JP5851627B2 - 偏光プラスチックレンズの製造方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年11月14日出願の日本特願2012−250034号の優先権を主張し、その全記載は、ここに特に開示として援用される。
本発明は、偏光プラスチックレンズの製造方法に関するものである。
偏光レンズは、遮光機能を有するため眼の保護のために処方度数のないサングラス(ファッショングラスも含む)用のレンズに多く用いられているが、それ以外にも処方度数を有する眼鏡レンズとしても使用されている。
特開2009−3303号公報、特開2012−198389号公報(それらの全記載は、ここに特に開示として援用される)に記載の偏光レンズは、レンズ内部に偏光フィルムが埋設された偏光レンズであって、偏光フィルムの周囲に硬化性組成物を注入してから加熱し、硬化することによって製造される(キャスティング法、注型重合法と呼ばれる)。
ところで、特開2009−3303号公報においては、偏光フィルムを丸まりにくくするために、偏光フィルムの表裏の対向位置に可塑性のある樹脂を盛り上げて硬化させた後、硬化した樹脂をモールドに当接させている。
一方、特開2012−198389号公報には、成形型のモールド成形面の水平のフランジ部の複数箇所に柱状に塗布された接着剤により偏光フィルムとモールドを貼り合せた後に光照射により接着剤を硬化することで、成形型モールドと偏光フィルムとを貼り合せることが開示されている。
上記方法はいずれも、レンズ内部に偏光フィルムが埋設された偏光レンズを、キャスティング法により製造することを可能にする方法である。しかし、特開2009−3303号公報では、樹脂の吐出と硬化とを並行して行うため、偏光フィルムが部分的に変形したり、ニードルが詰まりやすくなる。また、特開2012−198389号公報に記載されているように、上方から接着剤を塊状にモールドに吐出し、偏光フィルムに貼り合わせる方法では、モールド成形面に柱状に塗布した接着剤が重力や自重により硬化前に傾いたり、倒れてしまう場合がある。接着剤が傾くと、偏光フィルムが水平に保持されずにレンズからはみ出したり、レンズの中で斜めになるなどして、偏光フィルムとレンズ凸面側との距離に大きなバラツキが生じ、偏光プラスチックレンズの外観品質が低下してしまう。そのため、レンズ内部に偏光フィルムが埋設された偏光レンズを、キャスティング法により製造することを可能にする新たな方法が求められていた。
本発明の一態様は、レンズ内部に偏光フィルムが埋設された偏光レンズを、キャスティング法により製造する方法を提供する。
本発明者らは、上記製造方法を見出すために鋭意検討を重ねた結果、以下の新たな製造方法を見出し、本発明を完成させた。
本発明の一態様は、
上型モールドを、非成形面を上方に向け、成形面を下方に向けた状態に配置する上型モールド配置工程と、
上型モールドの成形面下方に設置された吐出ノズルからチキソトロピー性を有する硬化性接着剤を吐出することにより、上型モールドの成形面周縁部に接着剤柱を形成する接着剤柱形成工程と、
形成した接着剤柱を介して上型モールドと偏光フィルムとを貼り合せる貼り合せ工程と、
貼り合せ工程後に接着剤柱に硬化処理を施す接着剤柱硬化工程と、
偏光フィルムが貼り合せられた上型モールド、該偏光フィルムを挟んで上型モールドと対向配置された下型モールド、及び上型モールドと下型モールドの間隔を保持する封止部材により、内部に偏光フィルムが配置されたキャビティを有する成形型を組み立てる成形型組立工程と、
前記キャビティに硬化性組成物を注入し、注入された硬化性組成物を重合硬化させることにより、内部に偏光フィルムが挟み込まれた偏光プラスチックレンズを得る重合硬化工程と、
を含む偏光プラスチックレンズの製造方法、
に関する。
上記偏光プラスチックレンズの製造方法によれば、上型モールドの成形面周縁部に形成された接着剤柱は下方、即ち重力が作用する方向を向いているため、上方に向けて突設した接着剤柱のように重力によって倒れることはない。ただし、接着剤柱は、モールド成形面と偏光フィルムとの間隔を規制する役割を果たすが、下方を向いて形成された接着剤柱が重力により変形してしまっては、モールド成形面と偏光フィルムとの間隔を制御することは困難である。この点を本発明では、チキソトロピー性を有する接着剤を用いることで解決する。チキソトロピー(thixotropy)性とは、撹拌することによって粘度が低下し、次に放置することによって粘度が増大する性質をいい(JIS K6800)、圧力を加えない状態では形状を維持し、ある程度以上の圧力が加わると流動性が高くなる物理的性質を意味する。上型モールド成形面周縁部に形成されたチキソトロピー性を有する接着剤柱は、偏光フィルムと貼り合わされるまでは圧力が加わらないため、重力による変形を起こすことなく、形状を維持することができる。その後、偏光フィルムと貼り合わされるときに圧力が加わることで偏光フィルムを安定に接触保持するように変形した接着剤柱は、硬化処理により固定化されるため、その後に意図しない変形により上型モールドと偏光フィルムとの間隔が変化することを防ぐことができる。こうして、上記製造方法によれば、接着剤柱の高さにより、上型モールドと偏光フィルムとの間隔、即ち製造される偏光プラスチックレンズにおける凸面から偏光フィルムまでの間隔を、制御することができる。
本発明及び本明細書では、用語の定義において、偏光レンズ及び偏光プラスチックレンズとは、光学設計やレンズ度数の有無は区別せず、内部に偏光フィルムが配置された(挟み込まれた)、より詳しくは、2枚のレンズ基材の間に偏光フィルムが挟み込まれたメニカス形状のレンズを意味するものとして使用する。
眼鏡レンズとは、メニスカス形状を有し、フィニシュトレンズ(両面が最終処方面である)又はセミフィニシュトレンズ(片面のみ最終処方面をもつ)であって、レンズ形状がアンカット又はカット状態のレンズを意味するものとして使用する。
上型モールドは、メニスカス形状のレンズの凸面を形成する凹状の成形面を有するモールドであり、下型モールドは、レンズの凹面を形成する凸状の成形面を有するモールドである。
通常、眼鏡レンズの外径は50mm〜80mm後であり、最も汎用的に使用される範囲は65mm〜80mm後であるので、眼鏡レンズの場合には、それらに対応して成形型モールドの外径が適宜設定される。
一態様では、 上記チキソトロピー性を有する硬化性接着剤のチキソトロピー係数は2以上である。
チキソトロピー係数とは、チキソトロピー性の程度を示す指標であって、大きいほど、形状保持性が高いことを意味する。チキソトロピー係数が好ましくは2以上、より好ましくは2超、更に好ましくは2.5以上、更に一層好ましくは3以上の接着剤を用いることで、より高い形状保持性を有する接着剤柱の形成が可能になり、上型モールドと偏光フィルムとの間隔を、より良好に制御することができる。ここで、チキソトロピー係数とは、粘度計において、回転数Arpmで測定される粘度V1と、Arpmの1/10の回転数で測定される粘度V2の比「V2/V1」で算出される。回転数Aは特に限定されるものではないが、通常、1〜100rpmの範囲である。また、本発明において粘度は、コーンプレート型粘度計を用いて、コーン角度3°、測定温度25℃の条件により測定される値とする。
一態様では、上記チキソトロピー性を有する硬化性接着剤の粘度は、30,000mPa・s以上である。30,000mPa・s以上の粘度の接着剤を用いることで、より一層高い形状保持性を有する接着剤柱の形成が可能になり、上型モールドと偏光フィルムとの間隔を、より精密に制御することができる。
一態様では、上記チキソトロピー性を有する硬化性接着剤のチキソトロピー係数は2.5以上であり、かつ粘度は35,000mPa・s以上である。
一態様では、上記製造方法は、偏光フィルムを曲面加工する工程を更に含み、上型モールドと貼り合せる偏光フィルムは、曲面加工された偏光フィルムである。
一態様では、上述の曲面加工された偏光フィルムは、105℃以上150℃未満の加熱温度で加熱する加熱処理を施した後、成形型内に配置される。このように曲面加工後に上述の範囲の加熱温度で加熱処理を施すことは、以下の点から好ましい。
注型重合法により作製された偏光プラスチックレンズにおいては、レンズが変形することにより非点収差(astigmatism)が生じることがある。これは、製造工程中の加熱により、レンズ内部に埋設された偏光フィルムが変形し、この変形の影響を受け、レンズ表面形状が変化することによるものである。非点収差が生じた眼鏡レンズを通して物体を観察する眼鏡装用者は、非点収差に起因する装用感不良(像のぼやけ等)を感じることとなる。そのため、良好な装用感を有する眼鏡レンズを提供するためには、非点収差を防止ないし低減すべきである。
一方、上記一態様にかかる偏光プラスチックレンズの製造方法では、曲面加工後の偏光フィルムを、成形型内部に配置する前に、105℃以上150℃未満の加熱温度で加熱する。このように加熱することで、曲面加工された偏光フィルムは、成形型内部に配置される前に予め変形(収縮)し、その後の工程では、レンズ表面形状を変形させるような収縮を起こさないか、又は収縮の程度は小さいと考えられる。これにより、収差の少ない偏光プラスチックレンズの提供が可能となる。
一態様では、上記製造方法は、曲面加工前の偏光フィルムを湿潤させることを含む。
一態様では、上記製造方法では、曲面加工前の偏光フィルムを、加熱下で湿潤させ、次いで冷却した後に曲面加工を行う。
一態様では、上記冷却は、湿潤させた偏光フィルムを室温に放置することにより行われる。
一態様では、上記接着剤は、光硬化性接着剤であり、接着剤柱硬化工程は光照射により行われる。
一態様では、接着剤形成工程において、上型モールド成形面周縁部の複数箇所に向けて接着剤柱を吐出し、かつ複数箇所の各箇所に向けて接着剤の吐出を繰り返すことにより接着剤柱を形成する。
上型モールド成形面と偏光フィルムの貼り合せにおいて、偏光フィルムの支持部となる接着剤柱は、偏光フィルムの安定な支持のためには、好ましくは8箇所以上、更に好ましくは8〜50箇所の複数箇所形成されるが、各箇所での接着剤塗布量がばらつくと、形成される接着剤柱の長さが各箇所でばらつくことになる。このばらつき低減の観点からは、一カ所に1回の吐出で接着剤柱を形成するよりも、1カ所に複数回塗布を繰り返して行うことが、塗布量の均一化が容易であり、好ましい。
一態様では、接着剤柱形成箇所の真下に配置した吐出ノズルから、真上に向かって接着剤を吐出する。これにより、例えば接着剤柱形成箇所が傾斜面を有する上型モールド成形面周縁部であっても、容易にその位置及び高さが制御された接着剤柱を形成することができる。このような方法で接着剤を吐出することにより、接着剤が上型モールド成形面に傾斜して付着することを防ぎ、鉛直下方に突設した接着剤柱を容易に形成することができる。この点は、外観品質の良好な偏光プラスチックレンズを効率よく得るうえで有利である。また、前述の特開2012−198389号公報には、成形型のモールド成形面の水平のフランジ部に接着剤を塗布している。これに対し上記方法によれば、接着剤柱形成箇所の塗布位置に水平のフランジ面を有するモールドを使用せずとも、位置及び高さが制御された接着剤柱を容易に形成できるため、通常のメニスカス形状のプラスチックレンズの成形用モールドが使用でき、コスト的に有利である。
一態様では、接着剤の吐出中、吐出ノズルを下方に移動させることにより、上型モールドを上方に移動させることにより、または吐出ノズルを下方に移動させかつ上型モールドを上方に移動させることにより、接着剤柱の先端と吐出ノズルの先端との間隔を調整する。接着剤柱が長くなるにつれて吐出ノズルを下方に移動させるか、上型モールドを上方に移動させるか、またはこれら両方を移動させれば、接着剤柱の先端と吐出ノズルの先端との間隔を一定に保つことができるため、接着剤が被塗布位置に塗布される際のエネルギーを一定にすることができる。これにより、各箇所における接着剤柱の高さをより均等にすることができる。この点は、外観品質の良好な偏光プラスチックレンズを得るうえで有利である。また、接着剤柱の先端と吐出ノズル先端が誤って接触することで、接着剤柱の高さが変化したり接着剤柱が倒れたりすることを予防することができる。
本実施形態に係る偏光プラスチックレンズの断面図。 本実施形態に係る偏光プラスチックレンズ製造装置の概略を模式的に示す正面図。 本実施形態に係る成形型の概略を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る偏光プラスチックレンズの製造工程を示すフローチャート。 本実施形態に係る偏光フィルムの成形方法(曲面加工)を示す図。 偏光フィルムの曲面加工を説明する図。 本実施形態に係る上型モールドの凹部深さを測定する方法を示す図。 本実施形態に係る偏光フィルムの高さを測定する方法を示す図。 本実施形態に係る接着剤を吐出する吐出装置を示す図。 本実施形態に係る上型モールドの周縁部に接着剤を吐出し形成された接着剤柱20を示す図。 本実施形態に係る偏光フィルムと上型モールドとが近接された状態を示す図。 本実施形態に係る上型モールドに偏光フィルムを固定する様子を示す図。 本実施形態に係る注入工程における成形型の概略を模式的に示す断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照し説明する。ただし本発明は、図面に示す態様に限定されるものではない。また、図面では、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大又は縮小して表示している。
<偏光プラスチックレンズの構成>
以下、偏光プラスチックレンズの構造を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る偏光プラスチックレンズ100の断面図である。本実施形態に係る偏光プラスチックレンズ100は、眼鏡用のセミフィニシュトレンズである。図1に示すように、2枚のレンズ基材110と120との間に偏光フィルム14が設けられた構成である。レンズ基材110は、偏光フィルム14に対向する面とは反対側の面が凸面111であり、レンズ基材120は、偏光フィルム14に対向する面とは反対側の面が凹面121である。
ここで、偏光フィルム14は、偏光プラスチックレンズ100において、凸面111に向かって凸形状を有することが好ましい。これにより、凸面111の形状に沿うように偏光フィルム14を配置できるので、凹面121に向かって偏光フィルム14が凸形状を有する場合よりも、レンズ基材120における研磨可能な厚さを大きくすることができる。したがって、得られる完成品のレンズの厚さを薄くすることができる。
レンズ基材110及びレンズ基材120は、屈折率が1.50以上のプラスチック製であることが好ましい。レンズ基材110及びレンズ基材120の材料としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン系樹脂、チオウレタン系樹脂、チオエポキシ系樹脂、メタクリル系樹脂、アリル系樹脂、エピスルフィド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が例示できる。薄型化の観点からは、チオウレタン系樹脂又はチオエポキシ系樹脂が好ましい。着色が容易である観点からは、ウレタン系の樹脂が好ましい。なお、レンズ基材110とレンズ基材120とは同じ材料であることが好ましい。また、レンズ基材110とレンズ基材120とは染料を用いて着色されていてもよい。
偏光フィルム14は、ポリビニルアルコール(PVA)からなる樹脂層を備える単層又は多層のフィルムであることが好ましい。PVAは透明性、耐熱性、染色剤であるヨウ素又は二色性染料との親和性、延伸時の配向性のいずれもが優れた材料である。例えば、偏光フィルム14は、市販のヨウ素系偏光フィルムがプレス成形、真空成形等によって所定の曲率に曲面加工が施され、外形が円形状に切り抜かれたフィルム状の基材である。曲面加工については、後述する。
多層の偏光フィルム14は、PVAにヨウ素を含浸させたフィルムを成形して一軸方向に延伸した樹脂層を形成後、当該樹脂層の両面にトリアセチルセルロース(TAC)を保護層として積層することにより得ることができる。なお、ヨウ素の替わりに二色性染料を用いて作製された偏光フィルムを使用することも可能である。また、単層の偏光フィルムとして、TACでの保護層を積層していないPVAや、PVAに替えてポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた偏光フィルムを用いることもできる。本実施形態ではTACの保護層を積層していないPVAの偏光フィルム14を用いる。偏光フィルム14は予め所定の色、例えば、ブラウンやグレーに着色されている。
<レンズモノマー注入装置の構成>
次に、成形型キャビティに硬化性組成物(レンズモノマーとも記載する。)を注入するために使用可能なレンズモノマー注入装置の一例を、図面に基づいて説明する。
図2は、本実施形態に係る偏光プラスチックレンズ100の製造に用いるレンズモノマー注入装置2の概略を模式的に示す正面図である。図3は、本実施形態に係る偏光プラスチックレンズ100を成形することに用いる成形型12の概略を模式的に示す断面図である。
本実施形態に係るレンズモノマー注入装置2は、図2に示すように、設置部10と、吸引部19と、供給部24と、を備えている。
設置部10には、複数の押さえ部11が配設され、これらの押さえ部11により成形型12が保持されている。
成形型12は、図3に示すように、互いに対向配置される、例えばガラス製の一対のモールド13を有している(上型モールド131、下型モールド132)。各モールド13の外形は、例えば円形である。上型モールド131には、偏光プラスチックレンズ100の凸面111を形成することに用いられる凹状の成形面131Aが形成されている。下型モールド132には、偏光プラスチックレンズ100の凹面121を形成することに用いられる凸状の成形面132Aが形成されている。
モールド13の材料は、偏光プラスチックレンズ100の製造における加熱に耐えられる材料であれば、特に種類(無機物、有機物)は問わない。本実施形態では、モールド13にクラウンガラスを用いる。なお、光透過性の有機物(例えば樹脂)は、紫外線の照射により劣化するため、偏光プラスチックレンズ100を大量に成形する成形型には適さない。しかし、コスト安の利点を利用して、例えば少量のサンプル製品等を成型する成形型に用いてもよい。
偏光フィルム14は、接着剤柱20により、上型モールド131に貼り付けられている。
成形型12は、ガスケットを使用せず、上型モールド131及び下型モールド132を、成形面131Aと132Aとが互いに対向する状態で、所定の間隔を空けて配置し、さらに上下型モールド131及び132の外周縁の全周に亘って粘着テープ46を巻きつけることで形成されている。これによって、上型モールド131、下型モールド132、及び粘着テープ46によって囲まれるキャビティ50が形成される。
また、粘着テープ46の一部には、キャビティ50にレンズモノマーを注入するための図示しない注入口が形成されている。この注入口は、図2に示すように、成形型12を押さえ部11にて保持させて設置部10に装着してから形成してもよく、成形型12の成形時に粘着テープ46の一部に穴あけ加工して形成してもよい。
図2において、吸引部19は、設置部10の上方に設けられている。吸引部19は、吸引管23と、回収部31と、を備えている。
吸引管23は、管状に形成され、管先端が前述の注入口の近傍に位置するように設けられている。そして、吸引管23は、回収部31に接続され、成形型12の注入口から溢れ出た原料組成物を吸引して回収部31に送り出す。
回収部31は、吸引管23が吸引したレンズモノマーを回収し貯蔵する。また、回収部31は、図示しないポンプを備えており、このポンプを適宜制御することで、吸引管23からレンズモノマーを吸引する。
供給部24は、供給部本体21と、貯留部40と、注入部25と、を備えている。
供給部本体21は、貯留部40に接続され、この貯留部40から導入されるレンズモノマーを注入部25に誘導する。また、供給部本体21には、図示しない制御部が電気的に接続されており、この制御部の制御により、注入部25に誘導するレンズモノマーの供給量を調整できる構成としてもよい。注入部25は、成形型12の粘着テープ46に設けられる注入口に挿入可能な図示しない注入針を備え、供給部本体21から送られてきたレンズモノマーを成形型12のキャビティ50内に注入する。
貯留部40は、供給部本体21に接続され、レンズモノマーを供給する。貯留部40から供給されるレンズモノマーとして、本実施形態ではイソシアネート基又はイソチオシアネート基を1分子中に2個以上持つイソシアネート化合物又はイソチオシアネート化合物のモノマーと、メルカプト基を1分子中に2個以上有するチオール化合物のモノマーとを含有する組成物が用いられる。また、レンズモノマーとして、チオエポキシ化合物のモノマーを含む組成物を用いてもよい。なおレンズモノマーには、モノマーに加えて、又はモノマーに代えてプレポリマー等の重合反応の中間体が含まれていてもよい。
<偏光プラスチックレンズの製造方法>
本実施形態の偏光プラスチックレンズ100の製造方法を図面に基づいて説明する。
図4は、本実施形態に係る偏光プラスチックレンズ100の製造工程を示すフローチャートである。本実施形態の製造方法は、図4に示すように、大きく分けて偏光フィルム成形工程、成形型の組立、重合硬化工程、及び離型工程によって実行される。以下、これら工程について、順に説明する。
<偏光フィルム成形工程>
図5は、本実施形態に係る偏光フィルム14の成形方法(曲面加工)を示す図である。まず、図5(A)に示すように、一軸延伸したPVA製フィルムを長方形形状にカットした平板状のシート体9を公知のプレス手段によってプレスすることで2つの湾曲部56(凸部)が形成される(曲面加工)。湾曲部56の曲率は製造される予定の偏光プラスチックレンズ100のベースカーブ(凸面111(図1参照)の曲率)に応じて設定されている。偏光フィルム14は、偏光プラスチックレンズ100のベースカーブと同じ曲率に形成されていてもよい。本実施形態ではベースカーブの大きさを複数の種類に区分し、その区分に対応させて偏光フィルムの湾曲部56を設定する。なお、予め湾曲部56が形成された偏光フィルム14を用いる場合は、偏光フィルム成形工程を行う必要はない。
偏光フィルム14の径は、図5(B)に示すように、上型モールド131及び下型モールド132の内径よりも小さいことが好ましい。例えば、本実施形態における偏光フィルム14の径は、上型モールド131の内径よりも2mm程度小さい。これにより、レンズモノマーをキャビティ50に注入する場合に、偏光フィルム14と粘着テープ46の隙間にレンズモノマーが回り込むようになり、キャビティ50内へのレンズモノマーの注入をスムーズに行うことができる。
次に、本発明の一態様にかかる偏光プラスチックレンズの製造方法において好適に実施され得る偏光フィルムの曲面加工について説明する。
偏光フィルムを挟み込む2枚のレンズ基材は、一方が凸面を有し、他方が凹面を有する。偏光フィルムを曲面加工した後に成形型内に配置することで、レンズの曲面形状に沿って、偏光フィルムを2枚のレンズ基材間に埋設させることができる。好ましくは、偏光フィルムを上型モールドの成形面形状((凹面形状)に対応させてプレス成形法にて曲面加工する。
例えば、温度調整手段(ヒ−ター、冷却媒体等)と加圧手段とを備え、雄型と雌型とが一対となった成形型(母型)を有するプレス成形装置に、平面シートの偏光フィルムを挟み込んで、押圧して、偏光フィルムを成形型面の形状に曲面加工する。雄型、雌型としては、成形面が球面のものを用いることが好ましい。球面であって複雑な形状でないので、特別なプレス装置を必要とせず、通常のプレス成形装置を使用でき、カービングが容易である。
図6(A)は、雄型部の曲面加工台を示す図である。符号210は平面状のフィルム部材、符号260は曲面加工台である。曲面加工台260は、耐熱性を有するセラミック製の加工基台部260aと球面のガラス型である母型部261(261a,261b)とから構成されている。
母型部261の湾曲面の曲率は、製造されるレンズの凸面側屈折面のベースカーブに応じて設定されている。
この雄型の母型部に、偏光ポリビニルアルコールフィルムを長方形形状にカットした平板状のフィルム部材210を載置させ、図示しない雌型の母型部を有するプレス手段で、例えば室温(20〜25℃程度)にてプレスすることで、湾曲面212a、212bの形状を偏光フィルムに転写し、曲面214a、214bを有する偏光フィルムを得ることができる。
曲面加工を行う前には、偏光フィルムを湿潤させることが好ましく、これにより、母型部への形状転写性が向上する。湿潤処理は、例えば、恒湿高温装置に偏光フィルムを所定時間放置する、水をミスト状にして偏光フィルムに噴霧する、等の方法で行うことができる。湿潤は、50〜90℃程度の加熱雰囲気中で行うことができる。
湿潤させた偏光フィルムは、吸水した水の多くがフィルムに保持された状態で曲面加工するために、冷却することが好ましい。例えば、恒湿高温装置から取り出した偏光フィルムを、そのまま室温(20〜25℃程度)に放置することで、偏光フィルムを冷却する。
そして、好ましい一態様では、曲面加工された偏光フィルムを105℃以上150℃未満の加熱温度で加熱する。なお曲面加工された偏光フィルムについての加熱温度とは、加熱処理を行う雰囲気の温度をいうものとする。曲面加工された偏光フィルムを、成形型内に配置する前に加熱することにより、偏光フィルムの変形を防ぐことができ、その結果、偏光プラスチックレンズの表面、特に、物体側表面が変形することを防ぐことができる。ここで、加熱温度を105℃以上とすることで、変形を良好に防ぐことができ、150℃未満とすることで、偏光フィルムに変色や歪みが発生することを防ぐことができる。加熱温度は、好ましくは120℃以上、また好ましくは130℃以下である。上記の加熱処理は、大気中で行うことができる。
加熱方法としては、種々の方法が採用できるが、一実施態様では、上記温度に加熱した熱風循環式オーブンに偏光フィルムを載置し、熱風を当て、偏光フィルムが十分に収縮するまで加熱を行う。
そして、図6(B)に示すようにフィルム部材210を曲面加工したら、好ましくは、ガラス型260とフィルム部材210とを分離せずに、そのまま加熱を行う。すなわち、曲面加工された偏光フィルム(フィルム部材210)を、ガラス型260の曲面261で保持して加熱する。1軸延伸された偏光フィルムは方向によって収縮の程度が異なるので、湾曲面の形状が、設定した形状から変化してしまう場合がある。これに対し、ガラス型260の曲面261で保持すれば、フィルム部材210をガラス型260の曲面261の形状に沿って収縮させることができるので、ガラス型260を用いずに加熱する場合よりも、湾曲面212の曲率や形状をより精度良く成形できる。
次に、図6(C)に示すように、フィルム部材210を、図の破線Kに沿ってカットする。こうして、図5(B)に断面図を示すように、凸形状を有するように曲面加工された偏光フィルム14を得ることができる。
以上説明した曲面加工が施された偏光フィルムを成形型内に配置しキャスティング法によりレンズを成形することにより、2枚のレンズ基材に曲面加工された偏光フィルムが挟み込まれた偏光プラスチックレンズを得ることができる。この偏光プラスチックレンズは、通常、表面処理、縁摺り加工の後、枠入れすることで、以上説明した偏光プラスチックレンズを備えた眼鏡、サングラスを得ることができる。
<成形型の組立>
成形型の組立は、上型モールド配置工程と、接着剤柱形成工程と、上型モールドと偏光フィルムとの貼り合せ工程と、接着剤柱硬化工程と、成形型組立工程と、を経て行われる。上型モールド配置工程の前には、上型モールド131の凹面深さ及び偏光フィルム14の中心の高さを測定する測定工程を行うこともできる。
以下、各工程について、順次説明する。
(測定工程)
図7は、本実施形態に係る上型モールド131の凹部深さ80を測定する方法を示す図である。上型モールド131の凹部深さ80測定では、図6に示すように、接触式の変位センサー81で上型モールド131の凹面131Aの頂点高さを測定する。変位センサー81は、例えば、株式会社キーエンス製のGTシリーズ、ATシリーズを使用できる。なお、測定方法としては接触式の変位センサーのほか、反射型レーザーセンサー、又は超音波等の非接触式センサーを用いてもよい。凹部深さ80は予め測定しておいてもよい。その場合は、測定工程においては偏光フィルム14の中心の高さだけを測定すればよい。
図8は、本実施形態に係る偏光フィルム14の高さを測定する方法を示す図である。測定は、接触式変位センサー又は非接触式変位センサーによって行う。材質によるが、偏光フィルム14は一般に接触で変形したり傷ついたりしやすいため、偏光フィルム14の中心の高さ82の測定では、図7に示すように、非接触タイプの透過型レーザーセンサーを用いて偏光フィルム14の頂点高さを測定することが好ましい。例えば、株式会社キーエンス製のCCD透過型デジタルレーザーセンサー(IGシリーズ)を用いて測定する。この時、偏光フィルム14の形状が安定するように偏光フィルム14を治具83で保持した状態で測定することが好ましい。
(上型モールド配置工程、接着剤柱形成工程)
図9は、実施形態に係る上型モールド配置工程及び接着剤柱形成工程を行う吐出装置22を示す図である。
本実施形態に係る吐出装置22は、重力の作用する方向に対して垂直な方向(以下、水平方向とも言う)に移動するXシリンダー28と、重力の作用する方向(以下、鉛直方向とも言う)に上下に移動するZシリンダー29と、Xシリンダー28及びZシリンダー29に支持されたスピンドル30と、ディスペンサー32と、シリンジ33と、を備えている。
スピンドル30の下面には、可撓性のバキュームパッド34が配置されている(図9には側面が示されている)。吐出装置22が上型モールド131を保持する場合には、バキュームパッド34が上型モールド131の非成形面(凸面131B)に接する。これによって、スピンドル30の下面に上型モールド131の成形面(凸面)131Bが保持される。すなわち、上型モールド131の成形面(凹面)131Aが下側に向いた状態となる。
上型モールド成形面の下方に設置されたディスペンサー32は、予めシリンジ33に充填された接着剤を上方に向かって吐出し、これにより接着剤柱20が形成される。ディスペンサー32は、ディスペンサー制御部35による制御を受けて、ノズル38から一定の吐出量で接着剤20を吐出する。凹面131Aは下側に向けられているので、凹面131Aの吐出位置に形成された接着剤柱20は、下に向かって垂れ下がった状態となる。例えば、前述の特開2009−3303号公報や特開2012−198689号公報に開示するような凹面を上側に向けて接着剤を吐出する方法を用いた場合、接着剤を重力の作用に逆らって盛り上げることになるので、接着剤が塊となって倒れたり、傾いたりして、所定の設計どおりの高さが得られない場合がある。接着剤柱20が所定の高さとならない場合には、偏光プラスチックレンズ100の中での偏光フィルム14の位置が定めにくく、安定的に偏光フィルムを保持できなく、外観品質が低下する。さらに、偏光プラスチックレンズ100の一方の面を研磨(加工)する場合に、偏光フィルム14を傷つけないで研磨できる厚さが少なくなり、得られる完成品レンズの厚さが偏光フィルム14を含まない眼鏡レンズの厚さよりも厚くなってしまう場合がある。これに対して、凹面131Aを下側に向けて接着剤柱20を形成することで、接着剤柱20が重力に従って垂れ下がるので、より精度よく、確実に接着剤柱20を所定の高さとすることができる。これにより、より外観が良好で、より薄い完成品の偏光レンズを得ることができ、例えば、眼鏡用のセミフィニシュトレンズとして好適に使用可能な偏光レンズを得ることができる。なお、吐出装置22におけるスピンドル30やディスペンサー32が複数用意され、1台の吐出装置22で複数の上型モールド131に接着剤20を吐出する構成であってもよい。ディスペンサー32としては、例えば、武蔵エンジニアリング株式会社製ジェット式ディスペンサーAeroJet(「AeroJet」は登録商標)が例示できる。
次に、吐出装置22を使用した接着剤柱20の形成方法について説明する。
上型モールド131を位置決めした後、上型モールド131の外周部に接着剤をディスペンサー32で吐出する。図9に示すように、スピンドル30のバキュームパッド34に上型モールド131を配置し、Xシリンダー28及びZシリンダー29を駆動させて上型モールド131の位置を適宜調整して、ノズル38を上型モールド131の凹面131Aの外周部に対向する位置に配置する。そして、ディスペンサー32を駆動させる。つまり、スピンドル30を回転させて上型モールド131を周方向に回転させ、上型モールド131の接着剤が吐出される位置がノズル38の上に到達したところでディスペンサー32を駆動させて、重力の作用する方向における下側を向いている凹面131Aの外周部に、ノズル38から接着剤を吐出する。これによって凹面131Aの吐出位置に、重力の作用する方向における下側に向かって垂れ下がった状態に接着剤柱20が形成される。
吐出装置22は、接着剤を、接着剤柱20が所定の高さ(長さ)になるまで吐出する。ある吐出位置における接着剤柱20の高さ(長さ)とは、接着剤柱20の頂点と、当該頂点から凹面131Aに下ろした垂線と凹面131Aとの交点との間の距離である。接着剤柱の高さは、偏光フィルム14を保持したい高さに応じて決定すればよく、例えば凹面131Aの曲率とフィルム14の曲率が同じ場合、0.1mm以上1.0mm以下とすることが好ましい。0.1mm以上1.0mm以下とすることで、偏光プラスチックレンズ100における偏光フィルム14と凸面111との距離の最小値を、0.1mm以上1.0mm以下の範囲とすることができる。偏光フィルム14と凸面111との距離の最小値が0.1mm以上1.0mm以下であると、レンズの凹面側を研磨して完成品のレンズを作製する場合に、得られる完成品のレンズの厚さ(最も薄い部分の厚さ)を、偏光フィルム14を含まない眼鏡レンズの厚さと同等の1.1mm以下のレンズ厚にすることができる。したがって、偏光フィルム14を含む眼鏡レンズにおいて、偏光フィルム14を含まない眼鏡レンズと同等の厚さを実現できる。なお接着剤柱は、例えば円柱状又は円柱に近似した形状であるが、これらに限定されるものではなく、角柱状等の任意の塊状の形状であることができる。
なお、上型モールド131の凹部深さ80に比べ、偏光フィルム14の中心の高さ82が高い場合(上型モールド131に比べて偏光フィルム14の曲率半径が小さい場合)は、上型モールド131と偏光フィルム14との中心を基準として間隔をコントロールする。この場合、外周基準で間隔を決めると偏光フィルム14の中心部が上型モールド131に接触してしまうからである。上型モールド131の凹部深さ80に比べ、偏光フィルム14の中心の高さ82が低い場合(上型モールド131に比べて偏光フィルム14の曲率半径が大きい場合)は、上型モールド131と偏光フィルム14との外周部を基準として間隔をコントロールする。この場合、中心基準で間隔を決めると偏光フィルム14の外周が上型モールド131に接触してしまうからである。上型モールド131の凹部深さ80と偏光フィルム14の中心の高さ82とが等しい場合は、間隔は任意の位置で調節すればよいが、眼鏡レンズとして使用される頂点又は頂点の周辺を基準とすることが好ましい。
また、所定の高さを有する接着剤柱20に、後述するように偏光フィルム14を貼り付けると、頂点がわずかに潰れて高さが変化する場合がある。この場合には、接着剤柱20の高さは、予め偏光フィルム14を貼り付けることによる高さの減少分を加味した高さに設定することが好ましい。
本実施形態では、1つの吐出位置に複数回接着剤を吐出することで、当該位置に吐出される接着剤の量を調節する。所定の高さの接着剤柱20を確実に形成するために、吐出ノズルは、接着剤柱を形成すべき箇所の真下に配置することが好ましく、このように配置した吐出ノズルから、真上に向かって接着剤を吐出することがより好ましい。また、接着剤柱を形成すべき複数の箇所において、凹面131Aと接着剤の吐出方向とのなす角は、一定であることが好ましい。これによって、同じ量の接着剤が吐出された場合に各箇所で接着剤柱20の高さがばらつくことを抑制できる。
接着剤柱20の高さは、接着剤柱を形成すべき箇所に吐出される接着剤の量を調節することで制御できる。接着剤柱の形成が不要な箇所に接着剤を付着させないためには、ノズル38と凹面131Aとの間に間隔を空けて、すなわち接着剤をノズル38から接着剤滴として飛ばして、吐出を行うことが好ましい。ノズル38から1回に吐出される接着剤の量を増減させてもよいが、吐出される接着剤の量が多いほど、接着剤を接着剤滴として飛ばしにくくなる。
完成品の偏光レンズにおいて有効径(眼鏡として使用可能な領域の大きさ)を確保するため、接着剤柱20の形成位置は、上型モールド131の周縁部とし、好ましくは、偏光プラスチックレンズ100を加工した場合に得られる完成品の偏光レンズの有効径の外側とする。接着剤柱20の形成位置は、成形後の偏光プラスチックレンズ100の周縁部のバリや円形形状に整形するレンズ丸め工程等で除去される領域であっても、レンズ周縁部に残る領域であっても特に問題はない。要は顧客が選択したフレームにレンズが枠入れされるとき、カットされる領域であればよい。なお、接着剤柱20が完成品の偏光レンズの光学性能に影響を与えない場合は、有効径内への接着剤柱の形成も可能である。また、接着剤柱20の直径は、離型のしやすさや、離型後の上型モールド131の洗浄性、偏光プラスチックレンズ100の外周面(コバ面)の整形量の最小化の観点から、偏光フィルム14が保持できる最小の径とすることが好ましい。接着剤柱の直径は、ノズル38の開口部の内径によって調整することができ、例えば、直径が1.0〜2.0mmの範囲であることが好ましい。接着剤の飛散を防止し、接着剤を所望の位置に確実に盛り上げるためには、上型モールド131とディスペンサー吐出口の距離は50mm以下、好ましくは30mm以下とすることが望ましい。ディスペンサー32は接着剤の吐出を繰り返すとノズル38の開口部付近に接着剤が堆積し、吐出性能が低下する。そのため、定期的にノズル38の開口部付近をクリーニングすることが好ましい。クリーニングは、真空によって不要な接着剤を吸い取る方法のほか、スポンジや布、ペーパーウエス等でふき取る方法によって行うこともできる。人手作業のほか、吐出装置22にクリーニング機構を付加することも可能である。上型モールド131への吐出の前に空打ちを行うことにより、初期から安定した吐出を得ることができる。
また、前述の通り、接着剤の吐出中、吐出ノズルを下方に移動させることにより接着剤柱の先端と吐出ノズルの先端との間隔を調整することが好ましい。このためには、上型モールド及び吐出ノズルの一方又は両方を移動させる。例えば、接着剤柱が長くなるほど、吐出ノズルを下方に移動させるか、上型モールドを上方に移動させることにより、接着剤柱先端と吐出ノズルの先端の間隔を一定に保つことができる。この場合、接着剤が凹面131Aに対して吐出される角度が変化しない方向に動かすことが好ましい。
次に、接着剤柱の形成に用いる接着剤について説明する。
接着剤柱の形成に用いる接着剤は、チキソトロピー性と硬化性を兼ね備えている。これにより接着剤柱の変形を防ぎ、接着剤柱の高さにより上型モールドと偏光フィルムとの間隔、即ち製造される偏光プラスチックレンズにおける凸面から偏光フィルムまでの間隔を、精密に制御することができる。詳細は、先に記載した通りである。
接着剤としては、チキソトロピー係数が2以上のものを用いることが好ましく、2超のものを用いることがより好ましく、2.5以上のものを用いることが更に好ましく、3以上のものを用いることが更に一層好ましい。チキソトロピー係数は、例えば5以下であるが、チキソトロピー性が高いほど接着剤柱の形状維持の観点から好ましいため、上限は限定されるものではない。また、接着剤柱の形状をより一層良好に保持する観点からは、接着剤の粘度は、好ましくは30,000mPa・s以上、より好ましくは35,000mPa・s以上である。粘度が高いほど形状保持性の観点からは好ましいが、塗布の容易性の観点からは、粘度100,000mPa・s以下の接着剤が好ましい。より好ましくは粘度80,000mPa・s以下、更に好ましくは粘度70,000mPa・s以下である。硬化性については、加熱により硬化する熱硬化性を示すものでも、光照射により硬化する光硬化性を示すものでもよい。製造効率の観点からは硬化時間が短いことが望ましいため、光硬化性の接着剤を用いることが好ましい。例えば、紫外線硬化性の接着剤を、好適な接着剤として使用することができる。接着剤は、例えば、プレポリマー、モノマー、光重合開始剤等の重合開始剤、及び添加剤を含む組成物である。接着剤柱は、成形型キャビティ内に配置されてレンズモノマーと接触することになるため、接着剤としては、レンズモノマーへの溶け出しがないこと、ガス等の発生によりレンズモノマーが発泡しないこと、を満たすものが望ましい。好適に使用可能な接着剤としては、チキソトロピー性を有する紫外線硬化型アクリル系樹脂組成物を挙げることができる。
次に、接着剤柱の形成位置について説明する。
図10は、本実施形態に係る上型モールド131の周縁部に接着剤を吐出し形成された接着剤柱20を示す図である。
接着剤柱は、例えば、チキソトロピー性を有する紫外線硬化性樹脂組成物である接着剤をディスペンサーで吐出して形成される。接着剤は、上型モールド131の凹面131Aの周縁である外周部に複数個所吐出される。本実施形態では外周部の32箇所に接着剤が吐出されている態様を示している。接着剤を吐出する位置は、偏光フィルムの種類にもよるが、例えば2箇所以上であり、4箇所以上であることが好ましい。4箇所未満の場合、接着剤で固定されていない箇所の偏光フィルム14が丸まったりして、偏光フィルム14全体を偏光プラスチックレンズ100の面に対して所定の高さの位置に保持できない場合がある。
例えば、レンズ直径が65〜80mm前後の、光学精度の高い屈折補正用の眼鏡用の偏光プラスチックレンズ(セミフィニシュトレンズ)においては、接着剤柱を約32箇所前後に形成すれば、ほぼ視認できない程度まで、偏光フィルムのたわみを小さくすることができる。直径が65〜80mm前後のレンズでは、吐出可能な面積の制約上、接着剤柱形成箇所は、通常、多くて50箇所程度である。成形型キャビティをレンズモノマーによりスムーズに充填するためには、キャビティ内で接着剤柱がレンズモノマーの流れを妨げないことが好ましい。この点からは、接着剤柱形成箇所は、例えば、好ましくは8箇所〜50箇所程度、より好ましくは16箇所〜40箇所である。接着剤柱形成箇所が多すぎると、隣り合う接着剤柱同士がつながってしまい、レンズモノマーが流れにくくなる場合がある。
また、接着剤柱を複数箇所に形成する場合、それぞれの箇所同士の間隔のばらつきが小さいことが好ましく、等しいことがより好ましい。即ち、接着剤柱は、上型モールド成形面周縁部に等間隔に形成されていることが好ましい。これにより、偏光フィルム14全体を所定の高さの位置に保持しやすくなる。
(貼り合せ工程)
図11は、本実施形態に係る偏光フィルム14と上型モールド131とが近接された状態を示す図である。図11に示すように、偏光フィルム14を、前述の測定工程で測定した上型モールド131に貼り付ける。より具体的には、上型モールド131の凹部深さ80と偏光フィルム14の中心高さ82とを元に、上型モールド131の凹面131Aと偏光フィルム14との距離の最小値が所定寸法となるまで近づけて偏光フィルム14に接着剤柱20を接触させる。偏光フィルム14に上型モールド131を接近させても、治具83に保持された偏光フィルム14を、固定パッド52に保持された上型モールド131に接近させてもよい。又は偏光フィルム、上型モールドの両方を移動させ接近させてもよい。
(接着剤柱硬化工程)
図12は、本実施形態に係る上型モールド131に偏光フィルム14を固定する様子を示す図である。 具体的には、図12に示すように、上型モールド131に偏光フィルム14を固定する。図示しない紫外線照射装置を駆動させて照射灯44から紫外線を接着剤柱20に照射し、接着剤柱20を硬化することで、接着剤柱を固化させる。紫外線の照射方法は、ランプ光源のほか、LED光源が使用できる。LED光源として、HOYA CANDEO OPTRONICS株式会社製EXECUREシリーズ(「EXECURE」は登録商標)が例示できる。紫外線硬化性以外の硬化性を示す接着剤を用いる場合は、接着剤の性質に合わせて硬化に必要な処理を適宜行えばよい。
(成形型組立工程)
以上の工程により、上型モールドと偏光フィルムが、接着剤柱を介して貼り合わされる。偏光フィルムと貼り合わされた上型モールドを、図3に示すように、下型モールド132を対向配置し、周縁を粘着テープ46で巻いて固定することで、内部に偏光フィルムが配置されたキャビティが形成される。
下型モールド132を配置する際には、キャビティ50の厚さ(下型モールド132と上型モールド131との距離)が設定された厚さとなるように下型モールド132を偏光フィルム14に対向配置させる。すなわち、上型モールド131と下型モールド132とが、所定の距離を空けて偏光フィルム14を挟むようにする。下型モールド132はガラス製の円形板状体とされている。下型モールド132の凸面132Aは成形される偏光プラスチックレンズ100の凹面121を成形するための曲面とされている。
粘着テープ46の材質は特に限定されない。なお、使いやすさや経済性等の観点から、プラスチックの粘着テープを使用することが好ましい。例えば、粘着テープ46の基材としてはポリプロピレン製のもの又はポリエチレンテレフタレート製のものを、粘着剤としてはアクリル系、天然ゴム系、シリコン系のもののうち少なくとも1種類とを組み合わせて用意する。なお、粘着テープ46には、レンズモノマーを注入するための注入口を設けてもよい。対向配置した下型モールド132及び上型モールド131の周面に粘着テープ46を巻くことで、偏光フィルム14が介在した上型モールド131及び下型モールド132と粘着テープ46とから成形型12が構成される。
<注入工程>
図13は、本実施形態に係る注入工程における成形型12の概略を模式的に示す断面図である。図13に示す成形型12を、図2に示す注入装置2の設置部10に設置する。そして、制御部を制御して吸引部19の注入部25に設けられる図示しない注入針からキャビティ50内にプラスチックの原料組成物を注入する。注入工程の詳細は、先に図2を参照し説明した通りである。
<硬化工程>
注入工程後、レンズモノマーを充填した成形型12を加熱炉に入れて加熱する。ここで、加熱温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜130℃であり、好ましくは5〜50時間、より好ましくは10〜25時間かけて昇温し、重合を行う。例えば、30℃で7時間保持し、その後30〜120℃まで15時間かけて昇温する。
<離型工程>
次に、加熱処理が終了すると、離型工程において、硬化性組成物(レンズモノマー)が硬化して成形型12内に偏光フィルム14が埋設された偏光プラスチックレンズ100が作製される(図1参照)。成形型12を加熱炉より取り出し、粘着テープ46を剥離し、上型モールド131及び下型モールド132を偏光プラスチックレンズ100から取り外す。
以上詳述したように、本実施形態によれば、上型モールドの成形面と偏光フィルム14とを、重力の作用する方向における下側に垂れ下がった状態の接着剤柱20を介して当接させる。上型モールド13の凹面131Aと偏光フィルム14とを所定の間隔を空けた状態で接着剤柱20を固化させて、偏光フィルム14を上型モールド13の凹面131Aに固定する。これにより、製造される偏光プラスチックレンズ100の凸面111に対して偏光フィルム14を所定の間隔で保持できるので、外観品質が良好な偏光プラスチックレンズ100を得ることができる。また、上記実施形態ではシール部材である粘着テープを用いたが、テープに代えてガスケットを使用する場合にも、同様の効果を得ることができる。すなわち、ガスケットに偏光フィルム14を保持する構造(溝、ツメ等)を設けることなく、偏光フィルム14を成形型12内に、上型モールド13の成形面と偏光フィルム14との間を所定の間隔を空けた状態で保持することが可能となり、外観品質が良好な偏光プラスチックレンズ100を得ることができる。
更に本発明の一態様は、以上詳述した製造方法に使用される偏光プラスチックレンズの製造装置に関する。装置の構成は先に記載した通りであり、装置各部の詳細については、上記製造方法について説明した通りである。
下記表1に示す4種の接着剤を使用し、上記実施形態により上型モールドの成形面周縁部に接着剤柱を形成した。接着剤柱形成後、上記実施形態により貼り合せ工程及び接着剤柱硬化工程を実施し、上型モールドと偏光フィルムとを貼り合せた(実験1〜4)。実験1〜4は、接着剤種を変えた以外は同じ条件で実施した。
実験5として、接着剤Aを用いて、前述の特開2012−198389号公報に記載の実施形態により、成形面を上に向けた上型モールドに対して、成形面上方に設置された吐出ノズルから下方の成形面に対してレンズモノマーを吐出して、接着剤柱を形成した。その後、同公報に記載の実施形態により、上型モールドと偏光フィルムとを貼り合せた。
以上の実験1〜5では、直径1.0〜2.0mmの接着剤柱を、図10に示すように、32箇所に形成した。
各実験について、上型モールドと偏光フィルムとの間に位置する接着剤柱の高さを測定し、32箇所で測定された高さの平均値が、目標としていた接着剤柱高さ(設定値)に近いほど良好と判断する下記判断基準により評価を行った。結果は表1に示す通りであった。
<評価基準>
A:設定値〜−10%(設定した高さの制御がきわめて精密に可能な範囲)
B:設定値−11%〜−20%(設定した高さの制御が精密に可能な範囲)
C:設定値−21%〜−30%
D:設定値―31%以下
E:接着剤柱の傾き、倒れが発生
曲面加工後の偏光フィルム加熱温度に関する検討
<サンプルレンズ1の作製>
1.偏光フィルムの湿潤処理、曲面加工、その後の加熱処理
市販のPVA製二色染料系の偏光フィルムを、恒湿高温装置内に配置し湿潤処理し、曲面加工開始時の含水率が約4%となるよう湿潤させた。湿潤させた偏光フィルムを、室温(20〜25℃)に2分程度放置した後、図6に基づき説明した前述の方法により曲面加工した。曲面加工も、同様に室温で行った。
次いで、曲面加工した偏光フィルムを、市販の熱風循環式オーブンを用い、120℃で30分間加熱した。加熱は、曲面加工台(ガラス型)260を用いずに行った。
2.注型重合法によるレンズの成形、離型
プラスチックレンズ原料として、m−キシレンジイソシアネートを50.6g、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン49.4gを混合し、十分に撹拌を行った。
そこに紫外線吸収剤として商標名「SEESORB701」(シプロ化成工業製)を1.2g、内部離型剤として商標名「MR用内部離型剤」(三井化学社製)を0.1g添加し、混合した後、十分に撹拌して、完全に分散又は溶解させたプラスチックレンズ原料中に、触媒としてジブチル錫ジクロライドを100ppm添加し、室温で十分に撹拌して均一液とし、その組成物を5mmHgに減圧して攪拌しながら30分間脱気を行い、レンズモノマーを作製した。
上記1.の加熱処理後の偏光フィルムを内部に配置した成形型に、作製したレンズモノマーを注入した。上型モールド及び下型モールドの表面形状は球面であり、内径は80mm、曲率半径は130.4mmであった。
その後、成形型を加熱炉に配置し、30℃で7時間保持し、その後30〜120℃まで10時間かけて昇温し、加熱硬化を行った。
加熱硬化後、成形型を加熱炉より取り出し、成形型からレンズを離型させて、レンズ(セミフィニッシュレンズ)を得た。このレンズの凹面をカーブジェネレーター及び研磨装置にて研削/研磨加工することで、処方度数に合致した視力補正用眼鏡レンズを得ることができる。
<レンズの光学性能の評価>
離型後のレンズ(円形のアンカットの状態)のレンズ変形を評価するために、以下の項目により、光学性能の評価を行った。尚、目視による検査は、レンズ検査業務3年以上の検査者により実施した。評価結果は表2に示す通りであった。
(1)形状変形
レンズの凸面幾何学中心位置(=光学中心)での最大曲率半径(mm)(Rmax)と最小曲率半径(mm)(Rmin)を曲率半径測定装置「FOCOVISON」(Automation&Robotics社製)で測定した。
最大曲率半径(mm)と最小曲率半径(mm)との曲率差(Rmax−Rmin)をレンズの変形(非点収差)の指標とし、以下の通り評価した。なお、レンズの凸面は球面設計であり、凸面幾何学中心とは、レンズを平面視でみた円の中心を通る垂線とレンズ凸面側との交点である。
曲率差が、0以上3mm未満:○(合格)、3mm以上4mm未満:△(やや変形がみられるが眼鏡装用上、支障なし、4mm以上:×(実用上、支障あり)
(2)偏光フィルムの変色
レンズ中の偏光フィルム14の変色の有無を目視にて確認した。
変色なし:○
色相が変わらない程度の変色が見られる:△
色相が明らかに異なる変色が見られる:×
(3)偏光フィルムの歪み
レンズ中の偏光フィルムの歪み(面形状の変形)を目視(レンズ検査業務3年以上の検査者)にて確認した。
全く歪みが見られない:○
レンズの周縁部の一部に歪みが見られるが眼鏡装用上問題なし:△
一見して歪みが見られる:×
・総合評価
レンズの変形、偏光フィルムの変色、偏光フィルムの歪みのいずれにも×判定がないものを○、×判定が1つでもあるものを×とした。全ての評価項目が○であるものを◎とした。
<サンプルレンズ2〜5及び参照レンズ1〜4>
表2に示す条件で、曲面加工した偏光フィルムの加熱を行った点以外は、サンプルレンズ1の作製と同様にして各種サンプルレンズ及び参照レンズを作製した。なお、参照レンズ1では、偏光フィルムを加熱しないで用いた。
<サンプルレンズ6、7及び参照レンズ5、6>
サンプルレンズ1の作製において、市販のPVA製二色染料系偏光フィルムの代わりに、TAC製保護膜をPVA製二色染料系偏光フィルムの両面に持つ市販の積層偏光フィルム(TAC/PVA)を用い、表2の条件で偏光フィルムの加熱を行った以外はサンプルレンズ1の作製と同様にして各種サンプルレンズ及び参照レンズを作製した。
<サンプルレンズ8>
曲面加工に使用した曲面加工台260で偏光フィルムを保持して加熱を行った以外は、サンプルレンズ2の作製と同様にしてレンズを作製した。
表2に示すように、曲面加工した偏光フィルムを105℃で加熱したサンプルレンズ4では、曲率半径差(Rmax−Rmin)は3.5mmであった。また、偏光フィルムを140℃で加熱したサンプルレンズ5及び7においては、色相が変わらない程度の変色が見られたが、いずれのサンプルレンズも偏光レンズとして実用上、支障なく使用できるものであった。
また、120℃〜130℃で加熱することで、レンズの変形や偏光フィルムの変色がより少ない、光学性能及び外観がより優れたレンズが得られることがわかった。
積層偏光フィルムを使用したサンプルレンズ6、7も同様の結果であったので、PVAフィルムに限らず他のフィルムにおいても、同様の条件で加熱した偏光フィルムを使用することで、レンズの形状変形を抑制できることがわかった。
これに対して、参照レンズ1〜3及び参照レンズ5では、曲率半径差(Rmax−Rmin)は4mm以上であり、レンズに大きな形状変形が生じている。参照レンズ1〜3及び参照レンズ5は、いずれも、加熱温度が105℃未満であり、レンズ基材用の重合可能な組成物注入前の偏光フィルムの収縮が十分でなかったと考えられる。これにより、加熱硬化時に偏光フィルムが収縮し、レンズに変形が生じたと考えられる。
また、参照レンズ4及び参照レンズ6では、偏光フィルムを150℃で加熱したため、レンズの変形は抑制できたが、偏光フィルムが変質し、変色が生じた。
曲面加工台260を使用しなかったサンプルレンズ1〜7では偏光フィルムの形状にわずかながら歪みが生じたのに対し、曲面加工台260を使用したサンプルレンズ8では歪みが抑制されたより優れた光学性能を有するレンズが得られた。
したがって、曲面加工台260で偏光フィルムを保持して加熱することで、偏光フィルムの形状変形及び歪みを好適に抑制でき、より外観の良好なレンズを得られることがわかった。
以上の結果から、曲面加工後のレンズを所定温度で加熱することにより、非点収差の原因となるレンズ表面形状の変形の少ない偏光プラスチックレンズの提供が可能になることが確認された。
また、曲面加工された偏光フィルムを、曲面加工に用いた曲面加工台260で保持して加熱することで、偏光フィルムの曲面部261a(図6参照)の形状が設定した形状から変化することを抑制できる。したがって、より外観の良好な偏光レンズを製造できる。
以上説明した曲面加工と、先に詳述した偏光レンズの製造方法とを組み合わせることで、接着剤柱の変形等に起因する外観品質の低下もレンズ表面形状の変形も抑制された、きわめて高品質な偏光レンズを得ることができる。
本発明は、眼鏡及び眼鏡レンズの製造分野において有用である。

Claims (8)

  1. 上型モールドを、非成形面を上方に向け、成形面を下方に向けた状態に配置する上型モールド配置工程と、
    上型モールドの成形面下方に設置された吐出ノズルからチキソトロピー性を有する硬化性接着剤を吐出することにより、上型モールドの成形面周縁部に接着剤柱を形成する接着剤柱形成工程と、
    形成した接着剤柱を介して上型モールドと偏光フィルムとを貼り合せる貼り合せ工程と、
    貼り合せ工程後に接着剤柱に硬化処理を施す接着剤柱硬化工程と、
    偏光フィルムが貼り合せられた上型モールド、該偏光フィルムを挟んで上型モールドと対向配置された下型モールド、及び上型モールドと下型モールドの間隔を保持する封止部材により、内部に偏光フィルムが配置されたキャビティを有する成形型を組み立てる成形型組立工程と、
    前記キャビティに硬化性組成物を注入し、注入された硬化性組成物を重合硬化させることにより、内部に偏光フィルムが配置された偏光プラスチックレンズを得る重合硬化工程と、
    を含む偏光プラスチックレンズの製造方法。
  2. 前記チキソトロピー性を有する硬化性接着剤のチキソトロピー係数は2以上である、請求項1に記載の偏光プラスチックレンズの製造方法。
  3. 前記チキソトロピー性を有する硬化性接着剤の粘度は、30,000mPa・s以上である請求項1又は2に記載の偏光プラスチックレンズの製造方法。
  4. 前記チキソトロピー性を有する硬化性接着剤のチキソトロピー係数は以上であり、かつ粘度は35,000mPa・s以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光プラスチックレンズの製造方法。
  5. 偏光フィルムを曲面加工する工程を更に含み、
    上型モールドと貼り合せる偏光フィルムは、曲面加工された偏光フィルムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光プラスチックレンズの製造方法。
  6. 前記接着剤は、光硬化性接着剤であり、
    前記接着剤柱硬化工程を光照射により行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光プラスチックレンズの製造方法。
  7. 前記接着剤形成工程において、上型モールド成形面周縁部の 8〜50箇所の複数箇所に向けて接着剤柱を吐出し、かつ複数箇所の各箇所に向けて接着剤の吐出を繰り返すことにより接着剤柱を形成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光プラスチックレンズの製造方法。
  8. 前記吐出中、吐出ノズルを下方に移動させることにより、上型モールドを上方に移動させることにより、または吐出ノズルを下方に移動させかつ上型モールドを上方に移動させることにより、接着剤柱の先端と吐出ノズルの先端との間隔を調整する、請求項7に記載の偏光プラスチックレンズの製造方法。
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