JP5857915B2 - 無線通信装置、および無線通信方法 - Google Patents
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Description
A.装置構成 :
先ず始めに、本実施例の無線通信装置100を搭載した車両10で行われるコグニティブ無線通信の概要について簡単に説明しておく。本実施例では、テレビ放映用の周波数を用いてコグニティブ無線通信を行う。各テレビ局には固有の周波数が割り当てられており、各テレビ局は割り当てられた周波数を用いて、それぞれの領域内に向かってテレビ番組を放映する。尚、本実施例ではテレビ放映用の空き周波数を用いてコグニティブ無線通信するものとして説明するが、もちろん、テレビ放映用以外の空き周波数を用いてコグニティブ無線通信する場合にも、全く同様にして本実施例の無線通信装置100を適用することができる。
尚、各テレビ局A〜Cがテレビ番組を放映するそれぞれの領域RA〜RCは、半径にして数+Kmにも及ぶ広大なものである。これに対して、車両10が他の車両との間で通信可能な領域(通信領域)は、半径にして100m〜200m程度である。このように、領域RA〜RCや、車両10の通信領域、車両10の大きさは、桁が大きく異なっているが、表示の便宜上から、図1では実際の比率とは異なる比率で表示されている。
この中の無線通信部104は、通信制御部102の制御の下で、無線基地局2(図2参照)や他の車両などとの間で無線通信する処理を司る。また、記憶部106は、通信に伴って得られた各種のデータを記憶する。GPS部108は、図示しないGPS衛星からのGPS信号を受信して現在位置(自己位置)を検出する。外部インターフェース部110は、車両10に搭載された他の機器(車両制御部12やカーナビゲーションシステム14など)との間でのデータのやり取りを司る。タイマー112は、通信制御部102によって起動あるいは初期化されて経過時間を測定する。
図4には、無線通信装置100がコグニティブ無線通信する際に実行する通信制御処理のフローチャートが示されている。この処理は、車両10の運転者の操作によって、あるいは車両制御部12からの要求に応じて通信制御部102が開始する。
通信制御処理を開始すると、先ず始めに通信制御部102は、経過時間および走行距離を初期化する(S100)。後述するように、本実施例の通信制御処理では、コグニティブ無線通信に用いる通信周波数(送信周波数および受信周波数)を、一定時間が経過する度に、あるいは一定距離を走行する度に定期的に選択する。このことに対応して、タイマー112で経過時間を計時するとともに、車両制御部12あるいはカーナビゲーションシステム14から走行距離に関するデータを取得して記憶部106に記憶している。本実施例の通信制御処理を開始すると、先ず始めに、これら経過時間および走行距離を初期化する。
また、送信データが存在しない場合は(S102:no)、送信周波数で送信する処理(S104)は行わない。
これに対して、受信データが検出されない場合は(S108:no)、受信データの受信は行わない。
尚、通信制御部102の制御の下で、実際に送信周波数および受信周波数を切り換えながらコグニティブ無線通信する動作は、無線通信部104が実施する。従って本実施例では、無線通信部104が本発明における「通信手段」に対応する。
図5には、通信周波数選択処理(S200)のフローチャートが示されている。尚、この処理は、上述した通信制御処理の中で通信制御部102によって実施される。
通信周波数選択処理を開始すると、先ず始めに、無線通信装置100の現在位置(自己位置)に関する情報を取得する(S202)。自己位置に関する情報は、GPS部108を用いて取得することができる。
尚、本実施例では、無線通信装置100に内蔵されたGPS部108を用いて自己位置に関する情報を取得するものとして説明するが、図2に示したように、無線通信装置100は携帯電話回線を用いて無線基地局2に接続できるので、無線基地局2からの情報に基づいて自己位置を取得しても良い。あるいは、外部インターフェース部110を介してカーナビゲーションシステム14から自己位置を取得しても良い。本実施例では、GPS部108が本発明における「自己位置取得手段」に対応する。
ここで「空き周波数リスト」とは、無線通信のために割り当てられているが使用されていない周波数(空き周波数)を列挙したリストである。図1の例示に則して説明すれば、車両10はテレビ局Aの領域RA内にいるので、テレビ局Bあるいはテレビ局Cに割り当てられた周波数と、テレビ局A〜Cの何れにも割り当てられていない周波数とが空き周波数となる。従って、車両10が領域RAで空き周波数リストを取得すると、そのリストには、これらの空き周波数が記載されている。
尚、本実施例では、無線基地局2および公衆通信回線網3を介してデータベース4に接続することによって、空き周波数リストを取得するものとして説明するが、無線通信装置100にデータベースを予め内蔵しておき、このデータベースから空き周波数リストを取得しても良い。
また、本実施例では、現在位置での空き周波数リストが本発明における「第1空き周波数リスト」に対応し、現在位置での空き周波数リストを取得するための制御を実行する通信制御部102が、本発明における「第1取得手段」に対応する。
尚、本実施例では、相手位置での空き周波数リストが本発明における「第2空き周波数リスト」に対応する。また、相手位置での空き周波数リストを取得するための制御を実行する通信制御部102が、本発明における「第2取得手段」に対応する。
こうした処理をプローブ信号が検出されるまで繰り返し、プローブ信号が検出されたら(S216:yes)、その時に選択していた空き周波数を受信周波数として決定する(S218)。
以上のようにして、送信周波数および受信周波数を決定したら、図5の通信周波数選択処理を終了して、図4の通信制御処理に復帰する。
尚、送信周波数および受信周波数は、通信制御部102が上述した通信周波数選択処理を実行することによって選択されることから、本実施例では通信制御部102が、本発明における「送信周波数選択手段」および「受信周波数選択手段」に対応する。
そこで、車両10の無線通信装置100は、領域R1での空き周波数リストの中から空き周波数を1つ選択して、その空き周波数を送信周波数に用いてプローブ信号を送信する(図5のS202〜S208参照)。また、相手車両20の無線通信装置100でも同様に、領域R2での空き周波数リストの中から送信周波数を選択してプローブ信号を送信する。
続いて、車両10の無線通信装置100は、領域R2での空き周波数リストを取得し、空き周波数リストに含まれる空き周波数(図示した例では、ch3、ch5、ch8)を切り換えながら、相手車両20からのプローブ信号を探索する。そして、プローブ信号が検出された空き周波数を受信周波数として決定する。
その結果、車両10の無線通信装置100は、たとえば送信周波数としてはch2を、受信周波数としてはch3を、それぞれ選択することができる。また、この場合は、相手車両20の無線通信装置100でも同様な処理を行うことにより、送信周波数としてはch3が、受信周波数としてはch2が、それぞれ選択される。
また、受信周波数を選択するに際しては、領域R1での空き周波数リスト中の空き周波数を探索することによって、車両10および相手車両20がそれぞれに受信周波数を選択する。図示した例では、車両10は送信周波数としてch2を選択し、受信周波数としてch4を選択した場合が示されている。この場合は、相手車両20では送信周波数としてch4が選択され、受信周波数としてch2が選択されることになる。
しかし、このような場合でも、車両10は領域R1の空き周波数リストの中から送信周波数を選択(図示した例ではch2を選択)し、相手車両20は領域R2の空き周波数リストの中から送信周波数を選択(図示した例ではch3を選択)する。更に、車両10は、相手車両20が存在する領域R2の空き周波数リストを探索して、相手車両20が送信周波数として選択したch3を受信周波数として選択する。また、相手車両20は、車両10が存在する領域R1の空き周波数リストを探索して、車両10が送信周波数として選択したch2を受信周波数として選択する。
こうすれば、車両10および相手車両20が、共通の空き周波数が存在しない2つの領域R1,R2に存在する場合でも、2つの通信周波数(図示した例では、ch2およびch3)を用いてコグニティブ無線通信を継続することができる。
上述した実施例には、幾つかの変形例が存在している。以下では、上述した実施例との相違点を中心として、これら変形例について簡単に説明する。
上述した実施例では、車両10が送信周波数を選択する際には、車両10の現在位置(自己位置)での空き周波数リストを参照して送信周波数を選択し、相手車両20の現在位置での空き周波数リストを参照して受信周波数を選択するものとして説明した。これに対して、送信周波数を選択する際に、車両10の空き周波数リストだけでなく相手車両20の空き周波数リストも参照して、送信周波数を選択することとしてもよい。
その後、第1変形例では、送信周波数を選択する前に、相手位置に関する情報を取得し(S306)、相手位置での空き周波数リストを取得する(S308)。そして、自己位置での空き周波数リストと相手位置での空き周波数リストとに共通する空き周波数があるか否かを判断する(S310)。
その結果、共通の空き周波数が存在している場合は(S310:yes)、その共通の空き周波数を送信周波数として選択する(S312)。尚、共通の空き周波数が複数存在していた場合には、それら複数の空き周波数の中から選択する。これに対して、共通の空き周波数が存在していない場合は(S310:no)、自己位置での空き周波数リストの中から送信周波数を選択する(S314)。
続いて、先に取得した相手位置の空き周波数リストの中から空き周波数を1つ選択し(S318)、選択した空き周波数で通信相手からのプローブ信号を検出したか否かを判断する(S320)。
その結果、プローブ信号が検出できない場合は(S320:no)、相手位置の空き周波数リストの中から新たな空き周波数を選択して(S318)、その空き周波数で相手からのプローブ信号が検出できるか否かを判断する(S320)。こうして、相手位置での空き周波数リストを探索して、プローブ信号が検出されたら(S320:yes)、その時の空き周波数を受信周波数として決定する(S322)。
図示した例では、車両10が存在する領域R1の空き周波数リストには、ch2、ch4、ch5、ch7の4つの空き周波数が設定されており、相手車両20が存在する領域R2の空き周波数リストには、ch3、ch5、ch7、ch8の4つの空き周波数が設定されている。第1変形例の通信周波数選択処理では、車両10は、これら2つの空き周波数リストを取得して、共通の空き周波数であるch5またはch7の何れか(図示した例ではch5)を送信周波数として選択する。
また、相手車両20についても同様に、領域R1および領域R2の2つの空き周波数リストを取得して、共通の空き周波数であるch5またはch7の何れか(図示した例ではch7)を送信周波数として選択する。
そして、車両10では、領域R2の空き周波数リストの中から相手車両20が送信周波数として選択した周波数(図示した例ではch7)を探索して、受信周波数として選択する。相手車両20についても同様に、領域R1の空き周波数リストの中から車両10が送信周波数として選択した周波数(図示した例ではch5)を探索して、受信周波数として選択する。
このようにして通信周波数(送信周波数および受信周波数)を選択してやれば、図9に例示したように2つの領域R1および領域R2を跨ぐ場合でも通信を途絶させることなく、コグニティブ無線通信を継続することが可能となる。
上述した実施例では、送信周波数は車両10が存在する自己位置の空き周波数リストの中から選択し、受信周波数は相手車両20の現在位置での空き周波数リストの中から選択するものとして説明した。しかし、受信周波数については、相手車両20の空き周波数リストから選択するだけでなく、車両10が存在する自己位置の空き周波数リストの中からも参照することとしてもよい。
そして、自己位置での空き周波数リストの中から送信周波数を選択し(S406)、選択した送信周波数を用いてプローブ信号を送信する(S408)。
そして、相手位置での空き周波数リストの中から空き周波数を1つ選択し(S420)、選択した空き周波数で相手車両20からのプローブ信号が検出できるか否かを判断する(S422)。その結果、プローブ信号が検出できない場合は(S422:no)、相手位置の空き周波数リストの中から新たな空き周波数を選択して(S420)、その空き周波数でプローブ信号が検出できるか否かを判断する(S422)。こうして、相手位置での空き周波数リストを探索して、プローブ信号が検出されたら(S422:yes)、その空き周波数を第2受信周波数として決定する(S424)。
こうすれば、たとえば図12に例示するように、領域R2にいる相手車両20からの送信は、領域R2の空き周波数リストの中から選択した第2受信周波数を用いて受信し、自己位置の領域R1に存在する第3の車両30からのブロードキャスト送信は、領域R1の空き周波数リストの中から選択した第1受信周波数を用いて受信することができる。
4…データベース、 10…車両、 12…車両制御部、
14…カーナビゲーションシステム、 20…相手車両、
100…無線通信装置、 102…通信制御部、 104…無線通信部、
106…記憶部、 110…外部インターフェース部、
112…タイマー、 114…バス
Claims (7)
- 無線通信に用いる周波数の割り当てを受けた当事者が使用していない周波数である空き周波数を使用して、コグニティブ無線通信を行う無線通信装置であって、
該無線通信装置の現在位置である自己位置に関する情報を取得する自己位置取得手段と、
通信相手の現在位置である相手位置に関する情報を取得する相手位置取得手段と、
前記自己位置での前記空き周波数を示すリストである第1空き周波数リストを取得する第1取得手段と、
前記相手位置での前記空き周波数を示すリストである第2空き周波数リストを取得する第2取得手段と、
前記通信相手への送信に使用する周波数である送信周波数を、前記第1空き周波数リストの前記空き周波数の中から選択する送信周波数選択手段と、
前記通信相手が前記送信周波数として用いる周波数を前記第2空き周波数リストの前記空き周波数の中から検出して、該通信相手からの受信に使用する周波数である受信周波数として選択する受信周波数選択手段と、
前記送信周波数と前記受信周波数とを切り換えて前記コグニティブ無線通信を行う通信手段と
を備え、
前記受信周波数選択手段は、前記第2空き周波数リストの中から前記受信周波数を選択するに際して、該受信周波数が前記第1空き周波数リストに含まれていない場合でも、前記第2空き周波数リストの中から前記受信周波数を選択する手段である無線通信装置。 - 請求項1に記載の無線通信装置であって、
前記送信周波数選択手段は、前記送信周波数を選択する際に前記第2空き周波数リストも参照して、該第2空き周波数リストに含まれていない前記空き周波数よりも、該第2空き周波数リストにも含まれる前記空き周波数を優先して選択する手段である無線通信装置。 - 請求項1または請求項2に記載の無線通信装置であって、
前記受信周波数選択手段は、前記第2空き周波数リストの中から選択した前記受信周波数である第2受信周波数に加えて、前記第1空き周波数リストの中から選択した前記受信周波数である第1受信周波数も選択する手段であり、
前記通信手段は、前記送信周波数と前記第1受信周波数と前記第2受信周波数とを切り換えて前記コグニティブ無線通信を行う手段である無線通信装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の無線通信装置であって、
前記自己位置取得手段、前記相手位置取得手段、前記第1取得手段、前記第2取得手段、前記送信周波数選択手段、および前記受信周波数選択手段は、所定時間が経過あるいは所定距離を移動する度に、それぞれの動作を行う手段である無線通信装置。 - 請求項4に記載の無線通信装置であって、
前記送信周波数選択手段は、前回に取得した前記第1空き周波数リストが今回に取得した前記第1空き周波数リストと一致していた場合は、前回に選択した前記送信周波数を今回も前記送信周波数として選択する手段である無線通信装置。 - 請求項5に記載の無線通信装置であって、
前記受信周波数選択手段は、前回に取得した前記第2空き周波数リストが今回に取得した前記第2空き周波数リストと一致していた場合は、前回に選択した前記受信周波数を今回も前記受信周波数として選択する手段である無線通信装置。 - 無線通信に用いる周波数の割り当てを受けた当事者が使用していない周波数である空き周波数を使用して、コグニティブ無線通信を行う無線通信方法であって、
該無線通信装置の現在位置である自己位置に関する情報を取得する工程と、
通信相手の現在位置である相手位置に関する情報を取得する工程と、
前記自己位置での前記空き周波数を示すリストである第1空き周波数リストを取得する工程と、
前記相手位置での前記空き周波数を示すリストである第2空き周波数リストを取得する工程と、
前記通信相手への送信に使用する周波数である送信周波数を、前記第1空き周波数リストの前記空き周波数の中から選択する工程と、
前記通信相手が前記送信周波数として用いる周波数を前記第2空き周波数リストの前記空き周波数の中から検出して、該通信相手との間での受信に使用する周波数である受信周波数として選択する工程と、
前記送信周波数と前記受信周波数とを切り換えて前記コグニティブ無線通信を行う工程と
を備え、
前記受信周波数を選択する工程は、前記第2空き周波数リストの中から前記受信周波数を選択するに際して、該受信周波数が前記第1空き周波数リストに含まれていない場合でも、前記第2空き周波数リストの中から前記受信周波数を選択する工程である無線通信方法。
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