JP5876028B2 - 搬送チェーン用の摺動部材 - Google Patents

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Description

本発明は、トップチェーンやモジュラーチェーン等の搬送チェーンにおける合成樹脂製の構成部材であって、特に摺動する部分に用いられる搬送チェーン用の摺動部材に関する。
従来、この種の搬送チェーン(コンベヤチェーン)として、合成樹脂製のトップチェーンやモジュラーチェーン等が知られている。搬送チェーンは搬送物が載置されるチェーンリンク、隣合うチェーンリンクを回動可能に連結するピン等により構成される。搬送チェーンによる搬送物の搬送中、チェーンリンクは搬送チェーンを支持するレールと摺動する。また、ピンはチェーンリンクのヒンジ部に挿通されているので、チェーンリンクのヒンジ部と摺動する。このようなチェーンリンクやピン等の摺動部材は、摺動により摩耗し、摩耗の結果、摩耗粉が発生する。また、チェーンリンクのレールや搬送物に対する動摩擦係数が大きいと、チェーンリンクの載置面上を搬送物が滑りにくくなって搬送物が転倒し易くなったりする等の問題が発生する。チェーンリンクとレールとの間の動摩擦係数が大きいと、摺動箇所が摩耗し易くなる。このため、摺動部材を形成する樹脂組成物には、耐摩耗性と低摩擦性に優れた材質であることが要求される。
従来、搬送チェーン以外でも摺動部材においては、耐摩耗性および低摩擦性を高めるために、摺動部材の樹脂組成物を構成するベース樹脂に各種の添加物を加えたものが知られている(例えば特許文献1,2等)。
例えば特許文献1には、チェーンユニットの内側と外側の各リンクプレートおよび連結ピンを金属で構成したチェーンにおいて、チェーンユニットのローラ、カーラおよびワッシャーを熱可塑性樹脂で構成したものが開示されている。熱可塑性樹脂はエンジニアリング樹脂から選択され、特にポリアミドイミド樹脂および芳香族ポリイミド樹脂などが用いられる。この特許文献1には、熱可塑性樹脂に、強化剤、充填剤、帯電防止剤および滑剤などの各種添加剤を適宜配合できることが記載され、強化剤の一例として、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の繊維状のものが挙げられている。
さらに特許文献2には、搬送チェーンではないが、ベアリング(軸受)、シーリング、ピストンリング等の摺動部材に使用される成形材料として、成形に必要な温度で熱溶融が可能なフッ素樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)と芳香族ポリアミドを含んでなる摺動部材用樹脂組成物が開示されている。さらに摺動部材用樹脂組成物には、二硫化モリブデン微粒子、窒化ホウ素微粒子およびポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE樹脂)微粒子からなる群から選択される1種類以上の固体潤滑剤が含まれている。
特開平11−286313号公報 特開2006−225433号公報
ところで、搬送チェーン用の摺動部材では、チェーンリンクのレールとの摺動箇所の摩耗が著しいと、発生した摩耗粉により搬送物が汚染されたり、この汚染を回避するために搬送チェーンを水洗浄して摩耗粉を除去しなければならなくなったりするなどの問題が発生する。また、搬送物とチェーンリンクとの間の摩擦が大きくなると、搬送物がチェーンの継ぎ目で転倒し易くなったり、ラインプレッシャーで堰き止められた容器(例えばペットボトル)がその搬送方向上流側に位置する他の容器群から大きな力を受けて押し潰されたりするなどの問題もある。このため、前述のように、チェーンリンクおよびピン等の摺動部材には、耐摩耗性と低摩擦性とが要求される。しかし、特許文献1に記載された従来の搬送チェーン用の摺動部材は、繊維状の強化剤の添加により耐摩耗性が向上するものの、低摩擦性が十分ではなかった。
また、搬送チェーンではないものの、特許文献2に記載のベアリングやピストンリング等の摺動部材は、樹脂組成物に添加された固体潤滑剤により低摩擦性が向上するが、搬送チェーンに要求される耐摩耗性は十分ではない。そのため、耐摩耗性と低摩擦性とに優れた搬送チェーン用の摺動部材が要望されている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、合成樹脂製でありながら耐摩耗性と低摩擦性とに優れた搬送チェーン用の摺動部材を提供することにある。
上記課題を解決する搬送チェーン用の摺動部材は、搬送対象の物品が載置される載置面を有する搬送チェーンを構成する搬送チェーン用の摺動部材であって、前記搬送チェーン用の摺動部材は樹脂組成物により形成され、前記樹脂組成物は、ベース樹脂として用いられる熱可塑性樹脂と、前記ベース樹脂に添加された耐摩耗剤と、前記ベース樹脂に添加された固体潤滑剤と、を含む。
この構成によれば、ベース樹脂(母材樹脂)である熱可塑性樹脂と、添加された耐摩耗剤と固体潤滑剤とが混合された熱溶融物を成形することで搬送チェーン用摺動部材は製造される。搬送チェーン用摺動部材は、そのベース樹脂である熱可塑性樹脂に含まれる耐摩耗剤により耐摩耗性が高められ、固体潤滑剤により低摩擦性が高められる。よって、耐摩耗性および低摩擦性に優れた合成樹脂製のチェーン用摺動部材を提供できる。
また、搬送チェーン用の摺動部材では、前記熱可塑性樹脂が、ポリアセタール樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ポリブチレンテレフタレート(PBT)およびポリプロピレン(PP)からなる群から選択された一種であり、前記耐摩耗剤の材料が、アラミドレジン、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維およびウィスカーからなる群から選択された少なくとも一種であり、前記固体潤滑剤の材料が、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、二硫化モリブデンおよび黒鉛からなる群から選択された少なくとも一種であることが好ましい。
この構成によれば、ベース樹脂が、ポリアセタール樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ポリブチレンテレフタレートおよびポリプロピレンからなる群から選択された一種であるので、ベース樹脂そのものが高強度および耐摩耗性を有する。また、ベース樹脂に耐摩耗剤として、アラミドレジン、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維およびウィスカーからなる群から選択された少なくとも一種が添加されているので、摺動部材の耐摩耗性が効果的に高められる。さらに、ベース樹脂に固体潤滑剤として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE樹脂)、二硫化モリブデンおよび黒鉛からなる群から選択された少なくとも一種が添加されているので、摺動部材の低摩擦性が効果的に高められる。
また、搬送チェーン用の摺動部材では、前記熱可塑性樹脂はポリアセタール樹脂であり、前記耐摩耗剤としてアラミドレジンを含み、前記固体潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を含むことが好ましい。
この構成によれば、ベース樹脂がポリアセタール樹脂であるので、高強度および耐摩耗性を有し、これに耐摩耗剤としてアラミドレジンが含まれることで耐摩耗性が効果的に高められるうえ、固体潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末が含まれることで低摩擦性が効果的に高められる。
また、搬送チェーン用の摺動部材では、前記アラミドレジンの含有率は、1質量%以上かつ5質量%未満の範囲内にあり、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末の含有率は、1質量%以上かつ5質量%以下の範囲内にあることが好ましい。
この構成によれば、アラミドレジンの含有率が1質量%以上かつ5質量%未満の範囲内にあるので、樹脂組成物の耐摩耗性が高くなる。ここで、アラミドレジンの含有率が1質量%未満になると、搬送チェーンに要求される十分な耐摩耗性が得られず、5質量%以上添加しても耐摩耗性はある含有率から向上しにくくなり過度な量の添加を抑制しつつ搬送チェーンに必要な強度の向上を実現できる。また、PTFE樹脂粉末の含有率が、1質量%以上かつ5質量%以下の範囲内にあるので、低摩擦性の高いチェーン用摺動部材が得られる。ここで、PTFE樹脂の含有率が1質量%未満になると、搬送チェーンに要求される十分な低摩擦性が得られず、5質量%を超えると、ベース樹脂に対するPTFE樹脂(固体潤滑剤の一例)の過度な添加による耐摩耗性の低下を抑制できる。
さらに搬送チェーン用の摺動部材では、前記アラミドレジンの含有率と前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂の含有率の差は2質量%以内であることが好ましい。
この構成によれば、アラミドレジンの含有率は1質量%以上かつ5質量%未満の範囲内にあり、PTFE樹脂の含有率は1質量%以上かつ5質量%以下の範囲内にあり、かつ両者の含有率の差が2質量%以内にあるので、高い耐摩耗性および低摩擦性を有する搬送チェーン用の摺動部材が得られる。PTFE樹脂の含有率が高くなり過ぎると、摩擦抵抗が高くなり易くなって摩擦熱に起因する耐摩耗性の低下を招き易くなるが、両添加物の差が2質量%以内なので、PTFE樹脂の過多による耐摩耗性の低下を抑制しつつ適度な含有率のアラミドレジンにより耐摩耗性の向上を実現し易くなる。よって、耐摩耗性と低摩擦性との両方の効果の高い搬送チェーン用の摺動部材を取得できる。
また、搬送チェーン用の摺動部材では、前記ポリアセタール樹脂は、中粘度のポリアセタール樹脂と高粘度のポリアセタール樹脂とを混合した高中粘度のものであることが好ましい。
この構成によれば、ベース樹脂に添加される添加物(特に固体潤滑剤)がベース樹脂にとって異物であるため、異物の添加により摺動部材の強度が低下する傾向にある。しかし、ベース樹脂には、中粘度のポリアセタール樹脂よりも高粘度(高重合度)のポリアセタール樹脂が加えられているため、固体潤滑剤が添加された割に高い強度が得られる。
また、搬送チェーン用の摺動部材では、前記樹脂組成物の温度190℃、荷重2.16kgの下でのISO1133に従って測定されたメルトマスフローレイトは、5以上かつ15g/10min.以下の範囲内にあることが好ましい。
ここで、ポリアセタール樹脂の粘度について、中粘度とは、射出成形に適切なメルトマスフローレイトが10〜20g/10min.の範囲内にあるものを指し、高粘度とは、射出成形には粘度が高過ぎるもので、メルトマスフローレイトが1以上4g/10min.未満の範囲内にあるものを指す。また、高粘度のポリアセタール樹脂は中粘度のポリアセタール樹脂に比べ、重合度が高いことから高強度および高い耐摩耗性を有するので、PTFE樹脂の添加により樹脂組成物の強度が低下する方向に作用しても、ベース樹脂中に含まれる高粘度のポリアセタール樹脂が、PTFE樹脂の添加による強度低下分の少なくとも一部を補って強度を高めることに寄与する。また、樹脂組成物の熱溶融時のメルトマスフローレイトは、5以上かつ15g/10min.以下の範囲内にあるので、固体潤滑剤の添加による強度低下分の少なくとも一部が補われ、摺動部材の強度をなるべく高くすることができ、しかも、成形時における熱溶融物が成形に適した流動性を有するため、成形性がよくなる。よって、成形性がよく高強度および耐摩耗性の高い摺動部材が得られる。
さらに、上記の搬送チェーン用の摺動部材においては、高粘度のポリアセタール(POM)樹脂の含有率は30〜50質量%の範囲内であり、中粘度のポリアセタール樹脂の含有率が50〜70質量%の範囲内であることが好ましい。そして、高粘度POMと中粘度POMの各含有率は、上記の範囲内で、高粘度POMと、中粘度POMと、耐摩耗剤および固体潤滑剤を含む添加剤との各質量%の和が100質量%になる組合せであって、かつメルトマスフローレイトが5以上かつ15g/10min.以下の範囲内の値となる組合せが好ましい。この構成によれば、成形時の溶融樹脂の流動性がよいことから成形性がよく、かつ高強度および耐摩耗性の高い摺動部材が得られる。
本発明によれば、合成樹脂製でありながら耐摩耗性と低摩擦性とに優れた搬送チェーン用の摺動部材を提供することができる。
一実施形態における搬送チェーンを示す部分平面図。 搬送チェーンを示す部分側面図。 搬送チェーンを示す部分底面図。 コンベヤ装置を示す模式側面図。 各試料のレール材料に対する摩耗率と動摩擦係数とを示すグラフ。 各試料の搬送物に対する動摩擦係数を示すグラフ。
以下、図1〜図6を参照して、搬送チェーンの摺動部材の一実施形態について説明する。
図1〜図3に示すように、搬送チェーン11は、一例としてトップチェーンにより構成される。搬送チェーン11は、複数のチェーンリンク15と、複数のチェーンリンク15を隣合うもの同士が互いに回動可能な状態に連結する複数のピン16とを備えている。本実施形態のチェーンリンク15およびピン16は、共に摺動する部分を有する合成樹脂からなり、摺動部材の一例をそれぞれ構成する。
図1〜図3に示すように、合成樹脂製のチェーンリンク15は、一方向(同図では幅方向W)に長い四角板状の荷載置板部20を有する。また、荷載置板部20においてチェーンリンク15が連結される連結方向Xの一端(図1〜図3では右端)には、一対の第1ヒンジ部21が、連結方向Xと直交する幅方向Wの略中央部分から連結方向Xの外側(図1、図3では右方向)に向かって突設されている。また、荷載置板部20の連結方向Xにおいて第1ヒンジ部21が形成された一端と反対側となる他端(図1〜図3では左端)には、三つ(但し図1では一つのみ図示)の第2ヒンジ部22が、幅方向Wの略中央部分における幅方向Wに間隔を開けた各位置から、連結方向Xの外側に向かって突設されている。
図1および図3に示すように、荷載置板部20における一対の第1ヒンジ部21の間の位置には、三つの第2ヒンジ部22のうち真ん中の一つを挿入可能な幅を有する一つの凹部23が形成されている。すなわち、凹部23は、幅方向Wに第2ヒンジ部22と対応する位置にあり、第2ヒンジ部22の幅よりも若干広い幅に形成され、第2ヒンジ部22の挿入が可能となっている。また、荷載置板部20における三つの第2ヒンジ部22の各間には、一対の第1ヒンジ部21をそれぞれ挿入可能な幅を有する一対の凹部24が形成されている。すなわち、一対の凹部24は、幅方向Wに一対の第1ヒンジ部21と対応する位置にあり、第1ヒンジ部21の幅よりも若干広い幅に形成され、第1ヒンジ部21の挿入が可能となっている。第1ヒンジ部21と第2ヒンジ部22は幅方向Wに半ピッチずれて位置する。
また、図2および図3に示すように、第1ヒンジ部21にはその突出方向と直交する幅方向Wに貫通するピン孔21aが形成されている。また、第2ヒンジ部22には、その突出方向と直交する方向に貫通するピン孔22aが形成されている。また、荷載置板部20における荷載置面15Aと反対側となる裏面には、第1ヒンジ部21と第2ヒンジ部22との間を連結方向Xに連接する少なくとも1本(同図の例では1本)のリブ25が突設されている。リブ25の存在によってチェーンリンク15の曲げ剛性の向上が図られている。
図1、図3に示すように、一対の第1ヒンジ部21と三つの第2ヒンジ部22が互いに相手側の凹部23,24に挿入されることで、各ヒンジ部21,22のピン孔21a,22aが1本に連通する。各ピン孔21a,22aに、チェーンリンク15の幅の半分程度の長さを有するピン16が挿通されることで、隣合う二つのチェーンリンク15は、ヒンジ部21,22およびピン16を介して回動自在に連結されている。こうして複数のチェーンリンク15がヒンジ部21,22およびピン16を介して順次連結されることで、連結方向Xに長く延びた搬送チェーン11が構成される。搬送チェーン11は、図4に示すコンベヤ装置31に使用される場合、図1および図3に示す複数本(例えば2本)のレール32により支持され、その搬送駆動時にはその支持された部分がレール32に対して摺動する。
図1〜図3に示す搬送チェーン11を、図4に示すコンベヤ装置31に使用した例を説明する。コンベヤ装置31に使用される搬送チェーン11は、その連結方向X(長手方向)の両端部のヒンジ部21,22をピン16で連結することで無端状とされる。
図4に示すように、コンベヤ装置31は、無端状の搬送チェーン11を周回させることで、その上面となる荷載置面11A(搬送面)に載置された容器等の搬送物Cを連結方向Xと平行な搬送方向Pに搬送する機能を有している。
コンベヤ装置31において、搬送方向Pと平行な方向に所定距離を離れた両側の位置には、一対の回転軸33に複数個ずつ嵌着されたスプロケット34がそれぞれ回転可能な状態で支持されている。各スプロケット34の外周には、搬送チェーン11が歯部34aと噛み合う状態で巻き掛けられている。搬送チェーン11の下側部分は、その垂れ下がりを抑える複数のローラ35により支持されている。不図示のコントローラーが動力源であるモータ36を回転駆動させることにより、駆動側(図4では右側)のスプロケット34が回転駆動することにより搬送チェーン11は周回し、その荷載置面11A上の搬送物Cは搬送方向Pに搬送される。なお、モータ36の逆転駆動によって、搬送チェーン11は搬送方向Pと逆方向への周回も可能である。
搬送チェーン11のうち周回方向において荷載置面11Aを形成する上側に配置された部分は、複数本(図4では1本のみ図示)のレール32(図1および図3も参照)に支持されて平坦状に保持されている。このため、チェーンリンク15の裏面(底面)は、レール32と摺動する。また、チェーンリンク15の荷載置面15A(上面)は搬送中の搬送物Cがその上を滑る場合があるため、搬送物Cと摺動する。さらにヒンジ部21,22はピン16と摺動する。このため、チェーンリンク15には低摩擦性および耐摩耗性が要求される。なお、本実施形態の搬送チェーン11では、合成樹脂製(例えば超高分子量ポリエチレン)と金属製(例えばSUS)の2種類のレール32が使用される。
チェーンリンク又はピンは、摺動部分で摩耗粉が発生すると、食品や飲料容器などの搬送物Cの搬送に使用されるのは適さない。また、搬送チェーン11の荷載置面11Aには、ペットボトルやビン等の搬送物Cが停止した状態で搬送チェーン11だけが移動するとき、搬送物Cの底面と荷載置面11Aとが滑る滑り性が必要になる。これは、搬送チェーン11だけが移動する状態でラインプレッシャーで搬送物C(例えばペットボトル)が堰き止められたとき、搬送物Cと荷載置面11Aとの動摩擦係数が大きいと、搬送方向Pの上流側に位置する他の搬送物C群から搬送物Cが大きな力で押圧され、場合によっては、ペットボトル等の搬送物Cが押し潰される場合があるからである。これを回避するためには、荷載置面11Aと搬送物Cとの間の動低摩擦係数を所定値未満の値に小さくする必要がある。また、荷載置面11Aと搬送物Cとの滑りによる摺動による摩耗粉の発生も回避する必要があるので、この点からも、荷載置面11Aと搬送物Cとの動摩擦係数が所定値未満に小さいことが必要である。
そのため、本実施形態のチェーンリンク15およびピン16は、高強度で低摩擦性および耐摩耗性に優れた熱可塑性樹脂(例えばエンジニアリングプラスチック)をベース樹脂とし、このベース樹脂に、耐摩耗性を高める耐摩耗剤と、低摩擦性を高める固体潤滑剤とが添加された原料を用いてその溶融樹脂を射出成形して形成された樹脂組成物からなる。ベース樹脂とする熱可塑性樹脂は、エンジニアリングプラスチックのうちから選択された一つであることが好ましい。ここで、エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミドイミド樹脂、芳香族ポリイミド樹脂、ポリアセタール樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群から選択された一種であることが好ましい。また、必ずしもエンジニアリングプラスチックの範疇に入らない材料でも、搬送チェーンの摺動部材として適切な高強度および耐摩耗性に優れた熱可塑性樹脂であればよく、例えばナイロン6、ナイロン66、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレ(PP)からなる群から選択された一種を用いることもできる。本実施形態では、特にポリアセタール樹脂を使用している。なお、チェーンリンク15が合成樹脂製で、ピン16が金属製である組合せで搬送チェーン11を構成してもよく、この場合、チェーンリンク15が摺動部材の一例となる。
次に、摺動部材の一例であるチェーンリンク15やピン16の樹脂成形部品を形成する樹脂組成物について説明する。
樹脂組成物は、高粘度のポリアセタール(POM)樹脂(アセタールホモポリマー)と、中粘度のポリアセタール樹脂(アセタールホモポリマー)とを混合し、高中粘度としたポリアセタール樹脂からなるベース樹脂と、このベース樹脂中に添加された耐摩耗剤と固体潤滑剤とを含有する。耐摩耗剤としては、アラミドレジン、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維およびウィスカーからなる群から選択された少なくとも一種を用いることができる。ここで、アラミド繊維とは、2mm以上の長さを有する繊維状のものを指し、アラミドレジンとはアラミド繊維には属さず、その長手方向の長さが2mm未満のものを指す。また、固体潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、「PTFE樹脂」ともいう。)、二硫化モリブデンおよび黒鉛からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。本実施形態では、耐摩耗剤の一例としてアラミドレジン、固体潤滑剤の一例としてPTFE樹脂(フッ素樹脂)をそれぞれ使用する。PTFE樹脂は、一例として、サイズがμmオーダーの微粉末であるPTFE樹脂マイクロパウダーを使用している。もちろん、樹脂組成物に必要な特性が得られる範囲でさらに他の添加剤を加えてもよい。
耐摩耗剤として用いられるアラミドレジンは、1以上かつ5質量%未満の範囲内の値がよく、特に1以上かつ4質量%以下の範囲内の値がより好ましい。さらに2以上かつ4質量%以下がより好ましい。アラミドレジンが1質量%未満であると、アラミドレジンがなしの場合に比べ十分高い耐摩耗性が得られにくく、5質量%以上になると、必要な耐摩耗性は得られるものの、その含有率が増える割に強度の向上に寄与する程度が鈍化するうえ、ベース樹脂にとって異物となる充填剤の過多による強度の低下が危惧される。また、2質量%未満であると、必要な耐摩耗性が得られるものの十分ではなく、4質量%を超えると、必要な耐摩耗性は得られるものの、ベース樹脂にとって異物となる充填剤がまだ比較的多く、強度の低下が危惧される。
また、固体潤滑剤として用いられるPTFE樹脂は、1以上かつ5質量%以下の範囲内の値が好ましく、特に1以上かつ4質量%以下の範囲内の値がより好ましい。さらに1以上かつ3質量%以下の範囲内の値が最も好ましい。PTFE樹脂が1質量%未満であると、必要な低摩擦性が得られにくく、5質量%を超えると、耐摩耗性への悪影響が危惧されるうえ、ベース樹脂にとって異物となる充填剤が増えて強度に悪影響を及ぼし易くなり、さらに5質量%以下の場合に比べ摩擦係数が却って大きくなる場合がある。さらにPTFE樹脂が4質量%を超えると、ベース樹脂にとって異物となる充填剤が比較的まだ多く、耐摩耗性が低下するうえ、耐摩耗剤による強度向上を阻害し易い。また、3質量%を超えると、必要な耐摩耗性は得られるものの、耐摩耗剤による強度向上をまだ阻害し易いうえ、ベース樹脂にとって異物となる充填剤が比較的多く、強度の低下に悪影響を及ぼし易い。なお、PTFE樹脂の含有率は、必要な耐摩耗性および低摩擦性が得られる限りにおいて、1質量%未満としたり、5質量%超としたりしてもよい。
また、ベース樹脂となるポリアセタール樹脂は、中粘度POMと高粘度POMを所定の配合割合で混合することが好ましい。高粘度POMは、中粘度POMに比べて重合度が高いので、高粘度POMを含有することで、耐摩耗性および引張強度が向上する。中粘度POMに対する高粘度POMの質量比(以下、「POM配合比」ともいう。)が、0.2〜1.5の範囲内の値にすることが好ましい。特にPOM配合比は、0.5〜1.2の範囲内の値がより好ましい。POM配合比が1.5を超えると、高粘度POMの割合が多くなり過ぎて、射出成形時に溶融樹脂の流動性が低下して成形性が低下するうえ、射出成形時の保持時間を長くする必要があり生産性の低下に繋がる。また、POM配合比が0.2未満であると、高粘度POMの含有による耐摩耗性および引張強度の向上が得られにくい。また、POM配合比が0.5以上あると、耐摩耗性および高強度の一層の向上が可能になり、POM配合比が1.2以下であると、高粘度POMの過多による射出成形時における溶融樹脂の流動性の低下による成形性および生産性の低下を一層抑制できる。
射出成形時の溶融樹脂の流動性(粘度)は、メルトマスフローレイト(g/10min.)によって特定でき、メルトマスフローレイトが樹脂組成物の成形性に適した範囲内の値になるよう中粘度POMに対する高粘度POMの質量比(POM配合比)を決定することが好ましい。ここで、一般に高粘度POMはメルトマスフローレイトが1〜4g/10min.の範囲の値(例えば「2.3g/10min.」)をとり、中粘度POMはメルトマスフローレイトが10〜20g/10min.の範囲の値(例えば「14g/10min.」)である。射出成形時の溶融樹脂が成形性に適した流動性を得るためのメルトマスフローレイトは、例えば5〜15g/10min.の範囲内の値が好ましい。ベース樹脂が高粘度POMを含有することにより、PTFE樹脂粉末の添加による強度低下分を少しでも高強度化側に補えるが、高粘度POMの含有率が高くなり過ぎると、射出成形時における溶融樹脂の流動性が低下し、成形性の低下および生産性の低下を招く虞がある。このため、溶融樹脂の流動性および成形性を考慮した場合は、高粘度POMを30〜50質量%の範囲内とし、中粘度POMを50〜70質量%の範囲内とすることが特に好ましい。そして、これらの範囲内で、高粘度POMと、中粘度POMと、耐摩耗剤および固体潤滑剤を含む充填剤との各質量%の和が100質量%になる組合せであって、かつメルトマスフローレイトが5〜15(g/10min.)の範囲内の値となる、高粘度POMと中粘度POMとの含有率の組合せを選択することが好ましい。
<実験>
ベース樹脂のポリアセタール樹脂を、高粘度のポリアセタール樹脂と中粘度のポリアセタール樹脂とを所定の割合で配合したものとし、ベース樹脂に、耐摩耗剤の一例としてアラミドレジン、固体潤滑剤の一例としてPTFE樹脂をそれぞれ含有する原料を用いて、射出成形により摺動部材の試験片を製造した。そして、製造された試験片について、強度、耐摩耗性および低摩擦性を評価する試験を行った。
(1)原料の調製
原料およびそれらの配合割合を表1に示す。3種類のペレット原料を所定の質量割合で配合して射出成形用の原料を調製した。3種類のペレット原料は次のとおりである。原料Aは、1.5質量%フッ素樹脂(PTFE)微粉末(マイクロパウダー)充填の中粘度のポリアセタール(POM)樹脂であり、原料Bは、5質量%アラミドレジン充填の高粘度のポリアセタール(POM)樹脂であり、原料Cは、20質量%フッ素樹脂微粉末充填の中粘度のポリアセタール(POM)樹脂である。
原料の配合割合は次のとおりである。試料1〜3については、1.5%PTFE樹脂粉末充填の中粘度のポリアセタール(POM)樹脂と、20%PTFE樹脂粉末充填の中粘度のポリアセタール(POM)樹脂と、5%アラミドレジン充填の高粘度のポリアセタール(POM)樹脂とを、表1に示す配合割合で配合した。また、比較例として、1.5%PTFE樹脂粉末充填の中粘度のポリアセタール(POM)樹脂のみを原料として使用し、試料4とした。
表2に、試料1〜4の樹脂組成物の組成を示す。「試料1」の組成は、中粘度POM50質量%、高粘度POM46質量%、アラミドレジン2.5質量%、PTFE樹脂粉末(フッ素マイクロパウダー)1.5質量%である。「試料2」の組成は、中粘度POM52.9質量%、高粘度POM41.9質量%、アラミドレジン2.2質量%、PTFE樹脂粉末3.0質量%である。また、「試料3」の組成は、中粘度POM56.8質量%、高粘度POM36.3質量%、アラミドレジン1.9質量%、PTFE樹脂粉末5.0質量%である。そして、「試料4」の組成は、中粘度POM98.5質量%、PTFE樹脂粉末1.5質量%である。
<試料の射出成形>
各試料1〜4について表1に示された所定の配合割合で各原料ペレットを計量し、均一に混合した後、射出成形機のホッパーに投入し、図1〜図3に示されたチェーンリンク15を射出成形により製造し、これを試験片とした。射出成形機は型締能力50〜350tのものを用いた。成形条件は、シリンダ温度170〜230℃、金型温度(固定/可動)30〜100℃、射出速度5〜50mm/sec.、射出圧力40〜150MPa、射出時間2〜4秒の範囲とした。この成形条件の範囲内における同一条件で射出成形を行い、各試料1〜4の試験片を得た。これらの試験片を用いて試料1〜4について、引張強度試験、レール材に対する摩擦摩耗試験、搬送物(容器)に対する摩擦試験を行った。
<引張強度試験>
図1〜図3に示すチェーンリンク15の形状を有する試験片を合成樹脂製のピン16で4つ連結したものを試験体とした。精密万能試験機オートグラフAG-IS 100kN(島津製作所製)を用い、試料1〜4について試験体の長手方向(連結方向X)両端を試験機に把持させ、速度10mm/min.で破壊されるまで試験体を引張り、そのときの伸び(ストローク)と引張り力(試験力)とを測定した。試料1〜4の各試験体の破壊時の引張り荷重(kN)と伸び(mm)を表3に示す。各試料1〜4とも破断箇所は同じで、破壊断面積がほぼ一定をみなせたので、表3に示す引張り荷重は、各試料1〜4の引張強度の相対値を示すものとなる。
表3から分かるように、アラミドレジンの含有量が多くなるほど、破壊時の引張荷重が上昇する傾向にあった。また、PTFE樹脂の含有率が多くなるほど、破壊時の引張荷重が低下する傾向にあった。このことから、PTFE樹脂の過多は、アラミドレジンの添加による強度の向上を阻害するが分かる。さらに、中粘度POMに対する高粘度POMの質量比、つまりベース樹脂に占める高粘度POMの割合が高くなるほど、破壊時の引張荷重が上昇する傾向にあった。アラミドレジンと高粘度POMとが破壊時の引張荷重の向上に寄与し、PTFE樹脂の添加は破壊時の引張荷重の向上には寄与しないことが分かる。
また、表3から分かるように、各試料1〜4の破壊時の伸び(mm)は、中粘度POMに対する高粘度POMの質量比、つまりベース樹脂に占める高粘度POMの割合が高くなるほど、長くなる傾向にあった。これに対して表3に示す樹脂組成物のメルトマスフローレイト(g/10min.)は、ベース樹脂に占める高粘度POMの割合が高くなるほど、小さくなり、高粘度化する。また、試料1〜3についてはメルトマスフローレイトの値(g/10min.)が小さくなるほど、破壊時の引張荷重が大きくなっており、高重合度である高粘度POMのベース樹脂に占める割合が高くなっていることが強度向上の一因と推察される。また、破壊時の引張荷重については、全試料1〜4で必要な基準値を上回っていた。また、破壊時の伸びについても各試料1〜4とも問題のない範囲内の値であった。
<搬送チェーンのレールに対する摩擦摩耗試験>
試料1〜4の各試験片とレールとの摩擦摩耗試験を行った。試料片は、図1に示すチェーンリンクの荷載置板部20のうちリブ25と重ならない平板状の部分を切断し、およそ縦3cm×横3cm×厚さ4mmの四角板状のチェーンリンク用試験片を作製した。また、レール32には樹脂レールと金属レールとの2種類があるため、2種類のレール材料からなる円筒状(リング状)のレール用試験片を作製した。本実施例では、樹脂レールは超高分子量ポリエチレンからなり、金属レールはSUS(例えばSUS304)からなる。よって、超高分子量ポリエチレン製の円筒状のレール用試験片と、SUS製の円筒状のレール用試験片とを作製した。そして、摩擦摩耗試験開始前に予め試料1〜4のチェーンリンク試験片の質量とレール用試験片の質量とをそれぞれ測定した。
摩擦摩耗試験機EFM−III−F−ADX(エー・アンド・ディ製)に、四角板状のチェーンリンク用試験片と円筒状のレール用試験片とをセットし、各試料1〜4のチェーンリンク用試験片の表面に、円筒状のレール用試験片の筒端面を加圧力10Nで接触させた状態で、円筒状のレール用試験片を滑り速度45m/min.で軸回転させた。これにより、チェーン用試験片の表面にレール用試験片の円筒端面を所定の条件(JISK7218−1986)の下で加圧摺動させた。各試料1〜4のチェーンリンク用試験片に対して樹脂レール用試験片と金属レール用試験片との摩擦摩耗試験をそれぞれ行った。
そして、摩擦摩耗試験開始から100時間経過した時点でチェーンリンク用試験片とレール用試験片を試験機から取外し、摩耗評価のための摺動面の観察と質量の測定とを行った。そして、各試験片について摩耗試験開始前の質量woと摩耗試験100時間経過時点の質量w1との差Δw(=wo−w1)を初期の質量woで除して、摩耗率(%)(=(Δw/wo)×100%)を求めた。
表4に、各試料1〜4について摺動相手が樹脂レールの場合と金属レールの場合のそれぞれについて、摩擦摩耗試験100時間経過時点における摩耗率(%)と摩耗評価と動摩擦係数とをそれぞれ示す。
樹脂レール材料(超高分子量ポリエチレン)に対する摩耗率(%)は、アラミドレジン2.5%・PTFE1.5%の試料1で0.15%、アラミドレジン2.2%・PTFE3.0%の試料2で0.09%であった。また、アラミドレジン1.9%・PTFE5.0%の試料3は、レール用試験片との摺動面が一部溶融し、溶融物の付着により摩耗率および動摩擦係数の測定ができなかった。また、PTFE1.5%の試料4(比較例)は摩耗率0.19%であった。樹脂レール材料に対する摩耗率は0.25%以下であればよい。このため、試料1〜4の全てで必要な基準値を上回る耐摩耗性が得られた。特に試料1,2のチェーンリンク用試験片は、摺動面の摩耗凹部の深さが極めて浅いうえ、それぞれ摩耗率が0.18%以下と低いため、摩耗率0.19の比較例(試料4)に比べさらに高い耐摩耗性を有する。
また、動摩擦係数は、試料1で0.30、試料2で0.29、試料4で0.30であり、摺動面の一部が溶融して測定不能であった試料3を除いて、どれも必要な基準値0.35以下であるので、試料1,3,4では低摩擦性も良好であった。すなわち、試料1,2において比較例(試料4)と同等の低い動摩擦係数が得られた。なお、樹脂レールの摩耗率は、摺動相手が試料1で0.15%、試料2で0.04%と十分小さく、摺動相手が試料1、2である場合、樹脂レールの摩耗率を低くでき、レールからの摩耗粉を少なくすることもできる。
一方、金属レール材料(SUS304)に対する摩耗率(%)は、試料1で0.15%、試料2で0.07%、試料3で0.11%、試料4で0.19%であった。金属脂レール材料に対する摩耗率(%)は0.2%以下であれば必要な耐摩耗性は得られ、試料1〜4の全てで、必要な基準値を上回る耐摩耗性が得られた。特に、試料1〜3については摩耗率が0.15%以下であり、0.19%の比較例(試料4)よりも高い耐摩耗性が得られた。なお、金属レール材料の摩耗率は、摺動相手が試料1〜4の全てで0%であった。
また、動摩擦係数は、試料1で0.46、試料2で0.46、試料3で0.54、試料4で0.45であり、どの試料も必要な基準値0.55以下となり、搬送チェーンに必要な低摩擦性が得られた。
表4の測定結果を図5のグラフに示す。なお、図5のグラフ中の数字は試料番号を示し、黒塗りのマークが樹脂レール材料、白抜きのマークが金属レール材料にそれぞれ摺動させたときの各試料の測定値を示す。このグラフから分かるように、試料1,2は、動摩擦係数は比較例(試料4)と同程度でありながら、摩耗率については比較例よりも小さくより高い耐摩耗性が得られることが分かる。特に樹脂レール材料に対する摩耗率については、試料1,2が、さらに低い摩耗率の基準値である0.17%(図5のグラフ中の一点鎖線)以下の条件を満たしている。また、金属レールに対する摩耗率については、試料1〜3が、さらに低い基準値である摩耗率0.17%以下の条件を満たしている。よって、総合的には、樹脂レール材料と金属レール材料との両方で試料1,2が特に耐摩耗性に優れていた。
また、PTFE含有率が5.0質量%の試料3では、摺動面の一部が溶融することから、PTFE含有率は5.0質量%未満が好ましい。特に摩耗率が樹脂レール材料に対して0.09%、金属レール材料に対して0.07%と極めて良かったPTFE含有率3.0質量%と5.0質量%の中間である4.0質量%以下にすることがより好ましい。なお、一部溶融がみられるものの摩耗加速試験であるため、通常の使用条件で問題ない程度の摩耗で済む場合、PTFE含有率は5質量%以上であっても構わない。
また、アラミドレジン2.5質量%の試料1の方が、アラミドレジンなしの試料4よりも摩耗率が低いことから、アラミドレジンが耐摩耗性の向上に寄与していると推察できる。その一方で、PTFE含有率が3.0質量%から5.0質量%に増えると、金属レール材料に対する摩耗率が0.07から0.11に増えるうえ、樹脂レール材料に対しては摩耗率が0.09であったものが摺動面に一部溶融が発生するほどになった。このことから、PTFE含有率が3.0質量%を超え5.0%に至る途中の例えば中間値4.0質量%を超えると、PTFE樹脂の増加が却って動摩擦係数を大きくさせると推察できる。そして、大きな動摩擦係数は摺動面の摩擦熱による発熱を招き、これが摺動面の摩耗を促進する。よって、摩耗率の増大の原因となる動摩擦係数を小さく抑えるうえで、PTFE含有率は、特に1.0以上かつ4.0質量%以下がより好ましい。
また、アラミドレジンとPTFE樹脂との総含有率が6.9質量%(試料3)では摩耗率が大きくなり、4.0質量%(試料1)、5.2質量%(試料2)では、摩耗率が比較的小さい。このことから、アラミドレジンが1以上5質量%未満で、PTFE樹脂が1以上5質量%未満の組合せの中で、両者の総含有率を6質量%以下とすることが耐摩耗性を高くするうえで好ましい。さらにはアラミドレジンが1以上4質量%以下で、PTFE樹脂が1以上4質量%以下の組合せの中で両者の総含有率が6質量%以下とすることが特に好ましい。
<搬送チェーンの搬送物に対する摩擦試験>
試料1〜4の樹脂組成物からなるチェーンリンク15の試験片を連結して製造した図1〜図4に示す搬送チェーン11を用いて、搬送チェーン11の搬送物に対する動摩擦係数を測定した。搬送物は材質の異なる容器とし、材質の異なる容器ごとに搬送チェーン11の動摩擦係数を測定した。搬送物を構成する容器は、アルミ缶、スチール缶、ペットボトル、ビン、紙容器とした。
試料1〜4の樹脂組成物からなるチェーンリンク15の試験片を使用して、図4に示す搬送チェーン11を試料別に組立てた。そして、その搬送チェーン11の荷載置面11A上に、所定の質量の搬送物を載置し、搬送物の搬送方向と反対方向の端部にばね秤を引っ掛けた状態で、搬送チェーン11を所定の搬送速度で駆動させることで、搬送物を搬送方向と反対側からばね秤で引っ張りつつ荷載置面11A上を滑らせたときの荷重をばね秤で計測した。搬送物は、液体入りの複数の容器を一列に配列した状態で粘着テープ等で一体に固定したものを用い、各試料1〜4の質量はいずれも5kgとした。また、搬送チェーン11の搬送速度は、20m/分、50m/分、80m/分の3種類とした。異なる搬送速度で複数回ずつ測定した荷重の測定値と、搬送物と荷載置面11Aとの接触面積とから搬送速度別に動摩擦係数を計算し、搬送速度別の動摩擦係数を平均した値を、搬送物の動摩擦係数とした。
図6に、試料1〜4からなるチェーンリンク15の各容器に対する動摩擦係数を示す。このグラフから分かるように、試料1〜4の動摩擦係数は、アルミ缶で0.09未満、スチール缶で0.10未満、ペットボトルで0.14未満、ビンで0.07未満であり、これらの容器に対しては、試料1〜4で動摩擦係数に大きな差は認められなかった。また、紙容器については、動摩擦係数が試料1〜4において0.29以下であった。詳しくは、試料1と試料4は動摩擦係数0.29で同程度であり、試料2と試料3はそれぞれ0.26、0.24であり、試料1および試料4よりも低い動摩擦係数であった。よって、試料1〜3のチェーンリンクの搬送物に対する動摩擦係数は、比較例(試料4)と同程度であり、特に紙容器に対する動摩擦係数については試料2および試料3が比較例よりも小さくなっていた。これはレール材料に対する動摩擦係数(表4、図6)とも整合する。
<樹脂組成物のメルトマスフローレイト>
表3に示した樹脂組成物のメルトマスフローレイト(g/10min.)は、市販品の原料のメルトマスフローレイト値を基に、樹脂組成物の原料配合割合から換算した値である。メルトマスフローレイトは、熱可塑性樹脂の溶融時の流動性を表す数値であり、次の条件で測定される。シリンダ内で溶融した樹脂を、一定の温度と荷重条件の下、シリンダ底部に設置された規定口径のダイスから10分間当たりに押し出される樹脂量(g)を測定する。温度は190℃、荷重2.16kgの下で、ISO1133に従った試験法で測定されたものである。メルトマスフローレイトは、射出成形時の溶融樹脂の流動性の指標となる。つまり、メルトフローレイトは、射出成形時に金型に注入された溶融樹脂のキャビティ内への充填のし易さを表す。
本実施形態では、メルトマスフローレイトを5〜15(g/10min.)の範囲内の値になるように原料を調製している。ここで、メルトマスフローレイトが5(g/10min.)未満となる高粘度の溶融樹脂であると、金型への充填性が低下して成形品の形状不良および外観不良の発生率が相対的に高くなる。また、メルトマスフローレイトが15(g/10min.)を超えると、高粘度POMの配合割合が少なくPOMの平均重合度が低くなって成形品の強度および耐摩耗性の向上の効果が低減する。このため、メルトマスフローレイトは、5〜15(g/10min.)の範囲内の値が好ましい。
本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)樹脂組成物のベース樹脂として高強度耐摩耗性を有する熱可塑性樹脂を使用し、この熱可塑性樹脂からなるベース樹脂中に耐摩耗剤と固体潤滑剤とが含有された樹脂組成物からなる摺動部材を製造した。よって、高強度であり耐摩耗性および低摩擦性に優れた搬送チェーン用の摺動部材(チェーンリンク15やピン16)を提供することができる。
(2)ベース樹脂としての熱可塑性樹脂を、高強度かつ耐摩耗性の高い、ポリアセタール樹脂、ナイロン6、ナイロン66、PBT、PPからなる群から選択された1種とした。そして、このような高強度および耐摩耗性の高い熱可塑性樹脂に含有される耐摩耗剤を、アラミドレジン、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維およびウィスカーからなる群から選択された少なくとも1種としたので、摺動部材の耐摩耗性が効果的に高められる。また、固体潤滑剤を、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、二硫化モリブデンおよび黒鉛からなる群から選択される少なくとも1種としたので、摺動部材の低摩擦性が効果的に高められる。よって、耐摩耗性および低摩擦性に優れた搬送チェーン用の摺動部材を提供できる。
(3)ベース樹脂として、ポリアセタール樹脂を使用し、耐摩耗剤としてアラミドレジン、固体潤滑剤としてPTFE樹脂を用いたので、耐摩耗性および低摩擦性に優れた搬送チェーン用の摺動部材を提供できる。
(4)アラミドレジンの含有率を1質量%以上かつ5質量%未満の範囲内とし、PTFE樹脂の含有率を1質量%以上かつ5質量%以下の範囲内とした。よって、摩耗加速試験100時間においても耐摩耗性および低摩擦性が共に高いチェーンリンク15やピン16等の摺動部材を提供できる。特にアラミドレジンの含有率を1質量%以上かつ4質量%以下の範囲内とし、PTFE樹脂の含有率を1質量%以上かつ4質量%以下の範囲内とした場合、さらに耐摩耗性および低摩擦性に優れた搬送チェーン用の摺動部材を得ることができる。
(5)特にアラミドレジンの含有率とPTFE樹脂の含有率との差が2質量%以内となるように両者の含有率を調整した場合は、PTFE樹脂の過多により却って耐摩耗性が低下する事態を回避し、耐摩耗性および低摩擦性が共に高い摺動部材を提供できる。
(6)ベース樹脂のポリアセタール樹脂は、中粘度のポリアセタール樹脂と高粘度のポリアセタール樹脂とを混合した高中粘度のものを使用した。よって、射出成形時の溶融樹脂にそのときの温度条件に適した流動性が得られ、射出された溶融樹脂が金型内の比較的細い流路やエッジにも適度な流速で比較的短時間で流れ易くなるので、搬送チェーン11用の摺動部材の成形性および生産性がよくなる。
(7)高中粘度のポリアセタール樹脂をベース樹脂とする樹脂組成物のメルトマスフローレイトを、5以上かつ15g/10min.以下の範囲内の値とした。このため、溶融樹脂が射出成形に適した粘度となってその流動性がよくなり、成形性のよい摺動部材を得ることができる。
(8)中粘度POMに対する高粘度POMの質量比(POM配合比)を、0.2〜1.5の範囲内の値とした場合、中粘度POMよりも重合度の高い高粘度POMのPOM配合比で0.2以上の含有により、摺動部材の耐摩耗性および引張強度の向上を実現し易くなる。また、POM配合比が1.5以下なので、高粘度POMの過多による射出成形時の溶融樹脂の流動性の低下を抑え、溶融樹脂の良好な流動性により成形性および生産性が損なわれない。特にPOM配合比を0.5〜1.2の範囲内の値にすることで、摺動部材の耐摩耗性、引張強度、成形性および生産性の一層の向上を実現できる。
(9)高粘度POMを30〜50質量%の範囲内、中粘度POMを50〜70質量%の範囲内で、高粘度POMと中粘度POMと添加剤との各質量%の和が100質量%になる組合せであって、かつメルトマスフローレイトが5〜15(g/10min.)の範囲内の値となる、高粘度POMと中粘度POMとの含有率の組合せを選択する。摺動部材にこのような組成を選択した場合、成形性がよく高強度および耐摩耗性が高い摺動部材を得ることができる。
なお、実施形態は、以下に示す態様でもよい。
・搬送チェーン用の摺動部材は、トップチェーンやモジュラーチェーン等の搬送チェーンを構成する合成樹脂製の構成部材であればよく、ブシュ等でもよい。また、搬送チェーン用の摺動部材は、モジュラーチェーン等においてチェーンリンク(モジュラー部品)の荷載置面側に回転可能に装着されるローラ又はボールであってもよい。
・アラミドレジンとPTFE樹脂の総含有率は、例えば6質量%を超え10質量%以下の範囲でもよいし、さらにこの範囲を超えてもよい。例えば、アラミドレジンとPTFE樹脂との各含有率の差を2質量%以内に抑えるようにアラミドレジンとPTFE樹脂の含有率の組合せを選択することによって、総含有率が上記の範囲にあっても必要な耐摩耗性および低摩擦性を得ることが可能になる。
・前記実施形態では、アラミドレジンが1以上かつ5質量%未満、PTFE樹脂が1以上かつ5質量%以下の範囲内の値としたが、搬送チェーンに必要な耐摩耗性と低摩擦性の両方が得られれば、アラミドレジンとPTFE樹脂の含有率は適宜の値を選択できる。
・摺動部材の成形方法は、射出成形機を用いて溶融樹脂を金型内に射出する射出成形法に限定されない。押出成形機を用いた押出成形法であってもよい。
11…搬送チェーン、11A…荷載置面、15…摺動部材の一例としてのチェーンリンク、15A…荷載置面、16…摺動部材の一例としてのピン、20…荷載置板部、21…第1ヒンジ部、22…第2ヒンジ部、X…連結方向、W…幅方向、P…搬送方向、31…コンベヤ装置、32…レール。

Claims (2)

  1. 搬送される物品が載置される荷載置面を有する搬送チェーンを構成する搬送チェーン用の摺動部材であって、
    前記搬送チェーン用の摺動部材は樹脂組成物により形成され、
    前記樹脂組成物は、
    ベース樹脂として用いられる熱可塑性樹脂と、
    前記ベース樹脂に添加された耐摩耗剤と、
    前記ベース樹脂に添加された固体潤滑剤と、を含み、
    前記熱可塑性樹脂はポリアセタール樹脂であり、
    前記ポリアセタール樹脂は、中粘度のポリアセタール樹脂と高粘度のポリアセタール樹脂とを混合した高中粘度のものであり、
    前記耐摩耗剤はアラミドレジンを含み、
    前記固体潤滑剤はポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を含み、
    前記樹脂組成物は、中粘度のポリアセタール樹脂を50〜70質量%の範囲内で、高粘度のポリアセタール樹脂を30〜50質量%の範囲内で、前記耐摩耗剤を2質量%以上かつ4質量%以下の範囲内で、前記固体潤滑剤を1質量%以上かつ3質量%以下の範囲内で、さらに、前記アラミドレジンの含有率と前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末の含有率の差は2質量%以内であり、前記ポリアセタール樹脂と前記耐摩耗剤と前記固体潤滑剤との各質量%の和が100質量%になる組み合わせであることを特徴とする搬送チェーン用の摺動部材。
  2. 前記樹脂組成物の温度190℃、荷重2.16kgの下でのISO1133に従って測定されたメルトマスフローレイトは、5以上かつ15g/10min.以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の搬送チェーン用の摺動部材。
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