JP5860769B2 - ネットワークシステム及び制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ネットワークシステム及び制御装置に係り、一例として、時刻配信を実現するPONシステムにおける省電力制御技術に関する。
[光アクセスネットワークの普及]
近年、インターネットの普及に伴い、ネットワークへの高速化への要求が高まり、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、そしてB−PON(Broadband PON)、E−PON(Ethernet PON)及びG−PON(Gigabit Capable PON)の普及が進んでいる。特に、PON方式は、局に置かれる収容局(OLT:Optical Line Terminal、光回線終端装置)と各ユーザー宅に置かれるネットワークユニット(ONU:Optical Network Unit、光ネットワークユニット)との間を接続する際に、OLTから1本のファイバを出し、光スプリッタを用いて分岐して各ONU(ユーザー)が接続される。このため、ファイバの敷設コストが安く、かつ光伝送を用いるため高速に通信を行うことが可能であるため、世界各国で普及が進んでいる。
[PON方式]
PON方式の中でも、OLTからONUへの下り伝送用とONUからOLTへの上り伝送用とで別の波長の光を用い、ONU毎の信号を時分割するTDM−PON方式が広く利用されている。このTDM(Time Division Multiplexing)−PON方式は、B−PON、E−PON、G−PON、10G−EPON、XG−PONにおいて採用されている。
[TDM−PONでの伝送方式]
ここで、TDM−PONにおける、下り伝送および上り伝送に関して説明する。下り伝送においては、OLTは連続した光信号を送出し、光スプリッタを介して全ONUに光信号が届く。ONUは、受信した光信号のフレームに付与されているリンク識別子に基づいて、そのフレームが自宛かを識別し、自宛のフレームのみを受信する。また、上り伝送においては、各ONUは光信号の衝突を防ぐために、OLTから指示された送信タイミングに基づいて、光信号を送信する。例えば、OLTは、送信を許可する期間を指示する制御フレームを各ONUに送信し、ONUは、送信を許可された期間に上りの制御信号および上りデータを送信する。また、ONUは、接続している端末から受信したフレームのデータ量に基づいて、帯域要求量をOLTに要求する制御フレームをOLTに送信する。一般的には、ONUに送信を許可する期間は、ONUが要求した帯域要求量に基づいて動的に制御する、DBA(Dynamic Bandwidth Allocation)制御が利用されている。
[モバイルバックホールへのPON適用]
モバイル端末の普及や高速化に伴い、ネットワークのトラフィックが増大している。そのため、モバイルバックホールにおいて要求される伝送速度も増大している。また、モバイルバックホール構築にかけるコストの低減も要求されており、低コストで高速な伝送速度を実現可能なPONがモバイルバックホールに適用されている。
[基地局間の時刻同期の必要性]
LTE TDDモード規格などのモバイル基地局においては、(ハンドオーバー等を実現するために)基地局間で時刻を同期する必要がある。従来、基地局にGPS受信機を設置して、GPS信号によって各基地局を時刻同期しているが、GPSアンテナの設置やGPS受信機の利用にはコストが掛かり、また、屋内に基地局を設置する場合には、GPSによる時刻同期が困難である。そのため、ネットワークを介して時刻同期を実現するプロトコルの利用が検討されている。
[ネットワークを介した時刻同期技術]
ネットワークを介して高精度な時刻同期を実現する技術として、IEEE1588プロトコルが知られており、IEEE1588を利用した基地局間の時刻同期が検討されている。IEEE1588プロトコルの詳細は非特許文献1に開示されている。例えば、マスタークロック装置とスレーブクロック装置との間で、IEEE1588プロトコルのフレームを送受信して時刻同期を確立する。また、IEEE1588での時刻同期の精度を向上させるために、遅延が大きい時刻同期パケットを破棄して、時刻補正に用いない技術が特許文献1に開示されている。
[PONでの時刻同期技術]
なお、PONを介してIEEE1588プロトコルによって時刻を同期するためには、OLT−ONU間で時刻を同期する必要がある。OLT−ONU間での同期手順は、例えば、非特許文献2に記載されている。
[ネットワークの省電力技術]
ところで、PONシステムでの省電力化も求められており、ユーザートラフィックがないときにONU送受信部などの電力をOFFにするスリープ制御技術が標準規格に採用されており、非特許文献3に開示されている。また、スリープ制御に関連した技術として、呼制御パケット等を受信してリアルタイム通信が必要と判断すると、端末を省電力モードから通常モードに移行させる技術が特許文献3に開示されている。
特開2007−174676号公報 特開2011−249864号公報 特開2004−172772号公報
IEEE1588−2008 Time of day Distribution over E−PON,HUAWEI TECHNOLOGIESCO., LTD,2009年3月 IEEE P1904.1 draft2.2(2011年12月)
[時刻配信するPONシステムでの省電力化]
前述した基地局などを収容するPONシステムにおいても、省電力化できた方が望ましい。特に、夜間などユーザートラフィックがない、あるいは、少ない時間帯には、基地局などを収容するPONシステムでのトラフィックは主に時刻同期用パケットのみになるため、このような状況下でONUをスリープさせ省電力化を図ることが望ましい。
しかしながら、IEEE1588等の時刻同期プロトコルを用いて時刻配信するPONシステム向けのスリープ技術に関してはほとんど開示されていない。以下では、従来技術を用いてIEEE1588時刻同期プロトコルを用いて時刻配信するPONシステムにおいて発生する課題に関して説明する。
従来どおりスリープ制御を実施すると、ONUをスリープしている期間に時刻同期のためのSyncパケットをOLTが受信すると、Syncパケットがスリープ期間の分だけ遅延が増大する。また、ONUがスリープしている期間に、Syncパケットに応答して送信されるDelay_Reqパケットを受信すると、Delay_Reqパケットがスリープ期間の分だけ遅延が増大する。
例えば、マスタークロック装置が送出するSync送信間隔T_syncが125ms、ONUのスリープ時間T_sleepが50ms、スリープ状態からの復旧時間T_wakeupが1msであるとする。ONUスリープ期間中にSyncパケットを受信するとOLTでパケットが蓄積され、OLT-ONU間の遅延量がスリープ時間および復旧時間の和である51msだけ増大する。その結果、ONUが送信するSyncパケット間隔は125msから176(=125+50+1)msに変化し41%増大する。標準規格IEEE1588ではSyncパケット間隔のばらつきを30%以下(確度90%)に規定しており、標準規格に準拠できなくなる可能性がある。なお、このように標準規格に準拠できなくなる問題が発生するのは、上記のパラメータの例に限定されない。T_sleep/T_syncの比が約30%以上である場合には同様の問題が発生する。また、OLT-ONU間遅延の大幅な増大(数msから50ms程度へ増大)により遅延計測誤差が増大し時刻同期精度低下を生じる可能性がある。また、Syncパケット間隔のばらつきが標準規格に準拠した範囲であっても、遅延量のばらつきが大きくなったり、Syncパケットが途中で破棄されたりして、時刻同期の精度が低下しうる。
従って、時刻同期パケットを大きく遅延させないようにONUをスリープ制御する方法が望ましいが、従来の方法で時刻同期の送受信動作とONUのスリープ制御動作が連携しておらず、ONUをスリープさせると時刻同期パケットが大きく遅延しうる。
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、時刻同期パケットなどの定期的に送信されるパケットの遅延増大を抑え、かつ、ONUなどの端末装置をスリープさせるネットワークシステム及び制御装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の解決手段によると、
受信されるスリープ指示に基づいて自身の電力状態を制御する複数の端末装置と、
前記複数の端末装置に接続され、予め定められた第1パケットを定期的に前記端末装置に送信し、又は、他の装置から定期的に送信された第2パケットを受信して該第2パケットを前記端末装置に転送する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記端末装置に送信する第1パケットの送信予定時刻又は前記端末装置へ転送する第2パケットを受信する受信予定時刻と、現在時刻との差である残り時間に基づいて前記端末装置のスリープ可否を判定し、該端末装置をスリープさせる場合にスリープさせるためのスリープ指示を前記端末装置に送信する制御部を有するネットワークシステムが提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
受信されるスリープ指示に基づいて自身の電力状態を制御する複数の端末装置に接続される制御装置であって、
予め定められた第1パケットを定期的に前記端末装置に送信し、又は、他の装置から定期的に送信された第2パケットを受信して該第2パケットを前記端末装置に転送するパケット処理部と、
前記端末装置に送信する第1パケットの送信予定時刻又は前記端末装置へ転送する第2パケットを受信する受信予定時刻と、現在時刻との差である残り時間に基づいて前記端末装置のスリープ可否を判定し、該端末装置をスリープさせる場合にスリープさせるためのスリープ指示を前記端末装置に送信する制御部と
を備えた制御装置が提供される。
本発明の代表的な実施形態によれば、時刻同期パケットなどの定期的に送信されるパケットの遅延増大を抑え、かつ、ONUなどの端末装置をスリープさせるネットワークシステム及び制御装置を提供することができる。
第1の実施形態におけるシステムの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるONUの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるOLTの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるスリープ制御を実施した場合の時刻同期制御のシーケンス図である。 第1の実施形態におけるONUのスリープ制御処理のフローチャートである。 第1の実施形態におけるOLTのスリープ制御処理のフローチャートである。 第1の実施形態におけるONU状態管理テーブルの例を示す図である。 スリープ許可フレームフォーマットを説明する図である。 IEEE1588時刻同期制御パケットフォーマットを説明する図である。 第2の実施形態におけるスリープ制御を実施した場合の時刻同期制御のシーケンス図である。 第2の実施形態におけるOLTのスリープ制御処理のフローチャートである。 第2の実施形態におけるONU状態管理テーブルの例を示す図である。 第3の実施形態におけるスリープ制御を実施した場合の時刻同期制御のシーケンス図である。 第3の実施形態におけるOLTのスリープ制御処理のフローチャートである。 IEEE1588 Boundary Clockを適用した場合の時刻同期動作の例のシーケンス図である。 IEEE1588 Transparent Clockを適用した場合の時刻同期動作の例のシーケンス図である。 OLT−ONU間の時刻同期手順の例のシーケンス図である。 スリープ制御を実施しない場合の時刻同期手順のシーケンス図である。 スリープ制御を実施した場合の時刻同期制御のシーケンス図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には、同一の符号が付与されている。
1.関連技術
まず、各実施の形態を説明する前に、時刻同期とスリープ制御について概略的に説明する。なお、以下の説明及び図面は、本発明の各実施の形態の理解を容易にするためのものであり、及び、各実施の形態の動作並びに効果との対比のためのものであり、従来技術を構成するものではない。
[IEEE1588での時刻同期の動作シーケンスの例]
図15、図16に、PONを介してIEEE1588により時刻同期を実現する場合の動作シーケンス例を概略的に示す。IEEE1588においては、ネットワーク機器に適用するノードとしてBoundary Clock、End−to−End Transparent Clockなどが定義されている。図15は、OLT及びONUを有するPON全体をBoundary Clockとみなして動作させる場合の例を示し、図16は、OLT及びONUを有するPON全体をEnd−to−End Transparent Clockとみなして動作させる場合の例を示す。
図15を参照して、Boundary Clockを適用した場合の動作を説明する。まず、マスタークロック装置とOLTとの間でIEEE1588プロトコルのフレームを転送して、マスタークロック装置とOLTとの間での時刻同期を確立する(sig601〜sig603)。次に、OLTとONUとの間での時刻同期を確立する(sig604〜sig606)。なお、OLT−ONU間の時刻同期のプロトコルはどのようなプロトコルでも構わない。最後に、ONUと基地局のスレーブクロック装置との間でIEEE1588プロトコルのフレームを転送して、ONUと基地局のスレーブクロック装置との間で時刻同期を確立する。以上のように各装置間で同期を確立することによって、マスタークロック装置と基地局のスレーブクロック装置との間における時刻同期を確立することが可能となる。
次に、図16を参照して、End−to−End Transparent Clockを適用した場合の動作を説明する。まず、OLTとONUとの間でのローカルな時刻で同期を確立する。このローカルな時刻はマスタークロック装置の時刻と同期していなくてもよい。次に、マスタークロック装置と基地局のスレーブクロック装置との間でIEEE1588のパケット(フレーム、メッセージと称する場合もある)を転送して、時刻同期を確立する(sig701〜sig709)。OLT及びONUにおいては、IEEE1588のフレームを終端せずに透過させる。Syncパケットを透過させる際には、OLTのNNI(Network−Network Interface)にSyncパケットが入力されてからONUのUNI(User−Network Interface)からSyncパケットが出力されるまでの滞留時間D1を計測して、Syncパケット(sig303)のフィールドに滞留時間D1の情報を格納し、ONUからSyncパケットを送信する。また、Delay_Reqパケットを透過させる際には、ONUのUNIにDelay_Reqパケットが入力されてからOLTのNNIからDelay_Reqパケットが出力されるまでの滞留時間D2を計測して、Delay_Reqパケット(sig705)のフィールドに滞留時間D2の情報を格納し、OLTからDelay_Reqパケットを送信する。
図17を用いて、OLT−ONU間での時刻同期手順を概略的に説明する。なお、詳細は、例えば非特許文献2に記載されている。
まず、OLT−ONU間でのラウンドトリップタイム(RTT)を計測する。次に、OLTは、IEEE1588等によって外部から時刻情報ToDを取得し、正確な時刻と同期させる。次に、OLTはラウンドトリップタイムを用いて、下り方向のPON区間遅延時間を算出し、予め設定しておいたタイムスタンプXと、時刻XでのONU時刻Txを算出し、タイムスタンプXとONU時刻TxをONUに通知する。
最後に、ONUは、受信したタイムスタンプXとONU時刻Txの情報より、正確な時刻に同期させ、ONUに接続している端末装置に時刻情報を通知する。
[PONを介した時刻同期手順シーケンス]
ここで、図18を用いてONUのスリープ制御を実施しない場合の、時刻同期シーケンス例について概略的に説明する。なお、ここでは、マスタークロック装置とスレーブクロック装置がPONシステムを介して時刻同期し、OLTおよびONUからなるPONシステム全体がTransparent Clockとして動作するとして説明を進める。また、時刻同期手順はSyncパケット、Delay_Reqパケット、Delay_Respパケットのやり取りからなる。ここでは、このやり取りを1周期とし、第1周期から第3周期までの動作を記述する。
まず、マスタークロック装置がSyncパケットをOLTに送信する(sig101)。OLTは受信したSyncパケットをONUに転送する(sig102)。ONUはSyncパケットを受信するとスレーブクロック装置に転送する(sig103)。なお、OLTではNNI送受信部がSyncパケットを入力した時刻を取得し、ONUではSyncパケットを受信すると、UNI送受信部から送信する予定の時刻を取得し、さらに時刻差を算出する。この時刻差はSyncパケットがUNI−NNI間を通過するのに要した時間である。ONUは、この時間をSyncパケットのCorrection Fieldに加算して、ヘッダ情報が一部変更されたSyncパケットをスレーブクロック装置に送信する。このように動作させることで、OLTとONU全体がTransparent Clockとして動作する。
Syncパケットを受信したスレーブクロック装置は、ランダム時間待ってからDelay_Reqパケットを返信する(sig104)。ONUは受信したDelay_ReqパケットをOLTに転送する(sig105)。また、OLTは受信したDelay_Reqパケットをマスタークロック装置に転送する。なお、ONUではUNI送受信部がDelay_Reqパケットを入力した時刻を取得し、OLTではDelay_Reqパケットを受信すると、NNI送受信部から送信する予定の時刻を取得し、さらに時刻差を算出する。この時刻差はDelay_ReqパケットがUNI−NNI間を通過するのに要した時間である。OLTは、この時間をDelay_ReqパケットのCorrection Fieldに加算して、ヘッダ情報が一部変更されたDelay_Reqパケットをマスタークロック装置に送信する。このように動作させることで、OLTとONU全体がTransparent Clockとして動作する。
マスタークロック装置がDelay_reqパケットを受信すると、Delay_Respを生成してOLTに返信する(sig107)。OLTは受信したDelay_RespパケットをONUに転送し(sig108)、ONUは受信したDelay_Respパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig109)。
第2周期、第3周期の動作も第1周期と同様である。ただし、スレーブクロック装置がSyncパケットを受信してからDelay_Reqを返信する時間はランダム時間であるため、周期によって異なっている。
このように周期的に時刻同期パケットをやりとりすることによって、スレーブクロック装置は時刻を補正し、マスタークロック装置と同じ正確な時刻を維持するように動作する。類似の技術として、ONUでの時刻同期パケットの遅延をOLTが補正することで、高精度な時刻補正を簡易な構成で実現しようとする技術が特許文献2に開示されている。
[従来のスリープ制御を実施した場合の時刻同期手順シーケンス]
次に、図19を用いて、従来のスリープ制御を実施した場合の時刻同期シーケンス例を参照して、上述の課題をより具体的に説明する。なお、ここでは、OLTおよびONUからなるPONシステム全体がTransparent Clockとして動作するとして説明を進める。また、トラフィックは時刻同期パケットのみで、ユーザーデータはないとする。また、時刻同期手順はSyncパケット、Delay_Reqパケット、Delay_Respパケットのやり取りからなる。ここでは、このやり取りを1周期とし、第1周期から第3周期までの動作を記述する。
まず、第1周期での動作を説明する。
上述と同様に、マスタークロック装置がSyncパケットをOLTに送信する(sig201)と、OLTは受信したSyncパケットをONUに転送し(sig202)、ONUは受信したSyncパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig203)。Syncパケットを受信したスレーブクロック装置は、ランダム時間待ってからDelay_Reqパケットを返信する(sig204)。ONUは受信したDelay_ReqパケットをOLTに転送し(sig205)、OLTは受信したDelay_Reqパケットをマスタークロック装置に転送する。マスタークロック装置がDelay_reqパケットを受信すると、Delay_Respを生成してOLTに返信する(sig207)。OLTは受信したDelay_RespパケットをONUに転送し(sig208)、ONUは受信したDelay_Respパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig209)。
この後、時刻t201でOLTはトラフィックがないと判定し、ONUにスリープを許可するSleep_Allowフレームを送信する(sig211)。ONUはSleep_Allowフレームを受信すると一定期間(スリープ時間と呼ぶ)だけ送受信部が電力OFFの状態になる。スリープ時間が経過するとONUは通常状態に戻る。時刻t202でOLTは再びトラフィックがないと判定し、ONUにSleep_Allowフレームを送信する(sig212)。ONUはSleep_Allowフレームを受信するとスリープ時間だけ送受信部が電力OFFの状態になる。スリープ時間が経過するとONUは通常状態に戻る。時刻t203でOLTは再びトラフィックがないと判定し、ONUにSleep_Allowフレームを送信する(sig212)。ONUはSleep_Allowフレームを受信するとスリープ時間だけ送受信部が電力OFFの状態になる。
次に、第2周期での動作を説明する。
マスタークロック装置がSyncパケットをOLTに送信する(sig213)。このとき、ONUはまだスリープ状態にある場合を想定する。そのため、OLTは受信したSyncパケットをONUのスリープが解除されるまでバッファに蓄積する。時刻t204で、OLTは送信すべき下りパケットがあるため、ONUにスリープ指示は出さない。ONUがスリープから復旧してから、OLTはバッファに蓄積していたSyncパケットをONUに送信する(sig214)。このように、ONUをスリープしている期間にSyncパケットをOLTが受信すると、Syncパケットがスリープ期間の分だけ遅延が増大する。
ONUは受信したSyncパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig215)。Syncパケットを受信したスレーブクロック装置は、ランダム時間待ってからDelay_Reqパケットを返信する(sig216)。ONUは受信したDelay_ReqパケットをOLTに転送し(sig217)、OLTは受信したDelay_Reqパケットをマスタークロック装置に転送する(sig218)。マスタークロック装置がDelay_reqパケットを受信すると、Delay_Respを生成してOLTに返信する(sig219)。OLTは受信したDelay_RespパケットをONUに転送し(sig220)、ONUは受信したDelay_Respパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig221)。
時刻t205でOLTは再びトラフィックがないと判定し、ONUにSleep_Allowフレームを送信する(sig222)。ONUはSleep_Allowフレームを受信するとスリープ時間だけ送受信部が電力OFFの状態になる。
次に、第3周期での動作を説明する。
マスタークロック装置がSyncパケットをOLTに送信する(sig223)。OLTはSyncパケットを受信する。ここでスリープ判定の時刻t206になると、OLTは送信すべき下りパケットがあるため、ONUにスリープ指示は出さない。その後、SyncパケットをONUに転送し(sig224)、ONUは受信したSyncパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig225)。Syncパケットを受信したスレーブクロック装置は、ランダム時間待つ。その後、時刻t207でOLTはトラフィックがないと判定し、ONUにSleep_Allowフレームを送信する(sig226)。ONUはSleep_Allowフレームを受信するとスリープ時間だけ送受信部が電力OFFの状態になる。その後、時刻t208でOLTは再びトラフィックがないと判定し、ONUにSleep_Allowフレームを送信する(sig227)。ONUはSleep_Allowフレームを受信するとスリープ時間だけ送受信部が電力OFFの状態になる。
ここで、ONUがスリープ状態にあるときにスレーブクロック装置がDelay_Reqパケットを返信する場合を想定する(sig228)。ONUは受信したDelay_Reqパケットをバッファに蓄積し、スリープが解除されるのを待つ。スリープが解除され、ONUが通常状態に復旧すると、Delay_ReqパケットをOLTに送信する(sig229)。このように、ONUがスリープしている期間にONUがDelay_Reqを受信すると、Delay_Reqパケットがスリープ期間の分だけ遅延が増大する。
時刻t209では上りトラフィックがあるので、OLTはONUにスリープ指示を出さない。その後、OLTはDelay_Reqをマスタークロック装置に転送する(sig230)。マスタークロック装置がDelay_reqパケットを受信すると、Delay_Respを生成してOLTに返信する(sig231)。OLTは受信したDelay_RespパケットをONUに転送し(sig232)、ONUは受信したDelay_Respパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig233)。
2.第1の実施形態
次に、本発明の第1の実施の形態について説明する。
[第1の実施形態におけるシステムの構成]
図1は、第1の実施形態におけるネットワークシステムの構成を示す図である。
第1の実施形態のネットワークシステムは、例えば、OLT(制御装置)1、光スプリッタ3、複数のONU(端末装置)2(2−1〜2−n)、無線基地局5(5−1〜5−n)、ネットワーク6及びマスタークロック装置7を備える。OLT1は、幹線の光ファイバ4−0を介して光スプリッタ3と接続される。例えば、無線基地局5が時刻同期されるスレーブクロック装置に相当する。ONU2(2−1〜2−n)は、各々、支線の光ファイバ4(4−1〜4−n)を介して光スプリッタ3と接続される。無線基地局5(5−1〜5−n)は、各々、ONU2(2−1〜2−n)と接続される。マスタークロック装置7及びOLT1は、ネットワーク6を介して接続される。
[第1の実施形態におけるONUの構成]
図2は、本第1の実施形態におけるONU2の構成を示すブロック図である。
ONU2は、例えば、ONU光送受信部200、ONU MAC処理部210、UNI送受信部220、ONUトラヒック監視部230、ONUスリープ制御部240、ONU MPCP(multi−point control protocol)制御部250、ONU時刻同期制御部260、及びONU制御部270を有する。
ONU光送受信部200は、光ファイバ4より入力された下り光信号を電流信号に変換し、電流信号を電圧信号に変換し、電圧信号を増幅し、電圧信号からクロックを抽出し、抽出したクロックのタイミングに基づいて電圧信号をデジタル信号に変換する。さらに、ONU光送受信部200は、デジタル信号を復号化して、ONU MAC処理部210に出力する。
また、ONU光送受信部200は、ONU MAC処理部210より入力されたデジタル信号を符号化して、電圧信号にし、電圧信号を電流信号に変換し、さらに、電流信号を上り光信号に変換して光ファイバ4より出力する。
また、ONUスリープ制御部240からのスリープ指示を表す信号に従って、自身の電力状態を変化させる。例えば、ONU光送受信部200の電力をONの状態とOFFの状態(スリープ状態)の間で切り替える。ONU光送受信部200の電力がONの状態では、下り光信号の受信動作や上り光信号の送信動作が可能であるが、ONU光送受信部200の電力がOFFの状態では、下り光信号の受信動作や上り光信号の送信動作は不可である。
ONU MAC処理部210は、ONU光送受信部200より入力されたデジタル信号からフレームを抽出し、抽出されたフレームのヘッダを解析し、各フレームがユーザーデータフレーム、MPCP制御フレーム、スリープ制御フレーム、時刻同期制御フレームのいずれであるかを識別する。ONU MAC処理部210は、ユーザーデータフレームをUNI送受信部220に、MPCP制御フレームをONU MPCP制御部250に、スリープ制御フレームをONUスリープ制御部240に、時刻同期制御フレームをONU時刻同期制御部260に、それぞれ出力する。また、ONU MAC処理部210は、UNI送受信部220より入力されたユーザーデータフレーム、ONU MPCP制御部250より入力されたMPCP制御フレーム、ONUスリープ制御部240より入力されたスリープ制御フレーム、ONU時刻同期制御部260より入力された時刻同期制御フレームを多重して、ONU光送受信部200に出力する。
UNI送受信部220は、ONU MAC処理部210より入力されたユーザーデータフレームや時刻同期制御フレームを、UNIインタフェースに適する信号に変換して、無線基地局5に出力する。また、無線基地局5より入力されたユーザーデータフレーム及び上り時刻同期制御フレームをONU MAC処理部210に出力する。
ONUトラヒック監視部230は、トラフィックを監視する。例えば、自ONU2のフレームバッファ量に蓄積されているフレームバッファ量を取得する。
ONU MPCP制御部250は、OLT−ONU間で送受信されるMPCP制御フレームを解析及び生成する。また、ONU MPCP制御部250は、受信したGATEフレームを解析し、上り送信タイミングを決定する。また、ONUトラヒック監視部230よりONU制御部270を介して、フレームバッファ量を取得し、取得したバッファ量に基づいてREPORTフレームを生成し、ONU MAC処理部210に出力する。
ONUスリープ制御部240は、ONU MAC処理部210より入力されたスリープ制御フレームを解析したり生成したりする。また、受信したスリープ制御フレームで指定された指示に基づいて、ONU光送受信部200の電力状態を制御する。
ONU時刻同期制御部260は、OLT−ONU間における時刻同期を実現するための受信された制御フレームを解析し、送信する制御フレームを生成する。また、上り及び下りで送受信されるIEEE1588パケットを処理する。なお、時刻同期のプロトコルとしてIEEE1588以外の適宜のプロトコルを用いてもよい。
本第1の実施形態におけるONU2の構成によれば、ONU2はOLT1から送信されたスリープ制御フレームの指示に従って、ONU2をスリープさせることができ、また、OLT1とONU2間の時刻同期(及び/又はマスタークロック装置とスレーブクロック装置の同期)を実現し、IEEE1588パケットを処理して転送することが可能である。
[第1の実施形態におけるOLTの構成]
図3は、本第1の実施形態におけるOLT1の構成を示すブロック図である。
OLT1は、例えば、OLT光送受信部100、OLT MAC処理部110、NNI送受信部(受信部)120、OLTトラヒック監視部(トラヒック監視部)130、OLTスリープ制御部140、OLT MPCP制御部150、OLT時刻同期制御部(パケット処理部)160、OLT制御部(制御部)170及びONU状態管理テーブル180を有する。
OLT光送受信部100は、光ファイバ4より入力された上り光信号を電流信号に変換し、電流信号を電圧信号に変換し、電圧信号を増幅し、電圧信号からクロックを抽出し、抽出したクロックのタイミングに基づいて電圧信号をデジタル信号に変換する。さらに、OLT光送受信部100は、デジタル信号を復号化して、OLT MAC処理部110に出力する。
また、OLT光送受信部100は、OLT MAC処理部110より入力されたデジタル信号を符号化して、電圧信号にし、電圧信号を電流信号に変換し、さらに、電流信号を下り光信号に変換して光ファイバ4より出力する。
OLT MAC処理部110は、OLT光送受信部100より入力されたデジタル信号からフレームを抽出し、抽出されたフレームのヘッダを解析し、各フレームがユーザーデータフレーム、MPCP制御フレーム、スリープ制御フレーム、時刻同期制御フレームのいずれであるかを識別する。OLT MAC処理部110は、ユーザーデータフレームをNNI送受信部120に、MPCP制御フレームをOLT MPCP制御部150に、スリープ制御フレームをOLTスリープ制御部140に、時刻同期制御フレームをOLT時刻同期制御部160に、それぞれ出力する。また、OLT MAC処理部110は、NNI送受信部120より入力されたユーザーデータフレーム、OLT MPCP制御部150より入力されたMPCP制御フレーム、OLTスリープ制御部140より入力されたスリープ制御フレーム、OLT時刻同期制御部160より入力された時刻同期制御フレームを多重して、OLT光送受信部100に出力する。
NNI送受信部120は、OLT MAC処理部110より入力されたユーザーデータフレームや時刻同期制御フレームを、NNIインタフェースに適する信号に変換して、ネットワーク6に出力する。また、ネットワーク6より入力されたユーザーデータフレーム及び上り時刻同期制御フレームをOLT MAC処理部110に出力する。
OLT MPCP制御部150は、OLT−ONU間で送受信されるMPCP制御フレームを解析及び生成する。また、OLT MPCP制御部150は、各ONUから受信したREPORTフレームを解析し、それらに基づいて各ONUへの上り送信タイミングを決定する。さらに、決定した上り送信タイミングに基づいてGATEフレームを生成し、OLT MAC処理部110に出力する。
OLTスリープ制御部140は、OLT MAC処理部110より入力されたスリープ制御フレームを解析したり、ONUへ送信するスリープ制御フレームを生成したりする。
OLT時刻同期制御部160は、OLT−ONU間における時刻同期を実現するための制御フレームを解析し、生成する。また、OLT時刻同期制御部160は、上り及び下りで送受信されるIEEE1588パケットを処理する。
OLT制御部170は、OLTトラヒック監視部130、OLTスリープ制御部140、OLT MPCP制御部150、OLT時刻同期制御部160、ONU状態管理テーブル180の各部と連携した制御を実行する。具体的には、OLT制御部170は、OLTトラヒック監視部130から入手した情報に基づいて、ONU状態管理テーブル180を更新する。また、OLT制御部170は、ONU状態管理テーブル180から入手した情報に基づいて、スリープの可否を判定し、OLTスリープ制御部140へスリープ制御の指示を出す(スリープ判定部)。また、OLT制御部170は、OLTスリープ制御部140から入手した情報に基づいて、ONU状態管理テーブル180にスリープ時間を登録する。また、OLT制御部170は、OLTスリープ制御部140から入手したONUのスリープ状態に基づいて、各ONUへのMPCP制御フレームを送信するようにOLT MPCP制御部150に指示を出す。また、OLT制御部170は、OLT時刻同期制御部160から入手したSync受信パケットの到着時刻の統計情報を入手して、それに基づいて次のSyncパケット受信予定時刻をONU状態管理テーブル180に登録する。なお、Sync受信パケットの到着時刻の統計情報は、OLT時刻同期制御部160により求められてOLT制御部170に出力されてもよいし、OLT制御部170により求められてもよい(受信予定時刻推定部)。
ONU状態管理テーブル180は、時刻同期パケットの受信タイミングに基づいてスリープ制御の可否を決定する際に利用するテーブルである。OLT制御部170の指示に基づいてテーブルのデータを追加・変更・削除などにより書き込まれたり、現在のテーブルのデータが読み込まれたりする。ONU状態管理テーブル180で保持するデータ項目など詳細については後述する。
本第1の実施形態におけるOLT1の構成によれば、OLT1はトラヒック状態や時刻同期パケットの受信タイミング等に基づいて、ONU2のスリープ状態を指示するスリープ制御フレームを送受信することが可能である。
[第1の実施形態における、ONU状態管理テーブルの例]
ここで、第1の実施形態で使用する、OLT1が保持しているONU状態管理テーブル180についてさらに詳しく説明する。図7に、本第1の実施形態におけるONU状態管理テーブル180の例を示す。ONU状態管理テーブル180は、ONU識別子、ONUスリープ時間、ONU復旧時間、次のSync受信予定時刻、トラフィック状態の各項目を含む。
ONU識別子には、OLT1に接続されているONU2を識別するための値又は識別子が入る。例えば、ONU2のMACアドレスやシリアル番号などを格納する。ONUスリープ時間には、ONU2をスリープ許可フレームにより指定するスリープ時間の長さであるSleepDurationを表す値を格納する。ONU復旧時間には、スリープ状態にあるONUがスリープ解除指示を受けてから通常状態に復旧するまでの時間を格納する。ONU識別子、ONUスリープ時間及びONU復旧時間は、ONU毎に予め定められた値が格納される。次のSync受信予定時刻には、後述する方法により時刻同期パケット受信予定時刻を推定した値を格納する。なお、ここでは、Syncはマルチキャストパケットで送信されるとしているため、すべてのONUに対して同一の値が入る。トラフィック状態には、上りおよび下りのトラフィック状態を表す値を格納する。例えば、上りあるいは下りで送信すべきパケットがバッファに滞留している場合には「あり」を示す情報、それ以外の場合には「なし」を示す情報が入る。
[第1の実施形態におけるONUのスリープ制御処理の動作フローチャート]
図5は、本第1の実施形態におけるONUのスリープ制御処理の動作を示すフローチャートである。以下、ステップの順番に従って説明する。
まずONU2は、スリープ制御動作を開始する。その後、ONU2は、スリープ許可フレームを受信するまで通常状態にして待つ(S001)。スリープ許可フレームを受信するとS002に移る。その後、ONU2は、ONUのトラフィック状態を確認し、スリープすべきか否かを判定する(S002)。具体的には、トラフィックありと判定した場合は、ONU2は、スリープせずにS001に戻る。トラフィックなしと判定した場合は、ONU2はS003に移る。
その後、ONU2は、受信したスリープ許可フレームで指示されたSleepDurationの時間だけスリープ状態にする(S003)。ONU2は、SleepDuration時間経過し、通常状態に復旧するとS001に戻る。
以上の処理によって、ONU2は、OLT1からのスリープ制御指示に基づいて、自身をスリープ状態にすることが可能である。
[第1の実施形態におけるOLTのスリープ制御処理のフローチャート]
図6は、本第1の実施形態におけるOLT1のスリープ制御処理の動作を示すフローチャートである。以下、ステップの順番に従って説明する。
まず、OLT1は、スリープ制御動作を開始する。その後、OLT1は、次のスリープ判定時刻まで待つ(S101)。なお、第1の実施形態においては、スリープの判定はONU毎に一定の周期で実施するが、これ以外でもよい。次のスリープ判定時刻になると、OLT制御部170はONU状態管理テーブル180を参照し、該当ONU2のトラフィック有無を調べる(S102)。トラフィックありの場合はONUにスリープ指示を出さずにS101に戻り、他のONU2のスリープ判定時刻まで待っても良いし、同じスリープ判定時刻に各ONUについて処理する場合はS102に戻り、他のONUについて処理を繰り返す。以下のS101又はS102に戻る処理についても同様である。トラフィックなしの場合にはS103に移る。
その後、OLT制御部170は現在の時刻と、ONU状態管理テーブル180を参照して入手した時刻同期パケット受信予定時刻との差である残り時間T_remainを算出する。ここで、残り時間T_remainは、次の時刻同期パケットが受信される推定時刻までの時間を示す。T_remainが予め定められた閾値T_th1より大きい場合にはS104に移る。残り時間T_remainが閾値T_th1以下の場合には、ONU2にスリープ指示を出さずにS101又はS102に戻り、他のONU2のスリープ判定に移る。これにより、ONU2のスリープ中に次の時刻同期パケットが受信される可能性を低くできる。
その後、OLT制御部170はOLTスリープ制御部140に対して、該当するONUにスリープ許可フレームを送信することを指示し、それを受けたOLTスリープ制御部140は該当ONU2にスリープ許可フレームを送信する(S104)。
以上の処理によって、OLT1は、次のSync受信の残り時間およびトラフィック状態に基づいて、ONU2のスリープ制御を実施することができる。
[時刻同期パケット受信予定時刻の推定方法]
ここで、時刻同期パケットであるSyncパケット(第2パケット)の受信予定時刻の推定方法について説明する。Syncパケットの送信元であるマスタークロック装置では、基本的に一定の周期でSyncパケットを送出する。そのため、OLTが受信するSyncパケットの間隔もほぼ一定となる。但し、マスタークロック装置とOLTの間にレイヤー2スイッチなどのネットワーク装置を介している場合には、それらの装置で発生する遅延により、Syncパケットの遅延がパケットごとに変化する可能性がある。そのため、OLTの受信するSyncパケットは平均をとると一定間隔であるが、ある程度間隔にバラつきが生じる。そこで、Syncパケット受信予定時刻を推定するには、複数のSyncパケット受信時刻データを集め、そのデータを統計処理してSyncパケット受信間隔の統計情報を求める。例えば、平均値と標準偏差を算出し、その平均値と標準偏差、前回のSyncパケット受信予定時刻に基づいて次回のSyncパケット受信予定時刻を推定する。
具体的には、以下のように算出する。前回のSyncパケット受信時刻をT_prev、Syncパケット受信間隔の平均値をμ、Syncパケット受信間隔の標準偏差をσ、次回のSyncパケット受信予定時刻をT_nextとする。このときT_nextはT_prev+μを中心に標準偏差σ程度で分布すると推定される。そのため、実際のSyncパケット受信予定時刻はほぼT_next=T_prev+μ−σ以降と考えることができる。この受信予定時刻を用いて上記残り時間を算出することで、通常のスリープ制御ではスリープを可と判定されONUがスリープ状態になるケースにおいて、Syncパケットが平均よりσ程度早く到着してもSyncパケットの遅延を抑えることができる。なお、T_next=T_prev+μ−α×σとしてもよい。係数αを大きくすることにより、スリープ効率は低下するもののより確実に遅延発生を抑えてもよい。なお、標準偏差を考慮せず、平均値と、前回のSyncパケット受信予定時刻に基づいて次回のSyncパケット受信予定時刻を推定することも可能である(上記の式でα=0に相当する)。
[閾値T_th1の決め方]
ここで、スリープ可否を判定する際に用いる閾値T_th1の決め方の一例について説明する。閾値T_th1は例えば、スリープ指示を出してからONUが通常状態に復旧するまでの時間となるように定めることができる。具体的には、T_th1=T_sleep+T_wakeupとすればよい。なお、閾値T_th1の定め方はこれに限定されるものではなく、適宜の値がONU毎に、又は、各ONUに共通に定められてもよい。
[第1の実施形態におけるスリープ制御を実施した場合の時刻同期手順シーケンス]
本第1の実施形態におけるスリープ制御を実施した場合の、時刻同期シーケンス例について図4を用いて説明する。なお、ここでは、OLT1およびONU2で構成されるPONシステム全体がTransparent Clockとして動作するとして説明を進める。また、トラフィックは時刻同期パケットのみで、ユーザーデータはないとする。なお、ユーザーデータがある場合は、例えばスリープ可否の判定において、送信すべきユーザデータがあることでスリープ不可と判定される。また、時刻同期手順はSyncパケット、Delay_Reqパケット、Delay_Respパケットのやり取り(ハンドシェイク)からなる。ここでは、このやり取りを1周期とし、第1周期から第3周期までの動作を記述する。なお、各周期の動作はその順序で実行される必要はない。また、Syncパケット(時刻同期パケット)の受信予定時刻は、上述のように統計処理により予め求められている。
まず、第1周期での動作を説明する。
マスタークロック装置7がSyncパケットをOLT1に送信する(sig301)と、OLT1は受信したSyncパケットをONU2に転送し(sig302)、ONU2は受信したSyncパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig303)。ここで、スレーブクロック装置は無線基地局5に相当する。Syncパケットを受信したスレーブクロック装置は、ランダム時間待ってからDelay_Reqパケットを返信する(sig304)。ONU2は受信したDelay_ReqパケットをOLT1に転送し(sig305)、OLT1は受信したDelay_Reqパケットをマスタークロック装置7に転送する(sig306)。マスタークロック装置7がDelay_reqパケットを受信すると、Delay_Respを生成してOLT1に返信する(sig307)。OLT1は受信したDelay_RespパケットをONU2に転送し(sig308)、ONU2は受信したDelay_Respパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig309)。この後、スリープ判定時刻t301でOLT1はトラフィックがないと判定し、ONU2にスリープを許可するSleep_Allowフレームを送信する(sig310)。ここでは、上記残り時間は閾値より大きい。ONU2はSleep_Allowフレームを受信すると一定期間(スリープ時間を呼ぶ)だけONU光送受信部200が電力OFFの状態になる。スリープ時間が経過するとONU2は通常状態に戻る。スリープ判定時刻t302でOLT1は再びトラフィックがないと判定し、ONU2にSleep_Allowフレームを送信する(sig311)。ONU2はSleep_Allowフレームを受信するとスリープ時間だけONU光送受信部200が電力OFFの状態になる。スリープ時間が経過するとONU2は通常状態に戻る。スリープ判定時刻t303でOLT1は再びトラフィックがないと判定するが、次のSyncパケット受信予定時刻までの残り時間T_remainが閾値T_th1よりも小さいため、ONU2にスリープ指示を出さない。その結果、ONU2は通常状態のままで動作する。
次に、第2周期での動作を説明する。
マスタークロック装置7がSyncパケットをOLT1に送信する(sig312)。このとき、ONU2は通常状態にあるため、通常通りSyncパケットをONU2に転送する(sig313)。ONU2は受信したSyncパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig314)。スリープ判定時刻t304でOLT1はトラフィックがなく、また、次のSync受信予定時刻までの残り時間T_remainが閾値T_th1よりも大きいためスリープ可と判定し、ONU2にSleep_Allowフレームを送信する(sig315)。ONU2はSleep_Allowフレームを受信するとスリープ時間だけONU光送受信部200が電力OFFの状態になる。ONU2がスリープ状態にあるときにDelay_Reqパケットを受信すると(sig316)、ONU2はスリープ期間中に受信したDelay_Reqをバッファに蓄積する。ONU2のスリープ状態が解除され通常状態に復旧すると、ONU2は、Delay_ReqをOLT1に転送する(sig317)。スリープ判定時刻t305で上りトラフィックがあるため、OLT1は、ONU2にスリープ許可を出さない。その後、OLT1はONU2より受信したDelay_Reqをマスタークロック装置7に転送する(sig318)。マスタークロック装置7がDelay_reqパケットを受信すると、Delay_Respを生成してOLT1に返信する(sig319)。OLT1は受信したDelay_RespパケットをONU2に転送し(sig320)、ONU2は受信したDelay_Respパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig321)。
次に、第3周期での動作を説明する。
マスタークロック装置7がSyncパケットをOLT1に送信する(sig322)。OLT1はSyncパケットを受信する。この直後、スリープ判定時刻t306で、OLT1は送信すべき下りパケットがあるため、ONU2にスリープ指示は出さない。その後、SyncパケットをONU2に転送し(sig323)、ONU2は受信したSyncパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig324)。Syncパケットを受信したスレーブクロック装置は、ランダム時間待つ。その後、スリープ判定時刻t307でOLT1はトラフィックがないと判定し、ONU2にSleep_Allowフレームを送信する(sig325)。ONU2はSleep_Allowフレームを受信するとスリープ時間だけONU光送受信部200が電力OFFの状態になる。その後、スリープ判定時刻t308でOLT1は再びトラフィックがないと判定し、ONU2にSleep_Allowフレームを送信する(sig326)。ONU2はSleep_Allowフレームを受信するとスリープ時間だけONU光送受信部200が電力OFFの状態になる。ONU2がスリープ状態にあるときにスレーブクロック装置がDelay_Reqパケットを返信すると(sig327)、ONU2は受信したDelay_Reqパケットをバッファに蓄積し、スリープが解除されるのを待つ。スリープが解除され、ONU2が通常状態に復旧すると、ONU2はDelay_ReqをOLT1に送信する(sig328)。スリープ判定時刻t309では上りトラフィックがあるので、OLT1はONU2にスリープ指示を出さない。その後、OLT1はDelay_Reqをマスタークロック装置7に転送する(sig329)。マスタークロック装置7がDelay_reqパケットを受信すると、Delay_Respを生成してOLT1に返信する(sig330)。OLT1は受信したDelay_RespパケットをONU2に転送し(sig331)、ONU2は受信したDelay_Respパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig332)。
以上のように、本第1の実施形態のスリープ制御を実施すると、Syncパケット受信時にONU2はスリープ状態になりにくいため、Syncパケットの遅延を増大することなく転送できることが分かる。なお、Deley_Reqパケットは従来と同様にスリープ期間の分だけ遅延が増大しうる。
[第1の実施形態におけるスリープ制御フレームフォーマット]
図8は、本第1の実施形態におけるスリープ許可フレームSleep_Allowのフォーマットである。なお、このフレームはIEEE802.3 Clause57.4に記載されているOAMPDUのフレームフォーマットをベースに作成したものである。図8に示すように、スリープ許可フレームSleep_Allowは、eOAMPDU header(ヘッダ情報)(F101)、Opcode(フレーム種別)(F102)、SleepDuration(スリープ時間)(F103)、Pad(パディングデータ)(F104)、及びFCS(フレームチェック情報)(F105)の各フィールドを含む。
eOAMPDU header(F101)には、OAMPDUに共通のヘッダ領域を表しており、宛先アドレスや送信元アドレス、Length/Typeなどの情報が含まれる。Opcode(F102)には、OAMPDUの制御フレームの種別を表す領域であり、ここではSleep_Allowを表す値として0xFEが使用される。Sleep Duration(F103)にはスリープの長さを表す値が入り、4Byte分割り当てる。16ns単位で設定すると、0から約68.7sまで指定することが可能である。Pad(F104)には、フレームの長さ調整のためのPaddingを表す値が入り、例えば値として0が入力される。FCS(F105)には、フレームのデータ部分についてフレームの誤り検査の計算を行った結果を格納する。
このようなスリープ許可フレームをOLTからONUに送信することによって、OLTはSleepDurationで示した時間だけ、ONUをスリープさせることが可能である。なお、この例に限らず、適宜のフォーマットを使用しても良い。
[IEEE1588パケットフォーマット]
図9は、IEEE1588パケットフォーマットを示す。Syncパケット、Delay_Reqパケット、Delay_Respはこのパケットフォーマットを利用できる。なお、このフレームはIEEE1588−2008 Clause13.3に記載されているパケットフォーマットと同一である。図9に示すように、IEEE1588パケットフォーマットは、transportSpecific(F201)、messageType(F202)、reserved(F203)、versionPTP(F204)、messageLength(F205)、domainNumber(F206)、reserved(F207)、flagField(F208)、correctionField(F209)、reserved(F210)、sourcePortIdentity(F211)、sequenceId(F212)、controlField(F213)、logMessageInterval(F214)、Payload(F215)を含む。なお、以下では、本実施の形態の説明に必要なmessageType(F202)およびcorrectionField(F209)についてのみ詳細に説明する。
messageType(F202)には、IEEE1588パケットのメッセージ種別を表す値が入る。例えば、Syncパケットの場合には0x0、Delay_Reqパケットの場合には0x1、Delay_Respパケットの場合には0x9の値が入る。
correctionField(F209)には、時刻の補正に使う情報が格納される。例えば、transparent Clockで滞留した時間であるResidence timeや隣接ノードとのリンク遅延の非対称量などを加算した値が入る。スレーブクロック装置では、このcorrection Fieldの値を用いて、マスタークロック装置とのずれを補正する。
このパケットフォーマットより、本パケットを解析し、messageTypeの値を調べることで受信したパケットがSyncパケットであるか、Delay_Reqパケットであるか、Delay_Respパケットであるかなどを判別できる。
なお、この例に限らず、適宜のフォーマットを使用しても良い。
[第1の実施形態の効果]
本第1の実施形態によれば、時刻同期パケットについて、PON区間での生じる遅延増大を抑えつつ、ONUをスリープさせることができる。PONを経由して時刻同期を実現するシステムに本実施の形態を適用すれば、時刻同期の精度の劣化を抑えつつ、かつ、PONシステムの省電力化を実現することができる。
3.第2の実施形態
前述した第1の実施形態においては、OLTはトラフィック状態と次のSyncパケット受信予定時刻までの残り時間に基づいて、ONUのスリープ可否を判定する。しかしながら、スレーブクロック装置がSyncパケットを受信してからDelay_Reqを送信するまでの時間がランダムであるため、ONUがスリープ期間中にDelay_Reqを受信する場合がある。第2の実施形態においては、OLTはトラフィック状態と次のSyncパケット受信予定時刻までの残り時間に加え、時刻同期手順のハンドシェイク状況に基づいてスリープ可否を判定する。その結果Delay_Reqパケットについても遅延の増大を防ぐ。
以下、第2の実施形態の説明においては、主に第1の実施形態との差分を中心に説明し、同一の構成及び処理には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
[第2の実施形態におけるシステムの構成]
第1の実施形態と同一であるため、説明を割愛する。
[第2の実施形態におけるONUの構成]
第1の実施形態と同一であるため、説明を割愛する。
[第2の実施形態におけるOLTの構成]
基本的な構成は第1の実施形態とほぼ同じであるため、詳細な説明は割愛する。なお、第1の実施形態との差分はONU状態管理テーブルである。具体的には、以下に説明するように、ONU状態管理テーブルで保持する情報の一部が異なる。
[第2の実施形態におけるONU状態管理テーブル]
ここで、本第2の実施形態で使用するOLT1が保持するONU状態管理テーブルについて説明する。図12に、本第2の実施形態におけるONU状態管理テーブル1180の例を示す。第1の実施形態のONU状態管理テーブル180との差分は、第2の実施形態におけるONU状態管理テーブル1180には、ONU毎に時刻同期ハンドシェイク状態がさらに格納されている点である。
時刻同期ハンドシェイク状態には、OLT1が上りおよび下りのIEEE1588パケットをスヌーピングして取得したIEEE1588パケットのハンドシェイク状態を表す値が入る。例えば、Syncパケット(ハンドシェイク開始のパケット)を転送したが、Delay_Reqパケットを転送していない場合には「未完」を示す情報が入り、Delay_Respパケット(ハンドシェイク終了のパケット)の転送が完了した場合には「完」を示す情報が入る。つまり、予め定められた一連のハンドシェイク処理が完了したか否かを示す情報が格納される。このようなONU状態管理テーブル1180を用いることにより、OLT1にて時刻同期ハンドシェイク状態(ハンドシェイクの進行状態)に基づいたONUスリープ制御を実行することが可能である。
また、ONU状態管理テーブル1180は、第1の実施の形態と同様に、ONU識別子、ONUスリープ時間、ONU復旧時間、次のSync受信予定時刻、トラフィック状態の項目を含む。これらの各項目については第1の実施の形態と同様である。
[第2の実施形態におけるOLTのスリープ制御処理のフローチャート]
図11は、本第2の実施形態におけるOLT1のスリープ制御処理の動作を示すフローチャートである。なお、主に第1の実施形態との差分を中心に説明する。以下、ステップの順番に従って説明する。
まず、OLT1は、スリープ制御動作を開始する。その後、OLT1は、次のスリープ判定時刻まで待つ(S201)。なお、第2の実施形態においては、スリープの判定は第1の実施形態と同様に一定の周期で実施することができる。次のスリープ判定時刻になると、OLT制御部170はONU状態管理テーブル1180を参照し、該当ONU2のトラフィック有無を調べる(S202)。トラフィックありの場合はONU2にスリープ指示を出さずに、第1の実施の形態と同様にS201又はS202に移る。トラフィックなしの場合にはS203に移る。
その後、OLT制御部170は現在の時刻と、ONU状態管理テーブル1180を参照して入手した時刻同期パケット受信予定時刻との差より、残り時間T_remainを算出する。T_remainが予め定められた閾値T_th1より大きい場合にはS204に移る。一方、T_remainが閾値T_th1以下の場合には、ONU2にスリープ指示を出さずにS201又はS202に戻る。
その後、OLT制御部170は、ONU状態管理テーブル1180を参照し、該当するONUの時刻同期ハンドシェイク状態を取得し、ハンドシェイクが完了していれば、S205に移る。一方、ハンドシェイクが未完であれば、S201又はS202に戻る。
その後、OLT制御部170は、OLTスリープ制御部140に、該当するONUにスリープ許可フレームを送信することを指示し、それを受けたOLTスリープ制御部140はONU2にスリープ許可フレームを送信する(S205)。
以上の処理によって、OLT1は、次のSync受信までの残り時間およびトラフィック状態、そして、時刻同期のハンドシェイク状態に基づいて、ONUのスリープ制御を実施することができる。
[第2の実施形態におけるスリープ制御を実施した場合の時刻同期手順シーケンス]
本第2の実施形態におけるスリープ制御を実施した場合の、時刻同期シーケンス例について図10を用いて説明する。主に第1の実施形態との差分を中心に説明する。なお、ここでは、OLTおよびONUからなるPONシステム全体がTransparent Clockとして動作するとして説明を進める。また、トラフィックは時刻同期パケットのみで、ユーザーデータはないとする。なお、ユーザーデータがある場合は、スリープ可否の判定において、送信すべきユーザデータがあることでスリープ不可と判定される。また、時刻同期手順はSyncパケット、Delay_Reqパケット、Delay_Respパケットのやり取りからなる。ここでは、このやり取りを1周期とし、第1周期から第3周期までの動作を記述する。なお、各周期の動作はその順序で実行される必要はない。また、Syncパケット(時刻同期パケット)の受信予定時刻は、上述のように統計処理により予め求められている。
まず、第1周期での動作を説明する。
マスタークロック装置7がSyncパケットをOLT1に送信する(sig401)と、OLT1は受信したSyncパケットをONU2に転送し(sig402)、ONU2は受信したSyncパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig403)。ここで、OLT1は、ハンドシェイクが未完であることをONU状態管理テーブル1180に記憶する。Syncパケットを受信したスレーブクロック装置は、ランダム時間待ってからDelay_Reqパケットを返信する(sig404)。ONU2は受信したDelay_ReqパケットをOLT1に転送し(sig405)、OLT1は受信したDelay_Reqパケットをマスタークロック装置7に転送する(sig406)。マスタークロック装置7がDelay_reqパケットを受信すると、Delay_Respを生成してOLT1に返信する(sig407)。OLT1は受信したDelay_RespパケットをONU2に転送し(sig408)、ONU2は受信したDelay_Respパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig409)。ここで、OLT1は、ハンドシェイクが完了したことをONU状態管理テーブル1180に記憶する。この後、スリープ判定時刻t401でOLT1はトラフィックがないと判定し、ONU2にスリープを許可するSleep_Allowフレームを送信する(sig410)。ONU2はSleep_Allowフレームを受信するとスリープ時間だけONU2光送受信部200が電力OFFの状態になる。スリープ時間が経過するとONU2は通常状態に戻る。スリープ判定時刻t402でOLT1は再びトラフィックがないと判定し、ONU2にSleep_Allowフレームを送信する(sig411)。ONU2はSleep_Allowフレームを受信するとスリープ時間だけONU2光送受信部200が電力OFFの状態になる。スリープ時間が経過するとONU2は通常状態に戻る。スリープ判定時刻t403でOLT1は再びトラフィックがないと判定するが、次のSyncパケット受信予定時刻までの残り時間T_remainが閾値T_th1よりも小さいため、ONU2にスリープ指示を出さない。その結果、ONU2は通常状態のままで動作する。
次に、第2周期での動作を説明する。 マスタークロック装置7がSyncパケットをOLT1に送信する(sig412)。このとき、ONU2は通常状態にあるため、通常通りSyncパケットをONU2に転送する(sig413)。ONU2は受信したSyncパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig414)。ここで、OLT1は、ハンドシェイクが未完であることをONU状態管理テーブル1180に記憶する。スリープ判定時刻t404でOLT1は、トラフィックがなく、次のSync受信予定時刻までの残り時間T_remainが閾値T_th1よりも大きいが、ハンドシェイク状態が未完であるためスリープ不可と判定し、ONU2にスリープ許可は出さない。その後、スレーブクロック装置は、Delay_Reqパケットを返信する(sig415)。ONU2は受信したDelay_ReqパケットをOLT1に転送し(sig416)、OLT1は受信したDelay_Reqパケットをマスタークロック装置7に転送する(sig417)。マスタークロック装置7がDelay_reqパケットを受信すると、Delay_Respを生成してOLT1に返信する(sig418)。OLT1は受信したDelay_RespパケットをONU2に転送し(sig419)、ONU2は受信したDelay_Respパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig420)。ここで、OLT1は、ハンドシェイクが完了したことをONU状態管理テーブル1180に記憶する。この後、スリープ判定時刻t405でOLT1はトラフィックがないと判定し、ONU2にスリープを許可するSleep_Allowフレームを送信する(sig421)。ONU2はSleep_Allowフレームを受信するとスリープ時間だけONU2光送受信部200が電力OFFの状態になる。スリープ時間が経過するとONU2は通常状態に戻る。
次に、第3周期での動作を説明する。
マスタークロック装置7がSyncパケットをOLT1に送信する(sig422)。OLT1はSyncパケットを受信する。ここで、OLT1は、ハンドシェイクが未完であることをONU状態管理テーブル1180に記憶する。この直後、スリープ判定時刻t406で、OLT1は送信すべき下りパケットがあるため、ONU2にスリープ指示は出さない。その後、SyncパケットをONU2に転送し(sig423)、ONU2は受信したSyncパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig424)。Syncパケットを受信したスレーブクロック装置は、ランダム時間待つ。その後、スリープ判定時刻t407でOLT1はトラフィックがなく、次のSyncパケット受信予定時刻までの残り時間T_remainが閾値T_th1より大きいが、ハンドシェイク状況が未完であるためスリープ不可と判定し、ONU2にスリープ許可を出さない。その後、スリープ判定時刻t408でもOLT1はトラフィックがなく、次のSyncパケット受信予定時刻までの残り時間T_remainが閾値T_th1より大きいが、依然としてハンドシェイク状況が未完であるためスリープ不可と判定し、ONU2にスリープ許可を出さない。
その後、スレーブクロック装置がDelay_Reqパケットを返信する(sig425)。ONU2は受信したDelay_ReqパケットをOLT1に転送する(sig426)。OLT1はDelay_Reqをマスタークロック装置7に転送する(sig427)。マスタークロック装置7がDelay_reqパケットを受信すると、Delay_Respを生成してOLT1に返信する(sig428)。OLT1は受信したDelay_RespパケットをONU2に転送し(sig429)、ONU2は受信したDelay_Respパケットをスレーブクロック装置に転送する(sig430)。ここで、OLT1は、ハンドシェイクが完了したことをONU状態管理テーブル1180に記憶する。その後、スリープ判定時刻t409では、OLT1はトラフィックがないが、次のSync受信予定時刻までの残り時間T_remainが閾値T_th1より小さいため、スリープ不可と判定し、ONU2にスリープ許可は出さない。
以上のように、本第2の実施形態のスリープ制御を実施すると、OLT1がSyncパケット受信するときにONU2はスリープ状態ではないため、Syncパケットの遅延を増大することなく転送できる。また、時刻同期プロトコルのハンドシェイク状況に基づいてスリープ可否を判定することにより、Deley_Reqパケットの遅延を増大することなく転送できる。
[第2の実施形態の効果]
本第2の実施形態によれば、時刻同期パケットについて、PON区間で生じる遅延を増大させることなく、ONUをスリープさせることができる。特に、第2の実施形態においては、Syncパケットだけでなく、Delay_Reqパケットの遅延増大を防ぐことができる。そのため、PONを経由して時刻同期を実現するシステムに本実施の形態を適用すれば、時刻同期の精度を劣化させることなく、PONシステムの省電力化を実現することができる。
4.第3の実施形態
前述した第1の実施形態及び第2の実施形態においては、ONUのスリープ時間はONU毎に一定としていた。しかしながら、Syncパケットの受信予定時刻までの残り時間の長さに基づいてスリープを実施すれば、ONUがスリープできる機会が増大し、それによってより電力を削減できる。第3の実施形態においては、Syncパケットの受信予定時刻までの残り時間の長さに基づいてスリープ制御を実施する。
以下、第3の実施形態の説明においては、主に第1の実施形態との差分を中心に説明し、同一の構成及び処理には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
[第3の実施形態におけるシステムの構成]
第1の実施形態と同一であるため、説明を割愛する。
[第3の実施形態におけるONUの構成]
第1の実施形態と同一であるため、説明を割愛する。
[第3の実施形態におけるOLTの構成]
基本的な構成は第1の実施形態と同じであるため、詳細な説明は割愛する。
[第3の実施形態におけるOLTのスリープ制御処理のフローチャート]
図14は、本第3の実施形態におけるOLTのスリープ制御処理の動作を示すフローチャートである。なお、主に第1の実施形態との差分を中心に説明する。以下、ステップの順番に従って説明する。
まず、OLT1は、スリープ制御動作を開始する。その後、OLT1は、次のスリープ判定時刻まで待つ(S301)。なお、第3の実施形態においては、スリープの判定は第1、第2の実施形態と同様に一定の周期で実施することができる。次のスリープ判定時刻になると、OLT制御部170はONU状態管理テーブル180を参照し、該当ONUのトラフィック有無を調べる(S302)。トラフィックありの場合はONU2にスリープ指示を出さずに、第1の実施の形態と同様にS301又はS302に移る。トラフィックなしの場合にはS303に移る。
その後、OLT制御部170は現在の時刻と、ONU状態管理テーブル180を参照して入手した時刻同期パケット受信予定時刻との差より残り時間T_remainを算出する。残り時間T_remainが予め定められた閾値T_th_minより大きい場合にはS304に移る。残り時間が閾値T_th_min以下の場合には、ONU2にスリープ指示を出さずにS301又はS302に戻る。
その後、OLT制御部170は、残り時間に基づいて適切なスリープ時間を算出する(S304)。ここで、スリープ時間の算出方法の例を説明する。
例えば、スリープ時間はT_sleep=MIN(T_remain、T_th_max)により算出する。なお、MIN(A、B)はAとBの小さい方の値を返す関数である。より具体的には、
T_sleep=T_remein (T_th_min<T_remain≦T_th_maxの場合)
T_sleep=T_th_max (T_th_max<T_remeinの場合)
の値を返す。このような関数によりスリープ時間を設定することにより、T_th_min以上T_th_max以下の範囲で、残り時間に合わせた最適なスリープ時間を設定することができる。各閾値については後述する。ここで、元の説明に戻る。
OLT制御部170はOLTスリープ制御部140に、該当するONU2にスリープ許可フレームを送信することを指示し、それを受けたOLTスリープ制御部140はONU2にスリープ許可フレームを送信する(S305)。
以上の処理によって、OLT1は、次のSync受信の残り時間およびトラフィック状態に基づいて、適切なスリープ時間だけONU2のスリープ制御を実施することができる。
[第3の実施形態における閾値の決め方]
ここで、T_sleepを決める関数で用いた二つの閾値の設定例について説明する。T_th_minは、一例として、(ONU2が可能な最小スリープ時間)と(ONU2がスリープ状態から復旧するのにかかる時間)の和を設定する。T_th_maxは、一例として、(ONU2が可能な最大スリープ時間)と(ONU2がスリープ状態から復旧するのにかかる時間)の和を設定する。なお、ONU2のスリープ時間を短くするとスリープ可能な頻度は増えるが、起動やシャットダウンする際に余分に電力を消費するため、省電力効果が見込める最小のスリープ時間を設定すればよい。また、ONU2が可能な最大スリープ時間は例えば、システムで許容される最大の遅延時間や、スリープ用タイマーカウンタのメモリ量などに基づいて決めればよい。なお、ONU2が可能な最大スリープ時間が、例えばONU状態管理テーブル180のスリープ時間のフィールドに記憶され、OLT制御部170は、ONU状態管理テーブル180を参照してONU毎のT_th_maxも得るようにしてもよい。
[第3の実施形態の効果]
第3の実施形態によれば、次のSyncパケット受信予定時刻までの残り時間に基づいて、スリープ可否およびスリープ時間を決めるため、時刻同期パケットの遅延増大を抑えつつ、より高頻度にONUをスリープさせることができ、第1の実施形態に比べ更なる省電力化が見込める。
5.第4の実施形態
以上の各実施の形態においては、OLTのNNIやONUのUNIから入出力される時刻同期パケットの遅延を抑え、かつ、ONUをスリープさせるシステム及び方法等を説明した。しかしながら、OLT−ONU間内部で定期的にやり取りされるパケットの遅延を抑え、かつ、ONUをスリープさせるシステム等に適用してもかまわない。例えば、OLT−ONU間の時刻同期を実現するために定期的に送出するパケット(第1パケット。以下、特定パケットと称する)の遅延を抑えるために、その特定パケットの送信予定時刻から残り時間を算出して、その残り時間に基づいてスリープ可否を判定してもよい。
例えば、上述の各実施の形態におけるSyncパケットの受信が、特定パケットの送信に対応し、受信予定時刻が送信予定時刻に対応する。
6.変形例
[変形例1]
以上、本発明の実施形態について、Transparent Clockとして動作する場合について記述したが、Boundary Clockとして動作する場合にも適用可能である。その場合には、OLTとONU間でやりとりするIEEE1588パケットを、OLT−ONU間の時刻同期などでやり取りする時刻同期関連パケットに置き換え、この時刻同期関連パケットの送出予定タイミングに基づいて、スリープ時間を制御すればよい。
[変形例2]
また、本発明の実施形態について、10G−EPONで規定されているフレームフォーマット及びプロトコルに基づいて説明したが、他のフレームフォーマットやプロトコルにおいても同様に、適用することができる。
[変形例3]
また、以上の説明においては、OLTとONUから構成されるPONシステムに関して説明したが、本発明はPONシステムに限定されない。例えば、スリープ機能などの適宜の省電力機能が搭載されたLANなどの適宜のネットワークシステムに適用してもよい。
[変形例4]
また、本発明の適用例としてモバイルバックホールを採用したが、時刻同期が必要とされるシステムであれば、ファクトリーオートメーション及びスマートグリッド等のシステムに適用が可能である。
[変形例5]
また、各実施の形態について、時刻同期パケットをやりとりして時刻同期される例を説明したが、時刻同期以外にも、定期的にパケットを送信することで所定の目的を達成するシステムに適用してもよい。
7.適用例
[適用例1]
適用例1においては、ONUへパケット送信する予定時刻までの残時間に基づきスリープ可否を判定する。
例えば、複数の端末装置と、上記複数の端末装置に接続される制御装置と、を備えるネットワークシステムであって、
上記制御装置は、上記端末装置のスリープ可否の情報を含むスリープ制御フレームを上記端末装置に送信し、
上記端末装置は、受信した上記スリープ制御フレームに基づいて自身の電力状態を制御し、
上記制御装置は、将来端末装置に送信する予定のパケットの送信予定時刻と現在時刻の差である残り時間に基づいて上記端末装置のスリープ可否を判定し、判定結果に基づいてスリープ制御フレームを上記端末装置に送信することを特徴のひとつとする。
[適用例2]
適用例2においては、外部ネットワークからパケット受信予定までの残時間に基づきスリープ可否を判定する。
例えば、適用例1に記載のネットワークシステムにおいて、
上記制御装置は、外部のネットワークから上記端末装置へ転送すべきパケットを受信し、上記パケットを受信する予定の時刻を推定するパケット受信予定時刻推定部と、
上記制御装置は上記パケット受信予定時刻推定部と現在時刻の差である残り時間に基づいて、上記端末装置のスリープ可否を判定することを特徴のひとつとする。
[適用例3]
適用例3においては、トラフィック状態に基づいてスリープ可否を判定する。
例えば、適用例1に記載のネットワークシステムにおいて、
上記制御装置は、上りおよび下りのトラフィック状態をモニタし、転送すべきトラフィックがあるか否かを出力するトラフィックモニタ部を有し、
上記制御装置は、上記トラフィックモニタ部の出力に基づいて、上記端末装置のスリープ可否を判定することを特徴のひとつとする。
[適用例4]
適用例4においては、プロトコルのハンドシェイク状況に基づいてスリープ可否を判定する。
例えば、適用例1に記載のネットワークシステムにおいて、
上記制御装置は、複数のパケットを送受信することでハンドシェイクを実現するプロトコルに対応したパケットを上記端末装置との間で送受信し、
上記制御装置は、上記ハンドシェイクが完了したか否かに基づいて、上記端末装置のスリープ可否を判定することを特徴のひとつとする。
[適用例5]
適用例5においては、ONUへパケット送信する予定時刻までの残時間に基づきスリープ時間を決定する。
例えば、適用例1に記載のネットワークシステムにおいて、
上記制御装置は、上記端末装置をスリープ状態にさせるスリープ時間の情報を含むスリープ制御フレームを上記端末装置に送信し、
上記端末装置は、受信した上記スリープ制御フレームに基づいて、上記スリープ制御フレームで指定されたスリープ時間だけ自身をスリープ状態にし、
上記制御装置は、上記端末装置をスリープ可と判定した場合に上記残り時間に基づいて、上記端末装置のスリープ時間を決定することを特徴のひとつとする。
[適用例6]
適用例6においては、ONUへパケット送信する予定時刻までの残時間に基づきスリープ可否を判定する。
例えば、ネットワークシステムにおいて、複数の端末装置に接続される制御装置であって、
上記端末装置のスリープ可否の情報を含むスリープ制御フレームを上記端末装置に送信するスリープ制御部と、
上記制御装置が上記端末装置に送信する予定のパケットの送信予定時刻と現在時刻の差である残り時間を推定する残り時間推定部と、
上記残り時間推定部で推定した残り時間に基づいて上記端末装置のスリープ可否を判定するスリープ可否判定部を備え、
上記スリープ可否判定部の判定結果に基づいてスリープ制御フレームを生成し、上記端末装置に送信することを特徴のひとつとする。
[適用例7]
適用例7においては、外部ネットワークからパケット受信予定までの残時間に基づきスリープ可否を判定する。
例えば、適用例6に記載の制御装置において、
上記制御装置は、外部のネットワークから上記端末装置へ転送すべきパケットを受信し、上記パケットを受信する予定の時刻を推定するパケット受信予定時刻推定部を備え、
上記残り時間推定部は、上記パケット受信予定時刻推定部が出力するパケット受信予定時刻と現在時刻の差である残り時間を算出することを特徴のひとつとする。
[適用例8]
適用例8においては、パケット受信の過去の統計情報に基づいて、パケット受信予定時刻を推定する。
例えば、適用例7に記載の制御装置において、
上記パケット受信予定時刻推定部は、過去に受信した複数のパケットの受信時刻の統計情報に基づいて、将来パケット受信する予定の時刻を推定することを特徴のひとつとする。
[適用例9]
適用例9においては、残時間と予め設定した閾値とを比較してスリープ可否を判定する。
例えば、適用例6に記載の制御装置において、
上記スリープ可否判定部は、上記残り時間と予め設定した閾値との大小を比較し、比較結果に基づいてスリープ可否を判定することを特徴のひとつとする。
[適用例10]
適用例10においては、トラフィック状態に基づいてスリープ可否を判定する。
例えば、適用例6に記載の制御装置において、
上記制御装置は、ネットワークの上り方向や下り方向のトラフィック状態をモニタし、上記制御装置が転送すべきトラフィックがあるか否かを出力するトラフィックモニタ部を有し、
上記スリープ可否判定部は、上記トラフィックモニタ部の出力に基づいて、上記端末装置のスリープ可否を判定することを特徴のひとつとする。
[適用例11]
適用例11においては、プロトコルのハンドシェイク状況に基づいてスリープ可否を判定する。
例えば、適用例6に記載の制御装置において、
上記制御装置は、複数のパケットを送受信することでハンドシェイクを実現するプロトコルに対応したパケットを上記端末装置との間で送受信し、
上記プロトコルのハンドシェイク状態を推定するハンドシェイク状態推定部を備え、
上記スリープ可否判定部は、上記ハンドシェイク状態推定部の出力に基づいて、上記端末装置のスリープ可否を判定することを特徴のひとつとする。
[適用例12]
適用例12においては、パケットをスヌーピングしてハンドシェイク状況を把握する。
例えば、適用例11に記載の制御装置において、
上記ハンドシェイク状態推定部は、上記端末装置間で送受信されるパケットのヘッダ情報をスヌーピングし、上記ヘッダ情報を解析した結果に基づいて、ハンドシェイク状態を推定することを特徴のひとつとする。
[適用例13]
適用例13においては、ONUへパケット送信する予定時刻までの残時間に基づきスリープ時間を決定する。
例えば、適用例6に記載の制御装置において、
上記制御装置は、上記端末装置をスリープ可と判定した場合に上記残り時間に基づいて、上記端末装置のスリープ時間を決定するスリープ時間決定部を備え、
上記スリープ制御部は、上記端末装置をスリープ状態にさせるスリープ時間の情報を含むスリープ制御フレームを上記端末装置に送信し、
上記制御装置は、上記スリープ時間判定部で決定したスリープ時間を含むスリープ制御フレームをスリープ制御部より出力することを特徴のひとつとする。
1 光回線終端装置(OLT)
2−1〜2−n 光回線端末装置(ONU)
3 光スプリッタ
4−0〜4−n 光ファイバ
5−1〜5−n 無線基地局
6 ネットワーク
7 マスタークロック装置
100 OLT光送受信部
110 OLT MAC処理部
120 NNI送受信部
130 OLTトラヒック監視部
140 OLTスリープ制御部
150 OLT MPCP制御部
160 OLT時刻同期制御部
170 OLT制御部
180 ONU状態管理テーブル
200 ONU光送受信部
210 ONU MAC処理部
220 UNI送受信部
230 ONUトラヒック監視部
240 ONUスリープ制御部
250 ONU MPCP制御部
260 ONU時刻同期制御部
270 ONU制御部

Claims (15)

  1. 受信されるスリープ指示に基づいて自身の電力状態を制御する複数の端末装置と、
    前記複数の端末装置に接続され、予め定められた第1パケットを定期的に前記端末装置に送信し、又は、他の装置から定期的に送信された第2パケットを受信して該第2パケットを前記端末装置に転送する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記端末装置に送信する第1パケットの送信予定時刻又は前記端末装置へ転送する第2パケットを受信する受信予定時刻と、現在時刻との差である残り時間に基づいて前記端末装置のスリープ可否を判定し、該端末装置をスリープさせる場合にスリープさせるためのスリープ指示を前記端末装置に送信する制御部を有するネットワークシステム。
  2. 前記制御装置は、
    前記端末装置へ転送する第2パケットをネットワークから受信する受信部
    をさらに備え、
    前記制御部は、
    第2パケットを受信する受信予定時刻を推定する受信予定時刻推定部と、
    該第2パケットの受信予定時刻と現在時刻との差である残り時間に基づいて、前記端末装置のスリープ可否を判定するスリープ判定部と
    を有する請求項1に記載のネットワークシステム。
  3. 前記制御部は、前記残り時間が予め定められた閾値より大きい場合に、スリープ可と判定し、スリープ指示を前記端末装置に送信する請求項1に記載のネットワークシステム。
  4. 前記制御装置は、
    自装置の上り及び下りのトラフィック状態を監視し、前記端末装置に送信又は転送するトラフィックがあるか否かを管理するトラフィック監視部
    をさらに備え、
    前記制御部は、送信又は転送するトラフィックがある前記端末装置については、スリープ不可と判定する請求項1に記載のネットワークシステム。
  5. 前記制御装置は、前記第1パケット又は前記2パケットを含む、プロトコルに応じた複数のパケットを送受信することでハンドシェイクを実現する該パケットを前記端末装置との間で送受信し、
    前記制御部は、前記ハンドシェイクが完了していない場合は、スリープ不可を判定する請求項1に記載のネットワークシステム。
  6. 前記制御部は、
    送受信されるパケットをスヌーピングして予め定められたハンドシェイク開始のパケットと、予め定められたハンドシェイク終了のパケットとを検出し、
    ハンドシェイク開始のパケットを検出後、ハンドシェイク終了のパケットを検出するまでは、スリープ不可と判定する請求項5に記載のネットワークシステム。
  7. 前記制御部は、前記端末装置をスリープ可と判定した場合に前記残り時間に基づいて、前記端末装置のスリープ時間を決定し、該スリープ時間の情報を含む前記スリープ指示を前記端末装置に送信し、
    前記端末装置は、受信した前記スリープ指示で指定されたスリープ時間に従い自装置の少なくとも一部をスリープ状態にする請求項1に記載のネットワークシステム。
  8. 前記受信予定時刻推定部は、過去に前記端末装置へ転送する複数の第2パケットを受信した時刻に基づき受信間隔の統計情報を求め、前回の受信時刻と該統計情報に基づいて、次に第2パケットを受信する受信予定時刻を推定する請求項2に記載のネットワークシステム。
  9. 前記受信予定時刻推定部は、受信間隔の統計情報として、受信間隔の平均値及び偏差を求め、前回の受信時刻と、受信間隔の平均値及び偏差とに基づいて、次に第2パケットを受信する受信予定時刻を推定する請求項8に記載のネットワークシステム。
  10. 前記受信予定時刻推定部は、前回の受信時刻と受信間隔の平均値の和から偏差に応じた時間を引いて、次に第2パケットを受信する受信予定時刻を推定する請求項9に記載のネットワークシステム。
  11. 前記端末装置に送信する予定の第1パケット又は前記端末装置へ転送する第2パケットは、時刻同期のためのパケットである請求項1に記載のネットワークシステム。
  12. 前記制御装置は、光回線終端装置であり、
    前記端末装置は、スプリッタを介して前記光回線終端装置と通信する光ネットワークユニットであり、
    該光回線終端装置と該光ネットワークユニットとでPONを構成する請求項1に記載のネットワークシステム。
  13. 前記光回線終端装置は、時刻同期のためのマスタークロック装置に接続され、
    前記光ネットワークユニットは、時刻同期のためのスレーブクロック装置に接続され、
    前記マスタークロック装置と前記スレーブクロック装置で時刻同期のためのパケットが送受信される請求項12に記載のネットワークシステム。
  14. 受信されるスリープ指示に基づいて自身の電力状態を制御する複数の端末装置に接続される制御装置であって、
    予め定められた第1パケットを定期的に前記端末装置に送信し、又は、他の装置から定期的に送信された第2パケットを受信して該第2パケットを前記端末装置に転送するパケット処理部と、
    前記端末装置に送信する第1パケットの送信予定時刻又は前記端末装置へ転送する第2パケットを受信する受信予定時刻と、現在時刻との差である残り時間に基づいて前記端末装置のスリープ可否を判定し、該端末装置をスリープさせる場合にスリープさせるためのスリープ指示を前記端末装置に送信する制御部と
    を備えた制御装置。
  15. 前記制御装置は、光回線終端装置であり、
    PONシステムにおいて前記複数の端末装置である複数の光ネットワークユニットにスプリッタを介して接続される請求項14に記載の制御装置。
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