JP5854658B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、X線CT装置(X−ray Computed Tomography:X線コンピュータ断層撮影装置)に関する。
X線CT装置として、コーンビームX線で被検体をスキャンすることで収集された投影データを再構成処理してボリュームデータを発生可能なものが知られている。コーンビームを用いたコンピュータ断層撮影(以下、コーンビームCTという)では、FDK(フェルドカンプ:Feldkamp)再構成等のコーンビーム再構成処理が用いられる。
近年、X線検出器の多列化が進み、それに伴いコーン角が増大している。コーン角の影響により、コーンビーム再構成に基づいて発生されたボリュームデータには、コーンビームアーチファクトが顕著に現れる。
コーンビームアーチファクトは、様々な撮影部位において発生する。例えば背骨が描出されたサジタル断面画像では、椎体とその周辺部との間で急峻なCT値(Computed Tomography Number)の勾配があるため、椎体からコーンビームアーチファクトが発生することが知られている。このコーンビームアーチファクトを低減する従来技術として、例えば特許文献1が知られている。
特許文献1では、背骨の撮影において、コーンビームX線でのスキャンで収集された投影データに基づいて基準ボリュームデータを生成している。この後、椎体からのコーンビームアーチファクトは、体軸(Z軸)方向にCT値勾配が急峻であるが、XY方向にCT値勾配が緩やかであることに基づいて、Z軸方向のフィルタ処理と、XY平面のフィルタ処理とを別々に行っている。これにより、基準ボリュームデータに含まれるコーンビームアーチファクト成分を抽出し、コーンビームアーチファクト成分と基準ボリュームデータとの差分をとることでコーンビームアーチファクトを低減している。
特開2009−34478号公報
コーンビームアーチファクトは、正確な画像診断のためには、できる限り小さいことが望ましい。このため、コーンビームCTにおいて、コーンビームアーチファクトを従来よりもさらに低減するための技術が要望されていた。
一実施形態では、X線CT装置は、コーンビームX線による本スキャンを実行するものであり、抽出処理部と、方向決定部と、補正量調整部と、画像生成部とを備える。
抽出処理部は、本スキャンの前に被検体を透過したX線の検出によって生成された画像データが示す被検体の骨領域において、隣接する骨領域よりもX線吸収率が高い骨領域を高吸収領域として抽出する。
方向決定部は、入力情報または高吸収領域の形状に基づいて、高吸収領域の向きを示す直線を方向線として決定する。
補正量調整部は、本スキャンにおけるコーンビームX線の進行方向の代表直線と、前記方向線との傾き角度を算出し、コーンビームアーチファクトの補正処理における補正量を前記傾き角度に基づいて調整する。
画像生成部は、本スキャンとして被検体を透過したコーンビームX線を検出して、検出信号に基づいて投影データを収集し、再構成処理と、補正量調整部により調整された補正量に基づく補正処理とを投影データに施すことで、被検体の画像データを生成する。
本実施形態に係るX線CT装置の全体構成を示すブロック図。 X線検出器の構成およびコーン角の定義の一例を示す模式的斜視図。 高吸収領域としての頭蓋底が長方形領域であると仮定して、この長方形領域の長辺に平行にX線が照射された場合のコーンビームアーチファクトのシミュレーション結果を示す模式図。 図3から頭蓋底の長方形領域を10°傾けた場合のコーンビームアーチファクトのシミュレーション結果を示す模式図。 頭蓋底の領域を斜線領域として、コーンビームアーチファクトの領域をハッチング領域として、図3を模式化した図。 頭蓋底の領域を斜線領域として、コーンビームアーチファクトの領域をハッチング領域として、図4を模式化した図。 コーンビームX線の進行方向の中心軸が鉛直方向に合致している場合における、当該中心軸と、高吸収領域との角度を示す説明図。 コーンビームX線の進行方向の中心軸を鉛直方向から傾けた場合における、当該中心軸と、高吸収領域との角度を示す説明図。 頭部のスカウト画像の一例を示す模式図。 図9のスカウト画像から高吸収領域を抽出して識別表示した一例を示す模式図。 図10のように一領域として抽出された高吸収領域に対して、その向きを示す方向線の自動算出方法の一例を示す模式図。 図9のスカウト画像から高吸収領域を抽出して識別表示した別の例を示す模式図。 図12のように複数の領域として抽出された高吸収領域に対して、その向きを示す方向線の自動算出方法の一例を示す模式図。 高吸収領域の向きを示す方向線を、ユーザがマニュアルで設定する場合の表示の一例を示す模式図。 傾き角度に応じた補正係数の一例を示すグラフ。 本実施形態に係るX線CT装置の動作の流れの一例を示すフローチャート。
以下、X線CT装置およびX線コンピュータ断層撮影方法の実施形態について、添付図面に基づいて説明する。なお、各図において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する
(本実施形態の構成)
図1は、本実施形態におけるX線CT装置20の構成を示すブロック図である。図1に示すように、X線CT装置20は、ガントリ22と、X線管24と、回転部28と、寝台32と、X線検出器36と、高電圧発生器40と、回転駆動部44と、寝台制御部48と、システムバス52と、データ収集システム(Data Acquisition System:以下、DASという)56と、再構成部60と、抽出処理部64と、方向決定部68と、補正量調整部72と、補正部80と、記憶部84と、入力部88と、システム制御部92と、表示部96とを備える。
ガントリ22は、円環状または円板状の回転部28を回転可能に支持する。
寝台32は、回転部28の中央部に設けられた開口部(図示せず)に挿入され、寝台32上には被検体Pが乗せられる。
回転部28内では、X線管24の放射口と、X線検出器36とが被検体Pを間にして対向するように配置される。
X線検出器36は、多チャンネルの検出素子を円弧状に配列した構成であり、X線管24から照射されて被検体Pを透過したX線を検出する。
回転駆動部44は、システム制御部92から入力される駆動制御信号に基づいて回転部28を駆動し、回転部28に支持されたX線管24およびX線検出器36を被検体Pの周りで連続回転させる。
寝台制御部48は、システム制御部92から入力される寝台制御信号に基づいて、寝台32の位置を制御する。
高電圧発生器40は、不図示のスリップリングを介してX線管24の高電圧ケーブルに接続されている。高電圧発生器40は、システム制御部92から供給されるX線制御信号に基づいて、所定の管電流および管電圧をX線管24に供給する。
入力部88は、キーボード、マウス、表示パネルや選択ボタン等の入力デバイスを備え、操作者は、投影データの収集に先立ち、この入力部88において被検体Pの情報の入力や投影データの収集条件、再構成条件、画像表示条件等の設定を行なう。これにより設定された条件は、システム制御部92に入力される。
システム制御部92は、入力部88から入力される各種設定条件等に従って、X線CT装置20の各部を制御する。また、システム制御部92は、X線管24の制御部(図示せず)に接続され、X線管24によるコーンビームX線を用いた撮影を制御する。
DAS56は、X線検出器36の各検出素子からの出力を時間積分する積分器と、積分器の出力をチャンネル単位で高速かつシリアルに取り込むマルチプレクサと、マルチプレクサの出力信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータとを有する。DAS56は、システム制御部92から入力されるデータ収集制御信号に基づいて、X線検出器36により検出されるX線パス毎のX線透過率を反映した投影データを収集し、これを再構成部60および記憶部84に入力する。
再構成部60は、被検体Pの複数のスライス面に対して収集された投影データに対し、コーンビーム再構成を行い、画像データを生成する。画像データとしては、マルチスライス画像データでも、ボリュームデータでもよいが、ここでは一例としてボリュームデータであるものとする。ボリュームデータは、3次元的な画像データ、即ち、厚みのある範囲の画像データであり、例えば、各ボクセル(各画素)がその輝度レベルを規定するCT値(画素値)を有するものである。
抽出処理部64は、本スキャン前に行われるスカウトスキャンで得られたスカウト画像の画像データが示す被検体Pの骨領域において、隣接する骨領域よりもX線吸収率が高い骨領域を「高吸収領域」として抽出する。
方向決定部68は、高吸収領域の(長手方向の)向きを示す直線を「方向線」として決定する。
補正量調整部72は、本スキャンでのコーンビームX線の進行方向の代表直線(例えばコーンビームX線の中心軸)と、前記方向線との傾き角度を算出し、コーンビームアーチファクトを補正する補正処理における補正係数を上記傾き角度に基づいて決定する。
補正部80は、補正量調整部72により決定された補正係数に基づいて、再構成部60により再構成されたボリュームデータにコーンビームアーチファクト補正処理を施す。
記憶部84は、被検体Pの複数のスライス面に対して収集された投影データを保存する。また、記憶部84は、再構成部60により生成されたボリュームデータを保存し、システム制御部92の指令に従って、上記ボリュームデータを表示部96に入力する。
表示部96は、上記ボリュームデータに患者情報等の付帯情報を付加して表示データを生成し、これによりX線CT画像を不図示のモニタに表示する。
図2は、X線検出器36の構成およびコーン角の定義の一例を示す模式的斜視図である。X線管24は、高電圧発生器40からの高電圧の印加およびフィラメント電流の供給を受けてコーンビームX線を発生可能である。コーンビームX線は、大きなコーン角を有するX線ビームであり、一般的には四角錐形状である。
図2に示すように、X線管24のX線焦点Fから発生されたコーンビームX線は、X線検出器36によって検出される。X線検出器36は、チャンネル方向と、列方向(この例では後述の装置座標系のZ軸方向に合致)との両方向に関して稠密に分布される複数のX線検出素子36aを有する。
換言すれば、X線検出器36は、列方向に沿って配列される複数のX線検出素子列36rを有する。各々のX線検出素子列36rは、複数のX線検出素子36aをチャンネル方向に沿って配列したものである。ここでは一例として、コーンビームX線のチャンネル方向の広がり角をファン角αとし、コーンビームX線の列方向の広がり角をコーン角βとする。
(本実施形態の原理説明)
一般に、骨は、金属であるカルシウムを含むため、筋肉や血液などの他の体内組織よりもX線吸収率が高い(CT値が高い)ので、X線CT画像において他の体内組織よりも白く投影される。そして、例えば頭蓋骨における頭蓋底の部分は、2次元断面像で見た場合に、骨が周囲よりも密集しており、単位面積当たりの骨の量が周囲よりも多い。即ち、隣接する骨領域との間で、CT値(X線吸収率)の勾配が大きい。
コーンビーム再構成を行った場合、上記のようにCT値の勾配が急峻な領域があると、再構成時にその急峻な変化を補い切れずに、コーンビームアーチファクトが生じ易い。例えば頭部スキャンでは、頭蓋骨における頭蓋底の部分が隣接する骨領域よりも骨の量が多いため、頭蓋底の部分からコーンビームアーチファクトが発生する。
本発明者は、頭蓋底のように、隣接する骨領域よりもさらにX線吸収率が高い領域(高吸収領域)に対するコーンビームX線の照射方向と、コーンビームアーチファクトの大きさとの関係に着眼した。
図3は、高吸収領域としての頭蓋底が長方形領域であるものと仮定して、この長方形領域の長辺に平行にX線が照射された場合のコーンビームアーチファクトのシミュレーション結果である。
図4は、図3から頭蓋底の長方形領域を約10°傾けた場合のコーンビームアーチファクトのシミュレーション結果である。この場合、X線の進行方向と、長方形領域の長辺との傾き角度は10°である。
図3および図4は、図2において手前側または奥側に最も端側の列のX線検出素子列36r(図2においてハッチングにより他のX線検出素子列36rよりも黒くしたX線検出素子列36r)の検出結果を想定したものである。
図5は、頭蓋底の領域を斜線領域、コーンビームアーチファクトの領域をハッチング領域として、図3を模式化した図である。
図6は、頭蓋底の領域を斜線領域、コーンビームアーチファクトの領域をハッチング領域として、図4を模式化した図である。
図3および図5と、図4および図6との対比で分かるように、高吸収領域(頭蓋底)がX線の進行方向に平行に延在する場合、コーンビームアーチファクトは強くなる。一方、図4および図6のように高吸収領域がX線の進行方向に対して傾いている場合、コーンビームアーチファクトは弱くなる。
このように、コーンビームアーチファクトの強度は、高吸収領域と、X線進行方向との傾き角度に依存することを本発明者は解明した。そして、高吸収領域の位置や形状は被検体により千差万別であり、その高吸収領域に対するコーンビームX線の進行方向の角度も撮影により異なる。これに対し、従来技術のように、高吸収領域に対するコーンビームX線の進行方向の角度に拘らずに臨床データに基づく一定のコーンビームアーチファクト補正処理を行うと、コーンビームアーチファクトを補正しきれない。
以上の点に着眼した本発明者は、高吸収領域と、X線の進行方向との傾き角度に基づいて、傾き角度に応じた補正係数を乗じる等によって補正量をさらに調整するという画期的な方法を捻出した。これにより、従来よりもさらにコーンビームアーチファクトを低減できる。そのために、まず、チルト角や装置座標系の定義の一例を説明後、高吸収領域と、コーンビームX線の進行方向との傾き角度の定義の一例について説明する。
通常、ガントリ22は、水平に移動する寝台32に対して垂直な状態となっている(後述の図7参照)。即ち、X線管24からX線検出器36へ放射されるX線が作る面が寝台32の移動軸(通常は装置座標系のZ軸)に対して垂直な状態になっている。しかし、ガントリ22は、撮影手法に応じて寝台32の移動軸に対してチルト角φの傾きを持たせることができる。即ち、X線管24からX線検出器36へ放射されるX線が作る面が寝台32の移動軸に対して垂直ではなく、その垂直面からチルト角φで傾く。
また、ここでは一例として、X線CT装置20の装置座標系のX軸、Y軸、Z軸を以下のように定義する。寝台32のテーブル面の法線方向が鉛直方向であってY軸方向であり、それに垂直なZ軸方向に寝台32が移動するものとする。これらZ軸方向、Y軸方向に直交する方向をX軸方向とする。
また、鉛直方向に上向きをY軸正方向とし、ガントリ22内への寝台32の挿入方向をZ軸正方向とする。なお、以下では説明の簡単化のため、一例として、被検体PはZ軸方向に体軸(背骨の延在方向)が合致するように寝台32上にセットされるものとする。
図7および図8は、高吸収領域と、コーンビームX線の進行方向との角度を示す説明図であり、図7、図8の違いは、コーンビームX線の進行方向のみである。即ち、図7は、コーンビームX線の進行方向の中心軸(図7内の太線矢印)が鉛直方向に合致している場合であり、チルト角φが0°の場合に対応する。図8は、チルト角φを与えた場合であり、コーンビームX線の進行方向の中心軸(図8内の太線矢印)は、基準軸である鉛直方向から傾く。
ここでは一例として、チルト角φは、図8に示すように、時計回りを正方向として、Y軸から、コーンビームX線の中心軸までの角度とする。また、チルト角φは、2直線の交わる角度であるから、−90°以上90°以下の範囲であるものとする。なお、図7、図8内の符号24aは、X線管24の管球24aである。
また、図7および図8では一例として、高吸収領域が頭蓋底であり、頭蓋底の領域が長方形領域であると簡単化している。そして、図7および図8のように、反時計回りを正方向として、Y軸から、高吸収領域の長手方向を示す方向線(図中の破線)までの角度をズレ角度θと定義する。ズレ角度θも、2直線の交わる角度であるから、−90°以上90°以下の範囲であるものとする。上記方向線は、ここでは高吸収領域が長方形であるので長辺の方向に合致するが、方向線の決め方の詳細については後述する。
図8の例では、ズレ角度θも、チルト角φも、90°未満の正の値である。そして、本実施形態では一例として、本スキャンにおけるコーンビームX線の中心軸と、高吸収領域の方向線との傾き角度γは、以下の(1)式で算出する。
γ=φ+θ・・・(1)
即ち、傾き角度γをチルト角φとズレ角度θの和で表す場合、両者とも同じ基準軸(装置座標系のY軸)からの角度で表すと共に、チルト角φの正方向(この例では時計回り)と、ズレ角度θの正方向(この例では反時計回り)とを反対向きにすることが望ましい。
ここで、チルト角φもズレ角度θも±90°の範囲内で変動するので、傾き角度γは、(1)式によれば±180°の範囲内で変動する。しかし実際には、傾き角度γは2直線の交わる角度なので、±90°の範囲内で表す方が分かり易い。そこで本実施形態では一例として、(1)式で算出される傾き角度γが−180°以上−90°未満の場合、傾き角度γに180°を加算して、傾き角度γを0°〜90°の範囲の値に換算する。同様に、(1)式で算出される傾き角度γが90°より大きい場合、傾き角度γから180°を差し引いて、傾き角度γを−90°〜0°の範囲の値に換算する。
次に、(1)式におけるズレ角度θを定めるために、高吸収領域の抽出方法、および、その向きを示す方向線の決定方法について説明する。
図9は、頭部のスカウト画像の一例を示す模式図であり、X線透過率が高い領域ほど黒く、X線透過率が低い領域ほど白く示す。図9は、人体座標系におけるサジタル断面像である。ここでサジタル断面とは、腹側を前、背中側を後ろとした被検体の前後方向をY軸方向とし、背骨延在方向に頭を上、足を下とした被検体の上下方向をZ軸方向とし、これらY軸およびZ軸に直交する方向をX軸方向とした人体座標系における、Y−Z平面である。
図10は、図9のスカウト画像から高吸収領域を抽出して識別表示した一例を示す模式図である。図10は、高吸収領域が離散しない一領域として抽出された例を示し、高吸収領域150を斜線領域で示す。
高吸収領域の抽出に際しては、抽出処理部64はまず、コントラスト強調やエッジ抽出などの従来の画像処理技術によって、骨領域を選択的に強調した画像をスカウト画像の画像データから生成する。この前処理の後、抽出処理部64は例えば、スカウト画像の画像データの全画素の画素値に対して閾値処理を施すことで、高吸収領域150を抽出する。画像データの一構成例では、CT値が高い画素ほど画素値が高いのでより白く表示されるので、例えば、画素値が所定値以上の領域を高吸収領域150とすればよい。
なお、高吸収領域の抽出方法は、上記の閾値処理に限定されるものではない。例えば頭部撮影の場合のように、少なくとも頭蓋底が高吸収領域であると分かっている場合、各骨の形状、大きさ等を含む標準的な人体の骨格モデルに基づいてスカウト画像とテンプレートマッチングを行うことで頭蓋底の領域を抽出し、高吸収領域としてもよい。
図11は、図10のように離散しない一領域として抽出された高吸収領域150に対して、その向きを示す方向線Ldを自動的に算出する方法の一例を示す模式図である。この例ではまず、高吸収領域150内からはみ出ない直線としての最長の直線Lmaxを算出する。次に、高吸収領域150の面積が2等分になるように、最長の直線Lmaxに垂直な直線Lverによって、高吸収領域150を2分割する。図11(A)は、この状態を示す。
次に、2分割された高吸収領域150の一方(図11(B)の上側)の重心W1の位置を算出する。同様に、2分割された高吸収領域150の他方(図11(B)の下側)の重心W2の位置を算出する。図11(B)は、重心W1、W2の位置を求めた状態を示す。そして、図11(C)に示すように、重心W1、W2を通る直線を方向線Ldとする。
図12は、図9のスカウト画像から高吸収領域を抽出して識別表示した別の例を示す模式図である。図12は、高吸収領域が離散した2つの領域として抽出された例を示し、高吸収領域152、154を斜線領域で示す。高吸収領域152、154の抽出方法は前述同様である。
図13は、図12のように離散した複数の領域として抽出された高吸収領域152、154に対して、その向きを示す方向線Ld’を自動的に算出する方法の一例を示す模式図である。この例ではまず、一端および他端が高吸収領域152、154内となる最長の直線Lmax’を算出する。最長の直線Lmax’は、その一部が高吸収領域152、154内からはみ出てもよい。
次に、高吸収領域152、154の合算面積が2等分になるように、最長の直線Lmax’に垂直な直線Lver’によって、高吸収領域152、154を2分割する。この例では、直線Lver’によって分割された高吸収領域154の上側の面積と、高吸収領域152の面積との合計が、直線Lver’によって分割された高吸収領域154の下側の面積に等しくなる。図13(A)は、この状態を示す。
次に、分割された高吸収領域154の上側と、高吸収領域152との合算領域の重心W1’の位置を算出する。同様に、直線Lver’によって分割された高吸収領域154の下側の重心W2’の位置を算出する。図13(B)は、この状態を示す。そして、図13(C)に示すように、重心W1、W2を通る直線を方向線Ld’とする。
なお、高吸収領域が3つ以上の離散した領域として抽出された場合も、同様の手法で方向線を決定できる。
図14は、高吸収領域150の向きを示す方向線を、ユーザがマニュアルで設定する場合の表示の一例を示す模式図である。表示部96は、スカウト画像において抽出された高吸収領域150を例えば異なる色によって識別表示する。具体的には例えば、高吸収領域150を除く被検体内の領域を白く、被検体外の領域を黒く表示し、高吸収領域150を赤などの有彩色で識別表示する。なお、図14では高吸収領域150をハッチングの領域で示す。
また、表示部96は、一端および他端が高吸収領域150内となる最長の直線(図中の太線)を、高吸収領域150とは異なる色で高吸収領域150上に重畳表示する。また、表示部96は、この重畳表示した直線の中心を暫定的な回転中心160として設定する。
ユーザは、異なる色で識別表示された高吸収領域150の分布を頭部画像全体の中で目視で捉えながら、重畳表示された直線を入力部88からの入力操作で自在に回転させることで、高吸収領域150の長手方向を示す方向線Ldを決定できる。このとき、ユーザは、キーボードやマウスなどを備えた入力部88を介して、回転中心160の位置を自在に変更できる。
以上が高吸収領域150の向きを示す方向線の決定方法の例であるが、方向線の決定方法は他の方法でもよい。
例えば、一端および他端が高吸収領域150内となる最長の直線を方向線Ldとしてもよい。
このように方向線Ldを決定できれば、方向線LdとY軸方向との角度をズレ角度θとして算出できるので、チルト角φが定まれば前述の(1)式に従って、コーンビームX線の中心軸と、高吸収領域の方向線との傾き角度γを算出できる。
次に、傾き角度γに応じたコーンビームアーチファクトの補正量について説明する。コーンビームアーチファクトは、例えば、基準のボリュームデータからコーンビームアーチファクト成分のみを抽出した偽像成分ボリュームデータを生成し、偽像成分ボリュームデータを基準のボリュームデータから差し引くことで補正される。
従って例えば、偽像成分ボリュームデータを基準のボリュームデータから差し引く直前に、偽像成分ボリュームデータの全ボクセル(全画素)のCT値に傾き角度γに応じた補正係数を乗じることで、コーンビームアーチファクトの補正量を調整できる。なお、ボリュームデータは例えば、全ボクセル(全画素)が輝度レベルを示すCT値(画素値に相当)を有するものである。
図15は、傾き角度γに応じた補正係数の一例を示すグラフである。図3〜図6で説明したように、高吸収領域の長手方向がX線の進行方向から傾いているほどコーンビームアーチファクトは弱くなるので、上記のように±90°の範囲で規定される傾き角度γの絶対値が大きいほど、補正量を小さくすることが望ましい。
従って、図15の例では、傾き角度が−90°や+90°の場合は補正係数を1として実質的に補正量の調整を行わない。傾き角度が0°の場合、コーンビームアーチファクトが最大と考えられるので、補正係数を最大値の2として、コーンビームアーチファクトの補正量を最大にしている。
なお、図15の補正係数は、−90°〜0°まで、および、−0°〜90°までの各範囲で1次関数的に変化するものであるが、これは一例にすぎない。補正係数は他の値でもよく、図15のようにリニアに変化させるのではなく、傾き角度γに応じて段階的に変化させてもよい。補正係数は、例えば傾き角度γを変えた実験やシミュレーションによって予め求めておき、補正量調整部72に予め記憶させておく。
(本実施形態の動作説明)
図16は、本実施形態のX線CT装置20の動作の流れの一例を示すフローチャートである。以下、前述の各図を適宜参照しながら、図に示すフローチャートのステップ番号に従って、X線CT装置20の動作を説明する。
[ステップS1]システム制御部92(図1参照)は、入力部88に対して入力された撮影条件の一部を規定する入力情報等に基づいて、X線CT装置20の初期設定を行う。ここでの「撮影条件の一部」とは、例えば、コーンビームCTなどの撮影手法や、頭部や胸部などの撮影部位などの条件である。この初期設定において、装置座標系のX軸、Y軸、Z軸に対する被検体Pの体位情報や、撮影部位を含む撮影条件等が設定される。ここでは一例として、入力情報に含まれた撮影条件として、頭部スキャンが設定されるものとする。この後、ステップS2に進む。
[ステップS2]システム制御部92は、X線CT装置20の各部を制御して被検体Pのスカウトスキャンを実行させる。ここでは一例として、コリメータで絞ることで生成される通常のNarrowビーム(コーン角が極めて小さく、例えば3°)を用いてスカウトスキャンを行うものとするが、コーンビームX線によりスカウトスキャンを実行してもよい。
スカウトスキャンによって、サジタル断面のスカウト画像の画像データが再構成部60によって生成され(図9参照)、記憶部84に記憶される。この後、ステップS3に進む。
[ステップS3]システム制御部92は、スカウト画像および入力部88への入力情報に基づいて、チルト角などの本スキャンの撮影条件を設定する。この後、ステップS4に進む。
なお、ここでは便宜上、本スキャンの撮影条件の設定をステップS3の順番にしているが、これは一例に過ぎない。このステップS3の処理は、高吸収領域の方向線Ldと、コーンビームX線の中心軸との傾き角度γの算出処理である以下のステップS4〜S6と並行して行ってもよいし、以下のステップS4〜S6の後に行ってもよい。
[ステップS4]抽出処理部64は、記憶部84からスカウト画像の画像データを取得して、前処理として、コントラスト強調やエッジ抽出などの画像処理によって骨領域を選択的に強調した画像データを生成する。
前処理の後、抽出処理部64は、例えばスカウト画像の画像データの全画素の画素値に閾値処理を施すことで、高吸収領域を抽出する(図10、図12参照)。抽出処理部64は、抽出した高吸収領域の位置、分布を示すデータを、スカウト画像の画像データと共に方向決定部68に入力する。この後、ステップS5に進む。
[ステップS5]方向決定部68は、スカウト画像の画像データと、抽出された高吸収領域の分布(形状)とに基づいて、高吸収領域の(長手方向の)向きを示す方向線Ldを自動的に算出する。方向線Ldの自動算出方法については、図11、図13等を用いて前述したので、重複する説明を省略する。
なお、方向決定部68は、図14のように抽出した高吸収領域をスカウト画像上に識別表示した画像を表示部96に表示させ、前述のようにユーザの入力操作によって、高吸収領域の(長手方向の)向きを示す方向線Ldを決定してもよい。
この後、ステップS6に進む。
[ステップS6]補正量調整部72は、本スキャンの一撮影条件としてのチルト角φをシステム制御部92から取得する。また、補正量調整部72は、スカウト画像の画像データおよび方向線Ldのデータを方向決定部68から取得する。
補正量調整部72は、チルト角φと、方向線Ldのデータと、前述の(1)式に基づいて、本スキャンにおけるコーンビームX線の進行方向の中心軸と、方向線Ldとの傾き角度γを±90°の範囲の値として算出する。補正量調整部72は、予め記憶している傾き角度γ毎の補正係数のテーブルデータから、算出した傾き角度γに該当する補正係数を決定する(図15参照)。
ここで決定した補正係数により、本スキャンで生成されるボリュームデータに対してコーンビームアーチファクトの補正量が調整される。この後、ステップS7に進む。
[ステップS7]システム制御部92は、ステップS6での傾き角度γの算出後にチルト角φが変更されたか否かを判定する。変更されない場合、ステップS8に進み、変更された場合、ステップS6に戻って、変更後のチルト角φに基づいてステップS6の処理が再実行される。
[ステップS8]システム制御部92は、ステップS7までに設定された本スキャンの撮影条件に基づいてX線CT装置20の各部を制御し、コーンビームX線による本スキャンを実行させる。
これにより、X線管24から放射されたコーンビームX線が被検体Pを透過して、X線検出器36の検出素子によって検出される。この処理は、回転駆動部44によって回転部28を駆動し、回転部28に支持されたX線管24およびX線検出器36を被検体Pの周りで連続回転させながら行われる。
DAS56は、X線検出器36により順次検出されるX線パス毎のX線透過率を反映した投影データを収集し、これを再構成部60および記憶部84に順次入力する。この後、X線の照射および投影データの収集が終了すると、ステップS9に進む。
[ステップS9]再構成部60は、収集された投影データに対し、例えばFDK再構成などのコーンビーム再構成処理を行い、基準ボリュームデータを生成する。基準ボリュームデータは、コーンビームアーチファクト補正が施されたものではなく、コーンビームアーチファクトを含むものである。再構成部60は、基準ボリュームデータを記憶部84に記憶させる。この後、ステップS10に進む。
[ステップS10]ステップS10では、基準ボリュームデータからコーンビームアーチファクト成分のみを選択的に抽出した偽像ボリュームデータを生成する。
具体的には例えば、補正部80は、記憶部84から基準ボリュームデータを取得して、これにハイパスフィルタ処理を施す。本実施形態のように被検体Pの体軸(背骨の延在方向)を装置座標系のZ軸方向にほぼ合致させる場合(図7、図8参照)、頭部のコーンビームアーチファクトは、装置座標系のZ軸方向ではCT値の勾配が急峻となり、装置座標系のX軸方向およびY軸方向ではCT値の勾配が緩やかになる。
従って、ここでのハイパスフィルタ処理は、装置座標系のZ軸方向に関するハイパスフィルタ処理であり、例えば、空間周波数が第1の所定値以上の空間周波数成分のみを選択的に透過させるものである。
このハイパスフィルタによってZ方向に関するCT値勾配成分が強調されたボリュームデータを、以下、第1中間ボリュームデータという。即ち、第1中間ボリュームデータは、Z軸方向に関するコーンビームアーチファクトのエッジ成分や生体組織間のエッジ成分、ノイズなどを有する。補正部80は、第1中間ボリュームデータを記憶部84に記憶させる。
次に、補正部80は、第1中間ボリュームデータに閾値処理を施し、閾値処理後の第1中間ボリュームデータを第2中間ボリュームデータとして記憶部84に記憶させる。この閾値処理は、コーンビームアーチファクト成分が有するCT値を閾値とするものである。第2中間ボリュームデータは、Z軸方向に急峻なCT値勾配を有し、且つ、コーンビームアーチファクト成分のCT値を有する成分を含む。
次に、補正部80は、第2中間ボリュームデータにローパスフィルタ処理を施し、この処理後の第2中間ボリュームデータを偽像成分ボリュームデータとして記憶部84に記憶させる。ここでのローパスフィルタ処理は、装置座標系のXY平面に関するローパスフィルタ処理であり、例えば2次元のガウシアンフィルタ処理や、空間周波数が第2の所定値以下の空間周波数成分のみを選択的に透過させる処理などである。
XY平面にローパスフィルタ処理を施すことにより、第2中間ボリュームデータに含まれる、XY平面内に関する急峻なCT値勾配を有する成分が抑制される。即ち、このようにして生成された偽像成分ボリュームデータは、生体成分が抑制されることによりコーンビームアーチファクト成分が強調されたものである。この後、ステップS11に進む。
[ステップS11]補正部80は、偽像成分ボリュームデータの全ボクセルのCT値(全画素の画素値)に対して、ステップS6で決定した補正係数を乗じることで、偽像成分ボリュームデータを変換し、変換後の偽像成分ボリュームデータを記憶部84に記憶させる。この補正係数の絶対値は、傾き角度γの絶対値が大きいほど、コーンビームアーチファクトが弱くなるので小さくなる。即ち、傾き角度γに応じて、コーンビームアーチファクトの補正量が調整される。この後、ステップS12に進む。
[ステップS12]補正部80は、基準ボリュームデータから、変換後の偽像成分ボリュームデータを差し引き、これを補正ボリュームデータとして記憶部84に記憶させる。この後、ステップS13に進む。
[ステップS13]システム制御部92は、入力部88に対する入力に応じて、補正ボリュームデータから得られる被検体Pの頭部の所望の断面を表示部96のモニタに表示させる。以上が本実施形態のX線CT装置20の動作説明である。
このように本実施形態では、コーンビームアーチファクトの発生源となる頭蓋底などの高吸収領域を抽出後、その長手方向を示す方向線と、X線進行方向との傾き角度γを算出する。そして、傾き角度γの絶対値が大きいほどコーンビームアーチファクトが弱くなることに基づいて、傾き角度γに応じた補正係数を偽像成分ボリュームデータに乗じることで、コーンビームアーチファクトの補正量を適正に調整する。
従って、被検体による千差万別である高吸収領域の位置および形状と、チルト角φなどによって変わるコーンビームX線の進行方向とに応じて、コーンビームアーチファクトを適正に補正できる。このため、コーンビームCTの撮影画像からコーンビームアーチファクトは殆ど除かれ、その画質を向上できる。
また、傾き角度γの算出は、抽出処理部64、方向決定部68、補正量調整部72によって自動的に行うことができるので、ユーザに操作負担はかからない。
さらに、チルト角φが変更された場合には傾き角度γを再度算出するので、本スキャン開始直前の撮影条件の変更にも柔軟に対応することができる。
これに対し従来技術では、高吸収領域に対するコーンビームX線の進行方向の角度に拘らずに、臨床データに基づく一定のコーンビームアーチファクト補正処理を行っていたので、コーンビームアーチファクトを補正しきれていなかった。
即ち、以上説明した実施形態によれば、コーンビームアーチファクトを従来よりもさらに低減できる。
(実施形態の補足事項)
[1]上記実施形態では、スカウトスキャンで得られた画像データを用いて、高吸収領域を抽出し、本スキャンでの補正係数を決定する例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではない。本スキャンの実行前に得られた同一の被検体Pの同じ撮影部位を含む画像データであれば、スカウト画像ではなく、前の撮影シーケンスで得られた画像データを用いて同様に補正係数を決定してもよい。
[2]上記実施形態では一例として、頭部スキャンにおけるコーンビームアーチファクトを低減する例を述べた。本発明の実施形態は、かかる態様に限定されるものではなく、他の撮影部位にも適用可能である。コーンビームアーチファクトは、背骨の椎体や、肺の線状部位(例えば、脈管構造)のエッジ成分においても顕著に発生される。本実施形態は、コーンビームアーチファクト成分を含む投影データやボリュームデータであれば適用可能であり、撮影部位は限定されない。
[3]傾き角度γに応じたコーンビームアーチファクトの補正量の調整方法として、偽造成分ボリュームデータを生成後、補正係数が乗じられた偽造成分ボリュームデータを基準ボリュームデータから差し引く例を述べた。これは、コーンビームアーチファクトの補正方法および補正量の調整方法の一例にすぎず、補正方法および補正量の調整方法については、他の方法であってもよい。
[4]X線検出器36、DAS56、再構成部60、補正部80、および、システム制御部92全体の機能は、請求項記載の画像生成部の一例である。
[5]本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
20 X線CT装置
22 ガントリ
24 X線管
28 回転部
32 寝台
36 X線検出器
40 高電圧発生器
44 回転駆動部
48 寝台制御部
52 システムバス
56 DAS
60 再構成部
64 抽出処理部
68 方向決定部
72 補正量調整部
80 補正部
84 記憶部
88 入力部
92 システム制御部
96 表示部
150、152,154 高吸収領域
160 回転中心
Ld、Ld’ 方向線
W1、W1’、W2、W2’ 重心
P 被検体

Claims (8)

  1. コーンビームX線による本スキャンを実行するX線CT装置であって、
    前記本スキャンの前に被検体を透過したX線の検出によって生成された画像データが示す前記被検体の骨領域において、隣接する前記骨領域よりもX線吸収率が高い前記骨領域を高吸収領域として抽出する抽出処理部と、
    抽出された前記高吸収領域の形状に基づいて前記高吸収領域の向きを示す直線を方向線として決定する、又は、前記高吸収領域が表示されたスカウト画像に対するユーザの入力操作によって前記高吸収領域の向きを示す直線を方向線として決定する、方向決定部と、
    前記本スキャンにおける前記コーンビームX線のX線管からX線検出器に向かう、コーン角内の代表的な進行方向を表わす代表直線と、前記方向線との傾き角度を算出し、コーンビームアーチファクトの補正処理における補正量を前記傾き角度に基づいて調整する補正量調整部と、
    を備えていることを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1記載のX線CT装置において、
    前記本スキャンとして前記被検体を透過した前記コーンビームX線を検出して、検出信号に基づいて投影データを収集し、収集した前記投影データに対して再構成処理を施して画像データを生成し、生成した前記画像データに対して、前記補正量調整部により調整された前記補正量に基づく前記補正処理を施すことで、前記被検体の補正処理後の画像データを生成する画像生成部、
    をさらに備えることを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項1記載のX線CT装置において、
    前記代表直線は、前記コーン角の中心軸を表わす直線である、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項1記載のX線CT装置において、
    前記方向決定部は、前記高吸収領域内に引ける最長の直線を算出後、前記最長の直線に垂直な直線によって前記高吸収領域を面積的に2等分し、2等分した一方の重心と、2等分した他方の重心とを通る直線を前記方向線とすることを特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項1記載のX線CT装置において、
    前記補正量調整部は、前記傾き角度の絶対値が小さいほどコーンビームアーチファクトに対する補正量が大きくなるように、前記補正量を調整することを特徴とするX線CT装置。
  6. 請求項2記載のX線CT装置において、
    前記補正量調整部は、前記補正量として、前記傾き角度の絶対値が小さいほど絶対値が大きくなる補正係数を決定し、
    前記画像生成部は、前記投影データに前記再構成処理を施すことで基準画像データを生成してから、前記被検体の体軸方向のハイパスフィルタ処理と、前記体軸方向に直交する平面でのローパスフィルタ処理とを前記基準画像データに施すことで前記コーンビームアーチファクトが抽出された偽像画像データを生成後、前記偽像画像データの各画素値に前記補正係数を乗じた画像データと、前記基準画像データとの差分を前記補正処理後の画像データとして生成することを特徴とするX線CT装置。
  7. 請求項1記載のX線CT装置において、
    前記補正量調整部は、前記本スキャンにおける前記コーンビームX線の進行方向と、鉛直方向を表わす基準軸との傾きであるチルト角が前記傾き角度の算出後に変更された場合、変更後の前記チルト角に基づいて前記コーンビームX線の進行方向の代表直線を再算出することで、前記傾き角度を再算出することを特徴とするX線CT装置。
  8. 請求項1記載のX線CT装置において、
    前記補正量調整部は、前記本スキャンにおける前記コーンビームX線の中心軸に沿った直線を前記代表直線とし、
    前記抽出処理部は、前記本スキャンの前に生成された画像データの各画素値に対して閾値処理を施すことで、前記高吸収領域を抽出する
    ことを特徴とするX線CT装置。
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