JP2008053162A - 燃料電池システム及び交流インピーダンスの測定方法 - Google Patents

燃料電池システム及び交流インピーダンスの測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】DC−DCコンバータを備えていない燃料電池システムにおいても、燃料電池の交流インピーダンスの測定を可能にする燃料電池システム及び測定方法を提供する。
【解決手段】本燃料電池システム1は、少なくとも、インバータ装置161の出力電力を正弦変化させるための正弦波重畳部16と、正弦波重畳部16の入力信号を制御する制御部17と、燃料電池11の交流インピーダンスを測定するための交流インピーダンス測定装置18と、燃料電池11の出力電圧値を示す信号を出力する電圧計Vと、燃料電池11の出力電流値を示す信号を出力する電流計Aと、を備え、制御部17は、モータ装置12のトルクを一定に維持しながら、正弦波重畳部16により、インバータ装置161の出力電力を正弦変化させた状態で、燃料電池11の交流インピーダンスを測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム及び交流インピーダンスの測定方法に係り、特に燃料電池の動作状態を検出するために交流インピーダンスの測定を可能にする燃料電池システム及び交流インピーダンスの測定方法に関する。
燃料電池の出力は、燃料電池の内部状態、例えば、電解質膜の湿潤度に影響を受けることが知られている。この電解質膜の湿潤度は、燃料電池の複素インピーダンスと相関があることから、従来、燃料電池の出力に交流信号を印加し、電圧に対する電流の振幅比と位相のずれの両方を検出することにより、複素インピーダンスを演算し、燃料電池の動作状態を監視することが提案されていた。
例えば、特開2003−86220号公報には、燃料電池の出力信号に周波数を高周波から低周波まで変化させながら制限波信号を印加した場合の燃料電池の複素インピーダンスを求め、燃料電池の内部水分量不足時に増加する抵抗成分R1と、内部水分量過剰時に増加する抵抗成分R2とから燃料電池の水分状態を推定する燃料電池システムが記載されている(特許文献1)。抵抗成分R1は高周波の正弦波信号を印加することで測定され、抵抗成分R2は低周波の正弦波信号を印加することで測定されるものとされていた。
同様の技術として、特開2003−297408号公報には、電気化学セルの電圧あるいは電流の一方から被測定ガスの含水量を検出するよう構成された燃料電池システムが記載されている(特許文献2)。
また、特開2005−332702号公報には、n個のセル又はセルモジュールを備える燃料電池の電圧を昇降圧するDC/DCコンバータを使用して、この燃料電池に所定の周波数の交流を引加した時のセル等毎の電圧変化を測定することで、その内部抵抗を測定し、この内部抵抗及びリアクタンスからセル等毎の異常を検知する燃料電池診断装置が記載されている(特許文献3)。
上記従来技術によって、燃料電池のインピーダンスを測定することで、間接的に燃料電池内部の水分状態を把握することができていた。
特開2003−86220号公報(段落0007、0004等) 特開2003−297408号公報(段落0007等) 特開2005−332702号公報(段落0014等)
ところで、上記従来の燃料電池システムにおけるインピーダンス測定方法にあっては、燃料電池の出力に交流信号を印加する手段として、前記燃料電池システムで使用されているDC−DCコンバータを利用し、このコンバータの出力に正弦波を重畳していた。ちなみに、このようなDC−DCコンバータは、前記燃料電池システムにおいて、バッテリから取り出されて負荷回路に供給される燃料電池の出力電圧値(動作点の電圧)を定めるためのものであった。即ち、このようなDC−DCコンバータを使用することによって、バッテリの電力を燃料電池の電力と共に負荷回路に流通させることができる(即ち、ハイブリッド燃料電池システムを構築することができる)。
しかしながら、このようなインピーダンス測定方法は、DC−DCコンバータを備えていない燃料電池システム、例えば、図9に示すような燃料電池システム(即ち、バッテリ回路の代わりに電力用コンデンサが使用される燃料電池システム)に対しては使用できないという問題点があった。
図8は、DC−DCコンバータを備えていない燃料電池システムの1構成例を示すものである。
図8に示す燃料電池システム(燃料電池システム90)は、燃料電池91(即ち、燃料電池本体)と、負荷装置であるエアコンプレッサモータ92と、負荷装置である冷却ポンプモータ93と、負荷装置であるトラクションモータ94と、燃料電池91からの充電及び前記負荷装置への放電が可能に構成された電力用コンデンサ95と、を備えて構成される。
同図において、燃料電池90には、負荷であるエアコンプレッサモータ92と、冷却モータ93と、トラクションモータ94とが接続されており、また、燃料電池90の出力端子には、燃料電池90の出力電圧の変動や瞬断に備えて、この出力電圧を安定させるための電力用コンデンサ95が接続されている。
また、DC−DCコンバータを備えている燃料電池システムであっても、このDC−DCコンバータが異常を示して正常に作動しない場合(いわゆるリンプフォーム走行となった場合)には、やはり前記の従来手段は使用できなかった。
そこで本発明は、上記課題を解決するために、DC−DCコンバータを備えていない燃料電池システムにおいても、燃料電池の交流インピーダンスの測定を可能にする燃料電池システム及び測定方法を提供することを目的としている。
また、本発明の他の目的は、DC−DCコンバータを備えている燃料電池システムにおいて、前記DC−DCコンバータが異常を示して正常に作動しなくなった場合にも、燃料電池の交流インピーダンスの測定が可能な燃料電池システム及び測定方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料電池の交流インピーダンスを測定可能な燃料電池システムにおいて、前記燃料電池から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ装置と、前記燃料電池から、前記インバータ装置を介して電力供給を受けるモータ装置と、前記インバータ装置及び前記モータ装置を制御するインバータ制御部と、前記インバータ制御部を介して前記インバータ装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記交流インピーダンスの測定時に、前記モータ装置のトルクを一定に維持しながら、前記インバータ装置の出力電力を正弦変化させるように前記インバータ制御部を制御すること、を特徴とする燃料電池システムを提供するものである。
ここで、前記燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記モータ装置のトルクを一定に維持しながら、進角を正弦変化させるように前記前記インバータ装置の出力を制御することを特徴とする。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記インバータ装置の出力を制御するための直交する二相電流ベクトルのうち、q軸電流成分を一定に保持し、前記モータ装置のd軸電流成分を変化させることを特徴とする。
さらに、前記燃料電池システムにおいて、前記d軸電流成分は、第1電流成分と第2電流成分との間で変動制御されるものであり、前記第1電流成分に対応する前記モータ装置の動作点は、前記第1電流成分に対応した進角−トルク特性において極大値を示す点に相当していることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池システムは、燃料電池の交流インピーダンスを測定可能なDC−DCコンバータを備えた燃料電池システムにおいて、前記燃料電池から出力される直流電力を、交流電力に変換するインバータ装置と、前記燃料電池から、前記インバータ装置を介して電力供給を受けるモータ装置と、前記インバータ装置及び前記モータ装置を制御するインバータ制御部と、前記インバータ制御部を介して前記インバータ装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記DC−DCコンバータが異常を示した場合に、前記モータ装置のトルクを一定に維持しながら、前記インバータ装置の出力電力を正弦変化させるように前記インバータ制御部を制御することにより、前記交流インピーダンスを測定することを特徴とする燃料電池システムを提供するものである。
さらに、本発明の交流インピーダンスの測定方法は、DC−DCコンバータの異常を検出するステップと、前記DC−DCコンバータの異常を検出した場合に、前記モータ装置のトルクを一定に維持しながら、前記DC−DCコンバータが出力する電力を正弦変化させるステップと、を備えたことを特徴とする交流インピーダンスの測定方法を提供するものである。
本発明によれば、DC−DCコンバータを備えていない燃料電池システムに対しても、交流インピーダンスの測定が可能な燃料電池システム及び測定方法を提供することができる効果がある。
また、DC−DCコンバータを備えている燃料電池システムであっても、前記DC−DCコンバータが異常を示して正常に作動しなくなった場合に、インバータ装置の出力電力を正弦変化させることにより、交流インピーダンスの測定が可能な燃料電池システム及び測定方法を提供することができる効果がある。
本発明の燃料電池システム及び測定方法の原理は、負荷装置である三相モータに供給される交流電力に正弦波を重畳させ、この時の燃料電池の出力電圧と出力電流とから、燃料電池の交流インピーダンスを測定するものである。
次に本発明を実施するための好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態は、電気自動車に搭載する燃料電池システムに本発明を適用したものである。以下の実施形態は本発明の適用形態の単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
(実施形態1)
この実施形態1は、交流インピーダンスの測定を可能にした燃料電池システムに係り、特に、DC−DCコンバータを備えずに、燃料電池の動的な制御により発電を安定化させるように構成した燃料電池システムの構成例に関する。
図1は、本発明の実施形態1に係る燃料電池システムの回路構成を示す回路構成図である。
図1に示すように、本燃料電池システム(燃料電池システム1)は、燃料電池11(即ち、燃料電池本体)と、負荷装置であるエアコンプレッサモータ12と、負荷装置である冷却ポンプモータ13と、負荷装置であるトラクションモータ14と、燃料電池11からの充電及び前記負荷装置への放電が可能に構成された電力用コンデンサ15と、を備えて構成される。
また、本燃料電池システムは、インバータ装置161(後述)の出力電力を正弦変化させるための正弦波重畳部16と、正弦波重畳部16の入力信号を制御する制御部17と、燃料電池11の交流インピーダンスを測定するための交流インピーダンス測定装置18と、燃料電池11の出力電圧値を示す信号を出力する電圧計Vと、燃料電池11の出力電流値を示す信号を出力する電流計Aと、を備えている。
さらに、正弦波重畳部16は、DC−AC変換を行うインバータ装置161と、インバータ装置161を制御するインバータ制御部162と、を備える。
燃料電池11は、セル(単セル)を複数積層したスタック構造を備えている。各セルは、MEA(Membrane Electrode Assembly)と呼ばれる発電体を、水素ガス、空気、冷却水の流路を有するセパレータ一対で挟み込んだ構造をしている。MEAは高分子電解質膜をアノード極及びカソード極の二つの電極で挟み込んだ構造をしている。アノード極は燃料極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成され、カソード極は空気極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成される。その他、燃料電池の形態として、リン酸型、溶融炭酸塩型等を用いることが可能である。
燃料電池11は、水の電気分解の逆反応を起こすものであり、アノード(陰極)極側には燃料ガス供給系統からアノードガスである水素ガスが供給される。同時に、カソード(陽極)極側にはカソードガス供給系統から酸素を含んだカソードガスである空気が供給される。アノード極側では式(1)のような反応を、カソード極側では式(2)のような反応を生じさせて電子を循環させ電流を流すものである。
2 → 2H++2e- …(1)
2H++2e-+(1/2)O2 → H2O …(2)
前記アノードガス供給系としては、水素ガス供給源としての水素タンク、アノードガス供給路、アノードオフガス排出路を備える(いずれも図示は省略)。
その他、図示しないが、水素ガスを流通させるための水素ポンプ、水素ガスの管理制御のために必要な元弁や調整弁、遮断弁、逆止弁、気液分離器等を備えていてもよい。
この実施形態では、負荷装置のモータとして、エアコンプレッサモータ12、冷却ポンプモータ13、及びトラクションモータ14を、燃料電池11に接続しているが、本発明では、一般に、任意のモータを負荷装置とすることができる。
また、この実施形態では、正弦波重畳部16がエアコンプレッサモータ12に付属する構成としているが、本発明では、一般に、測定可能な電力の正弦変化が得られる限りにおいて、正弦波重畳部16と同様の正弦波重畳部は、負荷装置をなす任意のモータに付属させることができる。但し、本燃料電池システム全体として、正弦波重畳部16は高々1つを設置するだけでよい。さらに言えば、正弦波重畳部16は、トラクションモータ14のような主機は避けて、エアコンプレッサモータ12や冷却ポンプモータ13のような補機に接続することが好ましい。
制御部17は、図示しないCPU(中央処理装置)、RAM、ROM、インターフェース回路等を汎用コンピュータとしての構成を備えている。制御部17は、内蔵ROM等に格納されているソフトウェアプログラムを順次実行することにより、主としてアノードガス供給系、カソードガス供給系、電力系(いずれも図示は省略する)を含む燃料電池システム全体を制御する他、本燃料電池システムにおいて、本発明の交流インピーダンス測定方法の実行を制御する。即ち、前記コンピュータの制御によって、トラクションモータ14のトルクを指定するトルク量Tの指令信号と、q軸電流成分CIq及びd軸電流成分cId(いずれも後述する)とが、制御部17から、正弦波重畳部16のインバータ制御部162に出力され、これにより、トルク量Tの下で、インバータ装置161の出力電力に正弦波が重畳される(図2(a)参照)。
図2は、本燃料電池システムの各モータとインバータ装置との詳細な配線接続を示す回路図であり、図2(a)は、エアコンプレッサモータ12とインバータ装置との接続、図2(b)は冷却モータ13とインバータ装置との接続、図2(c)はトラクションモータ14とインバータ装置との接続を、それぞれ示す。
図2(a)は、正弦波重畳部16の具体的な回路構成を示すものである。
燃料電池11(図1)から出力される直流電力は、インバータ装置161によって交流電力(例えば、三相交流)に変換され、エアコンプレッサモータ12に入力されている。インバータ制御部162には、制御部17からトルク量T、q軸電流成分CIq、及びd軸電流成分CIdが供給されている。インバータ制御部162からは、各相の電圧目標値を得るためのパルス幅変調されたスイッチング信号がインバータ装置161に出力されている。このスイッチング信号は、各相の位相が調整されたものとなっている。インバータ装置161は、スイッチング信号に基づき直流電流のスイッチングが実施され、所定の位相差を互いに有する三相交流電流が出力される。各相には図示しない電流検出器が設けられており、各相の出力電流が検出するようになっている。各相において検出された電流値は、インバータ制御部162に入力されている。インバータ制御部162は、各相からの検出電流をフィードバック要素とし、インバータ装置161の出力が制御部17から指令されたq軸電流成分CIq及びd軸電流成分CIdが維持されるようにフィードバック制御する。また、インバータ制御部162には、エアコンプレッサモータ12から回転数を示す情報が入力されている。
図2(b)に示す接続では、燃料電池11(図1)から出力される直流電力が、インバータ装置131によって交流電力に変換され、冷却モータ13に入力される。
図2(c)に示す接続では、燃料電池11(図1)から出力される直流電力が、インバータ装置141によって交流電力に変換され、トラクションモータ14に入力される。トラクションモータ14は、ここでは三相モータであり、当該燃料電池システムが搭載される自動車の主動力源である。
図3は、燃料電池の負荷装置であるモータの動作特性を示すグラフである。
この実施形態では、図3は、エアコンプレッサモータ12の動作特性である進角−トルク特性を示しているものとする。
同図に示すように、エアコンプレッサモータ12のトルク量Tは、インバータ装置161(図1)から出力される電流パラメータI(インバータ装置161の出力電流)によって変化するが、今、この電流パラメータIとして、或る電流値IAを定め、この電流値IAの下でのトルク量Tのグラフを描けば、このグラフ上で当該トルク量Tのピークを与える進角θAが定まる(図3では、このピークを与える動作点を符号Aで示している)。
また、電流パラメータIとして、前記とは異なる電流値IBを定め、この電流値IBの下でのトルク量Tのグラフを描けば、このグラフ上で、前記ピークのトルク量と等しいトルク量Tを与える進角θBが定まる(図3では、前記ピークのトルク量と等しいトルク量Tを与える動作点を符号Bで示している)。そこで、動作点がA点(符号Aで示す点)とB点(符号Bで示す点)との間で正弦変更をするように、この電流パラメータIをさせれば、進角Bの描く軌跡を正弦波とすることができる。
ここで、前記の進角とは、モータ装置の設計によって定まる量であり、モータが最大効率を保つことができるようにする機械的オフセット量のようなものである。ちなみに、前述の進角−トルク特性を示すグラフ上のA点は、電流パラメータが電流値IAの場合に効率が最も良い進角である。
本発明では、前記ピークのトルク量と等しいトルク量Tを与える進角を、電流パラメータIを変化させることにより、敢えて、効率が悪くなるB点まで移動させ、これにより、インバータ入力電力量が増える(効率が悪くなるから、燃料電池11の電流量が大きくなる)→燃料電池11の電流−電圧特性上で電流変動に応じて動作点が変動する(電流が増加すると電圧が低下する)→燃料電池11の負荷電力が正弦波動を描いて変動する、といった作用を得ている。
燃料電池11の負荷電力が、前記の正弦波動を描くことにより、燃料電池11の出力を測定する電圧計(V)の測定値と、同じく電流計(A)の測定値とから、燃料電池11の交流インピーダンスの測定が可能となる。
なお、より具体的には、前述の電流パラメータIとして与えられるインバータ装置161の出力電流は、後述するモータ装置のd軸電流成分のことである。
図4は、モータに入力される互いに直交する電流成分(Id(d軸電流成分)と、Iq(q軸電流成分))とを示すベクトル図である。Iq(q軸電流成分)はモータの機械的なトルクに影響を与える電流成分であり、Id(d軸電流成分)はモータの界磁に影響する電流成分である。
同図に示すように、モータに入力される電流は、当該モータの機械的なトルクに影響を与えるIq(q軸電流成分)を一定値に保ったまま、モータの界磁に影響するId(d軸電流成分)だけを時間の推移に連れて増減させ、正弦波を描かせるように制御することができる。このような制御は、制御部17によって行われる。即ち、制御部17からは、インバータ制御部162に対して、トルク量Tの指令信号、q軸電流成分CIq、及びd軸電流成分CIdを送出することによって、前記の制御を達成する。
図5は、本燃料電池の出力電流と出力電圧とを示すグラフ(I−V特性)である。
同図が示すように、本燃料電池の出力電圧は、電圧値VAと電圧値VBとの間を正弦波を描いて移動する区間を有し、また、本燃料電池の出力電流も、電流値IAと電流値IBとの間を、正弦波を描いて移動する区間を有する。即ち、本燃料電池の出力電力には、本来の直流成分に加えて、電流、電圧とも、正弦波を描く成分、即ち交流成分が重畳されることになるので、これにより、本燃料電池の交流インピーダンスの測定が可能となる。
なお、本燃料電池の出力電力に重畳される前記正弦波成分は、インバータ装置161の出力電力に正弦波成分が重畳されることにより生じたものである(図2(a)参照)。
以上、本実施形態1によれば、負荷装置であるモータに接続されるインバータを使用して燃料電池11の出力電力に正弦波の交流成分を重畳するので、DC−DCコンバータを備えていない燃料電池システムにおいても、高い精度で燃料電池の交流インピーダンスを測定することができる効果が有る。
(実施形態2)
この実施形態2は、交流インピーダンスの測定を可能にしたハイブリッド型の燃料電池システムに係り、特に、DC−DCコンバータを備えて、燃料電池の発電を安定化させる際の余剰電力または不足電力を、バッテリに充放電可能にした燃料電池システムの構成例に関する。
図6は、本発明の実施形態2に係る燃料電池システムの回路構成を示す回路構成図である。
同図に示す本発明の実施形態2に係る燃料電池システム2は、図1に示す本発明の実施形態1に係る燃料電池システム1の構成と比べて、バッテリ回路21が追加されており、また、制御部17が制御部19に置き代わっただけであるので、以下の説明では、主としてバッテリ回路21と制御部19について説明する。
本実施形態に係る燃料電池システム2のバッテリ回路21は、ハイブリッドシステムを実現するためのバッテリ211と、DC−DCコンバータ212と、バッテリコンピュータ213と、を備えている。
但し、本発明の実施形態2に係る燃料電池システム2では、DC−DCコンバータ212を使用して正弦波を重畳する交流インピーダンスの測定回路(即ち、従来の交流インピーダンスの測定回路)を備えているが、この回路は本発明の本質を示す部分ではないので、図示を省略している。
バッテリ211は、ハイブリッド燃料電池システムを構築するためのものであり、即ち、燃料電池11の電力と共に負荷装置に蓄電された電力を流通させるためのものである。
DC−DCコンバータ212は、バッテリ211から取り出されて負荷装置に供給される電圧の値を燃料電池11の出力電圧と一致させる電圧変換装置である。即ち、DC−DCコンバータ212を使用することによって、バッテリ211の電力を燃料電池11の電力と共に負荷回路に流通させることができる(即ち、ハイブリッド燃料電池システムを構築することができる)。逆に、燃料電池11の余剰電力や負荷装置からの回生電力は、降圧してバッテリ211に充電することができる。
バッテリコンピュータ213は、バッテリ211の出力端子に設けられており、制御部19と通信可能になっている。バッテリコンピュータ213は、バッテリ211の充電状態を監視し、バッテリが過充電や過放電に至らない適正な充電範囲内に維持するとともに、万が一バッテリ211が異常を示す(例えば、過充電や過放電等)状態になったら制御部19に通知するようになっている。
制御部19は、CPU(中央処理装置)、RAM、ROM、インターフェース回路等を汎用コンピュータとしての構成を備えている。制御部19は、内蔵ROM等に格納されているソフトウェアプログラムを順次実行することにより、主としてアノードガス供給系、カソードガス供給系、電力系(いずれも図示は省略する)を含む燃料電池システム全体を制御する他、本燃料電池システムにおいて、本発明の交流インピーダンス測定方法の実行を制御する。
図7は、本発明の実施形態2に係る燃料電池システムの基本動作を示すフローチャートである。
以下、図6に示す本燃料電池システムの回路構成を参照しながら、図7に示すフローチャートを使用して、制御部19の動作を説明する。
制御部19の動作は、DC−DCコンバータ212が異常を示した場合に、交流インピーダンスの測定を、本発明の実施形態1に係る燃料電池システムにおける交流インピーダンスの測定方法に切り換えることを特徴としている。
まず、交流インピーダンス測定を実施するモードになっているか否かが検査される(S1)。交流インピーダンス測定モードとなっていなかった場合(S1:NO)、直ちに処理を終了する。この終了後、交流インピーダンス測定モードに切り替えるか否かの判断を下す処理が行われることになるが、この部分は本発明の範囲外である。
一方、既に交流インピーダンス測定モードがオン状態となっている場合には(S1:YES)、DC−DCコンバータ212の異常を検出したか否かが検証される(S2)。DC−DCコンバータ212の異常が検出されている場合(S2:YES)、ベクトル制御によりインバータ制御部162の出力電流を変化させ、燃料電池の出力電力に正弦波が重畳される(即ち、前述の本発明の実施形態2に係る交流インピーダンスの測定法が実行される)(ステップS3)。そして、その正弦波変動する電力変化を検出して交流インピーダンスの測定が行われ(即ち、従来の交流インピーダンスの測定法が実行され)(S5)、その後、ステップS1に戻る。
一方、DC−DCコンバータ212の異常が検出されていない場合(S2:NO)、従来どおり、DC−DCコンバータ212を使用して燃料電池の出力電力に正弦波が重畳される(ステップS4)。そして、その正弦波変動する電力変換を検出して交流インピーダンスの測定が行われ(即ち、従来の交流インピーダンスの測定法が実行され)、その後、ステップS1に戻る。
なお、前記の動作では、交流インピーダンス測定モードとなっていなかった場合(S1:NO)、直ちに処理を終了するものとしたが、他に、交流インピーダンス測定モードとなるまで待機するようにしてもよい。
上記フローチャートに基づく説明は、本発明の一例であり、処理の詳細や順番に限定はない。
以上、本実施形態2によれば、DC−DCコンバータを備えている燃料電池システムの当該DC−DCコンバータが異常を示した場合には、直ちに、負荷装置であるモータに接続されるインバータを使用して燃料電池11の出力電力に正弦波の交流成分を重畳する交流インピーダンスの測定方法に切替えられるので、燃料電池システムの信頼性を高め、その実用性を一層高めることができる効果がある。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態以外にも種々に変更して適用することが可能である。
例えば、上記実施形態2では、DC−DCコンバータを備えている燃料電池システムにおいて、当該DC−DCコンバータが異常を示した場合の燃料電池の交流インピーダンスの測定に上記実施形態1に係る交流インピーダンス測定法を適用するものとしたが、前記燃料電池システムにおいて、従来の交流インピーダンスの測定回路の設置を省略し、かつ当該DC−DCコンバータが異常を示すか否かには関わらずに上記実施形態1に係る交流インピーダンス測定法を適用するように構成してもよい。
また、上記各実施形態では移動体である車両上に搭載される燃料電池システムを例示したが、本発明は、自動車のみならず、他の移動体、例えば、電車、船舶、航空機等に搭載されるものであってもよい。また、定置型の燃料電池システムにおいて本発明を適用しても無論よい。
本発明の実施形態1に係る燃料電池システムの回路構成を示す回路構成図である。 本燃料電池システムの各モータとインバータ装置との詳細な配線接続を示す回路図であり、図2(a)は、エアコンプレッサモータ12とインバータ装置との接続、図2(b)は冷却モータ13とインバータ装置との接続、図2(c)はトラクションモータ14とインバータ装置との接続を、それぞれ示す。 燃料電池の負荷装置であるモータの動作特性を示すグラフである。 モータに入力される互いに直交する電流成分(Id(d軸電流成分)と、Iq(q軸電流成分))とを示すベクトル図である。 本燃料電池の出力電流と出力電圧とを示すグラフである。 本発明の実施形態2に係る燃料電池システムの回路構成を示す回路構成図である。 本発明の実施形態2に係る燃料電池システムの基本動作を示すフローチャートである。 DC−DCコンバータを備えていない燃料電池システムの1構成例を示すものである。
符号の説明
1…燃料電池システム(実施形態1に係る燃料電池システム)、2…燃料電池システム(実施形態2に係る燃料電池システム)、11…燃料電池(本体)、12…エアコンプレッサモータ、13…冷却ポンプモータ、14…トラクションモータ、15…電力用コンデンサ、16…正弦波重畳部、17,19…制御部、18…交流インピーダンス測定装置、21…バッテリ回路、131,141,161…インバータ装置、162…インバータ制御部、211…バッテリ、212…DC−DCコンバータ、213…バッテリコンピュータ、V…電圧計、A…電流計、Cld…d軸電流成分、Clq…q軸電流成分、T…トルク量

Claims (6)

  1. 燃料電池の交流インピーダンスを測定可能な燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータ装置と、
    前記燃料電池から、前記インバータ装置を介して電力供給を受けるモータ装置と、
    前記インバータ装置及び前記モータ装置を制御するインバータ制御部と、
    前記インバータ制御部を介して前記インバータ装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記交流インピーダンスの測定時に、前記モータ装置のトルクを一定に維持しながら、前記インバータ装置の出力電力を正弦変化させるように前記インバータ制御部を制御すること、を特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御装置は、前記モータ装置のトルクを一定に維持しながら、進角を正弦変化させるように前記前記インバータ装置の出力を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御装置は、前記インバータ装置の出力を制御するための直交する二相電流ベクトルのうち、q軸電流成分を一定に保持し、前記モータ装置のd軸電流成分を変化させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記d軸電流成分は、第1電流成分と第2電流成分との間で変動制御されるものであり、前記第1電流成分に対応する前記モータ装置の動作点は、前記第1電流成分に対応した進角−トルク特性において極大値を示す点に相当していることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 燃料電池の交流インピーダンスを測定可能なDC−DCコンバータを備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池から出力される直流電力を、交流電力に変換するインバータ装置と、
    前記燃料電池から、前記インバータ装置を介して電力供給を受けるモータ装置と、
    前記インバータ装置及び前記モータ装置を制御するインバータ制御部と、
    前記インバータ制御部を介して前記インバータ装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記DC−DCコンバータが異常を示した場合に、前記モータ装置のトルクを一定に維持しながら、前記インバータ装置の出力電力を正弦変化させるように前記インバータ制御部を制御することにより、前記交流インピーダンスを測定することを特徴とする燃料電池システム。
  6. 燃料電池の交流インピーダンスを測定する交流インピーダンスの測定方法において、
    DC−DCコンバータの異常を検出するステップと、
    前記DC−DCコンバータの異常を検出した場合に、前記モータ装置のトルクを一定に維持しながら、前記DC−DCコンバータが出力する電力を正弦変化させるステップと、を備えたことを特徴とする交流インピーダンスの測定方法。
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