JP5850257B2 - 端子台 - Google Patents
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Description
このような構成の端子台によると、端子台の締結座に導電部材が載置される際に、案内部によって導電部材を締結座に案内することができると共に、姿勢矯正部によって導電部材の幅方向の姿勢を矯正することができる。これにより、導電部材間の絶縁距離を確保しつつ、導電部材と相手側導電部材とをボルト締結することができる。
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
このような構成によると、突出部によって姿勢矯正部の強度を向上させることができる。また、導電部材が引き出された方向にずれた状態でボルト締結される場合には、導電部材に突出部が幅方向に当接することにより、導電部材の姿勢をより正規の姿勢に近づけるように矯正することができる。つまり、突出部が、補強機能と姿勢矯正機能の2つの機能を兼ね備えているから、姿勢矯正部に補強部と姿勢矯正部の2つを別々に設ける場合に比べて、姿勢矯正部の構造が複雑になることを抑制することができる。
このような構成によると、姿勢矯正部を蛇行させるだけで、姿勢矯正部の幅方向の強度を向上させることができる。これにより、姿勢矯正部が導電部材の引き出し方向に真っ直ぐ延びて形成されている場合に比べて、導電部材が姿勢矯正部に当接したり、或いは他の部材が姿勢矯正部に当接したりする際に、姿勢矯正部が幅方向に倒れることを抑制することができる。
本発明の実施形態1について図1乃至図15を参照して説明する。
本実施形態は、電気自動車やハイブリッド車などの車両に搭載される金属製のモータケース(図示せず)に取り付けられ、モータケース内に収容された三相交流型のモータから延びるエナメル電線(図示せず)に接続される三極の端子(「導電部材」の一例)Tと、インバータから延びる三極のバスバー(「相手側導電部材」の一例)Bとを電気的に接続する端子台10を例示している。尚、以下の説明において、上下方向とは図2における上下方向を基準とし、前後方向とは図9における上下方向を基準とし、バスバーBが配される側(図示上側)を前側として説明する。
端子Tは、図8乃至図10に示すように、ナット20に載置される平板状のボルト締結部T1と、複数のエナメル電線が接続されるバレル部(「電線固着部」の一例)T2とを備え、ボルト締結部T1よりもバレル部T2が上側に配されるようにボルト締結部T1とバレル部T2との間をクランク状に連結した形態とされている。ボルト締結部T1には上下方向に貫通するボルト挿通孔T3が設けられている。また、バレル部T2は、幅方向に横長な長円筒形状をなしており、幅方向両端部が丸みを帯びた形態とされている。
また、両側のナット20には、中性点用の端子Tのボルト締結部T1が上方から載置され、ボルト締結部T1のボルト挿通孔T3にボルトBTを挿通してナット20のボルト締結孔21に締め込むことにより、図11に示すように、中性点用の端子Tがナット20にボルト締結される。
また、ナット20に各端子Tのボルト締結部T1が固定されると、端子Tのバレル部T2がナット20よりも後方に配された状態となる。
また、絶縁プレート30の底板31には、下方に突出することで有底の凹状に形成された複数のボルト逃がし凹部32が設けられている。各ボルト逃がし凹部32は、絶縁プレート30の上面に配されたナット20のボルト締結孔21に対応して設けられており、ナット20に対してボルトBTが締め込まれた際に、ボルトBTの先端を逃がすことで、ボルトBTと絶縁プレート30とが干渉することを防いでいる。
埋設部41の上面には、同埋設部41の上面のほぼ全てを覆うようにして絶縁プレート30が載置されている。また、埋設部41の上面には、絶縁プレート30のボルト逃がし凹部32が嵌合可能な嵌合凹部43が幅方向に複数並んで設けられており、この嵌合凹部43にボルト逃がし凹部32が嵌合されることで、埋設部41の上面に絶縁プレート30が位置ずれすることなく組み付けられるようになっている。
姿勢矯正部55は、取付部42の上面から上方に立ち上がった形態をなしており、4つの姿勢矯正部55のうち、幅方向両側に配された姿勢矯正部55の仕切り壁寄りの位置には、図3に示すように、姿勢矯正部55が幅方向に蛇行することで中央に向かって略クランク状に屈曲されたクランク部55Aがそれぞれ形成されている。
すなわち、本実施形態の突出部56は、姿勢矯正部55を補強する補強機能と端子Tの姿勢を矯正する姿勢矯正機能の2つの機能を兼ね備えているから、補強機能と姿勢矯正機能とを姿勢矯正部にそれぞれ設ける場合に比べて、姿勢矯正部55の構造が複雑になることを抑制することができるようになっている。
取付部42のねじ穴47は、内周面にねじ溝47Aを有した形態とされ、取付部42の上面に略円筒状に突設された肉盛り部48の上面に凹んで形成されている。
第一係止部57は、図7に示すように、取付部42の肉盛り部48を覆うことで取付部42のねじ穴47内に入り込んでねじ穴47のねじ溝47Aに進入した形態をなしている。そして、樹脂部50に対して上方に引っ張る力が作用すると、第一係止部57がねじ溝47Aの上端47Bを下方から係止するようになっている。これにより、ナット20のボルト締結孔21にボルトBTが締め込まれて、ナット20と共に樹脂部50が上方に引っ張られた際に、樹脂部50の後端側において樹脂部50の本体部51とブラケット40の埋設部41とが剥離することを防ぐことができるようになっている。
ところで、ねじ穴は、ドリルなどによって切削されて形成されるが、一般に、ドリルの先端部分では、ねじ溝を形成することができないため、ねじ穴の深さ寸法は、ねじ溝が設けられた部分の高さ寸法よりもさらに深くなる。このため、例えば、取付部に肉盛り部を設けることなく、ねじ溝を所定寸法確保したねじ穴を放熱凹部の上側に形成しようとすると、放熱凹部とねじ穴との間の肉厚を十分確保することができず、ねじ穴を放熱凹部の上側に設けることができなくなってしまう。ところが、上記の構成によると、取付部42の上部に設けられた肉盛り部48にねじ穴47を形成しているから、放熱凹部44とねじ穴47との間の肉厚を十分に確保しつつ、取付部42に放熱凹部44とねじ穴47とを上下方向に並べて形成することができる。これにより、例えば、取付部と放熱凹部とを前後方向にずらして形成する場合に比べて、取付部42が大型化することを防ぐことができる。
被係止部49は、ブラケット40の下面よりも一段上がった形態の段付状に形成されており、埋設部41および取付部42の外周面から僅かに内側に凹んだ形態をなしている。
すなわち、本体部51の第一および第二係止部57,58は、埋設部41を全周に亘って取り囲むようにしてブラケット40を下方から係止し、樹脂部50とブラケット40とが上下方向に剥離することを確実に防止している。
しかしながら、本実施形態によると、取付部42を樹脂部50から露出させているから、ブラケット40の放熱性を向上させつつ、樹脂部50が破損することを防ぐことができるようになっている。
まず、モータケースに取り付け固定された端子台10のナット20の上面にインバータから延びるバスバーBを載置し、続けてモータから延びるエナメル電線の端末に接続された端子TをバスバーBに重ねて載置する。
また、端子Tの場合、端子Tが幅方向に回転するなどして、バレル部T2が幅方向にずれていたとしても、姿勢矯正部55がバレル部T2の側縁に対して幅方向から当接することにより、バレル部T2の幅方向の姿勢が矯正され、隣り合うバレル部T2が姿勢矯正部55によって遮られた状態で端子Tがナット20に載置される。
すなわち、本実施形態によると、ナット20上にバスバーBや端子Tが載置される際に、案内部54によってバスバーBや端子Tをナット20上に案内することができると共に、姿勢矯正部55によって端子Tのバレル部T2の幅方向の姿勢を矯正することができる。これにより、隣り合うバレル部T2間の沿面距離(絶縁距離)を確保しつつ、端子TとバスバーBとを確実にナット20上に載置することができるようになっている。
ところが、本実施形態によると、姿勢矯正部55の後端部にのみ補強用の突出部56を設けて、バレル部T2が配される部分の姿勢矯正部55の板厚寸法を薄くしているから、バレル部T2が幅方向に僅かにずれた状態でも隣り合う姿勢矯正部55間にバレル部T2を容易に配置することができる。これにより、姿勢矯正部全体の板厚寸法を大きくする場合に比べて、姿勢矯正部55の幅方向の強度を確保しつつ、端子Tをナット20に載置する組み付け作業性を向上させることができる。
ここで、ボルトBTをナット20に対して締め込む際に、ボルトBTの回転につられて端子Tが回転する虞がある。しかしながら、本実施形態によると、端子Tが回転しようとすると、バレル部T2に対して姿勢矯正部55が幅方向から当接し、端子Tが大きく回転することを防ぐことができる。
ところが、本実施形態によると、樹脂部50の本体部51の後側縁では、第一係止部57が取付部42に設けられたねじ穴47におけるねじ溝47Aの上端47Bを下方から係止し、ブラケット40の前側縁およびブラケット40の幅方向両側縁では、第二係止部58が被係止部49を下方から係止している。すなわち、樹脂部50の本体部51に設けられた第一および第二係止部57,58が埋設部41を全周に亘って取り囲むようにして下方から係止しているから、ブラケット40と樹脂部50とが剥離することを確実に防ぐことができる。
次に、本発明の実施形態2について図16乃至図18を参照して説明する。
実施形態2の端子台11は、実施形態1の肉盛り部48および第一係止部57の形状を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
一方、実施形態2の第一係止部157は、肉盛り部148を上方から覆って切欠部147内に後方から進入した形態をなしており、樹脂部50が上方に引っ張れた際に、第一係止部157が切欠部147を下方から係止するようになっている。
ところが、本実施形態の切欠部147は、例えばT字状のカッターなどの切削工具によって、肉盛り部148を幅方向に一直線に切り欠くことにより、各肉盛り部148に切欠部147をそれぞれ形成することができる。これにより、例えばドリルなどによって、上下方向に切欠部を個別に切り欠く場合に比べて、切削の作業工程を簡略化することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、バスバーBと端子Tとを電気的に接続する構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、端子と端子とを電気的に接続してもよい。
(2)上記実施形態では、放熱凹部44にモータケースの冷媒が循環される構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、取付部の下面に放熱凹部を設けずに、取付部の下面全体がモータケースに密着することでブラケットの熱がモータケースに放熱される構成にしてもよい。
(3)上記実施形態では、ナット20を平面視略矩形状に構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、平面視円形状に構成してもよい。
(4)上記実施形態では、端子台10,11の幅方向両側に中性点用のナット20を設けた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、中性点用のナットは片側のみに設けられた構成にしてもよい。
20:ナット(締結座)
40:ブラケット
54:案内部
55:姿勢矯正部
56:突出部
B:バスバー(相手側導電部材)
BT:ボルト
T:端子(導電部材)
T1:ボルト締結部
T2:バレル部(電線固着部)
Claims (3)
- 機器側から延びる導電部材と相手側導電部材とを接続する端子台であって、
幅方向に複数並んで配置され、ボルトと共に前記導電部材と前記相手側導電部材とを共締めする締結座と、
隣り合う前記締結座の間に設けられ、前記導電部材の側縁部に当接することにより前記導電部材を前記締結座に案内する案内部と、
前記導電部材が前記締結座から外側に引き出された位置に設けられ、前記締結座から外側に引き出された前記導電部材に幅方向から当接することにより、前記導電部材の幅方向の姿勢を矯正する姿勢矯正部と、
前記機器のケースに固定されるブラケットとを備え、
前記導電部材は、前記締結座に上方から載置されるボルト締結部と、電線の端末に固着される電線固着部とを有しており、
隣り合う前記締結座の間には、隣り合う前記締結座を仕切る仕切り壁が立ち上がり形成されており、
前記案内部は、前記仕切り壁の上端部において幅方向両側に斜面を有する三角形状をなす形態で前記ボルト締結部の間に配されるように立ち上がり形成されており、
前記姿勢矯正部は、それぞれが独立するように互いに切り離された状態で前記電線固着部の間に配されるように前記ブラケットから上方に立ち上がって形成されており、
前記姿勢矯正部の下端部は、ブラケットに対して上下方向に係止している端子台。 - 前記姿勢矯正部は、前記導電部材が引き出された方向に延出された板状に形成されており、
前記姿勢矯正部の延出端部には、前記姿勢矯正部の全高に亘って幅方向に突出する突出部が設けられており、
前記突出部は、前記導電部材が引き出された方向にずれた際に、前記導電部材に対して幅方向から当接可能に形成されている請求項1記載の端子台。 - 前記姿勢矯正部は、幅方向に蛇行している請求項2記載の端子台。
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