JP5856971B2 - 結晶性cdc7阻害剤塩 - Google Patents

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Description

本発明は、CDC7又はCDC7/CDKs阻害剤の新規結晶性塩、対応する遊離塩基の新規結晶形態、これらの調製方法、このような新規結晶性塩形態の、水和物、溶媒和物及び多形、治療におけるこれらの使用、並びにこれらを含有する医薬組成物に関する。
本出願人の名前で出願されたWO2007110344は、ヘテロ五員環、その調製方法、それらを含む医薬組成物並びに、とりわけ、癌及び細胞増殖性疾患の治療における治療剤としてのそれらの使用を記載し、特許権を請求する。場合により医薬として許容される塩の形態を採る代表的なヘテロ五員環化合物は、例えば、以下のとおりである。
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−o−トリル−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(2,3−ジメチル−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(2−クロロ−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(2−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(2,3−ジクロロ−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド;及び
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(2−フルオロ−4−クロロ−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド。
このような化合物には、タンパク質キナーゼ阻害活性、より具体的には、CDC7又はCDC7/CDKs阻害活性が与えられる。これらの化合物は、他のタンパク質キナーゼの阻害剤としても活性を有し、従って、他のタンパク質キナーゼが関連する疾病の治療において有効である。
より具体的には、このような化合物の発明は、様々な癌の及び細胞増殖性疾患の治療において有用である。
これらの化合物及びその類縁体は、例えば、上記特許出願WO2007110344に記載されているように調製することができる。
しかしながら、上記特許出願は、その中に例示されている化合物の幾つかの特定の塩形態のみを開示し、遊離塩基又は塩の何れの結晶形態に対する言及も記載されていない。
国際公開第2007/110344号
その中に記載されている1つの特定の化合物の幾つかの特定の医薬として許容される塩が公知の遊離塩基形態に比べて数多くの利点を有していることが、本発明において、予想外に見出され、さらに、このような塩は、このような塩を医薬製剤の調製に特に適しているものとする優れた製剤特性の特有の組み合わせを有していることが予想外に見出された。
実際、その中に記載されている特定の化合物は遊離塩基と同程度に有効であるが、実際的には、幾つかの酸の又は遊離塩基の結晶性塩形態で最も優れて投与され得る。
従って、第一の態様において、本発明の目的は、
式:
Figure 0005856971
及び化学名:
5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1H−ピロール−3−カルボン酸アミド又は
1H−ピロール−3−カルボキサミド、5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−(2,4−ジクロロフェニル)
を有する上記特許出願に記載されている化合物の1つの特定の結晶性塩を提供することである。
本出願において、別段の記載が無ければ、このような化合物はNMS−E354のコード名が与えられる。
従って、本発明は、NMS−354の、結晶性ヘミフマル酸塩、マレイン酸塩、塩酸塩、メシル酸塩、硫酸塩、L−アスパラギン酸塩、L−酒石酸塩若しくはリン酸塩又はこれらの水和物、溶媒和物及び多形に関する。
本発明の好ましい結晶性塩は、NMS−E354のヘミフマル酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩及び硫酸塩である。本発明は、特に、NMS−E354のマレイン酸塩及び硫酸塩、より好ましくはマレイン酸塩の、新規結晶性形態、溶媒和物及び水和物に関する。好ましくは、本発明は、結晶性NMS−E354マレイン酸塩及び硫酸塩、より好ましくは、結晶性マレイン酸塩に関する。
上述のように、本発明は、NMS−E354遊離塩基の新規結晶性形態にも関する。
NMS−E354の調製は、上記国際特許出願WO2007110344に記載されている。特に、NMS−E354は、その出願の実施例19、工程3の合成手順に従い、遊離塩基として調製され、実質的に、適切なカルボン酸誘導体は、所望のアミドを得るために、アンモニアの活性化された形態と縮合される。このようなカルボン酸誘導体は、ハロケトンのβ−ケトエステルとのカップリング、ハンチ反応及び加水分解を含む、実施例19、工程1及び2の手順に従って調製される。
NMS−E354を調製するための別の方法は、本出願人の名前で出願された国際特許出願WO2009133170、実施例1の工程IVに記載されており、酸性条件での適切なニトリル誘導体の加水分解及び塩基でのその後の処理を含む。
遊離塩基としてのNMS−E354は、水に溶けにくい化合物であり、0.01mg/mL未満の水への溶解度を示す。NMS−E354遊離塩基の溶解度は、5%デキストロース溶液中の10%Polysorbate80中で約4mg/mL、5%デキストロース溶液中の水性50%ポリエチレングリコール400中で約7mg/mLであり、塩酸又はリン酸インサイチュ塩として調合された場合に、約1÷2mg/mLである。NMS−E354遊離塩基は、約10mg/mLの水性ヒプロメロース懸濁液としても適している。従って、得られた遊離塩基は、初期薬理学的研究のための初期薬理学的及び毒性学的評価の間に投与を可能とするために、まず、共溶媒をベースとした水溶液、インサイチュ塩又はヒプロメロース懸濁液として調合される。
初期製剤アプローチの問題を解決するが、適用された製剤アプローチは、臨床で所望の最終的な治療用途に適した経口製剤を開発するのには適していなかった。
水分の取り込みは、医薬用粉末にとって重大な懸念である。水分は、例えば、薬物、賦形剤及び製剤の物理的、化学的及び製造特性に対して重大な影響を与えることが示されてきた。水分は梱包、保存、取り扱い及び保存期間に関する決定を行う上での主要な要素でもあり、開発の成功には、吸湿特性の正しい理解が必要とされる。
例えば、相対湿度が臨界値を超えると、無水物から水和物形態への転化が観察され得、固体中の水分含量が急速に増加する。これは、薬物自体の物理的及び医薬的特性に対して影響を与えるのみならず、その生物医薬的な観点にも影響を与える。
さらに、水和物形態は、通常、均質な非無水物の形態と比べて可溶性がより低い傾向があり、活性化合物自体の溶解速度特性に対して、及び消化管を通じたその吸収特性に対して有害な効果を有する可能性を秘める。同じように、湿気の存在下で、結晶性から非晶質形態への転化が観察される場合があり、物理的な安定性の観点で潜在的な短所となり得る。非晶質の活性薬物物質は、潮解性であれば、例えば、溶解するまで、大気から水の比較的大量を吸収することができるが、非晶質構造は、熱力学的に活性化されると、化学的分解及び他の化学種との化学的相互作用を受ける傾向がより大きいので、その化学的安定性が影響を受け得る。従って、製剤及び活性成分の両方の性能と有効性は著しく変化を受け得る。
しばしば、塩は、遊離塩基より高い吸湿性を示す。
さらに、所望の治療効果を有するために、薬物は、優れた薬物動態学的挙動を有するべきであり、特に、優れた生物学的利用可能性を示すべきである。生物学的利用可能性は、2つの基本的な特徴、すなわち、最大血漿濃度(Cmax)及び全身曝露(AUC)を捕捉する。当業者に周知であるように、最大血漿濃度とは、薬物の名目強度のどの程度が体内に入るか(吸収の程度)を意味し、全身曝露とは、薬物がどの程度速く全身循環に入るか(吸収の速度)を意味する。治療効果が患者の血中薬物濃度の関数であることに鑑みれば、非静脈内剤形のこれら2つの特性が、原理的に、薬物投与に対する応答を特定する上で重要である。
経口投薬後の生物学的利用可能性も、食事の性質と時期、年齢、疾病、遺伝的形質及び胃腸の生理学などの患者に関連する要因のためにも変動し得る。
従って、遊離塩基と比べてより安全で、有効な投与を可能とするために、改善された水溶性、低い吸湿性並びに優れた及び再現性の高い生物医学的特性が付与されたNMS−E354の形態に対する強い要望が治療において存在していた。
当業者に周知であるように、塩の形成は、溶解度特性の強化を必ずもたらすとは限らず(例えば、Shozo Miyazaki, et al.,International Journal of Pharmaceutics 1980;6(1),77−85)、溶解度及び/又は溶解及び/又は対イオン効果に対する感受性の観点で、異なる塩の挙動は、それぞれの薬物−対イオン対の特性に従って異なり得る。
驚くべきことに、本発明者らは、改善された物理化学的及び薬物動態学的特性を有するNMS−E354の新規塩及び新規結晶性形態を提供することによって、上記の技術的問題を解決した。
実際、新規塩は、高い水溶性を有する迅速に溶解する結晶性の固体であり、さらに、これらの塩は低い又は中程度に吸湿性であり、取り扱い、保存及び製剤化などの点で重要な利点を大いに導入する。最後に、これらの塩は、インサイチュ塩又はmethocel懸濁液として調合されたときに遊離塩基によって示される全ての他の利点、とりわけ、治療上の利点を有していることに加えて、遊離塩基の薬物動態学的特性より驚くほど優れた薬物動態学的特性を有している。
驚くべきことに、NMS−E354塩及び遊離塩基の新しい形態は、結晶性であることが見出され、証明された。予想外に、本発明の塩は低い吸湿性を有し、公知の遊離塩基の吸湿性と同等である。
従って、本発明者らは、改善された物理化学的特性を有するNMS−E354の塩の新規結晶形態及び遊離塩基の結晶形態を提供することによって、上記技術的課題を解決した。実際、新規塩は、充分な水溶性を有する結晶性の非吸湿性固体であり、共溶媒をベースとする水溶液、インサイチュ塩又はヒプロメロース懸濁液として調合されたときに遊離塩基によって示される他の好ましい特性の全て、特に、治療的に好ましい特性を有することに加えて、取り扱い、保存及び製剤化などにおいて重要な利点を大いに導入する。
結晶性粉末であるという特性のために、これらの形態は、医薬の開発に特に適したものとなる。
本発明は、以下に記載されている添付の図面を参照することによっても説明される。
実施例1から3に従って調製された、NMS−E354遊離塩基形態I(A)、ヘミフマル酸塩形態I(B)、マレイン酸形態I(C)、塩酸塩形態I(D)、メシル酸塩形態I(E)、硫酸塩形態I(F)、L−アスパラギン酸塩形態I(G)、L−酒石酸塩形態I(H)、リン酸塩形態I(I)塩のX線回折データを示す。X線回折データのグラフは、x軸上に2−θ角度(deg)を示しており、強度(CPS)はy軸上に示されている。 実施例1に従って調製された標準としてのNMS−E354遊離塩基形態I(A);実施例4に従って調製された、マレイン酸塩形態I(B)、ヘミフマル酸塩形態I(C)、メシル酸塩形態I(D)、硫酸塩形態I(E)塩のX線回折データを示している。X線回折データのグラフは、x軸上に2−θ角度(deg)を示しており、強度(CPS)はy軸上に示されている。 実施例5に従って調製されたNMS−E354マレイン酸塩形態IのX線回折データを示している。X線回折データのグラフは、x軸上に2−θ角度(deg)を示しており、強度(CPS)はy軸上に示されている。 実施例1から3に従って調製された、結晶性NMS−E354遊離塩基形態I(A)、ヘミフマル酸塩形態I(B)、マレイン酸形態I(C)、塩酸塩形態I(D)、メシル酸塩形態I(E)、硫酸塩形態I(F)、L−アスパラギン酸塩形態I(G)、L−酒石酸塩形態I(H)、リン酸塩形態I(I)塩のDSC(示差走査熱量測定)サーモグラムを示している。サーモグラムは、x軸上に温度(℃)を報告し、y軸上に、標準化された熱流(W/g)が報告されている。 実施例1に従って調製されたNMS−E354遊離塩基形態I(A);実施例4に従って調製された、マレイン酸塩形態I(B)、ヘミフマル酸塩形態I(C)、メシル酸塩形態I(D)、硫酸塩形態I(E)塩のDSCサーモグラムを示している。サーモグラムは、x軸上に温度(℃)を報告し、y軸上に、標準化された熱流(W/g)が報告されている。 実施例5に従って調製されたNMS−E354マレイン酸塩形態IのDSCサーモグラムを報告する。サーモグラムは、x軸上に温度(℃)を報告し、y軸上に、熱流(mW)が報告されている。
本発明の、L−アスパラギン酸塩、ヘミフマル酸塩、塩酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、リン酸塩、硫酸塩及びL−酒石酸塩から選択されるNMS−E354塩の新規結晶形態は結晶性であることが明らかとなり、これらの形態を医薬開発に特に適したものとしている。
NMS−E354のこのような塩は、適切な溶媒中に溶解された遊離塩基に対イオンの溶媒又は水溶液を所望の化学量論で添加することにより、公知の類似の方法によって取得することができる。このような溶媒は水又はメタノール、エタノール及びこれらの混合物から好ましく選択される有機(特に無水の)溶媒である。必要であれば、得られた塩の沈殿又は結晶化は、無水の非極性溶媒、例えば、ジエチルエーテル、n−ヘキサン又はシクロヘキサンを添加し、又は無水の非極性溶媒中で再び作業することによって好ましく行われ得る。
特に、NMS−E354遊離塩基の分取試料は、適切な溶媒の適切な量の中に、室温で溶解され得、所望の名目濃度を得る。次いで、同じ温度でこのようにして調製されたNMS−E354遊離塩基溶液へ対イオンの適切な量を添加することによって、塩の形成を行うことができる。結晶化は、溶液を冷却し、続いて、充分な静止時間維持することによって行われる。出発材料として使用される遊離塩基は、上に引用される国際出願に記載されているように調製されたものであり得、又は以下に記載されているように調製された結晶性形態(I)であり得る。
得られた沈殿は、真空ろ過によって集められ、乾燥される。結晶化を助けるために、溶液は、場合によって、蒸発によって濃縮され得る。所望の結晶性形態を単離するために、再結晶のさらなる工程(例えば、ジエチルエーテルなどの無水非極性溶媒中に倍散された化合物)を実施することが可能である。
NMS−E354及び酸性対イオンの化学的同定は、HNMRによって実施することができる。
別の態様において、本発明は、公知の形態から出発し、適切な溶媒中での結晶化の類似の手法を用いた後、所望の結晶性形態の単離及び乾燥から調製することができるNMS−E354遊離塩基の新規結晶性形態に関する。
本発明によれば、結晶性の塩及び遊離塩基の定義は、これらの水和物、溶媒和物及び多形も含む。
本発明のさらなる目的は、上記NMS−E354の何れかの塩又は遊離塩基の、好ましくはマレイン酸塩又は硫酸塩の、より好ましくはマレイン酸塩の結晶性形態、溶媒和物又は水和物を活性成分として含み、並びに医薬として許容される賦形剤及び/若しくは担体を含む医薬組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、医薬として、特に、CDC7又はCDC7/CDKs阻害剤として使用するための、上記NMS−E354の何れかの塩又は遊離塩基の、好ましくはマレイン酸塩又は硫酸塩の、より好ましくはマレイン酸塩の結晶性形態、溶媒和物又は水和物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、CDC7又はCDC7/CDKs阻害によって治療可能な病状に罹患している哺乳動物(ヒトを含む。)の治療において使用するための、上記NMS−E354の何れかの塩又は遊離塩基の、好ましくはマレイン酸塩又は硫酸塩の、より好ましくはマレイン酸塩の結晶性形態、溶媒和物又は水和物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、ヒトを含む哺乳動物に、上記NMS−E354の何れかの塩又は遊離塩基、好ましくは、マレイン酸塩又は硫酸塩、さらに好ましくはマレイン酸塩の結晶性形態、溶媒和物又は水和物の治療的有効量を投与することを含む、CDC7又はCDC7/CDKs阻害を必要としている前記哺乳動物を治療する方法を提供することである。
さらに、本発明は、癌などの細胞増殖性疾患、ウイルス感染、自己免疫疾患及び神経変性疾患を意味するCDC7又はCDC7/CDKs阻害によって治療可能な病状に罹患している哺乳動物(ヒトを含む。)を治療するための、上記NMS−E354の何れかの塩又は遊離塩基の、好ましくはマレイン酸塩又は硫酸塩の、より好ましくはマレイン酸塩の結晶性形態、溶媒和物又は水和物に関する。
従って、上記NMS−E354の何れかの塩又は遊離塩基の、好ましくはマレイン酸塩又は硫酸塩の、さらに好ましくはマレイン酸塩の結晶性形態、溶媒和物又は水和物は、単独で又は他の治療剤と共同で、CDC7若しくはCDC7/CDKs阻害によって治療可能な病状に罹患している哺乳動物(ヒトを含む。)を治療するために、又はこのような治療用医薬の調製において有用である。
従って、本発明は、CDC7又はCDC7/CDKs阻害によって治療可能な病状の治療用の医薬を製造するための、上記NMS−E354の何れかの塩又は遊離塩基の、好ましくはマレイン酸塩又は硫酸塩の、より好ましくはマレイン酸塩の結晶性形態、溶媒和物又は水和物の使用も提供する。
「治療可能な病状」という用語は、本発明の治療がその病状の寛解若しくは安定化を与え、又は少なくとも治療を受けている哺乳動物の状態及び生活の質が改善されることを意味する。より具体的には、本発明の化合物は、膀胱、乳房、大腸、直腸、腎臓、肝臓、肺(小細胞肺癌を含む。)、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、子宮頚部、甲状腺、前立腺及び皮膚(扁平上皮細胞癌を含む。)などの癌腫;白血病、急性及び慢性リンパ芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫及び多発性骨髄腫を含むリンパ系統の造血性腫瘍;急性及び慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群を含む、骨髄系の造血性腫瘍;繊維肉腫及び横紋筋肉腫を含む間葉起源の腫瘍;星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫及びシュワン細胞腫を含む、中枢及び末梢神経系の腫瘍;悪性黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫(keratoxanthoma)、甲状腺濾胞癌及びカポジ肉腫を含むその他の腫瘍を含む(但し、これらに限定されない。)様々な癌の治療において有用である。
細胞増殖の制御におけるタンパク質キナーゼ、特に、CDC7又はCDKsの中心的役割の故に、これらのヘテロ五員環は、例えば、両性前立腺過形成、家族性腺腫症、ポリープ症、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症を伴う血管平滑細胞増殖、肺繊維症、関節症糸球体腎炎並びに手術後狭窄及び再狭窄などの様々な細胞増殖性疾患の治療においても有用である。
有効用量のNMS−E354の結晶性塩及び遊離塩基は、疾病、疾患の重度及び治療されるべき患者の状態に従って変動し得る。従って、医師は、いつものように、各患者に対して最適な用量を設定しなければならない。何れにしろ、有効投薬量の範囲は、単回又は複数回分割した一日投薬量として、約10から約1000mg/投薬、1日に1から10回、好ましくは、約20mg/m/日から約200mg/m/日(遊離塩基として計算される。)であり得る。例えば、化合物は、それぞれ2週間又は3週間おきに、7日又は14日間連続で経口投与され得る。
上記NMS−E354の何れかの塩又は遊離塩基の、好ましくはマレイン酸塩又は硫酸塩の、より好ましくはマレイン酸塩の結晶性形態、溶媒和物又は水和物は、直ちに経口的に吸収され、従って、好ましくは、経口的に投与される。言うまでもないが、本発明の化合物は、あらゆる他の投与経路、例えば、非経口、局所、直腸及び経鼻経路によっても投与され得る。
NMS−E354の好ましいヘミフマル酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、硫酸塩は、低い吸湿性と高い融解挙動を示す物質である。
NMS−E354の塩は、遊離塩基と比較して改善した水溶性を示し、例えば、マレイン酸及び硫酸塩の0.9%NaCl溶液中での溶解度は、それぞれ、0.07から0.15mg/mLである。
改善された水溶性を示すという利点に加えて、NMS−E354の塩、とりわけ、マレイン酸塩及び硫酸塩は、明確な酸/塩基比で再現性よく製造されるのにも特に適している。
この発見のため、これらの塩は経口及び静脈内製剤用の液体製剤注での使用に特に適したものとなっている。
Figure 0005856971
第2および第5番目の列における参照は、
−該当するPXRD及びDSCの図面の番号
−図面内に2以上の曲線が存在する場合には、曲線を特定する大文字
から形成される。
別段の記載がなければ、本明細書を通じて、同種の参照が使用される。好ましい実施形態において、NMS−E354の実質的に純粋な1:1のマレイン酸塩の形態Iは、図3に示されているX線回折ダイアグラムを示している。
上表1に記載されている約2θ値(deg)に著しいピーク強度を有する、図3に示されている種類のX線回折ダイアグラムを示すNMS−E354の1:1マレイン酸塩の形態Iも、極めて好ましい。
さらなる物質(他の結晶形態、賦形剤)を一切含まない試料では、下表2に記載されている約2θ値(deg)に回折のピークを観察することができるはずである。
別の好ましい実施形態において、NMS−E354の実質的に純粋な1:1の硫酸塩の形態Iは、図2Eに示されているX線回折ダイアグラムを示している。
上表1に記載されている2θ値(deg)にピーク強度を有する、図2Eに示されている種類のX線回折ダイアグラムを示すNMS−E354の1:1硫酸酸塩の形態Iも、極めて好ましい。さらなる物質(他の結晶形態、賦形剤)を一切含まない試料では、下表3に記載されている約2θ値(deg)に回折のピークを観察することができるはずである。
別の好ましい実施形態において、NMS−E354の実質的に純粋な1:1のメシル酸塩の形態Iは、図2Dに示されているX線回折ダイアグラムを示している。
上表1に記載されている2θ値(deg)にピーク強度を有する、図2Dに示されている種類のX線回折ダイアグラムを示すNMS−E354の1:1メシル酸塩の形態Iも、極めて好ましい。さらなる物質(他の結晶形態、賦形剤)を一切含まない試料では、下表4に記載されている約2θ値(deg)に回折のピークを観察することができるはずである。
別の好ましい実施形態において、NMS−E354の実質的に純粋な1:1のヘミフマル酸塩の形態Iは、図2Cに示されているX線回折ダイアグラムを示している。
上表1に記載されている2θ値(deg)にピーク強度を有する、図2Cに示されている種類のX線回折ダイアグラムを示すNMS−E354のヘミフマル酸塩の形態Iも、極めて好ましい。さらなる物質(他の結晶形態、賦形剤)を一切含まない試料では、下表5に記載されている約2θ値(deg)に回折のピークを観察することができるはずである。
別の好ましい実施形態において、実質的に純粋なNMS−E354遊離塩基の結晶形態Iは、図2Aに示されているX線回折ダイアグラムを示している。
上表1に記載されている2θ値(deg)にピーク強度を有する、図2Aに示されている種類のX線回折ダイアグラムを示すNMS−E354の遊離塩基の形態Iも、極めて好ましい。さらなる物質(他の結晶形態、賦形剤)を一切含まない試料では、下表6に記載されている約2θ値(deg)に回折のピークを観察することができるはずである。
実質的に純粋なとは、本発明の結晶形態が少なくとも90%の純度を有することを意味する。より好ましくは、本発明の結晶形態は少なくとも95%の純度を有し、最も好ましくは、NMS−E354の酸付加塩又は遊離塩基の結晶の少なくとも99重量%が本発明の結晶形態中に存在する。
結晶性NMS−E354塩及び遊離塩基の溶解度
NMS−E354塩の溶解度の測定は、以下の手順を用いて行われてきた。10mg/mLの目標濃度を考慮した過剰の固体の条件で、0.9%NaCl溶液中、室温で4時間、結晶性NMS−E354塩又は遊離塩基の既知量を撹拌した。得られた調製物をろ過し、HPLCを用いて分析した。結果は、以下の表1aに報告されている。
Figure 0005856971
粉末X線回折(PXRD)を用いた分析の結果
NMS−E354塩は、Thermo/ARLXTRA装置を使用し、室温で、5°と40°2θの間で、CuKα源(45kV、40mA、1.8kW−Kα1照射、波長λ=1.54060Å)を用いて粉末試料を照射して実施した粉末X線回折(PXRD)によって性質決定した。
走査速度は、1.20°/分であった(1秒/ステップのカウント時間で、0.020°ステップ)。
X線回折図では、回折2θの角度は、水平軸(x軸)上に、線強度は垂直軸(y軸)にプロットされている。
NMS−E354の塩及び遊離塩基の結晶性形態に関してX線粉末回折のピークを特定しているパラグラフにおいて、ピークの正確な位置(すなわち、表記されている2θ角度の値)を表すために「・・・表中に報告されている約2θの角度に」という表現において、使用されている「約・・・に」という用語は、当業者によって理解されるとおり、機械ごとに、試料ごとに、又は適用される測定条件の僅かな変動の結果として、ピークの正確な位置は僅かに変動し得るので、絶対的な値であると解釈すべきでない。
前パラグラフにおいて、NMS−E354の塩及び遊離塩基の結晶性形態は、図1、2及び3に示されているX線粉末回折パターンと「実質的に」同じX線粉末回折パターンを提供し、表1、2、3、4、5及び6に示されている2θ角度の値に実質的に最も顕著なピークを有するとも記載されている。この文脈における「実質的に」という用語の使用も、機械ごとに、試料ごとに、又は適用される測定条件の僅かな変動の結果として、X線粉末回折パターンの2θ角度の値が僅かに変動し得、従って、図面に示されている又は表中に引用されているピークの位置は、同様に、絶対的な値と解釈すべきでないことが意図されることを理解しなければならない。この点に関して、測定条件(使用される装置、試料の調製又は機械など)に応じて、1つ又はそれ以上の測定誤差を有するX線粉末回折パターンが得られ得ることが本分野において公知である。特に、測定条件及び試料の調製に応じて、X線粉末回折パターンの強度が変動し得ることが一般に知られている。
例えば、X線粉末回折の当業者は、試料の分析に影響を与え得る、例えば、約50ミクロンの粒子サイズ及び単一でない縦横比によって、ピークの相対強度が影響を受け得ることを認める。
当業者は、試料が回折装置内で配置される正確な高さ及び回折装置のゼロ較正によって、反射の位置が影響を受け得ることも認め得る。
試料の表面の平面性も、小さな効果を有し得る。
従って、当業者は、本明細書に記されている回折パターンデータを絶対的なものと解釈すべきでないことを理解する(さらなる情報については、“Fundamentals of Powder Diffraction and Structural Characterization, Pecharsky and Zavalij, Kluwer Academic Publishers, 2003”を参照されたい。)。従って、本発明に記載されているNMS−E354の塩及び遊離塩基の結晶性形態は、図1、2及び3に示されているX線粉末回折パターンと同一のX線粉末回折パターンを与える結晶に限定されないこと、並びに図1、2及び3に示されているものと実質的に同じX線粉末回折パターンを与える全ての結晶が本発明の範囲に属することを理解しなければならない。
X線粉末回折の当業者は、X線粉末回折パターンの実質的同一性を判断することができる。
一般に、X線粉末回折図中の回折角度の測定誤差は、約2θ=0.5deg又はそれ以下(又は、より好適には、約2θ=0.2deg若しくはそれ以下)であり、図1、2及び3のX線粉末回折パターンを検討する場合に並びに本文中及び表1、2、3、4、5及び6中の両方で引用されているピーク位置を解釈する場合に、測定誤差のこの程度を考慮に入れるべきである。
従って、例えば、NMS−E354の塩及び遊離塩基が約2θ=5.3deg(又は記載されている他の角度の何れか1つ)に少なくとも1つの特異的なピークを有するX線粉末回折パターンを有すると述べられている場合、これは、2θ=5.3deg±0.5deg又は2θ=5.3deg±0.2degであると解釈することができる。
NMS−E354マレイン酸塩、硫酸塩、メシル酸塩、ヘミフマル酸塩、塩酸塩及び遊離塩基の主なX線回折ピークの2θ角度が上表1に記載されているのに対して、データ群全体が表2、3、4、5及び6に表されている。
Figure 0005856971
Figure 0005856971
Figure 0005856971
Figure 0005856971
Figure 0005856971
示差走査熱量測定(DSC)を用いた分析結果
DSC分析は、Perkin−ElmerDSC−7装置を用いて実施した。アルミニウムDSC皿に、試料約2mgを載せた。分析の温度範囲は、30°と350℃の最大値の間であった。10℃/分の加熱速度で、窒素流の下、試料を分析した。
NMS−E354マレイン酸塩の観察された融解吸熱は、約217℃(ピーク温度)であり、約148J/gのデルタHfを示していた(図6参照)。
DSCを用いた固体状態の性質決定に関するさらなる態様として、NMS−E354のL−アスパラギン酸、リン酸及びL−酒石酸塩は、PXRDによって、結晶物質として性質決定され、複雑なDSC特性を示すことが見出された(図2参照)。このような塩は、脱溶媒和/脱水過程を伴う熱遷移を経た後、DSC融解ピーク温度によって性質決定された脱溶媒和(desolved)/脱水された形態の融解を受ける。例えば、分解が起こると、その後にさらなる熱遷移が起こり得る。
DSCの開始及び/又はピーク温度の値は、機械ごとに、方法ごとに、又は試料ごとに僅かに変動し得、従って、引用されている値は絶対的なものと解釈すべきでないことが理解される。実際、観察される温度は、温度変化の速度並びに使用される試料調製技術及び具体的な装置に依存する。このような異なる条件に適用して得られる温度の値はプラス又はマイナス約4℃変動し得ることが推測され、考慮に入れられる。
動的水蒸気吸着(DVS)を用いた分析の結果
結晶性NMS−E354塩及び遊離塩基の水の取り込みは、DVS1000(SMS)を用いた吸湿性検査に、このような物質の試料を供することによって調べた。秤量された試料が、一定の調節された温度で相対湿度(RH)のプログラムされた変動に曝露される場合に、装置は「雰囲気制御微重量天秤」である。Excelのワークシート中に報告されている測定されたパラメータ(重量、時間及び相対湿度)は、検査された相対湿度の範囲にわたって吸湿性曲線を取得することを可能にする。0%と90%の相対湿度間での吸着/脱着サイクルは、25℃の調節された温度で行うことができる。相対湿度の段階的変動は10%及び3%であり得、試料重量の平衡状態で、ソフトウェアによって実施される。この条件は、%重量変動の一定速度(例えば、0.005%/分)で定義することができる。実験結果は、好ましいNMS−E354の塩、マレイン酸塩、硫酸塩、メシル酸塩、ヘミフマル酸塩が2%以下の低いないし中程度の水の取り込みによって特徴付けられることを示す。これらの化合物は、低い吸湿性を有すると考えることができ、25℃で最大90%の相対湿度(RH)の変更に供せられたときに低い吸湿性を有する物質である結晶性遊離塩基と同様の挙動を示す。
NMRの同定分析
HNMR実験は、499.8MHzで作動するVarianInova500分光光度計上にて、28℃の一定温度で行った。各試料の少量をDMSO−dの0.75mL中に溶解し、その後の分析のために、5mmNMRチューブの中に移した。分析によって、分子及び対イオンの両方の予想化学構造を確認することが可能となる。
本発明のさらなる態様によれば、ヒトを含む哺乳動物に投与するために、本分野で公知の医薬形態の何れかで、本分野で公知の方法に従って、医薬組成物を調合することが可能である。
当業者は、以下に記載されているデータ及び実験例から、本発明に記載されているNMS−E354の新しい塩は、治療における新しい、改善された貴重なツールであることを理解する。
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、通常、慣用の方法に従って調製され、適切な医薬形態で投与される。
例えば、固体経口形態は、希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、サッカロース、スクロース、セルロース、コーンスターチ又は芋デンプン;潤滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム若しくはカルシウム及び/又はポリエチレングリコール;流動促進剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素;結合剤、例えば、スターチ、アラビアゴム、ゼラチンメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はポリビニルピロリドン;崩壊剤、例えば、デンプン、アルギン酸、アルギナート又はデンプングリコール酸ナトリウム、;発泡性混合物;色素;甘味料;レシチン、ポリソルベート、ラウリル硫酸などの湿潤剤;並びに、医薬製剤中で使用される無毒で、及び薬理学的に不活性な物質全般を活性化合物とともに含有し得る。これらの医薬調製物は、公知の様式で、例えば、混合、顆粒化、錠剤化、糖衣又はフィルムコーティング工程で製造され得る。経口投与用の液体分散物、例えば、シロップ、エマルジョン及び懸濁液であり得る。
一例として、シロップは、担体として、サッカロース又はグリセリン及び/若しくはマニトールを加えたサッカロース及びソルビトールを含有し得る。
懸濁液及びエマルジョンは、担体の例として、天然のゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はポリビニルアルコールを含有し得る。
筋肉内注射用の懸濁液又は溶液は、活性化合物とともに、医薬として許容される担体、例えば、滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール(例えば、プロピレングリコール)及び、所望であれば、塩酸リドカインの適量を含有し得る。
静脈内注射又は注入用の溶液は、担体として、無菌水を含有し得、又は好ましくは、無菌、水性、等張、生理的食塩水溶液の形態であり得、又は担体として、プロピレングリコールを含有し得る。座薬は、活性化合物とともに、医薬として許容される担体、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤又はレシチンを含有し得る。
例えば、医薬として許容される希釈剤又は担体とともに、本明細書中に定義されているNMS−E354の塩を含む医薬組成物。
以下の実施例によって、本発明を例示する。
温度は、摂氏(℃)で測定される。
別段の記載がなければ、反応又は実験は室温で行われる。
略号
RT:室温
RH:相対湿度
[実施例1]
NMS−E354遊離塩基の結晶形態I
還流しているメタノール(75容量)中の(WO2007110344の実施例19、工程1から3に記載されているように調製された)遊離塩基の溶液を脱色活性炭(10%w/w)で処理した。熱い混合物をろ過し、透明なろ液を20時間、+4℃に保った。ろ過により、沈殿した固体を集め、ジエチルエーテル(5容量)を用いてフィルター上で洗浄し、+50℃で真空下にて乾燥させ、結晶化された産物を白色固体として得た。
[実施例2]
NMS−E354マレイン酸塩
メタノール10mL中に、室温で、NMS−E354遊離塩基(約40mg)の分取試料を溶解し、約4mg/mLの名目濃度を得た。調製されたNMS−E354遊離塩基溶液に、室温で、メタノール中に溶解されたマレイン酸の等モル量を添加することによって、塩の形成を行った。
結晶化の冷却は、約24から36時間の放置時間で、−30℃で行った。
真空ろ過により、得られた沈殿を集め、真空下、40℃で乾燥した。
[実施例3]
NMS−E354塩
実施例2と同様の操作で、但し、溶媒(メタノール、エタノール又は水)中の適切な酸性対イオンの等モル量を用いて、以下の塩も調製した。
NMS−E354L−アスパラギン酸塩、NMS−E354ヘミフマル酸塩、NMS−E354塩酸塩、NMS−E354メシル酸塩、NMS−E354リン酸塩、NMS−E354硫酸塩及びNMS−E354L−酒石酸塩。
結晶化が起こらなかった場合に、穏やかな窒素流下で、室温で蒸発させることによって、溶液を濃縮して、沈殿させた。幾つかの事例では、膠質の残留物から開始して結晶又は少なくとも粉末状の試料を単離するために、再結晶化のさらなる工程(例えば、ジエチルエーテル中で倍散された化合物)を必要とした。得られた化合物中のNMS−E354及び酸性対イオンの化学的同定は、上に記載されているように、HNMRを用いて行った。
[実施例4]
NMS−E354マレイン酸塩、硫酸塩、メシル酸塩、ヘミフマル酸塩及び塩酸塩
NMS−E354遊離塩基(372mg、1.07mmol)を加温したメタノール(60mL)中に溶かし、次いで、室温まで冷却した。フマル酸の場合には、メタノール又は水の中に溶解された適切な酸(1.05当量)を撹拌下で添加した。得られた混合物を4℃で48時間放置し、次いで、真空中で半分の容積になるまで濃縮した。固体をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、最後に真空下で40℃で乾燥し、所望の塩を得た。
[実施例5]
NMS−E354マレイン酸塩
エタノール95%60L中で、還流下及び撹拌下で、NMS−E354遊離塩基710gを20分間加熱し、出発材料(約12g/Lの濃度)を完全に溶解した。
マレイン酸(250g)の約1当量をエタノール95%1.45L(約170g/Lの濃度)中に溶解し、遊離塩基の溶液に添加した。10分還流した後に(塩の沈殿も、還流から10分後に開始した。)、加熱を中断し、約25℃まで混合物を自発的に冷却した。
加熱中断後、混合物を約21時間撹拌し、エタノール95%1.5Lでろ過洗浄し、次いで、外部温度を50℃に設定しながら、真空下で乾燥させ、表題化合物564gを得た。
[実施例6]
2.5から60mgの強度範囲の硬ゼラチンカプセルの調製
表7に報告されているパーセント範囲の他の賦形剤を活性化合物と一緒に混合しながら、本発明の化合物を含有する経口医薬組成物を慣用の方法で調製した。
Figure 0005856971

Claims (7)

  1. ヘミフマル酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩および硫酸塩から選択される、式:
    Figure 0005856971
    を有する化合物NMS−E354の塩の結晶形態、または該結晶形態の水和物、溶媒和物もしくは多形。
  2. マレイン酸塩及び硫酸塩から選択される、請求項1に記載の化合物NMS−E354の塩の結晶形態。
  3. 請求項1に記載の化合物NMS−E354のマレイン酸塩の結晶形態。
  4. 活性成分としての請求項1からのいずれか一項に記載のNMS−E354の何れかの塩結晶形態、溶媒和物又は水和物と、医薬として許容される賦形剤及び/又は担体とを含む、医薬組成物。
  5. 医薬として使用するための、請求項1からのいずれか一項に記載のNMS−E354の何れかの塩結晶形態、溶媒和物又は水和物。
  6. 医薬がCDC7又はCDC7/CDKs阻害剤として有用である、請求項に記載の、使用のための、請求項1からのいずれか一項に記載のNMS−E354の何れかの塩結晶形態、溶媒和物又は水和物。
  7. CDC7又はCDC7/CDKs阻害によって治療可能な病状の治療のための医薬の製造のための、請求項1からのいずれか一項に記載のNMS−E354の何れかの塩結晶形態、溶媒和物又は水和物の使用。
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