JP5853445B2 - 検査装置及び検査方法 - Google Patents

検査装置及び検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5853445B2
JP5853445B2 JP2011148378A JP2011148378A JP5853445B2 JP 5853445 B2 JP5853445 B2 JP 5853445B2 JP 2011148378 A JP2011148378 A JP 2011148378A JP 2011148378 A JP2011148378 A JP 2011148378A JP 5853445 B2 JP5853445 B2 JP 5853445B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
probe
reflected signal
inspection
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011148378A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013015407A (ja
Inventor
添田 武志
武志 添田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2011148378A priority Critical patent/JP5853445B2/ja
Publication of JP2013015407A publication Critical patent/JP2013015407A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5853445B2 publication Critical patent/JP5853445B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Description

本発明は、超音波を用いた検査装置及び検査方法に関する。
材料の使用に伴う破断や破損といった機械的損傷は、例えば、材料内部の微小欠陥が集合して機械的強度が減少した結果生じる。そのため、材料内部の検査においては、空隙や亀裂を対象にした巨視的検査はもとより、微小欠陥を対象にした微視的検査も重要になってくる。
このような微視的検査には、例えば、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;TEM)或いは走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)を用いることができる。但し、TEMやSEMでは、被検査体を非破壊でその内部を検査することが難しい。一方、被検査体内部を非破壊で検査する手法の1つに超音波探傷法がある。超音波探傷法では、被検査体へ超音波を入射し、その内部からの反射信号をプローブで受信し、その反射信号に基づいて空隙、亀裂、欠陥等を検査する。
尚、主に材料表面の形状や物性を測定する方法として、カンチレバーをプローブとする、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)等の走査型プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope;SPM)を用いる方法が知られている。
特開2005−172535号公報 特開平06−323843号公報
超音波を利用する検査手法では、被検査体内部を非破壊で検査することが可能である。しかしその一方、被検査体の形態や、用いる検査装置によっては、適正に検査することができない場合がある。
例えば、被検査体のサイズが小さかったりその材料の音速が速かったりすると、超音波が入射して内部からの反射信号がプローブで受信されるまでの時間(Time Of Flight;TOF)が短くなる。そのため、受信した反射信号を高いサンプリングレートで計測する装置(高い周波数のクロック信号のタイミングでサンプリングする装置)でないと、反射信号の信号強度、信号波形を精度良く計測することができない場合がある。その結果、被検査体内部の評価が適正に行えないことが起こり得る。
本発明の一観点によれば、信号に応じて超音波を被検査体に発信する発信部と、前記超音波が発信された前記被検査体の内部からの反射信号を、ファイバー製のカンチレバー型のプローブを用いて検出する受信部と、前記信号を遅延させた参照信号を生成する遅延部と、前記参照信号に基づき、前記プローブで検出されて前記プローブを伝送される前記反射信号の信号強度を同期計測する計測部と、前記反射信号を検出する前記プローブのたわみ量を検出する検出部とを含む検査装置が提供される。
また、本発明の一観点によれば、信号に応じて超音波を被検査体に発信する工程と、前記超音波が発信された前記被検査体の内部からの反射信号を、ファイバー製のカンチレバー型のプローブを用いて検出する工程と、前記信号を遅延させた参照信号を生成する工程と、前記参照信号に基づき、前記プローブで検出されて前記プローブを伝送される前記反射信号の信号強度を同期計測する工程と、前記反射信号を検出する前記プローブのたわみ量を検出する工程とを含む検査方法が提供される。
開示の技術によれば、被検査体内部に発信された超音波の反射信号を、所定の参照信号に基づく同期計測によって精度良く計測することが可能になり、被検査体の非破壊検査を適正に行うことが可能になる。
検査装置の構成例を示す図である。 反射信号の信号強度計測の説明図である。 検査装置の一例を示す図である。 反射信号の信号強度計測の説明図(その1)である。 反射信号の信号強度計測の説明図(その2)である。 メモリの一例を示す図である。 メモリの記憶情報、TOFプロファイル、及び被検査体内部構造の関係の一例を示す図である。 反射信号の信号強度計測の第1変形例の説明図である。 反射信号の信号強度計測の第2変形例の説明図である。 センサ部の一例を示す図である。 検査フローの一例を示す図である。 コンピュータを用いた検査装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1は検査装置の構成例を示す図である。
図1に示す検査装置10は、発信部11、受信部12、遅延部13、及び計測部14を有している。
発信部11は、入力される信号に応じて超音波を被検査体1に発信する。発信部11には、例えば、超音波振動子やレーザ超音波発生装置を用いた超音波発信機が用いられる。発信部11に入力される信号は、例えば、関数発生器等を用いて発生されるパルス信号とされる。発信部11は、例えばそのようなパルス信号を受け、そのパルス信号に応じた超音波を被検査体1に対して発信する。
発信部11から被検査体1に発信された超音波は、被検査体1の内部を伝播し、被検査体1の内部に存在する反射体、例えば構造物や欠陥等で反射する。受信部12は、このような被検査体1内部からの反射信号(エコー信号)を、プローブを用いて検出する。
受信部12のプローブには、例えば、先端部に微小な探針(例えばナノメートルオーダー)を設けたカンチレバー、カンチレバー型プローブが用いられる。受信部12のプローブには、その全体或いは一部に、金属材料のほか、カーボンファイバー等のカーボン材料、グラスファイバー等のガラス材料を使用したものが用いられる。被検査体1内部からの反射信号は、被検査体1表面の振動信号として、このようなプローブを含む受信部12によって検出される。受信部12によって検出された反射信号は、計測部14に伝送される。
遅延部13は、入力される信号を遅延させて参照信号を生成する。遅延部13には、発信部11に入力される信号、例えばパルス信号が分岐されて入力され、遅延部13は、その入力されたパルス信号を遅延させて、所定遅延量(遅延時間)の参照信号を生成する。遅延部13は、例えば、入力されたパルス信号を光源に伝送し、その光源から発せられる光を、光路長が可変の光学遅延装置を通し、その光路長に応じた時間だけ遅延させた光を、光センサに入力することで、所定遅延量の参照信号を生成する。
計測部14には、受信部12によって検出された反射信号と、遅延部13によって生成された所定遅延量の参照信号とが伝送される。計測部14は、遅延部13からの参照信号に基づき、受信部12からの反射信号の信号強度を同期計測する。計測部14には、例えば、ロックインアンプ等の同期測定器が用いられる。
尚、検査装置10は、被検査体1に対して発信部11又は受信部12の位置、或いは発信部11又は受信部12に対する被検査体1の位置を制御する制御部を有していてもよい。その場合、その制御部によって、発信部11、受信部12、又は被検査体1を走査するように移動させることもできる。
また、検査装置10は、受信部12で検出され、計測部14で同期計測された反射信号の信号強度を記憶する記憶部を有していてもよい。
続いて、上記検査装置10を用いた反射信号の信号強度計測の一例について説明する。尚、ここでは便宜上、発信部11、受信部12、及び被検査体1の位置を固定した場合を例に説明する。
検査装置10では、例えばパルス信号が分岐され、分岐されたパルス信号の一方が発信部11に入力され、もう一方が遅延部13に入力される。
発信部11は、分岐されて入力されたそのパルス信号に応じて超音波を発信する。発信部11から発信された超音波は、被検査体1に入射され、その内部を伝播し、反射体で反射され、その反射信号が受信部12によって検出される。受信部12で検出された反射信号は、計測部14へと伝送される。
分岐されたもう一方のパルス信号が入力される遅延部13では、上記のような光源、光学遅延装置、光センサ等が用いられ、入力されたパルス信号が、所定時間だけ遅延され、これが参照信号として計測部14へと伝送される。
そして、計測部14において、受信部12からの反射信号の信号強度が、遅延部13からの参照信号に同期して計測される。
図2は反射信号の信号強度計測の説明図である。図2に点線で示した信号波形は、一定時間に受信部12で検出される反射信号(計測前の反射信号)の信号波形の一例を示している。尚、図2には、受信部12での反射信号の検出に伴いその信号波形が図面下方向に振れる場合を例示している。
例えば、ある遅延量τaに設定された参照信号を用いて反射信号を同期計測すると、図2(A)に示す点aのような信号強度が取得される。遅延量の異なる参照信号、例えば遅延量τb(>τa)に設定された参照信号を用いて反射信号を同期計測した場合には、図2(B)に示す点bのような信号強度が取得される。
このように、参照信号を任意の遅延量に設定することにより、その遅延量のタイミングでの反射信号の信号強度を計測することができ、図2(C)に示すように、反射信号の全体について、その信号強度を計測することも可能になる。従って、反射信号全体の信号強度(信号波形)を高い精度で計測することが可能になる。
このような手法を用いると、被検査体1内部を伝播する超音波の音速が大きく、TOFが短くなるような場合にも、所定遅延量の参照信号を用いることで、被検査体1内部からの反射信号の信号強度を精度良く計測することができる。
そこで今、被検査体1の一例として、ミクロン乃至サブミクロンオーダーのLSI(Large Scale Integration)デバイスを想定する。
このようなLSIデバイスの材料にはシリコン(Si)が用いられることが多いが、Siの音速は約8430m/sである。この場合、例えば厚さ10μmのSiでは、その表面に入射された超音波が2.37nsで再び表面に戻ってくる計算になる。即ち、厚さ10μmのSiにおけるTOFは2.37nsになる。このような短いTOFで反射信号が検出されてきた場合、例えばその反射信号を10倍精度(10/TOF)で計測しようとすると、4.2GHzのサンプリングレートを有する計測器が必要になる。同様に、厚さ1μmのSiからの反射信号を10倍精度で計測するためには42GHzのサンプリングレートが必要になり、厚さ1nmのSiからの反射信号を10倍精度で計測するためには42THzのサンプリングレートが必要になる。
TOFは、超音波が伝播する被検査体1の材料の音速が速いほど、また材料の肉厚が薄いほど、短くなる。上記のLSIデバイスのように、被検査体1の形態によっては、電子回路で生成するようなクロック信号のタイミングで反射信号の信号強度を精度良く計測することが難しくなる場合がある。上記のような数十GHz〜数十THzといったサンプリングレートを有する計測器を実現することも難しいのが現状である。
一方、上記のような検査装置10を用いた反射信号の信号強度計測では、所定遅延量の参照信号を生成し、その参照信号に基づき、その遅延量のタイミングで、反射信号の信号強度を同期計測する。参照信号の遅延量を適切に設定することにより、TOFの短い反射信号であっても、その信号強度を精度良く計測することが可能になる。
以下、検査装置及び検査方法について、より詳細に説明する。
図3は検査装置の一例を示す図である。
図3に示す検査装置100は、超音波発信機101、カンチレバー102、位置制御部103、レーザ照射器104、及び光センサ105を有している。更に、検査装置100は、関数発生器106、光源107、光学遅延装置108、光センサ109、同期計測器110、メモリ111、及びモニタ112を有している。検査装置100は、SPMの基本的構成要素を備えている。
超音波発信機101は、入力される信号に応じて被検査体1に超音波を発信する。超音波発信機101には、例えば、超音波振動子、レーザ超音波発生装置等を用いることができる。図3には、超音波発信機101に、レーザ超音波発生装置を用いた場合を例示している。
カンチレバー102は、一端側(根元側)が固定され(図示せず)、他端側(自由端側)の先端部に例えばナノメートルオーダーの微小な探針102aが設けられる。超音波発信機101から超音波が発信された被検査体1の、その内部からの反射信号は、振動信号としてカンチレバー102で受信される。このように検査装置100では、カンチレバー102が超音波受信機として利用される。
位置制御部103は、被検査体1上のカンチレバー102(探針102a)の位置を制御する。例えば、位置制御部103は、カンチレバー102の根元側に、x,y,zの各方向への移動用に設けられた圧電素子(図示せず)に入力する信号を制御し、被検査体1上におけるカンチレバー102のx,y,z方向の位置を制御する。検査装置100では、このような位置制御部103によって、カンチレバー102を被検査体1上で走査することができるようになっている。
レーザ照射器104は、カンチレバー102の背面にレーザ光を照射する。光センサ105は、カンチレバー102の背面にレーザ照射器104から照射され、反射されてくるレーザ光を検出する。検査装置100では、カンチレバー102の変位(たわみ)が、このような所謂光テコ方式で検出される。光センサ105は、検出したレーザ光に応じた信号(電気信号(反射信号))を生成する。生成された信号は、同期計測器110に伝送される。
関数発生器106は、例えばパルス信号を発生する。関数発生器106で発生されたパルス信号は、分岐され、その一方が超音波発信機101に伝送される。このパルス信号に応じた超音波が、超音波発信機101から被検査体1に発信される。
関数発生器106から発生するパルス信号の周波数の最低値は、例えば、カンチレバー102が被検査体1上の1箇所のx,y座標に留まる時間(SPMでの1画素の滞在時間)に設定することができる。その場合、パルス信号の周波数の最低値は、被検査体1について取得する画像1枚あたりの撮影時間と解像度(分割画素数)に基づき設定することができる。例えば、256×256画素の1枚の画像を1秒間で撮影する場合、カンチレバー102走査時の被検査体1上での往復運動を考慮すると、パルス信号の周波数の最低値は、約130kHz(≒256×256×2/1[s])となる。
関数発生器106で発生され、分岐されたもう一方のパルス信号は、光源107に伝送される。光源107は、そのパルス信号に応じて発光する。光源107の光(パルス光)は、光学遅延装置108に入力される。
光学遅延装置108は、対向して配置される第1リフレクタ108a及び第2リフレクタ108bを備えている。第1リフレクタ108aは、直角の反射面108a1,108a2を有している。第2リフレクタ108bは、第1リフレクタ108aの反射面に対向する、直角の反射面108b1、108b2を有している。
第1リフレクタ108aは、光源107からの光が、反射面108a1に入射するように配置される。反射面108a1に入射した光は、そこで反射され、対向する第2リフレクタ108bの反射面108b1に入射する。この反射面108b1に入射した光は、第2リフレクタ108bのもう一方の反射面108b2に反射され、更に、それに対向する第1リフレクタ108aの反射面108a2へと反射される。この反射面108a2で反射された光が、光センサ109に入力される。
光学遅延装置108の第2リフレクタ108bは、第1リフレクタ108aとの距離を、ステッピングモータ等を用いて連続的に変化させることができるようになっている。第2リフレクタ108bの第1リフレクタ108aからの距離が変化することで、光路長が変化する。光学遅延装置108における光路長を調整することで、光源107からの光が所定時間だけ遅延され、このようにして遅延された光が光センサ109に入力される。
光センサ109は、光学遅延装置108で遅延された光を検出し、検出した光に応じた信号(電気信号(参照信号))を生成する。生成された信号は、同期計測器110に伝送される。
このように、検査装置100では、関数発生器106からのパルス信号が光源107に入力され、光源107からの光が、光路長可変の光学遅延装置108を経て、光センサ109に入力される。これにより、光センサ109からは、パルス信号を光学遅延装置108で所定時間だけ遅延させた信号が出力され、その信号が参照信号として同期計測器110に伝送される。尚、このようにして生成する参照信号のパルス幅は任意であるが、次に述べる同期計測でのS/N比が一定値以上となるようなパルス幅のうち最短のパルス幅に設定することが好ましい。
同期計測器110は、光センサ105から出力される信号、即ち被検査体1内部からの反射信号と、光センサ109から出力される信号、即ち所定遅延量の参照信号とを入力とし、反射信号の信号強度を参照信号に同期して計測する。このような同期計測器110には、例えば、ロックインアンプを用いることができる。
メモリ111は、同期計測器110によって同期計測された反射信号の信号強度を記憶する。メモリ111は、被検査体1のxy面内方向の座標(2軸)及び遅延量(1軸)から成る3次元のデータ記憶領域が設定された3次元配列メモリを有する構造とされる。同期計測器110で同期計測された反射信号の信号強度は、メモリ111が有するそのような3次元配列メモリの、対応する位置(被検査体1上の座標及び遅延量)のデータ記憶領域に記憶されるようになっている。
その際、同期計測器110で同期計測された反射信号の信号強度は、3次元配列メモリの対応する位置のデータ記憶領域にそのまま記憶してもよいし、所定閾値以上のときに1点とする等、点数化して記憶してもよい。例えば、同期計測器110でのS/N比が良い場合に前者の方式を、悪い場合に後者の方式を用いるようにすることができる。
このようなメモリ111の3次元配列メモリに記憶された情報は、被検査体1内部の3次元構造を反映した情報、即ち、被検査体1内部に存在する反射体1a,1bの配置を反映した情報となる。
モニタ112は、メモリ111に記憶されている記憶情報に基づき、被検査体1についての検査結果を表示する。例えば、メモリ111の3次元配列メモリに記憶された、反射信号の信号強度或いはそれに応じた点数を、画像化して表示する。これにより、被検査体1内部の3次元構造が画像化されてモニタ112に表示される。
検査装置100は、装置全体を制御する制御部を備える。また、検査装置100は、被検査体1の検査に用いる各種条件(検査条件)、検査装置100に対する各種指令を入力するための入力部を備える。検査装置100の制御部は、入力部から入力される条件、指令に基づき、検査装置100の処理動作を制御する。
検査装置100はこのほか、SPMの基本的構成要素の1つである、被検査体1の表面画像を取得する取得部(図示せず)を有している。尚、図3に点線で示した検出部200に関しては後述する。
続いて、上記検査装置100を用いた反射信号の信号強度計測の一例について説明する。
図4は反射信号の信号強度計測の説明図である。図4に示す信号波形は、一定時間にカンチレバー102を介して検出される反射信号の信号波形の一例を示している。尚、図4には、カンチレバー102を介した反射信号の検出に伴いその信号波形が図面下方向に振れる場合を例示している。
検査装置100では、まず、被検査体1上の、1画素目の座標(x1,y1)に配置されたカンチレバー102によって、関数発生器106からのパルス信号に基づいて超音波発信機101から発信された超音波の反射信号が受信される。受信された反射信号は、光センサ105によって検出される。
一方、関数発生器106からのパルス信号に基づき、光源107、光学遅延装置108及び光センサ109を経て、参照信号が生成される。その際は、光学遅延装置108で光路長が調整され、まず第1遅延量(遅延時間)τ1(Δτ=0)の参照信号が生成される。
この第1遅延量τ1の参照信号が用いられ、座標(x1,y1)での反射信号の信号強度を同期計測器110によって同期計測されることで、図4(A)に示す点P1のような信号強度が取得される。取得された信号強度、又はそれに応じた点数が、メモリ111の、座標(x1,y1)及び第1遅延量τ1に対応するデータ記憶領域に記憶される。
次いで、カンチレバー102が次の座標(x2,y1)に変更(走査)され、同様に第1遅延量τ1の参照信号が用いられ、座標(x2,y1)での反射信号の信号強度が同期計測器110によって同期計測される。それにより、図4(A)に示す点P2のような信号強度が取得される。取得された信号強度、又はそれに応じた点数が、メモリ111の、座標(x2,y1)及び第1遅延量τ1に対応するデータ記憶領域に記憶される。
以降同様の処理が繰り返され、被検査体1上の座標(xn,yn)まで、図4(A)に示す点Pnのような信号強度が取得され、取得された信号強度、又はそれに応じた点数が、メモリ111に記憶されていく。これにより、被検査体1に設定された計測範囲における全画素の反射信号の信号強度について、まず第1遅延量τ1での同期計測値(点P1〜Pn)が取得される。
次に、光学遅延装置108の光路長が調整され、参照信号が第2遅延量τ2(Δτ=τ2−τ1)に設定される。そして、上記同様、図4(B)に示すように、座標(x1,y1)から座標(xn,yn)の反射信号の信号強度について、それぞれ第2遅延量τ2での同期計測値(点Q1〜Qn)が取得される。取得された同期計測値、又はそれに応じた点数が、メモリ111に記憶される。第2遅延量τ2で取得される信号強度(同期計測値)は即ち、各x,y座標について、第1遅延量τ1で計測された反射信号よりも長いTOFの領域からの反射信号の信号強度である。
このような処理が第N遅延量τN(Δτ=τN−τN-1)まで同様に行われ、図4(C)に示すように、座標(x1,y1)から座標(xn,yn)の反射信号の信号強度について、第N遅延量τNでの同期計測値(点R1〜Rn)が取得される。取得された同期計測値、又はそれに応じた点数が、メモリ111に記憶される。
以上のような処理を行うことで、被検査体1に設定された計測範囲の、各画素での反射信号の信号強度について、図5に例示するように、第1遅延量τ1から第N遅延量τNで同期計測された信号強度がそれぞれ取得されるようになる。尚、図5は、座標(x1,y1)で検出される反射信号の信号強度について、各遅延量τ(τ1,τ2,τN等)で同期計測された信号強度(点P1,Q1,R1等)を例示したものである。そして、このようにして取得された信号強度、又はそれに応じた点数が、図6に例示するような、x,y座標と遅延量τの3次元配列メモリを有するメモリ111の、所定のデータ記憶領域111aに記憶される。
上記のような同期計測に用いる参照信号の遅延変化量Δτは、被検査体1の検査(観察)において要求される空間分解能に基づいて設定することができる。例えば、Siデバイスを1nmの空間分解能で検査するときには、遅延変化量Δτを約230fs(≒1×10-9[m]×2/8430[m/s](2は超音波の往復を考慮))に設定することができる。この場合、光学遅延装置108の光路長変化量は、約70μm(≒230×10-15[s]×3×108[m/s](光速))となる。換言すれば、光学遅延装置108での約70μmの光路長変化で、1nmの空間分解能を実現することができ、このような光路長変化は、ステッピングモータ等による第2リフレクタ108bの移動で十分実現することができる。
尚、図4の例では、第1遅延量τ1で、反射信号の信号強度の同期計測、信号強度のメモリ111への記憶、計測位置座標(反射信号の受信位置)の変更を行う。そして、遅延量τを変化させ、第2遅延量τ2で同様に、信号強度の同期計測と記憶、計測位置座標変更を行う。これにより、被検査体1に設定された計測範囲の全画素について、反射信号の信号強度又は点数を、メモリ111の記憶情報として取得する。
このほか、例えば、同期計測の計測位置座標をある位置に固定し、遅延量τの設定、信号強度の同期計測と記憶、そして遅延量τの変更(次の遅延量τの設定)、という処理を、各計測位置座標について繰り返すことも可能である。このような手順によっても、結果的に、被検査体1に設定された計測範囲の全画素について、反射信号の信号強度又は点数を、メモリ111の記憶情報として取得することができる。
但し、このような手順の場合、遅延量τを設定する工数は増大する。仮に計測範囲の全画素数を256×256とすると、遅延量τの設定が65536(=2562)ステップになる。一方、上記図4に示したような手順によれば、遅延量τの設定は256ステップで済むため、被検査体1の計測範囲の全画素をより高速に検査することができる(高速モニタリング)。更に、このように少ないステップで遅延量τを設定することで、遅延させる際に生じ得るジッターを低減することが可能になり、結果的に時間分解能の劣化を抑制することが可能になる。
図7はメモリの記憶情報、TOFプロファイル、及び被検査体内部構造の関係の一例を示す図である。尚、図7では、便宜上、y方向の座標をある値に固定したときのx方向の座標範囲を例にして説明する。
上記のように遅延量τを変化させて各座標の反射信号を同期計測し、その値又は点数をメモリ111に記憶していくことにより、例えば図7(A)に示すような記憶情報を取得することができる。図7(A)では、例えば、濃く図示しているデータ記憶領域111aほど、信号強度が高い、或いは点数が高いことを表している。被検査体1内部に存在する反射体の位置と大きさにより、信号強度或いは点数の分布(空間(x)と時間(t))が変化する。
図7(A)に示すようなメモリ111の記憶情報は、被検査体1が、あるx方向の面内(深さ方向の面内)について、図7(B)に示すようなTOFプロファイルを有していることを表している。これは即ち、被検査体1が、あるx方向の面内に、図7(C)に示すような位置及びサイズの反射体1c,1d,1eを含んでいることを表していると言うことができる。
図7(C)に示すように、超音波発信機101から被検査体1に超音波が発信され、反射体1c,1d,1eで反射された反射信号が、被検査体1上の所定位置(x座標)に配置されたカンチレバー102で受信される。このx方向の面内で、カンチレバー102と各反射体1c,1d,1eとの距離がそれぞれ最も近くなるとき、各反射体1c,1d,1eからの反射信号のTOFが最短になり、離れるにつれてTOFは長くなる。このような状況が、図7(A)のメモリ111の記憶情報(信号強度又は点数)、図7(B)のTOFプロファイルに反映される。
このようにメモリ111の記憶情報(3次元配列メモリの記憶情報)に基づき、被検査体1の、x方向の面内の内部構造を知ることができる。このような記憶情報を、上記のように被検査体1上の各y座標について取得することで、被検査体1内部の3次元領域の構造を知ることができる。検査装置100では、このようなメモリ111の記憶情報を画像化することにより、被検査体1の内部構造について、その3次元画像を取得することが可能になっている。
尚、ここでは被検査体1上のx,y座標と時間(遅延量τ又はTOF若しくはTOF相当値)によってメモリ111の記憶情報(3次元配列メモリ)を取得するようにしている。このほか、当該時間に被検査体1の構成材料の音速を乗じて距離に換算し、x,y座標と、その換算した距離によってメモリ111の記憶情報を取得することもできる。このようなメモリ111の記憶情報を画像化し、被検査体1の内部構造についての3次元画像を取得することで、被検査体1内部の反射体1c,1d,1eの位置関係を距離で認識することが可能になる。
また、メモリ111の記憶情報(3次元配列メモリの記憶情報)に対し、開口合成処理を適用してもよい。開口合成処理を適用することで、被検査体1内部の異なる箇所からの反射信号をより精度良く分離し、空間分解能、方位分解能を向上させることが可能になる。畳み込み演算の一種である開口合成法は、元来、走査式映像法が困難な計測系に適用されることが多く、例えば、フェーズドアレイのような比較的大きな振動子を複数持つプローブの処理性能を向上させるのに用いられる。開口合成法は、走査式での計測時間のずれや、低い方位分解能を改善するのにも有効である。走査式映像法を採用する検査装置100で取得されるメモリ111の記憶情報に、開口合成法を適用すれば、その相乗効果により、検査装置100の計測系で予想される空間分解能、方位分解能を改善することが可能になる。その結果、より精密な3次元画像を取得することが可能になる。
ところで、被検査体1内部の反射体が小さかったり、被検査体1に入射する超音波信号が小さかったりすると、反射信号の信号強度が弱くなることがある。そのような場合には、例えば、次の図8に示すような方法を用いてもよい。
図8は反射信号の信号強度計測の第1変形例の説明図である。図8に示す信号波形は、一定時間にカンチレバー102を介して検出される反射信号の信号波形の一例を示している。尚、図8には、カンチレバー102を介した反射信号の検出に伴いその信号波形が図面下方向に振れる場合を例示している。
例えば、この図8に示すように、計測範囲における1箇所の計測位置(即ち1画素)につき、超音波発信機101から超音波パルスを複数回発信する。
まず図8(A)に示すように、第1遅延量τ1の参照信号を用い、座標(x1,y1)での反射信号の信号強度を同期計測器110で同期計測するが、その際、超音波発信機101からはN’回(N’≧2)の超音波パルスを被検査体1に入射する。そして、各超音波パルスの反射信号の信号強度を、第1遅延量τ1の参照信号を用いてそれぞれ同期計測する。メモリ111の座標(x1,y1)及び第1遅延量τ1に対応するデータ記憶領域111aには、同期計測したそれらの値又はそれに応じた点数を積算して、信号強度(同期計測値)として記憶していく。同様の処理を座標(xn,yn)まで繰り返し、各座標点(画素)について、積算した同期計測値又はそれに応じた点数をメモリ111に記憶する。
その後、図8(B)に示すように、参照信号を第2遅延量τ2に変更し、同様に座標(x1,y1)から座標(xn,yn)の各座標点(画素)について、積算した同期計測値又はそれに応じた点数をメモリ111に記憶する。
このような処理を、図8(C)に示すように、第N遅延量τNまで同様に行う。
図8に示すような方法によれば、各遅延量τでの同期計測において、画素ごとに複数回分の超音波パルスで生じる反射信号の信号強度を積算することで、十分な量の信号強度(積算した同期計測値又はそれに応じた点数)を確保することが可能になる。その結果、メモリ111の各データ記憶領域111aの記憶情報を用いて、被検査体1の内部構造に関する適正な知見及び3次元画像を取得することが可能になる。
また、図9は反射信号の信号強度計測の第2変形例の説明図である。
検査装置100には、上記図3に示したような検出部200に替えて、この図9に示すような検出部210を適用するようにしてもよい。
図9に示す検出部210は、ファイバーが接続された、超音波を伝播するプローブ、又はファイバー製のプローブを備える。図9では、ファイバー製のカンチレバー型ガラスプローブ211を備えた検出部210を例示している。ガラスプローブ211は、その先端部(プローブ部)212から延びるファイバー部213が、センサ部214に接続されている。
このような検出部210を用いると、被検査体1表面の凹凸に関する信号(ラフネス信号)と、被検査体1内部からの超音波の反射信号とを分離して検出することが可能になる。即ち、被検査体1表面のラフネス信号は、上記カンチレバー102同様、ガラスプローブ211のプローブ部212の変位量(たわみ量)から検出することができる。一方、超音波発信機101から発信された超音波の、被検査体1内部からの反射信号(超音波)は、ガラスプローブ211のプローブ部212に到達すると、ファイバー部213を伝送される。このファイバー部213を伝送されてくる反射信号をセンサ部214によって検出し、同期計測器110へ伝送する。
このようにラフネス信号と反射信号とを分離して検出可能な検出部210の使用は、例えば、被検査体1のラフネス信号が大きく、上記カンチレバー102を用いてもその変位量からでは適正な反射信号を検出することが難しいような場合に有効となる。検出部210によれば、被検査体1表面のラフネスが比較的大きい場合でも、被検査体1内部からの適正な反射信号を取得することが可能になり、外乱に対する強さ、即ちロバスト性が向上するようになる。
また、このような検出部210では、ファイバー部213の長さを調整することにより、被検査体1を伝播してプローブ部212に到達した反射信号が、同期計測器110に入力されるまでの時間を調整することが可能になる。例えば、反射信号の被検査体1中での伝播速度が速い(TOFが短い)場合にも、ファイバー部213を伝送させる分、伝送させないものに比べて、プローブ部212に到達した反射信号が同期計測器110に入力されるまでの時間を延ばすことができる。これにより、上記のようにnsオーダーでプローブ部212に到達してしまうような短いTOFの反射信号も、一層確実に、所定遅延量の参照信号を用いて同期計測器110で同期計測することが可能になる。
ここではファイバー製のガラスプローブ211を例にして説明したが、反射信号が伝播する先端部(プローブ部)と、その先端部にファイバーが接続された構成を有するプローブを用いても、同様の効果を得ることが可能である。
尚、図9に示したような検出部210が備えるセンサ部214は、例えば、次の図10に示すような構成とすることができる。
図10はセンサ部の一例を示す図である。
検出部210のセンサ部214は、例えば図10(A)に示すように、上記ファイバー部213の、先端部(プローブ部)側と反対側の端部に、圧電素子220を接続することで実現することができる。この圧電素子220により、ファイバー部213を伝送されてくる反射信号(超音波)が電気信号(逆電圧)に変換され、その電気信号が同期計測器110に送られる。このような圧電素子220からの電気信号によって、反射信号を検出することができる。
また、センサ部214は、FBG(Fiber Brag Grating)センサで超音波による光反射強度の違いを電圧変動として出力させる構成とすることもできる。この場合、センサ部214は、例えば図10(B)に示すように、FBGセンサ231、光サーキュレータ232、光源233及び光センサ234を備える。FBGセンサ231は、ファイバー部213に設けられる。光サーキュレータ232の第1のポートには光源233が接続され、第2のポートにFBGセンサ231を設けたファイバー部213が接続されている。光サーキュレータ232の第3のポートには、光センサ234が接続されている。
図10(B)のセンサ部214では、光源233からの光Laが光サーキュレータ232を通ってFBGセンサ231に送られ、FBGセンサ231から、光源233の光Laに含まれている所定波長の光Lbが反射される。FBGセンサ231からの所定波長の光Lbは、光サーキュレータ232を通って光センサ234に送られる。光センサ234は、送られてきた光Lbに応じた電気信号(電圧)を生成し、光センサ234で生成された電気信号が同期計測器110に送られる。
このようなセンサ部214において、ファイバー部213を反射信号が伝送されてくると、FBGセンサ231から反射される所定波長の光Lbの強度が変化し、強度が変化した光Lbが光サーキュレータ232を介して光センサ234に送られるようになる。光センサ234に送られてくる光Lbの強度変化(光センサ234で生成される電気信号の変化)によって、反射信号を検出することができる。
以上、検査装置100を例にして説明した。この検査装置100では、同期計測器110に入力する参照信号を光信号から生成し、これに同期して、被検査体1内部を伝播してきた反射信号を計測する。その際、参照信号と反射信号は、同期計測器110に到達するまでの時間が異なる可能性がある。このように同期計測器110への各信号の到達時間が異なる場合には、同期計測前に、参照信号の遅延量について、オフセット(初期遅延量)を設定しておくことが望ましい。
オフセットの設定方法としては、光学遅延装置108の光路長を連続変化させ、同期計測器110で反射信号が検出され始める光路長を求める方法がある。或いは、まず電子回路を用い、参照信号について大体の遅延量を設定しておき、その後、光学遅延装置108で遅延量の微調整を行うことで、オフセットを設定するようにしてもよい。
このようなオフセットの設定は、カンチレバー102等のプローブを、被検査体1の計測範囲を走査させて実施し、計測範囲の複数画素或いは全画素についてオフセットを設定することが望ましい。オフセットの設定時には、単体のプローブを用いるほか、計測範囲の複数画素或いは全画素に対応して探針を設けたカンチレバー型プローブカード等を用いて、上記のようなオフセットの設定を行うようにしてもよい。
尚、上記検査装置100での同期計測時やオフセット設定時におけるカンチレバー102等のプローブ走査の際には、被検査体1表面の形状や模様を基準に用いて、走査位置の座標を補正することが好ましい。検査装置100は、SPMとしての基本的構成要素を含んでおり、被検査体1表面の画像情報を取得することもできる。このような画像情報を用い、その中の所定の形状や模様を基準に、カンチレバー102等のプローブの位置座標を補正することができる。プローブを、その位置座標を適正に補正して走査することで、より精度の高いメモリ111の記憶情報(3次元配列メモリの記憶情報)を取得することが可能になり、その結果、被検査体1内部の、より精密な3次元画像を取得することが可能になる。
以下、上記検査装置100を用いた被検査体1の検査の一実施例について説明する。
図11は検査フローの一例を示す図である。
まず、検査に先立ち、検査条件を設定する。ここで、検査条件とは、例えば、カンチレバー102等のプローブの走査速度、被検査体1の計測範囲及びその画素数である。検査条件としてこのような走査速度、計測範囲及び画素数を設定することで、1画素あたりの処理時間、即ち、プローブの1画素の滞在時間が決まる。更に、この滞在時間が決まることで、関数発生器106から発生させるパルス信号のパルス幅、遅延量(遅延時間)幅、遅延ステップ数、画素内の繰り返し回数(パルス信号の周波数)等が決まってくる。また、検査条件として、後述する、被検査体1から得られる反射信号の信号強度の閾値も、併せて設定する。
次いで、初期遅延量(オフセット)を設定する。例えば、上記のように、プローブで被検査体1内部からの反射信号を検出し、反射信号が同期計測されるまで光学遅延装置108の光路長を変化させる等して、オフセットを設定する。
このようにして各種条件及びオフセットを設定した後、検査装置100は、それらの設定値に基づき、光学遅延装置108での遅延量τiの設定を行う(ステップS1)。更に、検査装置100は、被検査体1上における計測位置の座標(xj,yk)の設定を行う(ステップS2)。プローブは、その計測位置の座標(xj,yk)に走査される。
そして、検査装置100は、ある座標(xj,yk)、ある遅延量τiの下で、被検査体1内部からの反射信号を検出し、その信号強度を同期計測する(ステップS3)。即ち、検査装置100は、関数発生器106から所定のパルス信号を発生し、超音波発信機101から超音波を発信し、被検査体1内部からの反射信号を、プローブを用いて検出する。また、検査装置100は、当該パルス信号を用い、光源107、光学遅延装置108及び光センサ109によって参照信号を生成する。検査装置100は、生成した参照信号に基づき、検出された反射信号の信号強度を、同期計測器110によって同期計測する。
検査装置100は、同期計測器110で同期計測された、反射信号の信号強度が、予め設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS4)。同期計測された反射信号の信号強度が閾値以上であるか否かを判定することによって、反射信号とノイズ信号とを弁別する。閾値は、例えば、取得する被検査体1内部の3次元画像の画質に影響を及ぼすS/N比に基づいて設定したり、或いは経験的に求められた絶対値に設定したりすることができる。
検査装置100は、同期計測された反射信号の信号強度が閾値以上であると判定した場合には、その信号強度或いはそれを点数化した値をメモリ111に記憶する(ステップS5)。検査装置100は、反射信号の信号強度或いはそれを点数化した値を、メモリ111が有する3次元配列メモリの、対応する座標(xj,yk)及び遅延量τiのデータ記憶領域111aに記憶する。記憶後、検査装置100は、続くステップS6の処理に進む。また、検査装置100は、同期計測された反射信号の信号強度が閾値未満であると判定した場合にも、続くステップS6の処理に進む。
検査装置100は、計測位置の座標(xj,yk)をx方向に変更するか否か、即ち、設定されている計測範囲に基づき、x方向に計測を行うべき画素が残っているか否かを判定する(ステップS6)。検査装置100は、計測位置の座標(xj,yk)をx方向に変更すると判定した場合には、計測位置のx座標(現在のxj)を変更し(j=j+1)、ステップS2〜S5の処理を行う。検査装置100は、このような処理を、あるy座標(現在のyk)のx方向に並ぶ、計測範囲内の全ての画素について繰り返す。
検査装置100は、計測位置の座標(xj,yk)をx方向に変更しないと判定した場合、即ち、x方向に計測を行うべき画素が残っていない(計測範囲の終端の画素)と判定した場合には(ステップS6)、続くステップS7の処理に進む。
検査装置100は、計測位置の座標(xj,yk)をy方向に変更するか否か、即ち、設定されている計測範囲に基づき、y方向に計測を行うべき画素が残っているが否かを判定する(ステップS7)。検査装置100は、計測位置の座標(xj,yk)をy方向に変更すると判定した場合には、計測位置のy座標(現在のyk)を変更し(k=k+1)、ステップS2〜S6の処理を行う。
検査装置100は、以上のようなステップS1〜S7の処理を実行し、計測範囲の全画素について、遅延量τiの下での同期計測を行い、それらの同期計測の結果をそれぞれメモリ111の所定データ記憶領域111aに記憶する。
その後、検査装置100は、遅延量τiを変更するか否かを判定する(ステップS8)。検査装置100は、遅延量τiを変更すると判定した場合には、予め設定した所定幅及びオフセットに基づいて遅延量τiを変更し(i=i+1)、ステップS1〜S7の処理を行う。これにより、検査装置100は、計測範囲の全画素について、変更後の遅延量τiの下で上記同様の同期計測を行い、それらの同期計測の結果をそれぞれメモリ111の所定データ記憶領域111aに記憶する。
検査装置100は、遅延量τiを変更しない、即ち、計測範囲について、設定された全ての遅延量τiの下での同期計測が終了したと判定した場合には(ステップS8)、メモリ111が有する3次元配列メモリの記憶情報を、モニタ112に表示する(ステップS9)。尚、3次元配列メモリの記憶情報から更に空間分解能の向上を図るために、開口合成処理を行ったうえで、その開口合成処理後の情報をモニタ112に表示するようにしてもよい。
以上のような処理を行うことで、被検査体1の内部構造の3次元画像を、被検査体1を破壊することなく、迅速に取得することができる。
尚、図11の例では、計測位置の座標(xj,yk)をx方向で変更する際、一方向にだけ変更していく場合、即ち、一方向に走査しているプローブを用いて反射信号を検出してその同期計測を行う場合を示した。このほか、計測位置の座標(xj,yk)をx方向で変更する際、一方向に変更していって同期計測を行い、終端の計測位置座標(xj,yk)まで同期計測を行った後、今度は計測位置座標(xj,yk)を逆方向に変更していって同期計測を行うようにしてもよい。即ち、プローブを被検査体1上のあるx座標のラインを往復して走査させ、その間、そのライン上の各計測位置の座標(xj,yk)で検出される反射信号の信号強度の同期計測を行うようにしてもよい。
この場合、メモリ111が有する3次元配列メモリには、例えば、プローブ往復の間に同期計測された反射信号の信号強度或いはそれに応じた点数を、該当するデータ記憶領域111aに積算して記憶することができる。これにより、各データ記憶領域111aに記憶されている値の大小を明確にし、精度の良い3次元画像を取得することが可能になる。
また、プローブを一方向に走査して同期計測された反射信号の信号強度或いはその点数を記憶する3次元配列メモリと、プローブを逆方向に走査して同期計測された反射信号の信号強度或いはその点数を記憶する3次元配列メモリとを、それぞれ別々に設けてもよい。プローブに上記のようなカンチレバー102を用いた場合、被検査体1の表面形状により、カンチレバー102の走査方向によって反射信号の検出のされ方が異なってくることがある。そのため、3次元配列メモリを別々に設けておくことで、そのような走査方向による反射信号の違いを認識したり、また、双方の3次元配列メモリを基に得られる画像から被検査体1の内部構造の解析を行ったりすることも可能になる。
以上説明したように、上記のような検査装置100及びそれを用いた検査方法によれば、例えばサブミクロン以下といった微小な被検査体1であっても、その内部を伝播した超音波信号を、高い時間分解能で精度良く計測することができる。このような計測を、プローブを走査しながらリアルタイムに行っていくことができる(高速モニタリング)。そのため、被検査体1の内部構造の3次元画像を、精度良く、高速に、取得することが可能になる。その結果、被検査体1の内部構造を、非破壊で、適正且つ高速に、検査することが可能になる。
検査装置100は、SPMとして利用することができるため、上記のような被検査体1の内部構造のほか、被検査体1の主に表面領域における密度や粘弾性等の物性分布を検査することも可能である。
プローブにフェーズドアレイを用いた検査では、そのプローブ内に配列された振動子のサイズと個数によって空間分解能がほぼ決まってしまい、その適用範囲が限定される場合がある。これに対し、上記の検査装置100では、カンチレバー102等のプローブの走査範囲と分割画素数を変更することで空間分解能を変更することができ、その汎用性を高めることができる。
上記の検査装置100は、その構成上、比較的容易に小型化が行え、持ち運びを可能にし、室内外を問わず、様々な被検査体1に適用することが可能である。例えば、機体や配管等の湾曲した被検査体、動作中で搬出困難な被検査体にも、適用することができる。更に、複数の検査対象が空間的に分散している被検査体等にも、適用することができる。また、上記の検査装置100のように、超音波信号の発信と受信が被検査体の一方の側で行えることも利点の1つとなる。例えば、配管の内部欠陥を検査する場合、透過法的な検査手法では検査体を挟み込む治具が必要になるが、反射法を用いる上記の検査装置100では、そのような冶具が不要であり、より簡便な構成で内部欠陥を検査することができる。
尚、以上説明した検査装置100では、カンチレバー102等のプローブを被検査体1上で走査するようにしたが、プローブ及び超音波発信機101の位置を固定し、被検査体1を走査することによって、所定計測範囲の同期計測を行うようにしてもよい。また、プローブ及び被検査体1の位置を固定し、超音波発信機101を走査することによって、所定計測範囲の同期計測を行うようにしてもよい。更にまた、これらの走査手法で取得された同期計測値の情報を全てメモリ111に記憶し、そのメモリ111の記憶情報を用いて、被検査体1の内部構造の3次元画像を取得することもできる。この場合には、被検査体1の内部構造を反映したメモリ111の記憶情報量を増加させることができ、精密な3次元画像を取得することが可能になる。
また、検査装置100のプローブには、カンチレバー型プローブカードを用いることもできる。これにより、より効率的に同期計測を行うことが可能になる。
また、以上の説明では、関数発生器106からのパルス信号に基づき、光源107からパルス光を発生させ、そのパルス光を用いて、同期計測のための参照信号を生成する場合を例示した。このほか、例えば、連続光を発生する光源を用い、光チョッパを用いた遮光によってパルス光を生成し、そのパルス光を光学遅延装置108、更に光センサ109に入力して、参照信号を生成することも可能である。
以上述べた検査装置100が有する処理機能は、コンピュータを用いて実現することができる。
図12はコンピュータを用いた検査装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータを用いた検査装置100は、CPU(Central Processing Unit)301によって装置全体が制御される。CPU301には、バス308を介してRAM(Random Access Memory)302と複数の周辺機器が接続されている。
RAM302は、検査装置100の主記憶装置として使用される。RAM302には、CPU301に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM302には、CPU301による処理に必要な各種データが格納される。
バス308に接続されている周辺機器としては、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive;HDD)303、グラフィック処理装置304、入力インタフェース305、光学ドライブ装置306、及び通信インタフェース307がある。
HDD303は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込み及び読み出しを行う。HDD303は、検査装置100の二次記憶装置として使用される。HDD303には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、及び各種データが格納される。尚、二次記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
グラフィック処理装置304には、モニタ401(112)が接続されている。グラフィック処理装置304は、CPU301からの命令に従って、画像をモニタ401の画面に表示させる。モニタ401としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
入力インタフェース305には、例えば、キーボード402、マウス403が接続されている。入力インタフェース305は、キーボード402やマウス403から送られてくる信号をCPU301に送信する。
光学ドライブ装置306は、レーザ光等を利用して、光ディスク404に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク404には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
通信インタフェース307は、ネットワーク400に接続されている。通信インタフェース307は、ネットワーク400を介して、他のコンピュータ又は通信機器との間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、検査装置100の処理機能を実現することができる。
また、検査装置100が有する機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムを検査装置100のコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等)に記録しておくことができる。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム若しくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。尚、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 信号に応じて超音波を被検査体に発信する発信部と、
前記超音波が発信された前記被検査体の内部からの反射信号を、プローブを用いて検出する受信部と、
前記信号を遅延させた参照信号を生成する遅延部と、
前記参照信号に基づき、前記反射信号の信号強度を同期計測する計測部と、
を含むことを特徴とする検査装置。
(付記2) 前記被検査体、又は前記被検査体上で前記プローブを走査する制御部を更に含み、
前記制御部によって前記被検査体又は前記プローブを所定範囲で走査する間、前記発信部による前記超音波の発信、前記受信部による前記反射信号の検出、及び前記計測部による前記反射信号の信号強度の同期計測を繰り返し、
前記制御部による前記被検査体又は前記プローブの前記所定範囲の走査完了後、前記遅延部によって前記参照信号の遅延量を変化させることを特徴とする付記1に記載の検査装置。
(付記3) 前記遅延部は、前記信号に応じて発光する光源を含み、該光源からの光を用いて前記参照信号を生成することを特徴とする付記1又は2に記載の検査装置。
(付記4) 前記計測部で同期計測された前記反射信号の信号強度が閾値以上の場合に、前記反射信号の信号強度を、前記反射信号が検出された前記被検査体上の座標及び前記参照信号の遅延量と関連付けて記憶する記憶部を更に含むことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の検査装置。
(付記5) 前記記憶部は、前記被検査体上の座標及び前記参照信号の遅延量に対応する3次元配列メモリを含み、
前記3次元配列メモリの、前記反射信号が検出された前記被検査体上の座標及び前記参照信号の遅延量に対応するメモリ領域に、前記反射信号の信号強度を記憶することを特徴とする付記4に記載の検査装置。
(付記6) 前記反射信号は、前記プローブに接続されるファイバー又はファイバー製の前記プローブを介して前記計測部に伝送されることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の検査装置。
(付記7) 前記発信部は、前記超音波を複数回発信し、
前記計測部は、複数回の前記超音波による各々の前記反射信号の信号強度を前記参照信号に基づいて同期計測することを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の検査装置。
(付記8) 信号に応じて超音波を被検査体に発信する工程と、
前記超音波が発信された前記被検査体の内部からの反射信号を、プローブを用いて検出する工程と、
前記信号を遅延させた参照信号を生成する工程と、
前記参照信号に基づき、前記反射信号の信号強度を同期計測する工程と、
を含むことを特徴とする検査方法。
(付記9) 前記被検査体、又は前記被検査体上で前記プローブを走査する工程を更に含み、
前記被検査体又は前記プローブを所定範囲で走査する間、前記超音波の発信、前記反射信号の検出、及び前記反射信号の信号強度の同期計測を繰り返し、
前記被検査体又は前記プローブの前記所定範囲の走査完了後、前記参照信号の遅延量を変化させることを特徴とする付記8に記載の検査方法。
(付記10) 前記信号に応じて発光する光源からの光を用いて前記参照信号を生成することを特徴とする付記8又は9に記載の検査方法。
(付記11) 同期計測された前記反射信号の信号強度が閾値以上の場合に、前記反射信号の信号強度を、前記反射信号が検出された前記被検査体上の座標及び前記参照信号の遅延量と関連付けて記憶部に記憶する工程を更に含むことを特徴とする付記8乃至10のいずれかに記載の検査方法。
(付記12) 前記記憶部は、前記被検査体上の座標及び前記参照信号の遅延量に対応する3次元配列メモリを含み、
前記3次元配列メモリの、前記反射信号が検出された前記被検査体上の座標及び前記参照信号の遅延量に対応するメモリ領域に、前記反射信号の信号強度を記憶することを特徴とする付記11に記載の検査方法。
(付記13) 前記反射信号は、前記プローブに接続されるファイバー又はファイバー製の前記プローブを介して伝送され、同期計測されることを特徴とする付記8乃至12のいずれかに記載の検査方法。
(付記14) 前記超音波を複数回発信し、
複数回の前記超音波による各々の前記反射信号の信号強度を前記参照信号に基づいて同期計測することを特徴とする付記8乃至13のいずれかに記載の検査方法。
1 被検査体
1a,1b,1c,1d,1e 反射体
10,100 検査装置
11 発信部
12 受信部
13 遅延部
14 計測部
101 超音波発信機
102 カンチレバー
102a 探針
103 位置制御部
104 レーザ照射器
105,109,234 光センサ
106 関数発生器
107,233 光源
108 光学遅延装置
108a 第1リフレクタ
108b 第2リフレクタ
108a1,108a2,108b1,108b2 反射面
110 同期計測器
111 メモリ
111a データ記憶領域
112,401 モニタ
200,210 検出部
211 ガラスプローブ
212 プローブ部
213 ファイバー部
214 センサ部
220 圧電素子
231 FBGセンサ
232 光サーキュレータ
301 CPU
302 RAM
303 HDD
304 グラフィック処理装置
305 入力インタフェース
306 光学ドライブ装置
307 通信インタフェース
308 バス
400 ネットワーク
402 キーボード
403 マウス
404 光ディスク

Claims (10)

  1. 信号に応じて超音波を被検査体に発信する発信部と、
    前記超音波が発信された前記被検査体の内部からの反射信号を、ファイバー製のカンチレバー型のプローブを用いて検出する受信部と、
    前記信号を遅延させた参照信号を生成する遅延部と、
    前記参照信号に基づき、前記プローブで検出されて前記プローブを伝送される前記反射信号の信号強度を同期計測する計測部と、
    前記反射信号を検出する前記プローブのたわみ量を検出する検出部と
    を含むことを特徴とする検査装置。
  2. 前記被検査体、又は前記被検査体上で前記プローブを走査する制御部を更に含み、
    前記制御部によって前記被検査体又は前記プローブを所定範囲で走査する間、前記発信部による前記超音波の発信、前記受信部による前記反射信号の検出、及び前記計測部による前記反射信号の信号強度の同期計測を繰り返し、
    前記制御部による前記被検査体又は前記プローブの前記所定範囲の走査完了後、前記遅延部によって前記参照信号の遅延量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記遅延部は、前記信号に応じて発光する光源を含み、該光源からの光を用いて前記参照信号を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の検査装置。
  4. 前記計測部で同期計測された前記反射信号の信号強度が閾値以上の場合に、前記反射信号の信号強度を、前記反射信号が検出された前記被検査体上の座標及び前記参照信号の遅延量と関連付けて記憶する記憶部を更に含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の検査装置。
  5. 前記プローブで検出された前記反射信号が前記計測部に入力されるまでの時間が、前記プローブの長さで調整されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の検査装置。
  6. 信号に応じて超音波を被検査体に発信する工程と、
    前記超音波が発信された前記被検査体の内部からの反射信号を、ファイバー製のカンチレバー型のプローブを用いて検出する工程と、
    前記信号を遅延させた参照信号を生成する工程と、
    前記参照信号に基づき、前記プローブで検出されて前記プローブを伝送される前記反射信号の信号強度を同期計測する工程と、
    前記反射信号を検出する前記プローブのたわみ量を検出する工程と
    を含むことを特徴とする検査方法。

  7. 前記被検査体、又は前記被検査体上で前記プローブを走査する工程を更に含み、
    前記被検査体又は前記プローブを所定範囲で走査する間、前記超音波の発信、前記反射信号の検出、及び前記反射信号の信号強度の同期計測を繰り返し、
    前記被検査体又は前記プローブの前記所定範囲の走査完了後、前記参照信号の遅延量を変化させることを特徴とする請求項6に記載の検査方法。
  8. 前記信号に応じて発光する光源からの光を用いて前記参照信号を生成することを特徴とする請求項6又は7に記載の検査方法。
  9. 同期計測された前記反射信号の信号強度が閾値以上の場合に、前記反射信号の信号強度を、前記反射信号が検出された前記被検査体上の座標及び前記参照信号の遅延量と関連付けて記憶部に記憶する工程を更に含むことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の検査方法。
  10. 前記プローブで検出された前記反射信号の信号強度を同期計測するまでの時間が、前記プローブの長さで調整されることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の検査方法。

JP2011148378A 2011-07-04 2011-07-04 検査装置及び検査方法 Expired - Fee Related JP5853445B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011148378A JP5853445B2 (ja) 2011-07-04 2011-07-04 検査装置及び検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011148378A JP5853445B2 (ja) 2011-07-04 2011-07-04 検査装置及び検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013015407A JP2013015407A (ja) 2013-01-24
JP5853445B2 true JP5853445B2 (ja) 2016-02-09

Family

ID=47688216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011148378A Expired - Fee Related JP5853445B2 (ja) 2011-07-04 2011-07-04 検査装置及び検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5853445B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019193945A1 (ja) 2018-04-05 2019-10-10 富士フイルム株式会社 超音波プローブ、超音波プローブの制御方法および超音波プローブ検査システム
EP3904890A1 (en) * 2020-04-28 2021-11-03 Nederlandse Organisatie voor toegepast- natuurwetenschappelijk Onderzoek TNO Method, system and computer program for performing acoustic scanning probe microscopy

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6426145A (en) * 1988-06-17 1989-01-27 Hitachi Construction Machinery Ruggedness image pickup device for surface of sample by ultrasonic wave
US5319977A (en) * 1991-06-20 1994-06-14 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Near field acoustic ultrasonic microscope system and method
JPH05126725A (ja) * 1991-09-25 1993-05-21 Fuji Photo Film Co Ltd 走査型分析顕微鏡
JPH085616A (ja) * 1994-06-15 1996-01-12 Nisshin Steel Co Ltd ロール表層の探傷検査方法および装置
JP3735650B2 (ja) * 1998-12-10 2006-01-18 株式会社東芝 表面検査装置
WO2001048457A1 (en) * 1999-12-28 2001-07-05 Picometrix, Inc. System and method for monitoring changes in state of matter with terahertz radiation
JP2002209892A (ja) * 2001-01-19 2002-07-30 Fuji Photo Film Co Ltd 超音波探触子及びこれを用いた超音波診断装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013015407A (ja) 2013-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5402046B2 (ja) 超音波計測装置及び超音波計測方法
CN104634741A (zh) 一种快速定位缺陷的激光超声检测方法及其系统
Na et al. Nondestructive evaluation method for standardization of fused filament fabrication based additive manufacturing
WO2024024832A1 (ja) 超音波検査装置及び超音波検査方法
JP2019045317A (ja) 超音波探触子、超音波探傷装置及び方法
JP5853445B2 (ja) 検査装置及び検査方法
JP2018084416A (ja) 超音波検査装置及び超音波検査方法
JP5672674B2 (ja) 超音波映像化方法及び超音波映像化装置
JP2005338063A (ja) 試料の物理的な特性を測定するための装置
JP2018189550A (ja) 超音波映像装置及び超音波映像生成方法
JP2004150875A (ja) 超音波による内部欠陥の映像化方法、及び、装置
JP5248443B2 (ja) 超音波顕微鏡
JP2012083130A (ja) 超音波検査方法及び超音波検査装置
JP2009236620A (ja) 超音波探傷方法
JPH1078415A (ja) 非接触非破壊の材料評価方法とその装置及び弾性波励起方法と弾性波励起装置
CN114659737B (zh) 模态测量方法及其系统和电子设备
CN110609083A (zh) 基于超声相控阵的薄板三维机织层合板复合材料试件内部缺陷检测方法
JP5083859B2 (ja) 画像再構成装置
JP2005070017A (ja) 縦波と横波回折波による超音波探傷方法及び装置
JP5736719B2 (ja) 超音波検査方法及び超音波検査装置
JP2011085392A (ja) 超音波撮像装置
JP2001324485A (ja) 超音波探傷結果表示方法及び超音波探傷装置
WO2024176635A1 (ja) 超音波検査装置及び超音波検査方法
JP2024113420A (ja) 超音波探傷装置と超音波探傷方法
EP2913683A1 (en) Method and apparatus for automated scanning probe microscopy

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141021

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5853445

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees