JP5861015B1 - 誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システム - Google Patents

誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システム Download PDF

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Abstract

カプセル型医療装置の誘導を行っている際に不測の事態が発生した場合に、永久磁石が発生する磁界を即座に且つ確実に遮蔽することができる誘導装置等を提供する。誘導装置は、永久磁石110と、該永久磁石を鉛直方向に沿って移動可能に支持する支持機構であって、永久磁石の可動範囲の最低位置である第1の位置と、永久磁石が発生する磁界によりカプセル型医療装置の誘導が可能な第2の位置との間で永久磁石を支持する支持機構と、外部から供給される電力に基づいて永久磁石を移動させるモータ124と、永久磁石を収納可能な収納部111と、該収納部に設けられた蓋部113、114と、永久磁石の鉛直方向における移動と連動して蓋部を遮蔽位置と非遮蔽位置との間で移動させる遮蔽部材移動機構とを備え、モータへの電力供給が停止した際に、永久磁石が第1の位置に移動すると共に上記蓋部が遮蔽位置に移動する。

Description

本発明は、被検体内に導入されて検査や処置等を行うカプセル型医療装置を被検体内において誘導する誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システムに関する。
従来、被検体内に導入されて検査や処置等を行うカプセル型医療装置の開発が進められている。一例として、被検体の消化管内に導入可能な大きさに形成されたカプセル型内視鏡が挙げられる。カプセル型内視鏡は、カプセル型をなす筐体の内部に撮像機能及び無線通信機能を備えた装置であり、被検体の口から飲み込まれた後、蠕動運動等によって消化管内を移動しながら被検体の臓器内部を撮像することにより画像データを取得し、該画像データを被検体外部に設けられた受信装置に無線送信する。受信装置により受信された画像データは画像表示装置に取り込まれ、所定の画像処理が施される。それにより、被検体内の画像をディスプレイに表示することができる。医師や検査技師等のユーザは、このようにして画像表示装置に表示された画像を通して、被検体の臓器の状態を観察することができる。
近年では、被検体に導入されたカプセル型内視鏡を磁力によって誘導(以下、磁気誘導という)する誘導システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。一般に、このような誘導システムにおいては、カプセル型内視鏡の内部に永久磁石(以下、体内永久磁石ともいう)を設け、カプセル型内視鏡の外部に設けた電磁石や永久磁石等の磁界発生源が発生する磁気引力を体内永久磁石に作用させることにより、被検体内部に導入されたカプセル型内視鏡を磁気誘導する。
ところで、磁界発生源として永久磁石を用いる場合、カプセル型内視鏡の誘導を行っていないときには磁界を遮蔽する必要がある。一般に、カプセル型内視鏡の誘導に用いられる磁界発生源の磁力は非常に強く、周囲に大きな影響を及ぼすからである。例えば特許文献2には、磁界発生源の非使用時(カプセル型内視鏡の非誘導時)に、強磁性体で形成された覆い部によって永久磁石を覆ったり、強磁性体で形成された箱に永久磁石を収納したりすることにより、外部への磁界の漏れを低減又は遮蔽する技術が開示されている。
特表2008-503310号公報 国際公開第2007/083708号
被検体内においてカプセル型内視鏡を誘導しつつ検査を行っている際に、不意の停電や地震等の災害といった不測の事態が発生する場合がある。このような場合には、強い磁界が誘導装置外に漏れ続けて周囲に影響を及ぼすことを防ぐために、磁界発生源が発生する磁界を即座に遮蔽しなければならない。しかしながら、特許文献2には、このような緊急時における磁界の遮蔽技術は開示されていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被検体内においてカプセル型内視鏡を誘導しつつ検査を行っている際に不測の事態が発生した場合に、永久磁石からなる磁界発生源が発生する磁界を即座に且つ確実に遮蔽することができる誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る誘導装置は、第1の永久磁石を内蔵したカプセル型医療装置を、前記第1の永久磁石に磁界を作用させることにより誘導する誘導装置において、前記カプセル型医療装置の外部に設けられ、前記第1の永久磁石に作用させる磁界を発生する第2の永久磁石と、前記第2の永久磁石を鉛直方向に沿って移動可能に支持する支持機構であって、鉛直方向における前記第2の永久磁石の可動範囲の最低位置である第1の位置と、前記第2の永久磁石が発生する磁界により前記カプセル型医療装置の誘導が可能である第2の位置との間で前記第2の永久磁石を支持する支持機構と、外部から供給される電力に基づいて、前記第2の永久磁石を鉛直方向に沿って移動させる駆動部と、前記第2の永久磁石を収納可能な収納部と、前記収納部に収納された前記第2の永久磁石が発生する磁界を遮蔽可能な遮蔽部材と、前記第2の永久磁石の鉛直方向における移動と連動して、前記第2の永久磁石が発生する磁界が前記収納部内に遮蔽される遮蔽位置と、前記第2の永久磁石が発生する磁界が前記収納部内に遮蔽されない非遮蔽位置との間で、前記遮蔽部材を移動させる遮蔽部材移動機構と、を備え、前記駆動部への電力供給が停止した際に、前記第2の永久磁石が前記第1の位置に移動すると共に、該移動と連動して前記遮蔽部材が前記遮蔽位置に移動することを特徴とする。
上記誘導装置において、前記駆動部は、電力供給を受けて、前記第2の永久磁石を重力に抗して前記第2の位置に維持し、前記遮蔽部材移動機構は、前記第2の永久磁石が前記第2の位置にある間、前記遮蔽部材を前記非遮蔽位置に維持し、前記駆動部への電力供給が停止した際に、前記第2の永久磁石が自重により前記第1の位置に落下することを特徴とする。
上記誘導装置は、前記駆動部に供給されるエネルギーであって、少なくとも、前記第2の永久磁石を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるために必要なエネルギーを蓄積するエネルギー蓄積手段をさらに備え、前記駆動部は、電力供給を受けて、前記第2の永久磁石を重力に抗して前記第2の位置に維持し、前記遮蔽部材移動機構は、前記第2の永久磁石が前記第2の位置にある間、前記遮蔽部材を前記非遮蔽位置に維持し、前記駆動部への電力供給が停止した際に、前記エネルギー蓄積手段は、蓄積したエネルギーを前記駆動部に供給して、前記第2の永久磁石を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させることを特徴とする。
上記誘導装置において、前記遮蔽部材は、断面が円弧形状をなし、前記収納部に対して外側に凸に湾曲した形状を有し、前記遮蔽部材移動機構は、前記円弧形状と同じ曲率を有する円弧状の軌跡に沿って、前記遮蔽部材を移動させることを特徴とする。
上記誘導装置において、前記遮蔽部材は強磁性体からなることを特徴とする。
上記誘導装置において、前記収納部は強磁性体からなることを特徴とする。
上記誘導装置は、前記収納部の外部に設けられ、前記第2の永久磁石が発生する磁界が前記収納部内に遮蔽されているか否かを表示する磁界表示部をさらに備え、前記磁界表示部は、壁面の一部に、外部から内部を目視可能な窓部が設けられた筐体と、前記筐体内に設けられた表示手段であって、前記筐体の外部から視認不可能な位置である非表示位置と、前記筐体の外部から前記窓部を介して視認可能な位置である表示位置との間で移動可能に設けられた表示手段と、を有し、前記表示手段は、前記第2の永久磁石が発生する磁界により、前記非表示位置から前記表示位置に移動することを特徴とする。
本発明に係るカプセル型医療装置誘導システムは、前記誘導装置と、前記カプセル型医療装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第2の永久磁石の鉛直方向における移動と連動して遮蔽部材を遮蔽位置と非遮蔽位置との間で移動させる遮蔽部材移動機構を設けるので、駆動部への電力供給が停止した際に第2の永久磁石が可動範囲の最低位置に移動すると、該移動と連動して遮蔽手段が遮蔽位置に移動する。従って、被検体内においてカプセル型内視鏡の誘導を行っている際に不測の事態が発生した場合であっても、第2の永久磁石が発生する磁界を収納部内に即座に且つ確実に遮蔽することが可能となる。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係るカプセル型医療装置誘導システムの構成例(非遮蔽状態)を示す模式図である。 図1Bは、本発明の実施の形態1に係るカプセル型医療装置誘導システムの構成例(遮蔽状態)を示す模式図である。 図2は、図1に示すカプセル型内視鏡の内部構造の一例を示す一部断面図である。 図3Aは、図1に示す永久磁石及び収納部内の構成を模式的に示す斜視図(非遮蔽状態)である。 図3Bは、図1に示す永久磁石及び収納部内の構成を模式的に示す斜視図(遮蔽状態)である。 図4Aは、図3Aに示す蓋部の構造を説明するための模式図である。 図4Bは、図3Aに示す蓋部の構造を説明するための模式図である。 図5Aは、図3Aに示す磁石保持機構の動作を説明するための斜視図である。 図5Bは、図3Aに示す磁石保持機構の動作を説明するための斜視図である。 図5Cは、図3Aに示す磁石保持機構の動作を説明するための斜視図である。 図6は、図1に示す誘導装置の動作を示すフローチャートである。 図7Aは、本発明の実施の形態1の変形例1−1に係る誘導装置が備える収納部の構成(非遮蔽状態)を示す模式図である。 図7Bは、本発明の実施の形態1の変形例1−1に係る誘導装置が備える収納部の構成(遮蔽状態)を示す模式図である。 図8Aは、本発明の実施の形態1の変形例1−2に係る誘導装置が備える収納部の構成(非遮蔽状態)を示す模式図である。 図8Bは、本発明の実施の形態1の変形例1−2に係る誘導装置が備える収納部の構成(遮蔽状態)を示す模式図である。 図9Aは、本発明の実施の形態2に係る誘導装置の構成(非遮蔽状態)を示す模式図である。 図9Bは、本発明の実施の形態2に係る誘導装置の構成(遮蔽状態)を示す模式図である。 図10Aは、図9Aに示す磁石保持機構を拡大して示す斜視図である。 図10Bは、図9Bに示す磁石保持機構を拡大して示す斜視図である。 図11は、本発明の実施の形態2の変形例2−1に係る誘導装置の構成を示す模式図である。 図12は、本発明の実施の形態2の変形例2−2に係る誘導装置の構成を示す模式図である。 図13Aは、本発明の実施の形態2の変形例2−3に係る誘導装置の構成を示す模式図である。 図13Bは、図13Aに示すストッパの部分の拡大図である。 図14は、本発明の実施の形態3に係る誘導装置において用いられる永久磁石の収納部の構成を示す模式図である。 図15は、本発明の実施の形態3の変形例3−1に係る誘導装置において用いられるメンテナンス用の収納部の構成を示す模式図である。 図16は、本発明の実施の形態4に係る誘導装置の構成を示す模式図である。 図17Aは、図16に示す磁界表示部(遮蔽状態)を拡大して示す模式図である。 図17Bは、図16に示す磁界表示部(非遮蔽状態)を拡大して示す模式図である。 図18Aは、本発明の実施の形態4の変形例4−1に係る誘導装置が備える磁界表示部(遮蔽状態)を示す模式図である。 図18Bは、本発明の実施の形態4の変形例4−1に係る誘導装置が備える磁界表示部(非遮蔽状態)を示す模式図である。 図19Aは、本発明の実施の形態4の変形例4−2に係る誘導装置が備える磁界表示部(遮蔽状態)の内部を示す模式図である。 図19Bは、本発明の実施の形態4の変形例4−2に係る誘導装置が備える磁界表示部(非遮蔽状態)の内部を示す模式図である。 図20Aは、本発明の実施の形態4の変形例4−3に係る誘導装置が備える磁界表示部(遮蔽状態)の外観を示す模式図である。 図20Bは、本発明の実施の形態4の変形例4−3に係る誘導装置が備える磁界表示部(非遮蔽状態)の外観を示す模式図である。 図21Aは、図20Aに示す磁界表示部の内部を示す模式図である。 図21Bは、図20Bに示す磁界表示部の内部を示す模式図である。 図22Aは、本発明の実施の形態4の変形例4−4に係る誘導装置が備える磁界表示部(遮蔽状態)の外観を示す模式図である。 図22Bは、本発明の実施の形態4の変形例4−4に係る誘導装置が備える磁界表示部(非遮蔽状態)の外観を示す模式図である。 図23Aは、図22Aに示す円盤の構成を示す模式図である。 図23Bは、図22Bに示す円盤の構成を示す模式図である。
以下に、本発明の実施の形態に係る誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、カプセル型医療装置の一形態として、被検体内に経口にて導入されて被検体内(管腔内)を撮像するカプセル型内視鏡を例示するが、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。即ち、本発明は、例えば被検体の食道から肛門にかけて管腔内を移動するカプセル型内視鏡のほか、被検体内に薬剤等を配送するカプセル型医療装置、被検体内のPHを測定するPHセンサを備えるカプセル型医療装置など、被検体内に導入されて用いられる種々の医療装置に適用することが可能である。
以下の説明において、各図は本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、及び位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、及び位置関係のみに限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
図1A及び図1Bは、本発明の実施の形態1に係るカプセル型医療装置誘導システムの構成例を示す模式図である。図1A及び図1Bに示すように、実施の形態1におけるカプセル型医療装置誘導システム1は、内部に永久磁石が設けられ、被検体2の体腔内に導入されて用いられるカプセル型内視鏡10と、被検体2が載置された領域に磁界Mを発生させ、カプセル型内視鏡10内の永久磁石に作用させることにより、被検体2内においてカプセル型内視鏡10を磁気誘導する誘導装置100とを備える。なお、図1Aは、被検体2が載置された領域に磁界Mを発生させている状態を示し、図1Bは、該領域に磁界Mを発生させていない状態を示す。また、図1Bにおいては、制御部104の内部構成の記載を省略している。
カプセル型内視鏡10は、経口摂取等によって被検体2の内部に導入された後、消化管内を移動し、最終的に、被検体2の外部に排出される。カプセル型内視鏡10は、その間、磁界Mにより磁気誘導されつつ消化管内を所定の周期で撮像し、撮像によって取得した画像情報(画像データ)を順次無線送信する。
図2は、カプセル型内視鏡10の構成を示す一部断面図である。図2に示すように、カプセル型内視鏡10は、被検体2の臓器内部に導入し易い大きさに形成されたカプセル型筐体11と、互いに異なる方向を撮像する撮像部12A、12Bとを備える。また、カプセル型内視鏡10は、カプセル型内視鏡10の各構成部を制御する制御部16と、撮像部12A、12Bが撮像を行うことにより取得した画像データを外部に無線送信する無線通信部17と、カプセル型内視鏡10の各構成部に電力を供給する電源部18とを備える。さらに、カプセル型内視鏡10は、誘導装置100による磁気誘導を可能にするための永久磁石19を備える。
カプセル型筐体11は、被検体2の臓器内部に導入可能な大きさに形成された外装ケースであり、円筒状をなす筒状筐体11aとドーム形状をなすドーム状筐体11b、11cとを含み、筒状筐体11aの両側開口端をドーム状筐体11b、11cで塞ぐことによって構成される。ドーム状筐体11b、11cは、可視光等の所定の波長帯域の光に対して透明なドーム形状の光学部材である。また、筒状筐体11aは、可視光に対して略不透明な有色の筐体である。このようなカプセル型筐体11は、撮像部12A、12B、制御部16、無線通信部17、電源部18及び永久磁石19を液密に内包する。
撮像部12Aは、LED等の照明部13Aと、集光レンズ等の光学系14Aと、CMOSイメージセンサ又はCCD等の撮像素子15Aとを有する。照明部13Aは白色光等を発光し、ドーム状筐体11b越しに撮像素子15Aの撮像視野を照明する。光学系14Aは、この撮像視野からの反射光を集光し、撮像素子15Aの撮像面に撮像視野内の被検体像を結像させる。撮像素子15Aは、撮像面に結像した被検体像の光信号を光電変換処理することにより、撮像視野内の被検体2の画像情報を取得する。
撮像部12Bは、LED等の照明部13Bと、集光レンズ等の光学系14Bと、撮像素子15Bとを有し、ドーム状筐体11c越しに、上記撮像部12Aと同様に撮像を行う。
制御部16は、撮像部12A、12B及び無線通信部17の各動作を制御すると共に、これらの各構成部間における信号の入出力を制御する。また、制御部16は、撮像素子15A、15Bが取得した画像情報に所定の信号処理を施すことにより、画像データを生成する。さらに、制御部16は、無線通信部17に対し、生成した画像データを外部に順次無線送信させる。
無線通信部17は、アンテナ17aを備え、制御部16から取得した画像データに変調処理等を施し、無線信号に重畳して、アンテナ17aを介して外部に順次無線送信する。
電源部18は、ボタン型電池等又はキャパシタ等の蓄電部と、磁気スイッチや光スイッチ等のスイッチ部とを有する。電源部18は、外部から印加された磁界や光等によって電源のオンオフ状態を切り替え、オン状態のときに電池や蓄電部の電力をカプセル型内視鏡10の各構成部(撮像部12A、12B、無線通信部17、及び制御部16)に適宜供給する。また、電源部18は、オフ状態のときに、カプセル型内視鏡10の各構成部への電力供給を停止する。
永久磁石19は、誘導装置100が発生した磁界Mによるカプセル型内視鏡10の磁気誘導を可能にするためのものであり、磁化方向が長軸Laに対して傾きを持つように、カプセル型筐体11の内部に固定配置される。具体的には、永久磁石19は、磁化方向が長軸Laに対して直交するように配置される。永久磁石19が磁界Mの変化に追従して移動する結果、誘導装置100によるカプセル型内視鏡10の磁気誘導が実現する。
次に、誘導装置100の構成について説明する。図1A及び図1Bに示すように、誘導装置100は、被検体2が載置されるベッド101と、該ベッド101を支持すると共に、種々の機器を内蔵した筐体である脚部102と、医師や検査技師等のユーザが誘導装置100を操作する際に用いられる操作入力部103と、操作入力部103に対する操作により入力された信号に基づいて誘導装置100の各部を制御する制御部104と、誘導装置100の各部に電力を供給する電源部105とを備える。このうち、ベッド101は、被検体2の載置面が水平となるように、脚部102に支持されている。以下においては、被検体2の載置面(水平面)をXY面とし、鉛直方向をZ方向とする。
脚部102の内部には、永久磁石110と、該永久磁石110を収納可能な収納部111と、収納部111を覆うことが可能な蓋部113、114と、収納部111を載置させるステージを有し、該収納部111を永久磁石110と共にXYZの各方向に移動させる磁石変位機構115とが設けられている。
永久磁石110は、例えば直方体をなし、カプセル型内視鏡10に内蔵された永久磁石19に作用させる磁界Mを発生する。永久磁石110は、収納部111内に、鉛直方向に沿って移動可能に支持されている。
収納部111は、上端が開口した箱状をなす容器である。該収納部111は、鉄等の強磁性体によって形成され、永久磁石110が発生する磁界Mの図の側方及び下方への漏れを防止或いは減少させる。
蓋部113、114は、収納部111の上端の開口に開閉可能に設けられている。蓋部113、114は、鉄等の強磁性体によって形成され、永久磁石110が収納部111内に収納された際に閉じられ、永久磁石110が発生する磁界Mの図の上方への漏れを防止或いは減衰させる遮蔽部材である。
図1Aは、蓋部113、114が開かれ、永久磁石110が収納部111の外部に露出し、被検体2の載置領域に磁界Mが形成されている状態を示している。以下、この状態を非遮蔽状態といい、このときの蓋部113、114の位置を非遮蔽位置という。誘導装置100が非遮蔽状態にあるとき、磁界Mをカプセル型内視鏡10に内蔵された永久磁石19に作用させることにより、カプセル型内視鏡10を誘導することができる。一方、図1Bは、永久磁石110が収納部111内に収納され、蓋部113、114が閉じられ、磁界Mが収納部111内に閉じ込められた状態を示している。以下、この状態を遮蔽状態といい、このときの蓋部113、114の位置を遮蔽位置という。誘導装置100が遮蔽状態にあるとき、磁界Mが収納部111の外部に作用することを防止或いは最小化することができる。
図3A及び図3Bは、永久磁石110及び収納部111内の構成を模式的に示す斜視図である。このうち、図3Aは非遮蔽状態を示し、図3Bは遮蔽状態を示す。収納部111内には、永久磁石110を保持する磁石保持機構112が設けられている。磁石保持機構112は、該収納部111の側壁に固定された固定板121と、スライドジョイント122と、該スライドジョイント122にスライド可能に嵌合されたスライダ123と、モータ124と、リンク機構125と、ギヤ126a、126bと、ワイヤ保持部127と、ワイヤ128a、128bとを備える。これらのうち、スライドジョイント122、スライダ123、リンク機構125、ギヤ126a、126b、及びワイヤ保持部127が、永久磁石110を鉛直方向に移動可能に支持する支持機構を構成する。
図4A及び図4Bは、蓋部113、114の構造を説明するための模式図である。図4Aに示すように、蓋部113には、蓋部114との当接面において開口する有底の穴113a、113bが設けられている。蓋部114にも同様に、蓋部113との当接面において開口する有底の穴が設けられている。図4Bに示すように、蓋部113に設けられた穴113a、113bと蓋部114に設けられた穴114a、114bとは、蓋部113、114の当接面において開口同士の位置が合うように位置合わせがなされている。
蓋部113の穴113a及び蓋部114の穴114aには、コイルバネ116aが挿入されている。このコイルバネ116aの両端は、各穴113a、114aの底に固定されている。同様に、蓋部113の穴113b及び蓋部114の穴114bには、コイルバネ116bが挿入されている。このコイルバネ116bの両端は、各穴113b、114bの底に固定されている。これらのコイルバネ116a、116bにより、蓋部113、114は遮蔽状態から非遮蔽状態に移動するよう付勢されている。図3A及び図3Bに示すように、ワイヤ128a、128bとコイルバネ116a、116bとが、永久磁石110の鉛直方向における移動と連動して蓋部113、114を移動させる遮蔽部材移動機構を構成する。
固定板121の略中央部には開口が形成され、スライドジョイント122は該開口上に設置されている。スライダ123は、該開口を貫通可能に設けられている。
スライダ123の上端部には、永久磁石110が固定されている。スライダ123がスライドジョイント122に対してスライドすることにより、永久磁石110が鉛直方向に移動する。
モータ124は、固定板121上に固定されている。モータ124は、電源部105(図1A参照)から供給される電力により動作し、永久磁石110を鉛直方向に沿って移動させる駆動部である。ギヤ126a、126bは、モータ124の駆動力をリンク機構125の一端に伝達する。ワイヤ保持部127は、スライダ123の下端及びリンク機構125の他端と連結されている。
図5A〜図5Cは、磁石保持機構112の動作を説明するための斜視図である。リンク機構125は、4つのリンク125a〜125dがジョイントされたひし形の構造を有する。モータ124を駆動させ、ギヤ126a、126bを介してリンク125aを所定の角度だけ回転させることにより、他のリンク125b〜125dが連動して動き、ワイヤ保持部127の位置が上下に移動する。それにより、ワイヤ保持部127と連結されたスライダ123がスライドし、永久磁石110が鉛直方向に移動する。
例えば、図5Cに示すように、永久磁石110が可動範囲内の最低位置h0にあるときのリンク125aの角度を基準とし、この状態から、図5Bに示すように、リンク125aを角度Δθ1だけ回転させると、永久磁石110が高さh1まで上昇する。また、図5Aに示すように、リンク125aをさらに大きく角度Δθ2だけ回転させると、永久磁石110が高さh2まで上昇する。なお、高さh0〜h2は、スライドジョイント122の上面から測定した高さである。
図3A及び図3Bに示すように、ワイヤ128a、128bの一端は、蓋部113、114の外側の端部にそれぞれ固定されている。また、ワイヤ128a、128bの他端は、ワイヤ保持部127にそれぞれ固定されている。図3Aに示すように、ワイヤ保持部127が上方に位置するとき、永久磁石110が収納部111外に露出すると共に、ワイヤ128a、128bが緩んだ状態となるので、コイルバネ116a、116bの付勢力によって蓋部113、114を外側に押し広げて開いた状態となる。この状態が、永久磁石110が発生する磁界Mが被検体2の載置領域まで形成される非遮蔽状態(図1A参照)である。
一方、図3Bに示すように、ワイヤ保持部127が下方に位置するとき、永久磁石110が収納部111内に収納されると共に、ワイヤ128a、128bが蓋部113、114を引き寄せて閉じた状態となる。この状態が、永久磁石110が発生する磁界Mが収納部111内に閉じ込められた遮蔽状態(図1B参照)である。
通常、カプセル型内視鏡10の誘導は、永久磁石110を所定の高さh2に持ち上げ、できるだけベッド101に近づけた状態で行われる。この間、モータ124は、永久磁石110に作用する重力に抗して永久磁石110を高さh2に維持すると共に、コイルバネ116a、116bによって永久磁石110の蓋部113、114が開いた状態を維持する。また、カプセル型内視鏡10の誘導を行わないとき、モータ124は、永久磁石110を最低位置h0に移動させると共に、この移動と連動して動くワイヤ128a、128bによって蓋部113、114を引っ張らせることにより蓋部113、114を閉じさせる。それにより、永久磁石110が収納部111内に収納される。
再び図1A及び図1Bを参照すると、磁石変位機構115は、X方向に沿って移動可能なXステージ131と、該Xステージ131を駆動するX軸駆動用モータ132と、Y方向に沿って移動可能なYステージ133と、該Yステージ133を駆動するY軸駆動用モータ134と、Z方向に沿って移動可能なZステージ135と、該Zステージ135を駆動するZ軸駆動用モータ136とを備える。このような磁石変位機構115によって収納部111と共に永久磁石110を移動させることにより、カプセル型内視鏡10内の永久磁石19に作用する磁界Mが変化する。それにより、被検体2内に導入されたカプセル型内視鏡10を誘導することができる。
Zステージ135は、脚部102の底面とベッド101の下面との間に設けられたボールスクリュー137に取り付けられている。Z軸駆動用モータ136を駆動させてボールスクリュー137を回転させることにより、Zステージ135がZ方向に沿って移動する。なお、Zステージ135の可動範囲は、永久磁石110を高さh2に保持した場合に、カプセル型内視鏡10の誘導が可能な範囲である。
Xステージ131は、ラックピニオン機構を内蔵したスライドレール138を介してZステージ135に取り付けられている。Xステージ131は、X軸駆動用モータ132を駆動させることにより、Zステージ135に対してX方向に沿って移動する。
Yステージ133は、ラックピニオン機構を内蔵したスライドレール(図示せず)を介してXステージ131に取り付けられている。Yステージ133は、Y軸駆動用モータ134を駆動させることにより、Xステージ131に対してY方向に沿って移動する。
操作入力部103は、例えばジョイスティックのように、上下方向及び左右方向に傾動操作が可能な入力デバイスによって構成され、該操作入力部103に対してなされたユーザの操作に対応する信号を制御部104に入力する。具体的には、操作入力部103から制御部104に対し、カプセル型内視鏡10の磁気誘導の開始及び終了を指示する指示信号や、カプセル型内視鏡10を磁気誘導する位置や向きを指示する指示信号等が入力される。なお、操作入力部103の構成はジョイスティックに限定されず、例えば、各種ボタン、操作レバー等の入力デバイスや、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイスであっても良い。
制御部104は、磁石保持機構112のモータ124の動作を制御する遮蔽状態制御部141と、X軸駆動用モータ132の動作を制御するX駆動制御部142と、Y軸駆動用モータ134の動作を制御するY駆動制御部143と、Z軸駆動用モータ136の動作を制御するZ駆動制御部144とを備え、操作入力部103から入力された信号に従って、誘導装置100を遮蔽状態と非遮蔽状態との間で遷移させる制御、及び被検体2内のカプセル型内視鏡10をユーザ所望の位置及び方向に誘導するべくXステージ131、Yステージ133、及びZステージ135の移動制御を行う。
電源部105は、上述した制御部104、磁石保持機構112のモータ124、並びに磁石変位機構115のX軸駆動用モータ132、Y軸駆動用モータ134、及びZ軸駆動用モータ136を動作させるための電力を、これらの各部に供給する。
次に、誘導装置100の動作を説明する。図6は、誘導装置100の動作を示すフローチャートである。なお、誘導装置100の電源がオフの間、誘導装置100は、永久磁石110が最低位置h0に位置し、蓋部113、114が閉じられた遮蔽状態となっている(図3B、図5C参照)。
ステップS10において誘導装置100の電源がオンにされると、制御部104は、カプセル型内視鏡10の誘導開始を指示する指示信号が操作入力部103から入力されたか否かを判断する(ステップS11)。指示信号が入力されない場合(ステップS11:No)、制御部104は、指示信号が入力されるまで待機する。
一方、カプセル型内視鏡10の誘導開始を指示する指示信号が入力された場合(ステップS11:Yes)、遮蔽状態制御部141は、誘導装置100を非遮蔽状態に遷移させる制御を行う(ステップS12)。即ち、モータ124を所定量だけ回転させて、カプセル型内視鏡10の誘導が可能な高さh2まで永久磁石110を上昇させる。この上昇の動きと連動してワイヤ128a、128bが緩むため、コイルバネ116a、116bの付勢力によって蓋部113、114が開く(図3A、図5A参照)。
続くステップS13において、制御部104は、カプセル型内視鏡10を誘導する指示信号(誘導信号)が操作入力部103から入力されたか否かを判断する。誘導信号が入力されない場合(ステップS13:No)、制御部104は、誘導信号が入力されるまで待機する。
一方、カプセル型内視鏡10の誘導信号が入力された場合(ステップS13:Yes)、制御部104は、磁石変位機構115を制御して永久磁石110の位置を変化させる(ステップS14)。詳細には、制御部104は、操作入力部103から入力された誘導信号に基づいて、カプセル型内視鏡10をユーザ所望の位置及び方向に変化させるために必要な永久磁石110の移動量及び移動方向を算出し、この算出結果に従ってX軸駆動用モータ132、Y軸駆動用モータ134、及びZ軸駆動用モータ136を動作させる。それにより、収納部111及び磁石保持機構112を介して永久磁石110がXYZの各方向に移動する。その結果、カプセル型内視鏡10が内蔵する永久磁石19に作用する磁界Mが変化し、被検体2内におけるカプセル型内視鏡10の位置や向きを変化させることができる。
続くステップS15において、制御部104は、カプセル型内視鏡10の誘導終了を指示する指示信号が操作入力部103から入力されたか否かを判断する。指示信号が入力されない場合(ステップS15:No)、誘導装置100の動作はステップS13に戻る。
カプセル型内視鏡10の誘導終了を指示する指示信号が入力された場合(ステップS15:Yes)、遮蔽状態制御部141は、誘導装置100を遮蔽状態に遷移させる制御を行う(ステップS16)。即ち、モータ124を所定量だけ回転させて、永久磁石110を最低位置h0まで下降させる。この下降の動きと連動するワイヤ128a、128bに引っ張られて、蓋部113、114が閉じる(図3B、図5C参照)。また、同時にX軸駆動用モータ132、Y軸駆動用モータ134、及びZ軸駆動用モータ136を動作させ、Xステージ131、Yステージ133、及びZステージ135を誘導装置100のパワーオン時と同じ初期位置に戻す制御も行う。
その後、ステップS17において、誘導装置100の電源がオフされると、誘導装置100の動作は終了する。
次に、不意の停電や地震等の災害といった不測の事態が発生した場合におけるカプセル型医療装置誘導システム1の動作を説明する。このような場合、誘導装置100からの磁界の漏れを防止或いは最小限にするため、永久磁石110が発生する磁界を即座に遮蔽する必要がある。
誘導装置100が非遮蔽状態にあるときに不意の停電が発生した場合、電源部105から誘導装置100の各部への電力供給が停止する。それに伴い、磁石保持機構112のモータ124の駆動動作が停止し、ギヤ126a、126bがフリー回転状態となる。その結果、永久磁石110が自重により最低位置h0まで落下し、この落下と連動して蓋部113、114が閉じられ、誘導装置100が遮蔽状態となる。
また、誘導装置100が非遮蔽状態にあるときに地震等が発生した場合には、ユーザが誘導装置100の電源をオフにすれば良い。それにより、上記停電の場合と同様に永久磁石110が落下すると共に蓋部113、114が閉じられ、誘導装置100が遮蔽状態となる。或いは、誘導装置100に振動を検出する手段を設け、所定以上の大きさの振動が発生した際に誘導装置100の電源が自動でオフとなるように構成しても良い。
以上説明したように、実施の形態1においては、永久磁石110の鉛直方向における移動と連動して蓋部113、114を開閉するワイヤ128a、128bを設け、カプセル型内視鏡10の誘導の実行中、モータ124の駆動力により、永久磁石110に作用する重力に抗して該永久磁石110をカプセル型内視鏡10を誘導可能な高さh2に維持すると共に、蓋部113、114を非遮蔽位置に維持する。そのため、この状態でモータ124への電力供給が停止すると、モータ124が駆動力を失って永久磁石110がその自重により落下し、この落下に伴って蓋部113、114が遮蔽位置に移動する。従って、不意の停電等の不測の事態が生じた場合であっても、永久磁石110が発生する磁界Mを確実に遮蔽し、誘導装置100の安全性を確保することが可能となる。
なお、上記実施の形態1に対し、スライドジョイント122にダンパーを設け、ギヤ126a、126bがフリー回転状態になった際に、永久磁石110が滑らかに下降できるようにしても良い。
また、上記実施の形態1に対し、磁石変位機構115に永久磁石110の姿勢を変更させる姿勢変更機構をさらに設けても良い。それにより、永久磁石110の位置及び姿勢の制御ができるようになり、その結果、カプセル型内視鏡10の向きを変化させる制御をより精細に行うことができるようになる。
(変形例1−1)
次に、本発明の実施の形態1の変形例1−1について説明する。
図7A及び図7Bは、本変形例1−1に係る誘導装置が備える収納部の構成を示す模式図である。このうち、図7Aは、誘導装置が非遮蔽状態にあるときの収納部の状態を示し、図7Bは、誘導装置が遮蔽状態にあるときの収納部の状態を示す。図7A及び図7Bに示すように、本変形例1−1においては、収納部111の蓋部113の端面に、例えばゴム等の弾性部材からなる衝撃吸収材151をさらに設けている。なお、この場合、コイルバネ116a、116bを収容する穴113a、113bは、衝撃吸収材151を貫通するように形成される。
ここで、上記実施の形態1においては、電力供給の停止(モータ124の駆動停止)により遮蔽状態に遷移する際、永久磁石110の磁気引力により蓋部113、114が加速度的な動きをするおそれがある。そこで、蓋部113、114が互いに当接する当接面(端面)のいずれか一方又は両方に衝撃吸収材151を設けることにより、蓋部113、114が加速度的な動きをしたとしても、両者が当接した際の衝撃を緩和することができる。それにより、蓋部113、114や収納部111の破損を防ぐと共に、振動及び騒音の発生を抑制して、検査を安全に行うことが可能となる。また、衝撃吸収材151を交換部品とすることにより、誘導装置を長寿命化することも可能となる。
(変形例1−2)
次に、本発明の実施の形態1の変形例1−2について説明する。
図8A及び図8Bは、本変形例1−2に係る誘導装置が備える収納部の構成を示す模式図である。図8A及び図8Bに示すように、本変形例1−2に係る誘導装置は、図1A及び図1Bに示す収納部111及び両開き構造の蓋部113、114の代わりに、収納部161及び片開き構造の蓋部162を備える。蓋部162には、ワイヤ保持部127に一端が固定されたワイヤ163が連結されている。なお、永久磁石110を鉛直方向に移動可能に支持する支持機構(スライドジョイント122〜ワイヤ保持部127)の構造については、実施の形態1と同様である。また、蓋部162の端部には、収納部161と当接した際の衝撃を緩和する衝撃吸収材164が設けられている。さらに、蓋部162及び衝撃吸収材164には、収納部161の内壁との当接面において開口する有底の穴162aが設けられている。穴162aにはコイルバネ116cが配置されている。このコイルバネ116cの一端は穴162aの底に固定され、他端は収納部161の内壁に固定されている。
収納部161内の上端近傍には、ワイヤ163が巻き付けられるプーリー165と、該プーリー165と共に回転可能に取り付けられたローラー166とが設けられている。ローラー166の外周面の一部は蓋部162の下面に接しており、ローラー166が回転することにより、蓋部162がスライドする。
図8Aに示すように、ワイヤ保持部127が上方に移動すると、ワイヤ163が緩んだ状態となるので、コイルバネ116cの付勢力によって蓋部162がスライドして開く。この蓋部162のスライドに伴い、ローラー166及びプーリー165が回転して、ワイヤ163を巻き上げる。一方、図8Bに示すように、ワイヤ保持部127が下方に移動すると、ワイヤ163に引っ張られてプーリー165及びローラー166が回転し、このローラー166の回転に伴い、蓋部162がスライドして閉じる。
このような変形例1−2によれば、遮蔽状態と非遮蔽状態とで遷移する際の動作部(蓋部162)が少ないので、構成を簡素にすることができる。なお、本変形例1−2においては、衝撃吸収材164を蓋部162側に設けたが、収納部161側に設けても良い。
(変形例1−3)
次に、本発明の実施の形態1の変形例1−3について説明する。
上記実施の形態1においては、モータ124への電力供給が停止した際に、永久磁石110の自重による落下と連動して蓋部113、114が閉じる構成とした。しかしながら、この場合、上述したように、永久磁石110の磁気引力により蓋部113、114が加速度的な動きをするのに加えて、永久磁石110の落下により衝撃が生じるおそれもある。
そこで、本変形例1−3においては、モータ124への電力供給が停止した際に、永久磁石110を落下させるのではなく、制御された速度で永久磁石110を下方に移動させる。具体的には、モータ124に対し、電源部105とは別に電池等のエネルギー蓄積手段を設け、該エネルギー蓄積手段に蓄積されたエネルギーによりモータ124を駆動して永久磁石110を移動させる。
例えばエネルギー蓄積手段として電池を設ける場合、電源部105からモータ124への電力供給が突然停止した際に、電池からモータ124に電力供給が開始されるように回路を構成する。また、該電池には、少なくとも、永久磁石110が高さh2から高さh0(図5A〜図5C参照)に移動するために必要な電気エネルギーを蓄積しておく。
これにより、電源部105からモータ124への電力供給が突然停止すると、電池からモータ124に電力が供給され、モータ124の駆動力により永久磁石110が高さh2から高さh0に、制御された速度で移動する。これと連動して、蓋部113、114も、永久磁石110の移動速度に応じた速度で遮蔽位置に移動する。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図9A及び図9Bは、本発明の実施の形態2に係る誘導装置の構成を示す模式図である。図9Aに示すように、実施の形態2に係る誘導装置200は、図1A及び図1Bに示す収納部111、磁石保持機構112、及び蓋部113、114の代わりに、収納部201、磁石保持機構202、及び蓋部203を備える。収納部201、磁石保持機構202、及び蓋部203以外の誘導装置200の各部の構成は、実施の形態1と同様である。
収納部201は、全体として、両端(紙面と平行な端面)が閉じられた円筒状をなしており、図9A及び図9Bは、該収納部201の中心軸と直交する切断面(横断面)を示している。このような収納部201は、鉄等の強磁性体によって形成され、永久磁石110が発生する磁界Mの図の側方及び下方への漏れを防止或いは最小化する。
収納部201は、断面が円弧状をなす湾曲部211と、該湾曲部211の一端と連結された平面部212とを有する。また、湾曲部211の他端と平面部212との間には開口213が形成されている。湾曲部211は2重構造となっており、湾曲部211の外壁214と内壁215との間隙216には、断面が湾曲部211と同心の円弧となるように湾曲した蓋支持部217が設けられている。蓋支持部217の一端は、平面部212に固定されている。
蓋部203は、断面が円弧形状をなし、収納部201に対して外側に凸に湾曲した形状を有し、収納部201の開口213に対して開閉可能に設けられている。蓋部203は、鉄等の強磁性体によって形成され、永久磁石110が収納部201内に収納された際に閉じられ、永久磁石110が発生する磁界Mの図の上方への漏れを防止或いは最小化する遮蔽部材である。
蓋部203の内部には該蓋部203の湾曲に沿ったスリット221が設けられており、該スリット221に蓋支持部217を挿入させることにより、蓋部203が収納部201に対して支持される。このように蓋部203を支持することにより、蓋部203が、自身の断面と同じ曲率を有する円弧状の軌跡を描いて、遮蔽位置と非遮蔽位置との間を移動できるようになる。さらに、蓋部203の内周面には、駆動ベルト222が設けられている。
図9Aは、蓋部203が開かれた非遮蔽状態を示す。非遮蔽状態において、蓋支持部217はスリット221に深く挿入し、蓋部203は湾曲部211の間隙216の深い位置(非遮蔽位置)に収納されている。一方、図9Bは、蓋部203が閉じられた遮蔽状態を示す。遮蔽状態において、蓋支持部217はスリット221に浅く挿入し、蓋部203は間隙216の浅い位置(遮蔽位置)に収納されている。
図10A及び図10Bは、磁石保持機構202を拡大して示す斜視図である。磁石保持機構202は、蓋部203に設けられた駆動ベルト222と噛み合うピニオン231と、該ピニオン231と歯合するラック232と、ラック232に固定された固定板233と、スライドジョイント234と、スライダ235と、スライドジョイント234に取り付けられたモータ236と、リンク機構237と、該リンク機構237にモータ236の動力を伝達するギヤ238a、238bと、固定板233に固定された固定部239とを備える。これらのうち、スライドジョイント234、スライダ235、リンク機構237、ギヤ238a、238b、及び固定部239が、永久磁石110を鉛直方向に移動可能に支持する支持機構を構成する。また、ピニオン231、ラック232、及び固定部239が、永久磁石110の鉛直方向における移動と連動して蓋部203を移動させる遮蔽部材移動機構を構成する。
ピニオン231は、収納部201の内壁215の所定の位置に固定されており、当該位置において回転することにより、駆動ベルト222を介して蓋部203を開閉させる。ラック232は、鉛直方向に移動可能に設けられている。固定板233はラック232に固定され、ラック232と共に鉛直方向に移動する。
スライドジョイント234及びモータ236は、図示しない支持手段により、収納部201内の所定の位置に固定されている。
スライダ235の上端部には、永久磁石110が固定されている。一方、スライダ235の他端部は、固定部239を介して固定板233に固定されている。スライダ235がスライドジョイント234に対してスライドすることにより、永久磁石110、固定板233、及びラック232が鉛直方向に移動する。
リンク機構237は、4つのリンク237a〜237dがジョイントされたひし形の構造を有する。リンク機構237の一端はギヤ238aと連結されている。また、リンク機構237の他端は固定部239と連結されている。モータ236を駆動させ、ギヤ238a、238bを介してリンク237aを所定の角度だけ回転させることにより、他のリンク237b〜237dが連動して動き、固定板233及びラック232が鉛直方向に移動する。それにより、ピニオン231が回転して、蓋部203を円弧に沿って移動させる。また、固定板233と共にスライダ235も鉛直方向に移動し、これにより、スライダ235の上端に取り付けられた永久磁石110も鉛直方向に移動する。
通常、カプセル型内視鏡10の誘導は、永久磁石110を所定の高さh4に持ち上げ、ベッド101に近づけた状態で行われる。この間、モータ236は、永久磁石110に作用する重力に抗して駆動し、永久磁石110を高さh4に維持すると共に、蓋部203が開いた状態を維持する。また、カプセル型内視鏡10の誘導を行わないとき、モータ236は、永久磁石110を最低位置h3に移動させると共に、この移動と連動して蓋部203を閉じさせる。それにより、永久磁石110が収納部201内に収納される。なお、高さh3、h4は、スライドジョイント234の上面から測定した高さである。
なお、平面部212の上方に、蓋部203の端部をロックするロックピン218を設けても良い。ロックピン218は、蓋部203が遮蔽位置にあるときに蓋部203をロックし、モータ236が駆動を開始して永久磁石110が上昇し始めると、ロックを解除して蓋部203が開閉できるようにし、永久磁石110が最低位置h3まで下降すると、再び蓋部203をロックするように構成される。ただし、手動でもロックを解除できるようにロックピン218を構成すると良い。
次に、誘導装置200の動作を説明する。誘導装置200の動作は、全体として実施の形態1と同様であり(図6参照)、遮蔽状態から非遮蔽状態に遷移する動作(ステップS12)及び非遮蔽状態から遮蔽状態に遷移する動作(ステップS16)が実施の形態1と異なる。
即ち、遮蔽状態から非遮蔽状態に遷移する際には(ステップS12)、モータ236を所定量だけ回転させて、カプセル型内視鏡10に内蔵された永久磁石19の誘導が可能な高さh4まで永久磁石110を上昇させる。この上昇の動きと連動してラック232が上昇し、ラック232がピニオン231を回転させる。このピニオン231の回転により駆動ベルト222を移動させて蓋部203を開く(図9A、図10A参照)。
一方、非遮蔽状態から遮蔽状態に遷移する際には(ステップS16)、モータ236を所定量だけ回転させて、永久磁石110を最低位置h3まで下降させる。この下降の動きと連動してラック232が下降し、ラック232がピニオン231を回転させる。このピニオン231の回転により駆動ベルト222を移動させて蓋部203を閉じる(図9B、図10B参照)。
また、誘導装置200が非遮蔽状態にあるときに、不意の停電が発生した場合、誘導装置200の各部への電力供給が停止する。それに伴い、モータ236の駆動動作が停止し、ギヤ238a、238bがフリー回転状態となる。その結果、永久磁石110が自重により最低位置h3まで落下し、この落下と連動して蓋部203が閉じられ、誘導装置200が遮蔽状態となる。
また、誘導装置200が非遮蔽状態にあるときに地震等が発生した場合には、ユーザが誘導装置200の電源をオフにすれば良い。それにより、上記停電の場合と同様に永久磁石110が落下すると共に蓋部203が閉じられ、誘導装置200が遮蔽状態となる。或いは、誘導装置200に振動を検出する手段を設け、所定以上の大きさの振動が発生した際に誘導装置200の電源が自動でオフとなるように構成しても良い。
以上説明したように、実施の形態2によれば、カプセル型内視鏡10の誘導の実行中、永久磁石110に作用する重力に抗して、モータ236の駆動力により永久磁石110をカプセル型内視鏡10を誘導可能な高さh4に維持すると共に、蓋部203を非遮蔽位置に維持する。そのため、この状態でモータ236への電力供給が停止すると、モータ236が駆動力を失って永久磁石110が落下し、同時に蓋部203が遮蔽位置に移動する。従って、不意の停電等の不測の事態が生じた場合であっても、永久磁石110が発生する磁界Mを確実に遮蔽し、誘導装置200の安全性を確保することが可能となる。
また、実施の形態2においては、蓋部203が円弧を描いて移動するので、蓋部203と永久磁石110との距離を常に一定以上に保つことができる。従って、蓋部203の移動中に、蓋部203が永久磁石110の磁気引力により加速度的な動きをすることを防ぐことができ、誘導装置200の組み立てやメンテナンスの際における作業者の安全性を確保することが可能となる。
(変形例2−1)
次に、本発明の実施の形態2の変形例2−1について説明する。
図11は、本変形例2−1に係る誘導装置の構成を示す模式図である。図11に示すように、本変形例2−1に係る誘導装置は、図9A及び図9Bに示す誘導装置200に対し、蓋部203が平面部212に当接する位置に、例えばゴム等の弾性部材からなる衝撃吸収材241をさらに設けた構成を有する。このような衝撃吸収材241を設けることにより、蓋部203が平面部212に当接した際の衝撃を緩和し、蓋部203や平面部212の破損を防ぐと共に、振動及び騒音の発生を抑制して、検査を安全に行うことが可能となる。また、衝撃吸収材241を交換部品とすることにより、誘導装置200を長寿命化することも可能となる。なお、平面部212側ではなく、蓋部203側に衝撃吸収材を設けても良いし、その両方に設けても良い。
(変形例2−2)
次に、本発明の実施の形態2の変形例2−2について説明する。
図12は、本変形例2−2に係る誘導装置の構成を示す模式図である。図12に示すように、本変形例2−2に係る誘導装置は、図9A及び図9Bに示す誘導装置200に対し、ダンパー251をさらに設けた構成を有する。ダンパー251は、蓋支持部217の先端部に取り付けられたゴム状部材であり、スリット221の内周径と同程度の外周径を有している。
このようなダンパー251を設けることにより、蓋部203が移動する際、スリット221の内周面とダンパー251の外周面との間の摩擦により、蓋部203の動きにブレーキがかかる。それにより、蓋部203の移動中に、蓋部203が永久磁石110の磁気引力によって加速度的な動きをすることを防ぐことができ、誘導装置200の組み立てやメンテナンスの際における作業者の安全性を確保することが可能となる。
(変形例2−3)
次に、本発明の実施の形態2の変形例2−3について説明する。
図13Aは、本変形例2−3に係る誘導装置の構成を示す模式図である。図13Aに示すように、本変形例2−3に係る誘導装置は、図12に示す誘導装置に対し、蓋部203の移動を規制するストッパ261、262をさらに設けた構成を有する。
図13Bは、図13Aに示すストッパ261、262の部分の拡大図である。ストッパ261は湾曲部211の外壁214の内周面に設けられ、ストッパ262は蓋部203の外周面に設けられている。これらのストッパ261、262は、ストッパ262がストッパ261に引っかかって移動が停止した際に、蓋部203の先端と平面部212との間に僅かな隙間が生じる位置に設けられている。この隙間は、永久磁石110が発生する磁界Mに対する遮蔽効率に影響を及ぼさない程度とすることが好ましい。
このようなストッパ261、262を設けることにより、電力供給の停止により蓋部203が急に遮蔽位置に移動した場合であっても、作業者が蓋部203と平面部212との間に指を挟むといった事態の発生を防ぐことができる。
(変形例2−4)
実施の形態2に係る誘導装置においても、変形例1−3と同様に、モータ236に対して電池等のエネルギー蓄積手段を設けても良い。この場合、該電池には、少なくとも、永久磁石が高さh4から高さh3(図10A、図10B参照)に移動するのに必要な電気エネルギーを蓄積しておく。これにより、電源部105からモータ236への電力供給が突然停止すると、電池からモータ236への電力供給が開始され、モータ236の駆動力により永久磁石が高さh4から高さh3に、制御された速度で移動する。これと連動して、蓋部203も、永久磁石110の移動速度に応じた速度で遮蔽位置に移動する。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図14は、本発明の実施の形態3に係る誘導装置において用いられる永久磁石の収納部の構成を示す模式図である。実施の形態3に係る誘導装置は、図1A及び図1Bに示す誘導装置100に対し、収納部111の代わりに、図14に示す収納部310を設けた構成を有する。収納部310は、誘導装置のメンテナンスの際に、永久磁石110が発生する磁界Mの遮蔽を可能とするものである。
収納部310は、上端が開口した箱状をなす容器であり、鉄等の強磁性体によって形成されている。収納部310の側壁の一部はダンパー311によって形成されている。このダンパー311には、該ダンパー311の長さを調節するダンパー調節部312が設けられており、ダンパー311の長さを電気的制御により調節することが可能な構成となっている。また、収納部310の側壁の上端面には、例えばゴム等の弾性部材により形成された衝撃吸収材313が設けられている。
収納部310の内部には、磁石保持機構112に支持された永久磁石110が配置されている。磁石保持機構112の構成は実施の形態1と同様であるが、メンテナンス時には、収納部310の開口を遮蔽する蓋部113、114及びワイヤ128a、128bは取り外される(図3A、図3B参照)。
また、メンテナンス時には、蓋部113、114の代わりに、メンテナンス用磁界遮蔽部314が用いられる。メンテナンス用磁界遮蔽部314は、例えば鉄等の強磁性体により形成された板状の部材であり、カプセル型内視鏡10による検査時に用いられる蓋部113、114と比べて、永久磁石110が発生する磁界Mをより効果的に遮蔽することができる。
次に、本実施の形態3に係る誘導装置におけるメンテナンス方法を説明する。まず、ダンパー調節部312により、ダンパー311の長さが最長となるように調節する。続いて、メンテナンス用磁界遮蔽部314を収納部310の上端面に装着し、開口を封止する。ここで、ダンパー311の長さを最長にしたのは、メンテナンス用磁界遮蔽部314を載置する際に、該メンテナンス用磁界遮蔽部314に作用する永久磁石110の磁気引力を最小にするためである。なお、収納部310の側壁の端面には衝撃吸収材313が設けられているため、メンテナンス用磁界遮蔽部314を収納部310上に装着する際の衝撃を緩和することができる。
続いて、ダンパー調節部312によりダンパー311が所望の長さとなるように調節する。この際、メンテナンス用磁界遮蔽部314には重力及び永久磁石110の磁気引力が作用しているため、ダンパー311の変位速度を制御しながら長さを短くする。その後、誘導装置のメンテナンスを行う。
メンテナンスの終了後、ダンパー311の変位速度を制御しながら、ダンパー311の長さを最長にする。これは、メンテナンス用磁界遮蔽部314に作用する磁気引力を最小にするためである。さらに、メンテナンス用磁界遮蔽部314を取り外し、その代わりに蓋部113、114(図3A、図3B参照)を取り付け、ワイヤ128a、128bを介して蓋部113、114と磁石保持機構112とを連結する。これにより、一連のメンテナンス作業が終了する。
以上説明したように、実施の形態3によれば、メンテナンス用磁界遮蔽部314を用いることにより、誘導装置のメンテナンスをより安全に行うことができる。また、この際、ダンパー311の長さを最長にし、メンテナンス用磁界遮蔽部314に作用する磁気引力を最小にした状態でメンテナンス用磁界遮蔽部314の着脱を行うので、該着脱の作業をより安全に行うことが可能となる。
(変形例3−1)
次に、本発明の実施の形態3の変形例3−1について説明する。
図15は、本変形例3−1に係る誘導装置において用いられるメンテナンス用の収納部の構成を示す模式図である。図15に示すように、本変形例3−1における収納部は、図14に対し、メンテナンス用磁界遮蔽部314を加熱する加熱部315をさらに備える。
次に、本変形例3−1に係る誘導装置におけるメンテナンス方法を説明する。まず、ダンパー調節部312により、ダンパー311の長さが最長となるように調節する。続いて、メンテナンス用磁界遮蔽部314を収納部310の上端面に装着し、開口を封止する。
続いて、加熱部315によりメンテナンス用磁界遮蔽部314をキュリー温度以上まで加熱し、メンテナンス用磁界遮蔽部314を非磁性化する。その後、加熱部315による加熱を停止する。
続いて、ダンパー調節部312によりダンパー311が所望の長さとなるように調節する。この際、メンテナンス用磁界遮蔽部314は非磁性化されており、永久磁石110の磁気引力が作用しないため、実施の形態3と比べてダンパー311の高さ調整を容易に行うことができる。その後、メンテナンス用磁界遮蔽部314が安全な温度まで低下したことを確認したのち、誘導装置のメンテナンスを行う。なお、メンテナンス用磁界遮蔽部314は、冷却装置等を用いて冷却しても良いし、自然に冷却させても良い。また、メンテナンス用磁界遮蔽部314の周囲を断熱材で覆うことで、メンテナンス時にユーザが火傷しないようにしても良い。
メンテナンスの終了後、加熱部315によりメンテナンス用磁界遮蔽部314を加熱し、メンテナンス用磁界遮蔽部314を再び非磁性化する。そして、この状態でダンパー311の長さを最長にする。さらに、メンテナンス用磁界遮蔽部314が安全な温度まで低下したことを確認した後、メンテナンス用磁界遮蔽部314を取り外し、代わりに蓋部113、114(図3A、図3B参照)を取り付け、ワイヤ128a、128bを介して蓋部113、114と磁石保持機構112とを連結する。これにより、一連のメンテナンス作業が終了する。
以上説明したように、変形例3−1によれば、メンテナンス用磁界遮蔽部314を非磁性化してからダンパー311の長さを調節するので、メンテナンス用磁界遮蔽部314に対する永久磁石110の磁気引力の影響を抑制して、ダンパー311の変位速度を容易に制御することができる。従って、ダンパー311の長さを必要最小限の駆動力で調節することが可能となる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
図16は、本発明の実施の形態4に係る誘導装置の構成を示す模式図である。図16に示すように、実施の形態4に係る誘導装置400は、図1A及び図1Bに示す誘導装置100に対して磁界表示部401をさらに追加した構成を有する。なお、磁界表示部401以外の誘導装置400の各部の構成は、実施の形態1と同様である。また、図16は、誘導装置400が非遮蔽状態にあるときを示している。
磁界表示部401は、ベッド101及び永久磁石110を収納する収納部111の近傍、且つ、誘導装置400の外部から視認可能な位置に設けられ、当該磁界表示部401の位置における磁界の状態を表示する。
図17A及び図17Bは、磁界表示部401を拡大して示す模式図である。このうち、図17Aは、誘導装置400が遮蔽状態にあるときの磁界表示部401の状態を示し、図17Bは、誘導装置400が非遮蔽状態にあるときの磁界表示部401の状態を示している。
磁界表示部401は、筐体402と、該筐体402の側壁に設けられた透明窓403と、筐体402の内部に設けられたカラーバー404と、該カラーバー404を筐体402の内壁に連結するバネ405と、カラーバー404の下部に固定された磁性体406とを備える。透明窓403は、筐体402の側壁に貫通孔を設け、該貫通孔に透明プラスチック等の透明部材を嵌め込むことにより形成されている。
カラーバー404は、赤色や橙色といった一般に視認性の高い色に着色された板状の部材であり、バネ405を介して筐体402の天井から吊り下げられている。本実施の形態4においては、カラーバー404が、透明窓403から視認されるときに非遮蔽状態であることを示す表示手段に相当する。なお、図17Bにおいては、着色された部分に網掛けを附している。磁性体406は、例えば鉄板や鉄の小片等の磁性体からなる部材である。
誘導装置400が遮蔽状態にあるとき、磁性体406は収納部111の内部の永久磁石110が発生する磁界の影響を受けない。このため、図17Aに示すように、カラーバー404及び磁性体406は、バネ405の弾性力により筐体402内の上方(非表示位置)に引き上げられ、透明窓403の外からカラーバー404を視認することはできない。
誘導装置400が非遮蔽状態に遷移すると(図16参照)、磁性体406は永久磁石110が発生する磁界Mの磁気引力により下向きの力を受ける。それにより、図17Bに示すように、カラーバー404も下方に引っ張られ、透明窓403に面した位置(表示位置)に移動する。その結果、透明窓403の外からカラーバー404を視認できるようになる。
誘導装置400が再び遮蔽状態に遷移すると、磁性体406は永久磁石110が発生する磁界Mの磁気引力から開放される。それにより、図17Aに示すように、カラーバー404及び磁性体406はバネ405の弾性力により上方に引き上げられ、透明窓403の外からカラーバー404を視認することができなくなる。
以上説明したように、実施の形態4によれば、ユーザは、磁界表示部401の透明窓403を確認することにより、誘導装置400が遮蔽状態と非遮蔽状態とのいずれの状態にあるかを容易に把握することができる。従って、例えば誘導装置400の非使用時にもかかわらず、永久磁石110が収納部111に完全に収納されていないといった場合、ユーザは、意図しない磁界Mの漏れを即座に察知することができる。
また、実施の形態4によれば、電気的な仕組みを用いることなく磁界表示部401を構成するので、不意の停電等が生じた場合であっても、ユーザは、誘導装置400の状態(遮蔽状態又は非遮蔽状態)を正確に把握することができる。また、磁界表示部401は、電源を用いることなく動作するため、低コストであり且つ安全性が高い。
(変形例4−1)
次に、本発明の実施の形態4の変形例4−1について説明する。
図18A及び図18Bは、本変形例4−1に係る誘導装置が備える磁界表示部を示す模式図である。本変形例4−1に係る誘導装置は、図16に示す磁界表示部401の代わりに、図18A及び図18Bに示す磁界表示部410を備える。このうち、図18Aは、誘導装置が遮蔽状態にあるときの磁界表示部410を示し、図18Bは、誘導装置が非遮蔽状態にあるときの磁界表示部410を示す。なお、磁界表示部410以外の変形例4−1に係る誘導装置の各部の構成は、実施の形態1と同様である。
磁界表示部410は、筐体411と、該筐体411の側壁に設けられた透明窓412と、筐体411の内部に設けられたカラーボール413と、該カラーボール413を筐体411の内壁に連結するバネ414とを備える。透明窓412は、筐体411の側壁に貫通孔を設け、該貫通孔に透明プラスチック等の透明部材を嵌め込むことにより形成されている。
カラーボール413は、鉄等の磁性体からなる球体の表面を、赤色や橙色といった一般に視認性の高い色に着色した部材であり、バネ414を介して筐体411の天井から吊り下げられている。本変形例4−1においては、カラーボール413が、透明窓412から視認されるときに非遮蔽状態であることを示す表示手段に相当する。なお、図18Bにおいては、着色された部分に網掛けを附している。
誘導装置が遮蔽状態にあるとき、カラーボール413は永久磁石110が発生する磁界の影響を受けない。このため、図18Aに示すように、カラーボール413は、バネ414の弾性力により筐体411内の上方(非表示位置)に引き上げられ、透明窓412の外からカラーボール413を視認することはできない。
誘導装置が非遮蔽状態に遷移すると(図16参照)、カラーボール413は永久磁石110が発生する磁界Mの磁気引力により下向きの力を受け、図18Bに示すように、透明窓412に面した位置(表示位置)に移動する。その結果、透明窓412の外からカラーボール413を視認できるようになる。
誘導装置が再び遮蔽状態に遷移すると、カラーボール413は永久磁石110が発生する磁界Mの磁気引力から開放される。それにより、図18Aに示すように、カラーボール413はバネ414の弾性力により上方に引き上げられ、透明窓412の外からカラーボール413を視認することができなくなる。
(変形例4−2)
次に、本発明の実施の形態4の変形例4−2について説明する。
図19A及び図19Bは、本変形例4−2に係る誘導装置が備える磁界表示部の内部を示す模式図である。本変形例4−2に係る誘導装置は、図16に示す磁界表示部401の代わりに、図19A及び図19Bに示す磁界表示部420を備える。このうち、図19Aは、誘導装置が遮蔽状態にあるときの磁界表示部420を示し、図19Bは、誘導装置が非遮蔽状態にあるときの磁界表示部420を示す。なお、磁界表示部420以外の変形例4−2に係る誘導装置の各部の構成は、実施の形態1と同様である。
磁界表示部420は、筐体421と、該筐体421の側壁に設けられた透明窓422と、筐体421の内部に設けられた筒状部材423と、該筒状部材423の内部に配置されたカラーボール424とを備える。
筒状部材423は、透明プラスチックのように、外部から内部の状態を視認可能な透明部材によって形成され、支持部材425、426により、一端側に対して他端側の位置が高くなるよう斜めに配置されている。透明窓422は、筐体421の側壁に貫通孔を設け、該貫通孔に透明プラスチック等の透明部材を嵌め込むことにより形成されている。この透明窓422は、筒状部材423の位置が高い方の端部を筐体421の外から視認可能な位置に設けられている。
カラーボール424は、鉄等の磁性体を少なくとも一部に備える球体の表面を、赤色や橙色といった一般に視認性の高い色に着色した部材であり、筒状部材423の内部に移動可能に配置されている。本変形例4−2においては、カラーボール424が、透明窓422から視認されるときに非遮蔽状態であることを示す表示手段に相当する。なお、図19Bにおいては、着色された部分に格子状の網掛けを附している。
誘導装置が遮蔽状態にあるとき、カラーボール424は永久磁石110が発生する磁界の影響を受けない。このため、図19Aに示すように、カラーボール424は、重力の作用により筒状部材423内の位置が低い方の端部(非表示位置)に留まり、透明窓422の外からカラーボール424を視認することはできない。
誘導装置が非遮蔽状態に遷移すると(図16参照)、カラーボール424は永久磁石110が発生する磁界Mの磁気引力により図の左向きの力を受ける。それにより、図19Bに示すように、カラーボール424は筒状部材423内の斜面を左方向に移動し、位置が高い方(図の左側)の端部(表示位置)に留まる。このとき、透明窓422の外からカラーボール424を視認することができるようになる。
誘導装置が再び遮蔽状態に遷移すると、カラーボール424は永久磁石110が発生する磁界Mの磁気引力から開放され、重力の作用により筒状部材423内の斜面を図の右方向に移動する。それにより、図19Aに示すように、透明窓422の外からカラーボール424を視認することができなくなる。
(変形例4−3)
次に、本発明の実施の形態4の変形例4−3について説明する。
図20A及び図20Bは、本変形例4−3に係る誘導装置が備える磁界表示部の外観を示す模式図である。また、図21A及び図21Bは、同磁界表示部の内部を示す模式図である。本変形例4−3に係る誘導装置は、図16に示す磁界表示部401の代わりに、図20A〜図21Bに示す磁界表示部430を備える。このうち、図20A及び図21Aは、誘導装置が遮蔽状態にあるときの磁界表示部430を示し、図20B及び図21Bは、誘導装置が非遮蔽状態にあるときの磁界表示部430を示す。なお、磁界表示部430以外の変形例4−3に係る誘導装置の各部の構成は、実施の形態1と同様である。
磁界表示部430は、筐体431と、該筐体431の側壁に設けられた透明窓432と、筐体431の内部に設けられた磁界反応部433と、筐体431内に設けられた容器434と、該容器434内に収納された表示部材435とを備える。透明窓432は、筐体431の側壁に貫通孔を設け、該貫通孔に透明プラスチック等の透明部材を嵌め込むことにより形成されている。
磁界反応部433は、鉄のように、周囲の磁界の影響により容易に磁化される強磁性体によって形成されている。磁界反応部433は、例えば略L字状をなし、該L字状の1辺が永久磁石110(図16参照)に近い側の筐体431の内壁に沿うように配置されている。
容器434は、例えば透明プラスチックのように、外部から内部の状態を視認可能な透明部材によって形成され、支持部材436により筐体431内の所定位置に固定されている。表示部材435は、例えば砂鉄等の粒状(粉体状)をなす磁性体を、赤色や橙色といった一般に視認性の高い色に着色した部材であり、容器434内に所定の高さまで配置されている。透明窓432は、容器434の近傍であって、容器434内に配置された表示部材435の高さよりも上方に設けられている。本変形例4−3においては、表示部材435が、透明窓432から視認されるときに非遮蔽状態であることを示す表示手段に相当する。
誘導装置が遮蔽状態にあるとき、磁界反応部433は永久磁石110が発生する磁界の影響を受けない。このため、図21Aに示すように、表示部材435は容器434内の底部(非表示位置)に留まり、図20Aに示すように、透明窓432の外から表示部材435を視認することはできない。
誘導装置が非遮蔽状態に遷移すると(図16参照)、磁界反応部433は永久磁石110が発生する磁界Mにより磁化される。それにより、図21Bに示すように、容器434内の表示部材435が磁界反応部433の端部(表示位置)に吸引され、図20Bに示すように、透明窓432の外から表示部材435を視認することができるようになる。
誘導装置が再び遮蔽状態に遷移すると、磁界反応部433は消磁され、図21Aに示すように、表示部材435は磁界反応部433の磁気引力から開放されて容器434の底部に溜まる。それにより、図20Aに示すように、透明窓432の外から表示部材435を視認することができなくなる。
なお、誘導装置が非遮蔽状態から遮蔽状態に遷移した際に、磁界反応部433から表示部材435が確実に離れるように、磁界反応部433の表面を低摩擦材料によりコーティングしても良い。また、表示部材435として、磁性を有する流体を着色して用いても良い。
(変形例4−4)
次に、本発明の実施の形態4の変形例4−4について説明する。
図22A及び図22Bは、本変形例4−4に係る誘導装置が備える磁界表示部の外観を示す模式図である。本変形例4−4に係る誘導装置は、図16に示す磁界表示部401の代わりに、図22A及び図22Bに示す磁界表示部440を備える。このうち、図22Aは、誘導装置が遮蔽状態にあるときの磁界表示部440を示し、図22Bは、誘導装置が非遮蔽状態にあるときの磁界表示部440を示す。なお、磁界表示部440以外の変形例4−4に係る誘導装置の各部の構成は、実施の形態1と同様である。
磁界表示部440は、筐体441と、該筐体441の側壁に設けられた透明窓442と、筐体441の内部に回転可能に設けられた円盤443とを備える。透明窓442は、筐体441の側壁に貫通孔を設け、該貫通孔に透明プラスチック等の透明部材を嵌め込むことにより形成されている。また、円盤443は、一方の面の一部が透明窓442にかかるように配置されている。
図23A及び図23Bは、円盤443の構成を示す模式図である。このうち、図23Aは、誘導装置が遮蔽状態にあるときの円盤443を示し、図23Bは、誘導装置が非遮蔽状態にあるときの円盤443を示す。円盤443には、回転軸部材444と、該回転軸部材444に巻回された渦巻きバネ446と、円盤443の裏面に固定された永久磁石447とが設けられている。
円盤443は、回転中心に設けられた回転軸部材444を介して、筐体441内に回転可能に取り付けられている。また、透明窓442と対向する円盤443の面(以下、表面という)の一部の領域は、赤色や橙色等の一般に視認性の高い色に着色されている。以下、円盤443の表面のうち、視認性の高い色で着色された領域を塗装領域445aといい、着色されていない領域を未塗装領域445bという。本変形例4−4においては、塗装領域445aが、透明窓442から視認されるときに非遮蔽状態であることを示す表示手段に相当する。なお、図22B〜図23Bにおいては、着色された部分に格子状の網掛けを附している。
渦巻きバネ446の一端は回転軸部材444の外周面に固定され、他端は筐体441の内底面に固定されている。また、永久磁石447は、棒状をなし、円盤443の回転中心を通る位置に固定されている。この永久磁石447は、渦巻きバネ446が自然の状態にあるとき、磁化方向が鉛直方向となるように設けられている。なお、図23A及び図23Bにおいて、永久磁石447上に示す両矢印は、永久磁石447の磁化方向を示す。
誘導装置が遮蔽状態にあるとき、永久磁石447は収納部111内の永久磁石110が発生する磁界の影響を受けない。このため、図23Aに示すように、円盤443は、永久磁石447の磁化方向が鉛直方向となる向きに維持される。このとき、塗装領域445aは透明窓442から隠れた位置(非表示位置)に配置されており、図22Aに示すように、透明窓442の外から塗装領域445aを視認することはできない。
誘導装置が非遮蔽状態に遷移すると(図16参照)、永久磁石110が発生する磁界Mの影響により、図23Bに示す矢印方向のトルクが永久磁石447に発生し、永久磁石447及び円盤443が回転する。それにより、図22Bに示すように、塗装領域445aが透明窓442と面した位置(表示位置)に移動し、透明窓442の外から塗装領域445aを視認することができるようになる。
誘導装置が再び遮蔽状態に遷移すると、永久磁石447は永久磁石110が発生する磁界Mの影響から開放され、渦巻きバネ446の復元力により、円盤443及び永久磁石447が図23Bの矢印と反対方向に回転する。それにより、図23Aに示すように、永久磁石447の磁化方向が再び鉛直方向となる。このとき、図22Aに示すように、透明窓442の外から塗装領域445aを視認することができなくなる。
以上説明した実施の形態1〜4及びこれらの変形例は、本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明は、各実施の形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成できる。本発明は、仕様等に応じて種々変形することが可能であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは、上記記載から自明である。
1 カプセル型医療装置誘導システム
2 被検体
10 カプセル型内視鏡
11 カプセル型筐体
11a 筒状筐体
11b、11c ドーム状筐体
12A、12B 撮像部
13A、13B 照明部
14A、14B 光学系
15A、15B 撮像素子
16 制御部
17 無線通信部
17a アンテナ
18 電源部
19 永久磁石
100、200、400 誘導装置
101 ベッド
102 脚部
103 操作入力部
104 制御部
105 電源部
110 永久磁石
111、161、201、310 収納部
112、202 磁石保持機構
113、114、162、203 蓋部
115 磁石変位機構
116a、116b、116c コイルバネ
121、233 固定板
122、234 スライドジョイント
123、235 スライダ
124、236 モータ
125、237 リンク機構
125a〜125d、237a〜237d リンク
126a、126b、238a、238b ギヤ
127 ワイヤ保持部
128a、128b、163 ワイヤ
131 Xステージ
132 X軸駆動用モータ
133 Yステージ
134 Y軸駆動用モータ
135 Zステージ
136 Z軸駆動用モータ
137 ボールスクリュー
138 スライドレール
141 遮蔽状態制御部
142 X駆動制御部
143 Y駆動制御部
144 Z駆動制御部
151、164、241、313 衝撃吸収材
165 プーリー
166 ローラー
211 湾曲部
212 平面部
213 開口
214 外壁
215 内壁
216 間隙
217 蓋支持部
218 ロックピン
221 スリット
222 駆動ベルト
231 ピニオン
232 ラック
239 固定部
251、311 ダンパー
261、262 ストッパ
312 ダンパー調節部
314 メンテナンス用磁界遮蔽部
315 加熱部
401、410、420、430、440 磁界表示部
402、411、421、431、441 筐体
403、412、422、432、442 透明窓
404 カラーバー
405、414 バネ
406 磁性体
413、424 カラーボール
423 筒状部材
425、426、436 支持部材
433 磁界反応部
434 容器
435 表示部材
443 円盤
444 回転軸部材
445a 塗装領域
445b 未塗装領域
446 渦巻きバネ
447 永久磁石

Claims (9)

  1. 石を内蔵したカプセル型医療装置を、前記石に磁界を作用させることにより誘導する誘導装置において、
    前記カプセル型医療装置の外部に設けられ、前記石に作用させる磁界を発生する久磁石と、
    前記永久磁石を収納可能な収納部と、
    前記収納部に収納された前記永久磁石が発生する磁界を遮蔽する遮蔽部材と、
    前記久磁石を鉛直方向に沿って移動可能に支持する支持機構であって、久磁石が前記収納部に収納される位置である第1の位置と、前記久磁石が発生する磁界により前記カプセル型医療装置の誘導が可能である第2の位置との間で前記久磁石を支持する支持機構と、
    電力供給を受けて前記久磁石を鉛直方向に沿って移動させるよう前記支持機構を動作させる駆動部と、
    支持機構が前記久磁石鉛直方向にさせる動作と連動して、前記久磁石が発生する磁界が前記収納部内に遮蔽される遮蔽位置と、前記久磁石が発生する磁界が前記収納部内に遮蔽されない非遮蔽位置との間で、前記遮蔽部材を移動させる遮蔽部材移動機構と、
    を備え、
    前記遮蔽部材移動機構は、前記駆動部への電力供給が停止した際に、前記支持機構が前記久磁石前記第1の位置に移動させ動作と連動して前記遮蔽部材前記遮蔽位置に移動させることを特徴とする誘導装置。
  2. 前記駆動部は、電力供給を受けて、前記久磁石を重力に抗して前記第2の位置に維持するよう前記支持機構を動作させ
    前記遮蔽部材移動機構は、前記久磁石が前記第2の位置にある間、前記遮蔽部材を前記非遮蔽位置に維持し、
    前記駆動部への電力供給が停止した際に、前記久磁石が自重により前記第1の位置に落下することを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  3. 前記駆動部に供給されるエネルギーであって、少なくとも、前記久磁石を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるために必要なエネルギーを蓄積するエネルギー蓄積手段をさらに備え、
    前記駆動部は、電力供給を受けて、前記久磁石を重力に抗して前記第2の位置に維持し、
    前記遮蔽部材移動機構は、前記久磁石が前記第2の位置にある間、前記遮蔽部材を前記非遮蔽位置に維持し、
    前記駆動部への電力供給が停止した際に、前記エネルギー蓄積手段は、蓄積したエネルギーを前記駆動部に供給して、前記支持機構が前記久磁石を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させることを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  4. 前記遮蔽部材は、断面が円弧形状をなし、前記収納部に対して外側に凸に湾曲した形状を有し、
    前記遮蔽部材移動機構は、前記円弧形状と同じ曲率を有する円弧状の軌跡に沿って、前記遮蔽部材を移動させることを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  5. 前記遮蔽部材は強磁性体からなることを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  6. 前記収納部は強磁性体からなることを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  7. 前記第1の位置は前記永久磁石の可動範囲の最低位置であることを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  8. 前記収納部の外部に設けられ、前記久磁石が発生する磁界が前記収納部内に遮蔽されているか否かを表示する磁界表示部をさらに備え、
    前記磁界表示部は、
    壁面の一部に、外部から内部を目視可能な窓部が設けられた筐体と、
    前記筐体内に設けられた表示手段であって、前記筐体の外部から視認不可能な位置である非表示位置と、前記筐体の外部から前記窓部を介して視認可能な位置である表示位置との間で移動可能に設けられた表示手段と、
    を有し、
    前記表示手段は、前記久磁石が発生する磁界により、前記非表示位置から前記表示位置に移動することを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  9. 請求項1に記載の誘導装置と、
    前記カプセル型医療装置と、
    を備えることを特徴とするカプセル型医療装置誘導システム。
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