JP5856458B2 - 座椅子 - Google Patents

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本発明は座椅子の改良に関する。
座椅子は、座椅子に座った座者の体圧を、座者の臀部を受ける座面部、或いは、前記座面部と座者の上半身(即ち座者の腰部、背部及び肩部)を受ける背もたれ部とで支えるものであり、一般に、座面部は当該座面の表面全体が一平面的に形成され、背もたれ部の受面もまた当該受面全体が一平面的な一枚板状に形成されている。
又、座面部や背もたれ部のクッション材の配設構造についても、単に臀部の体圧或いは上半身(座者の腰部、背部、及び肩部の全体)の体圧を座部の一平面、背もたれ部の一枚板状の一平面で如何にして軽減するか、という設計思想を超えてはいなかった。
このため、座面部の体圧軽減については、当該座面の全面を覆うような一平面状に成形された素材やクッション性が異なる各種のクッション材が、単に積層的に用いられるだけであり、平面的なクッション材の単なる素材の組み合わせや厚さや積層の組合せ如何で、体圧の軽減が図られていたに過ぎなかった。
又、背もたれ部についても、腰部から肩部に至る上半身(即ち座者の腰部、背部及び肩部)を受ける受面全体が一つの単純な一枚板状の単なる一平面と捉えられていたため、上記の座面部の場合と同様に、平面的な各種クッション部材が背側即ち腰部から肩部に至る上半身の背面側の全面にわたって単に平面的に積層されていたに過ぎなかった。
他方、一部の座椅子では、座部の表面側や背もたれ部の表面側の形状を、その面に当たる身体部分の全部或いは一部の表面形状と整合する相補形状とした製品もみられるが、これらの相補形状もまた、当該部分に全面的に積層されるクッション材の表層側のみを所要の凹凸曲面に射出成型手段等で一体成形されたものに過ぎない。
しかも、上記で述べたような従来の座椅子では、座者の座り心地の改善については、専らクッション材の素材やその平面的な積層構造の工夫にばかりに視点がそそがれ、座椅子の骨格構造の改良についての着眼は全くと言って良い程希薄であった。
本発明は、座者の座り心地の改善について、先ず、座椅子の骨格構造の改良に工夫を凝らし、更に、クッション材の単なる平面的な積層即ち二次元的配置ではなく、立体的な配置構造即ち三次元的配置に工夫を凝らすことによって、人体工学的な視点から座者の体圧を効率的に分散させ、従来にない、座り心地の良い座椅子の提供を目的とするものである。
又、従来のようなクッション材の単純な平面的な積層や表面側クッション材の表面凹凸曲面の射出成形等による一体成形では、体形の異なる個々の座者に適応した心地よい座り心地の座椅子の提供は殆ど不可能であったが、製造工程においてクッション材の材質やサイズや形態等を個々の座者の体形に応じて容易に変更でき、個々の座者の身体的特徴に応じて容易に製造できる座椅子の提供をも目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成すべくなされたもので、背もたれ部の構造を従来にない新たな構造にしたり、座者と座椅子の骨格構成フレームとの間に介在させるクッション材の形状や配置構成を新たにしたりすることによって、座者の体圧を座部と背もたれ部とに効率よく分散させることで、座り心地のよい座椅子の提供を実現させると共に、個々の座者の体形に応じた座椅子の容易な製造・提供を実現させたものである。
請求項1の座椅子の発明は、座者の臀部を受ける座面部の骨格を構成する座面部構成フレームと、座者の腰部と背部と肩部とのうちの背部を受ける背面部の骨格を構成する背面部構成フレームとを、少なくとも備え、
前記背面部構成フレームが、当該背面部構成フレームで形成されるフレーム面内を左右方向に通る軸線を揺動軸として、座者の上半身側の前後方向の屈伸運動に応じて自在に揺動する構成とされ、前記背面部は、座者の背部が当接された際、座者の背骨の左右に間隔をおいて前記背骨と平行的に延在するよう各別に配設された一対の背骨回避クッション部材を有し、前記背骨回避クッション部材は、当該部材の延在方向中央付近から背面部の上端側に向かって厚さが次第に減少する形状とされたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の座椅子において、背面部構成フレームの揺動は、当該背面部構成フレームのフレーム面において、揺動軸より上方部側のフレーム面部と下方部側のフレーム面部との受圧差に応じた傾に当該フレーム面が静止しようとする動きであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の座椅子において、背面構成フレームのフレーム面は、座者の左右方向に長い略長四角形状とされたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の座椅子において、背面部は背面部構成フレームの揺動において、少なくとも座者の背部と面当接可能に構成されたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の座椅子において、背面部構成フレームのフレーム面の上下方向長さは、座者の上半身の傾斜角度が約125度の座姿勢において、座者の第8又は第9胸椎から第4腰椎までの長さとされたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の座椅子において、揺動軸の設定位置は、座者の腰部の高さ方向範囲内とされたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の座椅子において、揺動軸の高さ方向設定位置は、座者の上半身の傾斜角度が約125度の座姿勢において、座者の第3乃至第5腰椎の高さ方向範囲内とされたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の座椅子において、揺動軸の座椅子の前後方向設定位置は、座者の上半身の傾斜角度が約125度の座姿勢において、座者の第6乃至第7胸椎を通る垂線上に揺動軸が位置する位置とされたことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8の何れかに記載の座椅子において、揺動軸のフレーム面内の設定位置は、背面部構成フレームで形成されるフレーム面の上下方向において、当該軸より下部側方向長さより上部側方向長さの方が長い位置に設定されたことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1乃至請求項9の何れかに記載の座椅子において、揺動軸のフレーム面内の設定位置は、背面部構成フレームの上下方向において当該軸より下部側方向長さと上部側方向長さとの比が略1対3に分かたれる位置に設定されたことを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1乃至請求項10の何れかに記載の座椅子において、背面部構成フレームの揺動範囲は、少なくとも、座者が座面部の座面から臀部を浮かせて背部を後方へ一杯に伸展させた際、座者の背部に対して背面部が面当接した状態で傾動可能な範囲とされたことを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項1乃至請求項11の何れかに記載の座椅子において、背面部構成フレームは、背面部の外周縁を形成する略長四角形状の枠体であって、当該枠体の左右の外側に揺動軸を有することを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項1乃至請求項12の何れかに記載の座椅子において、背面部構成フレームは、略長四角形状の枠体であって、当該枠体内を左右水平方向に延在する揺動軸としての軸体を有することを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項1乃至請求項13の何れかに記載の座椅子において、背面部構成フレームは、当該背面部構成フレームの揺動軸の両端側が、座面部構成フレームの左右両端側に各々リクライニングギアを介して傾動自在に連結された左右一対の背面部支持フレームに回動自在に軸支されたことを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14の座椅子において、背面部支持フレームは、座者の腰部の直接圧力を受けないよう腰部から後方に離された位置に設けられたことを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項14又は請求項15に記載の座椅子において、左右一対の背面部支持フレームは、当該両背面部支持フレームを連結するフレーム部材で一体的に構成されたことを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項1乃至請求項16の何れかに記載の座椅子において、背骨回避クッション部材は、当該部材の延在方向中央付近から背面部の上端側に向かって厚さが次第に減少するよう前記上端側が側面視において略直角三角形状とされたことを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項1乃至請求項17の何れかに記載の座椅子において、一対の背骨回避クッション部材は背面部構成フレームに配設され、前記一対の背骨回避クッション部材の上に当該両クッション部材に架け渡されるように架け渡しクッション部材が配設されたことを特徴とする。
請求項19の発明は、請求項1乃至請求項17の何れかに記載の座椅子において、一対の背骨回避クッション部材は、背面部構成フレームのフレーム面上を覆うように設けられた背面基底クッション部材の上に間隔をおいて各別に配設されたことを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項1乃至請求項19の何れかに記載の座椅子において、座面部は、座者の臀部の左右後端側部位の圧力を受ける一対の臀部後端受クッション部材を有すること特徴とする。
請求項21の発明は、請求項20に記載の座椅子において、臀部後端受クッション部材は、座椅子の前方側から後方側に向かって次第に厚さが増大する形状とされたことを特徴とする。
請求項22の発明は、請求項20又は請求項21に記載の座椅子において、臀部後端受クッション部材は、側面視において略直角三角形状とされたことを特徴とする。
請求項23の発明は、請求項20乃至請求項22の何れかに記載の座椅子において、一対の臀部後端受クッション部材は、座面部構成フレームのフレーム面に配設された座面基底クッション部材の上に、間隔をおいて各別に配設されたことを特徴とする。
請求項24の発明は、請求項1乃至請求項23の何れかに記載の座椅子において、座面部は、当該座面の前端側に座者の大腿部下に当接する大腿部クッション部材を有することを特徴とする。
請求項25の発明は、請求項24に記載の座椅子において、大腿部クッション部材は、座面の前端縁側に沿って延在する断面四角形状の単体部材とされたことを特徴とする。
請求項26の発明は、請求項24乃至請求項25の何れかに記載の座椅子において、大腿部クッション部材は、座面部構成フレームのフレーム面に配設された座面基底クッション部材の上に配設されたことを特徴とする。
請求項27の発明は、請求項21、請求項22、請求項24、請求項25の何れかに記載の座椅子において、座面部の一対の臀部後端受クッション部材及び大腿部クッション部材は、座面部構成フレームに配設され、配設された前記一対の臀部後端受クッション部材及び大腿部クッション部材の上面を一体的に覆うように座面基底クッション部材が配設されたことを特徴とする。
請求項28の発明は、請求項20乃至請求項27の何れかに記載の座椅子において、座面部の一対の臀部後端受クッション部材及び大腿部クッション部材は、座者の臀部の前方側部位と後方側左右部位との3部位によって、臀部の座り位置が定まるように配設されたことを特徴とする。
請求項29の座椅子の製造方法の発明は、請求項15乃至請求項28の何れかに記載の座椅子において、少なくとも、一対の背骨回避クッション部材を、予め、予定される座者の体格に応じた所要寸法サイズに予め成形しておき、座者の体格に応じて予め成形された一対の背骨回避クッション部材を配設することを特徴とする。
請求項30の座椅子の製造方法の発明は、請求項20乃至請求項28の何れかに記載の座椅子において、少なくとも、一対の背骨回避クッション部材と一対の臀部後端受クッション部材とを、予め、予定される座者の体格に応じた所要寸法サイズに予め成形しておき、座者の体格に応じて予め成形された一対の背骨回避クッション部材と一対の臀部後端受クッション部材とを配設することを特徴とする。
請求項31の座椅子の製造方法の発明は、請求項24乃至請求項28の何れかに記載の座椅子において、少なくとも、一対の背骨回避クッション部材と一対の臀部後端受クッション部材と大腿部クッション部材との各部材を、予め、予定される座者の体格に応じた所要寸法サイズに予め成形しておき、座者の体格に応じて予め成形された一対の背骨回避クッション部材と一対の臀部後端受クッション部材とを配設することを特徴とする。
請求項1乃至請求項31の各発明によれば、何れも、座者の上半身即ち座者の腰部、背部及び肩部を受ける背もたれ部の骨格構造を、前記上半身のうちの背部のみを受ける背面部とし、当該背面部の骨格を構成する背面部構成フレームを、当該背面部構成フレームで形成されるフレーム面内を左右方向に通る軸線を揺動軸として、座者の上半身側の前後方向の屈伸運動に応じて当該背面部即ち背面部構成フレームが自在に揺動する構成としてあるので、座者の上半身の傾き如何に応じて、即ち、座者の座る姿勢に応じて、常時、背骨(脊椎)を自然なS字状態で無理なく受け止めることができると共に、座者の体圧を座部と背もたれ部の背面部とに効率よく分散させることができ、座り心地のよい座椅子を提供することができると共に、座者と座椅子の骨格構成フレームとの間に介在させるクッション材の形状や配置構成を従来にない新たは発想に基づいた構成としているので、座者の体圧を座部と背もたれ部の背面部とに効率よく分散させることができ、座り心地のよい座椅子を提供することができる。
請求項2乃至請求項4の各発明によれば、何れも、座者の上半身の如何様な傾き姿勢においても、即ち、背部の如何なる傾斜角度変化に対しても、背部に対応する背部構成フレームが無理なく円滑に追従揺動することができる。
請求項5乃至請求項8の各発明によれば、何れも、座者の上半身の傾斜角度が約125度において、座り心地が最も理想的な座椅子を提供することができる。
請求項9乃至請求項11の各発明によれば、何れも、座者の上半身の迅速な傾動に対して、背部に対応する背部構成フレームを迅速に追従揺動させることができる。
請求項16の発明によれば、例えば、請求項13の発明と比較すると、揺動軸として有体の軸体を四角枠状のフレーム内に設ける必要が無いので、フレーム構成部材の省略化、座椅子の軽量化、殊に背部構成フレームの軽量化や座椅子製造の手間やコストの低減化とを図ることができる。
請求項14乃至請求項16の各発明によれば、何れも、背もたれ部としての背面部が座面に対してリクライニングギアを介して如何様な角度に設定されても、背部に対応する背部構成フレームを無理なく円滑に追従揺動することができ、座者の上半身の迅速な傾動に対して、背部に対応する背部構成フレームを迅速に追従揺動させることができる。
請求項15の発明によれば、例えば、請求項16の発明と比較すると、連結用のフレーム部材を設ける必要が無いので、フレーム構成部材の省略化、座椅子の軽量化、及び構成フレームの軽量化や座椅子製造の手間やコストの低減化とを図ることができる。
又、請求項1乃至請求項28の各発明によれば、何れも、背骨回避クッション部材や臀部後部端受クッション部材を予め単体化しておくことによって、個々の座者の体形(身長や体重或いは臀部や背骨の大きさ等)に応じて、これ等の背骨回避クッション部材や臀部後部端受クッション部材のサイズや形状を形成することによって、個々の座者に対応する個性的な座椅子を容易且つ迅速に製造し、提供することができる。
請求項1乃至請求項28の発明によれば、座者の背骨が背もたれ部としての背面部に直接的に当接しないので、背骨に対する背面部の当たりが緩和されると共に、体圧が左右の背骨回避クッション部材に分散させることができる。
請求項16や請求項17の各発明によれば、背面部の上端側に向かってクッション部材の厚さが次第に低減されているので、当該低減化部位(傾斜面)で座者の上半身(殊に、背部や首や頭)のズレ落ちを防ぐことができると共に、当該上半身の体圧に応じて揺動した背面部が当該体圧を十分に受けることができるので、従来の座椅子に比べて、座面に掛る体圧を背面部に分散することができ、全体として、座り心地のよい座椅子を提供することができる。
請求項18の発明によれば、例えば、請求項19の発明と比較すると、背骨回避クッション部材が背面基底クッション部材を介して座者の身体に間接的に当接するので、単体化された当該背骨回避クッション部材の角張った形状が平面的な背面基底クッション部材で円やかに緩和されて、当たり心地の良い感触を生じさせることができる。
又、請求項20乃至23の各発明によれば、何れも、座面部における臀部の後方側の座り位置を当該座椅子における座面部の理想的な位置(揺動自在な背面部との体圧分散に係る関係においての理想的位置)に自ずと案内させることができる。
又、請求項24乃至請求項26、及び請求項28の各発明によれば、何れも、座面部における臀部の前方側の座り位置を当該座椅子における座面部の理想的な位置(揺動自在な背面部との体圧分散に係る関係においての理想的位置)に自ずと案内させることができると共に、請求項20乃至請求項23の各発明との関係においては、座者の臀部の前方側が大腿部クッション部材、臀部の左右後方側が臀部後端受クッション部材の各部材によって、臀部を三点で理想的な座り位置に自ずと案内することができる。
請求項27の発明によれば、例えば、請求項23や請求項25の発明と比較すると、背骨回避クッション部材や大腿部クッション部材が座面基底クッション部材を介して座者の臀部の対応部分に間接的に当接するので、単体化された当該背骨回避クッション部材や大腿部クッション部材の角張った形状が平面的な座面基底クッション部材で円やかに緩和されて、当たり心地の良い感触を生じさせることができる。
請求項29の座椅子の製造方法の発明によれば、一対の背骨回避クッション部材が、予め、予定される座者の体格に応じた所要寸法サイズに予め成形されているので、発注に応じて、座者の体格に応じた背骨回避クッション部材が背面部に配設された座椅子を容易且つ迅速、しかも廉価にて提供することができる。
請求項30の座椅子の製造方法の発明によれば、一対の背骨回避クッション部材と一対の臀部後端受クッション部材とが、予め、予定される座者の体格に応じた所要寸法サイズに予め成形されているので、発注に応じて、座者の体格に応じた背骨回避クッション部材と臀部後端受クッション部材とが背面部及び座面部に配設された座椅子を容易且つ迅速、しかも廉価にて提供することができる。
請求項31の座椅子の製造方法の発明によれば、一対の背骨回避クッション部材と一対の臀部後端受クッション部材と大腿部クッション部材との各部材が、予定される座者の体格に応じた所要寸法サイズに予め成形されているので、発注に応じて、座者の体格に応じた背骨回避クッション部材と臀部後端受クッション部材と大腿部クッション部材とが背面部及び座面部に配設された座椅子を容易且つ迅速、しかも廉価にて提供することができる。
図1は座椅子の骨格フレームの左斜視図である。 図2は図1に示す座椅子の骨格フレームの縦断側面図である。 図3は背面部の傾動状態を示す側面説明図である。 図4は背面部の上端側が後方に傾倒した状態を示す側面図である。 図5は図2の縦断側面図に骨格フレームの実寸法記入説明図である。 図6は着座状態を示す説明図である。 図7は着座状態におけるクッション材の配置説明図である。 図8は座椅子を180度展開した状態におけるクッション材の配置説明図である。 図9は着座状態におけるクッション材の変形状態を示す説明図である。
本発明の座椅子として、座面部と背面部とがリクライニングギアを介して水平状態から略直角状態に傾動可能とされた所謂リクライニング式座椅子を実施の形態の一例として示す。
図1乃至図5に示す図は、実施例として示すリクライニング式座椅子(以下、単に座椅子ともいう)の骨格を構成する骨格構成フレームを示す図である。以下、図1乃至図5に基づいて説明する。
図1において、図示の座椅子は、座者の臀部を受ける座面部1の骨格を構成する座面部構成フレーム10と、座者の上半身即ち腰部、背部、肩部及び首部や頭部のうちの概ね背部、好ましくは背部のみを受ける背面部2の骨格を構成する背面部構成フレーム20とを備えた構成とされている。
この背面部構成フレーム20は、当該背面部構成フレーム20で形成される略長四角形状に形成されたフレーム面内を当該座椅子の左右の幅方向(以下、単に左右方向といもいう)に通るように延在する軸線Sを揺動軸21として、座者の上半身側を座椅子の前後方向に、例えば、背筋を伸ばして屈伸運動する場合等に、当該屈伸運動による背部の傾動に応じて自在に追従し、背部の圧力によって従動し揺動する構成としてある。
ここで、背面部構成フレーム20の揺動とは、当該背面部構成フレーム20のフレーム面、この実施例では上端縁側フレーム部材22と下端縁側フレーム部材23とによって略長四角に成形されたフレーム面(上端縁側フレーム部材22と下端縁側フレーム部材23とで囲まれた面)が、上記の軸線Sを形成する揺動軸21より上方部側のフレーム面部即ち上部側フレーム面(上端縁側フレーム部材22で囲まれた面)と揺動軸21より下方部側のフレーム面部即ち下部側フレーム面(下端縁側フレーム部材23で囲まれた面)とが、座者の背部の面的な当接によって受ける圧力即ち受圧の差(以下、受圧差ともいう)に応じて当該揺動軸21を回動軸として揺動自在に回動して一定の状態に応じて傾く動きであり、上部側フレーム面と下部側フレーム面とが受ける受圧差に応じた均衡で当該フレーム面が静止しようとする動きである。
従って、軸線S(揺動軸21)はフレーム面の上端側の縁を形成する上端縁側フレーム部材22とフレーム面の下端側の縁を形成する下端縁側フレーム部材23との上下間隔内、即ちフレーム面の上下間隔内という意味でのフレーム面内に設定される必要があるが、要は、上端縁側フレーム部材22が座椅子の後方へ動く際には下端縁側フレーム部材23が座椅子の前方に動くように設定されればよいのである。
よって、軸線Sは必ずしもフレーム面の面上に位置する必要はなく、当該フレーム面の厚み方向(座椅子の前後方向の厚み間隔)に外れた位置に設定されても差し支えない。
又、背面構成フレーム20のフレーム面は、実施例では、座者の左右方向に長い略長四角形状とされているが、必ずしもこの形状も限られるわけではなく、例えば、楕円形状や丸形状等であってもよい。実施例では2本のパイプフレーム部材(上端縁側フレーム部材22と下端縁側フレーム部材23)を用いてフレーム面をパイプ枠で囲むように形成してあるが、何がしかの板状部材を用いてフレーム面を平板状に形成してもよい。
要は、座者の背部にフレーム面が面的に当接することによって、当該背部の圧力(体圧)を的確に受圧でき、上述のように背面構成フレーム20が揺動自在となる形状であればよいのであって、背面部2は、背面部構成フレー20ムの揺動において、少なくとも座者の背部と面当接可能に構成されればよいのであって、背面部の骨格自体を如何に構成するかは必ずしも重要な要素ではない。
背面部構成フレーム20は、その両端側の揺動軸21、21が、座面部構成フレーム10の後端側の左右両端側に設けられたリクライニングギア11、11に連結された左右一対の背面部支持フレーム12,12に回動自在に軸支されており、少なくとも、座面部構成フレーム10と略一直線上となる180度から背面部構成フレーム20が略直角に立ち上がるほぼ90度範囲で、傾動自在に構成されている。
尚、図示において、揺動軸21の軸受部の図示形状はリクライニングギア11の図示形状と同形状とされているが、揺動軸21の軸受部は上記の作動説明で明らかな通り、リクライニングギア機能は備えておらず、単なる軸受である。
この背面部支持フレーム1212は、実施例では、座面部1に座った座者の腰部の体圧(圧力)を直接を受けないよう腰部に触れない後方に十分離された位置に設けるため、座面部構成フレーム10の後方側を座者の臀部位置よりも後方に更に延在させて構成している。
又、この左右一対の背面部支持フレーム1212を一体化し補強するために、この実施例では、当該両背面部支持フレーム1212を連結フレーム部材16で連結(溶接)して一体的に構成している。
揺動軸21の揺動を座者の上半身(背部)の揺動に応じて円滑に従動させるためには、揺動軸21のフレーム面内の設定位置が、背面部構成フレーム20で形成されるフレーム面の上下方向において、当該軸21より下部側方向長さより上部側方向長さの方が長い位置に設定するのが好ましく、理想的には、下部側方向長さと上部側方向長さとの比が略1対3に分かたれる位置に設定するのが最適である。
そして、背面部構成フレーム20の揺動範囲は、少なくとも、座者が座面部1の座面から臀部を浮かせて背部を後方へ一杯に伸展させた際、座者の背部に対して背面部2が面当接した状態で傾動可能な範囲とするのが好ましい。
上記実施例の背面部構成フレーム20は、上記したように、上端縁側フレーム部材22と下端縁側フレーム部材23とで、背面部2の外周縁を形成する略長四角形状の枠体に形成されており、この枠体の左右の両外側に各々揺動軸21、21が設けられているが、
この枠体内を左右水平方向の揺動軸線S上に延在する有体の軸体(図示せず)を用いて揺動軸(21)としてとしてもよい。
図6に示す着座状態の説明図において、以下、説明する。
図は、座椅子が、座面部構成フレーム10の座面(水平面)に対して背面部構成フレーム20のフレーム面が約125度に開いた傾斜角度(傾き)に設定された状態で、身長約169cmの座者が顎を引き背骨を自然なS字状とし、理想的に安定した姿勢即ち自然体にて着座した状態を示しており、この場合、背骨の胸椎の下半部から腰椎の上半部に掛けての直線的ラインがフレーム面と略平行な状態となる。
尚、図中の背骨に沿って記載の数字の意味は次の通りである。
即ち、C1〜C7が第1頸椎〜第7頸椎、T1〜T12が第1胸椎〜第12胸椎、L1〜L5が第1腰椎〜第5腰椎であり、第5腰椎の下の比較的大きな骨が仙椎(仙骨)、仙骨に続く比較的細い骨が尾椎(尾骨、所謂尾てい骨)であって、人体の脊椎(背骨)を構成している。
この略平行な状態において、フレーム面の上端縁(22)は座者の胸椎の第6胸椎に相応する部位に平行的に位置し、フレーム面の下端縁(23)は座者の第4腰椎に相応する部位に平行的に位置するように、当該フレーム面の上下方向長さ即ち座面部構成フレーム20の上下方向幅を設定し、且つ、当該座面構成フレーム20即ちフレーム面の揺動軸21の位置を、当該フレーム面の上下方向長さにおいて、下端縁(23)側に至る長さ(下端側長さ)を1として、上端縁(22)側に至る長さ(上端側長さ)を3とするのが、最適である。
換言すれば、背面部2のフレーム面の上下方向長さは、座者の上半身の傾斜角度が約125度の上記の着座姿勢の場合、平行的位置関係において、座者の第8又は第9胸椎から第4腰椎までの長さに相応させるのが最適であり、揺動軸21の設定位置は、座者の上半身の傾斜角度が約125度の座姿勢において、座者の腰部の高さ方向範囲内、より具体的には、座者の第3乃至第5腰椎の高さ方向範囲内に相応させるのが最適である。
又、揺動軸21の座椅子の前後方向設定位置は、座者の上半身の傾斜角度が約125度の上記着座姿勢において、座者の第6乃至第7胸椎を通る垂線上に位置させるのが最適である。
上記の身長約169cmの着座姿勢にける座椅子構成フレーム即ち座面部構成フレーム10及び背面部構成フレーム20の最適な具体的寸法は概ね以下の通りである。
即ち、座椅子構成フレーム10の前端側から後端側のリクライニングギア11の回動軸芯迄の前後方向長さは約50cm、前記リクライニングギア11の回動軸芯から背面部構成フレーム20の上端縁22側迄の上下方向の長さは約40cm、前記リクライニングギア11の回動軸芯から前記背面部構成フレーム20揺動軸21の軸芯迄の長さは約24cm。
従って、前記背面部構成フレーム20揺動軸21の軸芯から背面部構成フレーム20の上端縁22側迄の長さは約16cm、当該揺動軸21の軸芯から背面部構成フレーム20の下端縁23側迄の長さは約5cmで、背面部構成フレーム20の上端縁(22)から下端縁(23)迄の上下方向長さは約21cmとなる。
座椅子の構成フレーム即ち背面部構成フレーム20や座面部構成フレーム10と座者の身体(背骨)との関係、即ち、上記したように、座者の背骨が自然なS字状となり、理想的に安定した自然体の姿勢で着座した状態において、座者の背骨の要部即ち胸椎の下半部から腰椎の上半部に掛けての直線的ラインがフレーム面と略平行な状態となる関係は、当然のことながら、両者間に介在するクッション材を考慮せねばならないが、クッション材に特別な工夫は必要でなく、従来通りに、平面的なクッション材を単純に積層するだけで、この関係を容易に成立させることができる。
従って、上記関係は、極く普通のクッション材が極く普通に用いられた在来の座椅子、即ち、背面部が本発明と異なり揺動不能で、背面部の傾斜角度が例えば約125度に固定されている座椅子(以下、背面部固定式座椅子ともいう)に限っては一応成立可能ではあるが、このような背面部固定式座椅子では、座者の座る姿勢次第では、上記した略平行状態を維持させることはできなくなる。
これに対して、本発明では上記実施例で示したように、背もたれ部としての背面部2において、当該背面部の骨格を構成する背面部構成フレーム20を揺動自在な構造としてあるので、座者の座る姿勢が如何様に変化しても、背面部2の面即ち背面部構成フレーム20のフレーム面が、座者の背骨の要部(の直線的ライン)と略平行な状態を、常時、維持させることができるのである。
即ち、座面部1と背面部2とを備えた座椅子が座者の体圧を受ける支持構造において、殊に座者の上半身の体圧を受けるに当たって、座者の上半身の傾斜角度の如何に拘わらず、座者の上半身のうち、背部のみを常時略平行な状態にて受けることできる揺動自在な背面部2が設けられているので、座者の全体圧の殆どを座面部1にて受ける従来の座椅子に比べて、背面部2がより多く上半身の体圧を楽な姿勢にて受けることができ、座面部1が受ける体圧を大幅に軽減させることができ、従来に比べて安楽に座ることができるのである。
次に、上記実施例の座椅子の構成フレームである前面部構成フレーム10と背面部構成フレーム20とに配設されるクッション材の配設構成について、図6乃至図9に基づいて説明する。
先ず、背面部2において、背面部構成フレーム20には、座者の背部が当接された際に、座者の背骨の左右に間隔をおいて当該背骨と平行的に延在するよう左右側に各別に配設された背骨回避クッション部材24、25が一対設けられている(図8)。
このように、座者の背骨が背もたれ部としての背面部に直接的に強く当接しないよう一対の背骨回避クッション部材24、25を間隔を空け、背骨の延在方向に延在する谷部を設けることによって、背骨に対する背面部2の当たりを緩和させることができると共に、背部の体圧を左右の背骨回避クッション部材24、25に分散させることができ、背面部2への背部殊に背骨の当たり(圧力)を緩和させることができる。
上記の背骨回避クッション部材24、25は、背面部2即ち背面部2のフレーム面の下端縁(23)側から上端縁(22)側に向かって延在する、例えば、角柱形状即ち長尺の直方体であればよいが、この実施例では当該クッション部材24、25が延在方向中央付近からフレーム面の上端縁(22)側に向かって厚さを次第に減少させた形としており、側面視で所謂いわゆる楔形状、図示では直角側がフレーム面側に位置する略直角三角形状とされている(図7)。
このように背面部2の上端側(22)に向かって両クッション部材24、25の厚さを次第に低減させることにより、図7に示すように、当該低減化部位(傾斜面化部位)がより傾斜角度を深められて座者の背部が乗り易くなるので、座者の上半身(殊に、背部)の座面方向へのズレ落ちをより効果的に防ぐことができ、上半身の体圧を背面部2がより一層多く受ける(分担する)ことができるので、従来の座椅子に比べて、座面1に掛る座者の体圧をより多く背面部2に分散させることができ、全体として、座り心地のよい座椅子を提供することができる。
上記のように背面部構成フレーム20に配設された一対の背骨回避クッション部材24、25の上には、更に、一枚の平板状の架け渡しクッション部材を背面基底クッション部材26として当該両クッション部材24、25を覆うように架け渡して、積層的に配設している(図7、図8)。
このように配設すると、背骨回避クッション部材24、25が背面基底クッション部材26を介して座者の身体に間接的に当接するので、例えば、図示のように、単体化された当該背骨回避クッション部材26の角張った形状が、平面的な背面基底クッション部材26で円やかに緩和させることができる。従って、座者に当たり心地の良い感触を生じさせることができる。
尚、上記一対の背骨回避クッション部材24、25を、図示の上記実施例とは逆に、背面部構成フレーム20のフレーム面上を覆うよう直接に設け、この背面基底クッション部材26の上に上記と同様の間隔をおいて各別に配設してもよい(図示せず)。
この場合は、一対の背骨回避クッション部材24、25が座者の身体側に位置することになるので、上記実施例に比べると、座者への当たり心地の良さを向上させるという作用効果については劣るものの、背骨回避クッション部材24、25を設けることによる、背骨に対する背面部2の当たり(圧力)を緩和させる作用効果や背中の体圧を左右の背骨回避クッション部材24、25に分散させる作用効果については、逆に向上させることができる。
次に、座面部1に設けるクッション材について説明する。
座面部構成フレーム10には、当該フレーム面を覆うように平面状に成形された座面基底クッション部材17が直接設けられ、この座面基底クッション部材17の上に、座者の臀部の左右後端側が当接して、座者の臀部の左右後端側部位の圧力を受ける一対の臀部後端受クッション部材13、14が間隔をおいて各別に設けられている(図8)。
このように、座者の臀部の左右後端側部位に一対の臀部後端受クッション部材13、14を設けることによって、座面部1における臀部の後方側の座り位置を当該座椅子における座面部1の理想的な位置(上記の着座姿勢における背骨の要部と直線的ラインと背面部構成フレームのフレーム面との平行関係)、即ち、揺動自在な背面部との体圧分散に係る関係においての理想的位置に自ずと案内(位置決め)させることができる。
又、座者の背骨の下端部の尾てい骨による直接的な圧力を座面部1が受けることを回避させることもできる。
即ち、このように、座者の背骨下端部が座面部1に直接的に強く当接しないよう一対の臀部後端受クッション部材13、14を上記のように配設することによって、背骨に対する座面部2の当たりを緩和させることができると共に、臀部の体圧を左右の臀部後端受クッション部材13、14に分散させることができ、座面部1の一点への臀部の尾てい骨の当たり(圧力)を軽減させることができる。
この実施例の一対の臀部後端受クッション部材13、14は、側面視において、座椅子の前方側から後方側に向かって次第に厚さが増大する略直角三角形状とされた単体部材として形成されており、直角三角形の斜辺が臀部に当接するように座面基底クッション部材17の上に配設されている。
このように、臀部後端受クッション部材13、14が臀部に当接する面を、当該臀部の曲面に相応するよう斜面状に形成することによって、臀部に当接した際に座者に心地よい接触感覚を与えることができると共に、臀部の座椅子後方への無用のズレをも防止させることができ、臀部を座面部1の理想的な座り位置(上記の着座姿勢)に位置決めさせることができる。
又、この座面部1の座面基底クッション部材17の上には、当該座面の前端側に座者の大腿部下に当接する大腿部クッション部材15が、当該座面の前端縁側に沿って座椅子の左右方向に延在するように設けられている。
この大腿部クッション部材15も、大腿部の下面の略全体に当接するよう断面四角形状で比較的厚さが薄い平板状の単体部材として形成されている。
このように、大腿部クッション部材15を設けることによって、座者の座面前方側へのズレが防止できると共に、座者の臀部の前方側が大腿部クッション部材15、臀部の左右後方側が臀部後端受クッション部材13、15の各部材によって、臀部を三方向の三点で理想的な座り位置(上記の着座姿勢)に自ずと案内(位置決め)させことができる。
尚、上記の座面部1の一対の臀部後端受クッション部材13、14及び大腿部クッション部材15を、図示の上記実施例とは逆に、座面部構成フレーム10に直接、上記実施例と同様の配置で配設し、これら、座面部構成フレーム10上に配設された前記一対の臀部後端受クッション部材13、14及び大腿部クッション部材15の上を一体的に覆うように座面基底クッション部材17を配設してもよい(図示せず)。
この場合も、座面部1の一対の臀部後端受クッション部材13、14及び大腿部クッション部材15は、座者の臀部の前方側部位と後方側左右部位との3部位によって、臀部の座り位置を理想的な位置に位置決めさせることができる。
このように配設すると、臀部後端受クッション部材13、14や大腿部クッション部材15が座面基底クッション部材17を介して座者の臀部や大腿部の対応部分に間接的に当接するので、単体化された臀部後端受クッション部材13、14や大腿部クッション部材15の角張った形状が平面的な座面基底クッション部材17で円やかに緩和されて、当たり心地の良い感触を生じさせることができる。
又、上記した一対の背骨回避クッション部材24、25や一対の臀部後端受クッション部材13、14や大腿部クッション部材15等の各部材を、予め、予定される座者の体格に応じた所要寸法サイズに成形してブロック化し、単体部材としておくことにより、注文に応じて、座椅子を使用する個々の座者の体格に応じて、これ等の予め単体部材化された所要サイズの部材を適宜選択することができるので、座者の体格に応じた背面部20や座面部10を備えた座椅子を容易且つ迅速、しかも廉価にて製造し、提供することができる。
図7及び図9において、符号30は最外層クッション部材、符号31は最外層クッション部材30の外表面を覆う表面カバーである。
最外層クッション部材30は、座椅子の外表面の表面形状を最終的に整える部材であって、座椅子の外表面をほぼ全面的に覆っているが、上記で説明した本発明を構成する各種のクッション部材、即ち、座面部1内に配設された座面基底クッション部材17、一対の一対の臀部後端受クッション部材13、14及び大腿部クッション部材15や、背面部2内に配設された一対の背骨回避クッション部材24、25、背面基底クッション部材26等の作用効果を実質的に妨げない素材(材質やクッション性能)で構成され、配設されることは勿論、背面部2の揺動にも実質的に支障が無いように張設されている。
両図において、図7は座者が座っている状態の図ではあるが、座椅子には座者の体圧が掛ってない状態におけるクッション材の状態(殊に背面部2において)が示めされており、図9は座椅子に体圧が掛った状におけるクッション材の状態(殊に背面部2において)が示めされている。
尚、図7は、本来ならば、背面部2内に配設された一対の背骨回避クッション部材24と背面基底クッション部材26とが相対する面の全面にて接着剤で接着されている状態を示すべきであるが、両クッション材が外圧を受けていない状態即ち本来の形を表すため、斜面部(傾斜面部)において接着されていない状態で示している。
又、両図中には、クッション部材として、最外層クッション部材30の外に、本発明を構成する各種のクッション部材(座面部1内に配設された座面基底クッション部材17、一対の臀部後端受クッション部材13、14及び大腿部クッション部材15や、背面部2内に配設された一対の背骨回避クッション部材24、25、背面基底クッション部材26等)のみが示されているが、これに限らず、本発明を構成しないクッション部材、例えば、座椅子の表面形状を整えるためのクッション部材等が適所に適宜配設されてもよい(図示せず)。
又、上記実施例や各図において、座椅子の骨格を形成する構成フレームとしてパイプフレームを用いた例が示されており、このようなパイプフレームにおいて、当該フレームにクッション材を配設する際には、当該構成フレームの空間面にテープ、例えば一般には梱包用の締結バンドとして用いられるバンドテープが適宜張設されるが、これの用法等は当業界においては常套手段であるので省略した。
又、本発明の骨格構成フレームは必ずしもパイプフレームである必要はなく、座面部や背面部の骨格は木製或いは金属製の板状部材であってもよく、本明細書でいう構成フレームはこのような木製或いは金属製の板状部材をも含む意味である。
本発明は、実施例においてリクライニング式の座椅子について説明したが、これに限らず、座部と背もたれ部との角度が一定の固定式の座椅子についても広く利用することができる。
1 座面部
10 座面部構成フレーム
11 リクライニングギア
12 背面部支持フレーム
13 臀部後端受クッション部材 連結フレーム部材
14 臀部後端受クッション部材
15 大腿部クッション部材
16 連結フレーム部材
17 座面基底クッション部材
2 背面部
20 背面部構成フレーム
21 揺動軸(軸線S)
22 上端縁側フレーム部材
23 下端縁側フレーム部材
24 背骨回避クッション部材
25 背骨回避クッション部材
26 背面基底クッション部材
S 軸線(揺動軸21)

Claims (31)

  1. 座者の臀部を受ける座面部の骨格を構成する座面部構成フレームと、座者の腰部と背部と肩部とのうちの背部を受ける背面部の骨格を構成する背面部構成フレームとを、少なくとも備え、
    前記背面部構成フレームが、当該背面部構成フレームで形成されるフレーム面内を左右方向に通る軸線を揺動軸として、座者の上半身側の前後方向の屈伸運動に応じて自在に揺動する構成とされ、前記背面部は、座者の背部が当接された際、座者の背骨の左右に間隔をおいて前記背骨と平行的に延在するよう各別に配設された一対の背骨回避クッション部材を有し、前記背骨回避クッション部材は、当該部材の延在方向中央付近から背面部の上端側に向かって厚さが次第に減少する形状とされたことを特徴とする座椅子。
  2. 背面部構成フレームの揺動は、当該背面部構成フレームのフレーム面において、揺動軸より上方部側のフレーム面部と下方部側のフレーム面部との受圧差に応じた傾に当該フレーム面が静止しようとする動きであることを特徴とする請求項1の座椅子。
  3. 背面構成フレームのフレーム面は、座者の左右方向に長い略長四角形状とされたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の座椅子。
  4. 背面部は、背面部構成フレームの揺動において、少なくとも座者の背部と面当接可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の座椅子。
  5. 背面部構成フレームのフレーム面の上下方向長さは、座者の上半身の傾斜角度が約125度の座姿勢において、座者の第8又は第9胸椎から第4腰椎までの長さとされたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の座椅子。
  6. 揺動軸の設定位置は、座者の腰部の高さ方向範囲内とされたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の座椅子。
  7. 揺動軸の高さ方向設定位置は、座者の上半身の傾斜角度が約125度の座姿勢において、座者の第3乃至第5腰椎の高さ方向範囲内とされたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の座椅子。
  8. 揺動軸の座椅子の前後方向設定位置は、座者の上半身の傾斜角度が約125度の座姿勢において、座者の第6乃至第7胸椎を通る垂線上に揺動軸が位置する位置とされたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の座椅子。
  9. 揺動軸のフレーム面内の設定位置は、背面部構成フレームで形成されるフレーム面の上下方向において、当該軸より下部側方向長さより上部側方向長さの方が長い位置に設定されたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の座椅子。
  10. 揺動軸のフレーム面内の設定位置は、背面部構成フレームの上下方向において当該軸より下部側方向長さと上部側方向長さとの比が略1対3に分かたれる位置に設定されたことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の座椅子。
  11. 背面部構成フレームの揺動範囲は、少なくとも、座者が座面部の座面から臀部を浮かせて背部を後方へ一杯に伸展させた際、座者の背部に対して背面部が面当接した状態で傾動可能な範囲とされたことを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れかに記載の座椅子。
  12. 背面部構成フレームは、背面部の外周縁を形成する略長四角形状の枠体であって、当該枠体の左右の外側に揺動軸を有することを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れかに記載の座椅子。
  13. 背面部構成フレームは、略長四角形状の枠体であって、当該枠体内を左右水平方向に延在する揺動軸としての軸体を有することを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れかに記載の座椅子。
  14. 背面部構成フレームは、当該背面部構成フレームの揺動軸の両端側が、座面部構成フレームの左右両端側に各々リクライニングギアを介して傾動自在に連結された左右一対の背面部支持フレームに回動自在に軸支されたことを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れかに記載の座椅子。
  15. 背面部支持フレームは、座者の腰部の直接圧力を受けないよう腰部から後方に離された位置に設けられたことを特徴とする請求項14の座椅子。
  16. 左右一対の背面部支持フレームは、当該両背面部支持フレームを連結するフレーム部材で一体的に構成されたことを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の座椅子。
  17. 背骨回避クッション部材は、当該部材の延在方向中央付近から背面部の上端側に向かって厚さが次第に減少するよう前記上端側が側面視において略直角三角形状とされたことを特徴とする請求項1乃至請求項16の何れかに記載の座椅子。
  18. 一対の背骨回避クッション部材は背面部構成フレームに配設され、前記一対の背骨回避クッション部材の上に当該両クッション部材に架け渡されるように架け渡しクッション部材が配設されたことを特徴とする請求項1乃至請求項17の何れかに記載の座椅子。
  19. 一対の背骨回避クッション部材は、背面部構成フレームのフレーム面上を覆うように設けられた背面基底クッション部材の上に間隔をおいて各別に配設されたことを特徴とする請求項1乃至請求項17の何れかに記載の座椅子。
  20. 座面部は、座者の臀部の左右後端側部位の圧力を受ける一対の臀部後端受クッション部材を有すること特徴とする請求項1乃至請求項19の何れかに記載の座椅子。
  21. 臀部後端受クッション部材は、座椅子の前方側から後方側に向かって次第に厚さが増大する形状とされたことを特徴とする請求項20に記載の座椅子。
  22. 臀部後端受クッション部材は、側面視において略直角三角形状とされたことを特徴とする請求項20又は請求項21に記載の座椅子。
  23. 一対の臀部後端受クッション部材は、座面部構成フレームのフレーム面に配設された座面基底クッション部材の上に、間隔をおいて各別に配設されたことを特徴とする請求項20乃至請求項22の何れかに記載の座椅子。
  24. 座面部は、当該座面の前端側に座者の大腿部下に当接する大腿部クッション部材を有することを特徴とする請求項1乃至請求項23の何れかに記載の座椅子。
  25. 大腿部クッション部材は、座面の前端縁側に沿って延在する断面四角形状の単体部材とされたことを特徴とする請求項24に記載の座椅子。
  26. 大腿部クッション部材は、座面部構成フレームのフレーム面に配設された座面基底クッション部材の上に配設されたことを特徴とする請求項24乃至請求項25の何れかに記載の座椅子。
  27. 座面部の一対の臀部後端受クッション部材及び大腿部クッション部材は、座面部構成フレームに配設され、配設された前記一対の臀部後端受クッション部材及び大腿部クッション部材の上面を一体的に覆うように座面基底クッション部材が配設されたことを特徴とする請求項21、請求項22、請求項24、請求項25の何れかに記載の座椅子。
  28. 座面部の一対の臀部後端受クッション部材及び大腿部クッション部材は、座者の臀部の前方側部位と後方側左右部位との3部位によって、臀部の座り位置が定まるように配設されたことを特徴とする請求項20乃至請求項27の何れかに記載の座椅子。
  29. 少なくとも、一対の背骨回避クッション部材を、予め、予定される座者の体格に応じた所要寸法サイズに予め成形しておき、座者の体格に応じて予め成形された一対の背骨回避クッション部材を配設することを特徴とする請求項15乃至請求項28の何れかに記載の座椅子の製造方法。
  30. 少なくとも、一対の背骨回避クッション部材と一対の臀部後端受クッション部材とを、
    予め、予定される座者の体格に応じた所要寸法サイズに予め成形しておき、座者の体格に応じて予め成形された一対の背骨回避クッション部材と一対の臀部後端受クッション部材とを配設することを特徴とする請求項20乃至請求項28の何れかに記載の座椅子の製造方法。
  31. 少なくとも、一対の背骨回避クッション部材と一対の臀部後端受クッション部材と大腿部クッション部材との各部材を、予め、予定される座者の体格に応じた所要寸法サイズに予め成形しておき、座者の体格に応じて予め成形された一対の背骨回避クッション部材と一対の臀部後端受クッション部材とを配設することを特徴とする請求項24乃至請求項28の何れかに記載の座椅子の製造方法。
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