JP5867803B2 - 圧電材、電子部品及び圧電材の製造方法 - Google Patents

圧電材、電子部品及び圧電材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電材、それを備える電子部品及び圧電材の製造方法に関する。
従来、発電素子やアクチュエータなどに、圧電材料を用いた圧電素子が広く用いられている。圧電材料としては、圧電定数が大きなチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が広く用いられてきた。しかしながら、PZTは、環境規則による削減対象物質である鉛を含む材料である。このため、PZTに替わる圧電材料が強く求められている。
例えば特許文献1には、PZT以外の圧電材料として、フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンとの重合比が97/3〜94/6とされたシート状の共重合体からなり、延伸倍率が1.5〜2.5倍となるように共重合体が延伸処理されてなる電歪高分子材料が記載されている。特許文献1には、特許文献1に記載の電歪高分子材料では、低電界の印加で所望の歪み量を得ることができる旨が記載されている。
特開2010−186849号公報 特開平9−31244号公報 特開2003−81636号公報
しかしながら、印加電界が低いときの歪み量をさらに大きくしたいという要望がある。
本発明は、印加電界が低いときの歪み量が大きな圧電材を提供することを主な目的とする。
本発明に係る圧電材は、圧電性高分子と、圧電性高分子中に分散しており、一般式nMO・TiO(式中、Mは1種又は2種以上の二価の金属元素であり、nは0<n≦1を満たす実数である。)で表わされる繊維状のチタン酸金属塩粒子及び平板状のチタン酸金属塩粒子の少なくとも一方のチタン酸金属塩粒子とを含む。
チタン酸金属塩粒子の配合量は、圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子の合計体積に対して5体積%〜80体積%であることが好ましい。
Mは、1種又は2種以上のアルカリ土類金属元素であることが好ましい。
圧電性高分子がポリフッ化ビニリデンであることが好ましい。
本発明に係る圧電材は、延伸処理されてなるものであることが好ましい。
チタン酸金属塩粒子の配向度は、20%以上であることが好ましい。
本発明に係る電子部品は、上記本発明に係る圧電材を備えている。
本発明に係る電子部品は、圧電素子であってもよい。
本発明に係る圧電材の製造方法では、一般式nMO・TiO(式中、Mは1種又は2種以上の二価の金属元素であり、nは0<n≦1を満たす実数である。)で表わされる繊維状のチタン酸金属塩粒子及び平板状のチタン酸金属塩粒子の少なくとも一方を含む圧電性高分子材を延伸することにより圧電材を得る。
本発明によれば、印加電界が低いときの歪み量が大きな圧電材を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る圧電素子の略図的断面図である。 実施例及び比較例で作製した測定サンプルの模式的斜視図である。 実施例1,4及び比較例1,4における印加電界と発生した歪み量との関係を表すグラフである。 実施例2,5及び比較例2,4における印加電界と発生した歪み量との関係を表すグラフである。 実施例3,6及び比較例3,4における印加電界と発生した歪み量との関係を表すグラフである。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
実施形態等において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
図1は、本実施形態に係る圧電素子の略図的断面図である。図1に示す圧電素子1は、電圧が印加された際に変形したり、変形した際に電荷を生じさせたりする素子である。圧電素子1は、例えば、アクチュエータや発電素子等に利用することができる。
圧電素子1は、圧電材10を備えている。本実施形態では、圧電材10は、板状またはシート状に設けられている。圧電材10の厚みは、例えば、20μm〜1mm程度であることが好ましく、50μm〜200μm程度であることがより好ましい。
圧電素子1には、圧電材10に電圧を印加する第1及び第2の電極11,12が設けられている。具体的には、第1の電極11は、圧電材10の第1の主面10aの上に配されている。第2の電極12は、圧電材10の第2の主面10bの上に配されている。即ち、圧電材10は、第1及び第2の電極11,12により挟持されている。
第1及び第2の電極11,12は、例えばAg、Cu、Ni、Au、Ptなどの金属や合金などの適宜の導電材料により構成することができる。
圧電材10は、有機・無機ハイブリッド材料からなる有機・無機ハイブリッド圧電材である。具体的には、圧電材10は、圧電性高分子と、チタン酸金属塩粒子とを含む。
圧電性高分子は、圧電特性を示す高分子である。圧電性高分子は、高分子内の双極子が揃い自発分極方向を揃えることができる高分子であることが好ましい。好ましく用いられる圧電性高分子の具体例としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体、フッ化ビニリデンと三フッ化ビニリデンの共重合体、フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンの共重合体、ビニリデンシアナイド酢酸ビニル共重合体、ポリ乳酸、及び側鎖に強誘電液晶を導入した側鎖型サーモトロピック液晶ポリマーなどが例示できる。なかでもポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重合体、フッ化ビニリデンと三フッ化ビニリデンの共重合体が圧電性高分子としてより好ましく用いられる。圧電材10は、1種の圧電性高分子のみを含んでいてもよいし、複数種類の圧電性高分子を含んでいてもよい。
チタン酸金属塩粒子は、圧電性高分子中に分散している。チタン酸金属塩粒子は、一般式nMO・TiO(式中、Mは1種又は2種以上の二価の金属元素であり、nは0<n≦1を満たす実数である。)で表わされる。一般式nMO・TiOの式中のMは、1種又は2種以上のアルカリ土類金属元素であることが好ましく、Ba及びSrのうちの少なくとも一種であることがより好ましい。
圧電材10は、繊維状のチタン酸金属塩粒子及び平板状のチタン酸金属塩粒子のうちの少なくとも一方を含む。繊維状のチタン酸金属塩粒子のアスペクト比(繊維長/繊維径)は、3以上であることが好ましく、4〜100であることが好ましい。繊維状のチタン酸金属塩粒子の繊維径は、0.01μm〜10μmであることが好ましく、0.1μm〜5μmであることがより好ましい。繊維状のチタン酸金属塩粒子の繊維径が大きすぎると、圧電材10の成形が困難となる場合がある。
平板状のチタン酸金属塩粒子のアスペクト比(最大径/厚さ)は、2以上であることが好ましく、3〜10であることがより好ましい。平板状のチタン酸金属塩粒子の粒子径は、0.5μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましい。平板状のチタン酸金属塩粒子の粒子径が大きすぎると、圧電材10の成形が困難となる場合がある。
圧電材10は、1種のチタン酸金属塩粒子のみを含んでいてもよいし、複数種類のチタン酸金属塩粒子を含んでいてもよい。
本実施形態において好ましく用いられるチタン酸金属塩粒子は、例えば特許文献2や特許文献3に記載の方法に従い製造することができる。具体的には、チタン酸金属塩粒子は、例えば、繊維長と繊維径の比が3以上、好ましくは3以上10未満であり繊維形状を有する一般式TiO・mHO(式中mは0≦m≦8)で表される成分が90%以上である繊維状チタニア化合物を原料として製造することができる。より具体的には、繊維状チタニア化合物を水もしくは各種有機溶媒等の分散媒に分散させてスラリーとした後、一種又は二種以上の金属元素Mの化合物溶液を該スラリーに添加し撹拌する。金属元素Mの化合物としては、金属元素Mのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、次亜塩素酸塩、過塩素酸塩等が好ましく用いられる。金属元素Mの化合物は、各金属元素Mに対して1種であってもよいし、2種以上であってもよい。金属元素Mの化合物が液状でない場合には溶解させて溶液として用いてもよい。溶媒としては、水又は各種の有機溶媒を用いることができる。金属元素Mの添加量は、繊維状チタニア化合物1モルに対して1以下となるようにする。次に、炭酸イオンを含有する溶液を撹拌しながら添加するか、又は撹拌下の溶液に炭酸ガスを吹き込むことにより原料の繊維状チタニア化合物の表面に金属化合物の炭酸塩を沈着することができる。この際、反応中の溶液のpHを、アンモニア等のアルカリ性溶液を用いて8〜10の弱アルカリ性に調整することが好ましい。これにより、生成した炭酸塩の溶解を抑制して最終目的物を得ることができる。次に、上記炭酸塩が沈着された繊維状チタニア化合物を、適宜濾別、水洗、乾燥した後、500℃〜1300℃、好ましくは700℃〜1100℃程度の温度で3分〜24時間程度加熱処理することにより繊維状チタン酸金属塩粒子を得ることができる。
圧電材10において、チタン酸金属塩粒子の配合量は、得ようとする圧電材10の圧電性や電歪性等に応じて適宜設定することができる。チタン酸金属塩粒子の配合量は、圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子の合計体積に対して5体積%〜80体積%であることが好ましい。圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子の合計体積に対するチタン酸金属塩粒子の配合量の下限値は、10体積%であることがより好ましく、15体積%であることがさらに好ましい。圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子の合計体積に対するチタン酸金属塩粒子の配合量の上限値は、40体積%であることがより好ましく、30体積%であることがさらに好ましい。チタン酸金属塩粒子の配合量が、圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子の合計体積に対して少なすぎると、電歪性や圧電性が低くなりすぎる場合がある。チタン酸金属塩粒子の配合量が、圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子の合計体積に対して多すぎると、圧電材10の成形が困難となったり、圧電材10の強度が低くなりすぎたりする場合がある。
圧電材10におけるチタン酸金属粒子の配向度は、20%以上であることが好ましく、30%以上であることが好ましい。このような高い配向度を実現するために、圧電材10は、延伸処理されてなるものであることが好ましく、3倍以上に延伸処理されてなるものであることがより好ましく、3倍〜5倍に延伸処理されてなるものであることがさらに好ましい。
なお、圧電材10は、圧電性高分子及びチタン酸金属塩粒子のみからなるものであってもよいが、圧電性高分子及びチタン酸金属塩粒子に加えて本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含んでいてもよい。
例えば、圧電材10には、圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子の界面の親和性や接合性を向上させ、機械的強度を改善するために、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤等のカップリング剤が配合されていてもよい。
例えば、圧電材10には、メッキ性を改良するために、タルク、ピロリン酸カルシウム等の微粒子性充填剤が配合されていてもよい。
例えば、圧電材10には、熱安定性を改善するための酸化防止剤が配合されていてもよい。
例えば、圧電材10には、耐光性を改良するために紫外線吸収剤等の光安定剤が配合されていてもよい。
例えば、圧電材10には、難燃性を改善するためにリン系等の難燃剤、及びホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム等の難燃助剤が配合されていてもよい。
例えば、圧電材10には、耐衝撃性を改良するために耐衝撃性付与剤が配合されていてもよい。
例えば、圧電材10には、潤滑性を改良するために滑剤、摺動性改良剤(固体潤滑剤、液体潤滑剤)が配合されていてもよい。
例えば、圧電材10には、電気伝導度を改善するためにカーボンブラック等の導電剤が配合されていてもよい。
例えば、圧電材10には、着色するために染料、顔料などの着色剤が配合されていてもよい。
例えば、圧電材10には、物性を調整するために可塑剤、架橋剤等の添加剤が配合されていてもよい。
例えば、圧電材10には、ガラスファイバー、チタン酸カリウムウィスカー等のチタン酸アルカリ金属繊維、酸化チタン繊維、ホウ酸マグネシウムウィスカーやホウ酸アルミニウムウィスカー等のホウ酸金属塩系繊維、ケイ酸亜鉛ウィスカーやケイ酸マグネシウムウィスカー等のケイ酸金属塩系繊維、カーボンファイバー、アルミナ繊維、アラミド繊維等各種の有機又は無機の充填材が配合されていてもよい。
圧電材10は、例えば以下のような製造方法により製造することができる。まず、圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子とを含む母材を作製する。例えば、圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子とを含むペーストをスピンコーティング法、ドクターブレード法等により塗布し、乾燥させることによって母材を作製することができる。また、チタン酸金属塩粒子と圧電性高分子とを混練した後に、射出成形または押出成形することにより母材を作製してもよい。
なお、母材の形状寸法は、特に限定されない。母材は、板状、シート状、フィルム状、ペレット状、棒状等の形状を有していてもよい。
次に、母材を延伸処理することにより、圧電材10を製造することができる。延伸倍率は、3倍以上であることが好ましく、3倍〜5倍であることがさらに好ましい。延伸倍率とは、延伸前の延伸方向の長さLに対して延伸後の長さL’からL’/Lにより算出される値である。
以上説明したように、本実施形態では、圧電材10は、圧電性高分子と、一般式nMO・TiO(式中、Mは1種又は2種以上の二価の金属元素であり、nは0<n≦1を満たす実数である。)で表わされる繊維状のチタン酸金属塩粒子及び平板状のチタン酸金属塩粒子の少なくとも一方のチタン酸金属塩粒子とを含む。このため、圧電材10の印加電界が低いときの歪み量を大きくすることができる。よって、本実施形態の圧電素子1を用いることにより、例えば小さな振動が加わった際にも発電可能な発電素子、定電圧駆動が可能なアクチュエータ、高感度なセンサーなどを実現することができる。
また、圧電材10は、圧電性高分子のみからなる圧電材や、球状の圧電結晶を含む圧電性高分子からなる圧電材よりも大きな電歪定数及び圧電定数を有する。
また、チタン酸金属塩粒子の配合量を調整したり、延伸倍率を調整したりすることにより、圧電材10の電歪定数、圧電定数を調整することができる。このため、例えば、チタン酸金属塩粒子の配合量を変化させることなく、延伸倍率を調整することにより圧電材10の電歪定数、圧電定数を調整することも可能である。よって、例えばチタン酸金属塩粒子の配合量を少なくし、延伸倍率を高くすることによって、柔軟性に優れ、且つ高い電歪定数、圧電定数を有する圧電材10を実現することができる。
圧電材10の電歪定数、圧電定数を高くする観点からは、チタン酸金属塩粒子の配合量が、圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子の合計体積に対して5体積%以上であることが好ましく、10体積%以上であることがより好ましく、15体積%以上であることがさらに好ましい。但し、チタン酸金属塩粒子の配合量が、圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子の合計体積に対して多すぎると、圧電材10の柔軟性や強度が悪化する場合がある。このため、チタン酸金属塩粒子の配合量は、圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子の合計体積に対して80体積%以下であることが好ましく、40体積%以下であることがより好ましく、30体積%以下であることがさらに好ましい。
圧電材10の電歪定数、圧電定数を高くする観点からは、圧電材10の延伸倍率は、3倍以上であることが好ましい。但し、圧電材10の延伸倍率が高すぎると、圧電材10の成形が困難になったり、圧電材10に含有させることができるチタン酸金属塩粒子の量が少なくなったりする場合がある。このため、圧電材10の延伸倍率は、5倍以下であることが好ましい。
圧電材10の電歪定数、圧電定数を高くする観点からは、チタン酸金属塩粒子が繊維状である場合は、チタン酸金属塩粒子のアスペクト比は、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。但し、繊維状のチタン酸金属塩粒子のアスペクト比が大きすぎると、圧電材10の製造が困難になる場合がある。従って、繊維状のチタン酸金属塩粒子のアスペクト比は、100以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。
チタン酸金属塩粒子が平板状である場合は、チタン酸金属塩粒子のアスペクト比は、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。但し、平板状のチタン酸金属塩粒子のアスペクト比が大きすぎると、圧電材10の製造が困難になる場合がある。従って、平板状のチタン酸金属塩粒子のアスペクト比は、20以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。
圧電材10の電歪定数、圧電定数を高くする観点からは、圧電材10の配向度は、20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。
また、電歪定数、圧電定数を高くする観点から、圧電材10は、圧電性高分子として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含むことが好ましい。
さらに、圧電材10は、チタン酸金属塩粒子等が分散した圧電性高分子により構成されているため、チタン酸金属塩のみからなる圧電材10とは異なり、所望の形状に成形することが容易である。圧電材10は、例えば、シート状、フィルム状、板状、バルク状等の任意の形状に容易に成形することができる。
なお、本実施形態では、本発明を実施した好ましい形態の一例として、圧電素子1を例に挙げたが、本発明に係る電子部品は、圧電素子に限定されない。本発明に係る電子部品は、例えば、エレクトレット、発電モジュール等であってもよい。
本発明において、圧電材は、平板状でなくてもよく、例えば曲板状等であってもよい。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
[合成例1(繊維状チタン酸バリウム粒子の製造)]
繊維状チタニア(TiO、平均繊維長10μm、平均繊維径0.3μm)20.0g(0.25モル)を1リットルの脱イオン水に分散させ、攪拌しながら無水水酸化バリウム粉末20g(0.23モル)をスラリーに添加した。室温(20℃)で30分撹拌した後、炭酸ガスを60mL/minの流量でスラリーへ120分間バブリングした後、更に30分間攪拌を続けた後、固形物を濾取し、水洗及び乾燥したところ白色の繊維状物64gを得た。この繊維状物30gをアルミナ製るつぼに入れ、大気雰囲気下で980℃にて2時間加熱処理し、白色の繊維状チタン酸バリウム粒子25gを得た。この繊維状チタン酸バリウム粒子は、平均繊維径0.8μm、平均繊維長4μm、平均アスペクト比5、比重6.02g/ccであった。
(実施例1〜3)
ジメチルスルホキシド20mLにポリフッ化ビニリデン(商品名:マルボーF2、タキロン株式会社製)0.5gを加え、140℃で5時間保持することで、ポリフッ化ビニリデン溶液を得た。ポリフッ化ビニリデン溶液に合成例1で得た繊維状チタン酸バリウム粒子を、下記の表1に記載の量だけ混合したのち、攪拌脱泡機(商品名:自転・公転ミキサー/あわとり錬太郎ARE−310、株式会社シンキー製)を用いて、室温(20℃)にて、回転数2000rpmで1分間攪拌し、回転数2500rpmで30秒間脱泡しコーティング溶液を調製した。
ガラス基板上にコーティング溶液3ccを滴下し、回転数400rpmで30秒間スピンコーティングを行い、その後140℃で20分間乾燥することにより、厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフィルムを10mm×10mmの形状にカットし、10枚重ねた後、150℃に設定した加熱延伸機(商品名:19A8、株式会社井元製作所製)で厚さ300μmのシートを調製した。シートを90℃に設定した加熱延伸機(商品名:19A8、株式会社井元製作所製)を用いて一軸延伸(延伸倍率:3倍)を行い厚さ100μmのフィルムを得た。
(実施例4〜6)
ジメチルスルホキシド20mLにポリフッ化ビニリデン(商品名:マルボーF2、タキロン株式会社製)0.5gを加え、140℃で5時間保持することで、ポリフッ化ビニリデン溶液を得た。ポリフッ化ビニリデン溶液に合成例1で得た繊維状チタン酸バリウム粒子を、下記の表1に記載の量だけ混合したのち、攪拌脱泡機(商品名:自転・公転ミキサー/あわとり錬太郎ARE−310、株式会社シンキー製)を用いて、室温(20℃)にて、回転数2000rpmで1分間攪拌し、回転数2500rpmで30秒間脱泡しコーティング溶液を調製した。
ガラス基板上に長さ200mmまで一方向に走査しつつコーティング溶液3ccを連続的に滴下し、その後140℃で20分間乾燥し、厚さ150μmフィルムを得た。得られたフィルムを10×10mmの形状にカットし、4枚重ねた後、150℃に設定した加熱延伸機(商品名:19A8、株式会社井元製作所製)で厚さ300μmのシートを調製した。シートを90℃に設定した加熱延伸機(商品名:19A8、株式会社井元製作所製)で一軸延伸(延伸倍率:3倍)を行い厚さ100μmのフィルムを得た。
(比較例1〜3)
合成例1で得た繊維状チタン酸バリウム粒子に換えて、球状チタン酸バリウム粒子(平均粒子径1.2μm、純度98%、キシダ化学株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1〜3と同様にして厚さ100μmのフィルムを得た。
(比較例4)
合成例1で得た繊維状チタン酸バリウム粒子を混合しなかったこと以外は、実施例1〜3と同様にして厚さ100μmのフィルムを得た。
[圧電定数d31及び電歪定数M31の測定方法]
実施例1〜6及び比較例1〜4のそれぞれにおいて作製したフィルムを5mm×14mmの形状にカット後、フィルムの両主面のそれぞれの幅1mmの周縁部を除いた中央部に電極を取り付けることにより測定サンプルを調製した。図2に測定サンプルの模式図を示す。図2に示すように、測定サンプル20は、フィルム21と、フィルム21の両主面の上に配された一対の電極22とを有する。電極22の端部からフィルム21の端部までの距離は1mmである。フィルム21の延伸方向は、フィルム21の長手方向と一致している。
次に、各測定サンプルに、強誘電体テスター(商品名:TF Analyzer 2000、aixACCT社製)を用いて、表1に記載の各電圧を印加し、ひずみゲージ(KFG−1−120−C1−11N30C2、共和電業社製)を用いて発生するひずみを測定し、圧電定数d31及び電歪定数M31を算出した。結果を表1及び図3〜図5に示す。
なお、圧電定数d31とは、延伸方向と一致する31方向における圧電定数である。電歪定数M31とは、延伸方向と一致する31方向における電歪定数である。
[配向度の測定方法]
実施例1〜6及び比較例1〜4のそれぞれにおいて作製したフィルムの表面を走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名:Mighty−8、株式会社テクネックス工房製)を用いて観察した。観察部位を写真撮影し、その写真の中からランダムに250個のチタン酸バリウム粒子をピックアップした。画像解析ソフト(商品名:Canvas9、日本ポラデジタル株式会社製)を用いて、フィルム延伸方向を主軸としたチタン酸バリウム粒子の長軸方向の傾き角度を測定し、角度が30°未満である個数割合を算出しチタン酸バリウム粒子の配向度(%)とした。結果を表1に示す。
Figure 0005867803
表1及び図3〜図5に示す結果から、圧電性高分子と、圧電性高分子中に分散しており、一般式nMO・TiO(式中、Mは1種又は2種以上の二価の金属元素であり、nは0<n≦1を満たす実数である。)で表わされる繊維状のチタン酸金属塩粒子及び平板状のチタン酸金属塩粒子の少なくとも一方のチタン酸金属塩粒子を含むフィルムは、球状のチタン酸金属塩粒子を含むフィルムや、チタン酸金属塩粒子を含まないフィルムよりも印加電界が低いときの歪み量が大きく、かつ電歪定数も大きいことが分かる。
1…圧電素子
10…圧電材
10a、10b…圧電材の主面
11,12…電極

Claims (6)

  1. 圧電性高分子と、
    前記圧電性高分子中に分散しており、一般式nMO・TiO(式中、Mは1種又は2種以上の二価の金属元素であり、nは0<n≦1を満たす実数である。)で表わされる繊維状のチタン酸金属塩粒子及び平板状のチタン酸金属塩粒子の少なくとも一方のチタン酸金属塩粒子と、
    を含み、一軸延伸処理されてなり、前記チタン酸金属塩粒子の配合量が、前記圧電性高分子と前記チタン酸金属塩粒子の合計体積に対して5体積%〜30体積%であり、前記チタン酸金属塩粒子の配向度が20%以上である、圧電材。
  2. Mは、1種又は2種以上のアルカリ土類金属元素である、請求項に記載の圧電材。
  3. 前記圧電性高分子がポリフッ化ビニリデンである、請求項1または2に記載の圧電材。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の圧電材を備える、電子部品。
  5. 圧電素子である、請求項に記載の電子部品。
  6. 一般式nMO・TiO(式中、Mは1種又は2種以上の二価の金属元素であり、nは0<n≦1を満たす実数である。)で表わされる繊維状のチタン酸金属塩粒子及び平板状のチタン酸金属塩粒子の少なくとも一方を、チタン酸金属塩粒子の配合量が、圧電性高分子とチタン酸金属塩粒子の合計体積に対して5体積%〜30体積%となるように含む圧電性高分子材を、前記チタン酸金属塩粒子の配向度が20%以上となるように一軸延伸することにより圧電材を得る、圧電材の製造方法。
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