JP5873754B2 - ダイヤモンド状炭素膜被覆部材およびその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド状炭素膜被覆部材およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5873754B2
JP5873754B2 JP2012106977A JP2012106977A JP5873754B2 JP 5873754 B2 JP5873754 B2 JP 5873754B2 JP 2012106977 A JP2012106977 A JP 2012106977A JP 2012106977 A JP2012106977 A JP 2012106977A JP 5873754 B2 JP5873754 B2 JP 5873754B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diamond
carbon film
film
ratio
silicon carbide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012106977A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013234353A (ja
Inventor
吉田 聡
聡 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2012106977A priority Critical patent/JP5873754B2/ja
Publication of JP2013234353A publication Critical patent/JP2013234353A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5873754B2 publication Critical patent/JP5873754B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は、ダイヤモンド状炭素膜被覆部材およびその製造方法に関する。
ダイヤモンド状炭素(Diamond-Like Carbon,DLC)膜は、高硬度でかつ平滑な表面性状を有するため、特にドライ摩擦時の摩擦低減や摩耗低減に使用されている。
その一方で、オイルやグリスなどの潤滑下では添加剤の吸脱着作用を阻害し、十分な摩擦性能を発揮できない場合があった。
具体的には、自動車用エンジン油などに広く適用されている摩耗防止剤であるジアルキルジチオリン酸亜鉛(Zn−DTP)と、摩擦調整剤であるジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(Mo−DTC)とが共存する環境下で水素を比較的多く含むDLC膜(一般的に、水素化アモルファスカーボン膜などと称されている。)を使用すると、部材が摺動することにより生成される酸化モリブデン等と、水素化アモルファスカーボン膜中の水素との間で化学反応が生じる。そのため、水素化アモルファスカーボン膜が選択的に摩耗されることになり、前記したようにオイルやグリスなどの潤滑下では十分な摩擦性能を発揮できない場合が生じる。また、摩擦係数においても水素化アモルファスカーボン膜はノンコートと比べて低μ化効果が少なく、エンジン部位への適用が進んでいない。
このような状況下、例えば、特許文献1には、鉄系合金あるいはアルミニウム合金を基材とし、潤滑剤を介して相手部材と摺接する冠面及び側面に硬質炭素被膜を備え、当該硬質炭素被膜に含まれる水素原子量が1原子%以下であることを特徴とする内燃機関用バルブリフターが提案されている。このような、水素原子量を1原子%以下とした硬質炭素被膜は、水素フリーDLC膜などと称されている。
かかる特許文献1によれば、部材間の摩擦係数及び摩擦抵抗が減少し、摩耗量も大幅に低減することから、内燃機関の燃費性能向上、耐久信頼性向上に大きく貢献することができると記載されている。
また、例えば、特許文献2には、リン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、バリウム、銅、塩素の合計含有量は500ppmを超え、水分量は10ppm以上5%以下である潤滑油を用いた湿式条件で使用され、基材と、該基材の表面に形成され相手材と摺接する非晶質硬質炭素膜(DLC膜)と、を備える摺動部材であって、前記非晶質硬質炭素膜のSi含有量は6at%以上9.5at%以下であり、H含有量は20at%以上50at%以下であり、表面粗さはRzjis0.3μm以下であり、該非晶質硬質炭素膜は摺接時に表面にシラノールが生成されることを特徴とする低摩擦摺動部材が提案されている。
かかる特許文献2によれば、非晶質硬質炭素膜の表面粗さが小さいため、潤滑油による潤滑割合が増加し、摩擦係数が低減する。また、非晶質硬質炭素膜は、Siを含むため、境界摩擦も低減する。そのため、潤滑油中の添加剤の吸着、反応によらずに、低摩擦係数を実現できると記載されている。
また、例えば、特許文献3には、少なくとも一部が、アモルファス炭化珪素膜からなる中間層を介して形成されたダイヤモンド状炭素膜(DLC膜)で被覆されているダイヤモンド状炭素膜被覆部材であり、前記アモルファス炭化珪素膜は、波長532nmのレーザーを用いるレーザーラマン分光分析においてラマンシフト1400〜1600cm-1の範囲にスペクトル強度のピークを示す膜であることを特徴とするダイヤモンド状炭素膜被覆部材が提案されている。なお、この中間層の上には、アルゴンガス 50sccm、TMS 5sccm、アセチレンガス 50sccmを原料ガスとし、プラズマCVDによって成膜された水素化アモルファスカーボン膜が形成されている。
かかる特許文献3によれば、アモルファス炭化珪素膜からなる中間層を介していることによって、ダイヤモンド状炭素膜の物品本体への密着性を優れたものにすることができると記載されている。
特開2005−90489号公報 特許第4572688号公報 特開2012−1759号公報
しかしながら、特許文献1に記載の水素フリーDLC膜は、Zn−DTPおよびMo−DTCの少なくとも一方が存在する自動車用エンジン油中においてDLC自体の極端な摩耗現象は起こさないものの、特筆するような低摩擦現象を得ることができなかった。また、水素フリーDLC膜は膜硬度がナノインデンター硬度で50GPa以上の高硬度を示すため、相手摺動材側の摩耗現象が懸念される。また、製法がPVD法であるため被処理材の構造が比較的単純な形状に限られるなど、適用の汎用性という点で問題があった。
また、特許文献2に記載の非晶質硬質炭素膜は、膜中に6at%以上9.5at%という少量のSiをドープすることで低摩擦化を図っているが、製造が困難であり、実用化には至っていない。
そして、特許文献3に記載の技術では、アモルファス炭化珪素膜からなる中間層を形成することによりダイヤモンド状炭素膜の物品本体への密着性は優れたものとなるものの、最表面は水素化アモルファスカーボン膜であるため、前記したように、Zn−DTPおよびMo−DTCの少なくとも一方が存在する潤滑油環境下では膜が摩耗してしまうという問題があった。
本発明は前記状況に鑑みてなされたものであり、Zn−DTPおよびMo−DTCの少なくとも一方が存在する潤滑油環境下であっても、摩耗し難く、かつ低い摩擦係数が得られるダイヤモンド状炭素膜被覆部材およびその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決した本発明は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛およびジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンの少なくとも一方が存在する潤滑油環境下にて使用され、アモルファス炭化珪素膜で被覆されているダイヤモンド状炭素膜被覆部材であって、前記アモルファス炭化珪素膜は、前記潤滑油と接触するように設けられ、かつ波長532nmのレーザーを用いるレーザーラマン分光分析において、ラマンシフト1400〜1600cm-1の範囲のみにスペクトル強度のピークを示すことを特徴とする。
このことは、潤滑油と接触するように設けられたアモルファス炭化珪素膜が、C−H結合よりSi−C結合やC−C結合に富み、強固であることを意味している。
また、後記するように本発明におけるアモルファス炭化珪素膜は、珪素を含むテトラメチルシラン(TMS)(Si(CH34)を用いて形成される。そのため、アモルファスカーボンがsp3結合を多く含んでいると考えられる(これについて詳しくは後述する。)。ダイヤモンド状炭素膜中におけるsp3結合は、ダイヤモンドに代表されるように非常に結合力の強い結合である。そのため、アモルファス炭化珪素膜は、高い硬度を有する。その一方で、アモルファス炭化珪素膜は、比較的多くの水素を含んでいる。そのため、ポリマーライクな、水素含有量の高い水素化アモルファスカーボン膜と同等の特性(例えば、靭性)を有していると考えられる。
その結果、アモルファス炭化珪素膜で被覆されたダイヤモンド状炭素膜被覆部材は、摩耗し難く、かつ低い摩擦係数を得ることができる。
本発明においては、前記アモルファス炭化珪素膜は、ナノインデンテーション硬度が20GPa以上であるのが好ましい。このようにすれば、Zn−DTPおよびMo−DTCの少なくとも一方が存在するエンジン油中であっても、より摩耗し難いダイヤモンド状炭素膜被覆部材とすることができる。
前記課題を解決した本発明は、前記したダイヤモンド状炭素膜被覆部材を製造するダイヤモンド状炭素膜被覆部材製造方法であって、被処理材に対して、原料ガスとしてテトラメチルシランを用いたプラズマCVD法を行うことを特徴とする。
このようにすれば、波長532nmのレーザーを用いるレーザーラマン分光分析において、ラマンシフト1400〜1600cm-1の範囲にスペクトル強度のピークを示すアモルファス炭化珪素膜を被覆したダイヤモンド状炭素膜被覆部材を製造することができる。
本発明においては、前記原料ガスとして前記テトラメチルシランのみを用いるのが好ましい。このようにすれば、より確実に前記したアモルファス炭化珪素膜を被覆したダイヤモンド状炭素膜被覆部材を製造することができる。
本発明によれば、Zn−DTPおよびMo−DTCの少なくとも一方が存在する潤滑油環境下であっても、摩耗し難く、かつ低い摩擦係数が得られるダイヤモンド状炭素膜被覆部材およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るダイヤモンド状炭素膜被覆部材の構成を説明する概念断面図である。 レーザーラマン分光分析により得られたラマンスペクトルを示す。図2中、横軸はラマンシフト[cm-1]を示し、縦軸は強度[cps]を示す。 A/N比とナノインデンテーション硬度[GPa]の関係を示す図である。 A/N比とD/G(area)の関係を示す図である。 A/N比と摩擦係数の関係を示す図である。 A/N比とダイヤモンド状炭素膜の摩耗量(摩耗量[μm])の関係を示す図である。 TMS流量比とD/G(area)の関係を示す図である。 TMS流量比と摩擦係数の関係を示す図である。 TMS流量比と硬度[GPa]の関係を示す図である。図中、太い曲線はガス圧が約100Paであるものの関係を示しており、細い曲線はガス圧が161Pa以上であるものの関係を示している。 TMS流量比と摩耗量の関係を示す図である。
本発明の主旨は、テトラメチルシラン(TMS)を原料ガスとして用いたポリマーライクなアモルファス炭化珪素膜を被覆したダイヤモンド状炭素膜被覆部材により、潤滑油中であっても、摩耗し難く、かつ低い摩擦係数が得られるようにしたことにある。このアモルファス炭化珪素膜は、ラマン分光分析においてDバンドを持たない特異な炭素構造(sp3結合を多く含む構造)をもっている。
以下、適宜図面を参照して、本発明を実施するための形態(実施形態)について詳細に説明する。
〔ダイヤモンド状炭素膜被覆部材〕
まず、本発明の一実施形態に係るダイヤモンド状炭素膜被覆部材について説明する。
本発明の一実施形態に係るダイヤモンド状炭素膜被覆部材は、Zn−DTPおよびMo−DTCの少なくとも一方が存在する潤滑油環境下にて使用される。なお、このような潤滑油としては、市販されているエンジン油やCVJグリス、ハブベアリンググリス、ステアリングギアボックスグリスなどが挙げられる。
図1は、本発明の一実施形態に係るダイヤモンド状炭素膜被覆部材の構成を説明する概念断面図である。
図1に示すように、このダイヤモンド状炭素膜被覆部材1は、潤滑油と接触するように、被処理材3の表面にアモルファス炭化珪素膜2を被覆したものである。
アモルファス炭化珪素膜2が被覆される被処理材3としては、自動車用エンジンなどをはじめとする原動機に使用される各種摺動部材、動力伝達機器に使用される各種摺動部材、その他の各種機械部品、工具、電気器具部品などにおける各種摺動部材が挙げられる。
アモルファス炭化珪素膜2は、波長532nmのレーザーを用いるレーザーラマン分光分析において、ラマンシフト1400〜1600cm-1の範囲にスペクトル強度のピークを示す膜である。より具体的には、前記レーザーラマン分光分析において、ラマンシフト1470〜1500cm-1付近にスペクトル強度のピークを示す膜である。換言すると、同レーザーラマン分光分析の波形分離において、Dバンド(Disorder-band)を持たない、Gバンド(Graphite-band)のみからなる膜である。
つまり、アモルファス炭化珪素膜2は、珪素を含まない一般的なDLC膜で確認されるDバンドが測定されないので、DバンドとGバンドの強度比(面積比)であるD/G比は0となる。
珪素を含まない一般的なDLC膜は、アモルファス(非晶質)であるため、レーザーラマン分光分析を行うと、1590cm-1付近にピークを有するGバンドと、1350cm-1付近にピークを有するDバンドとが示される。珪素を含まない一般的なDLC膜において、Gバンドはグラファイト結合(sp2結合)に起因して観測され、Dバンドはダイヤモンド結合(sp3結合)に起因して観測されるとされている。
しかしながら、後記するように、本実施形態におけるダイヤモンド状炭素膜は、TMSを原料ガスとして用いたポリマーライクなアモルファス炭化珪素膜2である。そのため、レーザーラマン分光分析においてDバンドが測定されず、Gバンドのみが測定されながら、sp3結合を多く含む構造であるという、特異な炭素構造をもっている。
本発明のように、ダイヤモンド状炭素膜が珪素を含有することによって、ラマンシフト1400〜1600cm-1の範囲にピークを有するラマンスペクトルが得られると考えられる。かかるピークは、アモルファスカーボン中でsp3結合している炭素に起因していると考えられ、ピークの強度はsp3結合の量に関係していると考えられる。つまり、Si含有量の増加に伴ってダイヤモンド状炭素膜中でsp3結合している炭素量も増加すると考えられる。
TMSを用いて形成されたアモルファス炭化珪素膜2は、珪素を含まない一般的なDLC膜と比較してC−H結合が少なく、Si−C結合やC−C結合が多くなっていると考えられる。そのため、本実施形態におけるダイヤモンド状炭素膜(アモルファス炭化珪素膜2)は強固であり、Zn−DTPおよびMo−DTCの少なくとも一方が存在する自動車用エンジン油中であっても酸化モリブデン等による酸化を受け難く、摩耗し難くなっていると考えられる。
かかるアモルファス炭化珪素膜2は、ナノインデンテーション硬度が20GPa以上であるのが好ましい。ナノインデンテーション硬度が20GPa以上であると、Zn−DTPおよびMo−DTCの少なくとも一方が存在する潤滑油中であっても、より摩耗し難いダイヤモンド状炭素膜被覆部材1とすることができる。なお、アモルファス炭化珪素膜2は、ナノインデンテーション硬度が50GPa未満とするのが好ましい。相手摺動材側の摩耗の低減を図ることができる。
アモルファス炭化珪素膜2のナノインデンテーション硬度の制御は、ガス圧の制御およびTMS流量比を制御することにより行うことができる。
また、ナノインデンテーション硬度は、市販されているナノインデンテーション装置により測定することができる。
また、アモルファス炭化珪素膜2の膜厚は1〜5μm、より好ましくは2.6〜3.5μmとすることができるがこれに限定されるものではなく、任意に設定することができる。このようにすると、Zn−DTPおよびMo−DTCの少なくとも一方が存在するエンジン油中であっても摩耗し難いダイヤモンド状炭素膜被覆部材1をより確実に提供することができる。
アモルファス炭化珪素膜2の膜厚の制御は、ガス圧の制御、TMS流量比、成膜時間を制御することにより行うことができる。
〔ダイヤモンド状炭素膜被覆部材製造方法〕
次に、本発明の一実施形態に係るダイヤモンド状炭素膜被覆部材製造方法について説明する。
本発明の一実施形態に係るダイヤモンド状炭素膜被覆部材製造方法は、前記した一実施形態に係るダイヤモンド状炭素膜被覆部材1を製造するための方法である。
本実施形態では、被処理材3に対して、原料ガスとしてTMSを用いたプラズマCVD法を行うというものである。これにより、その被処理材3の表面にアモルファス炭化珪素膜2を被覆してダイヤモンド状炭素膜被覆部材1を製造することができる。
被処理材3は、前記したものを用いることができる。
ここで、原料ガスとしてTMSのみ、つまり、総炭素源ガス流量に対するTMSガス流量比(TMS流量比)を1とするのが好ましい。このようにすれば、被処理材3に、より確実に前記したアモルファス炭化珪素膜2を被覆することができる。詳細な理由は後述する実施例の項目にて説明する。
なお、原料ガスとしては、TMSの他に、メタン(CH4)やアセチレン(C22)などの炭化水素を含み得る。この場合における総炭素源ガス流量に対するTMS流量比は、後記する実施例で強く示唆されるように0.3以上とすれば前記効果が期待できる。
プラズマCVD法としては、自己放電DCホロカソードプラズマCVD法を適用するのが好ましいが、これに限定されるものではない。
プラズマCVD法は一般的な条件で実施することができる。プラズマCVD法の条件としては、例えば、TMS流量比1、ガス圧240Pa、被処理材3に印加する電圧180V、成膜時間120分とすることが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
以上に説明したダイヤモンド状炭素膜被覆部材1によれば、被処理材3の表面に、波長532nmのレーザーを用いるレーザーラマン分光分析において、ラマンシフト1400〜1600cm-1の範囲にスペクトル強度のピークを示すアモルファス炭化珪素膜2を被覆しているので、Zn−DTPおよびMo−DTCの少なくとも一方が存在する潤滑油(エンジン油)中であっても、摩耗し難く、かつ低い摩擦係数を得ることができる。
また、ダイヤモンド状炭素膜被覆部材製造方法によれば、そのようなダイヤモンド状炭素膜被覆部材1を確実に製造することができる。
以下、本発明の要件を満たす実施例により、本発明に係るダイヤモンド状炭素膜被覆部材およびその製造方法について具体的に説明する。
[サンプルの製造と評価]
自己放電DCホロカソードプラズマCVD法により、被処理材の表面にダイヤモンド状炭素膜を被覆した。被処理材は、スチール製平板を用いた。原料ガスは、表1のNo.1〜20に示すものを用い、それぞれに示す流量比でプラズマCVD装置のチャンバー内に導入した。プラズマCVD法の条件は、表1に示す流量比で、被処理材に印加する電圧を180Vとし、成膜時間を120分とした。
表1中、TMSはテトラメチルシランを示し、C22はアセチレンを示し、CH4はメタンガスを示す。なお、表1中の原料ガス濃度は原料ガス濃度比で示しているため単位は無次元である。
Figure 0005873754
No.1〜20に係るスチール製平板を被覆したダイヤモンド状炭素膜に対し、レーザーラマン分光分析、市販されているエンジン油中での摩擦摩耗試験、ナノインデンテーション硬度の測定を行った。各試験は次のようにして行った。
(1)レーザーラマン分光分析
レーザーラマン分光分析は、堀場製作所製のラマン分光分析装置(LabRAM ARAMIS)を用いて行った。
なお、珪素を含まない一般的なアモルファスカーボン膜は、測定された生波形を一般的に行われるバックグランド補正を行い、波形分離を行うと、1590cm-1付近に現れるGバンドと、1350cm-1付近に現れるDバンドの2つのバンドが合わさったラマン波形を示すことが知られている。GバンドとDバンドの出現比率はカーブフィットし、波形分離した両波形の面積比(D/G比)で表すことができる。なお、本発明においては、ラマンシフト1400〜1600cm-1の範囲にスペクトル強度のピークを示すバンドをGバンドとして検討した。
また、ラマン波形のバックグランド成分は、水素量と相関することが報告されている(文献:大阪府立産業技術総合研究所Technical sheet No.08003)。
従って、水素化アモルファスカーボン膜のポリマー度を示す指標として、Gバンド位置でのバックグラウンド強度(N)に対するGバンド強度とバックグランド強度の差分(A)の比率(A/N比)で表すこととした。このA/N比が小さい程、水素量が多いポリマーライクな構造を持つ。
レーザーラマン分光分析の分析条件は以下のとおりである。
<分析条件>
レーザー波長 :532nm
測定範囲 :800〜1950cm-1
データ取り込み時間:20sec
レーザーラマン分光分析で分析(波形分離)したGバンド値[cm-1]、Gバンド半値幅、Dバンド値[cm-1]、Dバンド半値幅、DバンドとGバンドの面積比(D/G(area))、A/N比を表2に示す。
(2)摩擦摩耗試験
SRV試験機(Phoenix Tribology社製高速往復動摩擦試験機TE77)を用い、Zn−DTPとMo−DTCが含まれている一般的なエンジン油(ホンダ社製ウルトラLEO)を使用して摩擦摩耗試験を行った。
試験は、No.1〜20に係るスチール製平板を固定側とし、摺動する相手材として直径φ6mm×長さ13.8mmのSUJ−2製円柱を用いて行った。
試験条件は、試験油温度80℃、試験時間60分、周波数10Hz、振幅2mmにて行い、試験荷重を段階的に500N(ヘルツ最大応力660MPa)まで上昇させて、摩擦係数と試験トータルでのダイヤモンド状炭素膜の摩耗量[μm](表2において、単に「摩耗量[μm]」と記載)を測定した。
摩擦係数が0.05以下のものを合格、0.05を超えるものを不合格とした。
ダイヤモンド状炭素膜の摩耗量が0.1μm以下のものを合格、0.1μmを超えるものを不合格とした。
(3)ナノインデンテーション硬度の測定
MTS社製インデンテーション硬度計(NanoindenterXP)を用い、最大押し込み深さ500nm、変位振幅2nm、変位周波数45Hzでナノインデンテーション硬度を測定した。
前記(1)〜(3)の試験結果を表2に示す。なお、表2中、「−」は波形分離した結果、確認できなかった(すなわち、0とみなすことができる)ことを示している。また、ダイヤモンド状炭素膜(アモルファス炭化珪素膜)の膜厚[μm]は、被処理材表面の一部をマスキングし、マスキング有り無し部の段差を、表面粗さ計を用いて計測し、膜厚とした。
Figure 0005873754
表2に示すように、No.1〜4は、本発明の要件を満たしているので、摩擦係数が低く、ダイヤモンド状炭素膜の摩耗量も全くなかったか、極めて少ない結果となった。また、ナノインデンテーション硬度はいずれも高かった。
これに対し、No.5〜20は、本発明の要件を満たさなかったので、摩擦係数およびダイヤモンド状炭素膜の摩耗量のうちの少なくともいずれかが多い結果となった。また、ナノインデンテーション硬度が低いものもあった。
[考察]
図2に、レーザーラマン分光分析により得られたラマンスペクトルを示す。図2中、横軸はラマンシフト[cm-1]を示し、縦軸は強度[cps]を示す。図2は、CH4とTMSを用いて、TMS流量比0(CH4−only)、0.06、0.09、TMS流量比1(TMS−only)の各条件で成膜したダイヤモンド状炭素膜のラマンスペクトルである。TMS流量比が0〜0.09の場合、一般的に行われるバックグランド補正を行い、波形分離を行うと、GバンドとDバンドに分離することができるが、TMS流量比が1の場合、Dバンドが消滅して解析が困難になり、Gバンドのみが確認できた。
また、図3〜10に、表2から求められる事項をまとめた。以下、図3〜10を参照して説明する。
〔1〕ダイヤモンド状炭素膜のポリマー度と硬さを示す関係
図3は、A/N比とナノインデンテーション硬度(硬度[GPa])の関係を示す図である。また、図4は、A/N比とD/G(area)の関係を示す図である。
図3に示すとおり、No.5〜20は、C22やCH4またはこれらとTMSを混合した原料ガスを用いてダイヤモンド状炭素膜を被覆しているので、ポリマー度が高く(A/N比が小さく)なるに従って硬度が低下した。これに対し、No.1〜4は、TMS流量比1にてダイヤモンド状炭素膜を被覆しているので、ポリマー度が高く(A/N比が小さく)ても、硬度が高かった。
これは、図4から明らかなように、レーザーラマン分光分析でDバンドを持たない特異な炭素構造(sp3結合を多く含む構造)によるものと結論づけることができる。
〔2〕エンジン油中での低摩擦・低摩耗特性
図5は、A/N比と摩擦係数の関係を示す図である。図6は、A/N比とダイヤモンド状炭素膜の摩耗量(摩耗量[μm])の関係を示す図である。
図5に示すように、No.5〜20は、Zn−DTCとMo−DTCを含むエンジン油において、ポリマー度が高い(A/N比が小さい)水素化アモルファスカーボン膜ほど低い摩擦係数を示す傾向にある。
また、図5に示すように、No.1〜4は、TMS流量比1にてダイヤモンド状炭素膜を被覆しているので、ポリマー度が高く(A/N比が小さく)ても、摩擦係数が非常に低いことが確認できる。
一方で、図6に示すとおり、No.5〜20のように、一般的にポリマー度が高い(A/N比が小さい)水素化アモルファスカーボン膜は水素量が多く、硬度が低いため、摩耗量が多くなる傾向にある。しかし、No.1〜4は高硬度でsp3結合を多く有しているため、ポリマー度が高くても(A/N比が小さくても)摩耗量が極めて少なかった。
つまり、No.1〜4は低摩耗特性も同時に有していた。
〔3〕アモルファス炭化珪素膜の生成過程とメカニズム
本発明の要件を満たし、所望の効果を奏するNo.1〜4と、そうでないNo.5〜20について、総炭素源ガス流量に対するTMSガス流量比(TMS流量比)と各種物性パラメータの関係を説明する。
図7は、TMS流量比とD/G(area)の関係を示す図である。図8は、TMS流量比と摩擦係数の関係を示す図である。図9は、TMS流量比と硬度[GPa]の関係を示す図である。図9中、太い曲線はガス圧が約100Paであるものの関係を示しており、細い曲線はガス圧が161Pa以上であるものの関係を示している。
図7に示すとおり、D/G(area)は、TMS流量比が増加すると指数関数的に低下し、TMS流量比が0.1以上になるとほぼ0となり、Dバンドが消滅する。
また、図8に示すとおり、摩擦係数は、TMS流量比が増加すると指数関数的に低下し、TMS流量比が0.3付近になるとほぼサチレートする。
さらに、図9に示すとおり、硬度は、製造時のガス圧により、TMS流量比が少ない領域(<0.1)で不安定な挙動を示すが、概ねTMS流量比0.3までに急激に上昇し、TMS流量比1にかけて緩やかな上昇を示す。また、図9に示されているように、ガス圧は、約100Paとした方が、161Pa以上の場合よりも高硬度のアモルファス炭化珪素膜となることが分かる。
図7〜9から、TMS流量比が0.3以上になるとポリマー度が高く(A/N比が小さく)、Dバンドが消滅し、高硬度を示すという、本発明に係るダイヤモンド状炭素膜(アモルファス炭化珪素膜2)の特徴が表れることが確認できる。ここで、図8をみると、TMS流量比0.3のときにA/N比は1.0となり、図7をみると、TMS流量比0.3のときにD/G比は0となることが強く示唆される。よって、TMS流量比が0.3以上であれば、D/G比が0であるNo.1〜4と同様の効果が得られると強く示唆される。
〔4〕エンジン油中での摩擦摩耗特性
図10は、TMS流量比と摩耗量の関係を示す図である。
先に、図8を参照して説明したように、摩擦係数はTMS流量比が増加するに従って減少する。また、その減少傾向はTMS流量比が0.3(D/G比0に相当)付近まで急激に変化し、その後、TMS流量比が1になるまで徐々に摩擦係数も低下していく。
そして、図10と表2に示すとおり、摩耗量はTMS流量比が0.1以下ではメタンガス(CH4)のみの場合と比べて摩耗量は増加し、その後TMS流量比が増えるに従って摩耗量は低下する。そして、TMSガスのみ(TMS流量比が1)になると極めて低い摩耗量となる。
また摩耗量のばらつきについては、TMS流量比が0.2以下となる場合は、摩耗量のばらつきが多く、不安定な挙動を示すが、TMS流量比が増えると摩耗量が低下し、TMS流量比が0.3以上になるとほぼ安定する。TMS流量比が1の場合は低摩耗性が安定して得られる。
以上のことから、Zn−DTPおよびMo−DTCの少なくとも一方が存在するエンジン油中で低摩擦、低摩耗を示すには、ダイヤモンド状炭素膜(アモルファス炭化珪素膜2)の成膜にあたってTMS流量比を0.3以上とする必要があり、TMS流量比が1であるのが好ましく、これはD/G比0に相当すると確認された。
1 ダイヤモンド状炭素膜被覆部材
2 アモルファス炭化珪素膜
3 被処理材

Claims (4)

  1. ジアルキルジチオリン酸亜鉛およびジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンの少なくとも一方が存在する潤滑油環境下にて使用され、アモルファス炭化珪素膜で被覆されているダイヤモンド状炭素膜被覆部材であって、
    前記アモルファス炭化珪素膜は、前記潤滑油と接触するように設けられ、かつ波長532nmのレーザーを用いるレーザーラマン分光分析において、ラマンシフト1400〜1600cm-1の範囲のみにスペクトル強度のピークを示すことを特徴とするダイヤモンド状炭素膜被覆部材。
  2. 前記アモルファス炭化珪素膜は、ナノインデンテーション硬度が20GPa以上であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド状炭素膜被覆部材。
  3. 請求項1または請求項2に記載のダイヤモンド状炭素膜被覆部材を製造するダイヤモンド状炭素膜被覆部材製造方法であって、
    被処理材に対して、原料ガスとしてテトラメチルシランを用いたプラズマCVD法を行うことを特徴とするダイヤモンド状炭素膜被覆部材製造方法。
  4. 前記原料ガスとして前記テトラメチルシランのみを用いたことを特徴とする請求項3に記載のダイヤモンド状炭素膜被覆部材製造方法。
JP2012106977A 2012-05-08 2012-05-08 ダイヤモンド状炭素膜被覆部材およびその製造方法 Expired - Fee Related JP5873754B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012106977A JP5873754B2 (ja) 2012-05-08 2012-05-08 ダイヤモンド状炭素膜被覆部材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012106977A JP5873754B2 (ja) 2012-05-08 2012-05-08 ダイヤモンド状炭素膜被覆部材およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013234353A JP2013234353A (ja) 2013-11-21
JP5873754B2 true JP5873754B2 (ja) 2016-03-01

Family

ID=49760695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012106977A Expired - Fee Related JP5873754B2 (ja) 2012-05-08 2012-05-08 ダイヤモンド状炭素膜被覆部材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5873754B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6343767B2 (ja) * 2014-09-17 2018-06-20 日本アイ・ティ・エフ株式会社 被覆膜とその製造方法およびpvd装置
CN106795619B (zh) * 2014-09-17 2019-10-01 日本Itf株式会社 被覆膜及其制造方法以及pvd装置
JP6604559B2 (ja) * 2018-02-26 2019-11-13 日本アイ・ティ・エフ株式会社 被覆膜とその製造方法およびpvd装置
JP6707735B2 (ja) * 2018-03-29 2020-06-10 日本アイ・ティ・エフ株式会社 被覆膜とその製造方法およびpvd装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3295968B2 (ja) * 1992-06-10 2002-06-24 株式会社豊田中央研究所 硬質低摩擦層を表面に有する材料の製造方法
WO1998010115A1 (en) * 1996-09-03 1998-03-12 Monsanto Company Silicon-doped diamond-like carbon coatings for magnetic transducers and for magnetic recording media
US7537835B2 (en) * 2001-09-27 2009-05-26 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho High friction sliding member
JP4427706B2 (ja) * 2002-05-21 2010-03-10 株式会社豊田中央研究所 高耐摩耗性および高耐焼付き性摺動部材およびその製造方法
JP2005090489A (ja) * 2003-08-11 2005-04-07 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関用バルブリフター
JP4572688B2 (ja) * 2004-04-27 2010-11-04 株式会社豊田中央研究所 低摩擦摺動部材
JP2009031064A (ja) * 2007-07-25 2009-02-12 Honda Motor Co Ltd Dlc膜の摩擦係数推定装置及び摩擦係数推定方法
JP2010053380A (ja) * 2008-08-27 2010-03-11 Nagaoka Univ Of Technology アモルファス炭化ケイ素膜の形成方法
JP4750896B1 (ja) * 2010-06-16 2011-08-17 本田技研工業株式会社 ダイアモンド状炭素膜被覆物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013234353A (ja) 2013-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Al Mahmud et al. Tribological characteristics of amorphous hydrogenated (aC: H) and tetrahedral (ta-C) diamond-like carbon coating at different test temperatures in the presence of commercial lubricating oil
Dobrenizki et al. Efficiency improvement in automobile bucket tappet/camshaft contacts by DLC coatings–Influence of engine oil, temperature and camshaft speed
Neville et al. Compatibility between tribological surfaces and lubricant additives—how friction and wear reduction can be controlled by surface/lube synergies
Arslan et al. Effects of texture diameter and depth on the tribological performance of DLC coating under lubricated sliding condition
Johnson et al. Direct formation of lubricious and wear-protective carbon films from phosphorus-and sulfur-free oil-soluble additives
Vengudusamy et al. Behaviour of MoDTC in DLC/DLC and DLC/steel contacts
JP5452734B2 (ja) コーティングを有するスライド要素、特に、ピストンリング、およびスライド要素を製造するプロセス
Kosarieh et al. Tribological performance and tribochemical processes in a DLC/steel system when lubricated in a fully formulated oil and base oil
JP5873754B2 (ja) ダイヤモンド状炭素膜被覆部材およびその製造方法
JP4876464B2 (ja) 低摩擦摺動部材
US20070078067A1 (en) Sliding structure and sliding method
Hovsepian et al. Friction and wear behaviour of Mo–W doped carbon-based coating during boundary lubricated sliding
Haque et al. Effect of friction modifiers and antiwear additives on the tribological performance of a hydrogenated DLC coating
Mobarak et al. Tribological properties of amorphous hydrogenated (aC: H) and hydrogen-free tetrahedral (ta-C) diamond-like carbon coatings under jatropha biodegradable lubricating oil at different temperatures
Forsberg et al. Performance of DLC coatings in heated commercial engine oils
Makowski et al. Tribochemical induced wear and ultra-low friction of superhard ta-C coatings
Haque et al. Tribological performance evaluation of a hydrogenated diamond-like carbon coating in sliding/rolling contact–effect of lubricant additives
Podgornik et al. Compatibility of DLC coatings with formulated oils
Zhiqiang et al. Tribological performance of DLC coatings deposited by ion beam deposition under dry friction and oil lubricated conditions
US9790447B2 (en) Sliding system
Salvaro et al. Assessment of a multifuncional tribological coating (nitride+ DLC) deposited on grey cast iron in a mixed lubrication regime
Lanigan et al. Tribochemistry of silicon and oxygen doped, hydrogenated diamond-like carbon in fully-formulated oil against low additive oil
KR101980309B1 (ko) 윤활 환경에서 작동하는 마찰 부품
Schneider et al. Enhanced tribological performances of nanocrystalline diamond film
JP5418405B2 (ja) 摺動部品の使用方法および該摺動部品を用いた摺動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5873754

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees