JP5855800B2 - 電波吸収体 - Google Patents

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Description

本発明は、電波吸収体、特に斜入射波に対して優れた吸収性能を有する電波吸収体に関する。
近年、日常の身近なところに、電子機器及び通信機器、並びに情報システム等の多くの電磁波発生源が存在し、様々な電磁波が放射されている。従って、機器から発生する電磁波により、複数の機器同士が互いに影響し合う可能性がある。このような環境下で多種多様な機器を共存させるためには、機器同士が互いに影響し合わないようにする、所謂EMC(Electro-Magnetic Compatibility)対策が求められている。
機器におけるEMCの評価は、電波暗室と呼ばれる測定用の部屋で行われる。電波暗室の外壁は、外来電磁波の暗室内への侵入や、暗室内の測定装置から発生する電磁波の外部への放出を防止するために金属板で覆われている。また、不要な電磁波の反射を防止するため、暗室内の壁面には損失材料からなる電波吸収体が設けられている。
この電波吸収体としては、四角錐形状に成形した損失材料を複数配置したもの(図1参照)や、ウエッジ(くさび)形状に成形した損失材料を複数配置したもの(図2参照)が用いられてきた。しかしながら、このような形状の電波吸収体では、錐体又はウエッジの先端から底面に向かって入射される垂直入射波に対する吸収性能は良好である一方で、錐体又はウエッジの側面に入射される斜入射波に対する吸収性能が、垂直入射波に対する同性能に劣ることが問題であった。
そこで、特許文献1には、三角柱形状の誘電損失材料からなる基台と、該基台の上面(三角柱を構成する5つの面のうち、対向する2面を除いた任意の2面)に敷き詰められた、四角錐形状の誘電損失材料からなる電波導入部と、を具える電波吸収体が提案されている。この電波吸収体では、高さの等しい四角錐体を三角柱体の斜面(基台の上面)に配置し、電波吸収体全体をウエッジ形状とすることによって、電波の散乱効果を高め、もって斜入射波に対する吸収性能を向上させることを所期している。
特開平8−274490号公報
しかしながら、斜入射波に対する吸収性能に関しては、未だ改善の余地が残されていた。すなわち、上記のごとく電波吸収体全体をウエッジ形状とすることで電波の散乱効果を高めたとしても、四角錐形状である電波導入部の側面では、所期したほどの吸収性能が得られないことが分かった。
近年、より小型かつ高性能の電波暗室が求められており、斜入射波に対する吸収性能により優れた電波吸収体が希求されている。従って、本発明は、斜入射波に対し、より優れた吸収性能を有する電波吸収体を提供することを目的とする。
発明者らは、上記の課題の解決手段につき鋭意究明したところ、電波吸収体の側面においても電波の吸収を高めるには、該側面におけるインピーダンスを緩やかに変化させることが肝要であり、そのために、電波吸収体を六角錐体にすることが最も効果的であることを新規に知見し、本発明を完成させるに至った。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)本発明の電波吸収体は、損失材料からなる1つ以上の六角錐体を具え、六角錐体の底面を形成する六角形は、少なくとも1組の対向する辺a同士が平行且つ同じ長さであり、当該辺aの長さxと、該辺aに隣接する辺bの一方の端点から他方の端点までの辺aに沿う長さLと、がx≦L≦2.0xの関係を満たすことを特徴とする。
かかる構成の本発明の電波吸収体は、斜入射波に対して優れた吸収性能を有する。
(2)本発明の電波吸収体は、前記六角錐体の底面の形状が凸六角形であることが好ましい。
(3)本発明の電波吸収体は、3つ以上の前記六角錐体を2列以上に配置してなることが好ましい。
(4)本発明の電波吸収体は、前記六角錐体の高さが列相互に異なることが好ましい。
(5)本発明の電波吸収体は、前記六角錐体の底面に、該底面と同一形状の底面を有する、損失材料からなる六角柱体を連結してなる1つ以上の複合体を具えることが好ましい。
(6)本発明の電波吸収体は、3つ以上の前記複合体を2列以上に配置してなることが好ましい。
(7)本発明の電波吸収体は、前記複合体の六角柱体の高さが列ごとに異なることが好ましい。
本発明により、斜入射波に対して優れた吸収性能を有する電波吸収体を提供することができる。
従来の電波吸収体の一例を示す斜視図である。 従来の電波吸収体の他の一例を示す斜視図である。 Aは本発明の一実施形態による電波吸収体10の斜視図であり、Bはその底面図である。 A〜Cは、図1の従来の電波吸収体について斜入射波β1に対する吸収性能を説明する図である。 従来の電波吸収体を用いた電波暗室の模式図である。 A〜Dは、本発明の一実施形態による電波吸収体10について斜入射波β1に対する吸収性能を説明する図である。 A、Bは、本発明の一実施形態による電波吸収体10を複数配置した場合の効果を説明する図である。 A、Bは、図1の従来の電波吸収体を複数列配置した場合の課題を説明する図である。 A、Bは、本発明の一実施形態による電波吸収体10を複数列配置した場合の効果を説明する図である。 本発明の他の実施形態による電波吸収体100の斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態による電波吸収体110の斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態による電波吸収体120の斜視図である。 A、Bは、本発明のさらに他の実施形態による電波吸収体130を説明する図である。 A、Bは、電波吸収体110、120、130の複合体について説明する図である。 本発明のさらに他の実施形態による電波吸収体200の斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態による電波吸収体210を説明する図である。 本発明の電波吸収体の底面図である。
以下、本発明に係る電波吸収体について、その実施形態を例示して説明する。
図3に、本発明の一実施形態に係る電波吸収体10の構造を示す。図3Aは、電波吸収体10の斜視図であり、図3Bは、電波吸収体10の底面図である。この電波吸収体10は、損失材料からなる、六角形の底面1を有する1つ以上(図示では1つ)の六角錐体を具える。
本発明の電波吸収体は、六角錐であるところに特徴を有し、この六角錐とする理由について、従来の四角錐の電波吸収体と比較しながら以下に説明する。
図4Aは、図1に示す、従来の電波吸収体を構成する四角錐体40の斜視図であり、図4Bはその平面図である。図中の矢印αは、四角錐体40の先端44から底面に向かって入射される入射波、すなわち図中のZ軸方向に沿う垂直入射波αであり、矢印β1は、四角錐体40の側面43に向かう斜入射波β1である。
また、図4Cには、四角錐体40について、図中Z軸方向の、空気に対するインピーダンスの変化量を模式的に示している。ここでは、薄色から濃色に向かってインピーダンスの変化量が大きくなることを示している。インピーダンスの大きさは、電波吸収体の体積に準拠するので、図4Cに示すように、多角錐体の側面の投影形状が三角形の場合、インピーダンスの変化量は頂点から底辺に向かって増大する傾向にある。従って、垂直入射波αにおいては、空気に対するインピーダンスの変化量が最も小さい部分、すなわち四角錐体の先端44から該インピーダンスが大きい方へと電波が向かうことになるため、良好な吸収性能が得られる。その一方で、斜入射波β1においては、空気に対するインピーダンスの変化量が大きい四角錐体40の中腹部に入射されることになるため、インピーダンスの急激な変化によって電波が反射してしまい、十分な吸収性能を得難い。
すなわち、四角錐体40に吸収されなかった斜入射波β1の一部は、図4Aに示すように入射側に反射され、反射波γ1が生じる。ここに、四角錐体40からなる電波吸収体を、小型化した電波暗室の床面、壁面及び天井面等に敷き詰めた例を図5に模式的に示す。小型化した電波暗室では、例えば、送信アンテナから受信アンテナへ向けて発信された電波の一部が、電波吸収体に対して斜めに入射される機会が増加する。この場合、送信アンテナから発信された電波が四角錐体の側面で反射して反射波γ1が生じ、該反射波γ1が、再度、他の四角錐体の壁面等にて反射して反射波γ2が生じる、といったように複数回の反射(図5の例では2回)を経て、反射波が受信アンテナ側に到達する結果、送信アンテナからの直接波のみを測定することができない。
一方、図6Aは、本発明の一実施形態に係る、六角錐の電波吸収体10の斜視図であり、図6Bはその平面図である。本発明の電波吸収体10は、上記の斜入射波β1の入射を受ける側に、従来の四角錐体よりも多くの辺5を有するため、斜入射波β1に対する吸収性能を高めることができる。その理由を、図6Cを用いて以下に説明する。
図6Cは、図6AのA−A線で切断した断面における、Z軸及びX軸に沿う、六角錐体の空気に対するインピーダンスの変化量を模式的に示した図である。ここでは、図4Cと同様に、薄色から濃色に向かって、インピーダンスの変化量が大きいことを示している。六角錐体の辺5はエッジであり、先端4と同様に損失材料の体積が比較的小さく、空気に対するインピーダンスの変化量も小さい。そのため、辺5に入射された斜入射波β1は、先端4に垂直入射波αが入射された場合と同様に、空気のインピーダンスに最も近い部分、すなわち六角錐体の辺5側から、空気に対するインピーダンスの変化量が大きい方へと電波が向かうことになる。そのため、本実施形態に係る電波吸収体10では、従来と比較して、斜入射波β1に対する吸収性能を格段に向上させることができる。
なお、上記したインピーダンスに関する作用及び効果は、単に、六角錐体の辺5に入射される斜入射波β1に限られるものではなく、例えば、六角錐体の側面3に入射される斜入射波β2(図6B、図6D参照)においても同様のことが言える。すなわち、図6Dに、図6AのB−B線で切断した断面における、Z軸及びX軸に沿う六角錐体の空気に対するインピーダンスの変化量を模式的に示すように、この場合においても、側面3の外表面側における空気に対するインピーダンスの変化は、四角錐体40の側面43に比べて緩やかになるため、電波の反射を低減することができる。従って、本実施形態に係る電波吸収体10では、六角錐体の辺5に斜入射波β1が入射される場合と同様に、側面3に入射される斜入射波β2に対しても良好な吸収性能が得られる。
さらに、本実施形態に係る電波吸収体10においては、該電波吸収体10を複数個並べて用いる場合に、吸収性能をより高めることができる。
例えば、図7Aでは、上記の電波吸収体10を複数個(図示例では3つ)、各六角錐体の底辺2(図3A、3B参照)の一辺を隣接させて直列に配置している。この配置では、配置の長手方向(図中のY軸方向)に、3つの六角錐体の6つの側面3によって、凹凸面が連続的に形成されている。このように、電波の入射方向に面して形成された凹凸面では、入射波β1の反射波γ1を電波吸収体10の側面3間で散乱させて、周囲の電波吸収体にて吸収することができる。具体的には、図7中の電波吸収体10bに入射された入射波β1の反射波γ1は、電波吸収体10bに隣接する電波吸収体10a及び10cにて吸収することも可能であるため、電波の吸収性能を高めることができる。なお、図7A、図7Bに図示した、入射波及び反射波を示す線等は、いずれも一例である。
一方、図示はしないが、従来の四角錐体40を3つ、それぞれの底辺を隣接させて直列に配置した場合、電波の入射面が一様な平面となるため、ある四角錐体における反射波γ1を、隣接する他の電波吸収体によっては吸収することはできない。
なお、図7Bに示すように、例えば、上記の電波吸収体10を3つ、それぞれの底面1の頂点のみを接して直列に配置してもよい。この場合、反射波γ1の吸収効果は図7Aに示す形態とした場合に比べて劣るが、従来の四角錐体40を直列に配置した場合よりも優れる。
さらに、3つ以上の電波吸収体10を2列以上に配置して用いる場合に、電波の吸収性能をさらに高めることができる。
従来、電波暗室内では、あらゆる方向からの電波が電波吸収体に入射される。このとき、図8Aに示すように、2列に並べた電波吸収体の各々が四角錐体である場合、隣接する四角錐体間に形成される、損失材料の厚みがゼロとなる谷部Vに入射された電波は反射され易い。これに対して、3つ以上の六角錐体の電波吸収体10を2列以上に配置して用いた場合においては、当該谷部Vにおける電波の反射を抑制することができるからである。
ここに、図8を用いて、X軸方向に沿う斜入射波β1と、X軸方向に対して45°傾斜する斜入射波β2とを例にとって、谷部Vにおける反射について説明する。
まず、図8Aに示すように、4つの四角錐体40を、2つずつ2列に配置した形態では、斜入射波β2の入射方向には谷部Vが存在しない一方で、斜入射波β1の入射方向に谷部Vが連続する。この場合、斜入射波β1は谷部Vを通り抜けるか、又は損失材料の厚みがゼロである谷部Vにて反射するため、電波吸収が非効率である。また、図8Bに示すように、斜入射波β1の入射方向に谷部Vが配置されないように、四角錐体40の上記配置を45°回転させると、今度は斜入射波β2の入射方向に谷部Vが連続して、斜入射波β2の電波吸収が非効率になる。すなわち、従来の四角錐体40を複数列配置すると、図8に示すように、必ず2方向に広幅の谷部Vが連続して形成されることになる。
一方、図9Aに示すように、3つの六角錐体を、辺2を隣接させて2列に配置した形態では、斜入射波β1及びβ2のいずれの入射方向にも谷部が連続して形成されることはない。斜入射波β1が電波吸収体10dと10eとの間に入射されたとしても、これらに隣接して配置される電波吸収体10fによって吸収することができる。また、図9Bに示すように、上記の形態を45°回転させた形態においても同様のことが言える。
このように、本実施形態に係る電波吸収体10の3つ以上を2列以上に配置して用いると、360°にわたって谷部Vが連続する部分を有しないため、電波吸収を効率化し、電波の吸収性能をさらに高めることができる。
なお、適宜、六角錐体の高さH10(図3A参照)が列相互に異なるように配置してもよい。また、六角錐体の高さH10が同心円状に異なり、且つ円の中心にて最も高くなるように配置してもよい。電波暗室の規模や形状に合わせて、六角錐体の高さH10を適宜調整することで、電波吸収性能をより高めることができる。
以上、本発明の一実施形態に係る、六角錐体である電波吸収体10の作用及び効果について説明してきた。このように、単に1つの多角錐体について考慮するならば、例えば、七角錐体や八角錐体などの六角錐体以外を適用した場合であっても、六角錐体と同様の効果を期待することができる。しかしながら、実際の電波暗室では、複数の多角錐体を隙間なく敷き詰めて設置する必要があり、隙間なく設置できる多角錐としては六角錐体が最も適切である。
また、多角錐体の頂点の数が増えると、該頂点における多角錐体の内角が大きくなり、円錐形に近づくことになる。この場合、辺5におけるインピーダンスの減衰効果が低減することからも、六角錐体が最も適切である。
なお、本発明の六角錐体の底面1の形状は、凸六角形であることが好ましい。
凸六角形とは、図3Bを参照して、すべての内角θが180°未満である六角形であり、より厳密には、六角形をなすいずれの辺を延長しても、その延長線が六角形の内側には延在しない六角形を言う。この場合、電波吸収の効果を向上させることができる。
さらに、図10は、本発明の他の実施形態に係る電波吸収体100である。本実施形態の電波吸収体100は、以上に説明した六角錐体からなる電波吸収体10の底面1に、該底面1と同一形状の底面を有する損失材料からなる六角柱体12を連結してなる、1つ以上(図示例では1つ)の複合体Pを具える。
この構成によれば、吸収体の谷部Vにおいても、損失材料の厚みがゼロにならないことから吸収性能が向上する。
なお、複合体Pを具える電波吸収体100もまた、その複数個を直列に並べて用いることや、その3つ以上を2列以上に配置して用いることができ、この場合、上記の電波吸収体10と同様に、電波の吸収性能をより高めることができる。
また、本発明のさらに他の実施形態に係る電波吸収体は、複合体Pの複数個を、該複合体Pを構成する六角柱体12の高さH12を列相互に異にして配列してなる。例えば、図11に示す電波吸収体110では、複数個の複合体Pを、X軸方向に沿って3列に配置しているが、列S1〜S3毎に六角柱体12の高さH12を異にしている。より具体的には、最前列S1に配置された複合体P1の六角柱体12の高さH12が最も低く、最後列S3に配置された複合体P3の高さH12が最も高い。
このように、六角柱体12の高さH12が最も低い列S1の背後に六角柱状体12の高さH12が高い列S2およびS3を有すると、列S1の背後に入射波を遮蔽する壁が形成されることになるため、さらに効率的な吸収性能を得ることができる。
なお、図11に示した、複数個の複合体Pを2列以上に配置してなる電波吸収体110に、上記の六角錐体のみからなる電波吸収体10を組み合わせてもよい。例えば、図12に示す電波吸収体120では、六角錐体10と複合体PとをX軸方向に沿って3列(S1〜S3)に配置しているが、最前列S1に六角錐体10を、最後列S3に複合体P3を、中間列S2に複合体P3よりも高さの低い複合体P2を配置している。
また、さらに他の実施形態では、図13Aを参照して説明するように、六角柱体12の高さH12が列毎に異なる形態(例えば、図11、図12)を繰り返し用いることもできる。この電波吸収体130では、列S1から列S4に向かって六角柱体12の高さH12を高くし、S4からS7に向かって六角柱状体12の高さH12を再び低くしてなる配置を繰り返している。この構成によれば、図13Bに示すように、遮蔽壁として機能する最も高い複合体P4、P10にて反射された反射波γ1(図13の例ではP10にて反射されている)は、手前(紙面左側)の低い複合体P6またはP5にて吸収されるため、斜入射波βに対し、より効率的な吸収性能を得ることができる。
なお、図13の列S4又はS10の複合体によって形成される遮蔽壁は、図14Bのようになる。これは、電波の入射方向に対してウエッジ形状であり、インピーダンスが緩やかに変化するとともに、隣接する六角錐体10への電波の散乱を可能にするため、優れた吸収性能を得ることができる。
仮に、四角錐体40に、該四角錐体40の底面と同一形状の底面を有する損失材料からなる四角柱体42を連結した複合体を構成すると、図14Aのようになる。すなわち、四角柱体42により形成される遮蔽壁は平面であり、この場合のインピーダンスの変化は急激であるため、良好な吸収性能は得られない。
また、図15に示すように、本発明のさらに他の実施形態では、六角柱体12の高さH12が同心円状に異なり、且つ円の中心にて最も高くなるように、複合体Pを配列することもできる。例えば、この電波吸収体200では、六角柱体12の高さH12が最も高い複合体P1を中心として、該複合体P1の外側に半円を描くように、複合体P2を配置し、該複合体P2の外側に、P2よりもさらに低い複合体P3を配置している。
かかる構成によれば、複合体Pの六角柱体12の高さH12を、列毎に、段階的に異ならせた場合(図12〜14参照)と同様に、高さの低い複合体Pの背後に入射波を遮蔽する壁が形成されることになるため、電波の吸収性能の向上が期待できる。
また、図16を参照して説明する、さらに他の実施形態に係る電波吸収体210では、六角柱体12の高さH12が最も高い複合体P1を中心として、円を一周描くように、同心円C1〜C3ごとに六角柱状体12の高さH12を異にして配置している。
かかる構成によれば、複合体Pの六角柱体12の高さH12(図中、黒、ハッチング、白色の順で複合体P又は六角錐体の高さが高い)を列毎に異ならせた場合と同様に、高さの低い複合体Pの背後に入射波を遮蔽する壁が形成されることになるため、電波の吸収性能の向上が期待できる。本実施形態では、高さH12を同心円状に異ならせることで、360°にわたって上記遮蔽壁の効果が得られる。
また、図16に示すように、かかる電波吸収体210を隣接して複数組み合わせて配置してもよい。
なお、図面の記載からも明らかであるように、本発明の電波吸収体は六角形状の底面を有するため、実際の電波暗室での使用に際して、他の多角形を介在させることなく、隙間なく敷き詰めて設置することができる。例えば、底面が七角形状又は八角形状の電波吸収体では、四角形などの他の図形を介在させない限り、隙間なく敷き詰めることはできない。このように、電波吸収体を効率よく敷き詰める観点からすれば、該電波吸収体の底面を、正六角形とすることが好ましい。
また、複数の電波吸収体の一部又は全体を一体成形することによって、実際の電波暗室に電波吸収体を配設する作業を簡略化できる。
また、図17に示すように、六角錐体からなる電波吸収体の底面を形成する六角形は、少なくとも1組の対向する辺a同士が平行且つ同じ長さであり、当該辺aの長さxと、該辺aに隣接する辺bの一方の端点be1から他方の端点be2までの辺aに沿う長さL(辺bを、辺aに沿う方向に投影した長さL)と、がx≦L≦2.0xの関係を満たすことが肝要である。



L≧0.5xであれば、X軸方向に関して十分に緩やかなインピーダンス変化が得られ、L≦2.0xであれば、TE波とTM波の性能に大きな異方性を生じさせない。
なお、本発明の電波吸収体をなす損失材料は、内部で電波を損失する材料であれば、例えば、カーボン等の導電材料を含有したプラスチック又はセラミック等の誘電損失材料や、フェライト等の磁性材料を含有したプラスチック又はセラミック等の磁性損失材料を用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
図3、図10、図13に示す、本実施形態の電波吸収体における吸収性能を評価した。損失材料には、カーボンを含有した発泡ポリプロピレン樹脂を使用した。試験周波数は3GHzとし、入射角(多角錐体の底面の法線に対する角度)は60°とした。偏波はTE波とTM波とした。
発明例1は、図3に示す実施形態に従うものである。六角錐体の高さを60cmとし、底面の形状は、図17においてx=5cm、L=xの変形六角形とした。
発明例2は、図10に示す実施形態に従うものである。六角錐部の高さを60cmとし、六角柱状体の高さを10cmとした。なお、六角錐部及び六角柱状体の底面の形状は、発明例1と同様である。
発明例3は、図13に示す実施形態に従うものである。六角錐部の高さを60cmとし、六角柱状体の高さを、0cm、10cm、20cm、30cm、20cm、10cm、0cmと階段状に変化させた。なお、六角錐部及び六角柱状体の底面の形状は、発明例1と同様である。
比較例3は、六角錐部の底面の形状が、x=5cm、L=2cmであること以外は、発明例1と同様である。
比較例4は、六角錐体の底面の形状が、x=5cm、L=12cmであること以外は、発明例1と同様である。
比較例1は、1辺が10cm、高さ60cmの四角錐体としたこと以外は、発明例1と同様である。
比較例2は、1辺が10cm、高さ60cmの四角錐体及び高さ10cmの四角柱体としたこと以外は、発明例2と同様である。
(電波吸収性能)
電波吸収性能に関しては、アーチ法により評価を行った。
なお、数値の大きい方が、電波の吸収性能に優れていることを意味する。
Figure 0005855800
以上の試験により、本実施例による電波吸収体では、従来の電波吸収体と比較して1〜10dBの吸収性能の向上が見られた。
1 底面
2 底面の辺
3、43 側面
4、44 頂点
5、45 側面の辺
10 六角錐体
12 六角柱体
40 四角錐体
42 四角柱体
10、100、110、120、130、200、210 電波吸収体
P 複合体

Claims (7)

  1. 損失材料からなる1つ以上の六角錐体を具え、
    前記六角錐体の底面を形成する六角形は、少なくとも1組の対向する辺a同士が平行且つ同じ長さであり、当該辺aの長さxと、該辺aに隣接する辺bの一方の端点から他方の端点までの辺aに沿う長さLと、がx≦L≦2.0xの関係を満たすことを特徴とする電波吸収体。
  2. 前記六角錐体の底面の形状が凸六角形である、請求項1に記載の電波吸収体。
  3. 3つ以上の前記六角錐体を2列以上に配置してなる、請求項1又は2に記載の電波吸収体。
  4. 前記六角錐体の高さが列相互に異なる、請求項3に記載の電波吸収体。
  5. 前記六角錐体の底面に、該底面と同一形状の底面を有する損失材料からなる六角柱体を連結してなる、1つ以上の複合体を具える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電波吸収体。
  6. 3つ以上の前記複合体を2列以上に配置してなる、請求項5に記載の電波吸収体。
  7. 前記複合体の六角柱状体の高さが列ごとに異なる、請求項6に記載の電波吸収体。
JP2015529739A 2014-01-28 2014-09-29 電波吸収体 Active JP5855800B2 (ja)

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