JP5867352B2 - 走行音を用いた車両検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両に搭載され車両の周囲に存在する他車を検出する車両検出装置に係り、より詳細には、車両の周囲の音(車外音)を計測して、車両周囲の他車の存在を検知する装置に係る。
自動車等の車両の運転支援技術の一つとして、車外音を収集して解析することにより、車両に接近する他車等を検知する車両検出装置が提案されている。例えば、特許文献1に於いては、車両上に複数のマイクロホンを任意の間隔にて配設し、これらのマイクロホンが収集した音響信号のうちの、車両の走行音の特徴が良く現れる周波数帯域成分の相互相関値が最大となる時間差を決定し、かかる時間差から他車両の存在方向を決定する車両検出装置が開示されている。上記の如き車外音を利用して車両周囲の他車を検出する装置は、他車の存在を運転者が視覚的に認識していない場合又は認識できない場合(夜間の走行時など或いはレーダーやカメラ等で他車が検出できない場合など)にも、他車の接近を検出し、運転者に対して注意喚起を行うことが可能であり、また、レーダーやカメラ等を用いた車両検出装置よりも時間的に早く他車等の検出が可能となるので、より安全で有効な運転の支援として期待される。
実開平5−92767号公報 特開2005−115813
ところで、上記の如き車両上に配設されたマイクロホンの収集した音を用いて他車両の検出を行う従前の装置に於いては、マイクロホンが故障した場合に、そのことを検知する手段が設けられていない。勿論、マイクロホンからの信号出力が停止している場合には、そのことを検知することでマイクロホンの故障が判定できる。しかしながら、マイクロホンが故障等により車両の検知ができない状態であるにもかかわらず、マイクロホンが或る程度のレベルの信号を出力し続けている場合には、装置に於いて、マイクロホンの故障により車両の検知ができないのか、車両が存在しないために検知できないのかの区別ができないので、マイクロホンの故障等の異常が検知できないこととなる。
かくして、本発明の一つの目的は、車両に搭載されマイクロホンにより収集された車外音を用いて自車周囲の他車の存在を検出する装置に於いて、マイクロホンの故障等の異常により他車を検出できない状態にあることを検知できるようにすることである。この点に関し、車載のマイクロホンの収集する音に於いては、その車両の周囲の環境音が含まれている。即ち、マイクロホンが正常であるか否かは、マイクロホンの収集音にその車両の周囲の環境音の特性が適切に含まれているか否かによって判定できることとなる。そして、環境音の特性は、車両が如何なる環境に置かれているか、例えば、車両の位置が、街中(市街地など)であるか又は郊外(農村地域・森林地域など)であるか、一般道であるか高速道路又は自動車専用道路であるか、或いは、海沿い若しくは川沿いであるかなど、が把握できれば、或る程度推定可能である。従って、車両の位置の周囲の状況が検出できれば、その検出された周囲の状況に於いて期待される環境音がマイクロホンの収集する音に含まれているか否かを判定できることとなる。本発明に於いては、この考え方が利用される。
本発明によれば、上記の課題は、車両上に配置されたマイクロホンにより収集された車外音を用いて他車の存在を検知する車両検知装置であって、車両の実際に存在する位置の周囲の状況を検出する車両周囲状況検出手段と、検出された周囲の状況に対応してマイクロホンが正常であるときに該マイクロホンにより収集されるべき環境音の特性値を提供する環境音特性値提供手段と、マイクロホンが実際に収集した音の特性値と環境音特性値提供手段の提供した環境音の特性値とに基づいて、マイクロホンが異常であるか否かを判定する異常判定手段とを含む装置によって達成される。
上記の構成に於いて、「車両の実際に存在する位置の周囲の状況」とは、運転中(走行中及び駐停車中も含む。)の車両(自車両)が実際に存在している位置の環境の状況である。具体的には、「周囲の状況」とは、例えば、車両の実際に存在する位置が街中であるか郊外であるか、一般道上であるか高速道路上であるかを示す情報であってよい。また、かかる情報に於いて、近隣に川、海、鉄道などの特定の音を発する地形又は構造物の存在の有無が含まれていてよい。このような「車両の実際に存在する位置の周囲の状況」を特定する情報は、GPS装置等の外部通信装置から提供される情報から任意の手法にて取得可能である。即ち、「車両周囲状況検出手段」とは、GPS装置等の任意の通信手段を通じて、現在(或いは、マイクロホンが音を収集している時点)に於いて自車両が実際に存在している位置の周囲の状況を検出して把握する手段であるということができる。また、上記の構成に於いて、「検出された周囲の状況に対応してマイクロホンが正常であるときに該マイクロホンにより収集されるべき環境音の特性値」とは、「車両周囲状況検出手段」の検出した自車両の周囲の状況に於いて聴こえてくるべき環境音の特性値、例えば、音圧レベル、音響パターン(周波数スペクトル分布)である。即ち、「環境音特性値提供手段」は、車両周囲状況検出手段の検出した自車両周囲の状況についての情報を参照して、その状況に於いて正常なマイクロホンが収集すべき音の特性値を提供する手段であるということができる。
かくして、上記の構成によれば、車両周囲状況検出手段によって検出された車両の周囲の状況を参照して環境音特性値提供手段が正常なマイクロホンが収集すべき音の特徴を提供し、この収集すべき音の特徴とマイクロホンにより実際に収集された音の特徴とが比較され、この比較結果によって、マイクロホンが異常であるか否かが判定されることとなる。かかる異常判定処理は、車両の使用時に於いても実行可能であるので、車両の整備点検時でなくても、マイクロホンに於ける異常を検知できる点で有利である。なお、車両周囲状況検出手段が車両の周囲の状況を検出する際には、自車両の向きも考慮されてよい。典型的には、車載のマイクロホンは、受音面を車両の略前方へ向けて配置される。その場合、受音面の向きと車両から見た環境音を発する音源の方向によって収集されるべき音の特性が変化する。従って、好適には、車両の周囲の状況の検出時には、単に車両の周囲の状況を検出するだけでなく、車両から見ていずれの方向に如何なる音源が存在しているかを特定できるように車両の周囲の環境に対する車両の向きも検出され、環境音特性値提供手段が正常なマイクロホンが収集すべき音の特徴を提供する際に考慮されてよい。
また、上記の構成に於いて、環境音特性値提供手段は、車両の存在し得る位置の周囲の状況に於いて計測されるべき環境音の特性値を表す情報を記憶する記憶手段を有し、検出された実際の周囲の状況に対応した環境音の特性値を異常判定手段へ提供するよう構成されていてよい。即ち、環境音特性値提供手段の記憶手段には、車両が走行すると想定される種々の環境に対応して、各環境に於いてマイクロホンにて計測される音の特徴を表す特性値の情報が記憶され、異常判定処理を実行する際には、検出された実際の車両の置かれている周囲の状況をパラメータとして、そこで聴こえるべき環境音の特性値が読み出されるようになっていてよい。
異常判定手段は、マイクロホンが実際に収集した音の特性値が環境音特性値提供手段の提供した環境音の特性値に基づいて設定される所定の範囲内に有る場合には、マイクロホンが正常であると判定し、所定の範囲から逸脱している場合には、マイクロホンがその環境で聴こえるべき音を収集できていないこととなるので、異常判定手段は、マイクロホンに異常があると判定するようになっていてよい。この点に関し、過渡的に又は一時的にマイクロホンが聴こえるべき音を収集できない場合も有り得るので、その場合にマイクロホンに異常があると判定されることを回避すべく、マイクロホンが実際に収集した音の特性値が環境音特性値提供手段の提供した環境音の特性値に基づいて設定される所定の範囲から所定時間に亘って逸脱した場合に、異常判定手段が、マイクロホンが異常であると判定するよう構成されていてよい。
ところで、或る環境に於いて計測される音は、(一日のうち、一週間のうち、一月のうち或いは一年のうちの)時間帯によって変化し得る。例えば、同じ市街地であっても、日中と夜間とでは環境音が変化する。従って、上記の本発明の装置に於いて、時間帯による環境音の違いが考慮されるようになっていてよい。かくして、上記の本発明の装置に於いて、環境音特性値提供手段の記憶手段が車両の存在し得る位置の周囲の状況に於いて計測されるべき環境音の特性値を表す情報を時間帯毎に記憶し、環境音特性値提供手段が異常判定手段へ提供する環境音の特性値が、検出された実際の周囲の状況とその時刻とに対応した値となっていてよい。かかる構成によれば、より精度良く、マイクロホンの異常判定処理が実行できることが期待される。特に、マイクロホンが実際に収集した音の特性値が環境音特性値提供手段の提供した環境音の特性値に基づいて設定される所定の範囲内に有るか否かによってマイクロホンの異常の有無の判定を行う構成の場合には、所定の範囲の幅をより狭く且つ適切に設定できる点で有利であろう。
かくして、上記の構成によれば、マイクロホンにより収集された車外音を用いて他車両を検出する装置に於いて、車両の運転中でも、マイクロホン又はかかるマイクロホンの収集音を用いて車両検出処理を行う手段に於ける異常の有無の判定を行うことが可能となる。特に、本発明の構成に於いては、車両の存在している環境に於いて、マイクロホンが収集するべき音を収集しているか否かによって、マイクロホンの異常判定を行うようになっているので、例えば、マイクロホンが電気的には正常であるが、受音面に塵やゴミなどが付着して音を適切に収集できない状態となっている場合などの異常も検知することが可能となる。また、本発明の構成に於いては、車両検出装置に於いて複数のマイクロホンが用いられている装置であっても、異常判定処理は、各マイクロホンについて個別に実行されてよく、その場合、それぞれのマイクロホンが正常であるか否かを検査することが可能となる。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
図1(A)は、本発明の車両検出装置が搭載された車両の外観の模式図である。図1(B)は、本発明の車両検出装置の構成をブロック図の形式で表した図である。 図2(A)は、本発明の車両検出装置の一つの実施形態に於いて採用される音源方位推定方法の原理を説明する図である。図2(B)は、音源方位推定方法に於いて算出される相互相関関数値について説明する図である。 図3(A)は、本発明の車両検出装置に於ける他車両の検出処理の例をフローチャートの形式にて表した図である。図3(B)は、車両Oに搭載された本発明の車両検出装置が他車両Pを検出する状況を模式的に表した図である。 図4は、GPS装置にて取得される周囲の状況を模式的に表した図である。(A)は、街中の地図画像であり、(B)郊外の地図画像である。図中、矢印は、自車両の位置と向きを表している。(A)に於いて斜線領域は、建造物等を示し、(B)に於いて細線は等高線である。 図5は、本発明の車両検出装置に於ける異常を判定する処理の実施形態をフローチャートの形式にて表した図である。
10…車両
12…バンパ
14…ドアミラー
20、22…マイクアレイ
34…GPS用アンテナ
O…自車
P…他車
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
装置の構成
本発明が適用される走行音による車両検出装置に於いては、図1(A)に例示されている如く、車両10のバンパ12又はドアミラー14上にて、車両の略前方へ向けて少なくとも二つのマイクロホンが並置されて成るマイクアレイ20又は22が設けられる(マイクアレイは、バンパ12又はドアミラー14のいずれかのみに設けられていてもよく、また、双方に設けられていてもよい。)。各マイクロホンは、任意のダイナミックマイク又はコンデンサマイクであってよい。また、各マイクロホンは、典型的には、マイクアレイ毎に対若しくは組になっており、車両10の使用中(走行中及び停止中を含む)に、車外音をそれぞれ収集する。そして、図1(B)に例示されている如く、各マイクアレイの少なくとも二つのマイクロホンM1、M2が収集した車外音の信号は、それぞれ、A/D変換器によりディジタル信号に変換され、更に、かかるディジタル信号の中から、ディジタルサウンドプロセッサ(DSP)にて、自車以外の車両(他車)が走行中に発する「走行音」が抽出され、コンピュータPCにて、それらの走行音の成分を用いて後述の態様にて他車の存在の有無及びその方位が決定される。かくして、他車の存在の有無及びその方位が決定されると、その情報が出力装置(ディスプレイ、ランプ、スピーカーなど)にて運転者に対して提示される。なお、車外音からの他車の走行音の抽出は、典型的には、バンドパスフィルター等を用いてマイクロホンの収集音のうちの所定の周波数帯域(例えば、800〜3000Hz)の成分を抽出することにより、或いは、特定の音響パターンの成分を抽出することなどにより、達成可能である。
更に、本発明の車両検出装置には、マイクロホンに於ける故障又は異常の有無を判定するための機構が設けられる。具体的には、図1(B)に例示されている如く、本実施形態は、自車両の周囲の状況を検出するための周囲状況検出デバイスが設けられる。周囲状況検出デバイスとしては、GPS装置等の外部通信装置からの情報により自車両の周囲の状況を検出する装置であってよい。そして、検出された自車両の周囲の状況の情報は、コンピュータPCへ与えられ、後述の態様にてマイクロホンに於ける故障又は異常の有無を判定するために利用される。また、コンピュータPCは、メモリ(記憶手段)と相互に通信を行い、後述の態様にてメモリ上に記憶された種々のプログラム又はデータを参照できるようになっていてよい。特に、メモリには、車両の存在し得る種々の位置の周囲の状況に於いてマイクロホンにより計測されるべき環境音の特性値を表す情報を記憶したデータベースが構成されており、検出された自車両の周囲の状況の情報に対応して、かかる周囲の状況に於いて計測されるべき環境音の特性値を表す情報がコンピュータPCへ読み出されるようになっていてよい。なお、環境音の特性値を表す情報としては、計測されるべき環境音の音圧レベルの上下限値、音響パターンの上下限値(特定の周波数帯域のパワーの上下限値、少なくとも二つの周波数帯域のパワーの比率の上下限値など)であってよい。また、一日のうち、一週間のうち、一月のうち或いは一年のうちの時間帯による環境音の特性の変化に対応すべく、検出された自車両の周囲の状況の情報がその検出時刻を含み、コンピュータPCへ読み出される、計測されるべき環境音の特性値を表す情報は、検出時刻にも対応して選択又は決定されるようになっていてよい。メモリに記憶される環境音の特性値を表す情報は、実験的に又は理論的に決定又は取得可能である。
音源方位推定方法の原理
本発明の本実施形態に於いては、マイクアレイに於ける少なくとも二つのマイクロホンが収集した車外音のうちの他車の走行音が解析されて他車の方位が検出されるようになっていてよい(特許文献1、2)。かかる他車の方位検出は、例えば、白色相互相関法を用いて実行されてよい。図2(A)を参照して、白色相互相関法に於いては、二つの互いに距離dだけ離れて配置されたマイクロホンMi、Mjに対して音波SWが矢印の方向(マイクロホンの列に対して角度θの方向)から到来した場合が考えられる。このとき、音波SWのマイクロホンMiに到達する時刻は、マイクロホンMjに到達する時刻よりも時間τだけ遅れることとなる(遅延時間)。従って、音波の到来してきた方向、即ち、音源の方向、の角度θと遅延時間τとの関係は、
cosθ=τ・c/d …(1)
により表される。ここで、cは、音速である。また、遅延時間τは、マイクロホンMi、Mjの音波信号si(t)、sj(t)の相互相関関数値
∫si(t)・sj(t−T)dt …(2)
の最大値を与える相関時間Tを検出することにより決定可能である。即ち、マイクロホンMi、Mjの音波信号si(t)、sj(t)は、同一音源からの音波であり、位相(時間)がτだけ互いにずれているので、相互相関関数に於ける相関時間Tが遅延時間τであるとき、音波信号si(t)、sj(t)の値が完全重なり、相互相関関数値が最大値となるためである(図2(B))。なお、実際の演算に於いては、まず、音波信号のフーリエ変換値を振れ幅で正規化した値を用いて、周波数領域で算出された相互相関値を逆フーリエ変換した相関値ΣCSPi,j(n,l)が算出される。なお、CSPi,j(n,l)は、下記の式で与えられる係数である。
CSPi,j(n,l)=DFT-1[DFT[si(n)]DFT[sj(n-l)]*/|DFT[si(n)]||DFT[sj(n-l)]|]
…(3)
ここで、si(n)、sj(n)は、それぞれ、ディジタル化された音波信号であり、lは、相関時間であり、DFT[]、DFT-1[]は、それぞれ、離散フーリエ変換、逆離散フーリエ変換であり、*は、複素共役を示す。そして、最大のΣCSPi,j(n,l)を与える相関時間Tmが
Tm=argmax[ΣCSPi,j(n,l)] …(4)
により求められ、かくして、音源の方向の角度θは、下記の式により与えられる。
θ=cos-1((c・Tm/Fs)/d) …(5)
ここで、Fsは、サンプリング周波数である。
装置の作動
(i)走行音による他車の方位検出
図1にて説明された走行音による車両検出装置によれば、例えば、図3(B)に模式的に描かれている如く、交差点などに於いて、自車Oにから見て他車Pが死角に存在し、電磁波によるレーダー装置やビデオカメラの画像によっては、他車が検出できない状況に於いても、他車Pの走行音が自車Oまで到達するので、他車Pの存在とその方位を検出することが可能となる。図3(A)は、走行音による車両検出装置に於ける他車の検出処理過程の例をフローチャートの形式で表した図である。なお、同図の処理は、車両の運転中に、メモリに保存されたコンピュータ・プログラムに従って反復してコンピュータPCの作動によって実行される。かかる自車から見た他車両の方位θの検出は、車両の運転中、常時、実行されてよい。また、図示の例は、二つのマイクロホンが並置されている一つのマイクアレイの収集音について実行される処理である。車両に複数のマイクアレイが装備されている場合、それぞれのマイクアレイの収集音に対して同様の処理が別々に実行されてよい。
図3(A)を参照して、走行音による車両検出に於いては、マイクアレイに於ける二つのマイクロホンの収集音データが取得される(ステップ10)。既に述べた如く、マイクロホンの収集音データは、A/D変換器にてディジタル化された音波信号であり、通常の車外音周波数解析を実行可能な所定の時間に亘って収集された音波信号であってよい。しかる後、音波信号に対して、走行音以外の環境音成分等を除去するための周波数解析やバンドパスフィルター処理などの任意の処理が実行され、走行音が抽出される(ステップ20)。ここに於いて、抽出された音波成分に於いて有意な音圧レベルの信号が存在していなければ、他車両無しの判定が為され、処理ルーチンが終了される(ステップ25)。
一方、抽出された音波成分に於いて有意な音圧レベルの信号が存在していたときには、走行音有り、即ち、自車周囲に他車両有りの判定が為され、二つのマイクロホンの収集した走行音データについて、上記の相互相関関数値ΣCSPi,j(n,l)が演算され(ステップ30)、相互相関関数値の最大値(ピーク)の検出及びそのピークを与える相関時間Tmの決定が為される(ステップ40)。そして、式(5)を用いて、自車から見た他車の方位θが算定され(ステップ50)、その情報が任意の出力装置から運転者に認知されるよう発せられる。
(ii)装置の異常判定
ところで、既に触れた如く、正常なマイクロホンの収集する音には、他車両の走行音の他に自車両周囲の環境音が含まれている。従って、マイクロホンの収集音に、自車両周囲の環境音が含まれているか否かを確認することによってマイクロホンが正常であるか否かを判定することができる。そこで本発明の装置に於いては、自車両の周囲の状況を検出し、マイクロホンの収集する音の特性が、その検出された周囲の状況にて計測されるべき環境音の特性と合っているか否かを検査して、マイクロホンの異常の有無を判定する処理(異常判定処理)が実行される。この構成に於いて、自車両の周囲の状況、即ち、車両の実際に存在する位置が街中であるか郊外であるか、一般道上であるか高速道路上であるか、近隣に川、海、鉄道などの特定の音を発する地形又は構造物が存在するか否かを示す情報は、図4(A)、(B)に例示されている如く、GPS装置等の外部通信装置が自車両の位置を検出する際に、外部通信装置に於ける地図情報から取得可能である。また、メモリに於いて、車両が通過し得る又は存在し得ると想定される種々の環境又は状況に於いて計測されるべき環境音の特性をデータベース化するなどして予め記憶しておき、検出された車両の存在する周囲の状況に対応する環境音の特性のデータを読み出せるようにシステムを構成することにより、検出された周囲の状況にて計測されるべき環境音の特性の情報を得ることが可能となる。なお、異常判定処理は、車両の運転中、常時、実行されてもよいが、所定時間毎、所定距離毎或いは天候が変化したときに適宜実行されるようになっていてよい。また、本実施形態の場合には、マイクロホン毎に個別に検査が検査される。
図5は、上記の異常判定処理の実施形態の処理過程をフローチャートの形式で表した図である。かかる異常判定処理は、車両の運転中に、メモリに保存されたコンピュータ・プログラムに従って、適宜、反復してコンピュータPCの作動によって実行される。同図を参照して、本実施形態の異常判定処理に於いては、まず、マイクロホンの収集した音データの取得(ステップ60)、収集音の特性値の算出(ステップ62)が実行される。ここで、収集音の特性値は、収集音の音圧レベル、特定の周波数帯域の音圧レベル、周波数スペクトル分布(音響パターン)、少なくとも2つの周波数帯域の音圧レベルの比、などであってよい。次いで、GPS装置等の外部通信装置から、マイクロホンが音を収集した際の自車の位置とその周囲環境の情報(街中であるか郊外であるか、一般道上であるか高速道路上であるか、近隣に川、海、鉄道などの特定の音を発する地形又は構造物が存在するか否かなど)が取得される(ステップ64)。なお、マイクロホンの収集音は、その向きによっても変化する場合があるので、車両の向きの情報も取得されるようになっていてよい。更に、環境音は、早朝、午前、正午、午後、夕方、夜間などの時間帯によっても変化する場合があるので、マイクロホンが音を収集した際の時刻情報も取得できるようになっていてよい。
かくして、マイクロホンが音を収集した際の自車の周囲の状況についての情報が取得されると、メモリのデータベースから、取得された周囲の状況に於いて計測されるべき環境音の特性値の上下限値又は範囲の読込が為される(ステップ66)。ここで、計測されるべき環境音の特性値は、既に述べた如く、自車の周囲が街中であるか郊外であるかの情報、一般道上であるか高速道路上であるかの情報、川、海、鉄道などの音源となる地形又は構造物がどの方角にあるかの情報、時間帯情報を任意の態様にて組み合わせた情報を変数パラメータとして、データベースから選択され、或いは、データベースから選択された値を組み合わせるなどして決定されてよい。特性値範囲の形式は、収集音の特性値の形式に対応して、音圧レベル、特定の周波数帯域の音圧レベル、周波数スペクトル分布(音響パターン)、少なくとも2つの周波数帯域の音圧レベルの比、などであってよい。
計測されるべき環境音の特性値の範囲の読込が為されると、マイクロホンの収集音の特性値が、自車の周囲の状況に対応して選択又は決定された計測されるべき環境音の特性値の範囲と照合され(ステップ68)、収集音の特性値が環境音の特性値の範囲内にある場合には、マイクロホンには異常がないと判定される(ステップ70)。一方、収集音の特性値が環境音の特性値の範囲から逸脱している場合には、マイクロホンに異常があると判定される。この点に関し、既に触れた如く、収集音の特性値が過渡的又は一時的に環境音の特性値の範囲から逸脱する場合も想定されるので、所定時間に亘って収集音の特性値が環境音の特性値の範囲から逸脱した状態が継続した場合にマイクロホンに異常があると判定されるようになっていてもよい。そのために、処理に於いて、収集音の特性値の環境音の特性値の範囲からの逸脱が開始されたサイクルからスタートするタイマカウントntが設けられていてよい(ステップ72、74)。その場合、収集音の特性値が環境音の特性値の範囲から逸脱した状態の開始後からその逸脱が継続する間、タイマカウントntが上昇し、タイマカウントntが所定値ntoを越えたときには、マイクロホンに異常があると判定される。所定値ntoは、実験的に又は理論的に適宜設定されてよい。
かくして、マイクロホンの異常が判定されると、出力装置を通して、運転者に認知されるよう発せられてよい。なお、マイクロホンの異常が、例えば、マイクロホンへのゴミ等の一時的な付着或いは悪天候に起因していることもあり、その場合、時間が経てば、再びマイクロホンが正常な状態となることも有り得る。従って、上記の異常判定処理は、一旦、異常が判定された後であっても、反復して実行されてよい。
上記の如く、本発明の構成によれば、マイクロホンの故障等の異常の有無の検査が、車両の使用中に実行することが可能となり、車両の整備点検等を待たずに、マイクロホン又は走行音による他車両の検出装置の利用の可否の判断ができることとなる。また、上記の構成では、マイクロホン毎に、その異常の有無が検査されるので、複数のマイクロホンを装備した装置に於いて不具合のあるマイクロホンの特定が容易となる点で有利である。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。

Claims (3)

  1. 車両上に配置されたマイクロホンにより収集された車外音を用いて他車の存在を検知する車両検知装置であって、
    前記車両の実際に存在する位置の周囲の状況を検出する車両周囲状況検出手段と、
    前記検出された周囲の状況に対応して前記マイクロホンが正常であるときに該マイクロホンにより収集されるべき環境音の特性値を提供する環境音特性値提供手段と、
    前記マイクロホンが実際に収集した音の特性値と前記環境音特性値提供手段の提供した前記環境音の特性値とに基づいて、前記マイクロホンが異常であるか否かを判定する異常判定手段と、
    を含み、
    前記環境音特性値提供手段が前記車両の存在し得る位置の周囲の状況に於いて計測されるべき環境音の特性値を表す情報を時間帯毎に記憶する記憶手段を有し、前記検出された実際の周囲の状況とその時刻とに対応した環境音の特性値を前記異常判定手段へ提供する装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記マイクロホンが実際に収集した音の特性値が前記環境音特性値提供手段の提供した前記環境音の特性値に基づいて設定される所定の範囲内に有る場合に、前記異常判定手段が、前記マイクロホンが正常であると判定する装置。
  3. 請求項の装置であって、前記マイクロホンが実際に収集した音の特性値が前記環境音特性値提供手段の提供した前記環境音の特性値に基づいて設定される所定の範囲から所定時間に亘って逸脱した場合に、前記異常判定手段が、前記マイクロホンが異常であると判定する装置。
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