JP5864005B1 - 画像処理方法、対象物の寿命評価方法及び画像処理システム - Google Patents

画像処理方法、対象物の寿命評価方法及び画像処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】析出物の検出に要する時間を削減しつつ、検出精度の低下を抑制する。【解決手段】画像処理方法は、対象物であるフェライト系耐熱鋼の材料組織の画像に含まれる析出物を抽出する画像処理方法であって、対象物の材料組織を電子顕微鏡で撮像して撮像画像を生成する撮像ステップと、撮像画像からノイズ成分を除去してノイズ除去画像を生成するノイズ除去ステップと、ノイズ除去画像に対して、複数階調を有する画像を2階調に変換する処理である2値化処理を行って、2値化画像を生成する2値化ステップと、2値化画像の一方の階調を有する領域のうち、所定の形状の領域を析出物の画像であると判断し、所定の形状以外の領域を除去することにより、析出物の画像を抽出する析出物画像抽出ステップと、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、対象物であるフェライト系耐熱鋼の寿命評価を行うための材料組織の画像から析出物を抽出する画像処理方法及び、対象物の寿命評価方法及び画像処理システムに関する。
例えばボイラなどに使用されるフェライト系耐熱鋼は、高温下で長時間使用されるため、その寿命評価を行うことが必要とされている。フェライト系耐熱鋼の寿命評価には、クリープ寿命に関する評価がある。クリープ寿命は、フェライト系耐熱鋼に含まれる析出物同士の間隔に影響されることが分かっている。従って、クリープ寿命の評価には、フェライト系耐熱鋼の金属組織を観察して、析出物同士の間隔を計測する方法が採られる場合がある。フェライト系耐熱鋼の金属組織の表面には、析出物に加え、金属組織の凹凸面や表面の傷なども観察されるため、金属組織の表面から析出物を同定することは困難な場合がある。従って、析出物同士の間隔を計測する際には、一般的に、専門家が金属組織を観察して、析出物を検出していた。
フェライト系耐熱鋼の金属組織の観察には、例えば特許文献1に示すように、対象物の金属組織をレプリカに転写して、そのレプリカを電子顕微鏡で観察する手法が取られる場合がある。また、特許文献2には、金属組織を撮像した画像を処理して寿命評価を行う旨の技術が記載されている。
特許第3015599号公報 特許第4153675号公報
しかし、析出物の検出を専門家が行う場合、人手による解析であるため、検出に時間を有するおそれがある。また、専門家以外の作業者が検出を行う場合、例えば析出物と金属組織の凹凸面とを混同し、正確に析出物を検出できないおそれもある。例えば特許文献1では、レプリカによる金属組織の写真を生成するものであるが、析出物の検出についての工夫について記載されていない。また、特許文献2では、画像処理により材料の寿命評価を短時間で行うシステムについて記載されているが、析出物の検出精度については改善の余地がある。
上記課題を解決するため、本発明は、析出物の検出に要する時間を削減しつつ、検出精度の低下を抑制する画像処理方法、対象物の寿命評価方法及び画像処理システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像処理方法は、対象物であるフェライト系耐熱鋼の材料組織の画像に含まれる析出物を抽出する画像処理方法であって、前記対象物の材料組織を電子顕微鏡で撮像して撮像画像を生成する撮像ステップと、前記撮像画像からノイズ成分を除去してノイズ除去画像を生成するノイズ除去ステップと、前記ノイズ除去画像に対して、複数階調を有する画像を2階調に変換する処理である2値化処理を行って、2値化画像を生成する2値化ステップと、前記2値化画像の一方の階調を有する領域のうち、所定の形状の領域を前記析出物の画像であると判断し、前記所定の形状以外の領域を除去することにより、前記析出物の画像を抽出する、析出物画像抽出ステップと、を有する。
この画像処理方法は、析出物でないと判断された領域の画像を除去して、析出物の画像を抽出する。また、この画像処理方法は、予め定められたアルゴリズムに従って、析出物の画像を抽出する。従って、この画像処理方法は、析出物の検出精度の低下を抑制しつつ、検出速度を向上させることができる。
前記画像処理方法において、前記ノイズ除去ステップは、前記撮像画像から、周囲の画素の階調に対して階調が特異である特異点を除去して特異点除去画像を生成する特異点除去ステップと、前記特異点除去画像から画素間の階調変化が大きい領域を抽出して、前記ノイズ除去画像を生成する階調変化抽出ステップと、を有することが好ましい。この画像処理方法は、撮像画像から適切にノイズを除去できるため、析出物の検出精度の低下をより好適に抑制することができる。
前記画像処理方法において、前記ノイズ除去ステップは、前記特異点除去ステップにおいて、中央値フィルタ処理又は平均値フィルタ処理を行い、前記階調変化抽出ステップにおいて、前記特異点除去画像に対して最大値フィルタ処理を行い、その後最小値フィルタ処理を行うことにより、低周波画像を生成し、前記特異点除去画像から前記低周波画像の画像成分を除去することで、前記ノイズ除去画像を生成することが好ましい。この画像処理方法は、撮像画像から適切にノイズを除去できるため、析出物の検出精度の低下をより好適に抑制することができる。
前記画像処理方法において、前記ノイズ除去ステップは、前記階調変化抽出ステップの前に、前記特異点除去画像の外周に沿って、階調値がゼロであるゼロ画像を付加することが好ましい。この画像処理方法は、ゼロ画像を付加することにより、最大値フィルタ処理及び最小値フィルタ処理を行っても、画像サイズが小さくなることを抑制することができる。
前記画像処理方法において、前記2値化ステップは、前記ノイズ除去画像中の画素を高階調画素と低階調画素とに区分した場合に、前記高階調画素数の割合が所定の比率以上となる階調を閾値とし、前記閾値以上の階調を有する画素を前記2階調のうち1つの階調とし、前記閾値より小さい階調を有する画素を前記2階調のうち他の1つの階調とするPタイル処理を行うことが好ましい。この画像処理方法は、例えば画像の種類が変わっても、析出物の検出精度の低下を好適に抑制することができる。
前記画像処理方法において、前記2値化ステップは、さらに、前記Pタイル処理を行った前記ノイズ除去画像に対して最大値フィルタ処理を行い、その後最小値フィルタ処理を行うことが好ましい。この画像処理方法は、2値化処理後の画像中のノイズを除去することができるため、析出物の検出精度の低下を好適に抑制することができる。
前記画像処理方法において、前記析出物画像抽出ステップは、前記2値化画像の一方の階調の領域のうち、所定長より長さが短く、又は、所定面積より面積が小さく、又は、所定の円形度よりも円形度が小さい領域を、前記所定の形状以外の画像であるとして除去することが好ましい。この画像処理方法は、析出物の検出精度の低下を好適に抑制することができる。
前記画像処理方法において、前記析出物画像抽出ステップは、さらに、前記2値化画像の一方の階調の領域のうち、前記所定面積より面積が大きい充填面積よりも面積が小さく、かつ、領域の外接矩形の面積に対する自身の面積の割合を示す充填率が、所定値よりも小さい領域を、前記所定の形状以外の画像であるとして除去することが好ましい。この画像処理方法は、析出物の検出精度の低下を好適に抑制することができる。
前記画像処理方法において、前記撮像ステップは、前記対象物の材料組織を転写したレプリカを前記電子顕微鏡で撮像した前記撮像画像を取得することが好ましい。この画像処理方法によると、対象物の寿命評価を非破壊で行うことができる。
前記画像処理方法は、さらに、前記析出物の画像同士の距離を算出する析出物間距離算出ステップを有することが好ましい。この画像処理方法によると、析出物間の距離を算出するため、寿命評価を適切に行うことができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の対象物の寿命評価方法は、前記画像処理方法により抽出した前記析出物に基づき、前記対象物の寿命評価を行う。この対象物の寿命評価方法によると、抽出した析出物の画像を用いるため、寿命評価を適切に行うことができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像処理システムは、対象物であるフェライト系耐熱鋼の材料組織の画像に含まれる析出物を抽出する画像処理システムであって、前記対象物の材料組織の撮像画像を取得する撮像画像取得部と、前記撮像画像からノイズ成分を除去してノイズ除去画像を生成するノイズ除去部と、前記ノイズ除去画像に対して、複数階調を有する画像を2階調に変換する処理である2値化処理を行って、2値化画像を生成する2値化処理部と、前記2値化画像の一方の階調の画像のうち、所定の形状である領域を前記析出物の画像であると判断して、前記所定の形状以外の領域を除去することにより、前記析出物の画像を抽出する析出物画像抽出部と、を有する。この画像処理システムによると、析出物の検出精度の低下を抑制しつつ、検出速度を向上させることができる。
本発明によれば、析出物の検出に要する時間を削減しつつ、検出精度の低下を抑制することができる。
図1は、対象物の使用前の金属組織の一例を示す図である。 図2は、対象物の使用後の金属組織の一例を示す図である。 図3は、本実施形態に係る寿命評価装置の構成を示す模式図である。 図4は、制御部の構成を模式的に示すブロック図である。 図5は、画像へのフィルタ処理を説明するための説明図である。 図6は、画像へのフィルタ処理を説明するための説明図である。 図7は、ゼロ画像を説明するための説明図である。 図8は、Pタイル処理を説明するための一例を示すグラフである。 図9は、Pタイル処理を説明するための一例を示すグラフである。 図10は、析出物候補領域を説明するための説明図である。 図11は、析出物領域を説明するための説明図である。 図12は、充填率を説明するための図である。 図13は、本実施形態に係る画像処理を説明するフローチャートである。 図14は、ノイズ除去処理を説明するフローチャートである。 図15は、2値化処理を説明するフローチャートである。 図16は、析出物画像抽出処理を説明するフローチャートである。 図17は、撮像画像の一例を示す図である。 図18は、対象物評価用画像の一例を示す図である。 図19は、比較例に係る評価画像の一例を示す図である。 図20は、本実施形態に係る画像処理システムを作動させた場合の画面遷移を説明した説明図である。 図21は、メイン画面の一例を示す図である。 図22は、パラメータ設定ダイアログの一例を示す図である。 図23は、ミクロンバー計測ダイアログの一例を示す図である。 図24は、連続実行結果ダイアログの一例を示す図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、対象物の使用前の金属組織の一例を示す図である。図2は、対象物の使用後の金属組織の一例を示す図である。フェライト系耐熱鋼は、添加物を含んだ鋼の一種であり、金属組織中で、添加物が析出物として点在している。例えば図1に示すように、フェライト系耐熱鋼の金属組織は、フェライト系耐熱鋼の鋼(フェライト)成分の領域である鋼領域S中に、複数の析出物Dが点在している。フェライト系耐熱鋼は、高温での長時間使用に伴い、析出物が凝集粗大化し、析出物間同士の間隔が広くなることが分かっている。フェライト系耐熱鋼は、例えば図2に示すように、高温での長時間使用した場合、図1の析出物Dが凝集し、析出物Dを形成する。析出物D間の距離は、析出物D間の距離より長くなっている。ここで、析出物間の距離は、クリープ寿命に影響することが分かっており、析出物間の距離が長くなると、クリープ寿命は低下する。従って、フェライト系耐熱鋼の寿命評価においては、析出物間の距離を検出することが重要となる。本実施形態に係る寿命評価システムは、フェライト系耐熱鋼を対象物1として、対象物1の寿命評価を行うものである。なお、対象物1であるフェライト系耐熱鋼は、添加物(析出物)としてクロムを含むものであるが、これに限られず、所定の添加物を含むフェライト鋼であれば、その成分は任意である。
図3は、本実施形態に係る寿命評価装置の構成を示す模式図である。図3に示すように、寿命評価装置10は、制御部20と、ディスプレイ22と、入力部24と、記憶部26とを有する。寿命評価装置10は、コンピュータである。制御部20は、演算を行うものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)及びメモリである。ディスプレイ22は、制御部20の制御により所定の画像を表示するディスプレイである。入力部24は、例えばキーボード及びマウスによって構成されており、操作者が各種情報を入力するものである。操作者が入力する情報としては、制御部20が行う処理に関するパラメータの設定値、及び処理の実行指示等が含まれる。記憶部26は、例えばRAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等の記憶装置である。記憶部26は、対象物1の材料組織の画像や、制御部20が行う処理に関するパラメータの設定値等を記憶する。また、寿命評価装置10は、電子顕微鏡170からのデータを取得し、記憶部26に保存させることができる。
電子顕微鏡170は、走査型電子顕微鏡である。対象物1の寿命評価を行う場合、作業者が、対象物1の材料組織を転写したレプリカ2を作成し、レプリカ2を電子顕微鏡170で撮像し、撮像画像100を作成する。具体的には、作業者は、対象物1の観察部位を研磨し、研磨面を化学腐食又は電解腐食法などで腐食させる。そして、作業者は、その腐食面にレプリカ2を塗布して、レプリカ2に腐食面における金属組織(の凹凸)を転写する。作業者は、金属組織が転写されたレプリカ2を電子顕微鏡170で観察し、レプリカ2に転写された対象物1の金属組織を撮像した撮像画像100を作成する。電子顕微鏡170により撮像された撮像画像100は、寿命評価装置10の記憶部26に保存される。なお、本実施形態では、寿命評価装置10が電子顕微鏡170と電気的に接続されており、電子顕微鏡170から撮像画像100が直接入力されるものであるが、これに限られず、寿命評価装置10は電子顕微鏡170と電気的に接続されていなくてもよい。この場合、電子顕微鏡170からの撮像画像100は、例えば外部記憶装置を介して寿命評価装置10の記憶部26に記憶される。
次に、制御部20について詳細に説明する。制御部20は、対象物1の材料組織の画像に含まれる析出物を抽出する画像処理を行う。より具体的には、制御部20は、画像処理により対象物評価用画像を生成し、対象物評価用画像に基づき、対象物1の寿命評価を行う。図4は、制御部の構成を模式的に示すブロック図である。図4に示すように、制御部20は、撮像画像取得部32と、パラメータ取得部33と、ノイズ除去部34と、2値化処理部36と、析出物画像抽出部37と、析出物間距離算出部38とを有する。制御部20の以上の各部は、互いに共通するソフトウェアであるが、これに限られず、例えば互いに独立したソフトウェアであってもよい。なお、撮像画像取得部32と、パラメータ取得部33と、ノイズ除去部34と、2値化処理部36と、析出物画像抽出部37と、析出物間距離算出部38とが、対象物の材料組織に含まれる析出物を抽出する画像処理システムに含まれる。また、この画像処理システムと寿命評価部39とが、対象物の寿命評価システムに含まれる。
撮像画像取得部32は、記憶部26から撮像画像100を取得する。パラメータ取得部33は、記憶部26から、制御部20の各部が行う処理のパラメータを取得する。
ノイズ除去部34は、撮像画像取得部32から撮像画像100を取得し、パラメータ取得部33からノイズ除去部34が実行する処理に関連するパラメータを取得する。ノイズ除去部34は、撮像画像100からノイズ成分を除去して、ノイズ除去画像102を生成するものである。具体的には、ノイズ除去部34は、図4に示すように、特異点除去部42と、ゼロ画像付加部44と、階調変化抽出部46とを有する。
図5及び図6は、画像へのフィルタ処理を説明するための説明図である。特異点除去部42は、撮像画像100に対し中央値フィルタ(メディアンフィルタ)処理を行って、特異点除去画像100aを生成する。中央値フィルタ処理とは、撮像画像100の対象画素における階調値(輝度)を、対象画素の周辺領域内の画素における階調値のなかの中間値で置き換える処理である。具体的には、特異点除去部42は、図5に示すように、撮像画像100から、複数の画素を含む撮像画像100の一部の領域であるカーネルCを選択する。図6に示すように、カーネルCは、第1方向に3個の画素、第1方向と直交する第2方向に3個の画素を有する3×3の画素を含む領域であるが、これに限られず、カーネルCに含まれる画素数は任意である。カーネルCは、領域の中央にある画素Pと、画素Pの周囲にある画素P、P、P、P、P、P、P、Pを有する。ここで、画素P、P、P、P、P、P、P、P、Pの撮像画像100における階調値(輝度)をそれぞれL、L、L、L、L、L、L、L、Lとする。特異点除去部42は、中央値フィルタ処理により、画素Pの階調値を、L、L、L、L、L、L、L、L、Lのうちの中央値(値が大きい順から並べて真中(ここでは5番目)の画素が有する階調値)に変換する。特異点除去部42は、この中央値フィルタ処理を、撮像画像100中の全ての画素について実行する。特異点除去部42は、中央値フィルタ処理を行うことにより、周辺領域の画素の階調値に対して特異な階調値を有する画素(特異点)の階調値を平滑化し、特異点を除去した特異点除去画像100aを生成する。
なお、特異点除去部42は、周囲の画素の階調に対して階調が特異である特異点を除去するものであれば、中央値フィルタ処理を行うことに限られない。特異点除去部42は、例えば平均値フィルタ処理を行うものであってもよい。平均値フィルタ処理は、対象画素における階調値(輝度)を、対象画素の周辺領域内の画素における階調値の平均値で置き換える処理である。
図7は、ゼロ画像を説明するための説明図である。ゼロ画像付加部44は、特異点除去画像100aの外周に沿って、階調値(輝度)がゼロであるゼロ画像101を付加して、ゼロ付加画像100bを生成する。図7に示すように、ゼロ画像101は、特異点除去画像100aの外周に沿った枠状に画素が分布する画像である。また、ゼロ画像101の各画素は、階調値がゼロとなっている。ゼロ画像付加部44は、特異点除去画像100aの外周にこのゼロ画像101を付加し、最外周の画素の階調値がゼロであり(ゼロ画像の画素)、その内側が特異点除去画像100aであるゼロ付加画像100bを生成する。なお、ゼロ画像101は、1つの画素が枠状に整列している画像であるため、図7に示すように、各辺の幅がカーネルCよりも小さくなっている。ただし、ゼロ画像101は、2つ以上の画素が枠状に整列しているものであってもよい。
階調変化抽出部46は、ゼロ付加画像100bから画素間の階調変化が大きい領域を抽出して、ノイズ除去画像102を生成する。具体的には、階調変化抽出部46は、図4に示すように、最大値フィルタ部50と、最小値フィルタ部52と、低周波画像除去部54とを有する。
最大値フィルタ部50は、ゼロ付加画像100bに対して、最大値フィルタ処理を行うものである。最大値フィルタ処理とは、撮像画像100の対象画素における階調値(輝度)を、対象画素の周辺領域内の画素における階調値のなかの最大値で置き換える処理である。最大値フィルタ部50は、カーネルCを選択し、カーネルC中の画素に基づき最大値フィルタ処理を行う。カーネルCは、第1方向に30個の画素、第2方向に30個の画素を有する30×30個の画素を含む領域であるが、これに限られず任意に設定可能である。カーネルサイズは低周波成分を抽出できるサイズに調整することが必要で、カーネルCは、例えば9×9個の画素を含む領域以上の比較的大きなエリアを見ることが好ましい。
最小値フィルタ部52は、最大値フィルタ処理を行ったゼロ付加画像100bに対して、最小値フィルタ処理を行って、低周波画像100cを生成する。最小値フィルタ処理とは、撮像画像100の対象画素における階調値(輝度)を、対象画素の周辺領域内の画素における階調値のなかの最小値で置き換える処理である。最小値フィルタ部52は、カーネルCを選択し、カーネルC中の画素に基づき最小値フィルタ処理を行う。
このように、最大値フィルタ部50及び最小値フィルタ部52は、ゼロ付加画像100bに対して、最大値フィルタ処理と最小値フィルタ処理をこの順で行うことにより、低周波画像100cを生成する。低周波画像100cは、画像中の画素同士の階調値の変化の周波数が低い画像(近隣画素間で階調値の変化がなだらかな画像)であるということができる。すなわち、低周波画像100cは、ゼロ付加画像100bから、画素間の階調変化が大きい領域が除去された画像である。
低周波画像除去部54は、ゼロ付加画像100b及び低周波画像100cを取得する。低周波画像除去部54は、ゼロ付加画像100bから、低周波画像100cの画像成分を除去することにより、高周波画像100dを生成する。具体的には、低周波画像除去部54は、ゼロ付加画像100bの各画素の階調値から、低周波画像100cの各画素の階調値をそれぞれ差し引く。低周波画像除去部54は、これにより、ゼロ付加画像100bから、画素同士の階調値の変化の周波数が低い画像成分を除去し、画素同士の階調値の変化の周波数が高い画像成分(近隣画素間で階調値の変化が大きい画像)を抽出する。すなわち、最大値フィルタ部50と、最小値フィルタ部52と、低周波画像除去部54とは、ゼロ付加画像100bから、画素間の階調変化が大きい領域を抽出した高周波画像100dを生成する。例えば、光学特性やレンズ特性によって画像の一部の領域(例えば中央部)が明るく(あるいは暗く)、画像の他の一部の領域(例えば周端部)が暗い(あるいは明るい)撮像画像が取得される可能性がある。撮像画像をマクロに見た低周波画像100cを作成し、低周波画像100cと撮像画像の差分をとり、高周波画像100dを生成することで、照明や顕微鏡特性の影響を除去することができる。低周波画像除去部54は、高周波画像100dから、ゼロ画像101に対応する最外周の枠状の画像(階調値がゼロ)を除去して、ノイズ除去画像102を生成する。
なお、階調変化抽出部46は、画素間の階調変化が大きい領域を抽出するものであれば、以上のような最大値フィルタ部50と、最小値フィルタ部52と、低周波画像除去部54とを有する構成に限られない。
以上のように、ノイズ除去部34は、撮像画像100からノイズ成分を除去して、ノイズ除去画像102を生成する。なお、ノイズ除去部34は、ゼロ画像付加部44を有さずに、階調変化抽出部46が、特異点除去画像100aから直接ノイズ除去画像102を生成してもよい。
2値化処理部36は、ノイズ除去部34からノイズ除去画像102を取得し、パラメータ取得部33から自身が実行する処理に関連するパラメータを取得する。2値化処理部36は、ノイズ除去画像102に対して、複数階調からなる画像を2階調からなる画像に変換する処理である2値化処理を行って、2種類の階調のみからなる画像である2値化画像104を生成する。具体的には、2値化処理部36は、図4に示すように、Pタイル部60と、最小値フィルタ部62と、最大値フィルタ部64とを有する。
Pタイル部60は、ノイズ除去画像102に対し、2値化処理としてのPタイル処理を行って、Pタイル画像102aを生成する。図8及び図9は、Pタイル処理を説明するための一例を示すグラフである。Pタイル処理は、ノイズ除去画像102中の各画素を高階調画素と低階調画素との2つに区分した場合に、高階調画素の数の割合が所定の比率以上となる階調値を閾値とし、閾値以上の階調値を有する画素の階調値を第1階調とし、閾値より小さい階調値を有する画素の階調値を第2階調とする処理である。
Pタイル処理の一例を、図8及び図9により説明する。図8の横軸は、所定の画像における各画素の階調値(輝度)であり、縦軸は、階調値毎の画素数である。図9の横軸は、所定の画像における各画素の階調値(輝度)であり、縦軸は、階調値毎の積算画素数の全体画素数に占める割合(画素数の積算値)である。画像中の各画素の階調値が図8に示す分布である場合、積算画素数は、図9のようになる。図9に示す所定の階調値における積算画素数は、言い換えれば、その所定の階調値以下の階調値を有する画素の総数が、全体に占める割合である。Pタイル部60は、積算画素数が所定の積算画素数A(%)である場合の階調値Bを検出し、階調値Bを閾値に設定する。なお、積算画素数A(%)の値は、パラメータ設定により予め設定されたものである。Pタイル部60は、ノイズ除去画像102中の階調値B以上の階調値を有する画素の階調値を第1階調とし、階調値Bより小さい階調値を有する画素の階調値を第2階調として、Pタイル画像102aを生成する。Pタイル画像102aは、第1階調と第2階調の2種類の階調のみを有する画像である。なお、第1階調は、第2階調より階調値が大きい。第1階調は、例えば輝度を最大とする値であり、第2階調は輝度を最小とする値である。ただし、第1階調と第2階調は、互いに値が異なるものであれば、任意に設定することができる。
最小値フィルタ部62は、Pタイル画像102aに対し、最小値フィルタ処理を行う。最小値フィルタ部62は、カーネルCを選択し、カーネルC中の画素に基づき最小値フィルタ処理を行う。最大値フィルタ部64は、最小値フィルタ処理を行ったPタイル画像102aに対し、最大値フィルタ処理を行う。最大値フィルタ部64は、カーネルCを選択し、カーネルC中の画素に基づき最大値フィルタ処理を行い、2値化画像104を生成する。
最小値フィルタ部62及び最大値フィルタ部64は、Pタイル画像102aに対し、最小値フィルタ処理及び最大値フィルタ処理をこの順で行うことにより、近接画素間の階調変化が大きい領域が除去された画像を生成し、異なる階調値を有する画素間の形状を整形する。なお、カーネルCは、第1方向に3個の画素、第2方向に3個の画素を有する3×3個の画素を含む領域であるが、これに限られず任意に設定可能である。
析出物画像抽出部37は、2値化処理部36から2値化画像104を取得し、パラメータ取得部33から自身が実行する処理に関連するパラメータを取得する。析出物画像抽出部37は、2値化画像104の一方の階調の画像のうち、所定の形状の画像を析出物Dの画像であると判断し、所定の形状以外の画像を除去することにより、析出物Dの画像を抽出した対象物評価用画像106を生成する。析出物Dは、対象物1の鋼領域Sに点在する析出物である。具体的には、析出物画像抽出部37は、析出物候補画像抽出部66と、他成分画像除去部68とを有する。
析出物候補画像抽出部66は、2値化画像104から、析出物Dの画像の候補となる画像を抽出するものである。析出物候補画像抽出部66は、2値化画像104中の第1階調である画素からなる領域を、析出物候補領域Xとして選択する。析出物候補領域Xは、析出物候補画像抽出部66により析出物Dの画像であると推定された領域である。図10は、析出物候補領域を説明するための説明図である。図10に示すように、析出物候補領域Xは、少なくとも1つの画素からなる領域Xが、2値化画像104内に複数点在する。なお、図10は、析出物候補領域Xを示す一例である。
他成分画像除去部68は、析出物候補領域Xが有する領域Xのうち、所定の形状を有する領域Xを、析出物Dの画像であると判断する。そして、他成分画像除去部68は、析出物候補領域Xのうち、所定の形状を有さない領域Xを、析出物Dの画像ではないと判断して除去する。除去されずに残った領域Xは、析出物Dの画像であると判断された領域である析出物領域Yを形成する。他成分画像除去部68は、析出物候補領域Xから所定の形状を有さない領域Xを除去することにより、析出物領域Yを抽出した対象物評価用画像106を生成する。具体的には、他成分画像除去部68は、析出物候補領域Xのうち所定の形状を有さない領域Xの階調値を、第1階調から第2階調に置き換える。これにより、対象物評価用画像106は、析出物領域Yが第1階調であり、その他の領域が第2階調である画像となる。図11は、析出物領域を説明するための説明図である。図11は、図10に示す析出物候補領域Xから析出物領域Yを抽出した状態を示している。対象物評価用画像106中の析出物領域Yは、析出物候補領域X中の領域Xのうち、所定の形状を有する領域Xが除去されずに残されている。
ここで、析出物領域Yであると判断されるための領域Xの所定の形状について説明する。他成分画像除去部68は、所定の形状を判定する上の要素として、領域の大きさと、形状とを用いる。他成分画像除去部68は、領域Xが所定の大きさより小さい場合に、析出物領域Yではないと判断する。また、他成分画像除去部68は、領域Xの形状が複雑である場合に、析出物領域Yではないと判断する。他成分画像除去部68は、例えば領域Xの面積に対して領域Xの周囲長さが所定の値以上である場合、領域の形状が複雑であるとして、その領域Xが析出物領域Yではないと判断する。
具体的には、他成分画像除去部68は、第1方向における長さ、第2方向における長さ、面積、円形度、及び充填率を用いる。具体的には、他成分画像除去部68は、第1方向における長さが所定長J1より短い領域Xを、析出物領域Yではない(析出物Dの画像ではない)と判断して除去する。また、他成分画像除去部68は、第2方向における長さが所定長J2より短い領域Xを、析出物領域Yではないと判断して除去する。また、他成分画像除去部68は、面積が所定面積J3より小さい領域Xを、析出物領域Yではないと判断して除去する。また、他成分画像除去部68は、円形度が所定円形度J4より小さい領域Xを、析出物領域Yではないと判断して除去する。なお、円形度は、外周の形状の複雑さを示す指標であり、円形度をRoとしたとき、以下の式(1)により算出される。
Ro=(4・π・A)/L ・・・(1)
ここで、πは円周率であり、Aは領域Xの面積であり、Lは領域Xの周囲長さである。円形度Roは、1から値が小さくなるに従って、真円から遠ざかる形状となる。
また、他成分画像除去部68は、面積が所定面積J5より小さく、かつ、充填率が所定充填率J6より小さい領域Xを、析出物領域Yではないと判断して除去する。所定面積J5は、所定面積J3より大きい値である。図12は、充填率を説明するための図である。充填率とは、図12に示すように、領域K1に外接する外接矩形K2の面積に対する領域K1の面積を示す値である。すなわち、充填率Mとは、次の式(2)で表される。
M=ArK1/ArK2 ・・・(2)
ここで、ArK1は領域K1の面積であり、ArK2は外接矩形K2の面積である。
他成分画像除去部68は、以上のようにして、析出物候補領域Xから析出物Dの画像ではないと判断した領域Xを除去して析出物領域Yを抽出することにより、対象物評価用画像106を生成する。
析出物間距離算出部38は、析出物画像抽出部37から対象物評価用画像106を取得し、パラメータ取得部33から自身が実行する処理に関連するパラメータを取得する。析出物間距離算出部38は、対象物評価用画像106中の析出物Dの画像同士の距離を算出する。具体的には、析出物間距離算出部38は、対象物評価用画像106から、析出物領域Yに含まれる領域X間の距離を測定する。析出物間距離算出部38は、領域X間の距離として、領域X同士の平均自由行程を算出する。析出物間距離算出部38は、析出物D間の距離を算出するための測定線を、対象物評価用画像106中に追加してもよい。
寿命評価部39は、析出物間距離算出部38から領域X間の距離の情報を取得する。寿命評価部39は、領域X間の距離情報に基づき、対象物1の寿命を算出する。上述のように、析出物D間の距離は、対象物1のクリープ寿命と関連する。析出物D間の距離が長いほど、クリープ寿命が短くなる。析出物領域Yに含まれる領域Xは、析出物Dの画像を示しているものなので、寿命評価部39は、領域X間の距離を析出物D間の距離として、クリープ寿命を算出する。
以上説明した制御部20の処理フローを、フローチャートに基づき説明する。図13は、本実施形態に係る画像処理を説明するフローチャートである。図13に示すように、制御部20は、本実施形態に係る画像処理を行う際、撮像画像取得部32により対象物1の撮像画像100を取得し(ステップS10)、パラメータ取得部33により、画像処理に必要な各種パラメータを取得する(ステップS12)。
制御部20は、撮像画像100及びパラメータを取得した後、ノイズ除去部34により、ノイズ除去処理を実行して(ステップS14)、ノイズ除去画像102を生成する。ノイズ除去処理の詳細な処理フローは後述する。ノイズ除去処理を実行した後、制御部20は、2値化処理部36により、2値化処理を実行して(ステップS16)、2値化画像104を生成する。2値化処理の詳細な処理フローは後述する。2値化処理を実行した後、制御部20は、析出物画像抽出部37により、析出物画像抽出処理を実行して(ステップS18)、対象物評価用画像106を生成する。析出物画像抽出処理の詳細な処理フローは後述する。
制御部20は、析出物画像抽出処理を実行した後、析出物間距離算出部38により、対象物評価用画像106から析出物距離算出処理を実行する(ステップS19)。具体的には、析出物間距離算出部38は、対象物評価用画像106中の析出物領域Yに含まれる領域X間の距離を測定することにより、析出物D間の距離を算出する。これにより、本実施形態に係る画像処理は終了する。制御部20は、その後、算出した析出物D間の距離の情報に基づき、寿命評価部39により、対象物1のクリープ寿命を算出する。
次に、ノイズ除去処理の処理フローを説明する。図14は、ノイズ除去処理を説明するフローチャートである。図14に示すように、ノイズ除去処理を行う際、ノイズ除去部34は、特異点除去部42により、撮像画像100に対し特異点除去処理を行って(ステップS20)、特異点除去画像100aを生成する。特異点除去部42は、特異点除去処理として、中央値フィルタ処理を行う。特異点除去処理を行った後、ノイズ除去部34は、ゼロ画像付加部44により、特異点除去画像100aにゼロ画像101を付加して(ステップS22)、ゼロ付加画像100bを生成する。ゼロ画像101を付加した後、ノイズ除去部34は、最大値フィルタ部50及び最小値フィルタ部52により、ゼロ付加画像100bに最大値フィルタ処理及び最小値フィルタ処理を行い、低周波画像100cを生成する(ステップS24)。最大値フィルタ部50及び最小値フィルタ部52は、最大値フィルタ処理、最小値フィルタ処理を、この順で実行する。
低周波画像100cを生成した後、ノイズ除去部34は、低周波画像除去部54により、特異点除去画像100aから低周波画像100cの画像成分を除去し(ステップS26)、ノイズ除去画像102を生成する。これにより、ノイズ除去処理は終了する。
次に、2値化処理の処理フローを説明する。図15は、2値化処理を説明するフローチャートである。図15に示すように、2値化処理を行う場合、2値化処理部36は、Pタイル部60により、ノイズ除去画像102に対しPタイル処理を実行し(ステップS30)、Pタイル画像102aを生成する。Pタイル処理を行った後、2値化処理部36は、最小値フィルタ部62により、Pタイル画像102aに対し最小値フィルタ処理を実行し(ステップS32)、その後最大値フィルタ部64により、最大値フィルタ処理を実行して(ステップS34)、2値化画像104を生成する。これにより、2値化処理は終了する。
次に、析出物画像抽出処理の処理フローを説明する。図16は、析出物画像抽出処理を説明するフローチャートである。図16に示すように、析出物画像抽出処理を行う場合、析出物画像抽出部37は、析出物候補画像抽出部66により、2値化画像104から、析出物候補領域Xを選択する(ステップS40)。析出物候補画像抽出部66は、2値化画像104中の第1階調である画素からなる領域を、析出物候補領域Xとして選択する。析出物候補領域Xを選択した後、析出物画像抽出部37は、他成分画像除去部68により、析出物候補領域Xから析出物領域Yを抽出して(ステップS42)、対象物評価用画像106を生成する。他成分画像除去部68は、析出物候補領域X中の領域Xのうち、所定の形状を有さない領域Xを除去し、所定の形状を有する領域Xを析出物Dの画像であると判断し、析出物領域Yとして抽出する。これにより、析出物画像抽出処理は終了する。
以下に、本実施形態に係る画像処理システムによって生成された対象物評価用画像106の一例を示す。図17は、撮像画像の一例を示す図である。図18は、対象物評価用画像の一例を示す図である。図19は、比較例に係る評価画像の一例を示す図である。図17は、対象物1の撮像画像100の一例である撮像画像100Aであり、鋼領域S中に、析出物Dが点在している。図18は、図17の撮像画像100Aに基づき、本実施形態に係る画像処理システムによって生成した対象物評価用画像106Aを示している。図18に示すように、対象物評価用画像106Aは、析出物Dの画像が析出物領域Yとして第1階調となっており、その他の領域が鋼領域Sとして第2階調となっている。なお、図18では、対象物評価用画像106Aに対し、析出物間距離算出部38により析出物D間の距離を算出したものであり、析出物D間の距離を算出するための測定線が画像中に追加されている。図19は、図17の撮像画像100Aに基づき、作業者が析出物Dの画像を検出し、その検出した析出物Dの画像を抽出した評価用画像106Xを示している。評価用画像106Xは、作業者によって作成されたものであり、比較例に係る画像である。図19に示す評価用画像106Xも、図18に示す対象物評価用画像106Aと同様に、鋼領域S中に析出物Dが点在している画像となっている。図18及び図19によると、対象物評価用画像106Aは、作業者によって抽出された評価用画像106Xと、析出物Dの分布が同等であることがわかる。これらの図からも、本実施形態に係る画像処理システムは、析出物Dの検出精度の低下を抑制することがわかる。
表1は、本実施形態に係る対象物評価用画像に基づき算出された析出物間距離の算出結果と、比較例に係る評価用画像に基づき算出された析出物間距離の算出結果とを示している。表1での析出物間距離は、平均自由行程で示されており、μm及び画素の数(pixel)を単位としている。なお、画素の数とμmの関係は、画像の倍率に応じて変化する。
表1に示すように、撮像画像100のサンプル1に基づく析出物間距離の算出結果は、本実施形態では1.53μm(211画素数)であり、比較例では1.93μm(266画素数)であった。また、撮像画像100のサンプル2に基づく析出物間距離の算出結果は、本実施形態では2.23μm(307画素数)であり、比較例では2.37μm(327画素数)であった。また、撮像画像100のサンプル3に基づく析出物間距離の算出結果は、本実施形態では1.94μm(268画素数)であり、比較例では1.92μm(264画素数)であった。また、撮像画像100のサンプル4に基づく析出物間距離の算出結果は、本実施形態では1.79μm(247画素数)であり、比較例では1.75μm(241画素数)であった。また、撮像画像100のサンプル5に基づく析出物間距離の算出結果は、本実施形態では2.20μm(303画素数)であり、比較例では2.66μm(367画素数)であった。
表1に示すように、本実施形態に係る対象物評価用画像に基づき算出された析出物間距離の算出結果は、比較例からの変化が小さく、析出物Dの検出精度の低下を抑制することがわかる。
以上説明したように、本実施形態に係る制御部20が構成する画像処理システムは、対象物1の材料組織の画像に含まれる析出物Dを抽出する画像処理システムである。本実施形態に係る画像処理システムは、撮像画像取得部32と、ノイズ除去部34と、2値化処理部36と、析出物画像抽出部37と、を有する。撮像画像取得部32は、対象物1の材料組織の撮像画像100を取得する。ノイズ除去部34は、撮像画像100からノイズ成分を除去してノイズ除去画像102を生成する。2値化処理部36は、ノイズ除去画像102に対して2値化処理を行って、2値化画像104を生成する。析出物画像抽出部37は、2値化画像104の一方の階調の画像のうち、所定の形状である領域Xを析出物Dの画像であると判断して、所定の形状以外の領域Xを除去することにより、析出物Dの画像を抽出する。
本実施形態に係る画像処理システムによると、対象物1の材料組織の画像を2値化処理して析出物Dの候補である領域(析出物候補領域X)を選択し、さらに、その析出物候補領域Xから、析出物Dでないと判断された領域の画像を除去して、析出物Dの画像を抽出する。本実施形態に係る画像処理システムは、予め定められたアルゴリズムに従って、析出物Dの画像を抽出するため、例えば作業者が手作業で析出物Dの画像を抽出するよりも、析出物Dの検出速度を向上させることができる。また、本実施形態に係る画像処理システムは、撮像画像100からノイズを除去し、その後2値化処理を行い、その後に析出物Dと判断される画像を抽出するという処理を行うため、析出物Dの検出精度の低下を抑制することができる。なお、本実施形態においては、撮像画像100に基づき対象物評価用画像106を生成するが、撮像画像100に基づき析出物Dの画像を抽出するものであれば、対象物評価用画像106を生成しなくてもよい。
また、ノイズ除去部34は、特異点除去部42と、階調変化抽出部46とを有する。特異点除去部42は、撮像画像100から、周囲の画素の階調に対して階調が特異である特異点を除去して特異点除去画像100aを生成する。階調変化抽出部46は、特異点除去画像100aから画素間の階調変化が大きい領域を抽出して、ノイズ除去画像102を生成する。ノイズ除去部34は、特異点を除去し、その後に画素間の階調変化が大きい領域を抽出する処理を行うため、撮像画像100から適切にノイズを除去できる。従って、この画像処理システムは、析出物Dの検出精度の低下をより好適に抑制することができる。
また、特異点除去部42は、中央値フィルタ処理又は平均値フィルタ処理を行い、階調変化抽出部46は、特異点除去画像100aに対して最大値フィルタ処理を行い、その後最小値フィルタ処理を行うことにより、低周波画像100cを生成し、特異点除去画像100aから低周波画像100cの画像成分を除去することで、ノイズ除去画像102を生成する。この画像処理システムは、中央値フィルタ処理又は平均値フィルタ処理を行った後で低周波画像100cを生成し、元の画像(特異点除去画像100a)から画像成分を除去する処理を行う。従って、この画像処理システムは、撮像画像100から適切にノイズを除去し、析出物Dの検出精度の低下をより好適に抑制することができる。
さらに、ノイズ除去部34は、階調変化抽出部46の処理の前に、ゼロ画像付加部44により、特異点除去画像100aの外周に沿ってゼロ画像を付加する。このゼロ画像付加部44は、階調変化抽出部46による最大値フィルタ及び最小値フィルタ処理の前に、画像の外周にゼロ画像を付加する。ゼロ画像を付加することにより、最大値フィルタ処理及び最小値フィルタ処理時の最外周の無効領域により、画像サイズが小さくなることを抑制することができる。
また、2値化処理部36は、Pタイル部60によりPタイル処理を行う。2値化処理部36は、Pタイル処理により2値化処理における階調の閾値を決めることができるため、例えば画像の種類が変わっても、析出物Dの検出精度の低下を好適に抑制することができる。
また、2値化処理部36は、最小値フィルタ部62及び最大値フィルタ部64により、Pタイル処理を行った画像に対して、最小値フィルタ処理を行い、その後に最大値フィルタ処理を行う。2値化処理部36は、この処理により、2値化処理後の画像中のノイズを除去することができるため、析出物Dの検出精度の低下を好適に抑制することができる。
また、析出物画像抽出部37は、2値化画像104の一方の階調の領域のうち、所定長J1(又はJ2)より長さが短く、又は、所定面積J3より面積が小さく、又は、所定円形度J4よりも円形度が小さい領域を、所定の形状以外の画像であるとして除去する。一般的に、析出物Dは、ある一定のサイズ以上であり、形状も複雑になり過ぎない。この析出物画像抽出部37は、サイズが小さすぎる領域や、形状が複雑な領域を析出部Dではないとして除去することが可能であるため、析出物Dの検出精度の低下を好適に抑制することができる。
また、析出物画像抽出部37は、2値化画像104の一方の階調の領域のうち、所定面積J5(充填面積)よりも面積が小さく、かつ、充填率が所定値よりも小さい領域を、所定の形状以外の画像であるとして除去する。この析出物画像抽出部37は、充填率が小さく形状が複雑すぎる領域を、析出部Dではないとして除去することが可能であるため、析出物Dの検出精度の低下を好適に抑制することができる。
また、撮像画像取得部32は、対象物1の材料組織を転写したレプリカ2を電子顕微鏡170で撮像した撮像画像100を取得する。撮像画像100は、レプリカ2を撮像したものなので、対象物1の寿命評価を非破壊で行うことができる。
また、本実施形態に係る画像処理システムは、析出物Dの画像同士の距離を算出する析出物間距離算出部38を有する。この画像処理システムは、析出物間距離算出部38により析出物D間の距離を算出するため、寿命評価を適切に行うことができる。
以下、寿命評価装置10により本実施形態に係る画像処理システムを作動させた場合の、ディスプレイ22における画面構成について説明する。図20は、本実施形態に係る画像処理システムを作動させた場合の画面遷移を説明した説明図である。画像処理システムを作動させた場合、各操作画面がディスプレイ22に表示される。
具体的には、図20に示すように、作業者が入力部24による本システムを起動させた場合、ディスプレイ22には、メイン画面110が表示される。作業者は、メイン画面110からファイル選択を行うことを決定すると、ファイル選択ダイアログ120が表示される。ここで、ファイルとは、対象物評価用画像106を生成するための撮像画像100が保存されているファイルであり、ファイル選択ダイアログ120には、撮像画像100が保存されているファイルが表示される。作業者が、ファイル選択ダイアログ120から、処理を行う撮像画像100のファイルを選択すると、メイン画面110に戻る。なお、ここで、作業者は、複数の撮像画像100を同時に選択し、複数の撮像画像100に対し、処理を連続実行することも可能である。また、作業者がファイル選択を取り消しても、メイン画面110に戻る。
図20に示すように、ファイル選択後のメイン画面110において、作業者は、パラメータ設定を行うことを決定すると、パラメータ設定ダイアログ130が表示される。パラメータ設定ダイアログ130は、対象物評価用画像106の生成処理用の各種パラメータを設定する画面である。作業者が、パラメータ設定ダイアログ130からパラメータの設定を完了すると、メイン画面に戻る。また、作業者がパラメータ設定を取り消しても、メイン画面110に戻る。
さらに、図20に示すように、パラメータ設定ダイアログ130において、作業者がミクロンバーで画像の各部の長さ計測を行うことを決定すると、ミクロンバー計測ダイアログ140が表示される。ミクロンバー計測ダイアログ140は、撮像画像100中にミクロンバーを表示させて、画像中でのミクロンバーの長さを調整する画面である。ミクロンバーは、画像中での基準寸法を示すバーである。作業者が、ミクロンバー計測ダイアログ140からミクロンバーの各種設定を完了すると、パラメータ設定ダイアログ130に戻る。また、作業者がミクロンバーの各種設定を取り消しても、パラメータ設定ダイアログ130に戻る。なお、このミクロンバーの設定は、行っても行わなくてもよい。
図20のように、パラメータ設定後のメイン画面110において、作業者は、対象物評価用画像106の生成を連続実行することを選択すると、対象物評価用画像106が作成され、連続実行結果ダイアログ150が表示される。連続実行は、複数の撮像画像100に対し、処理を連続実行することであり、連続実行結果ダイアログ150は、それぞれの対象物評価用画像106に基づいた析出物D間の距離の情報が表示される。また、作業者が連続実行結果ダイアログ150において連続実行処理を終了すると、メイン画面110に戻る。
以下、各画面の一例の詳細を説明する。図21は、メイン画面の一例を示す図である。図21に示すように、メイン画面110には、表示111、112、113、114、117と、処理コマンド部116、118とが表示される。表示111は、撮像画像100が表示される。表示112は、表示111の撮像画像100に基づき生成された対象物評価用画像106に、析出物D間の距離を算出するための測定線が追加された画像が表示される。表示113は、撮像画像100に、対象物評価用画像106が重ね合わせた画像が表示される。表示114は、表示111、112、113に対応する対象物評価用画像106に基づいた析出物D間の距離の情報が表示される。表示117は、表示111、112、113、114に表示されている画像のサイズが表示されている。表示111、112、113、114は、同一の画面で表示されることにより、それぞれの画像を対比させることができる。
処理コマンド部116は、本システムを終了させる終了コマンド、ファイル選択コマンド、パラメータ設定コマンド、連続実行コマンド、連続2値化コマンド、編集操作モード選択コマンド等を有し、各コマンドを選択することで、それらの処理を行うことが可能となる。処理コマンド部118は、編集操作モード選択コマンドを選択した際に使用するコマンドであり、撮像画像100又は対象物評価用画像106を、手動で編集するコマンドである。
図22は、パラメータ設定ダイアログの一例を示す図である。図22に示すように、パラメータ設定ダイアログ130は、表示131、132、133、134、136と、処理コマンド部135が表示される。表示131は、パラメータ入力部131aに数値を入力することにより、各フィルタ処理におけるカーネルの大きさのパラメータを設定することができる表示である。表示132は、パラメータ入力部132aに数値を入力することにより、Pタイル処理におけるパラメータを設定する表示である。表示133は、析出物画像抽出におけるパラメータを設定する表示であり、パラメータ入力部133aに数値を入力することにより、析出物領域Yではないとして除去される領域を決定するための閾値を設定することができる。表示134は、パラメータ入力部134aに数値を入力することにより、析出物D間の距離算出方法を設定することができる。表示136は、表示される画像における基準長さと画素数との比が表示される。処理コマンド部135は、ミクロンバー計測コマンド、ファイルからパラメータを読み込むためのコマンド、パラメータをファイルに保存するためのコマンド等を有する。
図23は、ミクロンバー計測ダイアログの一例を示す図である。図23に示すように、ミクロンバー計測ダイアログ140は、表示141、処理コマンド144、145、146が表示される。表示141は、撮像画像100と、ミクロンバー142が表示されている。処理コマンド144は、表示141に表示される画像を選択するコマンドである。処理コマンド145は、ミクロンバー142の長さを設定するコマンドである。処理コマンド146は、ミクロンバー142の設定及び取り消しを行うコマンドである。ミクロンバー142は、端部142a、142bと、端部142a、142bの間の線部142cとで構成されている。ここで、撮像画像100は、所定の倍率で拡大されている画像である。ミクロンバー142は、撮像画像100の実際の寸法を示すための基準寸法を示すバーである。ミクロンバー計測ダイアログ140では、処理コマンド145で設定変更することにより、クロンバー142の基準寸法と撮像画像100における画素数との関係、すなわち画像の倍率を変更することが可能となっている。また、ミクロンバー計測ダイアログ140では、端部142a、142bの位置を調整してミクロンバー142の撮像画像100に対する相対長さを変化させることによっても、画像の倍率を変更することが可能となっている。この場合、制御部20は、画像の倍率変更に伴い、パラメータ設定ダイアログ130で設定したパラメータも連動して変更することも可能である。すなわち、制御部20は、倍率を2倍に変更した際、例えば析出物領域Yであると判断する際に用いるパラメータである所定長さを、倍率変更前の2倍とし、所定面積を倍率変更前の4倍となる。
図24は、連続実行結果ダイアログの一例を示す図である。図24に示すように、連続実行結果ダイアログ150は、表示151、152、153、処理コマンド部154が表示される。表示151、152には、処理パラメータ等が表示されている。表示153は、対象物評価用画像106に基づいた析出物D間の距離の情報が複数表示される。処理コマンド部154は、本処理を終了するコマンド、結果を印刷するコマンドを有する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 対象物
2 レプリカ
10 寿命評価装置
20 制御部
22 ディスプレイ
24 入力部
26 記憶部
32 撮像画像取得部
33 パラメータ取得部
34 ノイズ除去部
36 2値化処理部
37 析出物画像抽出部
38 析出物間距離算出部
39 寿命評価部
42 特異点除去部
44 ゼロ画像付加部
46 階調変化抽出部
50、64 最大値フィルタ部
52、62 最小値フィルタ部
54 低周波画像除去部
60 Pタイル部
66 析出物候補画像抽出部
68 他成分画像除去部
100 撮像画像
100a 特異点除去画像
100b ゼロ付加画像
100c 低周波画像
100d 高周波画像
101 ゼロ画像
102 ノイズ除去画像
102a Pタイル画像
104 2値化画像
106 対象物評価用画像
170 電子顕微鏡
D 析出物
S 鋼領域
X 析出物候補領域
領域
Y 析出物領域

Claims (15)

  1. 対象物であるフェライト系耐熱鋼の材料組織の画像に含まれる析出物を抽出する画像処理方法であって、
    前記対象物の材料組織を電子顕微鏡で撮像して撮像画像を生成する撮像ステップと、
    前記撮像画像から低周波画像をノイズ成分として除去しノイズ除去画像を生成するノイズ除去ステップと、
    前記ノイズ除去画像に対して、複数階調を有する画像を2階調に変換する処理である2値化処理を行って、2値化画像を生成する2値化ステップと、
    前記2値化画像の一方の階調を有する領域のうち、所定の形状の領域を前記析出物の画像であると判断し、前記所定の形状以外の領域を除去することにより、前記析出物の画像を抽出する析出物画像抽出ステップと、
    を有し、
    前記撮像ステップは、前記対象物の金属組織の凹凸を転写したレプリカを前記電子顕微鏡で撮像した前記撮像画像を取得する、
    画像処理方法
  2. 前記析出物画像抽出ステップは、前記2値化画像のうち一方の階調を有する領域である析出物候補領域中における、所定の面積より小さい領域、又は形状が複雑であると判断した領域を、前記所定の形状以外の領域であると判断して除去する、請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記ノイズ除去ステップは、
    前記撮像画像から、周囲の画素の階調に対して階調が特異である特異点を除去して特異点除去画像を生成する特異点除去ステップと、
    前記特異点除去画像から画素間の階調変化が大きい領域を抽出して、前記ノイズ除去画像を生成する階調変化抽出ステップと、を有する、請求項1又は請求項2に記載の画像処理方法。
  4. 前記ノイズ除去ステップは、
    前記特異点除去ステップにおいて、中央値フィルタ処理又は平均値フィルタ処理を行い、
    前記階調変化抽出ステップにおいて、前記特異点除去画像に対して最大値フィルタ処理を行い、その後最小値フィルタ処理を行うことにより、前記低周波画像を生成し、前記特異点除去画像から前記低周波画像の画像成分を除去することで、前記ノイズ除去画像を生成する、請求項3に記載の画像処理方法。
  5. 前記ノイズ除去ステップは、前記階調変化抽出ステップの前に、前記特異点除去画像の外周に沿って、階調値がゼロであるゼロ画像を付加する、請求項3又は請求項4に記載の画像処理方法。
  6. 前記2値化ステップは、前記ノイズ除去画像中の画素を高階調画素と低階調画素とに区分した場合に、前記高階調画素数の割合が所定の比率以上となる階調を閾値とし、前記閾値以上の階調を有する画素を前記2階調のうち1つの階調とし、前記閾値より小さい階調を有する画素を前記2階調のうち他の1つの階調とするPタイル処理を行う、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  7. 前記2値化ステップは、さらに、前記Pタイル処理を行った前記ノイズ除去画像に対して最大値フィルタ処理を行い、その後最小値フィルタ処理を行う、請求項6に記載の画像処理方法。
  8. 前記析出物画像抽出ステップは、前記2値化画像の一方の階調の領域のうち、所定長より長さが短く、又は、所定面積より面積が小さく、又は、所定の円形度よりも円形度が小さい領域を、前記所定の形状以外の画像であるとして除去する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  9. 前記析出物画像抽出ステップは、さらに、前記2値化画像の一方の階調の領域のうち、前記所定面積より面積が大きい充填面積よりも面積が小さく、かつ、領域の外接矩形の面積に対する自身の面積の割合を示す充填率が、所定値よりも小さい領域を、前記所定の形状以外の画像であるとして除去する、請求項8に記載の画像処理方法。
  10. さらに、前記析出物の画像同士の距離を算出する析出物間距離算出ステップを有する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  11. 請求項1から請求項1のいずれか1項に記載の画像処理方法により抽出した前記析出物に基づき、前記対象物の寿命評価を行う、対象物の寿命評価方法。
  12. 対象物であるフェライト系耐熱鋼の材料組織の画像に含まれる析出物を抽出する画像処理システムであって、
    前記対象物の材料組織の撮像画像を取得する撮像画像取得部と、
    前記撮像画像から低周波画像をノイズ成分として除去しノイズ除去画像を生成するノイズ除去部と、
    前記ノイズ除去画像に対して、複数階調を有する画像を2階調に変換する処理である2値化処理を行って、2値化画像を生成する2値化処理部と、
    前記2値化画像の一方の階調の画像のうち、所定の形状である領域を前記析出物の画像であると判断して、前記所定の形状以外の領域を除去することにより、前記析出物の画像を抽出する析出物画像抽出部と、
    を有し、
    前記撮像画像取得部は、前記対象物の金属組織の凹凸を転写したレプリカを電子顕微鏡で撮像した前記撮像画像を取得する、
    画像処理システム。
  13. 前記析出物画像抽出部は、前記2値化画像のうち一方の階調を有する領域である析出物候補領域中における、所定の面積より小さい領域、又は形状が複雑であると判断した領域を、前記所定の形状以外の領域であると判断して除去する、請求項1に記載の画像処理システム。
  14. 前記ノイズ除去部は、前記撮像画像から、周囲の画素の階調に対して階調が特異である特異点を除去して特異点除去画像を生成する特異点除去部と、
    前記特異点除去画像から画素間の階調変化が大きい領域を抽出して、前記ノイズ除去画像を生成する階調変化抽出部と、を有する、請求項1又は請求項1に記載の画像処理システム。
  15. 前記特異点除去部は、中央値フィルタ処理又は平均値フィルタ処理を行い、
    前記階調変化抽出部は、前記特異点除去画像に対して最大値フィルタ処理を行い、その後最小値フィルタ処理を行うことにより、前記低周波画像を生成し、前記特異点除去画像から前記低周波画像の画像成分を除去することで、前記ノイズ除去画像を生成する、請求項1に記載の画像処理システム。
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