JP5867665B1 - 混注装置 - Google Patents

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Abstract

注射器の注射針の針先部の向き又は注射針の傾きを考慮して注射器を使用することが可能な混注装置を提供するため、混注装置(1)は、注射器(11)で容器(10)から薬品を吸引して他の容器(12)に注入する混注処理を実行するものであり、複数の方向から注射器(11)の注射針(11c)の針先部(11e)に光を照射したときの針先部(11e)の投影像各々の幅を検出し、その検出された投影像各々の幅と前記投影像に対応する光各々の照射方向とに応じて、注射針(11)の半径方向のうち注射針(11c)の中心から注射針(11c)の尖端(11g)に向かう第1方向を針先部(11e)の向きとして検出することが可能である。

Description

本発明は、容器に収容された抗がん剤などの薬品を注射器で他の容器に注入する混注処理を実行する混注装置に関する。
バイアル瓶又はアンプルなどの容器に収容された抗がん剤などの薬品を注射器で吸引し、その薬品を輸液が収容された輸液バッグ等の他の容器に注入する混注処理を実行する混注装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2014/065196号
ところで、この種の混注装置では、注射器の注射針の針曲り量が検出され、輸液バッグなどの混注口に穿刺される際の注射針の針先位置が補正されることがある。しかしながら、この種の混注装置で実行される混注処理では、注射針の針先部の向き又は注射針の傾きが考慮されていなかった。
本発明の目的は、注射器の注射針の針先部の向き又は注射針の傾きを考慮して注射器を使用することが可能な混注装置を提供することにある。
本発明に係る混注装置は、注射器で容器から薬品を吸引して他の容器に注入する混注処理を実行する混注装置であって、複数の方向から前記注射器の注射針の針先部に光を照射したときの前記針先部の投影像各々の幅を検出する幅検出部と、前記幅検出部によって検出される前記針先部の投影像各々の幅と前記投影像に対応する光各々の照射方向とに応じて、前記注射針の半径方向のうち前記注射針の中心から前記注射針の尖端に向かう第1方向を検出する向き検出部と、を備える。
本発明によれば、注射器の注射針の針先部の向き又は注射針の傾きを考慮して注射器を使用することが可能な混注装置が実現される。
図1は、本発明の実施形態に係る混注装置のシステム構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施形態に係る混注装置の外観構成を示す斜視図である。 図3は、本発明の実施形態に係る混注装置の主扉を開けた状態の斜視図である。 図4は、本発明の実施形態に係る混注装置の主扉及び前壁の一部を取り外した状態の正面図である。 図5は、本発明の実施形態に係る混注装置で使用されるトレイを示す斜視図である。 図6は、本発明の実施形態に係る混注装置を下方から見た斜視図である。 図7は、本発明の実施形態に係る混注装置の第1ロボットアームの保持部を示す斜視図である。 図8は、本発明の実施形態に係る混注装置の第2ロボットアームの保持部を示す斜視図である。 図9は、本発明の実施形態に係る混注装置のトレイ搬送部を示す平面模式図である。 図10は、本発明の実施形態に係る混注装置のトレイ搬送部の機構を示す斜視図である。 図11は、本発明の実施形態に係る混注装置のアンプルカッターを示す斜視図である。 図12は、本発明の実施形態に係る混注装置の攪拌装置の内部構成を示す斜視図である。 図13は、本発明の実施形態に係る混注装置の薬品読取部を示す斜視図である。 図14は、本発明の実施形態に係る混注装置の針曲り検知部を示す斜視図である。 図15は、本発明の実施形態に係る混注装置の注射針着脱装置の内部構造を示す斜視図である。 図16は、本発明の実施形態に係る混注装置の注射針着脱装置の内部構造を示す斜視図である。 図17は、本発明の実施形態に係る混注装置の針挿入確認カメラの撮影画像の一例を示す図である。 図18Aは、本発明の実施形態に係る混注装置の針曲り検知部の詳細を示す図である。 図18Bは、本発明の実施形態に係る混注装置の針曲り検知部の詳細を示す図である。 図19Aは、本発明の実施形態に係る混注装置の針曲り検知部の詳細を示す図である。 図19Bは、本発明の実施形態に係る混注装置の針曲り検知部の詳細を示す図である。 図20は、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される傾き補正処理の一例を示すフローチャートである。 図21Aは、本発明の実施形態に係る混注装置の傾き補正処理の動作例を示す図である。 図21Bは、本発明の実施形態に係る混注装置の傾き補正処理の動作例を示す図である。 図21Cは、本発明の実施形態に係る混注装置の傾き補正処理の動作例を示す図である。 図22は、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される向き検出処理の一例を示すフローチャートである。 図23は、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理の一例を示すフローチャートである。 図24Aは、注射針の針先部の断面を示す図である。 図24Bは、注射針の針先部の断面を示す図である。 図24Cは、注射針の針先部の断面を示す図である。 図24Dは、注射針の針先部の断面を示す図である。 図24Eは、注射針の針先部の断面を示す図である。 図25Aは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図25Bは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図25Cは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図25Dは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図25Eは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図25Fは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図25Gは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図25Hは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図25Iは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図26は、本発明の実施形態に係る混注装置で使用される向き対応情報の一例を示す図である。 図27Aは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図27Bは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図27Cは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図27Dは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図27Eは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図27Fは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図27Gは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図27Hは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図27Iは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される投影データ取得処理で取得される投影データを示す模式図である。 図28は、本発明の実施形態に係る混注装置で使用される向き対応情報の一例を示す図である。 図29Aは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行されるキャップ装着処理を説明するための図である。 図29Bは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行されるキャップ装着処理を説明するための図である。 図30Aは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行されるキャップ装着処理を説明するための図である。 図30Bは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行されるキャップ装着処理を説明するための図である。 図30Cは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行されるキャップ装着処理を説明するための図である。 図31Aは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第1穿刺処理を説明するための図である。 図31Bは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第1穿刺処理を説明するための図である。 図31Cは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第1穿刺処理を説明するための図である。 図32Aは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第2穿刺処理を説明するための図である。 図32Bは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第2穿刺処理を説明するための図である。 図33Aは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第3穿刺処理を説明するための図である。 図33Bは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第3穿刺処理を説明するための図である。 図34Aは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第3穿刺処理を説明するための図である。 図34Bは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第3穿刺処理を説明するための図である。 図35Aは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第3穿刺処理を説明するための図である。 図35Bは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第3穿刺処理を説明するための図である。 図36Aは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される薬液吸引処理を説明するための図である。 図36Bは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される薬液吸引処理を説明するための図である。 図37Aは、本発明の他の実施形態に係る混注装置で実行される向き検出処理を説明するための図である。 図37Bは、本発明の他の実施形態に係る混注装置で実行される向き検出処理を説明するための図である。 図37Cは、本発明の他の実施形態に係る混注装置で実行される向き検出処理を説明するための図である。 図38Aは、本発明の他の実施形態に係る混注装置で実行される向き検出処理を説明するための図である。 図38Bは、本発明の他の実施形態に係る混注装置で実行される向き検出処理を説明するための図である。 図38Cは、本発明の他の実施形態に係る混注装置で実行される向き検出処理を説明するための図である。 図39Aは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第4穿刺処理を説明するための図である。 図39Bは、本発明の実施形態に係る混注装置で実行される第4穿刺処理を説明するための図である。 図40は、本発明の実施形態に係る混注装置で使用される所要時間テーブルの一例を示す図である。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。また、各実施形態の構成又は処理を組み合わせて他の実施形態を実現することも考えられる。
[第1の実施形態]
まず、図1〜図36を参照しつつ、本発明の第1の実施形態について説明する。
[混注装置1]
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る混注装置1は、混注制御装置100、薬品装填部200、及び混注処理部300を備える。そして、前記混注装置1では、前記混注制御装置100により前記混注処理部300の動作が制御されることによって、注射器で、調製データに示された抗がん剤などの薬品を既定量の前記薬品が収容された一又は複数のアンプル又はバイアル瓶などの容器から輸液容器などの他の容器に注入する混注処理が実行される。また、前記混注処理の他の例には、注射器でアンプル又はバイアル瓶などの容器から薬品を吸引して他のアンプル又はバイアル瓶などの容器に注入する処理、又は注射器で輸液容器などの容器から薬品を吸引して他のバイアル瓶などの容器に注入する処理なども含まれる。即ち、前記輸液バッグに収容されている生理用食塩水又はブドウ糖なども前記混注処理の対象となる薬品の一例である。
[混注制御装置100]
まず、図1を参照しつつ前記混注制御装置100の概略構成について説明する。前記混注制御装置100は、通信可能に接続された第1制御部400及び第2制御部500を備える。前記第1制御部400は、前記薬品装填部200側に設けられ、前記第2制御部500は、前記混注処理部300側に設けられている。
なお、本実施形態で説明する前記第1制御部400及び前記第2制御部500各々の処理分担は一例に過ぎず、前記混注処理の各処理手順は前記第1制御部400及び前記第2制御部500のいずれかによって実行されればよい。また、前記混注制御装置100が、一つの制御部又は三つ以上の制御部を有することも他の実施形態として考えられる。さらに、前記第1制御部400及び前記第2制御部500で実行される処理の一部又は全部が、ASIC又はDSPなどの電子回路により実行されてもよい。
また、前記第1制御部400は、前記混注装置1に調製データを入力する電子カルテシステム又は調剤管理システムなどの上位システム600との間で通信可能である。前記調製データは、処方データに基づいて生成される調製用のデータ又は前記処方データそのものである。例えば、前記処方データには、処方箋交付年月日、患者ID、患者名、患者生年月日、薬品情報(薬品コード、薬品名、用量など)、剤形情報(内服、外用など)、用法情報(1日3回毎食後など)、診療種別(外来、入院など)、診療科、病棟、及び病室などが含まれる。また、前記調製データには、患者情報、医師情報、薬品情報、薬品の処方量、薬品容器の種類(薬液入りアンプル、薬液入りバイアル瓶、又は粉薬入りバイアル瓶など)、調製内容情報(混注処理に使用する薬品容器、注射器、注射針の種類や本数等)、及び調製手順情報(作業内容、溶解薬、溶媒、溶解薬量、溶媒量、抜取量)、調製日、処方箋区分、投薬日、診療科、病棟、調製時間などが含まれる。
前記第1制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、データ記憶部404、及び操作部405などを備えるパーソナルコンピュータである。前記第1制御部400には、前記薬品装填部200に設けられた後述のディスプレイ203、バーコードリーダ204、及び空気清浄装置205などの各種の電気部品が接続されている。
前記CPU401は、各種の制御プログラムに従って処理を実行するプロセッサーである。前記ROM402は、前記CPU401により実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAM403は、前記CPU401による各種の制御プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。
前記データ記憶部404は、前記CPU401によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータを記憶するハードディスク等である。具体的に、前記データ記憶部404には、前記上位システム600から入力される前記調製データが記憶される。
ここで、前記第1制御部400は、前記上位システム600から入力された前記調製データと共に前記調製データごとに対応する後述のトレイ101の識別情報を記憶する。例えば、前記調製データと前記トレイ101との対応付けは、前記第1制御部400によって行われる。また、前記調製データと前記トレイ101との対応関係を示す情報が前記調製データと共に前記混注装置1に入力されることも考えられる。
また、前記データ記憶部404には、例えば注射針マスター、薬品マスター、患者マスター、医師マスター、処方箋区分マスター、診療科マスター、及び病棟マスターなどの各種データベースが記憶されている。前記注射針マスターには、注射針の種類ごとに注射針の針先部の形状が記憶されている。前記注射針の針先部の形状には、前記注射針の針管の外径、尖端の角度、及びカット面(傾斜面)の長さ等が含まれる。また、前記薬品マスターには、薬品コード、薬品名、JANコード(又はRSS)、薬瓶コード、区分(剤形:散薬、錠剤、水剤、外用薬など)、比重、薬品種(普通薬、抗がん剤、毒薬、麻薬、劇薬、抗精神薬、治療薬など)、配合変化、賦形薬品、注意事項、薬品容器の種別(アンプル、バイアル瓶)、薬品容器単位の薬品の収容量(既定量)、及び薬品容器の重量などの情報が含まれる。
さらに、前記データ記憶部404には、前記CPU401に各種の処理を実行させるための混注制御プログラムが予め記憶されている。なお、前記混注制御プログラムは、前記第1制御部400が備える不図示の読取装置によって、例えばCD、DVD、BD、フラッシュメモリなどの記録媒体から読み取られて前記データ記憶部404にインストールされてもよい。
前記操作部405は、前記第1制御部400における各種のユーザー操作を受け付けるキーボード、マウス、又はタッチパネルなどの各種の操作手段を含む。
前記第2制御部500は、CPU501、ROM502、RAM503、データ記憶部504、操作部505などを備えるパーソナルコンピュータである。前記第2制御部500には、前記混注処理部300に設けられた後述の第1ロボットアーム21、第2ロボットアーム22、トレイ搬送部110、タッチパネルモニタ14、ICリーダ101c、ICリーダ15a、トレイ確認カメラ41、注射器確認カメラ42などの各種の電気部品が接続されている。
前記CPU501は、各種の制御プログラムに従って処理を実行するプロセッサーである。前記ROM502は、前記CPU501により実行されるBIOS等のプログラムが予め記憶された不揮発性メモリである。前記RAM503は、前記CPU501による各種の制御プログラムの展開及びデータの一時記憶に用いられる揮発性メモリ又は不揮発性メモリである。
前記データ記憶部504は、前記CPU501によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータを記憶するハードディスク等である。具体的に、前記データ記憶部504には、前記CPU501に後述の混注処理などを実行させるための混注制御プログラムが予め記憶されている。なお、前記混注制御プログラムは、前記第2制御部500が備える不図示の読取装置によって、例えばCD、DVD、BD、フラッシュメモリなどの記録媒体から読み取られて前記データ記憶部504にインストールされてもよい。
なお、本発明は、前記混注制御装置100において前記CPU401及び前記CPU501に各種の処理を実行させるための前記混注制御プログラム又は前記混注制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の発明として捉えてもよい。また、本発明は、前記混注装置1において前記混注処理の各処理手順を実行する混注方法の発明として捉えてもよい。
前記操作部505は、前記第2制御部500における各種のユーザー操作を受け付けるキーボード、マウス、又はタッチパネルなどの各種の操作手段を含む。
[薬品装填部200]
次に、図2及び図3を参照しつつ、前記薬品装填部200の概略構成について説明する。
図2及び図3に示すように、前記薬品装填部200は、扉201、作業テーブル202、ディスプレイ203、バーコードリーダ204、及び空気清浄装置205を備えるクリーンベンチである。なお、図3に示すように、前記薬品装填部200と前記混注処理部300とは、前記混注処理部300の側面に形成されたトレイ挿入口114により連通されている。
前記ディスプレイ203は、前記第1制御部400からの制御指示に応じて各種の情報を表示させる液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示手段である。具体的に、前記ディスプレイ203には、前記混注装置1における混注対象の候補となる調製データなどが表示される。また、前記バーコードリーダ204は、処方箋又は調製指示書などに記載されたバーコードを読み取って、前記バーコードの内容を前記第1制御部400に入力する。前記空気清浄装置205は、前記薬品装填部200内に所定のフィルターを通じて空気を供給する。
前記扉201は、前記薬品装填部200の前面に設けられており、鉛直上下方向に開閉可能である。ユーザーは、図2に示すように、前記扉201を少し開いて手を前記薬品装填部200内に入れた状態で、前記混注装置1により実行される混注処理の準備作業を行う。具体的に、前記作業テーブル202上に載置されているトレイ101には、図5に示すように、前記混注装置1で実行される混注処理で使用する薬品容器10(容器の一例)、注射器11、及び輸液バッグ12(容器の一例)などが収容される。前記準備作業には、例えば前記トレイ101の所定の位置に前記薬品容器10、前記注射器11、及び前記輸液バッグ12を載置させ、前記トレイ101を前記混注処理部300に装填する装填作業が含まれる。以下では、前記薬品容器10がアンプルである場合には、前記薬品容器10をアンプル10Aと称し、前記薬品容器10がバイアル瓶である場合には、前記薬品容器10をバイアル瓶10Bと称する。
図5に示すように、前記トレイ101は、患者名及び施用などが文字表示される電子ペーパー101aと、各種の情報が読み書き可能なRFID(Radio Frequency Identification)タグのようなICタグ101b(記録媒体の一例)とを有する。前記ICタグ101bには、前記トレイ101を識別するための識別情報が記憶されている。
また、前記トレイ101は、前記薬品容器10及び前記注射器11(シリンジ11a、注射針11c、キャップ11d)が載置される器材載置部102(図9参照)と、前記輸液バッグ12を保持する輸液バッグ保持部103(図5参照)とを有する。前記器材載置部102及び前記輸液バッグ保持部103は前記トレイ101に対して個別に着脱可能である。
前記器材載置部102には、図5に示すように、前記アンプル10Aを傾斜した状態で支持する支持部102Aが設けられている。そして、前記アンプル10Aは、前記支持部102Aで斜めに立てられた状態でセットされる。これにより、前記アンプル10Aの首部に薬品が溜まらない。また、前記アンプル10Aの他、前記注射器11の注射針11cなども前記支持部102Aに斜めに立てられた状態でセットされる。
前記注射針11cには、シリンジフィルター付きの注射針も含まれる。具体的に、前記アンプル10Aを使用する場合は、前記アンプル10Aの首が折られたときの破片が前記注射器11から前記輸液バッグ12に注入されること、又は前記破片が前記注射器11に流入することを防止するためにシリンジフィルター付きの注射針が使用される。前記シリンジフィルターは、一般にコマ型フィルターとも称されるフィルターであり、薬品以外の異物の通過を防止する機能を有する。例えば、一般には日本ポール社製のシリンジフィルターが知られている。
一方、前記バイアル瓶10B及び前記注射器11は、図5及び図9に示すように、前記器材載置部102に寝かせた状態でセットされる。なお、このとき前記注射器11は、シリンジ11a及び注射針11cが分離した状態である。もちろん、ここで説明する前記器材載置部102内の配置形態は例示であり、これに限定されるものではない。
また、前記輸液バッグ保持部103には、図5に示すように、前記輸液バッグ12の混注口(首部)を固定するためのチャック部140が設けられている。前記準備作業では、ユーザーが前記輸液バッグ12を前記チャック部140で保持させた状態で前記輸液バッグ保持部103にセットする。また、前記輸液バッグ保持部103には、前記輸液バッグ保持部103を昇降させる際に使用される係合穴部103aが設けられている。
そして、前記トレイ101は、ユーザーにより前記薬品容器10、前記注射器11及び前記輸液バッグ12がセットされた後、前記トレイ挿入口114を通じて前記混注処理部300に供給される。なお、前記薬品装填部200が、自動的に前記トレイ101を前記混注処理部300に搬入させるベルトコンベアなどの搬入機構を備えることも考えられる。
[混注処理部300]
続いて、前記混注処理部300の概略構成について説明する。
図2〜図4に示すように、前記混注処理部300の前面には、主扉301、注射器取出扉302、ゴミ収容室扉13、タッチパネルモニタ14、及びトレイ排出口15などが設けられている。
前記主扉301は、例えば前記混注処理部300に設けられた混注処理室104内の清掃などの際に、前記混注処理室104内にアクセスするために開閉される。また、前記混注装置1では、薬品が注入された前記輸液バッグ12を払い出す他に、薬品が充填された状態で前記注射器11を払い出すことも可能である。前記注射器取出扉302は、前記混注処理室104から前記注射器11を取り出す際に開閉される。
前記ゴミ収容室扉13は、前記混注処理室104における混注処理で使用された後の前記薬品容器10及び前記注射器11などの廃棄物が収容されるゴミ収容室13aから前記廃棄物を除去するために開閉される。また、前記トレイ排出口15は、前記混注処理室104における混注処理により薬品が混注された後の前記輸液バッグ12が載置された前記トレイ101を取り出すために開閉される。
前記タッチパネルモニタ14は、前記第2制御部500からの制御指示に応じて各種の情報を表示させる液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示手段である。前記タッチパネルモニタ14には、例えば後述の各種カメラによって撮影される画像又は映像が表示可能である。
[混注処理室104]
図3及び図4に示すように、前記混注処理室104には、第1ロボットアーム21、第2ロボットアーム22、アンプルカッター31、攪拌装置32、載置棚33、回転用載置部33A、薬品読取部34、秤量計35、針曲り検知部36、混注連通口37、針挿入確認透明窓38、及びゴミ蓋132aなどが設けられている。さらに、図6に示すように、前記混注処理室104の天井側には、トレイ確認カメラ41、注射器確認カメラ42、注射針着脱装置43、針挿入確認カメラ44、殺菌灯45などが設けられている。
[第1ロボットアーム21、第2ロボットアーム22]
前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22は、多関節構造を有する駆動部であり、前記混注処理室104の天井側に基端部を固定して垂下状に設けられている。例えば、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22の関節はそれぞれ5軸〜8軸である。そして、前記混注装置1では、双腕型の前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22により混注処理における各作業工程が実行される。
具体的に、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22の各関節に設けられた駆動モーターを個別に駆動させ、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22に前記混注処理における各作業を実行させる。なお、前記混注処理部300は、前記混注処理を実行することができる構造であれば、例えば1本のロボットアームを有する構成、3本以上のロボットアームを含む構成、又はロボットアームを用いない構成であってもよい。
図6に示すように、前記第1ロボットアーム21は、前記薬品容器10及び前記注射器11などの器材を保持することが可能な保持部25を備え、前記保持部25を予め定められた可動範囲内において任意の位置に移動させることが可能である。前記第2ロボットアーム22は、前記薬品容器10及び前記注射器11などの器材を保持して任意の位置に移動させることが可能であると共に、前記注射器11による薬品の吸引及び注入の操作を実行することのできる保持部26を備える保持部の一例である。ここに、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22が第1駆動手段の一例であり、前記保持部26が第2駆動手段の一例である。また、前記第2ロボットアーム22は、前記薬品容器10及び前記注射器11などを予め定められた可動範囲内において任意の位置に移動させることが可能である。
図7に示すように、前記第1ロボットアーム21の前記保持部25は、一対の把持爪25a、モーター251、前記モーター251によって回転される2本のねじシャフト252、253、前記ねじシャフト252、253に螺合されたナットブロック254、255を備える。前記一対の把持爪25aは、前記ナットブロック254、255にそれぞれ固定されている。そして、前記ねじシャフト252、253の回転によって前記ナットブロック254、255が移動し、前記一対の把持爪25aが相互に近接及び離間して前記保持部25を保持及び解放する。
また、前記一対の把持爪25aは、前記バイアル瓶10Bの保持に適した凹部を有すると共に、先端側には前記アンプル10Aの保持に適した凹部を有する把持部である。図7では、前記アンプル10A及び前記バイアル瓶10Bの両方が保持されている様子を示しているが、実際には一つの前記アンプル10A又は前記バイアル瓶10Bを保持する。
また、前記保持部25は、前記一対の把持爪25aによって、キャップ11dが装着された注射針11c又は前記注射器11を保持することも可能である。ところで、前記第2制御部500は、前記保持部25の前記一対の把持爪25aで前記注射器11を保持した際の前記モーター251の駆動量に応じて、前記注射器11の直径を測定することが可能である。従って、前記第2制御部500は、前記注射器11が前記調製データの調製内容情報で指定された注射器であるかどうかを判断することができる。
図8に示すように、前記第2ロボットアーム22の前記保持部26は、注射器保持部261、プランジャ保持部262及び移動部263を備える。前記注射器保持部261は、前記注射器11のシリンジ11aを保持する一対の把持爪261aを備えている。前記一対の把持爪261aは、前記保持部25で用いられている駆動機構と同様の機構により、相互に近接及び離間して前記注射器11の前記シリンジ11aを保持及び解放する把持部である。また、前記一対の把持爪261aにおいては、互いに対向する対向面に、前記把持爪261aの上端面から前記対向面へ向けて下り傾斜する傾斜部261bが形成されている。
前記プランジャ保持部262は、前記注射器11のプランジャ11bの鍔部を保持する一対の把持爪262aを備えている。前記一対の把持爪262aは、前記保持部25で用いられている駆動機構と同様の機構により、相互に近接及び離間して前記注射器11の前記プランジャ11bの鍔部を保持及び解放する把持部である。前記把持爪262a各々の上面には把持爪262bが固定されている。前記把持爪262b各々は、前記一対の把持爪262aを近接及び離間させることで近接及び離間し、前記注射器11だけではなく前記薬品容器10などの他の器材を把持する把持部である。なお、前記一対の把持爪262aの対向側の上面には前記プランジャ11bの鍔部が入り込むための凹部が形成されている。また、前記一対の把持爪262bの先端は前記一対の把持爪262aよりも前方に突出しており、前記一対の把持爪262bによる前記アンプル10A及び前記バイアル瓶10Bなどの器材の把持が容易である。なお、前記把持爪262bは前記把持爪261aに設けられていてもよい。
前記移動部263は、前記プランジャ保持部262を前記注射器11のプランジャ11bの移動方向に移動させることが可能である。前記移動部263は、例えば、モーター、前記モーターによって回転されるねじシャフト、前記ねじシャフトに螺合されたナットブロック、ガイド等の駆動機構により前記プランジャ11bを移動させる。前記プランジャ保持部262は、前記ナットブロックに固定されており、前記ナットブロックの移動によって移動する。
[トレイ搬送部110]
また、前記混注処理部300には、図6における右側端部の前記トレイ挿入口114から供給される前記トレイ101を、左側端部のトレイ搬送終端部110aまで搬送するトレイ搬送部110が設けられている。
ここに、図9は、前記トレイ搬送部110における前記トレイ101の搬送経路の一例を示す平面模式図である。なお、前記トレイ搬送部110内は前記混注処理室104内よりも陽圧に設定されている。図9に示すように、前記トレイ搬送部110は、前記トレイ101を、前記混注処理室104の下方であって前記ゴミ蓋132aの下に位置する前記ゴミ収容室13aの後方側を通過させて搬送するように設けられている。これにより、前記混注装置1の正面側から前記ゴミ収容室13aにアクセスすることができる。図9では、前記トレイ搬送部110の搬送経路を示すために、前記トレイ搬送部110内を移動する前記トレイ101を二点鎖線で示しており、前記トレイ搬送部110内に同時に複数の前記トレイ101が存在するわけではない。
前記トレイ搬送部110には、前記トレイ101の前記輸液バッグ保持部10に設けられた前記ICタグ101bから情報を読み取り可能なICリーダ101c及びICリーダ15aが設けられている。例えば、前記ICリーダ101c及び前記ICリーダ15aは、RFIDタグから情報を読み取るRFIDリーダである。前記ICリーダ101cは、前記トレイ挿入口114から前記トレイ101が装填されるトレイ搬送開始部110bに設けられており、前記ICリーダ15aは、前記トレイ101が前記トレイ排出口15から排出される前記トレイ搬送終端部110aに設けられている。
そして、前記第2制御部500は、前記トレイ101が前記トレイ挿入口114から前記トレイ搬送開始部110bに挿入されたことを不図示のセンサ出力に基づいて判断すると、前記ICリーダ101cにより前記ICタグ101bから情報を読み取る。また、前記第2制御部500は、前記トレイ101が前記トレイ搬送終端部110aに挿入されたことを不図示のセンサ出力に基づいて判断すると、前記ICリーダ15aにより前記ICタグ101bから情報を読み取る。そして、前記第2制御部500は、前記ICリーダ101c及び前記ICリーダ15aによる読取結果に応じて前記トレイ101の適否などを判断するトレイ照合処理などを実行する。
また、前記第2制御部500は、前記トレイ101が前記トレイ挿入口114を通って前記トレイ搬送部110内の所定位置に達したことを、例えばセンサの出力に基づいて判断すると、前記トレイ搬送部110及び前記混注処理室104を連通及び遮蔽させるシャッター111を水平方向にスライドさせる。前記シャッター111が開けられると、前記器材載置部102が前記混注処理室104内に露出される。図9では、前記器材載置部102が前記混注処理室104内に露出された状態が示されている。
前記トレイ搬送部110には、図10に示されているように、前記トレイ挿入口114を通って前記トレイ搬送部110内に移動された前記トレイ101における前記器材載置部102を昇降させるトレイ昇降部112が設けられている。前記トレイ昇降部112は、例えば昇降可能に設けられた4本のシャフト112aの上下方向の駆動により、前記器材載置部102を下から上方に持ち上げる。
そして、前記第2制御部500は、前記トレイ昇降部112によって前記器材載置部102を上昇させた後、前記トレイ確認カメラ41による撮影を行う。前記トレイ確認カメラ41は、予め定められた前記器材載置部102に載置された前記薬品容器10及び前記注射器11等を上方から撮影する。前記第2制御部500は、前記トレイ確認カメラ41の撮影画像を用いて画像認識処理を実行し、前記調製データで示されている数の前記薬品容器10及び前記注射器11(シリンジ11a及び注射針11c)などが前記器材載置部102上に存在しているかどうか等の判断を行う。
また、図10に示すように、前記混注処理室104の左側空間に位置する前記トレイ搬送終端部110aには、前記輸液バッグ保持部103を昇降させるバッグ昇降部113が設けられている。前記第2制御部500は、前記トレイ101を前記バッグ昇降部113の前まで搬送させた後、前記バッグ昇降部113のフック部113aを前記係合穴部103aに下から引っかける。そして、前記第2制御部500は、前記フック部113aが形成された円弧ギア部113bをモーター113cで回転駆動させることにより、前記輸液バッグ保持部103を上昇させ、前記輸液バッグ12の混注口を前記混注連通口37に位置させる。また、前記第2制御部500は、前記モーター113cを制御することにより、前記バッグ昇降部113を駆動させて前記輸液バッグ保持部103を傾斜させ、前記輸液バッグ12の混注口を上向き又は下向きにすることができる。
また、図6に示すように、前記トレイ搬送終端部110aの上方には、前記トレイ搬送終端部110aに搬送された前記輸液バッグ12を照明するドーム型ライト120及び輸液用カメラ121が設けられている。前記輸液用カメラ121は、前記ドーム型ライト120内の中心部に設けられ、前記輸液バッグ12の表面に付されているバーコードを読み取る。これにより、前記第2制御部500では、前記輸液用カメラ121により読み取られた前記バーコードの情報に従って前記輸液バッグ12の適否を判断することが可能である。
[アンプルカッター31]
図11に示すように、前記アンプルカッター31には、ヤスリ部31a、屑トレイ31b、頭部差し込み部31c、駆動ボックス31f、屑ボックス31g、及び把持部31hが設けられている。
前記ヤスリ部31aは、前記アンプル10Aの首にノッチ加工をするための部材であり、前記屑トレイ31bには前記ヤスリ部31aにおけるノッチ加工で生じる屑が落下する。具体的に、前記混注装置1では、前記第1ロボットアーム21が前記アンプル10Aを保持し、前記アンプル10Aの首を前記ヤスリ部31aに当てた状態で摺動することにより前記アンプル10Aの首にノッチ加工が施される。
前記頭部差し込み部31cは、前記ノッチ加工が施された前記アンプル10Aの頭部が下方から差し込まれる孔31dと、前記孔31dから上方に突出された前記アンプル10Aの頭部の側方に位置するプッシャー31eとを有する。一方、前記駆動ボックス31fは、内部に設けられたカム及び前記カムを駆動する駆動モーターを有しており、前記駆動モーターにより前記カムが駆動されると、前記カムによって前記プッシャー31eが前記アンプル10Aの頭部に近接及び離間する方向に往復動作する。
そして、前記混注装置1では、前記第1ロボットアーム21が前記把持爪25aにより前記アンプル10Aを保持し、前記アンプル10Aの頭部を前記孔31dに下から差し込んで首部より上の頭部を上方に突出させる。その後、前記第2制御部500により、前記駆動ボックス31fの前記駆動モーターが駆動されて前記プッシャー31eが前記アンプル10Aの頭部を押す方向に移動されると、前記プッシャー31eにより前記頭部が押されて折れられる。このとき、前記プッシャー31eで折られた頭部は前記屑ボックス31g内に落ちる。なお、前記把持部31hは、前記アンプルカッター31を摺動可能に支持
するレール31i(図4参照)に沿って前記アンプルカッター31を摺動させる際にユーザーが把持するために用いられる。
[撹拌装置32]
前記攪拌装置32は、前記バイアル瓶10Bに粉薬(散薬)などの溶解が必要な薬品が収容されている場合に、前記バイアル瓶10B内に輸液又は薬品などを注入して前記薬品を溶解させ、混合薬品を生成するときに使用される。具体的に、前記攪拌装置32には、図12に示すように、ローラー32a、押さえ部32b、回動支持部32c、支持台32d、水平揺動機構32e、支持部32f、及び駆動モーター32gなどが設けられている。
二つの前記ローラー32aは、所定の間隔だけ離間して対向配置されている。一方の前記ローラー32aは回動自在に支持され、他方の前記ローラー32aは前記駆動モーター32gに連結されている。なお、前記ローラー32a各々は軸方向に長尺状であり、前記攪拌装置32では、前記ローラー32aの軸方向の両端に載置される二つの前記バイアル瓶10Bを同時に攪拌することが可能である。
また、前記押さえ部32bは、前記ローラー32aに載置された前記バイアル瓶10Bを上から押さえるために用いられ、前記薬品容器10の回転に伴って回転する従動ローラーである。前記回動支持部32cは、不図示の駆動モーターによって前記押さえ部32bを前記薬品容器10に対して接触又は離間する方向に回動させる。
前記支持台32dは、前記ローラー32a、前記押さえ部32b、及び前記回動支持部32cなどを支持する。前記水平揺動機構32eは、例えばクランク機構を有しており、前記支持台32dを前記ローラー32aの軸方向に揺動させることが可能である。
前記支持部32fは、前記ローラー32aの軸方向の両端部に前記バイアル瓶10Bの首が嵌められるU字状の切り欠きを有する。前記ローラー32aに前記バイアル瓶10Bが載置される場合は、前記薬品容器10の首が前記切り欠きに係合される。これにより、前記支持台32dが前記水平揺動機構32eによって前記ローラー32aの軸方向に揺動される場合に、前記薬品容器10が前記ローラー32aの軸方向の揺動に追随して揺動し、前記薬品容器10内の薬品が水平方向に攪拌される。
一方、二つの前記ローラー32aの間に、前記バイアル瓶10Bが載置され、前記駆動モーター32gが駆動されると、前記駆動モーター32gに連結された前記ローラー32aにより前記薬品容器10が回転され、前記薬品容器10内の薬品が攪拌される。なお、このとき他方の前記ローラー32aは、前記薬品容器10の回転により前記他方のローラー32aと同方向に回転する。また、前記ローラー32aの少なくとも一方が偏心駆動されるものであれば、前記ローラー32aに載置された前記バイアル瓶10Bを縦方向(上下方向)にも攪拌することが可能である。
[載置棚33]
図4に示すように、前記載置棚33は、前記混注装置1において実行される混注処理において前記薬品容器10及び前記注射器11などを仮置きするために用いられる。前記載置棚33は、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22の双方がアクセス可能な位置に設けられている。前記載置棚33において、前記バイアル瓶10Bは予め定められた位置に立てた状態で載置される。一方、前記載置棚33には、前記アンプル10Aを傾斜した状態で保持するための傾斜保持部が設けられており、前記アンプル10Aは、前記傾斜保持部に傾斜した状態で載置される。また、前記載置棚33には、前記注射器11の首部が嵌る予め定められた所定径の首保持穴が形成されており、前記注射器11は、注射針11cが付けられていないシリンジのみの状態で首部を下向きにして仮置きされる。
[回転用載置部33A]
回転用載置部33Aは、前記注射器11を周方向に回転させるための作業に用いられ、前記第1ロボットアーム21がアクセス可能な位置に設けられている。例えば、前記回転用載置部33Aは、前記載置棚33と同様に、前記注射器11の首部が嵌る予め定められた所定径の首保持穴が形成されており、前記注射器11は、注射針11cが付けられていないシリンジのみの状態で首部を下向きにして載置される。そして、前記第1ロボットアーム21は、前記注射器11を前記回転用載置部33Aに載置した後、前記注射器11を周方向に180度回転させることが可能である。例えば、前記第1ロボットアーム21は、下記(a)、(b)を繰り返し実行することにより前記注射器11を周方向に180度まで徐々に回転させる。(a)前記注射器11を把持して周方向における一の方向に所定量回転させた後、前記注射器11を離して前記第1ロボットアーム21の角度を周方向における他の方向に所定量移動する。(b)前記注射器11を再度把持し、前記注射器11を周方向における一の方向に所定回転させる。
[薬品読取部34]
前記薬品読取部34は、前記アンプル10A及び前記バイアル瓶10Bなどの前記薬品容器10に貼付されたラベルに記載され、収容された薬品の薬品情報を示すバーコードを読み取る。具体的に、前記薬品読取部34は、図13に示すように、二つのローラー34a、及びバーコードリーダ34bを備える。前記ローラー34aは、所定の間隔だけ離間して対向配置されている。一方の前記ローラー34aは回動自在に支持され、他方の前記ローラー34aは不図示の駆動モーターに連結されている。二つの前記ローラー34aは、前記駆動モーターによって駆動されることにより、前記ローラー34aの間に載置された前記薬品容器10を周方向に回転させる。これにより、前記薬品容器10を周方向に1回転させることができるため、前記薬品容器10に貼付されたラベルの全域を前記バーコードリーダ34bに向けることができる。そして、前記バーコードリーダ34bは、前記ローラー34aにより回転される前記薬品容器10のラベルからバーコードを読み取る。
[秤量計35]
前記秤量計35は、前記混注装置1において実行される混注処理において前記注射器11の重量を測定するために用いられ、前記秤量計35による測定結果は前記第2制御部500に入力される。なお、前記秤量計35は、前記第2ロボットアーム22の可動範囲内に配置されており、前記第2ロボットアーム22により載置された前記注射器11の重量を測定する。
[針曲り検知部36]
図14に示すように、前記針曲り検知部36には、前記注射器11の前記注射針11cを挿入して移動させることが可能な長穴36aが形成されている。また、前記針曲り検知部36は、前記長穴36aを挟んで検出光を照射及び受光し、互いの検出光が非平行となるように配置された第1光センサ361及び第2光センサ362を備える。即ち、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の検出光の照射方向は異なっている。前記第1光センサ361及び第2光センサ362による検知結果は前記第2制御部500に入力される。
そして、前記第2ロボットアーム22により、前記注射器11に装着されている前記注射針11cが前記長穴36aに挿入されて上下方向に移動される。このとき、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362各々の検出光が前記注射針11cによって遮られると、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362各々はオフする。
これにより、前記第2制御部500では、前記検出光を遮るときの前記注射針11cの位置情報を用いて前記注射針11cの曲りなどを検知することが可能である。なお、前記注射針11cをカメラで撮影し、この撮影した画像に対する画像認識で針曲りなどを検知することも他の実施形態として考えられる。そして、前記注射針11cに曲りが生じている場合、前記第2制御部500は、前記注射針11cの曲り量に基づいて、例えば前記第2ロボットアーム22により前記注射針11cで前記輸液バッグ12の混注口のゴム栓を穿刺する際の針先位置などを調整することが可能である。
[混注連通口37]
前記混注連通口37は、図3に示すように、前記混注処理室104の側壁における外側に突出するドーム状箇所に形成されており、且つ前記ドーム状箇所には上下方向に前記輸液バッグ12の混注口を通すための切欠きが形成されている。そのため、前記輸液バッグ保持部103が上昇すると、前記輸液バッグ12の混注口が前記混注処理室104内に位置することになる。
[針挿入確認透明窓38]
前記針挿入確認透明窓38は、前記トレイ搬送終端部110aの前記輸液バッグ12を前記混注処理部300から視認可能な窓であり、前記注射器11の注射針11cが前記輸液バッグ12に挿入された状態を確認するための画像撮影時に使用される。
[注射器確認カメラ42]
また、前記注射器確認カメラ42は、図6に示すように、前記混注処理部300の天井部に配置されている。そして、前記注射器確認カメラ42は、前記注射器11に吸引された薬品の有無及び量などを確認するために前記注射器11を撮影するために用いられる。前記注射器確認カメラ42は、予め固定された撮影範囲内の画像を撮影するものであってもよいが、前記第2制御部500によって制御されることにより前記撮影範囲の位置及びサイズを任意に変更可能なものであってもよい。また、後述するように、前記混注装置1では、前記注射器確認カメラ42により、前記注射器11及び前記薬品容器10が一度に撮影され、信憑性の高い鑑査画像が提供される。前記第2制御部500は、前記注射器確認カメラ42による前記撮影画像を、例えば前記混注装置1で実行される混注処理の適否を画像で鑑査するために、前記データ記憶部404、前記データ記憶部504、又は前記混注装置1の外部に設けられたハードディスク等の記憶部に記録させる。そして、前記第2制御部500は、ユーザーによる前記鑑査の際に、前記注射器確認カメラ42による撮影画像を前記タッチパネルモニタ14又は前記ディスプレイ203などの表示装置に表示させる。
[注射針着脱装置43]
前記注射針着脱装置43は、図15及び図16に示すように、切り込み部が形成されたチャック部43aの穴部43bにキャップ11dが装着された注射針11cの先端が上向きで差し込まれる。モーター43cが駆動されると、図示しないカム機構によって前記チャック部43aの穴部43bが拡がって、前記キャップ11dと共に前記注射針11cが差し込み可能となる。前記モーター43cの駆動が停止されると、バネ43dによって前記キャップ11d及び前記注射針11cの保持状態が維持される。針回しモーター43eが駆動されると、ギア43f及びギア43gが回転し、前記チャック部43aが回転して、前記キャップ11d及び前記注射針11cが回転される。
前記注射針11c及び前記キャップ11d各々には、前記キャップ11dが前記注射針11cに装着された状態で周方向に回転したときに接触するリブが設けられている。そのため、前記注射針11cは、前記チャック部43aによって前記注射針11cの前記キャップ11dが回転されたときに前記キャップ11dと共に回転し、前記シリンジ11aに対して着脱される。また、前記注射針着脱装置43では、前記チャック部43aによって前記キャップ11dが保持された状態で、前記第2ロボットアーム22によって前記注射器11を前記チャック部43aに接近又は離間させることにより前記注射針11cに対する前記キャップ11dの着脱を自動で行うことも可能である。なお、前記注射針着脱装置43では、前記注射針11cの先端が上に向くので、前記注射針11cが外された前記シリンジ11aの先端開口は上向きとなり、前記シリンジ11aの首部開口からの液垂れを防止することができる。
[針挿入確認カメラ44]
また、前記針挿入確認カメラ44は、前記混注処理室104外に位置する前記輸液バッグ12と、前記混注処理室104内の前記注射器11を1つの画像内に収まるように撮影する。前記第2制御部500は、前記輸液バッグ12の混注口のゴム栓を前記注射針11cで穿刺した際に、前記針挿入確認カメラ44によって前記針挿入確認透明窓38の方向を撮影する。そして、前記針挿入確認カメラ44による撮影画像は、例えば前記タッチパネルモニタ14に表示される。ここに、図17は、前記針挿入確認カメラ44による撮影画像の一例である。これにより、ユーザーは、前記注射針11cの先端側が前記輸液バッグ12内に位置しているか否かを前記撮影画像によって確認することができる。なお、前記撮影画像は、例えば最終鑑査のために前記混注装置1の内部又は外部に設けられたハードディスク等の記憶部に保存される。そして、前記撮影画像が表示されている前記タッチパネルモニタ14で、ユーザーによりOKボタンが操作されて適切に混注処理が終了したと判断されると、前記輸液バッグ12が前記バッグ昇降部113によって降下され、前記トレイ101に戻される。
[殺菌灯45]
前記殺菌灯45は、例えば前記混注処理の開始の3時間前から点灯される。図6に示すように、二つの前記殺菌灯45のうち1つは前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22の間の位置に設けられている。そのため、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22に遮られる殺菌光の量は少なくなり、前記混注処理室14内を満遍なく殺菌することができる。また、前記混注処理部300には、前記混注処理室104内の空気を当該混注処理室104の側壁の下部に形成されたスリット104b(図3、図4参照)から吸引して前記混注処理室104の上方に設けられた不図示の排気ファンから排出する排気システムが設けられている。また、前記混注処理室104の天井部に形成された吸気口から外気を清浄にして前記混注処理室104等に導く給気システムも設けられている。
[混注処理]
次に、前記混注装置1において前記混注処理部300が実行する混注処理の手順の一例について説明する。前記混注処理では、以下に説明するように、前記第2制御部500が、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22などを制御することにより、前記調製データに基づいて一又は複数の前記薬品容器10から前記注射器11で薬品を吸引すると共に前記注射器11から前記輸液バッグ12などの他の薬品容器に前記薬品を注入する。
[アンプル10Aを使用する混注処理]
まず、前記アンプル10Aに収容された薬品を前記輸液バッグ12に注入する際の混注処理の基本動作について説明する。
前記第2制御部500は、前記トレイ101が前記トレイ搬送部110に供給されると、前記ICリーダ101cによって前記トレイ101の前記ICタグ101bから前記トレイ101の識別情報を読み取る。そして、前記第2制御部500は、前記トレイ101の識別情報が、当該混注処理の前記調製データに予め対応付けられた識別情報に一致する場合、前記シャッター111を開く。その後、前記第2制御部500は、前記トレイ101の前記器材載置部102を、前記トレイ搬送部110の前記トレイ昇降部112により上昇させて前記混注処理室104に露出させる。
次に、前記第2制御部500は、前記器材載置部102を前記トレイ確認カメラ41により撮影する。そして、前記第2制御部500は、前記トレイ確認カメラ41による撮影画像に基づく画像認識処理によって、前記器材載置部102に載置された前記アンプル10A及び前記注射器11などの器材の位置や向きを把握する。特に、前記第2制御部500は、前記器材載置部102から前記アンプル10A又は前記注射器11を取り出す度に、前記トレイ確認カメラ41で前記器材載置部102を撮影し、その撮影画像から最新の前記アンプル10A及び前記注射器11の位置や向きを把握する。
続いて、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、前記混注処理室104内に露出された前記器材載置部102に載置された前記注射器11を前記載置棚33に仮置きする。また、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、前記器材載置部102に載置された前記アンプル10Aを前記薬品読取部34にセットする。そして、前記第2制御部500は、前記薬品読取部34により、前記アンプル10Aに収容された薬品の種類などの情報を読み取る。
また、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、1本目の前記注射針11cを前記注射針着脱装置43にセットし、2本目の前記注射針11cを前記載置棚33に仮置きする。ここで、1本目の前記注射針11cは、シリンジフィルターなしの注射針であり、2本目の前記注射針11cは、シリンジフィルター付きの注射針である。なお、前記器材載置部102に載置されている前記注射針11cにはキャップ11dが付けられており、前記キャップ11dは前記注射針着脱装置43で着脱される。また、前記注射針11cが前記注射器11のシリンジ11aに装着された状態で前記トレイ101にセットされることも考えられる。この場合には、前記注射器11に前記注射針11cにセットする工程は省略される。
そして、前記第2制御部500は、前記器材載置部102上の全ての器材を取り出すと、前記トレイ搬送部110の前記トレイ昇降部112により前記器材載置部102を下降させて前記トレイ101に戻す。なお、前記第2制御部500は、前記器材載置部102上の器材が全て取り出されたか否かを前記トレイ確認カメラ41による撮影画像に基づく画像認識処理により確認する。
その後、前記第2制御部500は、前記シャッター111を閉めて、前記トレイ搬送部110により前記トレイ101を前記トレイ搬送終端部110aに搬送させる。次に、前記第2制御部500は、前記トレイ搬送部110の前記バッグ昇降部113により前記トレイ101の前記輸液バッグ保持部103で保持されている前記輸液バッグ12の混注口を前記混注処理室104に形成された混注連通口37に位置させる。
そして、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により、前記薬品読取部34にセットされた前記アンプル10Aを前記載置台33に移動させる。次に、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、前記載置台33から前記注射器11を取り出し、前記第2ロボットアーム22にセットする。続いて、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により、前記注射器11を前記注射針着脱装置43に移動させて前記注射器11に前記注射針11cをセットさせる。その後、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により、前記注射器11を前記針曲り検知部36に移動させ、前記注射針11cの曲りの有無を検出する。なお、前記注射針11cが前記注射器11に装着された状態で前記トレイ101にセットされることも考えられる。この場合には、前記注射器11に前記注射針11cにセットする工程は省略される。
次に、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、前記載置台33から前記アンプル10Aを取り出し、前記アンプルカッター31を用いて前記アンプル10Aの頭部を折る。そして、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22により、前記アンプル10Aと前記注射器11とを接近させて、前記注射器11の前記注射針11cを前記アンプル10A内に挿入する。その後、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により前記プランジャ11bを操作して前記アンプル10Aから前記調製データにより予め定められた量の薬品を前記注射器11で吸引する。
このとき、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22は、前記アンプル10A及び前記注射器11の姿勢を徐々に斜めにする。例えば、前記アンプル10Aの口部が鉛直上方向、前記注射器11の前記注射針11cが鉛直下方向に向けられた状態で、前記アンプル10Aからある程度の薬品を吸い上げ、その後、前記アンプル10Aを、鉛直方向を基準に10度程度傾斜させて前記口部の側(首部)に薬品を移動させた状態を形成させる。これにより、前記注射器11の前記注射針11cの先端を前記アンプル10Aの底に着けないで薬品を極力残さずに吸い上げることが可能になる。
その後、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22のいずれか一方又は両方を制御して、前記薬品が吸引された後の前記アンプル10A及び前記薬品を吸引した状態の前記注射器11を前記注射器確認カメラ42の撮影範囲内に移動させる。そして、前記第2制御部500は、前記注射器確認カメラ42により前記アンプル10A及び前記注射器11を一度に撮影し、その撮影画像を鑑査画像として前記データ記憶部504に記録する。例えば、前記注射器確認カメラ42は、予め定められた前記撮影範囲を撮影するものである。一方、前記第2制御部500が、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22により移動された後の前記アンプル10A及び前記注射器11が一度に撮影可能になるように前記注射器確認カメラ42の前記撮影範囲を変更可能であることも考えられる。
次に、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22により、前記注射器11の前記注射針11cを交換する。具体的に、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により、前記注射器11を前記針曲り検知部36に移動させ、前記注射針11cの曲りの有無を検出する。そして、前記第2ロボットアーム22は、前記注射器11を前記注射針着脱装置43に移動させて、前記注射針11cに前記キャップ11dを装着させる。そして、前記第2制御部500は、前記注射針着脱装置43により前記キャップ11dを回転させて、前記注射器11から前記注射針11cを取り外す。なお、前記注射針11cの取り外しは、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22による前記キャップ11dの回転動作によって行われてもよい。
そして、前記第2制御部500は、前記ゴミ蓋132aを開き、前記第1ロボットアーム21により前記注射針着脱装置43が掴んでいる前記注射針11cを前記ゴミ収容室13a内に落下させて廃棄する。その後、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、前記載置台33から前記シリンジフィルター付きの前記注射針11cを前記注射針着脱装置43にセットさせる。そして、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により前記注射器11を前記注射針着脱装置43に移動させて、前記注射器11に前記注射針11cを装着させる。この場合も、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により、前記注射器11を前記針曲り検知部36に移動させ、前記注射針11cの曲りの有無を検出する。このように、前記混注装置1では、前記アンプル10Aから薬品を吸引するときと、前記輸液バッグ12に輸液を注入するときとで前記注射針11cが交換され、前記アンプル10Aの破片が前記輸液バッグ12に混入することが防止される。
そして、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により、前記トレイ搬送終端部110aに搬送された前記輸液バッグ12の混注口のゴム栓に前記注射器11の前記注射針11cを穿刺して、前記注射器11内の混合薬を前記輸液バッグ12に注入する。一方、前記第2制御部500は、前記ゴミ蓋132aを開き、前記第1ロボットアーム21により前記アンプル10Aを前記ゴミ収容室13a内に落下させて廃棄する。また、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により前記注射器11を前記注射針着脱装置43に移動させて、前記注射器11の前記注射針11cに前記キャップ11dを装着させた後、前記注射器11を前記ゴミ収容室13a内に落下させて廃棄する。
その後、前記第2制御部500は、前記注射器確認カメラ42などによって撮影された各種の画像を前記データ記憶部504から読み出して前記タッチパネルモニタ14に表示させる。これにより、ユーザーは、前記タッチパネルモニタ14を見ながら前記混注処理の適否について鑑査を行うことができる。
ところで、前記調製データ(以下「現在調製データ」という)に基づく現在の前記混注処理が終了したとき、次の前記調製データ(以下「次回調整データ」という)が存在する場合には、続けて前記次回調製データに基づく前記混注処理が実行されることになる。このとき、前記現在調製データに基づく前記混注処理において前記第2ロボットアーム22を用いて前記注射器11を廃棄する廃棄処理が終了しても、前記次回調製データに対応する前記トレイ101から前記アンプル10A、前記注射器11、前記注射針11cなどの器材の前記混注処理室104内への取り込み作業が実行されるまでの間は、前記第2ロボットアーム22が待機状態になることが考えられる。例えば、前記混注装置1では、前記混注処理室104において、前記器材載置部102が前記第1ロボットアーム21の可動範囲内であって、前記第2ロボットアーム22の可動範囲外に位置している。そのため、前記トレイ101の前記器材載置部102から前記器材を取り込む作業は前記第1ロボットアーム21のみが可能である。この場合、前記第2ロボットアーム22は、前記第1ロボットアーム21による前記器材の取り込み作業が終了するまで次の作業を実行することができないことになる。そして、前記取り込み作業が完了した後に、前記第2ロボットアーム22による前記注射針着脱装置43を用いた前記注射器11及び前記注射針11cの組み立て作業などが開始されることが考えられる。しかしながら、この場合には、前記第2ロボットアーム22の待機時間が無駄となり前記混注処理の効率が低下する。
そこで、前記第2制御部500は、前記現在調製データの次に実行する前記次回調製データが存在する場合には、前記第2ロボットアーム22を用いて行われる前記廃棄処理と並行して、前記第1ロボットアーム21を用いた前記取り込み作業を実行しつつ、前記廃棄処理が終了したか否かを判断することが考えられる。なお、前記廃棄処理が終了したか否かの判断タイミングは、例えば前記第1ロボットアーム21により前記薬品容器10及び前記注射器11などの器材が、前記アンプルカッター31、前記撹拌装置32、前記載置台33、前記回転用載置部33A、及び前記薬品読取部34などに載置されるなどの個別の動作ごとの終了タイミングである。
そして、前記第2制御部500は、前記廃棄処理が終了したと判断すると、前記取り込み作業を中断し、前記第1ロボットアーム21を用いて前記注射器11(シリンジ11a)を前記第2ロボットアーム22にセットする処理を優先して実行する。その後、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21を用いて前記取り込み作業を再開する。なお、前記第2制御部500は、前記注射器11が前記載置台33に載置されている場合には、前記載置台33から前記注射器11を取り出して前記第2ロボットアーム22にセットする。また、前記第2制御部500は、前記注射器11が前記トレイ101の前記器材載置部102に載置されている場合には、前記器材載置部102から前記注射器11を取り出して前記第1ロボットアーム21にセットする。
このように、前記第2ロボットアーム22への前記注射器11のセットが優先して行われることにより、例えば、その後の前記第2ロボットアーム22による前記注射器11及び前記注射針11cの組み立て作業と、前記第1ロボットアーム21による前記アンプル10Aの取り込み作業とが並行して実行可能となる。従って、複数の前記調製データに基づく前記混注処理が連続して実行される場合における前記混注処理の効率が高くなり前記混注処理の所要時間を短縮することが可能となる。なお、前記器材載置部102に載置されている前記注射器11が前記シリンジ11aに前記注射針11cが装着されたものであっても、前記注射器11の注射針11cから前記キャップ11dを取り外すなどの作業が、前記第1ロボットアーム21による前記アンプル10Aの取り込み作業と並行して実行可能である。
[バイアル瓶10Bを使用する混注処理]
続いて、前記バイアル瓶10Bに収容された薬品が溶解の必要のある粉薬のような薬品である場合に、その薬品を輸液と混合してから前記輸液バッグ12に注入する際の混注処理の基本動作について説明する。
前記第2制御部500は、前記トレイ101が前記トレイ搬送部110に供給されると、前記ICリーダ101cによって前記トレイ101の前記ICタグ101bから前記トレイ101の識別情報を読み取る。そして、前記第2制御部500は、前記トレイ101の識別情報が、当該混注処理の前記調製データに予め対応付けられた識別情報に一致する場合、前記シャッター111を開く。その後、前記第2制御部500は、前記トレイ101の前記器材載置部102を、前記トレイ搬送部110の前記トレイ昇降部112により上昇させて前記混注処理室104に露出させる。
次に、前記第2制御部500は、前記器材載置部102を前記トレイ確認カメラ41により撮影する。そして、前記第2制御部500は、前記トレイ確認カメラ41による撮影画像に基づく画像認識処理によって、前記器材載置部102に載置された前記バイアル瓶10B及び前記注射器11などの器材の位置や向きを把握する。特に、前記第2制御部500は、前記器材載置部102から前記バイアル瓶10B又は前記注射器11を取り出す度に、前記トレイ確認カメラ41で前記器材載置部102を撮影し、その撮影画像から最新の前記バイアル瓶10B及び前記注射器11の位置や向きを把握する。
続いて、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、前記混注処理室104内に露出された前記器材載置部102に載置された前記注射器11を前記載置棚33に仮置きする。また、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、前記器材載置部102に載置された前記バイアル瓶10Bを前記薬品読取部34にセットする。そして、前記第2制御部500は、前記薬品読取部34により、前記バイアル瓶10Bに収容された薬品の種類などの情報を読み取る。
そして、前記第2制御部500は、前記器材載置部102上の全ての器材を取り出すと、前記トレイ搬送部110の前記トレイ昇降部112により前記器材載置部102を下降させて前記トレイ101に戻す。なお、前記第2制御部500は、前記器材載置部102上の器材が全て取り出されたか否かを前記トレイ確認カメラ41による撮影画像に基づく画像認識処理により確認する。
その後、前記第2制御部500は、前記シャッター111を閉めて、前記トレイ搬送部110により前記トレイ101を前記トレイ搬送終端部110aに搬送させる。次に、前記第2制御部500は、前記トレイ搬送部110の前記バッグ昇降部113により前記トレイ101の前記輸液バッグ保持部103で保持されている前記輸液バッグ12の混注口を前記混注処理室104に形成された混注連通口37に位置させる。
そして、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により、前記薬品読取部34にセットされた前記バイアル瓶10Bを前記載置台33に移動させる。一方、この移動処理と並行して、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、前記器材載置部102に載置された前記注射器11の前記注射針11cを前記注射針着脱装置43にセットする。
次に、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、前記載置台33から前記注射器11を取り出し、前記第2ロボットアーム22にセットする。続いて、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により、前記注射器11を前記注射針着脱装置43に移動させて前記注射器11に前記注射針11cをセットさせる。その後、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により、前記注射器11を前記針曲り検知部36に移動させ、前記注射針11cの曲りの有無を検出する。なお、前記注射針11cが前記注射器11のシリンジ11aに装着された状態で前記トレイ101にセットされることも考えられる。この場合には、前記注射器11に前記注射針11cにセットする工程は省略される。
続いて、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により、前記トレイ搬送終端部110aに搬送された前記輸液バッグ12の混注口のゴム栓に前記注射器11の前記注射針11cを穿刺して、前記輸液バッグ12から前記調製データで示された溶解量の輸液を吸引する。一方、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、前記載置台33に載置されている前記バイアル瓶10Bを取り出す。
そして、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22により、前記バイアル瓶10Bと前記注射器11とをそれぞれ接近させて、前記注射器11の前記注射針11cを前記バイアル瓶10Bに穿刺する。その後、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22によって前記プランジャ11bを操作することにより、前記注射器11内の前記輸液を前記バイアル瓶10B内に注入する。これにより、前記バイアル瓶10B内の薬品が前記輸液で溶解される。このとき、前記注射器11及び前記バイアル瓶10Bの姿勢は、前記注射器11の前記注射針11cが鉛直下方向に向けられ、前記バイアル瓶10Bの口部が鉛直上方向に向けられた状態である。
次に、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、前記輸液が注入された前記バイアル瓶10Bを前記攪拌装置32にセットする。これにより、前記攪拌装置32では、前記バイアル瓶10B内の薬品及び輸液が攪拌される。前記攪拌装置32による攪拌が終了すると、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21により、前記攪拌装置32から前記バイアル瓶10Bを取り出す。
そして、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21及び前記ロボットアーム22により、前記バイアル瓶10Bと前記注射器11とをそれぞれ接近させて、前記注射器11の前記注射針11cを前記バイアル瓶10Bに穿刺する。その後、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22によって前記プランジャ11bを操作することにより、前記バイアル瓶10B内の混合薬を前記注射器11で吸引する。このとき、前記注射器11及び前記バイアル瓶10Bの姿勢は、前記バイアル瓶10Bの口部が鉛直下方向に向けられ、前記注射器11の前記注射針11cが鉛直上方向に向けられた状態である。
その後、前記第2制御部500は、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22のいずれか一方又は両方を制御して、前記薬品が吸引された後の前記バイアル瓶10B及び前記薬品を吸引した状態の前記注射器11を前記注射器確認カメラ42の撮影範囲内に移動させる。そして、前記第2制御部500は、前記注射器確認カメラ42により前記バイアル瓶10B及び前記注射器11を一度に撮影し、その撮影画像を鑑査画像として前記データ記憶部504に記録する。例えば、前記注射器確認カメラ42は、予め定められた前記撮影範囲を撮影するものである。一方、前記第2制御部500が、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22により移動された後の前記バイアル瓶10B及び前記注射器11が一度に撮影可能になるように前記注射器確認カメラ42の前記撮影範囲を変更可能であることも考えられる。
そして、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により、前記トレイ搬送終端部110aに搬送された前記輸液バッグ12の混注口のゴム栓に前記注射器11の前記注射針11cを穿刺して、前記注射器11内の混合薬を前記輸液バッグ12に注入する。一方、前記第2制御部500は、前記ゴミ蓋132aを開き、前記第1ロボットアーム21により前記バイアル瓶10Bを前記ゴミ収容室13a内に落下させて廃棄する。また、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22により前記注射器11を前記注射針着脱装置43に移動させて、前記注射器11の前記注射針11cに前記キャップ11dを装着させた後、前記注射器11を前記ゴミ収容室13a内に落下させて廃棄する。
その後、前記第2制御部500は、前記注射器確認カメラ42などによって撮影された各種の画像を前記データ記憶部504から読み出して前記タッチパネルモニタ14に表示させる。これにより、ユーザーは、前記タッチパネルモニタ14を見ながら前記混注処理の適否について鑑査を行うことができる。
なお、前記バイアル瓶10Bに収容された薬品が溶解の必要のない薬液のような薬品であることも考えられる。この場合の前記混注処理は、前記輸液バッグ12から前記輸液を吸引して前記バイアル瓶10Bに注入して攪拌する工程が実行されない点を除いて、前記バイアル瓶10Bに収容された薬品が溶解の必要のある粉薬のような薬品である場合の前記混注処理と同様であるため説明を省略する。
ところで、前記バイアル瓶10Bを使用する混注処理においても、前記アンプル10Aを使用する混注処理と同様に、前記第2制御部500が、前記第2ロボットアーム22への前記注射器11のセットを優先して実行することが考えられる。即ち、前記第2制御部500は、前記現在調製データの次に実行する前記次回調製データが存在する場合には、前記第2ロボットアーム22を用いて行われる前記廃棄処理と並行して、前記第1ロボットアーム21を用いた前記取り込み作業を実行しつつ、前記廃棄処理が終了したか否かを判断する。そして、前記第2制御部500は、前記廃棄処理が終了したと判断すると、前記取り込み作業を中断し、前記第1ロボットアーム21を用いて前記注射器11(シリンジ11a)を前記第2ロボットアーム22にセットする処理を優先して実行する。その後、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を用いて前記取り込み作業を再開する。
このように、前記第2ロボットアーム22への前記注射器11のセットが優先して行われることにより、例えば、その後の前記第2ロボットアーム22による前記注射器11及び前記注射針11cの組み立て作業と、前記第1ロボットアーム21による前記バイアル瓶10Bの取り込み作業とが並行して実行可能となる。従って、複数の前記調製データに基づく前記混注処理が連続して実行される場合における前記混注処理の効率が高くなり前記混注処理の所要時間を短縮することが可能となる。なお、前記器材載置部102に載置されている前記注射器11が前記シリンジ11aに前記注射針11cが装着されたものであっても、前記注射器11の注射針11cから前記キャップ11dを取り外すなどの作業が、前記第1ロボットアーム21による前記バイアル瓶10Bの取り込み作業と並行して実行可能である。
[針曲り検知部36の詳細]
次に、図18A及び図18Bを参照しつつ、前記針曲り検知部36の詳細について説明する。ここに、図18Aは前記針曲り検知部36の要部を示す側面図であり、図18Bは前記針曲り検知部36の要部を示す正面図である。
図18A及び図18Bに示されているように、前記針曲り検知部36は、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362と共に第3光センサ363を備える。そして、前記針曲り検知部36は、図18Aに示すように、前記第2ロボットアーム22によって前記注射針11cが挿入方向R11に沿って前記長穴36aに挿入された後、前記注射針11cの傾き及び前記注射針11cの針先部の向きを検出するために用いられる。
前記第1光センサ361は、検出光L1を発光する発光部361a及び前記検出光L1を受光する受光部361bを備え、前記受光部361bで受光される前記検出光L1の光量が所定の閾値以上であるか否かを検出する。
前記第2光センサ362は、検出光L2を発光する発光部362a及び前記検出光L2を受光する受光部362bを備え、前記受光部362bで受光される前記検出光L2の光量が所定の閾値以上であるか否かを検出する。即ち、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362は透過型光センサである。
そして、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362は、前記検出光L1及び前記検出光L2を含む平面であって前記挿入方向R11と交差する検出平面における前記注射針11cの位置情報を検出するために用いられる。ここで、前記注射針11cの長手方向と前記挿入方向R11とは同じ方向であり、前記検出平面は、前記注射針11cの長手方向と交差する仮想平面である。特に、本実施形態において、前記検出平面は、前記注射針11cの長手方向に垂直な仮想平面である。なお、前記注射針11cの長手方向は、前記注射器11に装着された前記注射針11cに傾き及び反りなどが生じていない場合における前記注射針11cの長手方向である。また、前記検出平面は、前記注射針11cの長手方向に対して厳密に垂直である場合に限らず、例えば予め定められた許容範囲(例えば±5°以下などの範囲)内で前記注射針11cの長手方向に対して略垂直であればよい。なお、図18Bに示されているように、前記第1光センサ361の検出光L1及び前記第2光センサの検出光L2は交差しており、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の配置スペースが省減されている。一方、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362は、前記検出光L1及び前記検出光L2の照射方向が異なる状態で配置されていればよく、前記検出光L1及び前記検出光L2が交差していなくてもよい。
ここで、本実施形態では、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362が前記針曲り検知部36に固定されており、前記注射針11cが前記第2ロボットアーム22によって移動方向R21に移動される。そのため、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362としては、前記検出光L1及び前記検出光L2の幅が前記注射針11cの外径より小さい安価な光センサを用いることが可能である。また、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362として、前記検出光L1及び前記検出光L2の幅が前記注射針11cの外径以上の光センサが用いられてもよい。
なお、前記混注装置1では、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362と前記注射針11cとが、前記検出平面において前記挿入方向R11に垂直な前記移動方向R21に相対的に移動可能であれば、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362が移動可能な構成であってもよい。即ち、前記注射針11cが、前記第3光センサ363で検出されるまで前記長穴36aに挿入された後、前記第2ロボットアーム22が静止した状態で、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362が移動機構によって移動される構成も他の実施形態として考えられる。なお、前記移動機構には、例えばモーター及びモーターの回転運動を直線運動に変換するラックとピニオンなどが用いられる。
一方、前記第3光センサ363は、検出光L3を発光する発光部363a及び前記検出光L3を受光する受光部363bを備え、前記受光部363bで受光される前記検出光L3の光量が所定の閾値以上であるか否かを検出する。即ち、前記第3光センサ363は透過型光センサである。そして、前記第3光センサ363は、前記注射針11cが前記長穴36a内の予め定められた第1検出位置P1まで挿入されたことを検出するために用いられる。ここで、前記注射針11cが前記第1検出位置P1に到達したときの前記注射針11cの位置は、前記注射針11cの曲りの有無又は程度に応じて変化する。そのため、前記第3光センサ363の検出光L3の幅は前記注射針11cの外径よりも大きく、前記第3光センサ363は、前記検出平面に到達する前記注射針11cを検出することが可能である。
そして、前記混注装置1では、前記針曲り検出部36を用いることにより、前記注射針11cの前記検出平面における位置情報を検出することが可能である。ここで、図19A及び図19Bを参照しつつ、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ361を用いた前記注射針11cの位置情報の検出手法について説明する。なお、図19Aは基準部材364の一例を示す図、図19Bは前記注射針11cの位置情報の検出方法を説明するための図である。
前記混注装置1では、例えば初期設定時などに、前記注射針11cの位置情報を検出するために用いられる基準データを取得する基準データ取得処理が前記第2制御部500によって実行される。図19Aに示すように、基準部材364は、前記基準部材364の端面に垂直に設けられた基準針364a及び基準針364bを備える。前記基準針364a及び前記基準針364bは平行であって、前記基準針364a及び前記基準針364bは予め定められた距離Eだけ離間している。
そして、前記基準データ取得処理は前記第2制御部500によって以下の手順で行われる。なお、図19Bに示すように、前記検出平面における前記注射針11cの位置情報は、前記検出平面上で垂直に交差するx軸及びy軸で定義される。まず、前記第2ロボットアーム22が制御されて前記保持部26で前記基準部材364が保持される。次に、前記第2ロボットアーム22によって前記基準部材364が移動され、予め定められた基準検出開始位置にセットされる。前記基準検出開始位置は、前記基準針364a及び前記基準針364bが前記長穴36a内に挿入されて前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の検出光L1及び検出光L2を横断可能な位置である。続いて、図19Bに示されるように、前記第2制御部500は、前記基準針364a及び前記基準針364bが前記移動方向R21に沿って前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の検出光L1及び検出光L2を横断するように、前記第2ロボットアーム22による前記基準部材364の移動を開始させる。
このとき、前記第2ロボットアーム22は、前記基準部材364を一定速度で移動させる。また、前記第2制御部500は、前記基準部材364の移動開始からのタイマーカウントを開始する。そして、前記第2制御部500は、前記基準針364a及び前記基準針364bにより前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の検出光L1及び検出光L2が遮断されたときのタイマー値と前記第2ロボットアーム22による前記基準部材364の移動速度とに基づいて各遮断位置の位置データ(距離データ)を取得する。
具体的に、前記基準針364aにより前記第1光センサ361の検出光L1が遮断される位置a1と、前記基準針364bにより前記第1光センサ361の検出光L1が遮断される位置a2との距離Aが取得される。同じく、前記基準針364bにより前記第2光センサ362の検出光L2が遮断される位置b1と、前記基準針364aにより前記第2光センサ362の検出光L2が遮断される位置b2との距離Cが取得される。そして、前記距離A及び前記距離Cが前記基準データとして前記データ記憶部504に記憶され、前記基準データ取得処理は終了する。なお、前述したように、前記基準針364a及び前記基準針364bは距離Eだけ離間しており、前記基準針364aが通過する位置をx軸方向における基準点(原点)とすると、前記基準針364bは、x軸方向の前記基準点から距離Eだけ離れた位置を通過することになる。
その後、前記第2制御部500は、実際に前記注射器11の注射針11cの位置情報を検出する際には、前記第2ロボットアーム22によって前記注射器11の注射針11cの位置を、予め定められた傾き検出開始位置まで移動させる。前記傾き検出開始位置のx軸方向の位置は、前記基準点から距離Xcだけ離れた位置であるとする。なお、前記注射針11cに曲り等が生じていない場合に前記注射針11cが通過する移動経路を本来経路P10と称する。一方、前記注射針11cに曲り又は傾きが生じている場合には、前記注射針11cの位置が前記本来経路P10からずれることになる。この場合、前記第2ロボットアーム22によって前記本来経路P10上の前記傾き検出開始位置に移動された前記注射針11cの位置も前記本来経路P10からずれる。
図19Bでは、前記検出平面における前記注射針11cの位置が前記本来経路P10からずれており、x軸方向における前記基準点から距離Xpだけ離れた位置にあるとする。以下、前記第2ロボットアーム22によって前記移動方向R21に移動されるときに前記注射針11cが通過する移動経路を注射針検知経路P20と称する。なお、前記距離Xpは、前記注射針検知経路P20と前記基準針364aの通過経路とのx軸方向の間隔であり、前記距離Xcは、前記本来経路P10と前記基準針364aの通過経路とのx軸方向の間隔である。即ち、前記基準針364aの通過経路を基準とすると、前記注射針11cのx軸方向の曲り成分βはXc−Xpで表される。なお、前記注射針11cのy軸方向の曲り成分はαとする。
続いて、前記第2制御部500は、タイマースタートと同時に前記第2ロボットアーム22を制御して一定速度で前記移動方向R21に前記注射針11cを移動させる。前記第2制御部500は、このときの前記第2ロボットアーム22の移動速度と前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の検出光L1及び検出光L2が遮断されたときのタイマー値とに応じて、前記注射針11cが注射針検知経路P20上の位置a3と位置b3とに到達したときの本来経路P10上での位置a0と位置b0との位置データ(距離データ)を取得することが可能である。ここで、前記位置a0から前記位置a2の距離をB、前記位置b1から前記位置b0の距離をDとする。
なお、前記注射針11cに曲りが生じていなければ、前記注射針検知経路P20は前記本来経路P10に一致する(距離Xp=距離Xc)。この場合、前記位置b0と前記位置b3とが一致し、前記位置a0と前記位置a3とが一致する。ここで、前記距離A、B、E、Xpに着目し、前記注射針11cに曲りが生じていないと仮定すると、「Xp=E−E×B/A」の式が得られる。また、上記距離C、D、E、Xpに着目し、前記注射針11cに曲りが生じていないと仮定すると、「Xp=E−E×D/C」の式が得られる。さらに、これらの式から、「B/A=D/C」が得られる。
ここでは、図19Bに示されているように、前記注射器11のプランジャ11b側から見て前記注射針11cの中心に対して前記注射針11cの先端側に曲りが生じており、前記注射針11cの先端側が前記本来経路P10から外れた前記注射針検知経路P20上を通る場合を想定する。この場合、前記注射針検知経路P20上の値である前記距離B及び前記距離Dを、そのまま前記注射針11cの位置を特定するために用いることはできない。具体的に、前記注射針11cのy軸方向の曲り成分αが存在している場合には、前記第1光センサ361は前記タイマースタートから前記曲り成分αの距離だけ前記位置a3より遅れて応答することになるため、前記距離BをB+αに補正する必要がある。従って、前記距離Xpを求める式は、「Xp=E−E×(B+α)/A」となる。同様に、前記第2光センサ362は前記タイマースタートから前記曲り成分αの距離だけ前記位置b3より遅れて応答することになるため、前記距離DをD−αに補正する必要がある。従って、前記距離Xpを求める式は、「Xp=E−E×(D−α)/C」となる。
また、(B+α)/A=(D−α)/Cから、α=(A×D−B×C)/(A+C)となり、前記注射針11cのy軸方向の曲り量である前記曲り成分αが求まる。そして、ここで求めた前記曲り成分αを「Xp=E−E×(B+α)/A」に代入すると、前記距離Xpが求まる。さらに、「Xc―Xp」の演算を行うと、前記注射針11cのx軸方向の曲り成分βが求まる。
これにより、前記第2制御部500は、前記注射針11cの針曲り量に基づいて、前記バイアル瓶10Bのゴム栓又は前記輸液バッグ12の混注口のゴム栓に穿刺される際の前記注射針11cの位置が補正されるように前記第2ロボットアーム22を動作させることが可能である。例えば、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射針11cを前記ゴム栓上の狙った位置に穿刺することが可能である。なお、前記針曲り量の導出は、前記注射針11cについて1回行うこととしてもよいし、前記注射針11cを前記輸液バッグ12の混注口のゴム栓に差し込む回数が複数であるときには複数回行うようにしてもよい。また、前記第2制御部500は、前記針曲り量の導出において、前記検出光L1及び前記検出光L2を通過するのに要した時間(第1光センサ361及び第2光センサ362のオフの時間間隔)から前記注射針11cの太さを判断し、前記注射針11cの誤使用なども判断することも可能である。
ところで、前記タイマースタートによる針位置計測に限らず、ロボットアームの座標位置から前記注射針11cの位置を判断することも可能である。また、前記第1光センサ361を前記検出平面内で例えば45°又は90°程度回転させる回転板を設け、前記長穴36aを遮蔽しないように前記回転板を回転させると、前記第1光センサ361を前記第2光センサ362の代わりとして用いることが可能になる。この場合、複数回に分けて前記基準針364a、前記基準針364b、又は前記注射針11cが移動されればよい。
また、ここでは2つの前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362を用いて、x軸方向、y軸方向の前記注射針11cの位置情報が検知される場合について説明するが、1つの光センサを用いてx軸方向、y軸方向の前記注射針11cの位置情報が検出されることも考えられる。具体的に、x軸方向の位置情報は、図19Bの前記位置a1及び前記位置a2の間の距離と前記位置a3及び前記位置a2の間の距離との比から前記距離Xpが求まるので、1つのセンサ(この場合は、第1光センサ361)によって検知することが可能である。また、y軸方向の位置情報は、前記第2ロボットアーム22等によって、前記注射器11の向きを前記注射器11の軸周りに90度回転させて、再度、前記注射針11cを図19Bのように、前記本来経路P10に沿って移動させる。この場合も1つの光センサでx軸方向の位置情報が検知できるが、前記注射器11が90度回転しているため、検知された位置情報は、y軸方向の位置情報となる。
[傾き補正処理]
ところで、前記混注装置1では、前記針曲り検出部36を用いて前記注射針11cの針曲りを検出することが可能であり、前記注射針11cの針先部の位置ずれを補正することが可能である。しかしながら、前記混注処理では、前記注射針11cの針先部の位置ずれだけではなく、前記注射器11の注射針11cの傾きを考慮することが望ましい場合がある。例えば、前記注射針11cが前記バイアル瓶10Bのゴム栓に穿刺される際に、前記注射針11cに傾きが生じている場合には、前記注射針11cが前記ゴム栓に垂直に穿刺されず、前記注射針11cに負荷が作用する。これに対し、前記混注装置1では、前記第2制御部500によって、後述の傾き補正処理が実行されることにより、前記注射針11cの傾きが適宜補正される。
以下、図20及び図21A〜図21Cを参照しつつ、前記混注装置1において、前記第2制御部500によって実行される傾き補正処理について説明する。なお、前記傾き補正処理は、前記混注処理において、前記注射針11cの針曲りの有無を検出する処理として実行される。
<ステップS1>
図20に示すように、ステップS1において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射器11を前記挿入方向R11に沿って移動させることにより、前記注射針11cの前記長穴36a内への挿入動作を開始する。
<ステップS2>
ステップS2において、前記第2制御部500は、前記注射針11cの尖端11g(図21A参照)が前記第3光センサ363で検出されたか否かを判断する。即ち、前記注射針11cの尖端11gが前記第1検出位置P1に到達したか否かが判断される。ここで、図21Aに示すように、前記注射針11cが前記第1検出位置P1に到達し、前記注射針11cが前記第3光センサ363で検出された場合(S2:Yes側)、処理はステップS3に移行する。また、前記注射針11cが前記第3光センサ363で検出されるまでの間は(S2:No側)、前記ステップS2の判断処理が繰り返され、前記注射針11cが前記長穴36a内に徐々に挿入される。
<ステップS3>
ステップS3において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射針11cの前記長穴36aへの挿入動作を停止させる。
<ステップS4>
ステップS4において、前記第2制御部500は、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362を用いて、前記検出平面上における前記注射針11cの位置情報を検出する。具体的に、図21Aに示すように、前記注射針11cの尖端11gが前記第1検出位置P1に到達したときに前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の検出方向L1、L2を含む前記検出平面と交差する前記注射針11cの位置が検出される。なお、この場合の前記検出平面を検出平面D1と称する。
<ステップS5>
ステップS5において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射針11cの前記長穴36aへの挿入動作を再開させる。
<ステップS6>
ステップS6において、前記第2制御部500は、前記注射針11cの尖端11gが前記第3光センサ363により検出された位置から予め定められた第1距離だけ更に前記長穴36a内に挿入された第2検出位置P2に到達したか否かを判断する。具体的に、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22の移動量に基づいて前記注射針11cの尖端11gが前記第1距離だけ挿入されたか否かを判断することが可能である。なお、前記注射針11cの尖端11gが前記第2検出位置P2に到達したことを検出する光センサを別途備える構成も他の実施形態として考えられる。
ここで、前記注射針11cが前記第1距離だけ挿入されたと判断された場合(S6:Yes側)、処理はステップS7に移行する。また、前記注射針11cが前記第1距離だけ挿入されるまでの間は(S6:No側)、前記ステップS6の判断処理が繰り返され、前記注射針11cが前記長穴36a内に徐々に挿入される。
<ステップS7>
ステップS7において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射針11cの前記長穴36aへの挿入動作を停止させる。
<ステップS8>
ステップS8において、前記第2制御部500は、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362を用いて、前記検出平面上における前記注射針11cの位置情報を検出する。具体的に、図21Bに示すように、前記注射針11cの尖端11gが前記第2検出位置P2に到達したときに前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の検出方向L1、L2を含む前記検出平面と交差する前記注射針11cの位置が検出される。なお、この場合の検出平面を検出平面D2と称する。前記検出平面D2は、前記検出平面D1と平行である。
なお、前記注射針11cの尖端11gが前記第2検出位置P2に位置する状態で、前記検出平面D1及び前記検出平面D2各々に前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362が設けられていることも他の実施形態として考えられる。この場合、前記検出平面D1及び前記検出平面D2における前記注射針11cの位置情報を同時に検出することが可能となる。
<ステップS9>
次に、ステップS9において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御することにより、前記注射針11cの位置ずれ及び傾きを補正する。これにより、前記第2制御部500は、前記混注処理において前記注射針11cを用いる動作について、前記ステップS9における補正後の前記注射針11cの位置情報に基づいて、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22などの動作を制御する。このように、前記注射針11cの傾きに基づいて前記注射針11cの姿勢及び位置などを制御するための処理を実行するときの前記第2制御部500が姿勢制御部の一例である。なお、前記注射針11cの姿勢とは、例えば前記注射針11cの針先部の向き及び前記注射針11cの傾きのいずれか一方又は両方を含む概念である。
例えば、前記ステップS9において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御し、図21Cに示すように、前記注射針11cの前記検出平面D1における前記注射針11cの位置が前記本来経路P10と一致する位置まで前記注射針11cを平行移動させると共に、前記注射針11cの傾きが解消される姿勢まで前記検出平面D1及び前記注射針11cの交点を中心に前記注射針11cを回転させる。
より具体的に、前記注射針11cの尖端11gが前記第1検出位置P1に位置するときに検出された前記注射針11cの位置ずれ量をd1[ax1,ay1]とし、前記注射針11cの尖端11gが前記第2検出位置P2に位置するときに検出された前記注射針11cの位置ずれ量をd2[ax2,ay2]とする。また、前記第1検出位置P1及び前記第2検出位置P2のz軸方向の距離を距離L、所定の回転行列をRとする。この場合、前記第2制御部500は、前記第1検出位置P1から前記第2検出位置P2に向かうベクトルn[ax1−ax2,ay1−ay2,L]のx成分及びy成分が0になるように、前記検出平面D1と前記注射針11cとの交点を原点[0,0,0]として前記注射針11cを回転させることによって前記注射針11cの傾きを補正する(R・n=n’=(0,0,nz))。なお、前記回動及び前記平行移動は並行して行われるが、前記回動が行われた後に前記平行移動が行われること、又は、前記平行移動が行われた後に前記回動が行われることも他の実施形態として考えられる。
さらに、前記傾き補正処理において、前記第2制御部500は、例えば前記ステップS9の前段で、前記注射針11cの傾きを検出することも可能である。具体的に、xz平面に投影される前記注射針11cの傾きは、(ax2−ax1)/Lで算出され、yz平面に投影される前記注射針11cの傾きは、(ay2−ay1)/Lで算出される。これにより、前記第2制御部500は、前記注射針11cの傾きに基づいて、前記注射針11cの傾き量を任意に制御することが可能となる。また、前記注射針11cの傾き検出手法はこれに限らず、例えば前記注射針11cの尖端11gが前記第1検出位置P1及び前記第2検出位置P2にそれぞれ位置するときにおける前記注射針11cの位置座標を算出し、その位置座標に基づいて前記注射針11cの傾きが検出されてもよい。例えば、前記検出平面D1及び前記検出平面D2各々における前記注射針11cの前記位置a3又は前記位置b3の位置座標に基づいて前記注射針11cの傾きが検出可能である。さらに、前記第2制御部500は、前記検出平面D1及び前記検出平面D2において前記注射針11cが前記位置a3又は前記位置b3に到達したときの前記第2ロボットアーム22の座標位置から前記注射針11cの傾きを検出することも可能である。
[向き検出処理]
ところで、図24Aに示すように、前記注射器11の注射針11cの針先部11eには、前記注射針11cの側面視において前記注射針11cの尖端11gに向けて鋭角なカット面(傾斜面)11fが形成されている。即ち、前記針先部11eにおける前記注射針11cの長手方向に垂直な断面上の前記傾斜面11fの幅が前記注射針11cの長手方向における位置に応じて変化し、前記注射針11cの尖端11gに近づくほど小さくなる。特に、前記注射針11cの尖端11gは、前記注射針11cを長手方向から見たときに前記注射針11cの外周面上に位置している。そのため、前記注射針11cの針先部11eにおける前記注射針11cの長手方向に垂直な断面は、前記尖端11gに向けて徐々に小さくなる。具体的に、前記注射針11cは、前記針先部11eが、ランセット、バックカット、セミランセット、又は平研ぎなどの加工手法により形成されている。なお、本実施形態における前記針先部11eとは、前記注射針11cの長手方向において前記カット面11fが形成されている範囲である。換言すれば、前記針先部11eは、前記注射針11cの長手方向に垂直な断面の外周に前記カット面11fが含まれる範囲である。また、本実施形態における前記針先部11eの向きとは、前記注射針11cを長手方向から見たときの前記注射針11cの中心と前記注射針11cの尖端11gとの位置関係を示す指標である。例えば、前記針先部11eの向きは、前記注射針11cを長手方向から見たときの前記注射針11cの中心から前記注射針11cの尖端11gに向かう方向であって、前記注射針11cの半径方向のうち前記注射針11cの中心から前記注射針11cの尖端11gに向かう第1方向で表される。即ち、前記針先部11eの向きは、前記注射針11cの長手方向とは異なる概念である。なお、前記針先部11eにおける前記注射針11cの長手方向に垂直な断面において前記カット面11fに対向する方向を前記針先部11eの向きとして捉えてもよい。
そして、本出願の発明者は、前記注射針11cが前記バイアル瓶10Bのゴム栓に穿刺される際に、前記注射針11cの針先部11eの向きに応じて前記注射針11cの進行方向が変化することを見いだした。例えば、前記注射針11cが前記バイアル瓶10Bのゴム栓に穿刺される際に、その作業を人が行う場合には、前記注射針11cの尖端11gが前記バイアル瓶10Bのゴム栓の内側面に突き当たらないように目視しながら適宜調整することが可能である。しかしながら、前記混注装置1において前記第2ロボットアーム22によって同様の作業が自動的に実行される場合には、前記バイアル瓶10Bのゴム栓に穿刺する際の前記注射針11cの進行方向が変化すると、前記バイアル瓶10Bのゴム栓の内側面に突き当たるおそれがある。また、その他、後述するように前記注射針11cが前記キャップ11dに挿入される際にも問題が生じるおそれがある。
そこで、前記混注装置1では、前記第2制御部500によって、後述の向き検出処理が実行されることにより、前記注射針11cの針先部11eの向きとして前記第1方向が検出される。そして、前記混注処理が実行される際には、前記第2制御部500によって前記注射針11cの姿勢及び位置などが適宜制御され、各種の処理が実行される。
続いて、図22〜図26を参照しつつ、前記第2制御部500によって実行される向き検出処理の一例について説明する。ここに、係る向き検出処理を実行するときの前記第2制御部500が向き検出部の一例である。なお、前記向き検出処理は、例えば前記傾き補正処理(図20)により前記注射針11cの傾きが補正された後に実行される。即ち、ここでは、前記向き検出処理の実行時における前記注射針11cの長手方向が前記挿入方向R11と一致しており、前記検出平面が前記注射針11cの長手方向及び前記挿入方向R11と垂直な平面であるとする。
ところで、本実施形態では、前記傾き補正処理の終了後に当該向き検出処理が実行される場合について説明する。そのため、前記混注装置1では、前記傾き補正処理における前記注射針11cの傾きの補正は、前記注射針11cが前記長穴36aに挿入されている状態で行われる。そして、当該向き検出処理は、前記注射針11cが前記長穴36aに挿入されている状態で開始される。これにより、前記傾き補正処理及び前記向き検出処理を前記注射針11cを前記長穴36aに挿入して引き抜く一連の動作において実行することができ処理時間が抑制される。一方、前記傾き補正処理における前記注射針11cの傾きの補正が前記注射針11cが前記長穴36aから引き抜かれた後に実行され、当該向き検出処理が前記注射針11cが前記長穴36aに再度挿入される際に実行されてもよい。さらに、本実施形態では、前記傾き補正処理及び当該向き検出処理の両方が実行される場合について説明するが、いずれか一方のみが実行されることも考えられる。
<ステップS10>
図22に示すように、前記向き検出処理では、まずステップS10において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射器11を移動させることにより、前記注射針11cを予め定められた向き検出開始位置に移動させる。前記向き検出開始位置は、前記第3光センサ363による検知範囲内であって、前記移動方向R21(図18A参照)における前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の前記検出光L1及び前記検出光L2の上流側の位置である。例えば、前記向き検出開始位置は、前記注射針11cの軸中心が前記本来経路P10と一致する位置である。なお、このとき前記注射針11cの傾きは前記傾き補正処理で補正されているため、前記注射針11cを前記向き検出開始位置まで正確に移動させることができる。
<ステップS11>
ステップS11において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射器11を移動させることにより、前記注射針11cの前記長穴36aからの引き抜きを開始する。即ち、前記注射針11cの前記長穴36aへの挿入時の移動方向である前記挿入方向R11(図18A参照)とは反対方向に前記注射針11cが移動される。
<ステップS12>
続いて、ステップS12において、前記第2制御部500は、前記第3光センサ363で前記注射針11cが検出中であるか否かを判断する。ここで、前記注射針11cが検出中であると判断されている間は(S12:Yes側)、前記ステップS12の判断処理が繰り返し実行される。一方、前記注射針11cが検出されなくなった場合は(S12:No側)、処理がステップS13に移行する。
<ステップS13>
ステップS13において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射針11cの前記長穴36aからの引き抜き動作を停止させる。即ち、前記注射針11cの尖端11gが前記第1検出位置P1に到達したときに前記引き抜き動作が停止される。
ここで、前記第1検出位置P1は、前記検出平面における前記注射針11cの投影像の幅が前記注射針11cの外径と同じになるように予め定められた位置である。具体的に、図24Aに示すように、前記注射針11cの針先部11eは、前記注射針11cの尖端11gに向けて鋭角な前記カット面11fを有する。これに対し、図24Bに示すように、前記カット面11fが形成されていない前記注射針11cの位置P11の断面は円形状である。前記第1検出位置P1は、前記注射針11cの前記カット面11fが形成されていない前記位置P11が前記検出平面に位置するときの前記尖端11gの位置である。
<ステップS14>
そして、ステップS14において、前記第2制御部500は、前記注射針11cの前記位置P11における投影データを取得するために投影データ取得処理を実行する。ここで、図23を参照しつつ、前記投影データ取得処理の一例について説明する。
[投影データ取得処理]
<ステップS31>
まず、ステップS31において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御することにより、前記注射針11cを前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の前記検出光L1及び前記検出光L2に横断させる横断動作を開始させる。即ち、前記第2ロボットアーム22によって前記注射針11cが前記移動方向R21(図18A参照)に沿って移動される。ここに、前記移動処理を実行するときの前記第2制御部500が第1移動処理部の一例である。
<ステップS32>
前記注射針11cの移動中、ステップS32では、前記第2制御部500が、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の検出結果を時系列情報と共に、前記RAM503に順次記録する。これにより、前記注射針11cが前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の前記検出光L1及び前記検出光L2を横断する際に、前記RAM503に前記注射針11cの投影データが蓄積される。ここに、前記第1光センサ361による検出結果として蓄積される前記投影データは、前記第1光センサ361の発光部361aから前記針先部11eに前記検出光L1を照射したときの前記針先部11eの投影像を表すデータである。同じく、前記第2光センサ362による検出結果として蓄積される前記投影データは、前記第2光センサ362の発光部362aから前記針先部11eに前記検出光L2を照射したときの前記針先部11eの投影像を表すデータである。即ち、前記投影データ取得処理では、前記注射針11cの長手方向に交差する前記検出平面において複数の方向から前記注射針11cの針先部11eに光を照射したときの前記針先部11eの投影像各々の幅が検出される。このようにして、前記注射器11の注射針11cの針先部11eを前記検出平面において複数の投影方向に投影したときの前記針先部11eの投影像各々の幅を検出するための処理を実行するときの前記第2制御部500が幅検出部の一例である。
<ステップS33>
その後、ステップS33において、前記第2制御部500は、前記注射針11cが予め定められた検出終了位置まで移動したか否かを判断する。前記検出終了位置は、少なくとも前記注射針11cが前記検出光L1及び前記検出光L2の横断が終了する位置として予め設定される。ここで、前記注射針11cが前記検出終了位置まで移動したと判断されると(S33:Yes側)、処理がステップS34に移行する。なお、前記注射針11cが前記検出終了位置まで移動したと判断されなければ(S33:No側)、処理が前記ステップS32に戻される。
<ステップS34>
そして、ステップS34では、前記第2制御部500により、前記第2ロボットアーム22が制御され、前記注射針11cの横断動作が停止される。
なお、ここでは2つの前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362を用いて、前記注射針11cの投影像の幅が検出される場合について説明するが、1つの光センサを用いて、前記注射針11cの投影像の幅が検出されることも考えられる。具体的には、前記第2制御部500は、前記第1光センサ361のような一つの光センサの向き(光センサによる光の照射方向)と前記注射針11cの針先部11eの向き(前記注射針11cにおける前記第1方向)との関係を相対的に変化させることが考えられる。この場合、前記針先部11eは、前記光センサの向きと前記針先部11eの向きとが相対的に変化することにより、前記光センサの発光部によって複数の方向から投影されることになる。
例えば、前記第2制御部500は、前記注射針11cを前記移動方向R21に沿って移動させながら、前記第1光センサ361を用いて前記注射針11cの投影像の幅を検出した後、前記第1光センサ361を90度回転させて、再度、前記注射針11cを前記移動方向R21に沿って移動させながら、前記第1光センサ361を用いて前記注射針11cの投影像の幅を検出することが考えられる。ここに、係る処理を実行するときの前記第2制御部500が第2移動処理部の一例である。この場合でも、前記第2制御部500は、前記第1光センサ361の向き(前記第1光センサ361による光の照射方向)及び前記注射針11cの向き(前記注射針11cにおける前記第1方向)の関係が相対的に変化した異なる状態における前記第1光センサ361の検出結果に基づいて、前記注射針11cの針先部11eに複数の方向から光を照射したときの前記針先部11eの投影像各々の幅を検出することが可能である。なお、この場合、前記照射方向は、前記第1光センサ361の向きと前記針先部11eの向きとの相対的な位置関係であって、例えば前記第1光センサ361の回転角度(0度及び90度)によって特定されることが考えられる。
<ステップS15>
前記投影データ取得処理が終了すると、図22に戻り、ステップ15において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射針11cを前記向き検出開始位置まで戻す。
<ステップS16>
そして、ステップS16において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射針11cの前記長穴36aからの引き抜き動作を再開させる。
<ステップS17>
その後、前記第2制御部500は、前記注射針11cの尖端11gが予め定められた第2距離だけ引き抜かれた第3検出位置まで到達したか否かを判断する。具体的に、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22の移動量に基づいて前記注射針11cの前記第2距離の移動を判断する。さらに、前記注射針11cが前記第3検出位置に到達したことを検出する光センサを備える構成も他の実施形態として考えられる。
ここで、前記第3検出位置は、前記検出平面における前記注射針11cの投影像の最大幅が、前記注射針11cの外径の半分未満になるように予め定められた位置である。図24Bに示すように、前記針先部11eが形成されていない前記注射針11cの位置P11の断面は円形状であるが、図24C〜図24Eに示すように、前記注射針11cの尖端11gに進むに従って断面形状が小さくなる。
具体的に、図24Dに示すように、前記注射針11cの針先部11eのカット面11fの中央である位置P13の断面は半円形状である。また、図24Cに示すように、前記位置P13より前記位置P11側に近い前記位置P12の断面は半円より大きい。さらに、図24Eに示すように、前記位置P13より尖端11g側に近い前記位置P14の断面は半円より小さい。そのため、前記第3検出位置は、前記注射針11cにおける前記位置P13より前記尖端11g側に近い位置が前記検出平面に位置するときの前記注射針11cの尖端11gの位置である。以下、本実施の形態では、前記第3検出位置が、前記注射針11cのカット面11fの前記位置P14が前記検出平面に位置するときの前記注射針11cの尖端11gの位置である場合を例に挙げて説明する。なお、前記注射針11cのカット面11fにおいて断面形状が半円より小さくなる前記位置P14は、前記注射針11cごとに既知であり、前記注射針マスターに記憶されている。そして、前記第2制御部500は、前記注射針マスターを参照して前記カット面11fの断面形状が半円より小さくなる位置が前記検出平面に位置するように前記第2距離を適宜変更することが考えられる。これにより、複数種類の前記注射針11cについて当該向き検出処理による前記針先部11eの向き検出が実現される。なお、前記第2距離が十分に小さければ、前記第2距離が常に一定の値として設定されていることも考えられる。
そして、前記ステップS17において、前記第2制御部500は、前記注射針11cの尖端11gが前記第2距離移動したと判断した場合(S17:Yes側)、処理をステップS18に移行させる。また、前記注射針11cの尖端11gが前記第2距離移動するまでの間は(S17:No側)、前記ステップS17の判断処理が繰り返され、前記注射針11cが前記長穴36a内から徐々に引き抜かれる。
<ステップS18>
ステップS18において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射針11cの前記長穴36aからの引き抜き動作を停止させる。
<ステップS19>
続いて、ステップS19において、前記第2制御部500は、前記ステップS14と同様の前記投影データ取得処理を実行する。このとき、前記注射針11cの針先部11eの前記位置P14に前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の前記検出光L1及び前記検出光L2が照射されている。そのため、前記ステップS19では、前記注射針11cの針先部11eの前記位置P14に対応する投影データが取得されることになる。
<ステップS20>
そして、ステップS20において、前記第2制御部500は、前記ステップS14及び前記ステップS19において前記投影データとして検出され、前記RAM503に蓄積された前記注射針11cの投影像各々の幅と前記投影像に対応する検出光各々の照射方向とに応じて前記注射針11cの針先部11eの向きを検出する。具体的に、前記第2制御部500の前記ROM502には、前記注射針11cの投影データと前記注射針11cの針先部11eの向きとの関係が予め定められた向き対応情報が記憶されており、前記第2制御部500は、前記向き対応情報と前記投影データ各々とに基づいて前記注射針11cの針先部11eの向きを特定する。
ここで、本実施形態では、前記投影データを検出したセンサが前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362のいずれであるかを示す情報と前記投影像の幅とが対応付けられた情報が前記投影データとして前記RAM503に蓄積される。即ち、前記投影データを検出したセンサが前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362のいずれであるかを示す情報が前記照射方向を示す情報として記憶されている。そして、前記第2制御部500は、前記投影データに含まれる前記投影像各々の幅と前記投影像に対応する検出光の照射方向(第1光センサ361又は第2光センサ362による光の照射方向)とに応じて前記注射針11cの針先部11eの向きを特定することが可能である。
ここに、図25A〜図25Iは、前記投影データの一例を示す模式図であり、図26は、前記向き対応情報の一例を示す図である。図25Aに示すように、前記ステップS14で前記第1光センサ361及び前記第2光センサを用いて検出される前記注射針11cの全周を含む投影像の幅は、時間T1〜時間T3に対応する幅d0であって、前記注射針11cの外径に相当する幅である。なお、前記時間T1〜T3は、前記注射針11cの移動中に時系列でT1、T2、T3の順に到来する時点である。一方、前記ステップS19で前記第1光センサ361及び前記第2光センサを用いて検出される前記注射針11cの針先部11eの投影像の幅は、前記幅d0よりも小さくなる。なお、前記幅d0の値は、前記時間T1〜前記時間T3の間隔と前記投影データの取得時の前記第2ロボットアーム22の移動速度とに基づいて算出可能である。そして、前記向き対応情報では、前記ステップS14で取得された前記投影データを基準として、前記注射針11cの針先部11eの向きが定義される。
具体的に、図25Bに示す例では、前記注射針11の針先部11eの断面において、前記注射針11cの尖端11gが前記第1光センサ361の受光部361bと前記第2光センサ362の発光部362aとの間(図25Bにおける右方向)に向けられており、前記注射針11cのカット面11fが前記第1光センサ361の発光部361aと前記第2光センサ362の受光部362bと間(図25Bにおける左方向)に向けられている。即ち、前記注射針11を長手方向から見たときに前記注射針11cの中心と前記尖端11gとの位置関係は、前記注射針11cの中心から見て前記受光部361bと前記発光部362aとの間の方向(図25Bにおける右方向)に前記尖端11gが位置する状態である。この状態を前記注射針11cの針先部11eの向き、即ち前記注射針11cにおける前記第1方向が0度の状態とする。この場合、前記ステップS19で取得された前記投影データでは、前記第1光センサ361で検出される前記注射針11cの針先部11eの投影像の幅と前記幅d0との差は小さく、前記時間T2よりも前記時間T3側に存在する前記注射針11cの投影像の割合が高い状態となる。また、前記第2光センサ362で検出される前記注射針11cの針先部11eの投影像の幅と前記幅d0との差は小さく、前記時間T2よりも前記時間T1側に存在する前記注射針11cの投影像の割合が高い状態となる。
そして、図26に示す例では、前記注射針11cの投影像が、前記時間T2を指標として、前記時間T2よりも前記時間T1側に存在する割合が高い場合に検出位置が「上」、前記時間T2よりも前記時間T3側に存在する割合が高い場合に検出位置が「下」、前記時間T2から前記時間T1側及び前記時間T3側に存在する割合の差が小さい場合に検出位置が「中央」と定義されている。また、図26に示す例では、前記投影データにおける前記注射針11cの針先部11eの投影像の幅と前記幅d0との差分の程度が「大」、「中」、「小」の3段階で定義されている。特に、図26に示す例では、前記第1光センサ361の投影データである旨が、前記第1光センサ361の発光部361aから前記針先部11eに向かう照射方向を示す情報として扱われている。同じく、図26に示す例では、前記第2光センサ362による投影データである旨が、前記第2光センサ362の発光部362aから前記針先部11eに向かう照射方向を示す情報として扱われている。
次に、図25Cでは、図25Bに示す状態から前記注射針11cの針先部11eの向きである前記第1方向が図25Bにおいて反時計回りに45度回転した状態で前記ステップS19により取得される前記投影データの一例が示されている。この状態では、図25C及び図26に示すように、前記第1光センサ361で得られる前記投影データでは、幅の差分が「小」、検出位置が「中央」となり、前記第2光センサ362で得られる前記投影データでは、幅の差分が「大」、検出位置が「上」となる。即ち、図26に示すように、この結果と前記注射針11cの針先部11eの向きとを予め対応付けておくことにより、前記第2制御部500は、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362の検出結果に応じて、前記注射針11cの針先部11eの向きが「45度」であると特定することが可能である。
一方、前記注射針11cの針先部11eの向きが0度である場合(図25B参照)、前記第1光センサ361で得られる前記投影データでは、幅の差分が「中」、検出位置が「下」となり、前記第2光センサ362で得られる前記投影データでは、幅の差分が「中」、検出位置が「上」となる。このような場合には、前記投影データにおける前記注射針11cの針先部11eの投影像の幅と前記幅d0との差分が小さいため、前記針先部11eの向きを特定することが困難である。そのため、本実施形態では、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362で得られる前記投影データ各々における前記幅の差分がいずれも「大」でない場合、前記第2制御部500は、前記注射針11cの針先部11eの向きを特定できないと判断する。一方、前記第1光センサ361又は前記第2光センサ362で得られる前記投影データにおける前記幅の差分が「大」である場合、前記第2制御部500は、前記投影データと前記向き対応情報とに基づいて前記注射針11cの針先部11eの向きを特定する。これにより、前記注射針11cの針先部11eの向きの検出精度が高まる。なお、前記注射針11cの針先部11eの向きが0度である場合(図25B参照)にも、図26に示されている前記第1光センサ361又は前記第2光センサ362で得られる前記投影データと前記向き対応情報とに基づいて前記針先部11eの向きを特定することも他の実施形態として考えられる。
図25D〜図25Iでは、図25Cに示す状態から前記注射針11cの針先部11eの向きである前記第1方向が図25において反時計回りに45度間隔で回転した状態で前記ステップS19により取得される前記投影データの一例が示されている。
具体的に、図25Dに示すように、前記注射針11cの針先部11eの向きが90度である場合、前記第1光センサ361で得られる前記投影データでは、幅の差分が「中」、検出位置が「上」となり、前記第2光センサ362で得られる前記投影データでは、幅の差分が「中」、検出位置が「上」となる。この場合、前記針先部11eの向きが特定されないと判断される。
また、図25Eに示すように、前記注射針11cの針先部11eの向きが135度である場合、前記第1光センサ361で得られる前記投影データでは、幅の差分が「大」、検出位置が「上」となり、前記第2光センサ362で得られる前記投影データでは、幅の差分が「小」、検出位置が「中央」となる。この場合、前記針先部11eの向きが「135度」であると特定される。
また、図25Fに示すように、前記注射針11cの針先部11eの向きが180度である場合、前記第1光センサ361で得られる前記投影データでは、幅の差分が「中」、検出位置が「上」となり、前記第2光センサ362で得られる前記投影データでは、幅の差分が「中」、検出位置が「下」となる。この場合、前記針先部11eの向きが特定されないと判断される。
また、図25Gに示すように、前記注射針11cの針先部11eの向きが225度である場合、前記第1光センサ361で得られる前記投影データでは、幅の差分が「小」、検出位置が「中央」となり、前記第2光センサ362で得られる前記投影データでは、幅の差分が「大」、検出位置が「下」となる。この場合、前記針先部11eの向きが「225度」であると特定される。
また、図25Hに示すように、前記注射針11cの針先部11eの向きが270度である場合、前記第1光センサ361で得られる前記投影データでは、幅の差分が「中」、検出位置が「下」となり、前記第2光センサ362で得られる前記投影データでは、幅の差分が「中」、検出位置が「下」となる。この場合、前記針先部11eの向きが特定されないと判断される。
また、図25Iに示すように、前記注射針11cの針先部11eの向きが315度である場合、前記第1光センサ361で得られる前記投影データでは、幅の差分が「大」、検出位置が「下」となり、前記第2光センサ362で得られる前記投影データでは、幅の差分が「小」、検出位置が「中央」となる。この場合、前記針先部11eの向きが「315度」であると特定される。
このように、前記混注装置1では、前記注射針11cの針先部11eの向きが90度の間隔で、前記第1光センサ361又は前記第2光センサ362で得られる前記投影データにおける前記幅の差分が「大」となる。
なお、本実施形態では、前記注射針11cの針先部11eの投影像の幅を検出する際に、前記注射針11cの長手方向の前記検出位置P14における前記注射針11cの投影データが取得される。そのため、前記注射針11cの針先部11eの投影像の幅の差分が「大」となる状態を検出することが可能である。これに対し、例えば、前記注射針11cの長手方向の前記検出位置P13における前記注射針11cの投影データが取得されることも考えられる。この場合に得られる前記投影データの一例が図27A〜図27Iに示されており、この場合に使用される前記向き対応情報の一例が図28に示されている。なお、図27A〜図27I及び図28については、図25A〜図25I及び図26と同様に考えればよいため詳細な説明は省略するが、この場合には、前記注射針11cの針先部11eの投影像の幅の差分が「大」となる状態が検出されず、前記注射針11cの針先部11eの投影像の幅の差分が「中」となる状態に応じて前記注射針11cの針先部11eの向きを特定することになる。そのため、前記検出位置P14における前記注射針11cの投影データ(図25A〜図25I、図26参照)を用いる場合の方が高い検出精度で前記注射針11cの針先部11eの向きが検出される。
<ステップS21>
その後、ステップS21では、前記第2制御部500が、前記ステップS20において前記注射針11cの針先部11eの向きが特定されたか否かに応じて処理を分岐する。具体的に、前記注射針11cの針先部11eの向きが特定された場合は(S21:Yes側)、当該向き検出処理を終了する。一方、前記注射針11cの針先部11eの向きが特定されなかった場合(S21:No側)、前記第2制御部500は、処理をステップS22に移行させる。
<ステップS22>
ステップS22では、前記ステップS15と同様に、前記第2制御部500が、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射針11cを前記検出光L1及び前記検出光L2の横断前の前記向き検出開始位置まで戻す。
<ステップS23〜S25>
次に、ステップS23において、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して、前記注射針11cを前記注射針11cの中心を軸に予め定められた所定角度だけ回転させる。その後、ステップS24〜S25において、前記第2制御部500は、前記ステップS19〜S20と同様に、前記投影データ取得処理を実行し、前記投影データに基づいて前記注射針11cの針先部11eの向きである前記第1方向を特定する。
ここで、前記混注装置1において、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362は、前記検出光L1及び前記検出光L2が垂直に交わるように配置されている。そして、前記所定角度は45度に定められている。これにより、前記ステップS23で得られる前記投影データは、前記ステップS19で得られる前記投影データと45度ずれたものとなる。そのため、前記混注装置1では、前記ステップS20及び前記ステップS25のいずれかにおいて、前記注射針11cの針先部11eの向きが前記向き対応情報において特定されることになる。即ち、最大でも2回の前記投影データの取得処理によって前記注射針11cの針先部11eの向きを検出することができる。
なお、前記所定角度が45度未満であって、前記注射針11cの針先部11eの向きが特定されるまでの間、前記ステップS22〜S25を繰り返し実行することも他の実施形態として考えられる。例えば、10度又は15度などの間隔で前記注射針11cを回転させながら前記注射針11cの針先部11eの前記位置P14における投影データを取得し、その投影データに基づいて前記注射針11cの針先部11eの向きを特定することが考えられる。
また、二組の前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362が45度ずれた位置に設けられる構成も考えられる。即ち、45度間隔で合計4つの透過型光センサが配置される構成が考えられる。この場合には、前記ステップS19及び前記ステップS24で検出される投影データを前記注射針11cの一度の移動によって同時に検出することが可能となり、処理時間を短縮することが可能である。
以上説明したように、前記混注装置1では、前記第2制御部500が、前記向き検出処理を実行することにより、前記針曲り検知部36を用いて前記注射針11cの針先部11eの向きを示す前記第1方向を検出することが可能である。特に、前記混注装置1では、前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362を用いた簡素で安価な構成により前記注射針11cの針先部11eの向きを検出することができる。なお、本実施形態では、前記注射針11cの傾き及び前記注射針11cの針先部11eの向きが共に検出される場合を例に挙げて説明した。一方、前記注射針11cの傾き及び前記注射針11cの針先部11eの向きのいずれか一方のみが検出される構成も他の実施形態として考えられる。
そして、前記混注装置1では、前記第2制御部500が、前記混注処理において、前記注射器の向き検出処理によって検出された前記注射器11の注射針11cの針先部11eの向きを示す前記第1方向を考慮して前記注射針11cの姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する各種の処理を実行することが可能である。ここに、係る処理を実行するときの前記第2制御部500が姿勢制御部の一例である。以下、前記混注処理において前記注射針11cの針先部11eの向きを考慮して前記注射針11cの姿勢及び位置などが制御される各種の処理の一例について説明する。なお、前記注射針11cの姿勢は、例えば前記注射針11cの針先部11eの向き及び前記注射針11cの傾きなどである。
ところで、前記混注装置1において、以下で説明する各種の処理を実行するためには、前記注射針11cの針先部11eの向きが予め検出される必要があるが、その手法は、前記向き検出処理で説明した手法に限らない。例えば、前記第2制御部500が、前記注射器確認カメラ42などのカメラを用いて前記注射針11cを撮影し、その撮影画像に基づいて前記注射針11cの針先部11eの向きを検出することも考えられる。このような検出を行うときの前記第2制御部500も向き検出部の一例である。また、前記混注装置1で使用される前記注射器11が前記第2ロボットアーム22によって保持された状態における前記注射器11の注射針11cの針先部11eの向きが既定の向きとなるような構成である場合にも、前記第2制御部500が下記の各処理を実行可能である。
[キャップ装着処理]
まず、図29A、図29B、及び図30A〜図30Cを参照しつつ、前記第2制御部500によって実行されるキャップ装着処理の一例について説明する。
前記第2制御部500は、前記混注処理において、前記第2ロボットアーム22を制御し、前記保持部26で保持されている前記注射器11の前記注射針11cを、前記注射針着脱装置43で保持されている前記キャップ11dに挿入することがある。例えば、前記注射針11cを破棄する際には、前記注射針11cが前記キャップ11dに挿入されて前記注射針11cに前記キャップ11dが装着される。また、前記注射針11cが前記キャップ11dに挿入された状態で前記シリンジ11a内の空気抜きを行う場合にも、前記注射針11cが前記キャップ11dに挿入される。なお、図29A及び図29Bに示すように、前記注射針着脱装置43には、前記キャップ11dが挿通される円形状の開口が形成された開口部431と、前記キャップ11dの尖端11gが押し当てられる円形状の凹部を有する押し当て部432と、前記キャップ11dを保持可能な一対の保持部433とが設けられている。ここに、前記注射針着脱装置43がキャップ保持部の一例である。
まず、図30Aに示すように、前記注射針11cの中心P21と前記キャップ11dの中心P22とが一致する状態で、前記注射針11cが前記キャップ11dに挿入される場合について検討する。なお、一般に、前記キャップ11dの内側面と前記注射針11cの外径との隙間は小さい。そのため、前記キャップ11dの内側面に前記注射針11cの尖端11gが近いほど、前記注射針11cの尖端11gが前記キャップ11dの内側面に接触しやすい。
これに対し、前記混注装置1では、前記第2ロボットアーム22で保持されている前記注射器における前記注射針11cの針先部11eの向きが検出可能である。そこで、前記混注装置1では、前記第2制御部500が、図30Bに示すように、前記注射針着脱装置43で保持された前記キャップ11dに前記注射針11cが挿入される際に、前記注射針11cの針先部11eの向きである前記第1方向に基づいて、前記注射針11cの中心P21よりも前記注射針11cの尖端11gが前記キャップ11dの中心P22側に位置するように前記注射針11cと前記キャップ11dとの相対的な姿勢及び位置などを制御する。即ち、前記第2制御部500は、前記注射針11cの中心P21と前記キャップ11dの中心P22との距離よりも、前記注射針11cの尖端11gと前記キャップ11dの中心P22との距離が短くなるように、前記第2ロボットアーム22を用いて前記注射針11cの姿勢及び位置などを制御する。例えば、前記注射針11cの尖端11gが前記キャップ11dの中心P22と一致するように、前記第2ロボットアーム22を用いて前記注射針11cの姿勢及び位置などが制御される。具体的に、前記第2制御部500は、前記注射針11cの中心P21を、前記キャップ11dの中心P22に対して、前記注射針11cの針先部11eに対向する方向に予め定められた所定量だけ移動させることが考えられる。また、前記制御部500は、前記注射針11cを前記注射針11の中心P21を軸に回転させることによって、前記注射針11cの中心P21よりも前記注射針11の尖端11gが前記キャップ11dの中心P22側に近づくように制御することも考えられる。
これにより、前記注射針11cが前記キャップ11dに挿入される際に、前記注射針11cの尖端11gが前記キャップ11dの内側面に接触しにくくなる。そのため、例えば前記注射針11cを前記キャップ11dに挿入する際の速度を従来に比べて速めることも可能である。
ところで、図30Cに示すように、前記注射針11cの尖端11gの角度をθ1、前記注射針11cの中心P21と前記キャップ11dの内側面との成す角度をθ2としたとき、角度θ2>角度θ1の関係が成立する場合には、前記注射針11cの尖端11gが前記キャップ11dの内側面に突き当たりやすくなる。そのため、前記第2制御部500は、角度θ2≦角度θ1の関係が成立するように、前記注射針11cの針先部11eの向きである前記第1方向に基づいて、前記第2ロボットアーム22を用いて前記キャップ11dに対する前記注射針11cの姿勢及び位置などを制御することが考えられる。これにより、前記注射針11cが前記キャップ11d内に挿入される際に、前記注射針11cの尖端11gが前記キャップ11dの内側面に突き当たることが防止される。
具体的に、前記第2制御部500は、前記注射針11cの尖端11gの角度θ1を、前記ROM502に記憶されている前記注射針マスターから取得することが考えられる。また、前記第2制御部500が、前記針曲り検知部36を用いて前記注射針11cの尖端11gの角度θ1を検出可能な構成も考えられる。例えば、前記第2制御部500は、前記注射針11cを前記長穴36aから引き抜く際に、複数の時点で前記注射針11cの針先部11eの投影像の幅を検出し、その幅の変化量(傾き)に基づいて前記注射針11cの尖端11gの角度θ1を検出することが可能である。また、後述するように、検出範囲が前記注射針11cの外径以上であるCCDのような光センサを備える構成では、前記第2制御部500は、前記注射針11cを前記長穴36aから引き抜きながら前記光センサを用いて前記注射針11cの幅の変化を監視し、前記注射針11cの移動量と前記注射針11cの投影像の幅の変化量との関係に基づいて前記注射針11cの尖端11gの角度θ1を検出することも可能である。また、前記注射針着脱装置43を用いて前記キャップ11dを傾けることが可能な構成であれば、前記第2制御部500は、前記注射針11cの針先部11eの向きである前記第1方向に基づいて、前記注射針着脱装置43を用いて前記キャップ11dに対する前記注射針11cの傾きを制御することも考えられる。
なお、前記注射針11cが前記キャップ11dに挿入される前に前記傾き補正処理が実行されるとき、既に前記注射針11cの針先部11eの向きが特定されている場合には、前記第2制御部500が、前記傾き補正処理において、角度θ2≦角度θ1の関係が成立するように、前記注射針11cの傾きを補正することが考えられる。例えば、前記注射針11cの針先部11eの向きは、前記向き検出処理で説明した手法の他、前記注射器確認カメラ42の撮影画像を用いて画像処理等で検出されることが考えられる。また、前記第2制御部500は、前記注射器11の前記シリンジ11a及び前記注射針11cが常に一定の向きで装着される構成である場合には、その向きを前記注射針11cの向きとして特定することが可能である。
[穿刺処理]
前記混注処理では、前記注射器11で前記バイアル瓶10Bに輸液を注入する場合又は前記バイアル瓶10Bから薬液を吸引する場合に、前記注射器11の注射針11cが前記バイアル瓶10Bのゴム栓10Cに穿刺される。以下では、図31A〜図31C、図32A、図32B、図33A、図33B、図34A、図34B、図35A、図35B、図39A、及び図39Bを参照しつつ、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに穿刺される際に前記第2制御部500によって実行される穿刺処理の一例として第1穿刺処理〜第4穿刺処理について説明する。前記第1穿刺処理〜前記第4穿刺処理では、前記第2制御部500によって前記注射針11cと前記ゴム栓10Cとの相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方が制御される。具体的に、本実施形態では、前記第2ロボットアーム22を制御することにより、前記注射針11cと前記ゴム栓10Cとの相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方が制御される場合について説明する。例えば、前記制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して前記注射器11を前記注射針11cの中心P21を軸に回転させ、前記注射針11cを前記注射針11cの中心P21を軸に回転させることによって前記注射針11cの向きを変更することが可能である。一方、前記第2ロボットアーム22に代えて、又は前記第2ロボットアーム22と共に、前記第1ロボットアーム21を制御し、前記注射針11cと前記ゴム栓10Cとの相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方が制御されることも考えられる。なお、前記注射針11cが前記輸液バッグ12の混注口に穿刺される場合にも同様の前記穿刺処理が実行されることが考えられる。
[第1穿刺処理]
まず、図31Aに示すように、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに穿刺される際の進行方向R41と前記注射針11cの中心P21とが平行であっても、前記注射針11cの中心P21と前記ゴム栓10Cとが垂直に交わる場合には、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに穿刺される際に前記注射針11cに作用する力が不均等となる。そのため、前記ゴム栓10Cに穿刺された後に、前記注射針11cの進行方向が変化することになる。具体的には、図31Aに示すように、前記注射針11cが、前記進行方向R41に対して前記注射針11cの尖端11gの角度θ1の1/2の角度θ11だけ前記注射針11cの尖端11g側に傾いた方向R42に進行することになる。
これに対し、前記混注装置1では、図31Bに示すように、前記第2制御部500が、前記第2ロボットアーム22を制御することにより、前記注射針11cの尖端11gの角度θ1の二等分線と前記ゴム栓10Cとが垂直に交差するように前記注射針11cを傾斜させた状態で前記ゴム栓10Cに穿刺させる第1穿刺処理を実行することが考えられる。これにより、前記注射針11cは、前記ゴム栓10Cに穿刺される際の進行方向R41に沿って前記ゴム栓10Cに挿通されることになる。従って、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに穿刺される際における前記注射針11cの進行方向のずれが防止されるため、例えば前記注射針11cの尖端11gが前記バイアル瓶10B内で前記ゴム栓10Cの内側面に突き当たることが防止される。
但し、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに穿刺され、前記注射針11cの針先部11eが前記ゴム栓10Cを通過した後も前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに対して傾いた状態であれば、前記注射針11cを前記ゴム栓10Cに更に挿通するための抵抗が大きくなるおそれがある。そこで、前記第2制御部500は、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに予め設定された挿通量だけ挿通された場合に、図31Cに示すように、前記注射針11cと前記ゴム栓10Cとが垂直に交差するように前記注射針11cの傾きを補正することが考えられる。なお、前記挿通量は、例えば前記針先部11eが前記ゴム栓10Cを通過するまでの距離であり、前記注射針マスターにおいて前記注射針11cの種類毎に予め登録されている。これにより、前記注射針11cを穿刺する際には前記注射針11cを前記ゴム栓10Cに対して垂直な前記進行方向R41に沿って挿通することができると共に、その後における前記注射針11cの前記ゴム栓10Cへの挿通抵抗を小さくすることができる。また、前記第2ロボットアーム22が前記注射針11cを前記ゴム栓10Cに挿通しているときの抵抗を検出可能である場合、前記第2制御部500は、その抵抗値が所定の閾値を超えた場合に、前記注射針11cの傾きを補正することも考えられる。
なお、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに穿刺される前に前記傾き補正処理が実行されるとき、既に前記注射針11cの針先部11eの向きが先に特定されている場合には、前記第2制御部500が、前記傾き補正処理において、前記注射針11cの尖端11gの角度θ1の二等分線と前記ゴム栓10Cとが垂直に交差するように、前記注射針11cの傾きを補正することが考えられる。
[第2穿刺処理]
次に、図32Aに示すように、前記注射針11cの中心P21と前記ゴム栓10Cの中心P31とが一致する状態で、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに穿刺される場合には、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cの中心P31側から離間する方向に向けて進行することになる。そのため、前記注射針11cの尖端11gが前記ゴム栓10Cの内側面に接触しやすい。
これに対し、前記混注装置1では、前記第2ロボットアーム22で保持されている前記注射器における前記注射針11cの針先部11eの向きが検出可能である。そこで、前記混注装置1では、前記第2制御部500が、図32Bに示すように、前記注射針11cが前記バイアル瓶10Bのゴム栓10Cに穿刺される際に、前記向き検出処理で検出された前記注射針11cの針先部11eの向きである前記第1方向に基づいて、前記注射針11cの中心P21よりも前記注射針11cの尖端11gが前記バイアル瓶10Bのゴム栓10Cの中心側に位置するように前記注射針11cの姿勢及び位置などを制御する。具体的に、前記第2制御部500は、前記注射針11cの中心P21と前記ゴム栓11Cの中心P31との距離よりも、前記注射針11cの尖端11gと前記ゴム栓11Cの中心P31との距離が短くなるように、前記第2ロボットアーム22を用いて前記注射針11cの姿勢及び位置などを制御する。例えば、前記注射針11cの尖端11gが前記ゴム栓10Cの中心P31と一致するように、前記第1ロボットアーム21又は前記第2ロボットアーム22を用いて、前記バイアル瓶10Bと前記注射針11cとの位置関係が制御される。この場合、前記第2制御部500は、前記注射針11cの中心軸P21を前記ゴム栓10Cの中心軸P31に向けて、前記注射針11cの長手方向に垂直な方向に予め定められた所定量だけ平行移動させることが考えられる。また、前記制御部500は、前記注射針11cを前記注射針11の中心P21を軸に回転させることによって、前記注射針11cの中心P21よりも前記注射針11の尖端11gが前記ゴム栓10Cの中心軸P31側に近づくように制御することも考えられる。これにより、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに穿刺される場合に、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cの中心P31側に向けて進行することになる。そのため、前記注射針11cの尖端11gが前記ゴム栓10Cの内側面に接触しにくくなる。
[第3穿刺処理]
前記混注装置1では、例えば前記注射器11から前記バイアル瓶10Bに輸液を注入する場合、及び前記注射器11で前記バイアル瓶10Bから薬液を吸引する場合など、前記注射器11の注射針11cが前記バイアル瓶10Bのゴム栓10Cにおける複数の穿刺位置に挿通されることがある。ここに、図33A及び図33Bでは、2箇所の挿通位置H1及び挿通位置H2に前記注射針11cが挿通された状態、図34A及び図34Bでは、2箇所の挿通位置H3及び挿通位置H4に前記注射針11cが挿通された状態が示されている。なお、図33A及び図34Aは、前記バイアル瓶10Bのゴム栓10Cの平面図であって、前記挿通位置H1〜H4の三日月形状は、凸部側が前記注射針11cの尖端11g側である旨を示している。また、図33Bは図33AにおけるB1−B1矢視断面図、図34Bは図34AにおけるB2−B2矢視断面図である。
ところで、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cにおける複数の穿刺位置に穿刺される方法としては、例えば前記ゴム栓10Cにおける同一円上の異なる位置が複数の挿通位置として設定されること、又は前記ゴム栓10Cの半径方向の異なる位置が複数の挿通位置として設定されること等が考えられる。このとき、前記第2制御部500は、前記薬品読取部34を用いて、前記バイアル瓶10Bのバーコードから薬品情報が読み取られるまで前記バイアル瓶10Bを回転させ、薬品情報が読み取られた時点又はその時点から所定時間経過後に前記薬品読取部34の前記ローラー34aの駆動モーターを停止させて前記バイアル瓶10Bの回転を停止させることが考えられる。これにより、前記バイアル瓶10Bが、前記バーコードが読み取られる予め定められた姿勢で停止することになるため、前記第2制御部500は、前記バイアル瓶10Bの向きを特定することが可能となる。また、前記第2制御部500は、前記薬品読取部34を用いて前記バイアル瓶10Bのゴム栓10Cと前記注射針11cとの相対的な姿勢及び位置を調整することも可能である。
このように前記バイアル瓶10Bのゴム栓10Cにおける複数の穿刺位置に前記注射針11cが挿通される場合に、図33Aに示す前記挿通位置H1及びH2のように、前記注射針11cの尖端11gが前記ゴム栓10Cの中心P31側に近い状態になることが考えられる。即ち、図33Aに示す例では、前記挿通位置H1及びH2における前記直線の向きが互いに近づく方向D11及びD21となる。この場合、図33Bに示すように、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cの中心P31側に向けて進行することになり、複数の穿刺位置に穿刺された前記注射針11cによって形成される貫通孔が連通して薬液が漏れやすくなるおそれがある。
そこで、前記混注装置1では、同一の前記バイアル瓶10Bのゴム栓10Cにおける複数の穿刺位置に前記注射針11cが穿刺される場合、前記第2制御部500が、図34Aに示す前記挿通位置H3及びH4のように、前記注射針11cの中心P21から前記注射針11cの尖端11gを通過して前記第1方向に延びる直線が交差しないように前記第2ロボットアーム22を制御する。これにより、前記ゴム栓10Cにおける複数の穿刺位置のそれぞれに穿刺される際の前記注射針11cの進行方向が互いに離間する方向となる。なお、本実施形態において、前記直線が交差する場合には、前記直線が交わることの他に、図33Aに示すように前記直線が重なる場合も含まれるものとする。
特に、前記注射針11cの前記ゴム栓10Cへの挿通位置が2箇所である場合には、その穿刺位置各々に穿刺されるときの前記注射針11cの中心P21から前記注射針11cの尖端11gに向かう方向が相反することが望ましい。即ち、図34Aに示す例では、前記挿通位置H3及びH4において前記第1方向に延びる前記直線の向きが相反する方向D31及びD41となることが望ましい。これにより、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに穿刺される場合には、図34Bに示されているように、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cの外側に向けて進行することになる。そのため、前記注射針11cが同一の前記バイアル瓶10Bのゴム栓に繰り返し穿刺される場合に、その貫通孔が連通することが防止される。
なお、ここでは前記注射針11cの前記ゴム栓10Cへの挿通位置が2箇所である場合を例に挙げて説明したが、挿通位置が3箇所以上である場合も同様である。例えば、図35A及び図35Bは、前記注射針11cの前記ゴム栓10Cへの挿通位置が4箇所である場合の例を示している。具体的に、前記第2制御部500は、図35Aに示す前記注射針11cの挿通位置H5〜H8のように、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに穿刺されるときに、前記穿刺位置H5〜H8各々に穿刺されるときの前記注射針11cの中心から前記注射針11cの尖端11gを通過して延びる直線が交差しないように、前記注射針11cの尖端11gが前記ゴム栓10Cの上面において前記中心P31から放射状に離れる方向に向けられることが考えられる。即ち、4箇所の前記穿刺位置H5〜H8における前記注射針11cの中心から前記注射針11cの尖端11gに向かう直線の方向D51、D61、D71、及びD81がそれぞれ90度ずつ異なっている。これにより、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに穿刺される場合に、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cの中心から遠ざかる方向に進行することになり、前記注射針11cの貫通孔が連通することが防止される。また、図35Bに示す前記注射針11cの挿通位置H5〜H8において、前記穿刺位置H5〜H8各々に穿刺されるときの前記注射針11cの向きである前記第1方向が同一であること、即ち前記注射針11cの中心から前記注射針11の尖端11gに向かう方向A81が一致することも考えられる。この場合にも、前記注射針11cが前記ゴム栓10Cに穿刺される場合には、前記注射針11cが同方向に進行することになり、前記注射針11cの貫通孔が連通することが防止される。
[第4穿刺処理]
また、図39A及び図39Bは、前記バイアル瓶10Bに挿入された前記ゴム栓10Cに前記注射針11cが2回穿刺される場合の穿刺方法の他の例を説明するための図である。図39Aに示されるように、前記ゴム栓10Cは、前記バイアル瓶10Bの口部に挿入される円筒状の挿入部10C−1と、前記バイアル瓶10Bの口部の縁部に少なくとも一部が接触する接触部10C−2とを含むゴムなどの弾性部材である。また、前記接触部10C−2には、前記注射針11cの穿刺が容易な薄層部10C−3が形成されている。前記薄層部10C−3は、前記挿入部10C−1及び前記接触部10C−2の前記注射針11cの穿刺方向における厚みの合計よりも薄い領域である。より具体的に、前記薄層部10C−3は、前記接触部10C−2における前記挿入部10C−1の円筒内部に対応する領域であって、前記注射針11cの穿刺を容易に行うことが可能な厚みを有する。通常、前記注射器11の注射針11cを前記バイアル瓶10Bのゴム栓10Cに穿刺する場合には、前記薄層部10C−3に前記注射針11cが穿刺される。
ところで、前述したように、前記混注処理には、前記注射器11を用いて前記バイアル瓶10Bに輸液などの液体を注入する注入工程と、前記注射器11を用いて前記バイアル瓶10Bから薬液などの液体を吸引する吸引工程が含まれることがある。この場合には、一つの前記バイアル瓶10Bに前記注射器11の注射針11cが複数回穿刺されることになる。しかしながら、例えばメソトレキセート5mgのような抗がん剤の前記バイアル瓶10Bでは、前記薄層部10C−3の面積が小さい。そのため、前記注射針11cを前記ゴム栓10Cのコアリングを防止しつつ2回以上穿刺することが困難な場合がある。
これに対し、前記第2制御部500が、前記注入工程及び前記吸引工程において、前記注射器11の注射針11cを前記挿入部10C−1に貫通させて前記バイアル瓶10B内に挿入する第1穿刺方法と、前記注射器11の注射針11cを前記薄層部10C−3に貫通させて前記バイアル瓶10B内に挿入する第2穿刺方法とを選択可能であることが考えられる。これにより、前記注射器11の注射針11cを前記ゴム栓10Cのコアリングを防止しつつ2回以上穿刺することが可能である。具体的に、前記混注制御プログラムでは、前記注入工程及び前記吸引工程において、前記第1穿刺方法及び前記第2穿刺方法のいずれを実行するかが予め設定されている。そして、前記第2制御部500は、前記混注制御プログラムに従って前記第1穿刺方法及び前記第2穿刺方法を選択的に実行する。
なお、前記バイアル瓶10Bの種別ごとに前記バイアル瓶10Bにおける前記ゴム栓10Cの前記挿入部10C−1の領域の位置情報、及び前記バイアル瓶10Bにおける前記ゴム栓10Cの前記薄層部10C−3の領域の位置情報は、例えば前記データ記憶部504に予め記憶されている。そして、前記第2制御部500は、前記位置情報各々に基づいて、前記注射針11cと前記ゴム栓10Cとの相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御することにより、前記第1穿刺方法又は前記第2穿刺方法によって前記注射針11cを前記ゴム栓10Cに穿刺する。
より具体的に、前記第2制御部500は、前記バイアル瓶10Bに前記輸液などの液体を注入する前記注入工程において、前記注射針11cを前記ゴム栓10Cに1回目に穿刺する際には前記第1穿刺方法を選択する。即ち、前記注入工程では、図39Aに示されるように、前記注射針11cが、前記第2穿刺方法で前記注射針11cが穿刺される前記薄層部10C−3よりも外側の領域から前記挿入部10C−1に穿刺される。このとき、前記第1穿刺方法では、前記第2制御部500が、前記注射針11cの尖端11eを、前記接触部10C−2における前記薄層部10C−3の外側の領域に挿入した後、前記挿入部10C−1における前記注射針11cの挿入方向の端面10C−1Aまで貫通させることが考えられる。なお、前記注射針11cが前記薄層部10C−3を通過しなければ、前記第2制御部500が、前記注射針11cの尖端11eを、前記接触部10C−2における前記薄層部10C−3の外側の領域に挿入した後、前記挿入部10C−1における円筒内周面10C−1Bを貫通させることも考えられる。
一方、前記第2制御部500は、前記注入工程の後、前記バイアル瓶10Bから前記輸液で溶解された薬液などの液体を吸引する前記吸引工程において、前記注射針11cを前記ゴム栓10Cに2回目に穿刺する際には前記第2穿刺方法を選択する。即ち、前記吸引工程では、図39Bに示されるように、前記注射針11cが、前記第1穿刺方法で前記注射針11cが穿刺される前記挿入部10C−1よりも内側の前記薄層部10C−3に穿刺される。また、前記吸引工程では、前記バイアル瓶10Bが前記バイアル瓶10Bの口部が鉛直下方向に向けられた状態で前記注射器11による吸引が行われるため、前記挿入部10C−1の円筒部内に液体が貯まる。しかしながら、前記吸引工程では、前記第2穿刺方法が用いられるため、前記バイアル瓶10B内の薬液を残さず吸引することが可能である。
このように、前記混注装置1では、前記薄層部10C−3の面積が狭い場合であっても、前記薄層部10C−3と前記挿入部10C−1とにそれぞれ前記注射針11cを穿刺することにより、前記ゴム栓10Cのコアリングを防止しつつ前記注射針11cを前記ゴム栓10Cに少なくとも2回穿刺することが可能となる。
なお、前述したように前記注射針11cを前記薄層部10C−3に複数回穿刺する場合と当該第4穿刺処理とを組み合わせて、前記挿入部10C−1の一又は複数の箇所にも前記注射針11cを穿刺することも考えられる。同じく、前記注射針11cを前記薄層部10C−3に一回穿刺し、前記挿入部10C−1の複数の箇所に前記注射針11cを穿刺することも可能である。これにより、前記ゴム栓10Cのコアリングを防止しつつ3回以上の穿刺が可能となる。
[薬液吸引処理]
また、前記混注処理では、前記第2制御部500が、前記第2ロボットアーム22を制御し、前記注射器11の前記注射針11cを前記アンプル10A等の前記薬品容器10に挿入して薬液を吸引することがある。ここでは、図36A及び図36Bを参照しつつ、前記第2制御部500によって実行される薬液吸引処理の一例について説明する。
図36Aに示すように、前記注射針11cが前記薬品容器10に挿入される際、前記注射針11cの針先部11eが前記薬品容器10の内側面10Dの反対側に向けられている場合には、前記注射針11cを用いて前記薬品容器10内の薬液を残さず吸引することが困難である。
これに対し、前記混注装置1では、前記第2ロボットアーム22で保持されている前記注射器11における前記注射針11cの針先部11eの向きが検出可能である。そこで、前記第2制御部500は、図36Bに示すように、前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22の一方又は両方を制御して、前記注射針11cのカット面11fが前記薬品容器10の内側面10Dに向けられる状態を形成する。これにより、前記混注装置1では、前記注射針11cを用いて前記薬品容器10内の薬液をできるだけ残さずに吸引することが可能である。特に、前記第2制御部500は、前記注射針11cのカット面11fと前記薬品容器10の内側面10Dとが平行又は平行に近い状態になるように前記第1ロボットアーム21及び前記第2ロボットアーム22を制御することが望ましい。
なお、前記実施形態では、前記バイアル瓶10Bを用いた前記混注処理において、前記バイアル瓶10Bの開口部が下方に向けられ、前記注射針11cの尖端11gが上方に向けられた状態で薬液が吸引される場合を例に上げて説明した。一方、前記バイアル瓶10Bの開口部が上方に向けられ、前記注射針11cの尖端11gが下方に向けられた状態で薬液が吸引される場合には、前記注射針11cの針先部11eが前記バイアル瓶10Bの内側面10Dに向けられる状態で薬液の吸引が行われることが考えられる。即ち、前記薬液吸引処理における前記注射針11cの針先部11eの向きの制御は、前記薬品容器10がアンプル10Aである場合だけでなく、前記薬品容器10がバイアル瓶10Bである場合にも適用してもよい。
また、前記混注処理では、前記注射針11cの針先部11eの向きが検出される。そこで、前記第2制御部500が、前記混注処理において、前記第2ロボットアーム22等によって前記注射器11を移動させる際に、前記注射器11の注射針11cのカット面11fが鉛直上方向に向けられるように前記第2ロボットアーム22等などを制御することが考えられる。これにより、前記注射針11cのカット面11fから自重で薬液が垂れにくくなる。例えば、前記注射針11cの尖端11gを鉛直上方向に向けることで前記注射針11cからの薬液の漏れを防止することも考えられるが、前記第2ロボットアーム22等の可動範囲又は移動時の姿勢などによって前記注射針11cの尖端11gを鉛直上方向に向けられない場合に好適である。
[第2の実施形態]
ところで、前記第1の実施形態では、前記針曲り検知部36の前記第1光センサ361及び前記第2光センサ362を用いて前記注射針11cの針先部11eの投影データを取得して、前記針先部11eの向きを検出する手法について説明した。以下、本実施形態では、図37A〜図37C、及び図38A〜図38Cを参照しつつ、前記注射針11cの針先部11eの向きを検出する他の手法について説明する。なお、前記混注装置1についてここで説明しない点については前記第1の実施形態と同様である。
図37A〜図37Cに示すように、本実施形態に係る前記混注装置1には、前記第3光センサ363に代えて、前記注射針11cの外径よりも広い範囲の検出光L11を照射する発光部365a及びその検出光L11を受光する受光部365bを備えるラインセンサ365が設けられている。前記受光部365bには、前記発光部365aから入射する光を検出する複数の光電変換素(CCD等)が並列してライン状に配置されている。即ち、前記ラインセンサ365は、本発明で用いられる透過型光センサの一例であるが、前記検出光L11が照射される範囲の投影像をイメージデータとして取得可能な所謂イメージセンサである。これにより、前記ラインセンサ365では、前記発光部365a及び前記受光部365bの間に存在する前記注射針11cの投影像を投影データとして得ることが可能である。また、前記ラインセンサ365は、不図示の駆動機構によって前記注射針11cに対して相対的に回動可能に構成されている。なお、以下では、前記ラインセンサ365の検出光L11を含む平面であって前記挿入方向R11に垂直な平面を検出平面と称する。なお、前記注射針11cの長手方向と前記挿入方向R11とは同じ方向であるものとする。
より具体的に、前記第2制御部500は、前記向き検出処理(図22参照)に代えて下記の処理を実行する。
まず、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して前記注射針11cを移動させ、前記注射針11cの前記位置P11を前記ラインセンサ365の前記検出平面に位置させる。そして、前記第2制御部500は、図37A〜図37Cに示すように、前記駆動機構を用いて前記ラインセンサ365を、前記注射針11cを中心に回転させる回転動作を実行しつつ、前記ラインセンサ365により取得される投影データを前記RAM503に蓄積して記憶する。ここで、前記ラインセンサ365の回転動作は、例えば180度又は360度の回転後に停止される。これにより、前記注射針11cの針先部11eの前記第1検出位置P11に複数の方向から光を照射したときの前記針先部11eの投影データが取得される。
続いて、前記第2制御部500は、前記第2ロボットアーム22を制御して前記注射針11cを移動させ、前記注射針11cの前記位置P14を前記ラインセンサ365の前記検出平面に位置させる。そして、前記第2制御部500は、図38A〜図38Cに示すように、前記駆動機構を用いて前記ラインセンサ365を、前記注射針11cを中心に回転させる回転動作を実行しつつ、前記ラインセンサ365により取得される投影データを前記回転動作の回転角度と共に前記RAM503に蓄積して記憶する。ここに、係る処理を実行するときの前記第2制御部500が第2移動処理部の一例である。ここで、前記ラインセンサ365の回転動作は、例えば180度又は360度の回転後に停止される。これにより、前記注射針11cの針先部11eの前記位置P14に複数の方向から光を照射したときの前記針先部11eの投影データが取得される。なお、前記照射方向は、前記投影データと共に記憶される前記ラインセンサ365の前記回転動作の回転角度によって特定可能である。
その後、前記第2制御部500は、前記RAM503に蓄積された前記投影データ各々と前記投影データに対応する光各々の照射方向とに応じて、前記注射針11の半径方向のうち前記注射針11の中心から前記注射針11の尖端11gに向かう第1方向を、前記注射針11cの針先部11eの向きとして検出する。より具体的に、前記第2制御部500は、前記注射針11cの前記位置P14に対応する前記投影データにおいて、最も前記注射針11cの投影像の幅が狭くなるときの前記ラインセンサ365と前記注射針11cとの位置関係、即ち前記照射方向(回転角度)を特定する。また、前記第2制御部500は、前記注射針11cの前記位置P11に対応する前記投影データにおいて、先に特定された前記位置関係と同一の位置関係、即ち前記照射方向(回転角度)が同一であるときに得られた前記投影データを抽出する。
そして、前記第2制御部500は、同一の前記位置関係における前記投影データ各々を比較することにより、前記針先部11eの向きを特定する。具体的に、前記注射針11cの前記位置P14に対応する前記投影像が最も狭くなるときの前記位置関係において、前記検出平面上で前記ラインセンサ365の光軸に垂直な方向のいずれか一方が前記注射針11cの周方向における前記尖端11gの位置である。そこで、前記第2制御部500は、前記注射針11cの前記位置P11及び前記位置P14各々の前記投影像の比較結果から、前記位置P11の前記投影像において前記位置P14の前記投影像が存在する方向が、前記注射針11cの周方向における前記尖端11gの位置であると判断し、前記針先部11eの向きを特定することができる。特に、本実施形態によれば、前記ラインセンサ365で得られる前記注射針11cの針先部11eの投影データが高い分解能で得られるため、前記注射針11cの針先部11eの向きの検出精度を高めることができる。
なお、他の実施形態として、前記第2制御部500が、前記注射針11cを前記長穴36aから引き抜く際に前記ラインセンサ365で連続して又は断続的に前記注射針11cの投影データを取得することが考えられる。この場合、前記第2制御部500は、前記注射針11cを前記長穴36aから引き抜く際の前記投影データの変化に応じて前記注射針11cの針先部11eの向きを特定することが可能である。具体的に、前記注射針11cを前記長穴36aから引き抜く際には、前記ラインセンサ365で検出される前記注射針11cの投影像の幅が前記注射針11cの尖端11gの位置に向けて徐々に狭くなる。そのため、前記第2制御部500は、前記注射針11cの投影像の幅方向における中心位置の移動方向及びその変化量(又は傾き)などに応じて前記注射針11cの尖端11gの位置を特定することが可能である。また、前記第2制御部500は、前記注射針11cを前記長穴36aから引き抜く際における前記注射針11cの移動量と前記注射針11cの投影像の幅の変化量(縮小量)との関係に基づいて前記注射針11cの尖端11gの角度θ1を検出することも可能である。
ところで、前記投影データ取得処理では、前記注射針11cが前記長穴36aから引き抜かれる際に前記注射針11cの針先部11eの向きを検出する場合を例に挙げて説明した。一方、前記傾き補正処理における前記注射針11cの傾き補正前、又は前記傾き補正終了後に、前記注射針11cを一度前記長穴36aから引き抜いた後に、前記向き検出処理が実行されることも考えられる。この場合には、前記投影データ取得処理において、前記注射針11cを前記長穴36aに挿入する際に前記注射針11cの針先部11eの向きが検出されてもよい。また、前記注射針11cを前記長穴36aに挿入する際と前記注射針11cを前記長穴36aから引き抜く際との両方で前記注射針11cの針先部11eの向きが検出されることも考えられる。そして、これらの場合には、前記第2制御部500は、前記注射針11cを前記長穴36aに挿入する際に前記投影データが広くなる方向に応じて前記注射針11cの針先部11eの向きを特定することも可能である。また、前記第2制御部500は、前記注射針11cを前記長穴36aから挿入する際に前記投影データが広くなる傾きに基づいて前記注射針11cの尖端11gの角度θ1を検出することも可能である。
また、ここでは、前記ラインセンサ365を回転させる場合を例に挙げて説明したが、前記ラインセンサ365と前記注射針11cとの位置関係を相対的に変化させることができればよい。即ち、前記第2制御部500は、前記ステップS14及び前記ステップS19において、前記注射針11cの長手方向を軸に前記注射針11cを回転させることも考えられる。ここに、係る処理を実行するときの前記第2制御部500が第2移動処理部の一例である。
[第3の実施形態]
本実施形態では、前記混注処理の進捗状況及び終了時間などを予測する進捗状況管理機能について説明する。なお、前記混注装置1についてここで説明しない点については前記第1の実施形態又は前記第2の実施形態と同様である。
具体的に、前記進捗状況管理機能は、前記第1制御部400によって後述の予測処理が実行されることによって実現される。また、後述の予測処理は、前記第2制御部500によって実行されてもよい。さらに、後述の予測処理は、前記第1制御部400及び前記第2制御部500によって協働して実行されもよい。
ところで、前記第1制御部400は、前記調製データに含まれる前記調整手順などに基づいて前記混注処理の進捗状況及び終了時間を予測することが考えられる。例えば、前記第1制御部400は、前記調整手順に含まれる溶媒量及び抜取量に基づいて前記混注処理における各動作内容の所要時間を算出することが考えられる。即ち、前記溶媒量及び前記抜取量が多くなるほど長くなるように予め設定された演算式などに基づいて前記混注処理の所要時間を算出することが考えられる。
しかしながら、前記混注処理では、前記溶媒量及び前記抜取量が同じであっても、前記混注処理で用いられる前記注射器11のシリンジ11aのシリンジサイズが異なることがある。そして、前記注射器11のシリンジ11aのシリンジサイズ(容量)によっては、前記溶媒量及び前記抜取量が同じであっても、前記混注処理における各作業内容の所要時間が異なることがある。
例えば、前記シリンジ11aのシリンジサイズが異なる2種類の前記注射器11のうちシリンジサイズが小さい前記注射器11はシリンジサイズが大きい前記注射器11に比べて空気の収容可能量も多くなる。そのため、前記混注処理において液体と空気とを置換する置換処理が必要な場合には、シリンジサイズが小さい前記注射器11の方が前記置換処理の実行回数が多くなり、前記混注処理の所要時間が長くなることがある。また、シリンジサイズが小さい前記注射器11はシリンジサイズが大きい前記注射器11に比べて前記プランジャ11bの単位ストローク当りの液体の注入量及び吸引量が少なくなる。そのため、シリンジサイズが小さい前記注射器11の方が必要なストローク量が増えて前記混注処理の所要時間が長くなることがある。
そこで、前記第1制御部400は、前記注射器11のシリンジ11aのシリンジサイズを考慮して前記混注処理における各作業内容の所要時間を算出することが考えられる。より具体的に、前記第1制御部400のデータ記憶部404には、前記注射器11のシリンジ11aのシリンジサイズごとに、前記混注処理における作業内容ごとの所要時間が定められた所要時間テーブルD3が記憶されている。ここに、図40は、前記所要時間テーブルD3の一例を示す図である。
図40に示されるように、前記所要時間テーブルD3には、前記作業内容の種類と、前記注射器11のシリンジ11aのシリンジサイズと、前記作業内容の対象となる作業量(注入量又は吸引量)と、所要時間との対応関係が記憶されている。例えば、作業内容の種類が「バイアル注入」であり、作業内容に対応する作業量(注入量)が「4ml」であって、前記注射器11のシリンジサイズが「5ml」である場合は、所要時間が「48秒」である。同じく、作業内容の種類が「バイアル注入」であり、作業内容に対応する作業量(注入量)が「4ml」である場合であっても、前記注射器11のシリンジサイズが「10ml」である場合には、所要時間が「41秒」である。即ち、前記作業内容の種類及び前記作業量が同じであっても前記シリンジサイズが異なれば前記所要時間が異なることがある。
そして、前記第1制御部400は、前記所要時間テーブルD3と前記調製データとに基づいて前記調製データに対応する前記混注処理における各作業内容の所要時間及び前記混注処理の全体の所要時間などを算出する。これにより、前記混注処理で使用される前記注射器11のシリンジサイズが考慮され、前記混注処理の所要時間の予測精度を高めることが可能となる。なお、前記第1制御部400は、前記所要時間テーブルD3において対応する前記所要時間が定められていない作業量の所要時間については、例えば前記所要時間テーブルD3において同じ前記作業内容及び前記シリンジサイズに対応付けて定められている前記作業量及び前記所要時間に基づいて線形補間によって算出することが考えられる。
そして、前記第1制御部400は、前記混注処理における各作業内容の所要時間及び前記混注処理の全体の所要時間などに基づいて、前記混注処理の進捗状況及び終了時間などを前記タッチパネルモニタ14又は前記ディスプレイ203などに表示させることが可能である。例えば、前記第1制御部400は、前記進捗状況として、前記作業内容各々の残り予測時間、前記作業内容各々の終了予定時刻、前記混注処理の残り予測時間、及び前記混注処理の終了予定時刻のいずれか一つ又は複数の情報を表示させることが考えられる。
[発明の概要]
以下、上述の各実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下で説明する各構成及び各処理機能を取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
[付記1]
注射器で容器から薬品を吸引して他の容器に注入する混注処理を実行する混注装置であって、複数の方向から前記注射器の注射針の針先部に光を照射したときの前記針先部の投影像各々の幅を検出する幅検出部と、前記幅検出部によって検出される前記針先部の投影像各々の幅と前記投影像に対応する光各々の照射方向とに応じて、前記注射針の半径方向のうち前記注射針の中心から前記注射針の尖端に向かう第1方向を検出する向き検出部とを備える混注装置。
本発明によれば、前記第1方向を前記注射針の針先部の向きとして検出することが可能であり、例えば前記注射針の針先部の向きを考慮して前記混注処理を実行することが可能となる。
[付記2]
前記幅検出部が、前記注射針の針先部に前記注射針の長手方向に交差する複数の方向から照射したときの前記針先部の投影像各々の幅を検出する付記1に記載の混注装置。
[付記3]
前記注射針の針先部に照射する光の照射方向が異なる複数の透過型光センサと、前記注射針の針先部が前記光各々を横断する方向に前記注射針及び前記透過型光センサを相対的に移動させる第1移動処理部とを備え、前記幅検出部が、前記第1移動処理部により前記透過型光センサ及び前記注射針が相対的に移動される際の前記透過型光センサの検出結果に基づいて前記投影像の幅を検出する付記1又は2に記載の混注装置。
[付記4]
前記注射針の針先部に光を照射する一つの透過型光センサと、前記透過型光センサによる前記光の照射方向及び前記注射針における前記第1方向の関係を相対的に変化させる第2移動処理部とを備え、前記幅検出部が、前記第2移動処理部により前記透過型光センサによる前記光の照射方向及び前記注射針における前記第1方向の関係が相対的に変化した異なる状態における前記透過型光センサの検出結果に基づいて前記投影像の幅を検出する付記1又は2に記載の混注装置。
[付記5]
前記透過型光センサが、前記注射針の外径よりも広い範囲の光を前記注射針の針先部に照射し、前記第2移動処理部が、前記注射針の長手方向を軸に前記透過型光センサを回転させるものであって、前記幅検出部が、前記第2移動処理部により前記透過型光センサが回転される際の前記透過型光センサの検出結果に基づいて前記投影像の幅を検出する付記4に記載の混注装置。
[付記6]
前記透過型光センサが、前記注射針の外径よりも広い範囲の光を前記注射針の針先部に照射し、前記第2移動処理部が、前記注射針の長手方向を軸に前記注射針を回転させるものであって、前記幅検出部が、前記第2移動処理部により前記注射針が回転される際の前記透過型光センサの検出結果に基づいて前記投影像の幅を検出する付記4に記載の混注装置。
[付記7]
前記向き検出部で検出される前記第1方向に基づいて前記混注処理における前記注射針の姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する姿勢制御部を更に備える付記1〜6のいずれかに記載の混注装置。
[付記8]
前記姿勢制御部により制御される前記注射針の姿勢は、前記注射針における前記第1方向の向き及び前記注射針の傾きのいずれか一方又は両方である付記7に記載の混注装置。
[付記9]
前記注射針のキャップを保持するキャップ保持部を更に備え、前記姿勢制御部が、前記キャップ保持部で保持された前記キャップに前記注射針が挿入される際に、前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記注射針の中心よりも前記注射針の尖端が前記キャップの中心側に位置するように前記注射針と前記キャップとの相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する付記8に記載の混注装置。
[付記10]
前記姿勢制御部が、前記注射針が前記容器のゴム栓に穿刺される際に、前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記注射針の中心よりも前記注射針の尖端が前記容器のゴム栓の中心側に位置するように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する付記8又は9に記載の混注装置。
[付記11]
前記姿勢制御部が、前記注射針が前記容器のゴム栓における複数の穿刺位置に穿刺される際に、前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記穿刺位置各々に穿刺されるときの前記第1方向が交差しないように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する付記8〜10のいずれかに記載の混注装置。
[付記12]
前記姿勢制御部が、前記注射針が前記容器のゴム栓における2つの穿刺位置に穿刺される際に、前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記穿刺位置各々に穿刺されるときの前記第1方向が相反するように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する付記11に記載の混注装置。
[付記13]
前記姿勢制御部が、前記注射針が前記容器のゴム栓における複数の穿刺位置に穿刺される際に、前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記穿刺位置各々に穿刺されるときの前記第1方向が同一になるように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する付記8〜10のいずれかに記載の混注装置。
[付記14]
前記姿勢制御部が、前記注射針が前記容器のゴム栓に穿刺される際に、前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記注射針の尖端の二等分線と前記容器のゴム栓とが垂直となるように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する付記8又は9に記載の混注装置。
[付記15]
前記幅検出部を用いて、前記注射針の長手方向に垂直であって互いに平行な複数の仮想平面における注射針の位置情報を検出する位置検出処理部と、前記位置検出処理部によって検出された前記注射針の位置情報各々に基づいて前記注射針の前記仮想平面に対する傾きを検出する傾き検出部と、を備える付記8〜14のいずれかに記載の混注装置。
これにより、前記注射針の傾きを検出することが可能であり、例えば前記注射針の傾きを考慮して前記混注処理を実行することが可能となる。
[付記16]
前記姿勢制御部が、前記向き検出部で検出される前記第1方向と前記傾き検出部により検出される前記注射針の傾きとのいずれか一方又は両方に基づいて前記混注処理における前記注射針の姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する付記15に記載の混注装置。
[付記17]
前記姿勢制御部が、前記向き検出部により検出される前記第1方向及び前記傾き検出部により検出される前記注射針の傾きに応じて、前記注射針が前記容器のゴム栓に穿刺される際における前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する付記16に記載の混注装置。
[付記18]
前記姿勢制御部が、前記向き検出部により検出される前記第1方向及び前記傾き検出部により検出される前記注射針の傾きに応じて、前記注射針が前記容器のゴム栓に穿刺される際に前記注射針の尖端の二等分線と前記容器のゴム栓とが垂直となるように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する付記17に記載の混注装置。
これにより、前記注射針が前記ゴム栓に穿刺される際進行方向に沿って前記注射針を直進させることが可能となる。
[付記19]
前記姿勢制御部が、前記注射針が前記容器のゴム栓に予め定められた距離まで挿通された後の前記注射針の前記ゴム栓への挿通時には、前記注射針の長手方向と前記容器のゴム栓とが垂直となるように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する付記17に記載の混注装置。
これにより、前記注射針が前記ゴム栓に穿刺された後の前記注射針の挿通抵抗が抑制される。
[付記20]
前記注射針のキャップを保持するキャップ保持部を更に備え、前記姿勢制御部が、前記傾き検出部により検出される前記注射針の傾き及び前記向き検出部により検出される前記第1方向に応じて、前記キャップ保持部で保持された前記キャップに前記注射針が挿入される際に、前記注射針の尖端が前記キャップの中心側に位置するように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する付記15〜19のいずれかに記載の混注装置。
[付記21]
前記姿勢制御部が、前記向き検出部により検出される前記第1方向及び前記傾き検出部により検出される前記注射針の傾きに応じて、前記キャップ保持部で保持された前記キャップに前記注射針が挿入される際に、前記注射針の長手方向と前記キャップの内壁面とが成す角度が前記注射針の尖端の角度以下となるように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する付記20に記載の混注装置。
[付記22]
注射器で容器から薬品を吸引して他の容器に注入する混注処理を実行する混注装置であって、前記注射器の注射針の長手方向に垂直であって互いに平行な複数の仮想平面における前記注射器の注射針の位置情報を検出する位置検出処理部と、前記位置検出処理部によって検出された前記注射針の位置情報各々に基づいて前記注射針の前記仮想平面に対する傾きを検出する傾き検出部と、前記傾き検出部により検出される前記注射針の傾きに基づいて前記注射針の姿勢を制御する姿勢制御部と、を備える混注装置。
本発明によれば、前記注射針の傾きを検出することが可能であり、例えば前記注射針の傾きを考慮して前記混注処理を実行することが可能となる。
[付記23]
注射器で容器から薬品を吸引して他の容器に注入する混注処理を実行する混注装置であって、前記注射器の注射針のキャップを保持するキャップ保持部と、前記注射針の半径方向のうち前記注射針の中心から前記注射針の尖端に向かう第1方向を検出する向き検出部と、前記キャップ保持部で保持された前記キャップに前記注射針が挿入される際に、前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記注射針の中心よりも前記注射針の尖端が前記キャップの中心側に位置するように前記注射針と前記キャップとの相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する姿勢制御部と、を備える混注装置。
本発明によれば、例えば前記注射針の尖端が前記キャップの内側面に突き当たることが防止される。
[付記24]
注射器で容器から薬品を吸引して他の容器に注入する混注処理を実行する混注装置であって、前記注射針の半径方向のうち前記注射針の中心から前記注射針の尖端に向かう第1方向を検出する向き検出部と、前記注射針が前記容器のゴム栓に穿刺される際に、前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記注射針の中心よりも前記注射針の尖端が前記容器のゴム栓の中心側に位置するように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する姿勢制御部と、を備える混注装置。
本発明によれば、例えば前記注射針の尖端が前記容器のゴム栓の内側面に突き当たることが防止される。
[付記25]
注射器で容器から薬品を吸引して他の容器に注入する混注処理を実行する混注装置であって、前記注射針の半径方向のうち前記注射針の中心から前記注射針の尖端に向かう第1方向を検出する向き検出部と、前記注射針が前記容器のゴム栓における複数の穿刺位置に穿刺される際に、前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記穿刺位置各々に穿刺されるときの前記第1方向が交差しないように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する姿勢制御部と、を備える混注装置。
本発明によれば、例えば前記注射針の貫通孔の連通が防止される。
[付記26]
注射器で容器から薬品を吸引して他の容器に注入する混注処理を実行する混注装置であって、前記注射針の半径方向のうち前記注射針の中心から前記注射針の尖端に向かう第1方向を検出する向き検出部と、前記注射針が前記容器のゴム栓に穿刺される際に、前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記注射針の尖端の二等分線と前記容器のゴム栓とが垂直となるように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する姿勢制御部と、を備える混注装置。
本発明によれば、例えば前記注射針が前記ゴム栓に穿刺される際進行方向に沿って前記注射針を直進させることが可能となる。
[付記27]
注射器で容器から薬品を吸引して他の容器に注入する混注処理を実行する混注装置における針先部向き検出方法であって、複数の方向から前記注射器の注射針の針先部に光を照射したときの前記針先部の投影像各々の幅を検出する第1ステップと、前記第1ステップによって検出される前記針先部の投影像各々の幅と前記投影像に対応する光各々の照射方向とに応じて、前記注射針の半径方向のうち前記注射針の中心から前記注射針の尖端に向かう第1方向を検出する第2ステップとを備える針先部向き検出方法。
[付記28]
また、口部にゴム栓が挿入された容器に注射器を用いて液体を注入する注入工程及び前記注射器を用いて前記容器から液体を吸引する吸引工程を含む混注処理を実行する混注処理部と、前記混注処理部を制御する制御部とを備える混注装置であり、前記容器のゴム栓が、前記容器の口部に挿入される円筒状の挿入部と、前記容器の口部の縁部に少なくとも一部が接触する接触部とを含み、前記制御部が、前記注入工程及び前記吸引工程において、前記注射器の注射針を前記挿入部に貫通させて前記容器内に挿入する第1穿刺方法と、前記注射器の注射針を前記挿入部の円筒内部に対応する領域に貫通させて前記容器内に挿入する第2穿刺方法とを選択可能である混注装置。
これにより、前記容器のゴム栓のコアリングを防止しつつ前記注射針を前記ゴム栓に複数回穿刺することが可能である。
[付記29]
前記制御部が、前記注入工程では前記第1穿刺方法により注射器の注射針を前記容器内に穿刺し、前記吸引工程では前記第2穿刺方法により前記注射器の注射針を前記容器内に穿刺する付記28に記載の混注装置。
これにより、前記吸引工程において、前記容器内の液体を残さず吸引することが可能である。

Claims (20)

  1. 注射器で容器から薬品を吸引して他の容器に注入する混注処理を実行する混注装置であって、
    複数の方向から前記注射器の注射針の針先部に光を照射したときの前記針先部の投影像各々の幅を検出する幅検出部と、
    前記幅検出部によって検出される前記針先部の投影像各々の幅と前記投影像に対応する光各々の照射方向とに応じて、前記注射針の半径方向のうち前記注射針の中心から前記注射針の尖端に向かう第1方向を検出する向き検出部と、
    を備える混注装置。
  2. 前記幅検出部が、前記注射針の針先部に前記注射針の長手方向に交差する複数の方向から照射したときの前記針先部の投影像各々の幅を検出する請求項1に記載の混注装置。
  3. 前記注射針の針先部に照射する光の照射方向が異なる複数の透過型光センサと、前記注射針の針先部が前記光各々を横断する方向に前記注射針及び前記透過型光センサを相対的に移動させる第1移動処理部とを備え、
    前記幅検出部が、前記第1移動処理部により前記透過型光センサ及び前記注射針が相対的に移動される際の前記透過型光センサの検出結果に基づいて前記投影像の幅を検出する請求項1又は2に記載の混注装置。
  4. 前記注射針の針先部に光を照射する一つの透過型光センサと、前記透過型光センサによる前記光の照射方向及び前記注射針における前記第1方向の関係を相対的に変化させる第2移動処理部とを備え、
    前記幅検出部が、前記第2移動処理部により前記透過型光センサによる前記光の照射方向及び前記注射針における前記第1方向の関係が相対的に変化した異なる状態における前記透過型光センサの検出結果に基づいて前記投影像の幅を検出する請求項1又は2に記載の混注装置。
  5. 前記透過型光センサが、前記注射針の外径よりも広い範囲の光を前記注射針の針先部に照射し、
    前記第2移動処理部が、前記注射針の長手方向を軸に前記透過型光センサを回転させるものであって、
    前記幅検出部が、前記第2移動処理部により前記透過型光センサが回転される際の前記透過型光センサの検出結果に基づいて前記投影像の幅を検出する請求項4に記載の混注装置。
  6. 前記透過型光センサが、前記注射針の外径よりも広い範囲の光を前記注射針の針先部に照射し、
    前記第2移動処理部が、前記注射針の長手方向を軸に前記注射針を回転させるものであって、
    前記幅検出部が、前記第2移動処理部により前記注射針が回転される際の前記透過型光センサの検出結果に基づいて前記投影像の幅を検出する請求項4に記載の混注装置。
  7. 少なくとも前記向き検出部で検出される前記第1方向に基づいて前記混注処理における前記注射針の姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する姿勢制御部を更に備える請求項1〜6のいずれかに記載の混注装置。
  8. 前記姿勢制御部により制御される前記注射針の姿勢は、前記注射針における前記第1方向の向き及び前記注射針の傾きのいずれか一方又は両方である請求項7に記載の混注装置。
  9. 前記注射針のキャップを保持するキャップ保持部を更に備え、
    前記姿勢制御部が、前記キャップ保持部で保持された前記キャップに前記注射針が挿入される際に、少なくとも前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記注射針の中心よりも前記注射針の尖端が前記キャップの中心側に位置するように前記注射針と前記キャップとの相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する請求項8に記載の混注装置。
  10. 前記姿勢制御部が、前記注射針が前記容器のゴム栓に穿刺される際に、少なくとも前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記注射針の中心よりも前記注射針の尖端が前記容器のゴム栓の中心側に位置するように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する請求項8又は9に記載の混注装置。
  11. 前記姿勢制御部が、前記注射針が前記容器のゴム栓における複数の穿刺位置に穿刺される際に、少なくとも前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記穿刺位置各々に穿刺されるときの前記第1方向が交差しないように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する請求項8〜10のいずれかに記載の混注装置。
  12. 前記姿勢制御部が、前記注射針が前記容器のゴム栓における2つの穿刺位置に穿刺される際に、少なくとも前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記穿刺位置各々に穿刺されるときの前記第1方向が相反するように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する請求項11に記載の混注装置。
  13. 前記姿勢制御部が、前記注射針が前記容器のゴム栓における複数の穿刺位置に穿刺される際に、少なくとも前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記穿刺位置各々に穿刺されるときの前記第1方向が同一になるように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する請求項8〜10のいずれかに記載の混注装置。
  14. 前記姿勢制御部が、前記注射針が前記容器のゴム栓に穿刺される際に、少なくとも前記向き検出部で検出された前記第1方向に基づいて、前記注射針の尖端の二等分線と前記容器のゴム栓とが垂直となるように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する請求項8又は9に記載の混注装置。
  15. 前記幅検出部を用いて、前記注射針の長手方向に垂直であって互いに平行な複数の仮想平面における注射針の位置情報を検出する位置検出処理部と、
    前記位置検出処理部によって検出された前記注射針の位置情報各々に基づいて前記注射針の前記仮想平面に対する傾きを検出する傾き検出部と、
    を備える請求項8〜14のいずれかに記載の混注装置。
  16. 前記姿勢制御部が、前記向き検出部で検出される前記第1方向と前記傾き検出部により検出される前記注射針の傾きとに基づいて前記混注処理における前記注射針の姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する請求項15に記載の混注装置。
  17. 前記姿勢制御部が、前記向き検出部により検出される前記第1方向及び前記傾き検出部により検出される前記注射針の傾きに応じて、前記注射針が前記容器のゴム栓に穿刺される際における前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する請求項16に記載の混注装置。
  18. 前記姿勢制御部が、前記向き検出部により検出される前記第1方向及び前記傾き検出部により検出される前記注射針の傾きに応じて、前記注射針が前記容器のゴム栓に穿刺される際に前記注射針の尖端の二等分線と前記容器のゴム栓とが垂直となるように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する請求項17に記載の混注装置。
  19. 前記姿勢制御部が、前記注射針が前記容器のゴム栓に予め定められた距離まで挿通された後の前記注射針の前記ゴム栓への挿通時には、前記注射針の長手方向と前記容器のゴム栓とが垂直となるように前記注射針と前記容器との相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する請求項17に記載の混注装置。
  20. 前記注射針のキャップを保持するキャップ保持部を備え、
    前記姿勢制御部が、前記傾き検出部により検出される前記注射針の傾き及び前記向き検出部により検出される前記第1方向に応じて、前記キャップ保持部で保持された前記キャップに前記注射針が挿入される際に、前記注射針の尖端が前記キャップの中心側に位置するように前記注射針と前記キャップとの相対的な姿勢及び位置のいずれか一方又は両方を制御する請求項15〜19のいずれかに記載の混注装置。
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