JP2022519081A - ロガラチニブ塩酸塩の一水和物およびその固体状態 - Google Patents

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Abstract

一水和物である[4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン塩酸塩]の結晶形態、その調製のための方法、それを含む医薬組成物および障害の制御におけるその使用。

Description

がんが発生する方法は多くあり、それががんの治療が難しい理由の一つである。細胞の形質転換が起こり得る一方法は、遺伝子の変化に伴うものである。ヒトゲノムプロジェクトの完了により、ヒトがん遺伝子のゲノム不安定性および不均一性が示された。これらの遺伝子変化を識別するための最近の戦略が、がん遺伝子の発見のプロセスを加速させた。遺伝子異常は、例えば、タンパク質の過剰発現を引き起こし、したがってこれらのタンパク質の非生理学的活性化を引き起こし得る。多数の腫瘍性タンパク質が生じる由来するタンパク質のファミリーの一つが、チロシンキナーゼ、特に受容体型チロシンキナーゼ(RTK)である。過去20年間で、がんにつながる有害な細胞増殖での、RTKに媒介されるシグナル伝達の重要性を多数の研究手段により実証されてきた。近年、新しいクラスの抗腫瘍剤としてチロシンキナーゼの選択的小分子阻害剤を用いて、臨床で有望な結果が達成されている[Swinney and Anthony,Nature Rev.Drug Disc.10(7),507-519(2011)]。
線維芽細胞増殖因子(FGF)およびその受容体(FGFR)は、胚発生および成人の病態生理学の多様な局面を含むさまざまな生物学的プロセスにおいて重要な役割を果たす、特有で多様なシグナル伝達系の一部をなす[Itoh and Ornitz,J.Bio-chem.149(2),121-130(2011)]。時空間的に、FGFはFGFR結合を通じて、遊走、増殖、分化、および生存をはじめとする幅広い細胞機能を刺激する。
FGFファミリーは、細胞表面で発現する4つの高度に保存された受容体チロシンキナーゼ(FGFR-1から-4)に結合する18の分泌型ポリペプチド増殖因子で構成されている。さらに、FGFR-5はFGFに結合することができるが、キナーゼドメインをもたないため、細胞内シグナル伝達が行われない。リガンド/受容体相互作用の特異性は、代替的な転写開始、選択的スプライシング、およびC末端切断によって複数のイソ型を生じさせる、いくつかの転写および翻訳プロセスによって強化される。さまざまなヘパラン硫酸プロテオグリカン(例えば、シンデカン)が、FGF/FGFR複合体の一部であり、シグナル伝達応答を誘導するFGFの能力に強い影響を及ぼし得る[Polanskaら,Developmental Dynamics 238(2),277-293(2009)]。FGFRは、3つの細胞外免疫グロブリン様ドメイン、シングルパス膜貫通ドメイン、および細胞内二量体化チロシンキナーゼドメインからなる細胞表面受容体である。FGFの結合により、細胞内キナーゼが近接し、互いにトランスリン酸化することが可能になる。7つのリン酸化部位が識別されている(例えば、FGFR-1では、Tyr463、Tyr583、Tyr585、Tyr653、Tyr654、Tyr730、およびTyr766)。
これらのホスホチロシン基の一部は、FGFRによってそれ自体も直接リン酸化され得る下流のシグナル伝達分子のドッキング部位として働き、複数のシグナル伝達経路の活性化をもたらす。したがって、MAPKシグナル伝達カスケードは、細胞増殖および分化に関与し、PI3K/Aktシグナル伝達カスケードは、細胞生存および細胞運命決定に関与する一方、PI3KおよびPKCシグナル伝達カスケードは、細胞極性の制御に機能を有する。FGFシグナル伝達のいくつかのフィードバック阻害剤が現在識別されており、それには、Spry(Sprouty)およびSef(FGFと同様に発現)ファミリーのメンバーが含まれる。さらに、特定の条件では、FGFRはプレゴルジ膜からサイトゾルに放出される。受容体およびそのリガンドであるFGF-2は、インポーチンを含む機構によって核内に共輸送され、遺伝子活性化ゲート開閉因子として作用する共通かつ必須の転写共役因子であるCREB結合タンパク質(CBP)複合体に関与する。FGF-2、FGFR-1およびFGFR-2の免疫組織化学発現と、それらの細胞質および核腫瘍細胞局在化との間の多重相関が観察されている。例えば、肺腺癌では、この関連性は核レベルでも見出され、核での複合体の積極的な役割を強調する[Korc and Friesel、Curr.Cancer Drugs Targets 5、639-651(2009)]。
FGFは、発生中の組織と成体組織の両方で広く発現しており、組織発生、組織再生、血管新生、腫瘍性形質転換、細胞遊走、細胞分化、および細胞生存をはじめとする多様な正常過程および病理学的過程で重要な役割を果たす。さらに、血管新生促進因子としてのFGFは、血管内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2)阻害に対する抵抗性の発生現象にも関与していた[Bergers and Hanahan、Nat.Rev.Cancer 8、592-603(2008)]。
最近のシグナル伝達ネットワークの腫瘍ゲノムプロファイルにより、一部の一般的なヒトがんの発生における異常なFGFシグナル伝達の重要な役割が示された[Wescheら、Biochem.J.437(2)、199-213(2011)]。リガンド非依存性FGFRの構成的シグナル伝達は、多くのヒトがん、例えば脳がん、頭頸部がん、胃がんおよび卵巣がんなどで記載されている。FGFRの変異型ならびにFGFRの遺伝子内転座は、骨髄増殖性疾患などの悪性腫瘍において識別されている。興味深いことに、多くの発達障害の原因であることが見出された同じ変異が腫瘍細胞でも見出されている(例えば、軟骨無形成症およびタナトフォリック骨異形成症に見出される、FGFR-3の二量体化、したがって構成的活性化を引き起こす変異は、膀胱がんにもしばしば見出される)。二量体化を促進する変異は、FGFRからのリガンド非依存性シグナル伝達を増加させ得る機構の1つに過ぎない。FGFRのキナーゼドメインの内部または外部に位置する他の変異は、ドメインの立体構造を変化させ、持続的に活性なキナーゼを生じさせることができる。
FGFR-1のゲノム位置である染色体領域8p11-12の増幅は、乳がんにおいてよく見られる局所的増幅であり、乳がんの約10%で、主にエストロゲン受容体陽性のがんで発生する。FGFR-1の増幅は、非小細胞肺扁平上皮癌でも報告されており、卵巣がん、膀胱がん、および横紋筋肉腫では発生率が低いことがわかっている。同様に、胃がんの約10%はFGFR-2増幅を示し、これは予後不良のびまん性がんに関連している。さらに、FGFR-1~4に位置する複数の一塩基多型(SNP)が、選択的ながんを発症するリスクの増加と相関することが見出された、または予後不良に関連していると報告された(例えば、乳がん、結腸がんおよび肺腺癌のFGFR-4のG388R対立遺伝子)。これらのSNPががんを促進する直接的な役割にはまだ議論の余地がある。
一般式(I)の強力なFGFR阻害剤は、2013年6月20日公開の国際公開第2013/087578号パンフレットで識別された:
一般式(A)の6,7-二置換5-(1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1 f][1,2,4]トリアジン-4-アミン誘導体
Figure 2022519081000002
より具体的には、式(I)の化合物
Figure 2022519081000003
4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1 f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン
あるいはその製薬上許容される塩、水和物、または溶媒和物は、薬物の製造に役立ち、がんおよび腫瘍疾患などの増殖性障害の治療および/または予防のための薬物の製造に役立つ、特に強力なFGFR阻害剤である。
4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1 f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オンは、INN ROGARATINIB(国際一般的名称、ロガラチニブ)を与えられた。
ロガラチニブは、有用な薬理学的特性を有し、ヒトおよび他の哺乳動物の障害を予防および治療するために使用することができる。
ロガラチニブは、受容体型チロシンキナーゼ、特にFGFRキナーゼ、中でもFGFR-1およびFGFR-3キナーゼの活性または発現の強力な阻害剤である。特定の実施形態では、FGFRキナーゼの活性に関連する障害は、増殖性障害、特にがんおよび腫瘍疾患である。
(I)の合成は、国際公開第2013/087578号パンフレットに2つの経路で記載されており、これらは以下のスキームに図示される。国際公開第2013/087578号パンフレットの合成経路は、スキーム1に記載される:
スキーム1
Figure 2022519081000004
(I)をもたらす国際公開第2013/087578号パンフレットの代替経路は、スキーム2に説明される。
スキーム2:
Figure 2022519081000005
4-アミノピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-カルボニトリルの調製は、国際公開第2007/064883号パンフレットに記載され、スキーム3に示される。
スキーム3:
Figure 2022519081000006
式(I)の化合物を調製するための一般的な経路は、国際公開第2013/087578号パンフレットに記載されているが、(I)の合成には適用されていない。これはスキーム4に示されている。
スキーム4:
Figure 2022519081000007
中間体(VII)の調製は、この一般的な経路に従って、国際公開第2013/087578号パンフレットに以下のスキーム5に示される順序で記載されている。(IX)から化合物(VII)までのこの4ステップのプロセスの全収率は6%のみであり、4回のクロマトグラフィー精製を使用したが、これは経済的観点から不利である。化合物(VII)の(I)へのさらなる変換は、先行技術に記載されていない。
スキーム5:
Figure 2022519081000008
Figure 2022519081000009
(IX)の調製は、国際公開第2007/064883号パンフレットにスキーム6に例示される反応順序で記載されている。
スキーム6:
Figure 2022519081000010
4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン(XIV)の二塩酸塩およびその調製プロセスは、国際公開第2013/087578号パンフレット(バイエル)で最初に開示された。
Figure 2022519081000011
二塩酸塩の調製は、国際公開第2013/087578号パンフレット(バイエル)実施例IIに記載された。この化合物を得るための唯一の適した方法は、ジオキサン中のHClを使用することである。二塩酸塩を得ようとする他の試み、例えば、さまざまな溶媒中の濃塩酸で処理することにより、分離不可能な物質(吸湿性が高い;ガムなど)が得られる。規制の面からは、ジオキサンは、残留溶媒の限度が非常に低いため、合成の最終ステップで使用するのに好ましい溶媒ではない。また、HClとジオキサンの反応から生じる開環副生成物は、ppmレベルまで減少させる必要のある遺伝毒性不純物となる可能性がある。
二塩酸塩は非常に吸湿性が高く、空気中に放置するとHClを失う(つまり、化学的に不安定である)ため、さまざまな水和物および塩酸塩の化学量論が未定義の混合物となる。二塩酸塩を大規模に、特に製造規模で取り扱うことは非常に困難である。
二塩酸塩の不利な特性は、4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オンの固体形態を大規模調製する際に問題となる。したがって、ロガラチニブの安定した塩および結晶形態が必要とされている。
先行技術によって開示されたプロセスは、それ自体、式(I)の化合物およびその合成中間体を調製するのに効果的であるが、純度、生成物収率、プロセス効率、安全性および経済性などの要因が医薬品の工業規模のプロセスに非常に重要である。式(I)の化合物およびその塩ならびにさまざまな結晶形態の調製のための、高収率で効率的なプロセスも必要とされている。
本発明の目的は、式(I)の化合物
Figure 2022519081000012
またはその製薬上許容される塩、水和物、または溶媒和物(ロガラチニブ)の調製のために高収率で効率的なプロセスを提供することである。
本発明の目的は、製造時に適用される基準を満たし、純度、環境適合性、工業的な雇用可能性、安全面、および体積収率の改善をもたらす工業規模(キログラムからメートルトンの範囲)で、式(I)の化合物を調製する方法を提供することである。純度および安全面は、医薬品の調製に特に関連していると考えられる。
本発明の目的は、既知の二塩酸塩と比較して優れた品質を示す固体形態の(I)を提供することである。
本発明は、以下に記載されるような問題を解決する。
国際公開第2013/087578号パンフレット 国際公開第2007/064883号パンフレット
Swinney and Anthony著、「Nature Rev.Drug Disc.」10(7)、507~519頁、2011年 Itoh and Ornitz著、「J.Bio-chem」、149(2)、121~130頁、2011年 Polanskaら著、「Developmental Dynamics」238(2)、277~293頁、2009年 Korc and Friese著、「Curr.Cancer Drugs Targets 5」、639~651頁、2009年 Bergers and Hanahan著、「Nat.Rev.Cancer 8」、592~603頁、2008年 Wescheら著、「Biochem.J.」437(2)、199~213頁、2011年
本発明は、化合物(III)
Figure 2022519081000013
に関し、これは化合物(I)
Figure 2022519081000014
の一塩化物の一水和物である。
本発明はまた、化合物(III)である化合物Iの一塩化物の一水和物と、場合によりさらに製薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物にも関する。
本発明はまた、化合物(I)の一塩化物一水和物である式(III)の化合物を調製する方法にも関し、方法は、溶媒の存在下で(I)を懸濁または溶解し、得られる溶液を酸または酸前駆体で処理することを含む。
実施例10による一水和物(A)のX線粉末回折図を示す図である。 実施例10による二水和物(B)のX線粉末回折図を示す図である。 実施例10による三水和物(C)のX線粉末回折図を示す図である。 実施例10による3/4水和物(D)のX線粉末回折図を示す図である。
4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オンは、式(I)に相当し、[4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン塩酸塩]は、式(II)の化合物に相当し、その一水和物は式(III)に相当する。
Figure 2022519081000015
Figure 2022519081000016
Figure 2022519081000017
以前に記載されていない、化合物(I)のその有利な結晶形態の一塩化物一水和物である式(III)の化合物の本発明の調製は、以下のスキームに示される:
スキーム7:(III)の合成
Figure 2022519081000018
本発明の一態様は、クロマトグラフィー技術を使わずに非常に高い純度で得られるロガラチニブの調製のための高収率で効率的なプロセスである。さらに、(I)は、その塩酸塩(II)、より具体的には式(III)のような化学組成をもつその結晶性一水和物形態として変換され、それを医薬品成分として使用するのに有利な特性を有する。
4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン-モノ-塩酸塩は、式(II)の化合物に相当する。
本発明は、固体の式(II)の化合物を提供し、それは、
-物理的にも化学的にも安定している
-過度の負担なく錠剤として製剤化することができる
-大規模でも、再現性のある方法で調製することができる
-遠心分離または濾過によって高い化学純度で分離することが容易である
-大規模乾燥が容易である
-遊離塩基よりも良好な溶解度を示す
-二塩酸塩(先行技術)よりも吸湿性が低い
-大規模での取り扱い特性が良好である、例えば、二塩酸塩よりも静電気が少ない
-微粒子化が容易で収率が高い
-長期間にわたって保存可能である(1年間に規定された製造枠しかない場合には重要)
今回、4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン[A]の一塩酸塩の一水和物が、上記の利益を提供することが見出された。
好ましい新しい一水和物形態とともに、他の新しい水和物がいくつか見出された。式(II)の化合物は、4つの異なる水和物形態とアモルファス形態で存在することができる。3/4水和物(2.6%水)、一水和物(3.5%水)、二水和物(6.7%水)および三水和物(9.7%水)が見出された。3/4水和物、三水和物、ならびにアモルファス形態は、高湿度での保存中に一水和物に変化した。二水和物は、2週間以内の密閉容器での保存中に一水和物に変わった。以下の式(I)の化合物の化合物IIの水和物形態が、以下の通り識別されている。
1.一水和物(1当量の水):A(化合物(III))
2.二水和物(2当量の水):B
3.三水和物(3当量の水):C
4.3/4水和物(0.75当量の水):D
5.アモルファス形態:E
全体として、水和物形態とアモルファス形態は、式(II)の化合物の異なる固体形態である。
式(II)の化合物の一水和物が好ましい形態であり、本明細書では化合物(III)と呼ぶ。驚くべきことに、化合物(III)は、以下の点に関して、式(II)の化合物の他の固体形態よりも有益な特性を示す:
-物理的安定性:25℃および50℃で12カ月保存しても安定性に変化がない;
-化学的安定性:一水和物は、数年間の保存中も化学的に安定している
-乾式混合、湿式造粒、乾燥および乾式粉砕、最終混合、錠剤圧縮およびコーティングのプロセスステップによって過度の負担なく錠剤として製剤化することができる;
-錠剤成分との相互作用が観察されない。一水和物形態は、錠剤マトリックス中で安定しており、保存中に変化しない(表5参照)-他の成分との適合性がある;
-大規模でも、再現性のある方法で調製することができる。これは、100kgを超える原薬を調製したいくつかのパイロットプラントキャンペーンで実証された;
-遠心分離または濾過によって分離することが容易である。これは、いくつかのパイロットプラントキャンペーンで示された。一水和物形態の分離は、技術的な問題なく行われる;
-高い化学純度および高い化学収率で単離される。これは、いくつかのパイロットプラントキャンペーンで示された。材料の品質は優れており、仕様を裏付ける;
-大規模乾燥が容易である。これは、いくつかのパイロットプラントキャンペーンで実証された。この材料は、HClと水をあまり失うことなく真空下で簡単に乾燥することができる。HClと水の値は仕様に準拠している;
-遊離塩基よりも溶解性が高い。一水和物形態は、水への溶解度が非常に優れている。これにより、バイオアベイラビリティが向上する;
-二塩酸塩よりも吸湿性が低い水分収着試験(実験部4.4.)は、一水和物形態を用いて実施された。化合物を12カ月間、15%r.h.、85%r.h.および97%r.h.(r.h.=相対湿度)で保存したが、水分の取り込みは見られなかった。このことは、一水和物形態が吸湿性でないことを明らかに示す。興味深いことに、他のすべての形態は、保存条件下で一水和物形態に変化する(表4参照)。
-大規模での取り扱い特性が良好であり、静電気が少ない。一水和物形態は、バルクでの取り扱いが容易である。化合物の秤量および注入は容易に実施することができ、静電特性は観察されなかった;
-微粒子化が容易で収率が高い。大きいバッチの微粉化は、一般に95%(th.)を超える収率で実施された。微粒子化中に問題は認められなかった。目標の粒子サイズは、再現性のある方法で容易に得ることができる;
-長期間にわたって保存可能である(1年間に規定された製造枠しかない場合には重要)。安定性データは、一水和物化合物の形態が保存中に非常に安定していることを実証する;
-結晶の習慣は、濾過と分離の観点から許容される。濾過時間は非常に短く、パイロットプラントでの取り扱いに大いに有利である。
したがって、一水和物形態(III)は、大規模製造の場合には、式Iの化合物の他の固体形態よりも適しており、より好ましい。
特に、式(III)の化合物は、式(II)の化合物の別の形態への望ましくない変換を低減し、上記の特性に付随する変化を最小減に抑える。これにより、式(II)の化合物を含む製剤および配合物の安全性および品質が向上し、患者へのリスクが低下するはずである。
本発明による医薬組成物は、化合物(III)と、場合によりさらに製薬上許容される賦形剤を含む。
好ましくは、医薬組成物は、化合物(III)を含み、式(II)の化合物の別の形態の有意な画分を含まず、場合によりさらに製薬上許容される賦形剤を含む。より好ましくは、医薬組成物は、組成物に存在する式(II)の化合物のすべての形態の総量に関連している化合物(III)を、85重量%以上、より好ましくは90重量%以上、最も好ましくは95重量%以上含んでいる。
式(II)の化合物の異なる形態は、X線粉末回折、示差走査熱量測定(DSC)、IR-、ラマン-、NIR-、FIR-および13C-固相NMR分光法によって識別することができる。
式(I)の化合物の化合物(III)は、それぞれ2θ値±0.2°として示される、少なくとも以下の反射:9.3、10.6、13.3、好ましくは少なくとも以下の反射:9.3、10.6、13.3、20.7、23.3、より好ましくは少なくとも以下の反射:9.3、10.6、11.4、13.3、20.7、23.3、26.0、最も好ましくは少なくとも以下の反射:6.8、9.3、10.6、11.4、13.3、20.7、23.3、24.6、26.0、27.6を示すX線粉末回折図(25℃、放射線源としてCu-Kα1を使用)によって明白に特徴付けることができる。
化合物(III)は、図1に示されるX線粉末回折図(25℃、放射線源としてCu-Kα1を使用)によっても明白に特徴付けることができる。
式(II)の化合物の二水和物形態[B]は、それぞれ2θ値±0.2°として示される、少なくとも以下の反射:6.7、13.9、14.5、好ましくは少なくとも以下の反射:6.7、11.7、13.5、13.9、14.5、より好ましくは少なくとも以下の反射:6.2、6.7、11.7、12.6、13.5、13.9、17.9、最も好ましくは少なくとも以下の反射:6.2、6.7、11.7、12.6、13.5、13.9、14.5、16.4、17.9、25.9を示すX線粉末回折図(25℃、放射線源としてCu-Kα1を使用)によって明白に特徴付けることができる。二水和物形態[B]の式(I)の化合物は、図2に示されるX線粉末回折図(25℃、放射線源としてCu-Kα1を使用)によっても明白に特徴付けることができる。
式(II)の化合物の三水和物形態[C]は、それぞれ2θ値±0.2°として示される、少なくとも以下の反射:6.8、12.9、14.6、好ましくは少なくとも以下の反射:6.8、7.6、12.9、14.6、26.0、より好ましくは少なくとも以下の反射:6.8、7.6、11.2、12.9、14.6、22.0、26.5、最も好ましくは少なくとも以下の反射:6.8、7.6、11.2、12.9、13.5、14.6、17.4、22.5、23.3、26.5を示すX線粉末回折図(25℃、放射線源としてCu-Kα1を使用)によって明白に特徴付けることができる。三水和物形態[C]の式(I)の化合物は、図3に示されるX線粉末回折図(25℃、放射線源としてCu-Kα1を使用)によっても明白に特徴付けることができる。
式(II)の化合物の3/4水和物形態[D]は、それぞれ2θ値±0.2°として示される、少なくとも以下の反射:7.3、12.2、14.0、好ましくは少なくとも以下の反射:7.3、12.2、13.1、13.4、14.0、より好ましくは少なくとも以下の反射:7.3、12.2、13.1、13.4、14.0、20.3、22.4、最も好ましくは少なくとも以下の反射:7.3、12.2、13.1、13.4、13.6、14.0、20.3、21.2、22.4、26.3を示すX線粉末回折図(25℃、放射線源としてCu-Kα1を使用)によって明白に特徴付けることができる。3/4水和物形態[D]の式(I)の化合物は、図4に示されるX線粉末回折図(25℃、放射線源としてCu-Kα1を使用)によっても明白に特徴付けることができる。
塩化水素一水和物(III)の調製のための方法
本発明の一態様は、一塩化物塩(II)を、より具体的には式(III)のような化学組成を有するその結晶性一水和物形態として調製する方法に関する。
Figure 2022519081000019
最先端のプロセスと比較した本発明の一般的な利点は、後期臨床開発または市場供給においてAPIの要件に一致する非常に低い不純物レベルで、満足のいく収率で化合物(I)および(III)を供給することである。本発明によるプロセスは、クロマトグラフィー精製ステップを利用せずに実行することができる。さらに、最先端のプロセスには、プロセスの安全性の懸念、スケールアップ時の処理時間の増加に起因する生成物の分解および不純物形成の強化、そして高希釈に起因するスループットの制限など、工業規模の製造への適用を妨げる特定の欠点がある。以下に説明する本発明のプロセスは、資金および人材を不釣り合いに必要とせずに、化学合成のための標準的な工業用多目的装置での大規模API製造に使用することができる。これは、最適化されたスループットと、合成の各段階で最適化され簡素化されたプロセスおよび/またはオーダーメイドの精製プロセスを適用することによる不純物形成の回避によって達成される。要約すると、下に示すように(IV)から(III)までの本発明のプロセスの最終ステップで36%の全収率が達成された:
Figure 2022519081000020
(I)への最先端のプロセスと、本発明のプロセスの最終合成ステップとの直接比較を以下の表に示す:
Figure 2022519081000021
方法1:
本発明のこの態様によれば、上記のような(I)の(III)への変換は、適した溶媒の存在下で、好ましくは水またはアルコール、より好ましくはアルコールまたはエーテル、最も好ましくはエタノールまたはTHFなどの水混和性の有機溶媒と水の混合物に(I)を懸濁または溶解し、塩化水素または塩化水素前駆体、最も好ましくは塩化水素でそれを処理することによって実行される。
最初に式(I)の化合物を溶媒または溶媒混合物に充填し、続いて酸、最も好ましくは塩化水素を添加することが好ましい。塩化水素は、好ましくは水溶液として、好ましくは20℃と還流条件との間の温度で、より好ましくは40℃~60℃で、より好ましくは45~55℃でこの混合物に添加される。
反応生成物は、濾過により単離され、水混和性の有機溶媒、例えばアルコールまたはエーテル、好ましくはエタノールで洗浄される。生成物は乾燥させてもよいし、乾燥させずに次のプロセスステップに送ってもよい。
次に、生成物を水または低濃度の塩化水素水溶液、好ましくは水中0.13%の塩化水素に高温下で懸濁して、固体形態を、式(III)のような化学組成をもつ所望の結晶性一水和物形態に調整する。混合物を20±3℃に冷却し、濾過によって単離する。
化合物(III)は、好ましくは50℃の温度で、減圧下、より好ましくは30mbar未満の圧力下で副ガス(by-gas)を適用せずに乾燥させる。
本明細書中で「化合物(III)の調製のための方法1」と呼ばれるこのプロセスは、(I)をその一塩化物、より具体的には一塩化物一水和物(III)に変換するという利点を有し、一塩化物一水和物(III)は原薬として適用する際に有利な特性を示す。さらに、このプロセスは、一塩化物(II)を一水和物(III)として確実に得るという利点を有する。プロセスの塩形成ステップの間に最初に形成され得る他の形態は、高温で希薄な塩化水素水溶液による処理中に所望の形態に変換される。
方法2:
本発明のこの態様によれば、(I)の(III)への変換は、適した溶媒の存在下で、(I)を懸濁または溶解し、酸または酸前駆体でそれを処理することによって実行される。好ましくは、1または複数の溶媒は、水またはアルコール、より好ましくはアルコールまたはエーテル、最も好ましくはエタノールまたはTHFなどの水混和性有機溶媒と水の混合物である。酸または酸前駆体は、好ましくは塩化水素である。最初に式(I)の化合物を溶媒または溶媒混合物に充填し、続いて酸を添加することが好ましい。
塩化水素は、好ましくは水溶液として、好ましくは20℃から還流条件で、より好ましくは40℃~60℃で、最も好ましくは45~55℃でこの混合物に添加される。
少量のアリコート、好ましくは(I)の初期量に対して1質量%の一水和物(III)(例えば、方法1により調製されたもの)、好ましくは事前の粉砕または微粉化によって微細な粒子サイズを有するものを、生成物を所望の固体形態に向けるための播種の目的で懸濁液に添加する。
反応混合物を冷却し、生成物をフィルタドライヤで分離する。濾過ケーキを水混和性の有機溶媒、好ましくはアルコールまたはエーテル、最も好ましくはエタノール、あるいはエタノールと水の混合物で洗浄する。次に、濾過ケーキを水または低濃度の塩化水素水溶液、好ましくは水中0.13%塩化水素で20~35℃で洗浄する。
生成物は、30mbarおよび50℃などの減圧下および高温で、副ガス(by-gas)を適用せずに乾燥させる。
本明細書中で「(III)の調製のための方法2」と呼ばれるこのプロセスは、再スラリー化または他の単位操作を実施して所望の固体形態に調整することによって、固体中間体を手動で操作することなく、塩化水素添加ステップで直ちに好ましい一水和物(III)として(II)を確実に形成するという利点を有する。驚くべきことに、(I)の塩化水素塩がすでに他の固体形態で沈殿した後に、種結晶を懸濁液に添加することで、擬似多形体形態を調整することができることが見出された。この播種プロセスは、(III)の調製のための方法1と比較して、濾過および乾燥特性を大規模に改善するという利点を有する。
このプロセスは、(I)と酸性条件が接触している間に形成される(XV)および(XVI)などの不純物の形成を大幅に減らすという利点を有する。
Figure 2022519081000022
これは、特に大規模な場合の処理時間と処理時間を最小限に抑えることによって、特に生成物を所望の多形体形態に調整するための追加の酸性処理を回避することによって実現される。これにより、後期臨床開発または市場供給におけるAPIの要件に一致する不純物レベルを達成することが可能になる。
本発明のプロセスによれば、可能性のある副生成物、特に式(XV)および(XVI)の化合物は、さらに、これらの副生成物またはその塩が本プロセスによる条件下では沈殿せずに濾液に残るため、(III)から非常に効果的に分離することができる。
本発明の別の実施形態は、実質的にパラジウムを含まない式(III)の化合物であり、パラジウムは、100ppmまで、好ましくは60ppmまで、最も好ましくは0~2ppmの量で存在し、そして式(I)の化合物の量に基づいてそれぞれ0%~最大0.15%、好ましくはそれぞれ0%~最大0.06%のHPLC面積%で(I)に構造的に関連する1以上のピロロトリアジン物質を含む、非常に高純度の式(III)の化合物である。(I)に構造的に関連する1以上のピロロトリアジン物質には、限定されるものではないが、式(XV)、(XVI)、(XVII)、(XVIII)および(VI)の化合物が含まれる。
Figure 2022519081000023
式(I)の化合物の調製
本発明の一態様は、R1がハロゲンまたは他の適した脱離基)、最も好ましくは臭素である式(VIIb)の化合物を、R2がLi、MgR、Sn、およびB、カルボン酸、水素、またはホウ素誘導体などの適した金属有機置換基、例えばホウ素エステル、ホウ素アミド、MIDA、好ましくは水素またはホウ素誘導体、最も好ましくはボロン酸である式(VIIIb)の化合物と、適した触媒の存在下で反応させることによって調製され得る式(I)の化合物を調製する方法に関する。置換基R2はまた、式(I)の化合物をもたらす接触C-H活性化反応において水素を含み得る。
Figure 2022519081000024
(VIIb)と(VIIIb)の混合物は、水酸化物、(水素)炭酸塩、フッ化物、またはアミンなどの塩基の存在下、適した有機溶媒または水との混合物中、遷移金属触媒、好ましくは適したパラジウム触媒を用いて高温で処理される。
Figure 2022519081000025
THFおよび水中の式(VII)および(VIII)の化合物の混合物を、塩基および触媒としてK2CO3で60℃から還流の温度まで30分から300分間処理することが好ましい。
適したパラジウム触媒は、限定されるものではないが:
X-Phosプレ触媒=クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)
および
Pd(dbpf)Cl2=[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
および
PdCl2(Amphos)2=ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)
である。
このプロセスは、式(I)の化合物と副生成物および粗反応混合物と呼ばれる残りの試薬との混合物を生じる。この粗反応混合物は、以下の方法によって処理することができる:
本発明の別の態様は、式(I)の化合物の固体で精製された型を得るためのプロセスである。このプロセスは、アセチルシステインなどのパラジウム捕捉試薬の水溶液を20℃の温度から還流温度まで、最も好ましくは60℃で1時間から最大24時間まで添加することによって粗反応混合物を処理することを含む。THFなどの反応中に使用した溶媒は、場合により減圧下で、蒸留によって除去することができる。適した溶媒、好ましくは微量の(XIX)を容易に抽出する非水混和性溶媒、最も好ましくはMTBEまたはEtOAcは、蒸留の前または後に添加されることができる。好ましくは0℃~30℃、好ましくは20℃の温度に冷却した後、化合物は濾過によって分離される。この精製化合物(I)は、さらなる精製プロセスに送ることができる。
式(I)の化合物の高度に精製された型を提供するために、これを適切な有機溶媒または溶媒混合物に加えて高温に加熱する、最も好ましくはTHFと水またはエタノールと水の混合物に50℃などの温度で加熱還流する。式(I)の化合物は、-10℃以上で還流温度以下、優先的には0℃~20℃の間の温度で濾過によって分離される。
好ましいのは、85体積のテトラヒドロフラン対15体積の水の比率のテトラヒドロフランと水の混合物に式(I)の化合物を充填し、溶液が得られるまでこの混合物を加熱することである。THFを、優先的には減圧下で、蒸留によって除去し、エタノールを添加して、溶媒の組成が主にエタノールと水を含むように変更する。混合物を15℃以内で冷却し、式(I)の化合物を濾過によって分離する。この精製手順を繰り返して不純物レベルをさらに低下させることができる。
化合物を減圧下および高温下で乾燥させる。
可能性のある副生成物、特に微量のパラジウム、ベンゾチオフェン系生成物、例えば(XIX):
Figure 2022519081000026
など、そして、出発化合物(XII)、(VI)および(XVIII)などの(I)に構造的に関連する1以上のピロロ-トリアジン物質は、本プロセスによる条件下で沈殿せず、濾液中に残る。
本発明の別の実施形態は、式(I)の化合物の量に基づいてそれぞれ0%~最大0.15%、好ましくはそれぞれ0%~最大0.06%のHPLC面積%で(I)に構造的に関連する1以上のピロロ-トリアジン物質を含む、非常に高純度の式(III)の化合物である。(I)に構造的に関連するピロロ-トリアジン物質には、限定されるものではないが、式(XII)、(VI)および(XVIII)の化合物が含まれる。
本発明の別の実施形態は、0ppmから最大60ppm、一般に2ppm未満の適切な微量の方法論(appropriate trace methodology)によって決定された微量のパラジウムを含む非常に高純度の式(I)の化合物である。
式(VII)の化合物の調製
本発明の別の態様は、式(V)および(XIII)の化合物をパラホルムアルデヒドと酸の存在下で反応させて式(VI)の中間生成物にすることによる、R1が塩素、臭素またはヨウ素、最も好ましくは臭素であり得る式(VIIb)の化合物を調製する方法である。式(VI)の生成物は分離されないが、臭素化、ヨウ素化、または塩素化剤などのハロゲン化剤で処理される。好ましくは、ワンポット反応として同じ反応器内で臭素化剤が使用され、最も好ましくはN-ブロモスクシンイミド(NBS)が使用される。中間体(VI)は、特に大規模な標準的な工業操作を使用して、分離および精製することが困難であるが、化学構造(VII)をもつ臭素化誘導体は、反応混合物良好な純度で容易に結晶化する。純度は、高温下で(VII)を適した溶媒または溶媒混合物に懸濁することによってさらに向上させることができる。
Figure 2022519081000027
Figure 2022519081000028
式(VII)の化合物を調製する方法の好ましい実施形態では、式(V)および(XIII)の化合物は、適した溶媒、好ましくは、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-プロパノール、n-ブタノールおよびそれらの水との混合物に、最も好ましくはMeOHに加えられる。
ホルムアルデヒド源、好ましくはパラホルムアルデヒド、ホルマリン溶液、または他のホルムアルデヒド源、最も好ましくはパラホルムアルデヒド、酸性剤、好ましくはカルボン酸、例えば酢酸、安息香酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸など、スルホン酸、例えばp-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など、鉱酸、例えば塩化水素、硫酸、亜リン酸など、最も好ましくは酢酸は、高温、好ましくは40~100℃、最も好ましくは60℃に加熱して1時間~48時間、好ましくは20~24時間還流させる。
1当量~4当量のピペラジン-2-オン(XIII)、1当量~3当量のパラホルムアルデヒドおよび1当量~10当量の酢酸が反応中に配置される。好ましくは、1当量~2当量のピペラジン-2-オン(XIII)、1当量~1.5当量のパラホルムアルデヒドおよび3当量~7当量の酢酸が反応中に配置される。最も好ましくは、1.5当量のピペラジン-2-オン(XIII)、1.1当量のパラホルムアルデヒドおよび6当量の酢酸が反応中に配置される。
(VI)への変換の後、プロトン性および非プロトン性有機溶媒および水などの追加の適した溶媒を、無機もしくは有機塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、ヒューニッヒ塩基、2,6-ルチジン、N-メチルイミダゾールなど、または無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、もしくは炭酸カリウムなどと組み合わせて、あるいは組み合わせずに、場合により添加することができる。
最も好ましくは、水酸化ナトリウムの水溶液を、わずかに酸性または中性のpHに達するまで添加する。驚くべきことに、最良の変換率、制限された不純物形成、良好な攪拌特性、および微粒子形成の減少による分離特性の向上の間の最適化条件は、臭素化中に5.5~6.5のpHを適用することによって達成することができる。
臭素化剤、好ましくはNBSまたは1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(DBDMH)、最も好ましくはNBSは、固体として、または適した溶媒、好ましくはアセトニトリル中の溶液として添加される。固体のNBSを少量ずつ添加するか、またはアセトニトリル中のNBSの溶液をゆっくり添加することによって、不純物の形成を減らすことが有利である。
臭素化は、-20℃~20℃、好ましくは-10℃~10℃、最も好ましくは-8℃~-2℃で実施される。分離を改善するために、反応混合物を加熱還流し、反応が終了した後に再び冷却することが有利である。
式(VII)の化合物の高度に精製された型を得るために、反応生成物を、適した有機溶媒または溶媒混合物、好ましくはアルコール、エーテル、ニトリル、水およびそれらの混合物、最も好ましくはメタノール、THFおよびメタノールおよびTHFと水の混合物に加え、50℃から還流などの高温に加熱する。式(VII)の化合物は、-10℃以上で還流温度以下、優先的には0℃~20℃の間の温度で濾過によって分離される。最後に、フィルタは水または水と混合した溶媒、好ましくはMeOHまたはTHFの混合物で洗浄される。最も好ましいのは、MeOHと水の混合物である。
式(VII)の化合物を調製するために、濾過し、洗浄した生成物を、好ましくは周囲温度で、場合により減圧下で乾燥させる。式(VII)の化合物が、約5%の水を含有する水和物として得られる。
可能性のある副生成物、特に式(XX)、(XXI)および(VI)の化合物などの副生成物は、本プロセスによる条件下では沈殿せず、濾液に残る。
Figure 2022519081000029
本発明の別の実施形態は、非常に高純度の式(XII)の化合物である。副生成物には、限定されるものではないが、以下のような量の(XX)、(XXI)および(VI)が含まれる:式(VII)の化合物の量に基づくHPLC面積%で、(XX)0%~0.50%、好ましくは0%~0.30%、(XXI)0%~0.70%、好ましくは0%~0.30%、および(VI)0%~0.30%、好ましくは0%~0.20%。
式(V)の化合物の調製
本発明の別の態様は、式(IV)の化合物から式(V)の化合物を
Figure 2022519081000030
式(XXII)および(XXIII)の反応中間体を介して、
Figure 2022519081000031
BOC置換基の酸性切断、アルコール部分の塩素化およびエーテル化、および、中間体を分離するかしないかに関わらず、ホルムアミジンを含有する試薬の環化という反応順序で調製する方法である。
式(XII)の化合物を調製する方法の好ましい実施形態では、式(V)の化合物は、中間体(XXII)が形成されるまで、適した溶媒中の適した酸の溶液に加えられる。次に、反応混合物を、適した塩基が存在するかしないかに関わらず、メタノールまたはアルカリメチラートと反応させて、反応中間体(XXIII)を形成する。次に、ホルムアミジンまたはホルムアミジン前駆体を添加し、混合物を高温、好ましくは40℃と還流の間、最も好ましくは60~66℃に加熱する。(V)への変換は、水溶液として優先的に塩基を加えることによって完了することができる。
式(V)の化合物の調製する方法では、式(VII)の化合物は、19℃~25℃のジオキサン中13~14%HClの溶液に加えられる。中間体(XXII)への、一般に約6時間の変換が完了した後、反応混合物は、メタノールと適した塩基、例えばK3PO4、アルカリメチラート、無機炭酸塩、無機炭酸水素塩、水酸化物、有機アミン塩基、好ましくは1当量~2当量のK3PO4または2当量~3当量のナトリウムメチラート、最も好ましくは2.5当量のナトリウムメチラートとの混合物に、20℃~30℃の温度で加えられ、中間体(XXIII)への変換が完了するまで一般に1時間撹拌される。次に、ホルムアミジンまたはホルムアミジン前駆体、最も好ましくは6当量の酢酸ホルムアミジンを反応混合物に添加し、中間体(XXIII)の変換が完了するまで、一般に16時間~20時間、混合物を55℃から還流(約67℃)に加熱する。K3PO4、アルカリメチラート、無機炭酸塩、無機炭酸水素塩、水酸化物、有機アミン塩基、最も好ましくは4当量のK3PO4などの適した塩基の水溶液を添加し、式(V)の化合物への変換が完了するまで、一般に2時間、混合物を55℃~還流(67℃)に加熱する。有機溶媒を蒸留により、優先的には減圧下で除去し、酢酸イソプロピルを添加する。水相と有機相を、好ましくは45℃の温度で分離し、水相を酢酸イソプロピルで、好ましくは45℃の温度で抽出する。合した有機相を蒸留により、優先的には減圧下、中程度の温度で濃縮する。得られる懸濁液を、生成物の大部分が再び溶解するまで80℃に加熱し、0℃~20℃にゆっくりと冷却する。生成物を濾過により分離する。式(XII)の化合物を調製するために、好ましくは40℃~60℃の温度で、場合により減圧下でこれを乾燥させる。
このプロセスには、不純物の形成を回避するという一般的な利点がある。具体的には、中間体(XXII)の酸性溶液を塩基の不在下でメタノールと反応させた場合、式(XXIV)の副成分がプロセスの生成物(V)に見出される。生成物(V)中の式(XXIV)副成分のレベルは、このプロセスステップの時間によって決まる。このプロセスステップで120kgの(VII)を1時間で変換するパイロットプラント規模での典型的な反応では、約11%の(XXIV)が形成され、最終生成物中のこの不純物は最大7%となる。中間体(XXII)の酸性溶液を適した塩基を含むメタノールの溶液に充填することにより、式(XXIV)および(XXV)の副成分の形成を大幅に減らすことができる。
Figure 2022519081000032
さらに、このプロセスにより、処理時間が大幅に短縮され、特に工業規模でタールの形成が大幅に削減されるため、(V)の後処理、精製、および分離の労力の増加を回避することができる。これは、中間体(XXII)とメタノールの反応中に限られた量の塩基を適用することによって達成されるため、ホルムアミジンとの変換中の強塩基性条件が回避される。したがって、試薬の分解を減らすことができる。ホルムアミジンとの反応後に水溶液として過剰の塩基を添加することにより、(V)への完全な変換が引き起こされ、その残留ホルムアミジン副生成物は、過剰なタールの形成が起こる前に直ちに水性面に除去される。
本プロセスによれば、可能性のある副生成物、特に式(XXIII)、(XXIV)および(XXV)の化合物などの副生成物は、本プロセスによる条件下では沈殿せず、濾液に残る。
本発明の別の実施形態は、非常に高純度の式(V)の化合物である。副生成物には、限定されるものではないが、以下のような量の(XXIII)、(XXIV)および(XXV)が含まれる:式(VII)の化合物の量に基づくHPLC面積%で、(XXIII)0%~0.15%および(XXIV)0%~0.15%および(XXV)0%~0.15%
本発明の別の実施形態は、式(V)の化合物を精製する再結晶プロセスである。(V)が本明細書に記載の本発明のプロセスによって生成されない場合、(V)は、例えば、品質が低下し(例えば、大量の副成分および塩を含み)、使用に関するアッセイが低い状態で得ることになり得る。そのようなサンプルの品質を改善するために、(V)をアルコールと非プロトン性溶媒の混合物、好ましくはエタノールと酢酸イソプロピルの混合物に還流までの高温で溶解し、再びゆっくりと冷却することによって再結晶化することができる。精製された化合物(V)は、良好な収率および高純度で分離することができる。
式(IV)の化合物の調製
本発明の別の態様は、式(IV)の化合物を調製する方法である。
Figure 2022519081000033
スキーム8に示されている反応順序は、中間体(XI)、(XII)および(IX)を介した化合物(IV)の調製を概説する。それは一般に、中間体(VII)まで国際公開第2007/064883号パンフレットと同様の合成配列に従い、化合物(VII)から(VII)への変換は、国際公開第2013/087578号パンフレットに記載されるプロセスと同様に行われる。最先端のプロセスと比較して、本発明のプロセスは、クロマトグラフィー精製ステップを行わずに、工業規模の効率的かつ安全な製造のための改善された方法およびプロセスによって(IV)を供給する。
スキーム8:
Figure 2022519081000034
式(XI)の化合物の調製のための方法では、2,5-ジメトキシテトラヒドロフラン(X)を、102±3℃の温度で、ジオキサンとピリジンの溶媒混合物中、ピリジン塩酸塩の存在下でtert-ブチルヒドラジンカルボン酸塩と反応させる。これらの条件下で、反応の間に生じたメタノールを蒸留により除去する。完全に変換した後、水および非水混和性有機溶媒、好ましくはジ-nブチルエーテルが添加され、生成物はこの混合物から分離され得る。化合物(XI)への本発明のプロセスは、大規模製造に適用されており、試薬としてピリジンおよびピリジン塩酸塩を使用することにより、特に大規模で、副成分の形成を低減するという利点を有する。
式(XII)の化合物は、DMF中で化合物(XI)とクロロスルホニルイソシアナートを反応させることによって調製される。粗生成物は、反応混合物を水酸化物および炭酸塩、最も好ましくは炭酸水素アンモニウムなどの無機塩の水溶液に添加し、続いて濾過することによって分離することができる。粗生成物は、適した有機化合物、好ましくはメタノールにそれを溶解し、溶液を水と混合することによって生成物と沈殿させることによって精製される。化合物(XII)への本発明のプロセスは、大規模製造に応用されており、クロマトグラフィー精製を行わずに良好な純度で(XII)を供給するという利点を有する。
式(IX)の化合物は、化合物(XII)とN-ブロモスクシンイミドをDMFとメチルtert-ブチルエーテルの混合物中で反応させることによって調製される。反応混合物の加水分解の後、生成物をメチルテトラヒドロフランで抽出し、メチルテトラヒドロフラン中の化合物(IX)の溶液を分離または精製を行わずに次のステップに送る。化合物(IX)への本発明のプロセスは、大規模製造に応用されており、(IX)を固体として分離することとそれを(IV)の調製にはめ込むことを回避することによって、プロセスを簡略化する利点を有する。
式(IV)の化合物は、化合物(IX)を金属有機試薬、好ましくは臭化メチルマグネシウムおよびブチルリチウムと反応させ、パラホルムアルデヒドに添加することによって調製される。パラホルムアルデヒドの異なるバッチに応じて、収量と品質の変動が観察されている。これは、使用前にパラホルムアルデヒドをメチルテトラヒドロフランで処理することによって解決された。精製された式(IV)の化合物は、加水分解および結晶化の後に得られる。化合物(IV)への本発明のプロセスは、大規模製造に応用されており、クロマトグラフィー精製を行わずに良好な純度で(IV)を供給するという利点を有する。
式(VIII)の化合物の調製
この調製は、欧州特許出願第15180755.9号に記載されており、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。好ましい方法を以下に詳細に説明する。
ステップ1:
Figure 2022519081000035
上に示される(XXXV)および(XXXIV)の(XXXIII)への反応は、(XXXV)と(XXXIV)の縮合によって実行される。これは、コハク酸ジメチルの溶液に、アルコール、好ましくはメタノール中のナトリウムメタノラートなどのアルカリアルコラートの溶液を25~40℃で添加することによって行われる。エステルは次のステップで切断されるので、他のコハク酸エステルを(XXXV)の代わりに使用してもよい。
混合物を加熱還流し、チオフェン-3-アルデヒドの溶液を添加する。完全に変換した後、水を添加することにより混合物を加水分解し、生成物をトルエンで(または他の非水混和性溶媒)抽出する。溶媒を除去した後、トルエン(または他の適した溶媒)から結晶化および/または再スラリー化することにより、粗(XXXIII)を精製する。
・このプロセスには、チオフェン-3-アルデヒドを反応混合物にゆっくり添加することによりアルデヒドに関連する変換率が高いという利点がある。
・このプロセスには、完全な変換のために過剰なコハク酸ジメチルを減らすという利点がある。
・このプロセスには、結晶化または/再スラリーによる精製の後に非常に純粋な固体の中間体(XXXIII)を得られ、分取クロマトグラフィーなどによる後の段階での精製を避けることができるという利点がある。
ステップ2:
Figure 2022519081000036
ステップ2に示される(XXXIII)の(XXXII)を介するカルボン酸中間体(XXXI)への反応は、脱水条件下でベンゾチオフェン誘導体(XXXII)に閉環し、エステル部分を加水分解して7-ヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-5-カルボン酸(XXXI)を得ることによって実行される。これは、トルエン中で(XXXIII)を無水酢酸および酢酸ナトリウムとともに70~75℃で7時間加熱することによって行われる(他の脱水剤:酸無水物/無水酸(トリフルオロ無水酢酸)、クロロ蟻酸メチル;酢酸ナトリウム以外の塩基(酢酸カリウム);Tおよびtは、すべてのプロセスステップ中で変化させることができる)。混合物は、25~30℃で水を加えることにより加水分解される。有機相を分離し、水で再び洗浄し、減圧下での蒸留により溶媒を部分的に除去する。トルエン中の(XXXII)の残りの溶液を、MeOHおよび水で希釈し、水酸化ナトリウム水溶液(他の塩基、主に無機)を45℃未満の温度でゆっくりと添加し、最後に50~55℃で5時間加熱する。水相を分離し、水でさらに希釈し、HCl、HNO3、スルホン酸、CH3COOHおよびH2SO4などの強プロトン酸、好ましくはH2SO4を10~15℃でpHが2~3になるまで添加することにより生成物を沈殿させる。懸濁液を40~45℃に加熱し、2時間以内に25~30℃に冷却して生成物の濾過挙動を改善し濾過により分離する。
・このプロセスには、大過剰の無水酢酸を溶媒として使用せず、トルエンで希釈することにより過剰を制限することにより、工業規模でのプロセスの安全性が向上するという利点がある。安全な後処理は、希釈条件下での無水酢酸の加水分解中のエネルギーの制御放出によって達成される。
・このプロセスには、(XXXII)への閉環ステップ中に適度な反応温度を使用するだけで、副生成物の量を減らせるという利点がある。
・このプロセスには、分離前の温度処理中の固体状態の特性を改善することにより、(XXXI)の分離中に工業規模で許容可能な濾過時間が得られるという利点がある。
・このプロセスには、非常に高純度の中間体(XXXI)の十分に結晶化した固体生成物が非常に良好な収率で得られるため、中間体(XXXII)または以降の合成段階での追加の精製ステップが回避されるという利点がある。
ステップ3:
Figure 2022519081000037
スキームに示されるように、(XXXI)のメチル7-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-5-カルボキシレート(XXX)への反応は、エステルおよびフェノール部分をメチル化することによって実行される。これは、(XXXI)をアセトンとトルエン(他の溶媒)の混合物に溶解することによって行われる。炭酸カリウム(他の無機塩基、アミン)を添加した後、懸濁液を50~60℃に加熱し、硫酸ジメチル(他のメチル化剤:ヨウ化メチル)をゆっくりと添加する。完全に変換した後、溶媒を85℃で部分的に蒸留し、水を加える。相を分離し、水相をトルエンでさらに抽出する。合した有機相を水で洗浄し、溶媒を60℃で減圧下で除去する。粗生成物は次のステップに送られる。
ステップ4:
Figure 2022519081000038
(XXX)の7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン(XXVII)への反応は、エステル部分をメチル基に還元して(XXVII)を生じることによって行われる。これは、ステップ4に示されるように、(XXX)のエステル部分をアルコール(XXIX)に還元し、続いてアルコール部分を(XXVIII)に塩素化し、続いて(XXVII)に還元することによる段階的還元によって優先的に達成される。これは、粗生成物(XXX)をエーテル、例えばジオキサンMe-THF、CPME、およびMTBE、芳香族および脂肪族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシロールシクロヘキサンなどの不活性溶媒に溶解することによって行われる;好ましくはTHFを使用し、トルエン中のナトリウム-ビス(2-メトキシ-エトキシ)-アルミニウム-二水素化物(Red-Al(登録商標))溶液を25~30℃で添加する。他の適した還元剤には、水素(適した触媒を使用)、LAH、ホウ素およびシランが含まれる。
この混合物を、水酸化ナトリウム水溶液(他の水性塩基)を添加することにより加水分解し、生成物をトルエン(他の非水混和性溶媒または貧溶媒の添加により沈殿/結晶化させたもの)で抽出し、減圧下60℃で溶媒を除去することにより分離する。
粗(XXIX)をトルエンに溶解し、50~55℃でHCl水溶液をゆっくりと添加する。SOCl2などの他の塩素化剤を利用してもよい。完全に変換した後、混合物を重炭酸ナトリウム水溶液で加水分解する。有機相を、ブライン、Na2SO4で処理し、60℃で減圧下で溶媒を除去することによる共沸乾燥によって乾燥させる。
また、例えばBr、I、F、RSO3などの他の脱離基を構造(XXVIII)代わりの塩素として使用することができる。
これは、粗生成物(XXVIII)をエーテル、例えばジオキサンMe-THF、CPME、およびMTBE、芳香族および脂肪族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシロールシクロヘキサンなどの不活性溶媒に溶解する;好ましくはTHFを使用し、トルエン中のナトリウム-ビス(2-メトキシ-エトキシ)-アルミニウム-二水素化物(Red-Al(登録商標))溶液などの還元剤を使用して還元したものを25~30℃で添加する。他の適した還元剤には、水素(適した触媒を使用)、LAH、ホウ素およびシランが含まれる。
この混合物を、水酸化ナトリウム水溶液(他の水性塩基)を添加することにより加水分解し、生成物をトルエン(他の非水混和性溶媒または貧溶媒の添加により沈殿/結晶化させたもの)で抽出し、減圧下60℃で溶媒を除去することにより分離する。(XXVIII)を、125~160℃の真空下で蒸留により精製する。
・このプロセスには、臨床応用のための最終医薬品成分(I)の品質に関して重要であり、(I)に向けた次のプロセスステップの1つで容易にパージすることができないスキーム1による不純物を含まずに、7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン(XXVII)を高収率かつ高純度でもたらすという利点がある。
・このプロセスには、標準的な多目的装置と工業規模の安全な試薬を使用して、7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン(XXVII)をもたらすという利点がある。160℃を超える高温のような極端な反応条件、および反応混合物に完全に溶解していないシロップ状のポリリン酸のような好ましくない試薬の使用は避けられる。したがって、工業規模で非常にコストのかかる安全性およびエンジニアリングを検討することは避けられる。
ステップ5:
Figure 2022519081000039
本発明の第1の態様によれば、(XXVII)の式(VIII)のベンゾチオフェン-2-イルボロネートへの反応は、ホウ素化によって行われる。(XXVII)を、THFなどの不活性溶媒に溶解し、THF/ヘキサン中のn-ブチルリチウム溶液などの金属有機塩基に-73~-80℃で添加することによって金属化する。反応生成物を30分間撹拌した後、トリイソプロピルボレートを-73~-80℃でゆっくりと添加する。30分の反応時間の後、混合物を10℃未満の水酸化カリウム水溶液で加水分解し、20~30℃で相を分離する。水相をトルエンで洗浄し、0~5℃の硫酸水溶液(他の酸)を添加することによって生成物を沈殿させる。(XXVIII)を濾過によって分離し、水で洗浄する。生成物をシクロヘキサンなどの溶媒で40~45℃で再スラリー化し、単離し、減圧下40~45℃で乾燥させる。
・このプロセスには、臨床応用のための最終医薬品成分(I)の品質に関して重要であり、(I)に向けた次のプロセスステップの1つで容易にパージすることができないスキーム1による不純物を含まずに、(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ボロン酸(VIII)を高収率かつ高純度でもたらすという利点がある。
欧州特許出願第15180755.9号明細書に記載されている(XXVII)から(VIII)を調製する方法に加えて、(XXVII)から(VIII)を調製するための第2の方法は、(XXVII)をTHFなどの不活性溶媒に溶解し、THF/ヘキサン中のn-ブチルリチウム溶液などの金属有機塩基に-55~-80℃で添加して金属化する方法である。反応生成物を30分間撹拌した後、トリイソプロピルボレートを-55~-80℃で添加する。30分の反応時間の後、混合物を-10℃に温め、30℃未満の水酸化カリウム水溶液で加水分解し、20~30℃で相を分離する。水相をトルエンで洗浄し、20℃で硫酸水溶液を添加することにより混合物を酸性化する。2-プロパノールを添加し、有機溶媒を高温および減圧下で蒸留することにより生成物を結晶化させる。(XXVIII)を濾過によって分離し、水で洗浄する。生成物をシクロヘキサンなどの溶媒で40~45℃で再スラリー化し、単離し、減圧下40~45℃で乾燥させる。
定義
溶媒和物は、本発明の文脈において溶媒分子による化学量論的配位によって固体または液体状態で複合体を形成する、本発明による化合物の形態として指定される。
水和物は、配位が水によって起こる溶媒和物の特別な形態である。水和物が本発明の文脈において好ましい溶媒和物である。
本発明の化合物は、不斉中心の性質または制限された回転のいずれかによって、異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)の形態で存在し得る。不斉中心が(R)-、(S)-、または(R、S)-配置にある異性体が存在することがある。
すべての異性体は、本発明の化合物の分離された、純粋なまたは部分的に純粋な異性体、またはラセミ混合物の異性体であるかどうかに関わらず、本発明の範囲内に含まれる。前記異性体の精製および前記異性体混合物の分離は、当技術分野で公知の標準的な技術によって達成され得る。例えば、ジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィープロセスまたは結晶化によって個々の異性体に分離することができ、ラセミ化合物は、キラル相のクロマトグラフィープロセスによるかまたは分割のいずれかによってそれぞれのエナンチオマーに分離することができる。
さらに、本発明によれば、上記の化合物のすべての可能な互変異性型が含まれる。
本発明は、本発明による化合物のすべての適した同位体変種も包含する。本発明による化合物の同位体変種は、本発明による化合物中の少なくとも1個の原子が同じ原子番号であるが通常または主に自然に生じる原子質量とは異なる原子質量を有する別の原子と交換された化合物を意味すると理解される。本発明による化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体、例えば、2H(重水素)、3H(トリチウム)、13C、14C、15N、17O、18O、18F、36Cl、82Br、123I、124I、129Iおよび131Iがある。本発明による化合物の特定の同位体変種、特に1種または複数の放射性同位元素が組み込まれたものは、例えば、体内での作用機構または活性化合物分布の調査に有益となり得る。比較的容易な調製性(preparability)および検出性のために、特に3Hまたは14C同位体で標識された化合物がこの目的に適している。さらに、同位体、例えば、重水素を組み込むことにより、化合物の代謝安定性の増加の結果として、特定の治療上の利益、例えば、体内での半減期の延長または必要な活性剤用量の減少がもたらされ得る。したがって、本発明による化合物のそのような修飾が、場合により、本発明の好ましい実施形態を構成することもある。本発明による化合物の同位体変種は、当業者に既知の方法、例えば、下記の方法および実施例に記載の方法によって、その中の特定の試薬および/または出発化合物の対応する同位体修飾を用いることにより調製することができる。
特に記載のない限り、カップリング反応が必要な場合に適した塩基は、特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどのアルカリ炭酸塩、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムなどのアルカリリン酸塩、あるいはフッ化カリウムまたはフッ化セシウムなどのフッ化アルカリである。通常、これらの塩基は水溶液として用いられる。反応は、反応条件下で不活性の有機溶媒中で実行される。好ましくは、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4ジオキサン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)またはジメチルスルホキシド(DMSO)などの水混和性有機溶媒が用いられるが、ジクロロメタンまたはトルエンなどの他の不活性溶媒も使用されてよい。
特に記載のない限り、プロセスステップに適した縮合剤には、必要な場合には、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)またはN-ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)などのさらなる補助剤、および/またはアルカリ炭酸塩などの塩基、例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、あるいは、トリエチルアミン、N-メチルピペリジン、Nメチルモルホリン(NMM)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、ピリジンまたは4-N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP)などの有機アミン塩基と必要に応じて組み合わせた、例えば、N,N’-ジエチル-、N,N’-ジプロピル-、N,N’-ジイソプロピル、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド(EDC)などのカルボジイミド、N,N’-カルボニルジイミダゾール(CDI)またはクロロギ酸イソブチルなどのホスゲン誘導体、1-クロロ-2-メチル-1-ジメチルアミノ-1-プロペンなどのα-クロロエナミン、プロパンホスホン酸無水物、ジエチルシアノホスホネート、ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスホリルクロライド、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)またはベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートPyBOP)などのリン化合物、およびO(ベンゾ-トリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、O(ベンゾ-トリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2-(2-オキソ-1-(2H)-ピリジル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)またはO-(1H-6-クロロベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TCTU)などのウロニウム化合物が含まれる。好ましいのは、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)および場合により1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)と組み合わせた、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)またはO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロホスフェート(TBTU)を使用することである。
特に記載のない限り、プロセスに許容される不活性溶媒(必要な場合)は、例えば、ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(THF)、1,4-ジオキサンまたは1,2-ジメトキシエタンなどのエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンまたはシクロヘキサンなどの炭化水素、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、トリクロロエチレンまたはクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるいは、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル(EtOAC)、ピリジン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’-ジメチルプロピレン尿素(DMPU)またはN-メチルピロリジノン(NMP)などのその他の溶媒である。これらの溶媒の混合物を使用することも可能である。ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミドまたはその混合物を使用することが好ましい。
治療する方法:
本発明による式(I)の化合物の結晶形態、好ましくは結晶形(III)は、有用な薬理学的特性を有し得るので、ヒトおよび動物の障害を予防および治療するために用いることができる。本発明による式(I)の化合物の形態は、さらなる治療選択肢を切り開く可能性があるので、薬学の強化となり得る。
本発明による式(I)の化合物の結晶形態は、細胞増殖および/または細胞分裂を阻害、遮断、低減、減少させ、かつ/あるいはアポトーシスを生じさせるために利用することができる。この方法は、障害を治療するために有効な量の本発明の一般式(I)の化合物を、それを必要とする、ヒトをはじめとする哺乳動物に投与することを含む。過剰増殖障害には、それだけに限らないが、例えば、乾癬、ケロイドおよび皮膚に影響を及ぼす他の過形成、前立腺肥大症(BPH)、固形腫瘍(乳房、気道、脳、生殖器、消化管、尿路、目、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺のがんおよびこれらの遠隔転移など)が含まれる。これらの障害にはリンパ腫、肉腫および白血病も含まれる。
乳がんの例には、それだけに限らないが、浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性乳管癌、および非浸潤性小葉癌が含まれる。
気道のがんの例には、それだけに限らないが、小細胞および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫が含まれる。
脳がんの例には、それだけに限らないが、脳幹および視床下部(hypophtalmic)膠腫、小脳および大脳星状細胞腫、髄芽腫、上衣腫、ならびに神経外胚葉および松果体腫瘍が含まれる。
男性生殖器の腫瘍には、それだけに限らないが、前立腺および精巣がんが含まれる。
女性生殖器の腫瘍には、それだけに限らないが、子宮内膜、子宮頚部、卵巣、膣および外陰がん、ならびに子宮の肉腫が含まれる。
消化管の腫瘍には、それだけに限らないが、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸および唾液腺がんが含まれる。
尿路の腫瘍には、それだけに限らないが、膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、尿管、尿道およびヒト乳頭状腎臓がんが含まれる。
目のがんには、それだけに限らないが、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫が含まれる。
肝がんの例には、それだけに限らないが、肝細胞癌(線維層板型の変形を伴うまたは伴わない肝臓細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)および混合肝細胞性胆管癌が含まれる。
皮膚がんには、それだけに限らないが、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚がんおよび非黒色腫皮膚がんが含まれる。
頭頸部がんには、それだけに限らないが、喉頭、下咽頭、鼻咽頭、中咽頭がん、および口腔がんおよび扁平細胞が含まれる。
リンパ腫には、それだけに限らないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病および中枢神経系のリンパ腫が含まれる。
肉腫には、それだけに限らないが、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉種が含まれる。
白血病には、それだけに限らないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病および有毛細胞白血病が含まれる。
いくつかの実施形態では、本発明はさらに、有効量の本発明による式(I)の化合物の形態の少なくとも1種を使用して、疾患、特に上記疾患を治療および/または予防する方法に関する。
一部の実施形態では、本発明はさらに、有効量の本発明による式(I)の化合物の形態の少なくとも1種を使用する、膀胱がんの治療および/または予防のための方法に関する。
一部の実施形態では、本発明はさらに、有効量の本発明による式(I)の化合物の形態の少なくとも1種を使用する、頭頸部がんの治療および/または予防のための方法に関する。
一部の実施形態では、本発明はさらに、有効量の本発明による式(I)の化合物の形態の少なくとも1種を使用する、肺がんの治療および/または予防のための方法に関する。
本発明による式(I)の化合物の形態は、単独で、または必要に応じて他の活性物質と組み合わせて使用することができる。本発明はさらに、特に上記疾患を治療および/または予防するための、本発明による式(I)の化合物の形態の少なくとも1種と、1種または複数のさらなる活性物質とを含む医薬品に関する。適した他の活性物質としては、以下が挙げられる:
131I-chTNT、アバレリックス、アベマシクリブ、アビラテロン、アカラブルチニブ、アクラルビシン、アダリムマブ、ado-トラスツズマブエムタンシン、アファチニブ、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アレクチニブ、アレムツズマブ、アレンドロン酸、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミフォスチン、アミノグルテチミド、ヘキシルアミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンセスチム、アネトールジチオールチオン、アネツマブ・ラブタンシン、アンジオテンシンII、抗トロンビンIII、アパルタミド、アプレピタント、アルシツモマブ、アルグラビン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アテゾリズマブ、アベルマブ、アキシカブタゲン・シロロイセル、アキシチニブ、アザシチジン、バシリキシマブ、ベロテカン、ベンダムスチン、ベシレソマブ、ベリノスタット、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ブリナツモマブ、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブセレリン、ブレンツキシマブベドチン、ブリガチニブ、ブスルファン、カバジタキセル、カボザンチニブ、カルシトニン、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カプロマブ、カルバマゼピン、カルボプラチン、カルボコン、カルフィルゾミブ、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セリチニブ、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シドホビル、シナカルセト、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、コビメチニブ、コパンリシブ(BAY 80-6946)、クリサンタスパーゼ、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダラツムマブ、ダルベポエチンアルファ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デプレオチド、デスロレリン、ジアンヒドロガラクチトール、デクスラゾキサン、塩化ジブロスピジウム、ジアンヒドロガラクチトール、ジクロフェナク、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、ドロナビノール、デュルバルマブ、エクリズマブ、エドレコロマブ、酢酸エリプチニウム、エロツズマブ、エルトロンボパグ、エナシデニブ、エンドスタチン、エノシタビン、エンザルタミド、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エプタプラチン、エリブリン、エルロチニブ、エソメプラゾール、エストラジオール、エストラムスチン、エチニルエストラジオール、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フェンタニル、フィルグラスチム、フルオキシメステロン、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォリン酸、フォルメスタン、ホスアプレピタント、ホテムスチン、フルベストラント、ガドブトロール、ガドテリドール、ガドテル酸メグルミン、ガドベルセタミド、ガドキセト酸、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グルカルピダーゼ、グルトキシム、GM-CSF、ゴセレリン、グラニセトロン、顆粒球コロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I-125シード、ランソプラゾール、イバンドロン酸、イブリツモマブ・ティウキセタン、イブルチニブ、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インジセトロン、インカドロン酸、インゲノールメブテート、イノツズマブオゾガマイシン、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イオビトリドール、イオベングアン(123I)、イオメプロール、イピリムマブ、イリノテカン、イトラコナゾール、イクサベピロン、イキサゾミブ、ランレオチド、ランソプラゾール、ラパチニブ、イアソコリン、レナリドミド、レンバチニブ、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、ロイプロレリン、レバミソール、レボノルゲストレル、レボチロキシンナトリウム、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、ルテチウムLu 177ドータテート、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メラルソプロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メスナ、メタドン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、メチロシン、ミドスタウリン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、モガムリズマブ、モルグラモスチム、モピダモール、モルヒネ塩酸塩、モルヒネ硫酸塩、mvasi、ナビロン、ナビキシモルス、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトレキソン、ナルトグラスチム、ネシツムマブ、ネダプラチン、ネララビン、ネラチニブ、ネリドロン酸、ネツピタント・パロノセトロン、ニボルマブペンテトレオチド、ニロチニブ、ニルタミド、ニモラゾール、ニモツズマブ、ニムスチン、ニンテダニブ、ニラパリブ、ニトラクリン、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オクトレオチド、オファツムマブ、オラパリブ、オララツマブ、オマセタキシン・メペサクシネート、オメプラゾール、オンダンセトロン、オプレルベキン、オルゴテイン、オリロチモド、オシメルチニブ、オキサリプラチン、オキシコドン、オキシメトロン、オゾガマイシン、p53遺伝子療法、パクリタキセル、パルボシクリブ、パリフェルミン、パラジウム-103シード、パロノセトロン、パミドロン酸、パニツムマブ、パノビノスタット、パントプラゾール、パゾパニブ、ペグアスパルガーゼ、PEG-エポエチンベータ(メトキシPEG-エポエチンベータ)、ペンブロリズマブ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ-2b、ペンブロリズマブ、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルフルブタン、ペルホスファミド、ペルツズマブ、ピシバニール、ピロカルピン、ピラルビシン、ピクサントロン、プレリキサホル、プリカマイシン、ポリグルサム、リン酸ポリエストラジオール、ポリビニルピロリドン+ヒアルロン酸ナトリウム、ポリサッカリド-K、ポマリドミド、ポナチニブ、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プレドニゾン、プロカルバジン、プロコダゾール、プロプラノロール、キナゴリド、ラベプラゾール、ラコツモマブ、塩化ラジウム223、ラドチニブ、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラモセトロン、ラムシルマブ、ラニムスチン、ラスブリカーゼ、ラゾキサン、レファメチニブBAY 86-9766(RDEA 119)、レゴラフェニブ、リボシクリブ、リセドロン酸、エチドロン酸レニウム-186、リツキシマブ、ロラピタント、ロミデプシン、ロミプロスチム、ロムルチド、ルカパリブ、サマリウム(153Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、サリルマブ、サツモマブ、セクレチン、シルツキシマブ、シプロイセルT、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾールナトリウム、ソニデギブ、ソラフェニブ、スタノゾロール、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タリモジーン・ラハーパレプベック、タミバロテン、タモキシフェン、タペンタドール、タソネルミン、テセロイキン、テクネチウム(99mTc)ノフェツモマブメルペンタン、99mTc-HYNIC-[Tyr3]-オクトレオチド、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、サイロトロピンアルファ、チオグアニン、チサゲンレクロイセル、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラメチニブ、トラマドール、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、トレオスルファン、トレチノイン、トリフルリジン+チピラシル、トリロスタン、トリプトレリン、トラメチニブ、トロフォスファミド、トロンボポエチン、トリプトファン、ウベニメクス、バラチニブ(PTK/ZK)、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ビスモデギブ、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム90ガラスミクロスフェア、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ゾレドロン酸、およびゾルビシン。
医薬組成物:
本発明による式(I)の化合物の結晶形態は全身および/または局所活性を有することが可能である。この目的のために、これを適当な様式で、例えば、経口、非経口、肺、経鼻、舌下、舌、頬側、直腸、膣、真皮、経皮、結膜、耳経路を介して、またはインプラントもしくはステントとして投与することができる。
これらの投与経路のために、本発明による式(I)の化合物の結晶形態を適した投与形態で投与することが可能である。
経口投与のために、本発明による式(I)の化合物の結晶形態を、本発明の化合物を迅速におよび/または改変された様式で送達する当分野で公知の剤形、例えば錠剤(非コーティングまたは例えば、遅延溶解するもしくは可溶性である腸溶性もしくは制御放出コーティングによるコーティング錠)、経口崩壊錠、フィルム/ウエハー、フィルム/凍結乾燥物、カプセル剤(例えば、硬質または軟質ゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット、粉末、乳剤、懸濁液、エアロゾール剤または溶液に製剤化することが可能である。本発明による化合物を結晶形態および/または非晶形態および/または溶解形態で前記剤形に組み込むことが可能である。
非経口投与は、吸収ステップを回避して(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内もしくは腰椎内)、または吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮もしくは腹腔内)達成することができる。非経口投与に適した投与形態は、とりわけ、溶液、懸濁液、乳剤、凍結乾燥物または無菌粉末の形態の注射および点滴用製剤である。
他の投与経路に適した例には、吸入のための医薬形態[とりわけ、粉末吸入器、ネブライザー]、点鼻薬、点鼻液または鼻腔スプレー;舌、舌下または頬側投与のための錠剤/フィルム/ウエハー/カプセル剤;坐剤;点眼薬、眼軟膏、眼浴、眼球インサート、点耳剤、耳スプレー、耳散剤、耳リンス、耳タンポン;膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁剤、乳剤、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えば、パッチなど)、ミルク、ペースト、フォーム、粉剤、インプラントまたはステントがある。
式(I)の化合物の結晶形態は、記載される投与形態に組み込むことができる。これは、薬学的に適切な賦形剤と混合することによって、それ自体は既知の様式で行うことができる。薬学的に適した賦形剤には特に以下が含まれる
・充填剤および担体(例えば、セルロース、微結晶セルロース(例えば、Avicel(登録商標)など)、ラクトース、マンニトール、デンプン、リン酸カルシウム(例えば、Di-Cafos(登録商標)など))、
・軟膏基剤(例えば、黄色ワセリン、パラフィン、トリグリセリド、蝋、羊毛蝋、羊毛蝋アルコール、ラノリン、親水軟膏、ポリエチレングリコール)、
・坐剤基剤(例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、硬質脂肪)、
・溶媒(例えば、水、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、プロピレングリコール、中鎖トリグリセリド脂肪油、液体ポリエチレングリコール、パラフィン)、
・界面活性剤、乳化剤、分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)、レシチン、リン脂質、脂肪アルコール(例えば、Lanette(登録商標)など)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Span(登録商標)など)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Tween(登録商標)など)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド(例えば、Cremophor(登録商標)など)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、グリセロール脂肪酸エステル、ポロキサマー(例えば、Pluronic(登録商標)など))、
・緩衝剤、酸および塩基(例えば、リン酸塩、炭酸塩、クエン酸、酢酸、塩酸、水酸化ナトリウム溶液、炭酸アンモニウム、トロメタモール、トリエタノールアミン)、
・等張剤(例えば、グルコース、塩化ナトリウム)、
・吸着剤(例えば、高分散性シリカ)、
・増粘剤、ゲル形成剤、増ちょう剤および/または結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、カルボマー、ポリアクリル酸(例えば、Carbopol(登録商標)など);アルギン酸塩、ゼラチン)、
・崩壊剤(例えば、加工デンプン、カルボキシメチルセルロース-ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Explotab(登録商標)など)、架橋ポリビニルピロリドン、クロスカルメロース-ナトリウム(例えば、AcDiSol(登録商標)など))、
・流動調節剤、潤滑剤、滑剤および離型剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、高分散性シリカ(例えば、Aerosil(登録商標)など))、
・コーティング材料(例えば、糖、シェラック)および迅速にまたは修飾された様式で溶解するフィルムまたは拡散膜のためのフィルム形成剤(例えば、ポリビニルピロリドン(例えば、Kollidon(登録商標)など)、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸セルロース、セルロースアセテートフタレート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)など))、
・カプセル材料(例えば、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、
・合成ポリマー(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)など)、ポリビニルピロリドン(例えば、Kollidon(登録商標)など)、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコーならびにこれらのコポリマーおよびブロックコポリマー)、
・可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、クエン酸トリアセチル、フタル酸ジブチル)、
・浸透促進剤、
・安定剤(例えば、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルなど)、
・保存剤(例えば、パラベン、ソルビン酸、チオメルサール、塩化ベンザルコニウム、酢酸クロルヘキシジン、安息香酸ナトリウム)、
・着色剤(例えば、無機顔料(例えば、酸化鉄、二酸化チタンなど))、
・香味剤、甘味剤、香味-および/または臭気マスキング剤。
本発明は、さらに、本発明による式(I)の化合物の少なくとも結晶形態を、慣用的に1種または複数の薬学的に適した賦形剤と一緒に含む医薬組成物、および本発明によるそれらの使用に関する。
本発明の医薬組成物の投与量:
哺乳動物において上で識別された状態の治療を決定するための薬理学的アッセイ、ならびにこれらの結果とこれらの状態を治療するために使用される既知の医薬品の結果との比較による、障害の治療に有用な化合物を評価するために知られている実験室技術に基づいて、本発明の化合物の有効投与量を各所望の適応症を治療するために容易に決定することができる。これらのうちのある状態の治療で投与されるべき有効成分の量は、使用される特定の化合物および投与量単位、投与様式、治療期間、治療される患者の年齢および性別、ならびに治療される状態の性質および程度などの考慮事項により広く変化し得る。
当然、各患者のための具体的な初期および継続投与レジメンは、主治診断医により決定される状態の性質および重症度、使用される具体的な化合物の活性、患者の年齢および全身状態、投与期間、投与経路、薬剤の排泄率、薬剤の組み合わせなどによって変化する。本発明の化合物またはその製薬上許容される塩もしくはエステルもしくは組成物の所望の治療様式および投与回数は、従来の治療試験を用いて当業者によって確認され得る。
以下の試験および実施例中の重量データは、特に明示しない限り、重量百分率であり、部は重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度データは各場合において体積に基づく。
実施例
略語および頭字語:
Ac アセチル
Ac2O 無水酢酸
AcOH 酢酸
aq. 水性(溶液)
Boc tert-ブトキシカルボニル
br. ブロードな(1H-NMRシグナル)
Bu ブチル
cat. 触媒的
conc. 濃縮
d 二重項(1H-NMRシグナル)
DBDMH 1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン
DCI 直接化学イオン化(MS)
DCM ジクロロメタン
デス・マーチン・ペルヨージナン 1,1,1-トリアセトキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンゾヨードキソール-3(1H)-オン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EI 電子衝突イオン化(MS)
eq. 当量
ESI エレクトロスプレーイオン化(MS)
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
GC-MS ガスクロマトグラフィー-結合質量分析
h 時間
Hal ハロゲン
1H-NMR プロトン核磁気共鳴分光法
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
iPr イソプロピル
LC-MS 液体クロマトグラフィー結合質量分析
Me メチル
MeOH メタノール
min 分
MS 質量分析
m/z 質量対電荷比(MS)
NBS N-ブロモスクシンイミド
n-Bu n-ブチル
NCS N-クロロスクシンイミド
of th. 理論値の(化学的収率)
Pd/C パラジウム木炭
PdCl2(dppf) [1,1’-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
Pd(dba)2 ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム
Ph フェニル
PPA ポリリン酸
q 四重項(1H-NMRシグナル)
quant. 定量的(収率)
rac ラセミの
Rf TLC保持係数
RP 逆相(HPLC)
rt 室温
Rt 保持時間(HPLC)
s 一重項(1H-NMRシグナル)
sat. 飽和(溶液)
t 三重項(1H-NMRシグナル)
TBAF テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド
TBDMS tert-ブチルジメチルシリル
TBTU N-[(1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)(ジメチルアミノ)メチレン]-N-メチルメタンアミニウムテトラフルオロボレート
tBu tert-ブチル
tert 第三級
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
方法:
DSC/TG
Perkin-Elmer製の示差走査熱量計(モデルDSC7、Pyris-1またはDiamond)を用いてDSCサーモグラムを記録した。測定は、非気密アルミニウムパンを用いて20K/分-1、最終的に2K/分-1の加熱速度で行った。フローガスは窒素とした。試料調製はなかった。
Perkin-Elmer製の熱天秤(モデルTGA7およびPyris 1)を用いてTGAサーモグラムを記録した。開いたアルミニウムパンを用いて10K/分-1の加熱速度で測定を行った。フローガスは窒素とした。試料調製はなかった。
XRPD
XRD回折計X`Pert PRO(PANalytical)およびSTOE STADI-P(放射線Cu Kα1、波長1.5406Å)を用いて室温でX線回折パターンを記録した。試料調製はなかった。すべてのX線反射は、±0.2°の分解能を有する°2θ(シータ)値(ピーク最大値)として示される。
ラマン
ラマンスペクトルは、Bruker製のFT-ラマン-分光光度計(モデルRFS 100およびMultiRam、波数範囲:3500~100cm-1)を用いて室温で記録した。分解能は2cm-1であった。スキャン回数:64。ガラスバイアルまたはアルミニウムディスクで測定を行った。試料調製はなかった。
IR
IRスペクトルは、HATR装置を備えたIR Spectrometer Bruker Tensor 37を使用して、4000~550cm-1の波数範囲で室温にて記録した。分解能は2cm-1であった。スキャン回数:64。試料調製はなかった。
HPLC(方法1):
システム:勾配ポンプ、UV検出器を備え、データ記録装置および積分ソフトウェアを備えた高速液体クロマトグラフ;カラム:Waters XBridge Phenyl(150mm2.1mm、3.5μm);流量:0.5mL/分;カラム温度:25℃;検出226nm、実行時間:30分;移動相A:1L脱イオン水中385mgのCH3COONH4を25%NH4OHでpH8.5に調整(約70μl);移動相B:アセトニトリル;
Figure 2022519081000040
HPLC(方法2):
システム:勾配ポンプ、UV検出器を備え、データ記録装置および積分ソフトウェアを備えた高速液体クロマトグラフ;カラム:Waters XBridge Phenyl(150 mm*2.1mm、3.5μm);流量:0.4mL/分;カラム温度:25℃;検出226nm、実行時間:30分;移動相A:1L脱イオン水中385mgのCH3COONH4を25%NH4OHでpH8.5に調整(約70μl);移動相B:アセトニトリル;
Figure 2022519081000041
HPLC(方法3):
システム:勾配ポンプ、UV検出器を備え、データ記録装置および積分ソフトウェアを備えた高速液体クロマトグラフ;カラム:Waters XBridge Phenyl(150mm2.1mm、3.5μm);流量:0.4mL/分;カラム温度:25℃;検出226nm、実行時間:30分;移動相A:0.7L脱イオン水中770mgのCH3COONH4を25%NH4OHでpH8.5に調整(約200μl);移動相B:アセトニトリル;
Figure 2022519081000042
HPLC(方法4):
システム:デガッサー、遅延容量(デュエルボリューム)約850μL、UV-VIS検出器およびクロマトグラフィーデータシステムを装備した高速液体クロマトグラフィーシステム。固定相:Meteoric Core C18(長さ150mm、内径3.0mm、粒子サイズ2.7μm);移動相A:1.15g NH4H2PO4+155μL H3PO4 85%/1L水(pH3.0);移動相B:アセトニトリル/メタノール52:48v/v;UV検出226nm;オーブン温度:65℃、注入量:6μl;線形勾配:
Figure 2022519081000043
HPLC(方法5):
システム:勾配ポンプ、UV検出器を備え、データ記録装置および積分ソフトウェアを備えた高速液体クロマトグラフ;カラム:Kromasil C18(250mm4.6mm、5μm);流量:0.4mL/分;カラム温度:25℃;検出226nm、実行時間:30分;移動相A:0.1%H3PO4を含む脱イオン水、移動相B:アセトニトリル;
Figure 2022519081000044
残留溶媒(GC方法1で測定):
システム:ヘッドスペースインジェクター、スプリッター付きガスクロマトグラフ、オートサンプラー、2台の水素炎イオン化検出器(FID)およびデータ分析システム
残留元素:ICP-MS
実施例1:tert-ブチル1H-ピロール-1-イルカルバメート(XI)
Figure 2022519081000045
撹拌反応器に最初に1045kgのジオキサン、350kgのtert-ブチルヒドラジンカルボキシレートおよび420kgの2,5-ジメトキシテトラヒドロフランを加え、次に21.4kgの塩酸ピリジンおよび343kgのピリジンを添加した。トランスファーラインを総量40Lのジオキサンですすいだ。反応混合物を102±3℃に7時間加熱し、1620Lの溶媒を蒸留した。バッチを25±5℃に冷却し、1750kgの水を22±3℃の温度に保ちながら1時間かけて反応器に加えた。混合物を少なくとも30分間撹拌し、次に270kgのジ-nブチルエーテルを添加し、温度を10±3℃に調整した。懸濁液を2時間撹拌し、次に遠心機で2つの部分に分けて分離した。それぞれの部分を、67kgのジ-nブチルエーテルと60kgのヘプタンの混合物で洗浄し、続いて175Lのヘプタンで洗浄した。生成物を60℃で乾燥させ、288kgのtert-ブチル1H-ピロール-1-イルカルバメート(XI)を60%の理論収率で得た。
HPLC(方法2):純度98.66%(Rt=15.47分)tert-ブチル1H-ピロール-1-イルカルバメート
実施例2:tert-ブチル(2-シアノ-1H-ピロール-1-イル)カルバメート(XII)
Figure 2022519081000046
190kgのtert-ブチル1H-ピロール-1-イルカルバメート(XII)および678kgの無水DMFを、生成物が溶解するまで反応器内で22±3℃で撹拌した。バッチを0±3℃に冷却し、混合物をこの温度に保ちながら163kgのクロロスルホニルイソシアナートを最低2.5時間でゆっくりと添加した。混合物をさらに1時間撹拌した。第2の撹拌反応器に、2660kgの水中272kgの炭酸水素アンモニウムの溶液を提供し、25℃未満の温度を維持することで反応混合物をこの溶液に移した。第1の反応器およびトランスファーラインを20LのDMFですすぎ、続いて20Lの水ですすいだ。
混合物を22±3℃で2時間撹拌し続け、粗生成物を遠心機で2つの部分に分けて分離し、それぞれの部分を760Lの水で2回洗浄した。
粗生成物を、撹拌反応器内で37±3℃で452kgのメタノールに溶解した。1197kgの水を22±3℃の第2の反応器に提供し、温度を22±3℃に保ちながら1時間以内にメタノール溶液を水に投入した。第1の反応器およびトランスファーラインを20Lの水ですすぎ、混合物を2時間撹拌した。生成物を遠心機で2つの部分に分けて分離し、それぞれの部分を4:1の体積の水とメタノールの混合物143Lで洗浄した。50℃で乾燥させた後、173kgのtert-ブチル(2-シアノ-1H-ピロール-1-イル)カルバメート(XII)を80%の理論収率で得た。
HPLC(方法3):純度98.7%(Rt=17.28分)tert-ブチル(2-シアノ-1H-ピロール-1-イル)カルバメート
実施例3:tert-ブチル(4-ブロモ-2-シアノ-1H-ピロール-1-イル)カルバメート(IX)
Figure 2022519081000047
180kgのtert-ブチル(2-シアノ-1H-ピロール-1-イル)カルバメート(XII)および508kgのDMFを反応器内で撹拌し、666kgのメチルtert-ブチルエーテルを添加した。バッチを2±3℃に冷却し、171kgのN-ブロモスクシンイミドをこの温度で2.5時間以内に15回に分けて添加した。
この混合物は、740Lの水中13.1kgの亜硫酸ナトリウムの溶液を、温度を25℃未満に保ちながら40~50分以内に添加することによって加水分解された。バッチを22±3℃で30~60分撹拌し、次に下部の水相を廃棄した。有機相を360Lの水で2回洗浄し、約540Lの溶媒を減圧下45±5℃で蒸留することにより除去した。残留混合物を310kgのメチルテトラヒドロフランで希釈し、約360Lの溶媒を減圧下45±5℃で蒸留することにより除去した。
310kgのメチルテトラヒドロフランを添加し、733kgのtert-ブチル(4-ブロモ-2-シアノ-1H-ピロール-1-イル)カルバメート(IX)の溶液を得て、さらなる精製を行わずに次の化学ステップで変換した。
実施例4:tert-ブチル[2-シアノ-4-(ヒドロキシメチル)-1H-ピロール-1-イル]カルバメート(IV)
Figure 2022519081000048
140kgのtert-ブチル(2-シアノ-1H-ピロール-1-イル)カルバメート(XII)の変換に対応する、前段階からのtert-ブチル(4-ブロモ-2-シアノ-1H-ピロール-1-イル)カルバメート(IX)のメチルテトラヒドロフラン中の溶液を第1の反応器で撹拌し、950kgのメチルテトラヒドロフランで希釈し、-40±3℃に冷却した。温度を-40±3℃に保ちながら、メチルテトラヒドロフラン中の臭化メチルマグネシウムの35%溶液88.6kgを添加し、続いて10Lのメチルテトラヒドロフランを添加した。混合物を-43±6℃で30分間撹拌し、次に、温度を-43±6℃に保ちながら、ヘキサン中23%のブチルリチウムの溶液123kgを添加し、続いて10Lのメチルテトラヒドロフランを添加した。混合物をこの温度で45~60分間撹拌した。
パラホルムアルデヒドの処理:81kgのパラホルムアルデヒドを243Lのメチルテトラヒドロフラン中で周囲温度で撹拌し、濾過により分離して、溶媒で湿ったパラホルムアルデヒド約88kgを得た。
第2の撹拌反応器に546kgのメチルテトラヒドロフランおよび溶媒で湿ったパラホルムアルデヒドを加えた。温度を24±3℃に調整し、第1の反応容器からの冷反応混合物を、バッチ温度を24±3℃に保ちながら、2時間以内に断熱パイプを介してパラホルムアルデヒドスラリーに移した。第1の反応器およびトランスファーラインを40Lのメチルテトラヒドロフランですすぎ、バッチを24±3℃で1.5時間撹拌した。
第3の撹拌反応器において、840Lの水中193kgの塩化アンモニウムの溶液を12±3℃で調製し、温度を12±3℃に保ちながら、反応混合物をこの溶液に投入し、続いて40Lのメチルテトラヒドロフランを投入した。280Lの水中155kgのクエン酸の溶液を添加し、混合物を12±3℃で少なくとも15分間撹拌した。下部の水層を廃棄し、有機相を、280kgの15%塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。バッチ温度を45±5℃に保ちながら、残留量が約560Lになるまでバッチを減圧下で蒸留することにより濃縮した。
手順の開始を同様にもう一回繰り返し、2つのバッチを撹拌反応器内で組み合わせた。
全バッチサイズはここでは、臭素化および金属化およびパラホルムアルデヒドへの添加という順序で変換される、280kgのtert-ブチル(2-シアノ-1H-ピロール-1-イル)カルバメート(XII)の総量に相当する。
2つのバッチから得られる混合物を、バッチ温度を45±5℃に保ちながら減圧下で蒸留することにより約600Lの残留量に濃縮し、次に1400Lのn-ヘパタンを添加した。約1400Lの溶媒を、バッチ温度を45±5℃に保ちながら、減圧下で蒸留することにより除去した。蒸留を停止し、バッチを25±5℃に冷却した。次に、1400Lのn-ヘプタンを添加し、約1400Lの溶媒を、バッチ温度を45±5℃に保ちながら、減圧下で蒸留することにより除去した。140Lの酢酸エチルを50±3℃で添加し、バッチを20~30分間この温度に保ち、2±3℃に冷却し、1時間撹拌した。生成物を遠心機で分離し、2体積のn-ヘプタンと1体積の酢酸エチルの混合物140Lで2回洗浄した。生成物を40℃で乾燥させ、184kg(理論収率の57%)を得た。
HPLC(方法2):純度97.8%(Rt=13.83分)tert-ブチル[2-シアノ-4-(ヒドロキシメチル)-1H-ピロール-1-イル]カルバメート
実施例5:6-(メトキシメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン(V)
Figure 2022519081000049
撹拌反応器に、13.6%HClのジオキサン溶液905kgを加え、温度を25+/-5℃に調整した。200kgのtert-ブチル[2-シアノ-4-(ヒドロキシメチル)-1H-ピロール-1-イル]カルバメート(IV)を、温度を30℃未満に保ちながら、140分以内に5回に分けて添加した。混合物を22+/-3℃で6時間撹拌した。別の撹拌反応器に、948kgのMeOHと380kgの30%ナトリウムメチラートのメタノール溶液の混合物を提供し、温度を15~30℃に保ちながら、反応混合物をこの溶液に投入した。反応器およびトランスファーラインを102kgのジオキサンですすぎ、反応混合物を22+/-3℃で1時間撹拌した。526kgの酢酸ホルムアミジンを添加し、バッチを63+/-3℃に加熱し、18.5時間この温度に保った。
2597kgの水中1163kgのK3PO4の溶液を添加し、反応混合物を2時間63+/-3℃に保った。
この混合物を、最大内部温度40℃、500~100mbarで蒸留液が収集されなくなるまで蒸留することにより濃縮した(約2450Lの蒸留液)。反応混合物を、45+/-3℃に加熱し、1390kgの酢酸イソプロピルを添加した。二相混合物をこの温度で30分間撹拌し、次に層を分離し、水層を45+/-3℃で1390kgの酢酸イソプロピルで再び抽出した。有機相を合し、不溶性物質を除去するために、45+/-3℃のフィルタに通して、撹拌した反応器に入れた。
この溶液を、300mbar未満で45℃の最大内部温度で濃縮して、残留量を約600~800Lとした。
混合物を95℃で加熱還流し、溶液が得られるまで少なくとも30分間この温度を維持し、次に0+/-3℃にゆっくりと冷却し、この温度で4時間保った。次に、生成物を濾過により分離した。濾過ケーキを、176kgの酢酸イソプロピルで洗浄し、50℃のオーブンで乾燥させた。102.5kgの(V)を固体として収率68%で得た。
HPLC(方法5):純度99.7%(6-(メトキシメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン)(Rt=4.6分)、RRT 1.55で0.09%(XXIV)、0.05%(XXV)
使用に関するアッセイ:99.0%(外部標準に対して)
再結晶化プロセス
撹拌反応器に510gの(V)(hplcによる純度:89.7面積%および使用に関するアッセイ85.2%)、1020mLの酢酸イソプロピルおよび331mLのエタノールを加え、1時間加熱還流した。混合物を3時間以内に0℃に冷却し、0℃でさらに2時間撹拌した。精製した(V)を濾過により分離し、510mLの冷酢酸イソプロピルで3回洗浄した。(V)を減圧下30℃で乾燥させて、331gの(V)(収率66.7%)を得た。
HPLC(方法1:純度99.6%(6-(メトキシメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン)
使用に関するアッセイ:100.6%(外部標準に対して)
実施例7:4-{[4-アミノ-5-ブロモ-6-(メトキシメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン(VII)
Figure 2022519081000050
方法1:pH7.2:
撹拌反応器に93.8kgの6-(メトキシメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン(V)、78.8kgのピペラジン-2-オンおよび726kgのメタノールを加え、22±3℃に加熱し、この温度で少なくとも30分間撹拌した。不溶性物質を除去するために混合物をフィルタに通し、濾液を別の撹拌反応器に収集した。第1の容器とフィルタを178kgのメタノールですすいだ。温度を22±3℃に調整し、この温度で188kgの酢酸を添加し、続いて20kgのメタノールを添加した。17.4kgのパラホルムアルデヒドを添加し、バッチを24時間加熱還流した。混合物を25±5℃に冷却し、反応の完了後(HPLCで化合物(V)は6.0%以下)、バッチ温度を25±5℃に保ちながら、146kgの50%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、続いて20kgのメタノールを添加することにより、反応混合物をpH7.2±0.2に中和した。
混合物を-5±3℃に冷却し、バッチ温度を-5±3℃に保持しながら、103.2kgのN-ブロモスクシンイミドを2時間以上にわたって少量ずつ反応器に加えた。添加終了後、混合物を少なくとも15分間撹拌し、次に1時間加熱還流し、2時間以内に再び22±3℃に冷却し、この温度でさらに1時間保持した。粗生成物を遠心分離によって分離したが、母液を遠心機に再循環させて、すべての材料の分離を終わらせることができる。分離した粗生成物を148kgのメタノールで2回洗浄した。
粗反応生成物を、741kgのメタノールとともに撹拌反応器に移し、25±5℃に加熱し、この温度で少なくとも10分間加熱した。混合物を3時間~3.5時間加熱還流し、3時間以内に再び10±3℃に冷却し、この温度でさらに1時間保持した。精製した生成物を遠心分離によって分離し、濾過ケーキを148kgのメタノールで2回洗浄した。
精製された反応生成物を、741kgのメタノールとともに撹拌反応器に移し、25±5℃に加熱し、この温度で少なくとも10分間加熱した。混合物を3時間~3.5時間加熱還流し、3時間以内に再び10±3℃に冷却し、この温度でさらに1時間保持した。純粋な生成物を、遠心分離によって分離し、濾過ケーキを74kgのメタノールと94kgの水の混合物で2回洗浄した。
生成物を、トレイ乾燥機内のトレイ上の薄層の状態(約2.9kg/m2)で周囲温度での換気によって乾燥させ、94.9kgの4-{[4-アミノ-5-ブロモ-6-(メトキシメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン(VII)(収率45%)を、(VII)1molあたり約1molの水を含む水和物として得た。
HPLC(方法3):純度99.8%(4-{[4-アミノ-5-ブロモ-6-(メトキシメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン)(RT=10.8分)、関連副生成物:RRT(相対保持時間)1.05での(XXI):0.09%;RRT 1.38での(XX):0.07%;RRT 0.74での(VI):検出されず
使用に関するアッセイ:96.1%(外部標準に対して)
TGA:5.0%の重量減少
方法2:
撹拌反応器に140.0kgの6-(メトキシメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン(V)、117.6kgのピペラジン-2-オンおよび1106kgのメタノールを加え、混合物を22±3℃で1時間撹拌した。不溶性物質を除去するために混合物をフィルタに通し、濾液を別の撹拌反応器に収集した。第1の容器とフィルタを266kgのメタノールですすいだ。280kgの酢酸を22±3℃の温度で添加し、続いて20Lのメタノールを添加した。26kgのパラホルムアルデヒドを添加し、バッチを24時間加熱還流した。混合物を25±5℃に冷却し、反応の完了後(hplcで化合物(V)は6.0%以下)、バッチ温度を25℃未満に保ちながら、84kgの50%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、続いて20Lのメタノールを添加することにより、反応混合物をpH6.0±0.2に中和した。混合物を22±3℃で少なくとも15分間撹拌し、次に-5±3℃に冷却した。
別個の撹拌容器で、154kgのN-ブロモスクシンイミドを934kgのアセトニトリルに20℃で溶解した。このNBS溶液を、温度を5±3℃に保つことにより反応混合物の中に移した(投与時間>4時間)。NBS溶液の残渣を50LのACNで洗い流した。次に、混合物をこの温度で30~40分間撹拌し、次に1時間加熱還流し、1時間以内に再び22±3℃に冷却し、この温度でさらに1時間保持した。粗生成物を濾過により分離した。濾過ケーキを221kgのメタノールで2回洗浄した。
粗反応生成物を、1106kgのメタノールとともに撹拌反応器に移し、25±5℃に加熱し、この温度で少なくとも10分間加熱した。混合物を3時間~3.5時間加熱還流し、3時間以内に再び10±3℃に冷却し、この温度でさらに1時間保持した。精製した生成物を濾過によって分離し、濾過ケーキを221kgのメタノールで2回洗浄した。
精製された反応生成物を、995kgのメタノールおよび140kgの水とともに25±5℃に加熱した撹拌反応器に移し、この温度で少なくとも10分間加熱した。混合物を3時間~3.5時間加熱還流し、3時間以内に10±3℃に冷却し、この温度でさらに1時間保持した。純粋な生成物を、濾過によって分離し、濾過ケーキを111kgのメタノールと140kgの水の混合物で2回洗浄した。
生成物を、トレイ乾燥機内のトレイ上の薄層の状態(約2.9kg/m2)で周囲温度での換気によって乾燥させ、208kgの4-{[4-アミノ-5-ブロモ-6-(メトキシメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン(収率72%)を、(VII)1molあたり約1molの水を含む水和物として得た。
HPLC(方法3):ロット14純度99.5%(4-{[4-アミノ-5-ブロモ-6-(メトキシメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン)(RT=11.1分)、関連副生成物:RRT(相対保持時間)1.05での(XXI):0.15%;RRT 1.38分での(XX):0.16%;RRT 0.74での(VI):<0.05%
使用に関するアッセイ:95.1%(外部標準に対して、水和物は約1mol/5%の水を含む)
実施例8:4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン(I)
Figure 2022519081000051
27.1kgの4-{[4-アミノ-5-ブロモ-6-(メトキシメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン(VII)を、10℃のジャケット温度の撹拌反応器内の425kgのTHFに入れた。74kgの水、22.1kgの(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ボロン酸(VIII)および20.5kgの炭酸カリウムを添加し、反応混合物を、内圧を200mbarに下げ、アルゴンガスを補充して周囲圧力にすることによって不活性化した。0.47kgの[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を添加し、反応混合物を、内圧を200mbarに下げ、アルゴンガスを補充して周囲圧力にすることによって不活性化した。反応混合物を90分以内に加熱還流(内部温度約64℃)し、この温度でさらに2時間撹拌した。274kgの水中24.1kgのアセチルシステインの溶液を55℃~還流温度で添加した。反応混合物をこの温度で2時間撹拌し、次に242kgの酢酸エチルを55℃~還流温度で添加した。ジャケット温度は50℃に設定した。
60分間撹拌した後、反応混合物から366kgの溶媒を48℃~50℃、500mbarで蒸留除去することによって反応混合物を濃縮した。さらなる239kgの酢酸エチルを添加し、反応混合物から147kgの溶媒を46℃~50℃、500mbarで蒸留除去することにより反応混合物を濃縮した。蒸留が終了した後、ジャケット温度を75℃に調整し、混合物を60分間撹拌した。混合物を2時間以内に20℃の内部温度まで冷却し、さらに2時間撹拌した。生成物を濾過により分離し、196kgのエタノールと22kgの水の混合物で洗浄した。
この生成物を撹拌反応器の中の456kgのTHFと91kgの水の混合物に入れ、溶液が得られるまで65℃に加熱する。ジャケット温度を50℃に設定し、反応混合物を、500~200mbarで蒸留液が収集されなくなるまで蒸留することにより濃縮した(約469kgの蒸留液)。238kgのエタノールを添加し、140mbarで反応混合物から46kgの溶媒を蒸留除去することによって反応混合物を濃縮した。
ジャケット温度を80℃に設定し、混合物を3時間撹拌し、次に3時間以内に15℃の内部温度まで冷却した。混合物を1時間撹拌し、生成物を遠心機で分離し、298kgのエタノールと39kgの水の混合物で洗浄した。生成物を45℃、30mbarで乾燥させ、28.3kgの(I)を得た。
この手順を繰り返して、27.4kgの4-{[4-アミノ-5-ブロモ-6-(メトキシメチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン(VII)および22.1kgの(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ボロン酸(VIII)を方法1に従う同様の方法で変換することにより、(I)の第2のバッチを生成し、28.5kgの(I)を得た。
精製:
(I)のバッチから28.3kgの(I)を撹拌反応器の中の413kgのTHFと81kgの水の混合物に入れ、溶液が得られるまで65℃で加熱還流した。次に、ジャケット温度を60℃に設定し、混合物を加熱した粒子フィルタ(60℃)に通して、別の撹拌反応器に入れた。
(I)の第2のバッチから28.5kgの(I)を撹拌反応器の中の410kgのTHFと81kgの水の混合物に入れ、溶液が得られるまで65℃で加熱還流した。次に、ジャケット温度を60℃に設定し、混合物を加熱した粒子フィルタ(60℃)に通して、(I)の溶液の第1の部分を既に含んでいる撹拌反応器に入れた。
ジャケット温度を50℃に設定し、反応混合物を、200mbarで蒸留液が収集されなくなるまで蒸留することにより濃縮した(約798kgの蒸留液)。429kgのエタノールを添加し、140mbarで反応混合物から90kgの溶媒を蒸留除去することによって反応混合物を濃縮した。
ジャケット温度を85℃に設定し、混合物を90分間撹拌し、次に3時間以内に15℃の内部温度まで冷却した。混合物を1時間撹拌し、生成物をフィルタドライヤで分離し、354kgのエタノールと45kgの水の混合物で洗浄した。最後に生成物を45℃、30mbarで乾燥させ、53.6kgの(I)を理論収率の78%で得た。
HPLC(方法4):
純度:99.8%(Rt=11.6分)、関連副生成物:RRT(相対保持時間)0.16での(VI):不検出;RRT 1.02分での(XVIII):0.09%;RRT 0.77での(XV):不検出RRT;0.98での(XVI):不検出
使用に関するアッセイ:97.8%(外部標準に対して)
残留溶媒(GC方法1で測定):0.4%テトラヒドロフラン
残留元素(ICP-MSで測定):0.9mg/kgパラジウム
実施例9:4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン塩酸塩水和物(III)一水和物[A]
Figure 2022519081000052
方法1:
16.1kgの4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン(I)を、106kgのエタノールと13kgの水の混合物に反応器内で撹拌することにより懸濁した。混合物を50±5℃に加熱し、1時間撹拌した。5.4±0.2kgの25%HCl水溶液を添加し、続いて10kgのエタノールを添加して、バッチをこの温度で1時間撹拌した。混合物を2.5時間以内に0±3℃に冷却し、0±3℃で1時間撹拌する。生成物を濾過により分離し、冷反応器を介してフィルタを48kgのエタノールで洗浄する。粗生成物は、乾燥せずにさらに処理される。
このプロセスは4回実行されるため、合計64.4kgを変換する。4つの粗生成物は、次のプロセスステップで組み合わされた。
2.5kgの10%HCl水溶液を撹拌反応器内で193kgの水で希釈し、4つの粗生成物をこの混合物に懸濁した。バッチを75±3℃に加熱し、この温度で1時間撹拌し、次に3時間以内に20±3℃に冷却した。生成物をフィルタドライヤで分離し、反応器を介して濾液を循環させることにより、残留生成物を反応器からフィルタにすすぎ流した。生成物を、30mbar、50℃のジャケット温度で乾燥させ、63.7kg(収率89%)の4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン塩酸塩水和物(III)を、所望の一水和物[A]の固体形態で得た。
HPLC(方法4):
純度:99.7%(Rt=11.9分)、関連副生成物:RRT(相対保持時間)0.16での(VI):不検出、RRT 1.02分での(XVIII):不検出;RRT 0.77での(XV):0.07%;RRT 0.98での(XVI):0.16%
使用に関するアッセイ:98.2%(外部標準に対して、一塩化物、一水和物に基づく)
残留溶媒(GC方法1で測定):0.3%エタノール
残留元素(ICP-MSで測定):1mg/kgパラジウム
含水量(カールフィッシャ-電量測定):3.5%
イオンクロマトグラフィー:塩化物6.4%
方法2:
51.1kgの4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン(I)を、336kgのエタノールと41kgの水の混合物に撹拌反応器内で懸濁した。混合物を50℃に加熱し、17.3kgの25%HCl水溶液、それに続いて32kgのエタノールを添加した。0.48kgの一水和物[A]の形態の4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン塩酸塩水和物(III)を種結晶(例えば、方法1または方法2に従って調製し、さらにジェットミルで20μm未満の粒子サイズに粉砕)として添加し、反応混合物を50℃で1時間撹拌した。
混合物は、2.5時間以内に0℃に冷却し、0℃で1時間撹拌する。生成物をフィルタドライヤで濾過することにより分離し、フィルタを107kgの冷エタノールで洗浄する。その後、濾過を停止する。
2.0kgの10%HCl水溶液の混合物を、154kgの水に希釈し、撹拌反応器内で30℃に加熱し、フィルタドライヤにパイプで送る。濾過ケーキを、32℃のフィルタドライヤで60分間攪拌することにより懸濁し(supended)、その後濾過する。
生成物は、45℃の生成物温度に達するまで、50℃のジャケット温度、30mbarで乾燥させる。乾燥は2時間続ける。54.0kg(収率95%)の4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン塩酸塩水和物(III)を、所望の一水和物[A]の固体形態で得た。
HPLC(方法4):
純度:99.9%(Rt=11.6分)、関連副生成物:RRT(相対保持時間)0.16での(VI):不検出、RRT 1.02分での(XVIII):不検出;RRT 0.77での(XV):0.04%;RRT 0.98での(XVI):不検出
使用に関するアッセイ:98.2%(外部標準に対して、一塩化物、一水和物に基づく)
残留溶媒(GC方法1で測定):0.2%エタノール
残留元素(ICP-MSで測定):0.6mg/kgパラジウム
含水量(カールフィッシャ-電量測定):3.8%
イオンクロマトグラフィー:塩化物6.8%
実施例10:実験室規模での特性評価のために異なる固体形態のサンプルを調製するためのプロセス:
一水和物(A)の調製
式(I)の化合物の一水和物[A]として結晶形態(III)を上記のように(方法1、実施例9に従って)調製した
二水和物(B)の調製
式(II)の化合物の一水和物形態[A](含水量3.1%)1gを、10mLのメタノールに懸濁し、0℃で5週間撹拌した。その後、懸濁液を濾過し、溶媒が蒸発するまで残渣を室温で保存した。それは2週間の間に一水和物に変わった。
三水和物(C)の調製
式(II)の化合物の一水和物形態[A](含水量3.5%)1gを、還流下で100mLのメタノールに懸濁した。溶液を濾過し、溶媒が蒸発するまで冷蔵庫に保存した。
3/4水和物(D)の調製
式(II)の化合物の一水和物形態[A](含水量3.1%)3.5gを、35mLのメタノールに懸濁し、0℃で1週間撹拌した。その後、懸濁液を濾過し、溶媒が蒸発するまで残渣を室温で保存した。
アモルファス材料(E)の調製
式(II)の化合物の一水和物形態[A](含水量3.1%)を、エタノール/水(1:1)で噴霧乾燥した。
式(II)の化合物の水和物形態の物理的特性評価
XRPD
Figure 2022519081000053
Figure 2022519081000054
13C固体NMRスペクトル
結晶形態[A]:一水和物
Figure 2022519081000055
結晶形態[D]:3/4水和物
Figure 2022519081000056
結晶形態[C]:三水和物
Figure 2022519081000057
結晶形態[E]:アモルファス化合物
Figure 2022519081000058
(II)の水和物形態の調製および特性評価に関する追加データ
式(II)の4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン-モノ-塩酸塩化合物の水和物形態の調製
一水和物(A)の懸濁液をさまざまな溶媒で調製し、0℃および25℃で撹拌した。残渣を濾別し、室温および周囲湿度で乾燥させた。表1に結果を要約する:再現性のある調製は、すべての固体形態について可能ではなかった。
Figure 2022519081000059
式(II)の4-{[4-アミノ-6-(メトキシメチル)-5-(7-メトキシ-5-メチル-1-ベンゾチオフェン-2-イル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]メチル}ピペラジン-2-オン-モノ-塩酸塩化合物の水和物形態の特性
保存
一水和物、3/4水和物、三水和物およびアモルファス形態を25℃および50℃の密閉容器に保存した(湿度は設定されていない)。結果を表2に要約する。
Figure 2022519081000060
水分吸着
一水和物、3/4水和物、三水和物およびアモルファス形態をさまざまな湿度で保存した。次に、それらの含水量を熱重量分析で測定した。結果を表3に要約する。
Figure 2022519081000061
化合物(III)を含む医薬組成物(600mg)
Figure 2022519081000062
錠剤製造プロセスの説明
ドライブレンディング
微結晶セルロース、化合物(III)、ラクトース一水和物およびクロスポビドンを、表1に従う割合で秤量して適した容器に入れ、ブレンドした。
湿式造粒
ブレンド後、混合物を高剪断造粒機でバインダー溶液(精製水中のコポビドン)を用いて造粒した。造粒後、顆粒を湿式ふるいにかけた。
乾燥およびドライミリング
ふるいにかけた顆粒を流動床乾燥機に移し、LODが3~4%に達するまで乾燥させた。
乾燥後、顆粒を0.9mmのふるいに通した。
最終ブレンディング
微結晶セルロース、クロスポビドンおよびシリカ(コロイド、無水物)を最終ブレンドに加え、ビンブレンダーで混合した。
最後に、ステアリン酸マグネシウムを最終ブレンドに加え、混合した。
錠剤の圧縮
混合物を輪転機で圧縮して、680.0mgの重量の錠剤にした。
コーティング
錠剤は、コーティング懸濁液(精製水中のヒプロメロース、マクロゴール、酸化鉄レッド、二酸化チタン)を用いてドラムコーターでコーティングした。
化合物(III)を含む医薬組成物の特性
方法:
錠剤を、以下の方法に従って評価した。
Figure 2022519081000063
Figure 2022519081000064
Figure 2022519081000065
Figure 2022519081000066
Figure 2022519081000067
Figure 2022519081000068
Figure 2022519081000069
Figure 2022519081000070
化合物IIIを含む錠剤を上記の方法に従って製造し、最初のXRPDを記録した。XRPDパターンは、48カ月にわたって調査したすべての保存条件で変化しなかった。
Figure 2022519081000071
Figure 2022519081000072
Figure 2022519081000073

Claims (18)

  1. 化合物(III)
    Figure 2022519081000074
    であって、化合物(I)
    Figure 2022519081000075
    の一塩化物の一水和物である、化合物(III)。
  2. 2θ値±0.2°として示される少なくとも以下の反射:9.3、10.6、および13.3を示す、放射線源としてCu-Kα1を使用して25℃で測定されたX線粉末回折図を特徴とする、請求項1に記載の化合物の形態。
  3. 2θ値±0.2°として示される少なくとも以下の反射:9.3、10.6、13.3、20.7、および23.3を示す、放射線源としてCu-Kα1を使用して25℃で測定されたX線粉末回折図を特徴とする、請求項1に記載の化合物の形態。
  4. 2θ値±0.2°として示される少なくとも以下の反射:9.3、10.6、11.4、13.3、20.7、23.3、および26.0を示す、放射線源としてCu-Kα1を使用して25℃で測定されたX線粉末回折図を特徴とする、請求項1に記載の化合物の形態。
  5. 2θ値±0.2°として示される少なくとも以下の反射:6.8、9.3、10.6、11.4、13.3、20.7、23.3、24.6、26.0、および27.6を示す、放射線源としてCu-Kα1を使用して25℃で測定されたX線粉末回折図を特徴とする、請求項1に記載の化合物の形態。
  6. 前記式(I)の化合物の擬似多形体形態(III)と、場合によりさらに製薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  7. 前記式(I)の化合物の結晶形態(III)を主に含み、前記式(I)の化合物の別の形態の有意な画分を含まず、場合によりさらに製薬上許容される賦形剤を含む、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. がんの治療および/または予防に使用するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物の結晶形態。
  9. がんおよび腫瘍疾患などの増殖性障害の治療および/または予防に使用するための、請求項6または7に記載の医薬組成物。
  10. がんおよび腫瘍疾患などの増殖性障害の治療または予防のための医薬組成物を製造するための、請求項1から5のいずれか一項に定義される化合物の使用。
  11. 物理的にも化学的にも安定している錠剤を製造するための、請求項1から5のいずれか一項に定義される化合物の使用。
  12. 哺乳動物のがんおよび腫瘍疾患などの増殖性障害を治療または予防する方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療上有効な量の請求項1から5のいずれか一項に定義される化合物を投与するステップを含む、方法。
  13. 前記式(I)の化合物を不活性溶媒に溶解または懸濁して酸または酸前駆体を添加することにより、前記式(I)の化合物を反応させるステップを含む、前記式(I)の化合物の前記結晶形態(III)を生成する方法。
  14. 前記式(I)の化合物をTHFまたはEtOHおよび水に溶解または懸濁し、HClを添加することにより、前記式(I)の化合物を反応させる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記式(I)の化合物が、式(VII)の化合物
    Figure 2022519081000076
    を、THFおよび水の存在下でK2CO3およびパラジウム触媒を用いて式(VIII)の化合物
    Figure 2022519081000077
    と反応させることにより生成される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記式(VII)の化合物が、式(V)の化合物
    Figure 2022519081000078
    を、酸の存在下でパラホルムアルデヒドを用いて式(XIII)の化合物
    Figure 2022519081000079
    と反応させ、それにより式(VI)の化合物
    Figure 2022519081000080
    を生成し、次に前記式(VI)の化合物を臭素化剤と反応させることにより生成される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記式(V)の化合物が、式(IV)の化合物
    Figure 2022519081000081
    を酸と反応させ、それにより式(XXII)の化合物
    Figure 2022519081000082
    を生成し、次に(XXII)を塩基の存在下でメタノールと反応させ、それにより式(XXIII)の化合物
    Figure 2022519081000083
    を生成し、次に(XXIII)を酢酸ホルムアミジンおよび塩基と反応させることにより生成される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記式(IV)の化合物が、式(X)の化合物
    Figure 2022519081000084
    をBoc-NH-NH2と反応させて式(XI)の化合物
    Figure 2022519081000085
    を形成し、これをCISO2NCOと反応させて式(XII)の化合物
    Figure 2022519081000086
    を形成し、これを順にN-ブロモスクシンイミドと反応させて式(IX)の化合物
    Figure 2022519081000087
    を形成し、これを、パラホルムアルデヒドだけでなく、金属有機試薬、好ましくは臭化メチルマグネシウムおよびブチルリチウムと反応させて、式(IV)の化合物を形成することにより生成される、請求項17に記載の方法。
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