実施の形態1.
・ハードウェア構成
図1は、本発明にかかるPONシステムの実施の形態1の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態のPONシステムは、OLT1(親局装置)と、ONU10-1〜10-3(子局装置)と、を備える。OLT1とONU10-1〜10-3はスプリッタ40を介して加入者線30で接続されている。スプリッタ40は、OLT1に接続する加入者線30をONU10-1〜10-3の数に分岐する。また、ONU10-1は、端末20-1および20-2に接続されている。なお、ここではONUを3台とした例を示しているが、ONUの台数はこれに限らず何台でもよい。
OLT1は、PONプロトコルに基づいてOLT側の処理を実施するPON制御部2と、ONU10-1〜10-3から受信する上りデータを格納するためのバッファである受信バッファ3と、ONU10-1〜10-3へ送信する下りデータを格納するためのバッファである送信バッファ4と、光信号の送受信処理を行う光送受信器5と、上りデータと下りデータを波長多重するWDM(Wavelength Division Multiplexing)カプラ(WDM)6と、ネットワークとの間でNNI(Network Node Interface)の物理インタフェース機能を実現する物理層処理部(PHY)7と、を備える。光送受信器5は、受信処理を行う光受信器(Rx:Receiver)51と、送信処理を行う光送信器(Tx:Transmitter)52と、を備える。
ONU10-1は、PONプロトコルに基づいてONU側の処理を実施するPON制御部11と、OLT1への送信データ(上りデータ)を格納するためのバッファである送信バッファ(上りバッファ)12と、OLT1からの受信データ(下りデータ)を格納するためのバッファである受信バッファ(下りバッファ)13と、光送受信器14と、上りデータと下りデータを波長多重するWDM15と、端末20-1,20-2との間で、それぞれUNI(User Network Interface)の物理インタフェース機能を実現する物理層処理部(PHY)16-1,16-2と、を備える。
光送受信器14は、送信処理を行う光送信器(Tx:Transmitter)141と、受信処理を行う光受信器(Rx:Receiver)142と、を有する。PON制御部11は、光送信器141及び/または光受信器142をオン状態/オフ状態に制御するため、省電力制御用の信号線で光送受信器14と接続されている。この実施の形態の通信システムには、(1)送信器141のみ省電力状態にできるONU10、(2)送信器141及び受信器142を省電力状態にできるONU10、(3)いずれの省電力状態の制御にも対応できないONU10が混在する。PHY16-1は、受信処理を行う受信部(Rx:Receiver)161-1と、送信処理を行う送信部(Tx:Transmitter)162-1と、で構成され、PHY16-2は、受信処理を行う受信部(Rx:Receiver)161-2と、送信処理を行う送信部(Tx:Transmitter)162-2と、を有する。
なお、ONU10-1に接続される端末を2台としているが、端末の数はこれに限らず、何台でもよく、端末の数に応じた物理層処理部(PHY)を備える。また、図1では代表としてONU10-1の構成例を示したが、ONU10-2,10-3もONU10-1と同様の構成である。
OLT1のPON制御部2は、従来のPONシステムと同様に、ONU10-1〜10-3に対して送信時間帯が重ならないようにそれぞれ送信許可を与えるように上りデータの帯域割り当てを行い、ONU10-1〜10-3の送信データの衝突を防いでいる。この帯域割り当ては、どのような方法を用いてもよいが、たとえば、「Su-il Choi and Jae-doo著,“HuhDynamic Bandwidth Allocation Algorithm for Multimedia Services over Ethernet(登録商標) PONs”,ETRI Journal,Volume 24,Number 6,December 2002 p.465〜p.466」に記載されているDynamic Bandwidth Allocation Algorithm等を用いることができる。
つぎに、本実施の形態のOLT1とONU10-1〜10-3の全体動作を説明する。PON制御部2は、PHY7経由でネットワークから受信した下りデータ(下り通信データ)を送信バッファ4に格納する。OLT1からデータを送信する際には、PON制御部2が、送信バッファ4に格納されている下りデータを読み出して光送受信器5に出力し、光送受信器5のTx52が送信データを光信号としてWDM6へ出力し、WDM6が光送受信器5から出力される光信号に対して波長多重を行い、加入者線30経由でONU10-1〜10-3へ下り信号として出力する。また、PON制御部2が、送信許可の指示を送信する送信帯域割当等の制御メッセージを送信する場合には、PON制御部2が生成した制御メッセージを光送受信器5に出力し、以下、下りデータと同様にONU10-1〜10-3へ送信する。なお、図1のPONシステムでは、波長多重を行うためWDM6,15を用いているが、単一波長で通信する場合には、WDM6、15は必須ではない。
ONU10-1〜10-3では、OLT1から下り信号を受信すると、WDM15が下り信号を分離して光送受信器14へ出力し、光送受信器14のRx142が下り信号を電気信号の下りデータに変換してPON制御部11へ出力する。PON制御部11は、光送受信器14のRx142から出力された下りデータを受信バッファ13に格納する。PON制御部2は、受信バッファ13に格納された下りデータを読み出してそのデータの宛先に応じてPHY16-1,16-2の両方または片方に出力する。下りデータを受け取ったPHY16-1,16-2は、下りデータに対して所定の処理を実施して、自身が接続する端末20-1,20-2へ送信する。
一方、ONU10-1〜10-3から上りデータを送信する場合には、PON制御部11は、端末20-1,20-2からPHY16-1,16-2経由で取得した上りデータを送信バッファ12に格納する。そして、OLT1から与えられた送信帯域に基づいて送信バッファに格納した上りデータを読み出して光送受信器14へ出力する。光送受信器14のTx141は、上りデータを光信号(上り信号)に変換し、WDM15,加入者線30経由でOLT1に送信する。
OLT1のPON制御部2は、ONU10-1〜10-3から加入者線30,WDM6,光送受信器5のRx51経由で受信した上りデータを受信バッファ3に格納する。また、PON制御部2は、受信バッファ3に格納した上りデータを読み出して、PHY7経由でネットワークへ出力する。
また、ONU10-1〜10-3は、OLT1からの制御メッセージについては、PON制御部11が、WDM15および光送受信器14のRx142経由で受信し、制御メッセージの指示に基づいた動作の実施、制御メッセージに対する応答の生成などを行う。
・ONU特性適合型パワーセーブ
次に、通信システムの省電力動作の一例として、PONシステムのパワーセーブ動作について図2を用いて説明する。図2に示された通信システムでは、省電力機能を有するONU(1)と、省電力機能を持たないONU(2)とが1つのOLT1に接続されている。図2は、OLT1がONU10の能力に合わせてONU10を省電力状態で動作させる制御を示している。
まず、ステップS1でOLT1は、アクティブなONU10を見つけるためにディスカバリ処理を行う。OLT1は下り通信にディスカバリの制御メッセージをブロードキャストし、この制御メッセージを受信した各ONU10がONUのシリアル番号等をOLT1に返信する。ここで、通信可能状態にある全てのONU10は応答メッセージを返すため、OLT1は、応答メッセージを受信することによりアクティブ状態のONU10を発見することができる。ここではONU(2)は電源が切られており応答メッセージを返さない。
次にOLT1は、ステップS1で発見したONU10とONU10の能力や通信条件に関する各種パラメータを交換し、互いの通信の条件設定を行う(ステップS2)。ONU10は、ONU10の省電力機能の対応情報をパワーセーブレベルとしてOLT1へ送信する。この対応情報は、送受信器の電源制御情報や省電力モードの継続時間(sleep_time)を含む。電源制御情報は、例えば[1]ドーズモード(Doze/Dozing mode):送信機能(Tx)がオフで受信機能[Rx]がオン、[2]スリープモード(或いはCyclic sleep):周期的に送信機能(Tx)及び受信機能[Rx]をオフにする、[3]省電力モード不対応のいずれか、または、複数のモードに対応する場合にはそれらのモードを列挙したデータである。
コンフィグレーションが終了すると、OLT1は通常の通信状態に移行する。OLT1は上り通信のための帯域を各ONU10に割当て、これを送信許可情報(Grant若しくはGate)としてONU10に送信する。OLT1は、このGrantを下りの他のデータとともにフレームに格納してONU10へ送信してもよいし、個別に送信してもよい。
Grantを受信したONU10はデータ送信を開始するが、ここでは送信データがなくONU10が省電力モードに移行する場合を説明する(ステップS3)。省電力モードに移行する場合、ONU10はOLT1にリクエスト信号を送信する。OLT1は例えばステップS2で入手したONU10の各種情報や当該ONU10との上り下りの通信状況等に基づき、省電力モードへの移行を許可するかを判断し、許可信号(不許可信号)をONU10へ送信する。許可信号を受け取ると、ONU10は送信部141(若しくは送信部141及び受信部142)の電源をオフにし、光送受信器14で消費される電力を低減する。
OLT1は、ステップS2のコンフィグレーション結果に応じて、ONU10が要求した省電力モードとは異なる省電力モードを許可し、また省電力中に送信器141等の電源を一時的にオフにする時間の設定を変更し、ONU10に通知することもある。
ステップS3において、OLT1は省電力モードのONU10に対してもGrantを割当てる。これはONU10に上りデータ発生した場合に、ONU10が短い遅れでデータを送信できるようにするためである。OLT1は、このGrantの割当を各帯域更新周期について毎回割当ててもよいし、上り通信が少ないことを考慮して数回に一回の間隔で割当ててもよい。例えば、ドーズモードでは、毎回割当て、スリープモードでは間引いた間隔とするということが考えられる。
なお、省電力モード中であっても、OLT1とONU10は通信を継続している。この様子を図3に示す。ONU10はタイミングU3から省電力モードに入るが、例えばドーズモードではGrantとともに下りデータを受信している。一方、上りの通信に関してはONU10は所定の時間(Sleep time)終了後のタイミングU6で一時的に送信器141の電源をオンにし、リクエスト(Sleep要求)を送信してリンクを維持し、その後再び送信器141の電源をオフにする。送信器141が一時的にオン状態であるとき、ONU10は割当てられた帯域で他の制御情報や小さなデータを送信することも可能である。リンクを維持しながら省電力機能を使う制御については、出願人は、国際特許協力条約出願PCT/JP2010/002054にて説明しており、この出願を引用し本出願に含ませることとする。
図2に戻り、ONU10の能力に基づく省電力制御の説明を続ける。ONU10は、所定の
しきい値以上の上りデータの発生や、大きな帯域を要求する端末(接続機器)の通信開始
を監視しており、この監視結果に基づき省電力モードの解除を決定する。この解除は、O
NU10が解除メッセージを送信したり、データを送信することによって行われる。
次に、省電力機能を持たない/省電力プロトコルに対応しないONU(2)が起動した場合の制御を説明する。OLT1の周期的なディスカバリ(ステップS4)によってONU(2)が発見され、コンフィグレーション(ステップS5)が終了すると、ONU(2)は通信を開始する。OLT1が通常通りONU(1)及びONU(2)にGrantを送信すると、ONU(2)は上りデータが無い場合でもIdle Frameを応答として送信する。ONU(2)がIdle frameを送信するのは、送信しない場合OLT1でLOSi(Loss of Signal for ONUi)が検出され、リンクが切られてしまうためである。しかし、送信データがないにも関わらず、フレームを送信するのはONU10の消費電力と帯域の無駄である。
そこで、OLT1はコンフィグレーションの結果に基づき、省電力機能を有さないONU(2)がこのような状態で長く(所定のしきい値以上)動作したと判断すると、当該ONU(2)を実質的に省電力状態で動作させることを決定する(ステップS7a)。図2の例では、ONU(1)から省電力モードのリクエストを受信しているため、OLT1はコンフィグレーションの結果に基づき、省電力モードに対応しているONU(1)には、例えば、ドーズモードの省電力プロトコルで、省電力モードに対応していないONU(2)には、疑似ドーズモードによる省電力プロトコルで通信を開始する。
ここで、疑似ドーズモードによる省電力プロトコルとは、Grantの送信間隔を例えば、帯域更新周期の10周期に1回とし、Grantを疑似ドーズモードに移行する前よりも間引いたプロトコルである。これによりIdle frameの送信が減少するため、上り通信のために消費される電力を節約することができる。なお、疑似ドーズモードでは、ONU10はGrantを付与されたら、必ず応答を返す。
一方、ドーズモードの省電力プロトコルの規則は、ONU10はGrantが付与されても、送信データがない場合には応答を返す必要がないことを定めている。毎回の応答の代りに通信路の障害を検出するためにONU10はsleep timeで定められた期間に、1回は応答フレームを返信する。また、ドーズモードでは、Grantは、疑似ドーズモードよりも頻繁に付与される。図2のC2は、疑似ドーズモードで付与されるGrantの間隔を示している。この間隔C2がドーズモードで与えられる間隔C1よりも長く、そのためIdle Frameの送信間隔が長くなり、ONU(2)の消費電力が抑えられることが分かる。
また、ドーズモードの省電力プロトコルは、応答フレームの送信を抑制し、かつ、短いGrantの送信間隔により、上り通信発生時の送信遅延をなくす、または少なくすることができるという特長がある。
以上のように、この実施の形態の通信システムでは、省電力機能の対応情報に基づいて省電力プロトコルを変更し、複数のONUそれぞれの特性に合わせて消費電力を抑えることできる。また、この通信システムは、ONU(2)のような省電力機能を持たない/省電力プロトコルに対応していないONU10に対しても、消費電力を抑えた制御をすることが可能である。
・コンフィグレーション詳細と省電力モードの選択
次に、コンフィグレーション詳細について図4を用いて説明する。図4において、図2と同一の符号は同一又は相当の処理を示している。ステップS5は図2のコンフィグレーション動作の詳細を示している。
ONU10は、端末20-1等の接続機器の種類、オン/オフ、回線の種類、速度等の属性の情報を収集し(ステップS5a)、自装置の記憶装置に記録された自装置の機能、性能に関する情報と合わせて、属性情報を生成する(ステップS5b)。ONU10は、この属性情報として、省電力機能の対応情報(power_save_attr)を記録する。
OLT1は、ディスカバリが終了するとコンフィグレーションのために、ONU10の属性情報の要求指令(Get_cmd)を送信する。各ONU10は、この要求指令に対して属性情報を応答フレーム(Get_rsp)で返信する。なお、省電力機能に対応していないONU(2)は、省電力機能の対応情報(power_save_attr)を送信しない場合もある。
OLT1は、応答フレーム(Get_rsp)を受信すると、後述する図11に示すような形式で自己の記録装置(データベース)に記憶する。また、同様に、記録装置に予め記録されたユーザ毎の契約に基づき、ユーザや提供サービス毎の省電力モードの制限事項を調べ(ステップS5c)、当該各ONU10に許可する省電力モードや条件を決定する(ステップS5d)。制限事項の例を図11〜15に示す。例えば、ユーザが迅速な応答が要求されるサーバ用途で通信回線を使用している場合、ONU10が省電力モードに移行し遅延が発生するのは望ましくない。OLT1、及びONU10は、予め許可される省電力モードを確認することにより、このような望ましくない遅延を予め抑制することができる。
次に、OLT1はONU10に、決定した許可省電力モードを指示フレーム(Set_cmd)を用いてONU10へ送信する。ONU10は、受信した許可省電力モードを自装置の記憶装置に記録する(ステップS5e)。
ONU10は、記録された許可省電力モードに基づき、使用する省電力モード/省電力モードへの移行の可否を決定する。省電力モードに移行する場合には、ONU10は上述のようにリクエスト(sleep_mode_req)を要求する省電力モードのパラメータとともに送信する。これを受信したOLT1は、上り或いは下り通信のトラヒックの状態(有無と量)や、リンクの種類、ONU10側の接続機器(種類、オンオフ等)を検知して、要求された省電力モード、検知結果、許可された省電力モードの情報に基づき、省電力モードを選択する。そして、その結果を応答フレーム(sleep_mode_ack)を用いてONU10へ返信する。
ここで、OLT1は、省電力機能を持たないONU(2)のトラヒックも監視して、省電力モードに移行すべきか判断するので、ONU(2)がリクエストを送信しなくても、OLT1は当該ONU(2)を実質的な省電力状態に制御することができる。
・異なる省電力モードの選択
次に、省電力機能を備えた複数のONU10に対して、ONU10の特性に応じて異なる種類の省電力プロトコルを選択する処理について説明する。図5において、図4と同一の符号は同一又は相当の処理を示している。ONU(1)はドーズモードに対応した省電力機能のみを持っており、ONU(3)はドーズモードおよびスリープモードに対応した省電力機能を持っている。言い換えれば、ONU(1)は送信器141のみ電源オフにできるが、ONU(3)は送信器141および受信器142の電源を独立に制御することができる。
コンフィグレーションが終了し、通信が開始後に両ONUが省電力モードに移行可能な状況になったとする。例えば、ウェブブラウジングによる断続的かつ少量のデータ通信や小帯域の音声通信のみが発生した場合、また、IP電話のみが電源オンになっておりかつ待受け状態になっている場合などである。ONU10はこれらのトラヒックの状況を送信バッファの監視や、接続機器の状態監視を行うことにより検知し、それぞれ予め定められた条件になったときに省電力モードへの移行を決定する。ONU10は、例えば、移行の判断を、所定期間の上り、下りそれぞれのトラヒック総量や平均値がしきい値以下になった場合、接続機器の状態と移行可能な省電力モードの対比表等により行う(ステップS6a,S6b)。
ONU10はステップS6cにて、トラヒック状態等から決定した省電力モードが、OLT1から許可された省電力モードに該当するかどうかを記憶装置にアクセスすることにより調べ、許可モードであればリクエスト(sleep_mode_req)をOLT1へ送信する。このとき、決定したモードが許可モードに該当しない場合には、ONU10はモードを許可モードに該当するものに変更するか、リクエストの送信を抑制する。許可モードに該当しないリクエストを抑制することにより、無駄な帯域の消費と処理に係る電力を節約することができる。
OLT1は各ONU10からのリクエストを受信し、リクエストが許可できるか否か、或いは、ONU10の属性情報に合わせた省電力モードを判断して(ステップS7a)、ONU10に返送する。例えば、ONU(3)からはドーズモードに移行したい旨のリクエストがあった場合でも、OLT1が下り通信がないと判断した場合には、スリープモードに対応したONU(3)には、スリープモードに移行するようにモードを変更して応答フレームを返すことができる。一方、ONU(1)はドーズモードしか対応していないことが分かっているため、同様の状況であってもOLT1は、スリープモードへの変更は行わず、ONU(1)からの要求どおり、ドーズモードを指示した応答フレームを返送する。
上述の処理により、以後ONU(1)はドーズモードで動作し、ONU(3)はスリープモードで動作する。
なお、ONU10からのリクエストは省電力モードを指定しない形式で行うことも可能である。この場合OLT1は、コンフィグレーションで得られたONU10の対応情報や属性情報に基づき、省電力モードを選択してONU10に通知する。
・省電力モード間のモード変更
次に、省電力モード間のモード変更について図6を用いて説明する。図6において、図2と同一の符号は同一または相当の処理を表わしている。なお、このプロトコルは一例であり、この発明は、図6に示された各種送信フレームやその名称、手順に限定されるものではない。
図6は、ONU10がドーズモードからスリープモードに移行し、その後、再びドーズモードに移行する様子を示している。この複数の省電力モード間のモード変更は、図5のステップS6a〜S6cで説明したONU10の判断に基づいて、ONU10が自発的に実行することもあるが、OLT1がモードの移行を指示することも可能である。以下、OLT1がモードの移行を指示する場合を例として説明する。
期間P1で動作していたONU10が、ドーズモードを指定してリクエスト(sleep_mode_req)を送信し、期間P2でドーズモードに移行する。ドーズモードに移行すると、ONU10は受信器142の供給電力は維持する一方で送信器141の供給電力をカットし、消費電力を抑えた運転を開始する。図6において、TxとRxはそれぞれ送信器141と受信器142の電源オン状態を示している(記載がない期間は電源オフ状態である)。
期間P2において、受信器142はオン状態であるため、OLT1は下りデータを送信することが可能である。また、図示していないがOLT1は下りデータとともに、GrantもONU10に与えている。ONU10はGrantを受信しているが、送信データがない場合には送信器141に電力を供給せず、消費電力を抑える。
ステップS10でOLT1からONU10に送信していた下りトラヒックが無くなると、OLT1が、送信バッファ4等の監視結果からこれを検知し、記憶装置に記憶されているステップS2のコンフィグレーションの結果を調べ、下り通信も省電力モードにするかどうかを判断する。下りトラヒックの終了検知は、例えば、一定期間の下りトラヒックが所定のしきい値以下になった否かによって行われる。
OLT1がドーズモードからスリープモードへの変更を行うと判断した場合、OLT1はスリープモード変更指示(sleep_mode_Ind)を変更するモード(SLEEP)を指定して、ONU10へ送信する。この変更指示を受信したONU10は、通常の省電力モードへの移行と同様にsleep_mode_reqを送信し、OLT1からsleep_mode_ackが返信されたらドーズモードからスリープモードに省電力モードを切り替える。そして、ONU10は、受信器142の供給電力をカットし、消費電力をさらに抑えた状態で動作する。
スリープモードでは、サイクリックスリープという一定または可変周期で電源オフとオンを繰り返す。どの期間、電源をオフにするかについてはSleep timeというパラメータによって指定される。Sleep timeはコンフィグレーションで決められたデフォルト値でもよいし、sleep_mode_ack(sleep_mode_req)で指定された値でもよい。例えば、sleep_mode_ack(sleep_mode_req)でSleep timeが指定されない場合には、ONU10並びにOLT1はデフォルト値を使用する。
ONU10は、Sleep timeに従って、一時的に送信器141および受信器142の電源をオンにし、OLT1に対してスリープモードを継続するか否かを通知(sleep_mode_req)する。OLT1は、sleep_mode_reqを受信することにより、当該ONU10との間で回線障害が発生していないことを確認できる。また、OLT1はsleep_mode_reqに対して、sleep_mode_ackを返信する。このとき、OLT1は同時に少量の下りデータも送信することも可能である。また、OLT1は送信バッファのデータ蓄積情報やその増減などに応じてSleep timeを調整し、ONU10へsleep_mode_ackを送信することも可能(オプション機能)である。例えば、送信バッファのデータ蓄積量が増加した場合には、OLT1はSleep timeを短く変更し、減少した/データがない状態が一定期間続いた場合には、Sleep timeを長く変更する。
次に、スリープモード中に下りトラヒックが発生若しくは増加した場合について説明する。送信バッファの監視によるトラヒックの状況変化や新しい通信の発生などを検出した場合、OLT1はスリープモードを変更するか否かを判断し(ステップS11)、変更する場合には、変更要求(sleep_mode_Ind)をONU10に送信する。このとき、下りの通信のみトラヒックが増加すると判断した場合には、OLT1はスリープモードからドーズモードへ変更するようにONU10に指示してもよい。この指示は、スリープモードからフルサービスモード(Tx、Rxともにオン状態)に移行する場合より、ONU10によって消費される電力を低減することができるという効果をもたらす。
なお、OLT1は変更要求(sleep_mode_Ind)に、Sleep timeを指定することも可能である。また、図6の例では、ドーズモードとスリープモードとの間のモード変更に、sleep_mode_Ind、sleep_mode_req、sleep_mode_ackの3つのメッセージを使用したが、図7に示すように、sleep_mode_Ind、sleep_mode_ackのメッセージでモード切り替えをするようにしてもよい。
実施の形態2.
図8は、この実施の形態2のOLT1におけるPON制御部2の処理を説明するフローチャートである。実施の形態2のPON制御部2は、実施の形態1の通信システムに適用可能なものであり、通信システム全体にかかる点については実施の形態1と同様である。
PON制御部2は、OLT1等の親機に使用される制御装置であって、デジタルシグナルプロセッサ、汎用プロセッサとソフトウェアの組み合わせによって構成される。これらのプロセッサは、高集積のIC(Integrated Circuit)によってチップ化され、光送受信器5等と信号線で結合し組み合わせることにより、OLT1として機能する。
まず、PON制御部2は、光送受信器5を介してディスカバリを開始する。ディスカバリではONU10のシリアル番号が得られるため、PON制御部2は、これに基づき内蔵または外部接続されている記憶装置にアクセスし、ONU10を使用しているユーザを特定する。そして、PON制御部2はユーザとユーザが契約しているサービスの対応付けを行う(ステップS50)。例えば、図11はその対応付けの例を示しており、PON制御部2は、ONUのシリアル場号と、ユーザのID、およびユーザがビジネス用途として契約しているのか、一般家庭のユーザなどその他一般の契約なのか等のサービス情報を対応付けする。対応付けの情報は、サービス回線の種別に関する情報(IPTV,IP電話、その他インターネット)などの情報を持つ。これらのサービス回線は、その種別によって、上り下りそれぞれの保証帯域や許容遅延などのサービス要求条件(QoS)が異なる。
・コンフィグレーション
続いて、PON制御部2は、図2のステップS2に相当するONU10のコンフィグレーションを開始する。PON制御部2は、各ONU10へ省電力機能の対応情報(power_save_attr)を要求するために、要求メッセージ(Get_cmd)を生成し、各ONU10へ送信する(ステップS51)。このとき、PON制御部2は他のONU10の属性情報を要求することもできる。ONU10の属性情報は、例えばITU-T G.984.4 ONT management and control interfaceに規定されている情報であり、また、そのコンフィグレーション方法はこれと同様に実施することが可能である。また、それは、これから策定される次世代の規格XG-PONなどの同等規格と同様の情報や方法を使用して取得してもよい。
次に、PON制御部2は、送受信器5が各ONUiから受信した対応情報OCiをバッファ或いは送受信器5から取得し(ステップS52)、ディスカバリで特定されたアクティブなONU10のシリアル番号と対応情報OCiを送信したONU10のシリアル番号を比較することにより省電力機能の対応情報OCiがないONU10を省電力機能がないONU10として特定する(ステップS53)。なお、ONU10がGet_rspメッセージを用いて省電力機能に対応しないことを示す対応情報OCiを送信した場合にも、PON制御部2はそのONU10を省電力機能がないONU10として特定する。
PON制御部2は、対応情報を例えば、図11に示されるような形でONU10に対応付けて内蔵記憶装置等に書き込む(ステップS54)。PON制御部2が取得する対応情報には、省電力モードだけではなく、sleep time等の省電力機能に関する各種パラメータが含まれる。そのため、図11には記載されていないがPON制御部2はそれらの各種パラメータも同様に記憶装置に記録する。
次に、PON制御部2は図11〜15に示されるようなサービスデータベース(記憶装置)にアクセスし、N個のONUiそれぞれに許可する省電力モード、および省電力パラメータを決定する(ステップS5c,S5d)。この決定は例えば下記の方法によって実施できる。
PON制御部2はONUiに対応付けられたユーザ識別子(ID)に基づきユーザが契約しているサービスIDを記憶装置(図11参照)から読み出し、サービスIDそれぞれについて禁止されている省電力モードFiを図12および図13のそれぞれの情報テーブルから特定する。このとき、ONUiに対する禁止モードは、どのようなアルゴリズムで決定されてもよいが、図12および図13のいずれかで「不可」となっている場合には、PON制御部2は当該省電力モードを禁止モードにセットする。
PON制御部2は、ONUi自身が持つ省電力モードを図11の情報テーブルから特定し、ここで指定された省電力モードから、省電力モードFiを除くことにより許可する省電力モードAMiを決定する。許可する省電力モードAmiは記憶装置に記憶される。
次に、PON制御部2はSleep timeのデフォルト値DefPSTiを記憶装置に格納する(図15)。デフォルト値DefPSTiは、上述の省電力機能に関するパラメータの1つであり、ONU10から取得されたものである。PON制御部2は、省電力モードをサービスに基づき調整したように、このデフォルト値DefPSTiをサービスに応じて予め定められた規制値やデフォルト値を使って調整することもできる。例えば、ONU10が通知して来たSleep timeのデフォルト値が過剰に長い場合には、上り通信の通信品質が落ちたり、下りトラヒックがOLT1の受信バッファの記憶領域を圧迫することになるため、PON制御部2はsleep timeを調整する。また、同様にPON制御部2は最大スリープ時間MaxPSTiも記憶装置に格納する(図14参照)。この最大sleep timeは、sleep timeを動的に調整する場合の規制値である。また、PON制御部2は、MaxPSTiをLOSi等の警報の判断条件として使用してもよい。
なお、OLT1は、図14、図15のテーブルは、OLT1が予め記憶していた表と、ONU10との交渉の結果決めた表の2種類をそれぞれ記憶しておくとよい。
これら省電力モードについての許可モードAmi、デフォルトスリープ時間DefPSTi、および最大スリープ時間MaxPSTiを各ONU10について決定すると、PON制御部2はこれらのパラメータをメッセージ(Set_cmd)を用いて各ONU10に通知する。ONU10は、Set_cmdを受信後、これらパラメータをONU10の記憶装置に記録し、スリーププロトコルの制御に用いる。
・スリープモード制御
次に、PON制御部2によるスリープモードの制御について図9を用いて説明する。図9の[A]で示されるコネクタは、図8のコネクタ[A]で示されるフローの続きであることを示している。まず、PON制御部2はステップS60〜S68で、省電力モードにおける帯域割当て制御を行う。OLT1は上り下りのトラヒック或いはONU10の接続機器の状態を、OLT1のバッファ3、4の状態やONU10から送信されてくる情報等から検知する。この状態情報は、ステップS68の帯域割当てやステップS69の省電力モードへの移行判断に使用される。
次に、PON制御部2は、対象となるONU10の現在の省電力モードを調べ、各モードに応じた帯域割当量の制限、Grantの付与の機会制限を行う(ステップS61)。ONU10が省電力モードではない状態(フルサービスモード)である場合には、PON制御部2は省電力モードであることによる帯域割当て制限を行わない。ドーズモードである場合には、PON制御部2は、上り通信の割当帯域制限Biを予め定められた値、若しくは、サービスに応じて定められた値に制限する(ステップS62)。そのモードがスリープモードである場合には、PON制御部2はステップS62と同様にBiをセットし(ステップS63)、Grantの機会も帯域更新周期のm回に1回というように制限する(ステップS64)。
例えば、ステップS68で当該帯域更新周期の送信機会を割当てないためのフラグとしてグラントスキップフラグGSiを設定し、PON制御部2はこのフラグがセットされている場合にはその周期では送信機会を当該ONUiに与えない。ステップS64ではPON制御部2はm回に(m−1)回フラグGSiをセットすることにより、m回の帯域送信周期に1回の送信機会を当該ONU10に与える。また、疑似ドーズモードの場合にも、OLT1はステップS65、S66において、ステップS63、S64と同様の処理を実行する。
なお、上述の省電力モードに応じた帯域割当方法は、一例であり、PON制御部2は、必要に応じて各モードでの帯域を制限/不制限、送信機会の制限/不制限を設定することができる。例えば、PON制御部2はドーズモードでもGrantおよびアップリンクのデータ送信の機会を制限することもできるし、スリープモードのONU10に対してグラントスキップを行わず、毎回Grantを与えるようにすることもできる。また、帯域制限も任意であり、例えば、割当帯域制限Biをあえて設定しなくとも、ONU10からの上りトラヒックの状態や、或いは帯域割当要求の値が少ないことでステップS68の動的帯域割当てによる割当量が相対的に他のONU10よりも少なくなるため、PON制御部2は省電力モードのONU10とそうでないONU10を区別せずに、帯域割当てをすることも可能である。
全てONU10について上述の処理が終了すると、PON制御部2は各ONU10に帯域を割当てる。このとき、上述のグラントスキップフラグGSiおよび割当帯域制限Biが使用される。まず、PON制御部2はグラントスキップフラグGSiがセットされているONUiを次周期の帯域割当対象から外す、次にTraffic monitoring DBA(Dynamic Bandwidth Allocation)、status report DBAまたはこれらの組み合わせを用いて各ONU10に帯域を割当てる。このとき、PON制御部2は割当帯域制限Biを超える帯域を省電力モードのONUiに与えない。なお、帯域割当が終了すると、PON制御部2は各GSi,Biをリセットする。
続いて、PON制御部2は省電力機能に非対応のONU10に対して、上りトラヒックの状態に基づき省電力モード(疑似ドーズモード)に移行するか否か/省電力モードを継続するか否かを判断する。例えば、一定期間のトラヒックが所定のしきい値を下回る場合には、PON制御部2は当該ONU10を省電力モードに移行させる。なお、PON制御部2は、タイマーに基づき特定時間帯にONU10を省電力モードで動作させることもできる。
ステップS70でPON制御部2は、光送受信器5が受信したリクエスト(sleep_mode_req)とこのリクエストに対する許可信号であるsleep_mode_ackの送信の処理を行う。sleep_mode_reqの処理の詳細については、図10を用いて後述する。
次に、PON制御部2は、ステップS71〜S78でOLT1による省電力モードの変更指示制御を行う。この制御により、OLT1は、配下のONU10を省電力モードからフルサービスモードに移行させたり、ある省電力モードから他の省電力モードに移行させたりすることができ、通信システムとしてより効率的な消費電力低減が可能となり、また、通信品質を向上することも可能となる。
PON制御部2は当該ONUiがスリープモード中であるかを記憶装置を調べて検出する。それがスリープモードでない場合には、ステップS73でPON制御部2はスリープモードの開始要因がないかをチェックする。開始要因がないと判断した場合にはPON制御部2はステップS78の処理に移り、次のONUiについて同様のことを繰り返す。
一方、ダウンリンクでトラヒックが減少した、或いは、アップリンクでトラヒックが減少したなどの場合には、PON制御部2はそれぞれステップS74、S75の処理に移行し、ONU10を省電力モードに移行させるためにsleep_mode_Indを送信する準備を行う。
ダウンリンクの状況で(フルサービスモード若しくはドーズモードから)スリープモードに移行する場合には、PON制御部2は省電力モードとしてSLEEPを指定する。なお、アップリンクの通信が続いている場合には、スリープは選択されない。また、アップリンクの状況で省電力モードに移行する場合には、PON制御部2は省電力モードとしてDOZEを指定する。
ステップS72で当該ONUiがスリープモード中であると判断した場合には、PON制御部2は、スリープモードの中断要因を検出する(ステップS76)。中断要因がない場合にはPON制御部2はスリープモードを継続して次のONU10の処理に移る、一方中断要因がアップリンクである場合には、省電力モードを中止してフルサービスモードに移行するために、WACKUPを指定してsleep_mode_Indを送信する準備を行う(ステップS77)。また、中断要因がダウンリンクである場合には、スリープモードからドーズモードにONU10を移行させるために、PON制御部2は、モードとしてWACKUPを指定してsleep_mode_Indを送信する準備を行う(ステップS77)。なお、図ではドーズモードからの他のモードへの変更について記載していないが、ドーズモード等それぞれの省電力モードから他の省電力モードへの遷移、その逆、ドーズモードの開始と中断について同様に規定することが可能である。
スリープの開始要因、中断要因は、消費電力を抑えつつ必要な通信品質を保てる基準であればどのようなものでもよい。例えば、一定期間のトラヒック量、バッファに蓄積されたデータ量、ONU10に接続された接続機器のオンオフ情報、または新たなサービスの開始などが基準となる。
以上の処理が終了すると、PON制御部2は帯域割当ての結果やsleep_mode_ack,sleep_mode_Ind等の制御メッセージを格納したフレームを生成し、ONU10に送信する(ステップS79)。このとき、フレームは下りデータを制御メッセージと一緒に保持することも可能である。
PON制御部2は、次に、ディスカバリが必要なタイミングであるかを判断し(ステップS80)、必要であるならば図8のステップS1の処理に移行し(コネクタ[B]参照)、ディスカバリが必要でなければ、ステップS60に戻り、次の帯域更新周期の送信制御に移る。
・リクエスト(sleep_mode_req)の処理
図10はPON制御部2によるリクエスト(sleep_mode_req)の処理の一例を示す。PON制御部2は、ONU10からsleep_mode_reqを受信すると、ONU10からの要求を許可するか或いは変更するかを判断して、その結果をsleep_mode_rspメッセージで返送する。図10はこの処理を示すものである。
ステップS91でPON制御部2は、sleep_mode_reqにパラメータとして指定された省電力モードが、当該ONUiの許可モードAMiに含まれているかを記憶装置にアクセスすることによって調べる。ここで省電力モードが指定されていない場合には、PON制御部2は省電力モードを図2のステップS2等のコンフィグレーションによって事前に定められた省電力モードのデフォルト値にセットする(ステップS92)。一方、指定されたモードが許可モードAMiにない場合には、PON制御部2はこれを許可モードに修正するか、省電力モードへの移行に対する拒否情報をセットする(ステップS93)。なお、PON制御部2がONU10から指定された省電力モードを変更する場合には、通信品質に支障をき
たさないようにしなければならない。
上述の処理が終了若しくは指定されたモードが許可モードAmiであった場合には、PON制御部2は、次のステップS94の処理に移る。このステップにおいて、PON制御部2はsleep_mode_reqにパラメータとして指定されたsleep timeが、当該ONUiに設定された最大スリープ時間内MaxPSTiであるかを記憶装置にアクセスすることによって調べる(ステップS94)。ここでsleep timeが指定されていない場合には、PON制御部2は図2のステップS2等のコンフィグレーションによって事前に定められたsleep timeのデフォルト値DefPSTiをsleep timeにセットする(ステップS95)。一方、指定されたsleep timeがMaxPSTiより大きい場合には、PON制御部2はこれをMaxPSTiに修正するか、省電力モードへの移行に対する拒否情報をセットする(ステップS96)。
上述の処理が終了若しくはsleep time≦MaxPSTiであった場合には、PON制御部2は、対応ONUの省電力モードの情報として省電力モード情報PSiを記憶装置に記録し、同時に、図9のステップS64、S66、S68のGrantのタイミングや、省電力中の警報抑止のための基準となるタイマPSTiにsleep timeをセットする。
この処理が終了すると、PON制御部2は受信した全てのsleep_mode_reqについて、上述の処理を繰り返す。
以上、この発明の実施の形態について説明した。この発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の主旨に包含されるかぎりどのような変形が行われてもよい。例えば、この通信方法が適用される通信システムは、PONシステムである必要はなく。アクティブ素子を用いた光通信システムにも適用することができる。また、光通信に限らず、端末間を電気信号を用いて通信する通信システムに適用することも可能である。
また、上述の実施の形態では、OLT1がONU10の機能または提供サービスを考慮して、省電力モードへの移行や条件(パラメータ)をONU10に指示することにより、通信システム上の省電力機能をOLT1がコントロールすることが可能である。この機能に関し、省電力機能の対応情報に基づいて、OLT1が送信許可信号を送信するか否かは選択的事項である。
省電力モードとして、ドーズモード、スリープモード、疑似ドーズモードを例示したが、省電力モードやそのプロトコルはこれらに限定されるものではない。また、ドーズモードをスリープモード1、上述のスリープモードをスリープモード2という名称にし、対応するmodeパラメータも、”1”はスリープモード1、”2”はスリープモード2というように符号化してもよい。
省電力プロトコルの例として、ドーズモードに移行する際、ONU10はリクエストをOLT1に送信し、OLT1から応答があった場合に、ONU10がドーズモードに移行するという省電力プロトコルを説明したが、他の省電力プロトコルを用いて、省電力状態を制御することも可能である。例えば、OLT1とそのPON制御部2は、当該ONU10がドーズモードをサポートしているONU10であることを省電力機能の対応情報で判断し、もし、割当てた帯域でONU10がIdle frame等の応答信号を返してこなかった場合、OLT1はONU10がドーズモードに移行したと判断して、以降、ドーズモードのプロトコルでONU10と通信することも可能である。