JP5858298B2 - ヘキセノン化合物及びその医学的使用 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬品化学分野、並びに具体的にはヘキセノン化合物及びその医薬組成物に関する。本発明はまた、アポトーシスに対処するため、アポトーシスに伴う疾患若しくは障害を予防する又は治療するため、とりわけ心筋細胞を保護する及び心筋細胞のアポトーシスに伴う疾患若しくは障害を予防する又は治療するための、ヘキセノン化合物及びその医薬組成物の使用に関する。
アポトーシスとは、発生過程中又は一部の因子の作用の下で、細胞内遺伝子及び細胞内遺伝子の産物の調節を介して起こる体細胞のプログラム細胞死のことを通常言う。アポトーシスは、生理的状態及び病理的状態の両方の下、生物圏において一般に存在している。アポトーシスは、胚形成及び形態形成、組織内正常細胞の安定性、身体の防御反応及び免疫反応、疾患又は毒作用により引き起こされる細胞損傷、加齢、腫瘍の発生及び成長において、重要な役割を果たしており、生物医学研究におけるもっとも関心の高い領域の一つである。
一部の研究では、多くの重症疾患の発生は、細胞の過度なアポトーシス、例えば、AIDSの発症中におけるCD4T細胞の減少、移植拒絶反応中における細胞傷害性T細胞により媒介される細胞死、虚血及び再灌流傷害の心筋細胞及び神経細胞のアポトーシス、神経系退化疾患(nervous system degradation diseases)(アルツハイマー病、パーキンソン病など)、多くの組織における電離放射線への暴露により引き起こされるアポトーシスと関係していることが示されている。
心筋細胞アポトーシスは、多くの心臓疾患の発生、進行及び予後と密接に関連しているといういくつかの証拠が示されている。心筋細胞アポトーシスに関する研究において、心筋梗塞は心筋のネクローシスとは同一ではないこと、及びアポトーシスは心筋梗塞のメカニズムの一つであって、早期梗塞の心筋死及び虚血/再灌流によって引き起こされる心筋死の主要な様式(manner)であること、並びに現時点における多量の心筋細胞アポトーシスは、心筋の損傷を悪化させることが見出されている。1989年、Nepomniashchikhらは、心筋の飢餓萎縮の超微細構造観察において、心筋細胞の構造タンパク質の合成が減退し、細胞数が減少するが、細胞核は比例的な減少を伴わないことを見出し、したがって心筋の飢餓萎縮はアポトーシスによって引き起こされることを予備的に提唱した。1994年、Gottlieb及びKawanoらは、DNAのゲル電気泳動法を併用した電子顕微鏡の使用によって、心筋細胞のアポトーシスの直接的な証拠を得たが、そのうちGottliebeは、ウサギの再灌流傷害誘発性の心筋細胞アポトーシスを明らかにし、またKawanoらは、心筋炎患者には併発性の心筋細胞アポトーシスがあることを確認した。Tanakaらはまた、乳飲みマウスにおける心筋細胞アポトーシスの存在を確認した。アポトーシスの方法論及び研究の進展により、心筋細胞アポトーシスの病理学的機能が、多くの心臓疾患で見出された。いくつかの研究では、高血圧自然発症ラット(SHR)における心臓損傷はアポトーシスに関係があること、進行期における心筋の病的肥厚から心不全への移行は心筋細胞アポトーシスによって引き起こされること、急性心筋梗塞もまた、梗塞及び再灌流傷害の早期段階において、アポトーシス(ネクローシスを除く)を誘発すること、心筋細胞アポトーシスは、移植心臓及び右心室の発育不良性心筋疾患(maldevelopment myocardial diseases)でも見出されること、及び無酸素症もまた心筋細胞アポトーシスを誘発することが示されている。
アポトーシスは、ある程度の回復可能性を有し、心筋梗塞及び虚血/再灌流におけるアポトーシスは、独自の特徴及び規則的なパターンを有するので、該特徴はアポトーシスの予防及び低減に使用し、さらに虚血/再灌流傷害の臨床的予防に対する啓発をもたらすことができる。再灌流過程の間に、収縮帯領域(梗塞部位の周辺)で起こるアポトーシスは、憎悪因子の一部によって誘発されるので、アポトーシスの予防、及びアポトーシスにより引き起こされる対応する疾患の治療のために、薬物などのアポトーシスの阻害因子を使用することができる。
しかし、アポトーシスに対処して細胞を保護するために臨床的に使用することができる薬物の種類及び数はこれまでのところほとんどなく、さらに薬物の選択性及び標的指向性は満足するものではないので、アポトーシスに対処して細胞を保護するための、新規、安全及び有効な薬物、とりわけ作用機序が新規な薬物を継続的に開発することは非常に重要である。
アポトーシスに対処して細胞を保護するための、新規、安全及び有効な薬物を開発するために、長期間にわたる種々の実験的研究を実施した結果、発明者らは、アポトーシスに対処して心筋細胞を保護する効果を有し、また心筋細胞アポトーシスを伴う疾患若しくは障害を予防する又は治療するために使用することができる、一群のへキセノン化合物を見出した。具体的には、
本発明の第1の態様は、式Iの化合物、又はその異性体、薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物に関する。
Figure 0005858298

式中、
Aは、=S、−SR又は=Oを表し、
Xは、F、Cl、Br又はIを表し、
は、フェニル、フェニル−C〜Cアルキル−(フェニルは無置換、又はハロゲン、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ及びC〜Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1〜4つ(例えば、1〜2つ、1、2、3又は4つ)の置換基で置換されており、前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、ヒドロキシル、−O−(C〜C)−アルキル、オキソ、アミノ、−NH−(C〜C)−アルキル若しくは−N−[(C〜C)−アルキル]で置換されていてもよく、又は前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、−O−、−S−、−NH−、−COO−若しくは−CONH−によって介在されている)、5員若しくは6員の複素環、又は置換複素環(複素環は無置換、又はハロゲン、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ及びC〜Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1〜3つ(例えば、1〜2つ、1、2又は3つ)の置換基で置換されており、前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、ヒドロキシル、−O−(C〜C)−アルキル、オキソ、アミノ、−NH−(C〜C)−アルキル若しくは−N−[(C〜C)−アルキル]で置換されていてもよく、又は前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、−O−、−S−、−NH−若しくは−COO−によって介在されている)を表し、前記複素環は、窒素窒素複素環(nitrogen nitrogen heterocyclic ring)、窒素酸素複素環又は窒素硫黄複素環であってもよく、
及びRは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、置換C〜Cシクロアルキル、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、アミノC〜Cアルキル、一置換若しくは二置換アミノC〜Cアルキル、フェニルC〜Cアルキル、置換フェニルC〜Cアルキル、複素環式C〜Cアルキル、置換複素環式C〜Cアルキル、フェニル、置換フェニル、又はC〜C複素環基若しくは置換C〜C複素環基を表し、R及びRは、一緒に結合して環を形成してもよく、
は、C〜Cアルキルを表す。
好ましくは、本発明の化合物は、式(I)の化合物、又はその異性体、その薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物であり、
Aは、=S、−SR又は=Oを表し、
Xは、F、Cl、Br又はIを表し、
は、フェニル、フェニル−C〜Cアルキル−(フェニルは無置換、又はハロゲン、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ及びC〜Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1〜4つ(例えば、1〜2つ、1、2、3又は4つ)の置換基で置換されており、前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、ヒドロキシル、−O−(C〜C)−アルキル、オキソ、アミノ、−NH−(C〜C)−アルキル若しくは−N−[(C〜C)−アルキル]で置換されていてもよく、又は前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、−O−、−S−、−NH−、−COO−若しくは−CONH−によって介在されている)、チエニル、チアゾリル(チエニル及びチアゾリルは無置換、又はハロゲン、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ及びC〜Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1〜3つ(例えば、1〜2つ、1、2又は3つ)の置換基で置換されており、前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、ヒドロキシル、−O−(C〜C)−アルキル、オキソ、アミノ、−NH−(C〜C)−アルキル若しくは−N−[(C〜C)−アルキル]で置換されていてもよく、又は前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、−O−、−S−、−NH−若しくは−COO−によって介在されている)を表し、
及びRは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、置換C〜Cシクロアルキル、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、アミノC〜Cアルキル、一置換若しくは二置換アミノC〜Cアルキル、フェニルC〜Cアルキル、置換フェニルC〜Cアルキル、複素環式C〜Cアルキル、フェニル、置換フェニル、又は複素環基若しくは置換複素環基を表し、R及びRは、一緒に結合して飽和シクロアルキル、窒素含有又は酸素含有複素環を形成してもよく、
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル又はペンチルを表す。
特に、本発明の化合物は、式(I)の化合物、又は異性体、薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物が好ましく、
Aは、=S、−SR又は=Oを表し、
Xは、Clを表し、
は、フェニル又は2−チエニルを表し、
及びRは、水素、メチル、イソプロピル、2−メトキシエチル、3−イソプロポキシプロピル、2−N,N−ジメチルエチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、オルトメトキシフェニル、オルトフルオロフェニル、オルトクロロフェニル、パラクロロフェニル、ベンジル又は8−キノリルを表し、R及びRは、一緒に結合してピペリジン環、モルホリン環又はN−メチルピペラジン環を形成してもよく、
は、メチル又はエチルを表す。
特に、式(I)の化合物は、以下の化合物が好ましい。
(1E)−1−フェニル−5−(1−モルホリニルチオカルボキサミド)−6,6,6−トリクロロ−1−エン−3−ヘキサノン、又はその異性体、その薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物。
本発明の式(I)の化合物は、以下の方法によって調製することができる。
Figure 0005858298
例として化合物(1)を取り上げると、本発明の化合物は、出発物質としてベンズアルデヒドを使用し、水酸化ナトリウムのメタノール溶液中でベンズアルデヒドをアセトンと反応させて(1E)−1−フェニル 1−エン−3ーアセトンを生成し、次にLDAの触媒作用下、トリクロロアセトアルデヒドと反応させて中間体1を得て、中間体1を塩化チオニルで塩素化し、次にチオシアン酸カリウムと反応させて中間体2を得、最後に中間体2をテトラヒドロフラン中、モルホリンと還流することにより合成し、化合物(1)が得られる。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物、又はその異性体、その薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物、並びに添加剤又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。
本発明はさらに、アポトーシスに対処する、或いはアポトーシスに伴う疾患若しくは障害を予防又は治療する医薬を製造するための、本発明の第1の態様による式(I)の化合物、又はその異性体、その薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物の使用に関する。
本発明はさらに、心筋細胞を保護する、及び心筋細胞アポトーシスに伴う疾患又は障害を予防又は治療する医薬を製造するための、本発明の第1の態様による式(I)の化合物、又はその異性体、その薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物の使用に関する。
本発明はさらに、アポトーシスに対処する、或いはアポトーシスに伴う疾患若しくは障害を予防又は治療するための方法であって、本発明の第1の態様による式(I)の化合物、又はその異性体、その薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。
本発明はさらに、心筋細胞を保護するため、或いは心筋細胞アポトーシスに伴う疾患若しくは障害を予防又は治療するための方法であって、式(I)の化合物、又はその異性体、その薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法に関する。
本発明による、アポトーシスに伴う疾患又は障害は、心臓血管疾患、神経変性疾患、多発性硬化症、ウイルス感染症などを含む。
本発明による、心筋細胞アポトーシスに伴う疾患又は障害には、以下のものが含まれるが、それらに限定されない。(i)心筋の飢餓萎縮、(ii)心筋炎、(iii)心不全、(iv)原発性高血圧により引き起こされる心筋損傷、(v)早期急性心筋梗塞により引き起こされる心筋損傷、(vi)急性心筋梗塞の再灌流により引き起こされる心筋損傷、(vii)心臓移植により引き起こされる心筋細胞の病理的変化、若しくは(viii)異形成の心筋症(displastic mycocardiosis)、又は無酸素症により引き起こされる心筋細胞アポトーシス、又は心臓血管系における硬化症。
本発明によれば,「複素環」という用語には、以下のものが含まれるが、それらに限定されない。ピリジン、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、インドール、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、カルバゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、プリン、フェノチアジン及びフェナジン。
当業者であれば、式Iの化合物はキラル中心を有することが理解されよう。式Iの化合物の単一鏡像異性体が必要な場合、該異性体は、考えられるすべての工程において、単一鏡像異性体の形態で存在する反応剤を使用することによって調製することができ、又は単一鏡像異性体の形態の試薬若しくは触媒の存在下で反応を実施することによって調製することができ、又は従来の方法による立体異性体混合物の分割によって調製することができる。好ましい方法の一部は、微生物を用いた分割、例えばマンデル酸、カンファースルホン酸、酒石酸、乳酸などの任意の使用可能な酸であるキラル酸と形成するジアステレオマー塩を分割するか、又はブラシン(bracine)、シンコナアルカロイド若しくはそれらの誘導体などのキラル塩基と形成するジアステレオマー塩を分割することを含む。一般的に使用される方法は、「Enantiomers,Racemates and Resolution」(Jaquesら編集)(Wiley Interscience、1981年)に見ることができる。
当業者は、本発明の化合物はまた、その化合物の薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物の形態で使用することもできることを理解するべきである。式Iの化合物の生理学的に許容可能な塩には、薬学的に許容可能な無機酸若しくは有機酸、又は無機塩基若しくは有機塩基と共に形成される従来の塩、及び四級アンモニウムの酸付加塩が含まれる。適切な酸との塩のより具体的な例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、ヒドロキシ酢酸、ギ酸、乳酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、パモ酸、マロン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メチルスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ヒドロキシナフタレン酸、ヨウ化水素酸、リンゴ酸、ステロイック(steroic)、タンニン酸などの塩が含まれる。シュウ酸などの他の酸に関しては、それ自体薬学的に許容可能ではないが、本発明の化合物及び薬学的に許容可能なその塩を得るための中間体として、塩の調製に使用することができる。より具体的な適切なアルカリ塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、N、N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルコサミン及びプロカインが含まれる。以後に記載したように、本発明の化合物には、式Iの化合物及び薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物が含まれる。
本発明は、本発明の化合物のプロドラッグをさらに含み、一旦該プロドラッグが投与されると、代謝過程(metabolic procedure)を経て活性な薬物へと化学的に変換される。一般に、こうしたプロドラッグの種類は、必要な式(I)の化合物に容易に変換することができる、本発明の化合物の官能基誘導体である。例えば、「Design Of Prodrugs」(H Bund Saard編集、Elsevier、1985年)には、適切なプロドラッグ誘導体の選択及び調製の従来法が記載されている。
本発明には、本発明の化合物の任意の活性代謝物も含まれる。
本発明の別の態様は、本発明の化合物のラセミ異性体(racemic isomer)又は光学異性体、及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物であって、インビボでの治療に有用で、生体適合性を有する医薬組成物に関する。医薬組成物は、様々な投与経路とするために、多様な形態に加工することができる。本発明の化合物はまた、薬学的に許容可能な様々な塩に加工することもできる。
本発明の医薬組成物は、本発明の式Iの化合物、又は薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物を有効量、及び1種又は複数の適切な薬学的に許容可能な担体を含む。薬学的に許容可能な担体は、以下のものを含むが、それらに限定されない。イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒトアルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝用物質、グリセロール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、植物性の飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は電解質(硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウムなど)、ポリビニルピロリドン、セルロース物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、密蝋及びラノリン。
本発明の化合物の医薬組成物は、以下の任意の方法によって投与することができる。経口投与、スプレー吸入、直腸投与、経鼻投与、口腔内投与、局所投与、非経口投与(皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、髄膜下、心室内、胸骨内、頭蓋内への注射又は灌流など)、又は移植リザーバー(explanted reservoir)を手助けとする投与であり、好ましくは経口投与、腹腔内投与又は静脈内投与である。
経口投与の場合、本発明の化合物は、以下に限定されないが、錠剤、カプセル剤、水溶液剤又は水性懸濁液剤を含む経口投与向けの許容可能な任意の形態に加工することができる。錠剤には、ラクトース及びとうもろこしでんぷんを一般に含み、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤を追加的に含む担体を使用する。カプセル剤には、ラクトース及び乾燥とうもろこしでんぷんを一般に含む賦形剤を使用する。水性懸濁液剤には、活性成分、並びに適切な乳化剤及び懸濁化剤の混合物を一般に使用する。必要に応じて、上記経口用剤形は、いくつかの甘味剤、着香剤又は着色剤をさらに含むことができる。
局所投与の場合、特に、目、皮膚又は下部腸管などの、容易に到達可能(accessible)な患部表面又は器官の神経性疾患の局所外用による治療では、本発明の化合物は、様々な患部表面又は器官に応じた局所投与向けの、以下のように例示される、様々な剤形に加工することができる。
目への局所投与の場合、本発明の化合物は、微粉化した懸濁液剤又は溶液剤の剤形に加工することができ、この場合、使用される担体は、ある一定のpHを有する滅菌等張食塩水であり、クロロベンジルアルカノール塩などの保存剤を添加することができ、又は添加しなくてもよい。目への使用の場合、化合物はワセリン軟膏剤などの軟膏剤の形態に加工することができる。
皮膚への局所投与の場合、本発明の化合物は、軟膏剤、ローション剤又はクリーム剤などの適切な剤形に加工することができ、活性成分は1種又は複数の担体中に懸濁又は溶解している。軟膏剤に使用可能な担体には、以下に限定されないが、鉱物油、液体パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、乳化ワックス及び水が含まれる。ローション剤又はクリーム剤に使用可能な担体は、以下に限定されないが、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、Tween 60、ヘキサデカンエステルワックス、ヘキサデシレン芳香族アルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水を含む。
本発明の化合物は、さらに、滅菌注射用の水性若しくは油性懸濁液、又は滅菌注射溶液を含む、滅菌注射剤の剤形で投与することができる。使用可能な担体及び溶媒には、水、リンガー溶液及び等張食塩溶液が含まれる。さらに、モノグリセリド又はジグリセリドなどの滅菌非揮発性油も、溶媒又は懸濁化媒体として使用することができる。
本発明の化合物の投与量及び使用方法は、年齢、体重、性別、自然健康状態、栄養状態、化合物の活性、投与時間、代謝率、疾患の重症度及び診断医師の主観的判断を含めた多くの要因で決まることを、さらに指摘すべきである。
本発明の有益な効果
本発明は、一群のへキセノン化合物を提供し、さらにこのような化合物が、アポトーシスに対処して細胞を保護する効果を有することを実証し、したがってアポトーシスにより引き起こされる疾患又は障害を治療するため、とりわけ心筋細胞アポトーシスにより引き起こされる疾患又は障害を治療するための新規な方法及び手法を提供する。
本発明の実施形態は、以下の実施例と組み合わせて、以下のように例示されるが、当業者であれば、以下の実施例は単に本発明を例示するためのものであり、本発明を制限するものと解釈すべきでないことが理解されよう。詳細に示されていない実施例中の手順は、従来の条件又は製造者によって提案された条件に従って実施される。製造者が示されていない試薬又は機器はすべて、市販の従来的な製品である。
化合物の融点はRY−1融点測定器によって測定し、温度計は較正しなかった。質量スペクトルは、Micromass ZabSpec高分解能質量分析計(分解能、1000)によって測定した。H NMRは、JNM−ECA−400超伝導NMR測定装置(運転周波数H NMR400MHz、13C NMR100MHz)によって測定した。
実施例1 (1E)−1−フェニル−5−(1−モルホリニルチオカルボキサミド)−6,6,6−トリクロロ−1−エン−3−ヘキサノン
Figure 0005858298
アセトン3mlを、10%NaOH水溶液4.80gに添加し、該混合物を30℃で5分間撹拌し、ベンズアルデヒド1mlを滴下して加え、室温で3時間撹拌した。反応溶液が相分離した後、有機相を、展開剤(developing agent)として石油エーテル:エチルアクテート(actate)=20:1を用いて溶出し、(1E)−1−フェニル−1−エン−3−ブタノン1.00gを黄色結晶として得た。窒素ガスの保護下、ジイソプロピルアミン0.64gをTHF10mlに溶解し、溶液を−40℃に冷却してn−ブチルリチウム0.40gを滴下して加え30分間撹拌し、次に−78℃に冷却した。(1E)−1−フェニル−1−エン−3−ブタノン0.84gをTHF15mlに溶解し、この溶液をLDA溶液に滴下して加え、次に−78℃で40分間反応させた。トリクロロアセトアルデヒド1.19gをTHF15mlに溶解し、この溶液に上記反応溶液を滴下して加え、次に−78℃で12時間反応させた。温度を−40℃に昇温した後、反応物(reaction)に、飽和NHCl水溶液20mlを加えて30分間撹拌し、室温まで加温し、次に抽出用に酢酸エチル20mlを加えた。展開剤として石油エーテル:酢酸エチル=6:1を用いて有機相を溶出し、(1E)−1−フェニル−5−ヒドロキシ−6,6,6−トリクロロ−1−エン−3−ヘキサノン1.49gを淡黄色結晶として得た。(1E)−1−フェニル−5−ヒドロキシ−6,6,6−トリクロロ−1−エン−3−ヘキサノンをTHF20mlに溶解し、この溶液に塩化チオニル1.1mlを添加し、6時間還流した。反応溶媒を蒸発させて、残渣をアセトン20mlに溶解し、次にKSCN0.74gを加えて、40℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、溶出用展開剤として、石油エーテル:酢酸エチル=30:1を使用し、(1E)−1−フェニル−5−イソチオシアネート−6,6,6−トリクロロ−1−エン−3−ヘキサノン1.2gを淡黄色固体として得た。この固体0.33g及びモルホリン0.06mlを、THF中1時間還流すると、白色固体が析出し、この固体をTHFから再結晶し、純粋な生成物0.10gを得た。H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ 3.28〜3.43(m,4H);δ 3.46〜3.58(m,4H);δ 3.68〜3.74(m,2H);δ 3.81〜3.87(m,2H);δ 6.27〜6.29(m,1H);δ 7.02〜7.06(d,1H);δ 7.43〜7.46(t,3H);δ 7.60〜7.64(d,1H);δ 7.21〜7.74(m,2H);δ 8.03〜8.05(d,1H)。MS(TOF) 421.7(M+)。
実施例2 心筋細胞を保護するための化合物の活性実験
心筋細胞の初代培養
心筋細胞の単離及び培養は、差異的接着法(differential adhesion method)を参照することによって実施した(Kreider,A.Messing,H.Doan,S.U.Kim,R.P.Lisak及びD.E.Pleasure,Enrichment of Schwann cell cultures from neonatal rat sciatic nerve by differential adhesion、Brain Res 2、1981年、433〜444頁)。新生24時間以内のWistar系乳のみマウスを使用してヨードチンキ及びエタノールで腹側部の皮膚を消毒し、はさみを使用して、剣状突起下の正中線の左寄りで開胸し、斜めに開胸した後、心臓を取り出して、氷で予め冷却したPBSに入れた。該心臓を、0.01MのPBSで軽く吹き付け、打ち付けて(blown and beaten)血球及び他の組織を除去し、次にサイズ0.5mmの小片に切り、0.01MのPBSで2〜3回繰り返し洗浄した。小片をコニカルフラスコに入れ、0.125%パンクレアチン4ml、0.1%コラゲナーゼII1ml(最終濃度はそれぞれ0.1%及び0.02%である)を加え、37℃の水浴中、10分間震とうし、上清を廃棄した。次に、0.125%パンクレアチン4ml及び0.1%コラゲナーゼII1mlを再度加え、消化のため37℃の水浴中、10分間震とうし、上清を吸い取って遠心分離器用試験管に移し、消化を終わらせるために、10%FBSを含有するDMEMを該上清に加えた。組織片が完全に消化されるまで、水浴中での震とう及び消化のステップを3〜4回繰り返した。採集した細胞懸濁液の遠心分離を1000rpmで10分間行い、上清を除去し、次に再懸濁のために培養液を加えた。再懸濁した細胞を細胞培養用フラスコ内に接種し、インキュベーションのために、COインキュベータ内に37℃で1.5時間置き、次に培養液を吸い取り、顕微鏡下で計数し、次に10%FBSを含有するDMEM培養液を用いて細胞密度を調節し、1x10個の量で96ウェルプレートに接種し、5%COインキュベータ内に37℃で24時間置き、次に液の半分を交換し、0.1%Brduを含有する培養液を補充添加した。次に、液を48時間あたり1回交換し、初代心筋細胞を培養4日後に得た。
細胞阻害率の測定(MTT)
単離した心筋細胞の初代培養物を、1ウェルあたり10個の細胞量で、96ウェルプレートに接種したが、各ウェルの容量は100μlであった(端のウェルには、滅菌PBSを満たした)。5%CO及び37℃のインキュベータ中で4日間培養した後、ウェルに実施例1の式Iの化合物を異なる濃度(0.3μΜ、1μM、3μM、10μM、30μM、100μM)で加えたが、各濃度について3つのダブルウェル(double−well)を設定し、同時にゼロ設定ウェル(培養液、MTT、DMSO)、及び対照ウェル(培養液、DMSO)も設定した。48時間の接種を継続した後、各ウェルにMTT溶液20ul(5mg/ml、PBS(pH=7.4)に配合、すなわち0.5%MTT)を加え、培養を4日間継続した。培養終了後、ウェル中の培養液を慎重に吸い取った。各ウェルにDMSO150ulを加え、結晶が十分に溶解するように、震とう台において低速で10分間震とうした。各ウェルの光学密度(OD)値を、酵素結合免疫測定器によって550nmの波長で測定し、各ウェルを5回繰り返し測定し、結果を記録した。結果を表1に示す。
Figure 0005858298
結果は、実施例1の化合物は、300μM以内の濃度では正常心筋細胞の生存率に何ら効果がないことを示している。
心筋細胞の保護に対する活性のアッセイ TGによって誘発された心筋細胞アポトーシスに対する保護活性
上記方法に従って、心筋細胞に4日間初代培養を施し、次にアポトーシスを誘発するためにタプシガルギン(TG)を加えた。予備処理のため、アポトーシス誘発30分前に本発明の化合物を加えた。細胞を無作為に5群に分けた。(1)溶媒対照群(DMSO)、(2)TG介在群(0.4uM)、(3)TG(0.4uM)+化合物介在群(0.3uM)、(4)TG(0.4uM)+化合物介在群(1uM)、(5)TG(0.4uM)+化合物介在群(3uM)。TGをDMSOに配合し、母液(mother liquid)は4mMであった。また、本発明の化合物をDMSOに配合し、母液は150mMであった。TG誘発性の心筋細胞アポトーシスに対する本発明の化合物の保護効果を試験するために、上記MTT法に従って細胞生存率を測定し、結果を表2に示す。
Figure 0005858298
実験結果 TGの単独添加群と比較すると、TG及び実施例の化合物を共に添加した場合、心筋細胞の生存率は有意に向上しており、表2に示したように、実施例の化合物が、TG誘発性のアポトーシスを有意に改善し得ること、及び心筋細胞に対して保護効果があることを示している。
本発明を実施するための具体的方式を詳細に記載してきたが、当業者であれば、開示された教示に従って、これらの詳細に種々の改変及び置換を加えることができ、さらにこれらの変更はすべて、本発明の保護範囲によって包含されていることが理解されよう。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲、及びその任意の等価物によって決められる。

Claims (10)

  1. 式Iの化合物
    Figure 0005858298

    はその薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物
    (式中、
    Aは、=S、−SR又は=Oを表し、
    Xは、F、Cl、Br又はIを表し、
    は、フェニル、フェニル−C〜Cアルキル、又は5員若しくは6員の複素環又は置換複素環を表し、
    が、フェニル−C〜Cアルキルを表す場合、フェニルは無置換、又はハロゲン、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ及びC〜Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1〜4つ(例えば、1〜2つ、1、2、3又は4つ)の置換基で置換されており、前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、ヒドロキシル、−O−(C〜C)−アルキル、オキソ、アミノ、−NH−(C〜C)−アルキル若しくは−N−[(C〜C)−アルキル]で置換されていてもよく、又は前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、−O−、−S−、−NH−、−COO−若しくは−CONH−によって介在されており、
    が、5員若しくは6員の複素環又は置換複素環を表す場合、複素環は無置換、又はハロゲン、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ及びC〜Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1〜3つ(例えば、1〜2つ、1、2又は3つ)の置換基で置換されており、前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、ヒドロキシル、−O−(C〜C)−アルキル、オキソ、アミノ、−NH−(C〜C)−アルキル若しくは−N−[(C〜C)−アルキル]で置換されていてもよく、又は前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、−O−、−S−、−NH−若しくは−COO−によって介在されており、前記複素環は、窒素窒素複素環、窒素酸素複素環又は窒素硫黄複素環であってもよく、
    及びRは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、置換C〜Cシクロアルキル、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、アミノC〜Cアルキル、一置換若しくは二置換アミノC〜Cアルキル、フェニルC〜Cアルキル、置換フェニルC〜Cアルキル、複素環式C〜Cアルキル、置換複素環式C〜Cアルキル、フェニル、置換フェニル、C〜C複素環式又は置換C〜C複素環基を表し、R及びRは、一緒に結合して環を形成してもよく、
    は、C〜Cアルキルを表す)。
  2. 式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物
    (式中、
    Aは、=S、−SR又は=Oを表し、
    Xは、F、Cl、Br又はIを表し、
    は、フェニル、フェニル−C〜Cアルキル−(フェニルは無置換、又はハロゲン、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ及びC〜Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1〜4つ(例えば、1〜2つ、1、2、3又は4つ)の置換基で置換されており、前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、ヒドロキシル、−O−(C〜C)−アルキル、オキソ、アミノ、−NH−(C〜C)−アルキル若しくは−N−[(C〜C)−アルキル]で置換されていてもよく、又は前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、−O−、−S−、−NH−、−COO−若しくは−CONH−で介在されている)、チエニル、チアゾリル(チエニル及びチアゾリルは無置換、又はハロゲン、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ及びC〜Cハロアルキルからなる群から独立して選択される1〜3つ(例えば、1〜2つ、1、2又は3つ)の置換基で置換されており、前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、ヒドロキシル、−O−(C〜C)−アルキル、オキソ、アミノ、−NH−(C〜C)−アルキル若しくは−N−[(C〜C)−アルキル]で置換されていてもよく、又は前記アルキル、アルコキシ及びハロアルキルは任意に、−O−、−S−、−NH−若しくは−COO−によって介在されている)を表し、
    及びRは、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、置換C〜Cシクロアルキル、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、アミノC〜Cアルキル、一置換若しくは二置換アミノC〜Cアルキル、フェニルC〜Cアルキル、置換フェニルC〜Cアルキル、複素環式C〜Cアルキル、フェニル、置換フェニル、複素環基若しくは置換複素環基を表し、R及びRは、一緒に結合して飽和環式アルキル、又は窒素含有若しくは酸素含有複素環を形成してもよく、
    は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル又はペンチルを表す)。
  3. 式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物
    (式中、
    Aは、=S、−SR又は=Oを表し、
    Xは、Clを表し、
    は、フェニル又は2−チエニルを表し、
    及びRは、水素、メチル、イソプロピル、2−メトキシエチル、3−イソプロポキシプロピル、2−N,N−ジメチルエチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、オルトメトキシフェニル、オルトフルオロフェニル、オルトクロロフェニル、パラクロロフェニル、ベンジル又は8−キノリルを表し、R及びRは、一緒に結合してピペリジン環、モルホリン環又はN−メチルピペラジン環を形成してもよく、
    は、メチル又はエチルを表す)。
  4. 以下の構造、
    (1)(1E)−1−フェニル−5−(1−モルホリニルチオカルボキサミド)−6,6,6−トリクロロ−1−エン−3−ヘキサノン
    を有する請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物、並びに薬学的に許容可能な担体、添加剤又は賦形剤を含む医薬組成物。
  6. アポトーシスに対処するため、或いはアポトーシスに伴う疾患若しくは障害を予防又は治療するための医薬の製造における、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物の使用。
  7. 心筋細胞を保護するため、或いは心筋細胞アポトーシスに伴う疾患若しくは障害を予防又は治療するための医薬の製造における、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物の使用。
  8. アポトーシスに対処するため、或いはアポトーシスに伴う疾患若しくは障害を予防又は治療するための医薬組成物であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物を含む、医薬組成物
  9. 心筋細胞を保護するため、或いは心筋細胞アポトーシスに伴う疾患若しくは障害を予防又は治療するための医薬組成物であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物を含む、医薬組成物
  10. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物を、出発物質としてベンズアルデヒドから調製する方法であって、水酸化ナトリウムのメタノール溶液中、ベンズアルデヒドをアセトンと反応させて、(1E)−1−フェニル−1−エン−3−アセトンを生成するステップと、次に、LDAの触媒作用下、(1E)−1−フェニル−1−エン−3−アセトンをトリクロロアセトアルデヒドと反応させて中間体1を得るステップと、中間体1を塩化チオニルで塩素化して、次にチオシアン酸カリウムを反応させて中間体2を得るステップと、最後に中間体2を、テトラヒドロフラン中、モルホリンと還流して目的化合物を得るステップとを含む、方法。

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