以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明はスロットマシンに限ることなく、パチンコ等の遊技機に適用してもよい。
パチンコ遊技機は、例えば、機枠と、機枠に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠と、本体枠の内側に収容された遊技盤と、本体枠の前面に開閉自在に取り付けられたガラス扉と、ガラス扉の下側で本体枠の前面に開閉自在に取り付けられた前面ボードと、前面ボードの右下隅部に取り付けられた発射ハンドル等を備えている。
遊技盤の盤面には、ガイドレールで囲まれるとともに、発射された遊技球が流下する遊技領域が設けられるとともに、遊技盤の盤面のほぼ中央部に、変動表示ゲームを表示する表示器が設けられている。また、遊技盤の盤面には遊技球が入賞可能な各種入賞口、入賞口に入賞しなかった遊技球を排出する排出口、遊技球の進行方向を変化させる遊技釘や風車等が設けられている。
そして、後述する可動役物81,201等は、遊技盤の前方でかつ遊技球が通る遊技領域以外に設ければよい。
図1はスロットマシンMの正面図であり、このスロットマシンMで遊技する遊技者側から見たスロットマシンMを示し、図1における左右方向(前記遊技者から見た左右方向)が以下の説明におけるスロットマシンMおよびこのスロットマシンMを構成する各構成部材における左右方向となる。また、図2は、スロットマシンMの左側面図であり、図2において、スロットマシンMの右側で遊技者が遊技することになる。以下の説明において、図2中スロットマシンMの左側から右側(スロットマシンMから遊技者)に向かう方向がスロットマシンMおよびその構成部材における前方向となり、図2中スロットマシンMの右側から左側(遊技者からスロットマシンM)に向かう方向がスロットマシンMおよびその構成部材の後方向となる。
本発明が適用されるスロットマシンMの概略構成について説明する。
図1〜図7に示すように、このスロットマシンMは、筐体1(図2に図示)を備えており、この筐体1は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体1の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。なお、底板の上面には、各部品に電力を供給するための電源装置(図示略)を内蔵した電源ユニットやメダルの回収および払い出しを行うホッパ装置等が設けられている。
また、前記筐体1の左右の側板間には、筐体1の高さ方向略中央で水平となるように中板(図示略)が設けられており、この中板によって筐体1内は上下に分割されている。したがって、筐体1の前記正面開口部は、その上部を開口する開口上部とその下部を開口する開口下部との2つに区画されている。
筐体1の正面には、筐体1の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられており、この前扉3は、前記開口上部を開閉可能に閉塞する上扉(前扉上部)30と、前記開口下部を開閉可能に閉塞する下扉(前扉下部)40とを備えている。
前記筐体1内には前記中板の上面に、交換ユニット2(図4に図示)が着脱可能に設けられている。この交換ユニット2は、略直方体状に組まれた金属枠である枠体21と、枠体21に支持されたリールユニット22と、枠体21に固定された基板ユニット(図示略)とを備えている。
リールユニット22は、枠体21に設けられた3個のステッピングモータ(図示略)と、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール23とを備えている。また、基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。そして、基板ユニットは、スロットマシンMの遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。なお、回転リール23は、図4に示すように、水平な回転軸回りに回転可能で、各回転リール23は、同軸上に左右に並んで配置された状態になっている。
図5に示すように、前記上扉30は、外枠(キャビネット上ユニット)30bの背面側内部に、中枠30aを固定したものである。
上扉30にはその一方の縦方向の側縁部に上扉側蝶番(図示略)が設けられている。一方、前記交換ユニット2の枠体21には枠体側蝶番(図示略)が設けられており、この枠体側蝶番に前記上扉側蝶番を係合させることによって、上扉30は、交換ユニット2の枠体21に回動自在に取り付けられている。
なお、このスロットマシンMは、分離型筐体タイプの構造を有するものであり、遊技店における機種の交換時に、上扉30が回動自在に取り付けられた交換ユニット2を交換するようになっており、機種の交換時に筐体1、下扉40および筐体1内の電源ユニットやホッパ装置等は、遊技店の島設備に取り付けられたままで、交換されないようになっている。また、スロットマシンMは、分離型筐体タイプに限られるものではなく、機種交換時にスロットマシン全体を交換するものであってもよい。この場合に、前扉3を上扉30と下扉40に分けない一体の構造としてもよい。また、上扉30と下扉40とに分ける場合に、上扉30を、筐体1の側板に回動自在に取り付けてもよい。
また、上扉30の外枠30bには、リールユニット22の左右3つの各回転リール23の表面に表示されている図柄を視認可能に覆うとともに、その上側の液晶表示装置としてのディスプレイ55(図5に図示)の表示を視認可能に覆い、かつ、第1の可動役物81の移動空間を視認可能に覆う窓部56が設けられている。
この窓部56はリールユニット22上のディスプレイ55の前からリールユニット22の前まで上下に長いものとなっている。
この窓部56には、透明な保護パネル61が窓部56の開口を閉塞するように取り付けられている。窓部56は、その下部側で各回転リール23の表面に周方向に並んで設けられた図柄が3個ずつ表示可能に形成されている。
窓部56の上部は、各当選役の図柄配列や遊技履歴等の情報の画像や、遊技の状態や当選役の抽選結果を報知する画像等を表示するためのディスプレイ55を視認可能にしている。
保護パネル61は、各回転リール23を覆う部分、すなわち、各回転リール23が停止した場合に、各回転リール23の上段の図柄、中段の図柄、下段の図柄が視認される部分を覆う部分のうちの中段と下段を覆う部分が平面板(平板)状に形成され、その上側の部分が前側に膨出するように縦断面が円弧状の湾曲板状とされている。なお、このスロットマシンMにおいては、3つの回転リール23の中段を結ぶ横のラインと、下段を結ぶ横のラインとが各回転リール23が停止した際に、上述のラインに各小役、リプレイ、ボーナス役にそれぞれ対応する所定の図柄が表示される場合に各小役、リプレイ、ボーナス役を入賞とするようになっている。すなわち、中段のラインと、下段のラインが有効ラインとなっている。それに対して、各回転リール23の上段のラインは、各小役、リプレイ、ボーナス役の入賞には関係のない無効ラインとなっている。
したがって、保護パネル61では、中段と下段の有効ラインを視認する部分が平板状とされ、上段の無効ラインを視認する部分が湾曲している。
また、平板部上の湾曲部においては、平板部と接続される下端部より上側の方が前側(スロットマシンMの遊技者側)に膨出しており、保護パネル61の平板部より上側の部分の背面側に可動役物等の役物を配置または移動可能な空間を確保するようになっている。
また、上扉30の中枠30aの下部の左右には、種々のサウンドを出力するためのスピーカ35(図5に図示)が窓部56を挟んで設けられている。なお、外枠30bには、スピーカ35を覆う位置に、多数の孔が形成された音出力部57が設けられている。
また図1に示すように、窓部56の右側には、後述する装飾部材500が設けられている。
上扉30の中枠30aは、中央部に開口部59を有する枠状に設けられ、この開口部59の略中央部に開口部59を上下に分ける分離帯58が配置され、中枠30aの開口部59の上側がディスプレイ用窓部59aとされ、下側がリール用窓部59bとされている。したがって、外枠30bでは、ディスプレイ55と回転リール23とを視認可能とする窓部56が1つとされ、この窓部56に1つの保護パネル61が配置されているが、中枠30aでは、中央の開口部59がディスプレイ用窓部59aとリール用窓部59bに分かれた状態となっている。
ディスプレイ用窓部59aには、中枠30aの背面側からディスプレイ55として液晶表示装置が取り付けられている。また、リール用窓部59bの部分では、3つの回転リール23の表面上に設定された上下3段のライン(無効ライン、第1の有効ライン、第2の有効ライン)に沿って並ぶ図柄を表示可能な部分が入り込んだ状態となっている。
下扉40は筐体1の開口下部を開閉可能に閉塞するための扉である。図6および図7に示すように、外枠40bの背面側内部に中枠40aを取り付けたものである。
下扉40の一方の縦方向の側縁部に下扉側蝶番(図示略)が設けられている。そして、この下扉側蝶番を、筐体1の一方の側板に設けられた筐体側蝶番(図示略)と係合させることで、下扉40は、筐体1の一方の側板に回動自在に取り付けられている。
また、下扉40の上部には、図1に示すように、スロットマシンMを操作するための操作部50が設けられている。操作部50には、クレジットされたメダルを払い出すための精算スイッチ52、ゲームを開始させるためのスタートスイッチ53、回転リール23の回転を停止させるためのストップスイッチ54等が設けられている。
また、下扉40の上部右側には、メダルを投入するためのメダル投入口42が設けられている。また、下扉40の下部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口41と、メダル払い出し口41から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43とが形成されている。また、操作部50とメダル受け皿43との間には透明の前パネル45が取り付けられている。
また、本実施の形態のスロットマシンMは、図8に示すように、可動役物装置80を備えており、この可動役物装置80は前記中枠30a(図5参照)に設けられている。可動役物装置80は、前記第1の可動役物81と、この第1の可動役物81を所定の上昇位置で保持する保持手段90とを備えている。
第1の可動役物81は横方向に延在する横バー部82と、この横バー部82の両端部にそれぞれ設けられたスライド部材83,83とを備えている。
また、可動役物装置80は、左右一対の上下方向に延在するスライドレール84,84を備えている。スライドレール84,84は、左右に離間して平行に設けられており、このスライドレール84,84に沿ってスライド部材83,83が上下動可能となっている。これによって第1の可動役物81は上下動可能に設けられている。
なお、図8に示す状態では、第1の可動役物81は上部可動限界位置となる上昇位置に位置している。
第1の可動役物81の背面側には、当該第1の可動役物81を下部可動限界位置となる下降位置と前記上昇位置との間で上下動させる上下動駆動手段105が設けられている。
この上下動駆動手段105は、ベース板金85に取り付けられたモータ(ステッピングモータ)86と、このモータ86によって図示しないギヤを介して回転されるプーリ87と、スライドレール84の下端部近傍に設けられたプーリ88と、プーリ87とプーリ88とに巻き掛けられたベルト89とを備えており、このベルト89の所定部位がスライド部材83に固定されている。したがって、モータ86を正逆方向に回転させることによって、第1の可動役物81は上昇位置と下降位置との間を上下動するようになっている。
前記保持手段90は、第1の可動役物81に設けられた第1当接部91と、この第1当接部91が当接することによって第1の可動役物81の下降を阻止する規制部材122と、この規制部材122を第1の可動役物81とともに上下動する第1当接部91の移動経路中に進出させる方向に付勢する第1付勢部材(バネ)93(図10参照)と、第1当接部91が規制部材122に当接している状態から第1の可動役物81が下降する際に、規制部材122を第1付勢部材(バネ)93の付勢力に抗して移動経路中から退避させる駆動手段94(図10参照)と、第1の可動役物81に設けられて、当該第1の可動役物81が規制部材92より下方から上昇する際に、規制部材122を第1付勢部材(バネ)93の付勢力に抗して前記移動経路中から退避させる方向に押圧する押圧部98(図9参照)とを備えている。
前記規制部材122は、図10に示すように、L形の板状に形成されており、円筒状の軸部92aの上端部に当該軸部92aの径方向に突出して設けられている。この規制部材122の上面に第1当接部91が当接するようになっている。
また、軸部92aの下端部には突出板92cが当該軸部92aの径方向に突出して設けられている。突出板92cは前記ソレノイド94aの駆動軸94bに形成された溝部に挿入されている。なお、この溝部は駆動軸94bの先端面および外周面に開口しおり、突出板92cはこれら先端面および外周面から外側に若干突出している。また、規制部材122と突出板92cとは互いにほぼ逆方向に突出している。
また、ベース台100には支持軸101が立設されており、この支持軸101に円筒状の軸部92aが軸回りに正逆方向に回転自在に外挿されている。また、支持軸101の上端部はプレート110によって支持されている。また、このプレート110の下面に規制部材122が摺動自在に当接している。
ソレノイド94aの駆動軸94bには、軸部94eが駆動軸94bと直交して上下に挿通されており、この軸部94eは前記突出板92cに形成された長穴にその長手方向に移動自在に挿通されている。
また、ソレノイド94aの駆動軸94bの外周側にはバネ(第1付勢部材)93が圧縮された状態で設けられており、このバネ93の一端部は駆動軸94bに固定され、他端部はボックス94dの外面に当接されている。したがって、駆動軸94bはバネ93の付勢力によって進出する方向(図16において駆動軸94bの軸方向右方)に付勢されている。
一方、図11に示すように、ソレノイド94aをONすることによって駆動軸94bをバネ93の付勢力に抗して後退させることによって、軸部94eが後方(図17において左方)に移動し、これによって、突出板92cが軸部92aを軸として後方に回転移動する。突出板92cが後方に回転移動すると、軸部92aが正方向(時計回り)に回転し、これによって、規制部材122が軸部92aを軸として正方向(時計回り)に回転する。この状態において、規制部材122は前記第1当接部91の上下の移動経路中から退避した状態(非阻止状態)となる。このようにして、駆動手段94は規制部材122をバネ(第1付勢部材)93の付勢力に抗して前記移動経路中から退避させるようになっている。
また、前記押圧部98は、図9に示すように、可動役物装置80と同様に、下方に向かうにしたがって、漸次ベース板83aからの突出高さが高くなるような傾斜部98aを有しており、この傾斜部98aの最高高さと第1当接部91の高さとはほぼ等しくなっている。
したがって、第1の可動役物81が規制部材122より下方から上昇して、前記移動経路中に位置している規制部材122の一側部に押圧部98の傾斜部98aがその低い方から当接して摺動していくと、規制部材122が傾斜部98aによって上方に押され、これによって、規制部材122は軸部92aを軸として前記バネ93の付勢力に抗して時計回りに回転して、移動経路中から退避していく。
規制部材122が退避して傾斜部98aの最も高い位置を相対的に過ぎ、さらに第1当接部91を過ぎると、当該規制部材122はバネ93の付勢力によって反時計回りに回転して、元の阻止状態に戻るようになっている。
次に、第1の可動役物81の動きについて説明する。
まず、図8に示す状態が、第1の可動役物81が上部可動限界位置となる上昇位置に位置している状態(阻止状態)である。
この阻止状態では、規制部材122が、第1の可動役物81とともに上下動する第1当接部91の移動経路中に進出しており、この規制部材122に第1当接部91が当接することによって、第1の可動役物81が上昇位置で確実に保持される。
この阻止状態から第1の可動役物81を下降させる場合、ソレノイド94aをONすると、ソレノイド94aの駆動軸94bがバネ93の付勢力に抗して後退し、これによって、軸部94e、突出板92c、軸部92aを介して規制部材122が時計回りに回転して、非阻止状態となり、ソレノイド94aの保持力によって保持される。
次に、モータ86によってベルト89を正方向に回転せることによって第1の可動役物81が下降位置まで下降する。このように、第1当接部91が規制部材122に当接している阻止状態から第1の可動役物81が下降する際は、ソレノイド94aによって、規制部材122をバネ(第1付勢部材)93の付勢力に抗して第1当接部91の移動経路中から退避させるので、第1の可動役物81は所定の下降位置まで下降する。
第1の可動役物81が下降したならば、ソレノイド94aをOFFとする。これによって、規制部材122はバネ93の付勢力によって、元の位置に戻る(阻止状態に戻る)。
ここで、第1の可動役物81を下降させる場合、駆動手段94のソレノイド94aをONとすることによって、規制部材122を第1当接部91の移動経路中から退避させるが、この駆動手段94を駆動させる時間(ソレノイド94aをONとしている時間)は、第1の可動役物81のスライド部材34が、退避している規制部材122の側方を通過するまでの短い時間だけで済む。したがって、第1の可動役物81が上昇位置から下降位置まで下降し、再び上昇位置に戻るまでの長い時間においてソレノイド94aをON状態にしておく必要がないので、ソレノイド94aに対する電気的負担も軽減できるという効果がある。
次に、第1の可動役物81を前記所定の下降位置から所定の上昇位置まで上昇させる場合、モータ86によってベルト89を逆方向に回転させることによって、第1の可動役物81が引き上げられて、当該第1の可動役物81が上昇していく。
第1の可動役物81が上昇すると、第1の可動役物81に設けられた押圧部98の傾斜部98aが規制部材122をバネ93の付勢力に抗して移動経路中から退避させる方向に押圧して、規制部材122が移動経路中から退避するので、第1の可動役物81は所定の上昇位置まで上昇することができる。
そして、第1の可動役物81が上昇して押圧部98が規制部材122から離間することによって、当該規制部材122がバネ93の付勢力によって、第1当接部91の移動経路中に進出する。そして、この規制部材122に第1当接部91が当接することによって第1の可動役物81の下降を阻止して、所定の上昇位置で保持することができる。
このように本実施の形態では、ソレノイド94a等で構成される駆動手段94が作動不良を起こした場合でも、第1の可動役物81を所定の上昇位置で確実に保持できる。
なお、本実施の形態では、本発明を第1の可動役物81がモータ86によってベルト89を回転させることによって下降する場合を例にとって説明したが、本発明は第1の可動役物81がその自重によって落下する場合も適用できる。
また、本実施の形態のスロットマシンMは、図12〜図15に示すように、可動役物昇降機構200を備えており、この可動役物昇降機構200は、前記中枠30aの左右両側に対称的に設けられている。したがって、以下では右側の可動役物昇降機構200について説明し、左側の可動役物昇降機構の説明は省略する。
可動役物昇降機構200は、第2の可動役物201と、可撓性部材202であるFFC(フレキシブルフラットケーブル)202とを備えている。
第2の可動役物201は前記第1の可動役物81の背面側において、上下動可能(昇降可能)に設けられている。
また、第2の可動役物201は図示しない複数のギヤを有する昇降手段203を介してモータ203aによって、下部可動限界位置となる下降位置から上部可動限界位置となる上昇位置まで上昇するようになっており、上昇位置に達すると、昇降手段203から外れて、自重によって下降位置まで落下(下降)するようになっている。
第2の可動役物201は、図16に示すように、スライド部(可動部)201aと、このスライド部201aに基端部(右端部)が支持された演出部201bとを有している。そして、スライド部201aが上下に延在するスライドレール204(図12参照)に沿って上下動するようになっている。スライドレール204は前記中枠30aに設けられている。
また、演出部201bの先端部には、図16および図21に示すように、演出部201bの他の部分より遊技盤の中枠30aの表面30cからの距離が長くなるような薄肉部201cが設けられている。つまり、演出部201bの先端部の裏面には、基端側から先端側に向かうにしたがって徐々に表面30cからの距離が長くなるような傾斜面201dが形成されており、この傾斜面201dを形成することによって前記薄肉部201cが設けられている。
なお、図5に示すように、上扉30は、外枠(キャビネット上ユニット)30bの背面側内部に、中枠30aを固定したものであるが、この中枠30aが請求項1でいう「遊技盤」に相当する。
演出部201bは、図17に示すように、LED基板201eと、このLED基板201eの表面側に被せられるレンズ部201fと、レンズ部201fの裏面側に設けられる透光性を有するシート部材201gと、このシート部材201gを押える透光性を有するシート押え201hと、LED基板201eの裏面側に設けられる遮光カバー201iとを備えている。なお、シート部材201gは受けた光を拡散することができる拡散シートによって形成されている。
そして、LED基板201eに設けられたLED201jからの光がシート押え201hおよびシート部材201gを通して、レンズ部201fに照射され、このレンズ部201fが点灯または点滅するようになっている。
また、レンズ部201fの先端部の裏面には上述したような傾斜面201dが形成されているが、この傾斜面201dに沿って遮光カバー201iの裏面に傾斜面201kが形成されている。この傾斜面201kは傾斜面201dよりレンズ部201fの若干内側に配置されている。
なお、スライド部201aにはレンズ部201fの基端部が取り付けられ、このレンズ部201fにLED基板201e、シート部材201g、シート押え201h、遮光カバー201iが取り付けられている。
このような構成の第2の可動役物201は、図18および図19に示すように、所定の演出終了後、下方から上昇してきて最上昇位置で保持される。この最上昇位置は、中枠30aに設けられた開口部59の上方にある表面30cの位置である。つまり、第2の可動役物201は開口部59の上縁を超えてその上の中枠30aの表面30cまで上昇して、この表面30cで保持される。
表面30cには、第2の可動役物201の長さ方向略中央部に対応して、縦長のリブ31が設けられている。このリブ31の下端部には、図20に示すように、上方に向かうにしたがって徐々に表面30cから離間するような傾斜部31aが形成されており、この傾斜部31aの下端は表面30cの下縁に位置している。
一方、第2の可動役物201が昇降する際は、当該第2の可動役物201の演出部201bは前記表面30cより若干前方側を昇降するが、演出部201bはその基端部がスライド部(可動部)201aに支持されているので、昇降の際に先端部側ほど揺れ量が大きくなる。したがって、第2の可動役物201が最上昇位置に戻る際に、演出部201bが表面30cの下縁部、すなわち、開口部59の上縁と表面30cの交差部に衝突して、当該演出部201bに過度の衝撃が加わる虞がある。
このため、本実施の形態では、上述したように、演出部201bの先端部に薄肉部201cが設けられ、この薄肉部201cは演出部201bが昇降の際に揺れても、中枠30aの表面30cから前方に逃げた状態となり、当該表面30cの下縁部に干渉しないようになっている。
また、演出部201bが上昇してきて表面30cの下縁部に至ると、当該演出部201bの下面がリブ31の傾斜部31aに沿って徐々に前方に持ち上げられるようにして上昇し、傾斜部31aを過ぎると演出部201bの下面がリブ31に乗り上げることによって、演出部201bが表面30cから離間した位置に位置して当該表面30cに干渉しないようになっている。
このように本実施の形態では、第2の可動役物201の演出部201bの先端部に、当該演出部201bの他の部分より遊技盤の表面30cからの距離が長くなるような薄肉部201cが設けられているので、当該第2の可動役物201を上昇させた際に、当該薄肉部201cが表面30cの下縁部に対して逃げて干渉し難くなり、その結果、演出部201bの先端部の表面30cの下縁部への干渉を抑制できる。したがって、演出部201bの破損等を防止できる。
また、前記表面30cには突出部32が設けられている。そして、この突出部32に上昇してきた演出部31bの上面が当接することで、当該突出部32は演出部201b、すなわち第2の可動役物201の上限位置でのストッパとして機能するようになっている。
なお、本実施の形態では、第2の可動役物201が昇降(上下に移動)する場合を例にとって説明したが、本発明では、可動役物が上下以外、例えば左右や斜め方向に移動する場合に適用してもよい。
また、第2の可動役物201は上述したようにLED基板201eを有しており、このLED基板201eに電力を供給するためのFFC202の他端部が第2の可動役物201に接続され、固定板205によって固定されている。また、FFC202の一端部は電源基板206に接続されて固定されている。このようなFFC202は、第2の可動役物201を所定の可動範囲内(上昇位置と下降位置の間)で上下動可能とする十分な長さを有している。
また、前記FFC202が動く経路中に、巻掛け部207aが配置されている。この巻掛け部207aは滑車によって構成されており、この滑車207aは移動部材207に設けられている。つまり、移動部材207は巻掛け部(滑車)207aを有している。滑車207aはFFC202の長手方向と直交する方向と平行な軸に正逆方向に回転自在に取り付けられており、この軸が移動部材207に取り付けられている。
移動部材207は、滑車207aが取り付けられた取付部207bと、この取付部207bに一体的に設けられたスライド部207cと、取付部207bに一体的に設けられたガイド板207dを有している。
一方、FFC202の側方には、FFC202の長手方向に沿ってレール部208が設けられており、スライド部207cはこのレール部208に上下に移動可能に係合している。これによって、移動部材207は上下に移動可能に設けられている。
また、巻掛け部(滑車)207aには、第2の可動役物201が下降する際にFFC202が巻き掛けられるようになっている。
すなわち、図12および図13は、第2の可動役物201が上昇位置に位置している状態を示しており、この上昇位置に第2の可動役物201が位置している場合は、FFC202は滑車207aの外周面の一部に沿うようにして当接しており、当該FFC202の上端部(他端部)は滑車207aより上方に延在して、固定板205より上方位置で下方に向けて曲げられたうえで第2の可動役物201に接続され、固定板205によって固定されている。
そして、第2の可動役物201が自重により落下して下降すると、図14および図15に示すように、滑車207aの外周面の略上半分にFFC202が巻き掛けられるようになっている。FFC202が巻き掛けられた状態で第2の可動役物201が下降すると、移動部材207がFFC202によって滑車207aを介して下方に引っ張られるようになっている。
また、図12〜図15に示すように、移動部材207は付勢部材210によって上方に付勢されている。すなわち、前記レール部208の側方には、固定板211が固定されており、この固定板211の上端部に滑車212が設けられている。この滑車212には付勢部材210としてのバネ210が巻き掛けられており、当該バネ(付勢部材)210の一端部は固定板211の下端部に固定され、他端部は移動部材207のスライド部207cに固定されている。
図12および図13に示す状態(第2の可動役物201が上昇位置にある状態)では、バネ210は移動部材207の重さによって引っ張られた状態となっており、この状態で釣り合っている。したがって、移動部材207にはバネ210から上方に向けて付勢力が作用している。
そして、この状態から第2の可動役物201が所定距離だけ下降して、FFC202が滑車207aに巻き掛けられると、移動部材207はFFC202によって下方に引っ張られ、一方、移動部材207はバネ210によって上方に付勢される。
ここで、バネ210の付勢力は、移動部材207がFFC202によって滑車207aを介して下方に引っ張られる引張力より小さく設定されている。
したがって、第2の可動役物201は、FFC202が滑車207aに巻き掛けられた後も、バネ210の付勢力に抗して、下降していくことになる。
次に、第2の可動役物201の動きについて説明する。
まず、図12および図13に示す状態が、第2の可動役物201が上部可動限界位置となる上昇位置に位置している状態である。
第2の可動役物201を下降位置から上昇位置まで上昇させるには、上述したように、昇降手段203を介してモータ203aによって上昇させる。第2の可動役物201が上昇位置に達すると、昇降手段203から外れて、自重によって下降していく。
第2の可動役物201が下降していくと、これに伴ってFFC202の上端部(他端部)も下降していく。そして、第2の可動役物201が所定距離だけ下降すると、FFC202が滑車(巻掛け部)207aに巻き掛けられる。この際、移動部材207のガイド板207dによってFFC202がガイドされて滑車207aにスムーズに巻き掛けられる。つまり、ガイド板207dによってFFC202は手前側(図12において斜め左下方向)に撓むのを防止され、滑車207aにスムーズに巻き掛けられる。
この状態でさらに第2の可動役物201が下降すると、図14および図15に示すように、移動部材207が滑車207aを介してFFC202によって下方に引っ張られつつ下降していく。
一方、移動部材207はバネ(付勢部材)210によって上方に付勢されているので、FFC202にはそれを引っ張る方向に張力が作用する。したがって、FFC202の撓みを防止できるとともに、移動部材207がFFC202によって下方に引っ張られる引張力よりバネ(付勢部材)210の付勢力が小さく設定されているので、滑車207aは移動部材207とともに第2の可動役物201と同調して下降する。
また、第2の可動役物201が上述のようにして上昇する際には、この第2の可動役物201とともにFFC202の他端部が上昇していき、このFFC202の滑車207aに巻き掛けられている部分が滑車207aから上方に離れていくので、滑車207aにはFFC202から下方へ引張力が作用しない。
一方、滑車207aはバネ(付勢部材)210によって移動部材207を介して上方に付勢されているので、滑車207aはバネ(付勢部材)210の付勢力によって移動部材207とともに滑車207aが巻き掛けられた状態で上昇する。したがって、FFC202に滑車207aから張力が作用するので、FFC202の撓みを防止できる。
さらに、第2の可動役物201が上昇すると、移動部材207は所定の位置でその上昇が止まり、それ以降は、滑車207aに巻き掛けられていたFFC202が滑車207aから離れ、最後に図12および図13に示す状態になる。
このように、本実施の形態では、上下動する第2の可動役物201に接続されているFFC202が第2の可動役物201の上下動にともなって撓むのを防止できる。
また、FFC202が巻掛け部としての滑車207aに巻き掛けられるので、巻掛け部が滑車でない場合に比して、巻掛け部からFFC202に作用する摩擦力が小さくなる。このためFFC202の動きがスムーズとなり、その結果第2の可動役物201の上下動もスムーズとなる。
なお、本実施の形態では、本発明を第2の可動役物201が自重によって落下する場合を例にとって説明したが、本発明は第2の可動役物201がその自重とモータによって落下する場合も適用できる。
また、本実施の形態では、FFC202が巻き掛けられる巻掛け部として滑車207aを採用したが、巻掛け部としては滑車207aに限ることはない。例えば、FFC202を巻き掛けることができる円柱状の軸部材等であってもよい。
また、本実施の形態は、可撓性部材としてFFC202を例にとって説明したが、可撓性部材はこれに限ることなく、電力供給用の紐状のケーブルであってもよいし、さらに電力供給以外の目的に使用される紐状や帯状のものでもよい。
また、上述したように、本実施の形態では、図8に示すように、前記可動役物装置80は、スライドレール(ベース部材)84,84に上下動可能に設けられた第1の可動役物81を備えており、この第1の可動役物81は、前後に配置された第1可動役物301と第2可動役物302とから構成されている。なお、図8に示すように、第2可動役物302が前側に位置し、第1可動役物301が後側に位置している。また、図8において、基本的には、第1の可動役物81を挟んで左側の部分と右側の部分とは左右対称の構成となっているので、以下では左側の部分の構成を説明し、右側の構成については説明を省略する。なお、図8において、右側のスライド部材83等は他の部材によって隠されている。
第1可動役物301と第2可動役物302とは、第1の可動役物81の移動方向(本実施の形態では上下方向)に相対的に移動可能となっている。
すなわち、第1可動役物301はその両端部にそれぞれスライドレール84に沿って上下動するスライド部材83を有しており、このスライド部材83に、図示しない円柱状の軸部が上下に離間して2本立設されている。一方、第2可動役物302は、その両端部にそれぞれ上下に長い長円状のレール部303を有しており、このレール部303に前記円柱状の軸部が上下に移動可能に挿通されている。そしてこの軸部に円板304がビスによって固定されており、この円板304はレール部303に対して上下に摺動自在となっている。
したがって、第1可動役物301は、前記軸部がレール部303を上下に移動可能な範囲において、第2可動役物302に対して上下に移動可能となっている。
また、第1可動役物301が第2可動役物302に対して最も上昇位置にある場合(上側の前記軸部がレール部303の上端に当接している場合)に、第1可動役物301は第2可動役物302の背面側にほぼ隠されるようになっている。さらに、第1可動役物301が第2可動役物302に対して最も下降位置にある場合(下側の前記軸部がレール部303の下端に当接している場合)に、第1可動役物301は第2可動役物302より下方位置して、当該第2可動役物302を前方から視認できるようになっている。
また、第1可動役物301は第2可動役物302を伴って前記上下動駆動手段(駆動手段)105によって上下動されるようになっている。この上下動駆動手段105は、上述したように、ベース板金85に取り付けられたモータ(ステッピングモータ)86と、このモータ86によって図示しないギヤを介して回転されるプーリ87と、スライドレール84の下端部近傍に設けられたプーリ88と、プーリ87とプーリ88とに巻き掛けられたベルト89とを備えており、このベルト89の所定部位がスライド部材83に固定されている。したがって、モータ86を正逆方向に回転させることによって、第1の可動役物81は上昇位置と下降位置との間を上下動するとともに、モータ86を停止させることによって所定の位置で停止できるようになっている。
また、前記プーリ88は、バネ306によって下方に付勢さており、これによって、ベルト89に所定のテンションがかけられ、当該ベルト89の緩みを防止している。
また、スライドレール84の下端部には、縦長の部材307が固定されている。この部材307の下端部に、第2可動役物302に当接して当該第2可動役物302のそれ以上の下降を規制する規制部308が設けられている。この規制部308は第2可動役物302の移動方向(上下方向)に対して直交する平面状に形成されており、この規制部308に第2可動役物302の下面が当接することによって、当該第2可動役物302のそれ以上の下降を規制している。
したがって、第1可動役物301が前記上下動駆動手段105によって第2可動役物302を伴って下降し、第2可動役物302の下面が規制部308に当接して、第2可動役物お302のそれ以上の下降が規制されるが、第1可動役物301は上下動駆動手段105によって、第2可動役物302のレール部303に沿ってさらに下降できるようになっている。
また、スライドレール84の上端部には第1センサ311が設けられ、前記部材307の上端部には第2センサ312が設けられている。第1センサ311は、第1可動役物301を所定の原点位置(上昇位置)で検出するものである。
また、第2センサ312は、規制部308によって第2可動役物302の下降が規制された場合の第1可動役物301を所定位置(下降位置)で検出するものである。
そして、これら第1センサ311および第2センサ312は上下動駆動手段105を構成するモータ(ステッピングモータ)86の駆動を制御する図示しない制御部に接続されている。
そして、第1可動役物301を、原点位置とその下方の所定位置(下降位置)でそれぞれ第1センサ311と第2センサ312が検出し、その検出信号を制御部に送信することによって、モータ86の駆動を制御できるようになっている。
また、本実施の形態では、図8および図22に示すように、第1可動役物301の前方に第2可動役物302が配置されている。また、第2可動役物302内には、LED基板314が設けられる一方で、第2可動役物302の表面部には複数のレンズ部302aが設けられている。そして、LED基板314に設けられた複数のLED314aからの光がレンズ部302aに照射され、このレンズ部302aが点灯または点滅するようになっている。
また、第1可動役物301は、導光板やレンズ等によって形成されており、その表面には模様が立体的に形成されている。このような第1可動役物301は、前記第2の可動役物201の演出部201bが第1可動役物301の背面側に位置した場合に、演出によって演出部201bが点灯または点滅すると、この点灯または点滅する光によって背面側から照らされるようになっている。このようにして、第1可動役物301は演出部201bからの光によって点灯または点滅することで発光演出するようになっている。
次に、第1の可動役物81の動きについて説明する。
まず、図23に示す状態が、第1の可動役物81が上部可動限界位置となる上昇位置に位置している状態である。
この状態では、規制部材122に第1当接部91が当接することによって、第1の可動役物81が上昇位置で確実に保持される。
この阻止状態から第1の可動役物81を下降させる場合、上述したように、ソレノイド94aをONすることにより、規制部材122が時計回りに回転して、非阻止状態となり、ソレノイド94aの保持力によって保持される。
次に、図24に示すように、モータ86(図8参照)によってベルト89を正方向に回転せることによって第1の可動役物81が下降する。このように、第1当接部91が規制部材122に当接している阻止状態から第1の可動役物81が下降する際は、ソレノイド94aによって、規制部材122を第1当接部91の移動経路中から退避させるので、第1の可動役物81は下降することができる。
第1の可動役物81が下降したならば、ソレノイド94aをOFFとする。これによって、規制部材122はバネ93(図10参照)の付勢力によって、元の位置に戻る(阻止状態に戻る)。
なお、第1の可動役物81が下降する際は、第1の可動役物81のLED基板314(図22参照)の表面に設けられたLEDを点灯または点滅させることによって、第1の可動役物81の表面を点灯または点滅させることができるので、演出効果を高めることができる。
さらに、図25に示すように、第1の可動役物81がモータ86によって所定位置(下降位置)まで下降すると、つまり第1可動役物301が第2可動役物302を伴って所定位置まで下降すると、第2可動役物302が規制部308に当接して、第2可動役物302のそれ以上の下降を規制する。
その際、前記第2センサ312が、第2可動役物302の下降が規制された場合の第1可動役物301を所定位置(下降位置)で検出して、その検出信号を制御部に送信するので、制御部がさらにモータ86を駆動するように制御すると、図26に示すように、第1可動役物301は、下降が規制された第2可動役物302より下方に移動して、第1可動役物301が第2可動役物302の下方に出現する。
この際、前記第2の可動役物201が下降して第1可動役物301の背面側に位置した場合において、演出によって第2の可動役物201の演出部201bが点灯または点滅すると、この点灯または点滅する光によって第1可動役物301がその背面側から照らされることによって発光演出される。このように、演出部201bを点灯または点滅させることによって演出効果を高めることができる。
また、第1可動役物301が第2可動役物302の下方に出現した状態において、制御部がモータ86を逆方向に駆動すると、第1可動役物301が上昇して第2可動役物302の背面側に隠れる。
なお、第2可動役物302が規制部308に当接して、それ以上の下降を規制された状態において、制御部がモータ86の駆動を停止するように制御すると、第1の可動役物81は前記下降位置で停止した状態となる。さらに、同状態において、制御部がモータ86を逆方向に駆動すると、第1の可動役物81は上昇していく。
次に、第1の可動役物81を前記所定の下降位置から所定の上昇位置(原点位置)まで上昇させる場合、モータ86によってベルト89を逆方向に回転させることによって、第1可動役物301が引き上げられて、当該第1可動役物301が上昇していく。そして第1可動役物301が第2可動役物302の背面側に隠れた位置に来ると、第1可動役物301のスライド部材83に設けられた上側の軸部が第2可動役物302のレール部303の上端部に当接する。したがって、さらに第1可動役物301が上昇すると、これに伴って第2可動役物302も上昇する。つまり、第1可動役物301と第2可動役物302とが完全に重なった状態の第1の可動役物81が上昇する。
さらに、第1の可動役物81が上昇すると、第1の可動役物81に設けられた押圧部98の傾斜部98aが規制部材122を抗して移動経路中から退避させる方向に押圧して、規制部材122が移動経路中から退避するので、第1の可動役物81は所定の上昇位置(原点位置)まで上昇することができる。
そして、第1の可動役物81が上昇して押圧部98が規制部材122から離間することによって、当該規制部材122がバネ93(図10参照)の付勢力によって、第1当接部91の移動経路中に進出する。そして、この規制部材122に第1当接部91が当接することによって第1の可動役物81の下降を阻止して、所定の上昇位置で保持することができる。
このように本実施の形態では、第1可動役物301が上下動駆動手段105によって第2可動役物302を伴って所定位置まで移動すると、第2可動役物302が規制部308に当接して、当該第2可動役物302のそれ以上の下降を規制する。その後、第1可動役物301は、第2可動役物302を伴わないで、前記所定位置を越えて上下動駆動手段105によって下降することがきる。したがって、複数の可動役物(第1可動役物301および第2可動役物302)が重なった状態で一緒に移動した後、一つの上下動駆動手段105によって、一の可動役物(第1の可動役物)301をさらに移動させることができるので、演出効果を高めることができる。
また、規制部308によって第2可動役物302の下降が規制された場合の第1可動役物301を第2センサ312によって所定位置(下降位置)で検出できるので、この検出信号を上下動駆動手段105の制御部に送信して、当該制御部で上下動駆動手段105を制御することによって、さらに第1可動役物301を所定位置を越えて下降させるのか、その所定位置で停止させるのか、または第1可動役物301を所定位置から上昇させるのかを制御できる。
また、第1可動役物301が上下動駆動手段105によって第2可動役物302を伴って原点位置まで上昇してきた際に、当該第1可動役物301を第1センサ311によって原点位置で検出できるので、この検出信号を上下動駆動手段105の制御部に送信して、当該制御部で上下動駆動手段105を制御することによって、第1可動役物を原点位置で停止させるのか、または再び原点位置から下降させるのかを制御できる。
さらに、第1センサ311と第2センサ312によって、第1可動役物301を原点位置と所定位置とで検出できるので、この検出信号を上下動駆動手段105の制御部に送信して、当該制御部で上下動駆動手段105を制御することによって、第1可動役物301を原点位置と所定位置との所望の位置で停止させ、さらに上昇または下降させることができる。
したがって、遊技機の演出に応じて第1の可動役物81の移動を制御でき、演出効果を高めることができる。
さらに、第1可動役物301が第2可動役物302より下降して出現した場合に、当該第1可動役物301の背面側に位置している第2の可動役物201の演出部201bからの光によって第1可動役物301を光らせることができる。したがって、演出効果をさらに高めることができる。
なお、本実施の形態では、本発明を第1の可動役物81が上下動駆動手段によって上下動する場合を例にとって説明したが、本発明は第1の可動役物81が横方向や斜め方向に移動する場合も適用できる。
次に、第2の可動役物201の昇降手段203について詳細に説明する。
左右一対の第2の可動役物201およびこれら第2の可動役物201をそれぞれ昇降する左右一対の昇降手段203は、中枠30aの左右側部にそれぞれ設けられている。一対ずつの第2の可動役物201および昇降手段203は、それぞれ左右逆となっている以外は、同様の構造を有するので、以下に、遊技者から向かって右側の第2の可動役物201および昇降手段203について説明し、同様の構造を有する左側の第2の可動役物201および昇降手段203についての説明を省略する。
図27から図35に示すように、昇降手段203は、上下に長いベース部材401と、ベース部材401に上下方向に沿って設けられて第2の可動役物201を上下動(昇降)自在に支持するガイドレール402と、上下方向に沿って歯が並んで配置されているラック403(図29〜図31等に図示)を備えるラック部404と、前記ラック403に噛み合うラック用歯車411を備えてラック403を昇降させる歯車昇降機構412とを備える。
また、昇降手段203は、上述のラック部404と、ラック部404に対して上下動自在で、一対の動滑車405,406を回転自在に支持する動滑車支持部407(図32〜図35等に図示)と、左右一対の動滑車405,406を含む動滑車機構441と、動滑車機構441に設けられる紐状部材としてのベルト408とを備える。また、ラック部404と、動滑車支持部407とから昇降部材409(図32〜図35等に図示)が構成されるとともに、昇降部材409には、ラック部404と動滑車支持部407とを接続するばねであるコイルスプリング410(図33、図35等に図示)を備える。
なお、図27から図31は、主に歯車昇降機構412を説明するための図面であり、図32から図35は、主に動滑車機構441を説明するための図面である。また、図27、図29、図30、図32、図33は第2の可動役物201が上昇した状態の図であり、図28、図31、図34、図35は第2の可動役物201が下降(落下)した状態の図である。また、図27〜図31においては、昇降手段203の各部分を覆う複数のカバーを取り外した状態で図示している。また、図32〜図34においては、動滑車機構441とベルト408とを主に図示し、それ以外の部分の図示を省略している。
第2の可動役物201は、回転リール23の外周面に描かれた図柄としての7を模したものであり、回転リール23の図柄と略同じ大きさとなっている。また、第2の可動役物201には、内部にLEDが備えられて発光するようになっている。また、第2の可動役物201は、ディスプレイ用窓部59a(窓部56)より上の上扉30の外枠30bの上側部から窓部56の下部であるリール用窓部59bに臨む回転リール23の上下3段のうちの無効ラインとなる上1段目の部分(上段)まで移動する。
回転リール23は、左右に3つ並んで設けられており、左回転リール23、中回転リール23、右回転リール23がある。左の第2の可動役物201は、停止した左回転リール23のリール用窓部59bから視認可能な上下3段の図柄のうちの上の図柄と重なる位置まで下降可能となっている。また、右の第2の可動役物201は、停止した右回転リール23のリール用窓部59bから視認可能な上下3段の図柄のうちの上の図柄と重なる位置まで下降可能になっている。
すなわち、第2の可動役物201が落下した場合に、左回転リール23または右回転リール23の上段の図柄を隠すとともに、隠した図柄に代えて7を表示した状態となる。例えば、左から右の回転リール23の上段に7、7、リプレイ(7以外の図柄)順で図柄が並んで停止した際に右の第2の可動役物201を落下させると、右のリプレイが7を模した第2の可動役物201に隠されて7が上段の左、中、右で擬似的に3つ揃った状態となる。なお、第2の可動役物201は、左と右の回転リール23の上段の図柄の位置まで落下するので、斜めに7を擬似的に揃える際にも用いることができる。
歯車昇降機構412は、ラック403を備えるラック部404と、一対の動滑車405,406を備える動滑車支持部407とを有する昇降部材409を上昇させて落下させる機構である。歯車昇降機構412は、図18、図20に図示するモータ203aと、当該モータの駆動軸に設けられた駆動歯車414と、当該駆動歯車414に噛み合う2段歯車416と、2段歯車416に噛み合う中間歯車417と、中間歯車417と噛み合うとともにラック403に噛み合うラック用歯車411とを備えている。
2段歯車416は、駆動歯車414と噛み合う大径歯車415と、中間歯車417と噛み合う小径歯車(図示略)とが同軸上に一体に設けられたものであり、駆動歯車414の回転を減速して中間歯車417に伝達する。
ラック用歯車411は、中間歯車417と噛み合う部分とラック403に噛み合う部分とが軸方向に前後分けて配置されており、軸方向の前側(遊技機の前後方向の前側)がラック403と噛み合い、軸方向の後側(遊技機の前後方向の後側)が中間歯車417と噛み合うようになっている。また、ラック用歯車411の中間歯車417と噛み合う部分には、全周に渡って歯が形成されているのに対して、ラック403と噛み合う部分には、外周面に歯が設けられていない部分が円筒面状に設けられている。
例えば、ラック用歯車411のラック403と噛み合う部分には、歯がなく歯底円に沿った円筒面となっている歯底面413がラック用歯車411の外周面の1/3程度設けられている。なお、図28〜図31においては、歯底面413の後側の歯が見えることにより、ラック用歯車411の全周に渡って歯が形成されるように見えている。
ラック用歯車411では、ラック403と噛み合う部分の歯がある部分がラック側に向いている場合には、ラック403とラック用歯車411が噛み合い、ラック用歯車411の歯が無い歯底面413がラック403と対向する状態では、ラック403とラック用歯車411の噛み合いが解除されることにより、ラック403を有する昇降部材409が落下可能になる。
ラック403を備えるラック部404は、ベース部材401に設けられたレールに上下方向に沿って移動自在に支持されている。また、昇降部材409の動滑車支持部407は、ラック部404に上下動自在に支持されている。各歯車411,414,416(415),417は、ベース部材401に設けられた歯車支持部材418に回転自在に支持され、モータ203aも歯車支持部材418に支持されている。
モータ20aは、ステッピングモータであり、入力されるパルスにより回転角度が制御された状態で回転するようになっている。本実施の形態では、モータ20aの回転方向は一定となっており、ラック用歯車411がラック403を上昇させる方向に回転し、その逆方向に回転いないように制御される。
ラック用歯車411には、遊技機の前側を向く側面に、ストッパ突部421と、噛合用突部422が設けられている。ストッパ突部421は、ラック用歯車411の1つの歯と重なるとともに、当該歯の歯先から歯底より少しだけラック用歯車411の中心側の位置まで、前側に突出した状態に設けられている。このストッパ突部421は、ラック用歯車411の半径方向に沿っている。
また、ラック用歯車411の上側には、逆転防止部材431が設けられている。逆転防止部材431は、歯車支持部材418に回転軸419を中心として回転自在に支持されている。また、歯車支持部材418には、逆転防止部材431に設けられたピン420が挿入される円弧状の長孔433が設けられている。長孔433は、回転軸419を中心とする円弧状に形成されており、回転軸419に支持される逆転防止部材431のピン420が挿入されることにより、逆転防止部材431の回転範囲を規制している。
逆転防止部材431は、ラック用歯車411より少しだけ前側にあり、逆転防止部材431の一部がラック用歯車411の歯底円より少し内側に入った第1の角度位置から、逆転防止部材431の全体がラック用歯車411の歯先円より少し外側に出た第2の角度位置との間を回転移動可能となっている。また、逆転防止部材431は、図示しない捩じりばねにより、図30に示す第2の角度位置から図29に示す第1の角度位置側に回転する方向に付勢されている。
したがって、逆転防止部材431は、通常時は、図29に示す第1の角度位置に配置されている。ラック用歯車411が順方向として図中時計回りに回転するとストッパ突部421が第1の角度位置にある逆転防止部材431に係合し、逆転防止部材431を第2の角度位置側に押し出す状態となる。さらに、ラック用歯車411が回転すると、逆転防止部材431との係合が外れ、逆転防止部材431は、第1の角度位置に戻る。この場合に、第1の角度位置の逆転防止部材431を越えた位置にストッパ突部421が配置される。この状態は、基本的にラック用歯車411によりラック403が最も上に移動した状態となり、ラック用歯車411が停止する。この場合に、ラック用歯車411が昇降部材409や第2の可動役物201の荷重により逆転しそうになると(反時計回りに回転開始すると)、ストッパ突部421が逆転防止部材431に当たり、ラック用歯車411の逆転が阻止される。
また、ラック用歯車411の前側の側面の噛合用突部422は、ストッパ突部421と同様に、ラック用歯車411の1つの歯と重なるとともに、当該歯の歯先から歯底より少しだけラック用歯車411の中心側の位置まで、前側に突出した状態に設けられている。この噛合用突部422は、ラック用歯車411の半径方向に沿っている。
ラック403(ラック部404)は、ラック用歯車411との噛み合いが外れて落下した際に所定位置のストッパ(図示略)で下方への移動が規制され、この下方への移動が規制されたラック403の位置が図31に示すラック403が落下した位置である。この位置において、ラック403の歯と、ラック用歯車411との噛み合いが解除されている。この状態で、ラック用歯車411を順方向に回転すると、ラック403の上端部の歯に噛み合う位置に歯の無い歯底面413に隣接する歯が至ることになるが、この状態でラック403の歯と、ラック用歯車411の歯が噛み合うことが難しい。そこで、ラック403の右側から右に突出する係合突起435をラック403の前側に設けている。また、ラック用歯車411の歯底面413に隣接する歯の位置に、上述の噛合用突部422を設けている。
ラック403を落下させた後に、ラック用歯車411を順方向に回転させると、噛合用突部422がラック403の上端部に設けられた係合突起435に接触するとともに、係合突起435を押し上げる。この際に、噛合用突部422の位置にあるラック用歯車411の歯とそれに続く歯が、ラック403の歯に噛み合うことになり、ラック用歯車411の回転によりラック403が押し上げられることになる。
次に、動滑車機構441について説明する。
動滑車機構441は、上述の動滑車支持部407と、動滑車支持部407に回転自在に設けられた一対の動滑車405,406と、ベース部材401の下部に固定的に配置されて回転自在な定滑車442とを備える、また、一対の動滑車405,406および定滑車442とには、ベルト408が巻かれた状態となっている。
動滑車支持部407は、その上端部に一対の動滑車405,406が遊技機の前後方向に間隔をあけて並んで設けられている。後述のベルト408の第2の可動役物201に接続される一方の端部(可動端444)側が巻かれる後側の動滑車405は、ベルト408の他方の端部(固定端445)側が巻かれる前側の動滑車406より少し高い位置に設けられている。
定滑車442は、一対の動滑車405,406より下方で、一対の動滑車405,406の間の位置に設けられている。ベルト408は、その可動端444から上に向かって後側の動滑車405の上側に掛けられた後に下方に向かい定滑車442の下側に掛けられている。定滑車442の下側に掛けられたベルト408は上側に向かって前側の動滑車406の上側に掛けられる。動滑車406の上側に掛けられたベルト408は、下側に向かって延出している。このベルト408の先端部は、固定端445としてベース部材401に固定されている。なお、図34および図35において、ベルト408の固定端445にはベース部材401に当該固定端445を固定する固定部材447を図示し、ベルト408の可動端444には第2の可動役物201を接続する接続部材448を図示している。
動滑車支持部407は板状であり、ラック403を有する板状のラック部404と動滑車支持部407とは、重なった状態に配置されている。図32および図34に示すように、動滑車支持部407のラック部404に略重なる部分には、上下一対の長孔450が設けられている。これらの長孔450には、それぞれラック部404に設けられた上下一対の挿入ピン451が挿入されている。これにより動滑車支持部407とラック部404とは、長孔450の長さの範囲で相対的に上下動可能となっている。
また、図33および図35に示すように、動滑車支持部407と、ラック部404とは、伸縮するばねとしてのコイルスプリング410で接続されている。ラック部404は、落下した際にストッパで上下位置が決められ、上昇中および落下前の位置(原点位置)にあるときには、ラック用歯車411との噛み合いにより上下位置が規制されている。それに対して、動滑車支持部407はラック用歯車411にコイルスプリング410で吊られた状態で上下位置が決められている。これらのようなラック部404と動滑車支持部407とから上述のように昇降部材409が構成されている。したがって、基本的に動滑車支持部407は、ラック部404の昇降移動にしたがって昇降移動するが、コイルスプリング410の伸縮によりラック部404に対して上下に変位可能になっている。これらのようなラック部404と動滑車支持部407とから上述のように昇降部材409が構成されている。
動滑車機構441とベルト408とにより、ラック403の移動距離、すなわち、動滑車405,406の移動距離に対して、ベルト408に接続された第2の可動役物201は、略4倍の移動距離を有することになる。
第2の可動役物201の上下の移動範囲内にラック403の上下の移動範囲が含まれるようにラック403が配置されている。また、図27および図28に示すように、ベース部材401の上端部には、第2の可動役物201が原点位置に移動したことを検知するフォトセンサ455が設けられている。
このようなスロットマシンMの昇降手段203においては、第2の可動役物201が原点位置としての上扉30の窓部56の上側縁より少し上側の位置から停止した左右の回転リール23のリール用窓部59bを介して視認可能な図柄のうちの上段の図柄位置まで自然落下に近い状態で落下させることができるとともに、原点位置まで第2の可動役物201を上昇させて戻せるようになっている。
図27に示すように、第2の可動役物201が最も高い位置より僅かに下側となる原点位置にある状態では、図29および図30に示すようにラック403の下端部の歯に、ラック用歯車411の歯が欠けた部分である歯底面413の回転方向先側の歯が噛み合った状態となっている。また、この際に第2の可動役物201は、フォトセンサ455に検知された状態となっている。
また、第2の可動役物201が原点位置にある状態では、図29に示すように、ラック用歯車411の上端部の前側に逆転防止部材431が重なった状態となっているとともに、この逆転防止部材431のラック用歯車411の回転方向の先側(図中右側)に、ラック用歯車411のストッパ突部421が配置され、ラック用歯車411の逆転が防止されている。これにより昇降部材409や第2の可動役物201の荷重によりラック用歯車411等が逆転して第2の可動役物201が降下するのが防止されている。
次に、モータ203aを回転させることにより、歯車昇降機構412の各歯車414,416(415),417を介してラック用歯車411を順方向に回転させると、ラック403がラック用歯車411の回転により少しだけ押し上げられた後に、ラック403の下端の歯と、ラック用歯車411の歯底面413に隣接する歯との噛み合いが解除され、ラック用歯車411の歯の欠落部である歯底面413とラック403の歯が対向した状態となる。この状態でラック403は、ラック用歯車411による支持を失い略自然落下に近い状態で落下する。
ラック403と、当該ラック403を備えるラック部404の落下距離は図示しないストッパにより制限されており、ラック403に上下に並んで設けられた歯のうちの一番上の歯から一番下の歯までの距離に略等しい距離だけ落下するようになっている。また、ラック403を備えるラック部404が落下を開始する際には、ラック部404にコイルスプリング410を介して動滑車支持部407および第2の可動役物201の荷重がかかった状態となっている。これによりコイルスプリング410は、荷重に対応して延びた状態となっており、ラック部404を下方に引っ張った状態となっている。したがって、ラック403がラック用歯車411による支持を失った際に、ラック403を備えるラック部404の自重と、コイルスプリング410の付勢力とにより、落下が開始されることになり、ラック部404の落下開始を円滑にすることができる。
この際に、ラック403を備えるラック部404が落下する際には、ラック部404にコイルスプリング410で接続された動滑車支持部407も落下することになる。2つの動滑車405,406が落下すると、動滑車機構441によりベルト408の第2の可動役物201が接続された可動端444は、動滑車405,406の下降距離、すなわち、ラック403の下降距離に対して約4倍の下降距離を下降することになる。これにより、第2の可動役物201は、窓部56(ディスプレイ用窓部59a)より上からリール用窓部59bの回転リール23の上段の図柄に重なる位置まで落下することになる。
この際に第2の可動役物201の落下が終了する際に、ベルト408に衝撃力が作用する。ベルト408に繰り返し衝撃力が作用するとベルト408が傷む虞があるが、ベルト408の可動端444側に下側への引っ張り力が作用した場合に、動滑車405を介して動滑車支持部407が下に引っ張られてコイルスプリング410が伸びることにより衝撃力の一部が吸収される。これによりベルト408の寿命を延ばすことができる。
図28、図31に示すように第2の可動役物201は、落下により最も低い位置に配置され、上述のように左または右の回転リール23の上段に停止した図柄の前に7図柄を模した第2の可動役物201が配置されて、7図柄が擬似的に3つ揃った状態となる。なお、斜めのX状に配置される2ラインに、7図柄が擬似的に揃った状態としてもよい。
この際に、遊技者はスロットマシンMの遊技で、7図柄がリーチ状態になったにも関わらずに、7図柄が3つ揃わず、落胆した際に、7図柄を模した第2の可動役物201が加速しながら落下して、7図柄が3つ並んだ状態となったことに、驚くことになる。特に、自然落下に近い状態で7図柄を模した第2の可動役物201が高速で落ちてきたことに衝撃を受けることになる。また、このような第2の可動役物201による演出が行われたことに基づいて遊技者は遊技での遊技媒体の大量獲得の可能性に大きな期待を抱くことになる。
この状態で再びラック用歯車411を順方向に回転させると、図31に示すように、ラック用歯車411の歯底面413の回転方向後側の歯がラック403の上端の歯に近づくことになる。
この際に、ラック403の上端部の歯の位置に対応して設けられた係合突起435にラック用歯車411の噛合用突部422が接触するとともに、係合突起435を噛合用突部422が少しだけ上昇させる。この際にラック403の上端の歯と、ラック用歯車411の歯底面413の回転方向後側に隣接して設けられた歯とが噛み合うことになる。これにより噛み合いが一度外れた状態のラック403とラック用歯車411とを再び、円滑に噛み合わせることが可能になる。
ラック用歯車411をそのまま順方向に回転させることにより、ラック403が上昇し、それに基づいて動滑車405,406が上昇する。これによりベルト408の可動端444に接続された第2の可動役物201が上昇することになる。この際には、第2の可動役物201がラック403の上昇距離の約4倍の距離をラック403が原点位置に戻るまでの時間で移動することになる。すなわち、ラック403の昇降速度の約4倍の昇降速度で第2の可動役物201を上昇させることができるので、第2の可動役物201を高速で上昇させることが可能になり、原点位置に戻る第2の可動役物201が遊技者にとって邪魔になるのを防止することができる。
また、図30に示すように、ラック403が原点位置に戻る際に、回転するラック用歯車411のストッパ突部421が逆転防止部材431をラック用歯車411の外側に押し出した後に、ねじりばねにより復帰する逆転防止部材431に隣接して配置され、逆転防止部材431とストッパ突部421とによりラック用歯車411の逆転が防止された状態となる。なお、ラック用歯車411が回転する際に噛合用突部422も逆転防止部材431をラック用歯車411の外側に押し出して、逆転防止部材431を通過する。
第2の可動役物201が原点位置に戻ると、フォトセンサ455が第2の可動役物201を検知することになる。なお、第2の可動役物201の昇降の制御は、ステッピングモータであるモータ203aの回転角度の制御で行われるが、設定角度だけモータ203aを回転させてもフォトセンサ455が第2の可動役物201を検知しない場合に、さらにモータ203aを回転させるようにしてもよい。但し、ラック用歯車411を順方向に回転させ過ぎると、ラック403とラック用歯車411の噛み合いが外れてしまうので、モータ203aの回転には限度がある。
このような昇降手段203にあっては、第2の可動役物201を長い距離に渡って自然落下に近い状態で降下させることができるとともに、迅速に上昇させることが可能になる。これにより、遊技者に対して第2の可動役物201を用いた迫力のある演出を見せることが可能になる。また、自然落下に近い状態でベルト408に繋がれた第2の可動役物201を落下させてもベルト408にかかる衝撃力を緩和することができる。
なお、動滑車405,406は、2つに限られるものではなく、1つであっても、3つ以上であってもよい。また、昇降部材409においてラック403を有するラック部404と動滑車405,406を支持する動滑車支持部407とを別体として、コイルスプリング410で接続するものとしたが、ラック部404と動滑車支持部407とを一体とした昇降部材409を設けるものとしてもよい。
また、本実施の形態では、図3および図36に示すように、上扉30の前面に、遊技機の前面右側を装飾する装飾部材500が設けられている。この装飾部材500は人形のフィギュアを模した立体的な形状となっており、ユニット化されて、上扉30の前面右側に取り付けられるようになっている。
この装飾部材500は、図37に示すように、基台部501とこの基台部501に設けられたフィギュア部502とから構成されている。
基台部501は、図38に示すように、内側(遊技機の前面側)を向く面が開口した略箱状に形成されており、その内部にはLED基板503が設けられ、このLED基板503は図示しない制御基板に接続されるようになっている。なお、制御基板は前記中枠30aに設けられている。
また、基台部501の内部には、LED基板503の前側にインナーレンズ505が設けられている。そして、LED基板503に設けられたLEDからの光がインナーレンズ505に照射され、図37に示すように、このインナーレンズ505からの光が基台部501に設けられた複数の孔501bや開口部501cを通してフィギュア部502を背面側から照らすようになっている。
また、基台部501の下部には表示基板504が設けられている。この表示基板504は、LED、7セグメントの表示部を備えており、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示されるようになっている。この表示は、図36に示すように、基台部501の表面下部に設けられたレンズ504aを通して遊技者が目視によって認識できるようになっている。
このように、本実施の形態では、表示基板504を装飾部500の基台部501に設けたので、従来のように表示基板を中枠側に設ける場合に比して、遊技者の近くに表示基板504が位置することになる。したがって、表示基板504に表示される各種遊技情報を容易に認識することができる。
前記フィギュア部502は、図39に示すように、フィギュアの胴体を構成する本体部506を有している。
この本体部506には、静電容量式タッチセンサ510が設けられている。この静電容量式タッチセンサ510は、図40および図41に示すように、遊技者が接触可能なタッチセンサ操作部511と、このタッチセンサ操作部511に電気的に接続されたセンサ本体512を有している。
タッチセンサ操作部511は、平面的にサイコロを模したプレート状に形成されており、その表面および裏面には金属メッキ層が形成されている。また、タッチセンサ操作部511の裏側には、図42に示すように、レンズ部513が設けられている。このレンズ部513は、板状のプレート513bの表面に複数円柱部513aを立設したものとなっている。
また、タッチセンサ操作部511には、図41および図42に示すように、複数の円形状の孔511aがサイコロの目を模した形態で形成されており、この孔511aにレンズ部513の円柱部513aの先端面が露出している。したがって、前記LEDからの光がインナーレンズ505を通してレンズ部513に照射された場合に、円柱部513aを含むレンズ部513が点灯または点滅するようになっている。また、円柱部513aの先端面が点灯または点滅すると、この点滅または点灯をタッチセンサ操作部511の孔511aを通して、遊技者が認識できるようになっている。
また、タッチセンサ操作部511の周囲は、図40〜図43に示すように、絶縁部515で囲繞されている。この絶縁部515は絶縁性を有する樹脂によって形成されている。絶縁部515は、図44に示すように、筒状に形成された外周部515aと、この外周部515aの内側に設けられた中板515bと備えている。中板515bは外周部515aの先端縁より所定の距離だけ窪んだ位置に形成されており、この中板515bにタッチセンサ操作部511の下面が設置され、外周部515aの内周面にタッチセンサ操作部511の側面が当接されている。これによって、タッチセンサ操作部511はその周囲が絶縁部515によって囲繞されている。なお、中板515bには、タッチセンサ操作部511の孔511aに対応して孔515cが形成されており、この孔515cに、中板515bの裏面側に設けられたレンズ部513の円柱部513aが挿通され、この円柱部513aが孔511aに露出している(図41参照)。
また、タッチセンサ操作部511とセンサ本体512とは通電可能な接続部517によって電気的に接続されている。
すなわち、図39および図40に示すように、接続部517は、センサ本体512に接続されたジョイント部材517aと、このジョイント部材517aに挿通されるビス517bと、このビス517bがねじ込まれる接続柱517cとから構成されており、接続柱517cはタッチセンサ操作部511の裏面に設けられ、タッチセンサ操作部511の金属メッキ層と電気的に接続されている。
そして、ジョイント部材517a、ビス517b、接続柱517cは電気的に導通しており、これによって、タッチセンサ操作部511に触れた遊技者の手からの静電気を接続柱517c、ビス517b、ジョイント部材517aを通してセンサ本体512に流すようになっている。また、ジョイント部材517aは、図39に示すように、ビス517bによって本体部506に形成された固定部506aに固定されている。つまり、ビス517bは接続部517の一部を構成するとともに、ジョイント部材517aを本体部506固定する機能を有している。
なお、センサ本体512はジョイント部材517aの保持部517dに保持され、ビス518によって保持部517dに固定されるとともに、本体部506に形成された固定部506bにビス519によって固定されている。
また、タッチセンサ操作部511の裏側には、図40および図43に示すように、振動手段としての振動モータ520が設けられている。振動モータ520は、モータの駆動軸に重りを偏心させて取り付けたものであり、駆動軸を回転させて重りを回転させることによって、振動するようになっている。
振動モータ520はタッチセンサ操作部511の裏側に設けられるとともに、絶縁部515の裏側の凹所に組み込まれている。つまり、振動モータ520はタッチセンサ操作部511の裏側に、絶縁部515の中板515bを挟んで設けられている。
また、振動モータ520にはカバー521が被せられ、このカバー521は絶縁部515にビス522によって固定され、これによって、振動モータ520は絶縁部515に固定されている。
また、前記ジョイント部材517aは、図40に示すように、振動モータ520から離間する方向に延びており、このジョイント部材51aの先端部の保持部517dは、絶縁部515の外側に位置している。そして、この保持部517dにセンサ本体512が取り付けられている。これによって、センサ本体512は振動モータ520および絶縁部515から離間して、絶縁部515の外側に設けられており、振動モータ520の振動が直接伝わることがないようになっている。振動モータ20の振動は絶縁部515を介して、本体部506等に分散されて伝達され、センサ本体512には殆ど伝わらないようになっている。
また、振動モータ520は絶縁部515の中板515bに当接しており、この中板515bにタッチセンサ操作部511が当接しているので、振動モータ520が振動すると、この振動が絶縁部515を介してタッチセンサ操作部511に伝えられるようになっている。そして、この振動はタッチセンサ操作部511にタッチ(接触)している遊技者の手に伝えられるようになっている。
また、振動モータ520はタッチセンサ操作部511に遊技者の手が触れたことをセンサ本体512が検知すると、この検知信号によって作動するようになっている。つまり、振動モータ520とセンサ本体512とは図示しない制御部に接続されており、タッチセンサ操作部511に遊技者の手が触れると、これをセンサ本体512が検知し、制御部によって振動モータ512がONとなって作動し、手が離れるとOFFとなって停止するようになっている。
遊技者には、遊技の演出によって、液晶表示装置としてのディスプレイ55(図5に図示)から、タッチセンサ操作部511にタッチするような指示がなされ、この指示に基づいて、遊技者がタッチセンサ操作部511にタッチ(接触)すると、これをセンサ本体512が検知し、振動モータ520が振動するようになっている。
本実施の形態によれば、静電容量式タッチセンサ510のタッチセンサ操作部511の周囲が絶縁部515で囲繞されているので、この絶縁部515によってタッチセンサ操作部511に周囲から予期しない電気が流れるのを阻止できるとともに、絶縁部515によってタッチセンサ操作部515の静電容量を制限できるので、遊技者の手からタッチセンサ操作部511を介して過量の静電気がセンサ本体512に流れるのを防止できる。したがって、センサ本体512の誤検出を防止できる。
また、タッチセンサ操作部511の裏側に振動モータ520が設けられ、タッチセンサ操作部511から離間してセンサ本体512が設けられているので、演出の際に振動モータ520が振動しても、センサ本体512は振動モータ520の振動によって影響を受け難くなり、センサ本体512に不具合が生じる虞がなくなる。
また、タッチセンサ操作部511とセンサ本体512とが通電可能な接続部517によって電気的に接続されているので、タッチセンサ操作部511へのタッチ操作(接触操作)によってセンサ本体512が確実に作動する。