JP5863893B2 - 歯科用ポスト - Google Patents
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Description
本発明の別の目的は、繊維強化樹脂から形成された歯科用ポスト(以下、ファイバーポストと称することがある)であっても、優れた引き抜き抗力および疲労耐久性を両立することができる歯科用ポストを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、予後における疲労耐久性を確保する一方で、再度根管を治療する必要が発生した場合であっても、ファイバーポスト自体を削って治療することができる歯科用ポストを提供することである。
本発明の他の目的は、挿入する際の操作性が良好であるとともに、引き抜き抗力に優れる歯科用ポストを提供することである。
(D)=(R)×n (1)
(式中、nは0.03〜0.4である。)
このような凹部の軸長さ方向に沿った断面形状は、楔状や矩形状など、さまざまな形状であってもよいが、例えば円弧状であるのが好ましい。
なお、本発明において、凹部とは、歯科用ポストの表面から、深さ12μm以上の部分を意味する。また、凹部の開口端部における支柱部側の断面直径(R)とは、歯科用ポストの軸長さ方向に直交する断面であって、凹部の支柱部側の開口端部と接する断面の直径を意味する。
さらにまた、特定の形状を有する繊維強化樹脂で形成するため、予後における疲労耐久性を確保する一方で、再度根管を治療する必要が発生した場合であっても、ファイバーポスト自体を削って治療することができるため、歯質の欠損を少なくすることができる。
(D)=(R)×n (1)
(式中、nは0.03〜0.4であり、好ましくは、0.05〜0.35である。)
熱(光)硬化性ポリマーとしては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、メラミン、シリコーン、フェノールなどが挙げられる。
これらの(メタ)アクリル系モノマーは、単独でまたは組み合わせて使用してもよい。
可視光硬化性タイプには、通常の重合開始剤、重合促進剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等が含まれる。熱硬化性タイプおよび圧力硬化性タイプは、モノマー成分に加えて、ベンゾイルパーオキサイド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)の様な熱硬化開始剤、またはその他のラジカル開始剤が添加される。
X線不透過性付与剤は、例えば、カルシウム、バリウム、ビスマス、マグネシウム、および原子番号58〜71の希土類金属もしくはそれらの酸化物、炭酸塩、フッ化物または硝酸塩の様な当該技術分野で公知のものが含まれる。これらのX線不透過性付与剤は、単独でまたは組み合わせて使用してもよい。
歯科用ポストの曲げ強さの測定には、万能測定装置オートグラフ(AG−100kNI:島津製作所製)を用いた。スパンは10mm、支点部分の距離rは2mmとし、支柱部の3点曲げを実施した。
クロスヘッドスピードは1.0mm/minとした。歯科用ポストの曲げ強さは1000MPa以上が好適とされる。
歯科用ポストの引き抜き抗力を、下記に示すモデル系を用い、以下の手順で測定した。測定方法を図5および6を用いて説明する。
(A)まず、A工程において、支柱部102および挿入先端部104を備える歯科用ポスト100の表面をアルコールワッテで清掃し、次いで、クリアフィルセラミックプライマー(登録商標、クラレメディカル(株)製)を用いて表面を処理した。その一方で、中心に直径2mmの貫通した挿入孔107が開いている直径20mm×高さ15mmの円柱状ステンレス鋼ブロック106を用意し、この挿入孔107の内面をサンドブラスト処理(モリタ社製 JetBlastII 50μmアルミナ 0.35MPa)した。
歯科用ポストの疲労耐久性を、下記に示すモデル系を用い、以下の手順で測定した。測定方法を図7および8を用いて説明する。
(A)まず、A工程において、支柱部102および挿入先端部104を備える歯科用ポスト100の表面をアルコールワッテで清掃し、次いでクリアフィルセラミックプライマー(登録商標、クラレメディカル(株)製)を用いて歯科用ポストの表面を処理した。
無機超微粒子(「AEROSIL130」シリカ:登録商標、日本アエロジル(株)社製)100重量部に対して、20重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し、表面処理無機超微粒子(A)を得た。
上述した製造例で得られた繊維強化複合材を、NC旋盤(COSMO ACE:(株)光畑製作所製)で切削加工し、支柱部が円柱状であるとともに、挿入先端部の全体が、支柱部と、反対側の挿入先端部の末端に向かってテーパー付けられている歯科用ポストを得た。この歯科用ポストには、歯科用ポストの軸長さ方 向に沿った凹部の断面形状が円弧状である横溝が形成されている。
凹部として、歯科用ポストの支柱部と反対側の挿入先端部の末端から2.00mmに歯科用ポストの軸長さ方向と交わる横方向に形成された横溝を一本のみ形成する以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
凹部の開口幅を0.05mmとする以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
凹部の開口幅を0.3mmとする以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
凹部の開口幅を2.2mmとする以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
歯科用ポストの軸長さ方向と交わる横方向に形成された二本の横溝が、歯科用ポストの支柱部と反対側の挿入先端部の末端から1.50mmと4.50mmを中心位置として形成されること、および凹部の開口幅を3mmとし、凹部の深さ(D)と、この凹部の開口端部における支柱部側の断面直径(R)とが満たす関 係を表2の記載のようにすること以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
凹部の深さ(D)と、この凹部の開口端部における支柱部側の断面直径(R)とが満たす関係を表2の記載のようにする以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
凹部の深さ(D)と、この凹部の開口端部における支柱部側の断面直径(R)とが満たす関係を表2の記載のようにする以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
凹部の深さ(D)と、この凹部の開口端部における支柱部側の断面直径(R)とが満たす関係を表2の記載のようにする以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
凹部の深さ(D)と、この凹部の開口端部における支柱部側の断面直径(R)とが満たす関係を表2の記載のようにする以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
歯科用ポストの軸長さ方向に沿った凹部の断面形状を、図4(b)に示すような楔状とする以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
歯科用ポストの軸長さ方向に沿った凹部の断面形状を、図4(c)に示すような矩形状とする以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
図9に示すように、先端挿入部から支柱部にかけて1.80mm間隔ごとに、全体的に横溝を形成する以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
図10に示すように、全く凹部を形成しない以外は、実施例1と同様にして、歯科用ポストを得た。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
3…根管
5…合着材
7…界面
10,20,100…歯科用ポスト
12,22,102…支柱部
14,24,104…挿入先端部
16…凹部
18…末端
Claims (7)
- ポリマーマトリックスおよび強化繊維からなる繊維強化複合材料で構成された歯科用ポストであって、
前記歯科用ポストは、根管へ挿入する挿入先端部と、前記挿入先端部に隣接する円柱状または多角柱状の平滑な壁面を有する支柱部とを備え、かつ前記歯科用ポストには、支柱部と反対側に位置する挿入先端部の末端から6mmの範囲内にのみ少なくとも1つの凹部が形成されており、
支台築造治療に用いられる歯科用ポスト(前記支柱部にスロットがある場合を除く)。 - 請求項1において、挿入先端部が、支柱部と反対側に位置する挿入先端部の末端に向かってテーパー付けられているテーパー部分を有する歯科用ポスト。
- 請求項1または2において、凹部が、歯科用ポストの軸長さ方向と交わる横方向に形成された一本以上の溝である歯科用ポスト。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、前記凹部の深さ(D)と、この凹部の開口端部における支柱部側の断面直径(R)とが、下記式(1)を満たす歯科用ポスト。
(D)=(R)×n (1)
(式中、nは0.03〜0.4である。) - 請求項1〜4のいずれか一項において、歯科用ポストの軸長さ方向に沿った断面における凹部の開口幅(W)が0.03〜3.5mmである歯科用ポスト。
- 請求項1〜5のいずれか一項において、歯科用ポストの軸長さ方向に沿った凹部の断面形状が円弧状である歯科用ポスト。
- 請求項1〜6のいずれか一項において、根幹へ挿入される部分の長さが10mm以上であり、前記挿入先端部の末端から4mmの範囲内にのみ前記少なくとも1つの凹部が形成されている歯科用ポスト。
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