JP5850210B1 - バルブ、流体制御装置 - Google Patents

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Abstract

流体制御装置(100)は、圧電ポンプ(10)と吸入器(9)とバルブ(101)とを備える。圧電ポンプ(10)は、気体の吸引孔(53)と気体の吐出孔(24)とを有する。吸入器(9)は、容器(90)と吸入口(91)と接続孔(92)とを有する。バルブ(101)は、第1通気孔(111)と第2通気孔(112)と第3通気孔(113)と第1弁筺体(191)と第2弁筺体(192)とダイヤフラム(120)とを有する。バルブ(101)の第1通気孔(111)は吸入器(9)の接続孔(92)に接続する。バルブ(101)の第2通気孔(112)は圧電ポンプ(10)の吸引孔(53)に接続する。バルブ(101)の第3通気孔(113)は大気開放されている。ダイヤフラム(120)は、第1弁筺体(191)及び第2弁筺体(192)に挟持され、第1領域と第2領域を構成する。

Description

この発明は、気体の流れを切り替えるバルブ、及び当該バルブを備える流体制御装置に関する。
従来、気体の流れをバルブによって制御する流体制御装置が各種考案されている。例えば特許文献1には、ポンプとバルブとを備える流体制御装置が開示されている。
ポンプは、空気の吸引孔と空気の吐出孔とを有している。
バルブは、ダイヤフラムと第1弁筐体と第2弁筐体とを備え、それらが順に積層された構造を有している。さらに、バルブには、通気孔と排気口とカフ接続口とが設けられている。通気孔には、ポンプの吐出孔が接続されている。排気口は大気開放されている。カフの腕帯ゴム管がバルブのカフ接続口に接続されることにより、流体制御装置がカフに接続されている。
以上の構成において、特許文献1の流体制御装置は、ポンプを駆動し、空気をポンプの吐出孔からバルブ内へ吐出する。バルブ内へ吐出された空気は、カフ接続口からカフ内へ流入する。
これにより、特許文献1の流体制御装置は、カフ(容器)内に圧縮空気を充填している。そして、特許文献1の流体制御装置は、ポンプの駆動を停止し、カフ(容器)内の圧縮空気を排気口から排気している。
国際公開第2012/141113号パンフレット
しかしながら、特許文献1の流体制御装置は、容器内から気体を吸入して、容器内の圧力を負圧にする装置ではない。そのため、特許文献1の流体制御装置は、容器内から気体を吸入して、容器内の圧力を負圧にする用途には適さなかった。
本発明の目的は、容器内から気体を吸入して容器内の圧力を負圧にした後、容器内に気体を流入させて容器内の圧力を戻すことができるバルブ、及び当該バルブを備える流体制御装置を提供することにある。
本発明のバルブは、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
(1)第1通気孔、第2通気孔、及び第3通気孔が形成された弁筐体と、
弁筐体内を分割して弁筐体内に第1領域及び第2領域を構成するダイヤフラムと、を有し、
ダイヤフラムは、
弁筐体内において第1通気孔に連通する第1領域の圧力が、弁筐体内において第2通気孔に連通する第2領域の圧力よりも高い場合、第1通気孔と第2通気孔とを連通させるとともに、第1通気孔および第2通気孔と第3通気孔との連通を遮断し、
第1領域の圧力が第2領域の圧力よりも低い場合、第1通気孔と第3通気孔とを連通させるよう、弁筐体に固定されている。
この構成では、例えば、吸入口を有する吸入器を第1通気孔に接続し、ポンプの吸引孔を第2通気孔に接続し、第3通気孔を大気開放する。この場合においてポンプが駆動すると、第2領域の空気が第2通気孔及び吸引孔を介してポンプ内に吸引される。そして、ポンプ内の空気が吐出孔から吐出される。これにより、バルブでは、第1領域の圧力が第2領域の圧力より高くなる。
この構成のバルブでは、第1領域の圧力が第2領域の圧力より高い場合、第1通気孔と第2通気孔とを連通させるとともに、第1通気孔および第2通気孔と第3通気孔との連通を遮断する。
この結果、吸入器の容器内の気体が第1通気孔を介してバルブの第1領域へ排出され、第2通気孔及び吸引孔を介してポンプ内に吸引される。これにより、容器内の圧力(気体の圧力)が大気圧から低下し、負圧になる。そのため、吸入器は、容器外部の液体(例えば母乳、血液、胸水、痰など)を吸入口から容器内へ吸入することができる。
次に、ポンプが駆動を停止したとき、第2領域が大気圧より低くなっているため、ポンプの吐出孔から微量の気体がポンプ内へ流入し、吸引孔及び第2通気孔を介して第2領域に流入する。これにより、バルブでは、第1領域の圧力が第2領域の圧力より低下する。
この構成のバルブでは、第1領域の圧力が第2領域の圧力より低い場合、第1通気孔と第3通気孔とが連通する。そして、気体が第3通気孔から流入して第1通気孔から流出し、容器内へ流入する。これにより、容器内の圧力(気体の圧力)が上昇し、大気圧になる。そのため、吸入器は、吸入口を、ヒトや動物の乳房から容易に取り外すことができる。
したがって、この構成によれば、容器内から気体を吸入して容器内の圧力を負圧にした後、容器内に気体を流入させて容器内の圧力を戻すことができる。
(2)ダイヤフラムは、第1領域と第2領域との圧力差により、弁筐体の一部に対して接触または離間し、第1通気孔と第3通気孔との連通状態を切り替えることが好ましい。
この構成において、ダイヤフラムは、第1領域の圧力が第2領域の圧力よりも高い場合、弁筐体の一部に対して接触し、第1通気孔および第2通気孔と第3通気孔との連通を遮断する。
一方、ダイヤフラムは、第1領域の圧力が第2領域の圧力よりも低い場合、弁筐体の一部に対して離間し、第1通気孔と第3通気孔とを連通させる。
(3)弁筐体の一部には、第2領域においてダイヤフラム側へ突出した第1弁座が設けられ、
ダイヤフラムには、第1孔部が設けられ、
ダイヤフラムは、ダイヤフラムにおける第1孔部の周囲が第1弁座に接触するよう、弁筐体に固定されていることが好ましい。
この構成において、ダイヤフラムは、第1領域の圧力が第2領域の圧力よりも高い場合、第1弁座に対して接触し、第1通気孔および第2通気孔と第3通気孔との連通を遮断する。
一方、ダイヤフラムは、第1領域の圧力が第2領域の圧力よりも低い場合、第1弁座に対して離間し、第1通気孔と第2領域とを連通させる。
(4)弁筐体の一部には、第2領域においてダイヤフラム側へ突出した第2弁座が設けられ、
第2弁座には、第3通気孔が設けられ、
ダイヤフラムは、第2弁座に接触するよう、弁筐体に固定されていることが好ましい。
この構成において、ダイヤフラムは、第1領域の圧力が第2領域の圧力よりも高い場合、第2弁座に対して接触し、第1通気孔および第2通気孔と第3通気孔との連通を遮断する。
一方、ダイヤフラムは、第1領域の圧力が第2領域の圧力よりも低い場合、第2弁座に対して離間し、第3通気孔と第2領域とを連通させる。
(5)弁筐体には、第1領域においてダイヤフラム側へ突出した第3弁座が設けられ、
ダイヤフラムには、第2孔部が設けられ、
ダイヤフラムは、ダイヤフラムにおける第2孔部の周囲が第3弁座に接触するよう、弁筐体に固定されていることが好ましい。
この構成において、ダイヤフラムは、第1領域の圧力が第2領域の圧力よりも高い場合、第3弁座に対して離間し、第1通気孔と第2通気孔とを連通させる。
一方、ダイヤフラムは、第1領域の圧力が第2領域の圧力よりも低い場合、第3弁座に対して接触する。
(6)弁筐体には、第1領域に連通する第4通気孔が形成されている。
また、本発明の流体制御装置は、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
(7)気体の吸引孔と気体の吐出孔とを有するポンプと、
流体を吸入する吸入口および接続部を有する吸入器と、
上記(1)〜(6)のいずれかに記載のバルブと、を備え、
第1通気孔は、吸入器の接続部に接続され、
第2通気孔は、ポンプの吸引孔に接続されている。
この構成により、上記(1)〜(6)のいずれかのバルブを用いることで、当該バルブを備える流体制御装置にも同様の効果を奏する。
(8)吸入器は、
吸入口に接続し、吸入口から吸入された液体を貯蔵する第1容器と、
第1容器に接続し、気体を通過させて液体の通過を阻止する第2容器と、
第2容器およびポンプの吸引孔に接続し、ポンプが吸引する気体の吸引圧力を調整する第3容器と、を有することが好ましい。
この構成では、流体制御装置はドレナージとして用いられる。吸入口から吸入された血液や胸水等は、第1容器に貯蔵される。
本発明によれば、容器内から気体を吸入して容器内の圧力を負圧にした後、容器内に気体を流入させて容器内の圧力を戻すことができる。
本発明の第1実施形態に係る流体制御装置100の要部の断面図である。 図1に示す圧電ポンプ10の外観斜視図である。 図2に示す圧電ポンプ10の分解斜視図である。 図2に示す圧電ポンプ10のS−S線の断面図である。 図1に示すバルブ101の分解斜視図である。 図1に示すバルブ101の分解斜視図である。 図7は、図2に示す圧電ポンプ10を1次モードで動作させた時における圧電ポンプ10のS−S線の断面図である。図7(A)はポンプ室の容積が増大したときの図、図7(B)はポンプ室の容積が減少したときの図である。 圧電ポンプ10が駆動している間における流体制御装置100の空気の流れを示す説明図である。 圧電ポンプ10が駆動を停止した直後における、流体制御装置100の空気の流れを示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る流体制御装置200の外観図である。 図10に示すバルブ201の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る流体制御装置300の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る流体制御装置400の断面図である。 圧電ポンプ10が駆動を開始してから容器90内の圧力が最大吸引圧力に達するまでの間における流体制御装置400の空気の流れを示す説明図である。 容器90内の圧力が最大吸引圧力に達してから圧電ポンプ10が駆動を停止する前までの流体制御装置400の空気の流れを示す説明図である。 圧電ポンプ10が駆動を停止した直後における、流体制御装置400の空気の流れを示す説明図である。
以下、本発明の第1実施形態に係る流体制御装置100について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る流体制御装置100の要部の断面図である。流体制御装置100は、圧電ポンプ10と吸入器9とバルブ101とを備える。
圧電ポンプ10は、詳細を後述するが、気体の吸引孔53と気体の吐出孔24とを有する。
吸入器9は、容器90と吸入口91と接続孔92とを有する。吸入器9は、例えば搾乳器である。吸入口91は、例えばヒトや動物の乳房に装着する。容器90は、液体(例えば母乳など)を貯蔵する。
バルブ101は、詳細を後述するが、第1通気孔111と第2通気孔112と第3通気孔113とを有する。バルブ101の第1通気孔111は、吸入器9の接続孔92に接続する。バルブ101の第2通気孔112は、圧電ポンプ10の吸引孔53に接続する。バルブ101の第3通気孔113は、大気開放されている。
なお、図1において、バルブ101の第1通気孔111と吸入器9の接続孔92との接続は、簡便に描いている。同様に、図1において、バルブ101の第2通気孔112と圧電ポンプ10の吸引孔53との接続も、簡便に描いている。実施の際、これらの接続は、任意の接続方法を採用すればよい。
次に、圧電ポンプ10とバルブ101との構造について詳述する。まず、図2、図3、図4を用いて圧電ポンプ10の構造について詳述する。
図2は、図1に示す圧電ポンプ10の外観斜視図である。図3は、図2に示す圧電ポンプ10の分解斜視図である。図4は、図2に示す圧電ポンプ10のS−S線の断面図である。
圧電ポンプ10は、上から順に、外筐体17、天板37、側板38、振動板39、圧電素子40、及びキャップ42を備え、それらを順に積層した構造を有している。天板37、側板38、及び振動板39は、ポンプ室36を構成している。圧電ポンプ10は、幅20mm×長さ20mm×ノズル18以外の領域の高さ1.85mmの寸法となっている。
外筐体17は、空気が吐出される吐出孔24が中心に形成されたノズル18を有する。このノズル18は、外形の直径2.0mm×内形(即ち吐出孔24)の直径0.8mm×高さ1.6mmの寸法となっている。外筐体17の四角には、ネジ穴56A〜56Dが形成されている。
外筐体17は、下方が開口した断面コ字状に形成されており、外筐体17は、ポンプ室36の天板37、ポンプ室36の側板38、振動板39及び圧電素子40を収納する。外筐体17は、例えば樹脂から構成される。
ポンプ室36の天板37は、円板状であり、例えば金属から構成されている。天板37には、中央部61と、中央部61から水平方向に突出し、外筐体17の内壁に当接する鍵状の突出部62と、外部回路に接続するための外部端子63とが形成されている。
また、天板37の中央部61には、ポンプ室36の内部と外部とを連通させる通気孔45が設けられている。この通気孔45は、外筐体17の吐出孔24と対向する位置に形成されている。天板37は、側板38の上面に接合する。
ポンプ室36の側板38は、円環状であり、例えば金属から構成されている。側板38は、振動板39の上面に接合する。そのため、側板38の厚みは、ポンプ室36の高さとなる。
振動板39は、円板状であり、例えば金属から構成されている。振動板39は、ポンプ室36の底面を構成する。
圧電素子40は、円板形状であり、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスから構成されている。圧電素子40は、振動板39のポンプ室36とは逆側の主面に接合されており、印加された交流電圧に応じて屈曲する。圧電素子40及び振動板39は、アクチュエータを構成する。
そして、天板37、側板38、振動板39、及び圧電素子40の接合体は、天板37に設けられている4個の突出部62によって外筐体17に対して弾性的に支持されている。
電極導通用板70は、圧電素子40に接続するための内部端子73と、外部回路に接続するための外部端子72とで構成されている。内部端子73の先端は圧電素子40の平板面にはんだ付けされている。はんだ付け位置を圧電素子40の屈曲振動の節に相当する位置とすることにより、内部端子73の振動がより抑制できる。
キャップ42には、円板形状の吸引孔53が形成されている。吸引孔53の直径は、圧電素子40の直径より長い。また、キャップ42には、外筐体17のネジ穴56A〜56Dに対応する位置に切欠き55A〜55Dが形成されている。
また、キャップ42は、外周縁に、天板37側へ突出する突出部52を有する。キャップ42は、突出部52で外筐体17を挟持し、ポンプ室36の天板37、ポンプ室36の側板38、振動板39及び圧電素子40を、外筐体17とともに収納する。キャップ42は、例えば樹脂から構成されている。
そして、図4に示すように、天板37、側板38、振動板39及び圧電素子40の接合体と外筐体17及びキャップ42との間には通気路31が形成されている。
次に、図1、図5、図6を用いてバルブ101の構造について詳述する。
図5、図6は、図1に示すバルブ101の分解斜視図である。図5は、当該バルブ101を上面側から見た分解斜視図であり、図6は、当該バルブ101を底面側から見た分解斜視図である。
バルブ101は、図1、図5、図6に示すように、第2弁筐体192と、第2シール材152と、ダイヤフラム120と、第1シール材151と、第1弁筐体191とを備え、それらが順に積層された構造を有している。
第1弁筐体191は、図1、図5、図6に示すように、圧電ポンプ10の吸引孔53に連通する第2通気孔112と、流体制御装置100外部に連通する第3通気孔113と、第3通気孔113の周囲からダイヤフラム120側へ突出した弁座139と、ダイヤフラム120側へ突出した円柱状の弁座145と、第1上バルブ室142及び第2上バルブ室133を連通させる連通路125と、第1上バルブ室142及び第3上バルブ室134を連通させる連通路126と、を有する。第1弁筐体191は、例えば樹脂からなる。弁座139は中央部に第3通気孔113を有する円筒形状である。
第2弁筐体192は、図1、図5、図6に示すように、吸入器9の接続孔92に連通する第1通気孔111と、ダイヤフラム120側へ突出した円柱状の弁座138と、第1下バルブ室141及び第2下バルブ室131を連通させる連通路135と、第1下バルブ室141及び第3下バルブ室132を連通させる連通路136と、を有する。第2弁筐体192は、例えば樹脂からなる。
ダイヤフラム120には、図1、図5、図6に示すように、弁座138に対向する領域の中心部に円形の孔部121が設けられている。孔部121の直径は、ダイヤフラム120に当接する弁座138の面の直径よりも小さく設けられている。
また、ダイヤフラム120には、図1、図5、図6に示すように、弁座145に対向する領域の中心部に円形の孔部122が設けられている。孔部122の直径は、ダイヤフラム120に当接する弁座145の面の直径よりも小さく設けられている。
ダイヤフラム120は、長方形状の薄膜からなる。ダイヤフラム120の材料は、例えばEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)やシリコーンなどのゴムである。
ダイヤフラム120は、第1シール材151及び第2シール材152を介して第1弁筺体191及び第2弁筺体192に挟持されている。
第1シール材151及び第2シール材152のそれぞれは、長方形状の薄膜からなる。第1シール材151及び第2シール材152の材料は、例えば両面テープや接着剤である。第1シール材151には、第1上バルブ室142、連通路125、第2上バルブ室133、連通路126及び第3上バルブ室134に面する領域に開口部が設けられている。第2シール材152には、第1下バルブ室141、連通路135、第2下バルブ室131、連通路136及び第3下バルブ室132に面する領域に開口部が設けられている。
ダイヤフラム120は、図1に示すように、ダイヤフラム120における孔部121の周囲が弁座138に接触し、ダイヤフラム120における孔部122の周囲が弁座145に接触するよう、第1弁筺体191および第2弁筺体192に固定されている。このとき、弁座138は、ダイヤフラム120における孔部121の周囲を与圧する。弁座145は、ダイヤフラム120における孔部122の周囲を与圧する。
ダイヤフラム120は、第1弁筐体191及び第2弁筐体192に固定されることにより、第1弁筐体191及び第2弁筐体192内を分割する。
これにより、ダイヤフラム120は、第1弁筐体191及び第2弁筐体192内に、円柱状の第1下バルブ室141と、円環状の第2下バルブ室131と、円柱状の第3下バルブ室132と、円環状の第1上バルブ室142と、円柱状の第2上バルブ室133と、円環状の第3上バルブ室134と、を構成する。
ここで、第1下バルブ室141は、第1通気孔111に連通する。第2下バルブ室131は、連通路135を介して第1下バルブ室141に連通する。第3下バルブ室132は、連通路136を介して第1下バルブ室141に連通する。第2上バルブ室133は、連通路125を介して第1上バルブ室142に連通し、第2通気孔112に連通する。第3上バルブ室134は、連通路126を介して第1上バルブ室142に連通する。
なお、第1下バルブ室141、連通路135、第2下バルブ室131、連通路136及び第3下バルブ室132が、本発明の「第1領域」に相当する。第1上バルブ室142、連通路125、第2上バルブ室133、連通路126及び第3上バルブ室134が、本発明の「第2領域」に相当する。弁座145が本発明の「第1弁座」に相当する。弁座139が本発明の「第2弁座」に相当する。弁座138が本発明の「第3弁座」に相当する。孔部122が本発明の「第1孔部」に相当する。孔部121が本発明の「第2孔部」に相当する。
さらに、ダイヤフラム120は、逆止弁140を、第1弁筐体191及び第2弁筐体192とともに構成する。逆止弁140は、第1下バルブ室141と第1上バルブ室142と弁座145と第1下バルブ室141及び第1上バルブ室142に面するダイヤフラム120の領域とで構成される。
また、ダイヤフラム120は、逆止弁160を、第1弁筐体191及び第2弁筐体192とともに構成する。逆止弁160は、第2下バルブ室131と第2上バルブ室133と弁座138と第2下バルブ室131及び第2上バルブ室133に面するダイヤフラム120の領域とで構成される。
また、ダイヤフラム120は、排気弁170を、第1弁筐体191及び第2弁筐体192とともに構成する。排気弁170は、第3下バルブ室132と第3上バルブ室134と弁座139と第3下バルブ室132及び第3上バルブ室134に面するダイヤフラム120の領域とで構成される。
逆止弁140では、第1下バルブ室141と第1上バルブ室142との圧力差によってダイヤフラム120が弁座145に対して当接または離間する。これにより、逆止弁140は、第1上バルブ室142から第1下バルブ室141への空気の流れを許可し、第1下バルブ室141から第1上バルブ室142への空気の流れを遮断する。
逆止弁160では、第2下バルブ室131と第2上バルブ室133との圧力差によってダイヤフラム120が弁座138に対して当接または離間する。これにより、逆止弁160は、第2下バルブ室131から第2上バルブ室133への空気の流れを許可し、第2上バルブ室133から第2下バルブ室131への空気の流れを遮断する。
排気弁170では、図1に示すように、第3下バルブ室132に面するダイヤフラム120の部分の面積をS1、第3下バルブ室132の圧力をP1、第3上バルブ室134に面するダイヤフラム120の部分の面積をS2、第3上バルブ室134の圧力をP2、第3通気孔113に面するダイヤフラム120の部分の面積をS3、第3通気孔113の圧力(本実施形態では大気圧)をP3、としたとき、S1×(P1−P2)>S3×(P3−P1)の関係を満たす場合、ダイヤフラム120が弁座139に対して接触する。反対に、S1×(P1−P2)≦S3×(P3−P1)の関係を満たす場合、ダイヤフラム120は弁座139から離間する。すなわち、圧電ポンプ10のオンオフに同調してダイヤフラム120が弁座139に対して接触又は離間する。これにより、吸入器9の容器90内の気圧が、圧電ポンプ10のオンオフに同調して自動的に変化する。
なお、このバルブ101では、図5、図6に示すように、各バルブ室131、132、133、134、141、142のそれぞれの外形が円形状であるため、ダイヤフラム120(特に孔部121、122付近の周囲)に張力が均等にかかる。
このため、ダイヤフラム120の孔部121が弁座138に対して傾いた状態で当接されたり、ダイヤフラム120の孔部121が弁座138に対して水平方向にずれたりすることが抑制される。
同様に、ダイヤフラム120の孔部122が弁座145に対して傾いた状態で当接されたり、ダイヤフラム120の孔部122が弁座145に対して水平方向にずれたりすることが抑制される。したがって、このバルブ101によれば、それぞれの弁の開閉をより確実に行うことができる。
次に、駆動している時の圧電ポンプ10の動作について説明する。
図7(A)(B)は、図1に示す圧電ポンプ10を1次モードの周波数(基本波)で動作させた時における圧電ポンプ10のS−S線の断面図である。ここで、図中の矢印は、空気の流れを示している。
図4に示す状態において、1次モードの周波数(基本波)の交流駆動電圧が外部端子63,72から圧電素子40に印加されると、振動板39は同心円状に屈曲振動する。同時に、天板37は、振動板39の屈曲振動に伴うポンプ室36の圧力変動により、振動板39の屈曲振動に伴って(この実施形態では振動位相が180°遅れて)同心円状に屈曲振動する。
これにより、図7(A)(B)に示すように、振動板39及び天板37が屈曲変形してポンプ室36の体積が周期的に変化する。
図7(A)に示すように、圧電素子40に交流電圧を印加して振動板39を圧電素子40側へ屈曲させると、ポンプ室36の容積が増大する。これに伴い、圧電ポンプ10の外部の空気が吸引孔53、通気路31、及び通気孔45を介してポンプ室36内に吸引される。ポンプ室36からの空気の流出は無いものの、吐出孔24から圧電ポンプ10の外部への空気の流れの慣性力が働いている。
図7(B)に示すように、圧電素子40に交流電圧を印加して振動板39をポンプ室36側へ屈曲させると、ポンプ室36の容積が減少する。これに伴い、ポンプ室36内の空気が通気孔45、通気路31を介して吐出孔24から吐出する。
このとき、ポンプ室36から吐出される空気が,圧電ポンプ10の外部の空気を吸引孔53及び通気路31を介して引き込みながら吐出孔24から吐出する。そのため、圧電ポンプ10では、吐出孔24から吐出される空気の流量が、引き込まれる空気の流量分増大する。
次に、流体制御装置100の空気の流れについて説明する。
図8は、圧電ポンプ10が駆動している間における流体制御装置100の空気の流れを示す説明図である。図中の矢印は、空気の流れを示している。また、図8では、圧電ポンプ10及び吸入器9の図示を省略している。
なお、前述したように、第1下バルブ室141、連通路135、第2下バルブ室131、連通路136及び第3下バルブ室132が、本発明の「第1領域」に相当する。第1上バルブ室142、連通路125、第2上バルブ室133、連通路126及び第3上バルブ室134が、本発明の「第2領域」に相当する。弁座145が本発明の「第1弁座」に相当する。弁座139が本発明の「第2弁座」に相当する。弁座138が本発明の「第3弁座」に相当する。孔部122が本発明の「第1孔部」に相当する。孔部121が本発明の「第2孔部」に相当する。
まず、ユーザが、吸入器9の吸入口91を例えばヒトや動物の乳房に装着する。圧電ポンプ10が駆動する前における容器90内の圧力は大気圧となっている。流体制御装置100は、吸入器9による液体の吸入を開始するとき、圧電ポンプ10をオンする。
圧電ポンプ10が駆動すると、第2上バルブ室133の空気が第2通気孔112及び吸引孔53を介して圧電ポンプ10内に吸引される。そして、圧電ポンプ10内の空気が吐出孔24から吐出される。
これにより、逆止弁160では、第2下バルブ室131の圧力が第2上バルブ室133の圧力より高くなる。このため、逆止弁160では、ダイヤフラム120における孔部121の周囲が弁座138から離間し、第1通気孔111と第2通気孔112とが孔部121を介して連通する。
また、逆止弁140では、第1下バルブ室141の圧力が第1上バルブ室142の圧力より高くなる。このため、ダイヤフラム120における孔部122の周囲が弁座145に接触したままの状態を維持し、第1下バルブ室141と第1上バルブ室142との連通を遮断する。
一方、排気弁170では、第3下バルブ室132の圧力が第3上バルブ室134の圧力より高くなる。このため、ダイヤフラム120が第3通気孔113をシールして第2通気孔112と第3通気孔113との連通を遮断する。
即ち、バルブ101では、第1領域の圧力が第2領域の圧力より高い場合、第1通気孔111と第2通気孔112とを連通させ、第1通気孔111及び第2通気孔112と第3通気孔113との連通を遮断する。
この結果、吸入器9の容器90内の空気が接続孔92から第1通気孔111を介してバルブ101の第1下バルブ室141へ排出される。これにより、容器90内の圧力(空気圧)が大気圧より低下し、負圧になる。
そのため、吸入器9は、容器90外部の液体(例えば母乳など)を吸入口91から容器90内へ吸入することができる。吸入器9は、液体を容器90内に貯蔵し、容器90内の空気を接続孔92から排出する。
なお、第1下バルブ室141に排出された空気は、連通路135、第2下バルブ室131、及び孔部121を介して第2上バルブ室133に流入する。そして、第2上バルブ室133の空気は、第2通気孔112及び吸引孔53を介して圧電ポンプ10内に吸引され、吐出孔24から吐出される。
図9は、圧電ポンプ10が駆動を停止した直後における、流体制御装置100の空気の流れを示す説明図である。図中の矢印は、空気の流れを示している。また、図9では、圧電ポンプ10及び吸入器9の図示を省略している。
吸入器9による液体の吸入を終了するとき、流体制御装置100は、圧電ポンプ10をオフし、圧電ポンプ10の駆動を停止する。このとき、第2領域が大気圧より低くなっているため、圧電ポンプ10の吐出孔24から微量の空気が圧電ポンプ10内へ流入し、吸引孔53及び第2通気孔112を介して第2領域に流入する。
この結果、逆止弁160では、第2下バルブ室131の圧力が第2上バルブ室133の圧力より低下する。このため、ダイヤフラム120は、弁座138に当接して孔部121を閉じる。
また、逆止弁140では、第1下バルブ室141の圧力が第1上バルブ室142の圧力より低下する。このため、ダイヤフラム120における孔部122の周囲が弁座145から離間し、第1通気孔111と第2領域とを連通させる。
一方、排気弁170では、第3下バルブ室132の圧力が第3上バルブ室134の圧力より低下する。このため、ダイヤフラム120は、弁座139から離間して第3通気孔113を開放する。
即ち、バルブ101では、第1領域の圧力が第2領域の圧力より低い場合、第1通気孔111と第3通気孔113とが連通する。これにより、空気が第3通気孔113から流入し、第3上バルブ室134、連通路126、第1上バルブ室142、孔部122、第1下バルブ室141を経由して第1通気孔111から容器90内へ急速に流入する(図9参照)。
これにより、容器90内の圧力(空気圧)が上昇し、大気圧に戻る。そのため、吸入器9は、吸入口91を、ヒトや動物の乳房から容易に取り外すことができる。
従って、この実施形態のバルブ101によれば、容器90内から空気を吸入して容器90内の圧力を負圧にした後、容器90内に空気を流入させて容器90内の圧力を大気圧に急速に戻すことができることができる。また、この実施形態のバルブ101を備える流体制御装置100にも同様の効果を奏する。
以下、本発明の第2実施形態に係る流体制御装置200について説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る流体制御装置200の外観図である。図11は、図10に示すバルブ201の断面図である。流体制御装置200は、液体(例えば痰など)を吸引する装置である。流体制御装置200は、ポンプ210と吸入器209とバルブ201とを備える。
ポンプ210は、空気を吸引するための吸引孔253と、空気を吐出するための吐出孔(不図示)と、空気の吸引圧力を示す圧力計215と、を有する。
吸入器209は、容器290と接続孔292とチューブ294とを有する。チューブ294の先端である吸入口291は、例えばヒトや動物の口腔内に挿入される。容器290は、液体(例えば痰など)を貯蔵する。
なお、接続孔292は、本発明の接続部の一例に相当する。
バルブ201がバルブ101と相違する点は、フィルタ250を第2筐体293内に有する点である。バルブ201の第2筐体293がバルブ101の第2筐体192と相違する点は、フィルタ250を配置するスペースが設けられている点である。その他の点に関しては同じである。
フィルタ250は、気体を通過させ、液体の通過を阻止する。フィルタ250は、感染や汚染防止のため、例えばバクテリアを吸着する。フィルタ250は、第2筐体293の内壁に接着剤等で接合されている。
以上の構成において、吸入口291は、チューブ294を介して容器290に接続する。バルブ201の第1通気孔111は、チューブ295を介して吸入器209の接続孔292に接続する。バルブ201の第2通気孔112は、チューブ296を介してポンプ210の吸引孔253に接続する。バルブ201の第3通気孔113は、大気開放されている。
なお、前述したように、第1下バルブ室141、連通路135、第2下バルブ室131、連通路136及び第3下バルブ室132が、本発明の「第1領域」に相当する。第1上バルブ室142、連通路125、第2上バルブ室133、連通路126及び第3上バルブ室134が、本発明の「第2領域」に相当する。弁座145が本発明の「第1弁座」に相当する。弁座139が本発明の「第2弁座」に相当する。弁座138が本発明の「第3弁座」に相当する。孔部122が本発明の「第1孔部」に相当する。孔部121が本発明の「第2孔部」に相当する。
次に、ポンプ210が駆動している間における流体制御装置200の空気の流れは、図8に示す流体制御装置100の空気の流れとほぼ同じである。流体制御装置200において空気は、フィルタ250を通過しながら流れる。
ポンプ210が駆動を停止した時、容器290内の圧力がポンプ210の最大吸引圧力に達した時、又は流路が閉塞した時における流体制御装置200の空気の流れも、図9に示す流体制御装置100の空気の流れとほぼ同じである。流体制御装置200において空気は、フィルタ250を通過しながら流れる。
例えば、吸入口291は、吸着対象物がない状態で人体の組織を吸引すると、閉塞する。吸入口291の閉塞により、第1領域の圧力が第2領域の圧力以下となる。第1領域の圧力が第2領域の圧力以下となった場合、図9に示すようにダイヤフラム120が自動的に第3通気孔113及び孔部122を開放し、吸入口291が大気解放される。
したがって、バルブ201は、バルブ101と同様の効果を奏する。すなわち、バルブ201は、容器290内から空気を吸入して容器290内の圧力を負圧にした後、容器290内に空気を流入させて容器290内の圧力を大気圧に急速に戻すことができることができる。また、バルブ201を備える流体制御装置200も同様の効果を奏する。
ここで、ポンプ210が駆動している間、フィルタ250に液体が付着した場合、フィルタ250が詰り、フィルタ250の流路抵抗(通気抵抗)が増加する。すなわち、流体制御装置200は、空気を適切に吸引できなくなる。
一般的な従来の吸引装置もフィルタを備えるが、フィルタが詰まったことを検出することができない。従来の吸引装置では看護師等が、フィルタの外観を確認したりフィルタの使用時間を管理したりして、フィルタを交換している。すなわち、従来の吸引装置では、フィルタの定量的な管理が難しかった。
一方、流体制御装置200のバルブ201では、フィルタ250の流路抵抗が増加すると、第1領域と第2領域の圧力差が無くなり、ダイヤフラム120が第3通気孔113及び孔部122を開放する。この大気開放によって空気が通過する際に音が発生する。
したがって、バルブ201及び流体制御装置200では、看護師等が大気開放時の音によりフィルタ250が詰まったことを容易に検出できる。
以下、本発明の第3実施形態に係る流体制御装置300について説明する。
図12は、本発明の第3実施形態に係る流体制御装置300の断面図である。図12中に示す矢印は、流体の流れを示している。流体制御装置300は、液体(例えば胸水や血液など)を吸引するドレナージである。流体制御装置300は、ポンプ310と吸入器309とバルブ101とを備える。
ポンプ310は、任意のポンプであり、空気を吸引するための吸引孔(不図示)と、空気を吐出するための吐出孔(不図示)と、を有する。
吸入器309は、所謂胸腔ドレーンバックである。吸入器309は、第1容器390Aと第2容器390Bと第3容器390Cとチューブ330と接続孔392とチューブ330とを有する。チューブ330の先端である吸入口391は、患者308の胸腔内に挿入される。患者308は、例えばヒトや動物である。
なお、接続孔392が本発明の接続部の一例に相当する。
第1容器390Aは、所謂排液ボトルである。第1容器390Aは、吸入口391に接続する。第1容器390Aは、吸入口391から吸入された患者308の液体B(例えば胸水や血液など)を貯蔵する。
第2容器390Bは、所謂水封ボトルである。第2容器390Bは、第1容器390Aに接続する。第2容器390B内には、水W1が入れられている。第2容器390Bは、水W1によって、空気を通過させて液体Bの通過を阻止する。
第3容器390Cは、所謂吸引圧制御ボトルである。第3容器390Cは、第2容器390Bおよびポンプ310の吸引孔に接続する。第3容器390C内には、水W2が入れられている。第3容器390C内には、管336が挿入され、管336の先端は水W2に浸かっている。第3容器390Cは、水W2の水位と管336の先端から流入する空気とによって、ポンプ310が吸引する空気の吸引圧力を調整する。
バルブ101は、第3容器390Cの出口である接続孔392を塞ぐよう、第3容器390Cの上面に装着されている。
以上の構成において、吸入口391は、チューブ330を介して容器390Aに接続する。バルブ101の第1通気孔111は、吸入器309の接続孔392に接続する。バルブ101の第2通気孔112は、チューブ337を介してポンプ310の吸引孔に接続する。バルブ101の第3通気孔113は、大気開放されている。
次に、ポンプ310が駆動している間における流体制御装置300の空気の流れは、図8に示す流体制御装置100の空気の流れと同じである。
ポンプ310が駆動を停止した時、容器390A内の圧力がポンプ310の最大吸引圧力に達した時、又は流路が閉塞した時における流体制御装置300の空気の流れも、図9に示す流体制御装置100の空気の流れと同じである。
例えば、吸入口391は、吸着対象物がない状態で人体の組織を吸引すると、閉塞する。吸入口391の閉塞により、第1領域の圧力が第2領域の圧力以下となる。第1領域の圧力が第2領域の圧力以下となった場合、ダイヤフラム120が自動的に第3通気孔113及び孔部122を開放し、吸入口391が大気解放される。
したがって、バルブ101は、バルブ101と同様の効果を奏する。すなわち、バルブ101は、第3容器390C内から空気を吸入して第3容器390C内の圧力を負圧にした後、第3容器390C内に空気を流入させて第3容器390C内の圧力を大気圧に急速に戻すことができることができる。
また、肺気胸では傷口が小さくなり、流量が低下してきた場合、吸引を止めた方が治癒期間を短縮できるといわれている。そのため、自動的に吸入口391を開放するバルブ101は、肺気胸の治療に用いることが好適である。
また、バルブ101の構造が簡単で安価である事から、吸入器309及びバルブ101の使い捨て使用が可能となる。そのため、バルブ101は、病院のメンテナンス費用を削減できる。
また、バルブ101を備える流体制御装置300も同様の効果を奏する。
以下、本発明の第4実施形態に係る流体制御装置400について説明する。
図13は、本発明の第4実施形態に係る流体制御装置400の断面図である。流体制御装置400が流体制御装置100と相違する点は、バルブ401である。バルブ401がバルブ101と相違する点は、第4通気孔114を有する点である。第4通気孔114の直径は、第1通気孔111の直径に比べて小さい。また、第4通気孔114の直径は、第2通気孔112の直径に比べて小さい。なお、その他の流体制御装置400の構成に関しては、流体制御装置100と同じであるため、説明を省略する。
次に、流体制御装置400の空気の流れについて説明する。流体制御装置400の空気の流れは、圧電ポンプ10が駆動を開始してから容器90内の圧力が圧電ポンプ10の最大吸引圧力に達するまでの第1段階と、容器90内の圧力が圧電ポンプ10の最大吸引圧力に達してから圧電ポンプ10が駆動を停止する前までの第2段階と、圧電ポンプ10が駆動を停止した直後における第3段階と、に分かれている。
まず、第1段階における空気の流れについて説明する。
図14は、圧電ポンプ10が駆動を開始してから容器90内の圧力が最大吸引圧力に達するまでの間における流体制御装置400の空気の流れを示す説明図である。図中の矢印は、空気の流れを示している。また、図14では、圧電ポンプ10及び吸入器9の図示を省略している。
まず、ユーザが、吸入器9の吸入口91を例えばヒトや動物の乳房に装着する。圧電ポンプ10が駆動する前における容器90内の圧力は大気圧となっている。流体制御装置400は、吸入器9による液体の吸入を開始するとき、圧電ポンプ10をオンする。
圧電ポンプ10が駆動すると、第2上バルブ室133の空気が第2通気孔112及び吸引孔53を介して圧電ポンプ10内に吸引される。そして、圧電ポンプ10内の空気が吐出孔24から吐出される。
これにより、逆止弁140では、第1下バルブ室141の圧力が第1上バルブ室142の圧力より高くなる。このため、ダイヤフラム120における孔部122の周囲が弁座145に接触したままの状態を維持し、第1下バルブ室141と第1上バルブ室142との連通を遮断する。
また、逆止弁160では、第2下バルブ室131の圧力が第2上バルブ室133の圧力より高くなる。このため、逆止弁160では、ダイヤフラム120における孔部121の周囲が弁座138から離間し、第1通気孔111と第2通気孔112とが孔部121を介して連通する。
また、排気弁170では、第3下バルブ室132の圧力が第3上バルブ室134の圧力より高くなる。このため、ダイヤフラム120が第3通気孔113をシールして第2通気孔112と第3通気孔113との連通を遮断する。
即ち、バルブ401では、第1領域の圧力が第2領域の圧力より高い場合、第1通気孔111と第2通気孔112とを連通させ、第1通気孔111及び第2通気孔112と第3通気孔113との連通を遮断する。
この結果、吸入器9の容器90内の空気が接続孔92から第1通気孔111を介してバルブ401の第1下バルブ室141へ排出される。これにより、容器90内の圧力(空気圧)が大気圧より低下し、負圧になる。
そのため、吸入器9は、容器90外部の液体(例えば母乳など)を吸入口91から容器90内へ吸入することができる。吸入器9は、液体を容器90内に貯蔵し、容器90内の空気を接続孔92から排出する。
なお、第1下バルブ室141に排出された空気は、連通路135、第2下バルブ室131、及び孔部121を介して第2上バルブ室133に流入する。そして、第2上バルブ室133の空気は、第2通気孔112及び吸引孔53を介して圧電ポンプ10内に吸引され、吐出孔24から吐出される。
ここで、流体制御装置400では、第4通気孔114を介して、少量の空気がバルブ401の外部からバルブ401の内部へ吸引される。そのため、流体制御装置400では流体制御装置100に比べて、容器90から吸引される空気の流量が減る。
しかし、第4通気孔114の直径は第1通気孔111の直径に比べて微小であるため、影響が小さい。そのため、空気は主に第1通気孔111からバルブ401の内部へ吸引され、容器90から圧電ポンプ10へ空気が流れる。これにより、排気弁170では、P2<<P1の関係とS1×(P1−P2)>S3×(P3−P1)関係とが成立する。
次に、第2段階における空気の流れについて説明する。
図15は、容器90内の圧力が最大吸引圧力に達してから圧電ポンプ10が駆動を停止する前までの流体制御装置400の空気の流れを示す説明図である。図中の矢印は、空気の流れを示している。また、図15では、圧電ポンプ10及び吸入器9の図示を省略している。
容器90が十分に減圧されていくと、圧電ポンプ10は、容器90から空気を吸引できなくなる。しかし、第2段階では、空気が第4通気孔114から吸引され、逆止弁160の孔部121を通って圧電ポンプ10に空気が流れる。そのため、排気弁170では、P2<P1の関係とS1×(P1−P2)>S3×(P3−P1)関係とが成立する。
これにより、流体制御装置400は、第3通気孔113が閉じた状態を維持する。すなわち流体制御装置400は、圧電ポンプ10を駆動し続ける間、容器90の減圧状態を維持することができる。
次に、第3段階における空気の流れについて説明する。
図16は、圧電ポンプ10が駆動を停止した直後における、流体制御装置400の空気の流れを示す説明図である。図中の矢印は、空気の流れを示している。また、図16では、圧電ポンプ10及び吸入器9の図示を省略している。
吸入器9による液体の吸入を終了するとき、流体制御装置400は、圧電ポンプ10をオフし、圧電ポンプ10の駆動を停止する。このとき、バルブ401の内部が大気圧より低くなっている。そのため、第4通気孔114を介して、少量の空気がバルブ401の外部からバルブ401の内部へ吸引される。
しかし、第4通気孔114の直径は第2通気孔112の直径に比べて微小であるため、影響が小さい。そのため、主に、圧電ポンプ10の吐出孔24から微量の空気が圧電ポンプ10内へ流入し、吸引孔53及び第2通気孔112を介して第2領域に流入する。
この結果、逆止弁160では、第2下バルブ室131の圧力が第2上バルブ室133の圧力より低下する。このため、ダイヤフラム120は、弁座138に当接して孔部121を閉じる。
また、逆止弁140では、第1下バルブ室141の圧力が第1上バルブ室142の圧力より低下する。このため、ダイヤフラム120における孔部122の周囲が弁座145から離間し、第1通気孔111と第2領域とを連通させる。
また、排気弁170では、第3下バルブ室132の圧力が第3上バルブ室134の圧力より低下する。即ち排気弁170では、圧力P2≧P1の関係とS1×(P1−P2)<S3×(P3−P1)関係とが成立する。このため、ダイヤフラム120は、弁座139から離間して第3通気孔113を開放する。
即ち、バルブ401では、第1領域の圧力が第2領域の圧力より低い場合、第1通気孔111と第3通気孔113とが連通する。これにより、空気が第3通気孔113から流入し、第3上バルブ室134、連通路126、第1上バルブ室142、孔部122、第1下バルブ室141を経由して第1通気孔111から容器90内へ急速に流入する(図9参照)。
これにより、容器90内の圧力(空気圧)が上昇し、大気圧に戻る。そのため、吸入器9は、吸入口91を、ヒトや動物の乳房から容易に取り外すことができる。
従って、バルブ401は、容器90内から空気を吸入して容器90内の圧力を負圧にした後、容器90内に空気を流入させて容器90内の圧力を大気圧に急速に戻すことができることができる。また、この実施形態のバルブ401を備える流体制御装置400にも同様の効果を奏する。
《その他の実施形態》
なお、前述の実施形態では気体として空気を用いているが、これに限るものではなく、当該気体が、空気以外の気体であっても適用できる。
また、前述の実施形態においては、液体を吸入器で吸入する例を示したが、吸入する対象物は液体以外のもの(例えばゲル状の物質)であってもよい。
また、前述の実施形態における圧電ポンプ10は、ユニモルフ型で屈曲振動するアクチュエータを備えるが、振動板の両面に圧電素子を貼着してバイモルフ型で屈曲振動するアクチュエータを備えてもよい。
また、前述の実施形態における圧電ポンプ10は、圧電素子40の伸縮によって屈曲振動するアクチュエータを備えるが、これに限るものではない。例えば、電磁駆動で屈曲振動するアクチュエータを備えてもよい。
また、前述の実施形態において、圧電素子40はチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスからなるが、これに限るものではない。例えば、ニオブ酸カリウムナトリウム系及びアルカリニオブ酸系セラミックス等の非鉛系圧電体セラミックスの圧電材料などからなってもよい。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
9…吸入器
10…圧電ポンプ
17…外筐体
18…ノズル
24…吐出孔
31…通気路
36…ポンプ室
37…天板
38…側板
39…振動板
40…圧電素子
42…キャップ
45…通気孔
52…突出部
53…吸引孔
55A〜D…切欠き
56A〜D…ネジ穴
61…中央部
62…突出部
63,72…外部端子
70…電極導通用板
73…内部端子
90…容器
91…吸入口
92…接続孔
100、200、300、400…流体制御装置
101、201、401…バルブ
111…第1通気孔
112…第2通気孔
113…第3通気孔
114…第4通気孔120…ダイヤフラム
121、122…孔部
125、126…連通路
131…第2下バルブ室
132…第3下バルブ室
133…第2上バルブ室
134…第3上バルブ室
135、136…連通路
138、139…弁座
140…逆止弁
141…第1下バルブ室
142…第1上バルブ室
145…弁座
151…第1シール材
152…第2シール材
160…逆止弁
170…排気弁
191…第1弁筺体
192…第2弁筺体
209…吸入器
210…ポンプ
215…圧力計
250…フィルタ
253…吸引孔
290…容器
291…吸入口
292…接続孔
293…第2筐体
294、295、296…チューブ
308…患者
309…吸入器
310…ポンプ
330…チューブ
336…管
390A…第1容器
390B…第2容器
390C…第3容器
391…吸入口
392…接続孔

Claims (8)

  1. 第1通気孔、第2通気孔、及び第3通気孔が形成された弁筐体と、
    前記弁筐体内を分割して前記弁筐体内に、前記第1通気孔に連通する第1領域と前記第2通気孔に連通する第2領域とを構成するダイヤフラムと、を有し、
    前記ダイヤフラムは、
    前記第1領域の圧力が前記第2領域の圧力よりも高い場合、前記第1通気孔と前記第2通気孔とを連通させるとともに、前記第1通気孔および前記第2通気孔と前記第3通気孔との連通を遮断し、
    前記第1領域の圧力が前記第2領域の圧力よりも低い場合、前記第1通気孔と前記第3通気孔とを連通させるよう、前記弁筐体に固定された、バルブ。
  2. 前記ダイヤフラムは、前記第1領域と前記第2領域との圧力差により、前記弁筐体の一部に対して接触または離間し、前記第1通気孔と前記第3通気孔との連通状態を切り替える、請求項1に記載のバルブ。
  3. 前記弁筐体の前記一部には、前記第2領域において前記ダイヤフラム側へ突出した第1弁座が設けられ、
    前記ダイヤフラムには、第1孔部が設けられ、
    前記ダイヤフラムは、前記ダイヤフラムにおける前記第1孔部の周囲が前記第1弁座に接触するよう、前記弁筐体に固定されている、請求項2に記載のバルブ。
  4. 前記弁筐体の前記一部には、前記第2領域において前記ダイヤフラム側へ突出した第2弁座が設けられ、
    前記第2弁座には、前記第3通気孔が設けられ、
    前記ダイヤフラムは、前記第2弁座に接触するよう、前記弁筐体に固定されている、請求項2又は請求項3に記載のバルブ。
  5. 前記弁筐体には、前記第1領域において前記ダイヤフラム側へ突出した第3弁座が設けられ、
    前記ダイヤフラムには、第2孔部が設けられ、
    前記ダイヤフラムは、前記ダイヤフラムにおける前記第2孔部の周囲が前記第3弁座に接触するよう、前記弁筐体に固定されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のバルブ。
  6. 前記弁筐体には、前記第1領域に連通する第4通気孔が形成されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のバルブ。
  7. 気体の吸引孔と前記気体の吐出孔とを有するポンプと、
    流体を吸入する吸入口および接続部を有する吸入器と、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のバルブと、を備え、
    前記第1通気孔は、前記吸入器の前記接続部に接続され、
    前記第2通気孔は、前記ポンプの前記吸引孔に接続されている、流体制御装置。
  8. 前記吸入器は、
    前記吸入口に接続し、前記吸入口から吸入された液体を貯蔵する第1容器と、
    前記第1容器に接続し、前記気体を通過させて前記液体の通過を阻止する第2容器と、
    前記第2容器および前記ポンプの前記吸引孔に接続し、前記ポンプが吸引する前記気体の吸引圧力を調整する第3容器と、
    を有する、請求項7に記載の流体制御装置。
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