JP5874974B2 - 潤滑剤供給装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

潤滑剤供給装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジ Download PDF

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本発明は、潤滑剤供給装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジに関するものである。
プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置において、感光体や中間転写ベルトなどの像担持体の保護や低摩擦化のため像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置を備えたものが知られている(例えば、特許文献1)。
図17は特許文献1に記載の潤滑剤供給装置の概略構成図である。図17(a)は使用初期時における状態を示すものであり、図17(b)は固形潤滑剤162を使い切った時における状態を示すものである。また、図17は、固形潤滑剤162の長手方向一端側の構成を示すものであるが、他端側も同じ構成である。
図17に示すように、特許文献1に記載の潤滑剤供給装置は、バー状の固形潤滑剤162に当接し、これを摺擦することで削り取った微粉末状の潤滑剤を像担持体に供給する供給部材161を備えている。また、固形潤滑剤162の供給部材161と当接する側とは反対側の部分を保持する潤滑剤保持部材164を備えている。潤滑剤保持部材164は、供給部材161に対する固形潤滑剤162の接離方向に移動可能に潤滑剤供給装置のケース165に収納されている。また、ケース165内の潤滑剤保持部材164の固形潤滑剤162保持側と反対側の空間には、潤滑剤保持部材164の固形潤滑剤162保持側と反対側を供給部材側へ押圧する押圧機構163が設けられている。
押圧機構163は、潤滑剤保持部材164に一端側が揺動自在に設けられ、固形潤滑剤162の長手方向の中心を基準にして対称に配置された一対の揺動部材163Aを有している(潤滑剤保持部材長手方向他端側の揺動部材については不図示)。一対の揺動部材163Aには、付勢手段としてのバネ163Cの各端部がそれぞれ取り付けられている。各揺動部材163Aは、この1つのバネ163Cから潤滑剤保持部材164の長手方向中心に向かう図中矢印Dの向きの付勢力を得ている。この付勢力によって、各揺動部材163Aの他端側(以下、揺動端部という)は、図17に示すように潤滑剤保持部材164から離れる方向に付勢され、揺動端部側がケース165の潤滑剤保持部材対向面165Aと当接する。潤滑剤保持部材164は、ケース165の潤滑剤保持部材対向面165Aが受ける揺動部材163Aの押圧力(図中下側に加わる力)の反力により供給部材側へ押圧されることで固形潤滑剤162が所定の当接圧で供給部材161と当接する。
供給部材161が回転すると、これに当接している固形潤滑剤162が摺擦され、これにより削り取られて供給部材161に付着した潤滑剤が像担持体の表面に塗布される。固形潤滑剤162が供給部材161による摺擦で徐々に削られながら、図17(b)に示すように、揺動部材163Aが揺動して、潤滑剤保持部材164が供給部材側へと移動していく。固形潤滑剤162が初期から末期にかけて供給部材161に当接し、供給部材161により固形潤滑剤162を良好に削り取ることができる。
潤滑剤が枯渇した状態で画像形成動作が行われると、潤滑剤の保護作用が働かないため、像担持体が磨耗して劣化してしまう。このため、潤滑剤の残量が少なくなったことを検知(ニアエンド検知)して、潤滑剤の交換を行う必要がある。そこで、本出願人は、図18に示すような潤滑剤供給装置を試作した(以下、試作品という)。
図18に示すように、試作品は、ケース165の潤滑剤保持部材対向面165Aにおける揺動部材163Aが摺動する摺動領域Sの潤滑剤の残量が残り僅かとなったときに揺動部材163Aが当接する箇所に第1検知部材としての第1電極部材171が設けられている。また、揺動部材163Aのケースの摺動領域Sに当接する当接領域163Aにおける、潤滑剤の残量が残り僅か(ニアエンド)となったときに潤滑剤保持部材対向面165Aと当接する箇所に、第2検知部材としての第2電極部材172が設けられている。
この試作品においては、潤滑剤の残量が残り僅か(ニアエンド)となったときに揺動部材163Aの当接領域163Bに設けられた第2電極部材172と、ケース165の摺動領域Sに設けられた第1電極部材171とが当接する。これにより、電極部材間が導通して電極部材間で電流が流れ、検知部173で潤滑剤のニアエンドを検知することができる。
しかしながら、この試作した潤滑剤供給装置について、像担持体表面に均一に潤滑剤を塗布できない場合があるという新たな課題が生じた。具体的に説明すると、潤滑剤保持部材164は、ケース165内部で移動できるように構成する必要があるため、ケース165に対してある程度のガタがある状態でケース165に収納される。その結果、潤滑剤保持部材164の位置が、使用中に固形潤滑剤162の長手方向にずれてしまう場合がある。潤滑剤保持部材164の位置が上記長手方向にずれると、潤滑剤保持部材164に揺動自在に取り付けられている揺動部材163Aの位置も上記長手方向にずれてしまう。その結果、揺動部材163Aの当接領域163Bにおける第2電極部材172が設けられた箇所以外の箇所が、ケース165の第1電極部材171と当接してしまう。ケース165に設けられた第1電極部材171の摩擦係数とケース165の摩擦係数とは異なるため、揺動部材163Aがケース内面を摺動するときと、ケース165の第1電極部材171の表面を摺動するときとで摺動抵抗が異なる。その結果、ケース165と摺動する他方側の揺動部材と、第1電極部材171と摺動する一方側の揺動部材とで摺動抵抗が互いに異なり、揺動部材163Aの揺動量が一方側と他方側とで異なってしまう。これにより、固形潤滑剤162を長手方向に均一な当接圧で供給部材161に当接できなくなり、供給部材161により削れられる潤滑剤の量が長手方向に異なり、像担持体表面に均一に潤滑剤が塗布できなくなるである。
本発明は以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、潤滑剤の残量が少なくなったことを検知することができ、かつ、揺動部材が第1検知部材を摺動することによる供給対象への潤滑剤供給量の不均一を抑制することができる潤滑剤供給装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、固形潤滑剤と、上記固形潤滑剤に当接し、これを摺擦することで削り取った潤滑剤を潤滑剤供給対象に供給する供給部材と、上記固形潤滑剤を保持する潤滑剤保持部材と、上記潤滑剤保持部材を上記供給部材側へ移動可能に収納する収納ケースと、上記収納ケース内に揺動自在に支持された一対の揺動部材、および、上記一対の揺動部材を付勢する付勢手段を備え、上記付勢手段の付勢力により上記揺動部材が上記収納ケースの内周面または上記潤滑剤保持部材を摺動しながら揺動して上記固形潤滑剤を上記供給部材へ押圧する押圧機構と、上記固形潤滑剤の残量が所定量以下であることを検知する残量検知手段とを備えた潤滑剤供給装置において、上記残量検知手段は、上記揺動部材が揺動時に摺動する部材における揺動部材摺動領域とは異なる箇所に設けた第1検知部材と、上記揺動部材の揺動姿勢が、上記所定量の固形潤滑剤の残量に対応する揺動姿勢になったとき、上記第1検知部材と当接または対向するように、上記揺動部材に取り付けられた第2検知部材とを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、第1検知部材を、揺動部材が摺動する摺動領域とは異なる箇所に設けたので、以下のような効果を得ることができる。すなわち、第1検知部材を摺動領域に対して、上記固形潤滑剤の短手方向に異なる箇所に設けた場合は、潤滑剤保持部材が長手方向にずれて、揺動部材が固形潤滑剤の長手方向にずれたとしても第1検知部材と揺動部材とが当接することがない。また、第1検知部材を摺動領域に対して固形潤滑剤長手方向に異なる位置に設けた場合は、試作品のように摺動領域に第1検知部材を設けた場合に比べて、揺動部材が固形潤滑剤の長手方向にずれたときに揺動部材が第1検知部材と当接するのを抑制することができる。
これにより、一方の揺動部材と、他方の揺動部材との揺動量が異なるのを抑制することができ、固形潤滑剤を長手方向に均一な当接圧で供給部材に当接させることができる。その結果、供給部材により削れられる潤滑剤の量を長手方向に均一にでき、供給対象に均一に潤滑剤を供給することができる。
また、第1検知部材を摺動領域に設けた場合は、潤滑剤が所定量以下となったとき、揺動部材が第1検知部材と当接するので、潤滑剤が所定量以下となったとき揺動部材に設けた第2検知部材を第1検知部材に当接させる構成しか採用できなかった。しかし、本発明においては、第1検知部材を摺動領域とは異なる箇所に設けたので、潤滑剤が所定量以下となったとき、揺動部材と第1検知部材とが非当接になる。よって、潤滑剤が所定量以下となったとき揺動部材に設けた第2検知部材を第1検知部材に当接させる構成以外に、第2検知部材を第1検知部材に対向させる構成も採用することができる。
実施形態1に係るプリンタを示す概略構成図である。 4つの作像ユニットのうちの1つを示す拡大図である 潤滑剤塗布装置の概略構成図。 使用末期における潤滑剤塗布装置の概略構成図。 変形例の押圧機構を備えた潤滑剤塗布装置を示す概略構成図 図5に示す潤滑剤塗布装置の使用末期の状態を示す概略構成図。 残量検知機構を備えた潤滑剤塗布装置の概略構成図。 図7の潤滑剤塗布装置の一方側の揺動部材周辺の平面図。 固形潤滑剤がニアエンドの状態を示す図。 図9のA1−A1断面図。 変形例の押圧機構を備えた潤滑剤塗布装置に残量検知機構を適用した形態を示す図。 図11の潤滑剤塗布装置の一方側の揺動部材周辺の平面図。 図11に示す形態において、固形潤滑剤がニアエンドの状態を示す図。 図13のA2−A2断面図。 残量検知機構の変形例を示す図。 図15に示した構成において潤滑剤ニアエンド時の状態を示す図。 従来の潤滑剤供給装置を示す概略構成図。 先願の潤滑剤供給装置を示す概略構成図。
以下に、本発明を、電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。
このプリンタは、その内部の略中央に像担持体である中間転写体としての中間転写ベルト56を備えている。中間転写ベルト56は、ポリイミドやポリアミド等の耐熱性材料からなり、中抵抗に調整された基体からなる無端状ベルトで、4つのローラ52,53,54,55に掛け渡して支持され、図中矢印A方向に回転駆動される。中間転写ベルト56の下方にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーに対応した4つの作像ユニットが中間転写ベルト56のベルト面に沿って並んでいる。
図2は、4つの作像ユニットのうちの1つを示す拡大図である。
いずれの作像ユニットも同様の構成であるので、ここでは、色の区別を示すY、M、C、Kの添え字を省略する。各作像ユニットは、像担持体としての感光体1を有し、各感光体1の周りには、感光体表面を所望電位(マイナス極性)となるように一様に帯電させる帯電手段としての帯電装置2、感光体表面に形成された静電潜像をマイナス極性に帯電された各色トナーで現像してトナー像とする現像手段としての現像装置4、感光体表面に潤滑剤を塗布により供給する潤滑剤供給装置である潤滑剤塗布装置3、トナー像転写後の感光体表面のクリーニングを行うクリーニング装置8がそれぞれ配置されている。
作像ユニットは、画像形成装置から着脱可能なプロセスカートリッジとして構成、感光体1、帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置8および潤滑剤塗布装置3が一括で交換される構成となっている。
また、図1を参照すると、4つの作像ユニットの下方には、帯電した各感光体表面に各色の画像データに基づいて露光して露光部分の電位を落とし、静電潜像を書き込む静電潜像形成手段としての露光装置9が備えられている。また、中間転写ベルト56を挟んで、各感光体1と対向する位置には、感光体1上に形成されたトナー像を中間転写ベルト56上に一次転写する転写手段としての一次転写ローラ51がそれぞれ配置されている。一次転写ローラ51は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。
中間転写ベルト56のローラ52で支持された部分の外側には、二次転写手段としての二次転写ローラ61が圧接されている。二次転写ローラ61は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。二次転写ローラ61と中間転写ベルト56との接触部が二次転写部であり、中間転写ベルト56上のトナー像が記録材としての転写紙に転写される。中間転写ベルト56のローラ55で支持された部分の外側には、二次転写後の中間転写ベルト56の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置57が設けられている。二次転写部の上方には、転写紙上のトナー像を転写紙に定着させる定着装置70が備えられている。定着装置70は、内部にハロゲンヒータを有する加熱ローラ72及び定着ローラ73に巻き掛けられた無端の定着ベルト71と、定着ベルト71を介して定着ローラ73に対向、圧接して配置される加圧ローラ74とから構成されている。プリンタの下部には、転写紙を載置し、二次転写部に向けて転写紙を送り出す給紙装置20が備えられている。
感光体1は、有機感光体であり、ポリカーボネート系の樹脂で表面保護層が形成されている。帯電装置2は、帯電部材として導電性芯金の外側に中抵抗の弾性層を被覆して構成される帯電ローラ2aを備える。帯電ローラ2aは、図示しない電源に接続されており、所定の電圧が印加される。帯電ローラ2aは、感光体1に対して微小な間隙をもって配設される。この微小な間隙は、例えば、帯電ローラ2aの両端部の非画像形成領域に一定の厚みを有するスペーサ部材を巻き付けるなどして、スペーサ部材の表面を感光体1表面に当接させることで、設定することができる。また、帯電ローラ2aには、帯電ローラ2a表面に接触してクリーニングする帯電クリーニング部材2bが設けられている。
現像装置4は、感光体1と対向する位置に、内部に磁界発生手段を備える現像剤担持体としての現像スリーブ4aが配置されている。現像スリーブ4aの下方には、図示しないトナーボトルから投入されるトナーを現像剤と混合し、攪拌しながら現像スリーブ4aへ汲み上げるための2つのスクリュー4bが備えられている。現像スリーブ4aによって汲み上げられるトナーと磁性キャリアからなる現像剤は、ドクターブレード4cによって所定の現像剤層の厚みに規制され、現像スリーブ4aに担持される。現像スリーブ4aは、感光体1との対向位置において同方向に移動しながら、現像剤を担持搬送し、トナーを感光体1上の静電潜像部分に供給する。なお、図1においては、二成分現像方式の現像装置4の構成を示したが、これに限るものではなく、一成分現像方式の現像装置であっても適用可能である。
潤滑剤塗布装置3は、固定されたケースに収容された固形潤滑剤3bと、固形潤滑剤3bから削り取った粉体状の潤滑剤を感光体1の表面に塗布する塗布手段を構成する供給部材としての塗布ローラ3aとを備える。塗布ローラ3aは、ブラシローラ、ウレタン状発泡ローラを用いることができる。塗布ローラ3aとして、ブラシローラを用いる場合は、ナイロン、アクリル等の樹脂にカーボンブラック等の抵抗制御材料を添加して体積抵抗率1×10Ωcm以上1×10Ωcm以下の範囲内に調整された材料で形成されたブラシローラが好適である。塗布ローラ3aの回転方向は、感光体1に対して連れ回り方向である。また、塗布ローラ3aとして、発泡ウレタンローラを用いる場合は、発泡ポリウレタンローラを用いることができる。
固形潤滑剤3bは、直方体状に形成されており、後述する押圧機構3cにより塗布ローラ3a側に押圧されている。固形潤滑剤3bの潤滑剤としては、少なくとも脂肪酸金属塩を含有する潤滑剤を用いる。脂肪酸金属塩としては、例えば、フッ素系樹脂、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどのラメラ結晶構造を持つ脂肪酸金属塩や、ラウロイルリジン、モノセチルリン酸エステルナトリウム亜鉛塩、ラウロイルタウリンカルシウムなどの物質を使用することができる。これらの脂肪酸金属塩のうち、特にステアリン酸亜鉛を用いることが好ましい。これは、ステアリン酸亜鉛が、感光体1表面上での伸展性が非常によく、しかも吸湿性が低く、さらに湿度が変化しても潤滑性が損なわれ難い特性を有しているためである。よって、環境変化に影響されにくく感光体表面を保護する能力の高い皮膜化された潤滑剤の保護層を形成することができ、良好に感光体表面を保護できる。また、潤滑性が損なわれ難い特性を有していることで、クリーニング不良の低減効果を良好に得ることができる。また、これらの脂肪酸金属塩の他に、シリコーンオイルやフッ素系オイル、天然ワックスなどの液状の材料、ガス状にした材料を外添法として添加することもできる。
また、固形潤滑剤3bの潤滑剤は、無機潤滑剤である窒化ホウ素を含むことが好ましい。窒化ホウ素の結晶構造としては、六方晶系の低圧相のもの(h−BN)や、立方晶系の高圧相(c−BN)等を挙げることができる。これらの構造の窒化ホウ素のうち、六方晶系の低圧相の窒化ホウ素の結晶は層状の構造を有しており、容易に劈開する物質であるため、摩擦係数は400°C近くまで約0.2以下を維持でき、放電により特性が変化し難く、放電を受けても他の潤滑剤に比べて潤滑性が失われることがない。このような窒化ホウ素を添加することで、感光体1表面に供給されて薄膜化された潤滑剤が、帯電装置2や一次転写ローラ51の作動時に発生する放電によって早期に劣化することはない。窒化ホウ素は、放電により特性が変化し難く、放電を受けても、他の潤滑剤に比べて潤滑性が失われることがない。しかも、感光体1の感光体層が放電により酸化、蒸発してしまうことを防止することもできる。また、窒化ホウ素は、わずかな添加量でも、その潤滑性を発揮できるので、帯電ローラ2aなどへの潤滑剤付着による不具合や、クリーニングブレード8aのブレード鳴きに対して有効である。
本実施形態の固形潤滑剤3bは、ステアリン酸亜鉛と窒化ホウ素とを含有した潤滑剤原料を圧縮成型したものを用いた。なお、固形潤滑剤3bの成型方法は、これに限定されることはなく、溶融成型などの他の成型方法を採用してもよい。これにより、上述したステアリン酸亜鉛の効果と上述した窒化ホウ素の効果とを得ることができる。
固形潤滑剤3bは塗布ローラ3aによって削り取られ消耗し、経時的にその厚みが減少するが、押圧機構3cにより押圧されているために常時塗布ローラ3aに当接している。塗布ローラ3aは、回転しながら削り取った潤滑剤を感光体表面に塗布する。その後、感光体1の表面とクリーニングブレード8aとの接触により、塗布された潤滑剤が押し広げられて薄膜状になる。これにより、感光体1の表面の摩擦係数が低下する。なお、感光体1の表面に付着した潤滑剤の膜は非常に薄いため、帯電ローラ2aによる帯電を阻害することはない。
クリーニング装置8は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード8a、支持部材8b、トナー回収コイル8c、ブレード加圧スプリング8dを備える。クリーニングブレード8aは、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴムを板状に形成してなり、そのエッジが感光体1表面に当接するようにして設けられ、転写後に残留する感光体1上のトナーを除去する。クリーニングブレード8aは、金属、プラスチック、セラミック等からなる支持部材8bに貼着されて支持され、感光体1表面に対し所定の角度で設置される。また、ブレード加圧スプリング8dによって所定の当接圧、食い込み量で感光体1表面に当接する。なお、クリーニング部材としては、クリーニングブレードのほか、クリーニングブラシなどの公知のものを広く利用することができる。
本実施形態において、潤滑剤塗布装置3は、感光体1が一次転写手段51と対向する位置(一次転写部)よりも感光体表面移動方向下流側で、クリーニング装置8よりも上流側に配置される。これにより、潤滑剤塗布装置3によって感光体表面に塗布された潤滑剤を、その後にクリーニングブレード8aが感光体表面を摺擦することで引き延ばし、感光体表面に塗布された潤滑剤の塗布ムラをおおまかに均すことができる。なお、感光体1がクリーニング装置8と対向する位置(クリーニング位置)よりも感光体表面移動方向下流側で、感光体1が帯電装置2と対抗する位置(帯電位置)よりも上流側に配置するようにしてもよい。この場合、帯電装置2での帯電処理前に感光体表面を除電する除電手段を備えているときには、感光体1が除電手段と対抗する位置(除電位置)よりも上流側に配置する。
また、本実施形態では、潤滑剤塗布装置3をクリーニング装置8の内部に設けている。これにより、感光体1を摺擦したときに塗布ローラ3aに付着するトナーを固形潤滑剤3b又は図示しないフリッカーで振り落とし、クリーニングブレード8aによって回収されるトナーと共に、トナー回収コイル8cによって容易に回収することができる。
潤滑剤塗布装置3についてより詳細に説明する。
図3は、潤滑剤塗布装置3の概略構成図である。
図3に示すように、固形潤滑剤3bの塗布ローラ3aと当接する面(図中下側の面)とは反対側の部分をその長手方向にわたって保持する潤滑剤保持部材3dが設けられている。潤滑剤保持部材3dは、収納ケース3eに塗布ローラ3aに対して接離可能に設けられている。また、収納ケース3eの潤滑剤保持部材3dより図中上部の空間には、潤滑剤保持部材3dを供給部材側へ押圧する押圧機構3cを備えている。
押圧機構3cは、潤滑剤保持部材3dの長手方向両端部付近にそれぞれ設けられ、収納ケース3eに揺動自在に取り付けられた揺動部材31aと、付勢手段であるバネ31bとを有している。バネ31bの各端部がそれぞれ揺動部材31aに取り付けられている。各揺動部材31aは、このバネ31bから潤滑剤保持部材の長手方向中心に向かう図中矢印Dの向きの付勢力を得ている。この付勢力によって、図中右側の揺動部材は図中反時計回りに、図中左側の揺動部材は図中時計回りに揺動するように付勢される。これにより、各揺動部材31aの潤滑剤保持部材3dと当接する円弧状の当接部311は、図3に示すように潤滑剤保持部材3d側へ付勢される。
使用初期時においては、各揺動部材31aの揺動端部がバネ31bの付勢力に抗して収納ケース3eの上面部の内周面32へ近づく方向に揺動した状態となっている。このような構成により、2つの揺動部材31aはバネ31bの付勢力を受けて互いに均等な力で潤滑剤保持部材3dを押し、潤滑剤保持部材3dに保持された固形潤滑剤3bを塗布ローラ3aへ押圧する。よって、固形潤滑剤3bは、その長尺方向において塗布ローラ3aへ均一に押圧される。その結果、塗布ローラ3aの回転により摺擦されることで削り取られる潤滑剤の量は、長尺方向において均一となり、感光体1の表面に潤滑剤をムラなく塗布することができる。
図4は、使用末期(固形潤滑剤の残量がわずかなとき)における潤滑剤塗布装置3の概略構成図である。
固形潤滑剤3bが塗布ローラ3aによる摺擦で徐々に削られていくと、揺動部材31aが揺動して、潤滑剤保持部材3dが塗布ローラ側へと移動する。そして、最終的に図4に示すように固形潤滑剤量が僅かになると、揺動部材31aの揺動端部が潤滑剤保持部材3dと当接する。
本実施形態の押圧機構3cにおいては、経時使用によって固形潤滑剤3bの高さが減っても固形潤滑剤3bの加圧力の減少を抑制できる。よって、初期から経時にかけて感光体1の表面に供給される粉末潤滑剤量の変動を小さく抑えることができる。
このような結果が得られる理由は、次の通りである。
一般に、初期から固形潤滑剤3bが無くなるまでの間に変化するバネの伸び変化量に対し、バネ全体の長さを長くすれば長くするほど、バネの伸び変化量に対するバネの付勢力変動は小さくて済む。従来の押圧機構は、バネを縮めた状態で配置し、その付勢力(押し出し力)の方向と塗布ローラ3aに対する固形潤滑剤3bの押圧方向とを一致させている。この構成においては、バネ全体の長さを長くするほど、バネの付勢力方向と塗布ローラ3aに対する固形潤滑剤3bの押圧方向とを一致させることが困難となることから、バネ全体の長さを長くするにも限界がある。加えて、従来の押圧機構では、塗布ローラ3aの径方向にバネの長さ分の配置スペースを確保しなければならず、装置の大型化につながる。これらの理由から、従来の押圧機構においては、比較的短いバネを使用しなければならず、経時的なバネの付勢力変動が大きくなる。
これに対し、本実施形態の押圧機構3cにおいては、図3に示したように、バネ31bを伸ばした状態で配置し、その付勢力(引っ張り力)で塗布ローラ3aに対して固形潤滑剤3bを押圧できる。よって、バネ全体の長さを長くしても従来の押圧機構のような問題は生じない。しかも、本実施形態の押圧機構3cでは、バネ31bの長さ方向が固形潤滑剤3bの長尺方向すなわち塗布ローラ3aの軸方向に一致するようにバネ31bが配置される。したがって、バネ31bの長さを長くしても、塗布ローラ3aの径方向に配置スペースが広がることはなく、装置を大型化する必要がない。そのため、本実施形態の押圧機構3cは、従来の押圧機構で使用していたバネの長さよりもずっと長いバネ31bを採用できる。その結果、経時的なバネの付勢力変動を小さく抑えることができる。
図5は、変形例の押圧機構を備えた潤滑剤塗布装置を示す概略構成図である。
この変形例の押圧機構300cは、潤滑剤保持部材3dに各揺動部材301aを揺動自在に取り付けたものである。その結果、各揺動部材301aは、バネ301bから潤滑剤保持部材3dの長手方向中心に向かう付勢力によって、各揺動部材301aの揺動端部が、潤滑剤保持部材3dから離れる方向に付勢され、各揺動部材301aの揺動端部が、収納ケース3eの上面部の内周面32に当接する構成となっている。
図5に示すように、使用初期においては、各揺動部材301aの揺動端部がバネ301bの付勢力に抗して潤滑剤保持部材3dへ近づく方向に揺動した状態で配置される。この変形例1においては、2つの揺動部材301aはバネ301bの付勢力を受けて互いに均等な力でケース上面部の内周面32を押し、潤滑剤保持部材3dに保持された固形潤滑剤3bを塗布ローラ3aへ押圧する。この変形例においても、固形潤滑剤3bが塗布ローラ3aによる摺擦で徐々に削られていくと、揺動部材301aが揺動して、潤滑剤保持部材3dが塗布ローラ側へと移動する。そして、最終的に固形潤滑剤量が僅かになると、図6に示すような状態にまで、各揺動部材301aが揺動する。
次に、本実施形態の特徴点である固形潤滑剤のニアエンドを検知する残量検知手段としての残量検知機構40について説明する。
図7は、先の図3、図4に示した押圧機構3cを備えた潤滑剤塗布装置3に本実施形態の残量検知機構40を備えた構成を示す概略構成図であり、図8は、図7の潤滑剤塗布装置3の一方側の揺動部材31a周辺の平面図である。
図7に示すように、残量検知機構40は、第1電極部材41、第2電極部材42などを有している。第1電極部材41は、潤滑剤保持部材3dの揺動部材31aと対向する面の長手方向の両端部付近にそれぞれ設けられている。また、各第1電極部材41は、図8に示すように、潤滑剤保持部材3dの揺動部材31aが摺動する摺動領域Sに対して、潤滑剤保持部材の短手方向(図中下側)にずらして配置している。また、第1電極部材41は、潤滑剤保持部材3dが長手方向に位置がずれても、固形潤滑剤ニアエンド時に第1電極部材41と第2電極部材42とが確実に当接できるように、長手方向に所定の長さを有している。
第2電極部材42は、図8に示すように、各揺動部材31aの側面(図中下側の面)に設けられている。また、第2電極部材42は、図7に示すように、揺動部材31aの揺動側端部付近に配置されている。
また、第1電極部材41と各第2電極部材42とには、電圧印加手段としての電気抵抗検知手段44が接続されている。電気抵抗検知手段44は、電気抵抗検知手段44を制御する制御手段100に接続されている。電気抵抗検知手段44は、第1電極部材41と第2電極部材42との間に電圧を印加して、電気抵抗を計測する。
図7に示すように、使用初期においては、各揺動部材31aに取り付けられた第2電極部材42は、潤滑剤保持部材3dに設けられた第1電極部材41から離間しており、非導通状態である。よって、このとき、電気抵抗検知手段44により、第1電極部材41と第2電極部材42との間に電圧を印加しても第1電極部材41と第2電極部材42との間に電流が流れず、電気抵抗値の測定が不能な状態である。
図9は、固形潤滑剤3bがニアエンドの状態を示す図であり、図10は、図9のA1−A1断面図である。
固形潤滑剤3bが削られ潤滑剤が消費されて、揺動部材31aが、潤滑剤保持部材3dの面を摺動しながら揺動していき、第2電極部材42が、徐々に第1電極部材41に近づいていく。そして、図9、図10に示すように、固形潤滑剤3bの量が残り僅か(ニアエンド)となると、第2電極部材42が第1電極部材41と当接する。第2電極部材42が第1電極部材41と当接すると、第1電極部材41と第2電極部材42とのが非導通状態から導通状態に切り替わる。これにより、電気抵抗検知手段44が、第1電極部材41と第2電極部材42との間に電圧を印加すると、第1電極部材41と第2電極部材42との間に電流が流れ、電気抵抗検知手段44で電気抵抗値が計測される。
制御手段100は、電気抵抗値検知手段44の測定結果を監視しており、電気抵抗検知手段44が検知した電気抵抗値が所定値以下であることを検知したら、制御手段100は、潤滑剤のニアエンドと判定する。そして、不図示の操作表示部に潤滑剤が残り少なくなくなった旨を報知し、ユーザーに固形潤滑剤の交換を促す。また、不図示の通信手段を用いて、サービスセンターに潤滑剤の交換が必要な旨を通知してもよい。
潤滑剤保持部材3dは、収納ケース内を塗布ローラ3aに対して接離する方向(図8における紙面と直交する方向)に移動できるように、収納ケース内に設けられている。このため、長手方向に対してガタを有して収納ケース3eに保持されている。よって、使用中に潤滑剤保持部材3dが長手方向に位置がずれることがある。
第1電極部材41を、上記摺動領域Sの図中左端に配置して、第2電極部材42を、揺動部材31aの当接部の揺動端部付近に配置することで、固形潤滑剤がニアエンドとなったら、第1電極部材と第2電極部材とを当接する構成とした場合、潤滑剤保持部材3dが長手方向に位置がずれると、いずれか一方の揺動部材の当接部の第2電極部材42以外の箇所が、第1電極部材41と当接する場合がある。この場合、摺動部材が当接する材質が途中で変化してしまい、材質の摩擦係数の差で、摺動状態が変化してしまう。従って、当接部が、第1電極部材41と当接した側の揺動部材と、していない側の揺動部材とで摺動状態が異なってしまう。その結果、長手方向一方側と他方側とで固形潤滑剤3bの塗布ローラ3aに対する加圧力が異なってしまい、感光体軸方向で塗布される潤滑剤量が異なってしまう場合がある。
これに対し、本実施形態においては、先の図8に示したように、第1電極部材41を、潤滑剤保持部材3dの揺動部材31aが摺動する摺動領域Sと異なる箇所に配置しているので、使用中に潤滑剤保持部材3dの位置が長手方向のずれても、揺動部材の当接部311が、第1電極部材41と摺動することがない。その結果、各揺動部材が同様に揺動し、固形潤滑剤3bの塗布ローラ3aに対する加圧力を長手方向で均一にできる。従って、感光体に塗布される潤滑剤量を軸方向で均一にすることができる。
また、本実施形態においては、潤滑剤量がニアエンド前は、第1電極部材41と第2電極部材42とが非通電状態となっており、電極部材間に電圧を印加しても電流が流れない。これにより、ニアエンド検知の度に電力が消費されることがないので、電力消費の低減を図ることができる。
また、本実施形態においては、潤滑剤保持部材3dの長手方向両端部付近で第1電極部材と第2電極部材との通電状態が検知される。これにより、固形潤滑剤3bが長手方向で潤滑剤の消費量が異なった場合においても、潤滑剤の消費量が多い側の端部がニアエンドとなった時点で、潤滑剤の消費量が多い側の端部側の第2電極部材42が第1電極部材41と当接し導通する。これにより、固形潤滑剤3bが長手方向で潤滑剤の消費量が異なった場合においても、正確に潤滑剤のニアエンドを検知することができる。これにより、消費量が多い方側の潤滑剤が枯渇して、感光体表面を保護できず、感光体表面が傷ついてしまうなどの不具合が発生するのを防止することができる。
図11は、先の図5、図6に示した押圧機構300cを備えた潤滑剤塗布装置3に本実施形態の残量検知機構40を備えた構成を示す概略構成図であり、図12は、図11の潤滑剤塗布装置3の一方側の揺動部材301a周辺の下面図である。
変形例の押圧機構300cにおいては、揺動部材31aの当接部311が摺動する箇所が、収納ケース3e上面部の内周面32であるので、この内周面32の長手方向両端部付近に第1電極部材41を設けた。また、また、各第1電極部材41は、図12に示すように、上面部の内周面32の揺動部材301aが摺動する摺動領域Sに対して、潤滑剤保持部材の短手方向(図中上側)にずらして配置している。また、第1電極部材41は、潤滑剤保持部材3dが長手方向に位置がずれても、固形潤滑剤ニアエンド時に第1電極部材41と第2電極部材42とが確実に当接できるように、長手方向に所定の長さを有している。
第2電極部材42は、図12に示すように、各揺動部材301aの側面(図中上側の面)に設けられている。また、第2電極部材42は、図11に示すように、揺動部材301aの揺動側端部付近に配置されている。
図13は、図11に示す形態において、固形潤滑剤3bがニアエンドの状態を示す図であり、図14は、図13のA2−A2断面図である。
この図11に示す構成においても、使用初期においては、各揺動部材31aに取り付けられた第2電極部材42は、潤滑剤保持部材3dに設けられた第1電極部材41から離間している。固形潤滑剤3bが削られ潤滑剤が消費されて、揺動部材301aが、収納ケース3e上面部の内周面32を摺動しながら揺動していき、第2電極部材42が、徐々に第1電極部材41に近づいていく。そして、図13、図14に示すように、固形潤滑剤3bの量が残り僅か(ニアエンド)となると、第2電極部材42が第1電極部材41と当接する。第2電極部材42が第1電極部材41と当接すると、第1電極部材41と第2電極部材42とのが非導通状態から導通状態に切り替わる。これにより、電気抵抗検知手段44が、第1電極部材41と第2電極部材42との間に電圧を印加すると、第1電極部材41と第2電極部材42との間に電流が流れ、電気抵抗検知手段44で電気抵抗値が計測される。
この図11に示す形態においても、第1電極部材41を、収納ケース3e上面部の内周面32の揺動部材301aが摺動する摺動領域Sと異なる箇所に配置しているので、使用中に潤滑剤保持部材3dの位置が長手方向のずれて潤滑剤保持部材3dに保持されている揺動部材301aの位置が長手方向にずれても、揺動部材301aの当接部311が、第1電極部材41と摺動することがない。その結果、各揺動部材301aが同様に揺動し、固形潤滑剤3bの塗布ローラ3aに対する加圧力を長手方向で均一にできる。従って、感光体に塗布される潤滑剤量を軸方向で均一にすることができる。
また、この図11に示す形態においても、潤滑剤量がニアエンド前は、第1電極部材41と第2電極部材42とが非通電状態となっており、電極部材間に電圧を印加しても電流が流れない。これにより、ニアエンド検知の度に電力が消費されることがないので、電力消費の低減を図ることができる。
図15、図16は、残量検知機構400の変形例を示す図である。図15は、使用初期の状態を示す図であり、図16は、潤滑剤ニアエンド時の状態を示す図である。
図15、図16に示すように、この変形例1は、第1電極部材を、揺動部材の摺動領域Sに対して、長手方向にずらして配置したものである。摺動領域Sと、第1電極部材41の間の間隔は、潤滑剤保持部材3dの収納ケース3eに対する長手方向のガタ量以上に設定する。かかる構成としても、使用中に潤滑剤保持部材3dの位置が長手方向にずれても、揺動部材301aの当接部311が、第1電極部材と摺動することがない。これにより、各揺動部材301aが同様に揺動し、固形潤滑剤3bの塗布ローラ3aに対する加圧力を長手方向で均一にできる。従って、感光体に塗布される潤滑剤量を軸方向で均一にすることができる。
また、残量検知機構40の固形潤滑剤のニアエンド検知としては、上述に限られず、例えば、第1電極部材に替えてプッシュスイッチし、第2電極部材に替えて押圧部材とした構成にしてもよい。この場合、揺動部材に取り付けられた押圧部材が、揺動部材の回転とともにプッシュスイッチに近づいていき、固形潤滑剤がニアエンド状態となると、押圧部材がプッシュスイッチを押し込み、ニアエンドが検知される。この構成においては、プッシュスイッチを、摺動領域Sとは異なる箇所に設けることで、潤滑剤保持部材が長手方向に位置ずれしても、ニアエンド前に揺動部材がプッシュスイッチを押圧してしまうことがなく、精度よく固形潤滑剤のニアエンドを検知することができる。
また、フォトセンサにて固形潤滑剤のニアエンドを検知する構成にすることもできる。この場合は、第1電極部材の配置位置に透明窓を設け、この透明窓にフォトセンサを対向配置する。そして、第2電極部材の配置位置に反射板を配置する。この場合、固形潤滑剤がニアエンド状態となると、揺動部材に取り付けられた反射板が、透明窓と対向し、フォトセンサが反射光を検知して、潤滑剤のニアエンドが検知される。この構成においても、透明窓が摺動領域Sとは異なる箇所に設けられることで、潤滑剤保持部材が長手方向に位置ずれしても、揺動部材が透明窓と摺動するのを抑制することができ、固形潤滑剤3bの塗布ローラ3aに対する加圧力を長手方向で均一にできる。また、反射型フォトセンサ(フォトリフレクタ)ではなく、透過型フォトセンサ(フォトインタラプタ)を用いて、潤滑剤のニアエンドを検知することもできる。
また、中間転写ベルト56に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置に、上述した潤滑剤塗布装置を適用してもよい。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の(1)〜(9)態様毎に特有の効果を奏する。
(1)
固形潤滑剤3bと、固形潤滑剤3bに当接し、これを摺擦することで削り取った潤滑剤を感光体1などの潤滑剤供給対象に供給する塗布ローラ3aなどの供給部材と、固形潤滑剤3bを保持する潤滑剤保持部材3dと、潤滑剤保持部材3dを供給部材側へ移動可能に収納する収納ケース3eと、収納ケース内に揺動自在に支持された一対の揺動部材31a、および、潤滑剤保持部材3dを供給部材側へ押圧するような揺動方向に一対の揺動部材31aを付勢するバネ31bなどの付勢手段を備え、揺動部材31aが収納ケース3eの内周面または潤滑剤保持部材3dと摺動しながら揺動して固形潤滑剤3bを供給部材へ押圧する押圧機構3cと、固形潤滑剤の残量が所定量以下であることを検知する残量検知機構40などの残量検知手段とを備えた潤滑剤塗布装置3などの潤滑剤供給装置において、残量検知手段は、揺動部材31aが揺動時に摺動する部材に設けた第1電極部材41などの第1検知部材と、揺動部材31aの揺動姿勢が、上記所定量の固形潤滑剤の残量に対応する揺動姿勢になったとき、上記第1検知部材と当接または対向するように、上記揺動部材に取り付けられた第2電極部材42などの第2検知部材とを備え、第1検知部材を、揺動部材31aが揺動時に摺動する部材の揺動部材31aが摺動する摺動領域Sとは異なる箇所に設けた。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、摺動領域Sに第1検知部材を設けた場合に比べて、固形潤滑剤3bの長手方向で均一に固形潤滑剤3bを供給部材へ加圧することができ、感光体1などの潤滑剤供給対象に均一に潤滑剤を供給することができる。また、潤滑剤量が残り僅かとなったら、第1検知部材41と第2検知部材とが当接して、通電するので、使用初期時から通電させて検知するものに比べて、消費電力を低減することができる。
(2)
また、上記(1)に記載の態様の潤滑剤供給装置において、第1検知部材を、揺動部材31aが摺動する摺動領域Sに対して、固形潤滑剤3bの長手方向および潤滑剤保持部材移動方向いずれにも直交する方向にずれた位置に配置した。
かかる構成を備えることで、上記潤滑剤保持部材3dの位置が、長手方向にずれたときに、揺動部材31aの当接部311が、第1検知部材と当接するのを防止することができる。
(3)
また、上記(1)または(2)に記載の態様の潤滑剤供給装置において、上記第1検知部材および上記第2検知部材は、電極部材であって、上記揺動部材31aの揺動姿勢が、上記所定量の固形潤滑剤の残量に対応する揺動姿勢になったとき、、第1検知部材と第2検知部材とが当接するように構成し、残量検知手段は、第1検知部材および第2検知部材間に電圧を印加して、電極間の導通状態を検知することで、固形潤滑剤3bの残量を検知する。
かかる構成を備えることで、潤滑剤量が残り僅かとなったら、第1検知部材41と第2検知部材42とが当接して、通電するので、使用初期時から通電させて検知するものに比べて、消費電力を低減することができる。
(4)
また、上記(1)乃至(3)いずれかに記載の態様の潤滑剤供給装置において、固形潤滑剤3bが、脂肪酸金属塩を含む。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、環境変化に影響されにくく感光体表面を保護する能力の高い皮膜化された潤滑剤の保護層を形成することができ、良好に感光体表面を保護できる。また、感光体表面の低摩擦状態を維持することができるので、クリーニング不良を抑えることができる。
(5)
また、上記(4)に記載の態様の潤滑剤供給装置において、上記脂肪酸金属塩が、ステアリン酸亜鉛であるので、上記(4)に記載の態様の効果を良好に得ることができる。
(6)
また、上記(1)乃至(5)いずれかに記載の態様の潤滑剤供給装置において、上記固形潤滑剤が、無機潤滑剤を含む。
かかる構成を備えることで、実施形態で説明したように、感光体表面を良好に保護でき、帯電ローラ2aなどへの潤滑剤付着による不具合や、クリーニングブレード8aのブレード鳴きを抑制することができる。
(7)
また、上記(6)に記載の態様の潤滑剤供給装置において、無機潤滑剤が、窒化ホウ素である。
かかる構成を備えることで、上記(6)に記載の態様の効果を、良好に得ることができる。
(8)
また、感光体1などの像担持体と、像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有し、像担持体上の画像を最終的に記録材上に転移させて該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、潤滑剤供給手段として、上記(1)乃至(7)いずれかに記載の態様の潤滑剤供給装置を用いた。
かかる構成を備えることで、潤滑剤のニアエンドを良好に検知することができ、潤滑剤が枯渇した状態で画像形成動作が行われるのを抑制することができる。これにより、感光体の劣化を経時に亘り抑制することができる。
(9)
また、感光体1などの像担持体と、像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有し、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、潤滑剤供給手段として、上記(1)乃至(7)いずれかに記載の態様の潤滑剤供給装置を用いた。
かかる構成を備えることで、潤滑剤のニアエンドを良好に検知することができ、潤滑剤が枯渇した状態で画像形成動作が行われるのを抑制することができる。これにより、感光体の劣化を経時に亘り抑制することができるプロセスカートリッジを提供することができる。
1:感光体
3:潤滑剤塗布装置
3a:塗布ローラ
3b:固形潤滑剤
3c:押圧機構
3d:潤滑剤保持部材
3e:収納ケース
31a:揺動部材
31b:バネ
31a 各揺動部材
32:内周面
40:残量検知機構
41:第1電極部材
42:第2電極部材
44:電気抵抗値検知手段
56:中間転写ベルト
100:制御手段
300c:押圧機構
301a:揺動部材
301b:バネ
311:当接部
400:残量検知機構
S:摺動領域
特開2007−293240号公報

Claims (9)

  1. 固形潤滑剤と、
    上記固形潤滑剤に当接し、これを摺擦することで削り取った潤滑剤を潤滑剤供給対象に供給する供給部材と、
    上記固形潤滑剤を保持する潤滑剤保持部材と、
    上記潤滑剤保持部材を上記供給部材側へ移動可能に収納する収納ケースと、
    上記収納ケース内に揺動自在に支持された一対の揺動部材、および、上記一対の揺動部材を付勢する付勢手段を備え、上記付勢手段の付勢力により上記揺動部材が上記収納ケースの内周面または上記潤滑剤保持部材を摺動しながら揺動して上記固形潤滑剤を上記供給部材へ押圧する押圧機構と、
    上記固形潤滑剤の残量が所定量以下であることを検知する残量検知手段とを備えた潤滑剤供給装置において、
    上記残量検知手段は、上記揺動部材が揺動時に摺動する部材における揺動部材摺動領域とは異なる箇所に設けた第1検知部材と、
    上記揺動部材の揺動姿勢が、上記所定量の固形潤滑剤の残量に対応する揺動姿勢になったとき、上記第1検知部材と当接または対向するように、上記揺動部材に取り付けられた第2検知部材とを備えたことを特徴とする潤滑剤供給装置。
  2. 請求項1の潤滑剤供給装置において、
    上記第1検知部材を、上記揺動部材が摺動する摺動領域に対して、上記固形潤滑剤の長手方向および上記潤滑剤保持部材移動方向いずれにも直交する方向にずれた位置に配置したことを特徴とする潤滑剤供給装置。
  3. 請求項1または2の潤滑剤供給装置において、
    上記第1検知部材および上記第2検知部材は、電極部材であって、
    上記揺動部材の揺動姿勢が、上記所定量の固形潤滑剤の残量に対応する揺動姿勢になったとき、上記第1検知部材と上記第2検知部材とが当接するように構成し、
    上記残量検知手段は、上記第1検知部材および第2検知部材間に電圧を印加して、電極間の導通状態を検知することで、上記固形潤滑剤の残量を検知することを特徴とする潤滑剤供給装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかの潤滑剤供給装置において、
    上記固形潤滑剤が、脂肪酸金属塩を含むことを特徴とする潤滑剤供給装置。
  5. 請求項4の潤滑剤供給装置において、
    上記脂肪酸金属塩が、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする潤滑剤供給装置。
  6. 請求項1乃至5いずれかの潤滑剤供給装置において、
    上記固形潤滑剤が、無機潤滑剤を含むことを特徴とする潤滑剤供給装置。
  7. 請求項6の潤滑剤供給装置において、
    上記無機潤滑剤が、窒化ホウ素であることを特徴とする潤滑剤供給装置。
  8. 像担持体と、該像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有し、該像担持体上の画像を最終的に記録材上に転移させて該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
    上記潤滑剤供給手段として、請求項1乃至7いずれかの潤滑剤供給装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 像担持体と、該像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを有し、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
    上記潤滑剤供給手段として、請求項1乃至7いずれかの潤滑剤供給装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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