JP5849717B2 - 電力量監視装置、電力量監視システム、電力量監視方法、制御プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

電力量監視装置、電力量監視システム、電力量監視方法、制御プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、所定の監視範囲に含まれる複数の電気機器および/または電気機器群の使用電力量を監視する電力量監視装置、電力量監視システム、電力量監視方法、制御プログラムおよび記録媒体に関するものである。
一般に、電力会社は、高圧電力を使用する需要家に対して、デマンドに基づく基本料金を設定している。そのため、企業等の需要家は、コストを低減するために、デマンド周期(通常、30分間)の累積使用電力量が目標のデマンド値(管理デマンド値)を超えないようにデマンド監視を行う。それゆえ、デマンド監視を行うための様々なデマンド監視システムが開発されている。
例えば、従来の一般的なデマンド監視システムは、電力需給用メータ(取引メータ)の計量パルスに基づいて使用電力量を算出し、管理デマンド値を超過する前にユーザに警報を通知し、使用電力量を抑制するように促すものである。
また、例えば、特許文献1には、計量パルスに基づく使用電力量、高圧側で測定した使用電力量、または、低圧側(2次側)で測定した使用電力量の何れかを選択してデマンドを監視するデマンド監視システムが記載されている。
特許第3603876号公報(2004年12月22日公開)
しかしながら、上述のような従来技術は、デマンド契約内の電気機器の合計の使用電力量と所定の閾値とを比較して、使用電力量が超過しているか否かを判定するものである。そのため、デマンド契約内の各電気機器の使用態様や特性(例えば、規格電力など)等が考慮されておらず、高精度な判定を実行できていないという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用態様や特性等を反映させて、監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量の超過の有無を判定する電力量監視装置、電力量監視システム、電力量監視方法、制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
本発明に係る電力量監視装置は、上記課題を解決するために、監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量を監視する電力量監視装置であって、上記複数の電気機器を複数の集計単位に分類し、当該集計単位ごとに、上記電気機器の使用電力量をそれぞれ集計する集計手段と、上記集計単位ごとに、上記集計手段が集計した使用電力量と、当該集計単位ごとに予め定められた警報レベル値との差分である警報レベル差を算出する警報レベル差算出手段と、上記警報レベル差算出手段が算出した各集計単位の警報レベル差に基づいて警報判定値を算出する警報判定値算出手段と、上記警報判定値算出手段が算出した警報判定値が所定の警報閾値を超えているか否かを判定する判定手段と、上記判定手段が上記警報判定値が上記警報閾値を超えていると判定した場合、監視範囲内の使用電力量が超過していることを示す警報情報を出力する出力手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明に係る電力量監視方法は、上記課題を解決するために、監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量を監視する電力量監視方法であって、上記複数の電気機器を複数の集計単位に分類し、当該集計単位ごとに、上記電気機器の使用電力量をそれぞれ集計する集計ステップと、上記集計単位ごとに、上記集計ステップにおいて集計された使用電力量と、当該集計単位ごとに予め定められた警報レベル値との差分である警報レベル差を算出する警報レベル差算出ステップと、上記警報レベル差算出ステップにおいて算出された各集計単位の警報レベル差に基づいて警報判定値を算出する警報判定値算出ステップと、上記警報判定値算出ステップにおいて算出された警報判定値が所定の警報閾値を超えているか否かを判定する判定ステップと、上記判定ステップにおいて上記警報判定値が上記警報閾値を超えていると判定された場合、監視範囲内の使用電力量が超過していることを示す警報情報を出力する出力ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記集計手段が、監視範囲に含まれる複数の電気機器を複数の集計単位に分類し、集計単位ごとに使用電力量を集計する。また、上記警報レベル差算出手段が、上記集計単位ごとに、上記集計手段が集計した使用電力量と、当該集計単位ごとに予め定められた警報レベル値との差分である警報レベル差を算出し、上記判定手段が、当該警報レベル差に基づく警報判定値と警報閾値とを比較して、監視範囲内の使用電力量が超過しているか否かを判定する。そして、使用電力量が超過している場合、その旨を示す警報情報を通知装置に出力し、通知装置がユーザに当該警報情報の示す警報内容を通知することにより、ユーザは、監視範囲に含まれる電気機器の使用電力量が超過していることを知ることができる。
このように、警報判定値が集計単位ごとの使用電力量と、当該集計単位ごとに予め定められた警報レベル値との差分に基づくものである。そのため、単純に監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量が所定値を超えているか否かを判定するものに比べて、本発明は、例えば、各集計単位の電気機器の使用態様や特性等を反映させて、監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量が超過しているか否かを判定することができる。従って、ユーザに対して、高精度に判定した警報内容を通知することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る電力量監視装置は、上記集計単位ごとに、上記警報判定値に対する当該集計単位の警報レベル差の割合である寄与度をそれぞれ算出する寄与度算出手段をさらに備え、上記出力手段は、上記判定手段が上記警報判定値が上記警報閾値を超えていると判定した場合、当該警報判定値に対して最も高い寄与度を示す集計単位に含まれる電気機器が使用電力量の超過に最も寄与していることを警報情報に付加して出力することが好ましい。
上記の構成によれば、上記出力手段は、最も高い寄与度を示す集計単位に含まれる電気機器が使用電力量の超過に最も寄与していることを警報情報に付加して出力する。そのため、上記警報情報を受信した通知装置がユーザに当該警報情報の示す警報内容を通知することにより、ユーザは、監視範囲に含まれる電気機器の使用電力量が超過している際に、どの電気機器の使用電力量を抑制すれば、監視範囲に含まれる電気機器の使用電力量を最も効果的に低下させることができるかがわかる。従って、ユーザに対して、使用電力量の低下のアクションを容易に取らせることができる。
また、本発明に係る電力量監視装置は、上記集計単位ごとに、上記監視範囲に含まれる全電気機器に対する、上記集計単位に含まれる電気機器の影響度をそれぞれ特定する影響度特定手段をさらに備え、上記警報判定値算出手段は、上記警報レベル差算出手段が算出した各集計単位の警報レベル差に上記影響度をそれぞれ乗算したものを合計して警報判定値を算出することが好ましい。
上記の構成によれば、上記警報判定値算出手段は、各集計単位の警報レベル差に、各集計単位に含まれる電気機器の影響度をそれぞれ乗算したものを合計して警報判定値を算出する。そのため、警報判定値に、より集計単位に含まれる電気機器の特性等が反映される。よって、より高精度に使用電力量が超過しているか否かを判定することができる。
また、本発明に係る電力量監視装置は、上記判定手段は、上記警報判定値算出手段が算出した警報判定値に、監視開始時点からの経過時間と増加の関係にある時間係数を乗算した値が上記警報閾値を超えているか否かを判定することが好ましい。
本発明の電力量監視装置は、所定の監視期間内に、例えば管理デマンド値等の所定の目標上限電力量を超えないように、監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量を監視するものである。そのため、監視開始時点からの時間が経過すればするほど、目標上限電力量以下に使用電力量を抑えることが困難となる。
上記の構成によれば、上記判定手段は、警報判定値に、監視開始時点からの経過時間と増加の関係にある時間係数を乗算した値が上記警報閾値を超えているか否かを判定する。つまり、経過時間に応じて値が大きくなるため、監視開始時点から大きく経過していた場合、警報判定値が小さい場合でも警報閾値を超える場合があり、一方、開始開始直後では、警報判定値が大きい場合であっても警報閾値を超えない場合がある。
よって、経過時間に応じた対応の困難性を加味してユーザに警報を通知することができる。
また、本発明に係る電力量監視装置は、上記判定手段は、上記監視範囲に含まれる全電気機器に対して予め定められた目標上限電力量と、上記影響度特定手段が特定した各集計単位の影響度を合計した合計影響度とに基づく上記警報閾値を上記警報判定値が超えているか否かを判定することが好ましい。
上記の構成によれば、上記警報閾値は、上記監視範囲に含まれる全電気機器に対して予め定められた目標上限電力量と、上記影響度特定手段が特定した各集計単位の影響度を合計した合計影響度とに基づくものである。
ここで、上記集計手段が上記監視範囲に含まれる全電気機器ではなく、上記監視範囲に含まれる一部の電気機器の使用電力量を集計した場合、上記警報判定値は、当該一部の電気機器に基づくものである。
よって、上記警報判定値の比較対象である上記警報閾値も上記集計手段が集計した電気機器に基づいて設定することにより、上記監視範囲に含まれる一部の電気機器の使用電力量を集計する場合であっても、高精度に上記監視範囲に含まれる電気機器の使用電力量が超過しているか否かを判定することができる。
また、本発明に係る電力量監視システムは、上記電力量監視装置と、上記電気機器の使用電力量を計測し、計測した上記電気機器の使用電力量を上記電力量監視装置に出力する計測装置とを含むことが好ましい。
また、本発明に係る電力量監視システムは、上記電力量監視装置と、上記出力手段から出力された警報情報を受信し、受信した警報情報の示す警報内容をユーザに通知する通知装置とを含むことが好ましい。
上記の構成によれば、上記電力量監視システムは、上記電力量監視装置と同様の効果を奏する。
なお、上記電力量監視装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記電力量監視装置の各手段として動作させることにより、上記電力量監視装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
以上のように、本発明に係る電力量監視装置は、上記複数の電気機器を複数の集計単位に分類し、当該集計単位ごとに、上記電気機器の使用電力量をそれぞれ集計する集計手段と、上記集計単位ごとに、上記集計手段が集計した使用電力量と、当該集計単位ごとに予め定められた警報レベル値との差分である警報レベル差を算出する警報レベル差算出手段と、上記警報レベル差算出手段が算出した各集計単位の警報レベル差に基づいて警報判定値を算出する警報判定値算出手段と、上記警報判定値算出手段が算出した警報判定値が所定の警報閾値を超えているか否かを判定する判定手段と、上記判定手段が上記警報判定値が上記警報閾値を超えていると判定した場合、監視範囲内の使用電力量が超過していることを示す警報情報を出力する出力手段とを備えている構成である。
また、本発明に係る電力量監視方法は、上記複数の電気機器を複数の集計単位に分類し、当該集計単位ごとに、上記電気機器の使用電力量をそれぞれ集計する集計ステップと、上記集計単位ごとに、上記集計ステップにおいて集計された使用電力量と、当該集計単位ごとに予め定められた警報レベル値との差分である警報レベル差を算出する警報レベル差算出ステップと、上記警報レベル差算出ステップにおいて算出された各集計単位の警報レベル差に基づいて警報判定値を算出する警報判定値算出ステップと、上記警報判定値算出ステップにおいて算出された警報判定値が所定の警報閾値を超えているか否かを判定する判定ステップと、上記判定ステップにおいて上記警報判定値が上記警報閾値を超えていると判定された場合、監視範囲内の使用電力量が超過していることを示す警報情報を出力する出力ステップとを含む。
そのため、単純に監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量が所定値を超えているか否かを判定するものに比べて、本発明は、例えば、各集計単位の電気機器の使用態様や特性等を反映させて、監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量が超過しているか否かを判定することができる。従って、ユーザに対して、高精度に判定した警報内容を通知することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態を示すものであり、電力量監視装置の要部構成を示すブロック図である。 上記電力量監視装置を含む電力量監視システムの概要の一例を示す図である。 上記電力量監視装置が実行する電力量監視処理の一例を示すフローチャートである。 一実施例における各集計単位の累積使用電力量、および、各集計単位の警報レベル値をプロットしたグラフである。 上記実施例における各集計単位の警報レベル差をプロットしたグラフである。 上記実施例における警報判定値をプロットしたグラフである。
本発明の一実施形態について図1から図6に基づいて説明すると以下の通りである。
〔電力量監視システムの構成〕
まず、図2に基づいて、本実施形態に係る電力量監視システムについて説明する。図2は、本実施形態に係る電力量監視システム100の概要の一例を示す図である。図2に示すように、電力量監視システム100は、電力量監視装置1、電気機器が設置されている建屋2aおよび2b、表示装置9、並びに、端末10を含む。
電力量監視装置1は、監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量を監視するものである。本実施形態では、監視範囲を電力会社と契約している敷地内とし、当該敷地内に建屋2aおよび2bが建設されているものとする。つまり、監視範囲に含まれる電気機器とは、建屋2aおよび2bに含まれる電気機器である。
ただし、電力量監視装置1の監視範囲は、電力会社との契約敷地の範囲に限るものではない。例えば、監視範囲を建屋2a内(建屋2a全体)としてもよいし、建屋2aの一部としてもよい。また、監視範囲を自社内の複数の拠点全てを含む範囲としてもよい。また、監視範囲を自社だけではなく、子会社等の関連会社を含む範囲としてもよい。
すなわち、電力量監視装置1の監視範囲は、電力会社との契約単位に限るものではなく、複数の電気機器が含まれる範囲であればよく、その範囲は任意に設定してもよい。
換言すると、本発明の電力量監視装置1は、デマンド監視に限らず、所定の範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量を監視するものとして利用することができる。なお、電力量監視装置1の詳細な構成および処理については後述する。
建屋2aおよび2bには、それぞれ、電力会社が設置した、電気料金を算定するための電力計(計測装置)3a、3b、電力会社から供給される電力を変圧するトランス4a1、4a2、4a3、4b1、4b2、4b3、並びに、電気機器である生産設備6a、6b、空調機7a、7b、電灯8a、8bが設置されている。
なお、以下では、建屋2aおよび2bをそれぞれ区別しない場合、建屋2aおよび2bを総称して建屋2と称する。また、電力量計3aおよび3bをそれぞれ区別しない場合、電力量計3aおよび3bを総称して電力量計3と称する。また、トランス4a1、4a2、4a3、4b1、4b2および4b3をそれぞれ区別しない場合、トランス4a1、4a2、4a3、4b1、4b2および4b3を総称してトランス4と称する。また、生産設備6aおよび6bをそれぞれ区別しない場合、生産設備6aおよび6bを総称して生産設備6と称する。また、空調機7aおよび7bをそれぞれ区別しない場合、空調機7aおよび7bを総称して空調機7と称する。また、電灯8aおよび8bをそれぞれ区別しない場合、電灯8aおよび8bを総称して電灯8と称する。
建屋2aおよび2bは、それぞれ3つのトランス4が設置されている。各電気機器は、それぞれトランス4に接続されており、トランス4を介して電力が供給される。各電気機器とトランス4との間には、電流計5a1、5a2、5a3、5b1、5b2、5b3がそれぞれ設置されている。なお、以下では、電流計5a1、5a2、5a3、5b1、5b2および5b3をそれぞれ区別しない場合、電流計5a1、5a2、5a3、5b1、5b2および5b3を総称して電流計5と称する。
電流計(計測装置)5は、各トランス4に接続されている電気機器の使用電力量を計測するものである。電流計5は、電力量監視装置1と無線通信手段または有線通信手段によって接続されており、計測した使用電力量を電力量監視装置1に送信する。
生産設備6は、電気によって動作するものであって、製品の生産活動に直接関係する設備である。生産設備6は、例えば、機械・装置類、治工具類、運搬・貯蔵施設等であり、1または複数の電気機器から成るものである。なお、複数の電気機器からなるものを電気機器群とも称する。
なお、本実施形態では、建屋2に設置されている電気機器として、生産設備6、空調機7、電灯8を例示しているが、これに限るものではない。建屋2に設置されている電気機器は、電気によって動作するものであれば良く、任意である。
また、本実施形態では、1つのトランス4に対して1つの電気機器または1つの電気機器群が接続されているが、これに限るものではない。1つのトランス4に対して複数の電気機器が接続されていてもよいし、複数の電気機器群が接続されていてもよいし、電気機器および電気機器群が接続されていてもよい。
また、本実施形態では、建屋2にそれぞれ3つのトランス4が設置されているが、トランス4の個数は任意でよい。
また、本実施形態では、トランス4と電気機器との間に電流計5が設置されているが、これに限るものではない。例えば、トランス4と電力量計3との間に電流計5が設置されていてもよい。
また、トランス4に複数の電気機器および/または電気機器群が接続されている場合、1つの電気機器または電気機器群に対して1つの電流計5を設置し、各電気機器または電気機器群の使用電力量をそれぞれ計測してもよい。
また、電流計5を設置せずに、電力量監視装置1が電力量計3から直接使用電力量を取得してもよい。
表示装置9は、電力量監視装置1から警報情報を受信し、警報情報の示す警報内容を表示するものである。表示装置9は、電力量監視装置1の指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。
端末10は、電力量監視装置1から警報情報を受信し、警報情報の示す警報内容をユーザに通知するためのものである。端末10は、例えば、PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等である。
表示装置9および端末10は、電力量監視装置1と無線通信手段または有線通信手段によって接続されている。
換言すると、表示装置9および端末10は、電力量監視装置1が警報等をユーザに通知するための通知装置である。本発明において、電力量監視システム100は、通知装置を少なくとも1つ備えていればよい。また、表示装置9または端末10は、電力量監視装置1と一体であってもよい。
なお、通知装置は、音によって警報等を通知するスピーカ等の音出力装置であってもよい。また、通知装置は、光によって警報等を通知するパトライト(登録商標)やLED等の発光装置であってもよい。このように、通知装置は、警報等をユーザに通知することができるものであれば何でも良く、公知の装置を適用することができる。
〔電力量監視装置の構成〕
図1は、電力量監視装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、電力量監視装置1は、制御部11、記憶部12、データ入力部13、操作部14および通信部15を備えている。
データ入力部13は、各電流計5から使用電力量を取得するためのインターフェースである。上述のように、データ入力部13と各電流計5とは無線通信手段または有線通信手段によって接続されている。なお、上述のように、電流計5が設置されていない場合、データ入力部13は、電力量計3から使用電力量を取得する。
操作部14は、ユーザが電力量監視装置1に指示信号を入力し、電力量監視装置1を操作するためのものである。操作部14は、キーボード、マウス、キーパッド、操作ボタンなどの入力機器等で構成されているものであってもよい。また、電力量監視装置1が表示装置9を備えている場合、操作部14と表示装置9とが一体となっているタッチパネルであってもよい。また、操作部14は、電力量監視装置1と別体のリモートコントローラ等の遠隔制御装置であってもよい。
通信部15は、無線通信手段または有線通信手段によって、表示装置9およびユーザの端末10等の他の装置(通知装置)と通信を行い、制御部11の指示に従って、データのやりとりを行うものである。
記憶部12は、制御部11が参照するプログラムやデータ等を格納するものであり、例えば、集計単位情報31、警報レベル値情報32、影響度情報33、警報閾値情報34および時間係数情報35等を格納している。集計単位情報31、警報レベル値情報32、影響度情報33、警報閾値情報34および時間係数情報35の詳細については後述する。
制御部11は、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、画像処理装置1が備える各部を統括的に制御するものである。
本実施形態では、制御部11は、機能ブロックとして、データ取得部21、データ集計部(集計手段)22、警報レベル差算出部(警報レベル差算出手段)23、警報判定値算出部(警報判定値算出手段、影響度特定手段)24、判定部(判定手段)25、寄与度算出部(寄与度算出手段)26、警報送信部(出力手段)27およびデータ設定部28を備える構成である。これらの制御部11の各機能ブロック(21〜28)は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
データ取得部21は、データ入力部13を介して、電流計5から各電気機器の使用電力量を取得するものである。データ取得部21は、取得した各電気機器の使用電力量をデータ集計部22に出力する。
データ集計部22は、データ取得部21から各電気機器の使用電力量を取得すると共に、記憶部12から集計単位情報31を読み出す。そして、データ集計部22は、所定の監視間隔で、集計単位情報31の示す集計単位ごとに、監視周期開始時点から現時点までの電気機器の累積使用電力量を集計するものである。データ集計部22は、集計した集計単位ごとの累積使用電力量を警報レベル差算出部23に出力する。
ここで、監視周期は、電力量監視装置1が電力量を監視する周期(期間)である。換言すると、監視周期は、データ集計部22が集計する累積使用電力量の始期および終期を定めるものである。本実施形態では、電力量監視装置1がデマンド監視を行うことを想定しているため、監視周期は、デマンド周期(30分)であるが、これに限るものではない。例えば、監視周期を1分としてもよいし、1時間としてもよいし、1日としてもよいし、1年としてもよく、監視周期は任意に設定してもよい。
また、監視間隔とは、監視周期内で、電力量監視装置1が監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量の超過の有無を判定する間隔である。換言すると、監視間隔とは、データ集計部22が累積使用電力量を集計する間隔である。監視間隔は、監視周期より短い間隔であればよく、任意でよい。本実施形態では、監視間隔を1分間とし、データ集計部22が1分毎に集計単位ごとに累積使用電力量を集計するものとする。
また、集計単位は、累積使用電力量を集計する単位であって、監視範囲に含まれる電気機器を少なくとも1つ含む単位である。本実施形態では、建屋2ごとに集計するものとする。つまり、本実施形態では、生産設備6a、空調機7aおよび電灯8aを1つの集計単位とし、生産設備6b、空調機7bおよび電灯8bを1つの集計単位とし、データ集計部22は、生産設備6a、空調機7aおよび電灯8aの合計の累積使用電力量と、生産設備6b、空調機7bおよび電灯8bの合計の累積使用電力量とを集計する。
ただし、集計単位はこれに限るものではなく、1つの電流計5が計測する電気機器を集計単位としてもよいし、各電気機器または電気機器群を集計単位としてもよいし、デマンド契約単位を集計単位としてもよい。本発明では、監視範囲に含まれる複数の電気機器を複数の集計単位に分類していれば、どのような集計単位であってもよい。
警報レベル差算出部23は、データ集計部22から集計単位ごとの累積使用電力量を取得すると共に、記憶部12から警報レベル値情報32を読み出す。そして、警報レベル差算出部23は、集計単位ごとに、データ集計部22が集計した累積使用電力量と、警報レベル値情報32の示す当該集計単位の現時点における警報レベル値との差分である警報レベル差を算出するものである。警報レベル差算出部23は、算出した集計単位ごとの警報レベル差を警報判定値算出部24に出力する。
ここで、警報レベル値とは、集計単位に含まれる電気機器の使用電力量を評価するための基準となる値である。本実施形態では、集計単位に含まれる電気機器の規格電力(標準使用電力量)の合計を警報レベル値として設定するものとする。具体的には、例えば、集計単位に含まれる電気機器の規格電力が60MW/hの場合、監視周期開始時点から10分の時点の場合、警報レベル値は10MWとし、20分の時点の場合、20MWとし、30分の時点の場合、30MWとする。すなわち、警報レベル値を〔規格電力に基づく監視周期(30分)における使用電力量〕×〔時間比率(経過時間/30分)〕としてもよい。
ただし、警報レベル値は、上述の例に限らず、集計単位に含まれる電気機器の使用電力量を評価するための基準となる値であれば何でもよい。
警報判定値算出部24は、警報レベル差算出部23から集計単位ごとの警報レベル差を取得し、各集計単位の警報レベル差に基づいて警報判定値を算出するものである。例えば、警報判定値算出部24は、各集計単位の警報レベル差を合計して警報判定値を算出する。警報判定値算出部24は、算出した警報判定値を判定部25に出力する。
なお、警報判定値算出部24は、警報レベル差算出部23から集計単位ごとの警報レベル差を取得すると共に、記憶部12から影響度情報33を読み出し、影響度情報33の示す、監視範囲に含まれる全電気機器に対する集計単位に含まれる全電気機器の影響度を、各集計単位の警報レベル差にそれぞれ乗算し、乗算して得られた値を合計して警報判定値を算出してもよい。
本実施形態では、監視範囲に含まれる全電気機器の規格電力の合計に対する集計単位に含まれる全電気機器の規格電力の合計の割合を影響度とする。例えば、建屋2aに含まれる生産設備6a、空調機7aおよび電灯8aの規格電力の合計が60MWであり、建屋2bに含まれる生産設備6b、空調機7bおよび電灯8bの規格電力の合計が40MWである場合、建屋2aの影響度を0.6とし、建屋2bの影響度を0.4とする。
すなわち、例えば、建屋2aの警報レベル差が10であり、建屋2bの警報レベル差が20であった場合、警報判定値算出部24は、10×0.6+20×0.4=14を警報判定値としてもよい。ただし、影響度は、上述の例に限るものではない。
判定部25は、警報判定値算出部24から警報判定値を取得すると共に、記憶部12から警報閾値情報34を読み出し、取得した警報判定値が警報閾値情報34の示す警報閾値を超えているか否かを判定するものである。判定部25は、判定した結果を警報送信部27に出力する。
ここで、上記警報閾値とは、監視範囲内の使用電力量が想定値を超過しているか否かを判定するための閾値であり、監視範囲内の電気機器の特性(規格電力等)や使用態様、管理デマンド値、後述の想定値等に基づいて、適宜設定するものである。上記警報閾値を、例えば、管理デマンド値の2%に設定してもよい。また、警報閾値を監視範囲内の電気機器の規格電力値から設定してもよいが、実際には規格電力値よりも少ない電力で電気機器を稼動させることも多い。そのため、監視範囲内の電気機器の実際の使用電力量(消費電力量)を計測し、通常時における監視範囲内の各電気機器の平均使用電力量の合計に基づいて警報閾値を設定してもよい。
なお、判定部25は、さらに記憶部12から時間係数情報35を読み出し、警報判定値算出部24から取得した警報判定値に時間係数情報35の示す時間係数を乗算し、乗算して得られた値が、警報閾値情報34の示す警報閾値を超えているか否かを判定してもよい。
ここで、上記時間係数は、監視周期開始時点からの経過時間と増加の関係にあるものであり、警報判定値に上記経過時間による重み付けを付与するための係数である。時間係数を、例えば、経過時間/10としてもよい。この場合、経過時間が10分であれば、時間係数は1であり、経過時間が20分であれば、時間係数は2である。また、経過時間が0〜5分の場合、時間係数を0とし、経過時間が6分〜30分の場合、時間係数を1としてもよい。また、経過時間が0〜10分の場合、時間係数を1とし、経過時間が11分〜20分の場合、時間係数を2とし、経過時間が21分〜30分の場合、時間係数を3としてもよい。すなわち、時間係数を経過時間の関数として表してもよい。
また、判定部25は、警報閾値を超えていると判定した場合、その旨を寄与度算出部26に出力してもよい。
寄与度算出部26は、判定部25から警報判定値が警報閾値を超えているとする判定結果を取得すると、上記警報判定値に対する集計単位の警報レベル差の割合である寄与度を、集計単位ごとに算出するものである。寄与度算出部26は、算出した集計単位ごとの寄与度を警報送信部27に出力する。
警報送信部27は、判定部25から警報閾値を超えているとする判定結果を取得すると、監視範囲内の使用電力量が想定値を超過していることを示す警報情報を通信部15を介して表示装置9および/または端末10に送信するものである。例えば、警報送信部27は、Eメールで上記警報情報を端末10に送信して、警報内容をユーザに通知してもよい。
ここで、上記警報情報とは、より具体的には、監視範囲内の使用電力量が想定値を超過している超過状態であり、このままの状態が続くと管理デマンド値を超える可能性がある(または可能性が高い)ことを示すものである。また、上記想定値とは、経過時間における管理デマンド値より小さい値であり、任意に設定してもよい。上記想定値を、例えば、管理デマンド値の50%に設定してもよい。
また、警報送信部27は、判定部25から警報閾値を超えていない(警報閾値を下回っている)とする判定結果を取得した場合であって、前回の判定結果が警報閾値を超えているとするものである場合、監視範囲内の使用電力量が想定値を下回ったことを示す回復情報を送信してもよい。
ここで、上記回復情報とは、より具体的には、監視範囲内の使用電力量が超過状態から通常状態に回復し、このままの状態を維持すれば管理デマンド値を超えない(または超える可能性が低い)ことを示すものである。
また、警報送信部27は、判定部25から警報閾値を超えているとする判定結果を取得すると共に、寄与度算出部26から集計単位ごとの寄与度を取得した場合、最も高い寄与度を示す集計単位を特定し、監視範囲内の使用電力量が想定値を超過していること、および、特定した集計単位に含まれる電気機器が上記超過に最も寄与していることを示す警報情報を送信してもよい。
また、警報送信部27は、判定部25から警報閾値を超えているとする判定結果を取得すると共に、寄与度算出部26から集計単位ごとの寄与度を取得した場合、寄与度の値が大きい順に集計単位に順位付けをし、監視範囲内の使用電力量が想定値を超過していること、および、各集計単位に寄与度に基づいて付与した順位を示す警報情報を送信してもよい。
これにより、どの電気機器の使用電力量を抑制すれば、監視範囲に含まれる電気機器の使用電力量を最も効果的に低下させることができるかをユーザに通知することができる。
なお、警報送信部27は、監視周期開始時点から所定時間経過していない場合、判定部25から警報閾値を超えているとする判定結果を取得した場合であっても、上記警報情報を送信しないようにしてもよい。この警報情報を送信しない期間を警報マスク期間と称する。
データ設定部28は、操作部14から入力されたユーザの指示に基づいて、集計単位情報31、警報レベル値情報32、影響度情報33、警報閾値情報34および時間係数情報35を生成し、生成したこれらの情報を記憶部12に格納するものである。
〔電力量監視装置の処理〕
次に、電力量監視装置1の処理の流れについて図3に基づいて説明する。図3は、電力量監視装置1の電力量監視処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、データ取得部21は、データ入力部13を介して、電流計5から各電気機器の使用電力量を取得する(S1)。データ取得部21は、取得した各電気機器の使用電力量をデータ集計部22に出力する。
データ集計部22は、データ取得部21から各電気機器の使用電力量を取得すると共に、記憶部12から集計単位情報31を読み出す。そして、データ集計部22は、集計単位情報31の示す集計単位ごとに、監視周期開始時点から現時点までの電気機器の累積使用電力量を集計する(S2)。データ集計部22は、集計した集計単位ごとの累積使用電力量を警報レベル差算出部23に出力する。
警報レベル差算出部23は、データ集計部22から集計単位ごとの累積使用電力量を取得すると共に、記憶部12から警報レベル値情報32を読み出す。そして、警報レベル差算出部23は、集計単位ごとに、データ集計部22が集計した累積使用電力量と、警報レベル値情報32の示す当該集計単位の現時点における警報レベル値との差分である警報レベル差を算出する(S3)。警報レベル差算出部23は、算出した集計単位ごとの警報レベル差を警報判定値算出部24に出力する。
警報判定値算出部24は、警報レベル差算出部23から集計単位ごとの警報レベル差を取得し、各集計単位の警報レベル差に基づいて警報判定値を算出する(S4)。
次に、判定部25は、警報判定値算出部24から警報判定値を取得すると共に、記憶部12から警報閾値情報34を読み出し、取得した警報判定値が警報閾値情報34の示す警報閾値を超えているか否かを判定する(S5)。
ここで、判定部25は、警報判定値が警報閾値を超えていると判定した場合(S5でYES)、その判定結果を警報送信部27および寄与度算出部26に出力する。
寄与度算出部26は、判定部25から警報判定値が警報閾値を超えているとする判定結果を取得すると、上記警報判定値に対する集計単位の警報レベル差の割合である寄与度を、集計単位ごとに算出する(S6)。寄与度算出部26は、算出した集計単位ごとの寄与度を警報送信部27に出力する。
警報送信部27は、判定部25から警報閾値を超えているとする判定結果を取得すると共に、寄与度算出部26から集計単位ごとの寄与度を取得し、最も高い寄与度を示す集計単位を特定する(S7)。そして、警報送信部27は、監視範囲内の使用電力量が想定値を超過していること、および、特定した集計単位に含まれる電気機器が上記超過に最も寄与していることを示す警報情報を通信部15を介して表示装置9および端末10に送信する。表示装置9および端末10は、受信した警報情報の示す警報内容をユーザに通知する(S8)。
一方、判定部25は、警報判定値が警報閾値を超えていないと判定した場合(S5でNO)、その判定結果を警報送信部27に出力する。
警報送信部27は、判定部25から警報判定値が警報閾値を超えていないとする判定結果を取得すると、前回の判定結果が警報閾値を超えているとするものであるか否かをさらに判定する(S9)。前回の判定結果が警報閾値を超えているとするものである場合(S9でYES)、警報送信部27は、監視範囲内の使用電力量が想定値を下回ったことを示す回復情報を送信する。表示装置9および端末10は、受信した回復情報の示す内容をユーザに通知する(S10)。一方、前回の判定結果が警報閾値を超えていないとするものである場合(S9でNO)、電力量監視処理を終了する。
なお、電力量監視装置1は、これらの一連の処理(S1〜S10)を監視間隔ごとに実行して、監視周期内の監視範囲に含まれる電気機器の使用電力量を監視する。
また、S4において、警報判定値算出部24は、各集計単位の警報レベル差を合計して警報判定値を算出してもよい。また、警報判定値算出部24は、警報レベル差算出部23から集計単位ごとの警報レベル差を取得すると共に、記憶部12から影響度情報33を読み出し、影響度情報33の示す各集計単位の影響度を、各集計単位の警報レベル差にそれぞれ乗算し、乗算して得られた値を合計して警報判定値を算出してもよい。
また、S5において、判定部25は、記憶部12から時間係数情報35を読み出し、警報判定値算出部24から取得した警報判定値に時間係数情報35の示す時間係数を乗算し、乗算して得られた値が、警報閾値情報34の示す警報閾値を超えているか否かを判定してもよい。
監視周期開始時点から時間が経過するほど、使用電力量が想定値より超過している場合に管理デマンド値以下に抑えることが難しくなる。つまり、警報判定値に時間係数を乗算することにより、経過時間に基づく対応の困難性(危険度)を加味することができる。
〔実施例〕
次に、電力量監視処理の具体的な実施例を図4〜図6に基づいて説明する。
本実施例では、集計単位を電気機器の種別単位とする。つまり、生産設備6aおよび6bを1つの集計単位(集計単位A)とし、空調機7aおよび7bを1つの集計単位(集計単位B)とし、電灯8aおよび8bを1つの集計単位(集計単位C)とする。また、生産設備6aおよび6bの合計の規格電力が50MW/hであり、空調機7aおよび7bの合計の規格電力が30MW/hであり、電灯8aおよび8bの合計の規格電力が20MW/hであるとする。
そして、各集計単位の警報レベル値を集計単位に含まれる電気機器の合計の規格電力とする。つまり、集計単位Aの警報レベル値は50MW×経過時間/60分であり、集計単位Bの警報レベル値は30MW×経過時間/60分であり、集計単位Cの警報レベル値は20MW×経過時間/60分である。
また、管理デマンド値を100MWとし、警報閾値を管理デマンド値の2%である2MWに設定したとする。
この場合において、データ集計部22が集計した、ある監視周期における各集計単位の累積使用電力量を図4に示す。図4は、各集計単位A,B,Cの累積使用電力量、および、各集計単位の警報レベル値をプロットしたグラフである。図4の横軸は監視周期開始時点からの経過時間(分)であり、縦軸は累積使用電力量(MW)である。
図4に示す累積使用電力量および警報レベル値に基づいて警報レベル差算出部23が算出した結果を図5に示す。図5は、各集計単位の警報レベル差をプロットしたグラフである。図5の横軸は監視周期開始時点からの経過時間(分)であり、縦軸は警報レベル差(MW)である。
次に、図5に示す各集計単位の警報レベル差に基づいて警報判定値算出部24が算出した警報判定値を図6に示す。図6は、警報判定値をプロットしたグラフである。図6の横軸は監視周期開始時点からの経過時間(分)であり、縦軸は警報判定値(MW)である。なお、ここでは、警報判定値算出部24は、各集計単位の警報レベル差を合計して警報判定値を算出している。
図6に示すように、経過時間が24分の時点で、警報判定値が警報閾値を超えており、寄与度は集計単位Cが最も大きい。そのため、警報送信部27は、経過時間が24分の時点において、監視範囲内の使用電力量が想定値を超過していること、および、集計単位Cに含まれる電灯8が上記超過に最も寄与していることを示す警報情報を送信する。
また、経過時間が25分の時点で、警報判定値が警報閾値を下回っている。そのため、警報送信部27は、経過時間が25分の時点において、監視範囲内の使用電力量が想定値を下回ったことを示す回復情報を送信する。
〔変形例〕
本実施形態では、監視範囲に含まれる電気機器全ての使用電力量を取得しているが、漢詩範囲に含まれる一部の電気機器の使用電力量だけを取得して、監視範囲内の使用電力量を監視してもよい。
監視範囲内に電気機器が数多く設置されている場合、各電気機器の使用電力量を計測する電流計等の費用や設置費用が増大になる。また、電気機器の構造的な問題や、電気機器が設置されている状況等によって、電気機器の使用電力量を計測する電流計を設置することが困難である場合がある。そのため、監視範囲に含まれる一部の電気機器の使用電力量しか取得できない状況も考えられる。
この場合であっても、監視範囲に含まれる全電気機器に対して予め定められた管理デマンド値(目標上限電力量)と、各集計単位の影響度を合計した合計影響度とに基づいて警報閾値を設定することにより、精度良く判定することができる。
すなわち、この場合、データ集計部22は、監視範囲に含まれる一部の電気機器を複数の集計単位に分類して、各集計単位ごとに累積使用電力量を算出する。警報レベル差算出部23は、集計単位ごとに、累積使用電力量と、警報レベル値との差分である警報レベル差を算出する。警報判定値算出部24は、各集計単位の警報レベル差に基づいて警報判定値を算出する。なお、このとき、警報判定値算出部24は、各集計単位の警報レベル差を単純に合計したものを警報判定値としてもよいし、影響度を用いて警報判定値を算出してもよい。そして、判定部25は、管理デマンド値および合計影響度に基づく警報閾値を警報判定値が超えているか否かを判定する。
例えば、電灯8を除いて、生産設備6および空調機7のみに電流計が設置されているとする。つまり、上述の実施例において、集計単位AおよびBのみを集計するとする。影響度は、規格電力の割合として算出すると、集計単位Aの影響度は0.5であり、集計単位Bの影響度は0.3であり、集計単位AおよびBの合計影響度は、0.8となる。
上述の実施例では、警報閾値を管理デマンド値の2%としているが、この場合、警報閾値を〔管理デマンド値100MW〕×〔合計影響度0.8〕×0.02=1.6MWとしてもよい。
このように、監視範囲に含まれる一部の電気機器の使用電力量だけを取得した場合であっても、警報閾値を適宜設定することによって、精度良く判定することができる。
〔補足〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、電力量監視装置1の各ブロック、特に制御部11は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、電力量監視装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである電力量監視装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記電力量監視装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、電力量監視装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は、デマンド監視等の複数の電気機器の使用電力量を監視する電力量監視装置に利用することができる。
1 電力量監視装置
3 電力量計(計測装置)
5 電流計(計測装置)
6 生産設備(電気機器)
7 空調機(電気機器)
8 電灯(電気機器)
9 表示装置(通知装置)
10 端末(通知装置)
11 制御部
22 データ集計部(集計手段)
23 警報レベル差算出部(警報レベル差算出手段)
24 警報判定値算出部(警報判定値算出手段、影響度特定手段)
25 判定部(判定手段)
26 寄与度算出部(寄与度算出手段)
27 警報送信部(出力手段)
100 電力量監視システム

Claims (10)

  1. 監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量を監視する電力量監視装置であって、
    上記複数の電気機器を複数の集計単位に分類し、当該集計単位ごとに、上記電気機器の使用電力量をそれぞれ集計する集計手段と、
    上記集計単位ごとに、上記集計手段が集計した使用電力量と、当該集計単位ごとに予め定められた警報レベル値との差分である警報レベル差を算出する警報レベル差算出手段と、
    上記警報レベル差算出手段が算出した各集計単位の警報レベル差に基づいて警報判定値を算出する警報判定値算出手段と、
    上記警報判定値算出手段が算出した警報判定値が所定の警報閾値を超えているか否かを判定する判定手段と、
    上記判定手段が上記警報判定値が上記警報閾値を超えていると判定した場合、監視範囲内の使用電力量が超過していることを示す警報情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする電力量監視装置。
  2. 上記集計単位ごとに、上記警報判定値に対する当該集計単位の警報レベル差の割合である寄与度をそれぞれ算出する寄与度算出手段をさらに備え、
    上記出力手段は、上記判定手段が上記警報判定値が上記警報閾値を超えていると判定した場合、当該警報判定値に対して最も高い寄与度を示す集計単位に含まれる電気機器が使用電力量の超過に最も寄与していることを警報情報に付加して出力することを特徴とする請求項1に記載の電力量監視装置。
  3. 上記集計単位ごとに、上記監視範囲に含まれる全電気機器に対する、上記集計単位に含まれる電気機器の影響度をそれぞれ特定する影響度特定手段をさらに備え、
    上記警報判定値算出手段は、上記警報レベル差算出手段が算出した各集計単位の警報レベル差に上記影響度をそれぞれ乗算したものを合計して警報判定値を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の電力量監視装置。
  4. 上記判定手段は、上記警報判定値算出手段が算出した警報判定値に、監視開始時点からの経過時間の増加に応じて増加する時間係数を乗算した値が上記警報閾値を超えているか否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の電力量監視装置。
  5. 上記判定手段は、上記監視範囲に含まれる全電気機器に対して予め定められた目標上限電力量と、上記影響度特定手段が特定した各集計単位の影響度を合計した合計影響度とに基づく上記警報閾値を上記警報判定値が超えているか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載の電力量監視装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の電力量監視装置と、
    上記電気機器の使用電力量を計測し、計測した上記電気機器の使用電力量を上記電力量監視装置に出力する計測装置とを含むことを特徴とする電力量監視システム。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載の電力量監視装置と、
    上記出力手段から出力された警報情報を受信し、受信した警報情報の示す警報内容をユーザに通知する通知装置とを含むことを特徴とする電力量監視システム。
  8. 監視範囲に含まれる複数の電気機器の使用電力量を監視する電力量監視方法であって、
    上記複数の電気機器を複数の集計単位に分類し、当該集計単位ごとに、上記電気機器の使用電力量をそれぞれ集計する集計ステップと、
    上記集計単位ごとに、上記集計ステップにおいて集計された使用電力量と、当該集計単位ごとに予め定められた警報レベル値との差分である警報レベル差を算出する警報レベル差算出ステップと、
    上記警報レベル差算出ステップにおいて算出された各集計単位の警報レベル差に基づいて警報判定値を算出する警報判定値算出ステップと、
    上記警報判定値算出ステップにおいて算出された警報判定値が所定の警報閾値を超えているか否かを判定する判定ステップと、
    上記判定ステップにおいて上記警報判定値が上記警報閾値を超えていると判定された場合、監視範囲内の使用電力量が超過していることを示す警報情報を出力する出力ステップとを含むことを特徴とする電力量監視方法。
  9. 請求項1〜5の何れか1項に記載の電力量監視装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
  10. 請求項9に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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