以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の回転コネクタ101を説明する分解斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態の回転コネクタ101を説明する斜視図であって、図2(a)は、回転中立位置にある状態を示した図であり、図2(b)は、図2(a)の回転中立位置から回転ケースK1が約120°、左回転(反時計回り)した状態を示した図である。図3は、本発明の第1実施形態の回転コネクタ101を説明する図であって、図2(a)に示すZ1側から見た上面図である。図4は、本発明の第1実施形態の回転コネクタ101を説明する図であって、図2(a)に示すZ2側から見た底面図である。図5は、本発明の第1実施形態の回転コネクタ101を説明する図であって、図5(a)は、図2(a)に示すX1側から見た側面図であり、図5(b)は、図2(a)に示すY2側から見た正面図である。図6は、本発明の第1実施形態の回転コネクタ101を説明する図であって、図6(a)は、図2(a)に示す斜視図において、第1回転ケースK11を省略した斜視図であり、図6(b)は、図3に示す上面図において、第1回転ケースK11を省略した上面図である。図7は、本発明の第1実施形態の回転コネクタ101を説明する図であって、図7(a)は、図2(a)に示すZ1側から見た上方斜視図であり、図7(b)は、図7(a)に破線で示すP部分の拡大斜視図である。なお、図7もまた、説明を容易にするため、第1回転ケースK11を省略している。
本発明の第1実施形態の回転コネクタ101は、図2ないし図5に示すように、円筒形状の外観を呈し、図1に示すように、固定体(図示していない)に固定される固定ケースR1と、回転操作具(図示していない)の回転に伴って回転する回転ケースK1と、固定ケースR1と回転ケースK1との間の相対回転をロックするロック機構RK3と、回転ケースK1と固定ケースR1とで形成された環状の収容部に巻締め及び巻戻し可能に収容された可撓性ケーブルFCと、を備えて構成される。更に、本発明の第1実施形態では、図1に示すように、環状の収容部に回動自在に支持されたホルダHL1と、ホルダHL1に取り付けられ可撓性ケーブルFCを巻回するためのローラRLと、可撓性ケーブルFCの一端と接続された第1コネクタ部CN1と、可撓性ケーブルFCの他端と接続された第2コネクタ部CN2と、を有している。
なお、本発明の第1実施形態の回転コネクタ101は、自動車に適用されるので、固定体とは、車両本体側の固定部分のことを言い、回転操作具とは、自動車のステアリングのことを言う(以下、第1実施形態では、回転操作具をステアリングとする)。また、回転コネクタ101が車両本体に固定された後、ステアリングは、図5に示すZ2方向側(一方側)からZ1方向(挿入方向ID)に向けて挿入される。また、自動車に適用されることから、回転基準位置を回転中立位置として述べているが、回転基準位置は適用製品に応じて適宜変更可能である。
先ず、回転コネクタ101の固定ケースR1は、合成樹脂で形成され、図1に示すように、平板円形形状の第1固定ケースR11と、上下両端(図1に示すZ方向)が開放された筒状の第2固定ケースR21と(図1を参照)、から構成され、図2、図5及び図6に示すように、可撓性ケーブルFC及びホルダHL1を収容して、第1固定ケースR11と第2固定ケースR21とが、スナップ結合などにより、連結・一体化されている。また、固定ケースR1は、回転ケースK1を回動自在に支持する機能も有している。
固定ケースR1の第1固定ケースR11は、図2及び図6に示すように、回転コネクタ101の円筒形状の一方面を構成している。また、図1に示すように、平板円形形状の円板基部R11bの中央に第1開口部R11kを有しており、回転コネクタ101が車両に搭載された際には、この第1開口部R11kにステアリングが挿通される。その際に、この第1開口部R11kの形状は、ステアリングの外形より大きくなるようにしている。
また、第1固定ケースR11には、図2及び図6に示すように、円板基部R11bの外周の3箇所から延設された固定部位R11rが設けられ、固定部位R11rには、貫通孔R11hがそれぞれ設けられている。この貫通孔R11hを用いて、固定部位R11rと固定体である車両本体側の固定部(図示していない)とが係合され、固定ケースR1が固定体に固定される。
また、第1固定ケースR11には、図2及び図6に示すように、可撓性ケーブルFCの一端と接続される第1コネクタ部CN1が、第1固定ケースR11に固定されて設けられている。また、この第1コネクタ部CN1には、図3に示すように、車両本体側の電源や電子機器等との電気的接続をとるための第1端子群T1が、インサート成形等で埋め込まれており、可撓性ケーブルFCの一端と電気的に接続されている。
固定ケースR1の第2固定ケースR21は、図2及び図5に示すように、回転コネクタ101の円筒形状の外側側面を構成している。
また、第2固定ケースR21には、図1に示すように、筒状の開放端の一方端側、具体的には、第1固定ケースR11側(図1に示すZ1側)の一方端側に、この一方端から延設された箱状のサポート枠R21wが設けられている。そして、第1固定ケースR11と第2固定ケースR21とが連結・一体化された際には、図2、図5(a)及び図7(a)に示すように、第1固定ケースR11に設けられた第1コネクタ部CN1の一部を、この箱状のサポート枠R21wが覆うようにしている。これにより、第1コネクタ部CN1にY2方向からの余計な力が加わったとしても、破損等の不具合を防止することができる。
次に、回転ケースK1及びロック機構RK3について説明する。図8は、第1回転ケースK11を説明する図であって、図8(a)は、図1に示すZ1側から見た斜視図であり、図8(b)は、図1に示すZ2側から見た斜視図である。図9は、第1回転ケースK11を説明する図であって、図9(a)は、図8(a)に示すQ部分の拡大斜視図であり、図9(b)は、図8(b)に示すR部分の拡大斜視図である。図10は、ロック機構RK3を説明する図であって、図10(a)は、図1に示すZ1側から見た第1アクチュエータ7の斜視図であり、図10(b)は、図1に示すY1側から見た第1アクチュエータ7の側面図であり、図10(c)は、弾性部材99が挿通された第1アクチュエータ7の斜視図である。図11は、第2アクチュエータ8を説明する図であって、図11(a)は、図1に示すZ1側から見た斜視図であり、図11(b)は、図1に示すZ2側から見た斜視図である。
先ず、回転ケースK1は、合成樹脂で形成され、図1に示すように、平板円形形状の第1基部K11bを有した第1回転ケースK11と、平板円形形状の第2基部K21bの中央に筒状の内壁部K21wを有した第2回転ケースK21と、から構成され、第1回転ケースK11と第2回転ケースK21とが、スナップ結合などにより、連結・一体化されている。具体的は、図8に示す第1回転ケースK11の4つの下垂部K11dと図1に示す第2回転ケースK21の内壁部K21wの内周面に形成された爪部(図示していない)とが係止されて、連結・一体化される。
回転ケースK1の第1回転ケースK11は、図8に示すように、平板円形形状の第1基部K11bの中央に第2開口部K11kを有しており、回転コネクタ101が車両に搭載された際には、この第2開口部K11kにステアリングが挿通される。また、回転コネクタ101が組み立てられた際には、図2及び図3に示すように、第1回転ケースK11は、第1固定ケースR11の第1開口部R11kの一部を覆うようにして配設される。
次に、ロック機構RK3は、合成樹脂で形成され、図1に示すように、ステアリング(回転操作具)の挿入に応じて挿入方向IDへ移動する第1アクチュエータ7と、第1アクチュエータ7の移動に応じて挿入方向IDと直交する直交方向VDに動作する第2アクチュエータ8と、第2アクチュエータ8と係合する係止部4と、を備えて構成されている。また、本発明の第1実施形態では、ロック機構RK3は、第1アクチュエータ7と第2アクチュエータ8を動作可能に支持するガイド部材5と、第1アクチュエータ7を付勢する弾性部材99と、を有している。そして、このロック機構RK3により、回転コネクタ101が組み立てられた際には、固定ケースR1と回転ケースK1との間の相対回転にロックがかかり、車両が組み立てられてステアリングが挿入された際には、この回転ロックが外れるようになっいている。以下、ロック機構RK3について詳細に説明する。
先ず、ロック機構RK3のガイド部材5は、箱状の形状をしており、図2、図3、図8に示すように、第1回転ケースK11の第1基部K11bの第2開口部K11kの近傍に設けられ、第1回転ケースK11の第1基部K11bから垂直に立設して設けられたガイド枠55をを有している。また、ガイド部材5は、図8及び図9に示す第1アクチュエータ7を挿入方向ID(図5に示すZ1方向)へ動作可能に支持するガイド軸15と、図8(b)及び図9(b)に示す第2アクチュエータ8を直交方向VD(図3に示すY1方向)に動作可能に支持するガイド溝25と、を有して構成されている。そして、ガイド部材5は、詳細に後述するが、第1アクチュエータ7と第2アクチュエータ8を動作可能に支持している。
ガイド部材5のガイド軸15は、本発明の第1実施形態では、丸棒形状をしており、図8及び図9に示すように、第1回転ケースK11の第2開口部K11kの周縁部から箱状に立設して形成したガイド枠55に設けられている。更に具体的には、ガイド軸15は、第1基部K11bと平行に設けられたガイド枠55の支持壁55tから回転操作器具が挿入される方向(図5に示すZ2方向)に延設して形成されている。このガイド軸15に、第1アクチュエータ7が支持され、動作可能になっている。
また、ガイド溝25は、図9(b)に示すように、ガイド枠55の垂直壁55vに突設した立壁55wを設けることにより、ガイド枠55の支持壁55tと立壁55wとの間に溝を形成して作製されている。なお、図8(b)では隠れて見えないが、対向する垂直壁55vにも形成されて、両側にガイド溝25が形成されている。このガイド溝25に第2アクチュエータ8が支持され、動作可能になっている。
次に、ロック機構RK3の第1アクチュエータ7は、図10に示すように、一部を切り欠いた円筒状の基部7bと、基部7bの一端部の外周部から延設され対向して設けられた一対の腕部7aと、腕部7aの先端部に形成された爪部7mと、腕部7aと反対方向で基部7bの他端部の中央部から延設されて設けられた円柱部7cと、から構成されている。
また、本発明の第1実施形態では、図10(a)及び図10(b)に示すように、第1アクチュエータ7の基部7bには、凸状の一対の突出部78tが腕部7aの延長上の両側に形成されている。
また、本発明の第1実施形態では、また、円筒状の基部7bの中にガイド孔7hを有した円筒状のガイド筒7tが設けられており、このガイド孔7hに図8に示すガイド軸15が挿通される。これにより、このガイド軸15が第1アクチュエータ7を支持するとともに第1アクチュエータ7の挿入方向IDへの直線移動を案内するようになる。
また、腕部7aの先端部に形成された爪部7mは、ガイド枠55の支持壁55tに設けられた貫通穴55a(図9(a)を参照)に挿通され、支持壁55tと係合している。なお、第1アクチュエータ7は、合成樹脂を用いて型により成形されているので、基部7bと腕部7aと爪部7mと円柱部7c、更に、基部7bに設けられた突出部78t、ガイド孔7h、ガイド筒7tを、1回の成形でしかも一体に形成することができる。このことにより、第1アクチュエータ7を寸法精度良く、しかも安価に作製することができる。
次に、ロック機構RK3の弾性部材99は、図7(b)及び図10(c)に示すように、一般に広く用いられているコイルばねを用いており、組み立てられた際には、図示はしていないが、図8に示すガイド軸15に挿通されて、第1アクチュエータ7の基部7bに設けられた受面7p(図10(a)を参照)に弾性部材99の一端が当接する。
そして、第1アクチュエータ7の挿入方向ID(図5に示すZ1方向)への動作に抗して第1アクチュエータ7を付勢するようになっている。これにより、弾性部材99が第1アクチュエータ7の挿入方向IDへの移動を止め、ステアリング(回転操作具)が挿入されない限り、例えば回転ケースK1に強い回転力や衝撃が加えられて、第1アクチュエータ7が挿入方向IDに移動しようとしても、この弾性部材99で容易に止めることができる。なお、第1アクチュエータ7の爪部7mとガイド部材5のガイド枠55の支持壁55tとが係合しているので、弾性部材99の付勢方向(図10(c)に示すZ2方向)への第1アクチュエータ7の過剰な移動が止められている。
次に、ロック機構RK3の第2アクチュエータ8は、図11に示すように、一方側に切欠部28cを有した板状の係止受部28と、一方側と反対の他方側に形成され係止受部28の両端からそれぞれ延出した一対のL字状の側腕部58と、から構成されている。また、この側腕部58には、一対の対向する対向壁58wを有しており、この対向壁58wには、それぞれ対向する側に内側面58pを有している。
また、第2アクチュエータ8の一対の側腕部58には、図11に示すように、側腕部58の対向する内側面58pにそれぞれ凹状の一対の溝部U78が形成され、第1アクチュエータ7と第2アクチュエータ8が第1回転ケースK11のガイド部材5に組み付けられた際には、この一対の凹状の溝部U78と図10に示す第1アクチュエータ7の一対の突出部78tとが係合するようになる。
従って、本発明の第1実施形態では、第1アクチュエータ7の突出部78tと第2アクチュエータ8の溝部U78とで、ロック機構RK3のカム部78を構成しており、このカム部78を介して、第1アクチュエータ7と第2アクチュエータ8とが、係合することとなる。更に具体的には、第2アクチュエータ8の溝部U78の内壁面をカム面として設け、第1アクチュエータ7の突出部78tを被ガイド部として設け、被ガイド部である突出部78tがカム面である溝部U78の内壁面に案内されるように構成されている。
また、この溝部U78の形状は、第2アクチュエータ8が第1回転ケースK11のガイド部材5に組み付けられた際の形状として、挿入方向ID(図5に示すZ1方向)に沿った第1溝78a及び第2溝78cと挿入方向IDと交差する方向に沿った第3溝78bとを組み合わせた屈曲形状である。そして、この第1溝78aのカム面(内壁面)が係止位置保持面となり、この第2溝78cのカム面(内壁面)が退避位置保持面となり、この第3溝78bのカム面(内壁面)が駆動面となっている。この係止位置保持面、退避位置保持面及び駆動面については、動作の説明の際に詳しく説明する。なお、挿入方向IDに沿った第1溝78a或いは第2溝78cと挿入方向IDと交差する方向に沿った第3溝78bとのなす角度は、45°にしているが、この角度に限るものではなく、例えば、30°や60°であっても良い。
また、第2アクチュエータ8の一対の側腕部58には、図11に示すように、側腕部58の外側面58qの一端部から延設して形成された凸状のガイド部68が一対設けられており、このガイド部68は、直交方向VD(図3に示すY1方向)に沿って形成されている。そして、第2アクチュエータ8が第1回転ケースK11のガイド部材5に組み付けられた際には、この一対の凸状のガイド部68がガイド部材5のガイド溝25に係合するようになる。これにより、この一対のガイド部68が一対のガイド溝25にガイドされ、第2アクチュエータ8が直交方向VDに確実に動作できるようになる。
更に、本発明の第1実施形態では、第2アクチュエータ8の板状の係止受部28には、図11(b)に示すように、第1回転ケースK11と対向する側の面に、直交方向VD(図3に示すY1方向)に沿って、補助ガイド部H68が形成されている。そして、第2アクチュエータ8が第1回転ケースK11のガイド部材5に組み付けられた際には、第1回転ケースK11のガイド部材5の下方(図3に示すY2側)設けられた凹溝部55u(図9を参照)とこの補助ガイド部H68が係合するようになる。これにより、この補助ガイド部H68が凹溝部55uにガイドされ、第2アクチュエータ8が直交方向VDに安定的に動作できるようにしている。
なお、第2アクチュエータ8は、合成樹脂を用いて型により成形されているので、係止受部28及び側腕部58、更に、係止受部28に設けられた切欠部28cや補助ガイド部H68、及び側腕部58に設けられた溝部U78やガイド部68を、1回の成形でしかも一体に形成することができる。このことにより、第2アクチュエータ8を寸法精度良く、しかも安価に作製することができる。
次に、ロック機構RK3の係止部4は、図1及び図2に示すように、第1固定ケースR11の円板基部R11bにおける第1開口部R11kの周辺部に設けられ、円板基部R11bからZ1方向に凸状に突出して形成されている。そして、係止部4は、図3に示すように、回転ケースK1が回動されて第2アクチュエータ8と対向した際に、第2アクチュエータ8の切欠部28cに収容され、第2アクチュエータ8と係合できるように構成されている。これにより、従来例のように押しばね911のバネ力を強くする必要がなく、組み付け性も良好にすることができる。
次に、回転ケースK1の第2回転ケースK21は、図4に示すように、回転コネクタ101の円筒形状の他方面を構成している。また、図1に示すように、平板円形形状の第2基部K21bの中央に筒状の内壁部K21wを有しており、図4及び図6(a)に示すように、回転コネクタ101の円筒形状の内側側面を構成している。また、回転ケースK1と固定ケースR1とが組み付けられた際には、回転ケースK1の第2回転ケースK21の第2基部K21b及び内壁部K21wと、前述して固定ケースR1の第1固定ケースR11及び第2固定ケースR21と、で収容部が形成される。
また、回転コネクタ101が車両に搭載された際には、この内壁部K21wの筒部の空間にステアリングが挿通され、この内壁部K21wとステアリングとが係合される。これにより、ステアリングの回転に伴って、回転ケースK1が回転するようになる。
第2回転ケースK21には、図1に示すように、可撓性ケーブルFCの他端と接続される第2コネクタ部CN2が、第2回転ケースK21に固定されて設けられている。また、この第2コネクタ部CN2には、図4に示すように、ステアリング側のスイッチ等との電気的接続をとるための第2端子群T2が、インサート成形等で埋め込まれており、可撓性ケーブルFCの他端と電気的に接続されている。
次に、回転コネクタ101のホルダHL1は、中央に開口部HL1kを有した円板形状を有しており(図1を参照)、環状の収容部内に回動自在に収容されている。
また、ホルダHL1には、可撓性ケーブルFCを巻回するための複数のローラRLが取り付けられており、この複数のローラRLは、回転ケースK1の回動に伴う可撓性ケーブルFCの安定的な巻締め及び巻戻しを可能にしている。
最後に、回転コネクタ101の可撓性ケーブルFCは、複数の導体線が可撓性を有する樹脂フィルムによって被覆されたケーブルであって、図1に示すように、細長いフィルム状の形状をしたフラットケーブルである。また、本発明の実施形態では、4本のフラットケーブルを用いており、図1に示すローラRLに巻締め及び巻戻し可能に巻回されている。そして、回転ケースK1と固定ケースR1とで形成された収容部に、ローラRLとともに可撓性ケーブルFCが収容されている。
次に、本発明の第1実施形態の回転コネクタ101の係止動作についての説明をする。図12は、係止動作について説明する図であって、図12(a)は、図3に破線で示すS部分における回転ロック状態を示した上面図であり、図12(b)は、図12(a)と対比した回転アンロック状態を示した上面図である。図13は、係止動作を説明した説明したロック機構RK3の部分の拡大斜視図であって、第1アクチュエータ7と第2アクチュエータ8と弾性部材99とガイド枠55とを示し、ステアリングの挿入に応じて第1アクチュエータ7が挿入方向IDへ移動し、第1アクチュエータ7の移動に応じて第2アクチュエータ8が直交方向VDへ移動する様子を示している。なお、説明を分かり易くするため、ガイド枠55の片側の垂直壁55vを省略し、更に第2アクチュエータ8の側腕部58の一部を省略している。これにより、第1アクチュエータ7に設けられたカム部78の突出部78tが見えるようになり、カム部78の溝部U78の空間部分だけが見えるようになっている。図14は、係止動作を説明した説明図であって、図13の動作状態に対応した拡大側面図である。
本発明の回転コネクタ101は、回転コネクタ101の回転基準位置(回転中立位置)において、図12(a)に示すような第2アクチュエータ8と係止部4とが係止された状態で組み立てられた後に、固定体である車両本体側の被固定部(図示していない)に固定される。図13(a)及び図14(a)は、その際の状態を示しており、ロック機構RK3の第2アクチュエータ8は、係止位置(図14に示すKP)に位置している。この際に、弾性部材99が第1アクチュエータ7の挿入方向IDへの動作に抗して第1アクチュエータ7を付勢している(挿入方向IDとは逆向きの方向に付勢、図13に示すZ2方向)ので、ステアリングが挿入されていない際には、第1アクチュエータ7の挿入方向IDへの移動を止め、係止位置KPでの第2アクチュエータ8の停止を確実に保つことができる。
また、前述したように、第1アクチュエータ7の爪部7mとガイド部材5のガイド枠55の支持壁55tとが係合して、弾性部材99の付勢方向(図10(c)に示すZ2方向)への第1アクチュエータ7の移動が止められているので、図13(a)及び図14(a)に示すように、第1アクチュエータ7に設けられた突出部78tが溝部U78の第1溝78aから外れることがない。
次に、車両の組立て時において、一方(図5に示すZ2方向)から挿入方向IDに向けて、ステアリングが挿入される。図13(b)及び図14(b)は、ステアリングの挿入途中の状態を示し、図13(c)及び図14(c)は、ステアリングが全て挿入された状態を示している。
先ず、ステアリングの挿入が開始されると、ロック機構RK3の第1アクチュエータ7が、ステアリングに押されて挿入方向IDへ移動するようになる。その際には、第1アクチュエータ7に設けられた突出部78tが溝部U78の第1溝78aに沿ってガイドされて移動する。このため、第1アクチュエータ7の挿入方向IDへ移動は行われるが、第2アクチュエータ8の直交方向VDへの移動は行われず、第2アクチュエータ8はそのまま係止位置KPにとどまっている。故に、この第1溝78aのカム面(内壁面)は、第2アクチュエータ8をそのまま係止位置KPに留めておく係止位置保持面となっている。これにより、ステアリングが挿入される前に、回転ケースK1に強い回転力や衝撃が加えられ、第1アクチュエータ7が挿入方向IDに僅かに移動したとしても、第1溝78aのカム面(内壁面)の係止位置保持面により、第2アクチュエータ8が係止位置KPにそのまま保持されている。このことにより、簡単にロックが外れることは無く、所望の回転基準位置で確実に回転ロックがかかるようになる。
次に、更にステアリングが挿入されると、図13(a)及び図14(a)状態から図13(b)及び図14(b)の状態になる。その際に、突出部78tが溝部U78の第3溝78bに沿ってガイドされ移動し、その移動に伴って、溝部U78が設けられて固定されていない第2アクチュエータ8を付勢するようになる。そして、溝部U78の第3溝78bが挿入方向IDと交差する方向の溝形状になっているので、第2アクチュエータ8は、図13(b)及び図14(b)に示すように、図13(a)及び図14(a)に示す係止位置KPから、直交方向VDに移動する。つまり、第3溝78bの直交方向VDの高さ成分が、第2アクチュエータ8の直交方向VDの移動量になっている。故に、この第3溝78bのカム面(内壁面)は、第2アクチュエータ8を直交方向VDに駆動する駆動面となっている。これにより、ある量以上の第1アクチュエータ7の挿入方向IDへの押し込み量があれば、第2アクチュエータ8と係止部4との係合の解除を行うことができる。
更に、ステアリングが挿入されて、ロック機構RK3の第1アクチュエータ7が、ステアリングに押されて更に挿入方向IDへ移動するようになり、図13(b)及び図14(b)状態から図13(c)及び図14(c)の状態になる。その際に、第1アクチュエータ7に設けられた突出部78tが溝部U78の第3溝78bから第2溝78cに沿ってガイドされて移動する。そして、第1アクチュエータ7が更に挿入方向IDへの移動を続けても、溝部U78の第2溝78cが挿入方向IDと平行な溝になっているので、第2アクチュエータ8は、図14(c)に示す退避位置TPでとどまっている。故に、この第2溝78cのカム面(内壁面)は、第2アクチュエータ8をそのまま退避位置TPに留めておく退避位置保持面となっている。これにより、回転ケースK1に強い回転力や衝撃が加えられ、第1アクチュエータ7が挿入方向IDとは逆の方向に僅かに移動したとしても、第2溝78cのカム面(内壁面)の退避位置保持面により、第2アクチュエータ8が退避位置TPにそのまま保持される。このことにより、第2アクチュエータ8の退避位置TPでの安定性を高めることができ、回転コネクタ101の信頼性を高めることができる。
このようにして、本発明の第1実施形態では、挿入方向IDに沿った第1溝78aの位置(図13(a)及び図14(b)の状態)と、この第1溝78aから離れた位置(図13(c)及び図14(c)の状態)に第2溝78cを設け、第1溝78aと第2溝78cとを挿入方向IDと交差する方向に沿った第3溝78bで繋げた屈曲形状に構成した。このため、挿入方向IDに沿った第1溝78aを第2アクチュエータ8の係止位置KPに、挿入方向IDに沿った第2溝78cを第2アクチュエータ8の退避位置TPに振り分けることができる。このことにより、回転操作具が挿入される前には、固定ケースR1と回転ケースK1に確実に回転ロックがかかり、回転操作具が挿入された際には、固定ケースR1と回転ケースK1との係止が解除され確実に回転ロックが外れるようになり、回転ケースK1を確実に回転させることができる。
また、本発明の第1実施形態では、前述したように、ガイド部材5のガイド軸15に第1アクチュエータ7のガイド孔7hが挿通されて、第1アクチュエータ7が移動可能に保持されているので、第1アクチュエータ7の挿入方向IDへの動作を確実に行うことができる。また、第2アクチュエータ8の凸状のガイド部68にガイド溝25が係合されているので、第2アクチュエータ8の直交方向VDへの動作を確実に行うことができる。これにより、簡単な構成で、固定ケースR1と回転ケースK1との回転ロックと回転ロックの解除を行うことができる。
以上のようにして、本発明の第1実施形態では、ステアリングの挿入により、係止位置KPから退避位置TPに移動するようになる。
以上、第1実施形態では、回転コネクタ101を車両に適用する場合について例示して説明してきたが、本発明の回転コネクタは、車両に適用する場合に限らず、他の製品に適用することができる。その際には、回転基準位置を回転中立位置にしても良いが、回転中立位置でない所望の回転基準位置にしても良い。
以上のように構成された本発明の第1実施形態の回転コネクタ101における、効果について、以下に纏めて説明する。
本発明の第1実施形態の回転コネクタ101は、カム面と被ガイド部を有したカム部78により係合された第1アクチュエータ7及び第2アクチュエータ8と、第2アクチュエータ8と係止位置KPで係合する係止部4と、でロック機構RK3を形成し、カム部78のカム面には、第1アクチュエータ7の挿入方向IDへの移動が開始されても第2アクチュエータ8が係止位置KPにとどまることを可能にする係止位置保持面を設ける構成とした。このため、回転操作具(ステアリング)が挿入される前に、回転ケースK1に強い回転力や衝撃が加えられ、第1アクチュエータ7が挿入方向IDに僅かに移動したとしても、カム面の係止位置保持面により、第2アクチュエータ8が係止位置KPにそのまま保持されている。このことにより、回転操作具(ステアリング)が挿入される前には、簡単にロックが外れることは無く、所望の回転基準位置で確実に回転ロックがかかるようになる。また、回転操作具が挿入される際には、第2アクチュエータ8が退避位置TPに移動するので、第2アクチュエータ8と係止部4との係合が解除され、回転ロックが外れるようになる。また、第2アクチュエータ8と係止部4とを係合するように構成したので、従来例のように押しばね911のバネ力を強くする必要がなく、組み付け性も良好にすることができる。
また、カム部78のカム面には、第1アクチュエータ7の挿入方向IDへの移動に伴って第2アクチュエータ8が係止位置KPから退避位置TPへの移動を可能にする駆動面を有するので、ある量以上の第1アクチュエータ7の挿入方向IDへの押し込み量があれば、第2アクチュエータ8と係止部4との係合の解除を行うことができる。また、カム部78のカム面には、第1アクチュエータ7の挿入方向IDへの移動がされても第2アクチュエータ8が退避位置TPにとどまる退避位置保持面を設ける構成としたので、回転ケースK1に強い回転力や衝撃が加えられ、第1アクチュエータ7が挿入方向IDとは逆の方向に僅かに移動したとしても、カム面(内壁面)の退避位置保持面により、第2アクチュエータ8が退避位置TPにそのまま保持されるようになる。これらのことにより、各構成部品の部品寸法精度が悪くても、確実に回転ロックが外れるようになる。
また、第1アクチュエータ7の突出部78tと係合する第2アクチュエータ8の溝部U78の形状が、挿入方向IDに沿った第1溝78a及び第2溝78cと挿入方向IDと交差する方向に沿った第3溝78bとを組み合わせた屈曲形状であり、第1溝78aに係止位置保持面、第3溝78bに駆動面及び第2溝78cに退避位置保持面を有して構成した。このため、挿入方向IDに沿った第1溝78aを第2アクチュエータ8の係止位置KPに、挿入方向IDに沿った第2溝78cを第2アクチュエータ8の退避位置TPに振り分けることができる。このことにより、回転操作具が挿入される前には、固定ケースR1と回転ケースK1に確実に回転ロックがかかり、回転操作具が挿入された際には、固定ケースR1と回転ケースK1との係止が解除され確実に回転ロックが外れるようになり、回転ケースK1を確実に回転させることができる。
また、弾性部材99が第1アクチュエータ7の挿入方向IDへの移動に抗して第1アクチュエータ7を付勢しているので、弾性部材99が第1アクチュエータ7の挿入方向IDへの移動を止め、回転操作具が挿入されない限り、カム部78の被ガイド部がカム面の係止位置保持面に常にとどまるように構成されている。このため、回転ケースK1に強い回転力や衝撃が加えられ、第1アクチュエータ7が挿入方向IDに移動しようとしても、この弾性部材99で容易に止めることができる。このことにより、簡単な構成で、第2アクチュエータ8と係止部4との係合を確実に保つことができる。また、このような構成であれば、従来例のように押しばね911のバネ力を強くする必要がなく、組み付け性もより良好にすることができる。
また、ガイド部材5がガイド軸15とガイド溝25とを有し、ガイド軸15に第1アクチュエータ7のガイド孔7hと弾性部材99が挿通され、第2アクチュエータ8の凸状のガイド部68にガイド溝25が係合されているので、簡単な構成で、第1アクチュエータ7の挿入方向IDの動作を確実に行えるとともに、第2アクチュエータ8の挿入方向IDと直交する直交方向VDへの動作を確実に行える。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
<変形例1>
上記第1実施形態では、第1アクチュエータ7に被ガイド部(突出部78t)、第2アクチュエータ8にカム面(溝部U78の内壁面)を設ける構成にしたが、逆に設けた構成でも良い。
<変形例2>
上記第1実施形態では、固定ケースR1側に係止部4を設け、回転ケースK1側に第2アクチュエータ8を設ける構成にしたが、逆に設けた構成でも良い。
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。