JP5857154B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子線装置に関する。
荷電粒子線装置において、荷電粒子線を使用する為に、例えば電界放出で電子線を得る電界放出電子銃(Field Emission Electron Gun: 以下、FE銃)が使われる。
例えば、特許文献1では、電界放出電子源と、それに電界を印加する電極と、電界放出電子源のまわりの圧力を1×10-8Pa以下に維持する真空排気部とを備える荷電粒子線装置が開示されている。特許文献1の荷電粒子線装置は、電界放出電子源の加熱部と、電子線の電流の検出部とを備え、電界放出電子源を繰り返し加熱することで、放出される電子線の電流を所定の値以上に維持する。
再公表2009−153939号公報
本願発明者が、FE銃の安定化について鋭意検討した結果、次の知見を得るに至った。
特許文献1においては、FE銃の電流の経時変化による、電子源の表面への吸着ガスを脱離させるための、電子源を短期間加熱するフラッシング操作をする際、引出電圧を印加したままフラッシングすると、電子源先端に原子レベルの突起物が形成する現象(ビルドアップ)が発生する可能性がある。これを避けるため、電界放出電子源から電子線を放出させるための加速電圧を一旦切断する操作を行い、フラッシングする。すなわち、従来は、電子線を使用する場合、電流を一定以上に保つためには短い時間間隔で頻繁にフラッシングをする必要があった。また、フラッシングを行う度に、加速電圧及び引出電圧、あるいは引出電圧または加速電圧のいずれかを切断し、一時的に電子線の照射を一度停止させたり、電子線の加速を中断したりする必要がある。これらの場合、画像(観察像)が途切れて観察が中断する。また、引出電圧などの切断に伴い引出電圧などが僅かにでも変わってしまうと光軸がずれてしまうため、同じ観察条件で観察を続けることができない。さらに、一度中断すると、再度使用するまでの待ち時間が長くなる。
本発明の目的は、フラッシング時においても観察条件を維持したまま観察が可能な荷電粒子線装置を提供することに関する。
上記課題を解決するために、例えば請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例をあげるならば、電界放出電子源と、前記電界放出電子源から電子を引き出すための引出電極と、前記電界放出電子源から放射された電子を加速するための加速電極と、前記電界放出電子源と前記引出電極との間に印加する引出電圧と、前記電界放出電子源と前記加速電極との間に印加する加速電圧と、前記電界放出電子源を加熱するための加熱電圧とを供給可能な電源と、を備える荷電粒子線装置である。前記電源は、前記電源の上限値を切替えるための切替部を備える。前記電源は、前記引出電圧及び前記加速電圧を印加している間に前記切替部を制御することにより、前記引出電圧と前記加速電圧と前記加熱電圧とを同時に供給する。
本発明によれば、フラッシング時においても観察条件を維持したままで安定したビーム照射可能となる。これにより、観察を中断することなく連続して観察することができる。
本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例が適用される走査電子顕微鏡の概略構成図である。 一実施例に係る電源ユニットの構成を示す図である。 本発明の一実施例における走査電子顕微鏡の像観察及びフラッシング時のフローである。 従来品で引出電圧を落として、加速電圧を維持する場合のプローブ電流の経過時間変化を説明する図である(比較例)。 従来品で引出電圧を維持した場合のプローブ電流の経過時間変化を説明する図である(比較例)。 本発明の一実施例において引出電圧及び加速電圧を維持した場合のプローブ電流の経過時間変化を説明する図である。 実施例2にかかる走査電子顕微鏡の概略構成図である。 実施例2にかかる走査電子顕微鏡における、制御器の概略構成図である。 実施例2にかかる走査電子顕微鏡の像観察時及びフラッシング時のフローである。 実施例2にかかる視野変位量を補正する機能と、フラッシング時の経過時間の関係についての説明図である。 一条件において取得される観察像を示す図である。 実施例3にかかる走査電子顕微鏡の像観察時及びフラッシング時のフローである。 実施例3にかかる視野変位量を補正する機能と、フラッシング時の経過時間の関係についての説明図である。 実施例4にかかる走査電子顕微鏡の概略構成図である。 実施例4にかかる走査電子顕微鏡における、制御器の概略構成図である。 実施例4にかかる走査電子顕微鏡の像観察時及びフラッシング時のフローである。
実施例では、電界放出電子源と、電界放出電子源から電子を引き出すための引出電極と、電界放出電子源から放射された電子を加速するための加速電極と、電界放出電子源と引出電極との間に印加する引出電圧と、電界放出電子源と加速電極との間に印加する加速電圧と、電界放出電子源を加熱するための加熱電圧とを供給可能な電源と、を備え、電源が、電源の上限値を切替えるための切替部を備え、電源が、引出電圧及び加速電圧を印加している間に切替部を制御することにより、引出電圧と加速電圧と加熱電圧とを同時に供給する荷電粒子線装置を開示する。
また、実施例では、電界放出電子源と、電界放出電子源から電子を引き出すための引出電極と、電界放出電子源から放射された電子を加速するための加速電極と、電界放出電子源と引出電極との間に印加する引出電圧と、電界放出電子源と加速電極との間に印加する加速電圧と、電界放出電子源を加熱するための加熱電圧とを供給可能な電源と、引出電圧及び加速電圧を印加している間の観察像を表示する表示装置と、を備え、電源が、引出電圧と加速電圧と加熱電圧とを同時に供給し、表示装置が、引出電圧と加速電圧と加熱電圧とを同時に供給する間に観察像を継続して表示する荷電粒子線装置を開示する。
また、実施例では、電源が、電源の上限値を切替えるための切替部を備えることを開示する。
また、実施例では、加熱電圧より加熱される電界放出電子源の温度が、電界放出電子源の表面への吸着ガスを脱離させることが可能な温度以上で、かつ、電界放出電子源の先端に原子レベルの突起物が形成する現象が発生しない温度以下で制御されることを開示する。
また、実施例では、加熱電圧より加熱される電界放出電子源の温度の範囲が、800℃から1500℃の範囲であることを開示する。
また、実施例では、電源が、2つの抵抗と切替部とを含む電源保護回路を備え、電源が、切替部により2つの抵抗を並列に接続することにより、引出電圧と加速電圧と加熱電圧とを同時に供給することを開示する。
また、実施例では、引出電圧及び加速電圧を印加している間の観察像を表示する表示装置を備え、表示装置が、引出電圧と加速電圧と加熱電圧とを同時に供給する間に観察像を継続して表示することを開示する。
また、実施例では、電界放出電子源から放射された電子を偏向する偏向器を備え、偏向器が、加熱電圧の供給前後で得られる画像の変化に基づいて、電子線を偏向することを開示する。
また、実施例では、電界放出電子源から放射された電子を偏向する偏向器を備え、偏向器が、加熱電圧の供給中の画像に基づいて、加熱電圧の供給にかかる画像の歪みを補正するように電子線を偏向することを開示する。
また、実施例では、偏向器が、加熱電圧の供給前に得られる画像と、加熱電圧の供給中に得られる画像の比較に基づいて、電子線を偏向することを開示する。
また、実施例では、加熱電圧の供給前後における電子線照射位置を記憶するメモリを備え、偏向器が、メモリに記憶された電子線照射位置に基づいて、電子線を偏向することを開示する。
また、実施例では、加熱電圧の供給にかかる画像の歪みを記憶するメモリを備え、偏向器が、メモリに記憶された画像の歪みに基づいて、電子線を偏向することを開示する。
また、実施例では、電界放出電子源から放射された電子を偏向する電極を備え、電極が、加熱電圧の供給中に電子線を偏向させることを開示する。
また、実施例では、電界放出電子源から放射された電子を偏向する電極を備え、電極が、加熱電圧の供給中における電子線照射位置を試料外とすることを開示する。
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、添付図面は本発明の原理に則った具体的な実施例を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。
荷電粒子線装置は、電子や陽イオンなどの電荷をもつ粒子(荷電粒子)を電界で加速し、試料に照射する装置である。荷電粒子線装置は、試料と荷電粒子との相互作用を利用して、試料の観察、分析、加工などを行う。本発明は、走査電子顕微鏡、走査透過電子顕微鏡、透過電子顕微鏡、イオン顕微鏡、集束イオンビーム装置、これらと試料加工装置との複合装置、またはこれらを応用した解析・検査装置にも適用可能である。
以下では、荷電粒子線装置の一例として、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)について説明する。図1は、本発明の一実施形態が適用される走査電子顕微鏡の概略構成図である。
鏡体1には、電界放出電子源4、一次電子線2を偏向する偏向器、一次電子線2を試料3上に集束する対物レンズ13、複数の絞り(例えば、絞り電極31)等が含まれる。なお、鏡体1が、これ以外に他のレンズや電極、検出器を含んでもよいし、一部が上記と異なっていてもよく、電子光学系の構成はこれに限られない。
鏡体1には、電界放出電子源4と、電界放出電子源4と対向させた引出電極11と、電界放出電子源4から放射された電子を加速させるための加速電極と12が設置されている。この構成により、電界放出電子源4と引出電極11との間に引出電圧を印加して電子を放射させ、放射した電子をさらに加速電極12に印加した高電圧で加速し、一次電子線2を形成する。一次電子線2は試料3に照射され、それにより発生した二次電子線を検出器にて検出することにより、試料3の観察を行う。
電子源4には、<310>方位の単結晶タングステン線の先端を先鋭化させたものを用いる。電子源4はタングステンフィラメント5の先端に固定され、電子銃室6の中に設置される。電子銃室6は、イオンポンプ20と非蒸発ゲッター(NEG)ポンプ23で排気され、1×10-8Pa以下、特に1×10-9Pa以下に保たれる。
NEGポンプは、チタンサブリメーションポンプや装置を液体窒素で冷却するなどの他の真空排気方法に比べ、小型、軽量、安価という利点がある。NEGポンプ23は、一度NEG加熱部24で加熱することで、その後常温になっても排気を続ける。
電子銃室6は、引出電極11の中心の細孔(アパーチャ)を介して、第一中間室7に接続される。さらに、第一中間室7は、加速電極12のアパーチャを介して第二中間室8に接続される。この第二中間室8より上部の構造が通常、FE電子銃として用いられる。第二中間室8は、対物レンズ13のアパーチャを介して試料室9に接続される。第一中間室7は、イオンポンプ21で排気され、第二中間室8は、イオンポンプ22で排気され、試料室9は、ターボ分子ポンプ25で排気される。したがって、本実施例は、複数の真空室を開口を介して結合した差動排気構造である。
まず、電子源4をフラッシング電源16で表面に吸着層がない状態になるまでフラッシングする。その後、電子源4と引出電極11との間に高圧電源33で引出電圧を印加し、電子源4から電子線2を放出させる。フラッシング電源16と高圧電源33は、電源ユニット39として、一つのユニットとして構成されている。
電子線2は、電子源4と加速電極12との間に高圧電源33で印加された加速電圧によって加速されて、第二中間室8に到達する。絞り電極31に設けたアパーチャに通して電子線2の外周部を取り除くことで、使用する電子線2の放出角を決める。また、絞り電極31に電流検出部15を接続することにより、放出電流の変化をモニタリングする。放出電流のモニタリングは、電子源4から放出する全電流を電流検出部15で検出することでも代用できる。
その後、電子線2は、対物レンズ13によって集束され、試料台26の上に設置された試料3に照射される。そして、試料3から放出する電子を放出電子検出部32で検出し、制御器17が処理することで観察像を取得する。取得された観察像は、操作器19の操作により表示器18に表示される。
制御器17は、走査電子顕微鏡の各構成要素の動作を制御するものである。なお、本実施例の走査電子顕微鏡には、このほかにも各構成要素の動作を制御する制御部や、検出器から出力される信号に基づいて画像を生成する画像生成部が含まれている(図示省略)。
フラッシングは、タングステンフィラメント5に一定時間電流を流し、通電加熱によって電子源4の温度を上げることで行う。電流を印加する時間は、最大数秒程度であり、表面の状態によって複数回行う。
また、装置を使用する前や、数ヶ月に一度のメンテナンス時に電子銃加熱部30で電子銃室6を加熱するベーキング操作を行う。ベーキングすることで電子銃室6の壁面から放出するガスが枯渇し、定常時に電子銃室6を1×10-8Pa以下の圧力に保つことができる。ベーキングは、第一中間室7と第二中間室8にも行う。ベーキング時には、電子銃室6の圧力が上がるため、粗排気バルブ27、粗排気バルブ28、粗排気バルブ29を開いて、イオンポンプ21、イオンポンプ22、ターボ分子ポンプ25を併用して排気する。
前述のように、NEGポンプ23は、NEG加熱部24で加熱することで排気を始めるが、このベーキング時にNEGポンプ23を加熱する。この加熱により、高温になった際にNEGポンプ23から一時的に放出するガスを効率的に排気でき、またこの放出ガスが電子銃室6の壁面に吸着するのを防ぐことができる。
観察時は、まず電子源4を表面に吸着ガス層がない状態までフラッシングしてから、引出電圧を印加して、電子線2を照射する。電子線2のうち電子源4の先端中央から放出する1×10-2str以下の放出角の電流を絞り電極31で絞り、プローブ電流として用いる。電子源4まわりの圧力を1×10-8Pa以下に保つことで、プローブ電流は従来の経時変化とは異なる変化をする。
また、フラッシング後少なくとも1時間以上、電子線2の電流の時間に関する二階微分が負または0となる構成とする。より好適には、電子線の電流の減少度合いが1時間当たり10%以内となる電流を用いる。
図2は、図1に示した電源ユニット39の構成を示す図である。電源ユニット39は、電源34と、電源保護回路35とを備える。電源34は、電界放出電子源4から電子線2を放出させるための加速電圧と引出電圧用、及び、フラッシング用の電源である。すなわち、電源34は、電界放出電子源4と引出電極11との間に印加する引出電圧と、電界放出電子源4と加速電極12との間に印加する加速電圧と、電界放出電子源4を加熱する(フラッシングする)ためのフラッシング用電圧(加熱電圧)とを供給可能である。
電界放出電子源4は、観察条件によりKVオーダでの高電圧印加やプローブ電流の増加等を変化させる。加速電圧が高い、あるいはプローブ電流が多い状態でフラッシングをする場合、電源34での消費電力が多くなる。この際、電源34には大きく負荷を与えることがあるため、電源ユニット39は、電源保護回路35を備えている。
電源34は、あらかじめ設定された電流値を超える出力を出そうとした場合、電源保護回路35によって、出力が制限される。図2の電源保護回路35は、抵抗37を備える。この抵抗37にて上限の電流値を設定しており、この設定値を超える電流を出力しようとすると、電源保護回路35が動作する。
従来、フラッシングは、必ず加速電圧及び引出電圧用電源を落とした状態、引出電圧用電源のみを落とした状態で行われていた。この為、電源はフラッシング時使用分か、フラッシング時使用分+加速電圧分の電源用電流を出力するのに十分な設定値を電源保護回路で設定していた。しかし、本実施例では、フラッシング時使用分+引出電圧分+加速電圧分の電源用電流を必要とするため、電流上限値を引き上げる必要がある。電流上限値を以下の構成により切り替える。
電源保護回路35は、リレー36(切替部)を備える。リレー36は、制御器17の制御により動作させることができる。本実施例では、フラッシングを動作させるとき、リレー36をONする。リレー36をONすることにより、電源保護回路35の設定を決めている抵抗37に対し、抵抗38が並列で接続される。この電源保護回路35にて設定される電流上限値は抵抗値によって決められ、抵抗値が大きいほど電流値は少なく設定される。つまり、リレー36をONにしている間は、抵抗値が抵抗37と抵抗38の並列接続により設定されるため、電流上限設定値は大きく設定される。
すなわち、本実施例では、電源保護回路35の第1の電流上限値は抵抗37によって決定され、第1の電流上限値は、引出電圧と加速電圧とを供給可能な値で設定される。引出電圧と加速電圧とを供給している間にリレー36を切替えることにより、第2の電流上限値に切替えられる。第2の上限値は、並列に接続された抵抗37及び抵抗38によって決定され、第2の電流上限値は、引出電圧と加速電圧とフラッシング用電圧(加熱電圧)とを供給可能な値で設定される。
また、リレー36のONの命令の時間は、設定可能である。よって、フラッシング時には、決められた時間の間、電源保護回路35の出力電流上限値を引き上げることができる。このように、電源保護回路35の出力電流上限値を引き上げた際には、フラッシング時使用分+引出電圧分+加速電圧分の電源用電流を同時に供給することができる。
なお、電源保護回路35の構成は図2の構成に限定されない。フラッシングを動作させるときに出力電流上限値を「フラッシング時使用分+引出電圧分+加速電圧分」の電流値に切替える切替部を少なくとも備えていればよい。
フラッシング時の電界放出電子源4は、加熱温度が制御される。電界放出電子源4の加熱温度は、フラッシング時使用分の電流を制御器17によって制御することにより所定の範囲に制御される。フラッシング時の電界放出電子源4の加熱温度は、電界放出電子源4の表面への吸着ガスを脱離させることが可能な温度以上で、かつ、ビルドアップが発生しない温度以下で制御される。例えば、加熱温度は、800℃から1500℃の範囲で制御される。この加熱温度の範囲は一例であり、この範囲に限定されない。すなわち、加熱温度は、電界放出電子源4の表面への吸着ガスを脱離させることが可能な温度以上で、かつ、ビルドアップが発生しない温度以下で制御されればよい。
例えば、上記の加熱温度の範囲に制御することにより、加速電圧及び引出電圧を印加したままフラッシングしても、電子源4の先端に原子レベルの突起物が形成する現象(ビルドアップ)を避けることができる。以上より、加速電圧及び引出電圧を印加したままフラッシングをすることが可能である。
図3は、走査電子顕微鏡の像観察及びフラッシング時のフローである。なお、以下のフローにおける制御は、制御器17によって行われる。
まず、走査電子顕微鏡像の観察を実施する(301)。この際の観察条件は、加速電圧及び引出電圧の両方を印加したまま変更しないものとする。表示器18には、観察像が表示されている。次に、フラッシングの命令を出す(302)。この動作により、リレー36がONとなり(303)、電流上限値の切替えが行われる。
リレー36がONとなることにより、加速電圧及び引出電圧を印加しながら、フラッシング分の電圧(加熱電圧)が供給可能となる(304)。リレー36をONにする時間は、あらかじめ決められた時間の間だけである。この状態で、フラッシング動作をONにする(305)。この際、電界放出電子源4にフラッシング用の電流が流れ、電界放出電子源4が加熱される。なお、フラッシング時の電界放出電子源4の加熱温度は、電界放出電子源4の表面への吸着ガスを脱離させることが可能な温度以上で、かつ、ビルドアップが発生しない温度以下で制御される。なお、この場合でも、加速電圧及び引出電圧は印加されたままであるため、表示器18には、観察像が表示されている。
その後、フラッシング動作をOFFにする(306)。その後、あらかじめ決められた時間が経過した際にリレー36をOFFにする(307)。フラッシングが終了しても、加速電圧及び引出電圧の両方は印加されたままで変更されていないため、継続して像観察が可能である。
図4Aは、従来品で引出電圧を落として、加速電圧を維持する場合のプローブ電流の経過時間変化を説明する図である。また、図4Bは、従来品で引出電圧を維持した場合のプローブ電流の経過時間変化を説明する図である。さらに、図4Cは、本実施例において引出電圧及び加速電圧を維持した場合のプローブ電流の経過時間変化を説明する図である。
図4Aに示すように、従来品で引出電圧を落として、加速電圧を維持する場合、フラッシング毎に電子線の供給が断たれるため、プローブ電流が0になる。よって、フラッシング中、画像は一旦見えなくなり、観察が中断する。
また、図4Bに示すように、従来品で引出電圧を維持した場合、ビーム照射中に電子源を加熱するため、フラッシング毎に大きな電流が流れ、加速電圧がドロップする。これにより、フラッシング中は電子線の軌道が変化するため、試料に到達する電流が変動し、観察が中断する。
これらに対し、本実施例を用いた場合(図4C)、電源ユニット39は、引出電圧と加速電圧を同時に維持しながらフラッシング用の加熱電圧を供給できる。これにより、フラッシング中も観察条件が崩れず、電子線2の軌道が保たれる。表示器18は、引出電圧と加速電圧とフラッシング用電圧(加熱電圧)とを同時に供給する間に観察像を継続して表示する。すなわち、本実施例では、画像が途切れず、連続して観察が行うことが可能となる。
本実施例によれば、フラッシング時において電界放出電子源4から電子線2を放出させるための加速電圧と引出電圧の両電圧を切断せずに電界放出電子源4を加熱する(フラッシングする)ことができる。これにより、観察条件を維持したまま電子線の輝度を維持することができ、高輝度で長時間安定したビーム照射が可能となる。したがって、本実施例は、フラッシング時に観察を中断することなく走査電子顕微鏡像を長時間観察するという飛躍的効果をもたらす。
従来では、フラッシングを行う度に、加速電圧及び引出電圧、あるいは引出電圧か加速電圧のいずれかを切断し、一時的に電子線の照射を一度停止させたり、電子線の加速を中断したりする必要があった。したがって、再度観察を行うまでの待ち時間が長くなるという課題があった。これに対して、本実施例によれば、フラッシング時においても観察条件を維持したままで安定したビーム照射可能となる。再度観察を行うまでの待ち時間がなくなり、オペレータ観察効率の大幅向上にも寄与することができる。
また、本実施例では、フラッシング時の電界放出電子源4の加熱温度は、電界放出電子源4の表面への吸着ガスを脱離させることが可能な温度以上で、かつ、ビルドアップが発生しない温度以下で制御される(例えば、800℃から1500℃の範囲)。これにより、吸着ガスの脱離を行いながらもフラッシング時にビルドアップが発生することがない。これにより、電子源の寿命を長くすることができる。
本実施例にかかる荷電粒子線装置においては、フラッシング前後に取得した画像を比較して電子線照射位置の変位を検知し、電子線照射位置の変位量を電子線偏向器にフィードバックし、電子線照射位置を制御する。これにより、高倍率条件における超低速スキャン時などにおいても、画像の歪みを確実に無くすことができる。以下、実施例1との相違点を中心に説明する。
図5は、本実施例2にかかる走査電子顕微鏡の概略構成図である。鏡体1の偏向器40及び41は、一次電子線2を偏向して、一次電子線2を試料3上で走査させる。また、図6は、本実施例2にかかる走査電子顕微鏡における、制御器17の概略構成図である。制御器17は、高電圧制御部42と、視野移動制御部43と、検出信号処理部44と、表示信号制御部45と、メモリ46と、CPU47とを備え、各々がバスライン48で接続されている。
高電圧制御部42は、電源ユニット39を介して、一次電子線2の形成に必要な引出電圧及び加速電圧と、フラッシングに必要な加熱電圧を制御する。視野移動制御部43は、偏向器40及び41を駆動することにより、試料3上の電子線照射位置を制御する。
検出信号処理部44は、放出電子検出部32から得られる信号をディジタル信号に変換する。変換されたディジタル信号はバスライン48を介してメモリ46に試料画像データとして格納される。表示信号制御部45は、検出信号処理部44で変換されたディジタル信号、及びメモリ46に格納されている試料画像データから画像を生成し、表示器18上に表示する。
CPU47は、制御器17内の各ユニットに対し、バスライン48を介して制御命令を出し、像観察を可能とする。さらに、CPU47は、メモリ46に格納された試料画像データを時間単位で比較することにより電子線照射位置の変位量を算出し、視野移動制御部43に偏向器40及び41の駆動命令を出す。
このように、制御器17は、2枚の取得画像を比較することにより電子線2の照射位置が変位した量を検知する機能と、検知した変位量の情報を2段の偏向器40及び41にフィードバックすることで電子線照射位置を制御する機能を備える。なお、制御器17は、上記以外の制御部を含んでもよいし、一部が上記と異なっていてもよく、制御構成はこれに限られない。
図7は、本実施例2にかかる走査電子顕微鏡の像観察時及びフラッシング時のフローである。なお、以下のフローおける制御は、制御器17によって行われる。また、以下のフローと並行して実施例1のフローも実行される。
まず、走査電子顕微鏡像の観察を実施する(701)。この際、表示器18には観察像が表示されている。次にフラッシングの命令を出す(702)。この動作により、表示器18に表示されている観察像をサンプル像として保存する(703)。
その後、フラッシングをONとし(704)、画像処理機能をONにする(705)。以下のフロー(706)から(708)までは、制御器17がフラッシングをOFFとするフロー(709)を認識するまで繰り返し自動的に実行する。
「電子線照射位置の変位量をフラッシング前の観察像と比較」のフロー(706)では、CPU47を用いて、上記(703)で取得したサンプル像(フラッシング実行前の画像)、及びフラッシング処理中の1フレーム画像の差分から、フラッシング実行中の変位量を検知する。
サンプル像に対して電子線照射位置が変位している場合には、変位量が無くなるように2段の偏向コイル40及び41を用いて試料3上の電子線照射位置を制御し(707)、表示器18に観察像を表示する(708)。一方、変位量が存在しない場合には、そのまま表示器に観察像を表示する(708)。
フラッシングが終了したらフラッシング動作をOFFにし(709)、あらかじめ決められた時間が経過した後に画像処理機能をOFFにして(710)、通常観察状態に移行する。
図8は、本実施例2にかかる電子線2の変位量を補正する機能と、フラッシング中の経過時間の関係についての説明図である。補正がない場合には、電子線照射位置が変位すると変位状態がそのまま表示器18に観察像として表示される。一方、本実施例2によれば、一定のサンプル周期ごとに変位量を検知し、偏向器40及び41を用いて電子線照射位置を補正する。サンプル周期ごとに電子線照射位置の変位量をなくし、表示器18に観察像として表示するため、フラッシングによる視野変位がない状態を観察し続けることが可能である。
本実施例2によれば、5万倍程度の高倍率条件における超低速スキャン時などにおいて極稀に確認されるフラッシング中の電子線照射位置の変位を補正することができる。図9は、実施例1の走査電子顕微鏡におけるフラッシング処理実行により、高倍率条件などの限定された条件において極稀に確認される一瞬の観察像の歪みを捉えたものである。このような観察像の歪みは、1枚の観察像の取得にかかるスキャン時間が、フラッシング時間よりも長い極低速スキャン時に生じる傾向がある。また、スキャン時間が長いほど、表示された観察像の歪みが上書き消去されるまでの時間が長くなるため、使用者は観察像の歪みを認識し易くなる。さらに、観察像の歪みの大きさは僅かであるため、倍率条件が高いほど、使用者は観察像の歪みを認識し易くなる。本実施例2により、このような観察像の歪みさえも無くすことが可能となる。
実施例2において、観察する領域と観察条件を一定に保った状態で長時間観察像を表示する場合に、取得したサンプル時間ごとの電子線照射位置の変位量からフラッシング中の全体の変位傾向を算出し、再びフラッシングを実行する際に算出した変位傾向を基に電子線照射位置を制御すれば、フラッシングの度に同時並行で画像処理を実行する必要がない。
そこで本実施例3においては、実施例2を利用して電子線照射位置の変位傾向を取得し、取得した情報を基にフラッシング時に試料3上において電子線照射位置が変位しないように偏向器40及び41を制御する制御データを制御器17内のメモリ46に記憶させ、フラッシングの度に該制御データを実行する手法について説明する。以下、実施例1及び2との相違点を中心に説明する。
図10は、本実施例3にかかる走査電子顕微鏡の像観察時及びフラッシング時のフローである。なお、以下のフローおける制御は、制御器17によって行われる。また、以下のフローと並行して実施例1のフローも実行される。
フラッシングの際に実施例2を実行し、サンプル時間ごとの電子線照射位置の変位量を取得する(1001)。CPU47を用いて取得したサンプル時間ごとの変位量からフラッシング中の全体の変位傾向を算出する(1002)。その後、算出した電子線照射位置の変位傾向を基に、フラッシング時に試料3上において電子線照射位置が変位しないように偏向器を制御する制御データをメモリ46に記憶させる(1003)。フロー(1001)から(1003)は、変位傾向データを初回に取得する場合と、データの更新を必要とする場合にのみ行うプロセスであり、フラッシングの度に繰り返し行う必要はない。
次に、継続して通常の像観察を実施する(1004)。この状態でフラッシング命令を出し(1005)、フラッシング動作をONにする(1006)。この動作により、あらかじめメモリ46に記憶させていた制御データを基に偏向器40及び41を制御し、電子線照射位置を補正する(1007)。その後、フラッシングをOFFし(1008)、制御データによる偏向器40及び41の制御を終了することにより(1009)、偏向器40及び41を通常時の動きに戻す。フラッシング中に継続した像観察が可能な上に、定期的なリファレンスデータの再取得により、長時間観察の中で繰り返しフラッシングが行われても、フラッシング中の視野ずれのない像表示が可能となる。
図11は、本実施例3にかかる電子線2の変位量を補正する機能と、フラッシング中の経過時間の関係についての説明図である。補正がない場合には、電子線照射位置が変位すると変位状態がそのまま表示器18に観察像として表示される。一方、実施例3によればフラッシングの実行と同時に、あらかじめメモリ46に記憶しておいた制御データに従い、視野の変位を打ち消すように電子線照射位置を移動する。そのため、表示器18ではフラッシングによる視野変位がない状態を観察し続けることが可能となる。
本実施例3によれば、長時間電子線照射位置が変化することなく、安定した像取得が可能となるため、例えば、長時間の画像取得、EDXマッピング、電子線後方散乱解析法(EBSD)像の取得において非常に大きな価値をもたらす。
また、電子線照射位置の変位量は、図11の補正なしのグラフのように、フラッシングの間、連続的に変化する。このため、フラッシング処理中の視野変位量をリファレンスデータとして取得する際、表示器18に表示される1フレーム時間の画像から、フラッシング実行中の経過時間に対する視野変位量をテーブル形式で保存することが有効である。このテーブルを基に偏向器を制御することで、連続的に偏向器を制御することが可能となり、スムーズかつ誤差のない視野補正が可能となる。
本実施例にかかる荷電粒子線装置においては、フラッシング中に電子線を照射し続けるものの、その照射位置を試料上から外し、フラッシング終了後直ちに照射位置を元に戻す。これにより、フラッシング前と同じ観察条件で画像表示を即座に再開することができる。以下、実施例1乃至3との相違点を中心に説明する。
図12は、本実施例4にかかる走査電子顕微鏡の概略構成図である。鏡体1の電極49は、電圧印加により、一次電子線2の照射位置を試料3上から外すことができる。また、図13は、本実施例4にかかる走査電子顕微鏡における、制御器17の概略構成図である。制御器17は、高電圧制御部42と、視野移動制御部43と、検出信号処理部44と、表示信号制御部45と、メモリ46と、CPU47と、電極制御部50とを備え、各々がバスライン48で接続されている。
高電圧制御部42は、電源ユニット39を介して、一次電子線2の形成に必要な引出電圧及び加速電圧と、フラッシングに必要な加熱電圧を制御する。電極制御部50は、電極49に印加する電圧を制御することにより、一次電子線2の照射方向を変更する。
検出信号処理部44は、放出電子検出部32から得られる信号をディジタル信号に変換する。変換されたディジタル信号はバスライン48を介してメモリ46に試料画像データとして格納される。表示信号制御部45は、検出信号処理部44で変換されたディジタル信号、及びメモリ46に格納されている試料画像データから画像を生成し、表示器18上に表示する。
CPU47は、制御器17内の各ユニットに対し、バスライン48を介して制御命令を出し、像観察を可能とする。
このように、制御器17は、フラッシング中に電極49に電圧を印加することにより、電子線2を試料3上から外す機能を備える。なお、制御器17は、上記以外の制御部を含んでもよいし、一部が上記と異なっていてもよく、制御構成はこれに限られない。
図14は、本実施例4にかかる走査電子顕微鏡の像観察時及びフラッシング時のフローである。なお、以下のフローおける制御は、制御器17によって行われる。また、以下のフローと並行して実施例1のフローも実行される。
まず、走査電子顕微鏡像の観察を実施する(1401)。表示器18には、観察像が表示されている。次にフラッシングの命令を出す(1402)。この動作により、フラッシングをONにし(1403)、同時に電極42に電圧を印加する(1404)。これにより、電子線2を試料3上から大きく外れた位置に飛ばす。
その後、フラッシング動作をOFFにし(1405)、あらかじめ決められた時間が経過した後に電極49への電圧の印加を停止する(1406)。電極49に電圧が印加されている間も、加速電圧及び引出電圧は印加されたまま一次電子線2の照射が続いているため、フラッシング終了時に直ちにフラッシング前と同じ観察条件で画像表示を再開することが可能である。
本実施例4によれば、長時間観察において繰り返しフラッシングを実行しても、試料3への電子線照射の位置及び範囲が変わることはなく、特にフラッシング実行時間に比べて試料上を電子線が走査する時間が長い場合には、表示器18上に安定した観察像を表示し続けることが可能である。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることがあり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、電界放出電子源を備える透過電子顕微鏡(TEM)においても、図2の実施例にて示したフラッシング動作時の電解放出電子源の温度制御と、電源部の電源保護回路に図2の制御構成を追加することで、同様の実施は可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 :鏡体
2 :電子線
3 :試料
4 :電界放出電子源
5 :タングステンフィラメント
6 :電子銃室
7 :第一中間室
8 :第二中間室
9 :試料室
11 :引出電極
12 :加速電極
13 :対物レンズ
15 :電流検出部
16 :フラッシング電源
17 :制御器
18 :表示器
19 :操作器
20、21、22 :イオンポンプ
23 :NEGポンプ
24 :NEG加熱部
25 :ターボ分子ポンプ
26 :試料台
27、28、29 :粗排気バルブ
30 :電子銃加熱部
31 :絞り電極
32 :放出電子検出部
33 :高圧電源
34 :電源
35 :電源保護回路
36 :リレー
37、38 :抵抗
39 :電源ユニット
40、41 :偏向器
42 :高電圧制御部
43 :視野移動制御部
44 :検出信号処理部
45 :表示信号制御部
46 :メモリ
47 :CPU
48 :バスライン
49 :電極
50 :電極制御部

Claims (17)

  1. 電界放出電子源と、
    前記電界放出電子源から電子を引き出すための引出電極と、
    前記電界放出電子源から放射された電子を加速するための加速電極と、
    前記電界放出電子源と前記引出電極との間に印加する引出電圧と、前記電界放出電子源と前記加速電極との間に印加する加速電圧と、前記電界放出電子源を加熱するための加熱電圧とを供給可能な電源と、
    を備え、
    前記電源は、前記電源の上限値を切替えるための切替部を備え、前記電源は、前記引出電圧及び前記加速電圧を印加している間に前記切替部を制御することにより、前記引出電圧と前記加速電圧と前記加熱電圧とを同時に供給することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記加熱電圧より加熱される前記電界放出電子源の温度は、前記電界放出電子源の表面への吸着ガスを脱離させることが可能な温度以上で、かつ、前記電界放出電子源の先端に原子レベルの突起物が形成する現象が発生しない温度以下で制御されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2に記載の荷電粒子線装置において、
    前記加熱電圧より加熱される前記電界放出電子源の温度の範囲は、800℃から1500℃の範囲であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記電源は、2つの抵抗と前記切替部とを含む電源保護回路を備え、
    前記電源は、前記切替部により前記2つの抵抗を並列に接続することにより、前記引出電圧と前記加速電圧と前記加熱電圧とを同時に供給することを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記引出電圧及び前記加速電圧を印加している間の観察像を表示する表示装置をさらに備え、
    表示装置は、前記引出電圧と前記加速電圧と前記加熱電圧とを同時に供給する間に前記観察像を継続して表示することを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記電界放出電子源から放射された電子を偏向する偏向器を備え、
    当該偏向器は、前記加熱電圧の供給前後で得られる画像の変化に基づいて、電子線を偏向することを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項6に記載の荷電粒子線装置において、
    前記偏向器は、前記加熱電圧の供給前に得られる画像と、前記加熱電圧の供給中に得られる画像の比較に基づいて、電子線を偏向することを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項6に記載の荷電粒子線装置において、
    前記加熱電圧の供給前後における電子線照射位置を記憶するメモリを備え、
    前記偏向器は、前記メモリに記憶された前記電子線照射位置に基づいて、電子線を偏向することを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記電界放出電子源から放射された電子を偏向する電極を備え、
    当該電極は、前記加熱電圧の供給中に電子線を偏向させることを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 電界放出電子源と、
    前記電界放出電子源から電子を引き出すための引出電極と、
    前記電界放出電子源から放射された電子を加速するための加速電極と、
    前記電界放出電子源と前記引出電極との間に印加する引出電圧と、前記電界放出電子源と前記加速電極との間に印加する加速電圧と、前記電界放出電子源を加熱するための加熱電圧とを供給可能な電源と、
    前記電界放出電子源から放射された電子を偏向する偏向器と、
    前記引出電圧及び前記加速電圧を印加している間の観察像を表示する表示装置と、
    を備え、
    前記電源は、前記引出電圧と前記加速電圧と前記加熱電圧とを同時に供給し、
    前記表示装置は、前記引出電圧と前記加速電圧と前記加熱電圧とを同時に供給する間に前記観察像を継続して表示し、
    前記偏向器は、前記加熱電圧の供給中の画像に基づいて、前記加熱電圧の供給にかかる画像の歪みを補正するように電子線を偏向することを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 請求項10に記載の荷電粒子線装置において、
    前記電源は、前記電源の上限値を切替えるための切替部を備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 請求項10に記載の荷電粒子線装置において、
    前記加熱電圧より加熱される前記電界放出電子源の温度は、前記電界放出電子源の表面への吸着ガスを脱離させることが可能な温度以上で、かつ、前記電界放出電子源の先端に原子レベルの突起物が形成する現象が発生しない温度以下で制御されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  13. 請求項12に記載の荷電粒子線装置において、
    前記加熱電圧より加熱される前記電界放出電子源の温度の範囲は、800℃から1500℃の範囲であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  14. 請求項10に記載の荷電粒子線装置において、
    前記電源は、2つの抵抗と切替部とを含む電源保護回路を備え、
    前記電源は、前記切替部により前記2つの抵抗を並列に接続することにより、前記引出電圧と前記加速電圧と前記加熱電圧とを同時に供給することを特徴とする荷電粒子線装置。
  15. 請求項10に記載の荷電粒子線装置において、
    前記偏向器は、前記加熱電圧の供給前に得られた画像と、前記加熱電圧の供給中に得られる画像の比較に基づいて、電子線を偏向することを特徴とする荷電粒子線装置。
  16. 請求項10に記載の荷電粒子線装置において、
    前記加熱電圧の供給にかかる画像の歪みを記憶するメモリを備え、
    前記偏向器は、前記メモリに記憶された画像の歪みに基づいて、電子線を偏向することを特徴とする荷電粒子線装置。
  17. 請求項10に記載の荷電粒子線装置において、
    前記電界放出電子源から放射された電子を偏向する電極を備え、
    当該電極は、前記加熱電圧の供給中における電子線照射位置を試料外とすることを特徴とする荷電粒子線装置。
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