JP5859346B2 - 非接触電力伝送装置及び非接触電力伝送方法 - Google Patents

非接触電力伝送装置及び非接触電力伝送方法 Download PDF

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Description

本発明は、送電装置に具備された送電コイルと受電装置に具備された受電コイルを介して、非接触(ワイヤレス)で電力の伝送を行う非接触電力伝送システム及び非接触電力伝送方法に関する。
非接触で電力を伝送する方法として、電磁誘導(数100kHz)による電磁誘導型、電界または磁界共鳴を介したLC共振間伝送による電界・磁界共鳴型、電波(数GHz)によるマイクロ波送電型、あるいは可視光領域の電磁波(光)によるレーザ送電型が知られている。この中で既に実用化されているのは、電磁誘導型である。これは簡易な回路(トランス方式)で実現可能であるなどの優位性はあるが、送電距離が短いという課題もある。
そこで、最近になって近距離伝送(〜2m)が可能な電界・磁界共鳴型の電力伝送が注目を浴びてきた。このうち、電界共鳴型の場合、伝送経路中に手などを入れると、人体が誘電体であるため、エネルギーを熱として吸収して誘電体損失を生じる。これに対して磁界共鳴型の場合、人体がエネルギーをほとんど吸収せず、誘電体損失を避けられる。この点から磁界共鳴型に対する注目度が上昇してきている。
図10は、従来例の磁界共鳴を利用した非接触電力伝送システムの構成例の概略を示した正面図である。送電装置1は、ループコイル3aと送電コイル4a(送電用共鳴コイルとして機能する)を組み合わせた送電コイルユニットを備えている。受電装置2は、ループコイル3bと受電コイル4b(受電用共鳴コイルとして機能する)を組み合わせた受電コイルユニットを備えている。送電装置1のループコイル3aには高周波電力ドライバー5が接続され、交流電源(AC100V)6の電力を送電可能な高周波電力に変換して供給する。受電装置2のループコイル3bには、整流器7を介して負荷として例えば充電池8が接続されている。
ループコイル3aは、高周波電力ドライバー5から供給される電気信号により励起され、電磁誘導により送電コイル4aに電気信号を伝送する誘電素子である。送電コイル4aはループコイル3aから出力された電気信号に基づいて磁界を発生させる。この送電コイル4aは、共振周波数f0=1/{2π(LC)1/2}(Lは送電側の送電コイル4aのインダクタンスで、Cは浮遊容量を示す)において磁界強度が最大となる。送電コイル4aに供給された電力は、磁界共鳴により受電コイル4bに非接触で伝送される。伝送された電力は、受電コイル4bから電磁誘導によりループコイル3bへ伝送され、整流器7により整流されて充電池8に供給される。この場合、送電コイル4aと受電コイル4bの共振周波数は同一に設定される。
ここで、送電装置1と受電装置2との距離が異なると、送電コイル4aと受電コイル4bの両コイル間の結合状態が変わり、電力伝送効率の周波数依存性が変化する。例えば、距離が離れていて結合状態が弱い場合には、図11(a)に模式的に示すように、高周波電源5から見た電力伝送効率は1つのピークを持つ単峰特性となる。しかし、距離が近づいて結合係数が1に近くなると、相互インダクタンスの影響が大きくなり、図11(b)に模式的に示すように、2つの峰(f0Lとf0H)を持つ双峰特性(密結合)となる。
即ち、送電コイル4aと受電コイル4bを接近させると結合係数が0ではなくなり、相互インダクタンスMの影響が出現し双峰特性となり、元々の共振周波数f0から離れた2点でピークを持つ。逆に、コイル間の距離を離す等により結合係数が減少すると、2つのピークが接近し単峰特性となる。更に距離が離れて、結合係数が減少すると、単峰特性のままではあるが、磁力線の鎖交数が減少していくので電力を伝送する量が減少し、遂には電力伝送が不能となる。
このように、送電コイル4aと受電コイル4bを近付けると双峰特性となるため、高周波電源5から元々の任意の周波数で電力を供給しても、その周波数は共振周波数ではなくなっており、応答が低下することにより伝送電力は低下することとなる。これは、コイル間の距離によって、送電側からの電力供給の効率が変化することを意味する。このような事態に対して、高周波電力の周波数が一定のままでは、共振点から離れているため高効率の電力伝送は不可能である。
そこで、特許文献1には、コイル間距離が変化しても常に最大の電力伝送効率が得られるように、複数の送電コイルと受電コイルを用い、結合係数が最大となる最大結合状態において、3以上の共鳴周波数を存在させる構成が開示されている。送電コイルと受電コイルとの間の使用可能距離範囲における距離の変化に対して、2以上の共鳴周波数が、順次、送電周波数に一致するように配置される。
少なくとも3つの異なる共鳴周波数を有しているために、全体として、共鳴する周波数帯域幅を広くすることができる。この結果、送電コイルと受電コイルとの間隔が変化して、3つの共鳴周波数が変化しても、共鳴周波数が、順次、送電周波数に一致するようになるので、伝送効率が低下することがない。
特開2011−205757号公報
特許文献1の構成の場合、存在する共鳴周波数が少ないと、送電コイルと受電コイル間の距離の変化に対して十分な電力伝送効率が得られない領域が存在する。これは、コイル間距離の変化量と隣り合う共鳴周波数の間隔との関係で決まる。このような問題点を解決するには、多数のコイルを配置する必要があり、結果的に装置コストが高くなる。また、種々のコイル間で磁気的に相互に影響し合い、その結果、電力伝送効率が低下する恐れがある。
また、送電周波数と臨界結合状態における受電コイルの自己共振周波数が一致していない為に、臨界結合状態となるコイル間距離において電力伝送効率が低くなってしまう、という問題もある。
本発明は、このような従来技術における問題点を解決するものであり、送電コイルからの電力伝送可能な距離を拡大させ、かつ臨界結合状態となるコイル間距離よりも短い領域(双峰特性領域)では、コイル間距離に対応して安定な電力伝送を可能とする非接触電力伝送装置、及び非接触電力伝送方法を提供することを目的とする。
本発明の非接触電力伝送装置は、送電コイル及び共振容量により構成された送電共振器を有する送電装置と、受電コイル及び共振容量により構成された受電共振器を有する受電装置とを備え、前記送電コイルと前記受電コイルの間の作用を介して前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送する。
上記課題を解決するために、本発明の非接触電力伝送装置は、補助コイル及び共振容量により構成された補助共振器を有する送電補助装置と、前記補助共振器の共振周波数を調整する共振制御部と、前記受電コイルと前記補助コイルのコイル間距離を一定に維持する連結支持機構とを更に備え、前記送電装置と前記送電補助装置とを対向させて前記送電コイルと前記補助コイルの間に形成される受電空間に前記受電コイルを配置して電力伝送を行うように構成され、前記共振制御部は、前記送電コイルと前記補助コイルの間の軸方向におけるコイル間距離に応じて前記補助共振器の共振周波数を調整することにより、前記送電装置から前記受電装置へ供給される受電パワーを最適化し、前記共振制御部は、前記送電共振器と前記補助共振器との電磁結合状態が双峰特性状態(密結合状態)となる前記コイル間距離内において、前記送電共振器と前記補助共振器が構成する送電側共振系の共振周波数ftが、前記受電共振器の共振周波数f2に近接する向きに、前記補助共振器の共振周波数f3を調整することを特徴とする。
また、本発明の非接触電力伝送方法は、送電コイル及び共振容量により構成された送電共振器を有する送電装置と、受電コイル及び共振容量により構成された受電共振器を有する受電装置とを用い、前記送電コイルと前記受電コイルの間の作用を介して前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送する方法であって、補助コイル及び共振容量により構成された補助共振器を有する送電補助装置を更に用い、前記受電コイルと前記補助コイルのコイル間距離を一定に維持しながら、前記送電装置と前記送電補助装置とを対向させて前記送電コイルと前記補助コイルの間に形成される受電空間に前記受電コイルを配置して電力伝送を行い、前記送電コイルと前記補助コイルの間の軸方向におけるコイル間距離に応じて前記補助共振器の共振周波数を調整することにより、前記送電装置から前記受電装置へ供給される受電パワーを最適化し、前記補助共振器の共振周波数を調整する共振制御部は、前記送電共振器と前記補助共振器との電磁結合状態が双峰特性状態(密結合状態)となる前記コイル間距離内において、前記送電共振器と前記補助共振器が構成する送電側共振系の共振周波数ftが、前記受電共振器の共振周波数f2に近接する向きに、前記補助共振器の共振周波数f3を調整することを特徴とする。
本発明によれば、共振補助装置を設け、補助コイルと受電コイル間の距離を一定に維持した状態で電力伝送を行うことにより、送電コイルと受電コイルとの距離が変化した場合においても、安定した電力伝送が可能である。しかも、送電コイルと補助コイルの間の距離に応じて補助共振器の共振周波数を調整することにより、臨界結合状態となる送電コイルと補助コイルの間の距離よりも短い領域(双峰特性領域)でも、安定な電力伝送が可能である。
実施の形態1における非接触電力伝送装置の構成を示す模式断面図 同非接触電力伝送装置の送電側共振系のVNA測定を行うための各要素装置の配置を示す模式断面図 同非接触電力伝送装置の送電側共振系の図2Aの配置でのVNA測定の結果得られた補助共振器の共振周波数f3に対する応答を示すグラフ 同非接触電力伝送装置の送電側共振系の図2Aの配置でのVNA測定の結果得られた補助共振器の共振周波数f3=9MHzに対する応答の出力波形図 同補助共振器の共振周波数f3=12.1MHzに対する応答の出力波形図 同補助共振器の共振周波数f3=16MHzに対する応答の出力波形図 同非接触電力伝送装置のVNA測定を行うための各要素装置の配置を示す模式断面図 同非接触電力伝送装置の図3Aの配置でのVNA測定の結果得られた電力伝送効率の共振周波数f3に対する依存性を示すグラフ 同非接触電力伝送装置における送電共振器、受電共振器、及び補助共振器の共振周波数f1、f2、f3の関係の設定例に対する、送電側共振系の共振周波数ftL、ftHの関係を示す図 同非接触電力伝送装置における電力伝送のための各要素装置の配置を示す模式断面図 同非接触電力伝送装置の図5Aの配置の場合の、コイル中心での送電コイルと受電コイル間の距離Xに対する、整流回路の出力電力Pの関係を示すグラフ 図1と同様な構成の同非接触電力伝送装置について、送電コイル−補助コイル間の距離Zを変化させて整流回路の出力電力Pを測定するための、各要素装置の配置を示す模式断面図 同非接触電力伝送装置の図6の配置で、補助コイル−受電コイル間の距離aを5mmに設定した測定の結果得られた、補助共振器の共振周波数f3に対する整流回路の出力電力Pの関係を示すグラフ 図7に示す測定結果から得た、送電コイル−補助コイル間の距離Zに対する整流回路の出力電力Pのピーク値の関係を示すグラフ 図7に示す測定結果から得た、送電コイル−補助コイル間の距離Zに対する、各距離Zにおける出力電力Pが最大となる共振周波数f3の関係を示すグラフ 従来技術における非接触電力伝送装置の構成を示す断面図 従来技術における結合状態の違い(送電コイルと受電コイル間の距離に対応)による電力伝送効率と周波数との関係を示した模式図
本発明の非接触電力伝送装置は、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
すなわち、前記送電コイルと前記受電コイルの間の磁界共鳴を介して前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送するように構成することができる。
また、前記共振制御部は、前記補助共振器の前記共振容量を調整することにより前記補助共振器の共振周波数を調整するように構成することができる。
また、前記受電装置に伝送された電力を検出する電力検出部を備え、前記共振制御部は、前記電力検出部の検出信号に基づいて前記補助共振器の共振周波数を調整するように構成することができる。
また、前記コイル間距離を検出する距離検出部を備え、前記共振制御部は、前記距離検出部の検出信号に基づいて前記補助共振器の共振周波数を調整するように構成することができる。
また、前記共振制御部は、前記送電共振器と前記補助共振器との電磁結合状態が双峰特性状態(密結合状態)となる前記コイル間距離内において、前記送電共振器と前記補助共振器が構成する送電側共振系の共振周波数ftが、前記受電共振器の共振周波数f2に近接する向きに、前記補助共振器の共振周波数f3を調整する構成とすることができる。
また、前記送電コイルの直径d1と、受電コイルの直径d2と、補助コイルの直径d3が、d1>d2、かつd2<d3の関係を満足する構成とすることが好ましい。この関係を保っていれば、電力伝送可能距離の増大に効果的である。特に、d1=d3の関係を満足することが好ましい。それにより、伝送効率特性(受電可能範囲の拡大など)の向上について大きな効果が得られる。もちろん、円形のコイルに限らず、四角形のコイル等をそれぞれ配置した形態でも、同様の効果は得られる。また、送電コイルの中心軸と、補助コイルの中心軸と、受電コイルの中心軸が、同一軸上にあることが好ましい。
また、前記受電コイルと前記補助コイルが共に平面コイルであり、かつ、両コイルの中心軸を同軸として同一平面上に配置し、更に前記受電コイルの直径d2と、前記補助コイルの直径d3が、d2<d3であるように構成することができる。すなわち、補助コイルと受電コイルを同じ位置(距離a=0mm)に配置しても良い。この場合、薄型化のために、両コイルとも平面コイルを用いて一体成形することによりコストダウンが図れる。この場合にも、補助コイルの直径の方を受電コイルの直径よりも大きくする必要がある。
また、前記送電共振器と前記補助共振器との電磁結合状態が双峰特性状態(密結合状態)となる前記コイル間距離内において、前記送電共振器の共振周波数f1と、前記受電共振器の共振周波数f2と、前記補助共振器の共振周波数f3が、f1=f2<f3、またはf3<f1=f2の関係になるように設定することができる。すなわち、本発明では、補助コイルの共振周波数f3は、送電コイルの共振周波数f1および受電コイルの共振周波数f2とは異なる。特に、共振周波数f3が最も大きい方が、電力伝送効率を大きくできる。
より好ましくは、前記送電コイルに電力を供給する為の高周波電力ドライバーの共振周波数をf0とした場合、f0=f1=f2<f3となるように設定する。すなわち、高周波電力ドライバーの共振周波数f0を共振周波数f2と同じ周波数とすることにより、電力伝送効率を最も高くすることができる。送電コイルの共振周波数f1もf0と同じ方が良い。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。各実施の形態は、本発明を具現化する為の一例を示したものであり、これに限定されるものではない。
<実施の形態>
図1は、一実施の形態における磁界共鳴型の非接触電力伝送装置の構成を示す模式断面図である。なお、図10に示した従来例の非接触電力伝送装置と同様の要素については、同一の参照番号を付して、説明の繰り返しを簡略化する。
この非接触電力伝送装置は、従来例の送電装置1と受電装置2に送電補助装置9を加えた構成を有し、送電装置1から受電装置2への電力伝送時には、受電装置2と送電補助装置9間の距離が一定に維持された状態で非接触電力伝送を行うように構成されている。送電装置1は、交流電源(AC100V)の電力を送電可能な高周波電力に変換して電力を伝送し、受電装置2は電力を受け取る。送電補助装置9は、電力伝送時における、送電装置1に関わる共振系の共振周波数を、受電装置2の共振系の共振周波数に対して、適切な関係に設定する機能を有する。
送電装置1は、少なくとも、交流電源(AC100V)6の電力を送電可能な高周波電力に変換する高周波電力ドライバー5、及び送電コイル4aを備えている。場合によっては、送電用のループコイル(図10の3a参照)を設けても良い。図示は省略するが、送電コイル4aには共振容量が接続されて、送電共振器を構成している。共振容量としては、回路素子として可変コンデンサ(バリコンあるいはトリマコンデンサなど)あるいは固定コンデンサを接続してもよいし、浮遊容量を利用した構成としてもよい。なお、以下の記載においては、送電共振器の単独での共振周波数f1を、図示との関係が判り易いように「送電装置1の共振周波数f1」と記述する場合もある。
受電装置2には、少なくとも受電コイル4bとループコイル(図10参照)が組合わされて配置されている。ループコイルで得られた電力は、少なくとも整流回路を経由して充電池に蓄えられる。受電用コイルには共振容量が接続されて、受電共振器を構成している。共振容量としては、回路素子として可変コンデンサ(バリコンあるいはトリマコンデンサなど)あるいは固定コンデンサを接続してもよいし、浮遊容量を利用した構成としてもよい。なお、以下の記載においては、受電共振器の単独での共振周波数f2を、図示との関係が判り易いように「受電装置2の共振周波数f2」と記述する場合もある。
送電補助装置9は、補助コイル10と共振容量としての調整用コンデンサ11を有し、両要素により補助共振器が構成されている。なお、以下の記載においては、補助共振器の単独での共振周波数f3を、図示との関係が判り易いように「送電補助装置9の共振周波数f3」と記述する場合もある。調整用コンデンサ11は、可変コンデンサ(バリコンあるいはトリマコンデンサなど)を用いて、常に再調整可能となっている。
上述の、送電装置1に関わる共振系とは、送電コイル4aと補助コイル10の結合により、送電コイル4aを含む送電共振器と補助コイル10を含む補助共振器によって構成される共振系であり、これを送電側共振系と称する。また、送電側共振系の共振周波数をftと記述する。
本実施の形態においては、図1に示したように、受電装置2の受電コイル4bと補助共振装置9の補助コイル10とは、連結支持機構12により相互間の距離が一定に維持されるように構成されている。連結支持機構12は、両コイルを機械的に固定してコイル間距離を維持する構成としても良いし、両コイル同士を固定しない状態でコイル間の距離だけ維持されるように支持する構成とすることもできる。この時、送電補助装置9と送電装置1を向かい合わせて配置することが、高い電力伝送効率を得るためには好ましい。
また、受電装置2と調整用コンデンサ11を連携させるための電力検出部13と容量制御部14が設けられている。電力検出部13は、受電装置2に伝送された電力値を検出する。容量制御部14は、電力検出部13の出力値に応じて調整用コンデンサ11の容量を調整する制御を行う。調整用コンデンサ11の容量の調整の詳細については、図2以降を参照した説明により明確にする。
調整用コンデンサ11の容量の調整は、送電コイル4aの軸方向に補助コイル10が移動した場合に、補助共振器の共振周波数を調整して、送電装置1から受電装置2へ供給される受電パワーを最適化するために行われる。すなわち、電力検出部13は、受電装置2に伝送された電力値に基づき、コイル間の距離の変化を間接的に検出するために用いられる。
従って、電力検出部13に代えて、送電コイル4aと、補助コイル10または受電コイル4bの間の距離を検出する距離検出装置を用いることもできる。すなわち、容量制御部14は、距離検出装置が検出する距離の変化に応じて補助共振器の共振周波数を調整するために、調整用コンデンサ11の容量を調整する。距離検出装置は、図示を省略するが、光学的な測距装置、画像認識による測距装置等、どのようなものを用いてもよい。
補助共振器の共振周波数を調整する方法は、調整用コンデンサ11の容量を調整する方法に限られない。すなわち、容量制御部14に代えて、他の方法に基づく共振制御部により補助共振器の共振周波数を調整する制御を行うことも可能である。
また図示は省略されているが、送電補助装置9には、必要に応じて送電コイル4aの反射電力、共振周波数、流れる電流、あるいは電圧などをモニターする手段や、送電装置1、受電装置2及び送電補助装置9の相互間で情報のやり取りをするための回路等を含むことができる。そのような構成を採用する場合は、調整用コンデンサ11を可変コンデンサ(バリコンあるいはトリマコンデンサなど)とし、容量値を自動的に制御可能とすることもできる。
次に、本実施の形態の特徴である送電補助装置9の機能について、より詳細に説明する。図1に示した非接触電力伝送装置の構成によれば、送電補助装置9が無い場合に比べて、後述するように、電力伝送可能距離を拡大させるなどの効果が得られる。これは、送電コイル4aに対して補助コイル10を対向配置することにより、送電コイル4aからの磁束の到達距離が長くなるためと思われる。
一方、図1に示したような構成においては、送電装置1の共振周波数は、補助コイル10の磁気的な影響を受けて、初期に設定した単独の共振周波数f1とは異なっている。しかし、補助コイル10に接続される調整用コンデンサ11の容量値Cを調整して送電補助装置9の共振周波数f3を適切に設定することにより、送電側共振系の共振周波数ftを受電装置2の共振周波数f2と一致させることができる。これにより、送電コイル4aからの電力伝送効率を実用上十分な程度に維持して、電力伝送可能距離を拡大させるなどの効果が得られる。
調整用コンデンサ11の容量値Cの設定は、共振周波数ftが共振周波数f2と一致するように行うことが望ましいが、完全に一致させなくとも相応の効果が得られる。すなわち、送電側共振系の共振周波数ftのピークが、送電装置1の共振周波数f1と比べて、受電装置2の共振周波数f2に近づくように、送電補助装置9の共振周波数f3を設定すればよい。このような調整による効果を十分に得るためには、送電補助装置9を構成する補助コイル10は、送電コイル4aの形状とほぼ同じとし、両者のコイルの中心軸もほぼ同軸に配置することが望ましい。
但し、電力伝送可能距離の増大等の効果は、例えば、送電コイル4aの直径をd1、受電コイル4bの直径をd2、補助コイル10の直径をd3とした時、d1>d2、かつd2<d3の関係を満足すれば、相応に得られる。これは、送電コイル4aの直径d1が受電コイル4bの直径d2よりも大きければ、補助コイル10との間の磁束を利用することができ、また、補助コイル10の直径d3が受電コイル4bの直径d2よりも大きければ送電コイル4aとの間の磁束を利用することができるためである。
ここで、補助コイル10の影響を調べる為に、微小電力によるVNA(ベクトルネットワークアナライザ)による測定を行った結果について説明する。送電装置1の共振周波数f1、受電装置2の共振周波数f2は、共振容量として設けられた固定コンデンサの容量値により設定した。具体的には、f1=f2=12.1MHzとした。
先ず、送電補助装置9の共振周波数f3を変化させたときの、送電側共振系の共振周波数の変化を調べた結果を示す。図2Aに、各コイルの配置の一例を示す。すなわち、送電コイル4aと補助コイル10を対向させて30mm長さの受電空間を形成するように配置し、ループコイル3aにVNA15を接続した。また、補助コイル10には調整用コンデンサとしてトリマコンデンサ11aを接続し、共振周波数f3を可変とした。
この配置によるVNA測定の結果を、図2Bに示す。図2Bは、横軸に送電補助装置9の共振周波数(補助共振器単体での共振周波数)f3をとり、縦軸にVNA測定によって得られた送電側共振系の共振周波数ftの値をプロットしたものである。また、共振周波数f3が、(a)9MHz、(b)12.1MHz及び(c)16MHzの場合に得られたVNA測定の出力波形図を、それぞれ、図2C(a)〜図2C(c)に示す。
例えば、f3をf1と同じ共振周波数(12.1MHz)に調整した場合には、図2C(b)の波形図に示すように、約12.1MHzを中心にして二つの共振周波数が現れる(密結合:双峰特性)。低周波側の左の共振周波数をftL、高周波側の右の共振周波数をftHと記述する。図2Bには、低周波側の共振周波数ftLに対応する特性線と、高周波側の共振周波数ftHに対応する特性線が記載されている。本発明では双峰特性になる条件で効果が大きい。
図2C(b)の状態から補助共振器単体で共振周波数f3を20MHzまで変化させていくと、図2Bに示すように、低周波側の共振周波数ftLは徐々に高周波側へシフトして、最終的にはf1やf2と同じ12.1MHzに近づいていき、図2C(c)に示すように、信号も大きくなってくる。高周波側の共振周波数ftHも段々と高周波側へシフトしていき、出力信号は小さくなりゼロに近づいていく。
一方、図2C(b)の状態から共振周波数f3を低周波側へ5MHzまで変化させていくと、図2Bに示すように、高周波側の共振周波数ftHは徐々に低周波側へシフトして、最終的にはf1と同じ12.1MHzに近づいてゆく。但し、信号は低周波側の共振周波数ftLの場合に比べると、図2C(a)に示すように、あまり大きくはならない。低周波側の共振周波数ftLも段々と低周波側へシフトしていき、出力信号は小さくなりゼロに近づいていく。
次に、図3Aに示す各コイルの配置により、送電補助装置9の共振周波数f3を変化させたときの電力伝送効率の変化を調べた結果を示す。図3Aの配置は、図2Aの配置における送電コイル4aと補助コイル10の間の受電空間中に、受電コイル4bとループコイル3bを配置したものである。ループコイル3a、3bにVNA15を接続した。なお、ここで言う電力伝送効率とは、送電コイル4aと受電コイル4b間での数値であり、回路などの効率は含まない。
この配置によるVNA測定結果を図3Bに示す。図3Bにも、低周波側の共振周波数ftLに対応する特性線と、高周波側の共振周波数ftHに対応する特性線が記載されている。図3Bから判るように、例えば、f1=f2=f3=12.1MHzの場合(矢印で示す)には、電力伝送効率は約44%と小さい。f3をこれよりも大きくしていくと、低周波側の共振周波数ftLに対応する電力伝送効率も大きくなっていく。f3=16MHzの場合には約64%の電力伝送効率が得られる。
以上のように、送電補助装置9の共振周波数f3をf1及びf2よりも大きくすることにより、電力伝送時の共振周波数ftを共振周波数f2に近づけることができ、それにより、その時の電力伝送効率も大きくできる。
一方、共振周波数f3を低周波側へ変化させていくと、高周波側の共振周波数ftHに対応する電力伝送効率が大きくなっていく。f3=5MHzの場合には約46%の電力伝送効率が得られる。但し、低周波側の共振周波数ftLに対応する電力伝送効率の最大領域に比べると、高周波側の共振周波数ftHに対応する電力伝送効率の最大領域における値は小さい。
図4は、共振周波数f1、f2、f3の関係の設定例に対する、送電側共振系の共振周波数ftの関係を示す図である。f2=f1に設定する場合を示す。この場合、(a)に示すようにf1>f3の範囲でf3を適切に設定することにより、ftHをf2に一致させ、あるいは十分に近接させることができる。ftHをf2に十分に近接させるとは、共振周波数ftがf2に一致している場合と実用上同等の電力伝送効率が得られる程度まで、共振周波数ftがf2に近接している状態にすることを意味する。なお、以下の記載において、共振周波数ftがf2に一致しているとは、共振周波数ftがf2に十分に近接している場合も含むものとする。
図4(b)は、上述のように、f1=f2=f3に設定することにより、ftがf2に一致しない場合を示す。また、(c)に示すようにf1<f3の範囲でf3を適切に設定することにより、ftLをf2に一致させることができる(上述の例)。
以上のように、送電補助装置9の共振周波数f3が受電装置2の共振周波数2と異なっていれば(f3≠f2)、送電側共振系の共振周波数ftをf2に一致させる相応の効果が得られる。但し、f3>f2の関係を満足することが好ましい。また、電力伝送効率を高くするためには、高周波電力ドライバー5の共振周波数f0は、f0=f2とすることが好ましく、より好ましくは、f0=f1=f2<f3である。
次に、実際の受電装置2として、充電池8を含む装置を用いた場合について説明する。図5Aは、電力伝送を行うための各要素装置の配置を示す模式断面図である。同図には、送電コイルユニットが送電コイル4aのみを備えた場合が示されている。場合によっては、送電用のループコイル3aを設けても良い。受電コイルユニットとして、受電コイル4bとループコイル3bが組合わされて配置されている。ループコイル3bで得られた電力は、少なくとも整流回路7を経由して充電池8に蓄えられる。
充電池8として小型電池(薄型コイン電池など)を用いた場合には、ループコイル3bと充電池8を重ね合わせて設置面積を小さくすることが好ましい(例えば、コイルオン電池など)。この場合、ループコイル3bから充電池8に磁束が漏れて渦電流が発生し損失(渦電流損)となるので、このループコイル3bと充電池8の間に、伝送時の共振周波数において高透磁率を有する電波吸収体16を配置することが望ましい。この場合、トータルの厚さを薄くするために、電波吸収体16を挟んでループコイル3bと充電池8とを密着させても良い。充電池8と一体化しない場合においても、ループコイル3bの後ろ側に電波吸収体16を配置した方が、電力伝送効率は高くなるので好ましい。
本実施の形態では、送電装置1における送電コイル4aは、図10に示したものと機能は同じであるが、薄型化のために、直径1mm程度のCuコイル(被覆あり)を同一平面上にスパイラル状に巻いた平面コイルを用いる。更に、受電装置2におけるループコイル3bと受電コイル4bは、図10に示したものと機能は同じであるが、小型化のために、厚さ0.4mmの薄型プリント基板に、厚さ70μm程度のCu箔を同一平面上にスパイラル状に形成した薄膜コイルにより構成する。電力伝送する必要電力に応じて、送電コイルや補助コイルまた受電コイルの形状を変えてもよい。電気自動車などの数kW必要な場合には、送電コイル直径を20cm以上としても良い。また、コイルの巻き方として外周密巻(空芯コイル)や中心部まで外周から疎巻状態で巻くなど目的に応じて変えれば良い。
図5Bは、図5Aの配置での測定によって得られた、コイル中心での送電コイル4aと受電コイル4b間の距離Xと、整流回路7の出力電力Pとの関係を示すグラフである。ここでの固有の共振周波数は、送電コイル4aを13.6MHz、受電コイル4bを13.6MHzとした。コイル中心での送電コイル4aと補助コイル10間の距離Zを50mmで固定とした。ここでは受電コイル4bの位置に応じた出力電力Pの変化を調べる為に、受電コイル4bを送電コイル4aの中心位置における受電空間内で移動させた。また、補助コイル10に接続したトリマコンデンサ11a(調整用コンデンサ11)の容量値を変えることにより、送電補助装置の共振周波数f3を、12MHz、13MHz、13.6MHz、14MHz、及び15MHzにそれぞれ設定し、各f3について測定を行った。
この結果、f3が13MHzの時には、受電コイル4bが距離X=約30mmに位置する場合に整流回路7の出力電力Pが最低となることが判る。また、f3が15MHzの時には、距離Xが大きくなるのに従って整流回路7の出力電力Pが低下していくことが判る。また、送電補助装置の共振周波数f3が、高周波電力ドライバー5の共振周波数f0(13.56MHz)に近い共振周波数(13.6MHz)の時には、距離Xが小さい領域で整流回路7の出力電力Pが最も小さく、これよりも距離Xが大きくなるに従って整流回路7の出力電力Pが上昇していくことがわかる。
更に、送電補助装置の共振周波数f3が14MHzの時には、受電空間内に受電コイル4bがあれば、整流回路7の出力電力Pが高いままで一様な値が得られる、即ち、送電コイル−補助コイル間の距離Zが一定の場合、送電補助装置の共振周波数f3を適度な値にすることにより、受電コイル4bの位置が変わっても安定な受電パワーが得られることになる。このように送電補助装置の共振周波数f3を任意に選ぶことにより、受電空間内の電力伝送状態を制御できることがわかる。
ところで、実際の生活においては、送電コイル−補助コイル間の距離Zがいつも一定ではなく、場合によっては距離Zが変化することも想定される。この場合においても、補助コイル10に取り付けた調整用コンデンサ11を調整し、各距離Zで最適な送電補助装置の共振周波数f3(以後、共振周波数f3と呼ぶ)に設定することにより、送電コイル4aと受電コイル4b間の距離Xによらず、受電コイル4bへの安定な電力伝送が可能である。
しかし、距離Zが変化する度に、距離Xによらず受電コイル4bへの安定な電力伝送を行うための最適な共振周波数f3を求めることは煩雑である。そこで、本実施の形態では、受電コイル4bが存在する位置のみに対応させて整流回路7の出力電力Pが最大となる共振周波数f3を求める。これは、受電コイル4bと補助コイル10との中心間距離を一定に維持すれば、距離Zに対応させて最適な共振周波数f3を求めることと同等である。そこで、送電装置2と送電補助装置9との距離を近付けて、受電コイル4bと補助コイル10とのとの中心間の距離(以下、距離aと呼ぶ)が一定となるようにした状態で、電力伝送実験を行った。ここでは、受電装置2の共振周波数f2は任意の値(例えばf0と同じ13.56MHz)で固定しており、以降の実験でも同様である。
図6に、実験を行った際の非接触電力伝送装置の構成を示す。構成要素は図5Aに示したものと同様であるが、連結支持機構12により、受電コイル4bと補助コイル10の相互間の距離を一定に維持した。ここでは、送電コイル4aと受電コイル4b間の距離Xが、受電コイル4bと補助コイル10間の距離aよりも大きく離れた状態(例えば電気自動車への給電等)で電力伝送を行うことを想定して、距離aを小さくした場合での特性を調べた。
受電コイル4bと補助コイル10間の距離aは、5mmに維持した(距離Zが変化しても距離aは変わらない)。連結支持機構12は、受電コイル4bと補助コイル10とを機械的に動かないように直接固定する構成、あるいは、それぞれ別の固定用治具を用いて距離だけを固定する構成等を採ることができるが、本実験では、テープによりコイル同士を機械的に固定した。距離Zを20mm〜60mmの範囲の任意の間隔とし、それぞれの距離Zについて、共振周波数f3を変えた場合の整流回路7の出力電力Pの値を測定した。
図7は、図6の配置で測定を行ったときの、共振周波数f3と整流回路7の出力電力Pとの関係を示したものである(パラメータとして距離Zを変えている)。この結果から、各距離Zに対応して出力電力Pが最大となる共振周波数f3が存在し、距離Zが小さいほど出力電力Pの共振周波数f3のマージンが広いことが分かる。例えば、距離Zが30mmの場合、200mWの出力電力Pを得ようとすると、共振周波数f3を15.5MHzから24MHzの間(マージン約8.5MHz)に設定すれば良いが、距離Zが40mmの場合、200mWの出力電力Pを得ようとすると、共振周波数f3を13.5MHzから16MHzの間(マージン2.5MHz)に設定する必要がある。
図8は、図7の結果から、各距離Zについて、整流回路7の出力電力Pが最大となった時の、出力電力Pの測定値をグラフ化したものである。この図のように、各距離Zでの整流回路の出力電力Pのピーク値は、臨界結合状態となる距離Z=50mm付近を境にして、距離Zが大きくなると単峰特性となり小さくなっていく。
これに対して、臨界結合状態となる距離Z=50mm付近よりも距離Zが小さくなると、双峰特性(密結合状態)となると同時に、少しずつ連続的に整流回路7の出力電力Pが増大していく。この結果からも、距離Zが臨界結合状態となる値よりも小さい場合は、共振周波数f3を最適化することにより良好な電力伝送が行えることがわかる。従来技術では、双峰特性となる距離Zの領域内において、任意の距離Zにおける共振周波数と送電周波数とが異なる場合には、整流回路の出力電力Pが小さくなる問題が生じるが、本発明では図8に示すようにその問題はない。
図9は、図7の結果から、各距離Zに対する、各距離Zにおける整流回路の出力電力Pが最大となる共振周波数f3の関係をグラフ化したものである。この図のように、臨界結合状態となる距離Z=50mm付近では、共振周波数f3の調整幅が小さいために共振周波数f3の周波数変化が少ない。しかし、送電コイル4aと補助コイル10間の距離がZ近づいていくと、双峰特性となると同時に二つの共振周波数間の差が大きくなり、最大の出力電力Pを得る為には、トリマコンデンサ11aを調整して共振周波数f3を大きくしていく必要があることが分かる。
以上のとおり、送電補助装置9を付加して送電側共振系を構成し、受電空間内に受電装置を配置する構成とすることにより、電力伝送可能な距離を増大させ、送電コイル4aと補助コイル10(受電コイル4b)の距離Zが変化しても、安定な電力伝送が可能となる。従って、距離の変化に対応するために送電コイルを多数設ける必要が無い。また、距離Zに応じて補助共振器の共振周波数を調整して、送電装置1から受電装置2へ供給される受電パワーを最適化するように制御するので、臨界結合状態となる距離Zよりも短い領域(双峰特性領域)でも、距離Zに対応して安定な電力伝送が可能である。
上述の実験では、距離aを5mmとしたが、距離aを適宜変えても、同様の結果が得られる。例えば、補助コイル10と受電コイル4bのみを同じ位置(距離a=0mm)に配置しても良い。この場合、薄型化のために、両コイルとも平面コイルを用いて一体成形することによりコストダウンが図れる。この場合にも、補助コイル10の直径を受電コイル4bの直径よりも大きくする必要がある。即ち、受電コイル4bと補助コイル10が共に平面コイルであり、かつ、両コイルの中心軸を同じとして同一平面上に配置し、更に受電コイル4bの直径d2と、補助コイル10の直径d3を、d2<d3の関係に設定する。
本実施の形態のような形態は、電気自動車への給電にも応用できる。この場合には、車両に乗っている人数や積んでいる荷物の量、あるいはタイヤの空気圧の変化などに起因して、送電コイルから受電コイルまでの距離Xが当初設定していた距離Xと異なったとしても、給電時の距離Xにおける送電補助装置の共振周波数f3を最適な値に調整することにより、整流回路の出力電力Pを最大にすることができる。
このように本発明によれば、送電コイルと受電コイルとの距離が変化した場合においても、補助コイルに取り付けた調整用コンデンサの調整のみで安定な電力伝送が可能であり、更に受電装置内及び送電装置内に共振周波数を調整する手段を設けなくて良いことから、送電装置及び受電装置の低コスト化が可能となる。
本発明の非接触電力伝送装置は、送電コイルと受電コイルとの距離が変化しても安定な電力伝送が可能であって、送電コイルを多数設ける必要が無いので、自動車、バス、電車のような電気車両等への適用に好適である。
1 送電装置
2 受電装置
3a、3b ループコイル
4a 送電コイル
4b 受電コイル
5 高周波電力ドライバー
6 交流電源
7 整流回路
8 充電池
9 送電補助装置
10 補助コイル
11 調整用コンデンサ
11a トリマコンデンサ
12 連結支持機構
13 電力検出部
14 容量制御部
15 VNA
16 電波吸収体

Claims (11)

  1. 送電コイル及び共振容量により構成された送電共振器を有する送電装置と、受電コイル及び共振容量により構成された受電共振器を有する受電装置とを備え、前記送電コイルと前記受電コイルの間の作用を介して前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送する非接触電力伝送装置において、
    補助コイル及び共振容量により構成された補助共振器を有する送電補助装置と、
    前記補助共振器の共振周波数を調整する共振制御部と、
    前記受電コイルと前記補助コイルのコイル間距離を一定に維持する連結支持機構とを更に備え、
    前記送電装置と前記送電補助装置とを対向させて前記送電コイルと前記補助コイルの間に形成される受電空間に前記受電コイルを配置して電力伝送を行うように構成され、
    前記共振制御部は、前記送電コイルと前記補助コイルの間の軸方向におけるコイル間距離に応じて前記補助共振器の共振周波数を調整することにより、前記送電装置から前記受電装置へ供給される受電パワーを最適化し、
    前記共振制御部は、前記送電共振器と前記補助共振器との電磁結合状態が双峰特性状態(密結合状態)となる前記コイル間距離内において、前記送電共振器と前記補助共振器が構成する送電側共振系の共振周波数ftが、前記受電共振器の共振周波数f2に近接する向きに、前記補助共振器の共振周波数f3を調整することを特徴とする非接触電力伝送装置。
  2. 前記送電コイルと前記受電コイルの間の磁界共鳴を介して前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送するように構成された請求項1記載の非接触電力伝送装置。
  3. 前記共振制御部は、前記補助共振器の前記共振容量を調整することにより前記補助共振器の共振周波数を調整するように構成された請求項1または請求項2記載の非接触電力伝送装置。
  4. 前記受電装置に伝送された電力を検出する電力検出部を備え、
    前記共振制御部は、前記電力検出部の検出信号に基づいて前記補助共振器の共振周波数を調整するように構成された請求項1〜3のいずれか1項に記載の非接触電力伝送装置。
  5. 前記コイル間距離を検出する距離検出部を備え、
    前記共振制御部は、前記距離検出部の検出信号に基づいて前記補助共振器の共振周波数を調整するように構成された請求項1〜3のいずれか1項に記載の非接触電力伝送装置。
  6. 前記送電コイルの直径d1と、受電コイルの直径d2と、補助コイルの直径d3が、d1>d2、かつd2<d3の関係を満足する請求項1記載の非接触電力伝送装置。
  7. d1=d3の関係を満足する請求項6記載の非接触電力伝送装置。
  8. 前記受電コイルと前記補助コイルが共に平面コイルであり、かつ、両コイルの中心軸を同軸として同一平面上に配置し、更に前記受電コイルの直径d2と、前記補助コイルの直径d3が、d2<d3である請求項1記載の非接触電力伝送装置。
  9. 前記送電共振器と前記補助共振器との電磁結合状態が双峰特性状態(密結合状態)となる前記コイル間距離内において、前記送電共振器の共振周波数f1と、前記受電共振器の共振周波数f2と、前記補助共振器の共振周波数f3が、f1=f2<f3、またはf3<f1=f2の関係になるように設定された請求項1記載の非接触電力伝送装置。
  10. 前記送電コイルに電力を供給する為の高周波電力ドライバーの共振周波数をf0とした場合、f0=f1=f2<f3である請求項9記載の非接触電力伝送装置。
  11. 送電コイル及び共振容量により構成された送電共振器を有する送電装置と、受電コイル及び共振容量により構成された受電共振器を有する受電装置とを用い、前記送電コイルと前記受電コイルの間の作用を介して前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送する方法であって、
    補助コイル及び共振容量により構成された補助共振器を有する送電補助装置を更に用い、
    前記受電コイルと前記補助コイルのコイル間距離を一定に維持しながら、前記送電装置と前記送電補助装置とを対向させて前記送電コイルと前記補助コイルの間に形成される受電空間に前記受電コイルを配置して電力伝送を行い、
    前記送電コイルと前記補助コイルの間の軸方向におけるコイル間距離に応じて前記補助共振器の共振周波数を調整することにより、前記送電装置から前記受電装置へ供給される受電パワーを最適化し、
    前記補助共振器の共振周波数を調整する共振制御部は、前記送電共振器と前記補助共振器との電磁結合状態が双峰特性状態(密結合状態)となる前記コイル間距離内において、前記送電共振器と前記補助共振器が構成する送電側共振系の共振周波数ftが、前記受電共振器の共振周波数f2に近接する向きに、前記補助共振器の共振周波数f3を調整することを特徴とする非接触電力伝送方法。
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