JP5864277B2 - インピーダンス計測方法、燃料電池システム、およびインピーダンス計測装置 - Google Patents

インピーダンス計測方法、燃料電池システム、およびインピーダンス計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池のインピーダンス計測方法、燃料電池システム、およびインピーダンス計測装置に関する。
近年、環境対策、および化石燃料消費量低減のために燃料電池電気自動車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle、)が注目をあびている。
燃料電池電気自動車(以下「車両」または「燃料電池車両」という)においては、搭載する燃料電池のインピーダンス特性は、車両の推進力に変換される電力の発生装置に関し、その状況を確認するうえで重要な要素であり、逐次、把握しておく必要がある。
燃料電池は、発電環境や運転条件によりインピーダンスが変化するため、広い周波数域でのインピーダンス同時計測が理想である。一方、電解質膜抵抗などを含むIR損(オーム損)のみを測定する場合は高周波域のインピーダンス計測で十分である。
従来において、燃料電池のインピーダンス測定の方法としては、所定の周波数の正弦波を加えて測定し、周波数を変えながら繰り返し測定を行うFRA(Frequency Response Analyzer)法が知られている(特許文献1〜特許文献3)。
また、FRA法以外のインピーダンス計測としては、擬似白色信号を入力した後にFFT(Fast Fourier Transform)法を用いる方法がある。例えば、非特許文献1では、正弦波の合成信号で同定する手法を用いている。
また、インバータが発するノイズを入力信号としてインピーダンスを計測する方法もある(特許文献4)。
特開2005−285614号公報 特開2008−16275号公報 特開2010−267472号公報 特開2006−252864号公報
農研報21:87−91,1994
しかしながら、特許文献1〜特許文献3にみられるFRA法は、一定の周波数の正弦波を入力して測定する手法であるため、その周波数一点でのインピーダンスしか測定できない。広範囲な周波数のインピーダンス特性を取得するためには、異なる周波数の正弦波を逐次、入力する必要があり、多大な計測時間を要する。また、特別な信号生成のためのハードウエアやソフトウエアが必要である。更にこれらの特別な入力信号を通常の負荷制御信号に重畳印可する必要があるというような問題があった。
また、非特許文献1などにみられるFFT法においては、矩形波やM系列信号(Maximum length sequence)などを入力する必要があった。また、これらの方法では前記矩形波やM系列信号といった特別の信号生成のためのハードウエアやソフトウエアが必要である。更にこれらの特別な入力信号を通常の負荷制御信号に重畳印可する必要が生じるという問題があった。
また、特許文献4にみられるインバータが発するノイズを入力信号としてインピーダンスを計測する方法においては、観測ノイズに対してインバータが発するノイズが小さいこと、更にはノイズの周波数分布が狭い事などの理由で計測精度が低すぎるという問題があった。
そこで、本発明は前記した問題を解決するためになされたものであり、簡便な装置と構成で短時間に精度の高いインピーダンスを算出するインピーダンス計測方法、燃料電池システム、およびインピーダンス計測装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、各発明を以下のような構成にした。
すなわち、本発明のインピーダンス計測方法は、燃料電池を備えて負荷に電力を供給する燃料電池システムにおける前記燃料電池のインピーダンス計測方法であって、前記負荷の変動にともない発生したハンチング現象時の前記燃料電池の電流と電圧の各々の時系列データを取得し、前記電流の時系列データと前記電圧の時系列データとをそれぞれFFT法で演算処理し、該演算処理された2つのデータによってインピーダンスを算出することを特徴とする。
また、本発明の燃料電池システムは、燃料電池と蓄電池を備えて負荷に電力を供給する燃料電池システムへの出力指示値と負荷の出力値を基に、制御演算部が算出する電力指示値によって前記燃料電池と前記蓄電池が制御される燃料電池システムであって、前記制御演算部は、ハンチングが発生する負荷変動を前記燃料電池に電力指示値として出力を指示するとともに、前記蓄電池にも出力を変動させる電力指示値として指示し、前記燃料電池と前記蓄電池の合計出力は変動させないことを特徴とする。
また、本発明のインピーダンス計測装置は、燃料電池と蓄電池を備えて負荷に電力を供給する燃料電池システムへの出力指示値と負荷の出力値を基に、制御演算部が算出する電力指示値によって前記燃料電池と前記蓄電池が制御される前記燃料電池システムにおける、前記燃料電池のインピーダンスを計測するインピーダンス計測装置であって、前記燃料電池の電流と電圧の時系列データを蓄積するデータ蓄積部と、電流と電圧を基にインピーダンスを算出するインピーダンス演算部と、を備え、該インピーダンス演算部は、所定時間内に前記負荷の所定以上の大きな変動が生じる際に前記燃料電池がハンチングする前後の電流と電圧の時系列データを前記データ蓄積部から取得し、前記燃料電池のインピーダンスを計測することを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、簡便な装置と構成で短時間に精度の高いインピーダンスを算出するインピーダンス計測方法、燃料電池システム、およびインピーダンス計測装置を提供することができる。
本発明のインピーダンス計測装置の第1実施形態または第2実施形態を燃料電池車両に組み込んだ場合の第1の構成を示す図である。 従来のインピーダンス計測装置がない燃料電池車両の構成を参考として示した図である。 本発明の第1実施形態におけるインピーダンスの計測方法のフローチャートである。 本発明のインピーダンス計測装置の第3実施形態を燃料電池車両に組み込んだ場合の第2の構成を示す図である。 本発明の第3実施形態におけるインピーダンスの計測方法の第1例のフローチャートである。 本発明の第3実施形態におけるインピーダンスの計測方法の第2例のフローチャートである。 本発明のインピーダンス計測装置の第4実施形態を燃料電池車両に組み込んだ場合の第3の構成を示す図である。 本発明のインピーダンス計測装置の第5実施形態を燃料電池車両に組み込んだ場合の第4の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態において、ハンチングが発生したときのインピーダンス計測のフローチャートである。 本発明の第1実施形態において、ハンチングが発生した場合の燃料電池もしくは蓄電池の電流と電圧波形例を示した図であり、(a)は電流波形、(b)は電圧波形である。 図10のハンチング領域の電流波形と電圧波形を拡大して表記した図であり、(a)は電流波形、(b)は電圧波形である。 ハンチング時の電流・電圧(図10(a)、(b)、図11(a)、(b))のパワースペクトルを示す図であり、(a)は電流を入力(input)としてのパワースペクトルであり、(b)は電圧を出力(output)としてのパワースペクトルである。 本発明の第1実施形態において、インピーダンスのデータの統計処理前と統計処理後を比較して示した図であり、(a)はインピーダンスのレジスタンス成分、(b)インピーダンスのリアクタンス成分を示している。 図13に示した統計処理後のデータの拡大図であり、(a)はインピーダンスのレジスタンス成分、(b)はインピーダンスのリアクタンス成分を示している。 図14(a)、(b)のレジスタンス値とリアクタンス値に基づき作成したコールコールプロットである。
本発明の実施形態は、燃料電池のインピーダンス計測において特別な入力(正弦波や矩形波、M系列信号など)を用いずに、負荷変動時にハンチング(電流や電圧が過渡状態時に振動的になる現象)が起きた際あるいは起きる際の電流電圧の時系列データからインピーダンスを算出するインピーダンス計測方法を提供するものである。
これによれば、特別な入力信号作成のためのハードウエアやソフトウエアが不要となり、また計測のための特別な計測モードが不要となる効果がある。
また、ハンチング発生時には必ず高周波域のインピーダンスが算出できるという効果がある。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明はインピーダンス計測方法とインピーダンス計測装置の説明であるが、燃料電池システムの説明も兼ねている。
(第1実施形態)
図1は本発明のインピーダンス計測装置(インピーダンス計測部)の第1実施形態を燃料電池車両に組み込んだ場合の第1の構成を示す図である。
図1において、本発明の第1実施形態であるインピーダンス計測装置101は、インピーダンス演算部111とデータ蓄積部112とを備えて構成されている。
燃料電池車両(不図示)は、車両を駆動するエネルギー源である燃料電池13と、燃料電池13を補完する役目の蓄電池14と、車両を駆動するモータ(負荷、負荷装置)16と、燃料電池13と蓄電池14が出力する電力を指示する制御演算部(制御演算装置)12と、制御演算部12にモータの情報信号を送る偏差信号部11と、燃料電池13と蓄電池14の出力電力を合成する駆動電力合算部15とを備えている。
モータ出力指示値(目標電流値)11Sと、モータ16の駆動出力を反映したモータ出力値(実電流値、モータ出力)16Mと、が偏差信号部11にそれぞれ入力し、その偏差が偏差信号部11から偏差信号11Dとして出力され、制御演算部12に入力される。
制御演算部12は、偏差信号11Dと、インピーダンス計測装置101のインピーダンス値信号101Sとを参照して、電力指示値12S(もしくは電流指示値12S)を、電流電圧制御部17を介して燃料電池13には電力指示値12SFを送り、蓄電池14には電力指示値12SBを送る。
なお、電力指示値12Sは、制御演算部12が電力値を指示する場合のものであって、制御演算部12が電流値を指示する場合には「電流指示値12S」となる。
また、燃料電池13は、燃料電池出力電力13Pを駆動電力合算部15へ送る。
また、蓄電池14は、蓄電池出力電力14Pを駆動電力合算部15へ送る。
駆動電力合算部15において、燃料電池出力電力13Pと蓄電池出力電力14Pは、合算されてモータ駆動電力15Pとしてモータ16に送られて、その電力でモータ16を駆動する。
なお、燃料電池13、蓄電池14、駆動電力合算部15、モータ16の間には図示しないチョッパやインバータが備えられている。また燃料電池13の出力は、モータ以外にも、図示しない補機(デバイス)でも消費される。
また、燃料電池13への電力指示値12SFは、燃料電池13の図示しない制御回路に対して出力される。
モータ16は駆動されるとともに、その駆動出力を反映した電気信号のモータ出力値16Mを前記したように、偏差信号部11に送る。
また、燃料電池13の電流値と電圧値は、燃料電池電流電圧信号13Sとして、インピーダンス計測装置101に送られる。
インピーダンス計測装置101は、データ蓄積部112とインピーダンス演算部111を備えている。
データ蓄積部112は、燃料電池電流電圧信号13Sに含まれる電流および電圧の時系列データを蓄積して記憶する。
また、インピーダンス演算部111は、データ蓄積部112に蓄積された電流および電圧の時系列データを用いて、詳細は後記するようなFFT演算や窓関数処理の演算や統計処理を実施し、所定の周波数帯域におけるインピーダンスを演算する。
インピーダンス計測装置101は、インピーダンス演算部111が算出した燃料電池13のインピーダンス値をインピーダンス値信号101Sとして、前記したように制御演算部12に送る。
また、制御演算部12は、インピーダンス値信号101Sを受けて、燃料電池13、および蓄電池14の制御方法を変更する。
なお、燃料電池13の出力は、モータ16以外にも、図示しないバッファを介して、図示しない補機でも消費されることがある。
<参考図・従来のインピーダンス計測装置がない燃料電池車両の構成>
図2は、従来のインピーダンス計測装置がない燃料電池車両の構成を参考として示した図である。
図2の参考図においては、図1のインピーダンス計測装置101がない。
ただし、それ以外の偏差信号部11、制御演算部12、電流電圧制御部17、燃料電池13、蓄電池14、駆動電力合算部15、モータ16を備えた構成は、図1と同様の構成である。
つまり、この従来の燃料電池車両では、燃料電池13と蓄電池14の電力をモータ出力指示値11Sとモータ出力値16Mのみによって調整し、出力していた。したがって、燃料電池13の内部状態を反映したインピーダンスを考慮していない制御となっている。
一方、本発明の第1実施形態においては、インピーダンス計測装置101(図1)を備えて、燃料電池13の内部状態を反映したインピーダンスを計測して、制御演算部12に入力している。したがって、発電環境や運転条件を反映したより好ましい制御となる。
<第1実施形態のインピーダンスの計測方法のフローチャート>
次に、第1実施形態におけるインピーダンス計測装置101(図1)のインピーダンスの計測方法について説明する。
図3は、第1実施形態におけるインピーダンスの計測方法のフローチャートである。以下にフローチャートに基づいて説明する。
《ステップS301》
まず、モータ16(図1)などの負荷が所定以上の負荷変動をした場合には、必ずハンチングが発生すること、およびその条件を事前に検証、把握しておく。
ちなみに、図3においては、ステップS301を「ハンチング発生の事前検証」と表記している。
また、ステップS301の工程は、「ハンチング発生の事前検証」という文言に示されているように、車両が運行される前に特性を検証しておく工程である。
なお、ハンチングとは負荷変動が所定以上の場合において、燃料電池13(あるいは蓄電池14、図1)において、電流や電圧が過渡的に振動もしくはそれに類する不安定な状態が生ずる現象である。また、燃料電池13を制御している電流電圧制御部17(図1)を含めてハンチング現象が発生する。
また、本発明で言う、負荷の変動にともなう現象に係る電力関連値とは、負荷変動に起因して燃料電池システム内に発生する、ハンチング等の現象に関連した燃料電池および/または蓄電池の電力や電流、電圧の値のことを指している。
《ステップS302》
次に、制御演算部12(図1)において、モータ出力指示値11Sを反映した偏差信号11Dに基づいて、負荷変動の予測を行い、ハンチングが発生する可能性がある場合には、ハンチング発生予想信号12Hをインピーダンス計測装置101に送る。
また、図3においては、ステップS302を「負荷変動の予測」と表記している。
《ステップS303》
次に、インピーダンス計測装置101に備えられたデータ蓄積部112は、ハンチング発生予想信号12Hを受けて、燃料電池13の燃料電池電流電圧信号13Sから、電流と電圧の時系列データを取得して蓄積、記憶する。なお、このデータの取得および蓄積は、ハンチング発生予想信号12Hを受けて開始されるので、ハンチング発生前の電流と電圧の時系列データも取得、蓄積される。
また、図3においては、ステップS303を「データ取得」と表記している。
《ステップS304》
次に、インピーダンス計測装置101に備えられたインピーダンス演算部111は、データ蓄積部112から電流と電圧の時系列データを取得して、燃料電池13のインピーダンスを演算する。なお、インピーダンスは周波数特性を有している。
なお、電流と電圧の時系列データから燃料電池13のインピーダンスを演算する過程の詳細については後述する。
また、図3においては、ステップS304を「インピーダンス計測」と表記している。
また、演算されたインピーダンス値は、インピーダンス計測装置101からインピーダンス値信号101Sとして、制御演算部12に送られ、計測したインピーダンス値を加味した制御が制御演算部12によって行われる。
以上のステップS302〜ステップS304は、モータ16(図1)が駆動する車両が運行されている過程での図1に示された制御の工程である。
《ステップS305》
次に、インピーダンスの計測方法とは異なり、インピーダンスを計測した後の工程であるが、図1では示されていない工程についても説明する。
制御演算部12は、燃料電池13のインピーダンス値を基に、燃料電池13の電解質膜の膜抵抗値の算出を行う。
また、図3においては、ステップS305を「膜抵抗値の算出」と表記している。
《ステップS306》
次に、算出した膜抵抗値に基づき、燃料電池13の電解質膜の膜含水率の推定を実施する。
また、図3においては、ステップS306を「膜含水率の推定」と表記している。
《ステップS307》
次に、算出または推定した膜抵抗値や膜含水率を、図示していない燃料電池制御装置にデータ送信する。
燃料電池制御装置は、膜抵抗値や膜含水率に基づき、燃料電池13や燃料電池システムを適正な環境となるように制御する。
また、図3においては、ステップS307を「データ送信」と表記している。
以上、第1実施形態によれば、ハンチングの発生を事前に把握できるので、簡便な装置のインピーダンス計測装置101で消費電力を節約しながらハンチング状データを洩れなく計測でき、精度の高いインピーダンス計測ができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を説明する。
本発明のインピーダンス計測装置の第2実施形態を燃料電池車両に組み込んだ場合の見かけ上の構成は図1と同じであるので同じ図1を用いて説明する。
第2実施形態において、制御演算部12は、燃料電池13のインピーダンスを計測する必要が生じた際には、ハンチングが発生する負荷変動の電力(電流)指示12Sを燃料電池13に送る。これによって燃料電池13はハンチングを発生するのでインピーダンス計測装置101は、燃料電池13のインピーダンスを計測することができる。
なお、第1実施形態では、図3のステップS302において制御演算部12による負荷変動の予測がインピーダンス計測装置101に送られていたが、第2実施形態では、図3のステップS302において、併せて、制御演算部12による燃料電池13へのハンチングが発生する電力(電流)指示12S(12SF)が燃料電池13に送られる。それ以外の重複する説明は省略する。
また、第2実施形態において、制御演算部12による燃料電池13へのハンチングが発生する負荷変動を起こす電力(電流)指示12S(12SF)を燃料電池13に対し送る際には、それとともに、蓄電池14にもその出力を変動させる、電力(電流)指示12SFとは逆位相の、電力(電流)指示12SBを送る。これら互いに逆位相の電力指示12SFと電力指示12SBとによって、駆動電力合算部15においては燃料電池13の出力と蓄電池14の出力の合計出力は一定となるようにして、負荷(モータ)16への出力を変動させない方法もある。
以上、第2実施形態によれば、制御演算部12が燃料電池13のインピーダンスを把握したい状況で、直ちにインピーダンスの計測をできるという効果がある。
(第3実施形態)
図4は、本発明のインピーダンス計測装置の第3実施形態を燃料電池車両に組み込んだ場合の第2の構成を示す図である。
図4において、図1と異なるのは、インピーダンス計測装置101において、ハンチング検出部113を更に備えたことである。
ハンチング検出部113は、燃料電池13の燃料電池電流電圧信号13Sからハンチング状態、もしくはハンチングの事前状態を検出(検知)する。
インピーダンス計測装置101に備えられたデータ蓄積部112は、ハンチング検出部113がハンチング状態、もしくはハンチングの事前状態を検出した信号を受けて、燃料電池13の燃料電池電流電圧信号13Sから、電流と電圧の時系列データを取得して蓄積、記憶する。
また、インピーダンス計測装置101に備えられたインピーダンス演算部111は、データ蓄積部112から電流と電圧の時系列データを取得して、燃料電池13のインピーダンスを演算する。
なお、図4においては、ハンチングを検出するハンチング検出部113を備えているので、図1における制御演算部12からのハンチング発生予想信号12H(図1)は、図4では必要とせず、存在していない。
以上、図4では、インピーダンス計測装置101において、ハンチング検出部113を更に備えたことと、ハンチング発生予想信号12H(図1)がないこと以外は、図1と同様の構成であるので、重複する説明は省略する。
<第3実施形態のインピーダンスの計測方法の第1例のフローチャート>
次に、第3実施形態におけるインピーダンス計測装置102(図4)のインピーダンスの計測方法について説明する。
図5は、第3実施形態におけるインピーダンスの計測方法の第1例のフローチャートである。以下にフローチャートに基づいて説明する。
《ステップS401》
ステップS401の「ハンチング発生の事前検証」は、図3のステップS301と同様であるので、重複する説明は省略する。
《ステップS402》
インピーダンス計測装置102(図4)に備えられたハンチング検出部113は、燃料電池電流電圧信号13Sから燃料電池13の電流・電圧を常時監視する。
また、図5においては、ステップS402を「電流電圧の常時監視」と表記している。
《ステップS403》
次に、ハンチング検出部113は、燃料電池13の電流・電圧の変化からハンチング状態、もしくはハンチングの事前状態となる負荷変動を検出する。
また、図5においては、ステップS403を「負荷変動の検知」と表記している。
《ステップS404》
次に、ハンチング検出部113がハンチング状態、もしくはハンチングの事前状態を検出した信号を受けて、データ蓄積部112は、燃料電池13の燃料電池電流電圧信号13Sから、電流と電圧の時系列データを取得して蓄積、記憶する。
また、図5においては、ステップS404を「負荷変動の入力」と表記している。
《ステップS405》
次に、インピーダンス演算部111は、データ蓄積部112から電流と電圧の時系列データを取得して、燃料電池13のインピーダンスを演算する。
また、図5においては、ステップS405を「インピーダンス計測」と表記している。
《ステップS406〜ステップ408》
ステップS406〜ステップ408における「膜抵抗値の算出」、「膜含水率の推定」、「データ送信」は、図3におけるそれぞれステップS305〜ステップS307と同様であるので重複する説明は省略する。
<第3実施形態のインピーダンスの計測方法の第2例のフローチャート>
次に、第3実施形態におけるインピーダンスの計測方法の第2例について説明する。
図6は、第3実施形態におけるインピーダンスの計測方法の第2例のフローチャートである。以下にフローチャートに基づいて説明する。
《ステップS501〜ステップS502》
ステップS501の「ハンチング発生の事前検証」とステップS502の「電流電圧の常時監視」は、図5のステップS401とステップS402とそれぞれ同様であるので、重複する説明は省略する。
《ステップS503》
ハンチング検出部113は、電流指示値による燃料電池13の電流値の変化幅、変化の完了時間を計測する。
また、図6においては、ステップS503を「電流指示値の変化幅・完了時間の計測」と表記している。
《ステップS504》
ハンチング検出部113は、所定の電流値の変化幅、変化の完了時間の条件に合致した変化の回数を計測して、所定回数(所定値)を超したか否かを判定する。
所定回数を超した場合(YES)は、ステップS505に進む。所定回数を超えない場合(NO)は、ステップS503に戻る。
また、図6においては、ステップS504を「変化回数が所定値を超したか」と表記している。
《ステップS505》
ハンチング検出部113は、前述した条件に合致した変化において、電圧が電流と逆位相で変動しているかを判定する。
電圧が電流と逆位相で変動している場合(YES)には、ステップS506に進む。電圧が電流と逆位相で変動していない場合(NO)には、ステップS503に戻る。
《ステップS506》
ハンチング検出部113は、電圧が電流と逆位相で変動している場合はハンチング発生と判定(判断)する。
そして、ステップS508に進む。
また、図6においては、ステップS506を「ハンチング発生と判断」と表記している。
《ステップS507》
データ蓄積部112は、燃料電池13の電流と電圧の時系列データを蓄積、記憶している。なお、時系列データの容量が、データ蓄積部112が保存できる容量を超えた場合には、時系列において、古いデータから消去され、新しいデータが順次、書き込まれて保存される。
また、図6においては、ステップS507を「データ保存」と表記している。
《ステップS508》
次に、インピーダンス演算部111は、ハンチング検出部113がステップS505において「ハンチング発生と判断」した場合において、データ蓄積部112から電流と電圧の時系列データを取得して、燃料電池13のインピーダンスを算出する。
また、図6においては、ステップS508を「インピーダンス算出」と表記している。
《ステップS509〜ステップS511》
ステップS509〜ステップS511における「膜抵抗値の算出」、「膜含水率の推定」、「データ送信」は、図3におけるそれぞれステップS305〜ステップ307と同様であるので重複する説明は省略する。
以上、第3実施形態においては、ハンチングの発生をインピーダンス計測装置101で検出するので、実際のハンチングの発生に即したインピーダンスの計測ができるという効果がある。また、ハンチングの発生以外にも、電流と電圧の変動があれば、その振動波形を用いてインピーダンスの計測ができるという効果もある。
(第4実施形態)
図7は、本発明のインピーダンス計測装置の第4実施形態を燃料電池車両に組み込んだ場合の第3の構成を示す図である。
図7において、図1の構成と異なるのは、インピーダンス計測装置101において、燃料電池13のみならず蓄電池14のインピーダンスを計測する構成としたことである。
制御演算部12からのハンチング発生予想信号12Hを受けたインピーダンス計測装置101は、燃料電池13と蓄電池14のインピーダンスを計測する。
インピーダンス計測装置101は、燃料電池13と蓄電池14のインピーダンス値をそれぞれ、もしくは合成処理した信号であるインピーダンス値信号101Sを制御演算部12に送る。
制御演算部12は、燃料電池13のインピーダンスのみならず蓄電池14のインピーダンスを把握できるので、より好ましい制御が可能となる。
それ以外の構成と動作は、図1と同様であるので、重複する説明は省略する。
(第5実施形態)
図8は、本発明のインピーダンス計測装置の第5実施形態を燃料電池車両に組み込んだ場合の第4の構成を示す図である。
図8において、図4の構成と異なるのは、インピーダンス計測装置102において、燃料電池13のみならず蓄電池14のインピーダンスを計測する構成としたことである。
インピーダンス計測装置102は、ハンチング検出部113によってハンチング状態、もしくはハンチングの事前状態を検出すると燃料電池13と蓄電池14のインピーダンスを計測する。
インピーダンス計測装置102は、燃料電池13と蓄電池14のインピーダンス値をそれぞれ、もしくは合成処理した信号であるインピーダンス値信号102Sを制御演算部12に送る。
制御演算部12は、燃料電池13のインピーダンスのみならず蓄電池14のインピーダンスを把握できるので、より好ましい制御が可能となる。
それ以外の構成と動作は、図4と同様であるので、重複する説明は省略する。
<ハンチングが発生したときのインピーダンス計測の詳細・その1>
次に、ハンチングが発生したときのインピーダンス計測の詳細について説明する。
図9は、ハンチングが発生したときのインピーダンス計測のフローチャートであるが、図9のフローチャートの説明にさきだって、ハンチングが発生した場合の燃料電池13もしくは蓄電池14の電流と電圧波形を説明する。
図10は、ハンチングが発生した場合の燃料電池13もしくは蓄電池14の電流と電圧波形例を示した図であり、(a)は電流波形、(b)は電圧波形である。
図10(a)において、横軸は時間(time)であり、縦軸は電流値である。また、計測のサンプリング周波数は20kHzである。
時間(time)0〜0.1秒において、負荷はゼロ(0)であるので燃料電池13の出力する電流値も0である。
概ね0.1秒から負荷が増加し、燃料電池13の電流値が1.3Aを出力するように制御演算部12から電力(電流)指示値12S(12SF)が電流電圧制御部17に出される。このときに燃料電池13の電流は、直ちに、あるいは滑らかに1.3Aに達するとは限らず、所定の条件のときには、図10(a)に見られるように電流は振動することがある。この電流が振動する領域がハンチング領域である。
図10(b)は、このときの燃料電池13の電圧波形であって、横軸は時間(time)であり、縦軸は電圧値である。また、計測のサンプリング周波数は20kHzである。
時間(time)0〜0.1秒において、負荷はゼロ(0)であるので流れる電流は前述したように0であるので、燃料電池13の出力電圧は、開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)の概ね0.975Vである。
概ね0.1秒から負荷が増加し、電流が流れだすと電圧降下によって燃料電池13の出力電圧は低下する。このときの燃料電池13の出力電圧は、直ちに、あるいは滑らかに電圧降下するとは限らず、所定の条件のときには、図10(b)に見られるように電圧は振動することがある。
なお、図10(a)の電流波形と、図10(b)の電圧波形は互いに関連している。
図11は、図10のハンチング領域の電流波形と電圧波形を拡大して表記した図であり、(a)は電流波形、(b)は電圧波形である。
図11(a)において、横軸は時間(time)であり、縦軸は電流値である。
電流の振動波形において、矢印(→)で示した場所は、振動の大きい箇所の例である。
この電流の振動波形において、振動の大きい箇所とは、一例として、変化時間Δtが概ねマイクロ秒で電流変化幅ΔIが概ね0.13Aである。この振動の大きい箇所が所定時間が概ね100ミリ秒(負荷の変動した範囲)以内に、例えば、概ね10個以上あるとハンチングと判定する。
なお、以上の判定基準は一例であって、燃料電池13や負荷16によって変わることがある。
図11(b)において、横軸は時間(time)であり、縦軸は電圧値である。
前記したように、燃料電池13の出力電圧は、電流が流れると電圧降下をするので、電圧波形の変化は、図11(a)の電流波形の変化を概ね反転した波形となっている。この電圧波形の変化と電流波形の変化が反転した関係となっていることも、ハンチングと判定するひとつの要素となる。
なお、第1実施形態〜第4実施形態においては、図10、図11の特性から見られるように、ハンチング区間が概ね0.1秒で、ハンチング前後の0.15秒を加えた合計0.25秒間のデータから燃料電池13のインピーダンス測定が可能である。
<ハンチング時の電流・電圧のパワースペクトル>
図12は、ハンチング時の電流・電圧(図10(a)、(b)、図11(a)、(b))のパワースペクトルを示す図であり、(a)は電流を入力(input)としてのパワースペクトルであり、(b)は電圧を出力(output)としてのパワースペクトルである。
なお、図1においては、制御演算部12の電力指示値は、電流指示値12Sとして電流電圧制御部17に指示を出している。このとき電流電圧制御部17は燃料電池13への電力指示値として電流指示値12SFを出している。
したがって、燃料電池13からみると電流が入力(input)であり、それを反映して電圧が出力(output)するので、図12では、図12(a)の電流波形が「input」と表記され、図12(b)の電圧波形が「output」と表記されている。
図12(a)、(b)の横軸は周波数(Frequency(Hz))であり、縦軸はゲイン(gain)である。
図12(a)、(b)に示すように、パワースペクトルは一定ではないので、理想的な白色信号ではないが、白色信号の代用としてよく用いられるM系列信号のパワースペクトルに白色性の観点からは、さほど劣らない程度のパワースペクトルを有している。
<本願の手法と、従来のFRA法とM系列によるFFT演算手法との関係>
前記したように、従来のFRA法による燃料電池のインピーダンス計測においては、単一周波数の正弦波によるインピーダンス計測を行い、そして周波数を変えて、同じインピーダンス計測を必要な周波数帯域において、繰り返し行う手法であるので、多大な時間を要するために、短時間の現象における過渡的なインピーダンス特性の変化は計測できなかった。
また、M系列信号を燃料電池の入力電流に印加し、入力電流値と出力電圧値の時系列データを計測し、それらのデータにFFTを施し、入出力のFFT結果からインピーダンスを算出する方法は、M系列信号といった特別の信号生成のためにハードウエアやソフトウエアが必要であり、更にこれらの特別な入力信号を通常の信号に重畳印加する必要があった。
本願の実施形態においては、ハンチング現象における電流と電圧のハンチング状データ
のパワースペクトル(図12)が前述したように白色信号、あるいはM系列信号の代用になりうることを利用する。そして、ハンチング時の電流と電圧の時系列データを用いて燃料電池の高周波域のインピーダンスの計測を迅速かつ簡便に行うものである。
<ハンチング状データからのインピーダンス計測方法のフローチャート>
次に、本願の実施形態によるハンチング状データからのインピーダンス計測方法について説明する。
本願の実施形態では、電流と電圧のハンチング状データ(図11)からインピーダンスを計測する。
ただし、電流と電圧のハンチング状データは連続した無数(複数)の周波数を有するので広い周波数帯域のインピーダンスの測定が原理的に可能であっても、図11(a)、(b)に示すように、データとしては時間領域の無数(複数)の周波数特性が混濁したデータのままであって、周波数特性によって変化するインピーダンスデータとしての特性データとなっていない。
したがって、例えばFFTによる高速のフーリエ変換の演算によって、周波数領域に変換する必要がある。この変換によって、周波数特性によって表現されるインピーダンスデータが得られる。
また、電流と電圧のハンチング状データには、様々なノイズがのっているので、単なるFFTによる変換では、精度の高いインピーダンス計測はできない。したがって、ノイズによる影響を軽減する演算処理を行うことが望ましい。
次に、FFT変換とノイズを軽減する演算処理を含めたインピーダンス計測を前記した図9を参照して説明する。
<ハンチングが発生したときのインピーダンス計測の詳細・その2>
ハンチングが発生したときのインピーダンス計測の詳細について説明する。
前述したように、図9は、ハンチングが発生したときのインピーダンス計測のフローチャートである。フローチャートにおける各ステップについて順に説明する。
《ステップS601》
まず、ハンチングが発生したときの燃料電池13の入力電流と出力電圧値の時系列データを燃料電池電流電圧信号13Sから計測(取得)し、データ蓄積部112に蓄積する。
なお、図3においては、入力電流値と出力電圧を計測する機器については図示していない。
また、図9においては、ステップS601を「電流値と電圧値の時系列データを各々計測」と表記している。
《ステップS602》
次に、入力電流値と出力電圧値の各々から平均値を減ずる統計処理を行う。
これは、入力電流値と出力電圧値の時系列データの平均値が0に近い方が演算の精度が高まるためである。
より具体的には、入力電流値と出力電圧の入出力時系列データの各々の平均値をゼロ(0)かゼロに近い(入力電流値と出力電圧値のそれぞれの変化幅の±50%以下が望ましい)値に前処理をする。この前処理を行った以降にFFT演算処理を行う。なお、この前処理とFFT演算処理との間に、次に述べるステップS603の窓関数処理が入ることがある。
また、この平均値をゼロかゼロに近い値に前処理する過程は、図1のインピーダンス演算部111のなかで実施される。
また、図9においては、ステップS602を「電流データと電圧データから各々平均値を減ずる」と表記している。
《ステップS603》
次に、入力電流値と出力電圧値の各々に窓関数を乗じる。
これは、解析、演算過程の精度を高めるために行う。また、この処理はソフトウエアで行われる。なお、この過程は、図9のインピーダンス演算部111のなかで実施される。
また、図9においては、ステップS603を「電流データ、電圧データに各々窓関数を乗じる」と表記している。
《ステップS604》
次に、入力電流値と出力電圧値に対してFFTの演算を行う。
これは、入力電流値と出力電圧値はハンチング状データであるので、データとしては時間領域に無数の周波数特性が混濁したデータのままであって、周波数特性によって表記されるデータとはなっていない。周波数特性によるインピーダンスデータを得るために、それぞれをFFTにより、フーリエ変換を行う。
このFFTの演算によって、時系列データである入力電流値と出力電圧値は、周波数特性で表記される入力電流値と出力電圧値へ変換される。
なお、この過程は、図9のインピーダンス演算部111のなかで実施される。
また、図9においては、ステップS604を「電流データと電圧データを各々FFT」と表記している。
《ステップS605》
次に、FFTの演算を実施するステップS604で得られた周波数特性で表記される入力電流値と出力電圧値のデータを用いて、周波数特性で表記されるインピーダンスを算出する。
なお、この過程は、図9のインピーダンス演算部111のなかで実施される。
また、図9においては、ステップS605を「電流、電圧のFFTからインピーダンスを算出」と表記している。
《ステップS606》
次に、ステップS605で得られたインピーダンスに統計処理を行う。
なお、この過程は、図9のインピーダンス演算部111のなかで実施される。
また、図9においては、ステップS606を「インピーダンスに統計処理」と表記している。
また、インピーダンスに統計処理を行う処理については、次に詳細に説明する。
≪データの統計処理≫
次に、図9のフローチャートのステップS605で算出したインピーダンスのデータを統計処理して精度を高める方法について述べる。なお、このインピーダンスのデータを統計処理する方法は、図9のインピーダンス計測のフローチャートにおけるステップS606に相当する。
まず、<統計処理の概略>について述べ、次に<統計処理の詳細>を説明する。
<統計処理の概略>
統計処理はすべての周波数領域のインピーダンスのデータを一括して行うのではなく、所定の区間(周波数範囲)を設定し、この区間の単位で統計処理を実施する。そして、この所定の区間を低周波から高周波の方向に順に移動させて行き、対象とする全周波数領域の統計処理を完了する。
<統計処理の詳細>
まず、統計処理をする所定の区間の周波数領域の高周波側と低周波側にそれぞれ測定対象の所定の個数を設定する。
次に、前記所定の個数のデータを用いて、設定した区間(周波数範囲)内のレジスタンスとリアクタンスのそれぞれの中央値(median値)を算出する。
このとき、統計処理する周波数の高域だけで統計処理をしてもよいし、また低域だけで統計処理をしてもよい。
なお、統計処理の方法は「平均値」を含めて様々にあるが、データに著しい偏りがある場合には、「平均値」よりも「中央値」の方が実情に適した統計処理結果が得られる。
また、レジスタンス(Rr)とリアクタンス(Ri)からインピーダンス(Imp)を算出する際は、
Imp=Rr+Ri×i
とする。なお、iは虚数を示す。
そして、統計処理をする区間(周波数範囲)を逐次移動させながら、その区間において前記した中央値を算出する処理(median処理)を行う。ただし、統計処理において用いるデータ数は、統計処理をする区間の周波数が低周波から高周波に移動するにつれ、高周波の方のデータ数が多くなるように選定する。
すなわち、統計処理に用いるデータの周波数範囲が高周波数ほど広くなるように選定する。ただしデータの周波数間隔は通常一定なのでlogスケールで処理結果を取得する場合は、高周波領域においては処理時間が増大してしまう。
つまり、処理するデータが1Hz間隔で存在する場合、10Hzから100Hzまでの周波数範囲には90個データがある一方、100Hzから1kHzには900個のデータが存在する。したがって高周波領域においては、処理データが膨大になり処理時間が増大する。
これを回避するには高周波数領域においては、統計処理を1Hz毎に実施せず、例えば10Hz間隔で実施するようにする。これにより処理数が減少し処理時間が短縮する。
なお、統計処理間隔を広げても処理毎に扱うデータの個数や周波数範囲は、1Hz毎に処理した場合と同じであるため、処理結果の精度は低下しない。周波数軸における処理結果取得間隔が広くなるだけである。
また、前記した中央値は、統計処理をする区間(周波数範囲)を逐次移動させながら算出していくので移動median値(移動中央値、移動統計処理値)とも称する。
なお、レジスタンスとリアクタンスの統計処理において、それぞれの統計処理に用いるデータ数が異なってもよい。また、前記した高周波になるにつれて増加させるデータ数の増加方法が異なってもよい。
また、レジスタンスとリアクタンスの統計処理において、それぞれの統計処理に用いるデータが、高周波になるにしたがって、周波数範囲の増加方法が異なってもよい。
また、レジスタンスとリアクタンスの統計処理において、それぞれの統計処理に用いるデータが、高周波になるにしたがって、統計処理を行う間隔を広くしてもよい。
また、レジスタンスとリアクタンスの統計処理において、それぞれの統計処理に用いるデータが、一つ以上の所定の周波数より高周波になると前記統計処理の間隔を順に広くしてもよい。
また、前記の統計処理で算出したレジスタンスの移動median値(移動統計処理値)は、低周波側から高周波側に向かうにつれ、強制的に単調減少か、一定になるようにしてもよい。
つまり、統計処理したある周波数の区間Aと、区間Aの高周波側に隣接する区間(A+1)のレジスタンスを比較し、区間(A+1)におけるレジスタンスの移動median値であるレジスタンス(A+1)が区間(A)におけるレジスタンスの移動median値であるレジスタンス(A)より大きい場合は、レジスタンス(A+1)の値としてレジスタンス(A)の値を採用する。
また、リアクタンスの移動median値(移動統計処理値)は、低周波から高周波に向かうにつれ増加しても減少してもよい。ただし、上下変化(増加、減少)に際しては、レート(変化率)制限(変化割合制限)を設けてもよい。
その場合、区間(A+1)におけるリアクタンスの移動median値であるリアクタンス(A+1)がリアクタンス(A)+ΔAより大きい場合には、リアクタンス(A+1)の値として、リアクタンス(A)+ΔAを採用する。
またリアクタンス(A+1)がリアクタンス(A)−ΔAよりも小さい場合は、リアクタンス(A+1)の値として、リアクタンス(A)−ΔAを採用する。
なお、ΔAは、リアクタンス(A+1)とリアクタンス(A)の差である。
<統計処理の実測データ例>
次に、インピーダンスのデータを統計処理した実測データ例について示す。
図13は、インピーダンスのデータの統計処理前と統計処理後を比較して示した図であり、(a)はインピーダンスのレジスタンス成分、(b)インピーダンスのリアクタンス成分を示している。
なお、図13(a)、(b)の横軸は周波数(Frequency(Hz))であり、縦軸はそれぞれレジスタンス値とリアクタンス値である。
図13(a)、(b)において、灰色で示した統計処前のデータは高周波域(概ね10〜10)でばらついている。しかし、黒色で示した統計処後のデータは高周波域(概ね10〜10)も含めて統計処前のデータに比較するとばらつきが小さい。
統計処理によって、ぱらつきが大きく軽減されたことを示している。
なお、図13(a)、(b)における統計処理後のデータおよび統計処理前のデータは、ともに図9のフローチャートにおけるステップS602とステップS603の処理は行われているデータである。
図14は、図13に示した統計処理後のデータの拡大図であり、(a)はインピーダンスのレジスタンス成分、(b)はインピーダンスのリアクタンス成分を示している。
なお、図14(a)、(b)の横軸は、周波数(Frequency(Hz))であり、縦軸はそれぞれレジスタンス値とリアクタンス値である。ただし縦軸におけるそれぞれの目盛が細密になって細かい変化を図示している。
図14(a)、(b)において、20Hz以下の低周波域においてばらつきが見られるものの、高周波域(概ね10〜10)ではばらつきが小さい、つまり精度が高いことを示している。
<コールコールプロット>
図15は、図14(a)、(b)のレジスタンス値とリアクタンス値に基づき作成したコールコールプロット(コールコール図)である。
図15の横軸は、レジスタンス値であり、縦軸はリアクタンス値である。それぞれの周波数におけるレジスタンス値とリアクタンス値が満たす点を、周波数を変化させて図示している。なお、レジスタンス値とリアクタンス値がともに小さい左側が高周波域である。
図15において、「FRA」と表記した特性線が従来のFRAで計測、図示したものであり、「本実施形態」と表記した特性線が、図14(a)、(b)のレジスタンス値とリアクタンス値に基づき作成したものである。
従来のFRAの計測方法は時間がかかるものの比較的、正確な計測結果が得られる。
そのFRAの計測結果と本実施形態による計測結果は、高周波域において、概ね同じような値と特性を示している。
したがって、ハンチング現象の発生時においてインピーダンスを測定する本実施形態の計測方法は、少なくとも高周波域においては、比較的、精度の高い計測結果が得られる。
つまり、本実施形態の計測方法によれば、簡易的な計測装置(ハードウエアとソフトウエア)の構成で、短時間で、かつ高い精度の計測結果が得られる。
また、中低周波域においても実用的な精度で燃料電池のインピーダンスの計測が可能である。
なお、燃料電池の周波数特性における高周波域、あるいは中低周波域は、燃料電池の出力密度によって変化する。
例えば、燃料電池の出力密度が0.01A/cm程度では、数10Hz以上が高周波域に属し、0.5Hz程度が中周波域、0.1Hz以下が低周波域である。
また、燃料電池の出力密度が0.1A/cm程度では、100Hz以上が高周波域に属し、数10Hz程度が中周波域、1Hz以下が低周波域である。
また、燃料電池の出力密度が1A/cm以上では、500Hz以上が高周波域に属し、100Hz程度が中周波域、1Hz以下が低周波域である。
(その他の実施形態)
次に、その他の実施形態について、説明する。
≪フラッディング≫
以上においては、負荷変動による燃料電池の電流と電圧のハンチング現象を利用することを説明したが、インピーダンス計測に利用できる燃料電池の電流と電圧の変動はそればかりではない。
例えば、フラッディング(水閉塞による酸素供給不足)による燃料電池の電流と電圧の変動を検出して、その区間において、インピーダンス計測に利用することもできる。
フラッディングによる電流、電圧の変動の場合は、負荷への電力指示値が一定値、あるいは、非常にゆっくり変化している場合にでも生ずる。
≪音を発生するデバイスへの対策≫
燃料電池13の負荷16はモータばかりではない。エアポンプ、W/P、インジェクターなどの音を発生することのある負荷も接続されていることがある。これらの負荷が接続された状態で、制御演算部12からハンチングを発生させるために負荷変動を指示すると、前記した音の発生しやすいデバイスは、騒音を増加することがある。
したがって、DC/DCコンバータを介して燃料電池から電力を取得するなどの対策をとることにより、インピーダンス計測中の騒音の増加を防止できる。
≪所定の電流範囲の負荷変動≫
また、負荷装置(モータ)16が所定の電流密度範囲の負荷変動を繰り返す運転領域に入るときに、燃料電池13のインピーダンスを計測する方法もある。
例えば、0.01A/cm程度の電流密度と0.03A/cm程度の電流密度を繰り返す場合である。
これは、0.01A/cm程度の電流密度においては、燃料電池13の電圧が比較的高電位となり、この高電位を長時間、維持すると燃料電池13の劣化が進行しやすくなる。そこで所定時間以上の高電位が持続しないように電位が若干低下する「0.03A/cm程度の電流密度」との間で負荷変動を繰り返す。このときの負荷変動をインピーダンス計測に利用する。
≪燃料電池の起動チェック直後のインピーダンス計測≫
燃料電池の起動チェック直後においては、ハンチング現象に相当する燃料電池の電流と電圧の変動がある。このときの電流と電圧の変動をインピーダンス計測に利用する。
≪アイドリング停止と通常発電の切替りの際のインピーダンス計測≫
負荷装置(モータ)16の動作を再び動作させるまでしばらく止めさせる、いわゆるアイドリング停止のときには、燃料電池もアイドリング停止に合わせてその出力を低下あるいはゼロにさせ、その後アイドリング停止が解除されると、その出力を通常発電レベルに戻すことが行われる。燃料電池のアイドリング停止時モードと通常発電モードの切替り、あるいは通常発電モードとアイドリング停止時モードの切替りの際には、燃料電池の電流と電圧の変動がある。このときの電流と電圧の変動をインピーダンス計測に利用する。
≪ハンチングの発生と予防に係るハードウエアとするソフトウエア≫
制御演算部12は、所定以上の燃料電池13の出力の変化率の場合において必ずハンチングを発生するように設計されたハードウエアと、負荷16の通常の運転時においてハンチングの発生を予防するレートリミットを有するソフトウエアと、を備えるように構成する。
そして、燃料電池13のインピーダンスを計測する際には、前記ソフトウエアのリミットを外し、所定の変化率以上で電流を変動させることで故意に燃料電池13のハンチングを発生させ、前記燃料電池のインピーダンスをインピーダンス計測部101が計測する。
また、制御演算部12がインピーダンス計測の終了を意図した際には、インピーダンス計測部101によるインピーダンスの算出を待たずに、前記ソフトウエアのレートリミットをつけて燃料電池13を保護する。
以上の方法で所望の場合に燃料電池13のインピーダンス計測を行い、かつ燃料電池13を保護するという効率と保全性とを兼ね備えた制御ができる。
≪統計処理≫
図4のFFTによるインピーダンス計測のフローチャートにおけるステップS409の統計処理については中央値をとる場合について説明したが、中央値の処理のみとは限らない。平均値や最頻値による統計処理や、正規分布などの確率分布関数でのフッティング値や、最尤推定値が有効な場合もある。
(本願発明と実施形態の補足)
環境や運転状況を反映させる上には、広い周波数帯域のインピーダンスの計測が必要である。この広い周波数帯域のインピーダンス計測方法としては、FRA法やM系列信号を用いたFFT法がある。
しかしながらFRA法は、計測に多大な時間を要するので、逐次、環境や運転状況を反映させることには適していない。
また、FFT法は、M系列信号発生のためや、その信号を燃料電池に印加する特別の装置が必要である。
そこで、本発明は前記した問題を解決するためになされたものであり、燃料電池のインピーダンス計測において特別な入力(正弦波や矩形波、M系列信号など)を用いずに、負荷変動時のハンチング時の電流電圧の時系列データからインピーダンスを算出するインピーダンス計測方法を提供することを目的とする。
ことに、高周波域のインピーダンス計測であれば、前述の簡便な装置と構成で短時間に充分な精度で計測が可能となる。
したがって、特別な入力信号作成のためのハードウエアやソフトウエアが不要となり、また計測のための特別な計測モードが不要となる効果がある。
また、ハンチング発生時には必ず高周波域のインピーダンスが算出できるという効果がある。また、燃料電池稼動中の特定の計測モードを省いて燃料電池装置ユーザを待たせることがなく、商品性を高められるという効果がある。
11 偏差信号部
11D 偏差信号
11S モータ出力指示値
12 制御演算部(制御演算装置)
12H ハンチング発生予想信号
12S 電力指示値、電流指示値
12SF 燃料電池への電力指示値、電流指示値
12SB 蓄電池への電力指示値、電流指示値
13 燃料電池
13P 燃料電池出力電力
13S 燃料電池電流電圧信号
14 蓄電池
14P 蓄電池出力電力
15 駆動電力合算部
15P モータ駆動電力
16 負荷、負荷装置、モータ
16M モータ出力(モータ出力値、出力値)
17 電流電圧制御部
101、102 インピーダンス計測装置(インピーダンス計測部)
101S、102S インピーダンス値信号
111 インピーダンス演算部
112 データ蓄積部
113 ハンチング検出部

Claims (27)

  1. 燃料電池を備えて負荷に電力を供給する燃料電池システムにおける前記燃料電池のインピーダンス計測方法であって、
    前記負荷の変動にともない発生したハンチング現象時の前記燃料電池の電流と電圧の各々の時系列データを取得し、
    前記電流の時系列データと前記電圧の時系列データとをそれぞれFFT法で演算処理し、
    該演算処理された2つのデータによってインピーダンスを算出することを特徴とするインピーダンス計測方法。
  2. 燃料電池と蓄電池を備え、制御演算部が算出する電力指示値または電流指示値によって前記燃料電池と蓄電池の電力を負荷に供給するとともに、前記燃料電池のインピーダンスを計測するインピーダンス計測部を備えた燃料電池システムにおける前記燃料電池のインピーダンス計測方法であって、
    前記制御演算部は、ハンチング現象が発生する所定の前記負荷の変動状態が記憶されており、
    前記所定の負荷の変動状態が発生した際、または前記所定の負荷の変動状態の発生が予測される際に、前記制御演算部はハンチング発生予想信号を前記インピーダンス計測部に送り、
    前記インピーダンス計測部は、前記燃料電池の電流と電圧の各々の時系列データを取得し、前記電流の時系列データと前記電圧の時系列データとをそれぞれFFT法で演算処理し、該演算処理された2つのデータによってインピーダンスを算出する
    ことを特徴とするインピーダンス計測方法。
  3. 燃料電池と蓄電池を備え、制御演算部が算出する電力指示値または電流指示値によって前記燃料電池と蓄電池の電力を負荷に供給するとともに、前記燃料電池のインピーダンスを計測するインピーダンス計測部を備えた燃料電池システムにおける前記燃料電池のインピーダンス計測方法であって、
    前記制御演算部は、ハンチング現象が発生する所定の前記負荷の変動状態が記憶されており、
    前記燃料電池が稼動中に、前記制御演算部が前記所定の負荷の変動状態を発生させハンチング現象を誘発し、
    前記インピーダンス計測部は、該ハンチング現象時の前記燃料電池の電流と電圧の各々の時系列データを取得し、前記電流の時系列データと前記電圧の時系列データとをそれぞれFFT法で演算処理し、該演算処理された2つのデータによってインピーダンスを算出する
    ことを特徴とするインピーダンス計測方法。
  4. 前記燃料電池がハンチングする前記所定の負荷の変動状態を前記制御演算部が指示した際に、前記インピーダンス計測部はハンチングを予測し、ハンチング前後の前記時系列データからインピーダンスを算出することを特徴とする請求項に記載のインピーダンス計測方法。
  5. 前記燃料電池がハンチングする前記所定の負荷の変動状態を前記制御演算部が指示した際に、前記制御演算部は、前記燃料電池の出力を所定以上の変化率で変動させることで、ハンチングを発生させることを特徴とする請求項に記載のインピーダンス計測方法。
  6. 前記制御演算部は、
    所定以上の前記燃料電池の出力の変化率の場合において必ずハンチングを発生するように設計されたハードウエアと、
    通常の運転時においてハンチングの発生を予防するレートリミットを有するソフトウエアと、を備え、
    前記燃料電池のインピーダンスを計測する際には、前記ソフトウエアのリミットを外し、所定の変化率以上で電流を変動させることで故意に前記燃料電池のハンチングを発生させ、前記燃料電池のインピーダンスを前記インピーダンス計測部が計測し、
    前記制御演算部がインピーダンス計測の終了を意図した際には、前記インピーダンス計測部によるインピーダンスの算出を待たずに、前記ソフトウエアのレートリミットをつけて前記燃料電池を保護することを特徴とする請求項に記載のインピーダンス計測方法。
  7. 燃料電池を備え、また該燃料電池の電力関連値を監視し、該電力関連値の状況から前記燃料電池の出力がハンチング状態にあるか否かを判定するハンチング判定部をインピーダンス計測部に備えて、前記燃料電池の電力を負荷に供給する燃料電池システムにおける前記燃料電池のインピーダンス計測方法であって、
    前記ハンチング判定部が、前記燃料電池をハンチング状態にあると判定する場合に、
    前記インピーダンス計測部は、該ハンチング現象時の前記燃料電池の電流と電圧の各々の時系列データを取得し、前記電流の時系列データと前記電圧の時系列データとをそれぞれFFT法で演算処理し、該演算処理された2つのデータによってインピーダンスを算出する
    ことを特徴とするインピーダンス計測方法。
  8. 前記ハンチング判定部が、前記燃料電池をハンチング状態にあると判定された方法は、
    前記ハンチング判定部が前記燃料電池の電流と電圧を常時監視し、
    電流指示値が所定の変化幅ΔIで変化し、前記電流指示値の変化が所定のΔtの時間内に完了した際に、
    前記燃料電池の電流の変動幅が前記変化幅ΔIの所定の割合以上の変化が所定時間内に所定回数以上であった場合、
    かつ前記燃料電池の電流と電圧とが逆位相で変動している場合に、
    前記ハンチング判定部はハンチングが発生したとして判定し、
    前記インピーダンス計測部は、前記燃料電池のインピーダンスを算出する
    ことを特徴とする請求項に記載のインピーダンス計測方法。
  9. 前記Δtは概ねマイクロ秒であり、前記所定時間は概ね100ミリ秒であり、前記所定回数は概ね10回であることを特徴とする請求項に記載のインピーダンス計測方法。
  10. 燃料電池と蓄電池とを備え、また該燃料電池の電力関連値を監視し、該電力関連値の状況から前記燃料電池の出力がハンチング状態にあるか否かを判定するハンチング判定部をインピーダンス計測部に備え、前記燃料電池の電力を負荷に供給する燃料電池システムにおける前記蓄電池のインピーダンス計測方法であって、
    前記ハンチング判定部が、前記蓄電池をハンチング状態にあると判定された場合に、
    前記インピーダンス計測部は、該ハンチング現象時の前記蓄電池の電流と電圧の各々の時系列データを取得し、前記電流の時系列データと前記電圧の時系列データとをそれぞれFFT法で演算処理し、該演算処理された2つのデータによって蓄電池のインピーダンスを算出する
    ことを特徴とするインピーダンス計測方法。
  11. 前記計測するインピーダンスは、高周波域であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のインピーダンス計測方法。
  12. 前記高周波域は概ね100Hz以上であることを特徴とする請求項11に記載のインピーダンス計測方法。
  13. 前記計測するインピーダンスは、中低周波域を含むものであることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のインピーダンス計測方法。
  14. 前記中低周波域は概ね100Hz未満であることを特徴とする請求項13に記載のインピーダンス計測方法。
  15. 前記インピーダンス計測方法は、前記燃料電池の起動チェック直後に前記燃料電池のインピーダンス計測を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のインピーダンス計測方法。
  16. 前記インピーダンス計測方法は、前記燃料電池がアイドリング停止時モードと通常発電モードとの切替り、または、通常発電モードとアイドル停止モードとの切替りの際に、前記燃料電池のインピーダンス計測を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のインピーダンス計測方法。
  17. 前記インピーダンス計測方法は、前記燃料電池の出力が概ね0.01A/cmの電流密度範囲と、概ね0.03A/cmの電流密度範囲との負荷変動を繰り返す領域において、前記燃料電池のインピーダンスを計測することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のインピーダンス計測方法。
  18. 燃料電池を備えて負荷に電力を供給する燃料電池システムにおける前記燃料電池のインピーダンス計測方法であって、
    前記燃料電池のフラッディングにともない発生した電力関連値を用いて、前記燃料電池のインピーダンスを算出することを特徴とするインピーダンス計測方法。
  19. 燃料電池と蓄電池を備え、負荷に電力を供給する燃料電池システムへの出力指示値と負荷の出力値とを基に、制御演算部が算出する電力指示値によって前記燃料電池と前記蓄電池が制御される燃料電池システムであって、
    前記制御演算部は、ハンチングが発生する負荷変動を起こす電力指示値を前記燃料電池に対し送るとともに、前記蓄電池にもその出力を変動させる電力指示値を送り、前記燃料電池と前記蓄電池の合計出力は変動させないことを特徴とする燃料電池システム。
  20. 燃料電池と蓄電池を備え、負荷に電力を供給する燃料電池システムへの出力指示値と負荷の出力値とを基に、制御演算部が算出する電力指示値によって前記燃料電池と前記蓄電池が制御される前記燃料電池システムにおける前記燃料電池のインピーダンスを計測するインピーダンス計測装置であって、
    前記燃料電池の電流と電圧の時系列データを蓄積するデータ蓄積部と、
    電流と電圧を基にインピーダンスを算出するインピーダンス演算部と、
    を備え、
    該インピーダンス演算部は、所定時間内に前記負荷の所定以上の大きな変動が生じる際に、前記燃料電池がハンチングする前後の電流と電圧の時系列データを前記データ蓄積部から取得し、前記燃料電池のインピーダンスを計測する
    ことを特徴とするインピーダンス計測装置。
  21. 前記制御演算部は、インピーダンス計測が必要な際に、ハンチングが発生する負荷変動を前記燃料電池に電力指示値として指示し、
    前記インピーダンス計測装置は、負荷変動に伴うハンチング状データからからインピーダンスを計測することを特徴とする請求項20に記載のインピーダンス計測装置。
  22. 前記制御演算部が、前記燃料電池のハンチングする負荷の変動を指示した際に、
    前記インピーダンス計測装置はハンチングを予測し、
    前記データ蓄積部はハンチング前後の前記燃料電池の電流と電圧の時系列データを蓄積し、
    前記インピーダンス演算部は、前記電流と電圧の時系列データに基づき前記燃料電池のインピーダンスを計測する事を特徴とする請求項20に記載のインピーダンス計測装置。
  23. 前記制御演算部が、前記燃料電池のハンチングする負荷の変動を指示した際に、前記燃料電池の出力を所定以上の変化率で変動させることでハンチングを発生することを特徴とする請求項21または請求項22に記載のインピーダンス計測装置。
  24. 前記制御演算部は、前記インピーダンス計測が必要な際に、ハンチングが発生する負荷変動のうち最も小さい負荷変動を指示することを特徴とする請求項23に記載のインピーダンス計測装置。
  25. 燃料電池と蓄電池を備え、負荷に電力を供給する燃料電池システムへの出力指示値と負荷の出力値とを基に、制御演算部が算出する電力指示値によって前記燃料電池と前記蓄電池が制御される前記燃料電池システムにおける前記燃料電池のインピーダンスを計測するインピーダンス計測装置であって、
    前記燃料電池の電流と電圧のハンチングを検出するハンチング検出部と、
    前記燃料電池の電流と電圧の時系列データを蓄積するデータ蓄積部と、
    電流と電圧を基にインピーダンスを算出するインピーダンス演算部と、
    を備え、
    前記ハンチング検出部が前記燃料電池のハンチングを検出した際に、ハンチング前後の電流と電圧の時系列データをデータ蓄積部は蓄積し、前記インピーダンス演算部は前記データ蓄積部の電流と電圧の時系列データに基づき、前記燃料電池のインピーダンスを算出することを特徴とするインピーダンス計測装置。
  26. 燃料電池と蓄電池を備え、負荷に電力を供給する燃料電池システムへの出力指示値と負荷の出力値とを基に、制御演算部が算出する電力指示値によって前記燃料電池と前記蓄電池が制御される前記燃料電池システムにおける前記燃料電池のインピーダンスを計測するインピーダンス計測装置であって、
    前記燃料電池と前記蓄電池の電流と電圧の時系列データを蓄積するデータ蓄積部と、
    電流と電圧を基にインピーダンスを算出するインピーダンス演算部と、
    を備え、
    該インピーダンス演算部は、所定時間内に前記負荷の所定以上の大きな変動が生じる際に前記燃料電池と蓄電池がハンチングする前後の電流と電圧の時系列データを前記データ蓄積部から取得し、前記燃料電池のインピーダンスを計測するとともに、併せて前記蓄電池のインピーダンスを計測する
    ことを特徴とするインピーダンス計測装置。
  27. 前記データ蓄積部は、前記時系列データを所定時間、蓄積した後は、時間的に古い時系列データを消去しつつ、順次、新しい前記時系列データを蓄積することにより、データの蓄積量を所定以下に制限することを特徴とする請求項20乃至請求項26のいずれか一項に記載のインピーダンス計測装置。
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