JP5862946B2 - 熱源機 - Google Patents
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Description
具体的に説明すると、室内設置型の熱源機は浴室の近くのような比較的高温、高湿となる場所に設置されることが多い。このとき、熱源機が、寒冷地の低温の外気を内部に導入すると、導入した外気によって熱源機の筺体が冷されてしまう。すると、低温となった筺体表面と接触する室内の空気が露点温度以下に低下してしまい、熱源機の筺体表面に結露水が発生してしまう。このような結露水は、導入する空気が低温である程に発生し易くなるため、特に、給気温度が比較的低温になり易い二本管式の熱源機において顕著に発生し得る。
また、寒冷地においては、人が室内にいる間は暖房を使用し続けることが多い。ここで、暖房機能を備えた熱源機を寒冷地で運用するとき、熱源機は、人が室内にいる間は継続して稼働し続けることとなり、その間、冷たい外気を導入し続けてしまう。そして、冷たい外気が長い時間導入され続けると、導入された外気によって筺体の表面温度が低くなってしまう。このように、寒冷地では、特に暖房機能を有する熱源機を運用する場合において、筺体表面に結露水が発生しやすい状況となってしまうことがある。
ここで、室外から筺体内部に低温の空気が導入されたとき、筺体内部へと導入された低温の空気は、筺体内の比較的高温の空気と混ざり合う。このため、筺体内部の空気の温度は、導入直後の温度よりやや高くなる。換言すると、筺体内部へと導入する空気の温度は、導入直後が最も低い温度となる。したがって、筺体の空気供給口となる部分とその近傍の部分は、筺体内部へと空気を導入するときに最も低温となる空気に晒され続けることとなり、他の部分よりも低温となってしまう。そこで本発明では、筺体内部への空気供給口となる部分の近傍に結露防止ヒータを設け、筺体の空気供給口となる部分とその近傍、即ち、室外空気の導入時に他の部分よりも低温となる部分を重点的に昇温可能な構成としている。つまり、筺体において他の部分よりも温度が低くなる部分、別言すると、筺体において結露水が発生し易い部分をより確実に露点温度以上に維持し続けることが可能となっており、結露水の発生をより確実に防止可能となっている。
ここで「筺体の空気供給口の近傍」とは、具体的には、使用するヒータの能力、想定される給気温度、室内温度、湿度、消費電力等から総合的に決定する。例えば、給気温度=−15℃(度)、室内温度=25℃、室内の相対湿度70%と想定し、ヒータの消費電力が8Wである状況下において、「筺体の空気供給口の近傍」とは空気供給口までの距離が15cm以下の部分であるものとする。このようにすると、結露を防止し、且つ、消費電力を可能な限り小さくできる。
このように、取り込んだ空気によって筺体が冷えにくく、冷えた筺体を温め易い構成とすることで、筺体表面における結露水の発生をより確実に防止可能となっている。
これに加えて、本発明では、制御温度検知手段が検知した温度に基づいて結露防止運転を実施可能であり、給気温度検知手段が検知した温度に基づいて凍結防止運転を実施可能となっている。換言すると、凍結防止運転を実施するときに基準となる温度に基づいて結露防止運転を実施可能となっており、結露防止運転を実施するときに基準となる温度に基づいて凍結防止運転を実施可能となっている。つまり、本発明では、凍結防止運転と結露防止運転とを、給気温度検知手段が検知した温度と制御温度検知手段が検知した温度のそれぞれ異なる2つの基準で実施することができる。このことにより、熱源機の筺体又はその周辺の温度が低下したとき、その温度低下をより確実に検知できるので、結露防止運転と凍結防止運転をより適切に実施することができる。このことにより、筺体表面の結露水の発生や通水部の凍結をより確実に防止することができる。
筺体2の天板部4には、この貫通孔4aの他に別途貫通孔4bが形成されており、この貫通孔4bに、排気集合管20(詳しくは後述する)と一体に設けられた円筒状の排気筒取付部11が挿通された状態となっている。このとき、排気筒取付部11は天板部4の貫通孔4bに内側から挿通されており、筺体2の外部に向かって突出した状態となっている。より詳細には、排気筒取付部11は、天板部4から略垂直上方に向かって突出した状態となっている。
したがって、結露防止ヒータ5は、天板部4の長手方向(左右方向)において、給気筒取付部10と近接し、且つ排気筒取付部11と大きく隔たりがある位置に配されている。別言すると、結露防止ヒータ5と排気筒取付部11との間に給気筒取付部10が位置するように配されている。
この断熱材6は、天板部4の略全ての部分と接触しており、より詳細には、天板部4の結露防止ヒータ5と接触している部分と、天板部4の2つの貫通孔4a,4bの下方に位置する部分とを除いた略全ての部分と接触している。このとき、結露防止ヒータ5が位置する天板部4の長手方向(左右方向)の端部(左端部)では、断熱材6の上面が結露防止ヒータ5の下面と接触した状態となっている。即ち、断熱材6は結露防止ヒータ5の下方に位置しており、天板部4と断熱材6の間に結露防止ヒータ5が位置した状態となっている。換言すると、結露防止ヒータ5は、上下方向において、天板部4と断熱材6によって挟まれた状態となっている。
また、断熱材6のうち、天板部4の2つの貫通孔4a,4bの下方に位置する部分は、開放された状態となっている。即ち、断熱材6には2つの貫通孔6a,6bが形成されており、これらが天板部4の貫通孔4a,4bと重なって一体の連通孔を形成している。
この排気集合管20は、図1、図2で示されるように、下方に位置する箱状の本体部21と、上方に位置する円筒状の排気筒取付部11から形成されている。そして、本体部21は、各燃焼系統3a,3bのそれぞれと連続して一体の排気流路を形成するよう取り付けられている。このことから、各燃焼系統3a,3bから排出された燃焼ガスは本体部21で合流し、排気筒取付部11から排出されることとなる。
つまり、筺体2の内部には、湯水や熱媒体、ドレンといった液体が内部を流れる配管やポンプ等の部材(通水部)が配されている。
なお、凍結防止ヒータ23は板状のセラミックヒータであって、スプリング等の適宜な取付手段によって各部に取り付けられている。
具体的に説明すると、一次熱交換器18では、湯水が流れる配管が蛇行して延びており、その配管の一部がフィン18a等と接触して熱交換を実施している。そして、この蛇行して延びる配管のフィン18aと接触しない部分に、凍結防止ヒータ23(23d)が取り付けられている。
そして、暖房系統28では、このタンク用給水配管46の湯水の流れ方向の下流側に位置する部分であって、膨張タンク45に近い部分に、凍結防止ヒータ23(23g)が取り付けられている。
そして、ドレン排出系統29では、ドレン受け部48の下部に凍結防止ヒータ23(23h)が取り付けられている。
より具体的には、雰囲気温度センサ53の検知動作を実施する部分が、筺体2内の送風機17より下側の部分に位置するように配されている(雰囲気温度センサ53の筺体内での具体的な位置については図示せず)。即ち、雰囲気温度センサ53が取り付けられる制御基板(コントローラ52を構成する制御基板)もまた、筺体2の下方側に位置している(制御基板の筺体内での具体的な位置については図示せず)。
具体的に説明すると、筺体2内へ上方から流入した空気は、下方に位置する送風機17に向かって流れるものであるが、このとき筺体2の空気の流入口となる部分(貫通孔4a)と送風機17との間には、様々な機器や配管、部材等の内蔵物が位置している。そのため、筺体2へと導入された空気は、様々な内蔵物に衝突してその流れ方向を変えつつ、送風機17へと流れていく。結果、筺体2の内部空間に導入された空気は、筺体2の内部空間の前後左右方向に拡散しつつ、下方へ向かって流れていく。別言すると、筺体2の内部へと導入した空気は、内蔵物や筺体2の内壁と衝突し、その流れ方向を変えながら下方へ向かって流れることとなる。
より具体的には、摂氏8度以下であり摂氏5度より大きい温度域A、摂氏5度以下であり摂氏2度より大きい温度域B・・・といったように予め複数の温度域が規定されており、各温度域に応じた結露防止ヒータ5の稼働時間が規定されている。このとき、各温度域の基準温度(例えば、各温度域の最高温度、最低温度、平均温度といった温度を基準温度とする)が低い温度域程、結露防止ヒータ5が長い時間稼働するように規定されている。
そして、給気温度センサ7が検知した温度がいずれの温度域に属するのかが判断され、給気温度センサ7が検知した温度が属する温度域に応じた稼働時間だけ、結露防止ヒータ5が稼働する。
ここで、「筺体の空気供給口の近傍」とは、結露防止ヒータ5の能力、想定される給気温度、室内温度、湿度、消費電力等から総合的に決定する必要がある。本実施形態では、結露を防止し、且つ、消費電力を可能な限り小さく収めるとの理由から、給気温度=−15℃(度)、室内温度=25℃、室内の相対湿度70%と想定し、結露防止ヒータ5の消費電力が8Wとした状況下において、空気供給口までの距離が15cm以下の部分を「筺体の空気供給口の近傍」としている。そして、結露防止ヒータ5を筺体2の空気供給口の近傍に配する構成とすることで、結露を防止しつつ、消費電力を小さくしている。
具体的に説明すると、熱源機1を稼働していない状態であっても、熱源機1を設置した室内で換気扇を回す等によって室内側が負圧となってしまうと、給気筒12から室外の空気が筺体2側(室内側)へと流入してしまうことが考えられる。しかしながら、本実施形態では、このような理由で筺体2の内部へ冷たい空気が流入した場合であっても、給気温度センサ7が筺体2内の温度の低下を検知して筺体2を昇温する。そのため、筺体2の温度が低下してしまうことがなく、筺体2の表面に結露が発生することがない。
そこで、本実施形態の熱源機1では、このような部材内での液体の凍結を防止すべく、凍結防止運転を実施している。
即ち、筺体2へと流入する空気の温度(給気温度)と、筺体2が配置された室内の雰囲気温度(又はそれに準ずる温度)のいずれか又は両方の温度を基準として、結露防止運転、凍結防止運転を実施してもよい。筺体2へと流入する空気の温度(給気温度)と、筺体2が配置された室内の雰囲気温度(又はそれに準ずる温度)の両方の温度を基準として、結露防止運転や、凍結防止運転を実施すると、筺体2の表面における結露水の発生や、筺体2に内蔵された機器における内部での液体の凍結をより確実に防止できる。
なお、このように一部が二重管の構造を採用した場合であっても、上記した潜熱回収式のように燃焼排気の温度が低い場合、筺体内に取り込む外気と燃焼排気との間で十分に熱交換が行われず、冷たい外気が流入してしまうことが考えられる。しかし、本発明によると、冷たい外気が流入した場合であっても、筺体表面の温度が低下せず、筺体表面での結露水の発生を確実に防止できる。
5 結露防止ヒータ
6 断熱材
7 給気温度センサ(給気温度検知手段)
12 給気筒(給気経路)
13 排気筒(排気経路)
16 燃焼部
17 送風機
18 一次熱交換器
19 二次熱交換器
23 凍結防止ヒータ
53 雰囲気温度センサ(制御温度検知手段)
Claims (5)
- 燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼部と、送風機とを筺体内部に備え、屋外から筺体内部へ空気を供給するための給気経路と、筺体内から屋外へ燃焼ガスを排出するための排気経路とがそれぞれ接続された屋内設置型の熱源機であって、
前記給気経路を経由して前記筺体内に取り込まれた空気の温度を検知可能な給気温度検知手段と、前記筺体を直接及び/又は間接的に加熱可能な結露防止ヒータとを有し、
筺体内に取り込まれた空気の温度に基づいて、結露防止ヒータによって筺体を加熱し、筐体表面の結露水の発生を防止する結露防止運転を実施可能であることを特徴とする熱源機。 - 前記結露防止ヒータは、筺体の内部空間であって、筺体の空気供給口の近傍に配されることを特徴とする請求項1に記載の熱源機。
- 筺体内壁には断熱材が取り付けられており、
前記結露防止ヒータは、筺体内壁と前記断熱材との間に配されることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱源機。 - 筺体内に通水部を有し、当該通水部を加熱可能な凍結防止ヒータと、筺体内の所定位置の気温又は所定部分を流れる湯水の水温を検知可能な制御温度検知手段とを備え、前記凍結防止ヒータを作動させて通水部を流れる湯水の凍結を防止する凍結防止運転を実施可能なものであり、
前記給気温度検知手段が検知した温度、又は前記制御温度検知手段が検知した温度に基づいて、前記結露防止運転を実施し、
前記給気温度検知手段が検知した温度、又は前記制御温度検知手段が検知した温度に基づいて、前記凍結防止運転を実施することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱源機。 - 燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器と、主に潜熱を回収する二次熱交換器を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱源機。
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