JP5860563B1 - 複合液の分離精製装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトで蒸留効率の良い、異なる沸点の液を含む複合液の分離精製装置を提供する。【解決手段】この発明は、沸点の異なる複数種類の液体を含む複合液からなる処理液2を収容し低沸点液を気化させて分離する蒸留槽3と、該蒸留槽3中の処理液2を気化させるために加熱する加熱手段8と、気化されて高沸点液より分離された低沸点液の気体を冷却し液化させて回収する回収装置25とを備えた複合液の分離精製装置であって、上記蒸留槽3の下部に前記処理液2を収容する貯留槽4を連設するとともに、該貯留槽4の底部と蒸留槽3の上部に開口する接続管6を設け、前記蒸留槽3内の処理液2の液面L2の変化に対応して当該液面L2を蒸留に最適な一定の範囲に保持すべく貯留槽4内部の圧力を調整し、前記接続管6を介して貯留槽4内の処理液2を蒸留槽3に供給する圧力調整弁17を設けてなる。上記蒸留槽3で気化された気体中に含まれる高沸点液の気体を凝縮させて低沸点液の気体と分離する分離装置22を蒸留槽3の上部に設置している。【選択図】図1

Description

この発明はバイオエタノール製造やポリ乳酸の製造過程等において、アルコールと水のように異なる沸点を持つ複数の液体から低沸点液を蒸留によって気化させて分離する複合液の分離精製装置に関する。
近年地球温暖化防止のためアンチカーボンの一環として石油に代る燃料としてのバイオエタノールや、石油由来のプラスチックに代る生分解性プラスチック原料の一種であるポリ乳酸等が注目されている。そしてこのうちバイオエタノールの製造装置としては特許文献1に示されるように、原料の粉砕、混合等の装置に続いて発酵槽や蒸留塔が床面上に並設され、液体や分離された気体は各処理槽(塔)間を接続する配管によって移送されている。
再表2013−114962号公報(図1)
上記特許文献1に示すプラントでは、発酵槽と蒸留塔を連続させているために、蒸留塔で蒸留する能力に応じた発酵液を常時供給するためには、プラント内に大型の発酵槽を設置し、一旦貯留タンクに備蓄しながら貯留タンクから発酵液を供給する必要がある。
また蒸留塔は通常蒸留性能を高めるために多段階に積重ねられて十数メートルの高さに形成されるものが多く、高い耐震性や強風対策が求められ、特に原料となる砂糖きびの産地であり台風等の多い東南アジア等では、日本に比べて、より高い風圧に耐えることが求められる。
また蒸留塔を連続運転するためには、蒸留によって減少する処理液を液面センサー等によりポンプを制御して随時貯留タンクから補給する必要がある。
この発明は上記課題を解決するために、連続蒸留に当り(エタノール製造にあっては)必ずしもプラント内に高層の蒸留塔を必要とせず、しかも連続蒸留に際して動力による処理液の補給を必要としない省エネルギータイプの複合液の分離精製装置を提供するものである。
上記課題を解決するための本発明の装置は、第1に沸点の異なる複数種類の液体を含む複合液からなる処理液2を収容し低沸点液を気化させて分離する蒸留槽3と、該蒸留槽3中の処理液2を気化させるために加熱する加熱手段8と、気化されて高沸点液より分離された低沸点液の気体を冷却し液化させて回収する回収装置25とを備えた複合液の分離精製装置であって、上記蒸留槽3の下部に前記処理液2を収容する貯留槽4を連設するとともに、該貯留槽4の底部と蒸留槽3の上部に開口する接続管6を設け、前記蒸留槽3内の処理液2の液面Lの変化に対応して当該液面Lを蒸留に最適な一定の範囲に保持すべく貯留槽4内部の圧力を調整し、前記接続管6を介して貯留槽4内の処理液2を蒸留槽3に供給する圧力調整弁17を設けてなることを特徴としている。
第2に、蒸留槽3で気化された気体中に含まれる高沸点液の気体を凝縮させて低沸点液の気体と分離する分離装置22を蒸留槽3の上部に設置したことを特徴としている。
第3に、分離装置22に対して蒸留能力を最良に保つ液面高さHを保持するように圧力調整弁17を制御する機構としたことを特徴としている。
第4に、蒸留槽3の気体を回収装置22側へ吸引するバキュームポンプ39と、貯留槽4内の液体の上部の空間圧力を大気圧に対して開閉調節する圧力調整弁17を設けたことを特徴としている。
第5に、貯留槽4に内部に収容する処理液を加熱する加熱手段9を設け、貯留槽4内に上記処理液を収容して加熱することにより発酵させて発酵済の処理液とすることが可能な機構としたことを特徴としている。
第6に、貯留槽4の底部より処理物を吸引し上部に吐出させるように循環させて撹拌する撹拌ポンプ14を設けてなることを特徴としている。
以上のように構成される本発明の装置は次のような効果を奏する。
(1)蒸留槽内での処理液の蒸留に最適な液面高さを所定範囲に保つことにより、最も高い蒸留能力下で効率的な蒸留作業を行うことができ、しかも上記液面の制御は下部の貯留槽に貯留した処理液の液面上部空間の圧力制御により、接続管を介して貯留槽から蒸留槽に処理液を補給することにより随時行われる。
しかも上記圧力制御を貯留槽の内圧を大気圧に対して開閉調節することにより行う場合は、貯留槽内の処理液を蒸留槽に移すためのポンプ等の動力を必要とせず、バルブ制御だけで蒸発により減少した蒸留槽内の処理液を随時補給できる。
(2)蒸留槽の上部に、低沸点液と共に気化された高沸点液を凝縮・気化させて分離する分離装置を設け、この分離装置の下端側に対して処理液の液面を蒸留にとって最良となる所定範囲の高さに保持するとともに、蒸留槽の下流側である回収装置側に設けたバキュームポンプで下流側に負圧にした状態で処理液の蒸留が行われるので、蒸留効率も低沸点液の回収効率も最良に保たれる。
(3)上記の結果、蒸留槽は従来のように内部を多段にすることなく一定以上の蒸留能力を発揮できる利点があり、蒸留槽(塔)の高層化に伴う耐震性や特別な強風対策を考慮する必要がなくなるという利点がある。
(4)さらに蒸留槽の下部に連設した貯留槽は、加熱手段や撹拌用のポンプを設けることにより、例えばバイオエタノール製造装置やポリ乳酸製造のための乳酸発酵装置等のように原料の発酵を伴う処理物にあっては、バッジ式の発酵槽としても利用できる利点があり、少量の原料処理にも対応できる。
本発明の1例を示す主要機器の配置と配管を示す全体図である。 図1の装置を発酵・蒸留装置として兼用する場合の例を示す全体の配置・配管図である。 (A),(B)は共に本発明装置に用いる気液分離装置の1例を示す断面概要図である。 本発明装置の性能を予測するためにスイートソルガムを原料としたエタノール製造時の蒸留の予備実験結果を示すグラフである。 上記実験に使用した蒸留装置の説明用概要図である。
図1〜図3は本発明をエタノール製造用の複合液(沸点の異なる複数の液体を含む処理液)の分離精製装置について示すもので、図1は円筒状のタンクからなる処理塔1の上段にアルコール発酵をして水とエタノールを含むエタノール濃度10%前後の複合液からなる処理液2を収容して蒸留し気化させる蒸留槽3が、下段に上記処理液2を収容する貯留槽4が互いに仕切られてそれぞれ形成されている。
処理塔1の中心に下端が貯留槽4内の底部において開口し、上端が蒸留槽3内の上端側において開口する接続管6が、蒸留槽3の中心部に上下方向に設けられている。7は接続管6の上端に取り付けられ、下向きに開口する吐出口である。そして蒸留槽3の外周と底部及び貯留槽4の外周(底部を含んでもよい)には、各槽内に収容された処理液2を加熱する加熱部5,8,9がそれぞれ設けられている。加熱部の加熱手段は外部より循環供給されるスチーム,加熱水等の熱媒体,ヒーター,マイクロ波加熱装置等のいずれでもよい。
貯留槽4の底部は逆円錐形に形成され、その中心部と貯留槽4の外周には循環パイプ11が接続され、循環パイプ11の途中には前後にバルブ13を介して循環(撹拌)ポンプ14が設置されている。
上記循環ポンプ14は、主として図2で示すように貯留層4を未発酵処理液の発酵槽として使用する場合に作動させて処理液を撹拌するように循環させるので、このため循環パイプ11の上端開口部は、貯留槽4内で接線方向に開口され、液の吐出により槽内に渦流を形成し、処理液を撹拌混合させる。
貯留槽4内の処理液2の上部に形成される空間には、圧力調整用のパイプ16が接続され、パイプ16には圧力調整弁17が設けられており、該圧力調整弁17を開閉することにより、貯留槽4の上部空間は大気圧に対して開閉される。
また貯留槽4の外部には補給タンク18が設置され、この例では既にアルコール発酵したアルコールと水との複合液からなる処理液2が貯蔵され、必要に応じて貯留槽4に処理液を補給する。19はタンク内の処理液を補給するために補給配管21に設けられた補給ポンプである。
蒸留槽3の天井部はドーム状に形成されている。その中央には加熱部8によって、エタノールの沸点である80℃前後に加熱されて気化(蒸発)したガスを通過させることにより、ガス中のエタノールに対して沸点の高い水分を凝縮させ、低沸点で気化されたままのエタノールのみを分離して次工程に送る分離装置22が設置されている。この分離装置22で気液分離され液化した水等は、排液配管23を介して冷却器24に送られて冷却され、残液タンク26に貯蔵される。この残液中のエタノール濃度が1%以上の場合は再度蒸留槽3に於いて、再精製されて最終的には1%以下の濃度となるまで処理されて廃棄され又は他の用途に再利用される。
上記分離装置22は沸点の異なる液体の低沸点液のみをガス化して通過させることによって、高沸点のガスを凝縮(液化)・付着させて分離する公知のもので良く、例えば図3(A)に示すキャピラリー方式のもの又は図3(B)に示すデミスターパッド方式のもの等いずれのタイプのものでも使用可能である。
いずれの分離装置22も、円筒状のケーシング221内にガス化した処理液を上昇通過させることにより主として高沸点のガス(水蒸気)のみを凝結付着(液化)させて捕集する捕集材222を内挿している。上記ケーシング221の上端には内面にシリコンラバー(図示しない)を備えたドーム型の案内蓋224を下向きに設置しており、案内蓋224の中央に設けた排気口223から配管27を介してエタノールガスを送り出し、案内蓋224の内面に液化して付着した水分はその内面に沿って下方に流出する。
図3(A)のキャピラリー方式のものの下端には、凝結して滴下した分離液を排出し、前記回収タンク32に接続するドレン管226を備え且つ該ドレン管226には、蒸留槽3内の気化されたガスを分離装置22内へ導くガス導入管227が上向きに接続合流して設けられている。その結果、蒸留気化した気体は捕集材222に向って上昇するが、捕集材222より滴下する液体(水)は下方に流出する。
また、図3(A)のキャピラリー方式のものは、捕集材222としてケーシング221内の下半部中央に例えば外径1.2mm、内径0.6mm、長さ80mmのステンレスパイプ7500本を上下方向に揃えて密集固定したキャピラリー222aを内挿し、その上部にプロペラファン状の接触板222bを、互いに羽根が重ならないように上下2段重ねて配置してある。この捕集材222内を気化された処理液がガス状で通過接触する過程で高沸点液のみが液化しながら捕集材222に凝縮付着して下方に滴下排出される。
これに対し、他方図3(B)に示すデミスターパッド方式のものは、ケーシング221の内部に捕集材222としてステンレスのスチールウールをメッシュ状に編成したものを積層して内挿しており、この捕集材222内を通過させる過程で前記同様気化された処理液中の低沸点液(エタノール)を通過させ、水分等のそれ以外の高沸点液を再度液化させながら付着させて分離捕集し液化排出する。
またケーシング221の下部外周には中空リング状の集水ジャケット228が装着され、リング状の中空内部にはケーシング221内で凝結捕集された液体(水)が導入され、ドレン管229によって残液タンク26に排出される。また蒸留槽3で共沸によって気化された水とエタノールの混合ガスはドーム型底板225の中央に設けられた入口孔を通過して、捕集材222内を通過させ、水分等のそれ以外の高沸点液を再度液化させながら付着させて分離捕集し液化排出する。
上記のようにアルコール発酵した処理液2は通常10〜20%のエタノール濃度であるが、これをエタノールの沸点である80℃前後に加熱すると、蒸発して気化したガスにはエタノール以外に共沸により水蒸気も含まれる。したがってエタノール濃度を高めるためには分離装置22を用いて蒸留後低沸点のエタノールのみをガスとして下流側に送り水分を凝結させて分離する必要がある。
上記分離装置22で水分と分離された80%以上、望ましくは90%以上の濃度になったエタノールガスは、次工程の回収装置25に送られる。まず分離装置22の上端部に接続された回収用の配管27の下流側に設置された加熱器28内を上下に蛇行して経由させることで再加熱しガス状態を安定させるとともに、その下流側に設置された減圧弁29を経ることによって減圧され、次に設けられたフラッシュタンク31内で開放され、その内壁に沿ってフラッシングされる。
上記動作により水分を含むエタノールガスは、フラッシュタンク31内でさらに水分が凝結されて分離され、少なくとも90%以上のエタノール濃度となって次の回収配管30より次工程に送られ、分離された水等の他の液体はエタノール濃度10%程度の水を中心とした液体であるため、貯蔵タンク32に導かれて貯蔵され、再度蒸留槽3に於いて、再精製されて最終的には1%以下の濃度となるまで処理されて廃棄され又は他の用途に再利用される。
フラッシュタンク31より配管された回収配管30の下流には内部を流通するエタノールガスを冷却して液化するための凝縮器33が設けられ、この凝縮器33には水その他の冷媒を循環させて上記冷却を行う冷却機34及び冷媒循環ポンプ36が設置されている。
上記凝縮器33の下流側には液化されたエタノール37を収容する回収タンク38が設けられ、この回収タンク38には分離装置22で分離されたエタノールガス及び凝縮器33で液化されたエタノールを回収装置25側へ吸引し且つ蒸留槽3内を例えば0.06Mpa程度の負圧に保つためのバキュームポンプ39がバキューム配管41によって接続して設置されている。
上記のように少なくとも90%以上の濃度で分離回収されたエタノールは最終的には脱水工程を経て99.5%濃度まで高純度に精製することができる。
次に本実施形態における処理塔1とこれによる処理液2の処理工程の詳細について説明すると、貯留槽4と蒸留槽3は共に直径2.5m,全体高さ5mとし、容量はそれぞれ13.0m,7.2m,処理液の貯留量はそれぞれ10.6m,4.9mとしている。
上記処理液2の注入は各槽各別に行ってもよいが、先ずポンプ19を作動させて貯留槽4に処理液を注入する一方で、バキュームポンプ39を作動させて蒸留槽3内を負圧(例えば0.06Mpa程度)にするとともに、圧力調整弁17を大気圧に開放することで、接続管6を通じて貯留槽4内の処理液を蒸留槽3内に導入することができる。この時両槽の液面L,Lは処理液の種類や処理度合その他の条件に応じて予め設定するが、液面L,Lの検出は各槽4,3に設けられた液面センサー(図示しない)によって検出され、この検出値に基いてポンプ19,圧力調整弁17,バキュームポンプ39が制御される。
蒸留槽3に収容された処理液2は、加熱部8により既述のようにエタノールの沸点である80℃前後に加熱され蒸留されるが、圧力調整弁17を全閉、または、加圧して使用する際には、貯留槽4内の処理液2を加熱部9により所定温度に加熱しておくこともできる。加熱された蒸留槽3内の処理液は蒸発して気化し上昇流となって既述のように分離装置22で水分とエタノールに分離される。
上記処理液2の蒸発が進むと内部の処理液が減少し、液面Lが低下するが、この発明ではこの液面Lと分離装置22の下部の気液分離の機能開始面との距離(高さ)Hを特に重視するものである。即ち液面Lから処理液が上昇流となって分離装置22に到達するが、加熱温度や内部圧力等の条件に応じて一旦気化した処理液内の高沸点液(この例では水)が、位置のエネルギーの大きい影響を受けないで、最も効率よく液化して分離される高さHがある。
このため本実施形態では液面Lと分離装置22の下端との距離Hをその装置毎又は加熱条件等に応じて設定し、蒸留により低下方向に変化する液面Lを常に最も蒸留・分離効率の良い一定範囲に保つように制御することとした。この制御は、上記液面Lが一定量下降するとこれを液面センサー等で検出し、圧力調整弁17により貯留槽4の上部空間を大気圧に開放することにより、蒸留槽3内との圧力差によって、接続管6より貯留槽4内の処理液が上昇し、蒸留槽3内に導入され、望ましい液面高さHが確保された時点で圧力調整弁17を閉じることにより供給を停止すればよい。
ちなみにこの時バキュームポンプ39を作動させて上下の各槽内の圧力差を形成しているが、蒸留槽3内の蒸発が活発に行われると、その内部圧力が低下するためバキュームポンプ39の作動なしで貯留槽4内の大気圧のみで上記液面調整を行うことも可能である。
また貯留槽4,蒸留槽3の液温や空間の他、加熱器28,フラッシュタンク31,冷却器34等に温度計又は温度センサー等(いずれも図示しない)を設置し、各所の温度を監視しながら分離精製作業を行いまたは装置全体を制御することも可能である。
図2は上記装置の貯留槽4を発酵槽として使用する場合の説明図で、例えばエタノールを精製する場合について述べると、砂糖きび、スイートソルガムやてん菜等の糖質原料にあってはその浸出液又は圧搾液を処理液2´としてそれぞれ発酵処理材として貯留槽4に所定量(少なくとも液面L以上)投入し、基本的には投入量毎のバッジ処理となる。
上記処理液2´は加熱部9により32℃程度に加温し、酵母を複数回に分けて添加するとともに、比重の高い酵母菌が沈下するのでこれを均一に拡散させるために、撹拌ポンプ14によりゆっくりと循環させて撹拌しながら発酵させられる。この場合に使用される処理液2´は濃度15〜20Brix%前後又は当該濃度に調整されたものを用い、2日間の発酵で約10%のエタノール濃度の水・エタノール液ができる。
上記水・エタノールの発酵済液(処理液2)をそのままの状態で貯留槽4内に残し、バキュームポンプ39を作動させるとともに圧力調整弁17を開制御することにより上記処理液2を蒸留槽3に移し、前記同様に蒸留してエタノールに精製する。このケースでは、貯留槽4にはできるだけ多くの未発酵処理液2´を収容して発酵処理し、蒸留槽3ではここに収容される発酵済の処理液2の液面Lを一定に保持しながら且つ理想的蒸発条件を維持しながら蒸留を行うことが望ましい。
上記のように本発明の装置によれば、処理液の連続蒸留のほか、小ロッドの未発酵液を発酵・蒸留させてエタノールその他の精製処理を行うことも可能である。
図4は本発明の装置の開発に先立って、エタノール濃度約10%のスイートソルガム処理液76.8リットルを95℃の加温で図5に示す分離装置22付の蒸留槽42により、蒸留実験した際の分離される過程のエタノール液のエタノール濃度の変化を表したグラフである。蒸留槽42は直径(内径)600mmの円筒形の容器からなり、円筒部高さ992mm,上端の円錐筒の高さ(円筒部上端から分離装置22下端迄の高さ)164mmのサイズ(容量約300リットル)のものを用い、液面Lから分離装置22の下端迄の高さH=873mm,液面Lの蒸留槽44内の底面からの高さ283mmの条件下で実験した。
分離装置22としては図3(A)に示すキャピラリー方式のものを使用し、バキュームポンプ(図示しない)による吸引は図4に示すように蒸留開始後640分以後、蒸留槽42の内圧を0.01Mpaとなるように行った。ここでエタノールの沸点より高い加熱を行い、途中から強力な減圧を行ったのは、蒸留の進行に伴って液面Lの高さが低く(液面上の距離Hが大きく)なることにより、順次エタノール濃度が低下するのを補うためである。
図4の結果によれば、バッジ方式であり処理液2の液面Lが徐々に低下し且つ回収側からの減圧を行わない条件下でも、蒸留立上がり後の640分付近迄は概ね75〜83%程度のエタノール濃度を保持することが判明した。但し、この例ではその後0.01Mpaまでバキュームポンプによって吸引減圧しているため、蒸留開始後900分程度迄は急激な濃度低下は見られなかった。
またこれらの結果によると、蒸留開始後蒸留が進み液面Lが低下した場合に、先に述べた実施形態のように連続蒸留により常に上記液面Lを一定に保つべく処理液を補給し且つ下流側より吸引減圧すれば、蒸留の最初の立上がりで概ね90%以上のエタノール濃度に達し、且つその後もその濃度を維持できるとの見透しを立てることが十分に可能である。
以上に説明した本発明の装置は、既述のようにアルコール製造やポリ乳酸製造過程において、水とアルコール,水と乳酸の分離等に適用できるほか、発酵を伴わない石油系の各種オイル類の分離精製等にも利用可能である。
1 処理塔
2 処理液
3 蒸留槽
4 貯留槽
6 接続管
14 撹拌ポンプ
17 圧力調整弁
22 分離装置
25 回収装置
39 バキュームポンプ
〜L 液面
液面Lと分離装置22下端間の距離(間隔)

Claims (6)

  1. 沸点の異なる複数種類の液体を含む複合液からなる処理液(2)を収容し低沸点液を気化させて分離する蒸留槽(3)と、該蒸留槽(3)中の処理液(2)を気化させるために加熱する加熱手段(8)と、気化されて高沸点液より分離された低沸点液の気体を冷却し液化させて回収する回収装置(25)とを備えた複合液の分離精製装置であって、上記蒸留槽(3)の下部に前記処理液(2)を収容する貯留槽(4)を連設するとともに、該貯留槽(4)の底部と蒸留槽(3)の上部に開口する接続管(6)を設け、前記蒸留槽(3)内の処理液(2)の液面(L)の変化に対応して当該液面(L)を蒸留に最適な一定の範囲に保持すべく貯留槽(4)内部の圧力を調整し、前記接続管(6)を介して貯留槽(4)内の処理液(2)を蒸留槽(3)に供給する圧力調整弁(17)を設けてなる複合液の分離精製装置。
  2. 蒸留槽(3)で気化された気体中に含まれる高沸点液の気体を凝縮させて低沸点液の気体と分離する分離装置(22)を蒸留槽(3)の上部に設置した請求項1に記載の複合液の分離精製装置。
  3. 分離装置(22)に対して蒸留能力を最良に保つ液面高さ(H)を保持するように圧力調整弁(17)を制御する機構とした請求項1又は2に記載の複合液の分離精製装置。
  4. 蒸留槽(3)の気体を回収装置(22)側へ吸引するバキュームポンプ(39)と、貯留槽(4)内の液体の上部の空間圧力を大気圧に対して開閉調節する圧力調整弁(17)を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の複合液の分離精製装置。
  5. 貯留槽(4)に内部に収容する処理液を加熱する加熱手段(9)を設け、貯留槽(4)内に上記処理液を収容して加熱することにより発酵させて発酵済の処理液とすることが可能な機構とした請求項1〜4のいずれかに記載の複合液の分離精製装置。
  6. 貯留槽(4)の底部より処理物を吸引し上部に吐出させるように循環させて撹拌する撹拌ポンプ(14)を設けてなる請求項5に記載の複合液の分離精製装置。
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