以下、画像表示装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における画像表示装置1のブロック図である。
画像表示装置1は、断層画像格納部11、位相画像格納部12、血流情報格納部13、生体画像格納部14、位相血管管理情報格納部15、断層血管管理情報格納部16、血管管理情報格納部17、変更操作受付部18、血管分類指定操作受付部19、血管分類管理情報格納部20、血管分類管理情報蓄積部21、表示部22を備える。
断層画像格納部11には、1以上の断層画像群が格納される。断層画像群は、複数の断層画像を備えている。断層画像は、例えば、OCT等を利用した断層撮影により取得された生体内を示す画像である。例えば、断層画像は、生体における一の位置の断面を示す画像である。一の断層画像群は、通常、一の箇所について取得された複数の断層画像で構成される。断層画像群に含まれる断層画像は、例えば、時刻と対応付けられた画像であって、生体における、少なくとも1つの血管と交差する断面を示す断層画像である。具体的には、血管の伸びる方向において交差する断面を示す断層画像である。断層画像は、具体的には、生体をレーザ光源等から出射される信号光で反復的に走査した場合における、信号光と同じ光源から得られた参照光と、生体からの散乱光との干渉光の検出結果に基づいて形成された、生体における断面における断層像を表す画像である断層画像を取得する処理等の例については後述する。
断層画像と対応付けられている時刻とは、例えば、断層画像を取得した時刻(例えば、OCT装置を用いて一の断層画像が取得された時刻)である。ここでの時刻は,日付等の情報を有していても良い。断層画像群は、例えば、時刻と対応付けられた1以上の断層画像をフレーム画像として有している動画像である。この場合、時刻は、タイムコード等として、各フレーム画像に対応付けられているようにしてもよい。ここでの時刻は、何時何分等の絶対的な時刻であってもよいし、フレーム番号等のシーケンシャルな識別情報や、一の断層画像が出力される時点を起点とした相対的な時刻(例えば、一の断層画像が出力されてからの経過時間等)であっても良い。また、時刻は、各断層画像の取得タイミングや出力タイミングや、取得順番や、出力順番等を判断可能な情報でも良い。かかることは以下においても同様である。また、時刻と対応付けられた複数の断層画像は、時刻と対応付けられた複数の断層画像のファイル等であっても良い。例えば、この場合、対応付けられた時刻ごとに、断層画像のファイルを読み出すことで、断層画像を動画像として再生することができる。ただし、断層画像群は、取得された順番に配列された時間の情報を個別に持たない複数の断層画像であっても良い。この場合も、開始時刻やフレームレート等の情報から、各断層画像と対応付けられた時刻を取得可能であるため、各断層画像が時刻と対応付けられていると考えてもよい。かかることは、位相画像、血流情報、生体画像等についても同様である。断層画像格納部11に格納される断層画像は、例えば、生体における眼底や角膜等の1以上の位置(部位)における断面を示す画像である。
断層画像格納部11には、例えば、断層管理情報が格納される。断層管理情報は、例えば、断層画像群と、この断層画像群が示す断面と交わる1以上の血管を示す情報である血管識別情報とを含む。1以上の血管と交わるということは、例えば、断層画像内に、1以上の血管の断面が含まれることを意味する。ここでの血管の断面とは、例えば、一の血管の伸びる方向において交差する断面である。血管識別情報は、血管の名称や、血管に割り当てられたコードや、血管の位置を示す1以上の座標等の情報である。血管の位置は、例えば、後述する生体画像内における血管の位置である。なお、ここでの位置は、地点であっても良いし、領域であっても良い。領域の場合、血管識別情報は、この領域の輪郭を示す複数の座標群や、この領域内に含まれる複数の画素の座標群であっても良い。ここでは、血管が識別可能であれば、一の血管をどのように定義するかは問わない。例えば、血管の分岐点や末端で区切られる範囲を一の血管と考えても良いし、主となる血管と、そこから分岐した血管とを、それぞれ一の血管と考えても良い。
なお、ここでの格納は、例えば、一時記憶も含む概念である。例えば、後述する光画像計測装置100等で取得された断層画像が、一時的に格納されることなどもここでは格納と考える。
断層画像格納部11は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。なお、かかることは、位相画像格納部12や、血流情報格納部13、生体画像格納部14、位相血管管理情報格納部15、断層血管管理情報格納部16、血管管理情報格納部17、血管分類管理情報格納部20等においても同様である。
位相画像格納部12には、位相画像群が1以上格納される。位相画像群は、位相画像を複数備えている。位相画像は、時刻と対応付けられた画像であって、生体における、少なくとも1つの血管と交わる断面における位相差の時系列変化を示す画像である。位相画像は、具体的には、生体をレーザ光源等から出射される信号光で反復的に走査した場合における、信号光と同じ光源から得られた参照光と、生体からの散乱光との干渉光の検出結果に基づいて形成された、生体における断面における位相差の時系列変化を表す画像である。一の生体画像群は、通常、一の箇所について取得された複数の生体画像で構成される。生体における一の位置において位相画像を取得する際に利用される干渉光の検出結果としては、この同じ位置において断層画像を取得する際に利用される干渉光の検出結果と同じものが通常利用される。このため、同じ生体における同じ位置で取得された断層画像と位相画像との間においては位置合わせをすることが可能である。つまり、同じ位置について取得された断層画像の画素と位相画像の画素とを自然に対応付けることが可能である。なお、同じ位置とは、例えば、断層画像と位相画像とがそれぞれ示す断面が同じ断面となることと考えても良い。位相画像を取得する処理等の例については後述する。
位相画像と対応付けられている時刻とは、例えば、同じ干渉光の検出結果を用いて作成された断層画像が対応付けられている時刻と同じ時刻である。あるいは、位相画像を取得した時刻であってもよい。位相画像群は、例えば、上述した断層画像の場合と同様に、時刻と対応付けられた1以上の位相画像をフレーム画像として有している動画像であっても良く、時刻と対応付けられた複数の断層画像のファイル等であっても良く、取得された順番に配列された複数の断層画像であっても良い。位相画像格納部12に格納される位相画像は、例えば、生体の眼底や角膜等の1以上の位置(部位)における断面についての位相画像である。
位相画像格納部12には、例えば、1以上の位相管理情報が格納される。位相管理情報は、例えば、位相画像群と、位相画像群に対応する断面と交わる1以上の血管の血管識別情報とを含む。
なお、ここでの格納は、例えば、一時記憶も含む概念である。例えば、後述する光画像計測装置等で取得された位相画像が、一時的に格納されることなどもここでは格納と考える。
血流情報格納部13には、血流情報群が1以上格納される。血流情報群は、複数の血流情報を有している。血流情報とは、生体内の血管における血液の流れに関する情報である。一の血流情報群は、通常、一の血管、あるいは一の血管の一の箇所について取得された複数の血流情報で構成される。血流情報とは、例えば、一の血管に流れる血液の流速や、血液の流量である。血流情報は、時刻と対応付けられている。血流情報と対応付けられた時刻は、例えば、血流情報が取得された時刻である。血流情報は、例えば、一の血管について取得された位相画像の、血管の断面が示されている領域における位相差の時系列変化に基づいて生成される。この算出対象は、ある時点における血流速度でもよいし、この血流速度の時系列変化(血流速度変化情報)でもよい。前者の場合、たとえば心電図の所定の時相(たとえばR波の時相)における血流速度を選択的に取得することが可能である。また、後者における時間の範囲は、位相画像を得るために信号光で走査した時間の全体又は任意の一部である。血流速度変化情報が得られた場合、当該時間の範囲における血流速度の統計値を算出することができる。この統計値としては、平均値、標準偏差、分散、中央値、最大値、最小値、極大値、極小値などがある。また、血流速度の値についてのヒストグラムを作成することもできる。なお、血流情報格納部13に格納される血流情報は、OCTを利用して取得されたものであることが好ましい。血流情報を取得する処理の詳細については後述する。ここでの生体内の血管とは、例えば、生体の眼底や角膜の血管である。
血流情報格納部13には、例えば、1以上の血流管理情報が格納される。血流管理情報は、血流情報群と、この血流情報群に対応する血管の血管識別情報とを含む。
なお、ここでの格納は、例えば、一時記憶も含む概念である。例えば、後述する光画像計測装置1000等で取得された血流情報が、一時的に格納されることなどもここでは格納と考える。
生体画像格納部14は、生体を撮影した画像である生体画像が格納される。生体画像は、例えば、生体の断層画像を取得した位置を含む領域を正面から撮影した画像である。正面とは、例えば、生体(例えば、人体)の前面である。また、正面は、例えば、上述したような断層画像等を得るための断層撮影を行う際に走査される信号光が入射される面と考えても良い。例えば、生体画像は、断層画像等が示す断面に平行な方向に向かって生体を撮影した画像と考えても良い。例えば、上述した断層画像が眼底や角膜の断面を示す画像である場合、生体画像は、生体の眼底に対向する位置から眼底を撮影した眼底写真等の眼底像や、生体の角膜に対向する位置から撮影した角膜画像等である。生体画像は、生体内の血管が目視等で認識できるような画像であることが好ましい。生体画像は、生体における、1以上の断層画像や位相画像や血流情報が取得された位置を撮影した画像であることが好ましい。さらには、断層画像や位相画像に含まれる血管や、血流情報に対応する血管を、1以上含む領域を撮影した画像であることが好ましい。
また、生体画像格納部14には、時刻と対応付けられた複数の生体画像が格納されていても良い。例えば、生体画像格納部14には、時刻と対応付けられた複数の生体画像を備えた生体画像群が格納されていても良い。この場合の生体画像群は、通常、一の位置について取得された複数の生体画像で構成される。ここでの位置は、領域、被写体を含む概念である。また、この生体画像群は、上述した断層画像群と同様に動画像であっても良い。
位相血管管理情報格納部15には、位相血管管理情報が格納される。位相血管管理情報は、位相画像内における血管の位置を示す情報である位相血管位置情報と、血管の血管識別情報と、を含む。位相血管管理情報は、更に、対応する位相画像を識別するための識別情報を有していても良い。位相画像の識別情報は、位相画像に個別に割り当てられたコードやファイル名等であっても良いし、位相画像が属する位相画像群を識別する識別情報(例えば、位相画像群が動画像であれば、位相画像群を示すファイル名や、位相画像群を構成する位相画像が格納されているディレクトリ名等)と、各位相画像に対応付けられた時刻やフレーム番号等の組合せであっても良い。ただし、位相画像の識別情報は、位相画像が特定可能な情報であればどのような情報でも良い。
一の位相画像群の一の位相画像に対して設定された位相血管位置情報を、同じ位相画像群の他の位相画像の位相血管位置情報として用いるようにしても良い。つまり、一の位相画像群を構成する各位相画像に対して、共通の位相血管位置情報が設定されていても良い。このような場合、個々の位相画像の識別情報は不要である。ただし、一の血管識別情報に対応する位相画像が複数存在する場合は、位相血管管理情報は、位相画像の識別情報として、位相画像群の識別情報を有しているようにすることが好ましい。
位相血管位置情報については、どのように取得されたものであるかは問わない。例えば、ユーザが、マウスやブラシカーソル等を用いた手入力等により指定した位相画像の血管上の位置を示す情報を、位相血管位置情報として取得したものであっても良いし、画素の輝度等によって領域を検出するアルゴリズム等を用いて、位相画像から血管に特徴的な画素を有する領域を検出することで取得されたものであってもよい。また、位相血管位置情報は、これらの処理等によって、各位相情報について個別に取得されたものであっても良いし、一の位相画像に対して取得された位相血管位置情報と同じ位置(領域)を示す位相血管位置情報が、同じ位相画像群の他の位相画像の位相血管位置情報として設定されるようにしても良い。なお、位相画像内において、血管の位置を検出して、位相血管位置情報を設定する処理の例については後述する。
断層血管管理情報格納部16には、断層画像内における血管の位置を示す情報である断層血管位置情報と、血管の血管識別情報と、を含む断層血管管理情報が格納される。断層血管管理情報は、更に、対応する断層画像を識別するための識別情報を有していても良い。断層画像の識別情報等は、上記の位相画像の識別情報と同様であるので、詳細な説明は省略する。また、断層血管位置情報の取得等に関しても、上記の位相血管位置情報と同様であるので、詳細な説明は省略する。なお、断層画像内において、血管の位置を検出して、断層血管位置情報を取得する処理については後述する。
血管管理情報格納部17には、1以上の血管管理情報が格納される。血管管理情報は、生体画像格納部14に格納されている生体画像における1以上の血管の位置を示す情報である血管位置情報と、血管に対応する血管識別情報とを含む血管管理情報が格納される。血管位置情報とは、ここでの血管の位置とは、通常は、生体画像における一の血管上の領域であるが、血管上の一の地点(座標)であっても良い。ここでは、上述したように、識別が可能であれば、一の血管の範囲をどのように定義するかは問わない。また、血管管理情報は、対応する生体画像を識別するための識別情報を有していても良い。なお、生体画像格納部14に格納されている生体画像が、例えば、生体における一の箇所において撮影された、時刻と対応付けられた複数の生体画像(生体画像群)を構成している場合(例えば、生体画像をフレーム画像とする動画像である生体画像群が格納されている場合等)においては、一の生体画像に対応付けられている血管位置情報を、同じ生体画像群に属する他の生体画像の血管位置情報として用いるようにしても良い。つまり、一の生体相画像群を構成する各生体画像に対して、共通の位相血管位置情報が設定されていても良い。この場合、生体画像を識別するための識別情報として、生体画像群を識別する識別情報を用いても良い。
血管位置情報については、どのように取得されたものであるかは問わない。例えば、ユーザが、マウスやブラシカーソル等を用いた手入力等により指定した生体画像の血管上の位置を血管位置情報として取得したものであっても良いし、画素の輝度等によって領域を検出するアルゴリズム等を用いて、生体画像から血管に特徴的な画素を有する領域を検出することで取得されたものであってもよい。また、血管位置情報は、これらの処理等によって、各生体情報について個別に取得されたものであっても良いし、一の生体画像に対して取得された血管位置情報と同じ位置(領域)を示す血管位置情報が、同じ生体画像群の他の生体画像の血管位置情報として設定されるようにしても良い。なお、生体画像内において、血管の位置を示す血管位置情報を設定する処理については後述する。
変更操作受付部18は、後述する表示部22が表示する断層画像、位相画像、および血流画像のいずれか1つに対する表示を変更する操作である変更操作を受け付ける。変更操作とは、具体的には、一の画像に対して行われた操作であって、その操作と同じ変更が、他の画像に対しても行われることとなる操作である。血流画像とは、一の血流情報群に含まれる1以上の血流情報を用いて作成した、血流情報の経時的な変化を示すグラフや、血流情報の経時的な変化を示すリスト等である。血流画像の詳細については後述する。表示部22が表示する断層画像、位相画像、および血流画像のいずれか1つに対する操作とは、例えば、モニタ(図示せず)等の表示デバイスの、断層画像、位相画像、および血流画像のいずれか1つが表示されている領域内や領域近傍の位置に対して、マウスを用いたクリックやドラッグ、タッチパネル等を用いたタップ等や、キーボード等を用いた文字入力等を行うことである。一の画像内に表示されているボタンやプルダウンメニュー等を操作することも、断層画像、位相画像、および血流画像のいずれか1つに対する操作と考えても良い。
表示を変更する操作とは、例えば、表示する画像を変更するための操作である。表示する画像を変更するための操作は、例えば、操作の対象となる現在表示されている一の画像を、同じ種類の画像であって、異なる血管識別情報と対応付けられた画像に変更するための操作である。同じ種類の画像とは、断層画像、位相画像、血流画像という三つの種類をここでは意味する。
例えば、変更操作受付部18は、表示部22が表示する断層画像、位相画像、および血流画像のいずれか1つに対して、血管を指定する操作を変更操作として受け付ける。そして、変更操作受付部18は、この血管を指定する変更操作で指定された血管に対応する血管識別情報を取得する。血管を指定する変更操作とは、予め指定されたどのような操作でもよく、例えば、表示されている断層画像や位相画像を上下方向や横方向等にスライドさせる操作である。また、表示中の断層画像や位相画像や血流画像上に表示されている血管を変更するためのボタンを押す操作や、血管を選択するリストから一の血管を選択する操作である。このような操作を受け付けた場合、変更操作受付部18は、表示中である断層画像(または位相画像)が属している断層画像群(または位相画像群)に対応する血管識別情報とは異なる血管識別情報を、断層管理情報(または位相管理情報)から取得する。
また、表示する画像を変更するための操作は、例えば、操作の対象となる一の画像を、この画像が対応付けられている時刻とは異なる時刻と対応付けられている画像に変更するための操作である。
例えば、変更操作受付部18は、表示部22が表示する断層画像、位相画像、および血流画像のいずれか1つに対して、時刻を指定する変更操作を受け付ける。そして、変更操作受付部18は、変更操作に対応する時刻を取得する。時刻を指定する変更操作とは、予め指定されたどのような操作でもよく、例えば、表示されている血流画像が、時間軸と対応付けられたグラフである場合において、このグラフの現在表示されている断層画像等に対応する時刻を示す位置以外の箇所を、マウス等を用いてクリックしたり、タッチパネルを操作してタップすることで指定する操作である。あるいは、血流情報が複数の血流情報を時刻と対応付けて示したリストである場合において、現在表示されている断層画像等に対応する時刻以外の時刻を、マウス等を用いてクリックしたりすることで指定する操作である。これらの操作を受け付けた場合、指定された位置を、時間軸に投影した位置の時刻の値を、変更操作受付部18は、変更操作に対応する時刻として取得する。また、時刻を指定する変更操作とは、例えば、表示されている断層画像や位相画像や血流画像を上下方向や横方向等にスライドさせる操作であってもよい。また、断層画像や位相画像に対応付けられて表示されている、動画像である断層画像群や位相画像群の、全再生時間に対する現在の再生時刻を示す図示しないスライダバーを、マウス等を使用してスライドさせる操作である。
また、表示部22が、断層画像および位相画像を、それぞれが対応付けられている時刻を同期させて、予め指定されたフレームレートで順次表示している場合において、断層画像や位相画像に変更操作受付部18は、表示するフレームレートを変更するための操作であるフレームレート変更操作を受け付ける。例えば、フレームレートを変更する操作は、断層画像や位相画像に表示されているフレームレートを示すスライダバーを、マウス等を用いてスライドさせる操作や、断層画像や位相画像上、またはその近傍にそれぞれ表示されているフレームレートの変更を受け付けるためのボタンを、マウス等を用いて押すことや、断層画像や位相画像に表示されているフレームの値を入力するフィールドに、キーボード等を用いて値を入力する操作である。フレームレート変更操作を受け付けた場合、変更操作受付部18は、例えば、変更後のフレームレートの値を取得する。
また、変更操作受付部18は、表示部22が表示する位相画像における血管上の位置を指定する操作である位相血管指定操作を受け付けるようにしてもよい。血管上の位置を指定する操作とは、例えば、位相画像における血管が表示されている領域上の1以上の地点を、マウスを用いてクリックしたり、マウス等で囲んだりする操作である。位相血管指定操作を受け付けると、変更操作受付部18は、位相血管指定操作で指定された位置に対応する血管識別情報を位相血管管理情報格納部15に格納されている位相血管管理情報から取得する。例えば、マウス等でクリックされた座標を含む位相血管位置情報を位相血管管理情報から検出し、検出された位相血管位置情報に対応する血管識別情報を位相血管管理情報から取得する。
また、後述するように、表示部22が、断層画像と位相画像とを重ね合わせて表示している場合において、変更操作受付部18は、表示部22が表示する断層画像と位相画像とを重ね合わせた画像、および血流画像のいずれか1つに対して、表示を変更する操作である変更操作を受け付けるようにしてもよい。この場合、変更操作受付部18は、上述したような断層画像または位相画像について受け付ける変更操作と実質的に同じものが受け付け可能である。また、重ね合わせた画像に対して変更操作を受け付けた場合、変更操作受付部18は、断層画像または位相画像に対して変更操作を受け付けた場合と同様の処理(例えば、変更操作に応じた血管識別情報を取得する処理等)を行うようにすればよい。
例えば、変更操作受付部18は、表示部22が重ね合わせた画像に対して、血管を指定する操作である血管変更指定操作を受け付けるようにしてもよい。血管変更指定操作は、例えば、重ね合わせた画像における血管の位置を指定する操作である。血管変更指定操作を受け付けると、変更操作受付部18は、受け付けた血管変更指定操作が示す位置に対応する血管識別情報を、上記と同様に取得する。変更操作受付部18は、重ね合わせられた断層画像と位相画像とのうちのいずれから、血管変更指定操作が示す位置に対応する血管識別情報を取得するようにしてもよい。また、変更操作受付部18は、断層画像と位相画像との重ね合わせを指示するための操作を受け付けるようにしても良い。
変更操作受付部18は、更に、表示部22が表示する生体画像における一の血管上の位置を指定する操作である血管指定操作を受け付けるようにしてもよい。一の血管上の位置を指定する操作とは、例えば、位相画像における一の血管が表示されている領域上の1以上の地点を、マウスを用いてクリックしたり、マウス等で囲んだりする操作である。変更操作受付部18は、血管指定操作を受け付けた場合、血管指定操作が指定する位置に対応する血管識別情報を、血管管理情報格納部17に格納されている血管管理情報から取得する。例えば、マウス等でクリックされた座標を含む血管位置情報を血管管理情報から検出し、検出された血管位置情報に対応する血管識別情報を位相血管管理情報から取得する。
ここでの操作の受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。操作を受け付けるための入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。変更操作受付部18は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。かかることは、後述する血管分類指定操作受付部19等の他の受付部に関しても同様である。また、変更操作受付部18は、上記の処理を行うための、MPUやメモリ等を備えていても良く、これらの処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
血管分類指定操作受付部19は、後述する表示部22が表示する生体画像における静脈または動脈の位置を指定する操作である血管分類指定操作を受け付ける。血管分類指定操作のうちの静脈の位置を指定する操作は、例えば、後述する表示部22が表示する生体画像において、静脈が表示されている領域上の一以上の地点を、マウス等を用いてクリックしたり、マウス等を用いて囲んだりする操作である。同様に、血管分類指定操作のうちの動脈の位置を指定する操作は、例えば、後述する表示部22が表示する生体画像において、動脈が表示されている領域上の一以上の地点を、マウス等を用いてクリックしたり、マウス等を用いて囲んだりする操作である。例えば、静脈を指定する操作を行う指示を血管分類指定操作受付部19に対して与えた後、マウス等を用いて、生体画像上の位置を指定する操作を行った場合、この操作が、静脈を指定する操作となる。動脈を指定する操作についても同様である。
血管分類管理情報格納部20は、血管識別情報と、血管が静脈であるか、動脈であるかを示す情報である血管分類情報とを含む血管分類管理情報が格納される。血管分類情報は、更に、血管について静脈であるか否かの判断が行われていないことを示す情報を更に有していても良い。
血管分類管理情報蓄積部21は、血管指定操作が指定する位置に対応する血管識別情報を血管管理情報格納部17に格納されている血管管理情報から取得し、取得した血管識別情報と、血管分類指定操作受付部19が受け付けた血管指定操作が示す血管分類管理情報、即ち、血管指定操作で指定された血管が静脈であるか動脈であるかを指定された情報と、を含む血管分類管理情報を、血管分類管理情報格納部20に蓄積する。例えば、血管分類管理情報蓄積部21は、血管指定操作が指定する位置を示す情報として、例えば、指定された位置の座標や座標群を示す情報を生体画像から取得し、血管指定操作を受け付けた操作対象となる生体画像に対応した血管管理情報から、上記で取得した位置を示す情報を含む血管位置情報を検出し、検出した血管位置情報に対応する血管識別情報を取得する。そして、取得した血管識別情報と、血管指定操作に対応する血管分類情報とを対応付けた血管管理情報を、血管管理情報格納部17に蓄積する。血管指定操作に対応する血管分類情報とは、例えば、血管分類操作の前後に受け付けた、血管分類操作が示す位置に対応する血管が、静脈であるか動脈であるか否かを示す情報である。
血管分類管理情報蓄積部21は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。血管分類管理情報蓄積部21の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
表示部22は、断層画像群に含まれる断層画像と、位相画像群に含まれる位相画像とを、断層画像と位相画像とに対応付けられた時刻を用いて同期させて表示し、かつ、血流情報群に含まれる血流情報のうちの、表示しているである断層画像と位相画像とに対応付けられた時刻を含む期間内の時刻と対応付けられた複数の血流情報を示す画像である血流画像を表示する。例えば、表示部22は、同時期に同じ箇所について取得された断層画像と位相画像とを表示することが好ましい。さらに、表示部22は、この断層画像や位相画像が取得された箇所と同じ箇所に含まれる血管の同時期と対応付けられた血流情報が示す血流画像を表示することが好ましい。ここでの同時期は、同時刻であることがより好ましい。また、ここでの同じ箇所は、誤差程度の位置のずれを有している近接した位置を含むと考えても良いが、一致する位置であることが好ましい。
断層画像と位相画像とを、断層画像と位相画像とに対応付けられた時刻を用いて同期させて表示するということは、例えば、同じ時刻に対応付けられた断層画像と位相画像とを表示することである。また、通常、断層画像群に含まれる断層画像と、位相画像群に含まれる位相画像とを同じフレームレートで、それぞれに対応付けられている時刻間が同期するように順次表示される。表示部22は、一の断層画像と一の位相画像とをそれぞれ静止画像として表示しても良いし、一の断層画像群に含まれる断層画像と一の位相画像群に含まれる位相画像を、順次読み出して表示することで、断層画像と位相画像とを動画像として表示しても良い。
血流画像とは、複数の血流情報を用いて作成された画像であり、例えば、時刻と対応付けられた複数の血流情報を、第一の軸を時刻、第二の軸を血流情報の値とした座標系に示したグラフや、時刻と対応付けられた複数の血流情報の値を、時刻の昇順や降順に配列して示したリスト等である。例えば、表示部22は、次に、表示される断層画像と、位相画像とに対応付けられた時刻を取得して、この時刻を含む期間内の時刻と対応付けられた血流画像を取得して、断層画像と位相画像と血流画像とを同時に表示しても良い。
表示中の断層画像と位相画像とに対応付けられた時刻を含む期間内とは、この時刻を含む予め指定された長さの期間である。表示中の断層画像と位相画像とに対応付けられた時刻を含む期間内とは、例えば、表示中の断層画像と位相画像とに対応付けられた時刻の前または後、あるいはその両方に予め指定された時間を加算した範囲内の期間であっても良い。また、表示中の断層画像を含む断層画像群と、表示中の位相画像を含む位相画像群とに対応付けられた全ての血流情報に対応する時刻を含む期間であっても良い。例えば、血流情報の最も早い時刻と最も遅い時刻との間の期間であっても良い。この期間は、例えば、表示中である断層画像と位相画像とが、動画像のフレーム画像である場合、フレーム画像が切り替わるごとに、切り替わったフレーム画像(断層画像、位相画像)に対応する時刻に応じて変化するようにしてもよいし、表示中の断層画像と位相画像とに対応する時刻が、直前に設定された期間に含まれなくなる場合等に更新されるようにしても良い。
また、血流画像においては、表示中の断層画像や位相画像に対応する時刻に対応する血流情報の値等を、他の血流情報とは異なる表示態様で表示することが好ましい。表示態様が異なるということは、他の位置と区別可能な態様の表示を行うことであり、例えば、他の位置とは異なる色やパターンをオーバーレイして表示することや、他の位置と区別可能なように、枠線等で囲んで表示することである。例えば、血流画像が、血流情報を時間軸に沿って示したグラフである場合、表示中の断層画像や位相画像に対応する時刻を示す直線を、時間軸に垂直に表示するようにしても良い。
また、表示部22は、生体画像を更に表示しても良い。1以上の生体画像が、時刻と対応付けられている場合、断層画像や位相画像と同期させて表示しても良い。
表示部22は、断層画像群や位相画像群や血流情報群が、血管識別情報と対応付けられている場合、例えば、一の血管識別情報が指定されたときに、この血管識別情報に対応付けられた断層画像群に含まれる断層画像と、この血管識別情報に対応付けられた位相画像群に含まれる位相画像と、この血管識別情報と対応付けられた血流情報群に含まれる血流情報を示す血流画像とを表示する。これにより、同じ血管についての断層画像と、位相画像と血流画像とを表示することができる。
なお、表示部22が生体画像を更に表示する場合、この生体画像に対応する血管管理情報に含まれる血管識別情報の1以上が、表示中の断層画像や位相画像や血流画像に対応する血管識別情報と一致する生体画像を表示することが、表示される画像間に関連性が生じるため好ましい。
本願においては、特に、表示部22は、変更操作に対応する変更と同じ変更を、この表示部22が表示する断層画像、位相画像、および血流画像に対して行う。つまり、断層画像、位相画像、および血流画像のいずれか1つに対する変更操作を変更操作受付部18が受け付けた場合、表示部22は、変更操作の対象となった画像だけでなく、他の画像についても、変更操作に対応する変更を行う。つまり、一の画像に対する変更を、他の画像にも同期させることと考えても良い。
例えば、一の画像に対して、この画像に対応している血管以外の一の血管に対応する画像を表示する変更操作を変更操作受付部18が受け付けたとすると、表示部22は、変更操作の対象となった画像も含めて、表示される全ての画像を、上記の一の血管に対応する画像に変更する。
例えば、表示部22は、変更操作に応じて変更操作受付部18が取得した血管識別情報に対応する断層画像、位相画像、および血流画像を、断層画像群、位相画像群、および血流情報群から取得し、取得した画像を表示する。血流情報群から取得する、ということは、ここでは、例えば、血流情報群に含まれる血流情報を用いて構成した上述した血流画像等の画像を取得することも含む概念であるとする。表示部22は、具体的には、取得した画像で、表示されていた画像をそれぞれ更新する。なお、変更後の各画像としては、変更前の各画像に対応する時刻の画像をそれぞれ表示しても良いし、他の時刻、例えば、いずれかの画像の開始時刻に対応する時刻の画像をそれぞれ表示しても良い。
また、例えば、一の画像に対して、表示対象となる時刻を変更する変更操作を変更操作受付部18が受け付けたとすると、表示部22は、変更操作の対象となった画像も含めて、表示される全ての画像を、上記の変更後の時刻に対応する画像に変更する。
例えば、表示部22は、変更操作に応じて変更操作受付部18が取得した時刻に対応する断層画像、位相画像、および血流画像を、断層画像群、位相画像群、および血流情報群を用いて取得して表示する。具体的には、取得した画像で、現在表示されている断層画像、位相画像、および血流画像を、それぞれ更新する。
また、表示部22は、位相画像に対する変更操作に応じて変更操作受付部18が血管識別情報を取得した場合、この取得した血管識別情報に対応する血流情報群を用いて、血流画像を取得して表示する。
また、表示部22は、位相血管指定操作に応じて変更操作受付部18が血管識別情報を取得した場合、取得した血管識別情報に対応する断層血管位置情報を、断層血管管理情報を用いて取得し、現在表示されている断層画像の、取得した断層血管位置情報が示す位置を、他の位置とは異なる表示態様で表示する。異なる表示態様については、上記と同様であり、例えば、断層血管位置情報が示す位置を、予め指定されたカラーでオーバーレイ表示する。
また、表示部22は、変更操作受付部18がフレームレート変更操作を受け付けた場合、断層画像および位相画像を表示するフレームレートを、変更操作に対応する同じフレームレートに変更する。例えば、表示部22は、断層画像と位相画像とを表示するフレームレートを、フレームレート変更操作に応じて変更操作受付部18が取得したフレームレートの値が示す、現在のフレームレートとは異なる一のフレームレートに変更する。フレームレートを変更するということは、フレーム画像である断層画像や位相画像の再生速度を変更することと考えても良い。
また、表示部22は、断層画像群に含まれる断層画像と、位相画像群に含まれる位相画像とを、断層画像と位相画像とに対応付けられた時刻を用いて同期させ、重ね合わせて表示するようにしてもよい。ここでの重ね合わせて表示するということは、両方の画像の内容が透過して表示されるようにすることである。例えば、一方の画像を、他方の画像にオーバーレイして表示することや、合成モードを通常の合成モードから変更して表示することは、少なくとも一方の画像を半透明にして重ねることである。
また、断層画像と位相画像とを重ね合わせて表示する場合、表示部22は、さらに、血流情報群に含まれる血流情報のうちの、重ね合わせて表示中の断層画像と位相画像とに対応付けられた時刻を含む期間内の時刻と対応付けられた複数の血流情報を示す画像である血流画像を表示するようにしてもよい。
また、表示部22は、断層画像と位相画像とを重ね合わせて表示する場合において、この重ねあわせた画像または血流画像の一方に対して上記と同様の変更操作が行われた場合、この変更操作に対応する変更と同じ変更を、表示部22が表示する断層画像と位相画像とを重ね合わせた画像、および血流画像に対して行うようにしても良い。
また、表示部22は、位相血管管理情報から、表示部22が表示する位相画像に対応する血管識別情報と位相血管位置情報とを取得し、血管識別情報に対応する血管分類情報を血管分類管理情報から取得し、位相画像の血管識別情報に対応する位相血管位置情報が示す位置を、他の位置とは異なる表示態様であって、位相血管位置情報に対応する血管分類情報が動脈であることを示す情報であるか、静脈であることを示す情報であるかによって異なる表示態様で表示するようにしても良い。例えば、動脈であることを示す位置と、静脈であることを示す位置とに、異なる色を着色して表示するようにしても良い。また、位相血管位置情報に対応する血管分類情報が動脈と静脈とのいずれであるかが指定されていないことを示す値である場合、この位相血管位置情報が示す位置を、動脈や静脈等とは異なる表示態様で表示するようにしても良い。なお、この場合、表示部22は、生体画像と、一の血管識別情報と対応付けられた位相画像群に含まれる断層画像とを少なくとも表示するようにしても良い。
ここでの表示とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影などを含む概念である。
表示部22は、ディスプレイ等の表示デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。表示部22は、表示デバイスのドライバーソフトまたは、表示デバイスのドライバーソフトと表示デバイス等で実現され得る。また、表示部22は、上記の処理を行うための、MPUやメモリ等を備えていても良く、これらの処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
次に、画像表示装置1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。ここでは、一例として、断層画像群および位相画像群が動画像である場合について説明する。
(ステップS101)表示部22は、生体画像の表示を開始する。生体画像が、時刻と対応づけられた動画像のフレーム画像である場合、表示部22は、生体画像を予め指定されたフレームレートで順次表示する。
(ステップS102)表示部22は、断層画像群に含まれる断層画像の表示を開始する。表示部22は、断層画像群に含まれる断層画像を予め指定されたフレームレートで、順次表示する。上記で表示を開始した生体画像がフレーム画像である場合、表示部22は、この生体画像と同期させて断層画像を表示する。
(ステップS103)表示部22は、位相画像群に含まれる位相画像の表示を開始する。表示部22は、位相画像群に含まれる位相画像を、予め指定されたフレームレートで、ステップS101で表示される断層画像と同期させて順次表示する。例えば、同じ時刻と対応づけられた断層画像と位相画像とが同時に表示されるようにする。なお、表示部22が表示する断層画像や位相画像は、例えば、ステップS101で表示している生体画像に示されている血管を含む画像である。
(ステップS104)表示部22は、表示中の断層画像または位相画像に対応する時刻を取得し、この時刻を含む予め指定された期間の血流情報を血流情報格納部13から読み出し、読み出した血流情報を用いて作成した血流画像を表示する。ただし、ステップS101からステップS104までの表示においては、同じ時刻に関連する画像は、同時に表示するようにして良い。この場合、表示部22は、次に表示される断層画像または位相画像に対応する時刻に応じた血流画像を取得して、これを、次に表示する断層画像と位相画像と同時に表示するようにしても良い。
(ステップS105)変更操作受付部18は、断層画像と位相画像とを重ね合わせて表示する操作を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS106に進み、受け付けていない場合、ステップS107に進む。
(ステップS106)表示部22は、断層画像と位相画像とを、それぞれに対応づけられた時刻を用いて同期させ、重ね合わせて順次表示する。例えば、表示部22は、断層画像と位相画像との個別の表示の代わりに、重ね合わせた画像の表示を行う。そして、ステップS105に戻る。
(ステップS107)変更操作受付部18は、表示部22が表示する画像に対して操作を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS108に進み、受け付けていない場合、ステップS109に進む。
(ステップS108)画像表示装置11は、ステップS107で受け付けた操作に応じた表示を行う。この処理の詳細については後述する。そして、ステップS105に戻る。
(ステップS109)血管分類指定操作受付部19は、血管分類指定操作を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS110に進み、受け付けていない場合、ステップS111に進む。
(ステップS110)血管分類管理情報蓄積部21は、ステップS109で受け付けた血管分類指定操作に対応する血管分類管理情報を取得し、血管分類管理情報格納部20に蓄積する。そして、ステップS105に戻る。
(ステップS111)表示部22は、血管分類管理情報に応じた表示を行うか否かを判断する。例えば、血管分類管理情報に応じた表示を行う操作を変更操作受付部18が受け付けた場合に表示を行うことを決定してもよい。また、血管分類管理情報が蓄積された場合に表示を行うことを決定してもよい。表示を行う場合、ステップS112に進み、行わない場合、ステップS113に進む。
(ステップS112)表示部22は、血管分類管理情報に応じた表示を行う。具体的には、位相画像において、血管分類管理情報の位相血管位置情報が示す位置を、血管分類情報に応じた、他の位置とは異なる表示態様で表示する。そして、ステップS105に戻る。
(ステップS113)変更操作受付部18は、表示部22による表示を終了する操作を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、処理を終了し、受け付けていない場合、ステップS105に戻る。
次に、画像表示装置1の動作のうちの、図2のステップS108に対応する動作の詳細ついて、図3のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS201)変更操作受付部18は、受け付けた操作が変更操作であるか否かを判断する。変更操作である場合、ステップS202に進み、変更操作でない場合、ステップS208に進む。
(ステップS202)変更操作受付部18は、受け付けた操作が血管を指定する変更操作であるか否かを判断する。血管を指定する変更操作である場合、ステップS203に進み、血管を指定する変更操作でない場合、ステップS205に進む。
(ステップS203)変更操作受付部18は、変更操作が指定する血管の血管識別情報を取得する。
(ステップS204)表示部22は、ステップS203で取得した血管識別情報に対応する断層画像、位相画像、および血流画像が表示されるよう、これらの画像の表示対象を変更する。なお、断層画像と位相画像とが重ね合わせられている場合においても、これらの画像が重ね合わせられて表示される点を除けば、実質的に行われる処理は同じである。そして、上位の処理にリターンする。
(ステップS205)変更操作受付部18は、受け付けた操作が時刻を指定する変更操作であるか否かを判断する。時刻を指定する変更操作である場合、ステップS206に進み、時刻を指定する変更操作でない場合、上位の処理にリターンする。なお、変更操作が、血管を指定する操作と、時刻を指定する操作とのいずれかしかない場合、ステップS202で血管を指定する操作でないと判断された時点で変更操作が時刻を指定する操作であることがわかるため、この処理は省略してもよい。
(ステップS206)変更操作受付部18は、変更操作が示す時刻を取得する。
(ステップS207)表示部22は、表示する各画像の時刻を変更する。具体的には、表示部22は、断層画像と位相画像と生体画像との表示を、ステップS206で取得した時刻に対応する断層画像と位相画像と生体画像とからの表示に変更する。また、表示部22は、血流画像の表示を、変更された断層画像または位相画像に対応する時刻を含む期間の血流情報を用いて作成された血流画像の表示に変更する。なお、断層画像と位相画像とが重ね合わせられている場合においても、これらの画像が重ね合わせられて表示される点を除けば、実質的に行われる処理は同じである。そして、上位の処理にリターンする。
(ステップS208)変更操作受付部18は、受け付けた操作が位相血管指定操作であるか否かを判断する。位相血管指定操作である場合、ステップS209に進み、位相血管指定操作でない場合、ステップS210に進む。なお、断層画像と位相画像とが重なっていない場合には、ここでは、位相血管指定操作は受け付けないものとする。
(ステップS209)変更操作受付部18は、位相血管指定操作に対応した血管識別情報を取得する。
(ステップS210)表示部22は、位相血管指定操作に対応した血流画像を表示する。具体的には、ステップS209で取得した血管識別情報に対応する血流情報を用いて血流画像を取得し、表示する。
(ステップS211)表示部22は、断層画像の位相血管指定操作に対応する位置の表示態様を変更する。具体的には、表示中である断層画像のステップS209で取得した血管識別情報に対応する位置を、他とは異なる表示態様に変更する。そして、上位の処理にリターンする。
(ステップS212)変更操作受付部22は、受け付けた操作が断層画像と位相画像とのいずれかに対するフレームレート変更操作であるか否かを判断する。フレームレート変更操作である場合、ステップS213に進み、フレームレート変更操作であるない場合、ステップS214に進む。なお、ここでは、断層画像と位相画像とが重ね合わせられている場合においても、少なくともいずれか一方に対してフレームレート変更操作を受け付け可能であるとする。
(ステップS213)表示部22は、断層画像と位相画像とを表示する際のフレームレートをフレームレート変更操作が示すフレームレートに変更する。そして、上位の処理にリターンする。
(ステップS214)変更操作受付部22は、受け付けた操作が、生体画像に対する血管指定操作であるか否かを判断する。血管指定操作である場合、ステップS215に進み、血管指定操作でない場合、上位の処理にリターンする。
(ステップS215)変更操作受付部22は、血管指定操作に対応する血管識別情報を取得する。
(ステップS216)表示部22は、ステップS215で取得した血管識別情報に対応する断層画像、位相画像、および血流画像が表示されるよう、これらの画像の表示対象を変更する。なお、断層画像と位相画像とが重ね合わせられている場合においても、これらの画像が重ね合わせられている点を除けば、実質的に行われる処理は同じである。そして、上位の処理にリターンする。
なお、上記の図2および図3に示したフローチャートにおいて、断層画像と位相画像との重ね合わせの処理や、断層画像の位相血管指定操作により指定された位置を、他の部分と異なる表示態様で表示する処理等、を解除する操作等を受け付ける処理ステップや、これらの解除を行う処理ステップ等は省略しているが、本願においては、これらの解除操作を図示しない受付部等を介して受け付けるようにして、解除処理を行うようにしても良い。
以下、本実施の形態における画像表示装置1の具体的な動作について説明する。
図4は、本実施の形態の画像表示装置1の一例を示す概念図である。
図5は、生体画像格納部14に格納されている生体画像の一例を示す図である。生体画像は、ここでは、一例として、一の被検者の眼底について取得した眼底像であるとする。なお、ここでは、眼底像は、複数の連続した生体画像で構成される動画像である生体画像群(眼底像群)を構成する一のフレーム画像であるとする。この生体画像は、被検者識別情報が「P10001」である被検者の、「E01」という生体画像群を構成する生体画像のうちの、タイムコード「t1」が付与されている生体画像であるとする。なお、タイムコードは、フレーム画像である生体画像に付与された時刻であり、ここでは、例えば、「年」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」、「フレーム」等の組合せで表されるものとする。なお、ここでは、tn(nは整数)は、任意の時刻を示す値であるとする。但し、nが同じ値は、同じ時刻を示すものとする。かかることは以下においても同様である。生体画像群を構成する各生体画像は、例えば、タイムコードと対応付けられて生体画像群のファイルの中に格納されている。このタイムコードは、ここでは、フレーム画像が取得された日時や、フレーム画像を取得するために必要なデータを取得した日時を示すものであるとする。かかることは、他の動画像のタイムコードに関しても同様である。また、本実施の形態における生体画像や、断層画像や、位相画像、血流画像等は、説明のために作成された画像であり、実際のデータとは異なる場合がある。
図6は、生体画像格納部14に格納されている生体画像を管理する生体画像管理情報を示す図である。生体画像管理情報は、「被検者ID」と、「生体画像群ID」と、「タイムコード」と、「生体画像」という項目を有している。「被検者ID」は、被検者の識別情報である。「生体画像群ID」は生体画像群の識別情報であり、ここでは、生体画像群は、一のファイルを構成しており、「生体画像群ID」はこのファイル名であるとする。一の「生体画像群ID」と対応付けられた生体画像群は、ここでは、一の被検者の一の眼球について同じ期間内に取得された1以上の眼底像で構成されるものとする。「タイムコード」は、タイムコードであり、ここでは、生体画像群を構成する各生体画像に対応付けられた時刻の情報である。この具体例においては、「生体画像群ID」と「タイムコード」との組合せを生体画像の識別情報として用いる場合について説明する。なお、被検者識別情報も、生体画像の識別情報の一部と考えても良い。「生体画像」は、生体画像群識別情報とタイムコードとの組に対応づけられた生体画像であり、ここでは、フレーム画像であるとする。
図7は、血管管理情報格納部17に格納されている血管管理情報の一例を示す図である。血管管理情報は、「被検者ID」と、「生体画像群ID」と、「タイムコード」と、「血管ID」と、「血管位置情報」という項目を有している。「被検者ID」と「生体画像群ID」と「タイムコード」とは、図6と同様である。「血管ID」は、生体画像(ここでは眼底像)に示されている血管の識別情報である。「血管位置情報」は、生体画像内に示されている一の「血管ID」に対応する血管の領域を示す情報であり、ここでは、生体画像内における一の「血管ID」に対応する血管上の画素の座標群で構成されている。なお、本実施の形態においては、xr、xs(ただし、r、sは任意の整数)は、それぞれ任意の値であるとする。かかることは以下においても同様である。例えば、図5において、点線で囲まれた領域51は、血管ID「V01」に対応する血管位置情報が示す領域であるとする。ここでは、各フレーム画像に血管位置情報が付与されている場合について説明したが、一のフレーム画像について設定した血管位置情報を、同じ生体画像群の他のフレーム画像の血管位置情報としても利用するようにしてもよい。
なお、生体画像からどのように血管位置情報を取得するかは問わない。例えば、ユーザが、マウス等を操作してカーソル等でなぞった範囲内の、輝度が閾値以下の連続した範囲を血管として判断して、この範囲内の領域を定義する情報(例えば、範囲内の画素の座標や、範囲の輪郭を構成する画素の座標等)を取得しても良い。通常、血管は、他の部分よりも輝度が低くなる傾向があるため、このようにすることで、血管上の領域を適切に指定することができる。また、生体画像内において輝度が閾値以下の連続した範囲を自動検出して、その範囲の幅方向の中心を結ぶ線を取得し、この線の分岐点と端点とで区切られた区間をそれぞれ有している自動検出された範囲を、それぞれ個別の血管として認識するようにしても良い。なお、このような技術は、いわゆるオートトレース等の技術等を利用することで実現可能である。血管識別情報等は、例えば取得順等に自動的に付与しても良いし、ユーザが指定するようにしても良い。また、一のフレーム画像について設定した血管位置情報を、同じ生体画像群の他のフレーム画像の血管位置情報として、他のフレーム画像に対して付与するようにしても良い。
図8は、断層画像格納部11に格納されている断層画像の一例を示す図である。断層画像は、ここでは、一例として、図5に示した眼底像の1以上の血管を横切る位置における、眼底像に対して垂直な断層を、OCTを用いて撮影した断層画像であるとする。なお、ここでは、断層画像は、動画像である断層画像群を構成する一のフレーム画像であるとする。この断層画像は、被検者識別情報が「P10001」である被検者の、「D01」という断層画像群を構成する断層画像のうちの、タイムコード「t1」が付与されている断層画像であるとする。ここでは、断層画像群は、一のファイルを構成しており、このファイル名と対応付けられて断層画像格納部11に格納されているものとする。
図9は、断層画像格納部11に格納されている断層画像を管理する断層管理情報を示す図である。断層管理情報は、「被検者ID」と、「断層画像群ID」と、「タイムコード」と、「断層画像」という項目を有している。「被検者識別情報」は、被検者の識別情報である。「断層画像群ID」は断層画像群の識別情報であり、ここでは、断層画像群は、一のファイルを構成しており、「断層画像群ID」はこのファイル名であるとする。一の「断層画像群ID」と対応付けられた断層画像群は、ここでは、一の被検者の一の眼底の一の箇所について一の期間内に取得された複数の断層画像で構成されるものとする。「タイムコード」は、タイムコードであり、ここでは、断層画像群を構成する各断層画像に対応付けられた時刻の情報である。この具体例においては、「断層画像群ID」と「タイムコード」との組合せを断層画像の識別情報として用いる例について説明する。なお、被検者識別情報も、断層画像の識別情報の一部と考えても良い。「断層画像」は、断層画像群識別情報とタイムコードとの組に対応付けられた断層画像であり、ここでは、フレーム画像であるとする。
図10は、断層血管管理情報格納部16に格納されている断層血管管理情報の一例を示す図である。断層血管管理情報は、「被検者ID」と、「断層画像群ID」と、「タイムコード」と、「血管ID」と、「断層血管位置情報」という項目を有している。「被検者識別情報」と、「断層画像群ID」と、「タイムコード」とは、図9と同様である。「血管ID」は、断層画像に示されている血管の血管識別情報である。「断層血管位置情報」は、断層画像内に示されている一の「血管ID」に対応する血管の領域を示す情報であり、ここでは、断層画像内における一の「血管ID」に対応する血管上の画素の座標群で構成されている。例えば、図5において、直線52で示された位置は、断層画像群IDが「D01」である断層画像が取得された位置(部位)を示す。ここでは、各フレーム画像に断層血管位置情報が付与されている場合について説明したが、一のフレーム画像について設定した血管位置情報を、同じ断層画像群の他のフレーム画像の断層血管位置情報としても利用するようにしてもよい。
図11は、位相画像格納部12に格納されている位相画像の一例を示す図である。位相画像は、ここでは、一例として、図7に示した断層画像と同じ位置における位相画像であるとする。なお、ここでは、位相画像は、動画像である位相画像群を構成する一のフレーム画像であるとする。この位相画像は、被検者識別情報が「P10001」である被検者の、「D01」という位相画像群を構成する位相画像のうちの、タイムコード「t1」が付与されている位相画像であるとする。ここでは、位相画像群は、一のファイルを構成しており、このファイル名と対応付けられて位相画像格納部12に格納されているものとする。
図12は、位相画像格納部12に格納されている位相画像を管理する位相管理情報を示す図である。断層管理情報は、「被検者ID」と、「位相画像群ID」と、「タイムコード」と、「位相画像」という項目を有している。「被検者識別情報」は、被検者の識別情報である。「位相画像群ID」は位相画像群の識別情報であり、ここでは、位相画像群は、一のファイルを構成しており、「位相画像群ID」はこのファイル名であるとする。一の「位相画像群ID」と対応付けられた位相画像群は、ここでは、一の被検者の一の眼底の一の箇所について一の期間内に取得された複数の位相画像で構成されるものとする。「タイムコード」は、タイムコードであり、ここでは、位相画像群を構成する各位相画像に対応付けられた時刻の情報である。この具体例においては、「位相画像群ID」と「タイムコード」との組合せを位相画像の識別情報として用いる場合を例に挙げて説明する。なお、被検者識別情報も、位相画像の識別情報の一部と考えても良い。「位相画像」は位相画像識別情報とタイムコードとの組に対応付けられた生体画像であり、ここでは、フレーム画像であるとする。
図13は、位相血管管理情報格納部15に格納されている位相血管管理情報の一例を示す図である。位相血管管理情報は、「被検者ID」と、「位相画像群ID」と、「タイムコード」と、「血管ID」と、「位相血管位置情報」という項目を有している。「被検者識別情報」と、「位相画像群ID」と、「タイムコード」は、図12と同様である。「血管ID」は、位相画像に示されている血管の血管識別情報である。「位相血管位置情報」は、位相画像内に示されている一の「血管ID」に対応する血管の領域を示す情報であり、ここでは、位相画像内における一の「血管ID」に対応する血管上の画素の座標群で構成されている。ここでは、各フレーム画像に位相血管位置情報が付与されている場合について説明したが、一のフレーム画像について設定した血管位置情報を、同じ位相画像群の他のフレーム画像の位相血管位置情報としても利用するようにしてもよい。また、一の時刻に対応する位相画像が、同じ時刻に対応付けられた断層画像に対応して取得される場合、血管一の位相画像に対する位相血管位置情報として、同じ時刻と対応付けられた同じ位置で取得された断層画像に設定されている断層血管位置情報を用いるようにしても良い。
図14は、血流情報格納部13に格納されている血流情報管理情報を示す図である。血流情報管理情報は、「被検者ID」と、「血流情報群ID」と、「タイムコード」と、「血管ID」と、「血流情報」という項目を有している。ここでは、一の血流情報群に含まれる血流情報は、一のファイルを構成しており、「血流情報群ID」はこのファイル名であるとする。一の「血流情報群ID」と対応付けられた血流情報群は、ここでは、一の被検者の一の眼底の一の血管について一の期間内に取得された複数の血流情報で構成されるものとする。ここでは、「血流得情報群ID」と「タイムコード」との組合せを、血流情報の識別情報として用いる場合を例に挙げて説明する。なお、被検者識別情報も、血流情報の識別情報の一部と考えても良い。「血流情報」は、血流情報であり、ここでは一例として、血液の流速であるとする。なお、値sp(pは任意の整数)は、血液の流速を示す任意の値であるとする。
例えば、ユーザが、画像表示装置1の図示しない受付部等に対して、「被検者ID」が「P10001」に対応する画像を表示する操作等を行ったとする。
表示部22は、図6に示した生体管理情報の、「被検者ID」が「P10001」に対応するレコード(行)のうちの、「タイムコード」が最も早い時刻を示すレコードから順番に、生体画像を読み出して、予め指定されているフレームレートで順次表示する。具体的には、「タイムコード」が「t1」であるレコードから順番に生体画像を読み出して表示する。予め指定されているフレームレートはデフォルトのフレームレートであっても良いし、生体画像等に対応付けられているフレームレートであっても良い。ここでの表示は、図示しないモニタへの表示であるとする。
また、表示部22は、図9に示した断層管理情報の、「被検者ID」が「P10001」に対応するレコード(行)から、一の「断層画像群ID」の値、ここでは一例として「D01」を取得し、断層管理情報の「被検者ID」が「P10001」であって、「断層画像群ID」が「D01」であるにレコードから、上記で最初に表示される生体画像に対応する「タイムコード」の値である「t1」と「タイムコード」の値が同じであるレコードから順番に、断層画像を読み出して、生体画像と同じフレームレートで順次表示する。一の「断層画像群ID」はどのように決定してもよい。例えば、「断層画像群ID」のうちの、数字の部分の値が最も小さい「断層画像群ID」を選択してもよいし、ユーザにより指定された「断層画像群ID」を用いるようにしてもよい。ここでの表示は、図示しないモニタへの表示であるとする。
表示部22は、「断層画像群ID」が「D01」であって、対応する「タイムコード」の値が「t1」である断層画像を表示する際に、この「断層画像群ID」と「タイムコード」とに対応づけられた「血管ID」の値を、図10に示した断層管理情報から取得する。ここでは、「v01」と「v02」とが取得される。そして、図12に示した位相血管管理情報の、「被検者ID」が「P10001」であって、「タイムコード」の値が「t1」であるレコード(行)から、「位相画像群ID」ごとに順次、「血管ID」を全て取得し、取得した「血管ID」が上記で取得した「v01」と「v02」とに一致するか否かを判断する。この処理を、両者に一致するものが検出されるまで行う。そして、一致するものが検出された時点の「位相画像群ID」を取得する。ここでは、「位相画像群ID」の値が「F01」であって、「被検者ID」が「P10001」であり、「タイムコード」の値が「2012/03/12_10:24:12.01」であるレコード「F01」を取得する。
そして、表示部22は、位相管理情報のレコードから、「位相画像群ID」が「F01」である位相画像を、「タイムコード」が「t1」であるレコードから順番に順次取得して、断層画像と同じフレームレートで表示する。
これにより、生体画像と、断層画像と、位相画像とが同期されて表示される。
また、表示部22は、上記で断層画像について取得した「血管ID」である「v01」と「v02」とのいずれか一方を選択する。いずれを選択するかはどのように決定してもよく、ここでは、例えば、「血管ID」に含まれる数字の番号が小さいもの、具体的には「v01」を選択したとする。表示部22は、表示しようとする断層画像に対応付けられた「タイムコード」の値を順次取得し、取得したタイムコードを中心として、前後に1秒をそれぞれ加算した期間を取得し、図14に示した血流情報管理情報のうちの「被検者ID」の値が「P10001」であって、「血管ID」の値が上記で決定した「v01」であるレコードから、この取得した期間内の時刻を示す「タイムコード」を有するレコードを検出し、検出したレコードに含まれる「血流情報」と「タイムコード」の値の組を取得し、この組を用いて、第一の軸(例えば、横軸)を「タイムコード」が示す時刻とし、第二の軸(例えば、縦軸)を「血流情報」が示す血液の流速としたグラフを血流画像として生成し、表示する。ここでの表示は、図示しないモニタへの表示であるとする。また、表示しようとする断層画像に対応付けられた「タイムコード」が示す位置には、ここでは、第一の軸に垂直な直線を示す画像を配置するものとする。
図15は、表示部22による生体画像と、断層画像と,位相画像と、血流画像との表示例を示す図である。ここでは、説明の便宜上、表示開始直後ではなく、表示開始から、任意の時間が経過した時点の時刻である時刻「t100」での画像の表示例を示している。図において、生体画像151と、断層画像152と、位相画像153と、血流画像154とは、画面内に重ならないよう並べて表示されている。
ここで、例えば、ユーザが、断層画像152に隣接して配置されている画像変更ボタン155上にポインタ181を移動させてクリックすると、変更操作受付部18は、図10に示した断層血管管理情報のレコードのうちの、被検者IDが「P10001」であって、「タイムコード」の値が、表示中の断層画像に対応する「タイムコード」と一致するレコードの中から、上記で取得したような表示されている断層画像に対応する「血管ID」である「v01」および「v02」以外の「血管ID」を取得し、そのリストを生成する。このとき、重複するものはいわゆるユニーク処理を行って、一つを残して削除する。そして、作成したリスト167を、画像変更ボタン155の下方に表示する。なお、このリストの情報は、断層画像を表示する際に予め取得しておくようにしてもよい。
図16は、「血管ID」のリストの表示の一例を示す図である。
ユーザが、マウス等を操作して図16のリストから、「v03」を選択したとすると、変更操作受付部18は、表示対象となる断層画像を、血管ID「v03」に対応した断層画像に変更する変更操作を受け付ける。表示部22は、この変更操作に応じて断層画像の表示を変更するとともに、他の位相画像および血流画像についても、断層画像に対して行われる変更と同じ変更を行う。即ち、血管ID「v03」に対応した位相画像および血流画像が表示されるよう、表示の変更を行う。
具体的には、表示部22は、断層血管管理情報から、「タイムコード」の値が、現在表示されている断面画像のタイムコードの値と一致し、「血管ID」が「v03」であるレコードから、「断層画像群ID」の値を取得する。そして、図9に示した断層管理情報から、取得した「断層画像群ID」と現在表示されている断面画像のタイムコードの値とに対応づけられた「断層画像」を読み出し、直前に表示されていた断層画像の代わりに表示する。例えば、直前に表示されていた断層画像を上書きする。その後は、この断層画像が対応付けられたタイムコード以降のタイムコードと対応付けられた同じ断層画像群の断層画像を順次表示する。なお、現在表示されている断面画像のタイムコードの代わりに、次に表示しようとする断面画像のタイムコードを用いるようにしても良い。
表示部22は、位相画像に関しても、同様に、位相血管管理情報から、「タイムコード」の値が、現在表示されている位相画像のタイムコードの値と一致し、「血管ID」が「v03」であるレコードから、「位相画像群ID」の値を取得する。そして、図12に示した位相管理情報から、取得した「位相画像群ID」と現在表示されている位相画像のタイムコードの値とに対応づけられた「位相画像」を読み出し、直前に表示されていた位相画像の代わりに表示する。例えば、直前に表示されていた位相画像を上書きする。その後は、この位相画像が対応付けられたタイムコード以降のタイムコードと対応付けられた同じ位相画像群の位相画像を順次表示する。
また、血流画像に関しても、血流情報管理情報から、上述したような現在表示されている位相画像のタイムコードの値を含む期間内のタイムコードと、血管ID「v03」とに対応づけられた血流情報の組を取得し、血流画像を生成して、直前に表示されていた位相画像の代わりに表示する。その後は、表示部22は、表示しようとする断層画像(あるいは位相画像)に対応するタイムコードの値を順次取得し、このタイムコードを用いて上記と同様に順次血流画像を取得して表示する。
これにより、モニタには、血管IDが「v03」である血管が示された断層画像と、位相画像と、この血管に関する血流画像とが表示される。
図17は、表示変更後の、表示部22による生体画像と、断層画像と,位相画像と、血流画像との表示例を示す図である。これにより、表示内容に対応する血管を変更操作に応じて変更した画像をそれぞれ表示することができる。
また、同様に、位相画像153に隣接して配置されている画像変更ボタン156や、血流画像154に隣接して配置されている画像変更ボタン157を押した場合においても、押されたボタンに対応するそれぞれの画像に対応付けられている「血管ID」以外の「血管ID」のリストが表示され、「血管ID」が選択された場合に、選択された「血管ID」に対応する位相画像、断層画像、血流画像が表示されるよう上記と同様の処理が行われる。
また、図15に示した状態において、例えば、ユーザが、表示されている血流画像154のグラフ上の、現在の時刻を示す直線以外の箇所にポインタ181を移動させてクリックしたとする。
図18はユーザが、血流画像上をクリックしている状態を示す図である。
変更操作受付部18は、クリックされた箇所に対応する時刻の値(タイムコードの値)を、血流画像154の第一の軸である時刻の軸から取得する。例えば、取得した時刻の値が、「t88」であったとする。変更操作受付部18は、表示中の血流画像を、取得した時刻「t88」に対応した血流画像に変更する変更操作を受け付ける。表示部22は、この変更操作に応じて血流画像の表示を変更するとともに、他の断層画像および位相画像についても、血流画像に対して行われる変更と同じ変更を行う。即ち、時刻「t88」に対応した断層画像および位相画像が表示されるよう、表示の変更を行う。
表示部22は、上記と同様に、変更操作受付部18が取得した時刻「t88」を中心として、前後に1秒をそれぞれ加算した期間を取得し、図14に示した血流情報管理情報のうちの「被検者ID」の値が「P10001」であって、「血管ID」の値が、現在表示対象となっている血流情報に対応した値「v01」であるレコードから、この取得した期間内の時刻を示す「タイムコード」を有するレコードを検出し、検出したレコードに含まれる「血流情報」と「タイムコード」の値の組から、上記と同様に、血流画像として生成し、表示する。
また、表示部22は、図9に示した断層管理情報から、「被検者ID」の値が「P10001」と一致し、「断層画像群ID」の値が、表示対象となっている断層画像に対応する「断層画像群ID」の値である「D01」と一致し、「タイムコード」の値が、変更操作受付部18が取得した時刻「t88」と一致するレコード(行)に含まれる断層画像を表示し、この断層画像から、順番に、タイムコードに従って「断層画像群ID」の値が「D01」である断層画像群に含まれる断層画像の表示を行う。
また、表示部22は、図12に示した位相管理情報から、「被検者ID」の値が「P10001」と一致し、「位相画像群ID」の値が、表示対象となっている位相画像に対応する「位相画像群ID」の値である「F01」と一致し、「タイムコード」の値が、変更操作受付部18が取得した時刻「t88」と一致するレコード(行)に含まれる位相画像を表示し、この位相画像から、順番に、タイムコードに従って「位相画像群ID」の値が「D01」である位相画像群に含まれる位相画像の表示を行う。
また、表示部22は、図6に示した生体管理情報から、「被検者ID」の値が「P10001」と一致し、「生体画像群ID」の値が、表示対象となっている生体画像に対応する「生体画像群ID」の値である「E01」と一致し、「タイムコード」の値が、変更操作受付部18が取得した時刻「t88」と一致するレコード(行)に含まれる生体画像を表示し、この生体画像から、順番に、タイムコードに従って「生体画像群ID」の値が「E01」である生体画像群に含まれる生体画像の表示を行う。
このようにして血流画像に対して、時刻を変更する変更操作を行うことで、変更操作が示す時刻に応じた生体画像と、断層画像と、位相画像と、血流画像とをそれぞれ表示することができる。
なお、断層画像や位相画像に対して表示される画像の時刻を変更する操作を行った場合においても、それぞれの変更操作に応じた時刻を取得して、上記と同様の処理が行われる。なお、断層画像や位相画像に対する時刻を変更する操作は、例えば、動画像の再生時刻を示すスライダーバー(図示せず)等により受け付けるようにしても良い。
次に、図15に示した状態において、例えば、ユーザが、表示されている生体画像151上の一の血管上にポインタ181を移動させてクリックした場合について説明する。変更操作受付部18は、血管上の位置を指定する血管指定操作を受け付ける。この血管指定操作は、クリックされた位置を含む血管を指定する操作である。
図19は、ユーザが、生体画像上をクリックしている状態を示す図である。
変更操作受付部18は、血管指定操作を受け付けると、指定された位置(クリックされた位置)の座標を取得する。取得した座標は、例えば、(x33,y33)であったとする。変更操作受付部18は、図7に示した血管管理情報のうちの、「被検者ID」の値が「P10001」と一致し、かつ、「タイムコード」の値が、表示中の生体画像に対応する値「t100」と一致するレコード(行)の中から、「血管位置情報」が示す1以上の座標内に、上記で取得した座標(x33,y33)と一致する座標を有するレコードを検出する。そして、検出したレコードの「血管ID」の値を、血管指定操作が示す位置に対応する血管識別情報として取得する。ここでは、取得した「血管ID」の値が、例えば「v03」であったとする。
表示部22は、上述したような、図16に示したリストから、血管ID「v03」を選択した場合と同様の処理を行って、上記と同様に、血管ID「v03」に対応した断層画像および位相画像、即ち血管ID「v03」が示す血管が含まれる断層画像及び位相画像を表示する。また、上記と同様に、血管ID「v03」に対応した血流画像、即ち血管ID「v03」が示す血管についての血流情報を用いて作成した血流画像を表示する。このようにして表示される画像は、図17と同様のものとなる。
これにより、生体画像上でユーザが指定した血管に対応した断層画像、位相画像、血流画像を表示部22から表示させることができる。この場合、血管を指定すれば良く、断層画像が取得された箇所を指摘する必要がないため、ユーザは断層画像等を見たい血管における断層画像等を取得した箇所を探す必要はなく、断層画像等を見たい血管上であれば、どこでも指定することで、この血管に関する断層画像等を表示させることができるため、断層画像を撮影した箇所等を探す手間がなく、操作を容易にかつ直感的に行うことが可能となる。
次に、図15に示した状態において、例えば、ユーザが、表示の対象となっている断層画像および位相画像にフレームレートを変更する操作を行った場合について説明する。例えば、断層画像152のフレームレート変更ボタン160を、マウス等を操作してクリックし、変更後のフレームレートの値として、例えば、「15」fps(フレーム・パー・セコンド)等を入力したとする。変更操作受付部18は、この操作に応じたフレームレート変更操作として、フレームレートを「15」fpsに変更するフレームレート変更操作を受け付ける。
表示部22は、断層画像を表示するフレームレートを、現在のフレームレートから、「15」fpsに変更する。また、位相画像および生体画像についても同じフレームレートに変更する。そして、変更したフレームレートで断層画像と位相画像と生体画像とを順次表示する。
位相画像についてフレームレートを変更するフレームレート変更操作を行った場合についても同様である。
これにより、断層画像または位相画像のいずれかに一方に対してフレームレート変更操作を行った場合に、断層画像または位相画像のうちの変更操作の対象ではない方に対しても、フレームレートの変更を行うことができる。
また、図15に示したような状態において、位相画像の血管を指定する操作を行うためのボタンである血管指定ボタン等を選択したうえで、ユーザが位相画像153の一の血管上の領域を、マウスを操作してクリックしたとすると、変更操作受付部18は、位相画像上の血管の位置を指定する位相血管指定操作を受け付ける。この位相血管指定操作は、クリックされた位置を含む血管を指定する操作である。
変更操作受付部18は、位相血管指定操作を受け付けると、指定された位置(クリックされた位置)の座標を取得する。取得した座標は、例えば、(x122,y122)であったとする。変更操作受付部18は、図13に示した位相血管管理情報のうちの、「被検者ID」の値が「P10001」と一致し、かつ、「タイムコード」の値が、表示中となっている生体画像に対応する値「t100」と一致するレコード(行)の中から、「血管位置情報」が示す1以上の座標内に、上記で取得した座標(x122,y122)と一致する座標を有するレコードを検出する。そして、検出したレコードの「血管ID」の値を、位相血管指定操作で指定された位置に対応する血管識別情報として取得する。ここでは、取得した「血管ID」の値が、例えば「v02」であったとする。
表示部22は、図13に示した位相血管管理情報のレコードから、「断層画像群ID」と「タイムコード」との値が、それぞれ、表示中の断層画像に対応する「断層画像群ID」と「タイムコード」とに一致するレコードであって、「血管ID」の値が、上記で取得した値「v02」であるレコードを検出し、検出したレコードの「位相血管位置情報」の値を取得する。そして、表示中の断層画像の、この「位相血管位置情報」が示す領域上に、予め指定された色をオーバーレイして、断層画像上のこの領域を予め指定された色で着色する。この色は、断層画像の他の部分野色とは異なる色であることが好ましい。そして、表示部22は、このようにして予め指定された色を、「位相血管位置情報」が示す領域上にオーバーレイした断層画像を、表示中の断層画像に代えて表示する。例えば、オーバーレイした断層画像で直前に表示された断層画像を上書きする。
図20は、位相血管指定操作に対応した断層画像上の血管の領域を、他の領域とは異なる表示態様で表示した状態を示す図である。図において、斜線で示された領域165が、オーバーレイ表示された箇所であるとする。これにより、位相画像上の血管をマウス等で指定すると、断層画像上のこの血管に対応する位置を、他とは異なる表示態様で分かりやすく表示することができる。
また、変更操作受付部18が、位相血管指定操作を受け付け、上記と同様に血管ID「v02」を取得すると、表示部22は、図14に示した血流情報管理情報のレコードから、血流情報群ID」の値が、表示中の血流画像に対応する「血流情報群ID」であって、「タイムコード」の値が、表示中の血流画像に対応する血流情報を取得する期間と同じ期間内の値であるレコードであって、「血管ID」が「v02」である1以上のレコードを検出し、検出した1以上のレコードに含まれる「血流情報」の値と、「タイムコード」の値の組を取得し、この組を用いて血流画像を取得して、表示中の血流画像と置きかえて(例えば上書きして)表示する。これにより、位相画像上で指定された血管についての血流画像が表示されることとなる。
また、例えば、図15に示したような状態において、ユーザが、図示しないメニュー等を用いて、断層画像と位相画像とを重ね合わせて表示するための操作を行った場合に対徹せつ瞑する。変更操作受付部18は、位相画像と断層画像とを重ね合わせて表示する操作を受け付ける。そして、表示部22は、操作以降に表示される位相画像と断層画像とを、重ね合わせて表示する。重ね合わせて表示する際には、位相画像と断層画像とのそれぞれの内容が視覚等により同時に認識できるような形態で重ね合わせを行う。具体的には、表示部22は、少なくとも、一方の画像の上に重ねあわせる画像が透過するよう、透過率を調整した画像を重ね合わせる。あるいは、重ね合わせる画像をオーバーレイ表示となるように重ね合わせたり、重ね合わせる画像を、乗算モード等の下の画像が認識できるような合成モードで重ね合わせて表示する。重ね合わされる位相画像と断層画像とは、上述したように同期して表示されているため、重ねあわせた画像においても、位相画像と断層画像とは、同期したものとなる。
図21は、位相画像と断層画像を重ね合わせて表示した状態を示す図である。
また、このように、位相画像と断層画像とを重ねた場合において、この重ねた合わせた画像、または血流画像のいずれか一方に対する変更操作を、変更操作受付部18が受け付けた場合、表示部22は、変更操作の対象となった血流画像に変更操作に対応した変更を行い、更に、変更操作に対応する変更と同じ変更を、変更操作の対象とならなかった画像に対しても行う。
例えば、変更操作受付部18が、血流画像に対して、上記と同様に、時刻を変更する変更操作を受け付けた場合、表示部22は、血流画像については、上記と同様に、変更操作に応じて取得された時刻を中心とした期間の血流情報とタイムコードとを取得して、血流画像を取得して表示する。また、重ね合わせた画像については、上記と同様に変更操作に応じて取得された時刻に対応する断層画像と位相画像とを取得して、重ね合わせた画像を表示するようにすればよい。また、重ね合わせた画像に対して時刻を変更する変更操作を受け付けた場合においても同様である。つまり、変更操作に応じて変更された位相画像と断層画像と血流画像とを取得して、位相画像と断層画像とについては重ね合わせたものを表示するようにすればよい。ただし、この場合の変更操作は、重ねあわせた画像の一方に対する変更操作と考えて処理を行っても良いし、両方に対する変更操作と考えて処理をおこなってもよい。
また、血流画像に対して、グラフ表示の対象となる血管を変更する変更操作を行う場合についても、重ね合わせた画像に対して、画像内に表示される血管を変更する変更操作を行う場合についても同様である。つまり、変更操作に応じて変更された位相画像と断層画像と血流画像とを取得して、位相画像と断層画像とについては重ね合わせたものを表示するようにすればよい。
また、変更操作受付部18が、重ね合わせて表示している断層画像と位相画像とのいずれか一方に対するフレームレート変更操作を受け付けるようにし、フレームレート変更操作を受け付けた場合に、重ね合わせて表示する断層画像と位相画像とのそれぞれのフレームレートをフレームレート変更操作に対応するフレームレート(例えば、フレームレート変更操作が指定するフレームレート)に変更するようにしても良い。
また、図15に示すような状況において、例えば、ユーザが、静脈を指定するための操作を行うためのボタン211を押して、生体画像(眼底像)151上の血管のうちの静脈上の領域を指定する操作を行ったとする。例えば、静脈である血管上の領域上の一の地点を、マウスを操作してクリックしたとする。クリックしている状態は、ボタン211が押されている点をのぞけば、図19と同様である。
血管分類指定操作受付部19は、クリックされた座標を含む血管位置情報が示す領域に対応する血管を、静脈に指定する血管分類指定操作を受け付ける。クリックされた座標が、例えば、(x13,y13)であったとする。血管分類管理情報蓄積部21は、図7に示した血管管理情報において、「被検者ID」の値が「P10001」と一致し、「生体画像群ID」が「E01」と一致し、「タイムコード」の値が、表示中の生体画像に対応する時刻「t100」と一致するレコード(行)であって、「血管位置情報」の値の中に、血管分類指定操作受付部19が受け付けた血管分類指定操作が有する座標(x13,y13)と一致する座標を有するレコードを検出する。そして、血管分類管理情報蓄積部21は、検出したレコードの「血管ID」の値を、静脈である血管を示す「血管ID」として取得する。ここでは、例えば、「v01」が静脈である血管を示す「血管ID」として取得されたとする。血管分類管理情報蓄積部21は、取得した「血管ID」と、静脈であることを示す血管分類情報と、「被検者ID」である「P10001」とを有する血管分類管理情報を、血管分類管理情報格納部20に蓄積する。
次に、ユーザが動脈を指定するための操作を行うためのボタン212等を選択して、生体画像151上の血管のうちの動脈上の領域の一の地点を、マウスを操作してクリックしたとすると、血管分類指定操作受付部19は、クリックされた座標を含む血管位置情報が示す領域に対応する血管を、動脈に指定する血管分類指定操作を受け付ける。クリックされた座標が、例えば、(x22,y22)であったとする。血管分類管理情報蓄積部21は、図7に示した血管管理情報において、「被検者ID」の値が「P10001」と一致し、「タイムコード」の値が、現在表示されている生体画像に対応する時刻「t100」と一致するレコード(行)であって、「血管位置情報」の値の中に、血管分類指定操作受付部19が受け付けた血管分類指定操作が有する座標(x22,y22)と一致する座標を有するレコードを検出する。そして、血管分類管理情報蓄積部21は、検出したレコードの「血管ID」の値を、動脈である血管を示す「血管ID」として取得する。ここでは、例えば、「v02」が静脈である血管を示す「血管ID」として取得されたとする。血管分類管理情報蓄積部21は、取得した「血管ID」と、動脈であることを示す血管分類情報と、「被検者ID」である「P10001」とを有する血管分類管理情報を、血管分類管理情報格納部20に蓄積する。
図22は、血管分類管理情報格納部20に格納された血管分類管理情報の一例を示す図である。ここでは、一例として、既に他の血管分類管理情報が、血管分類管理情報格納部20に既に格納されている場合を示している。血管分類管理情報は、「被検者ID」と、「血管ID」と、「血管分類情報」とを有している。「血管分類情報」は、血管分類情報であり、ここでは、血管が静脈である場合は値が「静脈」であり、血管が動脈である場合は値が「動脈」であるとする。
次に、ユーザが、図示しないメニュー等を操作して、血管分類管理情報格納部20に格納されている血管分類管理情報を、現在表示されている位相画像に反映させるための操作を行ったとする。この操作を、変更操作受付部18が受け付けると、表示部22は、現在表示されている断層画像に対応する「血管ID」の値を、図13に示した位相血管管理情報から読み出す。具体的には、「被検者ID」の値が「P10001」と一致し、「断層画像群ID」の値が「F01」と一致し、「タイムコード」の値が、現在表示されている生体画像に対応する時刻「t100」と一致するレコードの「血管ID」の値である「v01」と「v02」とを読み出し、図22に示した血管分類管理情報において、「血管ID」の値がこれらのいずれかに一致するレコードを検出し、検出したレコードの「血管分類情報」の値と「血管ID」の値との組を取得する。ここでは、血管ID「v01」と血管分類情報「静脈」との第一の組と、血管ID「v02」と血管分類情報「動脈」との第二の組とが取得されたとする。
表示部22は、図13に示した位相血管管理情報の、現在表示されている位相画像に対応するレコードのうちの、「血管ID」の値が、上記で取得した第一の組の「血管ID」の値である「v01」と一致するレコードを検出し、検出したレコードの「位相血管位置情報」の値を取得する。そして、現在表示されている位相画像におけるこの「位相血管位置情報」が示す領域(即ち、血管ID「v01」が示す血管上の領域)を、上記で取得した第一の組の「血管分類情報」の値である「静脈」に対応付けて予め指定されていた表示態様に変更する。例えば、予め指定された色を、この領域上にオーバーレイ表示する。
また、表示部22は、図13に示した位相血管管理情報の、現在表示されている位相画像に対応するレコードのうちの、「血管ID」の値が、上記で取得した第二の組の「血管ID」の値である「v02」と一致するレコードを検出し、検出したレコードの「位相血管位置情報」の値を取得する。そして、現在表示されている位相画像におけるこの「位相血管位置情報」が示す領域(即ち、血管ID「v02」が示す血管上の領域)を、上記で取得した第二の組の「血管分類情報」の値である「動脈」に対応付けて予め指定されていた表示態様に変更する。例えば、予め指定された色を、この領域上にオーバーレイ表示する。このとき、血管分類情報「静脈」と血管分類情報「動脈」との表示態様が識別可能な表示態様となるよう、表示態様を指定する情報を、血管分類情報ごとに対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積しておく。例えば、血管分類情報「静脈」と、オーバーレイ色「赤」とを対応付けた情報と、血管分類情報「動脈」と、オーバーレイ色「青」とを対応付けた情報とを予め蓄積しておくようにする。そして、表示部22は、この情報を用いて、上記の血管ID「v01」に対応する領域上は、青色をオーバーレイ表示し、上記の血管ID「v02」に対応する領域上は、赤色をオーバーレイ表示する。
図23は、血管分類管理情報を位相画像に反映させて表示した場合の一例を示す図である。図において、領域231は、血管ID「v01」に対応する領域であり、領域232は、血管ID「v02」に対応する領域である。このような表示によって、位相画像の静脈部分と、動脈部分を明確に示すことが可能となる。また、静脈、動脈の指定は、眼底像等の生体画像から指定できるため、判断がしやすく、操作性に優れている。
なお、ここでは、血管分類管理情報を位相画像に反映させた場合について説明したが、血管分類管理情報を断層画像に反映させるようにしても良い。この場合、位相画像に関して利用した情報を、全て、断層画像に対応する情報に置きかえて利用するようにすればよい。
また、ここでは、ユーザの操作に応じて、血管分類管理情報を位相画像に反映させるようにしたが、デフォルトで、血管分類管理情報を位相画像に反映させるようにして、血管分類指定操作を受け付けるごとに、対応する血管を含む位相画像の表示を変更するようにしても良い。
なお、この具体例においては、血管識別情報が異なる断層画像や位相画像を表示する際に、表示中の断層画像と位相画像と同じ時刻と対応付けられた血管識別情報が異なる断層画像や位相画像を表示する場合について説明したが、表示中の断層画像と位相画像との次に表示される断層画像と位相画像とに対応付けられた時刻と対応する血管識別情報が異なる断層画像や位相画像を表示するようにしても良い。このことや、例えば、断層画像や位相画像の血管上の領域を他の部分と異なる表示態様とした断層画像や位相画像を表示する場合においても同様である。
以上、本実施の形態によれば、表示部22が、生体における同一箇所に関して取得された断層画像、位相画像、および血流画像を表示し、断層画像、位相画像、および血流画像のいずれか1つに対して表示を変更する変更操作を受け付けた場合に、変更操作の対象となった画像について、変更操作に応じた表示変更を行うとともに、他の画像についても、この変更操作に対応する変更操作と同じ変更を行うようにしたことにより、変更操作が行われても複数の画像間の対応がとれるため、生体における同一箇所に関して取得された複数の画像に対して、適切な表示の変更を行うことができる。
また、生体における同一箇所に関して取得された断層画像と位相画像とを重ねて表示するため、断層画像と位相画像との対応する箇所の比較を、非常に正確かつ容易に行うことが可能となる。
また、生体画像において、血管が静脈であるか動脈であるかを指定すると、その指定を、位相画像の血管が表示されている領域の表示態様として反映させることができるため、個別の画像に対してそれぞれ血管の分類を指定する必要がなく、操作を簡略化することができる。
なお、本実施の形態においては、位相画像が、断層画像、もしくは断層画像を取得するために利用される情報と同じ情報を用いて作成される場合のように、位相画像と、断層画像との位置に関する対応がとれている場合について説明したが、位相画像と断層画像との間に位置に関する対応がとれていない場合、表示部は、重ね合わせる位相画像と断層画像とにそれぞれ対応する位相血管位置情報が示す領域と断層血管位置情報が示す領域とが同じ高さまたは幅で重なりあうよう、位相画像と断層画像との少なくとも一方の画像サイズを変更して、これらの画像を重ね合わせるようにしても良い。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(情報送信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態では、画像表示装置がスタンドアロンである場合について説明したが、画像表示装置は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、表示部や受付部は、通信回線を介して入力を受け付けたり、画面を表示したりすることになる。
なお、上記各実施の形態における画像表示装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、時刻と対応付けられた画像であって、生体における、少なくとも1つの血管と交わる断面を示す断層画像を複数備えた断層画像群が格納される断層画像格納部と、時刻と対応付けられた画像であって、生体における、少なくとも1つの血管と交わる断面における位相差の時系列変化を示す画像である位相画像を複数備えた位相画像群が格納される位相画像格納部と、生体内の血管における血液の流れに関する情報であって、時刻と対応付けられた情報である血流情報を複数備えた血流情報群が格納される血流情報格納部と、にアクセス可能なコンピュータを、断層画像群に含まれる断層画像と、位相画像群に含まれる位相画像とを、断層画像と位相画像とに対応付けられた時刻を用いて同期させて表示し、かつ、血流情報群に含まれる血流情報のうちの、表示中の断層画像と位相画像とに対応付けられた時刻を含む期間内の時刻と対応付けられた複数の血流情報を示す画像である血流画像を表示する表示部と、表示部が表示する断層画像、位相画像、および血流画像のいずれか1つに対して、表示を変更する操作である変更操作を受け付ける変更操作受付部として機能させるためのプログラムであって、表示部は、変更操作に対応する変更と同じ変更を、表示部が表示する断層画像、位相画像、および血流画像に対して行うプログラムである。
また、このプログラムは、時刻と対応付けられた画像であって、生体における、少なくとも1つの血管と交わる断面を示す断層画像を複数備えた断層画像群が格納される断層画像格納部と、時刻と対応付けられた画像であって、生体における、少なくとも1つの血管と交わる断面における位相差の時系列変化を示す画像である位相画像を複数備えた位相画像群が格納される位相画像格納部と、にアクセス可能なコンピュータを、断層画像群に含まれる断層画像と、位相画像群に含まれる位相画像とを、断層画像と位相画像とに対応付けられた時刻を用いて同期させ、重ね合わせて表示する表示部として機能させるためのプログラムである。
また、このプログラムは、生体を撮影した画像である生体画像が格納される生体画像格納部と、生体画像における1以上の血管の位置を示す情報である血管位置情報と、血管に対応する血管識別情報とを含む血管管理情報が格納される血管管理情報格納部と、時刻と対応付けられた画像であって、生体における、少なくとも1つの血管と交わる断面における位相差の時系列変化を示す画像である位相画像を複数備えた位相画像群と、位相画像群に対応する断面と交わる1以上の血管の血管識別情報とを含む位相管理情報が格納される位相画像格納部と、位相画像内における血管の位置を示す情報である位相血管位置情報と、血管の血管識別情報と、を含む位相血管管理情報が格納される位相血管管理情報格納部と、血管識別情報と、血管が静脈であるか、動脈であるかを示す情報である血管分類情報とを含む血管分類管理情報が格納される血管分類管理情報格納部と、にアクセス可能なコンピュータを、生体画像と、一の血管識別情報と対応付けられた位相画像群に含まれる位相画像とを表示する表示部と、表示部が表示する生体画像における静脈または動脈の位置を指定する操作である血管分類指定操作を受け付ける血管分類指定操作受付部と、血管指定操作が指定する位置に対応する血管識別情報を血管管理情報から取得し、血管識別情報と、血管指定操作が示す血管が静脈であるか動脈であるかを指定する血管分類情報とを含む血管分類管理情報を、血管分類管理情報格納部に蓄積する血管分類管理情報蓄積部として機能させるためのプログラムであって、表示部は、位相血管管理情報から、表示部が表示する位相画像に対応する血管識別情報と位相血管位置情報とを取得し、血管識別情報に対応する血管分類情報を血管分類管理情報から取得し、位相画像の血管識別情報に対応する位相血管位置情報が示す位置を、他の位置とは異なる表示態様であって、位相血管位置情報に対応する血管分類情報が動脈であることを示す情報であるか、静脈であることを示す情報であるかによって異なる表示態様で表示するプログラムである。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を表示する表示部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
図24は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による画像表示装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図24において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
図25は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図25において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による画像表示装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による画像表示装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、上記実施の形態において用いられる断層画像や、位相画像、血流情報、断層血管管理情報、位相血管管理情報等を取得する処理の一例について説明する。例えば、この実施の形態において取得されるこれらの画像や情報が、例えば、断層画像格納部12や、位相画像格納部13、血流情報格納部14等に蓄積される。
この実施の形態においては、OCTを用いて生体における断層像や3次元画像を形成する光画像計測装置について説明する。この光画像計測装置1000と上記実施の形態1の画像表示装置との組み合わせを、例えば、計測システムと考えるようにしてもよい。なお、この明細書では、OCTによって取得される画像をOCT画像と総称することがある。また、OCT画像を形成するための計測動作をOCT計測と呼ぶことがある。なお、この明細書に記載された文献の記載内容を、以下の実施形態の内容として適宜援用することが可能である。
以下の実施形態では、生体における計測対象を被検眼(眼底)とし、フーリエドメインタイプのOCTを適用して眼底のOCT計測を行う眼底観察装置について説明する。特に、実施形態に係る眼底観察装置は、特許文献5に開示された装置と同様に、スペクトラルドメインOCTの手法を用いて眼底のOCT画像及び眼底像の双方を取得可能である。なお、スペクトラルドメイン以外のタイプ、たとえばスウェプトソースOCTの手法を用いる光画像計測装置に対して、この発明に係る構成を適用することも可能である。また、この実施形態ではOCT装置と眼底カメラとを組み合わせた装置について説明するが、眼底カメラ以外の眼底撮影装置、たとえばSLO(Scanning Laser Ophthalmoscope)、スリットランプ、眼科手術用顕微鏡などに、この実施形態に係る構成を有するOCT装置を組み合わせることも可能である。また、この実施形態に係る構成を、単体のOCT装置に組み込むことも可能である。また、眼底以外の生体部位を計測するOCT装置に、この実施形態の構成を適用することもできる。このような生体部位は、血流状態の検査対象となる任意の部位である。
[構成]
図26に示すように、眼底観察装置1000は、眼底カメラユニット2000、OCTユニット100及び演算制御ユニット200を含んで構成される。眼底カメラユニット2000は、従来の眼底カメラとほぼ同様の光学系を有する。OCTユニット100には、眼底のOCT画像を取得するための光学系が設けられている。演算制御ユニット200は、各種の演算処理や制御処理等を実行するコンピュータを具備している。
〔眼底カメラユニット〕
図26に示す眼底カメラユニット2000には、被検眼Eの眼底Efの表面形態を表す2次元画像(眼底像)を取得するための光学系が設けられている。眼底像には、観察画像や撮影画像などが含まれる。観察画像は、たとえば、近赤外光を用いて所定のフレームレートで形成されるモノクロの動画像である。撮影画像は、たとえば、可視光をフラッシュ発光して得られるカラー画像、又は近赤外光若しくは可視光を照明光として用いたモノクロの静止画像であってもよい。眼底カメラユニット2000は、これら以外の画像、たとえばフルオレセイン蛍光画像やインドシアニングリーン蛍光画像や自発蛍光画像などを取得可能に構成されていてもよい。なお、眼底カメラユニット2000が取得した眼底像の画像データを、上記実施の形態1の生体画像として利用可能である。例えば、眼底カメラユニット2000が、取得した眼底像を、生体画像格納部14に蓄積するようにしてもよい。
眼底カメラユニット2000には、被検者の顔を支持するための顎受けや額当てが設けられている。更に、眼底カメラユニット2000には、照明光学系10と撮影光学系30が設けられている。照明光学系10は眼底Efに照明光を照射する。撮影光学系30は、この照明光の眼底反射光を撮像装置(CCDイメージセンサ(単にCCDと呼ぶことがある)35、38。)に導く。また、撮影光学系30は、OCTユニット100からの信号光を眼底Efに導くとともに、眼底Efを経由した信号光をOCTユニット100に導く。
照明光学系10の観察光源11は、たとえばハロゲンランプにより構成される。観察光源11から出力された光(観察照明光)は、曲面状の反射面を有する反射ミラー12により反射され、集光レンズ13を経由し、可視カットフィルタ14を透過して近赤外光となる。更に、観察照明光は、撮影光源15の近傍にて一旦集束し、ミラー16により反射され、リレーレンズ17、18、絞り19及びリレーレンズ20を経由する。そして、観察照明光は、孔開きミラー21の周辺部(孔部の周囲の領域)にて反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efを照明する。なお、観察光源としてLED(Light Emitting Diode)を用いることも可能である。
観察照明光の眼底反射光は、対物レンズ22により屈折され、ダイクロイックミラー46を透過し、孔開きミラー21の中心領域に形成された孔部を通過し、ダイクロイックミラー55を透過し、合焦レンズ31を経由し、ミラー32により反射される。更に、この眼底反射光は、ハーフミラー40を透過し、ダイクロイックミラー33により反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に結像される。CCDイメージセンサ35は、たとえば所定のフレームレートで眼底反射光を検出する。表示装置3には、CCDイメージセンサ35により検出された眼底反射光に基づく画像(観察画像)が表示される。なお、撮影光学系のピントが前眼部に合わせられている場合、被検眼Eの前眼部の観察画像が表示される。
撮影光源15は、たとえばキセノンランプにより構成される。撮影光源15から出力された光(撮影照明光)は、観察照明光と同様の経路を通って眼底Efに照射される。撮影照明光の眼底反射光は、観察照明光のそれと同様の経路を通ってダイクロイックミラー33まで導かれ、ダイクロイックミラー33を透過し、ミラー36により反射され、集光レンズ37によりCCDイメージセンサ38の受光面に結像される。表示装置3には、CCDイメージセンサ38により検出された眼底反射光に基づく画像(撮影画像)が表示される。なお、観察画像を表示する表示装置3と撮影画像を表示する表示装置3は、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、被検眼Eを赤外光で照明して同様の撮影を行う場合には、赤外の撮影画像が表示される。また、撮影光源としてLEDを用いることも可能である。
LCD(Liquid Crystal Display)39は、固視標や視力測定用指標を表示する。固視標は被検眼Eを固視させるための指標であり、眼底撮影時やOCT計測時などに使用される。
LCD39から出力された光は、その一部がハーフミラー40にて反射され、ミラー32に反射され、合焦レンズ31及びダイクロイックミラー55を経由し、孔開きミラー21の孔部を通過し、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投影される。
LCD39の画面上における固視標の表示位置を変更することにより、被検眼Eの固視位置を変更できる。被検眼Eの固視位置としては、たとえば従来の眼底カメラと同様に、眼底Efの黄斑部を中心とする画像を取得するための位置や、視神経乳頭を中心とする画
像を取得するための位置や、黄斑部と視神経乳頭との間の眼底中心を中心とする画像を取得するための位置などがある。また、固視標の表示位置を任意に変更することも可能である。
更に、眼底カメラユニット2000には、従来の眼底カメラと同様にアライメント光学系50とフォーカス光学系60が設けられている。アライメント光学系50は、被検眼Eに対する装置光学系の位置合わせ(アライメント)を行うための指標(アライメント指標)を生成する。フォーカス光学系60は、眼底Efに対してフォーカス(ピント)を合わせるための指標(スプリット指標)を生成する。
アライメント光学系50のLED51から出力された光(アライメント光)は、絞り52、53及びリレーレンズ54を経由してダイクロイックミラー55により反射され、孔開きミラー21の孔部を通過し、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により被検眼Eの角膜に投影される。
アライメント光の角膜反射光は、対物レンズ22、ダイクロイックミラー46及び上記孔部を経由し、その一部がダイクロイックミラー55を透過し、合焦レンズ31を通過し、ミラー32により反射され、ハーフミラー40を透過し、ダイクロイックミラー33に反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に投影される。CCDイメージセンサ35による受光像(アライメント指標)は、観察画像とともに表示装置3に表示される。ユーザは、従来の眼底カメラと同様の操作を行ってアライメントを実施する。また、演算制御ユニット200がアライメント指標の位置を解析して光学系を移動させることによりアライメントを行ってもよい(オートアライメント機能)。
フォーカス調整を行う際には、照明光学系10の光路上に反射棒67の反射面が斜設される。フォーカス光学系60のLED61から出力された光(フォーカス光)は、リレーレンズ62を通過し、スプリット指標板63により2つの光束に分離され、二孔絞り64を通過し、ミラー65に反射され、集光レンズ66により反射棒67の反射面に一旦結像されて反射される。更に、フォーカス光は、リレーレンズ20を経由し、孔開きミラー21に反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投影される。
フォーカス光の眼底反射光は、アライメント光の角膜反射光と同様の経路を通ってCCDイメージセンサ35により検出される。CCDイメージセンサ35による受光像(スプリット指標)は、観察画像とともに表示装置3に表示される。演算制御ユニット200は、従来と同様に、スプリット指標の位置を解析して合焦レンズ31及びフォーカス光学系60を移動させてピント合わせを行う(オートフォーカス機能)。また、スプリット指標を視認しつつ手動でピント合わせを行ってもよい。
ダイクロイックミラー46は、眼底撮影用の光路からOCT計測用の光路を分岐させている。つまり、眼底撮影用の光路とOCT計測用の光路はダイクロイックミラー46により同軸に構成され、ダイクロイックミラー46よりも被検眼E側の光路を共有している。ダイクロイックミラー46は、OCT計測に用いられる波長帯の光を反射し、眼底撮影用の光を透過させる。このOCT計測用の光路には、OCTユニット100側から順に、コリメータレンズユニット40と、光路長変更部41と、ガルバノスキャナ42と、合焦レンズ43と、ミラー44と、リレーレンズ45とが設けられている。
光路長変更部41は、図26に示す矢印の方向に移動可能とされ、OCT計測用の光路の長さを変更する。この光路長の変更は、被検眼Eの眼軸長に応じた光路長の補正や、干渉状態の調整などに利用される。光路長変更部41は、たとえばコーナーキューブと、これを移動する機構とを含んで構成される。
ガルバノスキャナ42は、OCT計測用の光路を通過する光(信号光LS)の進行方向を変更する。それにより、眼底Efを信号光LSで走査することができる。ガルバノスキャナ42は、たとえば、信号光LSをx方向に走査するガルバノミラーと、y方向に走査するガルバノミラーと、これらを独立に駆動する機構とを含んで構成される。それにより、信号光LSをxy平面上の任意の方向に走査することができる。ガルバノスキャナ42は「走査部」の一例である。
〔OCTユニット〕
図27を参照しつつOCTユニット100の構成の一例を説明する。OCTユニット100には、眼底EfのOCT画像を取得するための光学系が設けられている。この光学系は、従来のスペクトラルドメインタイプのOCT装置と同様の構成を有する。すなわち、この光学系は、低コヒーレンス光を参照光と信号光に分割し、眼底Efを経由した信号光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル成分を検出するように構成されている。この検出結果(検出信号)は演算制御ユニット200に送られる。
なお、スウェプトソースタイプのOCT装置の場合には、低コヒーレンス光源を出力する光源の代わりに波長掃引光源が設けられるとともに、干渉光をスペクトル分解する光学部材が設けられない。一般に、OCTユニット100の構成については、光コヒーレンストモグラフィのタイプに応じた公知の技術を任意に適用することができる。
光源ユニット101は広帯域の低コヒーレンス光L0を出力する。低コヒーレンス光L0は、たとえば、近赤外領域の波長帯(約800nm〜900nm程度)を含み、数十マイクロメートル程度の時間的コヒーレンス長を有する。なお、人眼では視認できない波長帯、たとえば1040〜1060nm程度の中心波長を有する近赤外光を低コヒーレンス光L0として用いてもよい。
光源ユニット101は、スーパールミネセントダイオード(Super Luminescent Diode:SLD)や、LEDや、SOA(Semiconductor
Optical Amplifier)等の光出力デバイスを含んで構成される。
光源ユニット101から出力された低コヒーレンス光L0は、光ファイバ102によりファイバカプラ103に導かれて信号光LSと参照光LRに分割される。
参照光LRは、光ファイバ104により導かれて光減衰器(アッテネータ)105に到達する。光減衰器105は、公知の技術を用いて、演算制御ユニット200の制御の下、光ファイバ104に導かれる参照光LRの光量を自動で調整する。光減衰器105により光量が調整された参照光LRは、光ファイバ104により導かれて偏波調整器(偏波コントローラ)106に到達する。偏波調整器106は、たとえば、ループ状にされた光ファイバ104に対して外部から応力を与えることで、光ファイバ104内を導かれる参照光LRの偏光状態を調整する装置である。なお、偏波調整器106の構成はこれに限定されるものではなく、任意の公知技術を用いることが可能である。偏波調整器106により偏光状態が調整された参照光LRは、ファイバカプラ109に到達する。
ファイバカプラ103により生成された信号光LSは、光ファイバ107により導かれ、コリメータレンズユニット105により平行光束とされる。更に、信号光LSは、光路長変更部41、ガルバノスキャナ42、合焦レンズ43、ミラー44、及びリレーレンズ45を経由してダイクロイックミラー46に到達する。そして、信号光LSは、ダイクロ
イックミラー46により反射され、対物レンズ11により屈折されて眼底Efに照射される。信号光LSは、眼底Efの様々な深さ位置において散乱(反射を含む)される。眼底Efによる信号光LSの後方散乱光は、往路と同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ103に導かれ、光ファイバ108を経由してファイバカプラ109に到達する。
ファイバカプラ109は、信号光LSの後方散乱光と、ファイバカプラ104を経由した参照光LRとを干渉させる。これにより生成された干渉光LCは、光ファイバ110により導かれて出射端111から出射される。更に、干渉光LCは、コリメータレンズ112により平行光束とされ、回折格子113により分光(スペクトル分解)され、集光レンズ114により集光されてCCDイメージセンサ115の受光面に投影される。なお、図27に示す回折格子118は透過型であるが、たとえば反射型の回折格子など、他の形態の分光素子を用いることも可能である。
CCDイメージセンサ115は、たとえばラインセンサであり、分光された干渉光LCの各スペクトル成分を検出して電荷に変換する。CCDイメージセンサ115は、この電荷を蓄積して検出信号を生成し、これを演算制御ユニット200に送る。
この実施形態ではマイケルソン型の干渉計を採用しているが、たとえばマッハツェンダー型など任意のタイプの干渉計を適宜に採用することが可能である。また、CCDイメージセンサに代えて、他の形態のイメージセンサ、たとえばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いることが可能である。
〔演算制御ユニット〕
演算制御ユニット200の構成について説明する。演算制御ユニット200は、CCDイメージセンサ115から入力される検出信号を解析して眼底EfのOCT画像を形成する。そのための演算処理は、従来のスペクトラルドメインタイプのOCT装置と同様である。
また、演算制御ユニット200は、眼底カメラユニット2000、表示装置3及びOCTユニット100の各部を制御する。たとえば演算制御ユニット200は、眼底EfのOCT画像を表示装置3に表示させる。
また、眼底カメラユニット2000の制御として、演算制御ユニット200は、観察光源11、撮影光源15及びLED51、61の動作制御、LCD39の動作制御、合焦レンズ31、43の移動制御、反射棒67の移動制御、フォーカス光学系60の移動制御、光路長変更部41の移動制御、ガルバノスキャナ42の動作制御などを行う。
また、OCTユニット100の制御として、演算制御ユニット200は、光源ユニット101の動作制御、光減衰器105の動作制御、偏波調整器106の動作制御、CCDイメージセンサ120の動作制御などを行う。
演算制御ユニット200は、たとえば、従来のコンピュータと同様に、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、眼底観察装置1000を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。演算制御ユニット200は、各種の回路基板、たとえばOCT画像を形成するための回路基板を備えていてもよい。また、演算制御ユニット200は、キーボードやマウス等の操作デバイス(入力デバイス)や、LCD等の表示デバイスを備えていてもよい。
眼底カメラユニット2000、表示装置3、OCTユニット100及び演算制御ユニット200は、一体的に(つまり単一の筺体内に)構成されていてもよいし、2つ以上の筐体に別れて構成されていてもよい。
〔制御系〕
眼底観察装置1000の制御系の構成について図28及び図29を参照しつつ説明する。
(制御部)
眼底観察装置1000の制御系は、制御部210を中心に構成される。制御部210は、たとえば、前述のマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイス等を含んで構成される。制御部210には、主制御部211と記憶部212が設けられている。
(主制御部)
主制御部211は前述の各種制御を行う。特に、主制御部211は、眼底カメラユニット2000の合焦駆動部31A、光路長変更部41及びガルバノスキャナ42、更にOCTユニット100の光源ユニット101、光減衰器105及び偏波調整器106を制御する。
合焦駆動部80は、合焦レンズ31を光軸方向に移動させる。それにより、撮影光学系30の合焦位置が変更される。なお、主制御部211は、図示しない光学系駆動部を制御して、眼底カメラユニット2000に設けられた光学系を3次元的に移動させることもできる。この制御は、アライメントやトラッキングにおいて用いられる。トラッキングとは、被検眼Eの眼球運動に合わせて装置光学系を移動させるものである。トラッキングを行う場合には、事前にアライメントとピント合わせが実行される。トラッキングは、装置光学系の位置を眼球運動に追従させることにより、アライメントとピントが合った好適な位置関係を維持する機能である。
また、主制御部211は、記憶部212にデータを書き込む処理や、記憶部212からデータを読み出す処理を行う。
(記憶部)
記憶部212は、各種のデータを記憶する。記憶部212に記憶されるデータとしては、たとえば、OCT画像の画像データ、眼底像の画像データ、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。また、記憶部212には、眼底観察装置1000を動作させるための各種プログラムやデータが記憶されている。例えば、この眼底像の画像データを、上記実施の形態1の生体画像として利用可能である。例えば、記憶部212を、上記実施の形態1の生体画像格納部14として用いてもよいし、記憶部212に蓄積された画像データを、生体画像として、生体画像格納部14に蓄積するようにしてもよい。
(画像形成部)
画像形成部220は、CCDイメージセンサ115からの検出信号に基づいて、眼底Efの断層像の画像データと位相画像の画像データとを形成する。これらの画像については後述する。画像形成部220は、たとえば、前述の回路基板やマイクロプロセッサを含んで構成される。なお、この明細書では、「画像データ」と、それに基づく「画像」とを同一視することがある。画像形成部220は、断層像形成部221と位相画像形成部222を有する。
この実施形態では、眼底Efに対して2種類の走査(第1走査及び第2走査)を行う。第1走査では、眼底Efの注目血管に交差する第1断面を信号光LSで反復的に走査する。第2走査では、この注目血管に交差し、かつ、第1断面の近傍に位置する第2断面を信号光LSで走査する。ここで、第1断面と第2断面は、注目血管の走行方向に対して直交するように向き付けられることが望ましい。図30の眼底像Dに示すように、この実施形態
では、眼底Efの視神経乳頭Daの近傍に、1つの第1断面C0と、2つの第2断面C1、C2が所定の注目血管Dbに交差するように設定される。2つの第2断面C1、C2は、その一方が第1断面C0に対して注目血管Dbの上流側に位置し、他方が下流側に位置する。
なお、第1走査は、患者の心臓の少なくとも1心周期の間にわたって実行されることが望ましい。それにより、心臓の全ての時相における血流情報が得られる。なお、第1走査を実行する時間は、あらかじめ設定された一定の時間であってもよいし、患者ごとに又は検査毎に設定された時間であってもよい。前者の場合、一般的な心周期よりも長い時間が設定される(たとえば2秒間)。後者の場合、患者の心電図等の検査データを参照することとなる。ここで、心周期以外のファクターを考慮することも可能である。このファクターの例としては、検査に掛かる時間(患者への負担)、ガルバノスキャナ42の応答時間(走査間隔)、CCD115の応答時間(走査間隔)などがある。
(断層像形成部)
断層像形成部221は、第1走査により得られる干渉光LCの検出結果に基づいて、第1断面における形態の時系列変化を表す断層像(第1断層像)を形成する。この処理についてより詳しく説明する。第1走査は、上記のように第1断面C0を繰り返し走査するものである。断層像形成部221には、第1走査に応じて、OCTユニット100のCCD115から検出信号が逐次入力される。断層像形成部221は、第1断層像の各走査に対応する検出信号に基づいて、第1断面C0の1枚の断層像を形成する。断層像形成部221は、この処理を第1走査の反復回数だけ繰り返すことで、時系列に沿った一連の断層像を形成する。ここで、これら断層像を複数の群に分割し、各群の断層像を重ね合わせて画質の向上を図ってもよい。
また、断層像形成部221は、第2断面C1、C2に対する第2走査により得られる干渉光LCの検出結果に基づいて、第2断面C1における形態を表す断層像(第2断層像)と、第2断面C2における形態を表す断層像(第2断層像)とを形成する。この処理は、第1断層像の場合と同様にして実行される。なお、第1断層像は時系列に沿う一連の断層像であるが、第2断層像は1枚の断層像であってもよい。また、第2断層像は、第2断面C1、C2のそれぞれを複数回走査して得られた複数の断層像を重ね合わせて画質の向上を図ったものであってもよい。
このような断層像を形成する処理は、従来のスペクトラルドメインタイプの光コヒーレンストモグラフィと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などの処理を含んでいる。他のタイプのOCT装置の場合、断層像形成部221は、そのタイプに応じた公知の処理を実行する。
なお、この断層像形成部221が形成する断層像のデータを、上記実施の形態1の断層画像として利用可能である。例えば、断層像形成部221が形成する断層像のデータを断層画像として、断層画像格納部11に蓄積(一時記憶も含む)するようにしてもよい。
(位相画像形成部)
位相画像形成部222は、第1走査により得られる干渉光LSの検出結果に基づいて、第1断面における位相差の時系列変化を表す位相画像を形成する。この処理に用いられる検出結果は、断層像形成部221による第1断層像の形成処理に供されるものと同じである。よって、第1断層像と位相画像との間の位置合わせをすることが可能である。つまり、第1断層像の画素と位相画像の画素とを自然に対応付けることが可能である。
位相画像の形成方法の一例を説明する。この例の位相画像は、隣り合うAライン複素信号(隣接する走査点に対応する信号)の位相差を算出することにより得られるものである。換言すると、この例の位相画像は、第1断層像の各画素について、その画素の画素値(輝度値)の時系列変化に基づいて形成される。任意の画素について、位相画像形成部222は、その輝度値の時系列変化のグラフを考慮する。位相画像形成部222は、このグラ
フにおいて所定の時間間隔Δtだけ離れた2つの時点t1、t2(=t1+Δt)の間における位相差Δφを求める。そして、この位相差Δφを時点t1(より一般に2つの時点t1、t2の間の任意の時点)における位相差Δφ(t1)として定義する。あらかじめ設定された多数の時点のそれぞれについてこの処理を実行することで、当該画素における位相差の時系列変化が得られる。
位相画像は、各画素の各時点における位相差の値を画像として表現したものである。この画像化処理は、たとえば、位相差の値を表示色や輝度で表現することで実現できる。このとき、時系列に沿って位相が増加した場合の表示色(たとえば赤)と、減少した場合の表示色(たとえば青)とを変更することができる。また、位相の変化量の大きさを表示色の濃さで表現することもできる。このような表現方法を採用することで、血流の向きや大きさを表示色で明示することが可能となる。以上の処理を各画素について実行することにより位相画像が形成される。
なお、位相差の時系列変化は、上記の時間間隔Δtを十分に小さくして位相の相関を確保することにより得られる。このとき、信号光LSの走査において断層像の分解能に相当する時間未満の値に時間間隔Δtを設定したオーバーサンプリングが実行される。
なお、この位相画像形成部222が形成する位相画像を、上記実施の形態1の位相画像として利用可能である。例えば、位相画像形成部222が形成する位相画像のデータを、位相画像格納部12に蓄積(一時記憶も含む)するようにしてもよい。
(画像処理部)
画像処理部230は、画像形成部220により形成された画像に対して各種の画像処理や解析処理を施す。たとえば、画像処理部230は、画像の輝度補正や分散補正等の各種補正処理を実行する。また、画像処理部230は、眼底カメラユニット2000により得られた画像(眼底像、前眼部像等)に対して各種の画像処理や解析処理を施す。
画像処理部230は、断層像の間の画素を補間する補間処理などの公知の画像処理を実行して、眼底Efの3次元画像の画像データを形成する。なお、3次元画像の画像データとは、3次元座標系により画素の位置が定義された画像データを意味する。3次元画像の画像データとしては、3次元的に配列されたボクセルからなる画像データがある。この画像データは、ボリュームデータ或いはボクセルデータなどと呼ばれる。ボリュームデータに基づく画像を表示させる場合、画像処理部230は、このボリュームデータに対してレンダリング処理を施すことで、特定の視線方向から見たときの擬似的な3次元画像の画像データを形成する。表示部240A等の表示デバイスには、この擬似的な3次元画像が表示される。
また、3次元画像の画像データとして、複数の断層像のスタックデータを形成することも可能である。スタックデータは、複数の走査線に沿って得られた複数の断層像を、走査線の位置関係に基づいて3次元的に配列させることで得られる画像データである。すなわち、スタックデータは、元々個別の2次元座標系により定義されていた複数の断層像を、1つの3次元座標系により表現する(つまり1つの3次元空間に埋め込む)ことにより得られる画像データである。
画像処理部230は、血管領域特定部231と、血流情報生成部232とを有する。血流情報生成部232には、傾き算出部233と、血流速度算出部234と、血管径算出部235と、血流量算出部236とが設けられている。更に、画像処理部230は断面設定部237を有する。以下、これら各部231〜237について説明する。
(血管領域特定部)
血管領域特定部231は、第1断層像、第2断層像、及び位相画像のそれぞれについて、注目血管Dbに対応する血管領域を特定する。この処理は、各画像の画素値を解析することによって行うことが可能である(たとえば閾値処理)。
なお、第1断層像と第2断層像は解析処理を行うのに十分な解像度を持っているが、位相画像については血管領域の境界を特定できるほどの解像度を持っていないことが考えられる。しかし、位相画像に基づいて血流情報を生成する以上、その血管領域を高精度かつ高確度で特定する必要がある。そこで、たとえば次のような処理を行うことで、位相画像の血管領域をより正確に特定することが望ましい。
前述のように、第1断層像と位相画像は同じ検出信号に基づいて形成され、互いの画素の間の対応付けが可能である。これを利用し、まず第1断層像を解析して血管領域を求め、この血管領域に含まれる画素に対応する画素からなる位相画像中の画像領域をその血管領域とする。これにより、位相画像の血管領域を高精度かつ高確度で特定することができる。
例えば、血管領域特定部231が断層像について特定した血管領域を特定する情報等を、上記実施の形態1の断層血管位置情報として用いるようにしてもよい。例えば、血管領域特定部231が断層像について特定した血管領域を特定する情報と、この断層像を特定する識別情報とを有する情報を、上記実施の形態1の断層血管管理情報として、断層血管管理情報格納部16に蓄積するようにしてもよい。
また、例えば、血管領域特定部231が位相画像について特定した血管領域を特定する情報等を、上記実施の形態1の位相血管位置情報として用いるようにしてもよい。例えば、血管領域特定部231が位相画像について特定した血管領域を特定する情報と、この位相像を特定する識別情報とを有する情報を、上記実施の形態1の位相血管管理情報として、位相血管管理情報格納部16に蓄積するようにしてもよい。
(血流情報生成部)
血流情報生成部232は、第1断面と第2断面との間の距離、血管領域の特定結果、及び位相画像の血管領域における位相差の時系列変化に基づいて、注目血管Dbに関する血流情報を生成する。ここで、第1断面と第2断面との間の距離(断面間距離)は、事前に決定される。その一例は、断面設定部237の説明において後述する。血管領域は、血管領域特定部231により得られる。位相画像の血管領域における位相差の時系列変化は、位相画像の血管領域内の画素についての位相差の時系列変化として得られる。以下、この処理を実行するための構成の一例を説明する。前述のように、血流情報生成部232には、傾き算出部233と、血流速度算出部234と、血管径算出部235と、血流量算出部236とが設けられている。なお、例えば、血流情報生成部232が注目血管Dbに関して生成した血流情報を、上記実施の形態1の血流情報として用いるようにしてもよい。例えば、血流情報生成部232が生成した血流情報を、注目血管Dbを特定する情報と対応づけて、血流情報格納部13に蓄積するようにしてもよい。この注目血管Dbを特定する情報は、上記実施の形態1の血管識別情報に相当する。
(傾き算出部)
傾き算出部233は、断面間距離と血管領域の特定結果とに基づいて、第1断面における注目血管Dbの傾きを算出する。まず、注目血管Dbの傾きを算出する理由を説明する。血流情報はドップラーOCTの手法で得られる(特許文献8、9を参照)。ドップラーシフトに寄与する血流の速度成分は、信号光LSの照射方向の成分である。したがって、たとえ血流速度が同じであっても、血流方向(つまり注目血管Dbの向き)と信号光LSとが成す角度に応じて信号光LSが受けるドップラーシフトが変化し、ひいては得られる血流情報も変わってしまう。このような不都合を避けるために、注目血管Dbの傾きを求め、これを血流速度の算出処理に反映させる必要がある。
注目血管Dbの傾きの算出方法について図31を参照しつつ説明する。符号G0、G1及びG2は、それぞれ、第1断面C0における第1断層像、第2断面における第2断層像、及び第2断面C2における第2断層像を示す。また、符号V0、V1及びV2は、それぞれ、第1断層像G0の血管領域、第2断層像G1の血管領域、及び第2断層像G2の血管領域を示す。図31において、z座標軸は紙面下方向を向いており、これは信号光LSの照射方向と実質的に一致するものとする。また、隣接する断層像の間隔をdとする。
傾き算出部233は、3つの血管領域V0、V1及びV2の位置関係に基づいて、第1断面C0における注目血管Dbの傾きAを算出する。この位置関係は、たとえば3つの血管領域V0、V1及びV2を結ぶことによって得られる。より具体的には、傾き算出部233は、3つの血管領域V0、V1及びV2のそれぞれの特徴位置を特定し、これら特徴位置を結ぶ。この特徴位置としては、中心位置、重心位置、最上部(z座標値が最小の位置)、最下部(z座標値が最大の位置)などがある。また、これら特徴位置の結び方としては、線分で結ぶ方法、近似曲線(スプライン曲線、ベジェ曲線等)で結ぶ方法などがある。
更に、傾き算出部233は、これら特徴位置を結んだ線に基づいて傾きAを算出する。線分で結んだ場合、たとえば、第1断面C0の特徴位置と第2断面C1の特徴位置とを結ぶ第1線分の傾きと、第1断面C0の特徴位置と第2断面C2の特徴位置とを結ぶ第2線分の傾きとに基づき傾きAを算出する。この算出処理の例として、2つの線分の傾きの平均値を求めることができる。また、近似曲線で結ぶ場合の例として、近似曲線と第1断面C0との交差位置における近似曲線の傾きを求めることができる。なお、断面間距離dは、線分や近似曲線を求める処理において、断層像G0〜G2をxyz座標系に埋め込むときに用いられる。
この例では、3つの断面における血管領域を考慮しているが、2つの断面を考慮して傾きを求めるように構成することも可能である。その具体例として、上記第1線分又は第2線分の傾きを目的の傾きとすることができる。また、この例では1つの傾きを求めているが、血管領域V0中の2つ以上の位置(又は領域)についてそれぞれ傾きを求めるようにしてもよい。この場合、得られた2つ以上の傾きの値を別々に用いることもできるし、これら傾きの値から統計的に得られる1つの値(たとえば平均値)を傾きAとして用いることもできる。
(血流速度算出部)
血流速度算出部234は、位相画像として得られる位相差の時系列変化に基づいて、注目血管Db内を流れる血液の第1断面C0における血流速度を算出する。この算出対象は、或る時点における血流速度でもよいし、この血流速度の時系列変化(血流速度変化情報)でもよい。前者の場合、たとえば心電図の所定の時相(たとえばR波の時相)における血流速度を選択的に取得することが可能である。また、後者における時間の範囲は、第1断面C0を走査した時間の全体又は任意の一部である。
血流速度変化情報が得られた場合、血流速度算出部234は、当該時間の範囲における血流速度の統計値を算出することができる。この統計値としては、平均値、標準偏差、分散、中央値、最大値、最小値、極大値、極小値などがある。また、血流速度の値についてのヒストグラムを作成することもできる。
血流速度算出部234は、前述のようにドップラーOCTの手法を用いて血流速度を算出する。このとき、傾き算出部233により算出された第1断面C0における注目血管Dbの傾きAが考慮される。具体的には、傾き算出部233は次式を用いる。
ここで:
Δfは、信号光LSの散乱光が受けるドップラーシフトを表す;
nは、媒質の屈折率を表す;
vは、媒質の流速(血流速度)を表す;
θは、信号光LSの照射方向と媒質の流れベクトルとが成す角度を表す;
λは、信号光LSの中心波長を表す。
この実施形態では、nとλは既知であり、Δfは位相差の時系列変化から得られ、θは傾きAから得られる(又はθは傾きAとして得られる)。これらの値を上記の式に代入することにより、血流速度vが算出される。
(血管径算出部)
血管径算出部235は、第1断面C0における注目血管Dbの径を算出する。この算出方法の例として、眼底像を用いた第1の算出方法と、断層像を用いた第2の算出方法がある。
第1の算出方法が適用される場合、第1断面C0の位置を含む眼底Efの部位の撮影があらかじめ行われる。それにより得られる眼底像は、観察画像(のフレーム)でもよいし、撮影画像でもよい。撮影画像がカラー画像である場合には、これを構成する画像(たとえばレッドフリー画像)を用いてもよい。
血管径算出部235は、撮影画角(撮影倍率)、ワーキングディスタンス、眼球光学系の情報など、画像上のスケールと実空間でのスケールとの関係を決定する各種ファクターに基づいて、眼底像におけるスケールを設定する。このスケールは実空間における長さを表す。具体例として、このスケールは、隣接する画素の間隔と、実空間におけるスケールとを対応付けたものである(たとえば画素の間隔=10μm)。なお、上記ファクターの様々な値と、実空間でのスケールとの関係をあらかじめ算出し、この関係をテーブル形式やグラフ形式で表現した情報を記憶しておくことも可能である。この場合、血管径算出部235は、上記ファクターに対応するスケールを選択的に適用する。
更に、血管径算出部235は、このスケールと血管領域V0に含まれる画素とに基づいて、第1断面C0における注目血管Dbの径、つまり血管領域V0の径を算出する。具体例として、血管径算出部235は、血管領域V0の様々な方向の径の最大値や平均値を求める。また、血管領域235は、血管領域V0の輪郭を円近似又は楕円近似し、その円又は楕円の径を求めることができる。なお、血管径が決まれば血管領域V0の面積を(実質的に)決定することができるので(つまり両者を実質的に一対一に対応付けることができるので)、血管径を求める代わりに当該面積を算出するようにしてもよい。
第2の算出方法について説明する。第2の算出方法では、第1断面C0における眼底Efの断層像が用いられる。この断層像は、第1断層像でもよいし、これとは別個に取得されたものでもよい。
この断層像におけるスケールは、信号光LSの走査態様に応じて決定される。この実施形態では、図30に示すように第1断面C0を走査する。この第1断面の長さは、ワーキングディスタンス、眼球光学系の情報など、画像上のスケールと実空間でのスケールとの関係を決定する各種ファクターに基づいて決定される。血管径算出部235は、たとえば、この長さに基づいて隣接する画素の間隔を求め、第1の算出方法と同様にして第1断面C0における注目血管Dbの径を算出する。
(血流量算出部)
血流量算出部236は、血流速度の算出結果と血管径の算出結果とに基づいて、注目血管Db内を流れる血液の流量を算出する。この処理の一例を以下に説明する。
血管内における血流がハーゲン・ポアズイユ流(Hagen−Poiseuille flow)と仮定する。また、血管径をwとし、血流速度の最大値をVmとすると、血流量Qは次式で表される。
血流量算出部236は、血管径算出部235による血管径の算出結果wと、血流速度算
出部234による血流速度の算出結果に基づく最大値Vmとを、この数式に代入することにより、目的の血流量Qを算出する。
(断面設定部)
主制御部211は、表示部240Aに眼底像を表示させる。この眼底像は観察画像でも撮影画像でもよい。また、この眼底像は撮影画像を構成する画像であってもよい。ユーザは、操作部240Bを操作することで、表示された眼底像に第1断面C0を指定する。断面設定部237は、指定された第1断面C0と、この眼底像とに基づいて、第2断面C1及びC2を設定する。なお、前述のように、第1断面COは所望の注目血管Dbを横切るように指定される。
第1断面C0を眼底像に指定する操作は、たとえばポインティングデバイスを用いて行われる。また、表示部240Aがタッチパネルの場合、ユーザは表示された眼底像の所望の位置に触れることで第1断面C0を指定する。この場合において、第1断面C0のパラメータ(向き、長さ等)は、手動又は自動で設定される。
手動の場合の例として、パラメータを設定するための所定のインターフェイスを用いることができる。このインターフェイスは、スイッチ等のハードウェアでもよいし、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)等のソフトウェアでもよい。
自動の場合の例として、断面設定部237は、ユーザが眼底像に指定した位置に基づいてパラメータを設定する。長さの自動設定は、あらかじめ決められた値を適用してもよいし、指定位置及びその近傍の血管の位置を考慮してもよい。前者の値は、たとえば、所定の注目血管とその近傍の血管との間の一般的な距離に基づいて指定される。この距離の情報は、臨床データに基づいて生成できる。後者の場合も同様である。いずれの場合においても、第1断面C0の長さは、注目血管Dbを横切り、かつそれ以外の血管(特に太い血管)を横切らないように設定される。
第1断面C0の向きの自動設定については、あらかじめ決められた向きを適用してもよいし、注目血管Dbの向きを考慮してもよい。前者の場合、所定の注目血管の各位置における傾きを表す情報をあらかじめ生成し、これを参照する。この情報は、臨床データに基づき生成できる。後者の場合、指定位置における注目血管Dbの走行方向を求め、この走行方向に基づいて設定される。この走行方向を求める処理は、たとえば注目血管Dbの細線化処理を用いて行われる。なお、いずれの場合においても、第1断面C0の向きは、走行方向に直交するように設定されることが望ましい。
次に第2断面C1及びC2を設定する処理について説明する。断面設定部237は、第1断面C0から所定距離だけ離れた位置に第2断面C1及びC2を設定する。この距離は、たとえば100μmに設定される。この距離の特定は、たとえば前述のようにして行われる。また、第2断面C1及びC2の長さ及び/又は向きは、第1断面C0の場合と同様にして設定される。
なお、この実施形態では、眼底像に基づいて断面C0〜C2(つまり信号光LSの走査位置)が設定される。そのためには眼底像を走査位置との間を対応付ける必要がある。この対応付けは、この実施形態のように、眼底撮影用の光学系とOCT計測用の光学系とが互いの光路の一部を共有していることが望ましい。このように同軸構成とすることにより、この光軸を基準として眼底像中の位置と走査位置とを対応付けることができる。ここで、この対応付けにおいて、眼底像の表示倍率(いわゆる光学ズームとデジタルズームの少なくとも一方を含む)を考慮してもよい。
このような同軸構成でない場合においては、眼底像と、OCT計測で得られるプロジェクション画像とに基づいて、眼底像と走査位置との対応付けを行うことができる。なお、プロジェクション画像とは、後述の3次元スキャンにより得られる3次元画像を深度方向(z方向)に積算して得られる、眼底Efの表面の形態を表す画像である。このようなプロジェクション画像を用いることにより、眼底像とプロジェクション画像との間の位置を、たとえば画像相関等を用いて対応付け、この対応付けを用いて眼底像と走査位置とを対応付けることができる。ただし、被検眼Eの眼球運動(固視微動等)の影響を考慮すると、実質的にタイムラグなく双方の撮影が行える同軸構成の方が望ましいと考えられる。
以上のように機能する画像処理部230は、たとえば、前述のマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、回路基板等を含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、上記機能をマイクロプロセッサに実行させるコンピュータプログラムが予め格納されている。
(ユーザインターフェイス)
ユーザインターフェイス240には、表示部240Aと操作部240Bとが含まれる。表示部240Aは、前述した演算制御ユニット200の表示デバイスや表示装置3を含んで構成される。操作部240Bは、前述した演算制御ユニット200の操作デバイスを含んで構成される。操作部240Bには、眼底観察装置1000の筐体や外部に設けられた各種のボタンやキーが含まれていてもよい。たとえば眼底カメラユニット2000が従来の眼底カメラと同様の筺体を有する場合、操作部240Bは、この筺体に設けられたジョイスティックや操作パネル等を含んでいてもよい。また、表示部240Aは、眼底カメラユニット2000の筺体に設けられたタッチパネルなどの各種表示デバイスを含んでいてもよい。
なお、表示部240Aと操作部240Bは、それぞれ個別のデバイスとして構成される必要はない。たとえばタッチパネルのように、表示機能と操作機能とが一体化されたデバイスを用いることも可能である。その場合、操作部240Bは、このタッチパネルとコンピュータプログラムとを含んで構成される。操作部240Bに対する操作内容は、電気信号として制御部210に入力される。また、表示部240Aに表示されたGUIと、操作部240Bとを用いて、操作や情報入力を行うようにしてもよい。
〔信号光の走査及びOCT画像について〕
ここで、信号光LSの走査及びOCT画像について説明しておく。
眼底観察装置1000による信号光LSの走査態様としては、たとえば、水平スキャン、垂直スキャン、十字スキャン、放射スキャン、円スキャン、同心円スキャン、螺旋(渦巻)スキャンなどがある。これらの走査態様は、眼底の観察部位、解析対象(網膜厚など)、走査に要する時間、走査の精密さなどを考慮して適宜に選択的に使用される。
水平スキャンは、信号光LSを水平方向(x方向)に走査させるものである。水平スキャンには、垂直方向(y方向)に配列された複数の水平方向に延びる走査線に沿って信号光LSを走査させる態様も含まれる。この態様においては、走査線の間隔を任意に設定することが可能である。また、隣接する走査線の間隔を十分に狭くすることにより、前述の3次元画像を形成することができる(3次元スキャン)。垂直スキャンについても同様である。
十字スキャンは、互いに直交する2本の直線状の軌跡(直線軌跡)からなる十字型の軌跡に沿って信号光LSを走査するものである。放射スキャンは、所定の角度を介して配列された複数の直線軌跡からなる放射状の軌跡に沿って信号光LSを走査するものである。なお、十字スキャンは放射スキャンの一例である。
円スキャンは、円形状の軌跡に沿って信号光LSを走査させるものである。同心円スキャンは、所定の中心位置の周りに同心円状に配列された複数の円形状の軌跡に沿って信号光LSを走査させるものである。円スキャンは同心円スキャンの一例である。螺旋スキャンは、回転半径を次第に小さく(又は大きく)させながら螺旋状(渦巻状)の軌跡に沿って信号光LSを走査するものである。
ガルバノスキャナ42は、互いに直交する方向に信号光LSを走査するように構成されているので、信号光LSをx方向及びy方向にそれぞれ独立に走査できる。更に、ガルバノスキャナ42に含まれる2つのガルバノミラーの向きを同時に制御することで、xy面上の任意の軌跡に沿って信号光LSを走査することが可能である。それにより、上記のような各種の走査態様を実現できる。
上記のような態様で信号光LSを走査することにより、走査線(走査軌跡)に沿う方向と眼底深度方向(z方向)とにより張られる面における断層像を取得することができる。また、特に走査線の間隔が狭い場合には、前述の3次元画像を取得することができる。
上記のような信号光LSの走査対象となる眼底Ef上の領域、つまりOCT計測の対象となる眼底Ef上の領域を走査領域と呼ぶ。3次元スキャンにおける走査領域は、複数の水平スキャンが配列された矩形の領域である。また、同心円スキャンにおける走査領域は、最大径の円スキャンの軌跡により囲まれる円盤状の領域である。また、放射スキャンにおける走査領域は、各スキャンラインの両端位置を結んだ円盤状(或いは多角形状)の領域である。
[動作]
眼底観察装置1000の動作について説明する。図32は、眼底観察装置1000の動作の一例を表す。
(S1:計測準備)
OCT計測の準備として、患者IDの入力、本実施形態の動作モード(血流計測モード)の選択指定などを行う。
(S2:アライメント、ピント合わせ)
次に、観察光源11からの照明光で眼底Efを連続照明することにより、眼底Efの近赤外動画像(観察画像)を取得する。主制御部211は、この観察画像を表示部240Aに表示させる。
このとき、LCD39による固視標と、アライメント光学系50によるアライメント指標と、フォーカス光学系60によるスプリット指標とが被検眼Eに投影される。それにより、表示される観察画像にはアライメント指標とスプリット指標とが描画される。これら指標を用いてアライメントやピント合わせを行う。なお、この実施形態では、視神経乳頭を観察するための固視標が使用される。ここで、視神経乳頭を対象とするトラッキングを開始してもよい。
(S3:計測位置の指定)
続いて、ユーザは、表示された眼底像に対して、血流を計測する位置を指定する。ここで指定されるのは第1断面である。なお、この眼底像は観察画像でも撮影画像(これを構成する画像を含む)でもよい。第1断面の指定方法については前述した。
(S4:計測位置近傍の断面の設定)
第1断面が指定されると、断面設定部237が、この第1断面に基づいて第2断面を設定する。
(S5:OCT画像の確認)
主制御部211は、光源ユニット101、ガルバノスキャナ42等を制御してOCT計測を実行する。このOCT計測は、第1断面でも第2断面でもこれら以外の断面でもよい。このOCT画像を参照し、好適な画像が得られているか確認する。この確認は、ユーザが目視で行なってもよいし、眼底観察装置1000が自動で行なってもよい。
目視で行う場合、主制御部211がこのOCT画像を表示部240Aに表示させる。ユーザは、フレームにおけるOCT画像の表示位置や画質などを評価し、操作部240Bを用いて確認結果を入力する。好適な画像が得られていない場合、計測条件の調整を行う。画像の表示位置が適当でない場合、光路長変更部41により信号光LSの光路長を変更する。また、画質が適当でない場合、光減衰器105や偏波調整器106を調整する。
自動で行う場合、画像の表示位置や画質などを所定の評価基準を参照して評価し、その評価結果に基づいて手動の場合と同様にして計測条件を調整する。
(S6:血流計測の開始)
所定のトリガーに対応して血流計測を開始する。
(S7:OCT計測の実行)
血流計測においては、まず、第1断面及び第2断面に対するOCT計測を行うことで、第1断層像、第2断層像及び位相画像を形成する。
(S8:血管領域の特定)
血管領域特定部231は、第1断層像、第2断層像及び位相画像のそれぞれについて血管領域を特定する。
(S9:注目血管の傾きの算出)
傾き算出部233は、断面間距離と血管領域の特定結果とに基づいて、第1断面における注目血管の傾きを算出する。
(S10:血流速度の算出)
血流速度算出部234は、位相画像として得られる位相差の時系列変化と、注目血管の傾きとに基づいて、注目血管内を流れる血液の第1断面における血流速度を算出する。
(S11:血管径の算出)
血管径算出部235は、眼底像又は断層像(第1断層像等)に基づいて、第1断面における注目血管の径を算出する。
(S12:血流量の算出)
血流量算出部236は、血流速度の算出結果と血管径の算出結果とに基づいて、注目血管内を流れる血液の流量を算出する。
(S13:計測結果の表示及び保存)
主制御部211は、血流速度の算出結果、血流量の算出結果等を含む血流情報を表示部240Aに表示させる。また、主制御部211は、患者IDに関連付けて血流情報を記憶部212に記憶させる。以上で、この実施形態の血流計測に関する処理は終了となる。
[効果]
眼底観察装置1000の効果について説明する。
眼底観察装置1000は、OCT計測用の光学系と、ガルバノスキャナ42と、画像形成部220と、血管領域特定部231と、血流情報生成部232とを有する。
OCT計測用の光学系は、光源ユニット101からの光を信号光LSと参照光LRとに分割し、眼底Efによる信号光LSの散乱光と参照光路を経由した参照光LRとの干渉光LCを検出する。
ガルバノスキャナ42は第1走査を行う。第1走査は、眼底Efの注目血管に交差する第1断面を信号光LSで反復的に走査するものである。
画像形成部220は、第1断層像と位相画像とを形成する。第1断層像は、第1断面における形態の時系列変化を表す画像であり、第1走査において光学系により得られる干渉光LCの検出結果に基づいて形成される。位相画像は、第1断面における位相差の時系列変化を表す画像であり、第1走査において光学系により得られる干渉光LCの検出結果に基づいて形成される。
血管領域特定部231は、第1断層像及び位相画像のそれぞれについて、注目血管に対応する血管領域を特定する。
血流情報生成部232は、第1断層像の血管領域と位相画像の血管領域における位相差の時系列変化とに基づいて、注目血管に関する血流情報を生成する。以上が、この実施形態の基本的な作用である。
ガルバノスキャナ42は、第1走査に加えて第2走査を行ってもよい。第2走査では、注目血管に交差しかつ第1断面の近傍に位置する第2断面を信号光LSで走査する。この場合、画像形成部220は、第1断層像及び位相画像に加えて第2断層像を形成する。第2断層像は、第2断面における形態を表す画像であり、第2走査において光学系により得られる干渉光LCの検出結果に基づいて形成される。更に、血管領域特定部231は、この第2断層像についても、注目血管に対応する血管領域の特定を行う。血流情報生成部232は、第1断面と第2断面との間の距離と、第1断層像の血管領域と、第2断層像の血管領域と、位相画像が表す位相差の時系列変化とに基づいて、血流情報の生成を行う。
血流情報生成部232は、次のように構成されていてもよい:(1)第1断面と第2断面との間の距離と、第1断層像の血管領域と、第2断層像の血管領域とに基づいて、第1断面における注目血管の傾きを算出する傾き算出部233を含む;(2)この傾きの算出結果と位相差の時系列変化とに基づいて血流情報を生成する。
第2断面は、第1断面に対して注目血管の上流側の断面と下流側の断面とを含んでいてもよい。
傾き算出部233は、第1断層像における血管領域の位置と第2断層像における血管領域の位置とに基づいて、第1断面における注目血管の傾きを算出するように構成されていてもよい。
血流情報生成部232は、傾き算出部233による注目血管の傾きの算出結果と、位相差の時系列変化とに基づいて、注目血管内を流れる血液の第1断面における血流速度を算出する血流速度算出部234を含んでいてもよい。
血流速度算出部234は、位相差の時系列変化に基づいて、血流速度の時系列変化を表す血流速度変化情報を生成するように構成されていてもよい。
血流速度算出部234は、血流速度変化情報に基づいて血流速度の統計値を算出するように構成されていてもよい。
眼底カメラユニット2000は、第1断面の位置を含む眼底Efの部位を撮影する。この場合、血流情報生成部232の血管径算出部235と血流量算出部236が次のように機能する。つまり、血管径算出部235は、眼底カメラユニット2000による撮影画像に基づいて、第1断面における注目血管の径を算出する。また、血流量算出部236は、血流速度変化情報と径の算出結果とに基づいて、注目血管内を流れる血液の流量を算出する。
これに代えて、血流量算出部235が、第1断層像に基づいて、第1断面における注目血管の径を算出し、血流量算出部236が、血流速度変化情報と径の算出結果とに基づいて、注目血管内を流れる血液の流量を算出するように構成されていてもよい。
血管領域特定部231は、第1断層像を解析して血管領域を特定し、第1断層像における血管領域の位置に対応する位相画像の画像領域を特定し、これを位相画像の血管領域に設定するように構成されていてもよい。
患者の少なくとも1心周期の間にわたって第1走査を行うように構成することが可能である。特に、血流量の算出において上記[数2]を用いる場合、1心周期の間に得られた血流速度の最大値が用いられる。
第1断面及び第2断面を眼底の視神経乳頭の近傍に設定することができる。従来のレーザドップラーを用いた血流計測では、その特性上、視神経乳頭から乳頭径(以上の距離)だけ離れた位置で注目血管を計測していた。しかし、この実施形態のようにOCTを用いる場合には、視神経乳頭により近い位置で計測を行うことができる。それにより、より高確度、高精度での計測が可能になると考えられる。
このような実施形態に係る眼底観察装置1000によれば、位相画像と同じ断面の第1断層像と位相差の時系列変化とを用いて血流計測を行うように構成されているので、高い確度の血流計測を実現することが可能である。
また、眼底観察装置1000は次のような特徴を有するものである。すなわち、眼底観察装置1000は、OCT計測用の光学系と、ガルバノスキャナ42と、画像形成部220と、眼底カメラユニット2000と、血管領域特定部231と、血流速度算出部234と、血管径算出部235と、血流量算出部236とを有する。
OCT計測用の光学系は、光源ユニット101からの光を信号光LSと参照光LRとに分割し、眼底Efによる信号光LSの散乱光と参照光路を経由した参照光LRとの干渉光LCを検出する。
ガルバノスキャナ42は第1走査と第2走査を行う。第1走査は、眼底Efの注目血管に交差する第1断面を信号光LSで反復的に走査するものである。第2走査は、注目血管に交差しかつ第1断面の近傍に位置する第2断面を信号光LSで走査するものである。
画像形成部220は、第1断層像と位相画像と第2断層像とを形成する。第1断層像は、第1断面における形態の時系列変化を表す画像であり、第1走査において光学系により
得られる干渉光LCの検出結果に基づいて形成される。位相画像は、第1断面における位相差の時系列変化を表す画像であり、第1走査において光学系により得られる干渉光LCの検出結果に基づいて形成される。第2断層像は、第2断面における形態を表す画像であり、第2走査において光学系により得られる干渉光LCの検出結果に基づいて形成される。
眼底カメラユニット2000は、第1断面の位置を含む眼底Efの部位を撮影する。
血管領域特定部231は、第1断層像、位相画像及び第2断層像のそれぞれについて、注目血管に対応する血管領域を特定する。
血流速度算出部234は、位相差の時系列変化と、血管領域の特定結果(から得られた注目血管の傾き)とに基づいて、注目血管内を流れる血液の第1断面における血流速度を算出する。
血管径算出部235は、眼底カメラユニット2000による眼底Efの撮影画像に基づいて、第1断面における注目血管の径を算出する。
血流量算出部236は、血流速度の算出結果と血管径の算出結果とに基づいて、注目血管内を流れる血液の流量を算出する。以上が、この実施形態の基本的な作用である。
患者の少なくとも1心周期の間にわたって第1走査を行うように構成することが可能である。特に、血流量の算出において上記[数2]を用いる場合、1心周期の間に得られた血流速度の最大値が用いられる。
第1断面及び第2断面を眼底の視神経乳頭の近傍に設定することができる。従来のレーザドップラーを用いた血流計測では、その特性上、視神経乳頭から乳頭径(以上の距離)だけ離れた位置で注目血管を計測していた。しかし、この実施形態のようにOCTを用いる場合には、視神経乳頭により近い位置で計測を行うことができる。それにより、より高確度、高精度での計測が可能になると考えられる。
眼底カメラユニット2000の撮影光学系30は、OCT計測用の光学系と光路の一部を共有している。表示部240Aには、眼底カメラユニット2000による撮影画像が表示される。ユーザが操作部240Bを用いて、表示された撮影画像に第1断面を指定すると、断面設定部237は、指定された第1断面と撮影画像とに基づいて第2断面を設定する。ガルバノスキャナ42は、指定された第1断面に対して第1走査を行い、設定された第2断面に対して第2走査を行う。
このような実施形態に係る眼底観察装置1000によれば、位相画像と同じ断面の第1断層像と位相差の時系列変化とを用いて血流計測を行うことができる。更に、眼底観察装置1000は、位相差の時系列変化と血管領域の特定結果とに基づいて血流速度を算出し、撮影画像に基づいて注目血管の径を算出し、血流速度の算出結果と血管径の算出結果とに基づいて血流量を算出するように機能する。したがって、高い確度の血流計測を実現することが可能である。
[変形例]
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。
血流量の算出方法の変形例を説明する。この変形例では、血流速度算出部234は、位相画像の血管領域に含まれる各画素について、血流速度の時系列変化を表す情報(血流速度変化情報)を生成する。この処理は、たとえば、時系列に沿う複数の位相画像の画素を画素位置毎に対応付けする処理と、各画素位置に対応する時系列に沿う複数の画素に基づいて血流速度変化情報を生成する処理とを含むように構成できる。この処理により、第1断面の血管領域における血流速度を位置ごとに求めることができる。
血流量算出部236は、血管領域に含まれる各画素の血流速度変化情報を時系列に沿って積分することにより、各画素についての血流量を算出する。この処理により、第1断面の血管領域における血流量を位置ごとに求めることができる。
更に、血流量算出部236は、これら画素についての血流量を加算することにより、注目血管を流れる血液の流量を算出する。この処理により、前段の処理で求めた位置ごとの血流量が加算され、第1断面の血管領域を流れる血液の総量が得られる。
上記の実施形態においては、光路長変更部41の位置を変更することにより、信号光LSの光路と参照光LRの光路との光路長差を変更しているが、この光路長差を変更する手法はこれに限定されるものではない。たとえば、参照光の光路に反射ミラー(参照ミラー)を配置し、この参照ミラーを参照光の進行方向に移動させて参照光の光路長を変更することによって、当該光路長差を変更することが可能である。また、被検眼Eに対して眼底カメラユニット2000やOCTユニット100を移動させて信号光LSの光路長を変更することにより当該光路長差を変更するようにしてもよい。また、特に被測定物体が生体部位でない場合などには、被測定物体を深度方向(z方向)に移動させることにより光路長差を変更することも可能である。
上記の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを、コンピュータによって読み取り可能な任意の記録媒体に記憶させることができる。この記録媒体としては、たとえば、半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)などを用いることが可能である。
また、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのプログラムを送受信することも可能である。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。