JP5868162B2 - アンテナインピーダンス測定方法およびアンテナシステム - Google Patents

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Description

本発明は、アクティブフェーズドアレーアンテナにおける各素子アンテナの動的なアンテナインピーダンスを測定する方法に関する。
アクティブフェーズドアレーアンテナの正確な特性を知るためには、アクティブフェーズドアレーアンテナの動作状態で、素子アンテナのインピーダンス(アンテナインピーダンス)を測定する必要がある。特許文献1および特許文2には、アレーアンテナのアクティブインピーダンスを測定する技術が記載されている。特許文献1のアクティブインピーダンス測定装置では、素子アンテナの出力端に設けた方向性結合器で反射波を取り出し、その電力を検波することにより、アクティブインピーダンスを測定する。
特許文献2のアンテナインピーダンス測定法では、円編波アレーアンテナの任意のアンテナ素子を給電するハイブリッド回路の出力端子を開放又は短絡した状態で、アイソレーション端子への出力を基準としてアンテナ素子を接続した状態での同端子への出力を測定することにより、アレーアンテナの動作状態でのアクティブインピーダンスを測定する。
実開平2−107079号公報 特開平5−157782号公報
特許文献1のアクティブインピーダンス測定装置では、方向性結合器を用いることにより反射波の取り出しを行い、その電力を検波する方式を適用している。しかしその方法では、本来均一であるべき素子アンテナにおいて特定の素子アンテナついては方向性結合器が追加された構成となる。またはカプラを有する測定用の素子アンテナと実際の運用での素子アンテナの間での性能差異が発生する。そのため素子アンテナの特性差異が評価結果に影響する可能性があり、測定精度低下につながる問題があった。
特許文献2のアンテナインピーダンス測定法では、アレーアンテナの状態において注目するアンテナ素子のハイブリッド回路のアイソレーション端子の出力をアンテナ素子の励振状態、ハイブリッドの出力の開放状態、短絡状態で測定する必要があり、アレーアンテナの状態での測定手順が煩雑であるという課題があった。
この発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、評価するアクティブフェーズドアレーアンテナの素子アンテナの性能均一性を保持して、アクティブフェーズドアレーアンテナの動作状態における素子アンテナのアンテナインピーダンスを容易に測定することを目的とする。
本発明の第1の観点に係るアンテナインピーダンス測定方法は、アクティブフェーズドアレーアンテナの1つの素子アンテナの給電回路に備えられる、給電線に接続した負荷の反射係数を算出するための電気的物理量を検出する検出部を用いて、検出部を有する1つの素子アンテナの給電回路を単独で作動させた状態で、当該素子アンテナへの給電線に、異なる既知のインピーダンス値を有する複数の負荷をそれぞれ接続した場合ごとに、給電回路から負荷に電力を供給して電気的物理量を検出する。給電線に接続した負荷のインピーダンス値と検出した電気的物理量とを対応づけた校正データを記憶する。そして、検出部を有する素子アンテナを含み、検出部を有する素子アンテナの給電回路の出力端から当該給電回路をみた特性が、検出部を有しない素子アンテナの給電回路の出力端から当該給電回路をみた特性と同等であるアクティブフェーズドアレーアンテナを作動させた状態で、検出部を有する素子アンテナの給電回路の電気的物理量を計測し、計測した電気的物理量に対応するインピーダンス値を校正データから算出する。
本発明によれば、素子アンテナの均一性を保持して、アクティブフェーズドアレーアンテナの動作状態における素子アンテナのアンテナインピーダンスを測定することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係るアンテナシステムの構成例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る校正データを計測する構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る校正データ取得の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るアンテナインピーダンス測定の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係るアンテナシステムの構成例を示すブロック図である。 実施の形態2に係る校正データを計測する構成を示すブロック図である。 実施の形態2における電力伝播方向と消費電流の関係の概念図である。 実施の形態2における電力伝播方向変化によるアンテナインピーダンスの変化と最終段増幅器における電力付加効率の関係の概念図である。 実施の形態2に係る校正データ取得の動作の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2に係るアンテナインピーダンス測定の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係るアクティブフェーズドアレーアンテナの構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。各図において、同一または相当の部材、部位については、同一符号を付して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るアンテナシステムの構成例を示すブロック図である。アンテナシステムは、アクティブフェーズドアレーアンテナ20、ロードプルデータ記憶部10、記憶部8、算出部18および表示部11を備える。
アクティブフェーズドアレーアンテナ20は、複数の素子アンテナ1と、各素子アンテナ1に給電する給電回路21を備える。各給電回路21は、移相器3、最終段増幅器2、サーキュレータ4およびダミー部41を備える。ダミー部41は、素子アンテナ1で反射してサーキュレータ4で分離された受信信号(反射電力)を無反射で終端する。受信信号には、素子アンテナ1(負荷)で反射した信号と外部電界によって素子アンテナ1に入力する信号が含まれるが、外部電界の影響を無視できれば、受信信号は反射信号だけになる。
アクティブフェーズドアレーアンテナ20の1つの素子アンテナ1に接続する給電回路22は、給電回路21の構成に加えて、カプラ5と検波部6を備える。カプラ5は、ダミー部41に流れる反射電力に比例する高周波電力を生成する。検波器6は、カプラ5で生成した反射電力に比例する高周波電力を検波する。検波器6で、素子アンテナ1の反射電力の大きさと出力に対する位相を検出できる。
図1では、アクティブフェーズドアレーアンテナ20の送信信号を生成して、給電回路21、22の入力端子25に入力する回路を省略している。アクティブフェーズドアレーアンテナ20では、移相器3に各素子アンテナ1の位相を設定する。図1のロードプルデータ記憶部10は、各素子アンテナに設定する位相を記憶し、各素子アンテナ1の給電回路21、22の移相器3に、それぞれの位相を設定する。入力端子25から入力された送信信号は、移相器3で設定した位相に移相され、最終段増幅器2で増幅される。最終段増幅器2には、電源30で電流が供給される。そして、各素子アンテナ1からは、設定された位相で電波が放射される。その結果、放射された電波は、設定した位相に応じて各素子アンテナの放射電波が強め合う方向(図1の矢印13)に指向強度を有する。
アクティブフェーズドアレーアンテナ20では、各素子アンテナ1は自己放射インピーダンスと、他の素子アンテナ1の放射電界(図1の矢印12)を受けることによって生じる相互放射インピーダンスをもつ。各素子アンテナ1のアンテナインピーダンスは、自己放射インピーダンスと相互放射インピーダンスの和である。相互放射インピーダンスは、電波の周波数と素子アンテナ間の位相差に応じて変化しうる。
本実施の形態1のアンテナシステムは、さらに、記憶部8、算出部18および表示部11を備える。記憶部8、算出部18および表示部11は、コンピュータで実現できる。実施の形態1では、検波器6を有する給電回路22を単独で作動させた状態で、給電回路22の素子アンテナ1への給電線26に、異なる既知のインピーダンス値を有する複数の負荷をそれぞれ接続した場合ごとに、給電回路22から負荷に電力を供給して検波器6で検出した反射電力の大きさおよび出力に対する位相を計測しておく。記憶部8は、そのあらかじめ計測した反射電力の大きさおよび位相と、給電線26に接続した負荷のインピーダンス値とを対応づけた校正データを記憶する。負荷による反射係数(複素数)は、出力電力(複素数)に対する反射電力(複素数)の比で表される。
次に、検波器6を有する素子アンテナ1の給電回路22を含むアクティブフェーズドアレーアンテナ20を作動させた状態で、検波器6で反射電力の大きさおよび出力に対する位相を計測する。計測した反射電力の大きさおよび位相を、そのときの移相器3に設定した位相に対応づけて、記憶部8に記憶する。算出部18は、アクティブフェーズドアレーアンテナ20を作動させた状態で計測した反射電力の大きさおよび位相に対応するインピーダンス値を、校正データから算出する。算出部18は、算出したインピーダンス値と、そのときの移相器3に設定した位相とを表示部11に表示する。
図2は、実施の形態1に係る校正データを計測する構成を示すブロック図である。図1に示すアクティブフェーズドアレーアンテナ20から、給電回路22を取り出し、単独で作動させる。図2でも、入力信号を供給する回路を省略している。給電回路22の素子アンテナ1を接続する点(給電線26)に、ロードプルチューナ9を接続する。ロードプルチューナ9は、さまざまなインピーダンス値を選択して設定できる負荷である。ロードプルチューナ9は、外部からの電波などによるノイズが、給電回路22側に入力されないように構成されていることが必要である。
ロードプルチューナ9で、給電回路22に接続する負荷のインピーダンス値を変えて、負荷のインピーダンス値ごとに、給電回路を単独で作動させた状態で、検波器6で反射電力の大きさと、送信信号に対する位相を計測する。計測した反射電力の大きさおよび位相と、そのときの負荷のインピーダンス値を対応づけた校正データを、記憶部8に記憶する。このとき、負荷のインピーダンス値と反射電力の大きさおよび位相を、表示部11に表示させてもよい。
ロードプルチューナ9で設定するインピーダンス値は、アクティブフェーズドアレーアンテナ20を作動させた状態で、素子アンテナ1がとりうると想定されるインピーダンス値の範囲を含むように選択する。また、その範囲で、できるだけ細かくインピーダンス値を設定して、反射電力を測定するのが好ましい。
図1のアクティブフェーズドアレーの構成に戻って、検波器6を有する素子アンテナ1の給電回路22を含むアクティブフェーズドアレーアンテナ20全体を作動させた状態で、給電回路22の反射電力を計測する。この場合、アクティブフェーズドアレーアンテナ20の外部からの反射または放射が、素子アンテナ1に入力しないように、アクティブフェーズドアレーアンテナ20を電波暗室にいれて計測を行う。測定の際には、各素子アンテナ1からの位相量を変化させ、その設定した位相量ごとに反射電力をデータとして取得する。
算出部18は、計測した反射電力の大きさおよび位相に対応する負荷のインピーダンス値を、校正データから算出する。計測した反射電力の大きさおよび位相が校正データの中にあれば、それに対応する負荷のインピーダンス値を、そのときの素子アンテナ1のアンテナインピーダンス値とみなすことができる。計測した反射電力の大きさおよび位相が校正データの中にない場合は、適宜補間してインピーダンス値を算出する。校正データを十分細かく計測すれば、必要な精度でアクティブフェーズドアレーアンテナ20が動作状態の素子アンテナ1のアンテナインピーダンスを計測できる。前述のとおり、算出部18は、算出したインピーダンス値と、そのときの移相器3に設定した位相とを表示部11に表示する。
図3は、実施の形態1に係る校正データ取得の動作の一例を示すフローチャートである。図2に示す構成において、ロードプルチューナ9の負荷のインピーダンス値を設定する(ステップS11)。そして、給電回路22から出力する(ステップS12)。給電回路22から出力している状態で、給電回路22の検波器6で反射電力の大きさと位相を計測する(ステップS13)。計測したら、給電回路22からの出力を停止してよい。計測した反射電力の大きさおよび位相を、負荷のインピーダンス値に対応づけて記憶部8に記憶する(ステップS14)。ロードプルチューナ9に設定すべき負荷のインピーダンス値があれば(ステップS15;YES)、ステップS11に戻って、負荷のインピーダンス設定から繰り返す。設定すべき負荷のインピーダンス値がなければ(ステップS15;NO)、校正データ取得を終了する。続いて、アンテナインピーダンスを測定する。
図4は、実施の形態1に係るアンテナインピーダンス測定の動作の一例を示すフローチャートである。図1に示すアンテナシステムの構成で、各給電回路21、22の移相器3に各素子アンテナの位相を設定する(ステップS21)。そして、アクティブフェーズドアレーアンテナ20から出力する(ステップS22)。その状態で、給電回路22の検波器6で反射電力の大きさと位相を計測する(ステップS23)。計測した反射電力の大きさおよび位相と設定した位相を記憶部8に記憶する(ステップS24)。算出部18は、反射電力の大きさおよび位相に対応するインピーダンスを算出する(ステップS25)。
アンテナインピーダンスを測定すべき素子アンテナに設定する位相があれば(ステップS26;YES)、ステップS21に戻って、各素子アンテナの位相設定から繰り返す。素子アンテナに設定する位相がなければ(ステップS26;NO)、算出部18は、測定したアンテナインピーダンスとそのときの素子アンテナの位相を、表示部11に表示する(ステップS27)。
以上説明したように、実施の形態1によれば、アクティブフェーズドアレーアンテナ20の作動させた状態で、素子アンテナ1のアンテナインピーダンスを測定することができる。アンテナインピーダンス測定において、素子アンテナ1の特性は、均一に保持される。
実施の形態1では、アクティブフェーズドアレーアンテナ20を構成する素子アンテナ1の給電回路21、22は検波器の有無に関わらず、電気性能、形態は同じものとなり、それらの差異による影響をなくすことができる。一般的に、サーキュレータ4のダミー部に検波器6をカプラ5を介して設置するかどうかによる、サーキュレータ4のS−parameter(入出力負荷、またその通過、アイソレーション)への影響は無視できる。そのため、素子アンテナ1側から給電回路21、22を見たインピーダンスはサーキュレータ4が見えるので、検波器6を備える給電回路22とその他の給電回路21の間に差異はない。また検波器6自体は、給電回路内から素子アンテナ1の給電点までの電気長、出力電力に影響を与えずに追加することができるので、素子アンテナ1の性能の差異をもたらすことはない。これらにより、検波の有無によって発生する測定誤差を抑えることが可能となり、アンテナインピーダンスの測定精度向上に寄与する。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係るアンテナシステムの構成例を示すブロック図である。実施の形態2の給電回路23は、サーキュレータ4に代えて、帯域通過フィルタ17を備える。また、反射係数を算出するための電気的物理量を計測する給電回路24では、検波器6に代えて、最終段増幅器2で消費される電流を計測する電流計7を備える。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
実施の形態2では、電流計7を備える給電回路24を単独で作動させた状態で、給電回路24の素子アンテナ1への給電線26に、異なる既知のインピーダンス値を有する複数の負荷をそれぞれ接続した場合ごとに、給電回路24から負荷に電力を供給して電流計7で最終段増幅器2で消費される電流を計測する。また、そのときの出力電力(反射電力を除いて負荷側に入力される電力)を同時に計測する。記憶部8は、そのあらかじめ計測した消費電流および出力電力と、給電線26に接続した負荷のインピーダンス値とを対応づけた校正データを記憶する。負荷による反射係数(複素数)は、出力電力と消費電力から算出することができる。消費電力は、消費電流と入力電圧から算出できる。校正データは、消費電流に代えて消費電力を記憶してもよい。
図6は、実施の形態2に係る校正データを計測する構成を示すブロック図である。実施の形態2でも、給電回路24に接続する負荷のインピーダンス値を変えて、負荷のインピーダンス値ごとに、給電回路を単独で作動させた状態で、最終段増幅器2で消費される電流の大きさを電流計7で計測する。同時にロードプルチューナ9で、給電回路24の出力電力を計測する。ロードプルチューナ9は、ロードプルチューナ9に入力する電力(給電回路24の出力電力)を計測できるものを用いる。
次に、電流計7を有する素子アンテナ1の給電回路24を含むアクティブフェーズドアレーアンテナ20を作動させた状態で、電流計7で最終段増幅器2で消費される電流を計測する。また、アクティブフェーズドアレーアンテナ20全体の放射電力を測定する。放射電力の測定は、例えば、全球面走査法または変調プローブアレー法を用いて行うことができる。測定した放射電力から、給電回路24に接続する素子アンテナ1の出力電力を算出する。素子アンテナ1の出力電力は、あらかじめ、放射電力に対する素子アンテナ1の寄与率を、素子アンテナ1に設定する位相量ごとに計測しておいて、放射電力に寄与率を乗じて算出できる。素子アンテナ1に設定する位相量(位相差)が小さい場合には、素子アンテナ1ごとの寄与率の差は無視できるので、放射電力を素子アンテナ1の個数で除して素子アンテナ1あたりの出力電力とみなすことができる。
記憶部8は、計測した消費電流の大きさおよび出力電力を、そのときの移相器3に設定した位相に対応づけて記憶する。図7は、実施の形態2における電力伝播方向(位相)と消費電流の関係の概念図である。
算出部18は、アクティブフェーズドアレーアンテナ20を作動させた状態で計測した消費電流の大きさおよび出力電力に対応するインピーダンス値を、校正データから算出する。アクティブフェーズドアレーアンテナ20の放射電力から素子アンテナ1の出力電力を算出する場合、出力電力の位相を知ることはできないので、以下のようにして、インピーダンス値を算出する。
図8は、実施の形態2における電力伝播方向変化によるアンテナインピーダンスの変化と最終段増幅器における電力付加効率の関係の概念図である。図8は、負荷のインピーダンス値に対応する消費電力と出力電力を示す。図8で、消費電力と負荷のインピーダンス値との対応は、実線の等消費電力線(コンター)15で表される。例えば、コンター15の上のある点の消費電力に対応する負荷インピーダンスは、図8のスミスチャート14で読み取ったその点の抵抗とリアクタンスである。また、出力電力と負荷のインピーダンス値の対応は、破線の等出力電力線(コンター)16で表される。消費電力と出力電力の組は、消費電力に対応するコンター15と出力電力に対応するコンター16の交点で表される。スミスチャート14上で読み取ったその交点の抵抗とリアクタンスが、その消費電力と出力電力の組に対する負荷のインピーダンス値(アンテナインピーダンス)である。
コンター15とコンター16の交点(例えば、図8の黒丸)は、一般に2点になるが、その他の条件から、そのうちの1点に決定することができる。例えば、図7の電力伝播方向の設定に対する消費電流から、アンテナインピーダンスの変動を推定することができる。2つの交点のインピーダンスのうち、推定したアンテナインピーダンスの変動に近い方を、アンテナインピーダンスとすることができる。
以上では、概念的に理解を容易にするために、消費電力と出力電力からアンテナインピーダンスを算出する方法を、スミスチャート14を用いて説明した。算出部18は、校正データから等消費電力(電流)線(コンター)15と等出力電力線(コンター)16を、データ列または近似曲線の方程式などで生成する。また、推定されるアンテナインピーダンスの変動範囲を記憶しておく。そして、計測した消費電力(電流)のコンター15と出力電力のコンター16の交点を算出し、その交点に対応するインピーダンスのうち推定されるアンテナインピーダンスの変動範囲に近い方を、消費電力(電流)と出力電力に対応するアンテナインピーダンスとする。
図9は、実施の形態2に係る校正データ取得の動作の一例を示すフローチャートである。図6に示す構成において、ロードプルチューナ9の負荷のインピーダンス値を設定する(ステップS31)。そして、給電回路24から出力する(ステップS32)。給電回路3から出力している状態で、給電回路24の電流計7で消費電流を計測し、ロードプルチューナ9で出力電力を計測する(ステップS33)。計測したら、給電回路24からの出力を停止してよい。計測した消費電流および出力電力を、負荷のインピーダンス値に対応づけて記憶部8に記憶する(ステップS34)。ロードプルチューナ9に設定すべき負荷のインピーダンス値があれば(ステップS35;YES)、ステップS31に戻って、負荷のインピーダンス設定から繰り返す。設定すべき負荷のインピーダンス値がなければ(ステップS35;NO)、校正データ取得を終了する。続いて、アンテナインピーダンスを測定する。
図10は、実施の形態2に係るアンテナインピーダンス測定の動作の一例を示すフローチャートである。図5に示すアンテナシステムの構成で、各給電回路23、23の移相器3に各素子アンテナの位相を設定する(ステップS41)。そして、アクティブフェーズドアレーアンテナ20から出力する(ステップS42)。その状態で、給電回路24の電流計7で消費電流を計測し、アクティブフェーズドアレーアンテナ20の放射電力を計測する(ステップS43)。算出部18は、計測した放射電力から、給電回路24に接続する素子アンテナ1の出力電力を算出する(ステップS44)。そして計測した消費電流および出力電力と設定した位相を記憶部8に記憶する(ステップS45)。
算出部18は、消費電流および出力電力に対応するインピーダンスを算出する(ステップS46)。例えば前述のように、消費電流に対応する等消費電力線15と、出力電力に対応する等出力電力線16の交点を算出し、その交点に対応するインピーダンスのうち推定されるアンテナインピーダンスの変動範囲に近い方を、消費電力(電流)と出力電力に対応するアンテナインピーダンスとする。
アンテナインピーダンスを測定すべき素子アンテナに設定する位相があれば(ステップS47;YES)、ステップS41に戻って、各素子アンテナの位相設定から繰り返す。素子アンテナに設定する位相がなければ(ステップS47;NO)、算出部18は、測定したアンテナインピーダンスとそのときの素子アンテナの位相を、表示部11に表示する(ステップS48)。
以上説明したように、実施の形態2によれば、アクティブフェーズドアレーアンテナ20の作動させた状態で、素子アンテナ1のアンテナインピーダンスを測定することができる。アンテナインピーダンス測定において、素子アンテナ1の特性は、均一に保持される。
実施の形態2では、アクティブフェーズドアレーアンテナ20を構成する素子アンテナは電流モニタ機能(電流計7)の有無に関わらず、電気性能、形態は同じものとなり、それらの差異による影響をなくすことができる。一般的に、増幅器の電流モニタ機能有無による増幅器のS−parameter(入出力負荷、またその通過、アイソレーション)についての影響は無視できる。そのため、素子アンテナ1側より給電回路21、22を見たインピーダンスは増幅器2が見えるので、電流モニタ機能を備える素子アンテナとその他の素子アンテナの間に差異はない。また電流モニタ機能自体は、給電回路内から素子アンテナ1の給電点までの電気長、出力電力に影響を与えずに追加することができるため素子アンテナの性能の差異をもたらすことはない。これらにより、電流モニタ機能の有無によって発生する測定誤差を抑えることが可能となり、アンテナインピーダンスの測定精度向上に寄与する。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3に係るアクティブフェーズドアレーアンテナ20の構成例を示すブロック図である。実施の形態3では、実施の形態1で想定したサーキュレータ4を備える給電回路21と、実施の形態2で想定したサーキュレータ4をもたず電流計7を有する給電回路24を組みあわせた構成である。実施の形態3では、実施の形態2と同様の手順でアンテナインピーダンス測定を行う。
アクティブフェーズドアレーアンテナ20の動作状態のアンテナインピーダンスを測定する一つの目的として、アンテナインピーダンスの変動が最終段増幅器2の性能に与える影響を調査する場合が挙げられる。特許文献1のアクティブインピーダンス測定装置では、最終段増幅器2の性能を間接的に評価することとなるため測定精度低下に繋がる問題があった。
実施の形態3では、アクティブインピーダンスが最終段増幅器2に与える影響を調査する場合について、最終段増幅器2の性能変動を直接測定し、測定精度を高めることが目的である。
実施の形態3により、性能安定化のためにサーキュレータ4を備える給電回路21について、性能向上に向けたサーキュレータ4の省略可否の検討を行うことができる。実施の形態3の構成の目的は、サーキュレータ4を省略することによるアクティブインピーダンスへの影響を見極めた上で、サーキュレータ4の損失を無くすことにある。この場合にアクティブインピーダンスが最終段増幅器2の消費電流に与える影響を見積もる必要がある。
実施の形態3の構成によれば、アクティブフェーズドアレーアンテナ20の電波の出力方向(位相量)によるアクティブインピーダンスへの影響を見積もる必要はなく、消費電流への影響を直接見積もることができる。なお測定手順は実施の形態2で示した測定手順と同じである。実施の形態3にかかるアクティブフェーズドアレーアンテナ20によれば、サーキュレータ4の要否について、給電回路21一台の交換によりその可否を見積もることができる。
1 素子アンテナ
2 最終段増幅器
3 移相器
4 サーキュレータ
5 カプラ
6 検波器
7 電流計
8 記憶部
9 ロードプルチューナ
10 ロードプルデータ記憶部
11 表示部
14 スミスチャート
15 等消費電力線(コンター)
16 等出力電力線(コンター)
17 帯域通過フィルタ
18 算出部
20 アクティブフェーズドアレーアンテナ
21、22、23、24 給電回路
25 入力端子
26 給電線
30 電源
41 ダミー部

Claims (4)

  1. アクティブフェーズドアレーアンテナの1つの素子アンテナの給電回路に備えられる、給電線に接続した負荷の反射係数を算出するための電気的物理量を検出する検出部を用いて、前記検出部を有する1つの素子アンテナの給電回路を単独で作動させた状態で、当該素子アンテナへの給電線に、異なる既知のインピーダンス値を有する複数の負荷をそれぞれ接続した場合ごとに、前記給電回路から前記負荷に電力を供給して前記電気的物理量を検出する検出ステップと、
    前記給電線に接続した負荷のインピーダンス値と検出した前記電気的物理量とを対応づけた校正データを記憶する記憶ステップと、
    前記検出部を有する素子アンテナを含み、前記検出部を有する素子アンテナの給電回路の出力端から当該給電回路をみた特性が、前記検出部を有しない素子アンテナの給電回路の出力端から当該給電回路をみた特性と同等である前記アクティブフェーズドアレーアンテナを作動させた状態で、前記検出部を有する素子アンテナの給電回路の前記電気的物理量を計測する計測ステップと、
    前記計測ステップで計測した電気的物理量に対応するインピーダンス値を前記校正データから算出する算出ステップと、
    を備えるアンテナインピーダンス測定方法。
  2. 前記検出ステップでは、前記素子アンテナの給電線に挿入されたサーキュレータで分離され、無反射終端するダミー部に流れる反射信号に比例する電力を検波する検波器を用いて、前記反射信号に比例する電力の大きさと送信信号に対する位相とを検出し、
    前記記憶ステップでは、前記反射信号に比例する電力の大きさと送信信号に対する位相とを、前記給電線に接続した負荷のインピーダンス値に対応づけて記憶する、
    請求項1に記載のアンテナインピーダンス測定方法。
  3. 前記検出ステップでは、前記素子アンテナの給電回路の最終段増幅器で消費される電流を検出する電流計と、前記給電線からの出力電力を検出する電力計とを用いて、前記給電回路の最終段増幅器で消費される電流の大きさと給電線からの出力電力を検出し、
    前記記憶ステップでは、前記給電回路の最終段増幅器で消費される電流の大きさと前記給電線からの出力電力を、前記給電線に接続した負荷のインピーダンス値に対応づけて記憶し、
    前記計測ステップでは、前記アクティブフェーズドアレーアンテナの放射電力を計測して、前記検出部を有する素子アンテナの出力電力に換算し、前記検出部を有する素子アンテナの前記給電回路の最終段増幅器で消費される電流の大きさを計測する、
    請求項1に記載のアンテナインピーダンス測定方法。
  4. アクティブフェーズドアレーアンテナの、1つの素子アンテナの給電回路に、給電線に接続した負荷の反射係数を算出するための電気的物理量を検出する検出部を有し、前記検出部を有する素子アンテナの給電回路の出力端から当該給電回路をみた特性が、前記検出部を有しない素子アンテナの給電回路の出力端から当該給電回路をみた特性と同等である前記アクティブフェーズドアレーアンテナと、
    前記アクティブフェーズドアレーアンテナの前記検出部を有する1つの素子アンテナの給電回路を単独で作動させた状態で、当該給電回路の前記素子アンテナへの給電線に、異なる既知のインピーダンス値を有する複数の負荷をそれぞれ接続した場合ごとに、前記給電回路から前記負荷に電力を供給して前記検出部で検出した電気的物理量と、前記給電線に接続した負荷のインピーダンス値とを対応づけた校正データを記憶する記憶部と、
    前記検出部を有する素子アンテナを含む前記アクティブフェーズドアレーアンテナを作動させた状態で、前記検出部で検出した前記電気的物理量に対応するインピーダンス値を前記校正データから算出する算出部と、
    を備えるアンテナシステム。
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