以下、本発明を実施するための最良の形態であるカプセル型医療装置誘導システムについて説明する。なお、以下では、本発明にかかるカプセル型医療装置誘導システムによって磁気誘導されるカプセル型医療装置の一例として、体内画像の撮像機能および無線通信機能を内蔵するカプセル型医療装置を例示するが、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システムについて説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、この実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システム1は、患者等の被検体100の体内画像を撮像するカプセル型医療装置2と、被検体100内部のカプセル型医療装置2を磁気誘導する磁気誘導装置3と、磁気誘導装置3の駆動を制御する駆動制御部6と、磁気誘導装置3に電力を供給する電源部7と、磁気誘導装置3を冷却する冷却装置8とを備える。また、カプセル型医療装置誘導システム1は、被検体100内部のカプセル型医療装置2から画像信号を受信する受信装置9と、被検体100内部のカプセル型医療装置2によって撮像された体内画像を表示する画像表示装置10と、カプセル型医療装置2の磁気誘導を操作するための操作入力部15と、カプセル型医療装置2の磁気誘導を制御する制御装置16とを備える。
カプセル型医療装置2は、被検体100の体内画像を取得するカプセル型の医療装置であり、撮像機能および無線通信機能を内蔵する。カプセル型医療装置2は、経口摂取等によって被検体100の臓器内部に導入される。その後、被検体100内部のカプセル型医療装置2は、消化管内部を移動して、最終的に、被検体100の外部に排出される。かかるカプセル型医療装置2は、被検体100の内部に導入されてから外部に排出されるまでの期間、被検体100の体内画像を順次撮像し、得られた体内画像を外部の受信装置9に順次無線送信する。また、カプセル型医療装置2は、永久磁石等の磁性体を内蔵する。かかるカプセル型医療装置2は、被検体100の臓器内部(例えば胃内部)に導入された液体101に浮揚し、外部の磁気誘導装置3によって磁気誘導される。
磁気誘導装置3は、被検体100内部のカプセル型医療装置2を磁気誘導するためのものであり、被検体100を支持するベッド4と、被検体100内部のカプセル型医療装置2を磁気誘導するための誘導用磁界を発生する磁界発生部5とを備える。
ベッド4は、被検体100を支持するテーブル部分が移動可能な可動式のベッドであり、駆動部4aを備える。駆動部4aは、かかるテーブル部分の可動を実現するためのアクチュエータおよびレール等を用いて実現される。駆動部4aは、駆動制御部6の制御に基づいて駆動し、被検体100を支持した状態のベッド4のテーブル部分を前後左右に平行移動する。ベッド4は、かかる駆動部4aの作用によって、磁界発生部5に対する被検体100の相対位置を変更する。
磁界発生部5は、複数のコイル等を用いて実現され、電源部7によって供給された電力を用いて誘導用磁界を発生する。磁界発生部5は、この発生した誘導用磁界をカプセル型医療装置2内部の磁性体に印加し、この誘導用磁界の作用によってカプセル型医療装置2を磁気的に捕捉する。
かかるベッド4および磁界発生部5を備える磁気誘導装置3は、ベッド4の駆動と磁界発生部5による誘導用磁界とを組み合わせることによって、ベッド4上の被検体100内部のカプセル型医療装置2を磁気誘導する。具体的には、磁気誘導装置3は、磁界発生部5による誘導用磁界の作用によって被検体100内部のカプセル型医療装置2を磁気的に捕捉しつつ、ベッド4の駆動によってこの被検体100と磁界発生部5との相対位置関係を変更し、これによって、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の3次元的な位置を制御する。また、磁気誘導装置3は、かかる被検体100内部のカプセル型医療装置2に作用する誘導用磁界の磁界方向を変更することによって、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の3次元的な姿勢を制御する。
駆動制御部6は、制御装置16の制御に基づいて、上述したベッド4の駆動部4aを制御する。具体的には、駆動制御部6は、被検体100内部のカプセル型医療装置2の磁気誘導方向に対応する方向にベッド4のテーブル部分を平行移動するように駆動部4aを制御する。電源部7は、制御装置16の制御に基づいて、上述した誘導用磁界を発生させるために必要な電力(例えば交流電流)を磁界発生部5に供給する。この場合、電源部7は、磁界発生部5に含まれる複数のコイルの各々に対して必要な電力を適宜供給する。なお、上述した磁界発生部5による誘導用磁界の磁界方向および磁界強度は、かかる電源部7から磁界発生部5内の各コイルへの通電量によって制御される。冷却装置8は、上述した磁界発生部5を冷却し、これによって、誘導用磁界の発生に伴う磁界発生部5の温度上昇を抑制する。
受信装置9は、複数のアンテナ9aを備え、これら複数のアンテナ9aを介してカプセル型医療装置2から被検体100の体内画像を受信する。具体的には、複数のアンテナ9aは、被検体100の体表上に分散配置され、この被検体100内部のカプセル型医療装置2が送信した無線信号を捕捉する。受信装置9は、これら複数のアンテナ9aを介してカプセル型医療装置2からの無線信号を順次受信する。受信装置9は、これら複数のアンテナ9aの中から最も受信電界強度の高いアンテナを選択し、この選択したアンテナを介して受信したカプセル型医療装置2からの無線信号に対して復調処理等を行う。これによって、受信装置9は、この無線信号からカプセル型医療装置2による画像データ、すなわち被検体100の体内画像データを抽出する。受信装置9は、この抽出した体内画像データを含む画像信号を画像表示装置10に送信する。
画像表示装置10は、図1に示すように入力部11と、表示部12と、記憶部13と、制御部14とを備え、カプセル型医療装置2の磁気誘導に伴う体内画像内の被写体の上下方向と表示画面の上下方向とを一致させた表示態様でカプセル型医療装置2による被検体100の体内画像を表示する。なお、ここでいう被写体の上下方向は、カプセル型医療装置2の磁気誘導に伴う体内画像内の被写体の上下の移動方向を含んでもよい。このことは、本発明における被写体の上下方向について同様である。
入力部11は、キーボードおよびマウス等の入力デバイスを用いて実現され、医師または看護師等のユーザによる入力操作に応じて、制御部14に各種情報を入力する。かかる入力部11によって制御部14に入力される各種情報として、例えば、制御部14に対して指示する指示情報、被検体100の患者情報および検査情報等が挙げられる。なお、被検体100の患者情報は、被検体100を特定する特定情報であり、例えば、被検体100の患者名、患者ID、生年月日、性別、年齢等である。また、被検体100の検査情報は、被検体100の消化管内部にカプセル型医療装置2を導入して消化管内部を観察する検査を特定する特定情報であり、例えば、検査ID、検査日等である。
表示部12は、CRTディスプレイまたは液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイを用いて実現され、制御部14によって表示指示された各種情報を表示する。具体的には、表示部12は、制御部14の制御に基づいて、例えば、カプセル型医療装置2が撮像した被検体100の体内画像群を表示する。この場合、表示部12は、カプセル型医療装置2の磁気誘導に伴う体内画像内の被写体の上下方向と表示画面の上下方向とを一致させて、かかる体内画像群内の各体内画像を静止画表示または動画表示する。また、表示部12は、かかる体内画像群の中から入力部11の入力操作によって選択またはマーキングされた体内画像の縮小画像、被検体100の患者情報および検査情報等を表示する。
記憶部13は、フラッシュメモリまたはハードディスク等の書き換え可能に情報を保存する記憶メディアを用いて実現される。記憶部13は、制御部14が記憶指示した各種情報を記憶し、記憶した各種情報の中から制御部14が読み出し指示した情報を制御部14に送出する。なお、かかる記憶部13が記憶する各種情報として、例えば、カプセル型医療装置2によって撮像された被検体100の体内画像群の各画像データ、表示部12に表示された各体内画像の中から入力部11の入力操作によって選択またはマーキングされた体内画像のデータ、被検体100の患者情報等の入力部11による入力情報等が挙げられる。
制御部14は、画像表示装置10の構成部である入力部11、表示部12および記憶部13の各動作を制御し、且つ、これら各構成部間における信号の入出力を制御する。具体的には、制御部14は、カプセル型医療装置2によって撮像された被検体100の体内画像を受信装置9から順次取得し、得られた被検体100の各体内画像をリアルタイムに表示するように表示部12を制御する。次いで、制御部14は、かかる受信装置9から取得した被検体100の体内画像群を記憶するように記憶部13を制御する。また、制御部14は、体内画像の選択的な保存を指示する指示情報を入力部11によって入力された場合、この指示情報によって保存指示された体内画像(すなわちユーザによる選択画像)を被検体100の体内画像群の中から抽出する。制御部14は、この抽出した体内画像にマークを付加するように表示部12を制御し、且つ、この体内画像データをマークと対応付けて記憶するように記憶部13を制御する。さらに、制御部14は、この体内画像の縮小画像(サムネイル画像等)を追加表示するように表示部12を制御する。一方、制御部14は、体内画像の表示モードの切り替えを指示する指示情報を入力部11によって入力された場合、この指示情報に基づいて、被検体100の各体内画像の表示形式を動画表示から静止画表示に切り替えるように表示部12を制御し、あるいは静止画表示から動画表示に切り替えるように表示部12を制御する。
また、制御部14は、画像処理部14aを有する。画像処理部14aは、表示部12に表示させる各種画像情報を生成する。具体的には、画像処理部14aは、受信装置9から画像信号を取得し、この取得した画像信号に対して所定の画像処理を行って、被検体100の体内画像、すなわちカプセル型医療装置2が撮像した体内画像を生成する。画像処理部14aは、受信装置9から画像信号を取得する都度、取得した画像信号に基づく被検体100の体内画像を順次生成する。また、画像処理部14aは、かかる被検体100の体内画像毎に、カプセル型医療装置2の磁気誘導に伴う体内画像内の被写体の上下方向と表示部12の表示画面の上下方向とを一致させる。この場合、画像処理部14aは、かかる体内画像におけるカプセル型医療装置2の撮像面と鉛直平面との交線方向と表示部12の表示画面の上下方向とを一致させる。制御部14は、かかる交線方向と表示画面の上下方向とを一致させた表示態様で被検体100の各体内画像を表示部12に表示させる。
操作入力部15は、上述した磁気誘導装置3によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を操作するためのものである。具体的には、操作入力部15は、ジョイスティック、キーボードおよびマウス等の各種入力デバイスを用いて実現される。操作入力部15は、医師または看護師等のユーザによる入力操作に対応して、制御装置16に各種情報を入力する。なお、かかる操作入力部15によって制御装置16に入力される各種情報として、例えば、磁気誘導操作対象であるカプセル型医療装置2の磁気誘導方向および磁気誘導速度を指定する操作情報、このカプセル型医療装置2の質量、形状、重心位置、磁気モーメント等の物理情報、被検体100内部においてカプセル型医療装置2を浮揚させる液体101の密度情報等が挙げられる。
制御装置16は、図1に示すように表示部17と、記憶部18と、制御部19とを備え、操作入力部15によって入力された操作情報に基づいて、磁気誘導装置3によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御する。
表示部17は、CRTディスプレイまたは液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイを用いて実現され、制御部19によって表示指示された各種情報を表示する。具体的には、表示部17は、制御部19の制御に基づいて、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の位置、姿勢および方向等を示す情報、ベッド4に対する操作入力部15の相対位置情報、ベッド4上の被検体100の体位情報等を表示する。
記憶部18は、フラッシュメモリまたはハードディスク等の書き換え可能に情報を保存する記憶メディアを用いて実現される。記憶部18は、制御部19が記憶指示した各種情報を記憶し、記憶した各種情報の中から制御部19が読み出し指示した情報を制御部19に送出する。なお、かかる記憶部18が記憶する各種情報として、例えば、カプセル型医療装置2の物理情報、液体101の密度情報、カプセル型医療装置2の操作情報、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の磁気誘導状態(位置、姿勢、方向)の情報等が挙げられる。
制御部19は、制御装置16の構成部である表示部17および記憶部18の各動作を制御し、且つ、これら各構成部間における信号の入出力と操作入力部15からの信号の入力とを制御する。具体的には、制御部19は、操作入力部15によって操作情報を入力された場合、この入力された操作情報によって指定される磁気誘導方向および磁気誘導速度に応じたカプセル型医療装置2の磁気誘導を行うように磁気誘導装置3を制御する。この場合、制御部19は、入力された操作情報に基づいて磁界発生部5に対する電源部7の通電量を制御し、この電源部7の制御を通して、この操作情報に基づく磁気誘導方向および磁気誘導速度に応じたカプセル型医療装置2の磁気誘導に必要な誘導用磁界を発生するように磁界発生部5を制御する。且つ、制御部19は、この操作情報に基づいて駆動制御部6を制御し、この駆動制御部6の制御を通して、この操作情報に基づく磁気誘導方向および磁気誘導速度に応じたベッド4のテーブル部分の平行移動を行うように駆動部4aを制御する。
このように操作入力部15は、撮像部21,22の撮像方向(本例では長軸29の延長方向)と鉛直軸との成す角を変更する操作情報を入力するための仰角操作入力部、カプセル型医療装置2の鉛直軸周りの方向を変更する操作情報を入力するための方位角操作入力部、カプセル型医療装置2の永久磁石26の磁化方向を水平面に投影した方向の位置を変更する操作情報を入力するための水平位置操作入力部、および、カプセル型医療装置2の鉛直方向の位置を変更する操作情報を入力するための垂直位置操作入力部としての機能を果たす。ただし、これに限定されず、操作入力部15は、仰角操作入力部、方位角操作入力部、水平位置操作入力部、および、垂直位置操作入力部のうち少なくとも1つの機能を実現できればよい。
また、制御部19は、画像処理部19aを有する。画像処理部19aは、表示部17に表示させる各種画像情報を生成する。具体的には、画像処理部19aは、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の磁気誘導状態を示す画像情報を生成する。より具体的には、画像処理部19aは、かかるカプセル型医療装置2の磁気誘導状態を示す画像情報として、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の位置を示す画像情報と、姿勢を示す画像情報と、方向を示す画像情報とを生成する。また、画像処理部19aは、ベッド4に対する操作入力部15の相対位置を示す画像情報と、ベッド4上の被検体100の体位を示す画像情報とを生成する。制御部19は、かかる画像処理部19aによって生成された各種画像情報を表示部17に表示させ、カプセル型医療装置2の磁気誘導結果に応じて、カプセル型医療装置2の位置を示す画像情報と姿勢を示す画像情報と方向示す画像情報とを更新するように表示部17を制御する。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システム1の磁気誘導対象であるカプセル型医療装置2について説明する。図2は、本発明にかかるカプセル型医療装置誘導システムの磁気誘導対象であるカプセル型医療装置の一構成例を示す断面模式図である。図2に示すように、カプセル型医療装置2は、被検体100の臓器内部に導入し易い大きさに形成された外装であるカプセル型筐体20と、互いに異なる撮像方向の被写体の画像を撮像する撮像部21,22とを備える。また、カプセル型医療装置2は、撮像部21,22によって撮像された各画像を外部に無線送信する無線通信部23と、カプセル型医療装置2の各構成部を制御する制御部24と、カプセル型医療装置2の各構成部に電力を供給する電源部25とを備える。さらに、カプセル型医療装置2は、上述した磁気誘導装置3による磁気誘導を可能にするための永久磁石26を備える。
カプセル型筐体20は、被検体100の臓器内部に導入可能な大きさに形成された外装ケースであり、筒状筐体20aの両側開口端をドーム形状筐体20b,20cによって塞いで実現される。ドーム形状筐体20b,20cは、可視光等の所定波長帯域の光に対して透明なドーム形状の光学部材である。筒状筐体20aは、可視光に対して略不透明な有色の筐体である。かかる筒状筐体20aおよびドーム形状筐体20b,20cによって形成されるカプセル型筐体20は、図2に示すように、撮像部21,22、無線通信部23、制御部24、電源部25および永久磁石26を液密に内包する。
撮像部21,22は、互いに異なる撮像方向の画像を撮像する。具体的には、撮像部21は、LED等の照明部21aと、集光レンズ等の光学系21bと、CMOSイメージセンサまたはCCD等の固体撮像素子21cとを有する。照明部21aは、固体撮像素子21cの撮像視野A1に白色光等の照明光を発光して、ドーム形状筐体20b越しに撮像視野A1内の被写体(例えば被検体100内部における撮像視野A1側の臓器内壁)を照明する。光学系21bは、この撮像視野A1からの反射光を固体撮像素子21cの撮像面に集光して、固体撮像素子21cの撮像面に撮像視野A1の被写体画像を結像する。固体撮像素子21cは、この撮像視野A1からの反射光を撮像面を介して受光し、この受光した光信号を光電変換処理して、この撮像視野A1の被写体画像、すなわち被検体100の体内画像を撮像する。
撮像部22は、LED等の照明部22aと、集光レンズ等の光学系22bと、CMOSイメージセンサまたはCCD等の固体撮像素子22cとを有する。照明部22aは、固体撮像素子22cの撮像視野A2に白色光等の照明光を発光して、ドーム形状筐体20c越しに撮像視野A2内の被写体(例えば被検体100内部における撮像視野A2側の臓器内壁)を照明する。光学系22bは、この撮像視野A2からの反射光を固体撮像素子22cの撮像面に集光して、固体撮像素子22cの撮像面に撮像視野A2の被写体画像を結像する。固体撮像素子22cは、この撮像視野A2からの反射光を撮像面を介して受光し、この受光した光信号を光電変換処理して、この撮像視野A2の被写体画像、すなわち被検体100の体内画像を撮像する。
なお、カプセル型医療装置2が図2に示すように長軸方向の前方および後方を撮像する2眼タイプのカプセル型医療装置である場合、かかる撮像部21,22の各光軸は、カプセル型筐体20の長手方向の中心軸である長軸27と略平行あるいは略一致する。また、かかる撮像部21,22の撮像視野A1,A2の各方向、すなわち撮像部21,22の各撮像方向は、互いに反対方向である。
無線通信部23は、アンテナ23aを備え、上述した撮像部21,22によって撮像された各画像をアンテナ23aを介して外部に順次無線送信する。具体的には、無線通信部23は、撮像部21または撮像部22が撮像した被検体100の体内画像の画像信号を制御部24から取得し、この取得した画像信号に対して変調処理等を行って、この画像信号を変調した無線信号を生成する。無線通信部23は、かかる無線信号をアンテナ23aを介して外部の受信装置9(図1参照)に送信する。
制御部24は、カプセル型医療装置2の構成部である撮像部21,22および無線通信部23の各動作を制御し、且つ、かかる各構成部間における信号の入出力を制御する。具体的には、制御部24は、照明部21aが照明した撮像視野A1内の被写体の画像を固体撮像素子21cに撮像させ、照明部22aが照明した撮像視野A2内の被写体の画像を固体撮像素子22cに撮像させる。
また、制御部24は、画像信号を生成する信号処理機能を有する。制御部24は、固体撮像素子21cから撮像視野A1の体内画像データを取得し、その都度、この体内画像データに対して所定の信号処理を行って、撮像視野A1の体内画像データを含む画像信号を生成する。これと同様に、制御部24は、固体撮像素子22cから撮像視野A2の体内画像データを取得し、その都度、この体内画像データに対して所定の信号処理を行って、撮像視野A2の体内画像データを含む画像信号を生成する。制御部24は、かかる各画像信号を時系列に沿って外部に順次無線送信するように無線通信部23を制御する。
電源部25は、ボタン型電池またはキャパシタ等の蓄電部と磁気スイッチ等のスイッチ部とを用いて実現される。電源部25は、外部から印加された磁界によって電源のオンオフ状態を切り替え、オン状態の場合に蓄電部の電力をカプセル型医療装置2の各構成部(撮像部21,22、無線通信部23および制御部24)に適宜供給する。また、電源部25は、オフ状態の場合、かかるカプセル型医療装置2の各構成部への電力供給を停止する。
永久磁石26は、上述した磁気誘導装置3によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を可能にするためのものである。永久磁石26は、上述した撮像部21,22に対して相対的に固定された状態でカプセル型筐体20の内部に配置される。この場合、永久磁石26は、固体撮像素子21c,22cの各撮像面の上下方向に対して相対的に固定された既知の方向に磁化する。かかる永久磁石26の磁化方向は、カプセル型筐体20の長軸27に垂直な方向(すなわちカプセル型筐体20の径方向)に対して平行である。また、永久磁石26の中心軸26aは、カプセル型筐体20の長軸27に対して平行であってカプセル型医療装置2の重心29から外れている。すなわち、永久磁石26の中心軸26a上には、カプセル型医療装置2の重心29は位置しない。かかる永久磁石26の中心軸26aは、上述した誘導用磁界に追従して永久磁石26が回転する際の回転軸の一つである。なお、永久磁石26の中心軸26aは、カプセル型筐体20の長軸27と一致していてもよい。
このように配置された永久磁石26には、図1に示した磁界発生部5によってカプセル型医療装置2の外部から誘導用磁界が印加される。永久磁石26は、かかる誘導用磁界に追従して動作し、この結果、磁気誘導装置3によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を実現する。この場合、カプセル型医療装置2は、かかる永久磁石26の作用によって、被検体100内部における位置、姿勢および方向の少なくとも一つを変更する動作を行う。あるいは、カプセル型医療装置2は、かかる永久磁石26の作用によって、被検体100内部における所望の位置に停止した状態を維持する。
つぎに、カプセル型医療装置2に内蔵された固体撮像素子21c,22cと永久磁石26との相対関係について説明する。図3は、カプセル型医療装置内部における固体撮像素子と永久磁石との相対的な配置状態の一例を示す模式図である。図3に示すように、固体撮像素子21cは、カプセル型医療装置2の長軸27の方向に撮像方向B1を向けた態様でカプセル型筐体20の内部に固定配置され、固体撮像素子22cは、この撮像方向B1と反対方向に撮像方向B2を向けた態様でカプセル型筐体20の内部に固定配置される。
永久磁石26は、上述したように撮像部21,22に対して相対的に固定された状態でカプセル型筐体20の内部に配置される。この場合、永久磁石26は、カプセル型筐体20の径方向であって、図3に示す固体撮像素子21c,22cの各撮像面の上下方向D2,D3に対して相対的に固定された既知の方向に磁化する。すなわち、永久磁石26の磁化方向D1は、固体撮像素子21cの撮像面の上下方向D2に対して相対的に固定された既知の方向であり且つ固体撮像素子22cの撮像面の上下方向D3に対して相対的に固定された既知の方向である。具体的には、この実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2において、永久磁石26の磁化方向D1は、図3に示すように、固体撮像素子21c,22cの各撮像面の上下方向D2,D3に対して平行である。
つぎに、カプセル型医療装置2の重心29について説明する。図4は、被検体内部の液体中にカプセル型医療装置が浮揚した状態の一例を示す模式図である。図5Aは、被検体内部の液体中でカプセル型医療装置が維持する特定状態の一例を示す模式図である。
カプセル型医療装置2は、上述した図2に示したように、カプセル型筐体20の幾何学的中心28から外れた位置(詳細には、永久磁石26の磁化方向D1と撮像方向B1,B2とに平行な面に平行であって永久磁石26の磁化方向D1と異なる方向に外れた位置)に重心29を有する。具体的には、カプセル型医療装置2の重心29は、電源部(power source unit)25および永久磁石26等のカプセル型医療装置2の各構成部の配置を調整することによって、長軸27上の位置であってカプセル型筐体20の幾何学的中心28から撮像部22側に外れた位置に設定される。この構成により、永久磁石26の磁化方向D1とカプセル型筐体20の幾何学的中心28に対するカプセル型医療装置2の重心29の外れた方向(偏位方向)とを含む平面は、鉛直平面となる。この際、重心29を長軸27上に位置させると共に固体撮像素子21c,22cの撮像面が長軸27に対して垂直となるように撮像部21,22を実装することで、固体撮像素子21c,22cの撮像面を、永久磁石26の磁化方向と重心29の幾何学的中心28に対する偏位方向とを含む平面に対して直交させることが可能となる。
このように重心29が設定されたカプセル型医療装置2は、上述した誘導用磁界が印加されていない場合、図4に示すように液体101中において直立姿勢を維持する。なお、ここでいう直立姿勢は、カプセル型筐体20の長軸27(幾何学的中心28と重心29とを結ぶ直線)と鉛直方向とが略平行な状態となる姿勢である。カプセル型医療装置2は、かかる直立姿勢において、鉛直上方に撮像部21の撮像視野A1を向けるとともに鉛直下方に撮像部22の撮像方向A2を向ける。
また、図5Bに示すように、カプセル型筐体20の幾何学中心に対するカプセル型医療装置2の重心29Bの偏位方向を、撮像部21,22の撮像面と直交しない方向、すなわち、カプセル型医療装置2の重心29Bをこれの長軸27から外すことで、誘導用の磁界を発生していない際に撮像方向を鉛直軸に対して傾かせることが可能となるため、カプセル型医療装置2を鉛直軸周りに回転操作するだけで、カプセル型医療装置2周辺の体内画像を容易に取得することが可能となる。
一方、かかるカプセル型医療装置2は、上述した誘導用磁界が印加された場合、液体101中において図5Aに示すような特定状態を維持する。具体的には、カプセル型医療装置2は、重力方向D4を含む鉛直平面102が撮像部21,22の各撮像方向B1,B2と永久磁石26の磁化方向D1とに対して平行になる特定状態を維持する。かかるカプセル型医療装置2の特定状態は、永久磁石26に対して印加される誘導用磁界の磁界方向または磁界強度が変化した場合であっても、液体101中において維持される。すなわち、上述した磁気誘導装置3(図1参照)は、カプセル型医療装置2内部の永久磁石26に誘導用磁界を印加して、かかる特定状態を維持しつつ液体101中のカプセル型医療装置2を磁気誘導する。
なお、液体101は、水または生理食塩水等の人体に無害な液体であり、この液体101の比重は、カプセル型医療装置2の比重に比して大きい。すなわち、カプセル型医療装置2は、液体101中において浮揚可能である。かかる液体101は、被検体100の臓器内部に適量導入され、被検体100の臓器内部においてカプセル型医療装置2を浮揚させる。
つぎに、画像表示装置10による被検体100の体内画像の表示について説明する。図6は、本発明の実施の形態1にかかる画像表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。画像表示装置10は、上述したように、カプセル型医療装置2の磁気誘導に伴う体内画像内の被写体の上下方向と表示画面の上下方向とを一致させた表示態様でカプセル型医療装置2による被検体100の体内画像を表示する。この場合、画像表示装置10の表示部12は、制御部14の制御に基づいて、図6に示すウィンドウ12aを表示し、このウィンドウ12a内に被検体100の各体内画像を表示する。
具体的には、図6に示すように、ウィンドウ12aは、2つの主画像表示領域12b,12cと、スクロール操作可能な副画像表示領域12dとを含む。表示部12は、カプセル型医療装置2の撮像部21によって撮像された被検体100の体内画像P1を主画像表示領域12bに表示する。この場合、表示部12は、体内画像P1における固体撮像素子21cの撮像面と鉛直平面との交線方向と主画像表示領域12bの上下方向とを一致させて体内画像P1を表示する。一方、表示部12は、カプセル型医療装置2の撮像部22によって撮像された被検体100の体内画像P2を主画像表示領域12cに表示する。この場合、表示部12は、体内画像P2における固体撮像素子22cの撮像面と鉛直平面との交線方向と主画像表示領域12cの上下方向とを一致させて体内画像P2を表示する。表示部12は、かかる表示態様の体内画像P1,P2を主画像表示領域12b,12cにリアルタイムに順次動画表示し、入力部11によって入力された指示情報に基づいて、かかる体内画像P1,P2の動画表示を静止画表示に切り替える。その後、表示部12は、入力部11によって入力された指示情報に基づいて、かかる体内画像P1,P2の静止画表示を動画表示に切り替える。
一方、表示部12は、カプセル型医療装置2によって撮像された被検体100の体内画像群の中からユーザによる入力部11の入力操作によって所望の体内画像が選択またはマーキングされた場合、その都度、副画像表示領域12dに、かかる所望の体内画像の縮小画像を順次追加表示する。ここで、かかる所望の体内画像は、主画像表示領域12bに順次表示される体内画像P1または主画像表示領域12cに順次表示される体内画像P2の中から入力部11のクリック操作によって選択またはマーキングされる。なお、図6において、表示部12は、かかる所望の体内画像の縮小画像の一例として、副画像表示領域12dにサムネイル画像Q1,Q2を表示している。
つぎに、被検体100内部のカプセル型医療装置2を磁気誘導する磁気誘導装置3について説明する。図7は、磁気誘導装置の一部である磁界発生部の一構成例を示す模式図である。図8は、磁気誘導装置の一部である可動式ベッドの駆動状態を示す模式図である。
磁気誘導装置3は、上述したように、誘導用磁界を発生する磁界発生部5を備える。磁界発生部5は、図7に示すように、絶対座標系のZ軸方向の磁界を発生するZ軸コイル5aと、絶対座標系のX軸方向の磁界を発生する一対のX軸コイル5b,5cと、絶対座標系のY軸方向の磁界を発生する一対のY軸コイル5d,5eとを備える。
Z軸コイル5aは、テーブル5fの略中央部分に固定配置され、上述した電源部7からの交流電流をもとに、絶対座標系のZ軸方向の磁界HZを発生する。一対のX軸コイル5b,5cは、Z軸コイル5aを挟むように絶対座標系のX軸に沿ってテーブル5f上に固定配置され、上述した電源部7からの交流電流をもとに、絶対座標系のX軸方向の磁界HXを発生する。一対のY軸コイル5d,5eは、Z軸コイル5aを挟むように絶対座標系のY軸に沿ってテーブル5f上に固定配置され、上述した電源部7からの交流電流をもとに、絶対座標系のY軸方向の磁界HYを発生する。
ここで、この絶対座標系は、鉛直方向のZ軸と水平方向のX軸およびY軸とが直交する3軸直交座標系である。この絶対座標系のZ軸は、Z軸コイル5aの中心軸CLと一致する。Z軸コイル5aは、この中心軸CL上に鉛直方向の磁界HZを発生し、一対のX軸コイル5b,5cは、この中心軸CL上にX軸方向の磁界HXを発生し、一対のY軸コイル5d,5eは、この中心軸CL上にY軸方向の磁界HYを発生する。かかる各磁界HZ,HX,HYは、この中心軸CLと任意の平面との交点103において合成して、カプセル型医療装置2の磁気誘導する誘導用磁界を生成する。このように生成された誘導用磁界は、液体101中のカプセル型医療装置2の水平方向の位置を中心軸CLの近傍に拘束するためのピークを有する。
磁界発生部5は、かかる各磁界HZ,HX,HYの合成による誘導用磁界をカプセル型医療装置2内部の永久磁石26に印加することによって、絶対座標系のZ軸(すなわち中心軸CL)の近傍に液体101中のカプセル型医療装置2を磁気的に捕捉することができる。一方、磁界発生部5は、かかる誘導用磁界のうちの磁界HZの磁界強度を変更することによって、液体101中のカプセル型医療装置2を鉛直方向に磁気誘導することができる。また、磁界発生部5は、かかる誘導用磁界を構成する磁界HZ,HX,HYの各磁界強度を適宜変更することによって、液体101中のカプセル型医療装置2の姿勢および方向の少なくとも一方を変更することができる。
一方、磁気誘導装置3は、上述した駆動部4aによってテーブル部分を平行移動可能な可動式のベッド4を備える。ベッド4は、図8に示すように、上述した絶対座標系が規定され、この絶対座標系のX軸方向およびY軸方向の少なくとも一方にテーブル部分を平行移動することによって、このテーブル部分を水平方向に移動可能である。
ここで、ベッド4は、臓器内部の液体101中にカプセル型医療装置2を含む被検体100(図1参照)をテーブル上に支持し、上述した駆動制御部6の制御に基づいて、この被検体100を支持した状態のテーブル部分を水平方向に移動する。これによって、ベッド4は、このカプセル型医療装置2を磁気的に捕捉する磁界発生部5に対する被検体100の相対位置を変更する。磁気誘導装置3は、かかる磁界発生部5によるカプセル型医療装置2の磁気的な捕捉作用と、ベッド4による磁界発生部5と被検体100との相対位置関係の変更作用とを組み合わせることによって、被検体100内部の液体101中のカプセル型医療装置2を水平方向に磁気誘導する。
つぎに、カプセル型医療装置2の磁気誘導を操作するための操作入力部15について説明する。図9は、本発明の実施の形態1にかかる操作入力部の一例を示す模式図である。図10は、操作入力部によって操作可能なカプセル型医療装置の磁気誘導を説明するための模式図である。図9に示すように、操作入力部15は、磁気誘導装置3によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を3次元的に操作するための2つのジョイスティック15a,15bを備える。
ジョイスティック15aは、水平方向へのカプセル型医療装置2の磁気誘導を操作するためのものであり、予め設定された2軸直交座標系の上下方向D5および左右方向D6に傾動操作可能である。ジョイスティック15aの傾動方向は、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の水平動作方向に対応し、ジョイスティック15aの傾動量は、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の水平動作速度に対応する。操作入力部15は、ジョイスティック15aの上下方向D5の傾動操作に対応して、カプセル型医療装置2の水平動作方向を絶対座標系のX軸方向に決定し、この上下方向D5への傾動操作量に対応して、X軸方向へのカプセル型医療装置2の水平動作速度を決定する。この場合、操作入力部15は、カプセル型医療装置2の水平動作方向としてX軸方向を指定し且つX軸方向へのカプセル型医療装置2の水平動作速度を指定する操作情報を制御装置16の制御部19に入力する。一方、操作入力部15は、ジョイスティック15aの左右方向D6の傾動操作に対応して、カプセル型医療装置2の水平動作方向を絶対座標系のY軸方向に決定し、この左右方向D6への傾動操作量に対応して、Y軸方向へのカプセル型医療装置2の水平動作速度を決定する。この場合、操作入力部15は、カプセル型医療装置2の水平動作方向としてY軸方向を指定し且つY軸方向へのカプセル型医療装置2の水平動作速度を指定する操作情報を制御装置16の制御部19に入力する。
ジョイスティック15bは、水平軸周りのカプセル型医療装置2の磁気誘導と鉛直軸周りのカプセル型医療装置2の磁気誘導とを操作するためのものであり、予め設定された2軸直交座標系の上下方向D7および左右方向D8に傾動操作可能である。ジョイスティック15bの傾動方向の一つである上下方向D7は、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の水平軸周りの回転動作(以下、揺動動作という)の方向に対応し、ジョイスティック15bの上下方向D7の傾動量は、このカプセル型医療装置2の揺動動作速度に対応する。操作入力部15は、ジョイスティック15bの上下方向D7の傾動操作に対応して、カプセル型医療装置2の揺動動作方向(右回りまたは左回り)を決定し、この上下方向D7への傾動操作量に対応して、このカプセル型医療装置2の揺動動作速度を決定する。この場合、操作入力部15は、かかるカプセル型医療装置2の揺動動作方向および揺動動作速度を指定する操作情報を制御装置16の制御部19に入力する。一方、ジョイスティック15bの傾動方向の一つである左右方向D8は、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の鉛直軸周りの回転動作(以下、旋回動作という)の方向に対応し、ジョイスティック15bの左右方向D8の傾動量は、このカプセル型医療装置2の旋回動作速度に対応する。操作入力部15は、ジョイスティック15bの左右方向D8の傾動操作に対応して、カプセル型医療装置2の旋回動作方向(右回りまたは左回り)を決定し、この左右方向D8への傾動操作量に対応して、このカプセル型医療装置2の旋回動作速度を決定する。この場合、操作入力部15は、かかるカプセル型医療装置2の旋回動作方向および旋回動作速度を指定する操作情報を制御装置16の制御部19に入力する。
また、操作入力部15は、ジョイスティック15aの上下方向D5の傾動操作とジョイスティック15bの上下方向D7の傾動操作とが同時に行われた場合、カプセル型医療装置2の鉛直動作方向および鉛直動作速度を指定する操作情報を制御装置16の制御部19に入力する。具体的には、ジョイスティック15a,15bが操作入力部15に向かって同時に奥側に傾動操作された場合、操作入力部15は、カプセル型医療装置2の鉛直動作方向として鉛直上方を指定し且つ鉛直上方へのカプセル型医療装置2の鉛直動作速度を指定する操作情報を制御装置16の制御部19に入力する。一方、ジョイスティック15a,15bが操作入力部15に向かって同時に手前側に傾動操作された場合、操作入力部15は、カプセル型医療装置2の鉛直動作方向として鉛直下方を指定し且つ鉛直下方へのカプセル型医療装置2の鉛直動作速度を指定する操作情報を制御装置16の制御部19に入力する。
上述した制御装置16の制御部19は、かかる操作入力部15からの操作情報によって指定される磁気誘導方向および磁気誘導速度に応じたカプセル型医療装置2の磁気誘導を行うように磁気誘導装置3を制御する。カプセル型医療装置2は、被検体100内部の液体101中において、かかる磁気誘導装置3による磁気誘導に応じた各種動作を行う。具体的には、図10に示すように、液体101中のカプセル型医療装置2は、上述したジョイスティック15aの上下方向D5の傾動操作に対応して、絶対座標系のX軸方向に水平移動する水平動作を行う。また、液体101中のカプセル型医療装置2は、上述したジョイスティック15aの左右方向D6の傾動操作に対応して、絶対座標系のY軸方向に水平移動する水平動作を行う。
一方、液体101中のカプセル型医療装置2は、上述したジョイスティック15bの上下方向D7の傾動操作に対応して揺動動作を行い、これによって、このカプセル型医療装置2の長軸27と鉛直軸104とのなす角度である仰角を変更する。また、液体101中のカプセル型医療装置2は、上述したジョイスティック15bの左右方向D8の傾動操作に対応して旋回動作を行い、これによって、このカプセル型医療装置2の長軸27の水平成分と水平方向の基準軸(例えばX軸またはY軸)とのなす角度である方位角を変更する。一方、液体101中のカプセル型医療装置2は、上述したジョイスティック15a,15bの同時の傾動操作に対応して、絶対座標系のZ軸方向(すなわち鉛直方向)に上昇移動または下降移動する鉛直動作を行う。
なお、かかるカプセル型医療装置2の仰角は、液体101中におけるカプセル型医療装置2の姿勢を示す物理量であり、このカプセル型医療装置2の姿勢変化に伴って変化する。また、かかるカプセル型医療装置2の方位角は、液体101中におけるカプセル型医療装置2の方向を示す物理量であり、このカプセル型医療装置2の方向変化に伴って変化する。
つぎに、制御装置16の表示部17による情報表示について説明する。図11は、制御装置の表示部の一表示態様例を示す模式図である。制御装置16の表示部17は、上述したように、制御部19の制御に基づいて、磁気誘導対象であるカプセル型医療装置2の被検体100内部における位置、姿勢および方向等を示す情報、ベッド4に対する操作入力部15の相対位置情報、ベッド4上の被検体100の体位情報等、カプセル型医療装置2の磁気誘導を操作する上で有用な各種情報を表示する。この場合、表示部17は、図11に示すウィンドウ17aを表示し、このウィンドウ17a内に、これらの各種情報を表示する。
具体的には、図11に示すように、ウィンドウ17aは、カプセル型医療装置2の仰角情報を表示する仰角情報表示領域17bと、カプセル型医療装置2の方位角情報を表示する方位角情報表示領域17cと、カプセル型医療装置2の位置情報を表示する位置情報表示領域17dとを含む。また、ウィンドウ17aは、ベッド4に対する操作入力部15の相対位置を設定するためのGUI(Graphical User Interface)である操作卓位置設定部17eと、ベッド4上の被検体100の体位を設定するためのGUIである体位設定部17fとを含む。
表示部17は、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の姿勢を示す情報として、仰角情報表示領域17bにカプセル型医療装置2の仰角情報を表示する。具体的には、制御装置16の画像処理部19aは、カプセル型筐体20の径方向且つ水平方向から見たカプセル型医療装置2を模式的に示すカプセル模式画像E1を生成する。また、画像処理部19aは、磁界発生部5がカプセル型医療装置2に印加する誘導用磁界の情報(磁界強度、磁界方向等)とカプセル型医療装置2の物理情報(質量、形状、重心位置、磁気モーメント等)と液体101の密度情報とをもとに、カプセル型医療装置2の仰角を算出する。画像処理部19aは、この算出した仰角に応じてカプセル模式画像E1を回転処理する。制御部19は、鉛直軸から水平軸までの仰角目盛りを仰角情報表示領域17bに表示するように表示部17を制御し、さらに、この回転処理したカプセル模式画像E1をこの仰角目盛りに沿って表示するように表示部17を制御する。表示部17は、かかる制御部19の制御に基づいて、仰角情報表示領域17bに仰角目盛りを表示するとともに、この仰角目盛りのうちのカプセル型医療装置2の仰角と合致する目盛り部分を指し示すようにカプセル模式画像E1を表示する。これによって、表示部17は、カプセル型医療装置2の仰角情報を表示する。
また、表示部17は、制御部19の制御に基づいて、操作対象方向を示す表示態様でカプセル模式画像E1を表示する。ここで、操作対象方向とは、カプセル型医療装置2の磁気誘導を操作する際に操作の対象となる操作対象画像の撮像方向である。また、この操作対象画像とは、上述した画像表示装置10に表示された体内画像P1,P2のうち、カプセル型医療装置2の磁気誘導を操作する際に参照すべき体内画像である。すなわち、この操作対象画像は、カプセル型医療装置2に内蔵された撮像部21,22のいずれかによって撮像された体内画像である。画像処理部19aは、かかる操作対象画像の撮像部(撮像部21,22のいずれか)の配置部分に対応するカプセル模式画像E1の部分をマーキング処理する。制御部19は、このマーキング処理したカプセル模式画像E1を表示するように表示部17を制御する。表示部17は、かかる制御部19の制御に基づいて、図11に示すように一部分(斜線部分)をマーキング処理されたカプセル模式画像E1を仰角情報表示領域17bに表示し、これによって、カプセル型医療装置2の磁気誘導時における操作対象方向を明示する。
なお、この実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2において、撮像部21,22の撮像方向B1,B2は、いずれもカプセル型医療装置2の長軸27と同じ方向である。このため、液体101中におけるカプセル型医療装置2の仰角は、かかる操作対象画像の撮像部の撮像方向(撮像部21,22の撮像方向B1,B2のいずれか)と鉛直軸とのなす角度である。
一方、表示部17は、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の方向を示す情報として、方位角情報表示領域17cにカプセル型医療装置2の方位角情報を表示する。具体的には、画像処理部19aは、鉛直上方から見た被検体100内部のカプセル型医療装置2を模式的に示すカプセル模式画像E2を生成する。また、画像処理部19aは、磁界発生部5がカプセル型医療装置2に印加する誘導用磁界の情報(詳細には誘導用磁界の水平成分の磁界方向)をもとに、カプセル型医療装置2の方位角を算出する。画像処理部19aは、この算出した方位角に応じてカプセル模式画像E2を回転処理する。制御部19は、図11に示すような円状の方位角目盛りを方位角情報表示領域17cに表示するように表示部17を制御し、さらに、この回転処理したカプセル模式画像E2をこの方位角目盛りに沿って表示するように表示部17を制御する。表示部17は、かかる制御部19の制御に基づいて、方位角情報表示領域17cに方位角目盛りを表示するとともに、この方位角目盛りのうちのカプセル型医療装置2の方位角と合致する目盛り部分を指し示すようにカプセル模式画像E2を表示する。これによって、表示部17は、カプセル型医療装置2の方位角情報を表示する。
また、表示部17は、カプセル型医療装置2の磁気誘導が実行された場合、かかる仰角情報表示領域17bおよび方位角情報表示領域17cの少なくとも一方に、カプセル型医療装置2の磁気誘導方向を示す矢印情報F1〜F12を磁気誘導方向に応じて適宜表示する。
具体的には、制御部19は、操作入力部15によって入力された操作情報をもとに、磁気誘導装置3によるカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御するとともに、この操作情報によって指定される磁気誘導方向を示す矢印情報(矢印情報F1〜F12のいずれか)を表示するように表示部17を制御する。表示部17は、この操作情報によって指定される磁気誘導方向が水平軸周りである場合、矢印情報F1,F2のうちのカプセル型医療装置2の揺動動作方向と一致する矢印情報を仰角情報表示領域17bに表示する。表示部17は、この操作情報によって指定される磁気誘導方向が水平方向である場合、矢印情報F3,F4,F9〜F12のうちのカプセル型医療装置2の水平動作方向と一致する矢印情報を仰角情報表示領域17bまたは方位角情報表示領域17cに表示する。表示部17は、この操作情報によって指定される磁気誘導方向が鉛直方向である場合、矢印情報F5,F6のうちのカプセル型医療装置2の鉛直動作方向と一致する矢印情報を仰角情報表示領域17bに表示する。表示部17は、この操作情報によって指定される磁気誘導方向が鉛直軸周りである場合、矢印情報F7,F8のうちのカプセル型医療装置2の旋回動作方向と一致する矢印情報を方位角情報表示領域17cに表示する。
一方、表示部17は、位置情報表示領域17dに、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報を表示する。具体的には、画像処理部19aは、鉛直上方から見た被検体100内部のカプセル型医療装置2を模式的に示すカプセル模式画像E3を生成する。また、画像処理部19aは、ベッド4のテーブル部分に対する磁界発生部5の相対位置をもとに、絶対座標系のXY平面内におけるカプセル型医療装置2の位置情報を算出する。なお、この算出した位置情報は、ベッド4上の被検体100に対するカプセル型医療装置2の相対的な位置情報である。制御部19は、図11に示すような格子状の座標目盛りを位置情報表示領域17dに表示するように表示部17を制御し、さらに、この算出した位置情報と合致する座標目盛り部分にカプセル模式画像E3を表示するように表示部17を制御する。表示部17は、かかる制御部19の制御に基づいて、位置情報表示領域17dに格子状の座標目盛りを表示するとともに、この座標目盛りのうちのカプセル型医療装置2の位置情報と合致する目盛り部分にカプセル模式画像E3を表示する。これによって、表示部17は、被検体100内部におけるカプセル型医療装置2の位置情報を表示する。
なお、かかるカプセル模式画像E1〜E3は、カプセル型医療装置2の磁気誘導に伴って互いに連動する。すなわち、カプセル模式画像E1は、カプセル型医療装置2の揺動動作に追従して揺動する。カプセル模式画像E2,E3は、かかるカプセル模式画像E1の揺動動作に追従して姿勢を変更する。また、カプセル模式画像E2,E3は、カプセル型医療装置2の旋回動作に追従して旋回する。この場合、カプセル模式画像E2,E3は、互いに同様の表示態様になる。
操作卓位置設定部17eは、上述したように、ベッド4に対する操作入力部15の相対位置を設定するためのGUIである。表示部17は、制御部19の制御に基づいて、被検体100を模式的に示す被検体模式画像K1と、ベッド4を模式的に示すベッド模式画像K2とを操作卓位置設定部17eに表示する。この場合、表示部17は、ベッド模式画像K2上に被検体模式画像K1を重畳表示して、ベッド4上に被検体100が載置された状態を表示する。
また、操作卓位置設定部17eは、図11に示すように、ベッド模式画像K2の周囲4箇所に入力ボックス17e−1〜17e−4を含む。入力ボックス17e−1は、ベッド4の周囲のうちのX軸の正方向側に操作入力部15の位置を設定するためのGUIであり、ベッド模式画像K2に向かって下側に形成される。入力ボックス17e−2は、ベッド4の周囲のうちのY軸の負方向側に操作入力部15の位置を設定するためのGUIであり、ベッド模式画像K2に向かって左側に形成される。入力ボックス17e−3は、ベッド4の周囲のうちのX軸の負方向側に操作入力部15の位置を設定するためのGUIであり、ベッド模式画像K2に向かって上側に形成される。入力ボックス17e−4は、ベッド4の周囲のうちのY軸の正方向側に操作入力部15の位置を設定するためのGUIであり、ベッド模式画像K2に向かって右側に形成される。
操作入力部15は、入力ボックス17e−1をクリックすることによって、ベッド4におけるX軸の正方向側を操作入力部15の位置に指定する位置指定情報を制御部19に入力する。操作入力部15は、入力ボックス17e−2をクリックすることによって、ベッド4におけるY軸の負方向側を操作入力部15の位置に指定する位置指定情報を制御部19に入力する。操作入力部15は、入力ボックス17e−3をクリックすることによって、ベッド4におけるX軸の負方向側を操作入力部15の位置に指定する位置指定情報を制御部19に入力する。操作入力部15は、入力ボックス17e−4をクリックすることによって、ベッド4におけるY軸の正方向側を操作入力部15の位置に指定する位置指定情報を制御部19に入力する。
表示部17は、入力ボックス17e−1〜17e−4のうち、操作入力部15によって最後にクリックされた入力ボックスの色等の表示態様を残りの入力ボックスと異なるものにする。なお、図11においては、入力ボックス17e−1が、操作入力部15によって最後にクリックされた入力ボックスである。
制御部19は、かかる操作入力部15からの位置指定情報をもとに、上述した操作情報によって指定されるカプセル型医療装置2の水平動作方向を、操作入力部15から被検体100に向かう方向(すなわちユーザの視点方向)に応じた水平動作方向に変換してカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御する。また、制御部19は、かかる操作入力部15からの位置指定情報によって指定される操作入力部15の相対位置に応じて、カプセル模式画像E2,E3の方位を変更するように表示部17を制御する。表示部17は、かかる制御部19の制御に基づいて、例えば90度単位でカプセル模式画像E2,E3の表示方向を変更する。
体位設定部17fは、上述したように、ベッド4上の被検体100の体位を設定するためのGUIである。具体的には、体位設定部17fは、図11に示すように、被検体100の体位設定メニュー(例えば背臥位、腹臥位、右側臥位、左側臥位の設定メニュー)を含む。操作入力部15は、かかる体位設定部17fの体位設定メニューのうちのいずれかの体位をクリックすることによって、このクリックした体位を指定する体位指定情報を制御部19に入力する。画像処理部19aは、この体位指定情報によって指定される体位を示す被検体模式画像K1を生成する。制御部19は、かかる被検体模式画像K1を表示するように表示部17を制御する。表示部17は、かかる制御部19の制御に基づいて、この体位指定情報によって指定される体位を示す被検体模式画像K1を操作卓位置設定部17eに表示する。また、表示部17は、体位設定部17fの体位設定メニューのうち、この体位指定情報に対応する体位(すなわち操作入力部15によってクリックされた体位)の設定欄にマークを表示する。なお、図11においては、体位設定部17fにおける体位設定メニュー内の体位のうち、背臥位が操作入力部15のクリック操作によって選択されている。
なお、表示部17は、上述したカプセル型医療装置2の仰角情報、方位角情報および位置情報等の他に、磁界発生部5が誘導用磁界を発生した状態(磁界オン状態)である旨を示す情報と、磁界発生部5が誘導用磁界の発生を停止した状態(磁界オフ状態)である旨を示す情報とを誘導用磁界の発生状態に応じてウィンドウ17aに適宜表示する。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる画像表示装置10による体内画像の表示処理について説明する。図12は、本発明の実施の形態1にかかる画像表示装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。図13は、体内画像における撮像面と鉛直平面との交線方向の算出処理を説明する模式図である。図14は、体内画像の交線方向と表示画面の上下方向とを一致させて体内画像を表示する画像表示処理を説明する模式図である。
画像表示装置10は、上述したように、カプセル型医療装置2の磁気誘導に伴う体内画像内の被写体の上下方向と表示画面の上下方向とを一致させて、このカプセル型医療装置2の撮像部21,22による各体内画像P1,P2をリアルタイムに順次表示する。
具体的には、図12に示すように、画像表示装置10の制御部14は、まず、被検体100内部のカプセル型医療装置2による体内画像を取得する(ステップS101)。このステップS101において、制御部14は、このカプセル型医療装置2の撮像部21,22によって時系列順に撮像された各体内画像を受信装置9から順次取得する。
つぎに、制御部14は、ステップS101において取得した体内画像における撮像面と鉛直平面との交線方向を算出する(ステップS102)。このステップS102において、画像処理部14aは、撮像部21,22によって撮像された各体内画像P1,P2の各々について撮像面と鉛直平面との交線方向を算出する。具体的には、撮像部21による体内画像P1について、画像処理部14aは、図13に示すように、上述した特定状態(図5A参照)を維持するカプセル型医療装置2内部の固体撮像素子21cの撮像面と、この固体撮像素子21cの撮像方向B1および永久磁石26の磁化方向D1に平行な鉛直平面102との交線L1に対応する交線方向D9を算出する。これと同様に、画像処理部14aは、撮像部22による体内画像P2について、この特定状態であるカプセル型医療装置2内部の固体撮像素子22cの撮像面と、この固体撮像素子22cの撮像方向B2および永久磁石26の磁化方向D1に平行な鉛直平面102との交線に対応する交線方向を算出する。
続いて、制御部14は、ステップS102において算出した体内画像の交線方向と表示画面の上下方向とを一致させて体内画像を表示するように表示部12を制御する(ステップS103)。このステップS103において、画像処理部14aは、図3に示したように既知である永久磁石26の磁化方向D1と固体撮像素子21c,22cの各撮像面の上下方向D2,D3との相対関係をもとに、必要に応じて体内画像P1,P2の回転処理を行って、かかる体内画像P1,P2における交線方向と表示部12の表示画面の上下方向とを一致させる。具体的には、図14に示すように、画像処理部14aは、体内画像P1の交線方向D9と主画像表示領域12bの上下方向D10とを一致させる。これと同様に、画像処理部14aは、体内画像P2の交線方向と主画像表示領域12c(図6参照)の上下方向とを一致させる。制御部14は、このように体内画像P1の交線方向D9と主画像表示領域12bの上下方向D10とを一致させた表示態様で体内画像P1を表示するように表示部12を制御するとともに、このように体内画像P2の交線方向と主画像表示領域12cの上下方向とを一致させた表示態様で体内画像P2を表示するように表示部12を制御する。
なお、この実施の形態1にかかるカプセル型医療装置2において、固体撮像素子21c,22cの各撮像面の上下方向D2,D3は、上述した図3に示したように、永久磁石26の磁化方向D1に対して平行である。このため、体内画像P1における固体撮像素子21cの撮像面と鉛直平面との交線方向D9は、常時、この固体撮像素子21cの撮像面の上下方向D2と一致する。これと同様に、体内画像P2における固体撮像素子22cの撮像面と鉛直平面との交線方向は、常時、この固体撮像素子22cの撮像面の上下方向D3と一致する。この場合、画像処理部14aは、ステップS103において、かかる体内画像P1,P2を回転処理する必要がなく、体内画像P1,P2の各上下方向と表示部12の表示画面の上下方向とを一致させることによって、かかる体内画像P1,P2における交線方向と表示部12の表示画面の上下方向とを一致させることができる。すなわち、画像処理部14aは、固体撮像素子21c,22cの各撮像面の上下方向D2,D3と永久磁石26の磁化方向D1とが平行ではない場合に限り、既知である磁化方向D1と固体撮像素子21c,22cの各撮像面の上下方向D2,D3との相対関係をもとに、体内画像P1,P2の回転処理を行って、かかる体内画像P1,P2における交線方向と表示部12の表示画面の上下方向とを一致させる。
ステップS103の処理手順が終了後、制御部14は、入力部11からの入力情報等をもとに体内画像の表示処理を終了するか否かを判断し(ステップS104)、処理終了であると判断した場合(ステップS104,Yes)、本処理を終了する。一方、制御部14は、このステップS104において処理終了ではないと判断した場合(ステップS104,No)、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理手順を繰り返す。
つぎに、カプセル型医療装置2の磁気誘導を操作する際に操作対象としてユーザに参照される操作対象画像が撮像部21による体内画像P1である場合を例示して、カプセル型医療装置2の磁気誘導の操作に伴う操作対象画像の動き方向について説明する。図15は、図5Aに示すようにカプセル型医療装置2が傾いた姿勢の時のカプセル型医療装置2の磁気誘導の操作に伴う操作対象画像の動き方向の一例を示す模式図である。
図15に示すように、操作対象画像として主画像表示領域12bに表示された体内画像P1は、操作入力部15のジョイスティック15a,15bの各傾動操作に対応して、動き方向D11〜D18のいずれかに沿って動く。この場合、操作対象画像である体内画像P1は、ジョイスティック15a,15bの各傾動方向から直感的にイメージし易い方向に動く。
具体的には、体内画像P1は、ジョイスティック15aの左右方向D6の傾動操作に対応して、主画像表示領域12bに向かって左方向である動き方向D11または右方向である動き方向D12に沿って動く。すなわち、体内画像P1は、撮像部21側から見て左側水平方向へのカプセル型医療装置2の水平動作に伴って動き方向D11に動き、撮像部21側から見て右側水平方向へのカプセル型医療装置2の水平動作に伴って動き方向D12に動く。また、体内画像P1は、ジョイスティック15aの上下方向D5の傾動操作に対応して、主画像表示領域12bに向かって手前方向である動き方向D13または奥方向である動き方向D14に沿って動く。すなわち、体内画像P1は、撮像部21側から見て手前側水平方向へのカプセル型医療装置2の水平動作に伴って動き方向D13に動き、撮像部21側から見て奥側水平方向へのカプセル型医療装置2の水平動作に伴って動き方向D14に動く。
一方、体内画像P1は、ジョイスティック15bの上下方向D7の傾動操作に対応して、主画像表示領域12bに向かって上方向である動き方向D15または下方向である動き方向D16に沿って動く。すなわち、体内画像P1は、撮像部21側から見て上方へのカプセル型医療装置2の揺動動作に伴って動き方向D15に動き、撮像部21側から見て下方へのカプセル型医療装置2の揺動動作に伴って動き方向D16に動く。また、体内画像P1は、ジョイスティック15bの左右方向D8の傾動操作に対応して、主画像表示領域12bに向かって左回り方向である動き方向D17または右回り方向である動き方向D18に沿って動く。すなわち、体内画像P1は、撮像部21側から見て左側へのカプセル型医療装置2の旋回動作に伴って動き方向D17に動き、撮像部21側から見て右側へのカプセル型医療装置2の旋回動作に伴って動き方向D18に動く。
なお、上述した体内画像P1の動きは、カプセル型医療装置2の磁気誘導に伴って体内画像P1内の被写体が移動する現象である。また、かかる体内画像P1の動き方向D11〜D18は、カプセル型医療装置2の磁気誘導に伴って移動する撮像視野A1の移動方向と同じ方向であり、体内画像P1内の被写体の移動方向と反対の方向である。なお、上述したようなジョイスティック15a,15bの各傾動操作に応じた操作対象画像の動きは、撮像部22による体内画像P2が操作対象画像である場合も同様である。
以上、説明したように、本発明の実施の形態1によるカプセル型医療装置2は、被検体100内に導入可能なカプセル型筐体20と、被検体100の体内画像を撮像する撮像部21,22と、撮像部21,22の撮像面の上下方向に対して相対的に固定された方向に磁化する永久磁石26と、を備える。ここで、撮像部21,22と永久磁石26とがカプセル型筐体20の内部に収容され、カプセル型医療装置2の重心29がカプセル型筐体20の幾何学的中心28から永久磁石26の磁化方向と異なる方向に外れ、撮像部21,22の撮像面と平行な平面と永久磁石26の磁化方向および幾何学中心に対する重心29の偏位方向に平行な平面とは、交線を形成する。また、本発明の実施の形態1によるカプセル型医療装置誘導システム1は、上記カプセル型医療装置2と、これの永久磁石26に磁界を印加して体内のカプセル型医療装置2を磁気誘導する磁気誘導装置3と、交線の方向が表示画面の上下方向と一致するように体内画像を表示する画像表示装置10と、を備える。このような構成により、本実施の形態1では、カプセル型医療装置2の磁気誘導中、永久磁石26の磁化方向とカプセル型筐体20の幾何学的中心に対する重心の方向とに平行な平面が鉛直になるため、この平面と撮像部21,22の撮像面との交線を常に鉛直な平面内に含めることが可能となる。この結果、この交線を画像表示装置10に表示された体内画像に関連付けて表示することで、体内画像に写っている被写体の現実の鉛直方向をユーザに把握させることが可能となる。
この際、撮像部21,22の撮像面と平行な平面を永久磁石26の磁化方向およびカプセル型筐体20の幾何学中心28に対する重心29の偏位方向に平行な平面に対して直交させることで、画像表示装置10に表示している体内画像の横方向を、絶対座標系の水平方向と一致させることができる。これにより、ユーザに容易に表示中の体内画像の水平方向を把握させることが可能となる。
また、本実施の形態によるカプセル型医療装置誘導システムは、さらに、カプセル型医療装置2を磁気で誘導するための操作情報を入力する操作入力部15と、操作入力部15から入力された操作情報に応じてカプセル型医療装置2を誘導するために磁気誘導装置3を制御する制御部19と、を備える。これにより、本実施の形態1では、画像表示装置10に表示中の体内画像と絶対座標系(鉛直方向、水平方向)との関係をユーザが把握しながらカプセル型医療装置2を誘導することが可能となるため、誘導時の操作性をより向上することが可能となる。
さらに、本実施の形態によるカプセル型医療装置誘導システムでは、操作入力部15が撮像部21,22の撮像方向と鉛直軸との成す角を変更する操作情報を入力するための仰角操作入力部として機能するため、撮像部21,22の撮像方向と鉛直軸との成す角を変更して画像表示装置10に表示中の体内画像が上下方向に変化した場合でも、ユーザは表示中の体内画像から操作した方向を把握することが可能となり、この結果、誘導時の操作性をより向上することが可能となる。
さらにまた、本実施の形態によるカプセル型医療装置誘導システムは、永久磁石26に印加する磁界の情報とカプセル型医療装置2の物理情報とをもとに撮像部21,22の撮像方向と鉛直軸とが成す角度を算出し、撮像部21,22の撮像方向と鉛直軸とが成す角度を示す角度情報を表示する角度情報表示部として機能する仰角情報表示領域17cを備える。ここで、操作入力部15は、カプセル型医療装置2の鉛直軸周りの方向を変更する操作情報を入力するための方位角操作入力部と、カプセル型医療装置2の永久磁石26の磁化方向を水平面に投影した方向の位置を変更する操作情報を入力するための水平位置操作入力部と、カプセル型医療装置2の鉛直方向の位置を変更する操作情報を入力するための垂直位置操作入力部と、のうちの少なくとも1つとしても機能する。このようにすることで、鉛直軸周りの方向、永久磁石26の磁化方向を水平面に投影した方向、または、鉛直方向の操作に対する表示中の画像の変化が、撮像部21,22の撮像方向と鉛直軸とが成す角に依存する構成となるため、この角度を表示することによって操作入力部15に対して行った操作に応じた表示画像(体内画像)の変化がユーザによって容易に予測可能となり、結果、表示された体内画像を見ながらカプセル型医療装置2を誘導する際に高い操作性を実現することが可能となる。
さらにまた、本実施の形態によるカプセル型医療装置誘導システムでは、カプセル型医療装置2が体内に導入された液体内で誘導される。ここで、角度情報表示部(仰角情報表示領域17b)に表示される角度情報は、被検体100内に導入された液体の密度をもとに算出される。これにより、被検体100内に導入された液体に依存してカプセル型医療装置2に作用する浮力に応じてカプセル型医療装置2の誘導性を向上させることが可能となると共に、角度情報表示部に表示する角度情報の精度を向上させることが可能となるため、誘導時の操作性を向上することが可能となる。
さらにまた、本実施の形態によるカプセル型医療装置誘導システムでは、操作情報が少なくともカプセル型医療装置2の磁気誘導方向を指定する情報である。ここで画像表示装置10は、磁気誘導方向を示す操作情報を例えば矢印情報F1〜F12を用いて体内画像に関連付けて表示する。これにより、ユーザは、自己が操作入力部15からした操作がカプセル型医療装置2に対してどのように作用しているかを、画像表示装置10から容易に把握することが可能となる。
さらにまた、本実施の形態によるカプセル型医療装置誘導システムでは、カプセル型医療装置2の誘導磁気方向が、鉛直軸周り、永久磁石26の磁化方向および幾何学中心28に対する重心29の偏位方向に平行な平面に垂直な軸周り、鉛直方向、撮像部21,22の撮像方向を水平面に投影した方向、撮像部21,22の撮像方向に平行な方向、撮像部21,22の撮像面と平行であって画像表示装置10において上下方向に表示される方向、および、撮像部21,22の撮像面と平行であって画像表示装置10において左右方向に表示される方向のうちの少なくとも1つを含む。これにより、ユーザは、画像表示装置10に表示された体内画像を見ながら自らが操作入力部15より入力した誘導方向に対する操作情報を把握することが可能となるため、誘導時の操作性をより向上させることが可能となる。
さらにまた、本実施の形態によるカプセル型医療装置誘導システムは、さらに、永久磁石26に印加する磁界の情報とカプセル型医療装置2の物理情報とをもとに撮像部21,22の撮像方向を算出し、この算出した撮像部21,22の撮像方向を表示する角度情報表示部(仰角情報表示領域17b)を備える。この角度情報表示部は、撮像部21,22の撮像方向を画像表示装置10が表示する体内画像に関連付けて表示する。これにより、ユーザは、画像表示装置10に表示された体内画像を見ながら被検体100内部での観察方向を把握することが可能となるため、誘導時の操作性をより向上することが可能となる。
さらにまた、本実施の形態によるカプセル型医療装置誘導システムでは、角度情報表示部(仰角情報表示領域17b)が、撮像部21,22の撮像方向と、鉛直方向、水平面または鉛直軸周りの方向と、を画像表示装置10に表示中の体内画像に関連付けて表示する。これにより、ユーザは、絶対座標系(鉛直方向、水平方向、鉛直軸周り方向)との関係を、画像表示装置10に表示された体内画像を見ながら把握でき、これにより、被検体100内部での観察方向を容易に把握することが可能となるため、誘導時の操作性をより向上することが可能となる。
さらにまた、本実施の形態によるカプセル型医療装置誘導システムでは、角度情報表示部(仰角情報表示領域17b)が、撮像部21,22の撮像方向に対する鉛直方向、または、水平面を、画像表示装置10に表示された体内画像の高さ方向の位置情報に変換して表示する。これにより、画像表示装置10に表示中の体内画像の上下方向が鉛直面と一致するため、鉛直方向または水平方向を表示中の体内画像に関する高さ方向の位置情報として表示することが可能となり、結果、ユーザに表示中の体内画像に対する鉛直方向または水平方向の位置を容易に把握させることが可能となる。
さらにまた、本実施の形態によるカプセル型医療装置誘導システムでは、角度情報表示部(仰角情報表示領域17b)が、撮像部21,22の撮像方向に対する鉛直軸周りの方向を、画像表示装置10に表示中の体内画像の横方向の位置情報に変換して表示する。これにより、画像表示装置10に表示中の体内画像の上下方向が鉛直面と一致するため、鉛直軸周りの方向を表示中の体内画像に関する横方向の位置情報として表示することが可能となり、結果、ユーザに表示中の体内画像に対する鉛直軸周りの方向を容易に把握させることが可能となって観察性が向上する。
さらにまた、本実施の形態によるカプセル型医療装置誘導システムは、カプセル型医療装置2を磁気で誘導するための操作情報を入力する操作入力部15と、操作入力部15から入力された操作情報に対してカプセル型医療装置2を誘導するために磁気誘導装置3を制御する制御部19と、を備える。ここで、操作情報は、少なくともカプセル型医療装置2の磁気誘導方向を指定する情報である。また、磁気誘導方向は、鉛直軸周り、鉛直方向、および、撮像部21,22の撮像方向を水平面に投影した方向のうち少なくとも1つを含む。さらに、画像表示装置10は、角度情報表示部(仰角情報表示領域17b)が表示する撮像部21,22の撮像方向に対する鉛直方向、水平面または鉛直軸周りの方向に磁気誘導方向を示す操作情報を関連付けて表示する。これにより、ユーザは、画像表示装置10に表示中の体内画像を見ながら自らが操作入力部15より入力した誘導方向に対する操作情報を把握することが可能となるため、誘導時の操作性をより向上させることが可能となる。
また、本発明の実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、カプセル型筐体の内部に撮像部と該撮像部の撮像面の上下方向に対して相対的に固定された既知の方向に磁化する永久磁石とを備えたカプセル型医療装置を被検体内部の液体中に導入し、この液体中のカプセル型医療装置に特定状態を維持させて、この永久磁石の磁化方向およびこの撮像部の撮像方向を鉛直平面内に含めるようにし、この特定状態を維持したカプセル型医療装置の撮像部が撮像した被検体の体内画像を、この体内画像における撮像面と鉛直平面との交線方向と表示画面の上下方向とを一致させた表示態様で表示するように構成した。このため、この被検体内部のカプセル型医療装置を磁気誘導した際に発生する撮像視野の移動に伴う体内画像内の被写体の上下方向と表示画面の上下方向とを一致させて、このカプセル型医療装置による体内画像を表示できる。これによって、このカプセル型医療装置の磁気誘導に伴う体内画像の動き方向を、このカプセル型医療装置の磁気誘導を操作する操作入力部の操作方向(例えば上述したジョイスティック15a,15bの傾動方向)から直感的に容易に判断することができる。この結果、被検体内部のカプセル型医療装置による体内画像を参照しつつ、この被検体内部のカプセル型医療装置を容易に磁気誘導することができる。
また、この実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、カプセル型医療装置内部の永久磁石の磁化方向と撮像部の撮像面の上下方向との相対関係をもとに、この撮像部によって撮像された体内画像を回転処理して、この体内画像における撮像面と鉛直平面との交線方向と表示画面の上下方向とを一致させている。このため、カプセル型医療装置内部の永久磁石の磁化方向と撮像部の撮像面の上下方向とが平行でない場合であっても、カプセル型医療装置の磁気誘導に伴う体内画像内の被写体の上下方向と表示画面の上下方向とを確実に一致させてこのカプセル型医療装置による体内画像を表示することができる。この結果、かかる永久磁石の磁化方向と撮像面の上下方向とが平行ではないカプセル型医療装置によって体内画像を撮像した場合であっても、かかる体内画像を参照しつつ、この被検体内部のカプセル型医療装置を容易に磁気誘導することができる。
さらに、この実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、被検体内部のカプセル型医療装置の仰角情報、方位角情報および位置情報を表示するので、直接視認することが困難である被検体内部のカプセル型医療装置の姿勢、撮像方向および現在位置を容易に推測することができる。これによって、カプセル型医療装置による被検体内部の撮像部位を推測することができ、この結果、被検体の臓器内部の観察を円滑に進行することができる。
また、カプセル型医療装置の旋回動作に伴う体内画像の動き方向は、このカプセル型医療装置の仰角に依存する。このため、かかるカプセル型医療装置の仰角情報を表示することによって、カプセル型医療装置の旋回動作に伴う体内画像の動き方向を容易に推測することができ、この結果、一層容易にカプセル型医療装置を磁気誘導することができる。
一方、この実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、磁気誘導対象であるカプセル型医療装置の操作対象方向を明示するので、現在磁気誘導操作対象となっているカプセル型医療装置の撮像方向がいずれの方向であるかをユーザに知らしめることができる。これによって、カプセル型医療装置による被検体内部の撮像部位を容易に推測することができ、この結果、被検体の臓器内部の観察を一層円滑に進行することができる。
また、この実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、操作入力部によって操作されるカプセル型医療装置の磁気誘導方向を表示するので、操作入力部による磁気誘導操作が意図した磁気誘導方向の操作であるか否かを容易に視認することができる。これによって、カプセル型医療装置の磁気誘導を円滑に操作することができる。
さらに、この実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、被検体を支持するベッドに対する操作入力部の相対位置を設定し、この設定した操作入力部の相対位置に応じて、カプセル型医療装置の方位角情報および位置情報の各々を示す各カプセル模式画像の表示方向を変更している。このため、被検体に対する操作入力部の相対方向、すなわちユーザの視点方向に応じてカプセル模式画像の表示方向を変更することができる。この結果、被検体に対する所望の相対方向に操作入力部を配置してカプセル型医療装置の磁気誘導を操作することができる。
また、この実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、操作入力部による入力情報をもとにベッド上の被検体の体位を設定し、この設定した被検体の体位を示す画像情報を表示している。このため、かかる体位を示す画像情報とカプセル型医療装置の仰角情報および方位角情報とを適宜視認することによって、被検体における何れの側(例えば右側、左側、頭側、足側、腹側、背中側等)を体内画像を通して観察しているかを容易に推測することができる。この結果、被検体内部のカプセル型医療装置の磁気誘導を円滑に操作できるとともに、このカプセル型医療装置による体内画像の観察を通して被検体の臓器内部を円滑に観察することができる。さらに、かかる被検体における被観察側の推測結果を自動的に表示してもよく、これによって、かかるカプセル型医療装置の磁気誘導操作および被検体の臓器内部の観察を一層円滑に進行することができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、カプセル型医療装置2の撮像部21,22によって撮像された体内画像P1,P2を表示部12に表示していたが、この実施の形態2では、表示部12に表示された体内画像P1,P2のうちの何れが操作対象画像であるかを明示している。
図16は、本発明の実施の形態2にかかるカプセル型医療装置誘導システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図16に示すように、この実施の形態2にかかるカプセル型医療装置誘導システム31は、上述した実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システム1の画像表示装置10に代えて画像表示装置33を備える。この画像表示装置33は、上述した実施の形態1にかかる画像表示装置10の制御部14に代えて制御部34を備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
画像表示装置33は、カプセル型医療装置2の撮像部21,22が撮像した体内画像P1,P2を実施の形態1の場合と同様に表示するとともに、かかる体内画像P1,P2のうちのいずれがカプセル型医療装置2の磁気誘導時の操作対象画像であるかを明示する。
かかる画像表示装置33の制御部34は、撮像部21,22による体内画像P1,P2のうちのいずれが操作対象画像であるかを明示する表示態様で体内画像P1,P2を表示するように表示部12を制御する。図17は、本発明の実施の形態2にかかる画像表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。制御部34は、入力部11からの入力情報等をもとに、体内画像P1,P2のうちのいずれか一方を操作対象画像として予め設定する。制御部34は、実施の形態1の場合と同様に撮像部21,22による体内画像P1,P2を表示するように表示部12を制御するとともに、予め操作対象画像として設定した体内画像の表示領域を枠画像等によって強調するように表示部12を制御する。なお、制御部34は、かかる操作対象画像である旨を明示する表示制御機能以外、上述した実施の形態1にかかる画像表示装置10の制御部14と同様の機能を有する。
表示部12は、かかる制御部34の制御に基づいて、図17に示すように、ウィンドウ12a内の主画像表示領域12b,12cに体内画像P1,P2を表示するとともに、操作対象画像である体内画像P1を表示する主画像表示領域12bの周囲に枠画像32aを表示する。表示部12は、かかる枠画像32aの表示によって、この主画像表示領域12b内の体内画像P1がカプセル型医療装置2の磁気誘導時の操作対象画像であることを明示する。
なお、図17においては、一例として撮像部21による体内画像P1を操作対象画像として設定し、この操作対象画像である体内画像P1の表示領域、すなわち主画像表示領域12bに枠画像32aを付加しているが、本発明は、これに限定されない。すなわち、撮像部22による体内画像P2が操作対象画像である場合、表示部12は、操作対象画像である体内画像P2を表示する主画像表示領域12cの周囲に枠画像32aを表示して、この主画像表示領域12c内の体内画像P2が操作対象画像であることを明示する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態2にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、互いに異なる撮像方向の画像を撮像する第1および第2の撮像部と永久磁石とを内蔵したカプセル型医療装置を被検体内部に導入し、この被検体内部において第1の撮像部が撮像した第1の体内画像と第2の撮像部が撮像した第2の体内画像とを表示するとともに、これら第1および第2の体内画像のうちのいずれがカプセル型医療装置の磁気誘導時の操作対象画像であるかを明示するようにし、その他を実施の形態1と同様に構成した。このため、上述した実施の形態1の場合と同様の作用効果を享受するとともに、カプセル型医療装置の磁気誘導を操作する際に、表示画面内の複数の体内画像のうちのいずれの体内画像を操作対象画像として参照すべきであるかを迷うことなく、カプセル型医療装置の磁気誘導の操作に有用な操作対象画像を確実に参照して、このカプセル型医療装置の磁気誘導を容易に操作することが可能なカプセル型医療装置誘導システムを実現できる。
なお、他の構成、動作および効果は、上述した実施の形態またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1では、カプセル型医療装置2の磁気誘導を制御する制御装置16の表示部17に、カプセル型医療装置2の仰角情報および方位角情報を表示していたが、この実施の形態3では、カプセル型医療装置2の撮像部21,22によって撮像された体内画像P1,P2のうちの操作対象画像に関連付けて、カプセル型医療装置2の仰角情報および方位角情報を表示している。
図18は、本発明の実施の形態3にかかるカプセル型医療装置誘導システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図18に示すように、この実施の形態3にかかるカプセル型医療装置誘導システム41は、上述した実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システム1の画像表示装置10に代えて画像表示装置43を備え、操作入力部15に代えて操作入力部45を備え、制御装置16に代えて制御装置46を備える。この実施の形態3において、画像表示装置43は、上述した実施の形態1にかかる画像表示装置10の制御部14に代えて制御部44を備える。また、制御装置46は、上述した実施の形態1にかかる制御装置16の制御部19に代えて制御部49を備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
画像表示装置43は、カプセル型医療装置2の撮像部21,22が撮像した体内画像P1,P2を実施の形態1の場合と同様に表示するとともに、これら体内画像P1,P2のうちのいずれかであるカプセル型医療装置2の磁気誘導時の操作対象画像に関連付けて、カプセル型医療装置2の仰角情報および方位角情報を表示する。
かかる画像表示装置43の制御部44は、撮像部21,22による体内画像P1,P2のうちの操作対象画像に関連付けて、磁気誘導対象であるカプセル型医療装置2の仰角情報および方位角情報を表示するように表示部12を制御する。具体的には、制御部44は、入力部11からの入力情報等をもとに、体内画像P1,P2のうちのいずれか一方を操作対象画像として予め設定する。また、制御部44は、制御装置46の制御部49からカプセル型医療装置2の角度情報および方向情報を取得する。制御部44は、実施の形態1の場合と同様に撮像部21,22による体内画像P1,P2を表示するように表示部12を制御するとともに、予め操作対象画像として設定した体内画像に関連付けてカプセル型医療装置2の仰角情報および方位角情報を表示するように表示部12を制御する。この場合、制御部44は、制御装置46の制御部49から取得したカプセル型医療装置2の角度情報をもとに、表示部12によるカプセル型医療装置2の仰角情報の表示を制御する。また、制御部44は、制御装置46の制御部49から取得したカプセル型医療装置2の方向情報をもとに、表示部12によるカプセル型医療装置2の方位角情報の表示を制御する。
また、制御部44は、操作入力部45によるカプセル型医療装置2の操作情報の入力有りを示す情報を表示するように表示部12を制御する。この場合、制御部44は、制御装置46の制御部49から操作入力部45による操作情報の入力有りの通知を受け、この入力有りの通知に基づいて、カプセル型医療装置2の操作情報の入力有りを示す情報を表示部12に表示させる。なお、制御部44は、上述した表示部12に対するカプセル型医療装置2の仰角情報、方位角情報および操作情報の入力有りを示す情報の各表示制御機能以外、上述した実施の形態1にかかる画像表示装置10の制御部14と同様の機能を有する。
操作入力部45は、上述したカプセル型医療装置2の磁気誘導を操作するための操作情報の他に、画像表示装置43に対する指示情報の入力機能を有する。図19は、本発明の実施の形態3における操作入力部の一構成例を示す模式図である。図19に示すように、操作入力部45は、上述したジョイスティック15a,15bの他に、入力スイッチ45c,45dを備える。なお、操作入力部45は、かかる入力スイッチ45c,45dによる情報入力機能以外、上述した実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システム1の操作入力部15と同様の機能を有する。
入力スイッチ45cは、体内画像の選択的な保存を指示する指示情報を入力するためのスイッチである。操作入力部45は、かかる入力スイッチ45cの押し下げ操作に対応して、体内画像の選択的な保存の指示情報を制御装置46の制御部49に入力する。この場合、制御部49は、かかる操作入力部45からの指示情報を画像表示装置43の制御部44に転送する。画像表示装置43の制御部44は、かかる指示情報によって保存指示された体内画像(すなわちユーザによる選択画像)を被検体100の体内画像群の中から抽出する。そして、制御部44は、この抽出した体内画像にマークを付加するように表示部12を制御し、且つ、この体内画像データをマークと対応付けて記憶するように記憶部13を制御する。さらに、制御部44は、この体内画像の縮小画像(サムネイル画像等)を追加表示するように表示部12を制御する。
なお、制御部44は、かかる入力スイッチ45cの押し下げ操作が行われたタイミングに表示部12に表示された体内画像P1,P2のうち、操作対象画像である体内画像の縮小画像を表示部12に追加表示させてもよいし、双方の縮小画像を表示部12に追加表示させてもよい。一方、制御部44は、かかる入力スイッチ45cの押し下げ操作が行われたタイミングに表示部12に表示された体内画像P1,P2のうち、操作対象画像である体内画像のデータを記憶部13に記憶してもよいし、双方のデータを記憶部13に記憶してもよい。あるいは、制御部44は、かかる入力スイッチ45cの押し下げ操作が行われた際に、表示画面内の何れの体内画像のデータを保存するかを選択できるようにしてもよい。この場合、制御部44は、かかる入力スイッチ45cの押し下げ操作が行われた後、表示画面内の体内画像P1,P2のうちのクリック操作または矢印キーの操作等によって選択された体内画像のデータを記憶部13に記憶してもよい。
入力スイッチ45dは、体内画像の表示モードの切り替えを指示する指示情報を入力するためのスイッチである。操作入力部45は、かかる入力スイッチ45dの押し下げ操作に対応して、体内画像の表示モード切替の指示情報を制御装置46の制御部49に入力する。この場合、制御部49は、かかる操作入力部45からの指示情報を画像表示装置43の制御部44に転送する。画像表示装置43の制御部44は、かかる指示情報に基づいて、被検体100の各体内画像の表示形式を動画表示から静止画表示に切り替えるように表示部12を制御し、あるいは静止画表示から動画表示に切り替えるように表示部12を制御する。
制御装置46は、上述したように制御部49を備え、画像表示装置43によるカプセル型医療装置2の仰角情報、方位角情報および操作情報の入力有りを示す情報の各表示動作を制御する。なお、制御装置46は、かかる画像表示装置43の制御機能以外、上述した実施の形態1にかかるカプセル型医療装置誘導システム1の制御装置16と同様の機能を有する。
制御部49は、画像表示装置43の制御部44にカプセル型医療装置2の角度情報を送信して、画像表示装置43によるカプセル型医療装置2の仰角情報の表示を制御する。具体的には、制御部49は、カプセル型医療装置2の撮像部21,22のうちの操作対象画像を撮像する撮像部の撮像方向と鉛直軸とのなす角度、すなわちカプセル型医療装置2の仰角を算出する。なお、制御部49は、磁界発生部5がカプセル型医療装置2に印加する誘導用磁界の情報(磁界強度、磁界方向等)とカプセル型医療装置2の物理情報(質量、形状、重心位置、磁気モーメント等)と液体101の密度情報とをもとに、このカプセル型医療装置2の仰角を算出する。制御部49は、この算出したカプセル型医療装置2の仰角を示す角度情報を画像表示装置43の制御部44に送信し、これによって、この角度情報に対応するカプセル型医療装置2の仰角情報を画像表示装置43に表示させる。
また、制御部49は、画像表示装置43の制御部44にカプセル型医療装置2の方向情報を送信して、画像表示装置43によるカプセル型医療装置2の方位角情報の表示を制御する。具体的には、制御部49は、カプセル型医療装置2の撮像部21,22のうちの操作対象画像を撮像する撮像部の撮像方向の水平成分方向を算出する。なお、制御部49は、磁界発生部5がカプセル型医療装置2に印加する誘導用磁界の情報(詳細には誘導用磁界の水平成分の磁界方向)をもとに、このカプセル型医療装置2の撮像方向の水平成分方向を算出する。制御部49は、この算出した水平成分方向を示す方向情報を画像表示装置43の制御部44に送信し、これによって、この方向情報に対応するカプセル型医療装置2の方位角情報を画像表示装置43に表示させる。
さらに、制御部49は、操作入力部45によってカプセル型医療装置2の操作情報を入力された場合、この操作情報が入力された旨を画像表示装置43の制御部44に通知する。これによって、制御部49は、操作入力部45によるカプセル型医療装置2の操作情報の入力有りを示す情報を画像表示装置43に表示させる。
なお、制御部49は、このようにカプセル型医療装置2の仰角情報、方位角情報および操作情報の入力有りを示す情報を画像表示装置43に表示させる制御機能以外、上述した実施の形態1における制御装置16の制御部19と同様の機能を有する。
つぎに、画像表示装置43によるカプセル型医療装置2の仰角情報、方位角情報および操作情報の入力有りを示す情報の表示処理について説明する。図20は、本発明の実施の形態3にかかる画像表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。図21は、画像表示装置によるカプセル型医療装置の仰角情報および操作情報の入力有りを示す情報の表示処理を説明する模式図である。図22は、画像表示装置によるカプセル型医療装置の方位角情報の表示処理を説明する模式図である。
画像表示装置43の表示部12は、例えば図20に示すように、ウィンドウ12a内の主画像表示領域12b,12cに表示した体内画像P1,P2のうちの操作対象画像である体内画像P1に関連付けて、カプセル型医療装置2の仰角情報を表示する。具体的には、表示部12は、操作対象画像である体内画像P1内に2つのマーク42a,42bを縦一列に並べて表示する。ここで、画像表示装置43の制御部44は、制御装置46の制御部49から取得したカプセル型医療装置2の角度情報をもとに、体内画像P1内におけるマーク42a,42bの表示位置を決定し、この決定した表示位置にマーク42a,42bを表示するように表示部12を制御する。表示部12は、かかる角度情報、すなわちカプセル型医療装置2の仰角に対応する表示位置にマーク42a,42bを表示し、この体内画像P1内におけるマーク42a,42bの表示位置によって、カプセル型医療装置2の仰角情報を表示する。ここで、マーク42aは、体内画像P1内の水平方向を示す位置に表示され、マーク42bは、体内画像P1の鉛直方向を示す位置に表示される。
また、表示部12は、図21に示すように、操作入力部45のジョイスティック15bの上下方向D7の傾動操作、すなわち磁気誘導時のカプセル型医療装置2の揺動動作に対応して、体内画像P1内のマーク42a,42bを縦移動する。かかるマーク42a,42bは、カプセル型医療装置2の仰角の増加に伴って体内画像P1の下方向に移動する。マーク42aは、カプセル型医療装置2の仰角が90°である場合、すなわち、操作対象画像の撮像方向(例えば撮像部21の撮像方向B1)と水平方向とが平行である場合、操作対象画像である体内画像P1の画像中心部分に移動する。一方、かかるマーク42a,42bは、カプセル型医療装置2の仰角の減少に伴って体内画像P1の上方向に移動する。マーク42bは、カプセル型医療装置2の仰角が0°である場合、すなわち、操作対象画像の撮像方向(例えば撮像部21の撮像方向B1)と鉛直方向とが平行である場合、操作対象画像である体内画像P1の画像中心部分に移動する。
一方、表示部12は、例えば図20に示すように、これら体内画像P1,P2のうちの操作対象画像である体内画像P1に関連付けて、カプセル型医療装置2の方位角情報を表示する。具体的には、ウィンドウ12aは、操作対象画像である体内画像P1を表示する主画像表示領域12bの上側近傍に、バー状の情報表示領域12eを含む。表示部12は、制御部44の制御に基づいて、この情報表示領域12e内に方向情報42cを表示し、この情報表示領域12e内における方向情報42cの表示位置によって、カプセル型医療装置2の方位角情報を表示する。
ここで、方向情報42cは、図22に示すように、カプセル型医療装置2の方向別に異なる4つの方向情報42c−1〜42c−4からなる。方向情報42c−1〜42c−4は、カプセル型医療装置2の方向別の方位角範囲(例えば±45°)に対応する幅Wを有するバー状の画像情報であり、カプセル型医療装置2の方向を示す矢印をバー中心部分に含む。詳細には、方向情報42c−1は、カプセル型医療装置2の操作対象方向の水平成分方向が操作入力部45から向かって奥側の方向である旨を示す上向きの矢印をバー中心部分に含む。方向情報42c−2は、カプセル型医療装置2の操作対象方向の水平成分方向が操作入力部45から向かって右側の方向である旨を示す右向きの矢印をバー中心部分に含む。方向情報42c−3は、カプセル型医療装置2の操作対象方向の水平成分方向が操作入力部45から向かって手前側の方向である旨を示す下向きの矢印をバー中心部分に含む。方向情報42c−4は、カプセル型医療装置2の操作対象方向の水平成分方向が操作入力部45から向かって左側の方向である旨を示す左向きの矢印をバー中心部分に含む。なお、かかる方向情報42c−1〜42c−4内における各矢印の位置は、バー中心部分に限らず、カプセル型医療装置2の光学系21b,22bの歪を考慮して設定してもよい。
画像表示装置43の制御部44は、制御装置46の制御部49から取得したカプセル型医療装置2の方向情報、すなわちカプセル型医療装置2の操作対象方向の水平成分方向の算出結果をもとに、情報表示領域12e内における方向情報42cの表示位置を決定する。制御部44は、このように決定した情報表示領域12e内の表示位置に、方向情報42cのうちのカプセル型医療装置2の方向情報と一致するもの(方向情報42c−1〜42c−4のうちのいずれか)を表示するように表示部12を制御する。表示部12は、かかる制御部44の制御に基づく情報表示領域12e内の位置に方向情報42cを表示し、この方向情報42cの表示位置によって、カプセル型医療装置2の方位角情報を表示する。
具体的には、表示部12は、カプセル型医療装置2の操作対象方向(例えば撮像部21の撮像方向B1)が操作入力部45から向かって奥側の方向である場合、情報表示領域12eの中心部分に上向きの矢印が位置するように方向情報42c−1を表示する。そして、表示部12は、このカプセル型医療装置2の±45°の範囲内の旋回動作に対応して、この旋回動作の鉛直軸周り方向と同じ方向に、この情報表示領域12e内の方向情報42c−1を横移動する。また、表示部12は、カプセル型医療装置2の操作対象方向が操作入力部45から向かって右側の方向である場合、情報表示領域12eの中心部分に右向きの矢印が位置するように方向情報42c−2を表示する。そして、表示部12は、このカプセル型医療装置2の±45°の範囲内の旋回動作に対応して、この旋回動作の鉛直軸周り方向と同じ方向に、この情報表示領域12e内の方向情報42c−2を横移動する。また、表示部12は、カプセル型医療装置2の操作対象方向が操作入力部45から向かって手前側の方向である場合、情報表示領域12eの中心部分に下向きの矢印が位置するように方向情報42c−3を表示する。そして、表示部12は、このカプセル型医療装置2の±45°の範囲内の旋回動作に対応して、この旋回動作の鉛直軸周り方向と同じ方向に、この情報表示領域12e内の方向情報42c−3を横移動する。また、表示部12は、カプセル型医療装置2の操作対象方向が操作入力部45から向かって左側の方向である場合、情報表示領域12eの中心部分に左向きの矢印が位置するように方向情報42c−4を表示する。そして、表示部12は、このカプセル型医療装置2の±45°の範囲内の旋回動作に対応して、この旋回動作の鉛直軸周り方向と同じ方向に、この情報表示領域12e内の方向情報42c−4を横移動する。
また、表示部12は、図22に示すように、操作入力部45のジョイスティック15bの左右方向D8の傾動操作、すなわち磁気誘導時のカプセル型医療装置2の旋回動作に対応して、情報表示領域12e内の方向情報42cを順次横移動する。この場合、例えば操作入力部45から向かって奥側の方向から右回りにカプセル型医療装置2が旋回動作すれば、表示部12は、情報表示領域12e内に、方向情報42c−1、方向情報42c−2、方向情報42c−3、方向情報42c−4をこの順に順次表示する。一方、操作入力部45から向かって奥側の方向から左回りにカプセル型医療装置2が旋回動作すれば、表示部12は、情報表示領域12e内に、方向情報42c−1、方向情報42c−4、方向情報42c−3、方向情報42c−2をこの順に順次表示する。
一方、表示部12は、例えば図20に示すように、これら体内画像P1,P2のうちの操作対象画像である体内画像P1に関連付けて、操作入力部45によるカプセル型医療装置2の操作情報の入力有りを示す情報を表示する。具体的には、画像表示装置43の制御部44は、操作入力部45によってカプセル型医療装置2の操作情報が入力された旨を示す通知を制御装置46の制御部49から受けた場合、この通知に基づく操作情報の入力有りを示す情報を表示するように表示部12を制御する。
表示部12は、かかる制御部44の制御に基づいて、図20に示すように、操作対象画像である体内画像P1に関連付けて、カプセル型医療装置2の操作情報の入力有りを示すマーク42d,42eを表示する。ここで、マーク42dは、カプセル型医療装置2の操作対象方向(例えば撮像方向B1)に向かって左側への水平動作をカプセル型医療装置2に行わせる磁気誘導の操作情報の入力有りを示す情報である。また、マーク42eは、カプセル型医療装置2の操作対象方向に向かって右側への水平動作をカプセル型医療装置2に行わせる磁気誘導の操作情報の入力有りを示す情報である。表示部12は、図21に示すように、操作入力部45のジョイスティック15aが左右方向D6のうちの左方向に傾動操作された場合、主画像表示領域12bの左側近傍であって体内画像P1の中心線上にマーク42dを表示する。また、表示部12は、このジョイスティック15aが左右方向D6のうちの右方向に傾動操作された場合、主画像表示領域12bの右側近傍であって体内画像P1の中心線上にマーク42eを表示する。
なお、表示部12は、操作入力部45による操作情報の入力の有無によらず、主画像表示領域12bの近傍にマーク42d,42eを所定の色(例えば白色等)で常時表示し、かかる操作情報が入力された場合に、マーク42d,42eのうちの操作情報に対応するマークの色を別の色(例えば黄色等)に変えて表示してもよい。
一方、表示部12は、図21に示すように、操作入力部45のジョイスティック15aが上下方向D5に傾動操作された場合、体内画像P1内のマーク42aの表示色をデフォルト色(例えば黄色等)から別の色(例えば青色等)に変化させる。これによって、表示部12は、かかるジョイスティック15aの傾動操作に対応する操作情報、すなわちカプセル型医療装置2の操作対象方向(例えば撮像方向B1)に向かって奥側または手前側への水平動作をカプセル型医療装置2に行わせる磁気誘導の操作情報の入力有りを示す情報を表示する。また、操作入力部45によってカプセル型医療装置2の鉛直動作を行わせる磁気誘導の操作情報が入力された場合、表示部12は、体内画像P1内のマーク42bの表示色をデフォルト色(例えば黄色等)から別の色(例えば青色等)に変化させる。これによって、表示部12は、かかる鉛直動作に対応する操作情報の入力有りを示す情報を表示する。
なお、上述した図20,21においては、一例として撮像部21による体内画像P1を操作対象画像として設定し、この操作対象画像である体内画像P1に関連付けて、仰角情報のマーク42a,42b、方向情報42cおよびマーク42d,42eを表示しているが、本発明は、これに限定されない。すなわち、撮像部22による体内画像P2が操作対象画像であってもよく、この場合、表示部12は、操作対象画像である体内画像P2に関連付けて、上述した仰角情報のマーク42a,42b、方向情報42cおよびマーク42d,42eを表示すればよい。
以上、説明したように、本発明の実施の形態3にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、カプセル型医療装置内の複数の撮像部によって撮像された各体内画像のうちの操作対象画像に関連付けて、このカプセル型医療装置の仰角情報と方位角情報と操作情報の入力有りを示す情報とを表示するようにし、その他を実施の形態1と同様に構成した。このため、上述した実施の形態1の場合と同様の作用効果を享受するとともに、磁気誘導対象であるカプセル型医療装置によって撮像された被検体の各体内画像を参照しつつ、このカプセル型医療装置の仰角、方位角および動作方向(磁気誘導方向)を容易に視認でき、この結果、被検体内部のカプセル型医療装置の磁気誘導を一層容易に操作することが可能なカプセル型医療装置誘導システムを実現できる。
また、かかる操作対象画像に関連付けてカプセル型医療装置の方位角情報を表示することによって、磁気誘導対象であるカプセル型医療装置の撮像方向が被検体内部における何れの方向を向いているかを把握しつつ、このカプセル型医療装置の磁気誘導を操作することができる。これによって、被検体の臓器内部検査に必要な体内画像を容易に撮像することができ、この結果、かかる体内画像を通した被検体の臓器内部検査を短時間に行うことができる。
なお、他の構成、動作および効果は、上述した実施の形態またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4について説明する。上述した実施の形態3では、カプセル型医療装置2の撮像部21,22によって撮像された体内画像P1,P2のうちの操作対象画像に関連付けて、カプセル型医療装置2の仰角情報および方位角情報等を表示していたが、この実施の形態4では、これら体内画像P1,P2の中から、カプセル型医療装置2の磁気誘導時の操作対象画像を選択的に切り替え、操作対象画像として選択された体内画像に関連付けて、カプセル型医療装置2の仰角情報および方位角情報等を表示している。
図23は、本発明の実施の形態4にかかるカプセル型医療装置誘導システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図23に示すように、この実施の形態4にかかるカプセル型医療装置誘導システム51は、上述した実施の形態3にかかるカプセル型医療装置誘導システム41の画像表示装置43に代えて画像表示装置53を備え、操作入力部45に代えて操作入力部55を備え、制御装置46に代えて制御装置56を備える。この実施の形態4において、画像表示装置53は、上述した実施の形態3にかかる画像表示装置43の制御部44に代えて制御部54を備える。また、制御装置56は、上述した実施の形態3にかかる制御装置46の制御部49に代えて制御部59を備える。その他の構成は実施の形態3と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
画像表示装置53は、カプセル型医療装置2の撮像部21,22が撮像した体内画像P1,P2のうち、操作入力部55が入力した選択情報によって選択される体内画像をカプセル型医療装置2の磁気誘導時の操作対象画像として明示する。画像表示装置53は、かかる操作入力部55からの選択情報に対応して体内画像P1,P2の中から操作対象画像を切り替え、かかる操作対象画像の切り替えに対応して、カプセル型医療装置2の仰角情報および方位角情報の表示を切り替える。なお、画像表示装置53は、かかる操作対象画像の明示機能およびカプセル型医療装置2の仰角情報および方位角情報の切替表示機能以外、上述した実施の形態3における画像表示装置43と同様の機能を有する。
かかる画像表示装置53の制御部54は、操作入力部55によって入力された選択情報を制御装置56の制御部59から取得し、撮像部21,22による体内画像P1,P2のうち、この取得した選択情報によって選択される体内画像を操作対象画像として明示するように表示部12を制御する。制御部54は、かかる選択情報を取得する都度、これら体内画像P1,P2の中から操作対象画像を順次切り替え、かかる操作対象画像の切り替えに対応して、操作対象画像として明示する体内画像を切り替えるように表示部12を制御する。また、制御部54は、かかる操作対象画像の切り替えに対応して、カプセル型医療装置2の仰角情報と方位角情報と操作情報の入力有りを示す情報とに関連付ける操作対象画像を体内画像P1,P2の中から切り替える。そして、制御部54は、これら体内画像P1,P2のうちの操作対象画像である体内画像に常時関連付けてカプセル型医療装置2の仰角情報と方位角情報と操作情報の入力有りを示す情報とを表示するように表示部12を制御する。なお、制御部54は、かかる操作対象画像の切り替えに伴う表示部12の制御機能以外、上述した実施の形態3における画像表示装置43の制御部44と同様の機能を有する。
表示部12は、かかる制御部54の制御に基づいて、撮像部21,22による体内画像P1,P2のうちの操作対象画像である体内画像に常時関連付けて、カプセル型医療装置2の仰角情報と、方位角情報と、操作情報の入力有りを示す情報とを表示する。図24は、本発明の実施の形態4にかかる画像表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。表示部12は、例えば図24に示すように、主画像表示領域12b,12cのうちの主画像表示領域12bの周囲に枠画像32aを表示し、この枠画像32aの表示によって、この主画像表示領域12b内の体内画像P1を操作対象画像として明示する。この場合、表示部12は、上述した実施の形態3の場合と同様に、この操作対象画像である体内画像P1内に仰角情報のマーク42a,42bを表示し、主画像表示領域12bの上側近傍の情報表示領域12eに方向情報42cを表示する。また、表示部12は、操作入力部55による操作情報の入力に対応して、主画像表示領域12bの近傍にマーク42dまたはマーク42eを表示し、あるいは、操作対象画像である体内画像P1内のマーク42aまたはマーク42bの表示色を変更する。
ここで、かかる表示部12のウィンドウ12aは、図24に示すように、主画像表示領域12cの上側近傍に、上述した情報表示領域12eと同様であるバー状の情報表示領域12fを含む。表示部12は、体内画像P2が操作対象画像である場合、上述した主画像表示領域12bの周囲から主画像表示領域12cの周囲に枠画像32aの表示位置を変更して枠画像32aを表示し、これによって、この主画像表示領域12c内の体内画像P2を操作対象画像として明示する。これと同時に、表示部12は、体内画像P1内に表示していた仰角情報のマーク42a,42bを操作対象画像である体内画像P2内に表示し、主画像表示領域12b側の情報表示領域12e内に表示していた方向情報42cを主画像表示領域12c側の情報表示領域12f内に表示する。さらに、表示部12は、操作入力部55による操作情報の入力に対応して、主画像表示領域12cの近傍にマーク42dまたはマーク42eを表示し、あるいは、操作対象画像である体内画像P2内のマーク42aまたはマーク42bの表示色を変更する。
操作入力部55は、上述したカプセル型医療装置2の磁気誘導を操作するための操作情報および画像表示装置53に対する指示情報の他に、画像表示装置53に表示される操作対象画像を選択する選択情報の入力機能を有する。図25は、本発明の実施の形態4における操作入力部の一構成例を示す模式図である。図25に示すように、操作入力部55は、上述したジョイスティック15a,15bおよび入力スイッチ45c,45dの他に、入力スイッチ55eを備える。入力スイッチ55eは、画像表示装置53が表示する体内画像P1,P2の中から操作対象画像を選択する選択情報を入力するためのスイッチである。操作入力部55は、入力スイッチ55eの押し下げ操作に対応して、操作対象画像の選択情報を制御装置56の制御部59に入力し、かかる入力スイッチ55eの押し下げ操作が行われる都度、体内画像P1,P2のうちの操作対象画像を切り替えて選択する選択情報を制御部59に順次入力する。具体的には、操作入力部55は、入力スイッチ55eの押し下げ操作に対応して、操作対象画像として体内画像P1を選択する選択情報を制御部59に入力し、その後の入力スイッチ55eの押し下げ操作に対応して、体内画像P1と異なる撮像方向の体内画像P2を操作対象画像として選択する選択情報を制御部59に入力する。なお、操作入力部55は、かかる入力スイッチ55eによる情報入力機能以外、上述した実施の形態3における操作入力部45と同様の機能を有する。
制御装置56は、上述したように制御部59を備え、操作入力部55によって入力された操作対象画像の選択情報に対応して、カプセル型医療装置2の磁気誘導方向を変更するように磁気誘導装置3を制御するとともに、操作対象画像を切り替えるように画像表示装置53を制御する。なお、制御装置56は、かかる選択情報に応じた磁気誘導装置3および画像表示装置53の制御機能以外、上述した実施の形態3における制御装置46と同様の機能を有する。
制御部59は、上述した画像表示装置53における操作対象画像の切り替えに対応して、磁気誘導対象であるカプセル型医療装置2の磁気誘導方向を変更するように磁気誘導装置3を制御する。具体的には、制御部59は、操作入力部55によって入力された操作対処画像の選択情報を取得する。制御部59は、この選択情報によって選択される操作対象画像の撮像方向の切り替えに対応して、上述した絶対座標系における誘導用磁界の磁界方向およびベッド4の移動方向の少なくとも一方を変更してカプセル型医療装置2を磁気誘導するように磁気誘導装置3を制御する。なお、かかる選択情報によって選択される操作対象画像の撮像方向は、上述したカプセル型医療装置2の操作対象方向であり、例えば撮像部21,22の撮像方向B1,B2のいずれかである。制御部59は、このように選択情報の入力に応じてカプセル型医療装置2の磁気誘導方向を変更することによって、画像表示装置53における操作対象画像の動き方向とジョイスティック15a,15bの傾動方向との対応関係を一定に維持しつつカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御する。
また、制御部59は、上述した操作入力部55によって入力された操作対象画像の選択情報を画像表示装置53の制御部54に送信する。これによって、制御部59は、上述した画像表示装置53による操作対象画像の切り替えを制御する。
なお、制御部59は、かかる選択情報の入力に応じたカプセル型医療装置2の磁気誘導方向の変更機能および操作対象画像の切替制御機能以外、上述した実施の形態3における制御装置46の制御部49と同様の機能を有する。
つぎに、本発明の実施の形態4にかかる制御装置56によるカプセル型医療装置2の磁気誘導制御について説明する。図26は、本発明の実施の形態4にかかるカプセル型医療装置誘導システムの制御装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。図27は、実施の形態4にかかる画像表示装置が操作対象画像を切り替える状態を示す模式図である。
制御装置56は、上述した操作情報に基づいてカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御し、操作入力部55によって操作対象画像の選択情報が入力された場合、この選択情報に対応して、このカプセル型医療装置2の磁気誘導方向を変更するとともに、画像表示装置53に操作対象画像を切り替えさせる。
具体的には、図26に示すように、制御装置56の制御部59は、まず、磁気誘導対象であるカプセル型医療装置2の磁気誘導指示の有無を判断する(ステップS201)。このステップS201において、制御部59は、操作入力部55によって操作情報を入力された場合、この操作情報に基づいてカプセル型医療装置2の磁気誘導指示有りと判断する。一方、制御部59は、操作入力部55によって操作情報を入力されていない場合、カプセル型医療装置2の磁気誘導指示無しと判断する。
制御部59は、このステップS201においてカプセル型医療装置2の磁気誘導指示有りと判断した場合(ステップS201,Yes)、磁気誘導対象であるカプセル型医療装置2を磁気誘導するように磁気誘導装置3を制御する(ステップS202)。このステップS202において、制御部59は、操作入力部55から取得した操作情報によって指定される磁気誘導方向および磁気誘導速度に応じたカプセル型医療装置2の磁気誘導を行うように磁気誘導装置3を制御する。この場合、制御部59は、この操作情報に基づく磁気誘導方向および磁気誘導速度に応じたカプセル型医療装置2の磁気誘導に必要な誘導用磁界を発生するように磁界発生部5を制御する。且つ、制御部59は、この操作情報に基づく磁気誘導方向および磁気誘導速度に応じたベッド4のテーブル部分の平行移動を行うように駆動部4aを制御する。また、制御部59は、このステップS202において、この磁気誘導状態のカプセル型医療装置2の仰角情報、方位角情報および位置情報を表示するように表示部17を制御する(図11参照)。
なお、この時点において、画像表示装置53は、上述したように、カプセル型医療装置2の撮像部21,22によって撮像された被検体100の体内画像P1,P2を表示するとともに、これらの体内画像P1,P2のうちのいずれかである操作対象画像を明示する。また、画像表示装置53は、かかる体内画像P1,P2のいずれかである操作対象画像に関連付けて、磁気誘導状態のカプセル型医療装置2の仰角情報および方位角情報を表示する。さらに、画像表示装置53は、上述した操作情報の入力に対応して、この操作情報の入力有りを示す情報を操作対象画像に関連付けて表示する。
つぎに、制御部59は、カプセル型医療装置2の磁気誘導時における操作対象画像の画像切替指示の有無を判断する(ステップS203)。このステップS203において、制御部59は、操作入力部55によって操作対象画像の選択情報を入力された場合、この選択情報によって選択される操作対象画像への画像切替指示有りと判断する。一方、制御部59は、操作入力部55によって操作対象画像の選択情報を入力されていない場合、操作対象画像の画像切替指示無しと判断する。
制御部59は、このステップS203において操作対象画像の画像切替指示有りと判断した場合(ステップS203,Yes)、この操作対象画像の選択情報を画像表示装置53の制御部54に送信して、カプセル型医療装置2の磁気誘導時に参照する操作対象画像を切り替えるように画像表示装置53を制御する(ステップS204)。また、制御部59は、このステップS204において、上述した図11に示したカプセル模式画像E1におけるマーキング位置を、この選択情報によって選択される操作対象画像の撮像方向に応じた位置に変更するように表示部17を制御する。これによって、制御部59は、この選択情報に対応するカプセル型医療装置2の操作対象方向を表示部17に表示させる。
一方、画像表示装置53は、このステップS204において、かかる制御部59から操作対象画像の選択情報を取得し、この取得した選択情報によって選択される体内画像に操作対象画像を切り替えるとともに、カプセル型医療装置2の仰角情報および方位角情報等の情報表示を切り替える。
具体的には、画像表示装置53は、この選択情報によって体内画像P2が選択された場合、現時点の操作対象画像である体内画像P1から体内画像P2に操作対象画像を切り替える。この場合、画像表示装置53は、図27に示すように、主画像表示領域12bの周囲に表示していた枠画像32aを主画像表示領域12cの周囲に表示し、これによって、この主画像表示領域12c内の体内画像P2を操作対象画像として明示する。また、画像表示装置53は、体内画像P1内に表示していた仰角情報のマーク42a,42bを切替後の操作対象画像である体内画像P2内に表示し、これによって、この体内画像P2に関連付けてカプセル型医療装置2の仰角情報を表示する。さらに、画像表示装置53は、主画像表示領域12b側の情報表示領域12eに表示していた方向情報42cを主画像表示領域12c側の情報表示領域12fに表示し、これによって、この体内画像P2に関連付けてカプセル型医療装置2の方位角情報を表示する。この場合、画像表示装置53は、かかる操作対象画像の切替に対応して、方向情報42cによって示されるカプセル型医療装置2の操作対象方向(すなわち方向情報42c内の矢印の向き)を変更する。また、画像表示装置53は、操作入力部55による操作情報の入力に対応して、主画像表示領域12cの近傍にマーク42d,42eを適宜表示し、あるいは、体内画像P2内のマーク42aまたはマーク42bの表示色を変更する。これによって、画像表示装置53は、この体内画像P2に関連付けてカプセル型医療装置2の操作情報の入力有りを示す情報を表示する。
一方、画像表示装置53は、上述した選択情報によって体内画像P1が選択された場合、現時点の操作対象画像である体内画像P2から体内画像P1に操作対象画像を切り替える。この場合、画像表示装置53は、図27に示すように、主画像表示領域12cの周囲に表示していた枠画像32aを主画像表示領域12bの周囲に表示し、これによって、この主画像表示領域12b内の体内画像P1を操作対象画像として明示する。また、画像表示装置53は、体内画像P2内に表示していた仰角情報のマーク42a,42bを切替後の操作対象画像である体内画像P1内に表示し、これによって、この体内画像P1に関連付けてカプセル型医療装置2の仰角情報を表示する。さらに、画像表示装置53は、主画像表示領域12c側の情報表示領域12fに表示していた方向情報42cを主画像表示領域12b側の情報表示領域12eに表示し、これによって、この体内画像P1に関連付けてカプセル型医療装置2の方位角情報を表示する。この場合、画像表示装置53は、かかる操作対象画像の切替に対応して、方向情報42cによって示されるカプセル型医療装置2の操作対象方向(すなわち方向情報42c内の矢印の向き)を変更する。また、画像表示装置53は、操作入力部55による操作情報の入力に対応して、主画像表示領域12bの近傍にマーク42d,42eを適宜表示し、あるいは、体内画像P1内のマーク42aまたはマーク42bの表示色を変更する。これによって、画像表示装置53は、この体内画像P1に関連付けてカプセル型医療装置2の操作情報の入力有りを示す情報を表示する。
上述したステップS204を実行後、制御部59は、上述したステップS203において操作入力部55が入力した選択情報に対応して、磁気誘導対象であるカプセル型医療装置2の磁気誘導方向を変更するように磁気誘導装置3を制御する(ステップS205)。このステップS205において、制御部59は、この入力された選択情報によって選択される操作対象画像の撮像方向の切り替えに対応して、上述した絶対座標系における誘導用磁界の磁界方向およびベッド4の移動方向の少なくとも一方を変更してカプセル型医療装置2を磁気誘導するように磁気誘導装置3を制御する。これによって、制御部59は、画像表示装置53における操作対象画像の動き方向と操作入力部55の傾動方向との対応関係を一定に維持しつつカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御する。
具体的には、この磁気誘導対象であるカプセル型医療装置2の撮像部21,22の撮像方向B1,B2が図3に示したように互いに反対方向であり、且つ、かかる撮像部21の撮像面の上側と撮像部22の撮像面の上側とが同じ側である場合、制御部59は、上述した操作対象画像の切替前後において、カプセル型医療装置2の操作対象方向(すなわち操作対象画像の撮像方向)に平行な磁気誘導方向を反対方向に変更する。また、制御部59は、上述した操作対象画像の切替前後において、撮像部21,22の左右方向に平行な磁気誘導方向を反対方向に変更し、撮像部21,22の上下方向D2,D3に平行な磁気誘導方向を同じ方向にする(すなわち磁気誘導方向を変更しない)。さらに、制御部59は、上述した操作対象画像の切替前後において、カプセル型医療装置2の揺動動作における磁気誘導方向、すなわち磁気誘導によるカプセル型医療装置2の揺動動作方向を反対方向に変更し、カプセル型医療装置2の旋回動作における磁気誘導方向、すなわち磁気誘導によるカプセル型医療装置2の旋回動作方向を同じ方向にする。一方、この磁気誘導対象であるカプセル型医療装置2の撮像部21,22の撮像方向B1,B2が図3に示したように互いに反対方向であり、且つ、かかる撮像部21の撮像面の上側と撮像部22の撮像面の上側とが互いに反対側である場合、制御部59は、上述した操作対象画像の切替前後において、カプセル型医療装置2の操作対象方向に平行な磁気誘導方向を反対方向に変更する。また、制御部59は、上述した操作対象画像の切替前後において、撮像部21,22の左右方向に平行な磁気誘導方向を同じ方向にし、撮像部21,22の上下方向D2,D3に平行な磁気誘導方向を反対方向に変更する。さらに、制御部59は、上述した操作対象画像の切替前後において、カプセル型医療装置2の揺動動作における磁気誘導方向を同じ方向にし、カプセル型医療装置2の旋回動作における磁気誘導方向を反対方向に変更する。
上述したステップS205を実行後、制御部59は、ステップS201に戻り、このステップS201以降の処理手順を繰り返す。一方、制御部59は、ステップS201においてカプセル型医療装置2の磁気誘導指示無しと判断した場合(ステップS201,No)、ステップS203に進み、このステップS203以降の処理手順を繰り返す。また、制御部59は、ステップS203において操作対象画像の画像切替指示無しと判断した場合(ステップS203,No)、ステップS201に戻り、このステップS201以降の処理手順を繰り返す。
以上、説明したように、本発明の実施の形態4にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、カプセル型医療装置内の複数の撮像部によって撮像された各体内画像の中からカプセル型医療装置の磁気誘導時の操作対象画像を切り替えるようにし、かかる操作対象画像の切替に対応して、操作対象画像として明示する体内画像を変更するとともに、カプセル型医療装置の仰角情報および方位角情報の表示を切り替え、さらに、この切替後の操作対象画像の撮像方向に応じてカプセル型医療装置の磁気誘導方向を変更するようにし、その他を実施の形態3と同様に構成した。このため、上述した実施の形態3の場合と同様の作用効果を享受するとともに、カプセル型医療装置の磁気誘導時に参照する操作対象画像の切り替え前後において操作対象画像の動き方向と操作入力部の傾動方向との対応関係を一定に維持しつつ、カプセル型医療装置を磁気誘導でき、これによって、表示画面内の複数の体内画像のうちの所望の体内画像を参照しつつ被検体内部のカプセル型医療装置の磁気誘導を容易に操作することが可能なカプセル型医療装置誘導システムを実現できる。
また、複数の体内画像の中から操作対象画像を切り替えた場合であっても、かかる操作対象画像の切り替えに対応して、カプセル型医療装置の仰角情報と方位角情報と操作情報の入力有りを示す情報とを切り替えて表示するので、切替後の操作対象画像を参照しつつ、被検体内部におけるカプセル型医療装置の撮像方向および磁気誘導方向を容易に視認できる。この結果、被検体の臓器内部検査に必要な体内画像を観察しつつ被検体内部のカプセル型医療装置の磁気誘導を容易に操作することができる。
なお、他の構成、動作および効果は、上述した実施の形態またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(実施の形態5)
つぎに、本発明の実施の形態5について説明する。上述した実施の形態1〜4では、被検体100内部のカプセル型医療装置2を水平方向に磁気誘導する際、液体101中におけるカプセル型医療装置2の姿勢によらず、絶対座標系の水平軸方向、すなわちX軸方向またはY軸方向にカプセル型医療装置2を磁気誘導していたが、この実施の形態5では、カプセル型医療装置2の長軸27の方向および長軸27に垂直な方向(すなわちカプセル型医療装置2の径方向)にカプセル型医療装置2を磁気誘導できるようにしている。
図28は、本発明の実施の形態5にかかるカプセル型医療装置誘導システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図28に示すように、この実施の形態5にかかるカプセル型医療装置誘導システム61は、上述した実施の形態4にかかるカプセル型医療装置誘導システム51の画像表示装置53に代えて画像表示装置63を備え、制御装置56に代えて制御装置66を備える。この実施の形態5において、画像表示装置63は、上述した実施の形態4にかかる画像表示装置53の制御部54に代えて制御部64を備える。また、制御装置66は、上述した実施の形態4にかかる制御装置56の制御部59に代えて制御部69を備える。その他の構成は実施の形態4と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
画像表示装置63は、上述したように制御部64を備え、カプセル型医療装置2の長軸27の方向または径方向への磁気誘導に対応する操作情報の入力有りの情報を操作対象画像に関連付けて表示する。なお、画像表示装置63は、かかる操作情報の入力有りの情報表示機能以外、上述した実施の形態4における画像表示装置53と同様の機能を有する。
制御部64は、カプセル型医療装置2の長軸27の方向または径方向への磁気誘導に対応する操作情報の入力有りの情報を表示部12に表示させる。具体的には、制御部64は、カプセル型医療装置2の長軸27の方向または径方向への磁気誘導を操作するための操作情報が操作入力部55によって入力された旨の通知を制御装置66の制御部69から受ける。制御部64は、この入力有りの通知に基づいて、かかるカプセル型医療装置2の長軸27の方向または径方向への磁気誘導に対応する操作情報の入力有りを示す情報を、上述した体内画像P1,P2のうちの操作対象画像に関連付けて表示するように表示部12を制御する。なお、制御部64は、かかる操作情報の入力有りを示す情報の表示制御機能以外、上述した実施の形態4における画像表示装置53の制御部54と同様の機能を有する。
一方、制御装置66は、上述したように制御部69を備え、カプセル型医療装置2の長軸27の方向または径方向への磁気誘導を磁気誘導装置3に行わせる。なお、制御装置66は、かかるカプセル型医療装置2の長軸27の方向または径方向への磁気誘導の制御機能以外、上述した実施の形態4における制御装置56と同様の機能を有する。
制御部69は、上述した操作入力部55によって入力された操作情報に基づいて、カプセル型医療装置2の長軸27の方向または径方向にカプセル型医療装置2を磁気誘導するように磁気誘導装置3を制御する。この場合、制御部69は、磁界発生部5による誘導用磁界の磁界強度および磁界方向と駆動部4aによるベッド4の移動方向および移動量とを制御し、かかる磁界発生部5および駆動部4aに対する各制御の組み合わせによって、磁気誘導装置3にカプセル型医療装置2の長軸27の方向または径方向への磁気誘導を行わせる。ここで、この実施の形態5において、操作入力部55が入力する操作情報によって指定される磁気誘導方向は、鉛直軸周り、水平軸周り、カプセル型医療装置2の長軸27の方向または径方向である。また、かかるカプセル型医療装置2の長軸27の方向として、例えば撮像部21または撮像部22の撮像方向(すなわち操作対象画像の撮像方向)が挙げられ、かかるカプセル型医療装置2の径方向として、例えば撮像部21または撮像部22の撮像面の上下方向および左右方向が挙げられる。
なお、制御部69は、鉛直軸周りのカプセル型医療装置2の磁気誘導および水平軸周りのカプセル型医療装置2の磁気誘導について、上述した実施の形態4における制御装置56の制御部59と同様に磁気誘導装置3を制御する。また、制御部69は、かかるカプセル型医療装置2の磁気誘導の制御機能以外、上述した実施の形態4における制御装置56の制御部59と同様の機能を有する。
つぎに、本発明の実施の形態5における制御装置66によって制御されるカプセル型医療装置2の磁気誘導について説明する。図29は、本発明の実施の形態5におけるカプセル型医療装置の磁気誘導を説明する模式図である。
この実施の形態5において、操作入力部55は、図25に示したジョイスティック15aの上下方向D5の傾動操作に対応して、カプセル型医療装置2の磁気誘導方向を長軸27の方向、すなわち撮像部21,22の撮像方向B1,B2のうちの操作対象画像の撮像方向に決定し、この上下方向D5への傾動操作量に対応して、長軸27の方向へのカプセル型医療装置2の動作速度を決定する。この場合、操作入力部55は、カプセル型医療装置2の磁気誘導方向として長軸27の方向を指定し且つ長軸27の方向へのカプセル型医療装置2の動作速度を指定する操作情報を制御装置66の制御部69に入力する。
また、操作入力部55は、図25に示したジョイスティック15aの左右方向D6の傾動操作に対応して、カプセル型医療装置2の磁気誘導方向をカプセル型医療装置2の径方向、すなわち撮像部21または撮像部22の撮像面の左右方向に決定し、この左右方向D6への傾動操作量に対応して、この撮像面の左右方向へのカプセル型医療装置2の動作速度を決定する。この場合、操作入力部55は、カプセル型医療装置2の磁気誘導方向として撮像面の左右方向を指定し且つ撮像面の左右方向へのカプセル型医療装置2の動作速度を指定する操作情報を制御装置66の制御部69に入力する。
一方、操作入力部55は、2つのジョイスティック15a,15bの上下方向D5,D7への同時傾動操作に対応して、カプセル型医療装置2の磁気誘導方向をカプセル型医療装置2の径方向、すなわち撮像部21または撮像部22の撮像面の上下方向に決定し、この上下方向D5,D7への傾動操作量に対応して、この撮像面の上下方向へのカプセル型医療装置2の動作速度を決定する。この場合、操作入力部55は、カプセル型医療装置2の磁気誘導方向として撮像面の上下方向を指定し且つ撮像面の上下方向へのカプセル型医療装置2の動作速度を指定する操作情報を制御装置66の制御部69に入力する。
なお、鉛直軸周りのカプセル型医療装置2の磁気誘導に対応する操作情報および水平軸周りのカプセル型医療装置2の磁気誘導に対応する操作情報は、上述した実施の形態4の場合と同様に操作入力部55によって制御装置66の制御部69に入力される。
制御装置66の制御部69は、かかる操作入力部55からの操作情報によって指定される磁気誘導方向および磁気誘導速度に応じたカプセル型医療装置2の磁気誘導を行うように磁気誘導装置3を制御する。具体的には、制御部69は、カプセル型医療装置2の長軸27に平行な撮像部21の撮像方向B1または撮像部22の撮像方向B2に向けて、この操作情報によって指定される磁気誘導速度でのカプセル型医療装置2の磁気誘導を行うように、磁界発生部5による誘導用磁界の磁界強度および磁界方向と駆動部4aによるベッド4の移動方向および移動量とを制御する。あるいは、制御部69は、カプセル型医療装置2の径方向、すなわち撮像部21または撮像部22の撮像面の上下方向または左右方向に向けて、この操作情報によって指定される磁気誘導速度でのカプセル型医療装置2の磁気誘導を行うように、磁界発生部5による誘導用磁界の磁界強度および磁界方向と駆動部4aによるベッド4の移動方向および移動量とを制御する。
カプセル型医療装置2は、被検体100内部の液体101中において、かかる磁気誘導装置3による磁気誘導に応じた各種動作を行う。具体的には、図29に示すように、液体101中のカプセル型医療装置2は、上述したジョイスティック15aの上下方向D5の傾動操作に対応して、長軸27の方向(すなわち操作対象画像の撮像方向)に前進または後進する前後進動作を行う。また、液体101中のカプセル型医療装置2は、上述したジョイスティック15aの左右方向D6の傾動操作に対応して、カプセル型医療装置2の径方向、詳細には操作対象画像の撮像面(すなわち撮像部21,22のいずれかの撮像面)の左右方向に移動する左右動作を行う。また、液体101中のカプセル型医療装置2は、上述したジョイスティック15a,15bの同時の傾動操作に対応して、カプセル型医療装置2の径方向、詳細には操作対象画像の撮像面の上下方向に移動する上下動作を行う。
つぎに、本発明の実施の形態5における画像表示装置63による操作情報の入力有りを示す情報の表示処理について説明する。図30は、本発明の実施の形態5にかかる画像表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。
画像表示装置63は、上述した体内画像P1,P2のうちの操作対象画像に関連付けて、操作入力部55によるカプセル型医療装置2の操作情報の入力有りを示す情報を表示する。この場合、画像表示装置63の制御部64は、上述したように、操作入力部55によってカプセル型医療装置2の操作情報が入力された旨を示す通知を制御装置66の制御部69から受け、この通知に基づく操作情報の入力有りを示す情報を表示するように表示部12を制御する。
表示部12は、かかる制御部64の制御に基づいて、例えば図30に示すように、体内画像P1,P2のうちの操作対象画像である体内画像P1に関連付けて、カプセル型医療装置2の長軸27の方向または径方向への磁気誘導に対応する操作情報の入力有りを示す情報を表示する。この場合、表示部12は、主画像表示領域12bの近傍にマーク42d〜42gのうちのいずれかを表示し、あるいは、操作対象画像である体内画像P1内に表示したマーク62aの表示色を変更する。
ここで、マーク42dは、図29に示したカプセル型医療装置2の左右動作のうちのカプセル型医療装置2の操作対象方向(例えば撮像方向B1)に向かって左側への動作をカプセル型医療装置2に行わせる磁気誘導の操作情報の入力有りを示す情報である。また、マーク42eは、図29に示したカプセル型医療装置2の左右動作のうちのカプセル型医療装置2の操作対象方向に向かって右側への動作をカプセル型医療装置2に行わせる磁気誘導の操作情報の入力有りを示す情報である。一方、マーク42fは、図29に示したカプセル型医療装置2の上下動作のうちのカプセル型医療装置2の操作対象方向に向かって上側への動作をカプセル型医療装置2に行わせる磁気誘導の操作情報の入力有りを示す情報である。また、マーク42gは、図29に示したカプセル型医療装置2の上下動作のうちのカプセル型医療装置2の操作対象方向に向かって下側への動作をカプセル型医療装置2に行わせる磁気誘導の操作情報の入力有りを示す情報である。一方、マーク62aは、図29に示したカプセル型医療装置2の前後進動作をカプセル型医療装置2に行わせる磁気誘導の操作情報の入力有りを示す情報である。
表示部12は、操作入力部55のジョイスティック15aが左右方向D6のうちの左方向に傾動操作された場合、図30に示すように、主画像表示領域12bの左側近傍であって体内画像P1の中心線上にマーク42dを表示する。また、表示部12は、操作入力部55のジョイスティック15aが左右方向D6のうちの右方向に傾動操作された場合、図30に示すように、主画像表示領域12bの右側近傍であって体内画像P1の中心線上にマーク42eを表示する。一方、表示部12は、操作入力部55のジョイスティック15a,15bが奥側に向かって同時に傾動操作された場合、図30に示すように、主画像表示領域12bの上側近傍にマーク42fを表示する。また、表示部12は、操作入力部55のジョイスティック15a,15bが手前側に向かって同時に傾動操作された場合、図30に示すように、主画像表示領域12bの下側近傍にマーク42gを表示する。
一方、表示部12は、図30に示すように、操作対象画像である体内画像P1内であって、上述した仰角情報のマーク42a,42b間の中心位置にマーク62aを表示する。表示部12は、体内画像P1内においてマーク42a,42b,62aを縦一列に並べて表示する。表示部12は、制御部64の制御に基づいて、かかるマーク42a,42bとの間隔を一定に維持しつつマーク42a,42bとともにマーク62aを移動する。
ここで、表示部12は、操作入力部55のジョイスティック15aが上下方向D5に傾動操作された場合、かかる体内画像P1内のマーク62aの表示色をデフォルト色(例えば黄色等)から別の色(例えば青色等)に変化させる。これによって、表示部12は、かかるジョイスティック15aの傾動操作に対応する操作情報、すなわち図29に示したカプセル型医療装置2の前後進動作をカプセル型医療装置2に行わせる磁気誘導の操作情報の入力有りを示す情報を表示する。
なお、表示部12は、操作入力部55による操作情報の入力の有無によらず、主画像表示領域12bの近傍にマーク42d〜42gを所定の色(例えば白色等)で常時表示し、かかる操作情報が入力された場合に、マーク42d〜42gのうちの操作情報に対応するマークの色を別の色(例えば黄色等)に変えて表示してもよい。
また、上述した図30においては、一例として撮像部21による体内画像P1が操作対象画像であり、この体内画像P1に関連付けて、仰角情報のマーク42a,42b、方向情報42cおよびマーク42d〜42g,62aを表示しているが、本発明は、これに限定されない。すなわち、撮像部22による体内画像P2が操作対象画像であってもよく、この場合、表示部12は、操作対象画像である体内画像P2に関連付けて、上述した仰角情報のマーク42a,42b、方向情報42cおよびマーク42d〜42g,62aを表示すればよい。なお、かかる表示部12による仰角情報のマーク42a,42b、方向情報42cおよび枠画像32aの各表示処理は、上述した実施の形態4の場合と同様である。
以上、説明したように、本発明の実施の形態5にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、カプセル型医療装置の長軸方向または径方向に向けてカプセル型医療装置を磁気誘導するとともに、この磁気誘導の操作情報の入力有りを示す情報を操作対象画像に関連付けて表示するようにし、その他を実施の形態4と同様に構成した。このため、上述した実施の形態4の場合と同様の作用効果を享受するとともに、カプセル型医療装置の磁気誘導を操作する際に参照する操作対象画像の撮像方向を基準に、被検体内部のカプセル型医療装置を容易に磁気誘導することが可能なカプセル型医療装置誘導システムを実現できる。
なお、他の構成、動作および効果は、上述した実施の形態またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(実施の形態6)
つぎに、本発明の実施の形態6について説明する。この実施の形態6にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、液面に浮揚した状態のカプセル型医療装置2を液面下に向けて磁気誘導する前に、このカプセル型医療装置2を印加磁界によって一時的に揺動動作させ、これによって、このカプセル型医療装置2に対する液面の表面張力の作用を排除している。
図31は、本発明の実施の形態6にかかるカプセル型医療装置誘導システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図31に示すように、この実施の形態6にかかるカプセル型医療装置誘導システム71は、上述した実施の形態5にかかるカプセル型医療装置誘導システム61の制御装置66に代えて制御装置76を備える。この実施の形態6において、制御装置76は、上述した実施の形態5にかかる制御装置66の制御部69に代えて制御部79を備える。その他の構成は実施の形態5と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
制御装置76は、上述したように制御部79を備え、被検体100内部のカプセル型医療装置2を液体101の液面下に磁気誘導する前に、この液面に浮遊した状態のカプセル型医療装置2に対して作用する液面の表面張力を排除するように磁気誘導装置3を制御する。制御装置76は、このように液面の表面張力の作用から解放された状態のカプセル型医療装置2を液面下に向けて磁気誘導するように磁気誘導装置3を制御する。なお、制御装置76は、かかるカプセル型医療装置2に作用する液面の表面張力の排除制御機能以外、上述した実施の形態5における制御装置66と同様の機能を有する。
制御部79は、操作入力部55からの操作情報によって液体101の液面下に向けてのカプセル型医療装置2の磁気誘導を指定された場合、この操作情報に基づいて、カプセル型医療装置2に対する液面の表面張力の作用を排除するように磁気誘導装置3を制御し、次いで、この液面の表面張力の作用から解放された状態のカプセル型医療装置2を液面下に向けて磁気誘導するように磁気誘導装置3を制御する。この場合、制御部79は、カプセル型医療装置2に対する液面の表面張力の作用を排除する排除用磁界をカプセル型医療装置2に印加するように磁界発生部5を制御し、この磁界発生部5の制御を通して、このカプセル型医療装置2に対する液面の表面張力の排除を制御する。なお、制御部79は、かかるカプセル型医療装置2に対する液面の表面張力の排除制御機能以外、上述した実施の形態5における制御装置66の制御部69と同様の機能を有する。
つぎに、本発明の実施の形態6にかかる制御装置76によるカプセル型医療装置2の磁気誘導制御について説明する。図32は、液面に浮揚した状態のカプセル型医療装置を液面下に向けて磁気誘導する際の制御装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。図33は、カプセル型医療装置に対する液面の表面張力の作用を排除する状態を示す模式図である。図34は、液体中のカプセル型医療装置の姿勢を復帰させる状態を示す模式図である。
制御装置76は、上述した図26に示したステップS202において、液体101の液面に浮揚した状態のカプセル型医療装置2に対する液面の表面張力の作用を排除した後に、この液面下に向けてカプセル型医療装置2を磁気誘導するように磁気誘導装置3を制御する。
すなわち、図32に示すように、制御装置76の制御部79は、被検体100内部のカプセル型医療装置2を液体101の液面下に向けて磁気誘導する前に、この液面に浮揚した状態のカプセル型医療装置2に対する液面の表面張力の作用を排除するように磁気誘導装置3を制御する(ステップS301)。
このステップS301において、制御部79は、このカプセル型医療装置2に対する液面の表面張力の作用を排除するための排除用磁界を発生するように磁界発生部5を制御する。ここで、この排除用磁界は、水平軸周りに所定の回転周波数(例えば0.5〜3Hz)で往復回転する回転磁界であり、上述した誘導用磁界とは別にカプセル型医療装置2に印加される。磁界発生部5は、かかる制御部79の制御に基づいて、このカプセル型医療装置2に排除用磁界を印加し、これによって、このカプセル型医療装置2に対する液面の表面張力の作用を排除する。
かかる排除用磁界の作用によって、この浮揚状態のカプセル型医療装置2は、その姿勢を一時的に変化させつつ液体101の液面下に沈む。具体的には、液体101の液面に浮揚状態のカプセル型医療装置2は、上述したように永久磁石26を内蔵しており、磁界発生部5による排除用磁界に追従して図33に示す番号順に水平軸周りの往復回転動作を行う。この場合、この浮揚状態のカプセル型医療装置2は、例えば0.5〜3Hzの回転周波数での往復回転動作を行い、これによって、その姿勢を高速変化させるとともに鉛直下方の慣性力を生成する。この浮揚状態のカプセル型医療装置2は、かかる鉛直下方の慣性力によって液面下に一時的に沈み込み、この結果、この液面の表面張力の作用から解放される。
上述したステップS301の処理手順を実行後、制御部79は、この液面の表面張力の作用から解放された状態のカプセル型医療装置2に鉛直下方の磁力を印加するように磁界発生部5を制御する(ステップS302)。このステップS302において、磁界発生部5は、かかる制御部79の制御に基づいて、この表面張力からの解放状態のカプセル型医療装置2、すなわち、上述した排除用磁界の作用によって液体101の液面下に一時的に沈み込んだ状態のカプセル型医療装置2に鉛直下方の磁界を印加する。これによって、磁界発生部5は、図33に示すように、この液面下のカプセル型医療装置2に鉛直下方の磁気引力を印加し、この磁気引力の作用によって、液面下における液面近傍の位置にカプセル型医療装置2を維持する。なお、かかる磁界発生部5による鉛直下方の磁界は、このカプセル型医療装置2に作用する重力と浮力との差を打ち消す程度の磁力を有する磁界であることが望ましい。
その後、制御部79は、ステップステップS301において姿勢変更したカプセル型医療装置2の姿勢を表面張力作用の排除前の状態に復帰するように磁界発生部5を制御する(ステップS303)。このステップS303において、磁界発生部5は、かかる制御部79の制御に基づいて、この液面下のカプセル型医療装置2に姿勢復帰用の磁界を印加する。具体的には、磁界発生部5は、上述したステップS301において浮揚状態のカプセル型医療装置2に表面張力作用の排除用磁界を印加する直前にカプセル型医療装置2に印加した誘導用磁界と同じ磁界方向の磁界を、姿勢復帰用の磁界としてこの液面下のカプセル型医療装置2に印加する。これによって、磁界発生部5は、この液面下のカプセル型医療装置2の姿勢を表面張力作用の排除前の姿勢(図33の破線によって示される姿勢)に復帰させる。
かかる姿勢復帰用の磁界の作用によって、この液面下のカプセル型医療装置2は、表面張力作用の排除前の姿勢を復帰する。具体的には、図34に示すように、この液面下のカプセル型医療装置2は、かかる姿勢復帰用の磁界に追従して揺動動作等の姿勢復帰動作を行い、これによって、上述した排除用磁界を印加される直前の姿勢(表面張力作用の排除前の姿勢)を再現する。
上述したステップS303の処理手順を実行後、制御部79は、上述した操作入力部55の操作に応じたカプセル型医療装置2の磁気誘導を行うように磁気誘導装置3を制御し(ステップS304)、その後、上述した図26に示したステップS202にリターンする。このステップS304において、制御部79は、上述した操作入力部55からの操作情報によって指定される磁気誘導方向および磁気誘導速度でのカプセル型医療装置2の磁気誘導を行うように磁気誘導装置3を制御する。この場合、この液面下のカプセル型医療装置2は、上述した実施の形態5の場合と同様に、揺動動作、旋回動作、操作対象画像の撮像方向への前後進動作、操作対象画像の撮像方向を基準とする左右動作および上下動作のうちの少なくとも一つを行う。
ここで、従来のカプセル型医療装置誘導システムは、液面に浮揚状態のカプセル型医療装置2を液面下に磁気誘導する際、この浮揚状態のカプセル型医療装置2内部の永久磁石26に、液面下方側の磁化方向を有する誘導用磁界を印加する。この場合、従来のカプセル型医療装置誘導システムは、この浮揚状態のカプセル型医療装置2に作用する液面の表面張力に抗するために、液面下におけるカプセル型医療装置2の磁気誘導時に比して強い磁界強度の誘導用磁界を発生させる必要がある。すなわち、従来のカプセル型医療装置誘導システムは、かかる高磁界強度の誘導用磁界の作用によって、この浮揚状態のカプセル型医療装置2を液面下に沈めると同時に液面下方にカプセル型医療装置2を磁気誘導する。このため、従来のカプセル型医療装置誘導システムは、液面下の近傍においてカプセル型医療装置2を制動することが困難であり、液体101中における意図しない位置または方向にカプセル型医療装置2を磁気誘導する可能性がある。
これに対し、本発明の実施の形態6にかかるカプセル型医療装置誘導システム71は、液体101の液面に浮揚状態のカプセル型医療装置2を液面下に磁気誘導する際、上述したように、この浮揚状態のカプセル型医療装置2に排除用磁界を印加してカプセル型医療装置2に対する液面の表面張力の作用を予め排除する。次いで、カプセル型医療装置誘導システム71は、この表面張力の作用から解放された状態のカプセル型医療装置2を磁力によって液面下の近傍に止めるとともに、この液面下のカプセル型医療装置2の姿勢を元の状態に復帰させる。その後、カプセル型医療装置誘導システム71は、かかる状態のカプセル型医療装置2に上述した誘導用磁界を印加してカプセル型医療装置2の磁気誘導を実行する。このようなカプセル型医療装置誘導システム71は、カプセル型医療装置2から液面の表面張力の作用を排除した後にカプセル型医療装置2の磁気誘導を実行することができ、この結果、液面下の近傍においてカプセル型医療装置2を容易に制動できるとともに、液体101中における所望の位置または方向にカプセル型医療装置2を容易に磁気誘導することができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態6にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、液面の表面張力の作用を排除するための排除用磁界を液面に浮揚状態のカプセル型医療装置に印加して、このカプセル型医療装置を液面の表面張力の作用から解放し、その後、この表面張力から解放状態のカプセル型医療装置に誘導用磁界を印加して、このカプセル型医療装置を磁気誘導するようにし、その他を実施の形態5と同様に構成した。このため、上述した実施の形態5の場合と同様の作用効果を享受するとともに、必要以上に高い磁界強度の誘導用磁界をカプセル型医療装置に印加することなく、液面に浮揚状態のカプセル型医療装置を液面下に円滑に磁気誘導することが可能なカプセル型医療装置誘導システムを実現できる。
なお、カプセル型医療装置2が液面下を潜泳する、いわゆる潜水モードの場合、表示部12に表示するウィンドウ12aにおける2つの主画像表示領域12bおよび12cの大きさを、カプセル型医療装置2が液面を遊泳する、いわゆる通常モードの場合の大きさよりも大きくしてもよい。これにより、ユーザに現在カプセル型医療装置の誘導モードがどのモードであるかを容易に認識させることが可能となる。
なお、他の構成、動作および効果は、上述した実施の形態またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(実施の形態7)
つぎに、本発明の実施の形態7について説明する。上述した実施の形態1〜6では、被検体100内部のカプセル型医療装置2を磁気的に捕捉する磁界発生部5の磁界発生制御と被検体100を支持するベッド4のテーブル部分の移動制御とを組み合わせてカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御していたが、この実施の形態7では、絶対座標系のX軸、Y軸およびZ軸の各軸方向の磁界を合成して生成される誘導用磁界によってカプセル型医療装置を磁気誘導している。
図35は、本発明の実施の形態7にかかるカプセル型医療装置誘導システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図35に示すように、この実施の形態7にかかるカプセル型医療装置誘導システム81は、上述した実施の形態6にかかるカプセル型医療装置誘導システム71のカプセル型医療装置2に代えてカプセル型医療装置82を備え、磁気誘導装置3に代えて磁気誘導装置83を備え、制御装置76に代えて制御装置86を備える。また、カプセル型医療装置誘導システム81は、被検体100内部におけるカプセル型医療装置82の位置を検出する位置検出部84を備える。この実施の形態7において、制御装置86は、上述した実施の形態6にかかる制御装置76の制御部79に代えて制御部89を備える。その他の構成は実施の形態6と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
カプセル型医療装置82は、被検体100の体内画像の撮像機能および無線通信機能を内蔵するカプセル型の医療装置であり、磁気誘導装置83によって磁気誘導可能である。図36は、本発明の実施の形態7にかかるカプセル型医療装置の一構成例を示す模式図である。図36に示すように、この実施の形態7にかかるカプセル型医療装置82は、カプセル型筐体20の外壁に、螺旋形状をなす螺旋構造体20dを備える。また、このカプセル型医療装置82において、永久磁石26は、その中心軸をカプセル型筐体20の長軸27上に配置した態様で内蔵される。なお、この永久磁石26の中心軸は、磁気誘導装置83による誘導用磁界に追従して回転する際の回転軸の一つである。かかるカプセル型医療装置82におけるその他の構成は、上述した実施の形態1〜6におけるカプセル型医療装置2と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
螺旋構造体20dは、カプセル型医療装置82の長軸27の方向の推進力を生成するための構造体である。具体的には、螺旋構造体20dは、図36に示すように、カプセル型筐体20の長軸27周りの螺旋形状を形成する態様でカプセル型筐体20の外壁に固定される。螺旋構造体20dは、このカプセル型筐体20の外壁から螺旋形状に沿って突起した状態であり、被検体100内部において腸等の消化管壁に接触し、長軸27周りに回転しつつ消化管壁と螺接する。この結果、螺旋構造体20dは、カプセル型医療装置82の長軸27の方向の推進力を生成する。カプセル型医療装置82は、かかる螺旋構造体20dが生成した推進力によって、長軸27の方向に前後進動作する。
磁気誘導装置83は、被検体100内部のカプセル型医療装置82を磁気誘導するためのものである。具体的には、磁気誘導装置83は、ヘルムホルツコイル等の磁界発生コイルを複数組み合わせたものを用いて実現される。磁気誘導装置83は、上述した絶対座標系の各軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)に対して電源部7からの通電量に基づく磁界強度の磁界を各々発生し、これら各軸方向の磁界を合成することによって誘導用磁界を発生する。なお、かかる磁気誘導装置83による誘導用磁界は、絶対座標系における3次元的な一様磁界、回転磁界または勾配磁界である。磁気誘導装置83は、絶対座標系の3次元空間内部である被検体100内部のカプセル型医療装置82に誘導用磁界を印加し、これによって、磁気誘導装置83は、被検体100内部のカプセル型医療装置82を磁気誘導し、この結果、この被検体100内部におけるカプセル型医療装置82の3次元的な位置および姿勢を制御する。
位置検出部84は、被検体100内部におけるカプセル型医療装置82の位置を検出する。具体的には、位置検出部84は、磁界検出コイル等を用いて実現される。位置検出部84は、制御装置86の制御に基づいて、このカプセル型医療装置82内部の永久磁石26から発生した磁界を検出する。位置検出部84は、この磁界の検出結果(磁界強度等)をもとに、絶対座標系におけるカプセル型医療装置82の3次元的な位置、すなわち被検体100内部におけるカプセル型医療装置82の位置を検出する。位置検出部84は、かかるカプセル型医療装置82の位置検出結果を制御装置86の制御部89に送信する。
なお、位置検出部84は、かかる磁界検出結果に基づいた位置検出処理を行うものに限らず、カプセル型医療装置82からの無線信号を受信する複数の受信アンテナを備え、これら複数の受信アンテナの各受信電界強度をもとに、被検体100内部におけるカプセル型医療装置82の位置を検出してもよい。
制御装置86は、上述したように制御部89を備え、上述した磁気誘導装置83および位置検出部84を各々制御する。なお、制御装置86は、かかる磁気誘導装置83および位置検出部84の各制御機能以外、上述した実施の形態6における制御装置76と同様の機能を有する。
制御部89は、操作入力部55によって入力された操作情報に基づいて、磁気誘導装置83の各磁界発生コイルに対する電源部7の通電量を制御し、この電源部7の制御を通して、磁気誘導装置83の誘導用磁界発生動作を制御する。この場合、制御部89は、上述した位置検出部84を制御して被検体100内部におけるカプセル型医療装置82の位置検出結果を位置検出部84から取得する。制御部89は、この取得した位置検出結果に示される絶対座標系の座標位置、すなわち被検体100内部におけるカプセル型医療装置82の現在位置に、操作入力部55からの操作情報に応じた誘導用磁界を印加するように磁気誘導装置83を制御する。また、制御部89は、この位置検出部84から取得したカプセル型医療装置82の位置検出結果に基づいて、被検体100内部におけるカプセル型医療装置82の位置情報を表示するように表示部17を制御する。なお、制御部89は、かかる磁気誘導装置83および位置検出部84の各制御機能以外、上述した実施の形態6における制御装置76の制御部79と同様の機能を有する。
つぎに、本発明の実施の形態7にかかるカプセル型医療装置82の長軸27の方向への磁気誘導について説明する。図37は、本発明の実施の形態7にかかるカプセル型医療装置を長軸方向に磁気誘導する状態を示す模式図である。
カプセル型医療装置82は、被検体100の腸等の消化管内に到達した場合、図37に示すように、この消化管壁と螺旋構造体20dとを螺接した状態になる。ここで、磁気誘導装置83は、制御部89の制御に基づいて、このカプセル型医療装置82の長軸27周りに回転する誘導用磁界を発生し、この長軸27周りの誘導用磁界をカプセル型医療装置82内の永久磁石26に印加する。この場合、永久磁石26は、かかる誘導用磁界に追従して螺旋構造体20dとともに長軸27周りに回転する。螺旋構造体20dは、消化管壁と螺接しつつ長軸27周りに回転し、これによって、長軸27の方向の推進力を生成する。カプセル型医療装置82は、かかる螺旋構造体20dの作用によって、長軸27の方向に前後進動作する。磁気誘導装置83は、このように誘導用磁界の作用によってカプセル型医療装置82に前後進動作を行わせつつ、長軸27の方向にカプセル型医療装置82を磁気誘導する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態7にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、カプセル型筐体の長軸周りの螺旋構造体を備えたカプセル型医療装置を被検体の臓器内部に導入し、絶対座標系の各軸方向の磁界を合成して生成される誘導用磁界を被検体内部のカプセル型医療装置に印加して、このカプセル型医療装置を磁気誘導するようにし、その他を実施の形態6と同様に構成した。このため、上述した実施の形態6の場合と同様の作用効果を享受するとともに、たとえ小腸または大腸等の小径の消化管内部であっても、この消化管壁と螺接した状態の螺旋構造体をカプセル型筐体の長軸周りに回転することによって、この消化管に沿ってカプセル型医療装置を容易に磁気誘導することが可能なカプセル型医療装置誘導システムを実現できる。
なお、他の構成、動作および効果は、上述した実施の形態またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(実施の形態8)
つぎに、本発明の実施の形態8について説明する。上述した実施の形態1〜6では、被検体100内部のカプセル型医療装置2を磁気的に捕捉する磁界発生部5の磁界発生制御と被検体100を支持するベッド4のテーブル部分の移動制御とを組み合わせてカプセル型医療装置2の磁気誘導を制御していたが、この実施の形態8では、誘導用磁界として発生させた勾配磁界によってカプセル型医療装置を磁気誘導している。
図38は、本発明の実施の形態8にかかるカプセル型医療装置誘導システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図38に示すように、この実施の形態8にかかるカプセル型医療装置誘導システム91は、上述した実施の形態6にかかるカプセル型医療装置誘導システム71のカプセル型医療装置2に代えてカプセル型医療装置92を備え、磁気誘導装置3に代えて磁気誘導装置93を備え、制御装置76に代えて制御装置96を備える。また、カプセル型医療装置誘導システム91は、被検体100内部におけるカプセル型医療装置92の位置および姿勢を検出する位置姿勢検出部94を備える。この実施の形態8において、制御装置96は、上述した実施の形態6にかかる制御装置76の制御部79に代えて制御部99を備える。その他の構成は実施の形態6と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
カプセル型医療装置92は、被検体100の体内画像の撮像機能および無線通信機能を内蔵するカプセル型の医療装置であり、磁気誘導装置93によって磁気誘導可能である。図39は、本発明の実施の形態8にかかるカプセル型医療装置の一構成例を示す模式図である。図39に示すように、この実施の形態8にかかるカプセル型医療装置92は、上述したように径方向に磁化する永久磁石26に代えてカプセル型筐体20の長軸27の方向に磁化する永久磁石97を備える。なお、かかるカプセル型医療装置92におけるその他の構成は、上述した実施の形態1〜6におけるカプセル型医療装置2と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
永久磁石97は、磁気誘導装置93によるカプセル型医療装置92の磁気誘導を可能にするためのものである。永久磁石97は、撮像部21,22に対して相対的に固定された状態でカプセル型筐体20の内部に配置される。この場合、永久磁石97は、図39に示すように、カプセル型筐体20の長軸27の方向に磁化する。すなわち、永久磁石97の磁化方向は、上述した撮像部21,22の撮像方向と平行である。また、永久磁石97の中心軸97aは、カプセル型筐体20の長軸27に対して平行であってカプセル型医療装置92の重心29から外れている。すなわち、永久磁石97の中心軸97a上には、カプセル型医療装置92の重心29は位置しない。
このように配置された永久磁石97には、磁気誘導装置93によってカプセル型医療装置92の外部から誘導用磁界が印加される。永久磁石97は、かかる誘導用磁界に追従して動作し、この結果、磁気誘導装置93によるカプセル型医療装置92の磁気誘導を実現する。この場合、カプセル型医療装置92は、かかる永久磁石97の作用によって、被検体100内部における位置、姿勢および方向の少なくとも一つを変更する動作を行う。あるいは、カプセル型医療装置92は、かかる永久磁石97の作用によって、被検体100内部における所望の位置に停止した状態を維持する。
磁気誘導装置93は、被検体100内部のカプセル型医療装置92を磁気誘導するためのものである。具体的には、磁気誘導装置93は、複数の磁界発生コイルを組み合わせて実現される。磁気誘導装置93は、電源部7から供給された電力をもとに、上述した絶対座標系における所望の方向に磁束密度が変化する勾配磁界を発生し、この勾配磁界を誘導用磁界として被検体100内部のカプセル型医療装置92に印加する。これによって、磁気誘導装置93は、絶対座標系の3次元空間内部である被検体100内部のカプセル型医療装置92を磁気誘導する。より具体的には、磁気誘導装置93は、この印加した勾配磁界の磁界方向によって、被検体100内部におけるカプセル型医療装置92の姿勢(すなわちカプセル型医療装置92の長軸27の3次元的な方向)を制御する。また、磁気誘導装置93は、この印加した勾配磁界の磁気引力によって、被検体100内部におけるカプセル型医療装置92の位置を制御する。
位置姿勢検出部94は、被検体100内部におけるカプセル型医療装置92の位置および姿勢を検出する。具体的には、位置姿勢検出部94は、磁界検出コイル等を用いて実現される。位置姿勢検出部94は、制御装置96の制御に基づいて、このカプセル型医療装置92内部の永久磁石97から発生した磁界の磁界強度および磁界方向を検出する。位置姿勢検出部94は、この検出した磁界強度をもとに、絶対座標系におけるカプセル型医療装置92の3次元的な位置、すなわち被検体100内部におけるカプセル型医療装置92の位置を検出する。また、位置姿勢検出部94は、この検出した磁界方向をもとに、絶対座標系におけるカプセル型医療装置92の長軸27の方向および径方向を検出し、この長軸27の方向および径方向によって規定されるカプセル型医療装置92の姿勢を検出する。位置姿勢検出部94は、かかるカプセル型医療装置92の位置および姿勢の各検出結果を制御装置96の制御部99に送信する。
なお、位置姿勢検出部94は、かかる磁界検出結果に基づいた位置検出処理を行うものに限らず、カプセル型医療装置92からの無線信号を受信する複数の受信アンテナを備え、これら複数の受信アンテナの各受信電界強度をもとに、被検体100内部におけるカプセル型医療装置92の位置を検出してもよい。
制御装置96は、上述したように制御部99を備え、上述した磁気誘導装置93および位置姿勢検出部94を各々制御する。なお、制御装置96は、かかる磁気誘導装置93および位置姿勢検出部94の各制御機能以外、上述した実施の形態6における制御装置76と同様の機能を有する。
制御部99は、操作入力部55によって入力された操作情報に基づいて、磁気誘導装置93の各磁界発生コイルに対する電源部7の通電量を制御し、この電源部7の制御を通して、磁気誘導装置93の誘導用磁界発生動作を制御する。この場合、制御部99は、操作入力部55からの操作情報によって指定される磁気誘導方向に基づいて、絶対座標系における誘導用磁界の勾配方向および磁界方向を決定する。また、制御部99は、この操作情報によって指定される磁気誘導速度に基づいて、絶対座標系における誘導用磁界の勾配変化(すなわち誘導用磁界による磁気引力)を決定する。制御部99は、このように決定した勾配方向、磁界方向および勾配変化を有する誘導用磁界を被検体100内部のカプセル型医療装置92に印加するように磁気誘導装置93を制御する。制御部99は、かかる誘導用磁界の磁界方向の制御を通して、被検体100内部におけるカプセル型医療装置92の姿勢を制御し、かかる誘導用磁界の勾配方向および勾配変化の制御を通して、被検体100内部におけるカプセル型医療装置92の位置を制御する。
また、制御部99は、上述した位置姿勢検出部94を制御して、被検体100内部におけるカプセル型医療装置92の位置および姿勢の各検出結果を位置姿勢検出部94から取得する。制御部99は、この位置姿勢検出部94から取得したカプセル型医療装置92の位置検出結果に基づいて、被検体100内部におけるカプセル型医療装置92の位置情報を表示するように表示部17を制御する。また、制御部99は、この位置姿勢検出部94から取得したカプセル型医療装置92の姿勢検出結果に基づいて、被検体100内部におけるカプセル型医療装置92の仰角および方位角を算出する。制御部99は、このように算出したカプセル型医療装置92の仰角情報および方位角情報を表示するように表示部17を制御する。なお、かかる制御部99が有するその他の機能は、上述した実施の形態6における制御装置76の制御部79と同様である。
なお、この実施の形態8において、画像表示装置63の制御部64は、上述した制御装置96の制御部99から位置姿勢検出部94によるカプセル型医療装置92の姿勢検出結果を取得する。制御部64は、この取得した姿勢検出結果に基づいて上述した体内画像の交線方向と表示画面の上下方向とを一致させて、表示部12に体内画像を表示させる。この場合、画像処理部14aは、制御装置96の制御部99から取得したカプセル型医療装置92の姿勢検出結果をもとに、カプセル型医療装置92の固体撮像素子21c,22cの各撮像面の上下方向D2,D3を算出する。画像処理部14aは、既知であるカプセル型筐体20の径方向と固体撮像素子21c,22cの各撮像面の上下方向D2,D3との相対関係をもとに、必要に応じて体内画像の回転処理を行って、かかる固体撮像素子21c,22cによる体内画像P1,P2における交線方向と表示部12の表示画面の上下方向とを一致させる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態8にかかるカプセル型医療装置誘導システムでは、カプセル型筐体の長軸方向に磁化した永久磁石を備えたカプセル型医療装置を被検体の臓器内部に導入し、絶対座標系の所望の方向に勾配する勾配磁界を被検体内部のカプセル型医療装置に印加して、このカプセル型医療装置を磁気誘導するようにし、その他を実施の形態6と同様に構成した。このため、上述した実施の形態6の場合と同様の作用効果を享受するとともに、勾配磁界の勾配方向への磁気引力によってカプセル型医療装置を磁気誘導することができ、この結果、簡易な構成で被検体内部の所望の方向にカプセル型医療装置を磁気誘導可能なカプセル型医療装置誘導システムを実現できる。
なお、上述した実施の形態1〜6では、上述したZ軸コイル5a、一対のX軸コイル5b,5cおよび一対のY軸コイル5d,5eをテーブル5f上に備えた磁界発生部5によって誘導用磁界を発生させていたが、これに限らず、絶対座標系の各軸方向の磁界を発生する3つの軸方向コイルを3次元的に組み合わせて実現される磁界発生部によって誘導用磁界を発生してもよい。図40は、本発明にかかるカプセル型医療装置誘導システムの磁界発生部の一変形例を示す模式図である。図40に示すように、本発明における磁界発生部は、絶対座標系のX軸方向の磁界を発生するX軸コイル106aと、絶対座標系のY軸方向の磁界を発生するY軸コイル106bと、絶対座標系のZ軸方向の磁界を発生するZ軸コイル106cとを3次元的に組み合わせることによって実現される。X軸コイル106aおよびY軸コイル106bは、互いに直交する態様で鉄等の金属心105を巻き込む。Z軸コイル106cは、かかるX軸コイル106aおよびY軸コイル106bの上部に配置される。
また、上述した実施の形態1〜6では、被検体100を支持するベッド4のテーブル部分を絶対座標系のX軸方向およびY軸方向の少なくとも一方に水平移動して、磁界発生部5に対するベッド4のテーブル部分の相対位置、すなわち、磁界発生部5に対する被検体100の相対位置を変更していたが、本発明は、これに限定されるものではない。図41は、ベッドのテーブル部分および磁界発生部の各移動状態の一例を示す模式図である。図41に示すように、磁気誘導装置3は、絶対座標系のY軸方向にベッド4のテーブル部分を水平移動可能であり且つ絶対座標系のX軸方向に磁界発生部5を水平移動可能であってもよい。あるいは、磁気誘導装置3は、絶対座標系のX軸方向にベッド4のテーブル部分を水平移動可能であり且つ絶対座標系のY軸方向に磁界発生部5を水平移動可能であってもよい。いずれの場合であっても、磁気誘導装置3は、かかるベッド4のテーブル部分の水平移動と磁界発生部5の水平移動とを適宜組み合わせて行い、これによって、磁界発生部5に対する被検体100の相対位置を変更することができる。
さらに、上述した実施の形態2,4〜8では、操作対象画像を表示する主画像表示領域の周囲に枠画像32aを表示して、操作対象画像を明示していたが、本発明は、これに限定されるものではない。図42は、本発明にかかる画像表示装置における操作対処画像の明示状態の変形例を示す模式図である。本発明にかかる画像表示装置は、例えば図42に示すように、複数の体内画像のうちの非操作対象画像に比して操作対象画像の表示サイズを大きくし、これによって、操作対象画像を明示してもよい。または、本発明にかかる画像表示装置は、複数の体内画像のうちの操作対象画像に所定のマークを付加し、これによって、操作対象画像を明示してもよい。
また、上述した実施の形態3〜8では、操作対象画像の外側近傍にバー状の方向情報42cを表示することによってカプセル型医療装置の方位角情報を表示していたが、本発明は、これに限定されるものではない。図43は、カプセル型医療装置の方位角情報の表示状態の変形例を示す模式図である。本発明にかかる画像表示装置は、例えば図43に示すように、操作対象画像の内部に、カプセル型医療装置の方位別に異なる矢印を各々含む円弧形状の方向情報42c−1〜42c−4を適宜表示してもよい。この場合、本発明にかかる画像表示装置は、カプセル型医療装置の方位角変化(すなわち旋回動作)に対応して、方向情報42c−1,42c−2,42c−3,42c−4をこの順にまたは逆順に切り替えて操作対象画像内に順次表示する。なお、かかる操作対象画像内における方向情報42c−1〜42c−4の矢印の表示位置は、カプセル型医療装置の光学系の歪を考慮して設定してもよい。また、本発明にかかる画像表示装置は、かかる方向情報42c−1〜42c−4のうちの操作対象画像内に表示した方向情報を、カプセル型医療装置の仰角変化(すなわち揺動動作)に対応して操作対象画像の上下方向に移動してもよい。この場合、本発明にかかる画像表示装置は、上述した仰角情報のマーク42a,42bを表示しなくてもよい。
さらに、上述した実施の形態3〜8では、方向情報42c−1〜42c−4の各々に含まれる矢印によってカプセル型医療装置の方位を示していたが、本発明は、これに限定されない。具体的には、被検体の向きが表示画面に対して決まっている場合、かかる矢印の代わりに、頭側、足側、腹側、背側等の被検体の部位を示す文字情報を方向情報42c−1〜42c−4に各々含める。本発明にかかる画像表示装置は、かかる方向情報42c−1〜42c−4のうちのいずれかの文字情報を表示することによって、カプセル型医療装置の方位角情報を表示してもよい。この場合、本発明にかかる画像表示装置は、被検体に対するカプセル型医療装置の相対方向を直接的に表示することができる。なお、被検体の体位が変換された場合、本発明にかかる画像表示装置は、かかる被検体の体位変換に対応して、かかる方向情報42c−1〜42c−4の各文字情報のうちの表示する文字情報を変更してもよい。
また、上述した実施の形態3〜8では、操作対象画像内に仰角情報のマーク42a,42bを表示していたが、本発明は、これに限定されるものではない。図44は、仰角情報の表示状態の変形例を示す模式図である。本発明にかかる画像表示装置は、例えば図44に示すように、操作対象画像の側部近傍に、カプセル型医療装置の仰角情報を示すバー画像107を表示する。バー画像107は、上端部にマーク107aを含み且つ下端部にマーク107bを含むバー状の画像情報であり、バーの中心部分を明記した状態で表示される。本発明にかかる画像表示装置は、バー形状の情報表示領域内において、かかるバー画像107をカプセル型医療装置の仰角変化に対応して縦移動する。本発明にかかる画像表示装置は、かかるバー画像107の表示位置によって、カプセル型医療装置の仰角情報を表示する。具体的には、バー画像107は、カプセル型医療装置の仰角増加に伴って操作対象画像の下方向に移動する。かかるバー画像107の上端側のマーク107aは、カプセル型医療装置の仰角が90°である場合、操作対象画像の中心線上に移動する。一方、バー画像107は、カプセル型医療装置の仰角減少に伴って操作対象画像の上方向に移動する。かかるバー画像107の下端側のマーク107bは、カプセル型医療装置の仰角が0°である場合、操作対象画像の中心線上に移動する。
さらに、本発明にかかる画像表示装置は、例えば図44に示すように、操作対象画像の側部近傍に形成したバー状の情報表示領域内に、上述したマーク42d,42eを表示し、カプセル型医療装置の仰角変化に対応してマーク42d,42eを縦移動してもよい。この場合、本発明にかかる画像表示装置は、上述した操作情報の入力の有無によらず、かかる情報表示領域内にマーク42d,42eを所定の色(例えば白色等)で常時表示し、操作情報が入力された場合に、これらのマーク42d,42eのうちの操作情報に対応するマークの色を別の色(例えば黄色等)に変えて表示すればよい。なお、かかる情報表示領域内のマーク42d,42eは、例えば仰角情報のマーク107aを挟んで横一列に並ぶように表示され、この仰角情報のマーク107aと同様に縦移動する。
また、上述した実施の形態1〜8では、カプセル型医療装置の撮像方向がカプセル型筐体の長軸に対して平行であり、カプセル型医療装置の磁化方向がカプセル型筐体の長軸に対して平行または垂直であったが、本発明は、これに限定されるものではない。図45A〜45Eは、本発明にかかる液面に浮揚可能なカプセル型医療装置の変形例を示す模式図である。本発明にかかるカプセル型医療装置は、液体101中において上述した特定状態を維持できるように重心が設定され、この特定状態において、鉛直方向と異なる方向に磁化方向を有していればよい。具体的には、本発明にかかる液面に浮揚可能なカプセル型医療装置は、図45Aに示すように、撮像方向が長軸27に対して平行であり且つ永久磁石26の磁化方向D1が長軸27に対して傾斜するタイプJ1のカプセル型医療装置であってもよいし、図45Bに示すように、撮像方向が長軸27に対して傾斜し且つ永久磁石26の磁化方向D1が長軸27に対して垂直であるタイプJ2のカプセル型医療装置であってもよい。あるいは、本発明にかかる液面に浮揚可能なカプセル型医療装置は、図45Cに示すように、撮像方向および永久磁石26の磁化方向D1が長軸27に対して傾斜するタイプJ3のカプセル型医療装置であってもよいし、図45Dに示すように、撮像方向および永久磁石26の磁化方向D1が長軸27に対して平行であるタイプJ4のカプセル型医療装置であってもよい。なお、このタイプJ4のカプセル型医療装置の重心29は、カプセル型筐体の幾何学的中心から径方向に外れた位置に設定される。すなわち、このタイプJ4のカプセル型医療装置は、鉛直方向に対して長軸27を垂直な状態にして液体101の液面に浮揚する。さらに、本発明にかかる液面に浮揚可能なカプセル型医療装置は、図45Eに示すように、撮像方向が長軸27に対して平行であり且つ永久磁石26の磁化方向D1が長軸27に対して垂直なタイプJ9のカプセル型医療装置であってもよい。
一方、上述した実施の形態1〜8では、被検体100内部において液体101に浮揚可能なカプセル型医療装置を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。図46A〜46Gは、本発明にかかる液面下に沈降可能なカプセル型医療装置の具体例を示す模式図である。本発明にかかるカプセル型医療装置は、液体101中において上述した特定状態を維持できるように重心が設定され、この特定状態において、鉛直方向と異なる方向に磁化方向を有していればよい。具体的には、本発明にかかる液面下に沈降可能なカプセル型医療装置は、図46Aに示すように、撮像方向が長軸27に対して平行であり且つ永久磁石26の磁化方向D1が長軸27に対して垂直であるタイプJ5のカプセル型医療装置であってもよいし、図46Bに示すように、撮像方向が長軸27に対して平行であり且つ永久磁石26の磁化方向D1が長軸27に対して傾斜するタイプJ6のカプセル型医療装置であってもよい。あるいは、本発明にかかる液面下に沈降可能なカプセル型医療装置は、図46Cに示すように、撮像方向および永久磁石26の磁化方向D1が長軸27に対して傾斜するタイプJ7のカプセル型医療装置であってもよいし、図46Dに示すように、撮像方向が長軸27に対して傾斜し且つ永久磁石26の磁化方向D1が長軸27に対して垂直であるタイプJ8のカプセル型医療装置であってもよい。さらに、本発明にかかる液面下に沈降可能なカプセル型医療装置は、図46Eに示すように、撮像方向が長軸27に対して平行であり且つ永久磁石26の磁化方向D1が長軸27に対して垂直であってさらに撮像方向と反対の端に錘26Aが設けられることで重心が長軸27上の錘26A側に片寄ったタイプJ10のカプセル型医療装置であってもよいし、図46Fに示すように、撮像方向および永久磁石26の磁化方向D1が長軸27に対して平行であるタイプJ11のカプセル型医療装置であってもよいし、図46Gに示すように、撮像方向が長軸27に対して平行であり且つ永久磁石26の磁化方向D1が長軸27に対して傾斜しさらに重心が長軸27上の撮像方向と反対側に片寄ったタイプJ12のカプセル型医療装置であってもよい。なお、液面下に沈降可能なカプセル型医療装置をカプセル型医療装置2として用いる場合、被検体100内部のカプセル型医療装置2を磁気誘導するための誘導用磁界を発生する磁界発生部5をベッド4下でなくベッド4上に配置してもよい。これにより、カプセル型医療装置2を浮上させる力を永久磁石26に作用させることが可能となる。
また、上述した実施の形態1〜8および図45A〜図46Gに示すカプセル型医療装置(以下、全てのカプセル型医療装置の符号を2とする)に印加する誘導用の磁界を水平面に平行に変化させる場合、例えば、カプセル型医療装置2の画角VAを以下で説明するように設定することで、カプセル型医療装置2の撮像範囲を広域化することが可能である。すなわち、図47に示すように、カプセル型医療装置2に内蔵される撮像部21/22の画角VA(=φ)の半分(φ/2)をカプセル型医療装置2の長軸27に対する磁化方向D1の傾きθよりも大きくする。これにより、誘導用の磁界が作用して姿勢が制御されたカプセル型医療装置2の視野に水平方向を含めることができるため、撮像部21/22の画角VA、すなわち観察範囲を広げることが可能となる。この結果、ユーザによる観察性を向上することが可能となる。なお、図47は、本発明の実施の形態1によるカプセル型医療装置の画角と磁化方向との関係を示す模式図である。
さらに、図47に示すように、カプセル型医療装置2の長軸27に対する磁化方向D1の角度と90°との差が、カプセル型医療装置2に内蔵される撮像部21/22の画角VA(=φ)の半分(φ/2)よりも小さくする。これにより、誘導用の磁界が作用して姿勢が制御されたカプセル型医療装置2の視野に鉛直方向を含めることができるため、撮像部21/22の画角VA、すなわち観察範囲を広げることが可能となる。この結果、ユーザによる観察性を向上することが可能となる。
また、上述した実施の形態1〜8では、撮像方向が互いに異なる2つの撮像部21,22を内蔵する2眼タイプのカプセル型医療装置を例示したが、これに限らず、本発明にかかるカプセル型医療装置は、単一の撮像部を内蔵する単眼タイプのカプセル型医療装置であってもよいし、3つ以上の撮像部を内蔵する複眼タイプのカプセル型医療装置であってもよい。
さらに、上述した実施の形態3〜8では、撮像部21,22による体内画像P1,P2のうちの操作対象画像に関連付けてカプセル型医療装置の仰角情報と方位角情報と操作情報の入力有りを示す情報とを表示していたが、これに限らず、上述した枠画像32aの表示等によって操作対象画像を明示しつつ、表示画面内の複数の体内画像の各々に関連付けてカプセル型医療装置の仰角情報と方位角情報と操作情報の入力有りを示す情報とを表示してもよい。この場合、カプセル型医療装置の方位角情報は、各体内画像の撮像方向別に異なるカプセル型医療装置の方位を示すように表示される。また、操作情報の入力有りを示す情報は、各体内画像の撮像方向別にマークの表示色を異なるものにして表示される。具体的には、操作対象画像内に表示したマーク42a,42b,62aは、操作情報の入力に対応して青色等の表示色で表示され、非操作対象画像内に表示したマーク42a,42b,62aは、操作情報の入力に対応して操作対象画像内のマーク表示色と異なる表示色(例えば赤色等)で表示される。
また、上述した実施の形態1〜8では、表示部に表示された複数の体内画像の中から選択された所望の体内画像のデータを記憶部に保存していたが、さらに、上述した体位設定部17fによって設定した被検体の体位情報と体内画像データとを関連付けて記憶部に保存してもよい。これによって、ユーザは、記憶部から読み出した体内画像が被検体における何れの側(例えば右側、左側、頭側、足側、腹側、背中側等)の体内画像であるかを容易に判断でき、この結果、被検体内部の何れの部位を観察中であるかを容易に把握できる。
さらに、上述した実施の形態4〜8では、操作入力部の入力操作によって複数の体内画像の中から操作対象画像を切り替えていたが、これに限らず、画像表示装置に同時に表示される体内画像毎に、上述したジョイスティック15a,15bを備えてもよい。例えば、本発明にかかる操作入力部は、表示画面内の体内画像P1を参照しつつカプセル型医療装置の磁気誘導を操作するためのジョイスティック15a,15bのセットと体内画像P2を参照しつつカプセル型医療装置の磁気誘導を操作するためのジョイスティック15a,15bのセットとを備えてもよい。この場合、かかるジョイスティック15a,15bの各セットは、単一の操作入力部本体に配置されてもよいし、別体の各操作入力部本体に各々配置されてもよい。
また、上述した実施の形態1〜8では、カプセル型医療装置の旋回方向または移動方向等の磁気誘導方向を示す矢印情報を制御装置の表示部に表示していたが、これに限らず、体内画像を表示する画像表示装置の表示部に、かかる磁気誘導方向を示す矢印情報を表示してもよい。この場合、画像表示装置の表示部は、操作情報が入力された場合のみ、かかる磁気誘導方向の矢印情報を表示してもよいし、操作情報の入力の有無によらず常時、かかる磁気誘導方向の矢印情報を表示し、操作情報が入力された際に、かかる磁気誘導方向の矢印情報の表示色を変化させてもよい。また、画像表示装置の表示部は、被検体の体内画像に重畳して磁気誘導方向の矢印情報を表示してもよく、この場合、体内画像の観察を阻害しないように磁気誘導方向の矢印情報を点滅させてもよい。さらに、かかる体内画像内における矢印情報の表示位置は、カプセル型医療装置の光学系の歪を考慮して決定してもよい。
さらに、上述した実施の形態1〜8では、磁気誘導対象であるカプセル型医療装置に印加した誘導用磁界の磁界方向等をもとに、このカプセル型医療装置の仰角および方位角(すなわち姿勢)を算出していたが、これに限らず、絶対座標系におけるカプセル型医療装置の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに備え、この姿勢検出部の検出結果をもとに、このカプセル型医療装置の仰角および方位角を算出し、この算出した仰角および方位角の各情報を表示してもよい。
また、上述した実施の形態1〜6では、被検体を支持するベッドと磁界発生部との相対位置関係をもとに、この被検体内部におけるカプセル型医療装置の位置を算出していたが、これに限らず、被検体内部におけるカプセル型医療装置の位置を検出する位置検出部をさらに備え、この位置検出部によるカプセル型医療装置の位置検出結果をもとに、被検体内部におけるカプセル型医療装置の位置情報を表示してもよい。
さらに、上述した実施の形態1〜6では、被検体内部のカプセル型医療装置を磁力によって中心軸近傍に捕捉する磁界を発生する磁界発生部を用いてカプセル型医療装置を磁気誘導していたが、これに限らず、カプセル型医療装置の姿勢を制御するための均一磁界とカプセル型医療装置の位置を制御するための勾配磁界とを発生できる磁界発生部を用いて被検体内部のカプセル型医療装置を磁気誘導してもよい。
また、上述した実施の形態1〜8では、体位設定部および操作入力部を用いて被検体の体位を設定していたが、これに限らず、上述した制御装置は、被検体に装着した重力センサの出力をもとに、この被検体の体位を検出してもよい。この場合、制御装置は、この被検体の体位検出結果と一致する体位設定メニューの設定欄にマークを表示するとともに、この体位検出結果と一致する体位を示すように被検体模式画像を表示する。なお、上述した受信装置9のアンテナ9aは、かかる重力センサを備えてもよい。この場合、かかる重力センサの出力信号は、受信装置9を介して画像表示装置および制御装置に入力されるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態1〜8では、ジョイスティック15a,15bの操作によってカプセル型医療装置の磁気誘導を操作していたが、これに限らず、ジョイスティック15a,15bに代えて十字型入力ボタンを操作入力部に複数設け、かかる十字型入力ボタンの操作によってカプセル型医療装置の磁気誘導を操作してもよい。
なお、他の構成、動作および効果は、上述した実施の形態またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(実施の形態9)
つぎに、本発明の実施の形態9について説明する。上述した実施の形態1〜8およびその変形例では、カプセル型医療装置2の磁気誘導を操作する上で有用な各種情報を表示するウィンドウ17a(例えば図11参照)に含まれる仰角情報表示領域17b、方位角情報表示領域17c、および位置情報表示領域17dが、それぞれカプセル型医療装置2の仰角情報、方位角情報、および位置情報をそれぞれ表示していた。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば図48A、図48B、および図48Cに示す仰角情報表示領域217b、方位角情報表示領域217c、および位置情報表示領域217dのように、カプセル型医療装置2の仰角方向の可動領域R1、方位角方向の可動領域R2、および水平方向の可動範囲R3をそれぞれ表示するように構成されてもよい。以下、図11に示すウィンドウ17aにおける仰角情報表示領域17b、方位角情報表示領域17c、および位置情報表示領域17dを、図48A〜図48Cに示す仰角情報表示領域217b、方位角情報表示領域217c、および位置情報表示領域217dにそれぞれ置き換えた場合を、本発明の実施の形態9として図面を用いて詳細に説明する。ただし、他の構成および動作は、上記した実施の形態1〜8の何れかと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。また、図48Aは本発明の実施の形態9による仰角情報表示領域217bの一例を示す図であり、図48Bは本発明の実施の形態9による方位角情報表示領域217cの一例を示す図であり、図48Cは本発明の実施の形態9による位置情報表示領域217dの一例を示す図である。
図48Aに示すように、仰角情報表示領域217bは、図11に示す仰角情報表示領域17bと同様の構成において、カプセル型医療装置2のイメージであるカプセル模式画像E1に組み合わせて表示される鉛直軸から水平軸までの仰角目盛りM1に、カプセル型医療装置2の実空間における仰角の可動範囲をイメージ化して示す可動領域R1がさらに組み合わされている。このように仰角目盛りM1にカプセル型医療装置2の仰角方向の可動領域R1を組み合わせて表示することで、ユーザにカプセル型医療装置2の可動角を視覚的に容易に認識させることが可能となる。
また、図48Bに示すように、方位角情報表示領域217cは、図11に示す方位角情報表示領域17cと同様の構成において、カプセル模式画像E2に組み合わされて表示される円状の方位角目盛りM2に、カプセル型医療装置2の実空間における水平面中の回転可能範囲をイメージ化して示す可動範囲R2がさらに組み合わされている。このように、方位角目盛りM2にカプセル型医療装置2の方位角方向の可動領域R2を組み合わせて表示することで、ユーザにカプセル型医療装置2の水平面中の可回転角を視覚的に容易に認識させることが可能となる。
さらに、図48Cに示すように、位置情報表示領域217dは、図11に示す位置情報表示領域17dと同様の構成において、カプセル模式画像E3に、カプセル型医療装置2の実空間における水平方向の移動可能範囲をイメージ化して示す可動範囲R3が組み合わされている。このように、カプセル型医療装置2の水平方向における可動範囲R3を組み合わせて表示することで、ユーザにカプセル型医療装置2の水平方向の移動可能範囲を視覚的に容易に認識させることが可能となる。
なお、仰角情報表示領域217b(図48A)、方位角情報表示領域217c(図48B)、および位置情報表示領域217d(図48C)における矢印情報F1〜F12は、上記した実施の形態1のように、磁気誘導の操作情報が入力された際にこの方向を示す矢印情報(F1〜F12の何れか)を表示するように構成されても、または、あらかじめ矢印情報F1〜F12を表示しておき、例えばジョイスティック15a,15bを用いて磁気誘導の操作情報が入力された際にこの方向を示す矢印情報(F1〜F12の何れか)を強調表示したり長さを長くして表示したり点滅表示したり輝度を高くして表示したりなどするように構成されてもよい。なお、強調表示には、例えば該当する矢印情報F1〜F12を蛍光色等の強調色で表示する方法や、該当する矢印情報F1〜F12を点滅表示する方法など、種々変形することができる。
なお、他の構成、動作および効果は、上述した実施の形態またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(実施の形態10)
つぎに、本発明の実施の形態10について説明する。上述した実施の形態3〜8およびその変形例による仰角情報の表示方法(マーク42aおよび42b参照)は、上述において図44を用いて説明した変形例(バー画像107)に限らず、例えば図49に示す仰角ゲージ212gおよび212hに示すようにも変形することができる。また、同じく上述した実施の形態3〜8によるカプセル型医療装置2の水平面中の方向を示す方向情報42cは、例えば図49に示す方位角ゲージ212eおよび212fのように変形することもできる。以下、仰角ゲージ212gおよび212hを用いてカプセル型医療装置2の仰角情報を表示すると共に、方位角ゲージ212eおよび212fを用いてカプセル型医療装置2の水平面中の方向情報を表示する場合を、本発明の実施の形態10として図面を用いて詳細に説明する。ただし、他の構成および動作は、上記した実施の形態1〜9の何れかと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図49は、本実施の形態10にかかる画像表示装置の表示態様の一例(ウィンドウ12a)を示す模式図である。図50Aは、図49に示すウィンドウ12aに表示する仰角ゲージ212gおよび212hとカプセル型医療装置2の実空間におけるZ軸に対する傾き(仰角)との関係を示す模式図である。図50Bは、図49に示すウィンドウ12aに表示する方位角ゲージ212eおよび212fとカプセル型医療装置2の実空間における方位角との関係を示す模式図である。
図49に示すように、各仰角ゲージ212gおよび212hは、ウィンドウ12aにおける各主画像表示領域12bおよび12cの横にそれぞれ縦向きに配置される。各仰角ゲージ212gおよび212hを仰角方向と同じ縦向きに配置することで、ユーザにカプセル型医療装置2の実空間での仰角を容易に認識させることが可能である。また、仰角ゲージ212gおよび212hに目盛り(仰角目盛りM3)を設けることで、カプセル型医療装置2のZ軸に対する向き(仰角)を的確にユーザへ表示することが可能となる。
図50Aに示すように、この仰角ゲージ212gおよび212hは、カプセル型医療装置2の撮像視野A1およびA2それぞれと対応している。例えば仰角ゲージ212gは、撮像部21がカバーする撮像視野A1に対応しており、仰角ゲージ212hは、撮像部22がカバーする撮像視野A2に対応している。このように、各仰角ゲージ212gおよび212hの中心C1およびC2は、カプセル型医療装置2の長軸27に対応している。この長軸27は、撮像視野A1およびA2の中心、すなわち光学系21bおよび22bの光学軸に対応している。したがって、ユーザは、縦方向において、仰角目盛りM3を参照しつつ、仰角ゲージ212g/212hと主画像表示領域12b/12cとを照らし合わせることで、主画像表示領域12b/12cに写された部位の実空間における位置を容易に特定することができる。
また、図49に示すように、各方位角ゲージ212eおよび212fは、ウィンドウ12aにおける各主画像表示領域12bおよび12cの上または下にそれぞれ横向きに配置される。このように、各方位角ゲージ212eおよび212fを方位角方向と同じ横向きに配置することで、ユーザにカプセル型医療装置2の実空間での方位角を容易に認識させることが可能である。また、方位角ゲージ212eおよび212fには、特定の対象を基準としたカプセル型医療装置2の向き(方位角)を明確にするためのイメージM4が表示されるとよい。このように、ある特定の対象を基準としたカプセル型医療装置2の向きを示すイメージM4を方位角ゲージ212eおよび212f中に表示することで、カプセル型医療装置2の水平面中の向き(方位角)を明確にユーザへ表示することが可能となる。なお、特定の対象としては、例えばユーザがカプセル型医療装置2に対して各種操作を入力する操作入力部15や被検体100など、種々変形することができる。
図50Bに示すように、この方位角ゲージ212eおよび212fは、カプセル型医療装置2の撮像視野A1およびA2それぞれと対応している。例えば端e1から中心C3を通り端e2までの範囲212Eに対応する方位角ゲージ212eは、撮像部21がカバーする撮像視野A1に対応しており、例えば端e3から中心C4を通り端e4までの範囲212Fに対応する方位角ゲージ212fは、撮像部22がカバーする撮像視野A2に対応している。各方位角ゲージ212eおよび212fの中心C3およびC4は、カプセル型医療装置2の長軸27に対応している。この長軸27は、撮像視野A1およびA2の中心、すなわち光学系21bおよび22bの光学軸に対応している。したがって、ユーザは、横方向において、イメージM4を参照しつつ、方位角ゲージ212e/212fと主画像表示領域12b/12cとを照らし合わせることで、主画像表示領域12b/12cに写された部位の実空間における位置を容易に特定することができる。
なお、被検体100の向き(体位情報)は、図51Aおよび図51Bに示すように、前(Front)、後(Back)、右(Right)、右前(Right Front)、右後(Right Back)、左(Left)、左前(Left Front)、左後(Left Back)、頭(Head)、または、足(Foot)のように定義することができる。そこで、図52Aおよび図52Bに示すように、被検体100がベッド4上に右臥位の姿勢で且つ頭をY方向に向けて載置され、さらに、操作入力部15がベッド4に対してX方向に配置されている場合、方位角ゲージ212eおよび212fには、上述した実施の形態10のように、操作入力部15に向く方向を‘Near’、操作入力部15と反対の方向を‘Far’、操作入力部15から見て右向きを‘Right’、操作入力部15から見て左向きを‘Left’としたイメージM4が表示される。なお、方位角ゲージ212e/212fに表示されるイメージM4は、被検体100の体位に応じて種々変形される。例えば被検体100が直立している場合、方位角ゲージ212e/212fには、前(Front)、後(Back)、右(Right)、右前(Right Front)、右後(Right Back)、左(Left)、左前(Left Front)、および、左後(Left Back)の何れかを示すイメージM4が1つ以上適所に表示される。一方、被検体100が背臥位の場合、方位角ゲージ212e/212fには、頭(Head)、足(Foot)、右(Right)、右肩(Right Shoulder)、右足(Right Foot)、左(Left)、左肩(Left Shoulder)、および、左足(Left Foot)の何れかを示すイメージM4が1つ以上適所に表示される。なお、図51Aは被検体100を頭部方向から見た際の各方位を示す図であり、図51Bは被検体100を左側方から見た際の各方位を示す図である。また、図52Aは被検体100がベッド4上に右側臥位の姿勢で載置された際の被検体100と操作入力部15との位置関係を示す図であり、図52Bは図51Aを鉛直上方向から見た際の被検体100と操作入力部15との位置関係を示す図である。さらに、上記のような被検体100の向きを含む体位情報は、操作入力部15から入力される。
ただし、本発明では、上記に限定されるものではない。例えば被検体100を基準としたカプセル型医療装置2の向きのイメージM4を方位角ゲージ212e/212fに表示するように構成することもできる。この場合、方位角ゲージ212e/212fには、図53に示すように、図51Aおよび図51Bに示す被検体100の向きを示すイメージM5が表示される。なお、被検体100を基準としたカプセル型医療装置2の向きは、被検体100の姿勢および特定の基準(例えば操作入力部15)に対する向きと、カプセル型医療装置2の同じく特定の基準(例えば操作入力部15)と、から容易に特定することができる。なお、図53は、本発明の実施の形態10による方位角ゲージ212e/212fの他の例を示す図である。
また、この他にも、例えば図54A〜図54Cに示すように、被検体100を、被検体100に対するカプセル型医療装置2の向きに基づいてそのままイメージ化した体内画像J1〜J3を方位角ゲージ212e/212fに表示するように構成してもよい。これにより、ユーザは実物の被検体100と方位角ゲージ212e/212fに表示された体内画像J1〜J3を比較してカプセル型医療装置2の向きを特定することが可能となるため、カプセル型医療装置2の操作性を向上することが可能となる。なお、図54A〜図54Cは、本発明の実施の形態10による方位角ゲージ212e/212fの他の例を示す図である。
さらに、例えば図54Dに示すように、方位角ゲージ212e/212fに被検体100の体内画像J4およびこれに対するカプセル型医療装置2の移動方向を示す矢印Q1を描画し、カプセル型医療装置2に対する操作情報に基づいて移動方向に該当する矢印Q1を点滅や強調等するようにしてもよい。なお、図54Dは、本発明の実施の形態10による方位角ゲージ212e/212fの他の例を示す図である。
以上のように、本発明の実施の形態によるカプセル型医療装置誘導システムは、被検体100の体位情報を入力する体位情報入力部(操作入力部15)を備える。ここで、角度情報表示部(仰角情報表示領域17b)は、体位情報入力部で入力された被検体100の体位と撮像部21,22の撮像方向との関係から、被検体100に対する撮像部21,22の撮像方向を画像表示装置10が表示する体内画像に関連付けて表示する。これにより、ユーザは、画像表示装置10に表示中の体内画像を見ながら被検体100の部位と観察方向との関係を把握することができるため、誘導時の操作性をより向上することが可能となる。
なお、他の構成、動作および効果は、上述した実施の形態またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(実施の形態11)
つぎに、本発明の実施の形態11について説明する。カプセル型医療装置2が取得した体内画像を送信してからこれを画像表示装置10に表示するまでの間と、ユーザが操作入力部15より操作を入力してからこの操作情報を検出するまでの間と、この操作情報を検出してからカプセル型医療装置2の位置や姿勢を目的の位置や姿勢に磁界を用いて変化させるまでの間とには、それぞれ異なる遅延時間が生じる。そこで本実施の形態11では、同じタイミングで画像表示装置10の表示部12に表示する体内画像と操作情報とカプセル型医療装置2の位置および姿勢の情報とのタイミングをユーザがそれぞれ選択可能とする。なお、その具体的構成および動作については、上述した各実施の形態およびその変形例によるカプセル型医療装置誘導システムより容易に想到できるため、ここでは詳細な説明を省略する。すなわち、本実施の形態11では、ユーザが操作入力部15を用いて同時に表示する各情報(体内画像、操作情報、および、カプセル型医療装置2の位置および姿勢の情報)のタイミングを選択し、制御装置16がこの選択されたタイミングに基づいて画像表示装置10に表示させる情報を選択する。画像表示装置10は、選択された情報を用いて画像(ウィンドウ12aおよび17a参照)を生成して表示するか、または、制御装置16において生成された画像(ウィンドウ12aおよび17a参照)を表示する。
なお、操作情報は、例えば、最新の操作情報と、カプセル型医療装置2の位置および姿勢を磁界を用いて制御したタイミングでの操作情報と、体内画像を取得したタイミングでの操作情報と、からユーザによって選択される。また、カプセル型医療装置2の位置および姿勢の情報、すなわちカプセル型医療装置2の位置および姿勢を制御する磁界の情報(以下、単に磁界情報という)は、例えば、最新の磁界情報と、体内画像を取得したタイミングでの磁界情報と、からユーザによって選択される。なお、体内画像は、最新の体内画像とすることが好ましい。
例えば、操作情報と磁界情報とを最新の情報とした場合、ユーザが最新の情報に基づいてカプセル型医療装置2を操作することが可能となる。このため、より的確なカプセル型医療装置2の位置および姿勢の制御が可能となる。
また、操作情報を磁界情報のタイミングに合わせた場合、ユーザが操作情報に基づいてカプセル型医療装置2の今後の位置および姿勢の変化を把握することが可能となる。このため、ユーザにより向上したカプセル型医療装置2の操作性を提供することが可能となる。
さらに、操作情報を体内画像のタイミングに合わせた場合、ユーザが操作情報に基づいて体内画像の変化(すなわち撮像範囲の移動)を予測することが可能となる。このため、ユーザにより向上したカプセル型医療装置2の操作性を提供することが可能となる。
さらにまた、磁界情報を体内画像のタイミングに合わせた場合、ユーザが磁界情報に基づいて体内画像取得時のカプセル型医療装置2の位置および姿勢を把握することが可能となる。このため、ユーザに撮像部位の位置をより正確に特定させることが可能となる。特に、体内画像の近傍に姿勢情報を表示する場合、すなわち主画像表示領域12b/12cの近傍にマーク42dおよび42eや仰角ゲージ212g/212hおよび方位角ゲージ212e/212fを表示する場合、主画像表示領域12b/12cに表示された体内画像P1/P2と姿勢情報(マーク42dおよび42eや仰角ゲージ212g/212hおよび方位角ゲージ212e/212f)とを比較してより正確なカプセル型医療装置2の姿勢をユーザに把握させることが可能となる。
なお、他の構成、動作および効果は、上述した実施の形態またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(実施の形態12)
つぎに、本発明の実施の形態12について説明する。上記した各実施の形態およびその変形例では、被検体100外の視点に基づいてカプセル型医療装置2の位置および姿勢を制御する方法(第1の制御方法)、または、カプセル型医療装置2の視点に基づいてカプセル型医療装置2の位置および姿勢を制御する方法(第2の制御方法)を説明した。ただし、本発明ではこれに限定されず、被検体100外の視点に基づいたカプセル型医療装置2の制御方法と、カプセル型医療装置2の視点に基づいたカプセル型医療装置2の制御方法と、をユーザが適宜選択できるように構成してもよい。なお、以下の説明において、上記した各実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
被検体100外の視点に基づいたカプセル型医療装置2の制御方法(第1の制御方法)では、カプセル型医療装置2は、仰角または方位角を変化させる方向へ回転移動すると共に、垂直方向または水平方向へ平行移動する。このため、ユーザへ提示する操作画面(ウィンドウ17aに相当)には、図55のウィンドウ217a−1における仰角情報表示領域217b−1に示すように、仰角を変化させる方向への回転移動を表示する矢印情報F1/F2と、水平方向への平行移動を表示する矢印情報F3/F4と、垂直方向への平行移動を表示する矢印情報F5/F6と、が表示される。また、同じく図55のウィンドウ217a−1における方位角情報表示領域217c−1に示すように、方位角を変化させる方向への回転移動を表示する矢印情報F7/F8と、水平方向への平行移動を表示する矢印情報F9〜F12と、が表示される。なお、図55は、本実施の形態12においてカプセル型医療装2置の操作基準を切替可能とした場合のウィンドウ217a−1および217a−2を示す画面図である。
一方、カプセル型医療装置2の視点に基づいたカプセル型医療装置2の制御方法(第2の制御方法)では、カプセル型医療装置2は、仰角または方位角を変化させる方向へ回転移動すると共に、カプセル型医療装置2の長軸27と平行な方向または長軸27と垂直な方向へ平行移動する。このため、ユーザへ提示する操作画面(ウィンドウ17aに相当)には、図55のウィンドウ217a−2における仰角情報表示領域217b−2に示すように、仰角を変化させる方向への回転移動を表示する矢印情報F1/F2と、カプセル型医療装置2の長軸27と平行な方向への平行移動を表示する矢印情報F21/F22と、長軸27と垂直な方向であって垂直成分を含む方向への平行移動を表示する矢印情報F23/F24と、が表示される。また、同じく図55のウィンドウ217a−2における方位角情報表示領域217c−2に示すように、方位角を変化させる方向への回転移動を表示する矢印情報F7/F8と、水平面中での長軸27と垂直な方向への平行移動を表示する矢印情報F25/26と、が表示される。
ウィンドウ217a−1と217a−2とは、ユーザが操作入力部15を用いて制御方法を上記した第1の制御方法と第2の制御方法との何れかに切り替えることで、切り替えられる。また、ユーザが第1の制御方法と第2の制御方法との何れかを選択した場合、操作入力部15から入力されたカプセル型医療装置2の操作情報は、操作系に応じて適宜変換され、変換後の操作情報に基づいてカプセル型医療装置2を目的の位置および姿勢へ誘導するための誘導情報が生成される。カプセル型医療装置2は、この誘導情報に応じて形成された磁界によって、目的の位置および姿勢へ誘導される。
なお、他の構成、動作および効果は、上述した実施の形態またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
(実施の形態13)
つぎに、本発明の実施の形態13について説明する。上記した各実施の形態およびその変形例では、ベッド4の位置および向きを固定し、このベッド4に対して操作入力部15(操作卓)がどの位置にあるかに応じて、カプセル型医療装置2に対する操作情報を変換することで、カプセル型医療装置2を目的の位置および姿勢へ誘導していた。ただし、本発明はこれに限定されず、操作入力部15に対するベッド4の方向を固定し、この状態でベッド4がどの方向を向いているかに応じて、カプセル型医療装置2に対する操作情報を変換することで、カプセル型医療装置2を目的の位置および姿勢へ誘導するように構成してもよい。なお、以下の説明において、上記した各実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
ベッド4が操作入力部15に対してどの方向を向いているかに応じてカプセル型医療装置2に対する操作情報を変換する方法では、図56A〜図56Dに示す操作卓位置設定部217e−1〜217e−4に示すように、表示中の操作入力部217e(操作卓)の位置は固定され、この操作入力部15に対して前方の描画されたベッド4のイメージK21〜K24が回転する。また、ベッド4の回転に応じて、操作卓位置設定部217e−1〜217e−4中のX,Y,Z軸が回転する。すなわち、ベッド4に対して設定されたX,Y,Z軸がベッド4の回転に応じて回転する。したがって、本実施の形態13による方位角情報表示領域217c−1〜217c−4は、図57A〜図57Dに示すように、ベッド4の回転に応じてのX,Y,Z軸が回転する。同様に、位置情報表示領域217d−1〜217d−4も、図58A〜図58Dに示すように、ベッド4の回転に応じてのX,Y,Z軸が回転する。
(実施の形態14)
なお、図56Aは本発明の実施の形態14において被検体100の頭部が操作入力部15に対して右側を向くようにベッド4が配置された場合の操作卓位置設定部217e−1を示す図であり、図56Bは本発明の実施の形態14において被検体100の頭部が操作入力部15に対して手前側を向くようにベッド4が配置された場合の操作卓位置設定部217e−2を示す図であり、図56Cは本発明の実施の形態14において被検体100の頭部が操作入力部15に対して左側を向くようにベッド4が配置された場合の操作卓位置設定部217e−3を示す図であり、図56Dは本発明の実施の形態14において被検体100の頭部が操作入力部15に対して向こう側を向くようにベッド4が配置された場合の操作卓位置設定部217e−4を示す図である。また、図57Aは図56Aの状態の際にウィンドウ17aに表示される方位角情報表示領域217c−1を示す図であり、図57Bは図56Bの状態の際にウィンドウ17aに表示される方位角情報表示領域217c−2を示す図であり、図57Cは図56Cの状態の際にウィンドウ17aに表示される方位角情報表示領域217c−3を示す図であり、図57Dは図56Dの状態の際にウィンドウ17aに表示される方位角情報表示領域217c−4を示す図である。さらに、図58Aは図56Aの状態の際にウィンドウ17aに表示される位置情報表示領域217d−1を示す図であり、図58Bは図56Bの状態の際にウィンドウ17aに表示される位置情報表示領域217d−2を示す図であり、図58Cは図56Cの状態の際にウィンドウ17aに表示される位置情報表示領域217d−3を示す図であり、図58Dは図56Dの状態の際にウィンドウ17aに表示される位置情報表示領域217d−4を示す図である。
なお、他の構成、動作および効果は、上述した実施の形態またはその変形例と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、上記した実施の形態またはその変形例において、カプセル型医療装置2の撮像部21によって撮像された被検体100の体内画像P1,P2の表示サイズをユーザが任意に変更できるように構成してもよい。このとき、図20、図21、図24、図27、図30、図44または図49に表示されるカプセル型医療装置2の姿勢情報や操作入力情報の表示サイズや表示位置についても、体内画像P1,P2の表示サイズに合せて変更されるように構成してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、以上のように表わしかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。