JP5850250B2 - コンクリート構造材、及びその施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化樹脂膜でコンクリート躯体が覆われているコンクリート構造材、及びその施工方法に関する。
コンクリート構造材には、コンクリート躯体の耐震性等を向上させるために、例えば、以下の特許文献1に記載のように、このコンクリート躯体が繊維強化樹脂膜で覆われているものがある。
ところで、コンクリート躯体は、その性質上、内部に水が浸入するため、この水を排出する必要がある。そこで、この水を排出する技術として、例えば、以下の特許文献2に記載の技術がある。この技術では、複数の漏水処理部材を互いに連結させて、コンクリート躯体の表面に貼り付け、複数の漏水処理材のうちの一の漏水処理材の端部を、排水ピットを臨める位置に配置している。各漏水処理部材は、いずれも、コンクリート躯体の表面に貼り付けられる吸水材と、この吸水材の表面全体を覆う気密シートと、を有している。複数の漏水処理材は、相互の吸水材が互いに接触するように連結されている。
特開2012−62746号公報 特開2001−329697号公報
上記特許文献1に記載の技術では、繊維強化樹脂膜でコンクリート躯体を補強できる一方で、コンクリート躯体に侵入した水を効率的に排出できず、コンクリート躯体自体の強度を低下させてしまう、という問題点がある。
また、上記特許文献2に記載の技術では、コンクリート躯体に侵入した水がいずれの漏水処理材の吸水材に吸水された後、隣接する他の漏水処理材の吸水材に順次吸水され、端部が排水ピットを臨んでいる漏水処理材の吸水材に吸水されてから排水ピットに排出されなければならない。このため、上記特許文献2に記載の技術では、みずみちが長く、コンクリート躯体に侵入した水が排水されない可能性があり、特許文献1に記載の技術と同様、コンクリート躯体自体の強度を低下させるおそれがある、という問題点がある。
そこで、本発明は、このような従来技術の問題点に着目し、コンクリート躯体を繊維強化樹脂膜で覆って、このコンクリート躯体を補強しつつ、このコンクリート躯体に侵入した水を効率的に排出できるコンクリート構造材、及びその施工方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するための発明に係るコンクリート構造材は、
繊維強化樹脂膜でコンクリート躯体が覆われているコンクリート構造材において、前記繊維強化樹脂膜には、前記コンクリート躯体側の一方の面側から他方の面側に貫通する膜開口が形成され、前記繊維強化樹脂膜と前記コンクリート躯体の表面との間に吸水材が配置され、該吸水材の一部が前記膜開口内に位置して外部に露出していることを特徴とする。
当該コンクリート構造材では、コンクリート躯体が繊維強化樹脂膜で覆っているので、このコンクリート躯体を補強することができる。さらに、当該コンクリート構造材では、コンクリート躯体からの水が吸水材に吸水されると、この吸水材中で膜開口から外部に露出している部分から水を効率的に排出することができる。
ここで、前記コンクリート構造材において、前記繊維強化樹脂膜を形成する繊維シートには、前記膜開口の位置及び大きさに対応したシート開口が形成されていることが望ましい。
また、前記コンクリート構造材において、前記吸水材の表面で、前記繊維強化樹脂膜で覆われる部分は、前記繊維強化樹脂膜を形成する樹脂の該吸水材への含侵を防ぐ含侵防止シートで覆われていることが望ましい。
当該コンクリート構造材では、このコンクリート構造材の施工過程で吸水材への樹脂の含侵を防ぐことができ、吸水材の吸水性の低下を防ぐことができる。
また、前記コンクリート構造材において、前記繊維強化樹脂膜を形成する繊維シートは、炭素繊維シートであってもよい。
上記問題点を解決するための発明に係るコンクリート構造材の施工方法は、
繊維強化樹脂膜でコンクリート躯体が覆われているコンクリート構造材の施工方法において、前記繊維強化樹脂膜を形成する繊維シートの一部を切断してシート開口を形成するシート開口形成工程と、前記コンクリート躯体の表面の一部に吸水材を配置する吸水材配置工程と、前記コンクリート躯体の表面及び前記吸水材上に、前記繊維強化樹脂膜を形成する樹脂を塗布する樹脂塗布工程と、前記樹脂が塗布された前記コンクリート躯体の表面に、前記コンクリート躯体の表面に配置された前記吸水材の一部が前記シート開口から臨めるよう、該シート開口が形成されている前記繊維シートを配置する繊維シート配置工程と、前記シート開口から臨める前記吸水材の一部上の前記樹脂を除去する樹脂除去工程と、を実行することを特徴とする。
当該施工方法で施工されたコンクリート構造材は、先に説明したコンクリート構造材と同様、コンクリート躯体を補強しつつ、このコンクリート躯体に侵入した水を効率的に排出できる。
ここで、前記コンクリート構造材の施工方法において、前記吸水材の表面で前記コンクリート躯体の表面と対向していない部分は、前記樹脂の該吸水材への含侵を防ぐ含侵防止シートで覆われており、前記繊維シート配置工程後であって、前記樹脂が完全硬化する前に、前記吸水材を覆っている前記含侵防止シートのうちで、前記シート開口から臨める部分を除去することで、前記樹脂除去工程を実行して、該吸水材の一部を露出させてもよい。
当該施工方法では、吸水材への樹脂の含侵を防ぐことができ、吸水材の吸水性の低下を防ぐことができる。
また、前記コンクリート構造材の施工方法において、前記シート開口形成工程では、前記繊維シートの表面であって前記シート開口の縁になる位置に沿って粘着テープを貼り付け、該粘着テープと共に該繊維シートを切断することが好ましい。
当該施工方法では、繊維シート切断時における炭素繊維の糸相互の相対移動や糸のほつれを抑えている。
また、前記コンクリート構造材の施工方法において、前記繊維シート配置工程後であって、前記樹脂が完全硬化する前に、前記シート開口形成工程で前記繊維シートを切断して、前記繊維シートの前記シート開口の外側に残った前記粘着テープを除去してもよい。
また、前記コンクリート構造材の施工方法において、前記繊維シートは、炭素繊維シートであってもよい。
本発明では、コンクリート躯体を繊維強化樹脂膜で覆って、このコンクリート躯体を補強しつつ、このコンクリート躯体に侵入した水を膜開口から効率的に排出できる。
本発明に係る一実施形態におけるコンクリート構造材の断面図である。 本発明に係る一実施形態におけるコンクリート構造材の施工手順を示すフローチャートである。 本発明に係る一実施形態における炭素繊維シートの斜視図である。 本発明に係る一実施形態における粘着テープを貼り付けた状態の炭素繊維シートの斜視図である。 本発明に係る一実施形態におけるシート開口を形成した後の炭素繊維シートの斜視図である。 本発明に係る一実施形態におけるコンクリート躯体の断面図である。 本発明に係る一実施形態におけるコンクリート躯体に吸着材を配置した際のこれらの断面図である。 本発明に係る一実施形態におけるコンクリート躯体の表面に樹脂を塗布した際のこれらの断面図である。 本発明に係る一実施形態におけるコンクリート躯体に塗布された樹脂中に炭素繊維シートを配置した際のこれらの断面図である。
以下、本発明に係るコンクリート構造材及びその施工方法の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態のコンクリート構造材は、図1に示すように、コンクリート躯体1と、このコンクリート躯体1の表面を覆う繊維強化樹脂膜10と、繊維強化樹脂膜10とコンクリート躯体1の表面との間に配置されている吸水材20と、この吸水材20の表面の一部を覆う含侵防止シート25と、を備えている。
繊維強化樹脂膜10は、炭素繊維シート15と、この炭素繊維シート15に含侵して硬化した樹脂11と、を有して形成されている。すなわち、本実施形態の繊維強化樹脂膜10は、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)膜である。樹脂11としては、ここではエポキシ樹脂を用いている。なお、樹脂11として、この他、他の熱硬化性樹脂、例えば、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等を用いてもよい。
吸水材20は、細径の繊維で形成された不織布又はフェルトを板状にしたものである。繊維として、ここでは、木綿、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維等が用いられる。この板状の吸水材20は、例えば、縦及び横の長さが50mm〜150mm程度で、自然状態(圧縮力を受けていない状態)での厚さが0.1mm〜4mmである。
含侵防止シート25は、繊維強化樹脂膜10を形成する樹脂11が吸水材20に含侵して、その吸水性が低下してしまうのを防止するためのシートである。この含侵防止シート25は、例えば、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等で形成されている。板状の吸水材20の一方の面は、この含侵防止シート25で覆われており、コンクリート構造材の施工過程で、その一部が吸水材20から剥がされる。
吸水材20は、含侵防止シート25で覆われていない面がコンクリート躯体1の表面に接するように、このコンクリート躯体1表面上に配置されている。コンクリート躯体1を覆う繊維強化樹脂膜10には、コンクリート躯体1側から外側に向かって貫通する膜開口12が形成されている。この吸水材20の一部20aは膜開口12内に位置して外部に露出し、残りの部分20bが繊維強化樹脂膜10とコンクリート躯体1の表面と間に位置している。この吸水材20中で、膜開口12から露出している部分20aの表面は、含侵防止シート25で覆われていない。なお、この膜開口12内には、繊維強化樹脂膜10を形成する炭素繊維シート15は存在しない。このため、炭素繊維シート15には、この膜開口12の位置及び大きさに対応したシート開口16が形成されている。ここで、膜開口12の大きさに対応したシート開口16の大きさとは、膜開口12の大きさに対していくらか大きめのことで、膜開口12が大きくなれば、シート開口16もこれに対応して大きくなる。
次に、図2に示すフローチャートに従って、コンクリート構造材の施工方法について説明する。
まず、図3に示すように、繊維強化樹脂膜10を形成する炭素繊維シート15を準備し、図5に示すように、この炭素繊維シート15に以下の手順でシート開口16を形成する(S1)。
シート開口16の形成では、まず、図3に示すように、炭素繊維シート15の表面であってシート開口16の縁になる位置16aに沿って粘着テープ30を貼り付ける。この粘着テープ30の粘着材は、繊維強化樹脂膜10を形成する炭素繊維に対する粘着性より、繊維強化樹脂膜10を形成する樹脂11に対する粘着性が低い粘着材である。また、この粘着テープ30の粘着材の支持材は、繊維強化樹脂膜10を形成する樹脂11に対する接着性が極めて低い材料で形成されている。具体的に、この粘着テープ30は、油が幾分含侵している紙を支持材とし、この支持材の一方の面にアクリル系粘着材が施されている、例えば、医療用粘着紙テープである。
次に、図4及び図5に示すように、カッター等の切断道具35を用いて、炭素繊維シート15でシート開口16の縁となる位置16aを粘着テープ30と共に切断し、炭素繊維シート15にシート開口16を形成する。
特殊な切断機を用いず、カッターや鋏等の通常の切断道具35で炭素繊維シート15を切断すると、炭素繊維の縦糸相互の位置や、炭素繊維の横糸相互の位置、縦糸と横糸との相互の位置がズレてしまう。さらに、炭素繊維シート15は、炭素繊維を束ねた糸で形成されているため、切断時に炭素繊維を束ねた糸がほつれてしまう。すなわち、特殊な切断機を用いず、単に、カッターや鋏等の通常の切断道具35で炭素繊維シート15を切断すると、炭素繊維シート15の切断面が極めて不規則になってしまう。そこで、本実施形態では、切断部に沿って粘着テープ30を貼り付け、切断部における炭素繊維の糸を粘着テープ30で保持することで、この切断部及びその近傍における炭素繊維の糸相互の相対移動や糸のほつれを抑えている。
なお、炭素繊維シート15の切断時には、炭素繊維シート15で粘着テープ30が貼り付けられていない側から切断道具35の刃を差し込んでもよいが、粘着テープ30側から切断道具35の刃を差し込む方が炭素繊維の糸相互の相対移動等をより効果的に抑えることができる。また、この時点では、図5に示すように、シート開口16の縁の外側に残る粘着テープ30aを剥がさない。
次に、図6及び図7に示すように、一方の面が含侵防止シート25で覆われている吸水材20をコンクリート躯体1の表面上に配置する(S2)。この際、板状の吸水材20の表面で、含侵防止シート25で覆われていない他方の面がコンクリート躯体1の表面に接するように配置する。この吸水材20をコンクリート躯体1の表面に固定する方法としては、接着剤を用いて固定する方法や、ピンを用いて固定する方法等がある。なお、接着剤を用いて吸水材20をコンクリート躯体1の表面に固定する場合には、吸水材20の他方の面の全体に接着剤を塗布すると、コンクリート躯体1からの吸水性が低下するため、この吸水材20の他方の面のうちの一部、例えば、外周側の部分のみに接着剤を塗布することが好ましい。
また、図7では、1個の吸水材20しか描いていないが、実際には、コンクリート躯体1の表面に複数の吸水材20を配置する。この際、相互間隔が例えば0.5m〜3mになるよう、複数の吸水材20を配置することが好ましい。但し、仮に、コンクリート躯体1が既設のものであり、このコンクリート躯体1を新たに補強するために、このコンクリート躯体1の表面を繊維強化樹脂膜10で覆う場合には、コンクリート躯体1の表面に亀裂2が現れている部分に吸水材20を配置することを優先し、先に示した相互間隔を確保しなくてもよい。
次に、図8に示すように、繊維強化樹脂膜10を形成する樹脂11をコンクリート躯体1の表面に塗布する(S3)。この際、含侵防止シート25で覆われている吸水材20上にも樹脂11を塗布する。
次に、図9に示すように、コンクリート躯体1の表面に塗布された樹脂11上に、シート開口形成済みの炭素繊維シート15を配置する(S4)。この際、コンクリート躯体1の表面上に配置されている吸水材20の一部20aが炭素繊維シート15のシート開口16内に位置し、残りの部分20bが炭素繊維シート15とコンクリート躯体1の表面との間に位置するよう、炭素繊維シート15を配置する。そして、この炭素繊維シート15の全面にローラーを押し当てる等により、炭素繊維シート15への樹脂11の含侵を促す。
次に、樹脂11が完全硬化する前であって、この樹脂11がある程度硬化した時点で、図9及び図1に示すように、吸水材20を覆っている含侵防止シート25のうちで、シート開口16から臨める部分25aを除去すると共に、炭素繊維シート15上でシート開口16の縁の外側に残っている粘着テープ30aを除去する。この結果、含侵防止シート25のうちで除去された部分25aに塗布されていた樹脂11も併せて除去され、前述の膜開口12が形成され、吸水材20のうちでシート開口16内に位置している部分20aは膜開口12から外部に露出することになる(S5)。
含侵防止シート25の一部25aを除去する際には、含侵防止シート25上でシート開口16の縁に沿った位置にカッター等で切れ目を入れてから、含侵防止シート25の一部25aを除去する。
ところで、この樹脂11がある程度硬化した時点で、炭素繊維シート15を形成する炭素繊維の糸は、この樹脂11によりある程度保持された状態になっている。一方、粘着テープ30は、前述したように、その粘着材が樹脂11に対する粘着性が低い上に、粘着材を支持する支持材も樹脂11に対する接着性が極めて低い材料で形成されている。このため、炭素繊維シート15上に残っている粘着テープ30をこの時点で剥がしても、炭素繊維の糸相互の相対移動や糸のほつれを抑えることができる。
以上で、コンクリート構造材の施工が終了し、樹脂11が完全時硬化した時点で、コンクリート構造材が完成する。
以上、本実施形態では、コンクリート躯体1を繊維強化樹脂膜10で覆っているので、このコンクリート躯体1を補強することができる。
さらに、本実施形態では、このコンクリート躯体1からの水が吸水材20に吸水されると、この吸水材20中で膜開口12から外部に露出している部分から水を効率的に排出することができる。よって、本実施形態では、コンクリート躯体1に侵入した水によりコンクリート躯体1自体の強度低下を抑えることができる。
なお、以上の実施形態では、コンクリート構造材の施工中の最後の工程(S5)で、シート開口16の縁の外側に残っていた粘着テープ30aを剥がしているが、この残っていた粘着テープ30aを剥がさなくてもよい。つまり、完成したコンクリート構造材中に粘着テープ30aを残しておいてもよい。
また、図1に示す例では、吸水材20のうち、比較的多くの部分20aを膜開口12から外部に露出させているが、ほんの僅かの部分を膜開口12から外部に露出させるようにしてもよい。このように、吸水材20のほんの僅かの部分のみを膜開口12から外部に露出させても、この吸水材20が吸水した水を十分に外部に排出することできる。さらに、吸水材20の大部分がコンクリート躯体1の表面と繊維強化樹脂膜10との間に位置することになるため、この吸水材20を長期間に渡って安定支持することができる。
また、本実施形態の繊維強化樹脂膜10は、炭素繊維シートを含む炭素繊維強化樹脂(CFRP)膜であるが、本発明はこれに限定されず、例えばガラス繊維シートを含むガラス繊維強化樹脂膜であってもよい。
1…コンクリート躯体、2…亀裂、10…繊維強化樹脂膜、11…樹脂、12…膜開口、15…炭素繊維シート、16…シート開口、20…吸水材、25…含侵防止シート、30…粘着テープ

Claims (9)

  1. 繊維強化樹脂膜でコンクリート躯体が覆われているコンクリート構造材において、
    前記繊維強化樹脂膜には、前記コンクリート躯体側の一方の面側から他方の面側に貫通する膜開口が形成され、
    前記繊維強化樹脂膜と前記コンクリート躯体の表面との間に吸水材が配置され、該吸水材の一部が前記膜開口内に位置して外部に露出している、
    ことを特徴とするコンクリート構造材。
  2. 請求項1に記載のコンクリート構造材において、
    前記繊維強化樹脂膜を形成する繊維シートには、前記膜開口の位置及び大きさに対応したシート開口が形成されている、
    ことを特徴とするコンクリート構造材。
  3. 請求項1又は2に記載のコンクリート構造材において、
    前記吸水材の表面で、前記繊維強化樹脂膜で覆われる部分は、前記繊維強化樹脂膜を形成する樹脂の該吸水材への含侵を防ぐ含侵防止シートで覆われている、
    ことを特徴とするコンクリート構造材。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のコンクリート構造材において、
    前記繊維強化樹脂膜を形成する繊維シートは、炭素繊維シートである、
    ことを特徴とするコンクリート構造材。
  5. 繊維強化樹脂膜でコンクリート躯体が覆われているコンクリート構造材の施工方法において、
    前記繊維強化樹脂膜を形成する繊維シートの一部を切断してシート開口を形成するシート開口形成工程と、
    前記コンクリート躯体の表面の一部に吸水材を配置する吸水材配置工程と、
    前記コンクリート躯体の表面及び前記吸水材上に、前記繊維強化樹脂膜を形成する樹脂を塗布する樹脂塗布工程と、
    前記樹脂が塗布された前記コンクリート躯体の表面に、前記コンクリート躯体の表面に配置された前記吸水材の一部が前記シート開口から臨めるよう、該シート開口が形成されている前記繊維シートを配置する繊維シート配置工程と、
    前記シート開口から臨める前記吸水材の一部上の前記樹脂を除去する樹脂除去工程と、
    を実行することを特徴とするコンクリート構造材の施工方法
  6. 請求項5に記載のコンクリート構造材の施工方法において、
    前記吸水材の表面で前記コンクリート躯体の表面と対向していない部分は、前記樹脂の該吸水材への含侵を防ぐ含侵防止シートで覆われており、
    前記繊維シート配置工程後であって、前記樹脂が完全硬化する前に、前記吸水材を覆っている前記含侵防止シートのうちで、前記シート開口から臨める部分を除去することで、前記樹脂除去工程を実行して、該吸水材の一部を露出させる、
    ことを特徴とするコンクリート構造材の施工方法。
  7. 請求項5又は6に記載のコンクリート構造材の施工方法において、
    前記シート開口形成工程では、前記繊維シートの表面であって前記シート開口の縁になる位置に沿って粘着テープを貼り付け、該粘着テープと共に該繊維シートを切断する、
    ことを特徴とするコンクリート構造材の施工方法。
  8. 請求項7に記載のコンクリート構造材の施工方法において、
    前記繊維シート配置工程後であって、前記樹脂が完全硬化する前に、前記シート開口形成工程で前記繊維シートを切断して、前記繊維シートの前記シート開口の外側に残った前記粘着テープを除去する、
    ことを特徴とするコンクリート構造材の施工方法。
  9. 請求項5から8のいずれか一項に記載のコンクリート構造材の施工方法において、
    前記繊維シートは、炭素繊維シートである、
    ことを特徴とするコンクリート構造材の施工方法。
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