JP6194587B2 - 無線通信装置、および無線通信方法 - Google Patents

無線通信装置、および無線通信方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6194587B2
JP6194587B2 JP2013022731A JP2013022731A JP6194587B2 JP 6194587 B2 JP6194587 B2 JP 6194587B2 JP 2013022731 A JP2013022731 A JP 2013022731A JP 2013022731 A JP2013022731 A JP 2013022731A JP 6194587 B2 JP6194587 B2 JP 6194587B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
wireless communication
destination
current position
boundary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013022731A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014155026A (ja
Inventor
卓宏 古山
卓宏 古山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2013022731A priority Critical patent/JP6194587B2/ja
Publication of JP2014155026A publication Critical patent/JP2014155026A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6194587B2 publication Critical patent/JP6194587B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

本発明は、移動しながらコグニティブ無線通信する無線通信装置に関し、詳しくはコグニティブ無線通信に使用する通信周波数を選択する技術に関する。
複数の無線通信装置が無線を用いて通信する既存の無線通信システム(「プライマリシステム」と呼ばれる)は、予め割り当てられた周波数を用いて通信することが前提である。また、あるプライマリシステム内での通信が他のプライマリシステム内での通信を妨げることが無いように、異なるプライマリシステムに対しては異なる周波数が割り当てられる。もっとも、無線通信に利用可能な周波数範囲には限りがあるから、プライマリシステムの数が多くなると割り当てる周波数が不足する虞がある。そこで今日では、コグニティブ無線通信と呼ばれる通信技術が注目されるようになり、盛んに研究開発が進められている。
コグニティブ無線通信とは、次のような通信技術である。プライマリシステムは、予め割り当てられた周波数を利用して通信を行っているものの、この割り当てられた周波数を必ずしも24時間連続して使用しているわけではない。従って、そのプライマリシステムに割り当てられた周波数には、実際には使われていない時間帯が存在している。また、テレビ放送局などのように、一定の地域を通信対象としているプライマリシステムでは、そのプライマリシステムに割り当てられた周波数は対象地域の外側では使われていない。コグニティブ無線通信とは、このように時間的あるいは場所的にプライマリシステムが使用していない周波数(「空き周波数」あるいは「ホワイトスペース」と呼ばれる)を利用して無線通信する技術である。
このようにコグニティブ無線通信は空き周波数を利用する通信技術であるが、無線通信装置が移動しながらコグニティブ無線通信する場合は、移動した際に使用中の周波数が空き周波数とされてない領域に侵入してしまい、プライマリシステムの通信に干渉してしまう可能性がある。そこで、空き周波数にその空き周波数を使用可能な有効時間を設定しておき、有効時間が経過したらその空き周波数の使用を停止する技術が提案されている(特許文献1)。
特開2007−88940号公報
しかし、上記の提案されている技術では、コグニティブ無線通信中にプライマリシステムの通信に干渉してしまうことを十分に抑制することができないという問題があった。これは、自動車に搭載された無線通信装置のように高速で移動しながらコグニティブ無線通信する場合には、有効時間内に長い距離を移動して、コグニティブ無線通信に使用している周波数が空き周波数ではない領域に進入する可能性があるためである。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題に鑑みてなされたものであり、無線通信装置が高速で移動した場合であっても、プライマリシステムの通信に干渉することを抑制可能なコグニティブ無線通信技術の提供を目的とする。
上述した問題を解決するために、本発明の無線通信装置および無線通信方法は、無線通信装置の「現在位置の空き周波数」と無線通信装置の「進行先の位置(以下「進行先位置」という)の空き周波数」とを取得して、これらの空き周波数に基づいて、現在位置と進行先の位置との間に空き周波数が変化する境界位置が存在するか否かを判断する。そして、境界位置が存在する場合に、「現在位置の空き周波数」と「進行先位置の空き周波数」とに基づいて、空き周波数が切り換わる境界位置を推定する。そして、コグニティブ無線通信に使用する空き周波数を、推定された境界位置に基づき切り換える。
こうすれば、推定された境界位置に基づきコグニティブ無線通信に使用する空き周波数を切り換えるので、無線通信装置が高速で移動した場合であってもプライマリシステムに干渉することを十分に抑制しつつ、コグニティブ無線通信を継続することができる。尚、「進行先位置」としては、無線通信装置の所定時間後の予測位置、または、無線通信装置の所定距離走行した後の予測位置であればよく、無線通信装置の現在位置や移動速度、移動方向、地図情報等に基づき決定される。
また、上述した本発明の無線通信装置においては、次のように境界位置を推定してもよい。すなわち、現現在位置と進行先位置との間に境界位置がある場合(現在位置の空き周波数と進行先位置の空き周波数とが異なる場合)は、先ず、現在位置を第1基準点、進行先位置を第2基準点とする第1処理を行う。次に、第1基準点と第2基準点との間に第3基準点を設定するとともに、境界位置が「第3基準点より第1基準点側」または「第3基準点より第2基準点側」の何れの範囲にあるかを判定して、これらのうち境界位置があると判定された範囲の両端を、新たな第1基準点、第2基準点とする第2処理を行うようにしてもよい。
こうすれば、第1基準点と第2基準点の距離を縮めることで境界位置が存在する範囲を狭めることができるので、境界位置の推定精度を高めることが可能となる。
また、上述した本発明の無線通信装置においては、上述の第2処理を繰り返した後に、第1の基準点を境界位置とする第3処理を行うようにしてもよい。
こうすれば、境界位置が存在する範囲を狭める処理を繰り返すので、さらに境界位置の推定精度を高めることが可能となる。また、第1基準点および第2基準点のうち現在位置側の基準点(第1基準点、境界位置が存在する範囲のうち現在位置側の位置)を境界位置と推定する。こうすると、実際の境界位置(使用中の空き周波数が実際に許可されている領域の境界)より現在位置側を境界位置と推定することとなる。この結果、実際の境界位置を無線通信装置が超える前にコグニティブ無線通信を高い確率で停止することができ、さらにプライマリシステムに干渉することを抑制することが可能となる。
また、上述した本発明の無線通信装置においては、現在位置と進行先位置との間に境界位置がある場合(現在位置の空き周波数と進行先位置の空き周波数とが異なる場合)は、現在位置の空き周波数を用いた通信で許可される電波強度に基づいて、境界位置を推定するようにしてもよい。
指定された空き周波数を用いるからといって無制限の電波強度で電波を出力して良いわけではない。何故なら、電波強度が大きくなるに従って電波が届く範囲も広くなるため、無制限の電波強度で電波を出力したのでは周辺のプライマリシステムの通信に必ず干渉してしまうからである。このため、空き周波数が指定される場合には、何らかの形で、許可電波強度も指定されることが行われる。ここで、許可電波強度とは、それ以下(または未満)の強度で電波を飛ばしておけば、周辺のプライマリシステムに干渉することはないとして設定された電波強度である。当然ながら、プライマリシステムの境界が遠くにあれば許可電波強度は大きな値に設定され、逆に、境界が近くにあれば許可電波強度は小さな値に設定される。このように、許可電波強度は周辺のプライマリシステムの境界までの距離に応じて設定されているので、現在位置での許可電波強度に基づいて、境界位置までの距離を推定することができる。
また、上述した本発明の無線通信装置においては、推定された境界位置より現在位置側に通信停止区間を設定して、無線通信装置が通信停止区間にある場合はコグニティブ無線通信を停止するようにしてもよい。
こうすれば、推定した境界位置と実際の境界位置との間に誤差がある場合であっても、推定した境界位置の手前で実行中のコグニティブ無線通信を停止するので、コグニティブ無線通信がプライマリシステムに干渉することをさらに抑制することが可能となる。
車両10がテレビの空き周波数を用いてコグニティブ無線通信する様子を概念的に示した説明図である。 車両10がコグニティブ無線通信を行うための大まかな無線通信システム1を示す説明図である。 本実施例の無線通信装置100の構成を示す説明図である。 本実施例の無線通信装置100がコグニティブ無線通信開始時に実行する通信開始時制御処理を示すフローチャートである。 本実施例の境界推定処理を示すフローチャートである。 本実施例の「使用中周波数の境界位置」を推定する様子を例示する説明図である。 本実施例の無線通信装置100がコグニティブ無線通信実行中に実行する通信実行中制御処理を示すフローチャートである。 本実施例の無線通信装置100によって得られる効果を説明するための説明図である。 変形例1の通信開始時制御処理を示すフローチャートである。 変形例1の通信実行中制御処理を示すフローチャートである。 変形例2の通信実行中制御処理を示すフローチャートである。 変形例2のコグニティブ無線通信に使用する空き周波数を切り換える様子を示す説明図である。 変形例3の「使用中周波数の境界位置」を推定する様子を例示する説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために実施例について説明する。
A.装置構成 :
先ず始めに、本実施例の無線通信装置100を搭載した車両10で行われるコグニティブ無線通信の概要について簡単に説明しておく。本実施例では、テレビ放送を行うシステム(プライマリシステムの一種)用の周波数を用いてコグニティブ無線通信を行う。各テレビ放送局には固有の周波数が割り当てられており、各テレビ放送局は割り当てられた周波数を用いて、それぞれの領域内に向かってテレビ信号を送信する。尚、本実施例ではテレビ放送用の空き周波数を用いてコグニティブ無線通信するものとして説明するが、もちろん、テレビ放送を行うシステム以外の空き周波数を用いてコグニティブ無線通信する場合にも全く同様にして本実施例の無線通信装置100を適用することができる。
図1には、複数のテレビ放送局A〜Cと、各テレビ放送局がテレビ信号を送信する領域RA〜RCが概念的に示されている。たとえば、テレビ放送局Aは領域RAに対してテレビ信号を送信し、テレビ放送局Bは領域RBに対して、テレビ放送局Cは領域RCに対してテレビ信号を送信する。また、各テレビ放送局A〜Cは、予め割り当てられた固有の周波数を用いてテレビ信号を送信する。従って、領域RAでは、テレビ放送局Bあるいはテレビ放送局Cに割り当てられた周波数は使用されておらず、領域RBでは、テレビ放送局Aあるいはテレビ放送局Cに割り当てられた周波数は使用されていない。同様に領域RCでは、テレビ放送局Aあるいはテレビ放送局Bに割り当てられた周波数は使用されていない。車両10は、これら使用されていない周波数(空き周波数)を用いて、他の車両(図示は省略)との間でコグニティブ無線通信する。尚、各テレビ放送局A〜Cがテレビ信号を送信するそれぞれの領域RA〜RCは、半径にして数十Kmにも及ぶ広大なものである。これに対して、車両10が他の車両との間で通信可能な範囲は代表的には半径100m〜150m程度である。このように、領域RA〜RCや、車両10の通信領域、車両10の大きさは、桁が大きく異なっているが、表示の便宜上から、図1では実際の比率とは異なる比率で表示されている。
図2には、車両10がコグニティブ無線通信を行うための大まかな無線通信システム1が示されている。図示されるように、車両10には本実施例の無線通信装置100が搭載されており、無線基地局2と接続することができる。また、無線基地局2は、公衆通信回線網3を介してデータベース4に接続されている。データベース4には、空き周波数に関する多数の情報が蓄積されている。また、無線通信装置100は、車両10を制御する車両制御部12とデータをやり取りして必要なデータを取得することができる。尚、無線基地局2は、各無線基地局2の出力強度や人口密度等に応じて、各地に設置されている。
図3には、無線通信装置100の詳細な構成が示されている。図示されるように、本実施例の無線通信装置100は、無線通信装置100の全体の動作を制御する通信制御部102を中心として、通信制御部102と接続されたGPS部108、通信制御部102とバス110を介して接続された無線通信部104および記憶部106などから構成されている。この中の無線通信部104は、通信制御部102の制御の下で、無線基地局2(図2参照)や他の車両などとの間で無線通信する処理を司る。また、記憶部106は、通信制御部102の処理結果や、通信に伴って得られた各種のデータを記憶する。GPS部108は、図示しないGPS衛星からのGPS信号を受信して現在位置を検出する。
B.通信制御処理 :
次に、無線通信装置100がコグニティブ無線通信する際に実行する通信制御処理について説明する。本実施例では、通信制御処理として、コグニティブ無線通信の開始時に行われる「通信開始時制御処理」と、コグニティブ無線通信の実行中に行われる「通信実行中制御処理」が行われる。以下、「通信開始時制御処理」、「通信実行中制御処理」の順で説明する。
B−1.通信開始時制御処理 :
図4には、本実施例の通信開始時制御処理のフローチャートが示されている。この処理は、車両10の運転者の操作によって、あるいは車両制御部12からの要求に応じて通信制御部102が開始する。通信開始時制御処理を開始すると、通信制御部102は、無線通信部104がビーコンを受信しているか否かを判断する(S100)。ビーコンは、無線基地局2から定期的にブロードキャストされる信号であり、このビーコンには、送信元である無線基地局2のアドレス(宛先情報)を示す情報や、無線基地局2との通信に使用する周波数を示す情報などが含まれている。
無線通信部104がビーコンを受信している場合は(S100:yes)、無線基地局2から受信したビーコンに基づき「無線基地局のアドレス(宛先情報)」、「無線基地局との通信用周波数」を特定して、これらを記憶部106に記憶する(S102)。「無線基地局のアドレス(宛先情報)」とは、無線基地局2のMACアドレスなどの、無線通信装置100から信号を送信するに際して特定の無線基地局2を指定するための情報である。換言すると、「無線基地局のアドレス(宛先情報)」を特定することによって、無線通信装置100が通信可能な無線基地局2を特定することが可能となる。「無線基地局との通信用周波数」とは、コグニティブ無線通信に用いる空き周波数とは異なり、無線通信装置100が無線基地局2と通信を行う際に用いる周波数である。
こうして、無線基地局2から受信したビーコンに基づき「無線基地局のアドレス(宛先情報)」、「無線基地局との通信用周波数」を特定したら、「現在位置」および「進行先位置」を特定する処理を行う(S104)。この処理は次の手順で行われる。通信制御部102は、GPS部108に「現在位置」の検出を指示する信号を送信する。GPS部108はこの信号を受信するとGPS衛星からのGPS信号を受信して「現在位置」を検出するとともに、該「現在位置」を通信制御部102に送信する。通信制御部102は、GPS部108から「現在位置」を受信すると、受信した「現在位置」を記憶部106に記憶する。また、通信制御部102は、「現在位置」および無線通信装置100(車両10)の移動速度や移動方向、地図情報等に基づき、無線通信装置100(車両10)の所定時間後の予測位置を「進行先位置」として特定するとともに、該「進行先位置」を記憶部106に記憶する。
こうして、現在位置および進行先位置を特定したら(S104)、S102の処理で特定した無線基地局2に対して(S102の処理で特定した「無線基地局のアドレス」を付して)、「現在位置の空き周波数」および「進行先位置の空き周波数」を要求する第1空き周波数要求信号を送信する。もちろん、第1空き周波数要求信号は、S102の処理で特定した「無線基地局との通信用周波数」を用いて無線通信部104から送信される。「現在位置の空き周波数」とは、現在位置においてコグニティブ無線通信に使用することが許可されている空き周波数であり、「進行先位置の空き周波数」とは、進行先位置においてコグニティブ無線通信に使用することが許可されている空き周波数である。従って、第1空き周波数要求信号には、現在位置および進行先位置を示す情報が含まれている。こうして、第1空き周波数要求信号を無線基地局2に向けて送信したら、「現在位置の空き周波数」および「進行先位置の空き周波数」を受信するまで待機する(S108)。
無線基地局2は、無線通信装置100から第1空き周波数要求信号を受信すると、図2に示すデータベース4に対して、この第1空き周波数要求信号を送信する。ここで、データベース4には、それぞれのテレビ放送局に対応させて、「テレビ放送局の位置」、「テレビ信号の送信に使用する周波数」、「テレビ信号の送信に使用する周波数をコグニティブ無線通信が使用することを禁止する範囲(以下「禁止範囲」という)」が記憶されている。データベース4は、無線基地局2から第1空き周波数要求信号を受信すると、該信号に含まれる現在位置および進行先位置を示す情報に基づき現在位置および進行先位置を特定する。続いて、予め設定された周波数の範囲に亘って、現在位置および進行先位置のそれぞれについて禁止範囲に含まれているか否かを判定する。その結果、現在位置が禁止範囲に含まれていない周波数を「現在位置の空き周波数」として特定し、進行先位置が禁止範囲に含まれていない周波数を「進行先位置の空き周波数」として特定する。そして、特定した「現在位置の空き周波数」および「進行先位置の空き周波数」を無線基地局2に送信する。無線基地局2は、データベース4から「現在位置の空き周波数」および「進行先位置の空き周波数」を受信すると、第1空き周波数要求信号を発信した無線通信装置100に対して、受信した「現在位置の空き周波数」および「進行先位置の空き周波数」を送信する。
無線通信装置100の通信制御部102は、「現在位置の空き周波数」および「進行先位置の空き周波数」を受信すると(S108:yes)、受信した「現在位置の空き周波数」および「進行先位置の空き周波数」を記憶部106に記憶する(S110)。そして、これらのうち「現在位置の空き周波数」を選択するとともに(S112)、選択した「現在位置の空き周波数」を使用して他の車両とのコグニティブ無線通信を開始する(S114)。
続いて、境界推定処理を行う(S116)。空き周波数は、場所的にプライマリシステムが使用していない周波数であることから、所定の領域において使用可能な周波数である。そこで、S116の境界推定処理では、今回使用を開始した(使用中の)「現在位置の空き周波数」の使用が許可されている領域の境界位置を推定する処理を行う。尚、以下では、今回使用を開始した(使用中の)「現在位置の空き周波数」の使用が許可されている領域の境界位置を「使用周波数の境界位置」と表現する。
図5には、本実施例の境界推定処理のフローチャートが示されている。境界推定処理を開始すると、通信制御部102は、図4のS110の処理で記憶した「現在位置の空き周波数」と「進行先位置の空き周波数」とを比較して、これらが互いに異なるか否かを判断する(S200)。ここで、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在する場合は「現在位置の空き周波数」と「進行先位置の空き周波数」が異なり、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在しない場合は「現在位置の空き周波数」と「進行先位置の空き周波数」が同一になる。従って、S200の判断処理では、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在するか否かが判断される。その結果、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在しない場合は(S200:no)、その旨を記憶部106に記憶する(S202)。
これに対して、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在する場合は(S200:yes)、その境界位置を推定するための処理を行う。この処理では先ず、現在位置を位置X1とするとともに進行先位置を位置X2として、位置X1と位置X2との中間位置X3=(位置X2−位置X1)/2を特定する(S204)。そして、図4のS102の処理で特定した無線基地局2に対して、特定した中間位置X3においてコグニティブ無線通信に使用することが許可されている空き周波数(以下「中間位置X3の空き周波数」という)を要求する第2空き周波数要求信号を送信する(S206)。もちろん、第2空き周波数要求信号は、図4のS102の処理で特定した「無線基地局との通信用周波数」を用いて無線通信部104から送信される。また、第2空き周波数要求信号には中間位置X3を示す情報が含まれている。こうして、第2空き周波数要求信号を無線基地局2に向けて送信したら、「中間位置X3の空き周波数」を受信するまで待機する(S208)。
無線基地局2は、無線通信装置100から第2空き周波数要求信号を受信すると、図2に示すデータベース4に対して、この第2空き周波数要求信号を送信する。データベース4は無線基地局2から第2空き周波数要求信号を受信すると、該信号に含まれる中間位置X3を示す情報に基づき中間位置X3を特定する。続いて、予め設定された周波数の範囲に亘って、中間位置X3が禁止範囲に含まれているか否かを判定し、中間位置X3が禁止範囲に含まれていない周波数を「中間位置X3の空き周波数」として特定する。そして、特定した「中間位置X3の空き周波数」を無線基地局2に送信する。無線基地局2は、データベース4から「中間位置X3の空き周波数」を受信すると、第2空き周波数要求信号を発信した無線通信装置100に対して、受信した「中間位置X3の空き周波数」を送信する。
無線通信装置100の通信制御部102は、「中間位置X3の空き周波数」を受信すると(S208:yes)、位置X1においてコグニティブ無線通信に使用することが許可されている空き周波数(以下「位置X1の空き周波数」という)と受信した「中間位置X3の空き周波数」とを比較して、これらが互いに異なるか否かを判断する(S210)。もちろん、ここでは、「位置X1の空き周波数」は「現在位置の空き周波数」であるので、「現在位置の空き周波数」と「中間位置X3の空き周波数」が比較される。
図6には、本実施例の「使用中周波数の境界位置」を推定する様子が例示されている。図6(a)の上段に示すように、「使用周波数の境界位置」が、位置X1(ここでは現在位置)と中間位置X3との間に存在する場合は「位置X1の空き周波数」(図中「ch1」)と「中間位置X3の空き周波数」(図中「ch2」)が異なる。これに対して、図6(b)の上段に示すように、「位置X1の空き周波数」の使用許可領域の境界位置が位置X1と中間位置X3との間に存在しない場合は、既に該境界位置が位置X1と位置X2(ここでは進行先位置)との間に存在すると判断されていることから(S200:yes)、該境界位置が中間位置X3と位置X2との間に存在する場合である。この場合は、「位置X1の空き周波数」(図中「ch1」)と「中間位置X3の空き周波数」(図中「ch1」)が同一になる。従って、図5のS210の判断処理では、「使用周波数の境界位置」が位置X1と中間位置X3との間に存在するか、中間位置X3と位置X2との間に存在するかが判断される。
その結果、「使用周波数の境界位置」が位置X1と中間位置X3との間に存在すると判断された場合は(図5のS210:yes)、中間位置X3を新たに位置X2として設定する(S212、図6(a)参照)。これに対して、「使用周波数の境界位置」が中間位置X3と位置X2との間に存在すると判断された場合は(S210:no)、中間位置X3を新たに位置X1として設定する(S214、図6(b)参照)。以上のように、S204〜S214の処理を行うことによって、位置X1および位置X2の少なくとも一方を「使用周波数の境界位置」へ近づけることができるので、位置X1と位置X2の距離、すなわち、「使用周波数の境界位置」が存在する範囲を狭めることができる。このように、本実施例の無線通信装置100では、中間位置X3を設定して、境界位置が「位置X1と中間位置X3との間」または「中間位置X3と位置X2との間」の何れの範囲にあるかを判断して、これらのうち境界位置があると判断された範囲の両端を、新たな第1基準点、第2基準点とすることで(S204〜S214)、「使用周波数の境界位置」が存在する範囲を狭める処理を行う。そして、本実施例の無線通信装置100では、この「使用周波数の境界位置」が存在する範囲を狭める処理を所定の回数繰り返す。もちろん、この処理の繰り返し回数が多いほど、「使用周波数の境界位置」が存在する範囲を狭めることが可能となる。
「使用周波数の境界位置」が存在する範囲を狭める処理(S204〜S214)を所定の回数繰り返したら(S216:yes)、位置X1を「使用周波数の境界位置」として記憶部106に記憶する。すなわち、「使用周波数の境界位置」が存在する範囲のうち、最も現在位置側の位置である位置X1を「使用周波数の境界位置」とする(推定する)。
以上のように、本実施例の無線通信装置100は、コグニティブ無線通信を開始するに際して、「現在位置の空き周波数」と「進行先位置の空き周波数」を取得して、「現在位置の空き周波数」を使用したコグニティブ無線通信を開始する。また、現在位置と進行先位置との間に「使用周波数の境界位置」が存在する場合は、その「使用周波数の境界位置」を推定して記憶する。
尚、無線通信装置100の通信制御部102は、「現在位置の空き周波数」が複数ある場合は「現在位置の空き周波数」のリストを受信して記憶し、このリストの中から所定の「現在位置の空き周波数」を選択する。また、「進行先位置の空き周波数」が複数ある場合は「進行先位置の空き周波数」のリストを受信して記憶する。また、「中間位置X3の空き周波数」が複数ある場合は「中間位置X3の空き周波数」のリストを受信して記憶する。そして、図5のS200の判断処理では、今回使用を開始した(使用中の)「現在位置の空き周波数」の境界位置が現在位置と進行先位置との間にあるか否かを判断すればよいので、今回使用を開始した(使用中の)「現在位置の空き周波数」が「進行先位置の空き周波数」のリストに含まれるか否かを判断する。同様に、図5のS210の判断処理では、今回使用を開始した(使用中の)「現在位置の空き周波数」の境界位置が「位置X1と中間位置X3との間」または「中間位置X3と位置X2との間」の何れの範囲にあるかを判断すればよいので、今回使用を開始した(使用中の)「現在位置の空き周波数」が「中間位置X3の空き周波数」のリストに含まれるか否かを判断する。
また、図4のS112の処理において、「現在位置の空き周波数」のリストの中に「進行先位置の空き周波数」と同じ空き周波数が含まれる場合は、その空き周波数を選択することとしてもよい。こうすると、使用を開始する「現在位置の空き周波数」を進行先位置でも使用できるので、コグニティブ無線通信に使用する空き周波数を切り換えないまま移動できる距離を長くすることが可能となる。
B−2.通信実行中制御処理 :
図7には、本実施例の通信実行中制御処理のフローチャートが示されている。この処理は、コグニティブ無線通信の実行中に、通信制御部102によって定期的に実行される。通信実行中制御処理を開始すると、「使用周波数の境界位置」が記憶されているか否かを判断する(S300)。その結果、「使用周波数の境界位置」が記憶されていない場合は(S300:no)、無線通信装置100(車両10)が所定の距離(例えば100m)を移動したか否かを判断する(S304)。また、「使用周波数の境界位置」が記憶されている場合であっても(S300:yes)、無線通信装置100が「使用周波数の境界位置」まで移動していなければ、無線通信装置100が所定の距離を移動したか否かを判断する(S304)。
そして、無線通信装置100が所定の距離を移動したら、図4のS100〜S110と同様に、新たに現在位置および進行先位置を特定し、これらに対応する「現在位置の空き周波数」および「進行先位置の空き周波数」を記憶部106に記憶する(S306〜S316)。そして、図4のS116と同様に、新たに「使用周波数の境界位置」を推定して記憶する処理(境界推定処理)を行う(S318)。以上のように、本実施例の無線通信装置100は、所定の距離を移動するたびに「使用周波数の境界位置」を推定して記憶する。尚、この所定の距離は、現在位置から進行先位置までの距離以下の距離である。こうすると、無線通信装置100(車両10)が進入する領域について、該無線通信装置100の進入に先立って「使用周波数の境界位置」の推定が行われる確率を高めることが可能となる。この結果、無線通信装置100が「使用周波数の境界位置」の推定が行われていない領域に侵入してしまうことを抑制でき、コグニティブ無線通信がプライマリシステム(ここではテレビ放送を行うシステム)に干渉することを抑制することが可能となる。
一方、S300の判断処理で、「使用周波数の境界位置」が記憶されていると判断された場合は(S300:yes)、無線通信装置100(車両10)が「使用周波数の境界位置」まで移動したか否かを判断する(S302)。そして、無線通信装置100が「使用周波数の境界位置」まで移動したら(S302:yes)、実行中のコグニティブ無線通信を停止する(S320)。すなわち、「使用周波数の境界位置」は、使用中の空き周波数を使用可能な領域の境界であることから、該空き周波数を使用したコグニティブ無線通信を停止する。続いて、前回「使用周波数の境界位置」を推定した際に記憶した「進行先位置の空き周波数」、すなわち、「使用周波数の境界位置」を境にコグニティブ無線通信に使用可能となる「進行先位置の空き周波数」を選択する(S322)。そして、選択した「進行先位置の空き周波数」を使用して他の車両とのコグニティブ無線通信を開始する(S324)。以上のように、本実施例の無線通信装置100は、「使用周波数の境界位置」まで移動したら、コグニティブ無線通信に使用中の空き周波数を「進行先位置の空き周波数」に切り換える。
図8は、本実施例の無線通信装置100によって得られる効果を説明するための説明図である。本実施例の無線通信装置100(車両10)は、図8(a)に示すように、所定の距離(現在位置から進行先位置までの距離以下の距離、例えば100m)を移動するたびに「使用周波数の境界位置」を推定して記憶する。そして、本実施例の無線通信装置100(車両10)は、図8(b)に示すように、「使用周波数の境界位置」まで移動したら、実行中のコグニティブ無線通信を停止するとともに、「使用周波数の境界位置」を境にコグニティブ無線通信に使用可能となる「進行先位置の空き周波数」を使用して、コグニティブ無線通信を開始する。換言すると、コグニティブ無線通信に使用中の空き周波数を「進行先位置の空き周波数」に切り換える。
従って、本実施例の無線通信装置100は、「使用周波数の境界位置」を推定するとともに、この「使用周波数の境界位置」に移動するまでは使用する空き周波数を切り換えないので、使用する空き周波数を頻繁に切り換えることなくコグニティブ無線通信を継続することが可能となる。また、「使用周波数の境界位置」を推定するとともに、この「使用周波数の境界位置」を境にコグニティブ無線通信に使用可能となる「進行先位置の空き周波数」に切り換えてコグニティブ無線通信を行うので、プライマリシステム(テレビ放送を行うシステム)に干渉することを抑制しつつ、コグニティブ無線通信を継続することが可能となる。
また、本実施例の無線通信装置100は、所定の距離、すなわち、「現在位置から進行先位置までの距離以下の距離」を移動するたびに「使用周波数の境界位置」を推定する。従って、無線通信装置100(車両10)が進入する領域について、該無線通信装置100の進入に先立って「使用周波数の境界位置」の推定が行われる確率を高めることができる。この結果、無線通信装置100が「使用周波数の境界位置」の推定が行われていない領域に侵入してしまうことを抑制でき、コグニティブ無線通信がプライマリシステムに干渉することをさらに抑制することが可能となる。
また、本実施例の無線通信装置100は、「使用周波数の境界位置」を推定するに際して、図6を用いて前述したように、2つの位置(位置X1および位置X2)の間に「使用周波数の境界位置」がある場合は、2つの位置のうち少なくとも一方を「使用周波数の境界位置」へ近づける処理、すなわち、2つの位置の距離を縮めて「使用周波数の境界位置」が存在する範囲を狭める。従って、「使用周波数の境界位置」の推定精度を高めることが可能となる。また、2つの位置のうち最も現在位置側の位置、すなわち、「使用周波数の境界位置」が存在する範囲のうち最も現在位置側の位置を「使用周波数の境界位置」とするとともに、「使用周波数の境界位置」で実行中のコグニティブ無線通信を停止する。従って、実行中のコグニティブ無線通信を、「使用中の空き周波数が実際に許可されている領域の境界」を無線通信装置100(車両10)が超える前に停止することができ、さらにプライマリシステムに干渉することを抑制することが可能となる。
また、本実施例の無線通信装置100は、2つの位置(位置X1および位置X2)の間に「使用周波数の境界位置」がある場合は、2つの位置のうち少なくとも一方を「使用周波数の境界位置」へ近づける処理を繰り返すので、さらに2つの位置の距離を縮めて「使用周波数の境界位置」が存在する範囲を狭めることができる。従って、「使用周波数の境界位置」の推定精度をさらに高めることが可能となる。
尚、通信制御部102は、無線通信装置100の現在位置を示す現在位置情報を取得することから、本発明における「現在位置取得手段」に対応している。また、通信制御部102は、無線通信装置100の進行先の位置を示す進行先位置情報を取得することから、本発明における「進行先位置取得手段」に対応している。また、通信制御部102は、現在位置の空き周波数を示す現在位置周波数情報および進行先の空き周波数を示す進行先位置周波数情報を取得することから、本発明における「周波数情報取得手段」に対応している。また、通信制御部102は、現在位置の空き周波数および進行先の空き周波数に基づき、使用周波数の境界位置(空き周波数が変化する境界位置)を推定することから、本発明における「境界推定手段」に対応している。また、通信制御部102は、無線通信装置100が現在位置から進行先位置に移動するに際してコグニティブ無線通信に使用する空き周波数を、使用周波数の境界位置(境界位置)に基づき切り換えることから、本発明における「切換手段」に対応している。また、通信制御部102は、現在位置の空き周波数と進行先の空き周波数とが異なる場合に、先ず、現在位置を位置X1(第1基準点)、進行先位置を位置X2(第2基準点)とする処理(第1処理)を行う。次に、位置X1(第1基準点)と位置X2(第2基準点)との間の中間位置(所定の位置)を中間位置X3(第3基準点)とするとともに「中間位置X3の空き周波数」(第3基準点の空き周波数を示す第3基準点周波数情報)を取得し、「位置X1の空き周波数」(第1基準点の空き周波数)と「中間位置X3の空き周波数」(第3基準点の空き周波数)とを比較した結果、空き周波数が異なる場合は中間位置X3(第3基準点)を新たな位置X2(第2基準点)とし、空き周波数が同じ場合は中間位置X3(第3基準点)を新たな位置X1(第1基準点)とする処理(第2処理)を所定の回数(所定条件が成立するまで)繰り返す。そして、位置X1(第1基準点)を「使用周波数の境界位置」(境界位置)とする処理(第3処理)を行う。従って、通信制御部102は、本発明における「第1処理手段」、「第2処理手段」、「第3処理手段」に対応している。
C.変形例 :
次に、本実施例の変形例について説明する。
C−1.変形例1 :
上述した実施例は、無線通信装置100が所定の距離を移動するたびに「使用周波数の境界位置」を推定し、無線通信装置100が「使用周波数の境界位置」に到達したときにコグニティブ無線通信に使用する周波数を「進行先位置の空き周波数」に切り換えることとした。これに限らず、無線通信装置100が「使用周波数の境界位置」に到達したときに、コグニティブ無線通信に使用する周波数を「進行先位置の空き周波数」に切り換えるとともに、次の「使用周波数の境界位置」を推定するようにしてもよい。
図9には、本変形例1の通信開始時制御処理のフローチャートが示されている。この処理は、車両10の運転者の操作によって、あるいは車両制御部12からの要求に応じて通信制御部102が開始する。変形例1の通信開始時制御処理を開始すると、通信制御部102は、図4のS100〜S102と同様に無線基地局2との通信環境を特定した後(S400〜S402)、「現在位置」を特定する(S404)。続いて、無線基地局2から「現在位置の空き周波数」を取得して記憶する(S406〜S410)。そして、この「現在位置の空き周波数」を使用したコグニティブ無線通信を開始する(S412〜S414)。
続いて、「進行先位置」を特定した後(S416)、無線基地局2から「進行先位置の空き周波数」を取得して記憶する(S418〜S422)。そして、「現在位置の空き周波数」と「進行先位置の空き周波数」とを比較して、これらが互いに異なるか否かを判断する(S424)。すなわち、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在するか否かを判断する。
その結果、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在しない場合は(S424:no)、該進行先位置よりも更に所定時間後の無線通信装置100(車両10)の予測位置を新たな進行先位置として特定する(S416)。そして、新たな進行先位置の空き周波数を取得して(S418〜S422)、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在するか否かを判断する(S424)。このS416〜S422の処理は、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在することになるまで繰り返される。換言すると、「使用周波数の境界位置」が見つかるまで、進行先位置を現在位置から離していく。
そして、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在することになったら(S424:yes)、図4のS116と同様に、「使用周波数の境界位置」を推定して記憶する処理(境界推定処理)を行う(S426)。尚、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在するか否かを判断する処理は既に行われているので、本変形例1の境界推定処理では、図5に示すS200およびS202の処理は行われない。以上のように、本変形例1の無線通信装置100は、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在することになるまで、進行先位置を現在位置から離していき、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在することになったら、「使用周波数の境界位置」を推定する。従って、現在位置から離れた位置に存在する「使用周波数の境界位置」も推定することが可能となる。
図10には、本変形例の通信実行中制御処理のフローチャートが示されている。この処理は、コグニティブ無線通信の実行中に、通信制御部102によって定期的に実行される。本変形例の通信実行中制御処理を開始すると、無線通信装置100(車両10)が「使用周波数の境界位置」まで移動したか否かを判断する(S500)。そして、無線通信装置100(車両10)が「使用周波数の境界位置」まで移動したら(S500:yes)、実行中のコグニティブ無線通信を停止する(S502)。そして、前回「使用周波数の境界位置」を推定した際に記憶した「進行先位置の空き周波数」を使用してコグニティブ無線通信を開始する(S504〜S506)。
次に、図9のS400〜S410と同様に、現在位置を特定するとともに「現在位置の空き周波数」を取得する(S508〜S518)。そして、図9のS416〜S426と同様に、「使用周波数の境界位置」が「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在することになるまで、進行先位置を現在位置から離していき、「使用周波数の境界位置」が現在位置と進行先位置との間に存在することになったら、「使用周波数の境界位置」を推定する(S520〜S526)。
以上のように、本変形例1の無線通信装置100は、「使用周波数の境界位置」が現在位置から離れた位置に存在する場合であっても、該「使用周波数の境界位置」を推定する。そして、無線通信装置100が「使用周波数の境界位置」に到達したときに、コグニティブ無線通信に使用する周波数を「進行先位置の空き周波数」に切り換えるとともに、次の「使用周波数の境界位置」を推定する。この場合、次の「使用周波数の境界位置」(ここでは「第1境界位置」という)だけでなく、更に次の「使用周波数の境界位置」(ここでは「第2境界位置」という)も予め推定しておくようにしてもよい。すなわち、「第1境界位置からの進行先位置」を「第1境界位置」から離していき、「第2境界位置」が「第1境界位置」と「第1境界位置からの進行先位置」との間に存在することになったら、「第2境界位置」を推定するようにしてもよい。こうすると、無線通信装置100から近い「第1境界位置」において、公衆通信回線網が混雑する等して空き周波数を受信できない場合であっても、既に「第2境界位置」で空き周波数を受信するとともに次の「使用周波数の境界位置」を推定しているので、「第2境界位置」おいてコグニティブ無線通信がプライマリシステムに干渉することを低減することが可能となる。
C−2.変形例2 :
上述した実施例は、無線通信装置100が「使用周波数の境界位置」に到達したタイミングで、実行中のコグニティブ無線通信の停止、および、「進行先位置の空き周波数」を使用したコグニティブ無線通信の開始を行うこととした。これに限らず、以下のようなタイミングで、実行中のコグニティブ無線通信の停止、および、「進行先位置の空き周波数」を使用したコグニティブ無線通信の開始を行ってもよい。
図11には、本変形例2の通信実行中制御処理のフローチャートが示されている。本変形例2の通信実行中制御処理は、図中の破線で囲まれた処理が実施例の通信実行中制御処理(図7)と異なっている。すなわち、本変形例2の通信実行中制御処理では、無線通信装置100が「使用周波数の境界位置」の手前の位置(例えば「使用周波数の境界位置」から現在位置側に所定の距離だけ離れた位置)に到達したら(S602:yes)、実行中のコグニティブ無線通信を停止する(S620)。そして、無線通信装置100が「使用周波数の境界位置」に到達したら(S622:yes)、「進行先位置の空き周波数」を使用したコグニティブ無線通信を開始する(S624〜S626)。
図12に示すように、本変形例2の無線通信装置100は、「使用周波数の境界位置」の手前の位置で実行中のコグニティブ無線通信を停止して、「使用周波数の境界位置」で「進行先位置の空き周波数」を使用したコグニティブ無線通信を開始する。従って、推定した「使用周波数の境界位置」と実際の「使用周波数の境界位置」との間に誤差がある場合であっても、推定した「使用周波数の境界位置」の手前で実行中のコグニティブ無線通信を停止するので、コグニティブ無線通信がプライマリシステムに干渉することをさらに抑制することが可能となる。
ここで、図6を用いて前述した境界推定処理を行うことで「使用周波数の境界位置」に近づけた位置X1を、実行中のコグニティブ無線通信を停止する位置とし、「使用周波数の境界位置」に近づけた位置X2を、「進行先位置の空き周波数」を使用したコグニティブ無線通信を開始する位置としてもよい。こうすると、無線通信装置100は、「使用周波数の境界位置」が存在する範囲のうち最も現在位置側の位置である位置X1で、実行中の(現在位置の空き周波数を使用した)コグニティブ無線通信を停止し、「使用周波数の境界位置」が存在する範囲のうち最も進行先位置側の位置である位置X2で、無線通信装置100は「進行先位置の空き周波数」を使用したコグニティブ無線通信を開始することとなる。この結果、コグニティブ無線通信がプライマリシステムに干渉することをさらに抑制することが可能となる。
以上のように、通信制御部102は、「使用周波数の境界位置」の手前の位置から「使用周波数の境界位置」までの区間(境界位置より現在位置側に設定された通信停止区間)に無線通信装置100がある場合はコグニティブ無線通信を停止する。従って、通信制御部102は、本発明における「通信停止手段」に対応している。
C−3.変形例3 :
上述した実施例では、無線通信装置100(車両10)の所定時間後の予測位置を「進行先位置」として特定することとした。本変形例では、以下のように「進行先位置」を特定する。
本変形例では、「進行先位置」を特定するにあたって、まず、「現在位置の空き周波数」を使用したコグニティブ無線通信で許可される電波強度(許可電波強度)を、データベース4から無線基地局2を介して取得する。この許可電波強度は、図13に示すように、プライマリシステムに干渉しない範囲で許可される電波強度である。換言すると、許可電波強度は現在位置から「使用周波数の境界位置」までの距離に対応しており、許可電波強度が小さければ「使用周波数の境界位置」が現在位置から近いことが推測され(図13(a)参照)、許可電波強度が大きければ「使用周波数の境界位置」が現在位置から遠いことが推測される(図13(b)参照)。そこで、本変形例では、許可電波強度が所定値未満の場合、すなわち、「使用周波数の境界位置」が現在位置から近いことが推測される場合は、無線通信装置100の「第1所定時間後」の予測位置を「進行先位置」として特定し、許可電波強度が所定値以上の場合、すなわち、「使用周波数の境界位置」が現在位置から遠いことが推測される場合は、無線通信装置100の「第1所定時間より長い第2所定時間後」の予測位置を「進行先位置」として特定する。
こうすると、無線通信装置100(車両10)の一定時間後の予測位置を「進行先位置」として特定する場合と比較して、「進行先位置」を「使用周波数の境界位置」の近くに設定することができる。この結果、「使用周波数の境界位置」を推定する処理(図5のS204〜S216の処理)の回数を減らすことができるので、通信制御部102の処理負担および公衆通信回線網への負荷を低減しつつ、コグニティブ無線通信がプライマリシステムに干渉することを低減することが可能となる。
尚、通信制御部102は、現在位置の空き周波数と進行先の空き周波数とが異なる場合に、許可電波強度(現在位置の空き周波数を用いた通信で許可される電波強度)に基づいて、「使用周波数の境界位置」を推定する。従って、通信制御部102は、本発明における「境界推定手段」に対応している。
以上、本実施例および変形例の無線通信装置100について説明したが、本発明は上記の実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
1…無線通信システム、 2…無線基地局、 3…公衆通信回線網、
4…データベース、 10…車両、 12…車両制御部、
100…無線通信装置、 102…通信制御部、 104…無線通信部、
106…記憶部、 108…GPS部、 110…バス

Claims (6)

  1. 無線通信に用いる周波数の割り当てを受けた当事者が使用していない周波数である空き周波数を使用して、コグニティブ無線通信を行う無線通信装置であって、
    該無線通信装置の現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置取得手段と、
    該無線通信装置の進行先の位置を示す進行先位置情報を取得する進行先位置取得手段と、
    前記現在位置の前記空き周波数を示す現在位置周波数情報および前記進行先の前記空き周波数を示す進行先位置周波数情報を取得する周波数情報取得手段と、
    前記現在位置の前記空き周波数および前記進行先の前記空き周波数に基づき、前記現在位置と前記進行先の位置との間に前記空き周波数が変化する境界位置が存在するか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段によって前記境界位置が存在すると判断された場合に、前記現在位置の前記空き周波数および前記進行先の前記空き周波数に基づき、前記境界位置を推定する境界推定手段と、
    該無線通信装置が前記現在位置から前記進行先位置に移動するに際して前記コグニティブ無線通信に使用する前記空き周波数を、前記境界位置に基づき切り換える切換手段と
    を備える無線通信装置。
  2. 請求項1に記載の無線通信装置であって、
    前記境界推定手段は、
    前記現在位置の前記空き周波数と前記進行先の前記空き周波数とが異なる場合に、前記現在位置を第1基準点、前記進行先位置を第2基準点とする第1処理を行う第1処理手段と、
    前記第1処理が行われた後に、前記第1基準点と前記第2基準点との間の所定の位置を第3基準点とするとともに前記第3基準点の前記空き周波数を示す第3基準点周波数情報を取得し、前記第1基準点の空き周波数と前記第3基準点の空き周波数とを比較した結果、前記空き周波数が異なる場合は前記第3基準点を新たな前記第2基準点とし、前記空き周波数が同じ場合は前記第3基準点を新たな前記第1基準点とする第2処理を行う第2処理手段と
    を備える無線通信装置。
  3. 請求項2に記載の無線通信装置であって、
    前記第2処理手段は、所定条件が成立するまで前記第2処理を繰り返す手段であり、
    前記第2処理が行われた後に、前記第1の基準点を前記境界位置とする第3処理を行う第3処理手段を備える無線通信装置。
  4. 請求項1に記載の無線通信装置であって、
    前記境界推定手段は、
    前記現在位置の前記空き周波数と前記進行先の前記空き周波数とが異なる場合に、前記現在位置の前記空き周波数を用いた通信で許可される電波強度に基づいて、前記境界位置を推定する手段である無線通信装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の無線通信装置であって、
    前記境界位置より前記現在位置側に設定された通信停止区間に該無線通信装置がある場合は前記コグニティブ無線通信を停止する通信停止手段を備える無線通信装置。
  6. 無線通信に用いる周波数の割り当てを受けた当事者が使用していない周波数である空き周波数を使用して、コグニティブ無線通信を行う無線通信方法であって、
    無線通信装置の現在位置を示す現在位置情報を取得する工程と、
    前記無線通信装置の進行先の位置を示す進行先位置情報を取得する工程と、
    前記現在位置の前記空き周波数を示す現在位置周波数情報および前記進行先の前記空き周波数を示す進行先位置周波数情報を取得する工程と、
    前記現在位置の前記空き周波数および前記進行先の前記空き周波数に基づき、前記現在位置と前記進行先の位置との間に前記空き周波数が変化する境界位置が存在するか否かを判断する工程と、
    前記境界位置が存在すると判断された場合に、前記現在位置の前記空き周波数および前記進行先の前記空き周波数に基づき、前記境界位置を推定する工程と、
    前記無線通信装置が前記現在位置から前記進行先位置に移動するに際して前記コグニティブ無線通信に使用する前記空き周波数を、前記境界位置に基づき切り換える工程と
    を備える無線通信方法。
JP2013022731A 2013-02-07 2013-02-07 無線通信装置、および無線通信方法 Active JP6194587B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013022731A JP6194587B2 (ja) 2013-02-07 2013-02-07 無線通信装置、および無線通信方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013022731A JP6194587B2 (ja) 2013-02-07 2013-02-07 無線通信装置、および無線通信方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014155026A JP2014155026A (ja) 2014-08-25
JP6194587B2 true JP6194587B2 (ja) 2017-09-13

Family

ID=51576497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013022731A Active JP6194587B2 (ja) 2013-02-07 2013-02-07 無線通信装置、および無線通信方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6194587B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016122998A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 日本電気株式会社 無線通信端末およびその制御方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5003842B2 (ja) * 2009-03-25 2012-08-15 富士通株式会社 チャネル設定パターン提示プログラムおよびチャネル設定パターン提示装置
EP2471295B1 (en) * 2009-08-26 2018-05-30 Nokia Technologies Oy A processor, apparatus and associated methods for unlicensed use of white space
US8594061B2 (en) * 2010-06-22 2013-11-26 Blackberry Limited Methods and apparatus to access network connectivity information using predicted locations
JP5566225B2 (ja) * 2010-09-02 2014-08-06 三菱電機株式会社 通信装置
JP2012010350A (ja) * 2011-07-25 2012-01-12 Nec Corp 発生電波制御システム及び無線端末装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014155026A (ja) 2014-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101443546B1 (ko) 예측 위치를 이용하여 네트워크 접속성 정보에 접근하는 방법 및 장치
CN108029125B (zh) 一种通信设备以及用于v2x通信的方法
JP7130393B2 (ja) 車両通信システム
CN107079360B (zh) 接入点辅助漫游
CN108512880B (zh) 通信方法和通信设备
US20140025226A1 (en) Method and Apparatus for Charging Station Guidance
KR101621878B1 (ko) 차량용 avn 통신 시스템 및 그의 무선 통신 방법
KR100769746B1 (ko) 무선 통신 시스템, 무선 통신 장치, 무선 기지국 장치, 및핸드오프 제어 방법
US20110310867A1 (en) Methods and apparatus to predict routing to maintain connectivity over a geographic area
US9439205B1 (en) Location based wireless network optimization in embedded systems
CN106797540B (zh) 无线通信设备和通信方法
JP2007243765A (ja) 車載通信装置
JP4611853B2 (ja) 分散処理システム、車載端末、及び基地局
JP7154831B2 (ja) 車両管理システムおよび車両管理方法
JP2016111579A (ja) 無線通信システム、チャネル選択装置、基地局及びチャネル選択方法
JP2009225011A (ja) 基地局装置、及びハンドオーバ制御方法
US11770754B2 (en) Network management apparatus, network management method, and storage medium for network comprising a plurality of vehicles and plurality of mobile terminals
JP6194587B2 (ja) 無線通信装置、および無線通信方法
CN114095992A (zh) 多核芯片组到外部接入点优先化连接方法及使用其的车辆
JP5958747B2 (ja) 通信装置、通信制御方法
US20220066833A1 (en) Device for a Vehicle for Externally Transferring Computing Processes
JP2005315625A (ja) ナビゲーション装置、情報センタ及び無線通信メディア切替方法
JP2014187499A (ja) 移動通信端末および移動通信システム
WO2019116635A1 (ja) 移動通信機
JP5861595B2 (ja) 無線通信装置、および無線通信方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151016

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170718

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170731

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6194587

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250