。第2突出部38は、長手方向X1に沿ってハウジング32から露出した部分として構成されており、長手方向X1に沿って細長く延びるヘアピン形状に形成されている。第2突出部38は、端子部材3aのコンタクト形成部19に接触可能に、且つ、弾性変形可能に構成されている。
第2突出部38は、第1部分38aと、第2部分38bと、第3部分38cと、第4部分38dと、を有している。
第1部分38aの基端部は、本体部35に連続している。第1部分38aの先端に、第2部分38bが配置されている。
第2部分38bは、側面視において、U字状に形成されており、引き抜き方向D2に向けて凸となる湾曲形状を有している。第2部分38bには、第3部分38cが連続している。
第3部分38cは、コンタクト形成部19の第2面19bに導通可能に接触する部分として設けられている。第3部分38cは、側面視において、V字状に形成されており、基板102側に向けて凸となる湾曲形状を有している。第3部分38cと、第1部分38aの先端部とは、高さ方向Z1に並んでいる。第3部分38cには、第4部分38dが連続している。
第4部分38dは、第1部分38aに沿わされており、長手方向X1に沿って延びている。第4部分38dの先端部は、ハウジング32に固定されている。上記の構成を有する端子31は、ハウジング32によって支持されている。
ハウジング32は、絶縁性材料である樹脂材料で形成され、ブロック状の部材として設けられている。ハウジング32を形成するための樹脂材料としては、例えば、LCP(液晶ポリマー、Liquid Crystal Polymer)、PA(ポリアミド、polyamide)、等の材料を用いることができる。また、ハウジング32の成形時は、端子31が一体化される同時成形が行われる。これにより、ハウジング32には、端子31が一体に組み込まれて保持されている。
ハウジング32は、端子部材3aが挿入される開口孔部40を有している。即ち、ハウジング32は、プラグ部材としての端子部材3aの挿入部13が挿入されるリセプタクルハウジングとして設けられている。ハウジング32の開口孔部40に挿入部13が挿入されることで、端子部材3aとコネクタ2aとが嵌合した状態となる。
開口孔部40は、ハウジング32において、端子部材3aが挿入される端面32a側から、基板102に対向する端面32b側にかけて、ハウジング32の内側を開放するように開口形成された凹み領域として設けられている。この開口孔部40内において、端子部材3aのコンタクト形成部19に接触する端子31の第3部分38cは、基板102側に露呈した状態で設置されている。尚、ハウジングに設けられる開口孔部の形態は、上述した開口孔部40の形態に限らず、種々変更されてもよい。例えば、筒形の孔状に形成された開口孔部が、ハウジングに設けられていてもよい。
また、ハウジング32の開口孔部40に挿入された状態端子部材3aの挿入部13の外面は、開口孔部40の内面に対して隙間をあけて対向するように構成されている。即ち、長手方向X1と直交する方向に関して、挿入部13における寸法よりも、ハウジング32の開口孔部40の寸法の方が大きくなるように、設定されている。
また、ハウジング32には、操作用開口部としての貫通孔41が形成されている。貫通孔41は、ハウジング32を高さ方向Z1に貫通している。貫通孔41は、平面視において、略矩形状に形成されている。開口孔部40と、貫通孔41とは、連続している。これにより、開口孔部40に配置されている第2突出部38は、コンタクト形成部19との接触に伴う弾性変形によって、貫通孔41側に変位可能である。即ち、板バネと同様の作用を奏するように端子31が弾性変形して撓むことを許容する領域が、貫通孔41によって確保されている。そして、端子31の第3部分38cの頂部と、端子部材3aのコンタクト形成部19とが接触した際には、端子31の弾性変形に伴う復元力としてのバネ力が生じる。これにより、端子31と、端子部材3aとの電気的接続が、より強固に確保されることになる。また、貫通孔41は、抜け止め部24をコネクタ2aの外部から操作することが可能なように、抜け止め部24を、ハウジング32の外側に露呈している。
ハウジング32は、第2変形促進部42を有している。第2変形促進部42は、ハウジング32の端面32aの近傍に配置されている。第2変形促進部42は、端子部材3aをコネクタ2aに接続する際に、端子部材3aの抜け止め部24をスムーズに開口孔部40内に案内するために設けられている。
第2変形促進部42は、長手方向X1における開口孔部40の一端に配置されており、基板102の実装面102aとは高さ方向Z1に離隔している。第2変形促進部42は、挿入方向D1に沿って開口孔部40の奥側に進むに従い、実装面102aに近接するように傾斜している。第2変形促進部42は、抜け止め部24の第1変形促進部25と協働して、カム機構を構成する。
第1変形促進部25と、第2変形促進部42との接触により、抜け止め部24は、基板102の実装面102a側に変位される。また、第2変形促進部42は、端子部材3aが挿入方向D1に沿ってハウジング32に過度に挿入されることを規制するストッパとしての機能を有している。具体的には、第2変形促進部42は、端子部材3aの傾斜部18と長手方向X1に向かい合っている。第2変形促進部42と、傾斜部18とが接触している場合、端子部材3aは、それ以上挿入方向D1に変位することが規制される。
ハウジング32は、規制部43を有している。規制部43は、ハウジング32からの端子部材3aの抜けを規制するために設けられている。規制部43は、開口孔部40内に形成されている。規制部43は、貫通孔41及び第2変形促進部42に隣接するように配置されている。規制部43と、抜け止め部24とは、長手方向X1に並んでいる。端子部材3aがハウジング32から引き抜き方向D2に沿って引き抜かれる力を端子部材3aが受けた場合に、抜け止め部24は、規制部43と接触する。これにより、抜け止め部24が引き抜き方向D2へ移動することに対する移動抵抗が生じ、抜け止め部24は、引き抜き方向D2に更に変位することを規制される。
また、抜け止め部24と規制部43との接触を回避した状態で、端子部材3aをハウジング32から引き抜くことが可能に構成されている。具体的には、ハウジング32の貫通孔41が、開口孔部40内に配置された抜け止め部24を操作するために利用される。より具体的には、貫通孔41と、抜け止め部24とは、高さ方向Z1に並ぶように形成されている。これにより、抜け止め部24を、後述する操作部材50等によって、ハウジング32の外部から押圧することができる。その結果、抜け止め部24は、ハウジング32の規制部43との接触が回避されるように変位することができる。
ハウジング32のうち、幅方向Y1に並ぶ一対の外側面には、それぞれ、固定金具33(33a,33b)が固定されている。各固定金具33(33a,33b)は、端子31とは別体の金属部材として設けられており、基板102に固定される。各固定金具33(33a,33b)は、金属材料で構成された板状の部材が加工されることで形成されており、例えば、銅合金を素材として構成されている。そして、各固定金具33(33a,33b)の表面には、例えば、すずめっき、等のめっき処理が施されている。
上記一対の第2固定金具33(33a,33b)は、ハウジング32のうち、幅方向Y1における開口孔部40の両側方を補強する位置に組み込まれている。即ち、一対の固定金具33(33a,33b)は、ハウジング32における開口孔部40の近傍の領域を補強する補強金具としての機能も果たすように構成されている。尚、本実施形態では、ハウジング32の成形時に、端子31とともに一対の固定金具33(33a,33b)も一体化される同時成形が行われる。各固定金具33(33a,33b)には、基板102に固定される固定端部44,44が設けられている。固定端部44,44は、基板102の実装面102aに、はんだ付け等によって固定される。
以上が、電気的接続装置1の概略構成である。次に、電気的接続装置1に関して、(1)端子部材3aをコネクタ2aに取り付ける際の動作、(2)端子部材3aがコネクタ2aから抜けることを規制する動作、及び(3)端子部材3aをコネクタ2aから抜き取る際の動作、について、順に説明する。
まず、(1)端子部材3aをコネクタ2aに取り付ける際の動作について説明する。端子部材3aをコネクタ2aに取り付ける際には、まず、図11に示すように、導電用部材103aに接続された端子部材3aと、基板102の実装面102aに実装されたコネクタ2aと、を用意する。次に、端子部材3aと、コネクタ2aとを、長手方向X1に向かい合わせる。
次に、図12に示すように、端子部材3aを、コネクタ2aに対して、挿入方向D1に向けて変位させる。これにより、端子部材3aの挿入部13は、コネクタ2aの開口孔部40に挿入される。この際、コンタクト形成部19の第2面19bは、端子31の第3部分38cの頂部に接触する。そして、コンタクト形成部19は、第2突出部38を貫通孔41側に弾性的に変位させる。その結果、第3部分38cは、コンタクト形成部19側に付勢された状態で、コンタクト形成部19に導通可能に接触する。
そして、開口孔部40への挿入部13の挿入量が、一定量に達すると、抜け止め部24の第1変形促進部25は、ハウジング32の第2変形促進部42に接触する。これにより、第1変形促進部25と第2変形促進部42との接触によるカム機構の動作が生じる。即ち、延伸部21が弾性変形し、その結果、抜け止め部24と規制部43との接触が回避されるように、抜け止め部24が基板102側に変位される。
図13に示すように、挿入方向D1に沿って端子部材3aをハウジング32側に更に変位させると、抜け止め部24は、貫通孔41と高さ方向Z1に向かい合うように配置される。このとき、開口孔部40内では、挿入方向D1に関して、第2変形促進部42の位置よりも奥側の位置に抜け止め部24が配置される。これにより、延伸部21の弾性変形が解除される。
この状態では、抜け止め部24は、規制部43と長手方向X1に向かい合っている。これにより、端子部材3aと、コネクタ2aの端子31との電気的及び機械的な接続が完了する。端子部材3aがコネクタ2aに接続されている状態においては、端子部材3aは、基板102の実装面102aと直接、高さ方向Z1に向かい合っている。また、端子部材3aのうち、一対の第1側壁17(17a,17b)と、一対の第2側壁20(20a,20b)とが、基板102の実装面102aに接触している。即ち、端子部材3aは、端子31との接触による摩擦抵抗と、基板102との接触による摩擦抵抗と、を受けている。
次に、(2)端子部材3aがコネクタ2aから抜けることを規制する動作について説明する。例えば、導電用部材103aに、引き抜き方向D2に沿う引張力が作用した場合において、引張力が、上記した摩擦抵抗等を上回ったとき、端子部材3aは、コネクタ2aに対して、引抜方向D2に変位する。
図14に示すように、その結果、端子部材3aの抜け止め部24は、ハウジング32の規制部43に受けられる。これにより、端子部材3aは、引抜方向D2へ変位することが規制される。上記の引張力が大きい場合には、引張力によって、端子部材3aの延伸部21が弾性変形される。この際の延伸部21の弾性変形量が所定値に達すると、抜け止め部24は、コンタクト形成部19の貫通孔19cの縁部に接触する。これにより、抜け止め部24は、コンタクト形成部19によって、高い剛性で支持される。すなわち、抜け止め部24は、剛体としてのコンタクト形成部19と、剛体としての規制部43とによって挟まれる。その結果、抜け止め部24と規制部43とが接触した状態が維持される。よって、大きな引張力が作用した場合でも、端子部材3aは、コネクタ2aのハウジング32から抜けることが規制される。
次に、(3)端子部材3aをコネクタ2aから引き抜く動作について説明する。端子部材3aをコネクタ2aから引き抜く際には、まず、図15(a)、及び図15(b)に示す操作部材50を準備する。図15(a)は、操作部材50の側面図であり、図15(b)は、操作部材50の底面図である。また、図16は、操作部材50を用いて端子部材3aをコネクタ2aから引き抜く動作について説明するための断面図である。
図15(a)、図15(b)及び図16に示すように、操作部材50は、把持部51と、先端部52と、突起部53と、を有している。把持部51は、例えば、円筒状に形成されており、作業員によって把持される。先端部52は、把持部51の一端から当該把持部51と同軸に延びており、例えば、円筒状に形成されている。先端部52の先端面は、ハウジング32の天面に接触するように構成されている。先端部52の先端面に、突起部53が配置されている。
突起部53は、ハウジング32内に配置されている抜け止め部24を押圧するために設けられている。突起部53は、貫通孔41を挿通可能なブロック状に形成されている。突起部53のうち、幅方向Y1における両端部には、幅方向Y1に突出する小突起54(54a,54b)が形成されている。これらの小突起54(54a,54b)は、貫通孔41の内周面に形成された一対の凹部45,45(図8及び図16参照。図16では、一対の凹部45,45のうちの一方のみを図示)に嵌合可能とされている。これにより、突起部53を貫通孔41へ挿入する際の向きを間違えることが防止されている。また、突起部53には、長手方向X1に延びる凹部55が形成されている。凹部55は、突起部53と、端子31の第2突起部38と、の接触を避けるために形成されている。
端子部材3aをコネクタ2aから抜き取る際には、まず、図16に示すように、操作部材50の突起部53を、ハウジング32の貫通孔41に挿入する。これにより、先端部52の先端面が、ハウジング32の天面32cに接触する。また、突起部53は、貫通孔41内に配置される。これにより、突起部53は、延伸部21の抜け止め部24及び長尺部23を、基板102の実装面102a側に変位させる。これにより、抜け止め部24は、規制部43と長手方向X1に向かい合った状態を解除される。また、突起部53の凹部55には、端子31の第2突起部38が配置され、端子31は、操作部材50には接触しない。
次に、端子部材3aを、コネクタ2aに対して、引抜方向D2に変位させる。これにより、抜け止め部24は、規制部43と実装面102aとの間を通って、ハウジング32から取り外される。また、コンタクト形成部19は、端子31に対して引抜方向D2側に変位することで、端子31との接触が解除され、更に、ハウジング32から取り外される。
以上説明したように、電気的接続装置1aによると、端子部材3aは、コネクタ2aの開口孔部40に挿入される。これにより、導電部材105を、端子部材3a及びコネクタ2aを介して、基板102に電気的に接続することができる。また、端子部材3aは、コネクタ2aによって保持される。即ち、端子部材3aを保持するハウジングとしての機能は、コネクタ2aが有することとなる。したがって、端子部材3aを保護するためのハウジングを、コネクタ2aとは別の部材を用いて形成する必要が無い。これにより、電気的接続装置1aについて部品点数を少なくすることができ、且つ、製造コストを低減することができる。その上、電気的接続装置1aを設置するためのスペースを、より小さくできる。また、導電部材105と基板102とを電気的に接続する作業を、容易に行うことができる。具体的には、導電部材105を、予め、端子部材3aの固定部11に固定しておく。その後、端子部材3aを、基板102に実装されたコネクタ2aの開口孔部40に挿入する。このような作業手順であれば、基板102に取り付けられた状態のコネクタ2aに、可撓性を有する導電部材105を直接取り付ける必要が無い。即ち、導電部材105が固定された端子部材3aを、基板102に実装されたコネクタ2aの開口孔部40に差し込むという簡易な作業で、導電部材105と基板102とを電気的に接続することができる。
従って、電気的接続装置1aによると、設置のためのスペースを小さくでき、部品点数が少なくて済み、製造コストが少なくて済み、且つ、接続作業を容易に行うことができる。
また、電気的接続装置1aによると、開口孔部40は、基板102側に向けて開放された形状を有している。これにより、コネクタ2aに挿入された端子部材3aの挿入部13は、基板102と直接向かい合うこととなる。即ち、端子部材3aの挿入部13を、基板102の実装面102aのすぐ隣に配置することができる。これにより、基板102の実装面102aからの電気的接続装置1aの高さを小さくする(低背化する)ことができる。その結果、電気的接続装置1aを、より小型にすることができる。
また、電気的接続装置1aによると、コネクタ2aの端子31は、コンタクト形成部19を基板102側に押圧する態様で、コンタクト形成部19の第2面19bと接触することとなる。これにより、端子部材3aが基板102から浮き上がる力が、端子部材3aに作用することを抑制できる。その結果、端子部材3aを、より安定した状態で基板102上に配置することができる。
また、電気的接続装置1aによると、抜け止め部24が設けられていることにより、端子部材3aがコネクタから不用意に抜けることを抑制することができる。また、コンタクト形成部19が延びる方向と平行な方向に延伸部21を延ばすことができる。このような構成であれば、延伸部21の長さを十分に確保することができる。したがって、延伸部21を容易に弾性変形させることができる。よって、端子部材3aをコネクタ2aの開口孔部40に挿入する際等には、延伸部21を弾性変形させることで、抜け止め部24がコネクタ2aにロックされない状態にした上で、端子部材3aをコネクタ2aに挿入することができる。このため、端子部材3aをコネクタ2aに挿入する作業を行い易い。また、コンタクト形成部19と延伸部21とが重なり合うようにして、延伸部21を配置することができる。これにより、端子部材3aが過度に細長い形状となることを抑制できる。よって、端子部材3aの小型化を通じて、電気的接続装置1の更なる小型化を実現できる。また、抜け止め部24は、端子部材3aに設けられている。このため、抜け止め部24を、導電部材105の大きさ(太さ)に影響されることなく、設けることができる。したがって、抜け止め部24を、抜け止めに効果的な形状に確実に形成することができる。その結果、コネクタ2aからの延伸部21及び導電部材105の抜けを、確実に抑制することができる。
例えば、細いリード線を、直接、コネクタ2aと同様のコネクタの端子と、基板とでクランプする構成を考えてみる。このような構成では、リード線は、コネクタの端子との接触面積が小さく、且つ、基板との接触面積も小さい。このため、リード線に引張力が作用した際に、リード線がコネクタから抜け易い。その上、コネクタは、数mm程度の小型の部材であるため、可撓性を有するリード線をコネクタにクランプする作業に手間がかかる。特に、リード線の銅線が、単一本(単線)である場合、このリード線は曲がり易い。その結果、リード線をコネクタにクランプする作業を、より一層行い難い。一方、リード線が、複数の細線を撚った撚線で構成されている場合、このリード線は、比較的曲がり難い。このため、撚線で構成されたリード線は、コネクタへ接続し易い。しかしながら、撚線で構成されたリード線は、製造時、撚線を、溶融した半田に浸す処理が必要であり、製造コストが高くつく。しかも、リード線がコネクタから抜け易いという課題も解決できない。これに対し、電気的接続装置1によると、導電用部材103aは、抜け止め部24を有し且つ剛性のある端子部材3aを介してコネクタ2aに接続されているので、上述した課題が生じなくて済む。
また、電気的接続装置1aによると、延伸部21は、コンタクト形成部19と基板102との間において延びている。このような構成であれば、延伸部21が弾性変形した場合等に、延伸部21を、基板102で受けることができる。これにより、延伸部21の過度の変形を抑制することができる。
また、電気的接続装置1aによると、抜け止め部24は、コンタクト形成部19に形成された貫通孔19cを貫通しており、貫通部19cの縁部によって抜け止め部24を受けることが可能に構成されている。このような構成であれば、抜け止め部24による、コネクタ2aからの端子部材3aの抜けを防止する効果を、より高くできる。例えば、端子部材3aをコネクタ2aから引き抜く引張力が作用した場合に、抜け止め部24は、コネクタ2aの規制部43に接触することで、コネクタ2aからの端子部材3aの抜けを防止する。ここで、引張力が大きいと、延伸部21が弾性変形し、貫通孔19cの位置が変化する。その結果、貫通孔19cの縁部とコネクタ2aとで、抜け止め部24を挟むこととなる。これにより、貫通孔19cの縁部は、抜け止め部24に引っ掛かり、コネクタ2aに対する変位が規制される。よって、端子部材3aがコネクタ2aから抜けることを、確実に抑制できる。
また、電気的接続装置1aによると、抜け止め部24はコネクタ2aに形成された規制部43に受けられることが可能に構成されている。そして、抜け止め部24が規制部43に受けられることにより、抜け止め部24は、引抜方向D2への移動抵抗を受ける。このような構成であれば、コネクタ2aの規制部43に抜け止め部24を受けさせるという簡易な構成で、端子部材3aがコネクタ2aから不用意に抜けることを抑制できる。
また、電気的接続装置1aによると、端子部材3aをコネクタ2aに挿入する際に、抜け止め部24に無理な力を与えることなく、抜け止め部24をコネクタ2a内に挿入することができる。具体的には、端子部材3aをコネクタに挿入する際、変形促進部25,42によって、延伸部21を弾性変形させる。これにより、抜け止め部24がコネクタ2aにロックされないように抜け止め部24を変位させることができる。この状態で、端子部材3aをコネクタ2aの開口孔部40に挿入する。端子部材3aを開口孔部40に挿入した後には、延伸部21の弾性変形が解除される。これにより、抜け止め部24と、コネクタ2aの規制部43とが挿入方向D1と平行な方向に向かい合う。その結果、抜け止め部24と規制部43との接触による、端子部材3aの抜け止め効果を発揮することが可能となる。よって、前述したように、抜け止め部24に無理な力を与えることなく、抜け止め部24をコネクタ2a内に挿入することができる。これにより、抜け止め部24の破損を、確実に抑制することができる。よって、抜け止め部24による、コネクタ2aからの端子部材3aの抜けを抑制する効果を、確実に維持することができる。
また、電気的接続装置1aによると、コネクタ2aは、抜け止め部24をコネクタ2aの外部から操作するための操作用開口部としての貫通孔41を有している。このような構成によると、端子部材3aをコネクタ2aから引き抜く際等に、抜け止め部24をコネクタ2aの外部から操作することができる。その結果、端子部材3aの抜け止め部24がコネクタ2aの規制部43と接触することを回避した状態で、端子部材3aをコネクタ2aから引き抜くことができる。よって、コネクタ2aから端子部材3aを容易に引き抜くことができる。また、端子部材3aをコネクタ2aから引き抜く際に、抜け止め部24に無理な力が作用しないようにすることができる。よって、抜け止め部24の破損を防止できる。これにより、端子部材3aとコネクタ2aとの接続作業及び取り外し作業を、繰り返し行うことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る電気的接続装置を説明する。尚、以下では、第1実施形態と異なる構成について主に説明し、第1実施形態と同様の構成については、図に同一の符号を付して説明を省略する。
図17は、本発明の第2実施形態に係る電気的接続装置の端子部材3aA及び導電用部材103aAの斜視図である。図18は、本発明の第2実施形態に係る電気的接続装置の端子部材3aA及び導電用部材103aAの側面図である。
図17及び図18に示すように、第2実施形態においては、端子部材3a及び導電用部材103aに代えて、端子部材3aA及び導電用部材103aAが設けられている。導電用部材103aAは、FFC(Flexible Flat Cable)である。端子部材3aAが端子部材3aと異なっているのは、導電用部材103aAに固定される固定部11Aの構成である。
導電用部材103aAは、絶縁部材104Aと、絶縁部材104Aに覆われた導電部材105Aと、を有している。絶縁部材104Aは、ポリイミド等の合成樹脂製のフィルム部材であり、帯状に形成されている。導電部材105Aは、銅合金等を用いて形成された、薄膜状の部材である。この導電用部材103aAは、端子部材3aAの固定部11Aに固定されている。
端子部材3aAの固定部11Aは、ベース部26と、ベース部26から延びる先鋭部27,27と、を有している。
ベース部26は、長手方向X1に延びる細長い部分として設けられており、導電用部材103aAの一端部に沿うように配置されている。先鋭部27,27は、導電用部材103aAを貫通するように構成されている。先鋭部27,27は、1又は複数設けられている。本実施形態では、先鋭部27,27は、長手方向X1に離隔した位置に2つ設けられている。一方の先鋭部27は、幅方向Y1におけるベース部26の一端から延びている。また、他方の先鋭部27とは、幅方向Y1におけるベース部26の他端から延びている。
各先鋭部27,27は、導電用部材103aAの端部を貫通しており、且つ、導電部材105Aに接触している。これにより、各先鋭部27,27と、導電部材105Aとは、電気的に接続されている。
また、各先鋭部27,27の途中部は、略直角に折り曲げられており、各先鋭部27,27の先端は、導電用部材103aAの端部に沿わされている。これにより、導電用部材103aAの一端部は、ベース部26と、各先鋭部27,27とによって挟まれており、端子部材3aAに固定されている。また、導電用部材103aAの一端部は、挿入部13と長手方向X1に並ぶように配置されている。これにより、導電用部材103aAと、端子部材3aAとが、全体として高さ方向Z1に占める長さを、短くしている。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る電気的接続装置を説明する。図19は、本発明の第3実施形態に係る電気的接続装置の端子部材3aB及び導電用部材103aBの斜視図である。図20は、本発明の第3実施形態に係る電気的接続装置の端子部材3aB及び導電用部材103aBの側面図である。
図19及び図20に示すように、第3実施形態においては、端子部材3a及び導電用部材103aに代えて、端子部材3aB及び導電用部材103aBが設けられている。導電用部材103aBは、FFC(Flexible Flat Cable)である。端子部材3aBが端子部材3aと異なっているのは、導電用部材103aBに固定される固定部11Bの構成である。
導電用部材103aBは、絶縁部材104Bと、絶縁部材104Bに覆われた導電部材105Bと、を有している。絶縁部材104Bは、ポリイミド等の合成樹脂製のフィルム部材であり、帯状に形成されている。導電部材105Bは、銅合金等を用いて形成された、薄膜状の部材である。導電部材105Bの一端部は、絶縁部材104Bから突出している。この導電用部材103aBは、端子部材3aBの固定部11Bに固定されている。
端子部材3aBの固定部11Bは、ベース部28と、ベース部28から延びる第1固定部14Bと、ベース部28に形成された第2固定部15Bと、を有している。ベース部28は、長手方向X1に延びる細長い部分として設けられており、導電用部材103aBの端部に沿うように配置されている。
第1固定部14Bは、ベース部28と協働して、導電用部材103aBの絶縁部材104Bを挟むように構成されている。第1固定部14Bは、長手方向X1に関するベース部28の一端から延びる帯状に形成されている。第1固定部14Bは、1又は複数設けられている。本実施形態では、第1固定部14Bは、幅方向Y1に離隔した位置に2つ設けられており、幅方向Y1に並んでいる。各第1固定部14B,14Bは、U字状に折り曲げられており、絶縁部材104Bに沿わされている。これにより、導電用部材103aBの絶縁部材104Bは、ベース部28と、各第1固定部14B,14Bに挟まれており、端子部材3aBに固定されている。
第2固定部15Bは、ベース部28の一側面に形成された凸状の部分であり、長手方向X1に細長く延びている。第2固定部15Bには、導電部材105Bの一端部が固定されている。導電部材105Bの一端部と第2固定部15Bとを固定する固定方法として、スポット溶接を例示することができる。上記の構成により、第2固定部15Bと、導電部材105Bとは、電気的に接続されている。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)前述の実施形態では、コネクタは、基板の実装面上に実装される表面実装タイプでる形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。コネクタは、基板に形成されたスルーホールに端子が挿入されるDIP(DIP(Dual Inline Package))コネクタ等の、挿入実装タイプのコネクタであってもよい。
(2)また、前述の実施形態では、開口孔部は、基板側に向けて開放された形状を有している形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、開口孔部と基板との間に壁を有するハウジングを用いて、コネクタを形成してもよい。
(3)また、前述の実施形態では、コンタクト形成部の第2面がコネクタの端子に導通可能に接触する形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。コンタクト形成部の第1面が、コネクタの端子に導通可能に接触する形態であってもよい。
(4)また、前述の実施形態では、1つのハウジングに1つの端子が配置される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、図21に示すように、1つのハウジング32Cに、複数の開口孔部40が形成され、且つ、複数の開口孔部40に複数の端子31が配置されていてもよい。