この発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この明細書で引用された文献の記載事項を含む任意の公知技術を、実施形態に援用することが可能である。
実施形態に係る眼科システム、眼科撮影装置及び眼科情報処理装置は、被検眼の眼底にOCTを適用して取得されたデータと生体情報とに基づいて各種情報を表示させる機能を有する。
例示的な実施形態に係る眼科システムは、OCT機能と生体情報検出機能との双方を備え、OCT機能を利用して取得されたデータと、生体情報検出機能を利用して取得された生体情報とに基づいて、各種情報の表示を実行する。
例示的な実施形態に係る眼科撮影装置は、OCT機能を備え、このOCT機能を利用して取得されたデータと、別途に設けられた生体情報モニタにより取得された生体情報とに基づいて、各種情報の表示を実行する。なお、他の例示的な実施形態において、眼科装置は、生体情報検出機能を備え、この生体情報検出機能を利用して取得された取得されたデータと、別途に設けられたOCT装置により取得されたデータとに基づいて、各種情報の表示を実行するように構成されてよい。
例示的な実施形態に係る眼科情報処理装置は、別途に設けられたOCT装置により取得されたデータと、別途に設けられた生体情報モニタにより取得されたデータとを受け付け、これらデータに基づいて各種情報の表示を実行する。
被検眼の眼底にOCTを適用して取得されたデータ(眼底OCTデータ)は、任意の形態のデータであってよい。例えば、眼底OCTデータは、次の(1)〜(5)のいずれか1以上を含んでいてよい。
(1)眼底のOCTスキャンによって収集されたデータ(生データ)
(2)生データを処理して得られた画像データ
(3)生データから画像データを生成するための一連の処理の途中で得られた中間データ
(4)生データを処理して得られた血流情報
(5)生データから血流情報を生成するための一連の処理の途中で得られた中間データ
なお、眼底OCTデータの種別はこれらに限定されない。また、実施形態は、眼底OCTデータに関連付けられた各種情報を処理することができる。このような情報の例として、被検者識別情報、被検眼識別情報、被検眼が左眼であるか右眼であるかを示す識別情報、撮影日時などがある。
実施形態に係る眼科システム、眼科撮影装置及び眼科情報処理装置は、データ表示処理を実行するプロセッサを含む。実施形態に係る眼科情報処理装置は、更に、生データや中間データを処理するプロセッサを含んでもよい。加えて、実施形態に係る眼科システム及び眼科撮影装置は、OCTを実行するための光学系や駆動系や制御系やデータ処理系を含む。
実施形態の眼科システム及び眼科撮影装置は、例えばフーリエドメインOCTを実行可能に構成される。フーリエドメインOCTには、2つの方式、すなわちスペクトラルドメインOCTとスウェプトソースOCT、がある。スペクトラルドメインOCTは、広帯域の低コヒーレンス光源と分光器とを用いて、干渉光のスペクトルを空間分割で取得し、それをフーリエ変換することによって画像を構築する手法である。スウェプトソースOCTは、波長掃引光源(波長可変光源)と光検出器(バランスドフォトダイオード等)とを用いて、干渉光のスペクトルを時分割で取得し、それをフーリエ変換することによって画像を構築する手法である。OCTの方式はフーリエドメインOCTには限定されず、タイムドメインOCTやアンファスOCTでもよい。
実施形態に係る眼科システム、眼科撮影装置及び眼科情報処理装置は、眼及び/又は他の部位を画像化するためのモダリティ(例えば、OCT以外のモダリティ)を含んでいてもよい。このようなモダリティ装置の典型例として、眼底カメラ、SLO、スリットランプ顕微鏡、眼科手術用顕微鏡などがある。また、実施形態に係る眼科システム、眼科撮影装置及び眼科情報処理装置は、眼及び/又は他の部位の特性を測定するための構成や、検査を行うための構成を含んでいてもよい。
実施形態に係る眼科システム、眼科撮影装置及び眼科情報処理装置におけるデータ処理機能(演算機能、画像処理機能、制御機能等)は、例えば、プロセッサや記憶装置等のハードウェアと、演算プログラムや画像処理プログラムや制御プログラム等のソフトウェアとが協働することによって実現される。なお、ハードウェアの一部は、実施形態に係る眼科システム、眼科撮影装置及び眼科情報処理装置との間で通信が可能な外部装置に設けられていてよい。また、ソフトウェアの少なくとも一部は、実施形態に係る眼科システム、眼科撮影装置及び眼科情報処理装置に予め格納されていてよく、及び/又は、外部装置に予め格納されていてよい。
生体情報モニタは、バイタルサインモニタ、臨床モニタなどとも呼ばれ、人のバイタルサインをモニタリングするための装置である。バイタルサインとしては、例えば、循環器機能に関するもの、呼吸器機能に関するもの、代謝機能に関するもの、脳機能に関するものなどがある。
循環器機能を測定するための生体情報モニタの例として、心電計、心拍計、脈拍計、血圧計などがある。呼吸器機能を測定するための生体情報モニタの例として、呼吸計がある。代謝機能を測定するための生体情報モニタの例として、活動量計がある。脳機能を測定するための生体情報モニタの例として、脳波計、脳磁計、機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)装置がある。
以上に列挙した生体情報モニタは単なる例示であり、実施形態に適用可能な生体情報モニタはこれらに限定されない。例えば、体温、排尿、排便、意識状態などのバイタルサインを検出するための生体情報モニタを実施形態に適用することが可能である。
〈眼科システム〉
〈構成〉
例示的な実施形態に係る眼科システムについて説明する。本実施形態の眼科システムの構成例を図1に示す。眼科システム1は、時系列的に変化する被検者の生体情報を検出し、且つ、この被検者の眼底にOCTを適用してデータを収集する。更に、眼科システム1は、OCTを用いて取得されたデータに基づいて眼底血流情報を生成する。そして、眼科システム1は、時系列的に変化する生体情報の表示と、時系列的に変化する眼底血流情報の表示とを、同期的に実行する。
ここで、眼底血流情報は、眼底血管(網膜血管、脈絡膜血管など)における血流状態(血流動態)を表す情報である。眼底血流情報の例として、血流の向き、血流速度、血流速度の時系列変化、血流量、単位時間当たり血流量、単位時間当たり血流量の時系列変化、全血流量などがある。
眼科システム1は、眼底にOCTを適用して取得されたデータに基づいて眼底形態画像を形成し、これを表示させることもできる。眼底形態画像は、眼底の形態を表現した画像である。眼底形態画像の例として、Bスキャン画像、Cスキャン画像、プロジェクション画像、シャドウグラム、血管強調画像などがある。
本実施形態では、OCT血流計測を眼底に適用して得られたデータに基づいて形態画像(Bスキャン画像など)及び血流情報の双方を生成することが可能である。なお、形態画像を取得するためのOCTスキャン(例えば、Bスキャン、3次元スキャン)と、血流情報を取得するためのOCTスキャン(OCT血流計測)とを別々に実行するようにしてもよい。また、これら以外のデータを取得するためのOCTスキャンを実行してもよい。例えば、OCT血管造影を実行することができる。
情報の表示に用いられるデータの一部を他の装置によって取得するようにしてもよい。例えば、生体情報、眼底形態画像及び眼底血流情報のいずれかの少なくとも一部を、他の装置によって取得してもよい。また、他の装置を用いてOCT血管造影を実行し、それにより得られた血管強調画像を取得してもよい。他の装置により取得されたデータは、実施形態に係るシステム又は装置に入力される。
眼科システム1は、眼底形態画像、生体情報、血流情報、血管強調画像などの各種情報を、表示デバイス2に表示することができる。表示デバイス2は眼科システム1の一部であってもよいし、眼科システム1に接続された外部装置であってもよい。また、眼科システム1は、各種情報を、コンピュータ、記憶装置、眼科装置などに送ることができる。
眼科システム1は、制御部10と、記憶部20と、データ取得部30と、操作部50と、正面画像取得部60と、生体情報モニタ90とを含む。制御部10は、スキャン制御部11と、同期処理部12と、表示制御部13とを含む。データ取得部30は、OCTスキャナ31と、画像形成部32と、血流情報生成部33とを含む。
〈制御部10〉
制御部10は、眼科システム1の各部を制御する。制御部10はプロセッサを含む。「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。制御部10は、例えば、記憶回路や記憶装置(記憶部20、外部装置等)に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現することができる。
また、制御部10は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、専用線等の通信回線を介してデータの送受信を行うための通信デバイスを含んでよい。
〈スキャン制御部11〉
スキャン制御部11は、OCTスキャナ31を制御する。例えば、スキャン制御部11は、光源の制御、光スキャナの制御、測定光及び/又は参照光の光路長の変更、偏光調整、光量調整、フォーカス調整、固視位置の変更など、OCTスキャナ31に含まれる各種要素を制御する。スキャン制御部11が実行可能な処理の幾つかの例を後述する。
〈同期処理部12〉
同期処理部12は、データ取得部30の動作と生体情報モニタ90の動作とを同期的に実行させる。
例えば、同期処理部12は、生体情報モニタ90により検出された生体情報に基づいてOCTスキャナ31の動作を制御する。その具体例として、生体情報モニタ90が心電計を含む場合、同期処理部12は、この心電計により得られる心電図の所定の時相(例えば、R波)のタイミングに合わせてOCTスキャナ31によるスキャンを開始させることができる。それにより、心拍の所定の時相をトリガーとしてOCTスキャンを開始することができる。
また、同期処理部12は、心電計により得られる心電図の所定の時相(例えば、R波)のタイミングに合わせてOCTスキャナ31によるスキャンを終了させることができる。それにより、心拍の所定の時相をトリガーとしてOCTスキャンを終了させることができる。
更に、これらの組み合わせとして、同期処理部12は、心電計により得られる心電図の所定の時相(例えば、R波)のタイミングに合わせてOCTスキャナ31によるスキャンを開始させ、当該時相の繰り返し回数をカウントし、このカウント値が所定回数(例えば、1回、2回、又は3回)に到達したタイミングでスキャンを終了させることができる。それにより、心拍サイクルの所定の繰り返し回数に相当する期間にわたるOCTデータを収集することができる。
他の例において、同期処理部12は、心電計により得られる心電図の所定の時相(例えば、R波)に対応する画像を形成するように画像形成部32を制御することができる。また、同期処理部12は、心拍サイクルの所定の繰り返し回数に相当する期間にわたる複数の画像を形成するように画像形成部32を制御することができる。また、同期処理部12は、画像形成部32により取得された複数の画像のうちから、心電図の所定の時相に対応する画像を選択することや、心電図の所定の期間にわたる画像群を選択することが可能である。
更に他の例において、同期処理部12は、心電計により得られる心電図の所定の時相(例えば、R波)のタイミングに応じた血流情報を形成するように血流情報生成部33を制御することができる。また、同期処理部12は、心拍サイクルの所定の繰り返し回数に相当する期間にわたる血流情報を形成するように血流情報生成部33を制御することができる。また、同期処理部12は、血流情報生成部33により取得された複数の血流情報のうちから、心電図の所定の時相に対応する血流情報を選択することや、心電図の所定の期間にわたる血流情報群を選択することが可能である。
なお、同期処理部12により実行可能な同期処理は、上記の例に限定されない。また、心電計以外の種別の生体情報モニタ90が適用される場合においても、同様の処理を実行することが可能である。
〈表示制御部13〉
表示制御部13は、表示デバイス2に情報を表示するための制御を実行する。表示制御部13は、記憶部20に格納された情報に基づいて表示制御を実行することができる。表示制御部13が実行可能な処理の幾つかの例を後述する。
表示制御部13は、表示デバイス2に表示される情報に関する処理(生成、加工、合成等)を行うことができる。表示制御部13と他の要素(制御部10の他の要素、データ処理部40等)との連係によって、このような処理を実行するようにしてもよい。
〈記憶部20〉
記憶部20には各種データが記憶される。本例においては、OCTデータ21と生体情報22とが記憶部20に記憶される。なお、外部に設けられた記憶装置にOCTデータの少なくとも一部及び/又は生体情報の少なくとも一部を保存し、要求に応じて眼科システム1に提供するように構成してもよい。記憶部20は、例えば、ハードディスクドライブ、半導体メモリなどの記憶装置を含む。
〈OCTデータ21〉
OCTデータ21は、前述した眼底OCTデータ(1)〜(5)のいずれか1以上を含む。典型的には、眼科システム1は、眼底のOCTスキャンにより収集された生データから形態画像と血流情報とを生成し、これらを含むOCTデータ21を記憶部20に保存する。換言すると、典型的な例では、前述した眼底OCTデータ(2)及び(4)がOCTデータ21に含まれる。
〈生体情報22〉
生体情報22は、生体情報モニタ90により取得される。生体情報22は、例えば、心電計により得られた心電図、心拍計により得られた心拍情報、脈拍計により得られた脈拍情報、血圧計により得られた血圧情報、呼吸計により得られた呼吸数情報、活動量計により得られた活動量情報、脳波計により得られた脳波情報、脳磁計により得られた脳磁図、機能的磁気共鳴イメージング装置により得られた機能的磁気共鳴画像(fMRI画像)など、各種の生体情報のいずれかを含む。
OCTデータ21と生体情報22とは時間的に関連付けられている。この関連付けは、例えば、同期処理部12により実行された同期処理に基づく。
OCTデータ21と生体情報22との間の時間的関連付けの他の例として、データ取得部30によるOCTデータ21の取得(特に、OCTスキャナ31によるスキャン)と、生体情報モニタ90による生体情報の取得とを統括的に管理する機能を眼科システム1に適用することができる。例えば、制御部10に計時機能を設ける。制御部10は、この計時機能が提供する時間情報(時刻情報)を、OCTスキャナ31により取得されたOCTデータ21と、生体情報モニタ90により取得された生体情報22との双方に付与する。それにより、計時機能が提供する同一基準の時間情報(つまり、同一の時間軸で表現された時刻)が、OCTデータ21と生体情報22との双方に割り当てられる。
なお、OCTデータ21と生体情報22とを時間的に関連付けるための処理は、上記の例に限定されない。
〈データ取得部30〉
データ取得部30は、被検眼の眼底にOCTを適用してデータ(例えば、記憶部20に保存されるOCTデータ21の少なくとも一部)を取得する。前述したように、データ取得部30は、OCTスキャナ31と、画像形成部32と、血流情報生成部33とを含む。画像形成部32は、画像形成プログラムを実行するプロセッサを含む。血流情報生成部33は、血流情報生成プログラムを実行するプロセッサを含む。
〈OCTスキャナ31〉
OCTスキャナ31は、スキャン制御部11による制御の下に眼底のOCTスキャンを実行する。それにより、眼底のデータ(生データ)が収集される。OCTスキャナ31は、例えばスペクトラルドメインOCT又はスウェプトソースOCTを利用した光干渉計測を実行するための構成を含む。このようなOCTスキャナ31には、従来と同様に、OCT光学系、駆動系、データ収集システム(DAQ)、制御系などが含まれる。
OCT光学系は、例えば、干渉光学系と、光スキャナと、光検出器とを含む。干渉光学系は、光源から出力された光を測定光と参照光とに分割し、この測定光を眼底に投射し、眼底からの測定光の戻り光を参照光と重ね合わせて干渉光を生成する。光スキャナは、ガルバノスキャナ等を含み、測定光を偏向する。それにより、眼底に対する測定光の投射位置が移動される。光検出器は、干渉光学系により生成された干渉光(のスペクトル)を検出する。
駆動系は、OCT光学系に含まれる要素を移動させたり動作させたりする。データ収集システムは、OCT光学系により逐次に得られる検出結果を収集する。制御系は、スキャン制御部11(又は、制御部10の他の要素)による制御の下に、OCT光学系、駆動系、データ収集システムなどを制御する。
OCT血流計測において、OCTスキャナ31は、予め設定された計測位置において血管に交差する断面を繰り返しスキャンしてデータを収集する。換言すると、OCTスキャナ31は、注目血管に交差する注目断面を繰り返しスキャンしてデータを収集する。このときのスキャンモードは、例えばラインスキャン(Bスキャン)である。このラインスキャンは、例えば、所定の周波数で繰り返し実行される。このような繰り返しスキャンにより収集されたデータは画像形成部32に送られる。
OCT血流計測において、更に、OCTスキャナ31は、注目断面における注目血管の傾斜角度を求めるためのスキャンを行う。このスキャンは、例えば、注目血管に交差する2つの断面に対して実行される。ここで、2つの断面を注目断面の近傍に配置することができる。
なお、注目血管の傾斜角度を求めるための2つの断面の一方は、注目断面自体であってよい。他方の断面は、注目断面の近傍に設定される。この場合、上記した注目断面の繰り返しスキャンにより得られたデータを傾斜角度の算出に利用することができる。
まとめると、典型的には、OCT血流計測で実行されるスキャンは、注目断面の繰り返しスキャンと他の2つの断面のスキャンとの組み合わせでもよいし、注目断面の繰り返しスキャンと他の1つの断面のスキャンとの組み合わせでもよい。
注目断面における注目血管の傾斜角度を求めるためのスキャンの態様は、これらに限定されない。例えば、3以上の断面をスキャンすることができる。或いは、注目断面を含む3次元領域をスキャンすることができる(3次元スキャン)。他の例として、注目断面に交差し、且つ、注目血管に沿った断面をスキャンすることができる。なお、OCT血流計測については、血流情報生成部33の説明において詳述する。
OCT血管造影を実行する場合、OCTスキャナ31は、眼底の3次元領域をスキャンする。このときのスキャンモードは、例えばラスタースキャン(3次元スキャン)である。このラスタースキャンは、例えば、複数のB断面(Bスキャン面)のそれぞれを所定回数ずつ(例えば4回ずつ)スキャンするように実行される。換言すると、このラスタースキャンは、複数のB断面を所定回数ずつ順次にスキャンするように、又は所定のシーケンスにしたがってスキャンするように実行される。OCTスキャナ31により収集された3次元データセットは画像形成部32に送られる。
OCTスキャナ31が実行可能なスキャンの態様は、上記した態様に限定されない。例えば、OCTスキャナ31は、形態画像を取得するためのOCTスキャンとして、ラインスキャン、サークルスキャン、ラジアルスキャン、3次元スキャンなどを行うことが可能である。
〈画像形成部32〉
画像形成部32は、OCTスキャナ31により収集されたデータに基づいて、OCT画像を形成する。例えば、OCT血流計測において、画像形成部32は、OCTスキャナ31により収集された3次元データセットに基づいて、各B断面について複数の断面像(Bスキャン画像)を形成する。このときの画像形成処理は、例えば、従来のOCT技術と同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、高速フーリエ変換(FFT)などを含む。
画像形成部32は、これら断面像を単一の3次元座標系に埋め込むことによりスタックデータを構築することができる。このスタックデータにおいては、各B断面に対して、スキャン繰り返し回数に対応する個数の断面像が割り当てられている。更に、画像形成部32は、このスタックデータに対して補間処理等を施すことによりボリュームデータ(ボクセルデータ)を形成することができる。このボリュームデータにおいては、各B断面に相当する位置に対して、スキャン繰り返し回数に対応する個数のボクセル群が割り当てられている。
画像形成部32は、スタックデータ又はボリュームデータにレンダリングを施すことで、Bスキャン画像(縦断面像、軸方向断面像)、Cスキャン画像(横断面像、水平断面像)、プロジェクション画像、シャドウグラムなどを形成することができる。
Bスキャン画像やCスキャン画像のような任意断面の画像は、指定された断面上の画素(ピクセル、ボクセル)を3次元データセットから選択することにより形成される。或いは、任意断面の画像は、予め設定された厚さのスライスをその厚さ方向に投影することにより形成される。
プロジェクション画像は、スタックデータ又はボリュームデータを所定方向(Z方向、深さ方向、Aスキャン方向)に投影することによって形成される。シャドウグラムは、スタックデータ又はボリュームデータの一部(例えば特定層に相当する部分データ)を所定方向に投影することによって形成される。Cスキャン画像、プロジェクション画像、シャドウグラムのような、被検眼の角膜側を視点とする眼底画像を正面画像と呼ぶ。
画像形成部32は、レンダリングの他にも各種の画像処理を実行することが可能である。例えば、特定の組織や組織境界を求めるためのセグメンテーションや、組織のサイズ(層厚、体積等)を求めるためのサイズ解析などがある。セグメンテーションにより特定層(又は特定の層境界)が求められた場合、その特定層が平坦になるようにBスキャン画像や正面画像を再構築することが可能である。そのような画像を平坦化画像と呼ぶ。
画像形成部32は、血管強調画像を形成することができる。血管強調画像は、OCTデータを解析することで血管に相当する画像領域(血管領域)を特定し、この血管領域の表現態様を変更することでそれを強調した画像である。血管領域の特定には、被検眼の実質的に同じ範囲を繰り返しスキャンして得られた複数のOCTデータが用いられる。
血管強調画像は、例えば、OCTスキャンされた眼底の3次元領域における血管の分布(つまり、血管の3次元的な分布)を表現する。血管強調画像を形成するための手法には幾つかの種類がある。そのための典型的な手法を説明する。この処理には、被検眼の複数のB断面のそれぞれを繰り返しスキャンすることにより、時系列に並んだ複数のBスキャン画像をB断面ごとに含む3次元データセットが用いられる。なお、実質的に同じB断面を繰り返しスキャンするための手法として、固視やトラッキングがある。
血管強調画像を形成する処理では、まず、複数のBスキャン画像の位置合わせがB断面ごとに実行される。この位置合わせは、例えば、公知の画像マッチング技術を用いて行われる。その典型例として、各Bスキャン画像における特徴領域の抽出と、抽出された複数の特徴領域の位置合わせによる複数のBスキャン画像の位置合わせとを実行することができる。
続いて、位置合わせされた複数のBスキャン画像の間で変化している画像領域を特定する処理が行われる。この処理は、例えば、異なるBスキャン画像の間の差分を求める処理を含む。各Bスキャン画像は、被検眼の形態を表す輝度画像データであり、血管以外の部位に相当する画像領域は実質的に不変であると考えられる。一方、干渉信号に寄与する後方散乱が血流によってランダムに変化することを考慮すると、位置合わせされた複数のBスキャン画像の間で変化が生じた画像領域(例えば、差分がゼロでない画素、又は差分が所定閾値以上である画素)は血管領域であると推定することができる。
このようにして特定された画像領域には、それが血管領域である旨を示す情報が割り当てられる。複数のB断面について上記処理を実行することにより、3次元的に分布した血管領域が得られる。このような3次元血管強調画像をレンダリングすることで、血管分布を表す正面画像、任意断面の画像、任意範囲のシャドウグラムなどが生成される。
血管強調画像を形成する処理はこれに限定されない。例えば、ドップラーOCTを利用した従来の手法で血管領域を特定することや、従来の画像処理手法を用いて血管領域を特定することが可能である。また、部位に応じて異なる手法を用いることにより、部位ごとに血管領域を特定することが可能である。例えば、網膜については上記の典型的な手法やドップラーOCTの手法を用いて血管領域を特定し、脈絡膜については画像処理手法を用いて血管領域を特定することができる。
〈血流情報生成部33〉
血流情報生成部33は、OCT血流計測において動作する。血流情報生成部33は、OCT血流計測においてOCTスキャナ31により収集されたデータに基づき画像形成部32によって形成された注目断面の画像と、注目断面における注目血管の傾斜角度とに基づいて、注目血管における血流状態を表す血流情報を生成する。
OCT血流計測においてOCTスキャナ31により収集されたデータは、注目血管に交差する注目断面を繰り返しスキャンして収集されたデータ(第1データ)と、注目血管に交差し、且つ、注目断面と異なる1以上の断面(注目断面の近傍の断面)をスキャンして得られたデータ(第2データ)とを含む。なお、第2データの代わりに、例えば、OCT血流計測とは別途に取得された、注目断面の位置又はその近傍位置における注目血管の傾斜角度を用いることができる。その例として、OCT血管造影により得られた血管強調画像から求められた傾斜角度を用いることが可能である。
画像形成部32は、OCT血流計測においてOCTスキャナ31により収集されたデータに基づいて、眼底の形態画像と位相画像とを形成する。OCT血流計測で得られる形態画像と位相画像とは同じ断面に対応する画像である。典型的には、注目断面(B断面)に対応する形態画像と位相画像とが得られる。
前述したように、典型的なOCT血流計測では、眼底に対して2種類のスキャン(補助的スキャン及び本スキャン)が実行される。補助的スキャンは、注目断面と異なる1以上の断面(注目断面の近傍の断面)をスキャンして第2データを収集するために実行される。典型的な補助的スキャンでは、注目血管に交差する2以上の断面が測定光でスキャンされる。補助的スキャンにより取得されたデータは、注目断面における注目血管の傾斜角度を求めるために用いられる。一方、本スキャンは、注目血管に交差する注目断面を測定光で反復的にスキャンして第1データを収集するために実行される。補助的スキャンが行われる断面は、注目断面の近傍に配置される。本スキャンは、OCTを用いたドップラー計測である。
補助的スキャン及び本スキャンの対象断面は、例えば、注目血管の走行方向に対して直交するように向き付けられる。また、補助的スキャンの対象断面と注目断面との間の距離(断面間距離)は、事前に設定されるか、或いは、検査ごとに設定される。後者の例として、注目断面又はその近傍における注目血管の曲率や、検査精度等の所定のファクターに基づいて、断面間距離を設定することが可能である。また、ユーザーが所望の断面間距離を設定するようにしてもよい。
本スキャンは、患者の心臓の少なくとも1心周期の間にわたって実行されることが望ましい。それにより、心拍の全ての時相における血流情報が得られる。本スキャンの実行時間は、予め設定された一定の時間であってもよいし、患者ごとに又は検査ごとに設定された時間であってもよい。
画像形成部32は、例えば、注目断面の近傍に設定された2つの補助的断面に対する補助的スキャンにより収集されたデータに基づいて、第1補助的断面の形態を表す断面像と、第2補助的断面の形態を表す断面像とを形成する。このとき、加算平均等の技術を利用して画質向上を図ることや、各補助的断面の2以上の断面像から最適な1枚を選択することが可能である。
更に、画像形成部32は、注目断面に対する本スキャン(反復的スキャン)により収集されたデータに基づいて、注目断面における時系列変化を表す断面像群を形成する。この処理は、例えば、スキャンの反復ごとに収集されたデータから断面像を形成することにより実現される。
画像形成部32が実行する処理は、例えば従来のOCT技術と同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、高速フーリエ変換(FFT)などを含む。なお、ここで説明した注目断面の断面像を形成する処理は、画像形成部32が実行する形態画像形成処理と同様である。
更に、画像形成部32は、注目断面に対する本スキャンにより収集されたデータに基づいて、注目断面における位相差の時系列変化を表す位相画像を形成する。この処理に用いられるデータは、注目断面の断面像(群)を形成するために用いられるデータと同じである。よって、注目断面の断面像と位相画像との間には自然な位置対応関係があり、レジストレーションは自明である。
位相画像の形成方法の例を説明する。典型的な例において、位相画像は、隣り合うAライン複素信号(隣接するスキャン点に対応する信号)の位相差を算出することにより得られる。換言すると、この例の位相画像は、注目断面の断面像の各画素について、その画素の画素値(輝度値)の時系列変化に基づき形成される。任意の画素について、画像形成部32は、その輝度値の時系列変化のグラフを考慮する。画像形成部32は、このグラフにおいて所定の時間間隔Δtだけ離れた2つの時点t1及びt2(t2=t1+Δt)の間における位相差Δφを求める。そして、この位相差Δφを時点t1(より一般に2つの時点t1及びt2の間の任意の時点)における位相差Δφ(t1)として定義する。予め設定された多数の時点のそれぞれについてこの処理を実行することで、当該画素における位相差の時系列変化が得られる。
位相画像は、各画素の各時点における位相差の値を画像として表現したものである。この画像化処理は、例えば、位相差の値を表示色や輝度で表現することで実現できる。このとき、時系列に沿って位相が増加したことを表す色(例えば赤)と、減少したことを表す色(例えば青)とを違えることができる。また、位相の変化量の大きさを表示色の濃さで表現することもできる。このような表現方法を採用することで、血流の向きや大きさを色や濃度で表現することが可能となる。以上の処理を各画素について実行することにより位相画像が形成される。
なお、位相差の時系列変化は、上記の時間間隔Δtを十分に小さくして位相の相関を確保することにより得られる。このとき、測定光のスキャンにおいて断面像の分解能に相当する時間未満の値に時間間隔Δtを設定したオーバーサンプリングが実行される。
血流情報生成部33は、例えば、血管領域特定処理と、傾斜角度算出処理と、血流情報生成処理とを実行することができる。血流情報生成処理は、例えば、血流速度算出処理を少なくとも含み、血管径算出処理と血流量算出処理とを更に含んでもよい。
血管領域特定処理において、血流情報生成部33は、注目血管に対応する各断面像中の血管領域を特定する。更に、血流情報生成部33は、注目断面に対応する位相画像中の血管領域を特定する。血管領域の特定は、各画像の画素値を解析することにより行われる(例えば閾値処理)。注目断面に対応する断面像中の血管領域と、この断面像と位相画像との間のレジストレーションの結果とに基づいて、位相画像中の血管領域を特定するようにしてもよい。
傾斜角度算出処理において、血流情報生成部33は、補助的スキャンにより取得されたデータから形成された画像(群)に基づいて、注目断面における注目血管の傾斜角度を算出する。
傾斜角度算出処理の例を説明する。図2を参照する。符号B0は、血管傾斜角度が算出される注目断面における断面像(注目断面像)を示す。注目断面像B0には、血管領域V0が描出されている。符号B11及びB12は、注目断面B0の近傍に位置する2つの補助的断面における2つの断面像(補助的断面像)を示す。補助的断面像B11には、血管領域V0と同じ血管(注目血管)の補助的断面B11における血管領域V11が描出されている。同様に、補助的断面像B12には、注目血管の補助的断面B12における血管領域V12が描出されている。
血流情報生成部33は、注目断面像B0と補助的断面像B11及びB12とに基づいて、注目断面における注目血管の傾きを算出する。なお、参照される補助的断面像の個数は2つに限定されず、1以上の任意個数であってよい。
血流情報生成部33は、血管領域V0、V11及びV12と断面間距離とに基づいて、注目断面における注目血管の傾きを算出する。断面間距離は、補助的断面像B11と補助的断面像B12との間の距離であってよい。或いは、断面間距離は、補助的断面像B11と注目断面像B0との間の距離と、補助的断面像B12と注目断面像B0との間の距離とのうちの少なくとも一方により定義されてもよい。補助的断面像B11(又はB12)と注目断面像B0との間隔をLとする。
図2に示すAスキャン方向(下方を指す矢印が指す方向)は、例えば、注目断面像B0に含まれるAスキャン像の向きを示す。このAスキャン像は、例えば、注目断面像B0に含まれる複数のAスキャン像の中央に位置するAスキャン像であってよい。
典型的な例において、血流情報生成部33は、3つの血管領域V0、V11及びV12の位置関係に基づいて、注目断面における注目血管の傾きAを算出することができる。この位置関係は、例えば、3つの血管領域V0、V11及びV12を結ぶことによって得られる。より具体的に説明すると、血流情報生成部33は、3つの血管領域V0、V11及びV12のそれぞれの特徴点を特定し、これら特徴点を結ぶ。ここで参照される特徴点としては、中心位置(軸線位置)、重心位置、最上部などがある。また、これら特徴点を結ぶ方法としては、線分で結ぶ方法、近似曲線(スプライン曲線、ベジェ曲線等)で結ぶ方法などがある。
更に、血流情報生成部33は、これら特徴点を結ぶ線に基づいて傾きAを算出する。線分が用いられる場合、血流情報生成部33は、例えば、注目断面像B0内の血管領域V0の特徴点と補助的断面像B11内の血管領域V11の特徴点とを結ぶ第1線分の傾きと、血管領域V0の当該特徴点と補助的断面像B12内の血管領域V12の特徴点とを結ぶ第2線分の傾きとに基づいて、傾きAを算出することができる。この算出処理の例として、2つの線分の傾きの平均値を求めることができる。また、近似曲線で結ぶ場合の例として、近似曲線と注目断面との交差位置における近似曲線の傾きを求めることができる。
この例では、3つの断面における血管領域を考慮しているが、2つの断面の血管領域を考慮して傾きを求めることも可能である。具体例として、補助的断面像B11内の血管領域V11と補助的断面像B12内の血管領域V12とに基づいて、注目断面における注目血管の傾きAを求めることができる。或いは、補助的断面像B11内の血管領域V11と注目断面像B0内の血管領域V0とに基づいて、注目断面における注目血管の傾きAを求めることもできる。例えば、上記の第1線分又は第2線分の傾きを求め、これを注目血管の傾きAとして採用することができる。
また、上記の例では傾きAの値を1つだけ求めているが、血管領域V0中の2以上の位置(又は領域)についてそれぞれ傾きを求めてもよい。この場合、得られた2以上の傾きの値を別々に用いることもできるし、これら傾きの値から統計的に得られる1つの値(例えば平均値)を傾きAとして用いることもできる。
血流情報生成処理において、血流情報生成部33は、本スキャン(ドップラーOCT)に基づき形成された位相画像と、血流情報生成部33により求められた傾斜角度とに基づいて、注目血管に関する血流情報を生成する。前述したように、典型的な例において、血流情報生成処理は、血流速度算出処理と、血管径算出処理と、血流量算出処理とを含む。
血流情報生成部33は、位相画像として得られた位相差の時系列変化に基づいて、注目血管内を流れる血液の注目断面における血流速度を算出することができる。本処理により算出される値は、或る時点における血流速度でもよいし、血流速度の時系列変化(血流速度変化データ)でもよい。前者の場合、例えば心電図の所定の時相(例えばR波の時相)における血流速度を選択的に取得することが可能である。また、後者における時間の範囲は、注目断面をスキャンした時間の全体又は任意の一部である。
血流速度変化データが得られた場合、血流情報生成部33は、当該時間の範囲における血流速度の統計値を算出することができる。この統計値としては、平均値、標準偏差、分散、中央値、最大値、最小値、極大値、極小値などがある。また、血流速度の値についてのヒストグラムを作成することもできる。
血流情報生成部33は、前述のようにドップラーOCTの手法を用いて血流速度を算出することができる。血流速度の算出には、例えば次の関係式が用いられる。
Δf:測定光の散乱光が受けるドップラーシフト
n:媒質(血液)の屈折率
v:媒質の流速(血流速度)
θ:測定光の入射方向と媒質の流れの方向とが成す角度(傾斜角度)
λ:測定光の中心波長
典型的な例において、媒質の屈折力nと測定光の中心波長λはそれぞれ既知であり、ドップラーシフトΔfは位相差の時系列変化から得られ、傾斜角度θは傾斜角度算出処理又は血管角度分布から得られる。血流情報生成部33は、これらの値を上記関係式に代入することにより、血流速度vを算出することができる。
血管径算出処理において、血流情報生成部33は、注目断面における注目血管の径を算出する。この算出方法の例として、眼底の正面画像を用いる第1の算出方法と、断面像を用いる第2の算出方法がある。
第1の算出方法が適用される場合、注目断面の位置を含む眼底の部位の撮影が予め行われる。この眼底撮影は、例えば正面画像取得部60により行われる。或いは、過去に取得されて保存された眼底の正面画像を読み出してもよい。また、血管強調画像を利用してもよい。
血流情報生成部33は、撮影画角(撮影倍率)、ワーキングディスタンス、眼球光学系の情報など、画像上のスケールと実空間でのスケールとの関係を決定する各種ファクターに基づいて、眼底の正面画像におけるスケールを設定する。このスケールは実空間における長さを表す。具体例として、このスケールは、隣接する画素の間隔と、実空間におけるスケールとを対応付けたものである(例えば画素の間隔=10μm)。なお、上記ファクターの様々な値と、実空間でのスケールとの関係を予め算出し、この関係をテーブル形式やグラフ形式で表現した情報を記憶しておくことも可能である。この場合、上記ファクターに対応するスケールが選択的に適用される。
血流情報生成部33は、このスケールと血管領域に含まれる画素とに基づいて、注目断面における注目血管の径、つまり血管領域の径を算出する。具体例として、血流情報生成部33は、血管領域の様々な方向の径の最大値や平均値を求めることができる。或いは、血流情報生成部33は、血管領域の輪郭を円近似又は楕円近似し、その円又は楕円の径を求めることができる。なお、血管径が決まれば血管領域の面積を(実質的に)決定することができるので、血管径を求める代わりに当該面積を算出するようにしてもよい。
第2の算出方法について説明する。第2の算出方法では、注目断面における眼底の断面像が用いられる。この断面像は、本スキャンに基づく断面像でもよいし、これとは別に取得されたものでもよい。この断面像におけるスケールは、測定光のスキャン態様に応じて決定される。注目断面の長さは、ワーキングディスタンス、眼球光学系の情報など、画像上のスケールと実空間でのスケールとの関係を決定する各種ファクターに基づいて決定される。血流情報生成部33は、例えば、注目断面の長さに基づいて隣接する画素の間隔を求め、第1の算出方法と同様にして注目断面における注目血管の径を算出することができる。
血流量算出処理において、血流情報生成部33は、血流速度の算出結果と血管径の算出結果とに基づいて、注目血管内を流れる血液の流量を算出する。この処理の一例を以下に説明する。
血管内における血流がハーゲン・ポアズイユ流(Hagen−Poiseuille flow)と仮定する。また、血管径をwとし、血流速度の最大値をVmとする。この場合、血流量Qは次の関係式で表される。
血流情報生成部33は、血管径算出処理により得られた血管径wと、血流速度算出処理により得られた血流速度における最大値Vmとを上記関係式に代入することにより、血流量Qを算出することができる。
〈操作部50〉
操作部50は、眼科システム1に対してユーザーが指示を入力するために使用される。操作部50は、眼科装置やコンピュータに用いられる公知の操作デバイスを含んでよい。例えば、操作部50は、マウス、タッチパッド、トラックボール、キーボード、ペンタブレット、操作パネル、ジョイスティック、ボタン、スイッチ等を含んでよい。
操作部50は、タッチパネルを含んでもよい。この場合、表示制御部13は、指示や情報を入力するためのGUIをタッチパネルに表示することができる。
〈正面画像取得部60〉
正面画像取得部60は、眼底の正面画像を取得する。正面画像を取得するための処理は任意である。第1の例において、正面画像取得部60は、眼底を撮影するための構成を含んでよい。例えば、正面画像取得部60は、眼底カメラの光学系、SLOの光学系などを含んでよい。
第2の例において、正面画像取得部60は、当該被検眼の眼底の正面画像を外部装置から取得するための構成を含んでよい。例えば、正面画像取得部60は、LAN、インターネット、専用線等の通信回線を介してデータの送受信を行うための通信デバイスを含んでよい。この場合、正面画像取得部60は、例えば電子カルテシステムや画像アーカイビングシステムに格納されている当該被検眼の眼底の正面画像を、患者IDやDICOMタグ等を検索クエリとして取得することができる。
第3の例において、正面画像取得部60は、OCTによって正面画像を形成するプロセッサを含んでよい。OCT正面画像としては、Cスキャン画像、プロジェクション画像、シャドウグラムなどがある。
〈生体情報モニタ90〉
生体情報モニタ90は、時系列的に変化する被検者の生体情報(バイタルサイン)を検出する。換言すると、生体情報モニタ90は、バイタルサインをモニタリングするための装置である。前述したように、生体情報モニタ90は、例えば、心電計、心拍計、脈拍計、血圧計、呼吸計、活動量計、脳波計、脳磁計、及び、機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)装置のうちの少なくとも1つを含む。ただし、生体情報モニタ90は、これら以外の種別の装置を含んでいてもよい。
〈動作〉
本実施形態に係る眼科システム1の動作の例を説明する。眼科システム1の動作の典型的な例を図3に示す。なお、患者ID等の入力、被検眼に対する光学系のアライメント、光学系のフォーカス調整、OCT光路長調整、固視位置の調整、OCTスキャン範囲の設定などの準備的処理は、既になされているものとする。
(S1:生体情報の検出と眼底OCT血流計測を実行する)
眼科システム1は、生体情報モニタ90による被検者の生体情報の検出と、データ取得部30による眼底の注目血管の注目断面に対するOCT血流計測とを実行する。
このとき、同期処理部12は、例えば、生体情報モニタ90とスキャン制御部11とに同期制御信号を送信することで、生体情報モニタ90による被検者の生体情報の検出と、データ取得部30による眼底OCT血流計測とを同期的に実行させることができる。
他の例において、次のような制御を実行することができる。まず、制御部10が、生体情報モニタ90の動作を開始させる。生体情報モニタ90は、被検者の生体情報をリアルタイムで制御部10に入力する。同期処理部12は、生体情報モニタ90からリアルタイムで入力される生体情報から所定の時相に対応する信号(例えば、心電図のR波)を探索する。同期処理部12は、所定の時相に対応する信号が検出されたタイミングでスキャン制御部11にスキャン開始トリガーを送る。スキャン開始トリガーを受けたスキャン制御部11は、OCTスキャナ31を制御して眼底OCT血流計測を開始させる。
ここでは、同期処理部12がOCTスキャナ31を制御する場合について説明したが、例えば前述した要領で画像形成部32又は血流情報生成部33を制御することも可能である。
眼底OCT血流計測において、スキャン制御部11は、OCTスキャナ31に含まれる光源や光スキャナを制御する。スキャン制御部11による制御の下、OCTスキャナ31は、予め設定された計測位置(つまり注目断面)において注目血管に交差する第1断面を繰り返しスキャンして第1データを収集し、更に、注目断面の近傍において注目血管に交差する1以上の補助的断面をスキャンして第2データを収集する。なお、第1データの収集と第2データの収集の順序は任意である。
(S2:OCTデータと生体情報とを時間的に関連付けて保存する)
制御部10等は、例えば前述した要領で、ステップS1で取得されたOCTデータと生体情報とを時間的に関連付ける。制御部10は、互いに時間的に関連付けられたOCTデータと生体情報とを記憶部20に保存する。図1に示すOCTデータ21はこのOCTデータを含み、生体情報22はこの生体情報を含む。
(S3:形態画像を形成する)
画像形成部32は、OCTデータ21に基づいて、眼底の形態画像を形成する。
例えば、画像形成部32は、ステップS1において注目断面を繰り返しスキャンして収集された第1データに基づいて、注目断面に対応する1以上の形態画像(Bスキャン画像)を形成する。典型的には、スキャンの繰り返し回数と同じ枚数の形態画像を形成することができる。これにより、注目断面に対応する時系列Bスキャン画像が得られる。なお、スキャンの繰り返し回数よりも少ない枚数の形態画像を形成するようにしてもよい。
更に、画像形成部32は、ステップS2において1以上の補助的断面をスキャンして収集された第2データに基づいて、各補助的断面に対応する形態画像(Bスキャン画像)を形成する。
制御部10は、例えばステップS2の時間的関連付けに基づいて、ステップS3において形成された各形態画像と生体情報22とを時間的に関連付けることができる。更に、制御部10は、生体情報22と時間的に関連付けられた各形態画像をOCTデータ21として記憶部20に保存することができる。
(S4:注目血管の傾斜角度を求める)
血流情報生成部33は、ステップS3で形成された複数の形態画像のうちの2以上の形態画像に基づいて、注目断面における注目血管の傾斜角度を求める。この処理には、例えば、2つの補助的断面に対応する2つの形態画像の組み合わせ、又は、1つの補助的断面に対応する形態画像と注目断面に対応する形態画像との組み合わせが用いられる。
(S5:位相画像を形成する)
画像形成部32は、ステップS1の眼底OCT血流計測において注目断面を繰り返しスキャンして収集された第1データに基づいて、注目断面に対応する位相画像を形成する。
制御部10は、例えばステップS2又はS3の時間的関連付けに基づいて、ステップS5において形成された位相画像と生体情報22とを時間的に関連付けることができる。更に、制御部10は、生体情報22と時間的に関連付けられた位相画像をOCTデータ21として記憶部20に保存することができる。
(S6:眼底血流情報を求める)
血流情報生成部33は、ステップS4で求められた注目血管の傾斜角度と、ステップS5で形成された位相画像とに基づいて、注目断面を通過する注目血管についての血流情報を生成する。この眼底血流情報は、例えば、注目血管における血流の時系列変化を表すデータを含む。このようなデータの例として、ステップS1で実行された眼底OCT血流計測の計測期間(典型的には、1心周期以上の長さの期間)における血流速度の時系列変化や、当該計測期間における単位時間当たり血流量の時系列変化などがある。
制御部10は、例えばステップS2、S3又はS5の時間的関連付けに基づいて、ステップS6において求められた眼底血流情報と生体情報22とを時間的に関連付けることができる。更に、制御部10は、生体情報22と時間的に関連付けられた眼底血流情報をOCTデータ21として記憶部20に保存することができる。
(S7:眼底血流情報と生体情報とを同期的に表示する)
表示制御部13は、ステップS6で生成された眼底血流情報と、ステップS1で取得された生体情報とを表示デバイス2に同期的に表示させる。この同期表示制御は、例えば、ステップS6の時間的関連付けを参照して実行される。更に、表示制御部13は、ステップS3で形成された形態画像を表示デバイス2に表示させることもできる。
同期表示制御の例を説明する。表示制御部13は、ステップS3で形成された注目断面の形態画像と、ステップS6で求められた眼底血流情報に基づく血流グラフ及び/又は血流状態画像とを、血流の時相を示すユーザーインターフェイスとともに表示デバイス2に表示させることができる。
ステップS7で表示される情報の例を図4Aに示す。本例では、注目血管における血流の時系列的な変化を表す血流グラフ140と、心臓の電気的な活動の時系列的な変化を表す生体情報(つまり、心電図)160とが表示される。
本例の血流グラフ140は、横軸(第1座標軸)が時間tを示し、且つ、縦軸(第2座標軸)が血流速度(v)を示す2次元直交座標系により表現されている。血流グラフ140は、眼底OCT血流計測が実行された期間にわたる(時系列)位相画像に基づいて作成されて表示される。このとき、縦軸の血流速度(v)は、例えば、対応する時相における注目血管断面像に含まれる複数の画素の値(つまり、血流速度の大きさなどに対応する値)の統計値であってよい。この統計値は、例えば、平均値、最大値、最小値などであってよい。或いは、縦軸の血流速度(v)は、注目血管断面像における所定の画素(例えば、中心に位置する画素、重心に位置する画素など)の値であってもよい。
単位時間当たり血流量が適用される場合においても同様に、例えば、横軸が時間を示し、且つ、縦軸が単位時間当たり血流量を示す血流グラフを表示することができる。
血流グラフ140の時間軸tと心電図160の時間軸tとは同期されている。すなわち、血流グラフ140の時相と心電図160の時相との対応関係をユーザーが認識できるように血流グラフ140と心電図160とが表示される。
本例では、血流グラフ140と心電図160とは、次の条件を満足するように表示される:(1)血流グラフ140の時間軸tのスケールと心電図160の時間軸tのスケールとが等しい;(2)血流グラフ140の時間軸tが表す期間と心電図160の時間軸tが表す期間とが等しい;(3)同じ時相(時間)が対応する位置(上下方向における対応位置)に配置される。
なお、一般に、血流グラフ140の時間軸tのスケールと心電図160の時間軸tのスケールとが等しい必要はない。例えば、一方の時間軸t1のスケールを他方の時間軸t2のスケールの整数倍に設定するなど、相互の対応関係が明確であれば十分である。
また、一般に、血流グラフ140の時間軸tが表す期間と心電図160の時間軸tが表す期間とが等しい必要はない。例えば、一方の期間が他方の期間の一部であってもよいし、或いは、一方の期間の一部と他方の期間の一部とが等しくてもよい。
表示制御部13は、血流グラフ140と心電図160とを同じ時間軸(同じ座標系)に重ねて表示させることができる。このとき、血流グラフ140の表示色と心電図160の表示色とを違えることができる。
表示処理部13は、眼底血流情報と生体情報とを互いの時相が同期するように動画として表示させることができる。本例において、表示制御部13は、血流グラフ140と心電図160とをそれぞれの時間軸tに沿って同期的に移動させることができる。
眼底血流情報と生体情報との動画表示は、眼底血流情報自体及び生体情報自体を動画として表示する態様に限定されない。例えば、眼底血流情報とともに表示されるオブジェクトと生体情報とともに表示されるオブジェクトとを移動させることによって互いの時相の変化を示すことができる。このような動画表示の他の例を、図4Bを参照しつつ以下に説明する。
表示制御部13は、血流グラフ140の時間軸t(横軸)に沿って移動可能なウィジェット150を表示させる。本例では、血流グラフ140上にウィジェット150が表示されているが、ウィジェット150の表示態様はこれに限定されず、ウィジェット150が示す時間軸t上の位置が明確となるような表示態様であればよい。
同様に、表示制御部13は、心電図160の時間軸t(横軸)に沿って移動可能なウィジェット170を表示させる。本例では、心電図160上にウィジェット170が表示されているが、ウィジェット170の表示態様はこれに限定されず、ウィジェット170が示す時間軸t上の位置が明確となるような表示態様であればよい。
表示制御部13は、ウィジェット150及び170をそれぞれの時間軸tに沿って同期的に移動させる(図4Bに示す2つの点線矢印を参照)。それにより、血流グラフ140における血流情報の時系列的な変化と心電図160における生体情報の時系列的な変化とを表現することができる。
なお、血流情報の時系列的な変化を示すオブジェクトと生体情報の時系列的な変化を示すオブジェクトとが別々である必要はない。例えば、図4Cに示すように、表示制御部13は、血流グラフ140と心電図160とに共通のウィジェット155を表示させ、双方の時間軸t(横軸)に沿って移動させることができる(図4Cに示す点線矢印を参照)。
表示処理部13は、同じ時相に対応する眼底血流情報と生体情報とを並列的に表示させることができる。例えば、図4Bに示すように、表示制御部13は、血流グラフ140において所定の時相に対応する位置にウィジェット150を表示させ、且つ、心電図160において当該時相に対応する位置にウィジェット170を表示させることができる。或いは、図4Cに示すように、表示制御部13は、互いの時間軸tを同期させるように血流グラフ140と心電図160とを並列的に配置し、且つ、血流グラフ140と心電図160とに共通のウィジェット155を表示させることができる。
ステップS7で表示される情報の他の例を図4Dに示す。符号100は、生体情報及び血流の時相の提示及び設定を行うためのスライダーを示す。スライダー100は、眼底OCT血流計測の計測期間(及び/又は、生体情報の検出期間)を示す時間軸(バー)に沿って移動可能なハンドル110を備える。
符号120は、ステップS3で形成された注目断面の形態画像である。ステップS3において注目断面に対応する複数の形態画像が形成された場合、表示制御部13は、スライダー100が現に提示している時相に対応する形態画像を選択して表示させることができる。すなわち、スライダー100のハンドル110の位置(時相)と、形態画像が示す時相とは、互いに対応している。
ステップS5において、形態画像120に対応する位相画像が形成され、且つ、ステップS6において、この位相画像から眼底血流情報が生成される。この眼底血流情報は、例えば、血流速度の時系列変化、又は、単位時間当たり血流量の時系列変化であってよい。図4Dに示す例では、図4A〜図4Cに示す例と同様に、血流速度(v)の時系列変化が採用されている。
表示制御部13は、スライダー100が示す時相における血流の状態(血流速度、単位時間当たり血流量など)を示す血流状態画像を、(少なくとも)注目血管に対応する形態画像120内の位置に表示させる。
図4Dに示す例は、注目断面に4つの血管が検出された場合を表している。表示制御部13は、これら4つの血管に対応する形態画像120内の位置にそれぞれ血流状態画像131、132、133及び134を表示させる。ここで、例えば血流状態画像131に対応する血管が注目血管であるとする。なお、本例では、注目血管以外の血管についても血流状態画像を表示しているが、注目血管に対応する血流状態画像のみを表示するようにしてもよい。
血流状態画像131は、例えば、血流速度の大きさを色で表現した画像である。表示制御部13は、血流速度の大きさと色との間の関係が記録された既定のルックアップテーブル(カラーマップ、濃度マップなど)を参照することにより、スライダー100が示す時相における血流速度の大きさに対応する色(濃度)を求め、求められた色に基づいて血流状態画像131を表示させる。血流状態画像132〜134についても同様の表示制御を実行することができる。また、単位時間当たり血流量が適用される場合においても同様の表示制御を実行することができる。
また、血流状態画像131は、血流の向きを色で表現した画像であってもよい。表示制御部13は、血流の向きと色との間の関係が記録された既定のルックアップテーブル(カラーマップなど)を参照することにより、スライダー100が示す時相における血流の向きに対応する色を求め、求められた色に基づいて血流状態画像131を表示させる。血流状態画像132〜134についても同様の表示制御を実行することができる。また、単位時間当たり血流量が適用される場合においても同様の表示制御を実行することができる。
典型的な例において、血流状態画像131は、血流の向きを色で表現し、且つ、血流速度の大きさを色濃度で表現した画像であってよい。例えば、視神経乳頭から毛細血管に向かう血流(つまり、動脈内の血流)を赤色で表現し、毛細血管から視神経乳頭に向かう血流(つまり、静脈内の血流)を青色で表現し、更に、血流速度が大きくなるほど色濃度が高くなるように、ルックアップテーブルが設定される。血流状態画像132〜134についても同様の表示制御を実行することができる。また、単位時間当たり血流量が適用される場合においても同様の表示制御を実行することができる。
このように、スライダー100のハンドル110の位置(時相)と、血流状態画像131〜134が示す時相とは、互いに対応している。
図4A〜図4Cに示す例と同様に、符号140は、形態画像120が表す領域の内部に位置する血管(例えば、注目血管)における血流の時系列変化を表す血流グラフである。また、図4A〜図4Cに示す例と同様に、符号160は心電図である。
血流グラフ140は、眼底OCT血流計測の計測期間にわたる(時系列)位相画像に基づいて作成されて表示される。このとき、縦軸の血流速度(v)は、例えば、対応する時相における血流状態画像131に含まれる複数の画素の値(つまり、血流速度の大きさなどに対応する値)の統計値であってよい。この統計値は、例えば、平均値、最大値、最小値などであってよい。或いは、縦軸の血流速度(v)は、血流状態画像131における所定の画素(例えば、中心に位置する画素、重心に位置する画素など)の値であってもよい。
単位時間当たり血流量が適用される場合においても同様に、例えば、横軸が時間を示し、且つ、縦軸が単位時間当たり血流量を示す血流グラフを表示することができる。
図4Bに示す例と同様に、表示制御部13は、血流グラフ140の時間軸t(横軸)に沿って移動可能なウィジェット150を表示させ、且つ、心電図160の時間軸t(横軸)に沿って移動可能なウィジェット170を表示させる。なお、図4Cに示す例のように、血流グラフ140と心電図160とに共通のウィジェットを表示させてもよい。
スライダー100のハンドル110が移動されると、表示制御部13は、それぞれの時間軸tに対するウィジェット150及び170の位置を、ハンドル110の移動に対応して変更する。逆に、時間軸tに対するウィジェット150及び170の一方が移動されると、表示制御部13は、ウィジェット150及び170の一方の移動に応じて、スライダー100のハンドル110の位置を変更し、且つ、ウィジェット150及び170の他方の位置を変更する。このように、スライダー100のハンドル110の位置(時相)と、ウィジェット150の位置(つまり、ウィジェット150が示す血流情報の時相)と、ウィジェット170の位置(つまり、ウィジェット170が示す心電図の時相)とは、相互に対応している。
以上のように、スライダー100のハンドル110が示す時相と、血流状態画像131〜134が示す時相と、ウィジェット150が示す時相と、ウィジェット170が示す時相とは、互いに対応している。更に、時相が異なる複数の形態画像を選択的に表示する場合には、スライダー100のハンドル110が示す時相と、形態画像が示す時相と、血流状態画像131〜134が示す時相と、ウィジェット150が示す時相と、ウィジェット170が示す時相とが、互いに対応している。
また、スライダー100の操作は、例えば、操作部50に含まれるポインティングデバイス(マウスなど)を用いてハンドル110をドラッグすることによって行われる。ウィジェット150及び170の操作についても同様であってよい。
表示制御部13は、血流状態画像131〜134を動画として表示させることができる。この場合、表示制御部13は、血流状態画像131〜134などの時相に対応して形態画像120を逐次に更新することができる。つまり、表示制御部13は、血流状態画像131〜134と形態画像120との全体を動画として表示させることができる。
更に、表示制御部13は、スライダー100が示す時相(つまり、ハンドル110の位置)と、ウィジェット150が示す時相と、ウィジェット170が示す時相とを、動画としての血流状態画像131〜134(及び形態画像120)に同期して変更することができる。
眼底OCT血流計測に加えてOCT血管造影が実施された場合、画像形成部32は、眼底の血管強調画像を形成することができる。この場合、表示制御部13は、生体情報及び眼底血流情報とともに血管強調画像を表示させることができる。
或いは、画像形成部32は、例えば、眼底OCT血流計測における注目断面の繰り返しスキャンにより収集されたデータに基づいて、注目断面についての複数の断面像を形成し、更に、これら断面像に基づいて注目断面の血管強調画像を形成することができる。この場合、表示制御部13は、生体情報及び眼底血流情報とともに血管強調画像を表示させることができる。
〈眼科情報処理装置〉
例示的な実施形態に係る眼科情報処理装置について説明する。本実施形態の眼科情報処理装置の構成例を図5に示す。眼科情報処理装置200は、生体情報モニタにより取得された被検者の生体情報と、OCTを用いて取得された当該被検者の眼底のデータとを記憶し、記憶された生体情報及びデータに基づいて時系列的に変化する生体情報と時系列的に変化する眼底血流情報とを表示デバイス2に同期的に表示させる。
表示デバイス2は眼科情報処理装置200の一部であってもよいし、眼科情報処理装置200に接続された外部装置であってもよい。また、眼科情報処理装置200は、各種情報を、コンピュータ、記憶装置、眼科装置などに送ることができる。
眼科情報処理装置200は、制御部210と、記憶部220と、データ処理部230と、データ入力部240と、操作部250とを含む。制御部210は、表示制御部213を含む。記憶部220には、OCTデータ221と生体情報222とが記憶される。
眼科情報処理装置200の各要素は、例えば、前述した眼科システム1において対応する要素と同様の構成及び機能を有する。すなわち、制御部210は制御部10と同様の構成及び機能を有し、表示制御部213は表示制御部13と同様の構成及び機能を有し、記憶部220は記憶部20と同様の構成及び機能を有し、操作部250は操作部50と同様の構成及び機能を有する。
OCTデータ221は、OCTデータ21と同様の形態のデータであってよい。例えば、OCTデータ221は、次の(1)〜(5)のいずれか1以上を含んでいてよい。
(1)眼底のOCTスキャンによって収集されたデータ(生データ)
(2)生データを処理して得られた画像データ
(3)生データから画像データを生成するための一連の処理の途中で得られた中間データ
(4)生データを処理して得られた血流情報
(5)生データから血流情報を生成するための一連の処理の途中で得られた中間データ
生体情報222は、生体情報22と同様の形態のデータであってよい。例えば、生体情報222は、心電計により得られた心電図、心拍計により得られた心拍情報、脈拍計により得られた脈拍情報、血圧計により得られた血圧情報、呼吸計により得られた呼吸数情報、活動量計により得られた活動量情報、脳波計により得られた脳波情報、脳磁計により得られた脳磁図、機能的磁気共鳴イメージング装置により得られた機能的磁気共鳴画像(fMRI画像)など、各種の生体情報のいずれかを含む。
また、前述した眼科システム1の場合と同様に、OCTデータ221と生体情報222とを時間的に関連付けることができる。
データ処理部230は、各種データ処理を実行する。データ処理部230は、画像形成部32と同様の構成及び機能を有していてよい。例えば、OCTデータ221が上記OCTデータ(1)、(3)及び(5)の少なくともいずれかを含む場合、データ処理部230は、画像形成部32と同様の処理を実行することによりOCT画像(形態画像、位相画像など)を形成することができる。
データ処理部230は、血流情報生成部33と同様の構成及び機能を有していてよい。例えば、OCTデータ221が上記OCTデータ(1)及び(5)の少なくともいずれかを含む場合、データ処理部230は、血流情報生成部33と同様の処理を実行することにより血流情報(血流速度、血流量など)を生成することができる。
データ入力部240は、OCTデータ221及び/又はその元になるデータを外部から眼科情報処理装置200に入力する。OCTデータ222及び/又はその元になるデータは、OCT装置300が被検者の眼底にOCT(例えば、眼底OCT血流計測、OCT血管造影など)を適用することによって生成される。
更に、データ入力部240は、生体情報222又はその元になるデータを外部から眼科情報処理装置200に入力する。生体情報222又はその元になるデータは、被検者に適用された生体情報モニタ400によって生成される。
データ入力部240は、例えば、外部装置との間でデータ通信を行うための通信インターフェイス、記録媒体からデータを読み取る装置などを含んでいてよい。この外部装置は、OCTデータ221及び/又はその元になるデータを生成する装置(例えば、OCT装置300)と、この装置により生成されたデータを保存する装置(例えば、画像アーカイビング装置)との少なくとも一方を含む。更に、この外部装置は、生体情報222及び/又はその元になるデータを生成する装置(例えば、生体情報モニタ400)と、この装置により生成されたデータを保存する装置(例えば、電子カルテシステム)との少なくとも一方を含む。
表示制御部213は、例えば、図4A〜図4Dのいずれかと同様の情報を表示デバイス2に表示させることができる。更に、表示制御部213は、眼底の血管強調画像を表示させることもできる。また、ウィジェット(スライダー100、ウィジェット150など)が操作されたとき、表示制御部213は、表示制御部13と同様の表示制御を実行することができる。
〈眼科撮影装置〉
例示的な実施形態に係る眼科撮影装置について説明する。本実施形態の眼科撮影装置の構成例を図6に示す。眼科撮影装置500は、生体情報モニタにより取得された被検者の生体情報を受け付け、当該被検者の眼底にOCTを適用してデータを取得し、取得されたデータに基づく時系列的に変化する眼底血流情報と、受け付けられた時系列的に変化する生体情報とを表示デバイス2に同期的に表示させる。
表示デバイス2は眼科撮影装置500の一部であってもよいし、眼科撮影装置500に接続された外部装置であってもよい。また、眼科撮影装置500は、各種情報を、コンピュータ、記憶装置、眼科装置などに送ることができる。
眼科撮影装置500は、制御部510と、記憶部520と、データ取得部530と、データ入力部540と、操作部550とを含む。制御部510は、スキャン制御部511と、同期処理部512と表示制御部513とを含む。記憶部520には、OCTデータ521と生体情報522とが記憶される。
眼科撮影装置500の各要素は、例えば、前述した眼科システム1において対応する要素と同様の構成及び機能を有する。すなわち、制御部510は制御部10と同様の構成及び機能を有し、スキャン制御部511はスキャン制御部11と同様の構成及び機能を有し、同期処理部512は同期処理部12と同様の構成及び機能を有し、表示制御部513は表示制御部13と同様の構成及び機能を有し、記憶部520は記憶部20と同様の構成及び機能を有し、データ取得部530はデータ取得部30と同様の構成及び機能を有し、操作部550は操作部50と同様の構成及び機能を有する。また、眼科撮影装置500のデータ入力部540は、前述した眼科情報処理装置200のデータ入力部240と同様の構成及び機能を有する。
OCTデータ521は、OCTデータ21と同様の形態のデータであってよい。更に、生体情報522は、生体情報22と同様の形態のデータであってよい。また、前述した眼科システム1の場合と同様に、OCTデータ521と生体情報522とを時間的に関連付けることができる。
図示は省略するが、データ取得部530は、データ取得部30と同様に、OCTスキャナ31、画像形成部32、及び血流情報生成部33を含む。データ取得部530により取得されたデータ、このデータに基づき形成された画像、この画像に基づき生成された血流情報などは、OCTデータ521として記憶部520に保存される。
データ入力部540は、生体情報522又はその元になるデータを外部から眼科情報処理装置200に入力する。生体情報522又はその元になるデータは、被検者に適用された生体情報モニタ600によって生成される。
データ入力部540は、例えば、外部装置との間でデータ通信を行うための通信インターフェイス、記録媒体からデータを読み取る装置などを含んでいてよい。この外部装置は、生体情報522及び/又はその元になるデータを生成する装置(例えば、生体情報モニタ600)と、この装置により生成されたデータを保存する装置(例えば、電子カルテシステム)との少なくとも一方を含む。
表示制御部513は、例えば、図4A〜図4Dのいずれかと同様の情報を表示デバイス2に表示させることができる。更に、表示制御部513は、眼底の血管強調画像を表示させることもできる。また、ウィジェット(スライダー100、ウィジェット150など)が操作されたとき、表示制御部513は、表示制御部13と同様の表示制御を実行することができる。
〈作用・効果〉
上記した例示的な実施形態に係る眼科システム、眼科撮影装置、及び眼科情報処理装置の作用及び効果について説明する。
実施形態に係る眼科システム(1)は、生体情報モニタ(90)と、データ取得部(30)と、表示処理部(表示制御部13など)とを含む。生体情報モニタは、時系列的に変化する被検者の生体情報を検出する。データ取得部は、当該被検者の眼底にOCTを適用してデータを取得する。表示処理部は、表示手段(表示デバイス2)に情報を表示させる。
具体的には、表示処理部は、データ取得部により取得されたデータ(OCTデータ21)に基づく時系列的に変化する眼底血流情報(血流グラフ140など)と、生体情報モニタにより検出された時系列的に変化する生体情報(心電図160など)とを同期的に表示させる。換言すると、表示処理部は、眼底血流情報に関する時間と生体情報に関する時間とを同期させて眼底血流情報と生体情報とを表示させる。
ここで、生体情報モニタは、心電計、心拍計、脈拍計、血圧計、呼吸計、活動量計、脳波計、脳磁計、及び機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)装置のうちの少なくとも1つを含んでいてよい。なお、生体情報モニタはこれらに限定されず、任意の生体情報を取得可能な装置であってよい。
このように構成された実施形態によれば、眼底血流情報の表示と生体情報の表示とを同期させることができるので、ユーザーは、眼底の血流動態と他の生体情報との関係の把握を容易化することが可能である。
実施形態において、表示処理部は、眼底血流情報として、所定の眼底血管における血流の時系列変化を表す血流グラフ(140)を表示させるように構成されていてよい。所定の眼底血管は、例えば、前述した注目血管である。
実施形態において、血流グラフ(140)は、第1座標軸が時間を示し、且つ、第2座標軸が血流速度又は単位時間当たり血流量を示す2次元直交座標系により表現されるように構成されていてよい。
このような構成によれば、血流速度の時系列変化や、単位時間当たり血流量の時系列変化を、グラフとして提示することができる。それにより、ユーザーは、血流速度の時系列変化や、単位時間当たり血流量の時系列変化を容易に把握することができる。
実施形態において、表示処理部は、データ取得部により取得されたデータに基づく眼底の形態画像(120)を表示させ、且つ、眼底血流情報として、この形態画像が表す領域の内部に位置する血管における血流の状態を示す血流状態画像(131〜134)を、当該血管に対応する形態画像内の位置に表示させるように構成されていてよい。
このような構成によれば、ユーザーは、形態画像により眼底の形態を観察しつつ、血管の位置や血流の時系列変化を容易に把握することができる。
実施形態において、血流状態画像は、血流速度の大きさ又は単位時間当たり血流量の大きさを色で表現した画像を含んでいてよい。
このような構成によれば、血流速度の大きさや、単位時間当たり血流量の大きさを、色を用いて提示することができる。それにより、ユーザーは、血流速度の大きさや、単位時間当たり血流量の大きさを容易に把握することができる。
実施形態において、血流状態画像は、血流の向きを色で表現した画像を含んでいてよい。
このような構成によれば、色を用いて血流の向きを提示することができる。それにより、ユーザーは、血流の向きを容易に把握することができる。
実施形態において、表示処理部は、形態画像としてBスキャン画像を表示させ、且つ、血管の断面に対応するBスキャン画像内の位置に血流状態画像を表示させることができる。
このような構成によれば、ユーザーは、眼底のB断面の形態を観察しつつ、このB断面における血流状態を容易に把握することができる。
実施形態において、表示処理部は、生体情報と眼底血流情報とを互いの時相が同期するように動画として表示させるように構成されていてよい。
このような構成によれば、生体情報と眼底血流情報とを、互いに同期された動的な情報(動画情報)として表現することが可能である。それにより、ユーザーは、生体情報の時系列的な変化と眼底血流情報の時系列的な変化とを動画情報として観察しつつ、相互の時間的な関係を容易に把握することができる。
実施形態において、表示処理部は、生体情報モニタにより検出された所定の時相の生体情報と、データ取得部により取得されたデータに基づく当該時相の眼底血流情報とを並列的に表示させるように構成されていてよい。
このような構成によれば、同じ時相に対応する生体情報と眼底血流情報とを並べて表示することが可能である。それにより、ユーザーは、或る時相の生体情報と眼底血流情報とを容易に且つ詳細に比較観察することができる。また、ユーザーは、表示させる時相を変更することができる。それにより、ユーザーは、所望の時相の生体情報と眼底血流情報とを容易に且つ詳細に比較観察することができる。
実施形態に係る眼科システムは、生体情報モニタの動作とデータ取得部の動作とを同期的に実行させる同期処理部(12)を含んでいてよい。
このような構成によれば、生体情報を検出する動作とOCTとを同期的に実行することが可能である。それにより、生体情報と眼底血流情報との同期的表示を容易に実現することができる。
実施形態において、同期処理部は、生体情報モニタにより検出された生体情報に基づいてデータ取得部の動作を制御するように構成されてよい。
このような構成によれば、生体情報を参照してOCTに関する動作を制御することが可能である。それにより、生体情報とOCTデータとの間の時間的関連付けを容易に行うことができる。したがって、生体情報と眼底血流情報との同期的表示を容易に実現することが可能になる。
実施形態において、表示処理部は、時相を示すユーザーインターフェイス(スライダー100、ウィジェット150、155、170)を、眼底血流情報及び生体情報の少なくとも一方とともに表示させるように構成されていてよい。
このような構成によれば、ユーザーは、眼底血流情報の時相や生体情報の時相を容易に把握することができる。また、ユーザーは、ユーザーインターフェイスを操作することで所望の時相を設定し、所望の時相における眼底血流情報及び生体情報を観察することや、所望の時相から眼底血流情報及び生体情報を観察することができる。
実施形態において、データ取得部(30)は、次の一連の処理を実行するように構成されていてよい:予め設定された計測位置において血管に交差する第1断面を繰り返しスキャンして第1データを収集する;この計測位置の近傍において当該血管に交差する1以上の第2断面をスキャンして第2データを収集する;第2データに基づいて計測位置における当該血管の傾斜角度を算出する;算出された傾斜角度と第1データとに基づいて、第1断面を通過する血管における血流の時系列変化を表す血流情報を取得する。
このような構成によれば、OCT血流計測を実行して血流情報を生成し、この血流情報に基づいて血流グラフや血流状態画像を表示することができる。
実施形態において、データ取得部は、眼底にOCT血管造影を適用してデータを取得するように構成されていてよい。更に、表示処理部は、OCT血管造影により取得されたデータに基づいて血管強調画像を表示させるように構成されていてよい。
このような構成によれば、眼底血管を強調して表現した血管強調画像を、眼底血流情報や生体情報とともに表示することが可能である。それにより、ユーザーは、眼底血流動態や生体情報に加えて、眼底血管の分布(位置、太さ、向きなど)を容易に把握することができる。
実施形態に係る眼科撮影装置は、受付部(データ入力部540)と、データ取得部(530)と、表示処理部(表示制御部513など)とを含む。受付部は、生体情報モニタ(600)により取得された時系列的に変化する被検者の生体情報を受け付ける。データ取得部は、被検者の眼底に光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を適用してデータを取得する。表示処理部は、表示手段(表示デバイス2)に情報を表示させる。具体的には、表示処理部は、データ取得部により取得されたデータに基づく時系列的に変化する眼底血流情報と、受付部により受け付けられた時系列的に変化する生体情報とを同期的に表示させる。
このように構成された実施形態によれば、眼底血流情報の表示と生体情報の表示とを同期させることができるので、ユーザーは、眼底の血流動態と他の生体情報との関係の把握を容易化することが可能である。
なお、実施形態に係る眼科システムに関する任意の事項を、実施形態に係る眼科撮影装置に適用することが可能である。
実施形態に係る眼科情報処理装置は、受付部(データ入力部240)と、表示処理部(表示制御部213など)とを含む。受付部は、生体情報モニタ(400)により取得された時系列的に変化する被検者の生体情報と、被検者の眼底に光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を適用して取得されたデータとを受け付ける。表示処理部は、表示手段(表示デバイス2)に情報を表示させる。具体的には、表示処理部は、受付部により受け付けられたデータに基づく時系列的に変化する眼底血流情報と、受付部により受け付けられた時系列的に変化する生体情報とを同期的に表示させる。
このように構成された実施形態によれば、眼底血流情報の表示と生体情報の表示とを同期させることができるので、ユーザーは、眼底の血流動態と他の生体情報との関係の把握を容易化することが可能である。
なお、実施形態に係る眼科システムに関する任意の事項を、実施形態に係る眼科情報処理装置に適用することが可能である。
実施形態の作用及び効果はこれらに限定されず、実施形態として説明されたそれぞれの事項が提供する作用及び効果や、複数の事項の組み合わせが提供する作用及び効果も考慮されるべきである。また、所望の作用及び/又は効果を得るために、又は他の目的のために、前述したいずれかの実施形態、他の実施形態、公知技術等を任意に組み合わせることが可能である。
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。