JP5870668B2 - エネルギ評価制御方法及びエネルギ評価制御装置 - Google Patents

エネルギ評価制御方法及びエネルギ評価制御装置 Download PDF

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本発明は、定常偏差を補正することができるエネルギ評価制御方法及びエネルギ評価制御装置に関するものである。
本発明者は、従来のPID制御の問題点を解決するフィードバック最短時間制御を考案した。このフィードバック最短時間制御は、目標位置までの行程の半分で制御対象を最大加速度で加速し、残りの半分の行程を最大減速度で減速して、目標位置に制御対象を静止させる最短時間制御(フィードフォワード制御の一種)を用いたものである。本明細書では、正の加速度、負の加速度をそれぞれ加速度、減速度と称する。
具体的には、加速から減速へ切り替える切替時刻と、減速の終了時刻を算出し、切替時刻までは出力加速度を最大加速度とし、切替時刻から終了時刻までは出力加速度を最大減速度とすると共に、切替時刻と終了時刻の算出を予め設定した計算周期毎に繰り返して、切替時刻と終了時刻とを更新するものである。更に、本発明者は、制御対象の運動エネルギと現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量との和である残留エネルギの減少と共に制御出力を小さくして、制御出力を収束させることを考えた。
これらのフィードバック最短時間制御によれば、予め設定した計算周期毎に制御の各時刻における目標値と制御値の偏差を入れて切替時刻と終了時刻を更新するというフィードバックの要素を取り入れているため、外的要因が発生しても安定した制御結果を得ることができる。また、本発明者のシミュレーションによって、フィードバック最短時間制御は、PID制御よりも安定且つ高速であることが確認されたが、2次関数の解を求める必要があるため、計算負荷が大きくコントローラの性能が低いと、計算周期を長くしないと適用できないという問題があった。
この問題を解決すべく、本発明者は、より簡便な方法でフィードバック最短時間制御とほぼ同等の制御結果が得られるエネルギ評価制御を考案した。このエネルギ評価制御の特徴は、(1)制御対象の運動エネルギと現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量との比較により駆動、制動を切り替えること、(2)制御出力の上限を制御対象の運動エネルギと制動仕事量の絶対値との和に比例して低下させること、(3)制動仕事量の制動方向を偏差のプラスマイナスにより切り替えること、(4)目標位置、目標速度を設定し、偏差の変化量から計算した制御対象の運動エネルギから目標速度での制御対象の運動エネルギを差し引くことで、位置と速度とを同時に目標値に合わせることができる点にある。これにより、フィードバック最短時間制御に対して計算量を少なくでき、またエネルギ量の比較により制御を行うため、物理的な意味合いが明確となり、更に目標位置と目標位置での目標速度とを同時に与え、制御することが可能になる。
前述したエネルギ評価制御では、重力が作用する制御系において上下方向の制御を行う場合や、ばね力等が作用する制御系において制御を行う場合には、厳密には制御が目標位置に到達できないという問題があった。
この問題に対し、本発明者は、重力やばね力等の外力の作用を相殺するために、位置エネルギやひずみエネルギの概念を取り入れたエネルギ評価制御を提案した。これにより、重力やばね力等の外力の影響を受ける場合の補正が可能となった。
しかしながら、位置エネルギやひずみエネルギの概念を取り入れたエネルギ評価制御では、(1)制御対象の特性(ばね定数等)が明確になっていなければならないこと、(2)制御対象によって補正方法(位置エネルギを取り入れるか、或いはひずみエネルギを取り入れるか)を変える必要があること、(3)アクチュエータに対する指示信号の誤差などエネルギに起因しない原因で発生する定常偏差を補正することができないこと等の課題があった。
そこで、本発明の目的は、制御対象の特性が明確でなくとも制御系に作用する重力やばね力等の外力による影響を無くすことができ、また制御対象によって補正方法を変える必要がなく、且つ、定常偏差を補正することができるエネルギ評価制御方法及びエネルギ評価制御装置を提供することにある。
この目的を達成するために創案された本発明は、アクチュエータを駆動、制動させると共にその駆動と制動とを切り替えて制御対象に前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を与え、前記制御対象を目標位置まで移動させるに際し、前記制御対象の運動エネルギと現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量とを予め設定した計算周期毎に比較し、両方の値が等しくなった時点を境にして駆動と制動とを切り替えるエネルギ評価制御方法であって、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも大きく、且つ、前記制御対象の速さが速くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が大きくなるように補正し、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも大きく、且つ、前記制御対象の速さが遅くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が小さくなるように補正し、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも小さく、且つ、前記制御対象の速さが速くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が小さくなるように補正し、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも小さく、且つ、前記制御対象の速さが遅くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が大きくなるように補正するエネルギ評価制御方法である。
前記制御対象の速さが速くなっている場合には前記制御対象の速さが速くなる範囲で前記制御対象の速さを補正し、前記制御対象の速さが遅くなっている場合には前記制御対象の速さが遅くなる範囲で前記制御対象の速さを補正すると良い。
目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差が大きい場合には補正量を大きくし、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差が小さい場合には補正量を小さくすると良い。
目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差を時間積分した値を用いると良い。
過去数計算周期の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の平均を用いても良い。
過去数秒間の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の最大値と最小値との平均を用いても良い。
過去数秒間の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の極大又は極小が有る場合には極大値の最大値と極小値の最小値との平均を用い、過去数秒間の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の極大又は極小が無い場合にはゼを用いても良い。
目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差が予め設定した閾値以下になったとき、先のいずれかの方法を開始すると良い。
制御開始から予め設定した時間が経過したとき、先のいずれかの方法を開始しても良い。
現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量が予め設定した閾値以下になったとき、先のいずれかの方法を開始しても良い。
また本発明は、アクチュエータを駆動、制動させると共にその駆動と制動とを切り替えて制御対象に前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を与え、前記制御対象を目標位置まで移動させるに際し、前記制御対象の運動エネルギと現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量とを予め設定した計算周期毎に比較し、両方の値が等しくなった時点を境にして駆動と制動とを切り替えるエネルギ評価制御方法であって、目標位置である目標値をXt、現在位置である制御値をX、計算周期をΔt、現在の制御値をX0、1計算周期前の制御値をX-1前記制御対象の速度をv、前記制御対象の運動エネルギをVとしたとき、「v=(X0−X-1)/Δt」、「V=v2/2」とし、現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量である制動可能仕事をW、前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量をαp前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量をαmとしたとき、「Xt−X>0」の場合には「W=αm(Xt−X)」とし、「Xt−X≦0」の場合には「W=αp(Xt−X)」とし、「Xt−X>0」の場合には、「V≦|W|」のときに出力加速度をαp、「V>|W|」のときに出力加速度をαmとし、「Xt−X≦0」の場合には、「V>|W|」のときに出力加速度をαp、「V≦|W|」のときに出力加速度をαmとし、この出力加速度に相当するアクチュエータ推力をアクチュエータの駆動と制動とを切り替えて発生させ、その後、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差をE、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の絶対値の大きさに基づいて決定される補正量を算出するための補正ゲインをI、前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を補正するための補正値をαadjとしたとき、「αadj=E・I」とし、次の計算周期で前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を「αp=αp−αadj」とし、前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を「αm=αm+αadj」とするエネルギ評価制御方法である。
更に本発明は、アクチュエータを駆動、制動させると共にその駆動と制動とを切り替えて制御対象に前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を与え、前記制御対象を目標位置まで移動させるに際し、前記制御対象の運動エネルギと現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量とを予め設定した計算周期毎に比較する比較手段と、両方の値が等しくなった時点を境にして駆動と制動とを切り替える切替手段とを備えるエネルギ評価制御装置であって、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも大きく、且つ、前記制御対象の速さが速くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が大きくなるように補正し、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも大きく、且つ、前記制御対象の速さが遅くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が小さくなるように補正し、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも小さく、且つ、前記制御対象の速さが速くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が小さくなるように補正し、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも小さく、且つ、前記制御対象の速さが遅くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が大きくなるように補正する補正手段を更に備えるエネルギ評価制御装置である。
前記補正手段は、前記制御対象の速さが速くなっている場合には前記制御対象の速さが速くなる範囲で前記制御対象の速さを補正し、前記制御対象の速さが遅くなっている場合には前記制御対象の速さが遅くなる範囲で前記制御対象の速さを補正すると良い。
前記補正手段は、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差が大きい場合には補正量を大きくし、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差が小さい場合には補正量を小さくすると良い。
前記補正手段は、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差を時間積分した値を用いると良い。
前記補正手段は、過去数計算周期の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の平均を用いても良い。
前記補正手段は、過去数秒間の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の最大値と最小値との平均を用いても良い。
前記補正手段は、過去数秒間の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の極大又は極小が有る場合には極大値の最大値と極小値の最小値との平均を用い、過去数秒間の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の極大又は極小が無い場合にはゼを用いても良い。
前記補正手段は、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差が予め設定した閾値以下になったとき、先のいずれかの方法を開始すると良い。
前記補正手段は、制御開始から予め設定した時間が経過したとき、先のいずれかの方法を開始しても良い。
前記補正手段は、現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量が予め設定した閾値以下になったとき、先のいずれかの方法を開始しても良い。
また本発明は、アクチュエータを駆動、制動させると共にその駆動と制動とを切り替えて制御対象に前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を与え、前記制御対象を目標位置まで移動させるに際し、前記制御対象の運動エネルギと現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量とを予め設定した計算周期毎に比較する比較手段と、両方の値が等しくなった時点を境にして駆動と制動とを切り替える切替手段とを備えるエネルギ評価制御装置であって、前記比較手段は、目標位置である目標値をXt、現在位置である制御値をX、計算周期をΔt、現在の制御値をX0、1計算周期前の制御値をX-1前記制御対象の速度をv、前記制御対象の運動エネルギをVとしたとき、「v=(X0−X-1)/Δt」、「V=v2/2」とし、現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量である制動可能仕事をW、前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量をαp前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量をαmとしたとき、「Xt−X>0」の場合には「W=αm(Xt−X)」とし、「Xt−X≦0」の場合には「W=αp(Xt−X)」とし、「Xt−X>0」の場合には、「V≦|W|」のときに出力加速度をαp、「V>|W|」のときに出力加速度をαmとし、「Xt−X≦0」の場合には、「V>|W|」のときに出力加速度をαp、「V≦|W|」のときに出力加速度をαmとし、前記切替手段は、この出力加速度に相当するアクチュエータ推力をアクチュエータの駆動と制動とを切り替えて発生させ、前記補正手段は、その後、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差をE、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の絶対値の大きさに基づいて決定される補正量を算出するための補正ゲインをI、前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を補正するための補正値をαadjとしたとき、「αadj=E・I」とし、次の計算周期で前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を「αp=αp−αadj」とし、前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を「αm=αm+αadj」とするエネルギ評価制御装置である。
本発明によれば、制御対象の特性が明確でなくとも制御系に作用する重力やばね力等の外力による影響を無くすことができ、また制御対象によって補正方法を変える必要がなく、且つ、定常偏差を補正することができるエネルギ評価制御方法及びエネルギ評価制御装置を提供することができる。
物体を一定の加速度で加速し続けた場合の制動可能仕事と運動エネルギとの関係を示す図である。 運動エネルギと制動可能仕事とが等しくなった時点で加速から減速に切り替えた場合の結果を示す図である。 エネルギ評価制御の制御シミュレーション結果を示す図である。 定常偏差について説明する図である。 定常偏差について説明する図である。 重力が作用する制御系の構成を示す概略図である。 ばね力が作用する制御系の構成を示す概略図である。 本発明に係るエネルギ評価制御を説明するフローチャートである。 本発明に係るエネルギ評価制御を用いた場合の制御結果を示す図である。 本発明に係るエネルギ評価制御を用いた場合の制御結果を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
先ず、本発明の基礎となるエネルギ評価制御について説明する。
運動している物体(制御対象)を静止させようとする場合、一定の力で物体を止めるのに必要な仕事量は、止めるために加えた制動力と止まるまでに物体が移動した距離の積、即ち「制動仕事=制動力・移動距離」で表される。
このとき、物体を止めるまでにした仕事は、運動している物体が初めに持っていた運動エネルギに等しくなる。この単純な原理から、運動している物体を目標位置に止めるためには、「運動エネルギ=(目標位置−現在位置)・制動力」となる位置から減速を開始すれば良いことが分かる。逆に、この条件に至るまでは物体を加速し続けても、目標位置に物体を静止させることが可能である。
つまり、「運動エネルギ<(目標位置−現在位置)・制動力」の場合には「加速」となり、「運動エネルギ>(目標位置−現在位置)・制動力」の場合には「減速」となる。
これが、本発明の基礎となる制御則であり、本明細書ではこの制御則をエネルギ評価制御と称する。また、「(目標位置−現在位置)・制動力」は、現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量を表しており、本明細書ではこの制動仕事量を制動可能仕事と称する。
図1は、物体の質量が1、物体の初速度が0、物体の加速度が1、物体の減速度が−1、目標位置が4の条件で、物体を一定の加速度で加速し続けた場合の制動可能仕事と運動エネルギとの関係を示す。物体の質量をm、物体の速度をv、制動時に発生しうる物体の加速度をαとしたとき、運動エネルギは「(1/2)・m・v2」、制動可能仕事は「m・α・(目標位置−現在位置)」で表される。
図1から分かるように、この条件では開始から2秒で運動エネルギと制動可能仕事とが等しくなるため、この時点で加速から減速へ切り替えれば、物体を目標位置で止めることが可能となる。
図2は、図1と同じ条件で、運動エネルギと制動可能仕事とが等しくなった時点で加速から減速に切り替えた場合の結果を示す。開始から2秒で加速から減速へ切り替えた結果、運動エネルギと制動可能仕事は同じ軌跡をたどって収束し、運動エネルギと制動可能仕事が同時にゼロとなり、制御が終了する。図2では、開始から4秒で運動エネルギと制動可能仕事が共にゼロになっているため、この時点で目標位置に静止したことが分かる。
この運動エネルギと制動可能仕事との比較を制御中に常に実施することで負荷変動等による制御系の加速度変化にも追従することが可能となる。
このように、エネルギ評価制御を用いることで、ON/OFF制御であっても制御値を目標値に最短時間で合致させることが可能である。また、計算はフィードバック最短時間制御に比べて非常にシンプルになっており、コントローラの計算負荷の軽減が可能となる。
エネルギ評価制御では、制御終了評価のための制御評価値を、運動エネルギと制動可能仕事の絶対値との和とすると良い。これにより、偏差と速度とが同時にゼロになる時を制御終了と判断することができる。
一方、制御出力は、この制御評価値にEゲイン(エネルギゲイン)を掛けた値に対し、制御出力の最大値、及び最小値で制限を掛けた値とすると良い。これにより、制御終了時に制御出力がゼロになる。なお、Eゲインは、制御評価値の減少と共に、制御出力を小さくしていくための係数である。
また、運動エネルギ、及び制動可能仕事には、制御系の質量mが共に掛かるため、両者を比較する上では質量mを無視することが可能なため、制御評価値を「制御評価値=(1/2)・v2+|(目標位置−現在位置)・制動加速度|」とすると良い。これにより、制御出力は「制御出力=制御評価値・Eゲイン・最大制御出力」(但し、制御出力は最大制御出力以下とする)となる。
図3に、エネルギ評価制御の制御シミュレーション結果を示す。ここでは時間の経過を示す横軸を共通として縦軸の上段に変位を、下段に制御出力を示した。この結果より、エネルギ評価制御が原理的に成立していることが確認できる。
これまで説明してきたエネルギ評価制御は、主にアクチュエータの制御に用いられるものであり、理想的な環境の下で成立するものであるが、現実には制御系に重力やばね力等の外力が作用することにより、またアクチュエータに対する指示信号の誤差等により目標位置に対する定常偏差が発生し、制御が目標位置に到達できない。
このような定常偏差が発生する理由は、アクチュエータに設定した加速度αpと減速度αmと、実際に発生する加速度αprと減速度αmrに乖離があるためである。エネルギ評価制御では、加速と減速のバランスで制御対象を目標位置に制御するため、加速度αpと減速度αmの比(αp/αm)と、実際に発生する加速度αprと減速度αmrの比(αpr/αmr)との間に差があると定常偏差が発生してしまう。
例えば、図4に示すように、オーバーシュートした状態で停止したとする。この場合、設定された減速度よりも実際に発生する減速度の方が小さいため、制御対象が目標位置に戻りきらず、負の定常偏差が発生する。
逆に、図5に示すように、制御対象が目標位置に到達しないで停止したとする。この場合、設定された減速度の方が実際に発生する減速度よりも大きいため、過剰な減速が行われ、正の定常偏差が発生する。
つまり、いずれの場合も制御上の認識では加速度と減速度は適正とされているものの、実際には制御上の認識よりも加速度が大きく減速度が小さい、或いは加速度が小さく減速度が大きくなっている点に問題があり、実現象と制御上の認識とを合わせる必要がある。
そこで、本発明者は、定常偏差の値により、制御対象に与える加速度と減速度の割合を調整し、制御結果を補正することを考え、本発明に至った。
図6,7に示すように、本発明に係るエネルギ評価制御は、コントローラ10によりアクチュエータ11を駆動、制動させると共にその駆動と制動とを切り替えて制御対象12に加速度又は減速度を与え、制御対象12を目標位置まで移動させるに際し、制御対象12の運動エネルギと現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量とを予め設定した計算周期毎に比較し、両方の値が等しくなった時点を境にして駆動と制動とを切り替えるものであり、目標位置に対する定常偏差が発生したとき、その定常偏差を用いて制御対象12に与える加速度と減速度を補正することを特徴とする。
このエネルギ評価制御は、アクチュエータ11に接続されたコントローラ10によって行われる。コントローラ10は、制御対象12の運動エネルギと現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量とを予め設定した計算周期毎に比較する比較手段14と、両方の値が等しくなった時点を境にして駆動と制動とを切り替える切替手段15と、目標位置に対する定常偏差が発生したとき、その定常偏差を用いて制御対象12に与える加速度と減速度を補正する補正手段16とを備える。
図6では、重力が作用する環境下における上下方向の制御を行う制御系100を想定しており、図7では、制御対象12にばね13が接続され、制御対象12にばね力が作用する制御系200を想定している。なお、これら制御系100,200におけるアクチュエータ11は、制御対象12に与える加速度と減速度が補正手段16によって変更できるように設計されている。
以下、コントローラ10によって行われる本発明に係るエネルギ評価制御を図8に示すフローチャートを用いて具体的に説明する。
先ず、ステップS101で制御対象12に与える加速度をαp、制御対象12に与える減速度をαm、制御対象12に与える加速度と減速度を補正するための補正値をαadjとして予め設定したデータの読み込みを行う。具体的には、αpとαmをアクチュエータ11の性能の範囲内で予め設定した任意の値とし、αadjをゼロとする。
続くステップS102で制御対象12に与える加速度を「αp=αp−αadj」とし、制御対象に与える減速度を「αm=αm+αadj」とする補正を行う。最初の計算周期ではαadjがゼロであるため、ステップS101で読み込んだ値がそのまま加速度と減速度となり、実質的に無補正となる。
更に、ステップS103で目標値をXt、制御値をXとして予め設定した値やセンサ等の計器類から読み込みを行い、ステップS104で速度v、運動エネルギVの計算を行う。具体的には、目標位置である目標値をXt、現在位置である制御値をX、計算周期をΔt、現在の制御値をX0、1計算周期前の制御値をX-1、制御対象の速度をv、制御対象の運動エネルギをVとしたとき、「v=(X0−X-1)/Δt」、「V=v2/2」として計算を行う。
その後、ステップS105で制動時に作用させる加速度の選択を行う。このステップS105では、「Xt−X>0」であるか否かの判断を行うことで加速度を選択する。つまり、図6,7に示したようにX軸を設定したとき、制御対象12の現在位置が目標位置よりも手前であるか否かの判断を行い、YesであればステップS106に進み、NoであればステップS107に進む。ステップS106では、加速度αaをαpとすると共に減速度αbをαmとする。一方、ステップS107では、加速度αaをαmとすると共に減速度αbをαpとする。
この選択の後、ステップS108で制動可能仕事Wを「W=αb(Xt−X)」として計算する。具体的には、現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量である制動可能仕事をW、制御対象に与える加速度をαp、制御対象に与える減速度をαmとしたとき、「Xt−X>0」の場合には「W=αm(Xt−X)」とし、「Xt−X≦0」の場合には「W=αp(Xt−X)」として計算を行う。
そして、ステップS109で出力加速度の選択を行う。このステップS109では、「V>|W|」であるか否かの判断を行い、YesであればステップS110に進み、NoであればステップS111に進む。ステップS110では、出力加速度をαbとし、ステップS111では、出力加速度をαaとする。具体的には、「Xt−X>0」の場合には、「V≦|W|」のときに出力加速度をαp、「V>|W|」のときに出力加速度をαmとし、「Xt−X≦0」の場合には、「V>|W|」のときに出力加速度をαp、「V≦|W|」のときに出力加速度をαmとする。
これまでのステップS101〜S111(S102を除く)は、コントローラ10の比較手段14によって行われ、ステップS102は、補正手段16によって行われる。
出力加速度の選択後、ステップS112でこの出力加速度に相当するアクチュエータ推力をアクチュエータ11の駆動と制動とを切り替えて発生させる。ステップS112は、コントローラ10の切替手段15によって行われる。
その後、ステップS113で補正値αadjの計算を行う。具体的には、定常偏差をE、定常偏差の大きさから補正量を算出するための補正ゲインをI、制御対象に与える加速度と減速度を補正するための補正値をαadjとしたとき、「αadj=E・I」として計算を行う。ステップS113は、コントローラ10の補正手段16によって行われる。
最後に、ステップS114で制御終了か否かの判断を行い、Yesであれば制御を終わり、NoであればステップS102に戻って再びステップS102〜S114が繰り返される。ステップS114は、コントローラ10の比較手段14によって行われる。
このステップS102〜S114に要する時間は1計算周期Δtに対応しており、その結果として、ステップS102〜S114が計算周期Δt毎に繰り返されることになる。
ところで、ステップS113における定常偏差の求め方は色々あるが、代表的な求め方を4つ示す。1つ目は、目標位置に対する偏差を時間積分した値を定常偏差とする方法、2つ目は、過去数計算周期の目標位置に対する偏差の平均を定常偏差とする方法、3つ目は、過去数秒間の目標位置に対する偏差の最大値と最小値との平均を定常偏差とする方法、4つ目は、過去数秒間の目標位置に対する偏差の極大値の最大値と極小値の最小値との平均を定常偏差とすると共に過去数秒間に極大又は極小が無い場合には定常偏差をゼロとする方法である。なお、定常偏差の求め方は、これらの方法に限定されず、その他の方法を用いても構わない。
定常偏差の算出は常時、即ち最初の計算周期から制御を終了する計算周期まで行う場合もあるが、常時行うと単なる偏差を定常偏差として捉えてしまうため、定常偏差が実際よりも大きな値として評価され、却って制御が不安定になる場合が多い。このような場合は、定常偏差の算出を以下の条件下で行うようにしても良い。
例えば、目標位置に対する偏差が予め設定した閾値以下になったとき、定常偏差の算出を開始するようにしたり、制御開始から予め設定した時間が経過したとき、定常偏差の算出を開始するようにしたり、現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量が予め設定した閾値以下になったとき、定常偏差の算出を開始するようにすると良い。
このようにして算出された定常偏差を用いて制御対象に与える加速度と減速度が適正か否かを評価し、適正でなければこれらの調整を行う。具体的には、補正手段16が、次の計算周期のステップS102で制御対象に与える加速度を「αp=αp−αadj」とし、制御対象に与える減速度を「αm=αm+αadj」として補正する。つまり、定常偏差が正の場合には制御対象に与える加速度を減少させると共に制御対象に与える減速度を増加させ、定常偏差が負の場合には制御対象に与える加速度を増加させると共に制御対象に与える減速度を減少させる。
このとき、より好適には制御対象に与える加速度は正の範囲内で補正し、制御対象に与える減速度は負の範囲内で補正することが望ましい。この範囲を超えると加速と減速とが逆になってしまうからである。
また、制御対象に与える加速度と減速度を補正する際には、定常偏差の大きさが大きい場合には補正量を大きくし、定常偏差の大きさが小さい場合には補正量を小さくすることが好ましい。そのため、本実施の形態では、定常偏差の大きさから補正量を算出するための補正ゲインを導入している。これにより、定常偏差の大きさに合わせた加速度と減速度の補正が可能になる。
このように本発明によれば、図9,10に示すように、目標位置に対する定常偏差が発生したとき、その定常偏差を用いて制御対象に与える加速度と減速度を補正することにより、即ち定常偏差が正の場合には制御対象に与える加速度を減少させると共に制御対象に与える減速度を増加させ(図9)、定常偏差が負の場合には制御対象に与える加速度を増加させると共に制御対象に与える減速度を減少させることにより(図10)、制御対象の特性が明確でなくとも制御系に作用する重力やばね力等の外力による影響を無くすことができ、また制御対象によって補正方法を変える必要がなく、且つ、定常偏差を補正することができる。
100 制御系
200 制御系
10 コントローラ
11 アクチュエータ
12 制御対象
13 ばね
14 比較手段
15 切替手段
16 補正手段

Claims (22)

  1. アクチュエータを駆動、制動させると共にその駆動と制動とを切り替えて制御対象に前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を与え、前記制御対象を目標位置まで移動させるに際し、前記制御対象の運動エネルギと現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量とを予め設定した計算周期毎に比較し、両方の値が等しくなった時点を境にして駆動と制動とを切り替えるエネルギ評価制御方法であって、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも大きく、且つ、前記制御対象の速さが速くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が大きくなるように補正し、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも大きく、且つ、前記制御対象の速さが遅くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が小さくなるように補正し、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも小さく、且つ、前記制御対象の速さが速くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が小さくなるように補正し、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも小さく、且つ、前記制御対象の速さが遅くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が大きくなるように補正する
    ことを特徴とするエネルギ評価制御方法。
  2. 前記制御対象の速さが速くなっている場合には前記制御対象の速さが速くなる範囲で前記制御対象の速さを補正し、
    前記制御対象の速さが遅くなっている場合には前記制御対象の速さが遅くなる範囲で前記制御対象の速さを補正する
    請求項に記載のエネルギ評価制御方法。
  3. 目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差が大きい場合には補正量を大きくし、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差が小さい場合には補正量を小さくする
    請求項1又は2に記載のエネルギ評価制御方法。
  4. 目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差を時間積分した値を用いる
    請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギ評価制御方法。
  5. 過去数計算周期の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の平均を用いる
    請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギ評価制御方法。
  6. 過去数秒間の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の最大値と最小値との平均を用いる
    請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギ評価制御方法。
  7. 過去数秒間の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の極大又は極小が有る場合には極大値の最大値と極小値の最小値との平均を用い、
    過去数秒間の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の極大又は極小が無い場合にはゼを用いる
    請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギ評価制御方法。
  8. 目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差が予め設定した閾値以下になったとき、請求項3〜7のいずれかの方法を開始する
    エネルギ評価制御方法。
  9. 制御開始から予め設定した時間が経過したとき、請求項1〜7のいずれかの方法を開始する
    エネルギ評価制御方法。
  10. 現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量が予め設定した閾値以下になったとき、請求項1〜7のいずれかの方法を開始する
    エネルギ評価制御方法。
  11. アクチュエータを駆動、制動させると共にその駆動と制動とを切り替えて制御対象に前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を与え、前記制御対象を目標位置まで移動させるに際し、前記制御対象の運動エネルギと現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量とを予め設定した計算周期毎に比較し、両方の値が等しくなった時点を境にして駆動と制動とを切り替えるエネルギ評価制御方法であって、
    目標位置である目標値をXt、現在位置である制御値をX、計算周期をΔt、現在の制御値をX0、1計算周期前の制御値をX-1前記制御対象の速度をv、前記制御対象の運動エネルギをVとしたとき、「v=(X0−X-1)/Δt」、「V=v2/2」とし、現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量である制動可能仕事をW、前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量をαp前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量をαmとしたとき、「Xt−X>0」の場合には「W=αm(Xt−X)」とし、「Xt−X≦0」の場合には「W=αp(Xt−X)」とし、「Xt−X>0」の場合には、「V≦|W|」のときに出力加速度をαp、「V>|W|」のときに出力加速度をαmとし、「Xt−X≦0」の場合には、「V>|W|」のときに出力加速度をαp、「V≦|W|」のときに出力加速度をαmとし、
    この出力加速度に相当するアクチュエータ推力をアクチュエータの駆動と制動とを切り替えて発生させ、
    その後、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差をE、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の絶対値の大きさに基づいて決定される補正量を算出するための補正ゲインをI、前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を補正するための補正値をαadjとしたとき、「αadj=E・I」とし、
    次の計算周期で前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を「αp=αp−αadj」とし、前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を「αm=αm+αadj」とする
    ことを特徴とするエネルギ評価制御方法。
  12. アクチュエータを駆動、制動させると共にその駆動と制動とを切り替えて制御対象に前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を与え、前記制御対象を目標位置まで移動させるに際し、前記制御対象の運動エネルギと現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量とを予め設定した計算周期毎に比較する比較手段と、両方の値が等しくなった時点を境にして駆動と制動とを切り替える切替手段とを備えるエネルギ評価制御装置であって、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも大きく、且つ、前記制御対象の速さが速くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が大きくなるように補正し、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも大きく、且つ、前記制御対象の速さが遅くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が小さくなるように補正し、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも小さく、且つ、前記制御対象の速さが速くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が小さくなるように補正し、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量よりも小さく、且つ、前記制御対象の速さが遅くなっている場合には、実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量が大きくなるように補正する
    補正手段を更に備える
    ことを特徴とするエネルギ評価制御装置。
  13. 前記補正手段は、
    前記制御対象の速さが速くなっている場合には前記制御対象の速さが速くなる範囲で前記制御対象の速さを補正し、
    前記制御対象の速さが遅くなっている場合には前記制御対象の速さが遅くなる範囲で前記制御対象の速さを補正する
    請求項12に記載のエネルギ評価制御装置。
  14. 前記補正手段は、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差が大きい場合には補正量を大きくし、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差が小さい場合には補正量を小さくする
    請求項12又は13に記載のエネルギ評価制御装置。
  15. 前記補正手段は、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差を時間積分した値を用いる
    請求項12〜14のいずれかに記載のエネルギ評価制御装置。
  16. 前記補正手段は、
    過去数計算周期の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の平均を用いる
    請求項12〜14のいずれかに記載のエネルギ評価制御装置。
  17. 前記補正手段は、
    過去数秒間の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の最大値と最小値との平均を用いる
    請求項12〜14のいずれかに記載のエネルギ評価制御装置。
  18. 前記補正手段は、
    過去数秒間の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の極大又は極小が有る場合には極大値の最大値と極小値の最小値との平均を用い、
    過去数秒間の目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の極大又は極小が無い場合にはゼを用いる
    請求項12〜14のいずれかに記載のエネルギ評価制御装置。
  19. 前記補正手段は、
    目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差が予め設定した閾値以下になったとき、請求項14〜18のいずれかの方法を開始する
    エネルギ評価制御装置。
  20. 前記補正手段は、
    制御開始から予め設定した時間が経過したとき、請求項12〜18のいずれかの方法を開始する
    エネルギ評価制御装置。
  21. 前記補正手段は、
    現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量が予め設定した閾値以下になったとき、請求項12〜18のいずれかの方法を開始する
    エネルギ評価制御装置。
  22. アクチュエータを駆動、制動させると共にその駆動と制動とを切り替えて制御対象に前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を与え、前記制御対象を目標位置まで移動させるに際し、前記制御対象の運動エネルギと現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量とを予め設定した計算周期毎に比較する比較手段と、両方の値が等しくなった時点を境にして駆動と制動とを切り替える切替手段とを備えるエネルギ評価制御装置であって、
    前記比較手段は、目標位置である目標値をXt、現在位置である制御値をX、計算周期をΔt、現在の制御値をX0、1計算周期前の制御値をX-1前記制御対象の速度をv、前記制御対象の運動エネルギをVとしたとき、「v=(X0−X-1)/Δt」、「V=v2/2」とし、現在位置から目標位置までになし得る制動仕事量である制動可能仕事をW、前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量をαp前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量をαmとしたとき、「Xt−X>0」の場合には「W=αm(Xt−X)」とし、「Xt−X≦0」の場合には「W=αp(Xt−X)」とし、「Xt−X>0」の場合には、「V≦|W|」のときに出力加速度をαp、「V>|W|」のときに出力加速度をαmとし、「Xt−X≦0」の場合には、「V>|W|」のときに出力加速度をαp、「V≦|W|」のときに出力加速度をαmとし、
    前記切替手段は、この出力加速度に相当するアクチュエータ推力をアクチュエータの駆動と制動とを切り替えて発生させ、
    前記補正手段は、その後、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差をE、目標位置に対する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量と実際に発生する前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量との差の絶対値の大きさに基づいて決定される補正量を算出するための補正ゲインをI、前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を補正するための補正値をαadjとしたとき、「αadj=E・I」とし、次の計算周期で前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を「αp=αp−αadj」とし、前記制御対象に与える前記制御対象の単位時間当たりの速さの変化量を「αm=αm+αadj」とする
    ことを特徴とするエネルギ評価制御装置。
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