JP5855359B2 - オルタネータの制御装置 - Google Patents

オルタネータの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5855359B2
JP5855359B2 JP2011119503A JP2011119503A JP5855359B2 JP 5855359 B2 JP5855359 B2 JP 5855359B2 JP 2011119503 A JP2011119503 A JP 2011119503A JP 2011119503 A JP2011119503 A JP 2011119503A JP 5855359 B2 JP5855359 B2 JP 5855359B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fduty
vehicle speed
command
target
alternator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011119503A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012249436A (ja
Inventor
直樹 大治
直樹 大治
圭司 寺村
圭司 寺村
俊介 深谷
俊介 深谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Denso Corp
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd, Denso Corp filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2011119503A priority Critical patent/JP5855359B2/ja
Publication of JP2012249436A publication Critical patent/JP2012249436A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5855359B2 publication Critical patent/JP5855359B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、車両に搭載され、エンジン回転を伝達することによりオルタネータを駆動し発電を行うシステムを制御する制御装置に関する。
一般に自動車では、内燃機関の出力の一部を利用して発電を行い、その発電した電力をバッテリに充電するとともに、電子制御装置(ECU)及び照明灯、エアコンディショナ、ラジエータを空冷するファンのモータ、オーディオ機器その他種々の電気負荷に供給している。
燃費を向上させるためには、コースト走行時(車両の減速時、燃料カット走行時等)に車軸側から機関側に伝達される慣性トルクを利用して発電する回生制動を積極的に用いることが望ましい。一方で、回生制動の度合いを著しく大きくすることは、いわゆるエンジンブレーキが効きすぎる状態を招き、ドライバビリティの低下につながる。
燃費効率とドライバビリティとの両立を図る上で、どの程度回生して発電を行うべきであるかは、そのときの車速や機関の冷却水温、潤滑油温、変速機の作動油温等に応じて異なってくる。ハイブリッド車両では、モータジェネレータによって発電する電力の大きさを柔軟にコントロールすることが可能であり、様々な状況に合わせてエンジンブレーキ力を適正化することが容易である(例えば、下記特許文献を参照)。
しかしながら、非ハイブリッド車両では、ハイブリッド車両に比してシンプルな電気回路が実装されるのみであることから、様々な状況に合わせてエンジンブレーキ力を適正化することが容易でないと言えた。
特開平11−191903号公報
本発明は、コースト走行時に発電する電力の大きさをコントロールでき、エンジンブレーキ力の適正化を図り得るシステムを、簡便な構成により実現しようとするものである。
本発明に係るオルタネータの制御装置は、車両に搭載され、エンジン回転を伝達することによりオルタネータを駆動し発電を行うシステムを制御するものであって、フィールドコイルへの通電のDUTY比であるfDUTYを操作することを通じて、オルタネータが発電し出力する電圧の大きさを少なくともHI電位とLO電位との二段階に切り替えることが可能なレギュレータと、前記オルタネータの発電電圧をHIとするかLOとするかを指令する信号を前記レギュレータに入力可能な制御部とを備え、少なくともコースト走行中、実測fDUTYと目標fDUTYとの差分に応じて、前記制御部が前記レギュレータに入力するHI指令とLO指令とを組み合わせてなるパルス信号におけるHI指令とLO指令との割合を変化させるものであり、前記目標fDUTYは、自動変速機のトルクコンバータのロックアップが開始される車速の近傍において最も低く設定し、当該車速の近傍よりも車速が高い領域において車速が高いほど目標fDUTYを高く設定し、かつ当該車速の近傍よりも車速が低い領域において車速が低いほど目標fDUTYを高く設定することを特徴とする。
目標fDUTYは、車速、機関温度、変速機の温度またはエンジン回転数等に応じて補正することが好ましい。
また、本発明に係るオルタネータの制御装置は、車両に搭載され、エンジン回転を伝達することによりオルタネータを駆動し発電を行うシステムを制御するものであって、フィールドコイルへの通電のDUTY比であるfDUTYを操作することを通じて、オルタネータが発電し出力する電圧の大きさを少なくともHI電位とLO電位との二段階に切り替えることが可能なレギュレータと、前記オルタネータの発電電圧をHIとするかLOとするかを指令する信号を前記レギュレータに入力可能な制御部とを備え、前記制御部は、検出回路を介して検出したフィールドコイルの通電波形を基に過去の所定時間分のfDUTYを知得し、そのfDUTYに、前記レギュレータにHI指令またはLO指令を入力してからその指令内容に対応した波形が前記検出回路を介して検出されるまでの遅延時間分のfDUTYを加味して実測fDUTYを得、この実測fDUTYと目標fDUTYとの差分に応じて、前記レギュレータに入力する信号を変化させるものであり、前記目標fDUTYは、自動変速機のトルクコンバータのロックアップが開始される車速の近傍において最も低く設定し、当該車速の近傍よりも車速が高い領域において車速が高いほど目標fDUTYを高く設定し、かつ当該車速の近傍よりも車速が低い領域において車速が低いほど目標fDUTYを高く設定することを特徴とする。
本発明によれば、コースト走行時に発電する電力の大きさをコントロールでき、エンジンブレーキ力の適正化を図り得るシステムを、簡便な構成によって実現することができる。
本発明の一実施形態における内燃機関の構成を示す図。 同実施形態における自動変速機の構成を示す図。 同実施形態におけるオルタネータの制御装置を示す回路図。 オルタネータの発電量の上限と車速との関係を示すグラフ。 制御部がレギュレータに入力する指令信号、及び制御部が知得するfDUTYの模様を示すタイミングチャート。 制御部がレギュレータに入力する指令信号を示すタイミングチャート。 同実施形態の制御装置によるオルタネータの制御例を示すタイミングチャート。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に一気筒の構成を概略的に示した内燃機関は、自動車に搭載されるものである。内燃機関の吸気系1には、アクセルペダルの踏込量に応じて開閉するスロットルバルブ(特に、電子スロットルバルブ)11を設けており、スロットルバルブ11の下流にはサージタンク13を一体に有する吸気マニホルド12を取り付けている。サージタンク13には、吸気管内圧力(過給圧または吸気負圧)を検出する圧力センサを配している。
排気系5には、排気マニホルド51を取り付け、排出ガス浄化用の三元触媒52を装着している。そして、触媒52の上流にフロントO2センサを、下流にリアO2センサを、それぞれ配している。O2センサは、排出ガスに接触して反応することにより、排出ガス中の酸素濃度に応じた電圧信号を出力する。
吸気系1と排気系5との間には、EGR装置6を介設する。EGR装置6は、始端が排気マニホルド51に連通し終端がサージタンク13に連通する外部EGR通路61と、EGR通路61上に設けた外部EGRバルブ62とを要素としてなる。EGRバルブ62を開放すれば、排出ガスを排気系5から吸気系1へと還流して吸気に混合する外部EGRを実現できる。
気筒2上部に形成される燃焼室の天井部(シリンダヘッド)には、吸気バルブ21、排気バルブ22、インジェクタ3及び点火プラグ23を設ける。
図2に、自動変速機の一例を示す。この自動変速機は、トルクコンバータ7及びベルト式CVT9を具備する無段変速機である。内燃機関が出力する回転駆動力は、内燃機関のクランク軸からトルクコンバータ7の入力側のポンプインペラ71に入力され、出力側のタービンランナ72に伝達される。タービンランナ72の回転は、遊星歯車機構を用いた前後進切換装置8を介してCVT9の駆動軸94に伝わり、CVT9における変速を経て従動軸95を回転させる。従動軸95には出力ギヤ101を固設してあり、この出力ギヤ101はデファレンシャル装置のリングギヤ102と噛合して車軸及び駆動輪(図示せず)を回転させる。
トルクコンバータ7は、ロックアップ機構(図示せず)を備える。ロックアップ機構は、この分野では既知のもので、トルクコンバータ7の入力側と出力側とをロックアップするロックアップクラッチと、ロックアップクラッチを断接切替駆動するための油圧を制御するロックアップソレノイドバルブとを要素とする。ロックアップ機構は、自動変速機による変速比の変更を伴わない状況においてロックアップクラッチを接続、入力側と出力側とを締結する。
前後進切換装置8は、そのサンギア81が入力軸73を介してタービンランナ72と連絡し、リングギア82が駆動軸94と連絡している。プラネタリギア831を支持するプラネタリキャリア83と変速機ケースとの間には、断接切換可能な油圧クラッチたるフォワードブレーキ84を介設している。また、プラネタリキャリア83とサンギア81(または、入力軸73)との間にも、断接切換可能な油圧クラッチたるリバースクラッチ85を介設している。
走行レンジのうちのDレンジでは、フォワードブレーキ84を締結し、リバースクラッチ85を切断する。これにより、入力軸73の回転が逆転されかつ減速されて駆動軸94に伝達され、前進走行となる。翻って、Rレンジでは、リバースクラッチ85を締結し、フォワードブレーキ84を切断する。これにより、サンギア81とプラネタリキャリア83とが一体的に回転し、入力軸73と駆動軸94とが直結して後進走行となる。非走行レンジであるNレンジ、Pレンジでは、リバースクラッチ84、フォワードブレーキ85をともに切断する。
CVT9は、駆動プーリ91及び従動プーリ92と、両プーリ91、92に巻き掛けられたベルト93とを要素とする。駆動プーリ91は、駆動軸94に固定した固定シーブ911と、駆動軸91上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ912と、可動シーブ912の後背に配設された液圧サーボ913とを有しており、液圧サーボ913を操作し可動シーブ912を変位させることを通じて変速比を無段階に変更できる。並びに、従動プーリ92は、従動軸95に固設した固定シーブ921と、従動軸95上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ922と、可動シーブ922の後背に配設された液圧サーボ923とを有しており、液圧サーボ923を操作し可動シーブ922を変位させることを通じてトルク伝達に必要なベルト推力を与える。
内燃機関及びCVT9の運転制御を司るECU4は、中央演算装置41、記憶装置42、入力インタフェース43、出力インタフェース44等を有するマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェース43には、吸気管内圧力を検出する圧力センサから出力される吸気圧信号a、エンジン回転数を検出する回転数センサから出力される回転数信号b、車速を検出する車速センサから出力される車速信号c、アクセルペダルの踏込量(または、スロットルバルブ11の開度)を検出するアクセル開度センサから出力されるアクセル開度信号d、シフトレバーの位置(シフトレンジ)を検出するシフトポジションスイッチから出力されるシフトポジション信号e、冷却水温を検出する水温センサから出力される水温信号f、吸気カム軸91の端部にあるタイミングセンサから出力されるクランク角度信号及び気筒判別用信号g、排気カム軸92の端部にあるタイミングセンサから所定クランク角度の回転毎に出力される排気カム信号h、フロントO2センサから出力される上流側空燃比信号i、リアO2センサから出力される下流側空燃比信号j、ノッキングの発生状況を検出するノックセンサから出力されるノッキング信号k等が入力される。
出力インタフェース44からは、インジェクタ3に対して燃料噴射信号n、点火プラグ8に対して点火信号m、EGRバルブ62に対してEGRバルブ開度信号o、CVT9に対して変速比信号p等を出力する。
中央演算装置41は、記憶装置42に予め格納されているプログラムを解釈、実行して、内燃機関の燃料噴射量や点火時期、EGRガスの還流量(吸気のEGR率)、変速比等の制御を遂行する。
ECU4は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、kを入力インタフェース43を介して取得し、現状の吸気量及び吸気のEGR率を推定して、それらに基づいて制御入力である燃料噴射量、燃料噴射タイミング、点火タイミング、EGRバルブ62の開度(EGRステップ数)、CVT9の変速比等を演算する。そして、演算した制御入力に対応した制御信号m、n、o、pを、出力インタフェース44を介して印加する。この制御入力の算定手法は、既知の内燃機関の運転制御と同様とすることができるので、ここでは説明を割愛する。
発電システムに関して述べる。オルタネータ110は、ベルト及びプーリを要素とする巻掛伝動機構等を介して内燃機関のクランク軸に接続しており、クランク軸の回転に従動して回転し発電する。図3に、発電システムの等価回路を示す。オルタネータ110は、ステータに巻回されたステータコイル111と、ステータの内側に配置され回転するロータに巻回されたフィールドコイル112とを有する。ステータコイル111は三相コイルであり、三相交流の誘起電流を発電する。この誘起電流は、整流器113によって直流電流とした上でバッテリ120に蓄電する。
オルタネータ110が発電し出力する電圧の大きさを制御するレギュレータ130は、オルタネータ110に付帯するIC式のもので、パワートランジスタ、パワーMOSFET等に代表されるパワーデバイス(電力用半導体素子)を用いた切替回路131を介してフィールドコイル112に通電する。そして、パワーデバイスのスイッチ動作により、フィールドコイル112への通電をON/OFFする。オルタネータ110の出力電圧、即ちステータコイル111に誘起される電圧は、フィールドコイル112を流れるフィールド電流のDUTY比(fDUTY)に比例して大きくなる。レギュレータ130の電圧制御回路132は、制御部たるECU4からオルタネータ110の出力電圧を指令する信号qを受け付け、その指令された出力電圧を実現するようにfDUTYを調節するPWM制御を行う。
広汎に普及している車両用オルタネータ110のレギュレータ130では、オルタネータ110の出力電圧を二段階、例えば14.5Vまたは12.8Vに切り替えることができる。この場合のECU4は、レギュレータ130に対し、オルタネータ110の出力電圧をHI電位=14.5Vとするか、LO電位=12.8Vとするかを指令する信号qを入力する。
なお、レギュレータ130として、オルタネータ110の出力電圧を所定範囲、例えば12V〜15.5Vの間で連続的に変えることのできるリニアレギュレータを採用することもできる。この場合のECU4は、レギュレータ130に対し、オルタネータ110の出力電圧を上記範囲内の何れの値にするかを指令する信号qを入力する。以降の説明では、比較的高位の電圧値をHI電位、比較的低位の電圧値をLO電位と呼称するが、その具体的な数値は一意に限定されない。LO電位は、バッテリ120の電圧以下またはバッテリ120の電圧に近い低電圧に定めることが望ましい。バッテリ120電圧はバッテリ120の充電状態等に応じて上下するものの、通常は所定電圧、例えば12V以上である。
オルタネータ110の出力電圧がバッテリ120の電圧を超越するとき、バッテリ120が充電される。つまり、オルタネータ110がクランク軸の回転のエネルギを費やして電気エネルギを生成する仕事をし、バッテリ120に電力を供給する。バッテリ120への充電量は、オルタネータ110の出力電圧とバッテリ120電圧との電位差に依存する。逆に、オルタネータ110の出力電圧がバッテリ120電圧に満たないか、バッテリ120電圧に近いときには、バッテリ120が充電されずオルタネータ110が仕事をしない、またはオルタネータ110がする仕事が小さくなる。要するに、ECU4からレギュレータ130にHI電位を指令するとエンジン回転に対するオルタネータ110の負荷が増し、LO電位を指令するとエンジン回転に対するオルタネータ110の負荷が減る。
コースト走行中、即ち車軸からクランク軸にトルクが伝達されエンジン回転が維持される状況での運転中においては、燃料噴射を一時的に停止する燃料カットを実行していることが多い。燃料カットは、所定の燃料カット条件(アクセルペダルの踏込量が0または0に近い閾値以下となり、かつエンジン回転数が一定以上ある等)が成立したときに開始され、所定の燃料カット終了条件(アクセルペダルの踏込量が閾値を上回った、またはエンジン回転数が所定の復帰回転数にまで低下した等)が成立したときに終了する。燃費の向上のためには、コースト走行中に積極的にオルタネータ110で発電し、機械エネルギを回生してバッテリ120に充電することが望ましい。その一方、発電量が多くなると制動効果も強くなり、エンジンブレーキが効きすぎるというドライバビリティ上の問題を招くおそれがある。
そこで、状況に応じてオルタネータ110の発電量に上限を設け、エンジンブレーキ力が高まりすぎるのを防止する。オルタネータ110による発電量、換言すればバッテリ120への充電量は、fDUTYが高いほど増加し、fDUTYが低いほど減少する。従って、fDUTYに目標となる上限値を設定し、fDUTYを当該上限値にクリップするようにする。
図4は、発電量の上限を規定する目標fDUTYと、そのときの車速との関係を示したものである。基本的に、車速が低いほど目標fDUTYを低くして発電量を減らし、車速が高いほど目標fDUTYを高くして発電量を増やす。但し、車速が十分に高い領域では、オルタネータ110の発電に起因する負荷によるエンジン回転及び車軸の減速度は問題とならなくなるので、発電量の上限クリップは不要である。また、車速が低い領域では、トルクコンバータ7におけるロックアップが解除されるため、目標fDUTYを高くしても車軸が急制動されることはない。故に、トルクコンバータ7のロックアップが開始される車速の近傍、ロックアップが開始される車速よりも若干低い車速の領域において、目標fDUTYを最も低く設定する。
目標fDUTYに影響を与える要素は、車速だけではない。内燃機関及び/または変速機の温度も、目標fDUTYを定める上で無視できない。内燃機関の温度を示唆する冷却水温や、変速機の温度を示唆するCVT9(及び、トルクコンバータ7)の作動油温が低い状況では、元来エンジン回転に対する負荷が高いと言える。状況如何によらずエンジンブレーキ力を一定に保つには、冷却水温及び/または作動油温が低いほど、目標fDUTYを低く補正する必要がある。エンジン回転数についても同様であり、エンジン回転数が低いほど、目標fDUTYを低く補正する。
加えて、バッテリ120の充電状態や電気負荷の稼働状況によっても、目標fDUTYを補正する。バッテリ120があまり充電されていない、または電気負荷の消費電力が大きいような状況では、エンジンブレーキ力が強化されることを容認してもオルタネータ110による発電量を増加させた方がよい。よって、バッテリ120電圧が低い場合や電気負荷の稼働数が多い(または、消費電力が多い)場合には、バッテリ120電圧が高い場合や電気負荷の稼働数が少ない(または、消費電力が少ない)場合と比べて、目標fDUTYを高く補正する。
総じて、ECU4は、車速、冷却水温、作動油温、エンジン回転数、バッテリ120電圧、電気負荷等を参照して目標fDUTYを決定する。
他方、ECU4は、検出回路133を介してフィールド電流の波形を検出し、実測fDUTYを算定する。図3に示しているように、検出回路133は、パワーデバイスに入力されるPWM制御電流の波形を観測することで間接的にフィールド電流の波形を検出し、その信号rをECU4に送るものである。尤も、フィールドコイル112を流れる電流自体を直接観測して波形を検出し、その信号をECU4に送るものとしても構わない。
ところが、フィールド電流波形を検出してこれを基にfDUTYを演算する際に、遅延が発生する。図5は、その遅延の内容を説明するものである。ECU4からレギュレータ130に与える出力電圧指令をLO電位からHI電位へ、またはHI電位からLO電位へと切り替えるとき、その指令の信号がレギュレータ130に到達するまでの通信遅延t2がまず存在する。そして、指令の信号を受信したレギュレータ130が、指令に対応してパワーデバイスに入力するPWM制御電流波形ひいてはフィールド電流波形を変化させてfDUTYを変動させるが、そのfDUTYの変動を検出回路133を介してECU4が知得するまでの遅延t3も存在している。つまり、ECU4が出力電圧に係る指令を発してから、その指令がfDUTYに反映されたことをECU4が知得するまでの間に、遅延時間t2、t3が生じる。
上記の遅延時間t2、t3がオルタネータ110の出力の制御に遅れをもたらすことを抑止する目的で、本実施形態では、目標fDUTYと比較する実測fDUTYの算定手法に工夫を加えている。ECU4は、検出回路133を介して検出したフィールド電流波形を基に過去の所定時間t1分のfDUTYを知得するとともに、そのfDUTYに、遅延時間t2、t3分のfDUTYを加味して実測fDUTYを得る。遅延時間t2におけるフィールド電流波形、遅延時間t3におけるフィールド電流波形はそれぞれ、ECU4からレギュレータ130に指令を与えることにより具現されるものであるので、ECU4において予想(先読み)が可能である。そして、既に計測している時間t1分のfDUTY(t1)と、遅延時間t2分の予想fDUTY(t2)と、遅延時間t3分の予想fDUTY(t3)とから、
実測fDUTY=fDUTY(t1)+(t2/t1)×fDUTY(t2)+(t3/t1)×fDUTY(t3
を算出することができる。これにより、遅延時間t2、t3の影響を抑制できる。
さらに、本実施形態では、上式の(t1+t2+t3)時間分の実測fDUTYについて移動平均をとることで、目標fDUTYと比較する実測fDUTYを予めなまし処理するようにしている。
ECU4は、少なくともコースト走行中、目標fDUTY及び実測fDUTYの演算を、(t1+t2+t3)時間毎に反復的に実行し、両者を比較してレギュレータ130に与える指令を変化させることで、実測fDUTYを目標fDUTYに追従させるフィードバック制御を行う。
フィードバック制御のために簡単な方法は、目標fDUTY>実測fDUTYの期間においてレギュレータ130にHI電位の指令を与え、目標fDUTY<実測fDUTYの期間においてレギュレータ130にLO電位の指令を与えることである。しかしながら、このような手法では、実測fDUTYが目標fDUTYの周りで比較的大きく振動することが避けられない。フィールド電流のfDUTYの振動が大きいと、エンジン回転に対するオルタネータ110の負荷トルクの変動も大きくなり、実測fDUTYが目標fDUTYを上回るときにエンジンブレーキ力が過大となって車両の減速度が想定外に高くなるおそれがある。
安全かつ適当な減速度を得るため、本実施形態では、ECU4からレギュレータ130にHI指令とLO指令とを組み合わせてなるパルス信号qを入力することとし、目標fDUTYと実測fDUTYとの差分の大きさに応じて、前記パルス信号におけるHI指令とLO指令との割合を変化させる。いわば、HI指令及びLO指令のパルスを用いて“PWM制御”を行う。
図6に、目標fDUTYと実測fDUTYとの差分と、レギュレータ130に指令として入力するパルス信号qとの対応関係を示している。図6中、[I]ないし[III]は実測fDUTYが目標fDUTYよりも大きい場合におけるパルス信号qで、[I]は差分が最大のケース、[III]は差分が最小のケース、[II]は[I]と[III]との中間のケースである。何れも、LO指令の期間がHI指令の期間を上回っており、[I]がLO指令の期間の割合が最も多く、[III]がLO期間の割合が最も少ない。
[IV]は、実測fDUTYが目標fDUTYに略等しい場合におけるパルス信号qで、LO指令の期間とHI指令の期間とが均等である。
[V]ないし[VII]は、実測fDUTYが目標fDUTYよりも小さい場合におけるパルス信号qで、[VII]は差分が最大のケース、[V]は差分が最小のケース、[VI]は[VII]と[V]との中間のケースである。何れも、HI指令の期間がLO指令の期間を上回っており、[VII]がLO指令の期間の割合が最も多く、[V]がLO期間の割合が最も少ない。
図7に、コースト走行中のオルタネータ110の発電量の上限クリップ制御の例を示す。図7中、破線が目標fDUTY、実線が実測fDUTYである。ECU4は、アイドルスイッチがON、即ちアクセルペダルの踏込量が0または0に近い閾値以下となったときに、車速その他の指標に応じた目標fDUTYを設定して、実測fDUTYの上限ガードを開始する。その後、アイドルスイッチがOFF、即ちアクセルペダルの踏込量が閾値以上となったときに、実測fDUTYの上限ガードを終了する。このとき、即時に目標fDUTYを最大値とするのではなく、時間経過に伴って徐々に目標fDUTYを最大値まで引き上げてゆくようにする。
本実施形態では、車両に搭載され、エンジン回転を伝達することによりオルタネータ110を駆動し発電を行うシステムを制御するものであって、フィールドコイル112への通電のDUTY比であるfDUTYを操作することを通じて、オルタネータ110が発電し出力する電圧の大きさを少なくともHI電位とLO電位との二段階に切り替えることが可能なレギュレータ130と、前記オルタネータ110の発電電圧をHIとするかLOとするかを指令する信号qを前記レギュレータ130に入力可能な制御部4とを備え、少なくともコースト走行中、実測fDUTYと目標fDUTYとの差分に応じて、前記制御部4が前記レギュレータ130に入力するHI指令とLO指令との組み合わせのパルス信号qにおけるHI指令とLO指令との割合を変化させる制御装置を構成した。
本実施形態によれば、オルタネータ110の発電電圧を二段階で指示する簡易な構成のシステムにおいても、エンジンブレーキ力が過大とならないよう仔細に制御することができ、また低コストで実現可能である。
車速、機関温度、変速機の温度またはエンジン回転数等に応じて目標fDUTYを補正するため、オルタネータ110の発電に起因した機械的損失の多寡に応じてきめ細かいエンジンブレーキ力の制御が可能である。
また、前記制御部4が、検出回路133を介して検出したフィールドコイル112の通電波形を基に過去の所定時間t1分のfDUTYを知得し、そのfDUTYに、前記レギュレータ130にHI指令またはLO指令を入力してからその指令内容に対応した波形が前記検出回路133を介して検出されるまでの遅延時間t2、t3分のfDUTYを加味して実測fDUTYを得、この実測fDUTYと目標fDUTYとの差分に応じて、前記レギュレータ130に入力する信号を変化させるようにしているため、遅延時間t2、t3の存在によるオルタネータ110の出力の制御の遅れを抑止することができる。
レギュレータ130がリニアレギュレータである場合には、コースト運転中以外の(燃料噴射及び燃焼を伴う)運転領域において、オルタネータ110の発電電圧を柔軟にコントロールできるという副効用もある。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両に搭載される内燃機関に付帯するオルタネータの制御に利用することができる。
0…内燃機関
4…制御部(ECU)
110…オルタネータ
112…フィールドコイル
130…レギュレータ

Claims (4)

  1. 車両に搭載され、エンジン回転を伝達することによりオルタネータを駆動し発電を行うシステムを制御するものであって、
    フィールドコイルへの通電のDUTY比であるfDUTYを操作することを通じて、オルタネータが発電し出力する電圧の大きさを少なくともHI電位とLO電位との二段階に切り替えることが可能なレギュレータと、
    前記オルタネータの発電電圧をHIとするかLOとするかを指令する信号を前記レギュレータに入力可能な制御部とを備え、
    少なくともコースト走行中、実測fDUTYと目標fDUTYとの差分に応じて、前記制御部が前記レギュレータに入力するHI指令とLO指令とを組み合わせてなるパルス信号におけるHI指令とLO指令との割合を変化させるものであり、
    前記目標fDUTYは、自動変速機のトルクコンバータのロックアップが開始される車速の近傍において最も低く設定し、当該車速の近傍よりも車速が高い領域において車速が高いほど目標fDUTYを高く設定し、かつ当該車速の近傍よりも車速が低い領域において車速が低いほど目標fDUTYを高く設定することを特徴とするオルタネータの制御装置。
  2. 少なくともコースト走行中、車速、機関温度、変速機の温度またはエンジン回転数に応じて目標fDUTYを補正する請求項1記載の制御装置。
  3. 前記制御部は、検出回路を介して検出したフィールドコイルの通電波形を基に過去の所定時間分のfDUTYを知得し、そのfDUTYに、前記レギュレータにHI指令またはLO指令を入力してからその指令内容に対応した波形が前記検出回路を介して検出されるまでの遅延時間分のfDUTYを加味して実測fDUTYを得、この実測fDUTYと目標fDUTYとの差分に応じて、前記パルス信号に含まれるHI指令とLO指令との割合を変化させる請求項1または2記載の制御装置。
  4. 車両に搭載され、エンジン回転を伝達することによりオルタネータを駆動し発電を行うシステムを制御するものであって、
    フィールドコイルへの通電のDUTY比であるfDUTYを操作することを通じて、オルタネータが発電し出力する電圧の大きさを少なくともHI電位とLO電位との二段階に切り替えることが可能なレギュレータと、
    前記オルタネータの発電電圧をHIとするかLOとするかを指令する信号を前記レギュレータに入力可能な制御部とを備え、
    前記制御部は、検出回路を介して検出したフィールドコイルの通電波形を基に過去の所定時間分のfDUTYを知得し、そのfDUTYに、前記レギュレータにHI指令またはLO指令を入力してからその指令内容に対応した波形が前記検出回路を介して検出されるまでの遅延時間分のfDUTYを加味して実測fDUTYを得、この実測fDUTYと目標fDUTYとの差分に応じて、前記レギュレータに入力する信号を変化させるものであり、
    前記目標fDUTYは、自動変速機のトルクコンバータのロックアップが開始される車速の近傍において最も低く設定し、当該車速の近傍よりも車速が高い領域において車速が高いほど目標fDUTYを高く設定し、かつ当該車速の近傍よりも車速が低い領域において車速が低いほど目標fDUTYを高く設定することを特徴とするオルタネータの制御装置。
JP2011119503A 2011-05-27 2011-05-27 オルタネータの制御装置 Active JP5855359B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011119503A JP5855359B2 (ja) 2011-05-27 2011-05-27 オルタネータの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011119503A JP5855359B2 (ja) 2011-05-27 2011-05-27 オルタネータの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012249436A JP2012249436A (ja) 2012-12-13
JP5855359B2 true JP5855359B2 (ja) 2016-02-09

Family

ID=47469340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011119503A Active JP5855359B2 (ja) 2011-05-27 2011-05-27 オルタネータの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5855359B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3435948B2 (ja) * 1995-04-28 2003-08-11 株式会社デンソー 車両用発電機の電圧制御装置
JP3627533B2 (ja) * 1998-10-02 2005-03-09 三菱自動車工業株式会社 発電制御装置
JP4269534B2 (ja) * 2001-04-16 2009-05-27 株式会社デンソー 充電システムおよび車両用発電制御装置
JP2009296716A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Nissan Motor Co Ltd 車両の発電装置
JP5349160B2 (ja) * 2009-06-23 2013-11-20 株式会社東芝 充放電制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012249436A (ja) 2012-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6190282B1 (en) Control device for hybrid vehicle
EP2657098B1 (en) Hybrid vehicle control apparatus
US9573588B2 (en) Control device for hybrid vehicle
US11402856B2 (en) Control device of vehicle
JP2014097707A (ja) 車両の制御装置
WO2015087159A1 (en) Controller and control method for internal combustion engine
JP5898316B2 (ja) 車両の制御装置
JP4154386B2 (ja) 油圧供給装置
JP2016117449A (ja) 車両の制御装置
JP6091169B2 (ja) 車両の制御装置
JP3549873B2 (ja) ハイブリッド車両
US20220306082A1 (en) Vehicle control device
JP5855359B2 (ja) オルタネータの制御装置
CN113291284A (zh) 车辆的转速控制装置
JP2016094161A (ja) 車両の制御装置
JP3921219B2 (ja) 油圧供給装置
US20200238974A1 (en) Control device and control method for vehicle
KR20080053819A (ko) 하이브리드 전기자동차의 엔진속도 및 클러치 연결 제어방법
JP2016044614A (ja) 車両の制御装置
WO2022137308A1 (ja) 車両の制御方法及び車両の制御装置
US20230228211A1 (en) Hybrid electric vehicle
JP5839962B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2016151327A (ja) 車両の制御装置
JP5748220B2 (ja) 制御装置
JP2016044615A (ja) 車両の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150311

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5855359

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250