JP5851068B2 - 三環性化合物の製造方法及び当該製造方法により得ることができる三環性化合物 - Google Patents
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Description
[関連出願の相互参照]
本出願は、2013年2月22日に出願された、日本国特許出願第2013-033886号明細書;2013年2月22日に出願された、台湾特許出願第102106272号明細書;2013年2月22日に出願された、国際特許出願PCT/JP2013/054615号明細書;及び2013年8月16日に出願された、日本国特許出願第2013-169200号明細書(これらの開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。
本出願は、2013年2月22日に出願された、日本国特許出願第2013-033886号明細書;2013年2月22日に出願された、台湾特許出願第102106272号明細書;2013年2月22日に出願された、国際特許出願PCT/JP2013/054615号明細書;及び2013年8月16日に出願された、日本国特許出願第2013-169200号明細書(これらの開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。
本発明は、ピロロピリミジン環を含む三環性化合物の製造方法及び当該製造方法により得ることができる三環性化合物に関する。
ピロロピリミジン環は、多くのキナーゼ阻害剤が共通に有する部分構造であることが知られている(非特許文献3、4)。
従来、ピロロピリミジン環を含む三環性化合物の製造方法として特許文献1に記載の方法が知られている。
特許文献1に記載の方法では、ピロロピリミジン誘導体に有機ボラン試薬を作用させ、系内でアルキルボラン中間体を調製した後、2価のパラジウム触媒を用いた分子内環化反応により、ピロロピリミジン環を含む三環性化合物を製造する。しかしこの方法は、後の比較例1に示すように収率が低い。
また、0価のパラジウム触媒を用いた分子内環化反応も知られている(非特許文献1、2)。
非特許文献1では、0価のパラジウム触媒と、塩基として炭酸セシウムを用いる方法が報告されている。しかしこの方法も、後の比較例2に示すように低収率である。
非特許文献2では、0価のパラジウム触媒と、塩基として炭酸タリウムを用いる方法が報告されている。しかし、炭酸タリウムは急性毒性物質であり製造方法として好ましくない。
Synthesis 2010,No.127,2092−2100
Tetrahedron 1997,38,7661−7664
J.Med.Chem.2009,52,6515−6518
J.Med.Chem.2010,53,4615−4622
本発明は、ピロロピリミジン環を含む三環性化合物を、副生成物の生成を抑え高収率で再現性良く製造する方法及び新規三環性化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、0価パラジウム触媒とアルカリ金属水酸化物を組み合わせることにより、ピロロピリミジン環を含む三環性化合物を、副生成物の生成を抑え高収率で再現性良く製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば以下に示す三環性化合物の製造方法、及び、医薬品などの製造中間体として有用な三環性化合物が提供される。
項1.[I]式(2)
(式中、
mは、0〜2の整数であり;
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数であり;
Xは、ハロゲン原子であり;
R1は、水素原子、または官能基であり;
R2及びR2’の一方は、
低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基、
置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基、又は
アラルキル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、tert−ブチルスルファニル基及び3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基からなる群より選択される保護基により保護されたチオール基であり;
R2及びR2’のもう一方は、水素原子であり;
R3は、置換基を有していてもよいアミノ基を示す。)
で表される化合物又はその塩に、有機ボラン試薬を作用させる工程、及び[II]アルカリ金属水酸化物の存在下、0価パラジウム触媒を用いて、上記工程[I]の反応生成物の分子内環化反応をさせる工程
を含む、式(1)
mは、0〜2の整数であり;
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数であり;
Xは、ハロゲン原子であり;
R1は、水素原子、または官能基であり;
R2及びR2’の一方は、
低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基、
置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基、又は
アラルキル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、tert−ブチルスルファニル基及び3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基からなる群より選択される保護基により保護されたチオール基であり;
R2及びR2’のもう一方は、水素原子であり;
R3は、置換基を有していてもよいアミノ基を示す。)
で表される化合物又はその塩に、有機ボラン試薬を作用させる工程、及び[II]アルカリ金属水酸化物の存在下、0価パラジウム触媒を用いて、上記工程[I]の反応生成物の分子内環化反応をさせる工程
を含む、式(1)
(式中、R1,R2,R2’,R3,m,nは、それぞれ前記の通り。)で表される化合物又はその塩の製造方法。
項2.0価パラジウム触媒がテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である、項1に記載の製造方法。
項3.アルカリ金属水酸化物が水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化セシウムである、項1又は2に記載の製造方法。
項4.有機ボラン試薬が9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)又は9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)ダイマーである、項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
項5.Xが、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1が、水素原子、置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基、又は置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基であり;
R2及びR2’の一方が、低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基又は置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり、
R2及びR2’のもう一方が、水素原子であり;
R3がアミノ基である、項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
R1が、水素原子、置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基、又は置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基であり;
R2及びR2’の一方が、低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基又は置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり、
R2及びR2’のもう一方が、水素原子であり;
R3がアミノ基である、項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
項6.m及びnが、(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2)であり;
Xが、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1が、水素原子、C3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は4〜10員の不飽和複素環基であり;
R2及びR2’の一方が、低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基又は置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R2及びR2’のもう一方が、水素原子であり;
R3がアミノ基である、項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
Xが、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1が、水素原子、C3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は4〜10員の不飽和複素環基であり;
R2及びR2’の一方が、低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基又は置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R2及びR2’のもう一方が、水素原子であり;
R3がアミノ基である、項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
項7.m及びnが、(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2)であり;
Xが、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1が、水素原子、シクロプロピル基、フェニル基、又はキノリル基であり;
R2及びR2’の一方が、tert−ブチルジメチルシリル基により保護された水酸基又はtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基を示し、
R2及びR2’ のもう一方が、水素原子であり;
R3がアミノ基である、項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
Xが、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1が、水素原子、シクロプロピル基、フェニル基、又はキノリル基であり;
R2及びR2’の一方が、tert−ブチルジメチルシリル基により保護された水酸基又はtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基を示し、
R2及びR2’ のもう一方が、水素原子であり;
R3がアミノ基である、項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
項8.式(1’)
(式中、
mは、0〜2の整数であり;
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数であり;
R3は、置換基を有していてもよいアミノ基を示し;
R6及びR6’の一方は、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R6及びR6’のもう一方は、水素原子を示す。)
で表される化合物又はその塩。
mは、0〜2の整数であり;
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数であり;
R3は、置換基を有していてもよいアミノ基を示し;
R6及びR6’の一方は、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R6及びR6’のもう一方は、水素原子を示す。)
で表される化合物又はその塩。
項9.m及びnが、(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2)であり;
R3がアミノ基であり;
R6及びR6’の一方が置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R6及びR6’のもう一方が水素原子である、項8に記載の化合物又はその塩。
R3がアミノ基であり;
R6及びR6’の一方が置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R6及びR6’のもう一方が水素原子である、項8に記載の化合物又はその塩。
項10.m及びnが、(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2)であり;
R3がアミノ基であり;
R6及びR6’の一方がtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基であり;
R6及びR6’のもう一方が水素原子である、項8又は9に記載の化合物又はその塩。
R3がアミノ基であり;
R6及びR6’の一方がtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基であり;
R6及びR6’のもう一方が水素原子である、項8又は9に記載の化合物又はその塩。
本発明の製造方法によれば、ピロロピリミジン環を含む三環性化合物を、副生成物の生成を抑え高収率で再現性良く製造することができ、工業的製造に適している。
また、本発明にかかる製造方法によって生成する三環性化合物は、医薬品などの製造中間体として極めて有用である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
本発明は、
[I]前記式(2)で表される化合物又はその塩に、有機ボラン試薬を作用させる工程及び
[II]アルカリ金属水酸化物の存在下、0価パラジウム触媒を用いて、上記工程[I]の反応生成物の分子内環化反応をさせる工程
を含む、前記式(1)で表される化合物又はその塩の製造方法を提供する。
[I]前記式(2)で表される化合物又はその塩に、有機ボラン試薬を作用させる工程及び
[II]アルカリ金属水酸化物の存在下、0価パラジウム触媒を用いて、上記工程[I]の反応生成物の分子内環化反応をさせる工程
を含む、前記式(1)で表される化合物又はその塩の製造方法を提供する。
式中のmは、0〜2の整数であり、好ましくは0又は1である。
式中のnは、0≦m+n≦3を満たす整数であり、好ましくは1又は2である。
mとnの組合せは、好ましくは(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2)であり、さらに好ましくは(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2)である。
本明細書において、R1における「官能基」とは、本発明に係る製造方法が進行すればどのような基でもよい。具体的には、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいハロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル−アルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいハロアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル−アルコキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル−アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル−アルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、オキソ基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、飽和若しくは不飽和複素環基、芳香族炭化水素基、飽和複素環オキシ基等の基が挙げられる。本発明において、水素原子は「官能基」には包含されない。
R1における「官能基」には、上記に列挙した基だけでなく、これらの基が保護基により保護されたものも含まれる。
本願明細書において、「保護された」とは、基を本発明に係る製造方法において悪影響を与えない基に変換するために保護基が導入されていることをいう。保護基としては、上記の基を保護できるものであれば特に限定されず、例えば、後述する「保護された水酸基」、「保護されたアミノ基」「保護されたC1−C6アルキルアミノ基」及び「保護されたチオール基」の保護基として列挙されたもの等を挙げることができる。
本明細書において、ハロゲン原子としては、別途定義されていない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
本明細書において、アルキル基としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えばC1−C6アルキル基が挙げられる。C1−C6アルキル基は、別途定義されていない限り、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
本明細書において、ハロアルキル基とは、前記アルキル基の1個〜全ての水素原子が前記のハロゲン原子で置換した基を示し、例えば前記のC1−C6アルキル基の1個〜全ての水素原子が前記のハロゲン原子で置換した基(C1−C6ハロアルキル基)が挙げられる。C1−C6ハロアルキル基としては、例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、3−クロロプロピル基、4−クロロブチル基、5−フルオロペンチル基、6−フルオロヘキシル基等が挙げられる。好ましくはC1−C4ハロアルキル基であり、例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、モノフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロイソプロピル基、3−クロロプロピル基、4−フルオロブチル基等が挙げられる。
本明細書において、シクロアルキル基とは単環式若しくは多環式である環状のアルキル基を示し、例えばC3−C10シクロアルキル基が挙げられる。C3−C10シクロアルキル基は、別途定義されていない限り、炭素数3〜10の単環式若しくは多環式である環状のアルキル基を示し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びデカリル基等が挙げられる。また、C3−C7シクロアルキル基とは、別途定義されていない限り、炭素数3〜7の単環式若しくは多環式である環状のアルキル基を示し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル基等が挙げられる。
本明細書において、シクロアルキル−アルキル基としては、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基及びシクロヘプチルメチル基などのC3−C7シクロアルキル置換C1−C4アルキル基等が挙げられる。
本明細書において、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルオレニルメチル基などのC7−C13アラルキル基等が挙げられる。
本明細書において、アルケニル基としては、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、二重結合を少なくとも1個有する不飽和炭化水素基を意味し、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−、2−若しくは3−ブテニル基、2−、3−若しくは4−ペンテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、5−ヘキセニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−メチル−3−ブテニル基などのC2−C6アルケニル基等が挙げられる。
本明細書において、アルキニル基としては、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、三重結合を少なくとも1個有する不飽和炭化水素基を意味し、例えばエチニル基、1−若しくは2−プロピニル基、1−、2−若しくは3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基などのC2−C6アルキニル基等が挙げられる。
本明細書において、アルコキシ基としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えばC1−C6アルコキシ基が挙げられる。C1−C6アルコキシ基は、別途定義されていない限り、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基を示し、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基等が挙げられる。
本明細書において、ハロアルコキシ基としては、ハロゲン原子を1〜13個有する炭素数1乃至6の直鎖状又は分枝鎖状のC1−C6アルコキシ基(「ハロC1−C6アルコキシ基」)であり、好ましくはハロC1−C4アルコキシ基であり、例えば、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、フルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、モノフルオロ−n−プロポキシ基、パーフルオロ−n−プロポキシ基、パーフルオロ−イソプロポキシ基、5−フルオロペンチルオキシ基、6−フルオロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
本明細書において、シクロアルコキシ基の具体例としては、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基及びシクロヘプチルオキシ基などのC3−C7シクロアルコキシ基等が挙げられる。
本明細書において、シクロアルキル−アルコキシ基としては、シクロプロピルメトキシ基、シクロブチルメトキシ基、シクロペンチルメトキシ基、シクロヘキシルメトキシ基及びシクロヘプチルメトキシ基などのC3−C7シクロアルキル置換C1−C4アルコキシ基等が挙げられる。
本明細書において、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基、フルオレニルメチルオキシ基などのC7−C13アラルキルオキシ基等が挙げられる。
本明細書において、アルキルチオ基としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ヘキシルチオ基などのC1−C6アルキルチオ基等が挙げられる。
本明細書において、シクロアルキル−アルキルチオ基としては、シクロプロピルメチルチオ基、シクロブチルメチルチオ基、シクロペンチルメチルチオ基、シクロヘキシルメチルチオ基及びシクロヘプチルメチルチオ基などのC3−C7シクロアルキル置換C1−C4アルキルチオ基等が挙げられる。
本明細書において、アルキルアミノ基としては、アミノ基の1個又は2個の水素原子が前記のアルキル基で置換した基を示す(それぞれ「モノアルキルアミノ基」、「ジアルキルアミノ基」)。例えばC1−C6アルキルアミノ基が挙げられる。C1−C6アルキルアミノ基とは、アミノ基の1個又は2個の水素原子が前記のC1−C6アルキル基で置換した基を示す。
本明細書において、モノアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1−C6アルキル基でモノ置換されたアミノ基等が挙げられる。
本明細書において、ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジn−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、ジtert−ブチルアミノ基、ジn−ペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、エチルメチルアミノ基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1−C6アルキル基でジ置換されたアミノ基等が挙げられる。
本明細書において、シクロアルキル−アルキルアミノ基としては、シクロプロピルメチルアミノ基、シクロブチルメチルアミノ基、シクロペンチルメチルアミノ基、シクロヘキシルメチルアミノ基及びシクロヘプチルメチルアミノ基などのC3−C7シクロアルキル置換C1−C4アルキルアミノ基等が挙げられる。
本明細書において、アシル基は、カルボキシル基含有化合物からカルボキシル基中の水酸基を除いた残基であり、アルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基を意味する。
アルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基、ヘキシルカルボニル基などの直鎖状又は分枝鎖状の(C1−C6アルキル)カルボニル基等が挙げられる。
アリールカルボニル基としては、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、フルオレニルカルボニル基、アントリルカルボニル基、ビフェニリルカルボニル基、テトラヒドロナフチルカルボニル基、クロマニルカルボニル基、2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキサナフタレニルカルボニル基、インダニルカルボニル基、フェナントリルカルボニル基などの(C6−C13アリール)カルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、アシルオキシ基は、アルキルカルボニルオキシ基又はアリールカルボニルオキシ基を意味する。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、イソペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基などの直鎖状又は分枝鎖状の(C1−C6アルキル)カルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールカルボニルオキシ基としては、フェニルカルボニルオキシ基、ナフチルカルボニルオキシ基、フルオレニルカルボニルオキシ基、アントリルカルボニルオキシ基、ビフェニリルカルボニルオキシ基、テトラヒドロナフチルカルボニルオキシ基、クロマニルカルボニルオキシ基、2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキサナフタレニルカルボニルオキシ基、インダニルカルボニルオキシ基、フェナントリルカルボニルオキシ基などの(C6−C13アリール)カルボニルオキシ基等が挙げられる。
本明細書において、アルコキシカルボニル基は、前記のアルコキシ基が結合したカルボニル基を示し直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えばC2−C7アルコキシカルボニル基が挙げられる。C2−C7アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、アラルキルオキシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、ナフチルメチルオキシカルボニル基、フルオレニルメチルオキシカルボニル基などの(C7−C13アラルキル)オキシカルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、飽和複素環基は、別途定義されていない限り、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のいずれかの原子を1〜4個有する4〜10員の単環式若しくは多環式の部分飽和又は飽和複素環基(「4〜10員の飽和複素環基」)を示し、具体的には飽和複素環基としてピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ヘキサメチレンイミノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ホモピペラジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられ、部分飽和複素環基としてメチレンジオキシフェニル基、エチレンジオキシフェニル基、ジヒドロベンゾフラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。好ましくは、単環式又は2環式である。
本明細書において、不飽和複素環基は、別途定義されていない限り、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のいずれかの原子を1〜4個有する4〜10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基(「4〜10員の不飽和複素環基」)を示し、具体的にはイミダゾリル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、トリアゾロピリジル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基等が挙げられる。好ましくは、単環式又は2環式である。
本明細書において、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、テトラヒドロナフチル基等が挙げられ、好ましくは炭素数6〜14の単環式若しくは多環式の芳香族炭化水素基(「C6−C14芳香族炭化水素基」)である。C6−C14芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、テトラヒドロナフチル基等が挙げられる。より好ましくは、単環式又は2環式である。
本明細書において、飽和複素環オキシ基は、前記の飽和複素環が結合したオキシ基を意味し、例えば、モルホリニルオキシ基、1−ピロリジニルオキシ基、ピペリジニルオキシ基、ピペラジニルオキシ基、4−メチル−1−ピペラジニルオキシ基、テトラヒドロフラニルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基、テトラヒドロチオフェニルオキシ基、チアゾリジニルオキシ基、オキサゾリジニルオキシ基等が挙げられる。
R1における「官能基」は、好ましくは、置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基、又は置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基である。また、R1における「官能基」は、置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基及び置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基以外の官能基であってもよい。「置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基及び置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基以外の官能基」としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいC7以上のアルキル基(例えば、C7〜C15アルキル基)、置換基を有していてもよいハロアルキル基、置換基を有していてもよいC11以上のシクロアルキル基(例えば、置換基を有していてもよいC11〜C15シクロアルキル基)、置換基を有していてもよいシクロアルキル−アルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいハロアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル−アルコキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル−アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル−アルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、オキソ基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよい11員環以上の飽和複素環基(例えば、置換基を有していてもよい11〜15員環の飽和複素環基)、置換基を有していてもよい11員環以上の不飽和複素環基(例えば、置換基を有していてもよい11〜15員環の不飽和複素環基)、置換基を有していてもよい炭素数15以上の単環式若しくは多環式の芳香族炭化水素基(例えば、置換基を有していてもよい炭素数15〜30の単環式若しくは多環式の芳香族炭化水素基)、置換基を有していてもよい飽和複素環オキシ基等が挙げられる。
本願明細書においてR1が官能基の場合、上記置換基は、本発明に係る製造方法に悪影響を与えない置換基であれば特に限定されない。
本願明細書において、R1におけるC1−C6アルキル基に対する「置換基」としては、本発明に係る製造方法に悪影響を与えない置換基であれば特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、C1−C6アルコキシ基、アシル基、C2−C7アルコキシカルボニル基、C1−C6アルキルアミノ基、C3−C10シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、4〜10員の飽和複素環基、4〜10員の不飽和複素環基等が挙げられる。
本願明細書において、R1におけるC3−C10シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、4〜10員の飽和複素環基、4〜10員の不飽和複素環基に対する「置換基」としては、本発明に係る製造方法に悪影響を与えない置換基であれば特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6ハロアルキル基、アシル基、C2−C7アルコキシカルボニル基、C1−C6アルキルアミノ基、C3−C10シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、4〜10員の飽和複素環基、4〜10員の不飽和複素環基等が挙げられる。
本願明細書において、R3におけるアミノ基に対する「置換基」としては、本発明に係る製造方法に悪影響を与えない置換基であれば特に限定されないが、例えば、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、アシル基、C2−C7アルコキシカルボニル基、C1−C6アルキルアミノ基、C3−C10シクロアルキル基、4〜10員の飽和複素環基等が挙げられる。R3におけるアミノ基に対する「置換基」には、本発明に係る製造方法に悪影響を与えないものであれば、所定の反応工程の後に脱保護することが意図された保護基、及び保護基に該当しない置換基の両方が含まれ得る。
前記置換基が存在する場合、その個数は典型的には1〜3個である。
式中のXで示されるハロゲン原子としては、例えば、上記で列挙されたものが挙げられ、好ましくは臭素原子又はヨウ素原子である。
R1は、さらに好ましくは、水素原子、C3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は4〜10員の不飽和複素環基である。
式中、R1における「C3−C7シクロアルキル基」としては、例えば、上記で列挙されたものが挙げられ、好ましくはシクロプロピル基である。
式中、R1における「C6−C14芳香族炭化水素基」としては、例えば、上記で列挙されたものが挙げられ、好ましくはフェニル基である。
式中、R1における「4〜10員の不飽和複素環基」としては、例えば、上記で列挙されたものが挙げられる。好ましくは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のいずれかの原子を1〜4個有する4〜10員の単環式若しくは2環式の不飽和複素環基である。さらに好ましくは、窒素原子を少なくとも1個環内に含み、更に酸素原子、窒素原子又は硫黄原子から選択される同種又は異種のヘテロ原子を0〜3個環内に含む単環又は2環の不飽和複素環基である。さらに好ましくはキノリル基である。
本願明細書において、「保護基により保護された水酸基」の保護基は、低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、又は低級アルコキシジフェニルシリル基である。
本明細書において、「低級アルキル」とは、別途定義されていない限り、炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキルを示す。より具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
本明細書において、「低級アルコキシ」とは、別途定義されていない限り、アルキルが上記に列挙した低級アルキルであるアルコキシを示す。
低級アルキルシリル基としては、例えばトリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジ−tert−ブチルメチルシリル基等が挙げられる。低級アルキルジフェニルシリル基としては、例えばtert−ブチルジフェニルシリル基等が挙げられる。低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基としては、例えばtert−ブチルメトキシフェニルシリル基等が挙げられる。低級アルコキシジフェニルシリル基としては、例えば、tert−ブトキシジフェニルシリル基等が挙げられる。これらの保護基のうち、特にtert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基等が好ましく、最も好ましくはtert−ブチルジメチルシリル基である。
本願明細書において、R2及びR2’におけるアミノ基又はC1−C6アルキルアミノ基の保護基としての置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル部分が炭素数1〜6(例えば、炭素数1〜4)のアルキル基であり、かつ置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。アルキルオキシカルボニル基の置換基としては、ハロゲン原子、アダマンチル基、トリメチルシリル基、フェニル基、メトキシフェニル基、ニトロフェニル基、アントリル基、フルオレニル基等が挙げられる。アルキルオキシカルボニル基が置換基を有する場合その個数は、例えば、1〜3個が挙げられる。置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基としては、具体的には、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基;例えば1−アダマンチルオキシカルボニル基;例えば2−アダマンチルオキシカルボニル基;例えば2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基;例えば、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル基;例えばベンジルオキシカルボニル基、3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、9−アントリルメトキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;例えば9−フルオレニルメトキシカルボニル基等が挙げられ、特にtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基等が好ましく、最も好ましくはtert−ブトキシカルボニル基である。
式中、R2及びR2’における「C1−C6アルキルアミノ基」はモノ(C1−C6アルキル)アミノ基であり、具体的にはメチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基等が挙げられる。好ましくはモノ(C1−C4アルキル)アミノ基である。さらに好ましくは、メチルアミノ基である。
本願明細書において、「保護されたC1−C6アルキルアミノ基」とは、アミノ基の1つの水素がC1−C6アルキル基で置換され、かつ、もう1つの水素が上記置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基で置換されたアミノ基を意味する。
本願明細書において 、「保護されたC1−C6アルキルアミノ基」としては、好ましくは保護されたC1−C4アルキルアミノ基であり、より好ましくは保護されたメチルアミノ基である。
本願明細書において、「保護基により保護されたチオール基」の保護基は、アラルキル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、tert−ブチルスルファニル基又は3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基である。アラルキル基としては特に限定されないが、例えばベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基等が挙げられる。低級アルコキシカルボニル基としては特に限定されないが、例えばtert−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。これらの保護基のうち、特にp−メトキシベンジル基、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基等が好ましく、最も好ましくは、tert−ブトキシカルボニル基である。
一般式(1)及び(2)で表される化合物において、R1、R2及びR2’としては、
R1が水素原子、置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基又は置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基であり、かつR2及びR2’の一方が低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基、又はアラルキル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、tert−ブチルスルファニル基及び3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基からなる群より選択される保護基により保護されたチオール基であっても、
R1が前記「置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基及び置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基」以外の官能基であり、かつR2及びR2’の一方が低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基、又はアラルキル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、tert−ブチルスルファニル基及び3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基からなる群より選択される保護基により保護されたチオール基であっても、
R1が水素原子、置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基又は置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基であり、かつR2及びR2’の一方が置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたC1−C6アルキルアミノ基であってもよい。
R1が水素原子、置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基又は置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基であり、かつR2及びR2’の一方が低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基、又はアラルキル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、tert−ブチルスルファニル基及び3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基からなる群より選択される保護基により保護されたチオール基であっても、
R1が前記「置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基及び置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基」以外の官能基であり、かつR2及びR2’の一方が低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基、又はアラルキル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、tert−ブチルスルファニル基及び3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基からなる群より選択される保護基により保護されたチオール基であっても、
R1が水素原子、置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基又は置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基であり、かつR2及びR2’の一方が置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたC1−C6アルキルアミノ基であってもよい。
本願明細書において、R3は好ましくはアミノ基である。
一般式(1)及び(2)で表される化合物の好ましいm、n、X、R1、R2、R2’、及びR3の組合せは、以下である。
mは、0〜2の整数;
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数;
X:臭素原子又はヨウ素原子;
R1:水素原子、置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基、又は置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基;
R2、R2’:R2及びR2’の一方が前記保護基により保護された水酸基又は置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子;
R3:アミノ基。
mは、0〜2の整数;
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数;
X:臭素原子又はヨウ素原子;
R1:水素原子、置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基、又は置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基;
R2、R2’:R2及びR2’の一方が前記保護基により保護された水酸基又は置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子;
R3:アミノ基。
一般式(1)及び(2)で表される化合物のさらに好ましいm、n、X、R1、R2、R2’、及びR3の組合せは、以下である。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2);
X:臭素原子又はヨウ素原子;
R1:水素原子、C3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は4〜10員の不飽和複素環基;
R2、R2’:R2及びR2’の一方が前記保護基により保護された水酸基又は置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子;
R3:アミノ基。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2);
X:臭素原子又はヨウ素原子;
R1:水素原子、C3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は4〜10員の不飽和複素環基;
R2、R2’:R2及びR2’の一方が前記保護基により保護された水酸基又は置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子;
R3:アミノ基。
一般式(1)及び(2)で表される化合物のさらに好ましいm、n、X、R1、R2、R2’及びR3の組合せは、以下である。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2);
X:臭素原子又はヨウ素原子;
R1:水素原子、C3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は窒素原子を少なくとも1個環内に含み、更に酸素原子、窒素原子又は硫黄原子から選択される同種又は異種のヘテロ原子を0〜3個環内に含む単環又は2環の不飽和複素環基;
R2、R2’:R2及びR2’の一方が、前記保護基により保護された水酸基又は置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子;
R3:アミノ基。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2);
X:臭素原子又はヨウ素原子;
R1:水素原子、C3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は窒素原子を少なくとも1個環内に含み、更に酸素原子、窒素原子又は硫黄原子から選択される同種又は異種のヘテロ原子を0〜3個環内に含む単環又は2環の不飽和複素環基;
R2、R2’:R2及びR2’の一方が、前記保護基により保護された水酸基又は置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子;
R3:アミノ基。
一般式(1)及び(2)で表される化合物のさらに好ましいm、n、X、R1、R2、R2’及びR3の組合せは、以下である。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2);
X:臭素原子又はヨウ素原子;
R1:水素原子、シクロプロピル基、フェニル基、又はキノリル基;
R2、R2’:R2及びR2’の一方がtert−ブチルジメチルシリル基により保護された水酸基又はtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子;
R3:アミノ基。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2);
X:臭素原子又はヨウ素原子;
R1:水素原子、シクロプロピル基、フェニル基、又はキノリル基;
R2、R2’:R2及びR2’の一方がtert−ブチルジメチルシリル基により保護された水酸基又はtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子;
R3:アミノ基。
一般式(1)及び(2)で表される化合物のさらに好ましいm、n、X、R1、R2、R2’及びR3は、以下である。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2);
X:臭素原子;
R1:キノリル基;
R2、R2’:R2がtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはメチルアミノ基を示し、R2’が水素原子;
R3:アミノ基。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2);
X:臭素原子;
R1:キノリル基;
R2、R2’:R2がtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはメチルアミノ基を示し、R2’が水素原子;
R3:アミノ基。
一般式(1)及び(2)で表される化合物は、上記好ましいX、R1、R2、R2’、及びR3から選択された基を組み合わせた化合物が好ましく、上記特に好ましいX、R1、R2、R2’、及びR3から選択された基を組み合わせた化合物が特に好ましい。
一般式(1)及び(2)で表される化合物の塩としては、有機化学の分野で用いられる慣用的なものを意味し、本発明に係る製造方法に悪影響を与えない塩であれば特に限定されない。例えばカルボキシル基を有する場合の当該カルボキシル基における塩基付加塩又はアミノ基若しくは塩基性の複素環基を有する場合の当該アミノ基若しくは塩基性複素環基における酸付加塩の塩類を挙げることができる。
該塩基付加塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;例えばアンモニウム塩;例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられる。
該酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;例えば酢酸塩、ギ酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩;例えばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩等が挙げられる。
次に、本発明の出発物質である一般式(2)で表される化合物の製造法について説明する。ただし、本発明の出発物質である一般式(2)で表される化合物の製造法はこれらに限定されない。
本発明の出発物質である一般式(2)で表される化合物が、R1が官能基であり、R2及びR2’の少なくとも一方が、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基、又は前記保護基により保護されたチオール基の場合は、例えば下記製造法1によって製造することができる。
製造法1
製造法1
[式中、L1は脱離基、R4及びR5は水素原子又はアミノ基に対する置換基;R1、m、n及びXは、前記と同義である。R2a及びR2a’の一方は、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基、又はアラルキル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、tert−ブチルスルファニル基及び3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基からなる群より選択される保護基により保護されたチオール基であり;R2a及びR2a’のもう一方は、水素原子である。]。
(工程a)
本工程は、一般式(3)で表される化合物及び一般式(4)で表される化合物を用いて、光延反応により一般式(5)で表される化合物を製造する工程である。
本工程は、一般式(3)で表される化合物及び一般式(4)で表される化合物を用いて、光延反応により一般式(5)で表される化合物を製造する工程である。
光延反応の方法としては、通常公知の方法(例えば、Synthesis,p.1,1981に記載の方法)、又はそれに準じる方法により行うことができる。
(工程b)
R4及びR5における「アミノ基に対する置換基」は、前述したR3におけるアミノ基に対する「置換基」を示す。R4及びR5が水素原子の場合、すなわち、R3におけるアミノ基が置換基を有さない場合、本工程は、一般式(5)で表される化合物と、アンモニア又はその塩とを反応させて、一般式(6)で表される化合物を製造する工程である。本工程は、通常公知の方法(例えば、J.Med.Chem.,2009,52,5974−5989に記載の方法)に準じて行うことができる。R4及びR5が水素原子以外の場合も、同様の方法に準じて行うことができる。
R4及びR5における「アミノ基に対する置換基」は、前述したR3におけるアミノ基に対する「置換基」を示す。R4及びR5が水素原子の場合、すなわち、R3におけるアミノ基が置換基を有さない場合、本工程は、一般式(5)で表される化合物と、アンモニア又はその塩とを反応させて、一般式(6)で表される化合物を製造する工程である。本工程は、通常公知の方法(例えば、J.Med.Chem.,2009,52,5974−5989に記載の方法)に準じて行うことができる。R4及びR5が水素原子以外の場合も、同様の方法に準じて行うことができる。
(工程c)
本工程は、一般式(6)で表される化合物にR1を導入し、一般式(7)で表される化合物を製造する工程である。
本工程は、一般式(6)で表される化合物にR1を導入し、一般式(7)で表される化合物を製造する工程である。
本工程は、通常公知の方法(例えば、Chemical Reviews,Vol.95,p.2457,1995)に準じて行うことができ、遷移金属触媒及び塩基存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で実施することができる。
R1に対応するボロン酸あるいはボロン酸エステルは通常公知の方法により合成可能である。R1に対応するハロゲン化合物が容易に入手可能な場合には、一般式(6)で表される化合物をボロン酸あるいはボロン酸エステルとしたのち、同様の方法により、一般式(7)で表される化合物を製造することができる。
(工程d)
本工程は化合物(7)に、ハロゲン原子を導入し本発明の出発物質である一般式(15)で表される化合物を製造する工程である。
本工程は化合物(7)に、ハロゲン原子を導入し本発明の出発物質である一般式(15)で表される化合物を製造する工程である。
ハロゲン化の方法としては、国際公開WO2006/102079号パンフレットに記載の方法、若しくはこれらの方法に準じる方法により製造することができる。例えばブロモ化する場合は、N−ブロモスクシンイミドを用いることができる。
本発明の出発物質である一般式(2)で表される化合物が、R1が官能基であり、R2及びR2’の少なくとも一方が前記保護基により保護された水酸基の場合は、例えば下記製造法2によって製造することができる。
[式中、P1はアミノ基の保護基、P2は水酸基の保護基、L1およびL2は脱離基、R4及びR5はアミノ基に対する置換基;R1、m、n及びXは、前記と同義である。]
(工程e)
本工程は,一般式(3)で表される化合物のアミノ基を保護して一般式(8)で表される化合物を製造する工程である。
(工程e)
本工程は,一般式(3)で表される化合物のアミノ基を保護して一般式(8)で表される化合物を製造する工程である。
アミノ基の保護の方法としては、通常公知の方法、(例えばProtective Groups in Organic Synthesis, T.W.Greene, John Wiley & Sons(1981年)に記載の方法)、又はそれに準じる方法により行うことができる。
P1で示されるアミノ基の保護基は、上記工程に悪影響を与えない限り特に限定されないが、例えば、トリチル基、p−メトキシベンジル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基等が挙げられる。
(工程f、g)
工程fは前記工程bと同様の方法により、工程gは前記工程cと同様の方法により行うことができる。
工程fは前記工程bと同様の方法により、工程gは前記工程cと同様の方法により行うことができる。
(工程h)
本工程は、一般式(10)で表される化合物のアミノ基の保護を脱保護して一般式(11)で表される化合物を製造する工程である。アミノ基の脱保護の方法としては、通常公知の方法(例えばProtective Groups in Organic Synthesis, T.W.Greene, John Wiley & Sons(1981年)に記載の方法)、又はそれに準じる方法により行うことができる。
本工程は、一般式(10)で表される化合物のアミノ基の保護を脱保護して一般式(11)で表される化合物を製造する工程である。アミノ基の脱保護の方法としては、通常公知の方法(例えばProtective Groups in Organic Synthesis, T.W.Greene, John Wiley & Sons(1981年)に記載の方法)、又はそれに準じる方法により行うことができる。
(工程i)
本工程は、一般式(11)で表される化合物及び一般式(12)又は一般式(12’)で表される化合物を用いて、通常公知の方法(例えばJ.Med.Chem.,2009,52,5974−5989に記載の方法)、又はそれに準じる方法で、塩基性条件下、一般式(13)又は一般式(13’)で表される化合物を製造する工程である。P2で示される水酸基の保護基は、R2及びR2’における「保護基により保護された水酸基」について前述した保護基を用いることができる。
本工程は、一般式(11)で表される化合物及び一般式(12)又は一般式(12’)で表される化合物を用いて、通常公知の方法(例えばJ.Med.Chem.,2009,52,5974−5989に記載の方法)、又はそれに準じる方法で、塩基性条件下、一般式(13)又は一般式(13’)で表される化合物を製造する工程である。P2で示される水酸基の保護基は、R2及びR2’における「保護基により保護された水酸基」について前述した保護基を用いることができる。
(工程j)
本工程は、工程dと同様の方法により行うことができる。
本工程は、工程dと同様の方法により行うことができる。
本発明の出発物質である一般式(2)で表される化合物のR1が水素原子の場合は、例えば、一般式(3)で表される化合物の代わりに、6−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンあるいは4−クロロ−6−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを用い、前記工程a及び前記工程bと同様な方法で、一般式(14)又は(14’)で表される化合物を製造することができる。
本発明に係る、一般式(1)で表されるピロロピリミジン環を含む三環性化合物の製造方法は、下記に示す工程を含む。
[式中、R1,R2,R’2,R3,X,m及びnは、前記と同義である。] すなわち、一般式(2)で表されるピロロピリミジン誘導体又はその塩に、有機ボラン試薬を作用させる工程と、アルカリ金属水酸化物存在下、0価パラジウム触媒を用いて分子内環化反応をさせる工程を含む。
有機ボラン試薬としては9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)、9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)ダイマー、ジシアミルボラン(ビス(1,2−ジメチルプロピル)ボラン)、テキシルボラン((1,1,2−トリメチルプロピル)ボラン)等が挙げられる。好ましくは、9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)又は9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)ダイマーであり、さらに好ましくは9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)である。当該有機ボラン試薬の使用量は、アルキルボラン中間体が生成すれば特に限定されないが、一般式(2)で表される化合物1モルに対して、1〜20モル用いることができ、好ましくは反応の進行しやすさの観点から6〜10モルである。
一般式(2)で表されるピロロピリミジン誘導体又はその塩に有機ボラン試薬を作用させると、アルキルボラン中間体が生成すると考えられる。
本発明に係る製造方法では、一般式(2)で表されるピロロピリミジン誘導体に有機ボラン試薬を作用させた後、系内でアルキルボラン中間体が生成していることを確認することもできる。確認方法としては、例えばLCMSスペクトルで確認できる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等が挙げられ、好ましくは水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化セシウムであり、さらに好ましくは水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムである。アルカリ金属水酸化物の使用量は、分子内環化反応が進行すれば特に限定されないが、一般式(2)で表される化合物1モルに対して、1〜100モル用いることができ、好ましくは2〜20モルである。また、アルカリ金属水酸化物は、アルカリ金属水酸化物水溶液として用いることができる。
0価のパラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、パラジウム炭素(0)等が用いることができる。好ましくは、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり、さらに好ましくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。0価のパラジウム触媒の使用量は、分子内環化反応が進行すれば特に限定されず、触媒の種類によっても異なるが、一般式(2)で表される化合物1モルに対して、0.0001〜1モル用いることができ、好ましくは0.01〜0.5モルである。
0価のパラジウム触媒とともに、必要に応じてさらに配位子を添加することができる。配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、4,5’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン等が挙げられる。0価のパラジウム触媒としてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を用いた場合は、配位子としてトリフェニルホスフィンを添加することができる。配位子の使用量は、分子内環化反応が進行すれば特に限定されないが、一般式(2)で表される化合物1モルに対して、0.0001〜4モル用いることができ、好ましくは0.01〜2モルである。
有機ボラン試薬、アルカリ金属水酸化物、0価のパラジウム触媒の組合せは、好ましい有機ボラン試薬、アルカリ金属水酸化物、0価のパラジウム触媒を組み合わせたものが好ましく、さらに好ましい有機ボラン試薬、アルカリ金属水酸化物、0価のパラジウム触媒を組み合わせたものがさらに好ましい。より具体的には、9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)及び9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)ダイマーからなる群より選択される少なくとも1種と;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウムからなる群より選択される少なくとも1種と;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)からなる群より選択される少なくとも1種との組み合わせが好ましい。また、9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)と;水酸化リチウム及び水酸化ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種と;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)との組み合わせがさらに好ましい。
一般式(1)及び(2)で表される化合物と、有機ボラン試薬、アルカリ金属水酸化物、0価のパラジウム触媒の組合せは、好ましい一般式(1)及び(2)で表される化合物と、好ましい有機ボラン試薬、アルカリ金属水酸化物、及び0価のパラジウム触媒の組合せを組み合わせたものが好ましい。また、さらに好ましい一般式(1)及び(2)で表される化合物と、さらに好ましい有機ボラン試薬、アルカリ金属水酸化物、及び0価のパラジウム触媒の組合せを組み合わせたものが好ましい。
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、例えば、炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、エーテル類(例、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、非プロトン性極性溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド等)、水あるいはそれらの混合物等を用いることができる。好ましくは1,2−ジメトキシエタン又はテトラヒドロフランであり、特に好ましくは有機ボラン試薬および生成したアルキルボラン中間体の安定性の観点からテトラヒドロフランである。溶媒の使用量は反応が進行すれば特に限定されないが、一般式(2)で表される化合物の重量に対して1〜300倍用いることができ、好ましくは10〜96倍である。
反応時間としては最終的に一般式(1)で表される化合物が得られれば特に限定されないが、0.1〜100時間行うことができ、好ましくは0.5〜24時間である。
反応温度としては最終的に一般式(1)で表される化合物が得られれば特に限定されないが、−20℃〜溶媒の沸騰する温度で行うことができ、好ましくは0℃〜150℃である。アルキルボラン中間体に対する0価パラジウム触媒とアルカリ金属水酸化物水溶液を用いた分子内環化反応において、反応温度が低いと副反応が生じやすく収率低下を招くことがあることから、61℃以上が好ましい。
本発明に係る製造方法は、必要に応じて他の工程を含むことができる。
本発明で得られる一般式(1)で表される化合物は、さらに単離・精製することができる。単離・精製には、公知の手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィーなどを用いることができる。
本発明で得られた一般式(1)で表される化合物は、単離・精製して、又は、単離・精製することなく、他の反応に付すことができる。
本発明の方法で得られる一般式(1)で表される化合物が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、特に明記しない限り、いずれの異性体も混合物も当該化合物に包含される。例えば、一般式(1)で表される化合物に光学異性体が存在する場合には、特に明記しない限り、ラセミ体から分割された光学異性体も本発明化合物に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶など)によりそれぞれを単一化合物として得ることができる。
一般式(1)で表される化合物に光学異性体が存在する場合、上述のように、特に明記しない限り、一般式(1)で表される化合物には、各エナンチオマー及びこれらの混合物のいずれもが包含される。また、一般式(1)で表される化合物は、R体とS体との混合物であって、R体が90%以上のもの、95%以上のもの、99%以上のもの、S体が90%以上のもの、95%以上のもの、99%以上のもの等であってもよい。
光学分割の方法としては、例えば、一般式(1)で表される化合物に光学分割剤を作用させて塩を形成し、得られた塩の溶解度差等を利用して一方のエナンチオマーを分割するジアステレオマー法;ラセミ体の過飽和溶液に、結晶の種として一方のエナンチオマーを添加する優先結晶法;キラルカラムを用いたHPLC等のカラムクロマトグラフィー等が挙げられる。ジアステレオマ―法で用いることができる光学分割剤としては、例えば、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、マンデル酸、10−カンファースルホン酸、これらの誘導体等の酸性分割剤;ブルシン、ストリキニーネ、キニーネ等のアルカロイド化合物、アミノ酸誘導体、シンコニジン、α−メチルベンジルアミン等の塩基性分割剤のなかから適宜選択することができる。また、一般式(1)で表される化合物を各エナンチオマーの混合物として得た後、上記のように光学分割する方法だけでなく、一般式(1)で表される化合物の合成原料として、上記方法等により光学分割したエナンチオマーの一方のみを用いることによっても、一般式(1)で表される化合物のうちのエナンチオマーの一方のみを得ることができる。また、上記一般式(1)で表される化合物またはその原料化合物としてエナンチオマーの一方を得る方法としては、不斉炭素が発生する反応工程において、触媒等の反応条件を調整することによってエナンチオマーの一方が優先的に得られるようにする方法等も挙げられる。
本発明で得られた一般式(1)で表される化合物は、脱保護したり、さらなる側鎖の導入や官能基変換が可能であり、医薬品などの製造中間体として用いることができる。例えば、一般式(1)に含まれる下記一般式(1’)で表される化合物又はその塩は、抗腫瘍活性を有するキノリルピロロピリミジル縮合環化合物の製造中間体として有用である。本発明は、下記一般式(1’)で表される化合物又はその塩も提供する:
(式中、mは、0〜2の整数であり;
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数であり;
R3は、置換基を有していてもよいアミノ基を示し;
R6及びR6’の一方は、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R6及びR6’のもう一方は、水素原子を示す。)
上記一般式(1’)で表される化合物又はその塩を用い、例えば、下記反応を行うことにより、一般式(16)で表されるキノリルピロロピリミジル縮合環化合物又はその塩を得ることができる。
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数であり;
R3は、置換基を有していてもよいアミノ基を示し;
R6及びR6’の一方は、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R6及びR6’のもう一方は、水素原子を示す。)
上記一般式(1’)で表される化合物又はその塩を用い、例えば、下記反応を行うことにより、一般式(16)で表されるキノリルピロロピリミジル縮合環化合物又はその塩を得ることができる。
[式中、R3,m,nは、それぞれ前記の通り。R7及びR7’ の一方は、下記一般式(17)で表される基であり;
(式中、R8は、水素原子またはC1−C4アルキル基を示す。R9,R10,R11は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、又は一般式(a):
−CH2−N(R12)(R13) (a)
(式中、R12及びR13は、同一又は相異なって、水素原子又はC1−C4アルキル基を示すか、もしくはR12及びR13は、これらが結合する窒素原子と共に4〜6員環のヘテロシクロアルキル基を形成しても良い。)
で表される基である。)
R7及びR7’のもう一方は、水素原子を示す。]
一般式(1’)で表される化合物又はその塩から一般式(16)で表されるキノリルピロロピリミジル縮合環化合物又はその塩を得る工程は;
A工程:一般式(1’)で表される化合物又はその塩の、R6及びR6’の一方で表される置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基から、該保護基を脱保護する工程と、
B工程:該脱保護された化合物又はその塩をアミド化する工程
を含むことができる。
−CH2−N(R12)(R13) (a)
(式中、R12及びR13は、同一又は相異なって、水素原子又はC1−C4アルキル基を示すか、もしくはR12及びR13は、これらが結合する窒素原子と共に4〜6員環のヘテロシクロアルキル基を形成しても良い。)
で表される基である。)
R7及びR7’のもう一方は、水素原子を示す。]
一般式(1’)で表される化合物又はその塩から一般式(16)で表されるキノリルピロロピリミジル縮合環化合物又はその塩を得る工程は;
A工程:一般式(1’)で表される化合物又はその塩の、R6及びR6’の一方で表される置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基から、該保護基を脱保護する工程と、
B工程:該脱保護された化合物又はその塩をアミド化する工程
を含むことができる。
A工程の脱保護の方法としては、通常公知の方法、例えばProtective Groups in Organic Synthesis, T.W.Greene, John Wiley & Sons(1981年)に記載の方法、又はそれに準じる方法により行うことができる。
保護基としてtert−ブトキシカルボニル基を用いた場合、脱保護試薬には塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。試薬の使用量は、一般式(1’)で表される化合物1モルに対して、好ましくは1〜100モルである。
反応に用いる溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、水、メタノール、エタノール、塩化メチレン、クロロホルム等又はそれらの混合溶媒が用いられる。反応時間は0.1〜100時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。反応温度としては0℃〜溶媒の沸騰する温度である。
このようにして得られた脱保護された化合物は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィーなどにより単離精製するか又は単離精製することなく、次のB工程に付すことができる。
B工程(アミド化工程)では、A工程で得られた化合物とα、β−不飽和カルボン酸あるいはα、β−不飽和酸クロライドもしくはブロマイドとのアミド化反応により、一般式(16)で表される本発明化合物を製造する工程である。
アミド化試薬としてカルボン酸を用いる場合、適当な縮合剤の存在下、A工程で得られた化合物1モルに対して、カルボン酸を0.5〜10モル、好ましくは1〜3モル用いて行われる。なお、当該カルボン酸は、市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、ジメチルスルホキシド等又はその混合溶媒等が好適である。反応温度は、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜50℃である。反応時間は、通常、5分〜3日間、好ましくは5分〜10時間である。
縮合剤としては、例えば、ジフェニルリン酸アジド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスジメチルアミノホスホニウム塩、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせ、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド、O−(7−アザベンゾトリアゾ−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサウロニウム ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
アミド化試薬として酸クロライドもしくは酸ブロマイドを用いる場合、A工程で得られた化合物1モルに対して、酸ハライドを0.5〜5モル、好ましくは0.9〜1.1モル用いて行われる。なお、当該酸ハライドは、市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、アセトニトリル、水等又はその混合溶媒等が好適である。反応温度は、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜50℃である。反応時間は、通常、5分〜3日間、好ましくは5分〜10時間である。
また、上記反応は必要に応じて塩基を添加することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、コリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、カリウム tert−ブチラート、ナトリウム tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム等の有機塩基、又は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。添加量としては、A工程で得られた化合物1モルに対して、1〜100モル用いることができ、好ましくは1〜20モルであり、より好ましくは1〜10モルである。
このようにして得られる一般式(16)で表される化合物は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、結晶化、溶媒抽出、再沈殿、クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。一般式(16)で表される化合物又はその塩は、後述のように抗腫瘍活性を有する化合物である。
一般式(1’)で表される化合物において、R3,m,nそれぞれの好ましい態様は、前記の通りである。
本願明細書において、R6及びR6’におけるアミノ基又はC1−C6アルキルアミノ基の保護基としての置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル部分が炭素数1〜6(例えば、炭素数1〜4)のアルキル基であり、かつ置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。アルキルオキシカルボニル基の置換基としては、ハロゲン原子、アダマンチル基、トリメチルシリル基、フェニル基、メトキシフェニル基、ニトロフェニル基、アントリル基、フルオレニル基等が挙げられる。アルキルオキシカルボニル基が置換基を有する場合その個数は、例えば、1〜3個が挙げられる。置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基としては、具体的には、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基;例えば1−アダマンチルオキシカルボニル基;例えば2−アダマンチルオキシカルボニル基;例えば2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基;例えば、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル基;例えばベンジルオキシカルボニル基、3,5−ジ−tert−ブチルベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、9−アントリルメトキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;例えば9−フルオレニルメトキシカルボニル基等が挙げられ、特にtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基等が好ましく、最も好ましくはtert−ブトキシカルボニル基である。
本願明細書において、「保護されたC1−C6アルキルアミノ基」とは、アミノ基の1つの水素がC1−C6アルキル基で置換され、かつ、もう1つの水素が上記置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基で置換されたアミノ基を意味する。
本願明細書において 、「保護されたC1−C6アルキルアミノ基」としては、好ましくは保護されたC1−C4アルキルアミノ基であり、より好ましくは保護されたメチルアミノ基である。
一般式(1’)で表される化合物の好ましいm、n、R3、R6、及びR6’の組合せは、以下である。
mは、0〜2の整数;
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数;
R3:アミノ基;
R6、R6’:R6及びR6’の一方が置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子。
mは、0〜2の整数;
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数;
R3:アミノ基;
R6、R6’:R6及びR6’の一方が置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子。
一般式(1’)で表される化合物のさらに好ましいm、n、R3、R6、及びR6’の組合せは、以下である。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2);
R3:アミノ基;
R6、R6’:R6及びR6’の一方が置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2);
R3:アミノ基;
R6、R6’:R6及びR6’の一方が置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子。
一般式(1’)で表される化合物のさらに好ましいm、n、R3、R6、及びR6’の組合せは、以下である。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2);
R3:アミノ基;
R6、R6’:R6及びR6’の一方が置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2);
R3:アミノ基;
R6、R6’:R6及びR6’の一方が置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子。
一般式(1’)で表される化合物のさらに好ましいm、n、R3、R6、及びR6’の組合せは、以下である。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2);
R3:アミノ基;
R6、R6’:R6及びR6’の一方がtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2);
R3:アミノ基;
R6、R6’:R6及びR6’の一方がtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基を示し、もう一方が水素原子。
一般式(1’)で表される化合物のさらに好ましいm、n、R3、R6、及びR6’の組合せは、以下である。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2);
R3:アミノ基;
R6、R6’:R6がtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはメチルアミノ基を示し、R6’が水素原子。
m及びn:(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2);
R3:アミノ基;
R6、R6’:R6がtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはメチルアミノ基を示し、R6’が水素原子。
本発明に係る好適な化合物としては、以下のものが例示できるが、これらには限定されない。
一般式(1’)で表される化合物の塩としては、有機化学の分野で用いられる慣用的なものを意味し、一般式(1)及び(2)で表される化合物の塩として挙げた塩類が例示できる。
一般式(1’)で表される化合物又はその塩は、本発明にかかる製造方法によって製造することができるが、これに限定されない。
本発明の方法で得られる一般式(1’)で表される化合物が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、特に明記しない限り、いずれの異性体も混合物も当該化合物に包含される。例えば、一般式(1’)で表される化合物に光学異性体が存在する場合には、特に明記しない限り、ラセミ体から分割された光学異性体も本発明化合物に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶など)によりそれぞれを単一化合物として得ることができる。
一般式(1’)で表される化合物に光学異性体が存在する場合、上述のように、特に明記しない限り、一般式(1’)で表される化合物には、各エナンチオマー及びこれらの混合物のいずれもが包含される。また、一般式(1’)で表される化合物は、R体とS体との混合物であって、R体が90%以上のもの、95%以上のもの、99%以上のもの、S体が90%以上のもの、95%以上のもの、99%以上のもの等であってもよい。
光学分割の方法としては、例えば、一般式(1’)で表される化合物に光学分割剤を作用させて塩を形成し、得られた塩の溶解度差等を利用して一方のエナンチオマーを分割するジアステレオマー法;ラセミ体の過飽和溶液に、結晶の種として一方のエナンチオマーを添加する優先結晶法;キラルカラムを用いたHPLC等のカラムクロマトグラフィー等が挙げられる。ジアステレオマ―法で用いることができる光学分割剤としては、例えば、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、マンデル酸、10−カンファースルホン酸、これらの誘導体等の酸性分割剤;ブルシン、ストリキニーネ、キニーネ等のアルカロイド化合物、アミノ酸誘導体、シンコニジン、α−メチルベンジルアミン等の塩基性分割剤のなかから適宜選択することができる。また、一般式(1’)で表される化合物を各エナンチオマーの混合物として得た後、上記のように光学分割する方法だけでなく、一般式(1’)で表される化合物の合成原料として、上記方法等により光学分割したエナンチオマーの一方のみを用いることによっても、一般式(1’)で表される化合物のうちのエナンチオマーの一方のみを得ることができる。また、上記一般式(1’)で表される化合物またはその原料化合物としてエナンチオマーの一方を得る方法としては、不斉炭素が発生する反応工程において、触媒等の反応条件を調整することによってエナンチオマーの一方が優先的に得られるようにする方法等も挙げられる。
以下、本発明を参考例、実施例、比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例で用いた各種試薬は、特に記載の無い限り市販品を使用した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーには、モリテックス社製(昭光サイエンティフィック社製)プリフパック(登録商標)SI、バイオタージ社製KP−Sil(登録商標)Silicaプレパックドカラム、またはバイオタージ社製HP−Sil(登録商標)Silicaプレパックドカラムを用いた。NMRスペクトルは、AL400(400 MHz;日本電子(JEOL))、又はMercury400(400 MHz;Varian)型スペクトロメータを使用し、重溶媒中にテトラメチルシランを含む場合は内部基準としてテトラメチルシランを用い、それ以外の場合には内部基準としてNMR溶媒を用いて測定し、全δ値をppmで示した。マイクロウェーブ反応は、Biotage社製Initiatorを用いて行った。
またLCMSスペクトルはWaters社製SQDを用いて下記条件にて測定した: カラム:Acguity BEH C18.1X50mm,1.7μmMS検出:ESI positive
UV検出:254及び210nm
カラム流速:0.5 mL/min
移動相:水/アセトニトリル(0.1%ギ酸)
インジェクション量:1μL
グラディエント(table 1)
Time(min) Water Acetonitrile
0 95 5
0.1 95 5
2.1 5 95
3.0 STOP。
UV検出:254及び210nm
カラム流速:0.5 mL/min
移動相:水/アセトニトリル(0.1%ギ酸)
インジェクション量:1μL
グラディエント(table 1)
Time(min) Water Acetonitrile
0 95 5
0.1 95 5
2.1 5 95
3.0 STOP。
略号の意味を以下に示す。
s:シングレット
d:ダブレット
t:トリプレット
dd:ダブル ダブレット
ddd:ダブル ダブル ダブレット
m:マルチプレット
br:ブロード
DMSO−d6:重ジメチルスルホキシド
CDCl3:重クロロホルム
DME:1,2−ジメトキシエタン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド。
s:シングレット
d:ダブレット
t:トリプレット
dd:ダブル ダブレット
ddd:ダブル ダブル ダブレット
m:マルチプレット
br:ブロード
DMSO−d6:重ジメチルスルホキシド
CDCl3:重クロロホルム
DME:1,2−ジメトキシエタン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド。
参考例1
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(工程1)
(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
トリフェニルホスフィン(13.1g)のテトラヒドロフラン(70ml)溶液に、氷冷下、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(2.44ml)をゆっくり加えた。反応液を氷冷下にて1時間撹拌した後、非特許文献Org.Lett.,2005,vol.7,No.5,pp847−849に記載の方法に準じて合成した(S)−tert−ブチル (1−ヒドロキシブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(7.0g)及び4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(6.97g)のテトラヒドロフラン(35ml)溶液をゆっくり加えた。反応液を室温にて2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物20.84gを淡黄色油状物質として得た。ESI−MS m/z 448,450(MH+)
(工程2)
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(工程2)
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
工程1で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(20.84g)に8Nアンモニア−メタノール溶液(89.4ml)を加え、オートクレーブ中、120度で6時間撹拌した。反応液を氷冷後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を少量のメタノールで希釈後、得られた沈殿物を濾取し、冷メタノール(11ml)で洗浄後、減圧乾燥することにより、表題化合物8.28gを乳白色固体として得た。
ESI−MS m/z 430(MH+)
(工程3)(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
ESI−MS m/z 430(MH+)
(工程3)(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
工程2で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(8.26g)、3−キノリンボロン酸(4.99g)、炭酸セシウム(12.54g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(785.6 mg)、DME(66ml)及び水(33ml)の混合物を窒素雰囲気下、100度で2時間撹拌した。反応液を冷却後、水及び酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水層を酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル、酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物8.0gを淡橙色固体として得た。
ESI−MS m/z 431(MH+)
(工程4)
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
ESI−MS m/z 431(MH+)
(工程4)
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
工程3で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(7.98g)のDMF(64ml)溶液に、−15度でN−ブロモスクシンイミド(3.63g)を加えた後、−15度で1時間撹拌した。反応液に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液及び酢酸エチルを加えた後、室温で10分間攪拌した。有機層を分離後、水層を酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物6.30gを淡褐色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.26(9H,s),4.35−4.39(1H,m),4.50−4.56(1H,m),4.72(1H,brs),4.92(1H,brs),5.26(2H,d,J=10.5Hz),5.33−5.39(1H,m),5.92(1H,ddd,J=17.2,10.6,5.4Hz),7.63−7.67(1H,m),7.79−7.83(1H,m),7.90−7.92(1H,m),8.19(1H,d,J=8.3Hz),8.27(1H,d,J=1.7Hz),8.35(1H,s),9.07(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 509,511(MH+)
参考例2
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
1H−NMR(CDCl3)δ:1.26(9H,s),4.35−4.39(1H,m),4.50−4.56(1H,m),4.72(1H,brs),4.92(1H,brs),5.26(2H,d,J=10.5Hz),5.33−5.39(1H,m),5.92(1H,ddd,J=17.2,10.6,5.4Hz),7.63−7.67(1H,m),7.79−7.83(1H,m),7.90−7.92(1H,m),8.19(1H,d,J=8.3Hz),8.27(1H,d,J=1.7Hz),8.35(1H,s),9.07(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 509,511(MH+)
参考例2
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(工程1)
(R)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程1における(S)−tert−ブチル (1−ヒドロキシブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに(R)−tert−ブチル (1−ヒドロキシブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(8.74g)を用い、参考例1の工程1と同様な方法で、表題化合物11.05gを白色固体として得た。
ESI−MS m/z 448,450(MH+)
(工程2)
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
ESI−MS m/z 448,450(MH+)
(工程2)
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程2における(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに工程1で得られた(R)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(7.88g)を用い、参考例1の工程2〜4と同様な方法で、表題化合物6.80gを黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.26(9H,s),4.35−4.39(1H,m),4.50−4.56(1H,m),4.72(1H,brs),4.92(1H,brs),5.26(2H,d,J=10.5Hz),5.33−5.39(1H,m),5.92(1H,ddd,J=17.2,10.6,5.4Hz),7.63−7.67(1H,m),7.79−7.83(1H,m),7.90−7.92(1H,m),8.19(1H,d,J=8.3Hz),8.27(1H,d,J=1.7Hz),8.35(1H,s),9.07(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 509,511(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.26(9H,s),4.35−4.39(1H,m),4.50−4.56(1H,m),4.72(1H,brs),4.92(1H,brs),5.26(2H,d,J=10.5Hz),5.33−5.39(1H,m),5.92(1H,ddd,J=17.2,10.6,5.4Hz),7.63−7.67(1H,m),7.79−7.83(1H,m),7.90−7.92(1H,m),8.19(1H,d,J=8.3Hz),8.27(1H,d,J=1.7Hz),8.35(1H,s),9.07(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 509,511(MH+)
参考例3
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(工程1)
(S)−tert−ブチル (1−(6−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(6−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程1における4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの代わりに6−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン2.86gを用い、参考例1の工程1と同様な方法で、表題化合物3.19gを淡黄色油状物質として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.22(s,9H),4.05−4.29(m,2H),4.39−4.54(m,1H),4.92−5.09(m,2H),5.68−5.86(m,1H),6.21(s,1H),7.04(brs,1H),9.50(s,1H).
ESI−MS m/z 401(MH+)
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.22(s,9H),4.05−4.29(m,2H),4.39−4.54(m,1H),4.92−5.09(m,2H),5.68−5.86(m,1H),6.21(s,1H),7.04(brs,1H),9.50(s,1H).
ESI−MS m/z 401(MH+)
(工程2)
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程2における(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに工程1で得られた(S)−tert−ブチル (1−(6−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマート3.19gを用い、参考例1の工程2と同様な方法で、表題化合物3.04gを白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.22(s,9H),4.05−4.29(m,2H),4.39−4.54(m,1H),4.92−5.09(m,2H),5.68−5.86(m,1H),6.69(s,1H),7.04(brs,3H),8.06(s,1H).
ESI−MS m/z 382(MH+)
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.22(s,9H),4.05−4.29(m,2H),4.39−4.54(m,1H),4.92−5.09(m,2H),5.68−5.86(m,1H),6.69(s,1H),7.04(brs,3H),8.06(s,1H).
ESI−MS m/z 382(MH+)
参考例4
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(工程1)
(R)−tert−ブチル (1−(6−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (1−(6−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程1における4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの代わりに6−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン1.00gを用い、(S)−tert−ブチル (1−ヒドロキシブテ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに(R)−tert−ブチル (1−ヒドロキシブテ−3−エン−2−イル)カルバマート1.00g用い、参考例1の工程1と同様な方法で、表題化合物1.35gを淡黄色油状物質として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.22(s,9H),4.05−4.29(m,2H),4.39−4.54(m,1H),4.92−5.09(m,2H),5.68−5.86(m,1H),6.21(s,1H),7.04(brs,1H),9.50(s,1H).
ESI−MS m/z 401(MH+)
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.22(s,9H),4.05−4.29(m,2H),4.39−4.54(m,1H),4.92−5.09(m,2H),5.68−5.86(m,1H),6.21(s,1H),7.04(brs,1H),9.50(s,1H).
ESI−MS m/z 401(MH+)
(工程2)
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程2における(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに工程1で得られた(R)−tert−ブチル (1−(6−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマート1.35gを用い、参考例1の工程2と同様な方法で、表題化合物0.9gを白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.22(s,9H),4.05−4.29(m,2H),4.39−4.54(m,1H),4.92−5.09(m,2H),5.68−5.86(m,1H),6.69(s,1H),7.04(brs,3H),8.06(s,1H).
ESI−MS m/z 382(MH+)
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.22(s,9H),4.05−4.29(m,2H),4.39−4.54(m,1H),4.92−5.09(m,2H),5.68−5.86(m,1H),6.69(s,1H),7.04(brs,3H),8.06(s,1H).
ESI−MS m/z 382(MH+)
参考例5
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(工程1)
(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−6−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−6−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程1における4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの代わりに4−クロロ−6−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン2.31gを用い、参考例1の工程1と同様な方法で、表題化合物2.61gを黄色油状物質として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.22(s,9H),4.05−4.29(m,2H),4.39−4.54(m,1H),4.92−5.09(m,2H),5.68−5.86(m,1H),6.21(s,1H),7.00(brs,1H),9.50(s,1H).
ESI−MS m/z 449(MH+)
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.22(s,9H),4.05−4.29(m,2H),4.39−4.54(m,1H),4.92−5.09(m,2H),5.68−5.86(m,1H),6.21(s,1H),7.00(brs,1H),9.50(s,1H).
ESI−MS m/z 449(MH+)
(工程2)
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程2における(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに工程1で得られた(S)−tert−ブチル (4−クロロ−6−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブテ−3−エン−2−イル)カルバマート2.61gを用い、参考例1の工程2と同様な方法で、表題化合物2.23gを白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.22(s,9H),4.05−4.29(m,2H),4.39−4.54(m,1H),4.92−5.09(m,2H),5.68−5.86(m,1H),6.50(s,1H),7.00(brs,3H),8.20(s,1H).
ESI−MS m/z 430(MH+)
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.22(s,9H),4.05−4.29(m,2H),4.39−4.54(m,1H),4.92−5.09(m,2H),5.68−5.86(m,1H),6.50(s,1H),7.00(brs,3H),8.20(s,1H).
ESI−MS m/z 430(MH+)
参考例6
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−シクロプロピル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−シクロプロピル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(工程1)
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−シクロプロピル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−シクロプロピル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(1.000 g)、シクロプロピルボロン酸(1.787g)、リン酸カリウム(2.072g)、トリシクロヘキシルホスフィン(84.3mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(136.9mg)をトルエン(18ml)中で混合し、水(1.8ml)を加えた。混合物を減圧下1分間脱気し、窒素ガスを封入後、マイクロウェーブ反応装置を用いて100 ℃で1.5時間加熱攪拌した。得られた反応物にシクロプロピルボロン酸(0.830g)、トリシクロヘキシルホスフィン(29.2mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(49.2mg)を追加し、更に100℃で1.5時間加熱攪拌した。反応混合物を飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出後、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール)で精製し、表題化合物 252.8mgを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.62−0.72(2H,m),0.86−0.93(2H,m),1.33(9H,s),1.87−1.96(1H,m),4.23(2H,brs),4.42−4.52(1H,m),5.16(1H,d,J=10.2 Hz),5.24(1H,d,J=17.8 Hz),5.33−5.50(2H,br),5.43(1H,s),5.78(1H,m),6.66(1H,s),8.25(1H,s).
ESI−MS m/z 344(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:0.62−0.72(2H,m),0.86−0.93(2H,m),1.33(9H,s),1.87−1.96(1H,m),4.23(2H,brs),4.42−4.52(1H,m),5.16(1H,d,J=10.2 Hz),5.24(1H,d,J=17.8 Hz),5.33−5.50(2H,br),5.43(1H,s),5.78(1H,m),6.66(1H,s),8.25(1H,s).
ESI−MS m/z 344(MH+)
(工程2)
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−シクロプロピル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−シクロプロピル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程4における(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−シクロプロピル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(252.8mg)を用い、参考例1の工程4と同様に処理して、表題化合物273.2mgを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.75−0.90(2H,m),0.98−1.08(2H,m),1.23(9H,s),1.82(1H,m),4.20(1H,dd,J=14.1,4.6Hz),4.35(1H,dd,J=14.8,10.5Hz),4.50−4.61(1H,m),5.20(1H,d,J=9.7Hz),5.30(1H,d,J=17.3Hz),5.40(1H,d,J=7.8Hz),5.57(1H,brs),5.84(1H,m),8.21(1H,s).
ESI−MS m/z 422(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:0.75−0.90(2H,m),0.98−1.08(2H,m),1.23(9H,s),1.82(1H,m),4.20(1H,dd,J=14.1,4.6Hz),4.35(1H,dd,J=14.8,10.5Hz),4.50−4.61(1H,m),5.20(1H,d,J=9.7Hz),5.30(1H,d,J=17.3Hz),5.40(1H,d,J=7.8Hz),5.57(1H,brs),5.84(1H,m),8.21(1H,s).
ESI−MS m/z 422(MH+)
参考例7
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−フェニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−フェニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(工程1)
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−フェニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−フェニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程3の3−キノリンボロン酸の代わりにフェニルボロン酸(597mg)を用い、参考例1の工程3と同様な方法で、表題化合物1.52gを白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.33(9H,s),4.37(2H,brs),4.55−4.61(1H,m),5.19−5.21(3H,m),5.29(1H,d,J=16.8Hz),5.46(1H,brs),5.81−5.89(1H,m),6.98(1H,brs),7.44−7.49(5H,m),8.33(1H,brs).
ESI−MS m/z 380(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.33(9H,s),4.37(2H,brs),4.55−4.61(1H,m),5.19−5.21(3H,m),5.29(1H,d,J=16.8Hz),5.46(1H,brs),5.81−5.89(1H,m),6.98(1H,brs),7.44−7.49(5H,m),8.33(1H,brs).
ESI−MS m/z 380(MH+)
(工程2)
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−フェニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−フェニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程4における(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに工程1で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−フェニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(1.52g)を用い、参考例1の工程4と同様な方法で、表題化合物1.58gを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.25(9H,s),4.30−4.34(1H,m),4.45−4.51(1H,m),4.63−4.73(1H,m),5.01(2H,brs),5.24(1H,d,J=10.5Hz),5.32−5.37(1H,m),5.42−5.44(1H,m),5.85−5.94(1H,m),7.41−7.50(5H,m),8.30(1H,s).
ESI−MS m/z 458,460(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.25(9H,s),4.30−4.34(1H,m),4.45−4.51(1H,m),4.63−4.73(1H,m),5.01(2H,brs),5.24(1H,d,J=10.5Hz),5.32−5.37(1H,m),5.42−5.44(1H,m),5.85−5.94(1H,m),7.41−7.50(5H,m),8.30(1H,s).
ESI−MS m/z 458,460(MH+)
参考例8
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマートの合成
(工程1)
(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程1における(S)−tert−ブチル (1−ヒドロキシブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに(S)−tert−ブチル (1−ヒドロキシペンタ−4−エン−2−イル)カルバマート(11.93g)を用い、参考例1の工程1と同様な方法で、表題化合物4.96gを黄褐色油状物質として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.35(9H,s),2.18−2.35(2H,m),3.97−4.05(1H,m),4.27−4.33(1H,m),4.40−4.45(1H,m),4.63−4.65(1H,m),5.14−5.19(2H,m),5.76−5.86(1H,m),7.42(1H,brs),8.62(1H,s).
ESI−MS m/z 462,464(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.35(9H,s),2.18−2.35(2H,m),3.97−4.05(1H,m),4.27−4.33(1H,m),4.40−4.45(1H,m),4.63−4.65(1H,m),5.14−5.19(2H,m),5.76−5.86(1H,m),7.42(1H,brs),8.62(1H,s).
ESI−MS m/z 462,464(MH+)
(工程2)
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程2における(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに工程1で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマート(4.90g)を用い、参考例1の工程2〜4と同様な方法で、表題化合物3.67gを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.23(9H,s),2.39−2.42(2H,m),4.19−4.27(1H,m),4.29−4.34(1H,m),4.43−4.50(1H,m),4.92(2H,brs),5.04(1H,d,J=8.5Hz),5.18−5.24(2H,m),5.86−5.96(1H,m),7.63−7.67(1H,m),7.79−7.83(1H,m),7.90−7.92(1H,m),8.19(1H,d,J=8.5Hz),8.27(1H,d,J=1.5Hz),8.34(1H,s),9.07(1H,d,J=2.0Hz).
ESI−MS m/z 523,525(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.23(9H,s),2.39−2.42(2H,m),4.19−4.27(1H,m),4.29−4.34(1H,m),4.43−4.50(1H,m),4.92(2H,brs),5.04(1H,d,J=8.5Hz),5.18−5.24(2H,m),5.86−5.96(1H,m),7.63−7.67(1H,m),7.79−7.83(1H,m),7.90−7.92(1H,m),8.19(1H,d,J=8.5Hz),8.27(1H,d,J=1.5Hz),8.34(1H,s),9.07(1H,d,J=2.0Hz).
ESI−MS m/z 523,525(MH+)
参考例9
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマートの合成
(工程1)
(R)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程1における(S)−tert−ブチル (1−ヒドロキシブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに(R)−tert−ブチル (1−ヒドロキシペンタ−4−エン−2−イル)カルバマート(856.4mg)を用い、参考例1の工程1と同様な方法で、表題化合物1.54gを乳白色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.35(9H,s),2.18−2.35(2H,m),3.97−4.05(1H,m),4.27−4.33(1H,m),4.40−4.45(1H,m),4.63−4.65(1H,m),5.14−5.19(2H,m),5.76−5.86(1H,m),7.42(1H,brs),8.62(1H,s).
ESI−MS m/z 462,464(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.35(9H,s),2.18−2.35(2H,m),3.97−4.05(1H,m),4.27−4.33(1H,m),4.40−4.45(1H,m),4.63−4.65(1H,m),5.14−5.19(2H,m),5.76−5.86(1H,m),7.42(1H,brs),8.62(1H,s).
ESI−MS m/z 462,464(MH+)
(工程2)
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程2における(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに工程1で得られた(R)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマート(974.9mg)を用い、参考例1の工程2〜4と同様な方法で、表題化合物1.02gを淡褐色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.23(9H,s),2.39−2.42(2H,m),4.19−4.27(1H,m),4.29−4.34(1H,m),4.43−4.50(1H,m),4.92(2H,brs),5.04(1H,d,J=8.5Hz),5.18−5.24(2H,m),5.86−5.96(1H,m),7.63−7.67(1H,m),7.79−7.83(1H,m),7.90−7.92(1H,m),8.19(1H,d,J=8.5Hz),8.27(1H,d,J=1.5Hz),8.34(1H,s),9.07(1H,d,J=2.0Hz).
ESI−MS m/z 523,525(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.23(9H,s),2.39−2.42(2H,m),4.19−4.27(1H,m),4.29−4.34(1H,m),4.43−4.50(1H,m),4.92(2H,brs),5.04(1H,d,J=8.5Hz),5.18−5.24(2H,m),5.86−5.96(1H,m),7.63−7.67(1H,m),7.79−7.83(1H,m),7.90−7.92(1H,m),8.19(1H,d,J=8.5Hz),8.27(1H,d,J=1.5Hz),8.34(1H,s),9.07(1H,d,J=2.0Hz).
ESI−MS m/z 523,525(MH+)
参考例10
(R)−tert−ブチル (5−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−1−エン−3−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (5−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−1−エン−3−イル)カルバマートの合成
(工程1)
(R)−tert−ブチル (5−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−1−エン−3−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (5−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−1−エン−3−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程1における(S)−tert−ブチル (1−ヒドロキシブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに(R)−tert−ブチル (5−ヒドロキシペンタ−1−エン−3−イル)カルバマート(2.5g)を用い、参考例1の工程1と同様な方法で、表題化合物3.49gを淡黄色固体として得た。
ESI−MS m/z 463,465(MH+)
ESI−MS m/z 463,465(MH+)
(工程2)
(R)−tert−ブチル (5−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−1−エン−3−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (5−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−1−エン−3−イル)カルバマートの合成
参考例1の工程2における(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに工程1で得られた(R)−tert−ブチル (5−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−1−エン−3−イル)カルバマート(3.21g)を用い、参考例1の工程2〜4と同様な方法で、表題化合物3.15gを淡褐色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.46(9H,s),2.02−2.21(2H,m),4.26−4.53(3H,m),4.90(2H,brs),5.07(1H,d,J=12.4Hz),5.15(1H,d,J=17.2Hz),5.15−5.23(1H,m),5.78(1H,ddd,J=17.2,12.4,5.2Hz),7.61−7.67(1H,m),7.78−7.83(1H,m),7.88−7.93(1H,m),8.17−8.21(1H,m),8.26(1H,d,J=2.2Hz),8.35(1H,s),9.06(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 523,525(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.46(9H,s),2.02−2.21(2H,m),4.26−4.53(3H,m),4.90(2H,brs),5.07(1H,d,J=12.4Hz),5.15(1H,d,J=17.2Hz),5.15−5.23(1H,m),5.78(1H,ddd,J=17.2,12.4,5.2Hz),7.61−7.67(1H,m),7.78−7.83(1H,m),7.88−7.93(1H,m),8.17−8.21(1H,m),8.26(1H,d,J=2.2Hz),8.35(1H,s),9.06(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 523,525(MH+)
参考例11
(R)−6−ブロモ−7−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ブタ−3−エン−1−イル)−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
(R)−6−ブロモ−7−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ブタ−3−エン−1−イル)−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
(工程1)
4−クロロ−5−ヨード−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの合成
4−クロロ−5−ヨード−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの合成
流動パラフィンに分散させた水素化ナトリウム(3.4g)のDMF(190ml)溶液に、氷冷下、4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(20.0g)のDMF(50ml)溶液をゆっくり加えた後、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(13.3ml)を加え、同温にて2時間攪拌した。反応液に2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(1.3ml)をさらに加え、室温にて1時間攪拌した。反応液を水(600ml)に注ぎ、室温にて15分間攪拌した。得られた沈殿物を濾取し、水およびジイソプロピルエーテルで洗浄後、再び酢酸エチルに溶解させた後、濾過により不溶物を濾別した。濾液の溶媒を減圧留去して得られた残渣にヘプタンを加えて沈殿物を濾取し、ヘプタンで洗浄後、減圧乾燥することにより、表題化合物21.2gを白色固体として得た。
ESI−MS m/z 409,411(MH+)
ESI−MS m/z 409,411(MH+)
(工程2)
5−ヨード−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
5−ヨード−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
工程1で得られた4−クロロ−5−ヨード−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(20.0g)に8Nアンモニア/メタノール溶液(120ml)を加え、マイクロウェーブ反応装置にて120度で1時間攪拌した。反応液を冷却後、メタノール(65ml)および水(185ml)で希釈した。得られた沈殿物を濾取し、水で洗浄後、減圧乾燥することにより、表題化合物15.2gを白色固体として得た。
ESI−MS m/z 391(MH+)
(工程3)
5−(キノリン−3−イル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
ESI−MS m/z 391(MH+)
(工程3)
5−(キノリン−3−イル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
工程2で得られた5−ヨード−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(15.0g)、3−キノリンボロン酸(8.6g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.2g)のDME(270ml)溶液に、2M炭酸ナトリウム水溶液(38ml)を加え、窒素雰囲気下、90度で6時間攪拌した。反応液を冷却後、水(300ml)を注ぎ、得られた沈殿物を濾取し、水およびジイソプロピルエーテルで洗浄後、減圧乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/クロロホルム)にて精製し、表題化合物10.17gを淡黄色固体として得た。
ESI−MS m/z 392(MH+)
ESI−MS m/z 392(MH+)
(工程4)
5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩の合成
5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩の合成
工程3で得られた5−(キノリン−3−イル)−7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(10.0g)のエタノール(200ml)溶液に、90度にて濃塩酸(20ml)を加え、同温にて25分攪拌した後、濃塩酸(30ml)を加え、同温にて75分間攪拌した。反応液を冷却後、エタノール(100ml)を加え、95度にて90分間攪拌した。その後、エタノール(100ml)、濃塩酸(25ml)を加え、同温にて4日間攪拌した。反応液を冷却後、酢酸エチルを加えた後、得られた沈殿物を濾取し、酢酸エチルで洗浄後、減圧乾燥することにより、表題化合物4.4gを黄色固体として得た。
ESI−MS m/z 335(MH+)
ESI−MS m/z 335(MH+)
(工程5)
(R)−7−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ブタ−3−エン−1−イル)−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
(R)−7−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ブタ−3−エン−1−イル)−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
工程4で得られた5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(1.22g)のDMF(12.2ml)溶液に、炭酸カリウム(4.0g)、(R)−2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ブタ−3−エン−1−イル4−メチルベンゼンスルホナート(1.43g)を室温にて加えた後、90度で20時間攪拌した。反応液を冷却後、水(49ml)を注ぎ、室温にて3時間攪拌した。得られた沈殿物を濾取し、水で洗浄後、減圧乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物1.31gを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:−0.32(3H,s),−0.11(3H,s),0.80(9H,s),4.06(1H,dd,J=13.9,8.5Hz),4.46(1H,dd,J=13.9,3.2Hz),4.59−4.64(1H,m),5.06(2H,brs),5.22(1H,d,J=10.5Hz),5.40(1H,d,J=16.8Hz),5.89−5.97(1H,m),7.21(1H,s),7.61−7.65(1H,m),7.74−7.78(1H,m),7.89(1H,d,J=8.1Hz),8.17(1H,d,J=8.3Hz),8.23(1H,d,J=2.2Hz),8.40(1H,s),9.10(1H,d,J=2.0Hz).
ESI−MS m/z 446(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:−0.32(3H,s),−0.11(3H,s),0.80(9H,s),4.06(1H,dd,J=13.9,8.5Hz),4.46(1H,dd,J=13.9,3.2Hz),4.59−4.64(1H,m),5.06(2H,brs),5.22(1H,d,J=10.5Hz),5.40(1H,d,J=16.8Hz),5.89−5.97(1H,m),7.21(1H,s),7.61−7.65(1H,m),7.74−7.78(1H,m),7.89(1H,d,J=8.1Hz),8.17(1H,d,J=8.3Hz),8.23(1H,d,J=2.2Hz),8.40(1H,s),9.10(1H,d,J=2.0Hz).
ESI−MS m/z 446(MH+)
(工程6)
(R)−6−ブロモ−7−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ブタ−3−エン−1−イル)−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
(R)−6−ブロモ−7−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ブタ−3−エン−1−イル)−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの合成
参考例1の工程4の(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに工程5で得られた(R)−7−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ブタ−3−エン−1−イル)−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(1.30g)を用い、参考例1の工程4と同様な方法で、表題化合物(1.44g)を黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:−0.34(3H,s),−0.12(3H,s),0.75(9H,s),4.33−4.40(2H,m),4.74−4.79(1H,m),4.91(2H,brs),5.21−5.24(1H,m),5.36−5.41(1H,m),5.92−6.01(1H,m),7.63−7.67(1H,m),7.79−7.83(1H,m),7.92(1H,d,J=7.8Hz),8.20(1H,d,J=8.5Hz),8.24(1H,d,J=2.2Hz),8.37(1H,s),9.06(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 524,526(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:−0.34(3H,s),−0.12(3H,s),0.75(9H,s),4.33−4.40(2H,m),4.74−4.79(1H,m),4.91(2H,brs),5.21−5.24(1H,m),5.36−5.41(1H,m),5.92−6.01(1H,m),7.63−7.67(1H,m),7.79−7.83(1H,m),7.92(1H,d,J=7.8Hz),8.20(1H,d,J=8.5Hz),8.24(1H,d,J=2.2Hz),8.37(1H,s),9.06(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 524,526(MH+)
参考例12
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)(メチル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)(メチル)カルバマートの合成
(工程1)
(R)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)(メチル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)(メチル)カルバマートの合成
参考例2の工程1で得られた(R)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(2.28g)のDMF(11.4ml)溶液にヨウ化メチル(1.58ml)及び流動パラフィンに分散させた水素化ナトリウム(224mg)を室温にて加え、同温にて1時間撹拌した後、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物2.41gを淡黄色固体として得た。
ESI−MS m/z 463,465(MH+)
ESI−MS m/z 463,465(MH+)
(工程2)
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)(メチル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)(メチル)カルバマートの合成
参考例1の工程2における(S)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに工程1で得られた(R)−tert−ブチル (1−(4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)(メチル)カルバマート(2.41g)を用い、参考例1の工程2〜4と同様な方法で、表題化合物1.61gを淡褐色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.21(9H,s),2.80−2.95(3H,m),4.32−4.50(1H,m),4.54−4.79(1H,m),4.80−4.92(2H,m),5.18−5.42(3H,m),5.88−6.02(1H,m),7.65(1H,t,J=8.0Hz),7.81(1H,t,J=8.0Hz),7.91(1H,d,J=8.4Hz),8.20(1H,d,J=8.4Hz),8.27(1H,brs),8.35(1H,s),9.08(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 523,525(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.21(9H,s),2.80−2.95(3H,m),4.32−4.50(1H,m),4.54−4.79(1H,m),4.80−4.92(2H,m),5.18−5.42(3H,m),5.88−6.02(1H,m),7.65(1H,t,J=8.0Hz),7.81(1H,t,J=8.0Hz),7.91(1H,d,J=8.4Hz),8.20(1H,d,J=8.4Hz),8.27(1H,brs),8.35(1H,s),9.08(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 523,525(MH+)
参考例13
(S)−N−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−8−イル)アクリルアミドの合成
(S)−N−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−8−イル)アクリルアミドの合成
(工程1)(S)−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−4,8−ジアミンの合成
後述の実施例16で得られた(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−8−イル)カルバマート(436mg)のエタノール(4ml)溶液に、室温にて5N塩酸(1ml)を加え、60度で3時間撹拌した。反応液を冷却後、5N水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にし、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物320mgを淡黄色固体として得た。
ESI−MS m/z 345(MH+).
ESI−MS m/z 345(MH+).
(工程2)(S)−N−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−8−イル)アクリルアミドの合成
工程1で得られた(S)−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−4,8−ジアミン(317mg)のアセトニトリル(1.6ml)−水(1.6ml)溶液に、氷冷下、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.192ml)及びアクリル酸クロリド(83.3mg)のアセトニトリル(0.83ml)溶液を加え、同温で15分間撹拌した後、飽和重曹水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物226mgを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.37−1.56(2H,m),1.98−2.20(2H,m),2.75−2.83(1H,m),2.88−2.97(1H,m),3.96−4.18(2H,m),4.78−4.90(1H,m),5.58(1H,dd,J=10.0,2.2Hz),5.93(2H,brs),6.19(1H,dd,J=17.1,2.2Hz),6.21(1H,dd,J=17.1,10.0Hz),7.64(1H,t,J=7.4Hz),7.77(1H,t,J=7.4Hz),8.01−8.09(2H,m),8.14(1H,s),8.17(1H,d,J=7.6Hz),8.27(1H,d,J=2.0Hz),8.85(1H,d,J=2.0Hz).
ESI−MS m/z 399(MH+).
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.37−1.56(2H,m),1.98−2.20(2H,m),2.75−2.83(1H,m),2.88−2.97(1H,m),3.96−4.18(2H,m),4.78−4.90(1H,m),5.58(1H,dd,J=10.0,2.2Hz),5.93(2H,brs),6.19(1H,dd,J=17.1,2.2Hz),6.21(1H,dd,J=17.1,10.0Hz),7.64(1H,t,J=7.4Hz),7.77(1H,t,J=7.4Hz),8.01−8.09(2H,m),8.14(1H,s),8.17(1H,d,J=7.6Hz),8.27(1H,d,J=2.0Hz),8.85(1H,d,J=2.0Hz).
ESI−MS m/z 399(MH+).
参考例14
(S)−N−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−9−イル)アクリルアミドの合成
(S)−N−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−9−イル)アクリルアミドの合成
後述の実施例14で得られた(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−9−イル)カルバマートを用い、参考例13と同様にして、表題化合物(400.0mg)を乳白色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.57−1.65(1H,m),1.78−1.86(1H,m),1.93−2.05(2H,m),2.77−2.89(2H,m),3.98−4.04(1H,m),4.21−4.26(1H,m),4.63(1H,d,J=13.7Hz),5.60(1H,dd,J=10.0,2.4Hz),5.93(1H,brs),6.12(1H,dd,J=17.1,2.4Hz),6.25(1H,dd,J=17.1,10.0Hz),7.63−7.67(1H,m),7.77−7.81(1H,m),8.07(1H,t,J=8.8Hz),8.12(1H,s),8.15(1H,d,J=7.6Hz),8.28(1H,d,J=2.2Hz),8.87(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 399(MH+).
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.57−1.65(1H,m),1.78−1.86(1H,m),1.93−2.05(2H,m),2.77−2.89(2H,m),3.98−4.04(1H,m),4.21−4.26(1H,m),4.63(1H,d,J=13.7Hz),5.60(1H,dd,J=10.0,2.4Hz),5.93(1H,brs),6.12(1H,dd,J=17.1,2.4Hz),6.25(1H,dd,J=17.1,10.0Hz),7.63−7.67(1H,m),7.77−7.81(1H,m),8.07(1H,t,J=8.8Hz),8.12(1H,s),8.15(1H,d,J=7.6Hz),8.28(1H,d,J=2.2Hz),8.87(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 399(MH+).
参考例15
(S,E)−N−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)−3−クロロアクリルアミドの合成
(S,E)−N−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)−3−クロロアクリルアミドの合成
(工程1)(S)−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−4,8−ジアミンの合成
後述の実施例1で得られた(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート(2.6g)のエタノール(26ml)溶液に、室温にて塩酸(4mol/l、1,4−ジオキサン溶液、26ml)を加え、1時間撹拌した。反応液を減圧留去したのち、得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物1.72gを淡黄色固体として得た。
ESI−MS m/z 331(MH+).
ESI−MS m/z 331(MH+).
(工程2)(S,E)−N−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)−3−クロロアクリルアミドの合成
工程1で得られた(S)−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−4,8−ジアミン(498.0mg)のDMF(8ml)懸濁液に、トランス−3−クロロアクリル酸(399.5mg)を室温にて加えた。溶解後、氷冷下、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(350.1mg)を加え、同温にて1時間撹拌した。反応液を飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物261.2mgを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.84−2.07(2H,m),2.92−3.08(2H,m),3.88−4.02(1H,m),4.27−4.43(2H,m),6.07(2H,brs),6.48(1H,d,J=13.4Hz),7.31(1H,d,J=13.2Hz),7.63(1H,t,J=7.4Hz),7.75(1H,t,J=7.6Hz),8.03(1H,d,J=10.7Hz),8.05(1H,d,J=10.7Hz),8.13(1H,s),8.29(1H,d,J=2.0Hz),8.53(1H,d,J=6.6Hz),8.92(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 419,421(MH+).
工程1で得られた(S)−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−4,8−ジアミン(498.0mg)のDMF(8ml)懸濁液に、トランス−3−クロロアクリル酸(399.5mg)を室温にて加えた。溶解後、氷冷下、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(350.1mg)を加え、同温にて1時間撹拌した。反応液を飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物261.2mgを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.84−2.07(2H,m),2.92−3.08(2H,m),3.88−4.02(1H,m),4.27−4.43(2H,m),6.07(2H,brs),6.48(1H,d,J=13.4Hz),7.31(1H,d,J=13.2Hz),7.63(1H,t,J=7.4Hz),7.75(1H,t,J=7.6Hz),8.03(1H,d,J=10.7Hz),8.05(1H,d,J=10.7Hz),8.13(1H,s),8.29(1H,d,J=2.0Hz),8.53(1H,d,J=6.6Hz),8.92(1H,d,J=2.2Hz).
ESI−MS m/z 419,421(MH+).
参考例16
(S,Z)−N−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)−3−クロロアクリルアミドの合成
(S,Z)−N−(4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)−3−クロロアクリルアミドの合成
参考例15で用いたトランス−3−クロロアクリル酸の代わりにシス−3−クロロアクリル酸を用い、参考例15と同様の方法で、表題化合物93mgを淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.82−1.96(1H,m),1.96−2.07(1H,m),2.92−3.08(2H,m),3.85−3.97(1H,m),4.27−4.41(2H,m),6.05(2H,brs),6.39(1H,d,J=8.0Hz),6.77(1H,d,J=8.0Hz),7.63(1H,t,J=7.4Hz),7.75(1H,t,J=7.4Hz),8.02(1H,d,J=11.4Hz),8.04(1H,d,J=11.4Hz),8.13(1H,s),8.29(1H,d,J=2.0Hz),8.50(1H,d,J=6.3Hz),8.92(1H,d,J=2.0Hz).
ESI−MS m/z 419,421(MH+).
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.82−1.96(1H,m),1.96−2.07(1H,m),2.92−3.08(2H,m),3.85−3.97(1H,m),4.27−4.41(2H,m),6.05(2H,brs),6.39(1H,d,J=8.0Hz),6.77(1H,d,J=8.0Hz),7.63(1H,t,J=7.4Hz),7.75(1H,t,J=7.4Hz),8.02(1H,d,J=11.4Hz),8.04(1H,d,J=11.4Hz),8.13(1H,s),8.29(1H,d,J=2.0Hz),8.50(1H,d,J=6.3Hz),8.92(1H,d,J=2.0Hz).
ESI−MS m/z 419,421(MH+).
参考例17
各種EGFRキナーゼ活性阻害作用(in vitro)の測定
参考例13乃至16で作製した化合物を、以下の試験法を用いて評価した:
1)EGFR(T790M/L858R)キナーゼ阻害活性測定
参考例13乃至16で作製した化合物のEGFR(T790M/L858R)キナーゼ活性に対する阻害活性を測定した。
各種EGFRキナーゼ活性阻害作用(in vitro)の測定
参考例13乃至16で作製した化合物を、以下の試験法を用いて評価した:
1)EGFR(T790M/L858R)キナーゼ阻害活性測定
参考例13乃至16で作製した化合物のEGFR(T790M/L858R)キナーゼ活性に対する阻害活性を測定した。
その材料は、基質ペプチドとして、キャリパーライフサイエンス社のLabChip(登録商標)シリーズ試薬FL−Peptide 22を参考に記載のアミノ酸をビオチン化したもの(biotin−EEPLYWSFPAKKK)を合成し、EGFR(T790M/L858R)として、カルナバイオサイエンス社の精製リコンビナントヒトEGFR(T790M/L858R)蛋白質を購入した。
その測定方法は、参考例13乃至16で作製した化合物をそれぞれジメチルスルホキシド(DMSO)で段階希釈した。次に、キナーゼ反応用緩衝液(カルナバイオサイエンス株式会社)中に、EGFR(T790M/L858R)蛋白質、基質ペプチド(終濃度は250nM)、塩化マグネシウム(終濃度は10mM)、塩化マンガン(終濃度は10mM)、ATP(終濃度は1μM)とそれぞれの化合物のDMSO溶液(DMSOの終濃度は2.5%)を加え、25℃で120分間インキュベーションしキナーゼ反応を行った。そこへ、終濃度24mMになるようEDTAを加えることで反応を停止させ、ユーロピウム(Eu)ラベル化抗リン酸化チロシン抗体PT66(PerkinElmer)とSureLight APC−SA(PerkinElmer)を含む検出液を添加し、室温で2時間以上静置した。最後に、PHERAstar FS(BMG LABTECH)で波長337nmの励起光照射時における蛍光量を620nmと665nmの二波長で測定した。二波長の蛍光量比からリン酸化反応量を求め、リン酸化反応を50%抑制することのできる化合物濃度であるIC50値(nM)を得た。
2)EGFR(d746−750/T790M)キナーゼ阻害活性測定
参考例13乃至16で作製した化合物のEGFR(d746−750/T790M)キナーゼ活性に対する阻害活性を測定した。
参考例13乃至16で作製した化合物のEGFR(d746−750/T790M)キナーゼ活性に対する阻害活性を測定した。
その材料は、EGFR(d746−750/T790M)として、カルナバイオサイエンス株式会社の精製リコンビナントヒトEGFR(d746−750/T790M)蛋白質を購入した。ATPの終濃度は1.5μMとした。その他はEGFR(T790M/L858R)キナーゼ阻害活性測定と同様の材料、測定方法によりIC50値(nM)を得た。
3)EGFR(L858R)キナーゼ阻害活性測定
参考例13乃至16で作製した化合物のEGFR(L858R)キナーゼ活性に対する阻害活性を測定した。
参考例13乃至16で作製した化合物のEGFR(L858R)キナーゼ活性に対する阻害活性を測定した。
その材料は、EGFR(L858R)として、カルナバイオサイエンス株式会社の精製リコンビナントヒトEGFR(L858R)蛋白質を購入した。ATPの終濃度は4μMとした。その他はEGFR(T790M/L858R)キナーゼ阻害活性測定と同様の材料、測定方法によりIC50値(nM)を得た。
4)EGFR(d746−750)キナーゼ阻害活性測定
参考例13乃至16で作製した化合物のEGFR(d746−750)キナーゼ活性に対する阻害活性を測定した。
参考例13乃至16で作製した化合物のEGFR(d746−750)キナーゼ活性に対する阻害活性を測定した。
その材料は、EGFR(d746−750)として、カルナバイオサイエンス株式会社の精製リコンビナントヒトEGFR(d746−750)蛋白質を購入した。ATPの終濃度は5μMとした。キナーゼ反応のインキュベーションは90分間とした。その他はEGFR(T790M/L858R)キナーゼ阻害活性測定と同様の材料、測定方法によりIC50値(nM)を得た。
5)EGFR(WT)
参考例13乃至16で作製した化合物のEGFR(WT)キナーゼ活性に対する阻害活性を測定した。
参考例13乃至16で作製した化合物のEGFR(WT)キナーゼ活性に対する阻害活性を測定した。
その材料は、EGFR(WT)として、N末端にFLAGタグを融合させたヒトEGFR(WT)の細胞質内ドメインをバキュロウイルス発現系により昆虫細胞Sf9で発現させ、抗FLAG抗体アガロース(シグマ・アルドリッチ社)を用いて精製したものを利用した。基質ペプチドの終濃度は500nM、ATPの終濃度は4.7μMとした。その他はEGFR(T790M/L858R)キナーゼ阻害活性測定と同様の材料、測定方法によりIC50値(nM)を得た。
これらの結果を表1に示す。
参考例13乃至16で作製した化合物は、EGFR(L858R)、EGFR(d746−750)のみならず、EGFR(T790M/L858R)、EGFR(d746−750/T790M)に対しても強力な阻害活性を持つことが確認された。また、これらと比較して、EGFR(WT)に対しては阻害活性が弱いことが確認された。
実施例1
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
参考例1で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(6.0 g)のテトラヒドロフラン(42ml)溶液に、窒素雰囲気下、室温下で9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンの0.5Mテトラヒドロフラン溶液(141.3ml)を加え、室温にて2時間攪拌した。反応液に2N水酸化ナトリウム水溶液(84.8ml)を室温にてゆっくり加えた後、減圧下に脱気して、窒素雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.70g)を加え、66度で12時間攪拌した。反応液を冷却後、有機層を分取し、20%塩化アンモニウム水溶液(60ml)で洗浄し、有機層にSHシリカゲル(6.0g)を加え、窒素雰囲気下、50度で14時間攪拌した後、濾過した。濾液に再びSHシリカゲル(富士シリシア社製、6.0g)を加え、窒素雰囲気下、50度で14時間攪拌した後、濾過した。濾液から溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール)にて精製し、表題化合物4.46g(収率:88%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.48(9H,s),1.91−2.00(1H,m),2.12−2.19(1H,m),2.98−3.11(2H,m),4.00(1H,dd,J=12.7,7.1 Hz),4.32(1H,brs),4.55(1H,dd,J=12.7,4.6 Hz),4.81−4.83(1H,m),4.90(2H,brs),7.61−7.65(1H,m),7.75−7.80(1H,m),7.88(1H,d,J=8.0 Hz),8.16−8.18(2H,m),8.33(1H,s),9.02(1H,d,J=2.2 Hz).
ESI−MS m/z 431(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.48(9H,s),1.91−2.00(1H,m),2.12−2.19(1H,m),2.98−3.11(2H,m),4.00(1H,dd,J=12.7,7.1 Hz),4.32(1H,brs),4.55(1H,dd,J=12.7,4.6 Hz),4.81−4.83(1H,m),4.90(2H,brs),7.61−7.65(1H,m),7.75−7.80(1H,m),7.88(1H,d,J=8.0 Hz),8.16−8.18(2H,m),8.33(1H,s),9.02(1H,d,J=2.2 Hz).
ESI−MS m/z 431(MH+)
実施例2
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
参考例1で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(0.3g)のテトラヒドロフラン(4.5ml)溶液に、窒素雰囲気下、室温にて9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンダイマー(0.431g)を加え、室温下で2時間攪拌した。反応液に4N水酸化ナトリウム水溶液(2.12ml)を室温にてゆっくり加えた後、減圧下に脱気して、窒素雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.136g)を加え、64度で12時間攪拌した。反応液を冷却し、酢酸エチルで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。このとき、生じた不溶物を濾過にて除去した後、有機層を分取した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過後、減圧下にて濃縮することにより粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール)にて精製し、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート203mg(収率:80%)を淡黄色固体として得た。
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
参考例1で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(0.3g)のテトラヒドロフラン(4.5ml)溶液に、窒素雰囲気下、室温にて9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンダイマー(0.431g)を加え、室温下で2時間攪拌した。反応液に4N水酸化ナトリウム水溶液(2.12ml)を室温にてゆっくり加えた後、減圧下に脱気して、窒素雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.136g)を加え、64度で12時間攪拌した。反応液を冷却し、酢酸エチルで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。このとき、生じた不溶物を濾過にて除去した後、有機層を分取した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過後、減圧下にて濃縮することにより粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール)にて精製し、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート203mg(収率:80%)を淡黄色固体として得た。
実施例3
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
参考例1で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(300mg)の1,2−ジメトキシエタン(4.5ml)溶液に、窒素雰囲気下、室温にて9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンダイマー(431mg)を加え、48度で40分間攪拌した。室温に放冷後、反応液に4N水酸化ナトリウム水溶液(2.1ml)を室温にてゆっくり加えた後、減圧下に脱気して、窒素雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(136mg)を加え、79度で5時間攪拌した。反応液を冷却し、酢酸エチルで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。このとき、生じた不溶物を濾過にて除去した後、有機層を分取した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過後、減圧下にて濃縮することにより粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール)にて精製し、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート0.190g(収率:75%)を淡黄色固体として得た。
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
参考例1で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(300mg)の1,2−ジメトキシエタン(4.5ml)溶液に、窒素雰囲気下、室温にて9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンダイマー(431mg)を加え、48度で40分間攪拌した。室温に放冷後、反応液に4N水酸化ナトリウム水溶液(2.1ml)を室温にてゆっくり加えた後、減圧下に脱気して、窒素雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(136mg)を加え、79度で5時間攪拌した。反応液を冷却し、酢酸エチルで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。このとき、生じた不溶物を濾過にて除去した後、有機層を分取した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過後、減圧下にて濃縮することにより粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール)にて精製し、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート0.190g(収率:75%)を淡黄色固体として得た。
実施例4
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1における水酸化ナトリウム水溶液の代わりに4N水酸化リチウム水溶液(1.8ml)を用い、実施例1と同様に処理して、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート224mg(収率:88%)を淡黄色固体として得た。
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1における水酸化ナトリウム水溶液の代わりに4N水酸化リチウム水溶液(1.8ml)を用い、実施例1と同様に処理して、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート224mg(収率:88%)を淡黄色固体として得た。
実施例5
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1における水酸化ナトリウム水溶液の代わりに4N水酸化カリウム水溶液(1.8ml)を用い、実施例1と同様に処理して、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート198mg(収率:78%)を淡黄色固体として得た。
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1における水酸化ナトリウム水溶液の代わりに4N水酸化カリウム水溶液(1.8ml)を用い、実施例1と同様に処理して、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート198mg(収率:78%)を淡黄色固体として得た。
実施例6
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1における水酸化ナトリウム水溶液の代わりに4N水酸化セシウム水溶液(1.8ml)を用い、実施例1と同様に処理して、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート202mg(収率:80%)を淡黄色固体として得た。
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1における水酸化ナトリウム水溶液の代わりに4N水酸化セシウム水溶液(1.8ml)を用い、実施例1と同様に処理して、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート202mg(収率:80%)を淡黄色固体として得た。
実施例7
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1におけるテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の代わりにトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(34mg)、トリフェニルホスフィン(39mg)を用い、実施例1と同様に処理して、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート194mg(収率:76%)を淡黄色固体として得た。
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1におけるテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の代わりにトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(34mg)、トリフェニルホスフィン(39mg)を用い、実施例1と同様に処理して、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート194mg(収率:76%)を淡黄色固体として得た。
実施例8
(R)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1における(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに参考例2で得られた(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート6.70gを用い、実施例1と同様に処理して、(R)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート4.76g(収率:84%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.48(9H,s),1.91−2.00(1H,m),2.12−2.19(1H,m),2.98−3.11(2H,m),4.00(1H,dd,J=12.7,7.1 Hz),4.32(1H,brs),4.55(1H,dd,J=12.7,4.6 Hz),4.81−4.83(1H,m),4.90(2H,brs),7.61−7.65(1H,m),7.75−7.80(1H,m),7.88(1H,d,J=8.0 Hz),8.16−8.18(2H,m),8.33(1H,s),9.02(1H,d,J=2.2 Hz).
ESI−MS m/z 431(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.48(9H,s),1.91−2.00(1H,m),2.12−2.19(1H,m),2.98−3.11(2H,m),4.00(1H,dd,J=12.7,7.1 Hz),4.32(1H,brs),4.55(1H,dd,J=12.7,4.6 Hz),4.81−4.83(1H,m),4.90(2H,brs),7.61−7.65(1H,m),7.75−7.80(1H,m),7.88(1H,d,J=8.0 Hz),8.16−8.18(2H,m),8.33(1H,s),9.02(1H,d,J=2.2 Hz).
ESI−MS m/z 431(MH+)
実施例9
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに参考例3で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート2.84 gを用い、実施例1と同様に処理して、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート1.10g(収率:49%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.38(s,9H),1.62−1.81(m,1H),1.89−2.02(m,1H),2.73−2.89(m,1H),2.91−3.06(m,1H),3.60(dd,J=12.30,8.88 Hz,1H),3.79−3.93(m,1H),4.23(dd,J=12.30,4.78 Hz,1H),6.17(s,1H),6.74(brs,2H),7.16(d,J=6.15 Hz,1H),7.94(s,1H).
ESI−MS m/z 304(MH+)
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.38(s,9H),1.62−1.81(m,1H),1.89−2.02(m,1H),2.73−2.89(m,1H),2.91−3.06(m,1H),3.60(dd,J=12.30,8.88 Hz,1H),3.79−3.93(m,1H),4.23(dd,J=12.30,4.78 Hz,1H),6.17(s,1H),6.74(brs,2H),7.16(d,J=6.15 Hz,1H),7.94(s,1H).
ESI−MS m/z 304(MH+)
実施例10
(R)−tert−ブチル (4−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (4−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1における(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに参考例4で得られた(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート0.9gを用い、実施例1と同様に処理して、(R)−tert−ブチル (4−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマート0.54 g(収率:76%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.38(s,9H),1.62−1.81(m,1H),1.89−2.02(m,1H),2.73−2.89(m,1H),2.91−3.06(m,1H),3.60(dd,J=12.30,8.88 Hz,1H),3.79−3.93(m,1H),4.23(dd,J=12.30,4.78 Hz,1H),6.17(s,1H),6.74(brs,2H),7.16(d,J=6.15 Hz,1H),7.94(s,1H).
ESI−MS m/z 304(MH+)
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.38(s,9H),1.62−1.81(m,1H),1.89−2.02(m,1H),2.73−2.89(m,1H),2.91−3.06(m,1H),3.60(dd,J=12.30,8.88 Hz,1H),3.79−3.93(m,1H),4.23(dd,J=12.30,4.78 Hz,1H),6.17(s,1H),6.74(brs,2H),7.16(d,J=6.15 Hz,1H),7.94(s,1H).
ESI−MS m/z 304(MH+)
実施例11
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに参考例5で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート1.0gを用い、実施例1と同様に処理して、(S)−tert−ブチル (4−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カーバメート0.48 g(収率:68%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.38(s,9H),1.62−1.81(m,1H),1.89−2.02(m,1H),2.73−2.89(m,1H),2.91−3.06(m,1H),3.60(dd,J=12.30,8.88 Hz,1H),3.79−3.93(m,1H),4.23(dd,J=12.30,4.78 Hz,1H),6.17(s,1H)6.74(brs,2H),7.16(d,J=6.15 Hz,1H),7.94(s,1H).
ESI−MS m/z 304(MH+)
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.38(s,9H),1.62−1.81(m,1H),1.89−2.02(m,1H),2.73−2.89(m,1H),2.91−3.06(m,1H),3.60(dd,J=12.30,8.88 Hz,1H),3.79−3.93(m,1H),4.23(dd,J=12.30,4.78 Hz,1H),6.17(s,1H)6.74(brs,2H),7.16(d,J=6.15 Hz,1H),7.94(s,1H).
ESI−MS m/z 304(MH+)
実施例12
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−シクロプロピル−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1における(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに参考例6で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−シクロプロピル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(270.0mg)を用い、実施例1と同様に処理して、表題化合物 112.7mg(収率:51%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.60−0.71(2H,m),0.90−1.00(2H,m),1.46(9H,s),1.50−2.15(3H,m),2.84−3.10(2H,m),3.85(1H,dd,J=12.2,6.8 Hz),4.20(1H,brs),4.36(1H,dd,J=12.2,4.8 Hz),4.72(1H,brs),5.59(2H,brs),8.20(1H,s).
ESI−MS m/z 344(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:0.60−0.71(2H,m),0.90−1.00(2H,m),1.46(9H,s),1.50−2.15(3H,m),2.84−3.10(2H,m),3.85(1H,dd,J=12.2,6.8 Hz),4.20(1H,brs),4.36(1H,dd,J=12.2,4.8 Hz),4.72(1H,brs),5.59(2H,brs),8.20(1H,s).
ESI−MS m/z 344(MH+)
実施例13
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1における(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに参考例7で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−フェニル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマート(1.57g)を用い、実施例1と同様に処理して、表題化合物922 mg(収率:71%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.47(9H,s),1.83−1.96(1H,m),2.07−2.15(1H,m),2.92−3.05(2H,m),3.96(1H,dd,J=12.6,7.2 Hz),4.23−4.35(1H,m),4.50(1H,dd,J=12.6,4.8 Hz),4.72−4.82(1H,m),4.91−5.05(2H,m),7.34−7.41(3H,m),7.45−7.49(2H,m),8.29(1H,s).
ESI−MS m/z 380(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.47(9H,s),1.83−1.96(1H,m),2.07−2.15(1H,m),2.92−3.05(2H,m),3.96(1H,dd,J=12.6,7.2 Hz),4.23−4.35(1H,m),4.50(1H,dd,J=12.6,4.8 Hz),4.72−4.82(1H,m),4.91−5.05(2H,m),7.34−7.41(3H,m),7.45−7.49(2H,m),8.29(1H,s).
ESI−MS m/z 380(MH+)
実施例14
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−9−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−9−イル)カルバマートの合成
実施例1における(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに参考例8で得られた(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマート(2.0g)を用い、実施例1と同様に処理して、表題化合物1.56g(収率:92%)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.43(9H,s),1.77−1.89(2H,m),1.95−2.14(2H,m),2.71−2.84(1H,m),2.86−3.00(1H,m),4.00−4.15(1H,m),4.24−4.40(1H,m),4.40−4.50(1H,m),4.84(3H,brs),7.62−7.66(1H,m),7.77−7.81(1H,m),7.89−7.91(1H,m),8.18−8.20(2H,m),8.33(1H,s),8.98(1H,d,J=1.5 Hz).
ESI−MS m/z 445(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.43(9H,s),1.77−1.89(2H,m),1.95−2.14(2H,m),2.71−2.84(1H,m),2.86−3.00(1H,m),4.00−4.15(1H,m),4.24−4.40(1H,m),4.40−4.50(1H,m),4.84(3H,brs),7.62−7.66(1H,m),7.77−7.81(1H,m),7.89−7.91(1H,m),8.18−8.20(2H,m),8.33(1H,s),8.98(1H,d,J=1.5 Hz).
ESI−MS m/z 445(MH+)
実施例15
(R)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−9−イル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−9−イル)カルバマートの合成
実施例1における(S)−tert−ブチル(1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに参考例9で得られた(R)−tert−ブチル(1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−4−エン−2−イル)カルバマート(690mg)を用い、実施例1と同様に処理して、表題化合物429mg(収率:73%)を黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.43(9H,s),1.77−1.89(2H,m),1.95−2.14(2H,m),2.71−2.84(1H,m),2.86−3.00(1H,m),4.00−4.15(1H,m),4.24−4.40(1H,m),4.40−4.50(1H,m),4.84(3H,brs),7.62−7.66(1H,m),7.77−7.81(1H,m),7.89−7.91(1H,m),8.18−8.20(2H,m),8.33(1H,s),8.98(1H,d,J=1.5 Hz).
ESI−MS m/z 445(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.43(9H,s),1.77−1.89(2H,m),1.95−2.14(2H,m),2.71−2.84(1H,m),2.86−3.00(1H,m),4.00−4.15(1H,m),4.24−4.40(1H,m),4.40−4.50(1H,m),4.84(3H,brs),7.62−7.66(1H,m),7.77−7.81(1H,m),7.89−7.91(1H,m),8.18−8.20(2H,m),8.33(1H,s),8.98(1H,d,J=1.5 Hz).
ESI−MS m/z 445(MH+)
実施例16
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−8−イル)カルバマートの合成
(S)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[5’,4’:4,5]ピロロ[1,2−a]アゼピン−8−イル)カルバマートの合成
実施例1における(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに参考例10で得られた(R)−tert−ブチル (5−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ペンタ−1−エン−3−イル)カルバマート(994mg)を用い、実施例1と同様に処理して、表題化合物439mg(収率:52%)を黄色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.46(9H,s),2.18−2.28(1H,m),2.32−2.42(1H,m),2.65−2.77(1H,m),2.99−3.08(1H,m),3.80−3.97(2H,m),4.53−4.62(1H,m),4.80(2H,brs),4.97−5.11(1H,m),7.61−7.66(1H,m),7.76−7.81(1H,m),7.88(1H,d,J=8.0 Hz),8.15−8.20(2H,m),8.33(1H,s),8.97(1H,d,J=2.2 Hz).
ESI−MS m/z 445(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.46(9H,s),2.18−2.28(1H,m),2.32−2.42(1H,m),2.65−2.77(1H,m),2.99−3.08(1H,m),3.80−3.97(2H,m),4.53−4.62(1H,m),4.80(2H,brs),4.97−5.11(1H,m),7.61−7.66(1H,m),7.76−7.81(1H,m),7.88(1H,d,J=8.0 Hz),8.15−8.20(2H,m),8.33(1H,s),8.97(1H,d,J=2.2 Hz).
ESI−MS m/z 445(MH+)
実施例17
(R)−8−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−4−アミンの合成
(R)−8−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−4−アミンの合成
実施例1における(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに参考例11で得られた(R)−6−ブロモ−7−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ブタ−3−エン−1−イル)−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(1.0g)を用い、実施例1と同様に処理して、(R)−8−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−4−アミン546mg(収率:64%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.14(3H,s),0.15(3H,s),0.91(9H,s),1.97−2.02(2H,m),2.85−2.92(2H,m),3.14−3.22(1H,m),4.11−4.18(1H,m),4.28−4.33(1H,m),4.41−4.46(1H,m),4.95(2H,brs),7.61−7.65(1H,m),7.75−7.79(1H,m),7.88−7.90(1H,m),8.16−8.18(2H,m),8.35(1H,s),9.04(1H,d,J=2.0 Hz).
ESI−MS m/z 446(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:0.14(3H,s),0.15(3H,s),0.91(9H,s),1.97−2.02(2H,m),2.85−2.92(2H,m),3.14−3.22(1H,m),4.11−4.18(1H,m),4.28−4.33(1H,m),4.41−4.46(1H,m),4.95(2H,brs),7.61−7.65(1H,m),7.75−7.79(1H,m),7.88−7.90(1H,m),8.16−8.18(2H,m),8.35(1H,s),9.04(1H,d,J=2.0 Hz).
ESI−MS m/z 446(MH+)
実施例18
(R)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)(メチル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)(メチル)カルバマートの合成
実施例1における(S)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)カルバマートの代わりに参考例12で得られた(R)−tert−ブチル (1−(4−アミノ−6−ブロモ−5−(キノリン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)ブタ−3−エン−2−イル)(メチル)カルバマート(800mg)を用い、実施例1と同様に処理して、(R)−tert−ブチル (4−アミノ−5−(キノリン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[5,4−b]インドリジン−8−イル)(メチル)カルバマート432mg(収率:64%)を淡褐色固体として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.51(9H,s),1.94−2.18(2H,m)1.95−2.18(2H,m),2.83−2.93(1H,m),2.88(3H,s),3.01−3.15(2H,m),3.91(1H,t,J=11.4Hz),4.54−4.64(1H,m),4.86(2H,brs),7.62(1H,t,J=6.8Hz),7.77(1H,t,J=6.8Hz),7.88(1H,d,J=8.0Hz),8.16(2H,s),8.34(1H,s),9.02(1H,d,J=2.4Hz).
ESI−MS m/z 445(MH+)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.51(9H,s),1.94−2.18(2H,m)1.95−2.18(2H,m),2.83−2.93(1H,m),2.88(3H,s),3.01−3.15(2H,m),3.91(1H,t,J=11.4Hz),4.54−4.64(1H,m),4.86(2H,brs),7.62(1H,t,J=6.8Hz),7.77(1H,t,J=6.8Hz),7.88(1H,d,J=8.0Hz),8.16(2H,s),8.34(1H,s),9.02(1H,d,J=2.4Hz).
ESI−MS m/z 445(MH+)
比較例1
2価のパラジウム触媒を用いた製造方法
国際公開2006/102079号パンフレット記載の方法に準じて実施例1の化合物を製造した。即ち、実施例1におけるテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の代わりに1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(32mg)を用い、実施例1と同様に処理して、実施例1化合物21mg(収率:25%)を淡黄色固体として得た。
2価のパラジウム触媒を用いた製造方法
国際公開2006/102079号パンフレット記載の方法に準じて実施例1の化合物を製造した。即ち、実施例1におけるテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の代わりに1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド(32mg)を用い、実施例1と同様に処理して、実施例1化合物21mg(収率:25%)を淡黄色固体として得た。
比較例2
炭酸セシウムを用いた製造方法
Synthesis 2010,No.127,2092−2100記載の方法に準じて実施例1の化合物を製造した。即ち、実施例1における水酸化ナトリウム水溶液の代わりに炭酸セシウム(2.3g)、水(1.8ml)を用い、実施例1と同様に処理して、実施例1化合物88mg(収率:35%)を淡黄色固体として得た。
炭酸セシウムを用いた製造方法
Synthesis 2010,No.127,2092−2100記載の方法に準じて実施例1の化合物を製造した。即ち、実施例1における水酸化ナトリウム水溶液の代わりに炭酸セシウム(2.3g)、水(1.8ml)を用い、実施例1と同様に処理して、実施例1化合物88mg(収率:35%)を淡黄色固体として得た。
以上より、本発明の製造方法によれば、ピロロピリミジン環を含む三環性化合物を副生成物の生成を抑え高収率で製造することができることが確認された。
Claims (12)
- [I]式(2)
mは、0〜2の整数であり;
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数であり;
Xは、ハロゲン原子であり;
R1は、水素原子、またはハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいハロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル−アルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいハロアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルコキシ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル−アルコキシ基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル−アルキルチオ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいシクロアルキル−アルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、オキソ基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、飽和若しくは不飽和複素環基、芳香族炭化水素基、及び飽和複素環オキシ基から選択される官能基若しくは該官能基のいずれかが保護基により保護された基であり;
R2及びR2'の一方は、
低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基、
置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基、又は
アラルキル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、tert−ブチルスルファニル基及び3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基からなる群より選択される保護基により保護されたチオール基であり;
R2及びR2'のもう一方は、水素原子であり;
R3は、置換基を有していてもよいアミノ基を示す。)
で表される化合物又はその塩に、有機ボラン試薬を作用させる工程、及び[II]アルカリ金属水酸化物の存在下、0価パラジウム触媒を用いて、上記工程[I]の反応生成物の分子内環化反応をさせる工程
を含む、式(1)
- 0価パラジウム触媒がテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である、請求項1に記載の製造方法。
- アルカリ金属水酸化物が水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化セシウムである、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 有機ボラン試薬が9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)又は9−BBN(9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン)ダイマーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- Xが、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1が、水素原子、置換基を有していてもよいC1−C6アルキル基、置換基を有していてもよいC3−C10シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC6−C14芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい4〜10員の飽和複素環基、又は置換基を有していてもよい4〜10員の不飽和複素環基であり;
R2及びR2'の一方が、低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基又は置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり、
R2及びR2'のもう一方が、水素原子であり;
R3がアミノ基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。 - m及びnが、(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2)であり;
Xが、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1が、水素原子、C3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は4〜10員の不飽和複素環基であり;
R2及びR2'の一方が、低級アルキルシリル基、低級アルキルジフェニルシリル基、低級アルキル低級アルコキシフェニルシリル基、及び低級アルコキシジフェニルシリル基からなる群より選択される保護基により保護された水酸基又は置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R2及びR2'のもう一方が、水素原子であり;
R3がアミノ基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。 - m及びnが、(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2)であり;
Xが、臭素原子又はヨウ素原子であり;
R1が、水素原子、シクロプロピル基、フェニル基、又はキノリル基であり;
R2及びR2'の一方が、tert−ブチルジメチルシリル基により保護された水酸基又はtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基を示し、
R2及びR2' のもう一方が、水素原子であり;
R3がアミノ基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。 - 式(1')
mは、0〜2の整数であり;
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数であり;
R3は、置換基を有していてもよいアミノ基を示し;
R6及びR6'の一方は、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R6及びR6'のもう一方は、水素原子を示す。)
で表される化合物又はその塩。 - m及びnが、(m,n)=(0,1)、(1,1)、(0,2)、(2,1)又は(1,2)であり;
R3がアミノ基であり;
R6及びR6'の一方が置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R6及びR6'のもう一方が水素原子である、請求項8に記載の化合物又はその塩。 - m及びnが、(m,n)=(0,1)、(1,1)、又は(0,2)であり;
R3がアミノ基であり;
R6及びR6'の一方がtert−ブトキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C4アルキルアミノ基であり;
R6及びR6'のもう一方が水素原子である、請求項8又は9に記載の化合物又はその塩。 - [iii]下記一般式(1')
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数であり;
R3は、置換基を有していてもよいアミノ基を示し;
R6及びR6'の一方は、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R6及びR6'のもう一方は、水素原子を示す。]
で表される化合物又はその塩の、R6及びR6'の一方で表される置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基を脱保護する工程、及び
[iv]上記工程[iii]で脱保護された化合物又はその塩をアミド化する工程
を含む、一般式(16)
で表される基であり;
、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、又は一般式(a):
−CH2−N(R12)(R13) (a)
(式中、R12及びR13は、同一又は相異なって、水素原子又はC1−C4アルキル基を示すか、もしくはR12及びR13は、これらが結合する窒素原子と共に4〜6員環のヘテロシクロアルキル基を形成しても良い。)
で表される基である。)
R7及びR7'のもう一方は、水素原子を示す。]
で表されるキノリルピロロピリミジル縮合環化合物又はその塩の製造方法。 - [i]式(2')
mは、0〜2の整数であり;
nは、0≦m+n≦3を満たす0以上の整数であり;
Xは、ハロゲン原子であり;
R6及びR6'の一方は、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基により保護されたアミノ基もしくはC1−C6アルキルアミノ基であり;
R6及びR6'のもう一方は、水素原子を示し;
R3は、置換基を有していてもよいアミノ基を示す。)
で表される化合物又はその塩に、有機ボラン試薬を作用させる工程、及び
[ii]アルカリ金属水酸化物の存在下、0価パラジウム触媒を用いて、上記工程[i]の反応生成物の分子内環化反応をさせて、式(1')
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