JP5871471B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方式を用いた記録方法に関し、より詳しくは、記録媒体を記録ヘッドに対して精度よく位置決めするためのインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式を用いた記録装置では、記録ヘッドのインク吐出口(ノズル)から微小なインク滴を吐出する。このインク滴が、記録媒体上に吐出・付着されることで、所望の印字や画像記録がおこなわれる。
インクジェット記録装置は、記録媒体から離間した状態で記録動作をおこなうことができるため、様々な媒体への記録が可能であり、また、他の記録方式に比べ高精細な記録が可能であることから、近年、例えば、木材、金属板、コンクリートブロックなどの産業資材にもインクジェット記録方式が採用され、幅広い用途への展開が図られている。
ところで、記録媒体に精度よくインクジェット記録をおこなうためには、記録媒体を記録ヘッドに対して所定の位置に位置決めしなければならない。例えば、特許文献1には、インクジェットプリンターより上方の搬送装置上に位置決め装置を設け、建築板の送り方向と平行な建築板の一方の側端の位置を位置決めする建築板の塗装装置が開示されている。
記録媒体が産業資材である場合、記録媒体に対してインクジェット記録をおこなう前に、熱処理、表面改質処理、下塗り塗装処理などの前処理をおこなうことが多々、予想されるが、前処理の内容によっては、インクジェット記録の直前に前処理をおこなった方が効果的である場合もあり、その場合、位置決め→前処理→インクジェット記録という順序になる。
しかしながら、特許文献1に開示された位置決め装置では、位置決め装置をインクジェット記録部の直近に設ける必要がある。インクジェット記録部から離れた位置に設置した場合、位置決めしてからインクジェット記録部に到達するまでの間に、記録媒体を搬送する搬送ベルトの蛇行・斜行の影響が大きくなり、折角、位置決めをおこなってもまた位置がズレてしまうおそれがある。また、位置決め装置をインクジェット記録部の直近に設けているので、インクジェット記録部で発生するインクミストによって位置決め装置が汚れてしまうという問題もある。
特開2007−260501号公報
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、記録ヘッドと記録媒体の位置決めを精度よくおこなうことにより、高い精度でのインクジェット記録が可能なインクジェット記録方法を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体搬送手段と、位置決め装置と、ヘッドキャリッジと、記録ヘッドを有するインクジェット記録装置によって、個々の記録媒体を記録媒体搬送手段を形成する搬送ベルトに載置してインクジェット記録をおこなう方法であって、記録媒体と搬送ベルトとの位置決めをおこなう搬送ベルト上の箇所において、搬送ベルトの幅方向への変動を規制した状態にて記録媒体と搬送ベルトとの位置決めをおこなった後、記録媒体にインクジェット記録をおこなう箇所において、搬送ベルトの幅方向への変動を規制した状態にて活性エネルギー硬化型インクによってインクジェット記録をおこなうことを特徴とするものである。
また、前記位置決めをおこない、さらに記録媒体に前処理をおこなった後、インクジェット記録をおこなうことが好ましい。
また、前記搬送ベルトが金属製のベルトであることが好ましい。さらに、記録媒体と搬送ベルトとの位置決めをおこなう方法が、位置決め装置で搬送方向と直交する方向に記録媒体を挟み込んでおこなうことが好ましい。
本発明によれば、記録ヘッドと記録媒体の位置決めを精度よくおこなうことが出来るので、高い精度でのインクジェット記録が可能となる。
本発明に係るライン型インクジェット記録装置の概略構成を示す平面図 本発明に係るライン型インクジェット記録装置の概略構成を示す側面図
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
本発明に係るインクジェット記録方法は、図1に示すようなインクジェット記録装置によって実現される。図1に示すインクジェット記録装置は、ライン型インクジェット記録装置の概略構成を示す平面図であり、図2はその側面図である。インクジェット記録装置は、図1および図2に示すように、記録媒体搬送手段2と、位置決め装置5(51、52)と、ヘッドキャリッジ7と、記録ヘッド8と、前処理装置9と、乾燥装置100とを有する。
インクジェット記録装置で画像が記録される記録媒体1としては、産業資材が例示され、例えば、コンクリートブロック、窯業サイディング材、金属サイディング材などの建築材が含まれる。インクジェット記録装置では、記録媒体1の記録面に対して、例えばフルカラーの画像が記録される。つまり、記録面に対してフルカラーの模様付けがなされる。なお、記録面は、記録媒体1において搬送ベルト21に接する面と反対側の面である。インクジェット記録装置によるインクジェット記録方法では、例えば活性エネルギー硬化型インクが用いられる。活性エネルギー硬化型インクとしては、紫外線硬化型インク又は電子線硬化型インク等が例示される。
記録媒体搬送手段2は、記録媒体1を載置する搬送ベルト21、駆動モータ23、駆動プーリ22、およびフレーム3などを備えて形成されており、駆動モータ23が制御部(図示せず)によって駆動制御されることで、その駆動力が駆動プーリ22に伝達され、搬送ベルト21を回転させるようになっている。搬送ベルト21が回転駆動することにより、記録媒体1はX方向に大凡10〜40m/minの速度で搬送される。
搬送ベルト21により搬送される記録媒体1は、まず、フレーム3に設置されている位置決め装置5にて搬送ベルト21上にて位置決めされる。記録媒体到着センサ6が記録媒体1を検出することにより、位置決め装置5が作動を開始する。この時の位置決め装置5の動作方法については、図中、下部の位置決め装置52は固定されており、上部の位置決め装置51がシリンダによって下方に向かって移動し、記録媒体1を上部の位置決め装置51と下部の位置決め装置52とで挟み込む形となる。そして、記録媒体1の搬送方向(X方向)と直交する方向(Y方向)の位置決めがなされ、位置決め装置5を通過した後の各記録媒体1は、Y方向について常に同じ位置に位置決めされて搬送されることとなる。
そして、上部の位置決め装置51と下部の位置決め装置52の各周辺には、フレーム3にそれぞれベルト規制ローラ4aが設けられており、それぞれのベルト規制ローラ4aは搬送ベルト21に当接するようになっている。フレーム3に設けられたベルト規制ローラ4aと搬送ベルト21の端部とは間隔を空けず、常に接するように調整されていることがよい。これにより位置決め装置5近辺の搬送ベルト21の幅方向(Y方向)の移動を規制して、搬送ベルトの蛇行・斜行を防止している。
位置決め装置5を通過した記録媒体1は、インクジェット記録部に搬送される。インクジェット記録部では、ヘッドキャリッジ7に搭載された記録ヘッド8により、記録媒体1にインクが付与される。
ヘッドキャリッジ7の上部と下部の各周辺には、フレーム3にそれぞれベルト規制ローラ4bが設けられており、それぞれのベルト規制ローラ4bは搬送ベルト21に当接するようになっている。フレーム3に設けられたベルト規制ローラ4bと搬送ベルト21の端部とは間隔を空けず、常に接するように調整されていることがよい。これによりヘッドキャリッジ7近辺の搬送ベルト21の幅方向(Y方向)の移動を規制して、搬送ベルトの蛇行・斜行を防止している。従って、位置決め装置5にて位置決めされた状態をインクジェット記録部においても維持することができ、記録媒体1に対して高い精度での記録が可能となる。
また、図1においては、ベルト規制ローラ4aを計4個、ベルト規制ローラ4bを計12個、配置した例としているが、その個数について特に限定はされない。ベルト規制ローラの間隔を短くし、ベルト規制ローラの個数を増やすことで、搬送ベルト21の幅方向(Y方向)の移動をより強く規制することが出来る。たとえば、ベルト規制ローラの間隔を400mm程度にして配置すればよい。
記録媒体1は、インクジェット記録部を通過した後、乾燥装置100を通過する。このとき、記録媒体に付与されたインクが乾燥固着される。なお、乾燥装置100は、搬送ベルト21上に設置されていてもよく、図1および2に示すように、搬送ベルト21とは異なるベルト上に設置されていてもよい。また、活性エネルギー硬化型インクを用いられる場合には、乾燥装置100は、活性エネルギー線を照射する活性エネルギー照射部として機能する。例えば、画像の記録に、紫外線硬化型インクが用いられる場合、乾燥装置100では、活性エネルギー線としての紫外線が照射される。また、電子線硬化型インクが用いられる場合、乾燥装置100では、活性エネルギー線としての電子線が照射される。
位置決め装置5をインクジェット記録部から離れた上方に設置することにより、インクジェット記録部から発生するインクミストによって位置決め装置5が汚染されることを防止することができる。位置決め装置5はシリンダ、モータ、センサなどから構成されるため、インクミストによる汚染は装置の破損につながる。
また、位置決め装置5とインクジェット記録部との間に、前処理装置9を設置する場合、記録媒体1は位置決め装置5にて位置決めされた状態であり、前処理後、再度、位置決めをする必要はない。このような構成であれば、従来困難であった時間的制約のある前処理に関してもおこなうことが可能となる。設置する前処理装置9については、目的に応じて適宜選択すればよい。例えば、記録媒体の表面温度を所望の温度まで昇温させるプリヒート装置、表面の濡れ性を向上させるコロナ放電表面処理装置、プラズマ表面処理装置、紫外線表面処理装置、下塗り処理装置、コンタミネーション除去装置などが挙げられる。
ベルト規制ローラ4aおよび4bの材質としては、金属製、樹脂製などが挙げられ、特に限定するものではないが、超高分子ポリエチレン等の樹脂製のものの方が搬送ベルト21の端面を傷つけにくいため好ましい。
搬送ベルト21の材質としては、樹脂製、金属製などが挙げられ、特に限定するものではないが、高いベルト寸法精度を維持でき、ベルトの位置決め誤差が生じ難いという点から、金属製であることが好ましい。
また、上記では、搬送ベルト21の幅方向への変動を規制する手段として、ベルト規制ローラ4aおよび4bを用いた例で説明した。この他、搬送ベルト21の幅方向への変動を規制する手段として、駆動プーリ22に搬送ベルトの蛇行・斜行防止に効果のあるクラウン加工がされた駆動プーリを用いてもよい。
1:記録媒体
2:記録媒体搬送手段
21:搬送ベルト
3:フレーム
4a、4b:ベルト規制ローラ
5(51、52):位置決め装置
7:ヘッドキャリッジ
9:前処理装置
100:乾燥装置

Claims (4)

  1. 記録媒体搬送手段と、位置決め装置と、ヘッドキャリッジと、記録ヘッドを有するインクジェット記録装置によって、個々の記録媒体を記録媒体搬送手段を形成する搬送ベルトに載置してインクジェット記録をおこなう方法であって、記録媒体と搬送ベルトとの位置決めをおこなう搬送ベルト上の箇所において、搬送ベルトの幅方向への変動を規制した状態にて記録媒体と搬送ベルトとの位置決めをおこなった後、記録媒体にインクジェット記録をおこなう箇所において、搬送ベルトの幅方向への変動を規制した状態にて活性エネルギー硬化型インクによってインクジェット記録をおこなうことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記位置決めをおこない、さらに記録媒体に前処理をおこなった後、インクジェット記録をおこなうことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記搬送ベルトが金属製のベルトであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 記録媒体と搬送ベルトとの位置決めをおこなう方法が、位置決め装置で搬送方向と直交する方向に記録媒体を挟み込んでおこなうことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
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