JP5867516B2 - 高性能熱伝導性フィルムおよびその方法 - Google Patents

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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Description

本開示は、ポリマー複合体に関し、高熱伝導性材料、特に、エレクトロニクス素子用の高熱伝導性材料として使用できるポリマー複合体に関する。
コンピューター演算処理装置や発光ダイオードなどの高性能エレクトロニクス素子は、熱を発生し、当該素子の機能性を維持するためには、その熱を高速で除去する必要がある。高性能エレクトロニクス素子から熱を除去する方法の一つは、放熱体とエレクトロニクス素子の熱移動面との間に高熱伝導性材料を取りつけることによる方法である。典型的には、熱移動面間のこれらの空隙は、空気で満たされ、これはまさに不良熱伝導体である。熱伝導性材料は、熱伝導性材料を利用して空気よりさらに伝導性のよい材料で熱移動面間の空隙を満たすことによって、マイクロエレクトロニクス素子から発生する熱の移動効率を上げる。今日、放熱グリース、中でも、銀充填エポキシが熱伝導性材料の市場を支配している。しかしながら、銀充填エポキシは、銀粒子間の相互作用不良、および放熱体とエレクトロニクス素子の熱移動面と、銀粒子との間の相互作用不良により、熱移動速度が低い。例えば、Xu,J等「熱伝導性材料としての銀ナノワイヤー配列ポリマー複合体」、J.Appl.Phys.、106、124310(2009)を参照のこと。
これまで、配列方向に沿って熱伝導性粒子の熱移動効率を上げるために、フィルムや複合体中で垂直に配向した熱伝導粒子を含有する熱伝導性材料を製造する努力が行われてきた。しかしながら、これらの方法は、熱伝導性粒子を配向させるために高価なテンプレートおよび/または気相成長または化学気相成長を必要とし、熱伝導性材料に関してこれらの用途向けの費用対効果を悪くしている。例えば、Sun,L等「充填剤としての配向磁性ナノワイヤーを有するポリマー複合体」、ナノマテリアルズ(発表中)、およびZhanag,K.等、「配列CNTを有する高熱伝導性材料およびHB−LEDパッケージングにおけるその応用」、2006年、電子部品技術会議を参照のこと。
これまで試みられてきた他の方法(田熊等、公開特許公報昭62−194653号、飛田等、公開特許公報2000−191987号)にも欠点がいくつかある。かかる一つの欠点は、配列熱伝導体には上面から底面まで連続性がなく、実質的にポリマーマトリクス中に埋没している、言い換えれば、上面と底面から突きだしていないことである。これにより、それでもなお熱移動面への良好な接続に欠ける最終材料になっている。
複合体内の熱伝導性粒子間の相互作用不良を最小限にできる熱伝導性材料の必要性がある。熱伝導性粒子と熱素子自身、例えば、エレクトロニクス素子および/または放熱体間の相互作用不良を最小限にできる熱伝導性材料の必要性もある。さらに、費用対効果の良い製造法によって熱伝導性材料中に熱伝導性粒子を配列させる必要性もある。
本開示は、上記の必要性の少なくとも一つを解決する手段を提供する。
以下の実施態様は幅広い概念ではない。以下の記載は、様々な実施態様の重要な要素を特定する意図も、その範囲を限定する意図もない。
一つの実施態様は、ナノワイヤーを含有するポリマー体からなり、ナノワイヤー(またはワイヤー状の針状材料)が一つの方向に配列し、ポリマー体から伸びる少なくとも一端を有し、ナノワイヤーが、ナノワイヤーの全体にわたって、正味の磁気モーメントを有する、ポリマー複合体を含む。一つの実施態様において、ナノワイヤーの少なくとも90%はその方向のプラスマイナス10°以内に配列し、ナノワイヤーの少なくとも90%は、ポリマー体から伸びる少なくとも一端を有する。一つの実施態様において、ポリマー体は、エポキシポリマー、アクリレートポリマー、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリエステルまたはその混合物からなり;ナノワイヤーは、コバルト、ニッケル、鉄、ガドリニウム、ネオジムまたはその合金もしくはその複合体からなる。一つの実施態様において、ナノワイヤーの少なくとも90%は、約10μm〜約200μmの断面、および3:1〜200:1の断面アスペクト比に対応する長さを有する。一つの実施態様において、ナノワイヤーの重量パーセントは、ポリマー複合体の全重量の約75wt%〜約98wt%である。さらなる実施態様において、ナノワイヤーは、約10nm〜約200nmの直径、および3:1〜200:1の断面アスペクト比に対応する長さを有する。一つの実施態様において、ポリマー複合体は、シート状ポリマー複合体であり、ナノワイヤーは、ポリマー複合体の厚さの方向に配列している。
一つの実施態様は、プレポリマー混合物とナノワイヤーとを組み合わせ、プレポリマー混合物が、少なくとも部分的にナノワイヤーをカプセル化し、ナノワイヤーが、ナノワイヤーの全体にわたって、負でない正味の磁気モーメントを有し;十分な強さの配列磁場をかけて、配列磁場の一つの方向に、プレポリマー混合物に含有されるナノワイヤーを配列させ;プレポリマー混合物を重合してポリマー体を形成することからなる、ポリマー複合材を製造する方法を含む。一つの実施態様は、ポリマー体の少なくとも一部を除去してポリマー体からナノワイヤーの少なくとも一端を伸ばすことを含む。一つの実施態様は、組み合わせ工程の前に、ナノワイヤーの全体にわたって、ナノワイヤーに、正味の永久磁気モーメントを付与するのに十分強い磁場をかけることを含む。一つの実施態様において、ナノワイヤーの少なくとも90%は、配列磁場の方向のプラスマイナス10°以内に配列している。一つの実施態様において、プレポリマー混合物は、モノマーまたはオリゴマーからなり、当該モノマーまたはオリゴマーは、エポキシ基、アクリル基、ウレタン基、ビニル基またはエステル基を含有し;そして、任意に、開始剤および架橋剤の少なくとも一つを含有する。一つの実施態様において、ナノワイヤーは、コバルト、ニッケル、鉄、ガドリニウム、ネオジムまたはその合金もしくはその複合体からなり、ナノワイヤーの少なくとも90%は、約10μm〜約200μmの断面を有し、3:1〜200:1の断面アスペクト比に対応する長さを有する。さらなる実施態様において、ナノワイヤーは、約10nm〜約200nmの直径、および3:1〜200:1の断面アスペクト比を有する。一つの実施態様において、ナノワイヤーの重量パーセントは、ポリマー複合材の全重量の約75wt%〜約98wt%である。一つの実施態様において、ナノワイヤーの全体にわたって、ナノワイヤーに、正味の永久磁気モーメントを付与するのに十分強い磁場を発生できる磁気素子により磁場をかける。一つの実施態様において、配列磁場の強さは、約5mT〜約1Tである。一つの実施態様において、重合工程は、プレポリマー混合物を紫外線に暴露することからなり、開始剤が、光開始剤からなり、またはそれによって、プレポリマーが、熱の付加および/または化学添加物および熱によって重合できる。一つの実施態様において、除去工程は、液体とポリマー体の一部とを接触させ、ナノワイヤーの端部がポリマー体から伸びるようにナノワイヤーの端部を露出させることからなる。本液体は、ポリマーの小さな一つの表層または複数の表層に浸透し、膨潤させ、最終的に溶解させる能力を有するが、ナノワイヤーには実質的に影響を及ぼさないままにする、有機溶媒の群から選ぶことができる。かかる溶媒の例は、使用するポリマーに依存するが、一つの例として、シクロヘキサン、THF、DMSO、トリクロロエタノール等が挙げられるがそれには限定されない。一つの実施態様において、当該液体は、ナノワイヤーより速い速度でポリマー体をエッチングおよび/または溶解する酸性溶液または塩基性溶液である。別の実施態様において、ポリマーは、プラズマの使用によりエッチングできる。ここで、実施例において、プラズマは、酸素プラズマまたは酸素/テトラフルオロメタンプラズマであってもよい。ここで、ポリマーが選択的にまたは少なくともナノワイヤーより速い速度で除去されるようにプラズマ組成物およびその条件を選択することが重要である。
ナノワイヤーがポリマー体より上に突き出る長さは、熱発生素子および放熱体の表面粗さに依存するが、一般的には、数ナノメートル〜数ミクロンの範囲にある。しかしながら、ナノワイヤーが表面から上に突き出て熱発生面および放熱体と直接接触することにより界面熱抵抗を減少させ、本系に通常存在するナノスケールの空隙を満たすことが重要である。
一つの実施態様は、配列磁場をかける前に、マイクロエレクトロニクス素子および放熱体の少なくとも一つとプレポリマー混合物を接触させることを含む。一つの実施態様は、プレポリマー混合物の重合後に、放熱体またはエレクトリック素子上にポリマー複合体を取りつけることを含む。一つの実施態様において、マイクロエレクトロニクス素子は、コンピューター演算処理装置または発光ダイオードである。
ポリマー複合体を製造する方法の一つの実施態様は、マイクロエレクトロニクス素子と放熱体との間にポリマー複合体を配置することを含む。一つの実施態様において、マイクロエレクトロニクス素子は、コンピューター演算処理装置または発光ダイオードである。
前記の一般的な記載および以下の詳細な記載の両方とも、例示および説明のためのものであり、開示した化合物、組成物および方法のさらなる説明を提供することを意図するものであることを理解すべきである。
本明細書に開示した実施態様を例示する目的で、ポリマー複合体の特定の実施態様を図面に示す。しかしながら、その方法と関連する製品は、図面に示す実施態様の正確な配置および手段には限定されない。
図1は、ナノワイヤーに磁場をかけてナノワイヤーに正味の永久磁気モーメントを付与することを模式的に示す。 図2は、配列磁場をかける前に、プレポリマー混合物と永久磁気ナノワイヤーとを組み合わせることを模式的に示す。 図3は、十分に強い外部磁気配列場をかけて、配列磁場の一つの方向にプレポリマー混合物に含有される永久ナノワイヤー(または非永久磁気ナノワイヤー)を配列させ、ポリマー複合体を紫外線に暴露してプレポリマー混合物を重合させることを模式的に示す。 図4は、ポリマー体の少なくとも一部を除去してポリマー体からナノワイヤーの少なくとも一端を伸ばすことを模式的に示す。 図5は、シートの片側に磁石を用いて棒状Fe粉末を配列させ、紫外光を用いて樹脂を重合させる、棒状Fe粉末およびポリマー樹脂を有する熱伝導性シートを製造するプロセスを模式的に示す。(A)樹脂1と棒状Fe粉末2とを組み合わせる工程の概略断面図。 (B)磁石4を用いてかけた磁力線3と平行に棒状Fe粉末2を配列させる、配列磁場をかける工程の概略断面図。 (C)紫外光5を用いて樹脂1を重合してポリマー樹脂11を形成する工程の概略断面図。 (D)本プロセスにより作った熱伝導性シート10の概略断面図。 図6は、シートの両側に一対の磁石を用いて棒状Fe粉末を配列させ、紫外光を用いて樹脂を重合させる、棒状Fe粉末およびポリマー樹脂を有する熱伝導性シートを製造するプロセスを模式的に示す。(A)樹脂1と棒状Fe粉末2とを組み合わせる工程の概略断面図。 (B)磁石4を用いてかけた磁力線3と平行に棒状Fe粉末2を配列させる、配列磁場をかける工程の概略断面図。 (C)紫外光5を用いて樹脂1を重合してポリマー樹脂11を形成する工程の概略断面図。 (D)本プロセスにより作った熱伝導性シート20の概略断面図。 図7は、多層カーボンナノチューブに磁気ナノ粒子を導入し、強磁性または永久(弱)磁石にする工程を模式的に示す。磁気ナノ粒子は、別の場所で作る(一緒に撹拌する等)または同じ場所で作って(カーボンナノチューブと共に合成)、カーボンナノチューブと組み合わせてもよい。
本明細書で用いる場合、別途明示されない限り、以下の用語の各々は、本節で使われる意味である。
不定冠詞「一つ("a" および"an")」は、本明細書中で一つまたは二つ以上の対象物を指すために使用される。例えば、「要素(an element)」とは、一つまたは二つ以上の要素のことである。
用語「約」は、それが使用される文脈により当業者に理解されるだろう。本明細書で用いる場合、「約」は、プラスマイナス20%、プラスマイナス10%、プラスマイナス5%、プラスマイナス1%およびプラスマイナス0.1%を含む、変動の範囲を含む。
本明細書に記載された任意の範囲の間の全部または一部のあらゆる整数が含まれると理解される。
用語「ポリマー複合体」は、少なくとも一つのポリマー材料および少なくとも一つの非ポリマー材料を含有する複合体を指す。
用語「ポリマー」は、1モル当たり少なくとも10,000グラムの分子量を有し、少なくとも一つのモノマー分子の重合から形成されている、分子を指す。
用語「ポリマー体」は、少なくとも一つのポリマーを含有する、固体または半固体材料を指す。
用語「ナノワイヤー」または「ナノワイヤー群」は、金属および/または金属酸化物および/またはカーボンナノチューブ/強磁性材料複合体等の強磁性材料を含む磁性材料からなる対象物(対象物群)に言及し、ナノワイヤーは、少なくとも、3:1の断面アスペクト比に対応する長さを有し、約10μm〜約200μmの断面を有する、対象物(対象物群)を指す。ある場合には、ナノワイヤーは、ナノメートル寸法の範囲において、はるかに小さくてもよく、約10nm〜約200nmの直径をし、3:1〜200:1の断面アスペクト比を有してもよい。典型的には、ナノワイヤーの全体は、永久磁石モーメントが付与できるか、またはナノワイヤーは、永久磁性材料である必要はないが磁場により配列できるものであってもよい。
用語「プレポリマー」は、モノマーまたはオリゴマーの混合物であって、重合してポリマーまたはポリマー体を形成できる、混合物を指す。
用語「開始剤」は、重合反応または架橋プロセスを開始できる任意の化合物または材料を指す。
用語「架橋剤」は、少なくとも一つのポリマー、オリゴマーまたはモノマー分子をともに結合し、架橋ポリマーを形成できる化合物または材料を指す。
用語「配列磁場」は、ナノワイヤーを配列させるために外部磁場をかけることを指す。
用語「熱移動面」は、ポリマー複合体に対しまたはポリマー複合体から熱を移動できる素子または放熱体の表面を指す。
用語「正味の磁気モーメント」は、少なくとも一つの磁性材料からなる対象物の特性であって、対象物が一つの方向においてゼロよりも大きい磁気モーメントを有するように、磁性材料の磁区が配列される特性を指す。例えば、強磁性材料は、対象物の磁気モーメントのベクトル和が任意の方向においてゼロであるように、様々な強さおよび方向の磁気モーメントを有する磁区を有してもよい。しかしながら、十分に強い磁場を対象物にかける場合、磁区は、少なくとも一つの方向における磁気モーメントがゼロより大きいように、配列できる。
用語「永久」は、磁性材料の状態であって、外部磁場をかけない場合、正味の磁気モーメントが一つの方向においてゼロより大きいままである状態を指す。
一つの実施態様において、ポリマー複合体は、ナノワイヤーを含有するポリマー体からなり、ナノワイヤーが、一つの方向に配列し、ポリマー体から伸びる少なくとも一端を有し、ナノワイヤーが、ナノワイヤーの全体にわたって、正味の磁気モーメントを有する、ポリマー体からなる。一つの実施態様において、ポリマー複合体は、シート状ポリマー複合体であり、ナノワイヤーは、ポリマー複合体の厚さの方向に配列している。特定の実施態様において、複数のナノワイヤーがともに配列してポリマー複合体において針状組織(図5および6)を形成し、針状組織の少なくとも一端が、シート状ポリマー体の表面から伸びる。ポリマー体がナノワイヤーを含有し、ナノワイヤーが、ポリマー体のポリマーよりもさらに効率的に熱を伝導できることが見出されている。熱伝導性粒子が配列していない場合よりも、ポリマー体内部の熱伝導性粒子が配列している場合にはさらに効率的にポリマー体を通して熱を伝導できることも見出されている。一つの実施態様において、ナノワイヤーの一端または両端がポリマー体から伸びてナノワイヤーと熱移動面との間を直接接触させることができる。かかる熱移動面の一例は、コンピューター演算処理装置の底面であってもよい。ここで、ナノワイヤーはポリマー体より上に突き出て、熱発生素子および/または放熱体と直接に接触する。理想的には、ナノワイヤーが、熱発生素子および放熱体の表面粗さに依存して、典型的には、数ナノメートル〜数ミクロン、ポリマー体より上に突き出る。
一つの実施態様において、ポリマー複合体は、一つの方向のプラスまたはマイナス10%、プラスまたはマイナス5%の範囲内で配列したナノワイヤーの少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%を有する。一つの実施態様において、配列の方向は、「z」方向であってもよく、ここで、「z」方向は、配列磁場の磁気モーメントに沿った方向を指す。「z」方向は、磁場がすでにかかっていない場合でも、「z」方向のままである。配列度は、配列磁場の磁気モーメントの方向を求めることにより計算してもよい。次に、少なくとも20本のナノワイヤーの試料の方向が、ナノワイヤーと「z」方向の交わりが角度を決めるように「z」方向に関して測定されうる。一つの実施態様において、「z」方向は、エレクトロニクス素子と放熱体などの2つの対象物の熱移動面間の最短距離と平行であるように、配向される。さらに、一つの実施態様において、複合体のナノワイヤーの少なくとも90%は、ポリマー体から伸びる少なくとも一端を有する。シート状ポリマー複合体の一つの実施態様において、「z」方向は、シート状ポリマー複合体の厚さ方向に平行(またはほぼ平行)である。
一つの実施態様において、ポリマー複合体は、ナノワイヤーを含有するポリマー体からなる。ポリマー体の材料の選択は、ポリマー体が、熱を伝導でき、ナノワイヤーを固定でき、エレクトロニクス素子を短絡させるほどには電気伝導性を有しないポリマーからなる限り、特に限定されない。一つの実施態様において、ポリマー体は、エポキシポリマー、アクリレートポリマー、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリエステルまたはその共重合体、そのブレンドもしくはその混合物からなる。ポリマー体の機能は、ナノワイヤーの配列を固定しつつ、空気よりもさらに効率的に、素子から発生した熱を放熱体に向けて熱伝導することであってもよい。
ナノワイヤーを形成するために用いる材料は、ナノワイヤー用の材料が、誘起されて正味の永久磁気モーメントを形成するか、または磁場によって配列できる限り、特に限定されない。例えば、ナノワイヤーは、鉄、ニッケル、フェライトまたは希土類元素の磁性材料からなってもよい。さらに、ナノワイヤーは、コバルト、ニッケル、鉄、ガドリニウム、ネオジムまたはその合金もしくはその複合体からなってもよい。ナノワイヤーの材料の一例として、NdFe14Bが挙げられる。ここで、等方性のNdFe14Bナノワイヤーは、強い磁場で磁化でき、(図1に示すように)ナノワイヤーに正味の永久磁気双極子(異方性)を出現できる。
ナノワイヤーの一例として、強磁性材料(Fe、Ni、Co、Gd、Ndまたはその合金もしくはその複合体等)の針状組織が挙げられる。針状組織は、針状組織の少なくとも一端がポリマー体の表面から伸びるように長さを有してもよい。
ナノワイヤーの別の例として、強磁性材料(Fe、Ni、Co、Gd、Ndまたはその合金もしくはその複合体等)の細長粒子が挙げられる。かかる実施態様において、細長粒子の各々は、必ずしも一つの方向でポリマー体を突き抜けていなくともよい。むしろ、複数の細長粒子が、ポリマー体中でともに配列し、針状組織の少なくとも一端がポリマー体の表面から伸びるように、針状組織を形成してもよい(図5および6)。強磁性材料の細長粒子は、例えば、強磁性材料(Fe等)の細長粒子を豊富に含有する粉末をふるい(330ミクロン等)を用いて選別し、細長粒子を集めることによって調製してもよい。
さらなる実施態様において、ナノワイヤーは、その上に強磁性材料(Fe粒子等)が配置されたカーボンナノチューブ、またはカーボンナノチューブが外部磁場により配列できるように(図7)、その中に強磁性材料が埋め込まれたカーボンナノチューブであってもよい。
いくつかの用途に関して、ナノワイヤーの磁気の強さ、熱伝導率および導電率のバランスを保つ必要性があり得る。したがって、複合体は、少なくとも一つの磁性成分、例えば、カーボンナノチューブ/強磁性材料複合体を含有してもよい。複合材料のかかる実施態様において、電気的隔離が求められる用途では特に、熱伝導率と電気抵抗率との間のバランスを調整できる。
なお、いくつかの用途に関して、ポリマー複合体の配列および重合の後に、磁気ナノワイヤーの永久磁気モーメントを低減または除去することが求められ得る。磁束を低減または除去する利点は、ポリマー複合体がエレクトロニクス素子と干渉しないようにすることである。そのような場合には、ポリマー体用のポリマー材料として、ナノワイヤーのキュリー温度よりも高温に加熱し、ナノワイヤーの磁性材料内の電子スピンをランダム化できるポリマーを選択してもよい。このようにポリマー選択を選択すれば、ナノワイヤーの磁気モーメントが低減または除去した場合を除き、磁気的に配列したナノワイヤーを含有するポリマー複合体を形成できると思われる。別の実施態様において、ナノワイヤーは、自発磁化によって永久磁気双極子モーメントを付与されるが、このことは、温度をキュリー温度よりも低くすれば起こり得る。
ナノワイヤーの寸法は、断面アスペクト比に対応する長さが、3:1〜200:1、または50:1〜150:1であり、ナノワイヤーの断面が、約10μm〜約200μm、または約50μm〜約100μmである限り、特に限定されない。一つの実施態様において、ナノワイヤーの少なくとも90%、または95%、または98%は、約10μm〜約200μmの断面と、3:1〜200:1の断面アスペクト比に対応する長さを有する。一つの実施態様において、ナノワイヤーの少なくとも90%、または95%、または98%は、約50μm〜約100μmの断面を有する。一つの実施態様において、ナノワイヤーの少なくとも90%、または95%、または98%は、50:1〜150:1の断面アスペクト比に対応する長さを有する。ナノワイヤーの寸法の長所は、ナノワイヤーが、各ナノワイヤーおよび/または熱移動面との間のポリマー材料の量を最小限にするように、配列できるということであり得る。
一つの実施態様において、ポリマー複合体全体に対するナノワイヤーの重量パーセントは、ポリマーの量がナノワイヤーを固定化するのに十分であり、大部分のナノワイヤーが直接互いに接触しない限り、特に限定されない。一つの実施態様において、ナノワイヤーの重量パーセントは、ポリマー複合体の全重量の約75wt%〜約98wt%、または約80wt%〜約90wt%である。
一つの実施態様において、ポリマー複合体を製造する方法は、プレポリマー混合物とナノワイヤーとを組み合わせ、十分に強い配列磁場をかけて、配列磁場の一つの方向に、プレポリマー混合物に含有されるナノワイヤーを配列させ;プレポリマー混合物を重合してポリマー体を形成することからなる。一つの実施態様において、ナノワイヤーは、ナノワイヤーの全体にわたって、負でない正味の磁気モーメントを有する。
一つの実施態様において、プレポリマー混合物が機能して粘性媒体を与え、このことにより配列磁場によるナノワイヤーの配列ができる。一旦、ナノワイヤーが配列磁場により配列すれば、プレポリマー混合物が重合してナノワイヤーを配列状態に固定する。
プレポリマー混合物とナノワイヤーとを組み合わせる工程は、ナノワイヤーが、プレポリマー混合物と直接接触し、大部分のナノワイヤーがお互いに直接接触しないように、プレポリマー混合物中に分布する限り、特に限定されない。組み合わせ工程は、注入、混合、撹拌、粉砕、振動などまたはその組合せを含む。ナノワイヤーをプレポリマーに加えてもよい、またはプレポリマーをナノワイヤーに加えてプレポリマー混合物を提供してもよい。
磁場をかける工程は、配列磁場の強さが、配列磁場の一つの方向にプレポリマー混合物に含有される予備磁化ナノワイヤーを配列させるのに十分である限り、特に限定されない。一つの実施態様において、配列磁場は、「z」方向に配向され、ここで、「z」方向は、配列磁場の方向を指す。配列磁場の機能は、磁場の一つの方向にナノワイヤーを配列することであってもよい。ナノワイヤーを一つの方向に配列することは、磁気ワイヤー間の相互作用不良を防ぐか最小限にする利点を有し得る。ナノワイヤーを一つの方向に配列することは、磁気ナノワイヤーと熱移動面との間の相互作用不良を防ぐか最小限にする利点も有し得る。さらに、配列磁場をかける利点は、高価なテンプレートまたは化学気相成長もしくは物理的な気相成長を用いることなく、ナノワイヤーを配列する能力によるコスト引き下げであり得る。一つの実施態様において、配列磁場の強さは、約5mT〜約1T、または約100mT〜約500mTである。一つの実施態様において、配列磁場は、永久磁石などの磁性材料、または電磁石などの磁気素子によりかけてもよい。シート状ポリマー複合体の製造の一つの実施態様において、「z」方向は、シート状ポリマー複合体の「厚さ」方向と平行(またはほぼ平行)である。
プレポリマー混合物を重合する工程は、プレポリマー混合物が重合しその中に含有される予備磁化ナノワイヤーを固定できるポリマー体を形成する限り、特に限定されない。重合工程は、当該技術分野で既知である方法を含んでもよく、ポリマー混合物を加熱し;化学開始剤を加え;またはプレポリマー混合物に光開始剤を加え、続いて紫外線をはじめとする電磁波にプレポリマー混合物を暴露することを含んでもよい。一つの実施態様において、重合工程は、100〜450nm、または250〜400nmの波長を有する光にプレポリマー混合物を暴露することを含む。一つの実施態様において、重合工程は、プレポリマー混合物を紫外線に暴露することからなり、開始剤は光開始剤からなる。
一つの実施態様において、ポリマー複合体を製造する方法は、さらに、ポリマー体の一部を除去してポリマー体からナノワイヤーの少なくとも一端を伸ばすことからなってもよい。当該工程はナノワイヤーより速い速度でポリマー体の一部を選択的に除去することを含む。使用するポリマータイプまたはプラズマエッチングにより、各種の溶媒を選択でき、ここで、ナノワイヤーより速い速度でポリマーを除去するためにプラズマ成分および加工条件を変えてもよい。別の実施態様において、ポリマー複合体を製造する方法は、さらに、ナノワイヤーの端部がポリマー体から伸びるように、液体とポリマー体の一部を接触させてナノワイヤーの端部を露出させることを含んでもよい。一つの実施態様において、当該液体は、ナノワイヤーより速い速度でポリマー体をエッチングおよび/または溶解する酸性溶液または塩基性溶液である。除去工程の機能は、ナノワイヤーの少なくとも一端を露出させ、熱移動面のような、隣接対象物に対してポリマー複合体のナノワイヤーを接触および/またはナノワーヤーから熱移動をし易くすることであってもよい。ポリマー体の一部を除去するために用いる液体は、当該液体がナノワイヤーより速い速度でポリマー体を選択的にエッチングおよび/または溶解できる限り、特に限定されない。
一つの実施態様において、ポリマー複合体を製造する方法は、組み合わせ工程の前または配列磁場をかける工程前に、ナノワイヤーの全体にわたって、ナノワイヤーに、正味の永久磁気モーメントを付与するのに十分強い磁場をかけることを含んでもよい。配列の前にナノワイヤーに磁場をかける工程の機能は、ナノワイヤーの全体にわたって、ナノワイヤーに、正味の永久磁気モーメントを付与することであってもよい。正味の永久磁気モーメントは、ナノワイヤーが、後の工程で配列磁場をかけることにより配列できるようにする。磁場をかける工程中の磁場の強さは、材料の組成およびナノワイヤーの寸法等の因子に依存し得る。一般的に、ナノワイヤー中の磁性材料の量が少ないほどおよび/またはナノワイヤーのアスペクト比が高いほど、磁場はさらに強くなるはずである。一つの実施態様において、磁場の強さは、少なくとも2テスラ、または少なくとも4テスラである。
ナノワイヤーに磁場をかける利点は、ナノワイヤーに、正味の永久磁気モーメントを付与することにより、エレクトロニクス素子の製作方法に適合し得る強さを有する磁場を用いてナノワイヤーの配列ができることである。一つの実施態様において、ポリマー複合体を製造する方法は、ナノワイヤーの全体にわたって、ナノワイヤーに、正味の永久磁気モーメントを付与するのに十分強い磁場を生成できる磁気素子により磁場をかけることを含む。かかる磁気素子の例として、放電コンデンサ、ハルバッハ配列などのうちの少なくとも一つが挙げられる。
一つの実施態様において、ポリマー複合体を製造する方法は、配列磁場の方向のプラスマイナス10°以内、またはプラスマイナス5o以内にナノワイヤーの少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%を配列させることを含んでもよい。
一つの実施態様において、ポリマー複合体を製造する方法は、ポリマー体を含んでもよい。ポリマー体用材料の選択は、ポリマー体が、熱を伝導でき、ナノワイヤーを固定し、ポリマー複合体がエレクトロニクス素子を短絡させるほどには電気伝導性を有しない、ポリマーからなる限り、特に限定されない。一つの実施態様において、ポリマー体は、エポキシポリマー、アクリレートポリマー、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリエステルまたはその共重合体、そのブレンドもしくはその混合物、および、任意に、開始剤と架橋剤の少なくとも一つからなる。ポリマー体の機能は、ナノワイヤーの配列を保ちつつ、空気よりさらに効率的に、素子から出る熱を放熱体に向けて伝熱することであり得る。
一つの実施態様において、ポリマー複合体を製造する方法は、ナノワイヤーを含んでもよい。ナノワイヤーを形成するために用いる材料は、ナノワイヤーの材料が誘起されて正味の永久磁気モーメントを形成できる限り、特に限定されない。例えば、ナノワイヤーは、強磁性材料または複合磁性材料からなってもよい。さらに、ナノワイヤーは、コバルト、ニッケル、鉄、ガドリニウム、ネオジムまたはその合金もしくはその複合体からなってもよい。ナノワイヤー用の材料の一例として、NdFe14Bが挙げられる。さらに、ナノワイヤーは、これらのナノワイヤーが外部磁場によって配列できる、ニッケルまたは鉄であってもよい。
なお、複合体は、少なくとも一つの磁性成分、例えば、カーボンナノチューブ/強磁性材料複合体を含んでもよい。カーボンナノチューブは、最も高い理論上の(軸方向)熱伝導率(Xu、J.等、IEEEトランザクションズ:部品・実装技術、29、261、2006)を有することが知られており、様々な品質および仕様で様々な供給メーカーから入手できる。複合体材料の本実施態様により、熱伝導率と電気抵抗率との間のバランスを調整できる。いくつかの用途において、電気的隔離を求められることがある。ここで、ナノ微粒子の鉄は、カーボンナノチューブ上および/またはカーボンナノチューブ内に析出し、実質的に、カーボンナノチューブを外部磁場によって容易に配列できる強磁性にする。本発明の方法は、既知のプロセス(テンプレート成長、CVD等)に代わる費用対効果の良い選択肢を提供する。
一つの実施態様において、ポリマー複合体を製造する方法は、ナノワイヤーのキュリー温度よりも高温にポリマー複合体を加熱する追加工程を含む。なお、いくつかの用途では、重合工程の後にナノワイヤーの永久磁気モーメントを低減または除去することが求められることがある。かかる場合には、ポリマー体用ポリマー材料の選択は、ナノワーヤーのキュリー温度よりも高温に加熱してナノワイヤーの磁性材料内の電子スピンをランダム化できるポリマーであってもよい。ポリマーのこの選択により、磁気的に配列したナノワイヤーを含有するポリマー複合体を形成できると思われるが、ここでは、ナノワイヤーの磁気モーメントが低減または除去されている。
一つの実施態様において、ポリマー複合体を製造する方法は、様々な寸法のナノワイヤーも含む。ナノワイヤーの寸法は、断面アスペクト比に対応する長さが、3:1〜200:1、または50:1〜150:1であり、ナノワイヤーの断面が、約10μm〜約200μm、または約50μm〜約100μmである限り、特に限定されない。一つの実施態様において、ナノワイヤーの少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%は、約10μm〜約200μmの断面を有し、3:1〜200:1の断面アスペクト比に対応する長さを有する。一つの実施態様において、ナノワイヤーの少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%は、約50μm〜約100μmの断面を有する。一つの実施態様において、ナノワイヤーの少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも98%は、50:1〜150:1の断面アスペクト比に対応する長さを有する。ナノワイヤーの寸法の長所は、各ナノワイヤーおよび/または熱移動面との間のポリマー材料の量を最小限にするようにナノワイヤーを配列できることであり得る。
一つの実施態様において、ポリマー複合体を製造する方法、または全ポリマー複合体に対するナノワイヤーの重量パーセントは、ポリマーの量が、ナノワイヤーを固定するのに十分であり、大部分のナノワイヤーが直接相互に接触しない限り、特に限定されない。一つの実施態様において、ナノワイヤーの重量パーセントは、ポリマー複合体の全重量の約75%〜約98wt%、または約80wt%〜約90wt%であってもよい。
一つの実施態様において、ポリマー複合体を製造する方法は、さらに、配列磁場をかける前に、マイクロエレクトロニクス素子と放熱体の少なくとも一つとプレポリマー混合物を接触させることからなる。この任意の工程の利点は、ポリマー複合体が使用される場所に、プレポリマー混合物を配置することであり得る。配列磁場をかけてプレポリマー混合物を重合する工程は、ポリマー複合体が使用される場所で行われてもよい。例えば、ポリマー複合体がマイクロエレクトロニクス素子と放熱体との間の高熱伝導性材料として働く場合には、当該方法により、マイクロエレクトロニクス素子および/または放熱体にプレポリマー混合物を直接適用できる。その後、ポリマー複合体を製造する残りの工程は、マイクロエレクトロニクス製造プロセスに組み入れられる。ある実施例において、マイクロエレクトロニクス素子は、コンピューター演算処理装置または発光ダイオードであってもよい。
ある実施例において、ポリマー複合体を使用する方法は、マイクロエレクトロニクス素子と放熱体との間にポリマー複合体を配置することならなる、素子の熱を放散することを含んでもよい。ある実施例において、マイクロエレクトロニクス素子はコンピューター演算処理装置または発光ダイオードである。
ある実施例において、ポリマー複合体を製造する方法は、プレポリマー混合物の重合後に、放熱体またはエレクトロニクス素子上にポリマー複合体を取りつけることを含んでもよい。重合工程後に放熱体またはエレクトロニクス素子上にポリマー複合体を取りつける長所は、ポリマー複合体を放熱体、エレクトロニクス素子等とは別に製造し、その後、後工程で据え付けることであり得る。
ある実施例において、ポリマー複合体は、複合体構造体内部の垂直配向または柱状構造体の製造からなるポリマー複合体およびその製造方法を含む。垂直配向材料または構造体は、光学、熱伝導率、HOおよびO用のバリアフィルムなどを始めとする様々な分野で適用できる。多くのこれらの用途において、ポリマー複合体中の構造体の垂直配向(Z方向)に関連した特性の相違は、Z方向に配向しない粒子を含有するフィルムに優る長所を提供する。例えば、磁気フェライト系ナノワイヤーは、様々な用途用の液晶内でZ方向に配向できる。したがって、ポリマー複合体およびポリマー複合体を製造する方法は、垂直配向または柱状構造体を含有するポリマー複合体を製造する価値のある一般的な方法であり得る。本段落で使用される用語「垂直」とは、「z」方向が、ポリマー複合体の厚さと平行であり、当該厚さはポリマー複合体の長さおよび幅よりも小さいように、「z」方向が配向されるということである。
本出願で示した引用文献および出版物のすべては、あらゆる目的で出典明記により全体に組み込まれる。以下、本発明は、実施例によりさらに詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は本発明の範囲の限定と解釈されるべきものではない。
実施例1
篩いにかけた(330ミクロン)Fe粉末(6g、関東化学株式会社)、セロキサイド2021(3.0g、株式会社ダイセル)および開始剤CPI210S(0.03g、サンアプロ株式会社)の混合物をPPパッド(5cm×8cm)に注入した。フェライト磁石(単極プレート10×10cm、11mT)上にパッド中の混合物を取りつけ、高圧水銀ランプ(1500mJ/cm)を用いて照射した。得られたプレートを室温まで冷却し、キセノンフラッシュ熱分析装置(ネッチLFA447ナノフラッシュR(登録商標))により熱伝導率を測定した。試料の1cm×1cm、厚さ1.18mmは、熱伝導率1.02W/m・Kを示す。
比較例
篩いにかけた(330ミクロン)Fe粉末(6g、関東化学株式会社)、セロキサイド2021(3.0g、株式会社ダイセル)および開始剤CPI210S(0.03g、サンアプロ株式会社)の混合物をPPパッド(5cm×8cm)に注入した。紫外線ランプ(1500mJ/cmの高圧水銀ランプ)を用いてパッド中の混合物に照射した。得られたプレートを室温まで冷却し、キセノンフラッシュ熱分析装置(ネッチLFA447ナノフラッシュR(登録商標))により熱伝導率を測定した。試料の1cm×1cm、厚さ0.83mmは、熱伝導率0.66W/m・Kを示す。
実施例1と比較例との違いは、樹脂を硬化させた際、比較例では磁石を使用しなかったのに対し、実施例1では磁石を使用したことである。実施例1の熱伝導率は、比較例の熱伝導率よりも著しく高かった。
実施例2
市販のNiワイヤー(直径0.05mm×50m)からNi片(直径0.05mm×1mm)を調製した。Ni片(150mg)、セロキサイド2021(100mg、株式会社ダイセル)および開始剤CPI210S(1mg、サンアプロ株式会社)の混合物を金属セル(10×10cm)に注入した。フェライト磁石(単極プレート、50mT)上にセル中の混合物を取りつけ、紫外線を照射した(1500mJ/cmの高圧水銀ランプ)。得られたプレートを室温まで冷却し、キセノンフラッシュ熱分析装置(ネッチLFA447ナノフラッシュR(登録商標))により熱伝導率を測定した。厚さ1.22mmの試料は、熱伝導率1.84W/m・Kを示した。
実施例2において実証したとおり、形状制御Niワイヤーを用いることにより、実施例1において用いたFe粉末を超える、熱伝導率の向上が観察された。
本発明は、高熱伝導性材料、特に、エレクトロニクス素子用の高熱伝導性材料として使用でき、当該材料を製造する方法として使用できる。

Claims (5)

  1. プレポリマー混合物とナノワイヤーとを組み合わせ、プレポリマー混合物が、少なくとも部分的にナノワイヤーをカプセル化し、ナノワイヤーが、ナノワイヤーの全体にわたって、負でない正味の磁気モーメントを有し;
    十分に強い配列磁場をかけて、配列磁場の一つの方向に、プレポリマー混合物に含有されるナノワイヤーを配列させ;
    プレポリマー混合物を重合してポリマー体を形成することからなる、
    ポリマー複合体を製造する方法であって、
    ポリマー体の少なくとも一部を除去してポリマー体からナノワイヤーの少なくとも一端を伸ばすことからなる、方法。
  2. プレポリマー混合物とナノワイヤーとを組み合わせ、プレポリマー混合物が、少なくとも部分的にナノワイヤーをカプセル化し、ナノワイヤーが、ナノワイヤーの全体にわたって、負でない正味の磁気モーメントを有し;
    十分に強い配列磁場をかけて、配列磁場の一つの方向に、プレポリマー混合物に含有されるナノワイヤーを配列させ;
    プレポリマー混合物を重合してポリマー体を形成することからなる、
    ポリマー複合体を製造する方法であって、
    さらに、組み合わせ工程の前に、
    ナノワイヤーの全体にわたって、ナノワイヤーに、正味永久磁気モーメントを付与するのに十分強い磁場をかけることからなる、方法。
  3. ナノワイヤーの全体にわたって、ナノワイヤーに、正味の永久磁気モーメントを付与するのに十分強い磁場を生成できる磁気素子により磁場をかける、
    請求項に記載のポリマー複合体を製造する方法。
  4. 除去工程が、ナノワイヤーの端部がポリマー体から伸びるように、ナノワイヤーの端部を露出させるために液体またはプラズマとポリマー体の一部を接触させることからなる、
    請求項に記載のポリマー複合体を製造する方法。
  5. 前記液体が、(i)ナノワイヤーより速い速度でポリマー体をエッチングおよび/または溶解する酸性溶液または塩基性溶液、または(ii)シクロヘキサン、THF、DMSOもしくはトリクロロエタノールであり、
    プラズマが、酸素プラズマまたは酸素/テトラフルオロメタンプラズマである、
    請求項に記載のポリマー複合体を製造する方法。
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