JP5858856B2 - グロープラグの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンなどの始動促進用に、エンジンの燃焼室などに取り付けられるグロープラグの製造方法に関し、詳しくは、セラミックヒータを備えたグロープラグの製造方法に関する。
この種のグロープラグは従来より各種の構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。図5は、その一例を示したものである。このグロープラグ101は、通電することによって発熱する軸状(円柱状)のセラミックヒータ(素子)11が、円筒状をなす金属製の本体(以下、単に本体とも言う)31内の先端から突出するように固定されている。このセラミックヒータ11は、セラミック基体(例えば窒化珪素質セラミック)12中に設けられたU字形の抵抗発熱体13の両端において、それぞれ後方に延びる中継用導体14を備えており、この各中継用導体14には通電用の各電極端子16,17がセラミックヒータ(以下、単にヒータともいう)11の外周面において露出するように設けられている。そして、このヒータ11の後端部の所定位置には、ステンレス鋼などからなる金属製のリング(短筒)61が圧入により固定されている。また、中間部位の所定位置には、例えば後端寄り部位に大径部(フランジ)22を有する同金属製の外筒といわれるパイプ(以下、外筒という)21が圧入により固定されている。このうち、後端部に固定されているリング61は、その内周面で、一方の電極端子17に圧接されて、その内、外面間の電気的導通が保持されている。また、ヒータ11の中間部に固定されている外筒21は、その内周面で、他方の電極端子(接地用電極)16に圧接されて、その内、外面間の電気的導通が保持されている。
このようなヒータ11は、外筒21を介して本体31の内側に軸線Gが同じとなる配置で固定されており、電極端子16は本体31を介してエンジンヘッド(図示せず)に接地されるように構成されている。また、セラミックヒータ11の後端部に圧入されているリング61の後方には、本体31内において絶縁を保持して同軸で配置された金属製のリード用軸部材(以下、軸部材ともいう)51の先端が挿入されて溶接され、電極端子17に電気的に接続されている。なお、この軸部材51の後端部は、本体31の後端から突出され、同後端部55にシール用のOリングパッキン81や絶縁リング91が嵌められて、外部端子(ピン端子)70が外嵌され、カシメ加工により固定されている。このようなグロープラグ101は、エンジンのプラグホールに、本体31の外周面に設けられたねじ37によるねじ込みで取付けられ、その使用に供される。なお、本明細書において、グロープラグ、及びそれを構成するヒータ11等の各構成部材(部品)等に関して、「先端」というときは、図5におけるグロープラグ101等の各部材の下方の端をいい、逆に後端とは同図における上方の端をいう。
このようなグロープラグ101は、上記したように、ヒータ11に対してリング61及び外筒21が圧入されている構造を有している。この圧入は、まず、図6−Aに示したように、支持ジグ(図示せず)にて支持されたリング61内に、ヒータ11をその先端から圧入して、リング61が所定位置となるまでヒータ11をその後方からプレスすることで行われる。次に、図6−B、Cに示したように、このリング61を圧入したヒータ11をその先端から、支持ジグ(図示せず)にて支持された外筒21内に圧入し、外筒21がヒータ11の中間部位の所定位置となるまで同様にして押込むことになる。
ところで、上記各圧入においては、金属(リング、外筒)とセラミック(ヒータ)との熱膨張差に基づく電気的な接続の信頼性低下の防止を十分に確保する必要がある。とくに、外筒21へのヒータ11の圧入に関しては、その内周面とヒータ11の外周面との間の高度の気密確保や密着性が要求される。このため、互いに圧入面をなす、リング61及び外筒21の内周面と、ヒータ11の外周面とも、高度の面粗度として仕上げられるが、圧入代も比較的大きいものに設定される。したがって、如何にして圧入を円滑にするかということが根本的かつ重大な課題としてある。
一方、従来よりこのような圧入においては、滑剤液(洗剤の水溶液などの潤滑剤の液)が使用される。すなわち、圧入前に、ヒータ11の外周面に、そして要すれば、リング61及び外筒21の内周面にも滑剤液の塗布による塗膜(滑剤層)の形成が行われていた。他方、このような滑剤液の塗布においては、カスレや塗りムラや泡立ちがなく均等な厚さの、しかも、圧入後の滑剤の残りカスを減らすためにも、できるだけ薄い膜厚の塗膜にする必要がある。このように滑剤液をヒータ11の外周面に塗布する1つの方法としては、ヒータ11を立てて滑剤液中に液没させて引き上げ、それが所望とする薄さの塗膜厚となるように、後工程で拭き取るなどの手法が考えられる。しかし、これでは、効率的な滑剤液の塗布ができない。
こうした中、本願発明者は、液吸収性の高い柔軟な多孔質弾性体(本願において、以下、スポンジという)に、ヒータ11の外径(横断面)より小さい穴を設けておき、これに滑剤液を含浸させた後、その穴が上下の縦穴となるようにしてタンク(容器)中に配置しておき、その縦穴にヒータ11を挿入することで、滑剤液を塗布する方法を考えついた。この方法においては、そのスポンジを適度に絞るなどして、その縦穴の内周面を滑剤液で濡らす一方、液溜まりとならないように設定する。これにより、その縦穴にヒータ11を挿入することで、含浸させていた滑剤液を付着させることができる。一方、その引き上げ過程では、その縦穴の内周面とヒータ11の外周面との間の摩擦により、塗布されていた滑剤液の塗膜(層)の厚みが適正な薄膜となるよう、余剰の滑剤液を拭い取るわけである。このようにしてヒータ11の外周面に滑剤液を塗布する方法では、余剰の滑剤液の拭い取りが、いわば自動的に行えるため、その意味では効率的な滑剤液の塗布法であるといえる。
WO2005/080877号公報
ところが、前記した滑剤液の塗布法による場合、ヒータ11がスポンジ中の縦穴に挿入されていないとき、すなわち、ヒータ11を引き上げて、次ぎのヒータ11を挿入するまでの間の時間は、そのスポンジの縦穴の内周面は大気にさらされていることになる。一方、この種の滑剤液は、後の圧入工程に回されるまでに適度に乾燥した滑剤層となっていることが望まれるため、比較的速乾性のものが使用される。他方、このような滑剤液を用いると、スポンジの縦穴の内周面に沿って湿潤状態(ないし濡れた状態)で存在していた滑剤液は、上記したような大気へのさらされ時間の累積により、比較的、短時間で乾燥し、或いはそれに近い状態になってしまう。滑剤液の濃度、種類、さらには雰囲気にもよるが、数分で乾燥状態に近い状態になってしまうこともある。こうしたことから、100本単位の多数のヒータ11に連続して、所望とする均等な薄い塗膜で滑剤液を塗布することは困難であった。或いは、引き上げる際に拭い取られ過ぎとなるなど、塗膜にカスレや塗りムラが生じるという問題があり、圧入の円滑化が阻害されるという問題があった。
こうした問題の防止のためには、縦穴の内周面が乾燥する前に、その都度、滑剤液を補給する必要がある。しかし、この補給のためには、タンクからスポンジを取り出して、別途の容器に溜められた滑剤液中に埋没させて、それを絞って適度の含浸状態としてから、もとのタンクに戻す作業を頻繁に余儀なくされる。その結果、これがグロープラグの組立、製造の低効率化を招く要因ともなっていた。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、圧入のための滑剤液を、多数のセラミックヒータ(素子)に薄く均等厚さで効率的に塗布できる塗布法を提供し、もって、グロープラグの製造効率を高めることをその目的とする。
請求項1に記載の発明は、通電することによって発熱する軸状のセラミックヒータを備えたグロープラグであって、該ヒータには、後端部の所定位置に金属製のリングが、中間部位の所定位置に金属製の外筒が、それぞれ圧入により固定され、該ヒータの後端部に固定されているリングは、その内周面で、ヒータの外周面において露出する通電用の一方の電極端子に圧接されて電気的導通が保持されていると共に、該ヒータの中間部に固定されている外筒は、その内周面で、ヒータの外周面において露出する通電用の他方の電極端子に圧接されて電気的導通が保持されてなる構造を備えたグロープラグの製造方法であって、
前記リング及び前記外筒に対する前記ヒータの圧入が、該ヒータに滑剤液を塗布した後に行われるグロープラグの製造方法において、
該ヒータに滑剤液を塗布するのに、
タンクに滑剤液が入れられている共に、前記ヒータを軸方向に通した際にその外周面が擦り付けられるよう形成された内周面を有する貫通穴が設けられたスポンジを、該貫通穴が縦穴をなすように、しかも、該縦穴の少なくとも一部が、前記滑剤液の液面より上に位置するように設置してなる滑剤液塗布装置を用い、
前記ヒータを、軸方向に前記スポンジの縦穴に通して該ヒータの下端から上方に向かう所定範囲を滑剤液中に液没させ、この液没によつて該ヒータの外周面を滑剤液にて濡らし、
その後、引き上げることで該ヒータの外周面に塗布された滑剤液のうちの余剰分を、前記縦穴の内周面にて拭わせる工程を含めたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記スポンジは、前記滑剤液の液面より上に空間を保持して設置してあることを特徴とする、請求項1に記載のグロープラグの製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記スポンジには、前記滑剤液塗布装置の外部と前記空間とが連通するエア抜き穴が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のグロープラグの製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記スポンジの上面に、前記滑剤液の乾燥防止用の乾燥防止体が密着して配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のグロープラグの製造方法である。
本発明では、滑剤液の塗布後のヒータの引き上げ時において、ヒータの外周面に塗布されている余剰の滑剤液を、前記スポンジの縦穴の内周面にて自動的に拭い取らせることになる。そして、この拭い取りは、1つのヒータを下降させることによる液没の後の引き上げ工程ごとに行われる。これにより、この拭い取りの度に、スポンジの縦穴の内周面には、拭い取られた滑剤液を付着させることになる。すなわち、1つのヒータを下降させてそれに滑剤液を塗布し、その後、これを引き上げる際には、そのスポンジの縦穴の内周面は、そのヒータに対する滑剤液の塗布における余剰分が、常に、毎回、付着する形で塗り付けられるため、その内周面には自動的に滑剤液が補給されることになる。このため、その縦穴の内周面は、塗布工程が継続する間、常に前回(直前)において拭い取られた余剰の滑剤液で湿潤状態に保持されるようになる。したがって、液没されてヒータに塗られた余剰の滑剤液が、前記内周面が乾燥状態において拭い取られることはなく、湿潤状態にあるその内周面にて拭い取られる。これにより、拭い取られ過ぎにより、塗布された滑剤液の塗膜にカスレが生じることもなく、多数のヒータに次々と安定した所望とする薄さの塗膜を効率的に形成できる。なお、塗布工程の開始時、例えば、新品のスポンジを用いる場合などは、そのスポンジの縦穴の内周面に適度の滑剤液が付着又は吸収されるように、それを滑剤液に含浸させるか、スポンジに滑剤液をふりかける等すればよい。
本発明において、前記スポンジは、該貫通穴が縦穴をなすように、しかも、該縦穴の少なくとも一部が、前記滑剤液の液面より上に位置するように設置してなることでもよいが、請求項2に記載の発明のように、前記滑剤液の液面上に空間を保持して設置してあるのが好ましい。また、前記ヒータを前記スポンジの縦穴に挿入する際、又は引き上げる工程においては、そのヒータの動きに対応して、スポンジ内の細孔にある空気は圧縮、又は収縮をする。このような空気の圧縮等により、その空気はスポンジの細孔を通過して外部に排出されようとするなどから、その細孔内の滑剤液には、それが石鹸水である場合には気泡が発生しがちとなる。このような泡が縦穴の内周面にあると、ヒータの外周面に気泡状態で滑剤液が付着し、残存する。このため、ヒータの表面における滑剤液の均等厚の塗膜の形成を阻害する。これに対して、請求項3に記載の発明のように、エア抜き穴が設けられていると、空気は外部に円滑に排出されるため、上記した泡立ちの発生が抑制ないし防止されるので、滑剤液に石鹸水を用いる場合には効果的である。
また、請求項4に記載の発明のように、前記スポンジの上面に、前記滑剤液の乾燥防止用の乾燥防止体が密着して配置されていると、滑剤液の乾燥、蒸発(揮発)に基づくその減少の防止に有効である。なお、乾燥防止体は、樹脂製の膜(硬質シート)が好ましく、前記スポンジの上面に密着するように配置しておくとよい。そして、このように乾燥防止体を設ける場合においてスポンジにエア抜き穴が設けられている場合には、前記乾燥防止体におけるその対応位置にもエア抜き穴を設けるのが好ましい。
本発明のグロープラグの製造方法において、ヒータを、リング及び外筒に圧入する場合のその圧入方向は限定されるものではなく、したがって、その先端からでも、後端からでも圧入は可能である。ただし、ヒータは、先端が凸となす半球面状に形成されたり、先端が平面をなすと共に先端側に向かって縮径する円錐台形状に形成されるのが普通であるから、このようなものでは前記リング及び前記外筒へのヒータの圧入はこの先端から行うのが好ましい。したがって、この場合には、該ヒータは該先端から前記滑剤液中に液没させるのが好ましい。このような液没においては、ヒータはその上端部をチャックして行うことになる。このため、後端又は後端寄り部位をチャックして液没し、引き上げるときは、その液没深さが浅くとも、先端には確実に滑剤液を塗布することができる。一方、液没されていない部位といえども、引き上げ過程で、縦穴の内周面に擦り付けられる部位は、そこに拭い取られていた(付着していた)滑剤液にて薄く塗布され得る。しかも、リングへの圧入において塗布されていた滑剤液はリングの内周面にて、その圧入における相対的なリングのスライドにより、後方に塗り広げられる形となるから、さらに薄く塗布され得るため、その後の外筒への圧入の円滑化が図られる。
本発明の製造方法を具体化した実施形態で製造されるグロープラグ(完成品)の正面縦断面図、及びその要部の拡大図。 図1のグロープラグの製造(組立て)において、リング、及び外筒にヒータを圧入した後の製造工程を説明する図。 Aは滑剤液の塗布に用いる滑剤液塗布装置の概略構成断面図、Bはその平面図。 図3の滑剤液塗布装置を用いてヒータに滑剤液を塗布する工程の説明図であって、Aは、ヒータを滑剤液に液没する前の図、Bは、ヒータを滑剤液に液没したときの図、Cは液没したヒータを引き上げる過程において縦穴の内周面で余剰の滑剤液を拭い取る状態の説明図、Dはヒータの引き上げ終了後の余剰の滑剤液を拭い取った後の図。 従来のグロープラグを説明する縦断面図。 図5のグロープラグの製造(組立て)工程中、ヒータに、リング及び外筒を圧入する工程の説明図。
本発明を具体化した一実施形態例について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、グロープラグの製造工程において、ヒータをリング及び外筒に圧入するのを簡易とするために行われるヒータへの滑剤液の塗布法に、その要部がある。そこで、まず、本例で製造されるグロープラグ自体の構成、製法について、図1、及び図2に基づいて説明した後、その塗布法について説明する。
本形態において製造されるグロープラグ101は、図5に示したものと同様の構成のものである。このため、同一の部位には同一の符号を付す等して、適宜、その説明を省略し、簡潔に説明する。このグロープラグ101は、通電することによって発熱する軸状(円柱状)のセラミックヒータ11が、金属製で異径の円筒状をなす本体31内の先端から突出するように固定されている。このヒータ11には、後端部の所定位置に、金属製(ステンレス鋼製)のリング(円管)61が圧入により固定されている。また、中間部位の所定位置には、後端寄り部位に大径部(フランジ)22を有する異径円筒状の金属製の外筒21が圧入により固定されている。そして、この外筒21における後端部に、本体31の先端が外嵌めされて大径部(フランジ)22の後端向き面に突き合わされて溶接されて、ヒータ11は本体31に固定されている。後端部に固定されているリング61は、その内周面で、ヒータ11の外周面において露出する通電用の一方の電極端子17に圧接されて電気的導通が保持されている。また、ヒータ11の中間部に固定されている外筒21は、その内周面で、ヒータ11の外周面において露出する通電用の他方の電極端子(接地用電極)16に圧接されて電気的導通が保持されている。
また、セラミックヒータ11の後端部に圧入されているリング61の後方には、本体31内において絶縁を保持して同軸で配置されたリード用軸部材51の先端が挿入され、溶接されて電気的に接続されている。なお、このリード用軸部材51の後端部55は、本体31の後端から突出され、シール用のOリングパッキン81や絶縁リング91を介して、外部端子(ピン端子)70がその先端の固定用穴72を介して外嵌され、その胴筒部75を縮径状のカシメ加工して固定されている。なお外筒21の大径部22のテーパ状先端向き面は、エンジンのプラグホールへの取付けにおけるシール面をなし、その取り付けは、本体31の外周面に設けられたねじ37によるねじ込みとされる。なお、ねじ込みは、後端のねじ込み用多角形部39を用いて行われる。
このようなグロープラグ101の製造においては、ヒータ11に、リング61及び外筒21を、それらが所定位置となるように、上記したような圧入工程(図6参照)を経ることで、それぞれ圧入する。そして、図2−Aに示したように、ヒータ11に圧入されたリング61の後端部に、軸部材51の先端を軸線Gに沿って挿入して溶接し、ヒータ組付け体を得る。次いで、図2−Bに示したように、このヒータ組付け体における軸部材51に、その後端側(図2の上側)から本体31を同軸で外嵌して、その先端を外筒21の大径部22における後端向き面に突き合わせ、その突き合わせ面を溶接してグロープラグ仕掛品100を得る。その後、図2−Cに示したように、Oリングパッキン81、絶縁リング91及び外部端子70を軸部材51の後端部に取り付けて、上記したカシメ加工をする。こうすることで、上記したグロープラグ101として組立てられる。
さて次に、本発明の要部であり、上記圧入工程の前にヒータ11の外周面に滑剤液を塗布する方法について説明する。まず、この塗布に用いられる滑剤液塗布装置201について図3,4に基づいて説明する。この装置201は、上を開口する円筒カップ状のタンク210と、このタンク210に入れられた滑剤液220と、タンク210の上部の開口を閉塞するように設置された、次記するスポンジ230を主体として構成されている。
スポンジ230は、例えば、一定厚さで、タンク210の上部の開口を閉塞するように平面視、円形に形成され、その中央には、横断面(平面視)円形のヒータ11の外径より小さい内径を有する貫通穴(円形穴)231が設けられている。このスポンジ230は、タンク210の内周の上端寄り部位の支持部212にて支持されるように設置されている。これにより、ヒータ11を軸G方向にその貫通穴231に通した際には、その貫通穴(以下、縦穴又は塗布用縦穴ともいう)231がスポンジ230の弾性により押し広げられるように変形し、ヒータ11の外周面がその縦穴231の内周面にて擦り付けられるよう形成されている。なお、スポンジ230は、滑剤液にその下方の一部が没していてもよいが、本例ではその液面より上に空間Kを保持して設置してある。
また、本例では、スポンジ230には、前記滑剤液塗布装置201の外部と、前記空間Kとが連通するエア抜き穴235が上下に貫通状態で設けられている。なお、エア抜き穴235は必須のものではない。またエア抜き穴235を設けるとしても、例えば、タンク210の液面より上の立て壁の上部に、図3中に横向きに貫通穴236として示したように設けてもよい。エア抜き穴235はエアが通過できればよく、したがって、適宜の大きさ、配置で設ければよいが、泡が立ちやすい滑剤液を使用する場合には、その泡で閉塞されないような大きさとするのが好ましい。さらに、本例では、スポンジ230の上面に、滑剤液220の乾燥防止用の乾燥防止体として、樹脂製のシート材(硬質の板)240が密着して配置されている。なお、スポンジ230に上記したようなエア抜き穴235を設けたため、このシート材240におけるスポンジ230のエア抜き穴235に対応する平面位置にも、エア抜き穴245が設けられている。
また、シート材240におけるスポンジ230の塗布用縦穴231に対応する部位には、ヒータ11の外周面に干渉しないよう、それより十分に大きい内径を有する穴(円形穴)241が設けられている。シート材240は、タンク210の内周面の上端(開口部)に略隙間なく嵌り込む外径を有している。スポンジ230、及び乾燥防止体をなすシート材240は、断面L形のリング250を、例えば、タンク210の上端部の外周面に設けた図示しないネジ部にねじ込むなどして、シート材240の上面の外周縁寄り部位を介して押さえつけられている。これにより、スポンジ230は適度に上下に圧縮されて保持、固定されている。なお、図示はしないが、スポンジ230の上面に配置したシート材240に加えて、スポンジ230の下面にもシート材(板)を配置し、上下のシート材でスポンジ230を挟むようにして、タンク210の内周の上端寄り部位の支持部212と、断面L形のリング250との間で、これらを保持するようにして、スポンジ230の垂れ下がりを防止するようにしてもよい。
次ぎのこのような滑剤液塗布装置201を用いてヒータ11に滑剤液220を塗布する工程について、図4に基づいて説明する。なお、この塗布の開始に際して、或いは、タンク210にスポンジ230を配置、固定するときは、事前にスポンジ230のうち、特に、ヒータ11を通す縦穴231の内周面には適度に滑剤液220を含浸させておくのが好ましい。以下、同図に示したように、ヒータ11は先端が凸となす半球面状に形成されているものであり、前記リング61及び前記外筒21への圧入がこの先端から行われるものにおいて説明する。なお、タンク210内における滑剤液220は、当初は、その液面が、スポンジ230の下面を濡らす程度でもよいが、本例では、上記もしたように、その下面より下に空間Kが保持されるような量とされている。これは、塗布すべきヒータ11のロットにおける数等に応じて適宜に設定すればよい。
図4−Aに示したように、ヒータ11の先端を下にして、その後端寄り部位の外周面をチャック301で保持し、塗布用縦穴231の真上で立てた状態となるようにする。次に図4−Bに示したように、その平面的位置、体勢でヒータ11を、軸G方向(上下方向)に前記スポンジ230の縦穴231に通し、該ヒータ11の下端から上方に向かう所定範囲を滑剤液220中に液没させる。この液没によつて該ヒータ11の外周面のうち、その先端から後端に向かう所定範囲(滑剤液220の液面より下)が滑剤液にて濡らされる。
その後、図4−C,Dに示したように、ヒータ11を軸G方向(上下方向)に引き上げる。この引き上げ過程では、ヒータ11の外周面は、縦穴231の内周面にて擦られる設定とされているため、塗布されていた滑剤液の塗膜220a(図4−Cの黒塗り部)は、その内周面にて、上のほうから擦られる形で拭われる。すなわち、仮に、この拭い取りがないとすれば、ヒータ11の外周面に塗布された滑剤液の塗膜は厚みが厚いままである。これに対し、図4−Cに示したように、上記縦穴231の内周面により、塗布されていた滑剤液のうちの余剰分が上の方から引き上げにつれて拭い取られることから、引き上げ後には、図4−Dに示したように所望とする薄い塗膜220bとなって塗布されたものとなる。
しかも、ヒータ11の引き上げ時に、縦穴231の内周面にて拭い取られた滑剤液220cは、縦穴231の内周面に塗り込まれる形で付与されることになる。すなわち、縦穴231の内周面は、塗布され、引き上げられるヒータ11により、その都度、濡らされるため、1つのヒータ11に対する滑剤液の塗布の度に、余剰の滑剤液にてその内周面は濡らされる。したがって、ヒータ11が引き上げられる際には、その外周面は、濡らされ状態にある縦穴231の内周面にて擦られることから、その外周面に塗布された塗膜220bにはカスレの発生も防止される。さらに、液位(滑剤液の液面)が低く、すなわち、実際にヒータ11が液没する範囲(液没されたヒータ11の下端から液面までの寸法)が小さく、その液面より上の液没されない部位も、濡らされ状態にある縦穴231内を通過させられることで、滑剤液を薄く塗布できる。このため、上下に広範囲に滑剤液を塗布するには、液位に係わらず、ヒータ11を大きいストロークで、すなわち、チャック301がシート材240やスポンジ230に干渉しない範囲でなるべく下方まで下降させるのが好ましい。
以上の説明から明らかなように、本塗布方法によれば、滑剤液が乾燥や揮発しやすいものでも、縦穴231の内周面の乾きの発生が抑制ないし防止できるから、多数のヒータ11に連続して、安定した所望とする薄さの塗膜220bを効率的に形成できる。このため、その塗布工程の効率化が図られる。その結果として、次工程におけるリング及び外筒への素子の圧入の円滑化ないし効率化が図られるため、結果としてグロープラグの製造の効率化が図られる。
なお、上記形態では、スポンジ230は、滑剤液の液面より上に空間を保持して設置してあるが、本発明では、スポンジ230の厚みが厚い場合など、その一部が滑剤液に浸かっていてもよい。また、上記形態では、スポンジ230には、滑剤液塗布装置の外部と前記空間とが連通するエア抜き穴235が設けられていることから、ヒータの下降、引き上げ過程においても、内部のエアを円滑に外部に排出等できる。このため、滑剤液に発泡性のあるものを使用するような場合でも、その泡立ちを抑制ないし低減できるため、滑剤液が泡の状態でヒータの表面に付着することを有効に防止できる。さらに、上記形態では、スポンジの上面に、滑剤液の乾燥防止用の乾燥防止体が密着して配置されていることから、蒸発や揮発のし易い滑剤液を使用する場合における、その抑制効果が得られるため、塗布用縦穴の内周面の乾燥防止効果が得られる。
本発明は、上記形態において説明したものに限定されるものではなく、適宜に、変更して具体化できる。例えば、スポンジに設けられる縦穴は、別段、鉛直でなくともよい。すなわち、傾斜していてもよい。また、上記グロープラグにおいては、それを構成する外筒として、後端寄り部位に大径部を有するものとしたが、外筒に単なるストレート管(先後に同径の円筒管)を用いる場合でも、もちろん本発明は適用できる。なお、滑剤液には石鹸水の他、圧入の簡易化が図られる適宜の液を用いることができる。
11 セラミックヒータ
16、17 ヒータの電極端子
21 外筒
61 リング
101 グロープラグ
201 滑剤液塗布装置
210 タンク
220 滑剤液
230 スポンジ
231 縦穴
235 エア抜き穴
240 乾燥防止体
K 空間

Claims (4)

  1. 通電することによって発熱する軸状のセラミックヒータを備えたグロープラグであって、該ヒータには、後端部の所定位置に金属製のリングが、中間部位の所定位置に金属製の外筒が、それぞれ圧入により固定され、該ヒータの後端部に固定されているリングは、その内周面で、ヒータの外周面において露出する通電用の一方の電極端子に圧接されて電気的導通が保持されていると共に、該ヒータの中間部に固定されている外筒は、その内周面で、ヒータの外周面において露出する通電用の他方の電極端子に圧接されて電気的導通が保持されてなる構造を備えたグロープラグの製造方法であって、
    前記リング及び前記外筒に対する前記ヒータの圧入が、該ヒータに滑剤液を塗布した後に行われるグロープラグの製造方法において、
    該ヒータに滑剤液を塗布するのに、
    タンクに滑剤液が入れられている共に、前記ヒータを軸方向に通した際にその外周面が擦り付けられるよう形成された内周面を有する貫通穴が設けられたスポンジを、該貫通穴が縦穴をなすように、しかも、該縦穴の少なくとも一部が、前記滑剤液の液面より上に位置するように設置してなる滑剤液塗布装置を用い、
    前記ヒータを、軸方向に前記スポンジの縦穴に通して該ヒータの下端から上方に向かう所定範囲を滑剤液中に液没させ、この液没によつて該ヒータの外周面を滑剤液にて濡らし、
    その後、引き上げることで該ヒータの外周面に塗布された滑剤液のうちの余剰分を、前記縦穴の内周面にて拭わせる工程を含めたことを特徴とする、グロープラグの製造方法。
  2. 前記スポンジは、前記滑剤液の液面より上に空間を保持して設置してあることを特徴とする、請求項1に記載のグロープラグの製造方法。
  3. 前記スポンジには、前記滑剤液塗布装置の外部と前記空間とが連通するエア抜き穴が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のグロープラグの製造方法。
  4. 前記スポンジの上面に、前記滑剤液の乾燥防止用の乾燥防止体が密着して配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のグロープラグの製造方法。
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