JP5869900B2 - 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5869900B2
JP5869900B2 JP2012025433A JP2012025433A JP5869900B2 JP 5869900 B2 JP5869900 B2 JP 5869900B2 JP 2012025433 A JP2012025433 A JP 2012025433A JP 2012025433 A JP2012025433 A JP 2012025433A JP 5869900 B2 JP5869900 B2 JP 5869900B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber layer
tread outer
outer rubber
tire
tread
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012025433A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013159322A (ja
Inventor
中田 泰弘
泰弘 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2012025433A priority Critical patent/JP5869900B2/ja
Publication of JP2013159322A publication Critical patent/JP2013159322A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5869900B2 publication Critical patent/JP5869900B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Tyre Moulding (AREA)

Description

本発明は、空気入りタイヤ、および空気入りタイヤの製造方法に関し、特に氷雪性能の低下を抑制しつつ、舗装路面における操縦安定性を向上させた空気入りタイヤ、およびその製造方法に関する。
冬期に用いられる空気入りタイヤとして、スタッドレスタイヤがよく知られている。スタッドレスタイヤは、氷雪路面において、駆動、制動および旋回性能(以下、単に「氷雪性能」という。)を確保することを要求される。
上記の要求を満たす手法として、スタッドレスタイヤの、タイヤ径方向最外側に位置し、トレッド踏面をなすトレッド外側ゴム層を、内部に気泡を分散させた発泡ゴムを用いて構成する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、トレッド踏面をなす発泡ゴムは、氷雪路面において氷雪を引っ掻く効果(エッジ効果)を発揮し、また、氷路面においてタイヤのトレッド踏面と氷路面との間に生じた水膜を除去する効果(除水性)を発揮して、氷雪路面上における、タイヤと路面との間の摩擦係数の低下を効果的に抑制する。そのため、発泡ゴムを用いてトレッド外側ゴム層を構成した従来のスタッドレスタイヤでは、氷雪性能を確保することができる。
特開昭62−283001号公報
しかしながら、発泡ゴムを用いてトレッド外側ゴム層を構成した上記従来のスタッドレスタイヤでは、氷雪性能が確保される一方で、発泡ゴム内部に分散された気泡によりトレッド部の剛性が低下する。そのため、上記従来のスタッドレスタイヤでは、スタッドレスタイヤの舗装路面における操縦安定性が十分に得られなかった。
そこで、本発明は、発泡ゴムを用いてトレッド外側ゴム層を構成したスタッドレスタイヤの氷雪性能を確保しつつ、該スタッドレスタイヤの舗装路面における操縦安定性を向上させることを目的とする。
すなわち、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ径方向最外側に位置するトレッド外側ゴム層が発泡ゴムで構成された空気入りタイヤであって、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向外側にトレッド幅の20%の距離の位置までのトレッド外側ゴム層中央部における平均発泡率が、トレッド外側ゴム層中央部よりタイヤ幅方向外側に位置するトレッド外側ゴム層側部における平均発泡率と比較して小さいことを特徴とする。このように、トレッド外側ゴム層中央部における平均発泡率が、トレッド外側ゴム層側部における平均発泡率と比較して小さくなるようにすることにより、トレッド外側ゴム層側部の剛性がトレッド外側ゴム層中央部の剛性と比較して低くなる。そのため、本発明の空気入りタイヤを装着した車両のコーナリング時の、タイヤの接地面積が増大し、タイヤが発揮するコーナリングフォースが増大する。従って、上記構成とすることにより、空気入りタイヤの氷雪性能を確保しつつ、空気入りタイヤの舗装路面における操縦安定性を向上させることができる。
なお、平均発泡率とは、トレッド外側ゴム層中央部およびトレッド外側ゴム層側部の各部において、各部内の任意の位置にある所定体積のゴム片を複数切り出し、各ゴム片について下記式(I)を用いて求めた発泡率Vs(%)を平均した値である。
Vs={(ρ−ρ)/(ρ−ρ)−1}×100(%) ・・・ (I)
[式中、ρは発泡ゴムの固相部の密度(g/cm)であり、ρは発泡ゴムの密度(g/cm)であり、ρは発泡ゴムの気泡内のガスの密度(g/cm)である。]
更になお、トレッド幅Twとは、空気入りタイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とし、無負荷状態としたときのトレッド模様部分の両端の直線距離を指す。因みに、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyreand RIm TechnIcal OrganIsatIon) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムを指し、「所定空気圧」とは、適用サイズのタイヤにおけるJATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)を指す。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記トレッド外側ゴム層側部における平均発泡率が、5%50%以内であることを特徴とする。トレッド外側ゴム層側部における平均発泡率を、5%50%以内とすれば、空気入りタイヤの氷雪性能を十分に確保することができると共に、空気入りタイヤの舗装路面における操縦安定性を更に向上させることができるからである。
更に、本発明の空気入りタイヤは、前記トレッド外側ゴム層中央部における平均発泡率が、5%以上20%以内であることを特徴とする。トレッド外側ゴム層中央部における平均発泡率を、5%以上20%以内とすれば、空気入りタイヤの氷雪性能を十分に確保することができると共に、空気入りタイヤの舗装路面における操縦安定性を更に向上させることができるからである。
更に、本発明の空気入りタイヤは、前記トレッド外側ゴム層が、一種類のゴム組成物から形成されることを特徴とする。トレッド外側ゴム層を、一種類のゴム組成物から形成すれば、空気入りタイヤの製造にかかる費用および作業時間を低減することができると共に、空気入りタイヤの耐久性を向上させることができるからである。
更に、本発明の空気入りタイヤは、前記トレッド外側ゴム層のタイヤ径方向内側に、非発泡ゴムで構成されたトレッド内側ゴム層を有することを特徴とする。トレッド外側ゴム層のタイヤ径方向内側に、非発泡ゴムで構成されたトレッド内側ゴム層を有するようにすれば、空気入りタイヤの氷雪性能を保持しつつ、空気入りタイヤの舗装路面における操縦安定性を更に向上させることができるからである。
なお、非発泡ゴムとは、発泡率が5%未満のゴムを指す。
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、タイヤ径方向最外側に位置するトレッド外側ゴム層が発泡ゴムで構成された空気入りタイヤの製造方法であって、発泡剤を含有する発泡ゴム用ゴム組成物を準備する準備工程と、前記発泡ゴム用ゴム組成物を前記トレッド外側ゴム層に用いて生タイヤを成形する成形工程と、前記生タイヤを加熱および加圧して加硫済タイヤとする加硫成型工程と、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向外側にトレッド幅の20%の距離の位置までのトレッド外側ゴム層中央部における発泡反応を抑制する発泡抑制工程、およびトレッド外側ゴム層中央部よりタイヤ幅方向外側に位置するトレッド外側ゴム層側部における発泡反応を促進する発泡促進工程の少なくとも一方と、を含み、トレッド外側ゴム層中央部における平均発泡率が、トレッド外側ゴム層側部における平均発泡率と比較して小さくすることを特徴とする。このように、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応を抑制する発泡抑制工程およびトレッド外側ゴム層側部における発泡反応を促進する発泡促進工程の少なくとも一方を含めることにより、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応をトレッド外側ゴム層側部における発泡反応と比較して抑制し、トレッド外側ゴム層中央部の平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部の平均発泡率と比較して小さくすることができる。そのため、氷雪性能を確保しつつ、舗装路面における操縦安定性を向上させた空気入りタイヤを製造することができる。
また、生タイヤのトレッド幅は、加硫成型後にトレッド模様が形成されることになる部分の幅を指すものとする。
また、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、前記発泡抑制工程が、前記成形工程において成形される生タイヤのトレッド外側ゴム層中央部を構成する部材を、押出機を用いて前記発泡ゴム用ゴム組成物を第一の速度で押し出して調製する工程を含み、前記発泡促進工程が、前記成形工程において成形される生タイヤのトレッド外側ゴム層側部を構成する部材を、押出機を用いて前記発泡ゴム用ゴム組成物を第一の速度よりも速い第二の速度で押し出して調製する工程を含むことを特徴とする。このように、発泡抑制工程が、成形工程において成形される生タイヤのトレッド外側ゴム層中央部を構成する部材を、押出機を用いて発泡ゴム用ゴム組成物を第一の速度で押し出して調製する工程を含み、発泡促進工程が、成形工程において成形される生タイヤのトレッド外側ゴム層側部を構成する部材を、押出機を用いて発泡ゴム用ゴム組成物を第一の速度よりも速い第二の速度で押し出して調製する工程を含むようにとすれば、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応をトレッド外側ゴム層側部における発泡反応と比較して抑制し、トレッド外側ゴム層中央部の平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部の平均発泡率と比較して小さくすることができる。そのため、氷雪性能を確保しつつ、舗装路面における操縦安定性を向上させた空気入りタイヤを、製造することができる。
更に、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、前記発泡抑制工程が、前記成形工程の後かつ前記加硫成型工程の前に、前記生タイヤの前記トレッド外側ゴム層中央部を冷却してトレッド外側ゴム層中央部における発泡反応を抑制する工程を含むことを特徴とする。発泡抑制工程を、成形工程の後かつ加硫成型工程の前に、生タイヤの前記トレッド外側ゴム層中央部を冷却してトレッド外側ゴム層中央部における発泡反応を抑制する工程とすれば、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応をトレッド外側ゴム層側部における発泡反応と比較して抑制し、トレッド外側ゴム層中央部の平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部の平均発泡率と比較して小さくすることができる。そのため、氷雪性能を確保しつつ、舗装路面における操縦安定性を向上させた空気入りタイヤを、製造することができる。
更に、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、前記発泡促進工程が、前記成形工程の後かつ前記加硫成型工程の前に、前記生タイヤの前記トレッド外側ゴム層側部を加熱してトレッド外側ゴム層側部における発泡反応を促進する工程を含むことを特徴とする。発泡促進工程を、成形工程の後かつ加硫成型工程の前に、生タイヤのトレッド外側ゴム層側部を加熱してトレッド外側ゴム層側部における発泡反応を促進する工程とすれば、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応をトレッド外側ゴム層側部における発泡反応と比較して抑制し、トレッド外側ゴム層中央部の平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部の平均発泡率と比較して小さくすることができる。そのため、氷雪性能を確保しつつ、舗装路面における操縦安定性を向上させた空気入りタイヤを、製造することができる。
更に、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、前記発泡抑制工程が、前記加硫成型工程の直後に前記加硫済タイヤの前記トレッド外側ゴム層中央部を冷却してトレッド外側ゴム層中央部における発泡反応を抑制する工程を含むことを特徴とする。発泡抑制工程を、加硫成型工程の直後に加硫済タイヤのトレッド外側ゴム層中央部を冷却してトレッド外側ゴム層側部における発泡反応を抑制する工程とすれば、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応をトレッド外側ゴム層側部における発泡反応と比較して抑制し、トレッド外側ゴム層中央部の平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部の平均発泡率と比較して小さくすることができる。そのため、氷雪性能を確保しつつ、舗装路面における操縦安定性を向上させた空気入りタイヤを、製造することができる。
更に、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、前記発泡促進工程が、前記加硫成型工程の直後に、前記加硫済タイヤの前記トレッド外側ゴム層側部を、加硫済タイヤの前記トレッド外側ゴム層中央部の温度よりも高い温度で保温して、前記トレッド外側ゴム層側部における発泡反応を促進する工程を含むことを特徴とする。発泡促進工程を、加硫成型工程の直後に、加硫済タイヤのトレッド外側ゴム層側部を、加硫済タイヤの前記トレッド外側ゴム層中央部の温度よりも高い温度で保温して、トレッド外側ゴム層側部における発泡反応を促進する工程とすれば、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応をトレッド外側ゴム層側部における発泡反応と比較して抑制し、トレッド外側ゴム層中央部の平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部の平均発泡率と比較して小さくすることができる。そのため、氷雪性能を確保しつつ、舗装路面における操縦安定性を向上させた空気入りタイヤを、製造することができる。
更に、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、前記準備工程において、一種類のゴム組成物からなる発泡ゴム用ゴム組成物を準備することを特徴とする。準備工程において、一種類のゴム組成物からなる発泡ゴム用ゴム組成物を準備すれば、空気入りタイヤの製造にかかる費用および作業時間を低減させることができると共に、空気入りタイヤの耐久性を向上させることができるからである。
本発明の空気入りタイヤによれば、発泡ゴムを用いてトレッド外側ゴム層を構成したスタッドレスタイヤの氷雪性能を確保しつつ、該スタッドレスタイヤの舗装路面における操縦安定性を向上させることができる。
本発明の一例の空気入りタイヤのトレッド部について模式的に示すタイヤ幅方向断面図である。
(空気入りタイヤ)
本発明の空気入りタイヤは、例えば、トレッド部と、該トレッド部の両側部からタイヤ径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部からタイヤ径方向内方に延びるビード部とにわたってトロイド状に延びるカーカスと、該カーカスのタイヤ径方向外方に配置されたベルトとを有する。また、本発明の空気入りタイヤは、ベルトのタイヤ径方向外側に少なくとも一層のトレッドゴム層を有する。そして、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ径方向最外側に位置し、トレッド踏面をなすトレッド外側ゴム層が、内部に気泡を分散させた発泡ゴムで構成されている。
なお、発泡ゴム中の気泡は、例えば、独立気泡や連続気泡等、あらゆる形状の気泡であってよい。
図1に、本発明の一例の空気入りタイヤのトレッド部1について、タイヤ幅方向断面図を示す。なお、図1では、ベルトおよびカーカスは図示を省略している。本発明の一例の空気入りタイヤのトレッド部1は、タイヤ径方向最外側に位置し、トレッド踏面2をなす、発泡ゴム3aで構成されたトレッド外側ゴム層3を有し、更に該トレッド外側ゴム層3のタイヤ径方向内側に、非発泡ゴム4aで構成されたトレッド内側ゴム層4を有している。
図1に示すように、発泡ゴム3aで構成されたトレッド外側ゴム層3は、タイヤ赤道面Pからタイヤ幅方向外側にトレッド幅Twの20%の距離の位置までのトレッド外側ゴム層中央部31と、トレッド外側ゴム層中央部31よりタイヤ幅方向外側に位置するトレッド外側ゴム層側部32とに、タイヤ幅方向に区分される。
なお、トレッド幅Twとは、空気入りタイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とし、無負荷状態としたときのタイヤのトレッド模様部分の両端間のタイヤ幅方向距離を指す。
そして、本発明の一例の空気入りタイヤのトレッド外側ゴム層3においては、トレッド外側ゴム層中央部31における発泡ゴムの平均発泡率がトレッド外側ゴム層側部32における発泡ゴムの平均発泡率と比較して小さい。
なお、平均発泡率とは、トレッド外側ゴム層中央部およびトレッド外側ゴム層側部の各部において、各部内の任意の位置にある所定体積のゴム片を複数切り出し、各ゴム片について下記式(I)を用いて求めた発泡率Vs(%)を平均した値である。
Vs={(ρ−ρ)/(ρ−ρ)−1}×100(%) ・・・ (I)
[式中、ρは発泡ゴムの固相部の密度(g/cm)であり、ρは発泡ゴムの密度(g/cm)であり、ρは発泡ゴムの気泡内のガスの密度(g/cm)である。]
このように、トレッド外側ゴム層中央部31における平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部32における平均発泡率と比較して小さくすることによって、トレッド外側ゴム層側部32の剛性がトレッド外側ゴム層中央部31の剛性と比較して低くなる。そのため、本発明の空気入りタイヤを装着した車両のコーナリング時の、タイヤの接地面積が増大し、それに応じて、トレッド踏面2における摩擦力が増大する。そして、この摩擦力の増大により、タイヤが発揮するコーナリングフォースが増大する。従って、上記構成とすることにより、空気入りタイヤの氷雪性能を確保しつつ、空気入りタイヤの舗装路面における操縦安定性を向上させることができる。
ここで、空気入りタイヤの製造にかかる費用および作業時間を低減させると共に、トレッド外側ゴム層中央部31とトレッド外側ゴム層側部32とのセパレーションを抑制し、空気入りタイヤの耐久性を向上させるためには、本発明の空気入りタイヤのトレッド外側ゴム層3は、一種類のゴム組成物から形成されることが好ましい。
また、この一例の空気入りタイヤでは、発泡ゴム3aで構成されたトレッド外側ゴム層3のタイヤ径方向内側に、非発泡ゴム4aで構成されたトレッド内側ゴム層4を有することにより、空気入りタイヤのトレッド部1全体の剛性が低下し過ぎないようにする。空気入りタイヤのトレッド部全体の剛性が低下し過ぎると、タイヤのトレッド部全体の横剛性が低下し過ぎて、タイヤが発揮するコーナリングフォースの増大が抑制されてしまい、空気入りタイヤの舗装路面における操縦安定性の向上が抑制されるからである。
なお、非発泡ゴムとは、内部に気泡を分散させる操作を施すことなく準備されたゴムであり、発泡率5%未満のゴムを指す。
ここで、トレッド外側ゴム層側部32における平均発泡率は、発泡ゴムのエッジ効果および除水性を十分に確保し、空気入りタイヤの氷雪性能を十分に確保するためには5%以上とすることが好ましく、また、発泡ゴム内部に分散された気泡によるトレッド部1の剛性の大幅な低下を抑制し、空気入りタイヤの舗装路面における操縦安定性を更に向上させるためには50%以下とすることが好ましい。
更にここで、トレッド外側ゴム層中央部31における平均発泡率は、発泡ゴムのエッジ効果および除水性を十分に確保し、空気入りタイヤの氷雪性能を十分に確保するためには5%以上とすることが好ましく、また、発泡ゴム内部に分散された気泡によるトレッド部1の剛性の大幅な低下を抑制し、空気入りタイヤの舗装路面における操縦安定性を更に向上させるためには20%以下とすることが好ましい。
更にここで、トレッド外側ゴム層中央部31における平均発泡率とトレッド外側ゴム層側部32における平均発泡率との差を、3%未満とすると、空気入りタイヤの舗装路面における操縦安定性の向上が十分でなく、また、6%超とすると、平均発泡率の差が大きくなり過ぎて、空気入りタイヤの耐偏摩耗性が低下するおそれがある。
となる。そのため、トレッド外側ゴム層中央部における平均発泡率とトレッド外側ゴム層側部における平均発泡率との差を、3%〜6%とすることが好ましい。
(空気入りタイヤの製造方法)
本発明の空気入りタイヤは、上記の通り、トレッド外側ゴム層中央部31における平均発泡率がトレッド外側ゴム層側部32における平均発泡率と比較して小さいことを特徴とする。そして、本発明の空気入りタイヤの製造方法では、発泡剤を含有する発泡ゴム用ゴム組成物を用いてトレッド外側ゴム層を構成する際に、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応を抑制し、トレッド外側ゴム層側部における発泡反応を促進することにより、製造された空気入りタイヤのトレッド外側ゴム層中央部31における平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部32における平均発泡率と比較して小さくすることを特徴とする。
以下に、本発明の空気入りタイヤの製造方法の一例を示す。本発明の空気入りタイヤの製造方法の一例は、タイヤ径方向最外側に位置するトレッド外側ゴム層が発泡ゴムで構成された空気入りタイヤの製造方法であって、発泡剤を含有する発泡ゴム用ゴム組成物を準備する準備工程と、発泡ゴム用ゴム組成物をトレッド外側ゴム層に用いて生タイヤを成形する成形工程と、生タイヤを加熱および加圧して加硫済タイヤとする加硫成型工程と、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向外側にトレッド幅の20%の距離の位置までのトレッド外側ゴム層中央部における発泡反応を抑制する発泡抑制工程、およびトレッド外側ゴム層中央部よりタイヤ幅方向外側に位置するトレッド外側ゴム層側部における発泡反応を促進する発泡促進工程の少なくとも一方と、を含み、トレッド外側ゴム層中央部における平均発泡率が、トレッド外側ゴム層側部における平均発泡率と比較して小さくすることを特徴とする。
ここで、発泡反応は、発泡剤が熱により自己分解して、窒素や二酸化炭素などのガスを発生させることによって生ずる。従って、発泡剤を含む発泡用ゴム組成物が高温になるほど促進され、逆に低温になるほど抑制される。そのため、トレッド外側ゴム層中央部の温度をトレッド外側ゴム層側部の温度と比較して低くすることによって、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応をトレッド外側ゴム層側部における発泡反応と比較して抑制し、トレッド外側ゴム層中央部の平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部の平均発泡率と比較して小さくすることができる。そのため、氷雪性能を確保しつつ、舗装路面における操縦安定性を向上させた空気入りタイヤを製造することができる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法の一例においては、まず、空気入りタイヤのトレッド外側ゴム層3に用いる、発泡ゴム用ゴム組成物を準備する(準備工程)。この準備工程においては、ゴム成分、発泡剤、発泡助剤および各種の配合剤等のゴム組成物原料を混合し、例えば、均一なゴム組成物となるように混練り機を用いて混練りすることによって、発泡ゴム用ゴム組成物を準備する。
ここで、ゴム成分としては、天然ゴム(NR)やジエン系合成ゴムを用いることができる。ジエン系合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)等が挙げられる。
また、発泡剤としては、熱によって自己分解して、窒素や二酸化炭素などのガスを発生させる化合物を用いることができる。発泡剤としては、具体的には、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、ニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド等が挙げられる。
なお、上記の発泡剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
更に、発泡剤は、発泡助剤と併用することが好ましく、発泡助剤は、発泡剤の分解を促進する働きを有する化合物を用いることができる。発泡助剤としては、具体的には、例えば、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛、亜鉛華等が挙げられる。
更に、配合剤は、ゴム業界で通常用いられる各種配合剤を用いることができる。配合剤としては、具体的には、例えば、カーボンブラックやシリカ等の充填剤、シランカップリング剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等が挙げられる。
次いで、この一例の製造方法では、準備した発泡ゴム用ゴム組成物をトレッド外側ゴム層3に用いて生タイヤを成形する(成形工程)。この成形工程においては、上記の準備工程で準備した発泡ゴム用ゴム組成物を押出機に入れ、該発泡ゴム用ゴム組成物を押し出して、発泡ゴム用ゴム組成物がトレッド外側ゴム層3となるように被成形体に巻き付けて、未加硫の生タイヤを作製する。
押出機は、例えば、ゴム組成物が通る流路と、該流路内に配置されたスクリューと、流路の端部であるヘッド部とを備えたスクリューポンプ式の押出機等の、所定温度のゴム組成物を所定速度の押出速度で押し出すことのできる押出機である。そして、押出機は、例えば、自身の温度を制御する装置等を備えることによって、押出機内部の流路を通って押し出されるゴム組成物の温度を、変動可能な所定温度に維持することができる。また、押出機は、例えば、ゴム組成物を混練しながら移送するスクリューを回転させるためのモータや、ヘッド部からゴム組成物を吐出するギヤポンプを更に備えることによって、ゴム組成物の押出速度を、変動可能な所定速度とすることができる。
この押出工程においては、準備工程で準備した発泡ゴム用ゴム組成物を、第一の速度で押し出すことにより第一部材を調製し、かつ第一の速度よりも速い第二の速度で押し出すことにより第二部材を調製する。そして、後に詳細に説明する成形工程において、第一部材をトレッド外側ゴム層中央部31に用い、かつ、第二部材をトレッド外側ゴム層側部32に用いて、第一部材および第二部材を貼り合わせてトレッド外側ゴム層3とする。
ここで、押出機の流路を通って押出機のヘッド部から吐出されるゴム組成物は、特に、スクリューやギヤポンプのギヤとゴム組成物との間に生じる摩擦や、ギヤポンプのギヤによるゴム組成物の剪断により、発熱する。そして、この摩擦や剪断による発熱は、ゴム組成物の押出速度に応じて大きくなる。そのため、第一の速度を第二の速度と比較して小さくすることによって、押出時の第一部材の温度を押出時の第二部材の温度と比較して小さくすることができる。その結果、第一部材における発泡反応を第二部材における発泡反応と比較して抑制し、第一部材における発泡率を第二部材における発泡率と比較して小さくすることができる。
続いて、押出工程の直後に、拡縮可能な円筒状の成形ドラムや剛体コア等からなる被成形体に、発泡ゴム用ゴム組成物がトレッド外側ゴム層3となるように各種部材を巻き付けて、未加硫の生タイヤを作成する。この工程においては、第一部材をトレッド外側ゴム層中央部31に用い、かつ、第二部材をトレッド外側ゴム層側部32に用いて、第一部材および第二部材を貼り合わせてトレッド外側ゴム層3とする。
このように、成形工程において、押出機を用いて発泡ゴム用ゴム組成物を第一の速度で押し出して調製した第一部材をトレッド外側ゴム層中央部31に用いて生タイヤを成形し、トレッド外側ゴム層中央部31における発泡反応を抑制する(発泡抑制工程)。また、押出機を用いて発泡ゴム用ゴム組成物を第一の速度と比較して速い第二の速度で押し出して調製した第二部材をトレッド外側ゴム層側部32に用いて生タイヤを成形し、トレッド外側ゴム層側部32における発泡反応を促進する(発泡促進工程)。
このように、押出機の押出速度を変えることによって、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応を抑制し、トレッド外側ゴム層側部における発泡反応を促進させれば、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応をトレッド外側ゴム層側部における発泡反応と比較して抑制し、トレッド外側ゴム層中央部の平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部の平均発泡率と比較して小さくすることができる。そのため、氷雪性能を確保しつつ、舗装路面における操縦安定性を向上させた空気入りタイヤを製造することができる。
ここで、トレッド外側ゴム層中央部31の押出時の温度は、例えば、70℃〜85℃とし、トレッド外側ゴム層側部32の押出時の温度は、例えば、85℃〜100℃とする。そして、両者の押出時の温度差が15℃未満または30℃超となると、所望の発泡率差が得られないため、トレッド外側ゴム層中央部とトレッド外側ゴム層側部の押出時の温度差を15℃〜30℃とすることが好ましい。
が好ましい。
続いて、この一例の製造方法では、成形工程の後かつ加硫前の生タイヤに対して、トレッド外側ゴム層中央部31における発泡反応を抑制する発泡抑制工程およびトレッド外側ゴム層側部32における発泡反応を促進する発泡促進工程の少なくとも一方を施す。
具体的には、例えば、生タイヤを局所的に加熱・保温するかまたは冷却する、温度制御装置を用いることによって、トレッド外側ゴム層中央部31を冷却して、発泡反応を抑制する発泡抑制工程、およびトレッド外側ゴム層側部32を加熱または保温して、発泡反応を促進させる発泡促進工程を生タイヤに対して施す。
上記の発泡抑制工程や発泡促進工程では、例えば、タイヤウォーマー等を用いることができる。
このように、温度制御装置を用いて、トレッド外側ゴム層中央部31を冷却することによって、トレッド外側ゴム層における発泡反応を抑制させるか、または、トレッド外側ゴム層側部32を加熱または保温することによって、トレッド外側ゴム層側部32における発泡反応を促進させれば、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応をトレッド外側ゴム層側部における発泡反応と比較して抑制し、トレッド外側ゴム層中央部の平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部の平均発泡率と比較して小さくすることができる。そのため、氷雪性能を確保しつつ、舗装路面における操縦安定性を向上させた空気入りタイヤを製造することができる。
ここで、温度制御装置を用いてトレッド外側ゴム層中央部を冷却した場合のトレッド外側ゴム層中央部31の温度は、例えば、10℃〜20℃とし、トレッド外側ゴム層側部32の温度は、例えば、30℃〜50℃とする。また、温度制御装置を用いてトレッド外側ゴム層側部を加熱・保温した場合のトレッド外側ゴム層中央部31の温度は、例えば、30℃〜50℃とし、トレッド外側ゴム層側部32の温度は、例えば、70℃〜90℃とする。そして、両者の温度差が10℃未満または60℃超となると、所望の発泡率差が得られないため、トレッド外側ゴム層中央部31とトレッド外側ゴム層側部32の温度差を10℃〜60℃とすることが好ましい。
が好ましい。
最後に、発泡抑制工程および発泡促進工程の少なくとも一方を施した生タイヤを加硫する。この加硫成型工程においては、例えば、加硫金型に生タイヤを収納し、加熱および加圧して加硫する。
更に、本発明の空気入りタイヤの製造方法の一例では、加硫成型工程の直後の加硫済タイヤに対して、トレッド外側ゴム層中央部31における発泡反応を抑制する発泡抑制工程およびトレッド外側ゴム層側部32における発泡反応を促進する発泡促進工程の少なくとも一方を更に施す。
また、成形工程の後かつ加硫成型工程の前の生タイヤに対して施した、発泡反応を抑制する発泡抑制工程や発泡反応を促進させる発泡促進工程と同様に、温度制御装置を用いることによって、加硫済タイヤのトレッド外側ゴム層側部32を、加硫済タイヤのトレッド外側ゴム層中央部31における温度よりも高い温度で保温して、トレッド外側ゴム層中央部31における発泡反応を抑制することもできる。
このように、加硫成型工程の直後に、加硫済タイヤのトレッド外側ゴム層側部32を、加硫済タイヤのトレッド外側ゴム層中央部31における温度よりも高い温度で保温して、トレッド外側ゴム層中央部31における発泡反応を抑制すれば、トレッド外側ゴム層中央部における発泡反応をトレッド外側ゴム層側部における発泡反応と比較して抑制し、トレッド外側ゴム層中央部の平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部の平均発泡率と比較して小さくすることができる。そのため、氷雪性能を確保しつつ、舗装路面における操縦安定性を向上させた空気入りタイヤを製造することができる。
また、加硫成型工程の直後の加硫済タイヤは、加硫成型後に加圧が解かれることによって、トレッド外側ゴム中に発生したガスが膨張する。ここで、トレッド外側ゴムを、加熱・保温すると、気泡の大きさが増大して発泡率が大きくなり、また、冷却すると、気泡の大きさが減少して発泡率が小さくなる。
ここで、加硫成型直後に、加硫済タイヤのトレッド外側ゴム層側部32を、加硫済タイヤのトレッド外側ゴム層中央部31における温度よりも高い温度で保温した場合のトレッド外側ゴム層中央部31の温度は、例えば、40℃〜70℃とし、トレッド外側ゴム層側部32の温度は、例えば、70℃〜100℃とする。そして、両者の温度差が30℃未満または60℃超となると、所望の発泡率差が得られないため、トレッド外側ゴム層中央部31とトレッド外側ゴム層側部32の温度差を30℃〜60℃とすることが好ましい。
なお、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、トレッド外側ゴム層中央部31における平均発泡率がトレッド外側ゴム層側部32における平均発泡率と比較して小さいことを特徴とする空気入りタイヤが得られる限り、上述した発泡抑制工程または発泡促進工程の全てを含まなくてもよく、一部を含んでいればよい。
ここで、空気入りタイヤの製造にかかる費用および作業時間を低減させると共に、トレッド外側ゴム層中央部31とトレッド外側ゴム層側部32とのセパレーションを抑制し、空気入りタイヤの耐久性を向上させるためには、トレッド外側ゴム層に一種類のゴム組成物を用いて、該一種類のゴム組成物を、押出機を用いて押し出して生タイヤを成形することが好ましい。
なお、本発明の空気入りタイヤは、上記実施形態に限定されることなく、適宜変更することができるものとする。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示す配合の組成物をバンバリーミキサーで混練して作製した。
Figure 0005869900
※1 JSR社製、ポリブタジエンゴムBR01
※2 旭カーボン社製、N134(窒素吸着比表面積:146m/g)
※3 タイレ社製、ポリエチレン素材(融点=125℃、繊維径=3.6d、平均径=0.023mm、平均長さ=2m)
※4 大内新興化学工業社製、ノクラック810−NA(N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン)
※5 大内新興化学工業社製、ノクセラーCZ−G(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
※6 アゾジカルボン酸アミド
※7 ADCA:尿素=1:1(質量比)
(実施例1)
上記組成物を用いて、表2に示す空気入りタイヤの製造方法により、表2に示す空気入りタイヤを作製した。そして、該空気入りタイヤを用いて、下記の走行性能評価を行った。
(比較例1)
上記組成物を用いて、表2に示す空気入りタイヤの製造方法により、表2に示す空気入りタイヤを作製し、該空気入りタイヤを用いて、実施例1と同様に下記の走行性能評価を行った。
(走行性能評価)
空気入りタイヤ(サイズ:TBR11R22.5)を、JATMA規格に定める適用リム(8.25×22.5)に装着して、該空気入りタイヤを、内圧800kPa、荷重4.5tの条件下、乗用自動車に装着した。そして、以下(1)および(2)に示す試験を行い、空気入りタイヤの走行性能を評価した。
(1)氷上性能
氷板路面のテストコースにおいて、テストドライバーが、車両が静止している状態からフル加速した際に、車両が100m走行するのに要する時間を計測し、該時間から空気入りラジアルタイヤの氷上制動性能を評価した。具体的には、比較例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。指数が大きいほど氷板路面における加速に優れること、すなわち氷上性能が高いことを示す。
(2)操縦安定性
舗装路面のテストコースにおいて、テストドライバーが、様々な走行を行い、制動性、発進性、直進性、コーナリング性について総合的にフィーリング評価することにより、空気入りラジアルタイヤの舗装路面における操縦安定性を評価した。具体的には、比較例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。指数が大きいほど舗装路面における操縦安定性が高いことを示す。
(実施例2〜5、比較例2〜5)
表2に示す空気入りタイヤの製造方法により、表2に示す空気入りタイヤを作製し、該空気入りタイヤを用いた以外は実施例1と同様に上記走行性能評価を行った。
Figure 0005869900
表2に示す実施例の結果より、トレッド外側ゴム層中央部の平均発泡率をトレッド外側ゴム層側部の平均発泡率と比較して小さくすることによって、空気入りタイヤの舗装路面における操縦安定性が向上することが示される。
本発明の空気入りタイヤによれば、発泡ゴムを用いてトレッド外側ゴム層を構成したスタッドレスタイヤの氷雪性能を確保しつつ、該スタッドレスタイヤの舗装路面における操縦安定性を向上させることができる。
1 トレッド部
2 トレッド踏面
3 トレッド外側ゴム層
3a 発泡ゴム
4 トレッド内側ゴム層
4a 非発泡ゴム
31 トレッド外側ゴム層中央部
32 トレッド外側ゴム層側部

Claims (11)

  1. タイヤ径方向最外側に位置するトレッド外側ゴム層が発泡ゴムで構成された空気入りタイヤであって、
    タイヤ赤道面からタイヤ幅方向外側にトレッド幅の20%の距離の位置までのトレッド外側ゴム層中央部における平均発泡率が、トレッド外側ゴム層中央部よりタイヤ幅方向外側に位置するトレッド外側ゴム層側部における平均発泡率と比較して小さく、
    前記トレッド外側ゴム層側部における平均発泡率が、5%超50%以内である
    ことを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記トレッド外側ゴム層中央部における平均発泡率が、5%以上20%以内であることを特徴とする、請求項に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッド外側ゴム層が、一種類のゴム組成物から形成されることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド外側ゴム層のタイヤ径方向内側に、非発泡ゴムで構成されたトレッド内側ゴム層を有することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤ径方向最外側に位置するトレッド外側ゴム層が発泡ゴムで構成された空気入りタイヤの製造方法であって、
    発泡剤を含有する発泡ゴム用ゴム組成物を準備する準備工程と、
    前記発泡ゴム用ゴム組成物を前記トレッド外側ゴム層に用いて生タイヤを成形する成形工程と、
    前記生タイヤを加熱および加圧して加硫済タイヤとする加硫成型工程と、
    タイヤ赤道面からタイヤ幅方向外側にトレッド幅の20%の距離の位置までのトレッド外側ゴム層中央部における発泡反応を抑制する発泡抑制工程、およびトレッド外側ゴム層中央部よりタイヤ幅方向外側に位置するトレッド外側ゴム層側部における発泡反応を促進する発泡促進工程の少なくとも一方と、
    を含み、
    トレッド外側ゴム層中央部における平均発泡率が、トレッド外側ゴム層側部における平均発泡率と比較して小さくすることを特徴とする、空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記発泡抑制工程が、前記成形工程において成形される生タイヤのトレッド外側ゴム層中央部を構成する部材を、押出機を用いて前記発泡ゴム用ゴム組成物を第一の速度で押し出して調製する工程を含み、
    前記発泡促進工程が、前記成形工程において成形される生タイヤのトレッド外側ゴム層側部を構成する部材を、押出機を用いて前記発泡ゴム用ゴム組成物を第一の速度よりも速い第二の速度で押し出して調製する工程を含むことを特徴とする、請求項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記発泡抑制工程が、前記成形工程の後かつ前記加硫成型工程の前に、前記生タイヤの前記トレッド外側ゴム層中央部を冷却してトレッド外側ゴム層中央部における発泡反応を抑制する工程を含むことを特徴とする、請求項またはに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  8. 前記発泡促進工程が、前記成形工程の後かつ前記加硫成型工程の前に、前記生タイヤの前記トレッド外側ゴム層側部を加熱してトレッド外側ゴム層側部における発泡反応を促進する工程を含むことを特徴とする、請求項乃至のいずれか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  9. 前記発泡抑制工程が、前記加硫成型工程の直後に前記加硫済タイヤの前記トレッド外側ゴム層中央部を冷却してトレッド外側ゴム層中央部における発泡反応を抑制する工程を含むことを特徴とする、請求項乃至のいずれか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  10. 前記発泡促進工程が、前記加硫成型工程の直後に、前記加硫済タイヤの前記トレッド外側ゴム層側部を、加硫済タイヤの前記トレッド外側ゴム層中央部の温度よりも高い温度で保温して、前記トレッド外側ゴム層側部における発泡反応を促進する工程を含むことを特徴とする、請求項乃至のいずれか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  11. 前記準備工程において、一種類のゴム組成物からなる発泡ゴム用ゴム組成物を準備することを特徴とする、請求項乃至10のいずれか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
JP2012025433A 2012-02-08 2012-02-08 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法 Expired - Fee Related JP5869900B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012025433A JP5869900B2 (ja) 2012-02-08 2012-02-08 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012025433A JP5869900B2 (ja) 2012-02-08 2012-02-08 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013159322A JP2013159322A (ja) 2013-08-19
JP5869900B2 true JP5869900B2 (ja) 2016-02-24

Family

ID=49171918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012025433A Expired - Fee Related JP5869900B2 (ja) 2012-02-08 2012-02-08 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5869900B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2575662A (en) * 2018-07-18 2020-01-22 Automotive Fusion Ltd Tyre

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2510533B2 (ja) * 1986-10-02 1996-06-26 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JPH01262203A (ja) * 1988-04-13 1989-10-19 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2009018677A (ja) * 2007-07-11 2009-01-29 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ、および空気入りタイヤの装着方法
JP5405181B2 (ja) * 2009-04-16 2014-02-05 株式会社ブリヂストン プレキュアトレッドの製造方法および装置並びにプレキュアトレッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013159322A (ja) 2013-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5288784B2 (ja) ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ
JP6097750B2 (ja) タイヤ
JP4171531B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5869900B2 (ja) 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法
WO2014171089A1 (ja) タイヤ
JP4679173B2 (ja) ゴム組成物、加硫ゴムおよびタイヤ
JP4943779B2 (ja) 空気入りタイヤ
WO2015104985A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP5390106B2 (ja) ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ
JP2011162020A (ja) 空気入りタイヤ
JP2014231270A (ja) 空気入りタイヤ
JP4780816B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3779437B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2013237222A (ja) 空気入りタイヤの製造方法および空気入りタイヤ
JP2001039126A (ja) 空気入りタイヤ
JP2001047814A (ja) 空気入りタイヤ
JP5410161B2 (ja) タイヤ
JP5390107B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ
JP5829407B2 (ja) 更生タイヤ用プレキュアトレッドおよびそれを用いた更生タイヤ
JP5345777B2 (ja) ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ
JP3779426B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2001246911A (ja) 空気入りタイヤ
JP3779427B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH1180423A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP5557466B2 (ja) ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5869900

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees