JP5849301B2 - 回転子を備えた編目編成具、及び編機 - Google Patents

回転子を備えた編目編成具、及び編機 Download PDF

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Description

本発明は、回転子を備えた編目編成具、及び編機に関する。
従来、このような分野の技術として、円盤状の回転子を回転させて、この回転子による回転運動を用いて編目編成を行なうロータリー編機が知られている(例えば、特許文献1参照)。このロータリー編機では、円盤状の回転子本体の周面に、編糸を係止するためのフックが形成されている。さらに、回転子本体の周面には、直線運動するラックと噛み合う歯形が形成されている。そして、回転子本体は、その周面を摺動可能に保持する保持ガイドに保持され、ラックの直線運動に応じて、回転する構成とされている。また、特許文献1に記載のロータリー編機では、編目編成に必要な複数の回転子が、一体構造の保持ガイドに保持されている。
また、回転子を備えた編目編成具及び編機として特許文献2に記載の技術が開示されている。特許文献2に記載の編目編成具は、軸線回りに回転可能な回転子を有し、この回転子には、軸線方向に突出する回転軸が設けられている。
米国特許第3,971,232号明細書 特開2010−126830号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、編目編成に必要な複数の回転子が、一体構造の保持ガイドによって保持されているため、回転子の回転制御を独立して行うことができないという問題があった。そのため、実用的な編機に採用可能な編目編成具が求められていた。
また、特許文献2に記載の技術では、回転子に、軸線方向に突出する回転軸が設けられているため、加工コストがかかるという問題があった。そのため、簡素な構成の回転子を備え、回転子の回転制御を独立して行うことが可能な編目編成具が求められていた。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、回転子の回転制御を独立して行うことができ、実用的な編機に採用可能な編目編成具、この編目編成具を備えた編機、編目編成具の回転子を提供することを目的とする。
本発明による編目編成具は、軸線周りに回転可能な回転子を有し、前記回転子の回転運動を用いて編目編成を行う編目編成具において、円盤状を成し周面が摺動面である前記回転子と、前記回転子の径方向に離間して、前記回転子の周面を摺動可能に支持する一対の軸受け板と、前記回転子及び前記一対の軸受け板を挟んで前記回転子の板厚方向の両側に配置され、前記回転子及び前記一対の軸受け板を支持する一対の支持板と、を備え、前記一対の軸受け板及び前記支持板が一体とされて薄板状を構成し、前記回転子には、前記板厚方向に貫通し前記周面側から内方に開口されることで形成された係止凹部が設けられ、前記回転子の周縁部には、回転駆動力が伝達される複数の歯が形成され、前記一対の支持板には、前記係止凹部に編糸を進入させると共に脱出させるための編糸挿通口が形成されていることを特徴としている。
このように構成された編目編成具によれば、回転子の周面が摺動面とされているため、厚み方向に突出する回転軸を使用せずに、回転子を好適に回転させることができる。また、回転子の周面には、複数の歯が形成されているため、この複数の歯を介して回転駆動力を伝達することができる。回転子、軸受け板、支持板が全て板材から形成可能であり、加工コストを抑えることができる。また、これらの回転子、軸受け板、支持板が一体とされているため、回転子の回転制御を独立して行うことができる。また、回転子、軸受け板、支持板とされて薄板状に構成されているため、構造が簡素であり、編機の小型化を図ることができる。すべての部品を板状とすることで、設計を容易とすることができる。
また、回転子の周縁部に、複数の歯が形成され、この歯と噛み合う駆動歯車を用いて、回転子ごとに独立して回転制御を行うことが可能である。
また、本発明による回転子は、回転運動を用いて編目編成を行う編目編成具の回転子において、円盤状を成し周面が摺動面である回転子本体を備え、前記回転子本体には、板厚方向に貫通し前記周面側から内方に開口されることで形成された係止凹部が設けられ、前記回転子の周縁部には、回転駆動力が伝達される複数の歯が形成されており、係止凹部は、側面視において、前記回転子本体の中心を超えて反対側まで、深く形成されていることを特徴としている。
このように構成された回転子によれば、回転子本体の周面が摺動面とされているため、厚み方向に突出する回転軸を使用せずに、回転子を好適に回転させることができる。また、回転子本体の周面には、複数の歯が形成されているため、この複数の歯を介して回転駆動力を伝達することができる。回転子が板材から形成可能であり、加工コストを抑えることができる。
また、回転子の周縁部に、複数の歯が形成され、この歯と噛み合う駆動歯車を用いて、回転子ごとに独立して回転制御を行うことが可能である。
また、係止凹部は、前記複数の歯間に形成された凹部よりも、前記回転子本体の径方向において深く形成されているこのように係止凹部の深さを調整することで、ループ長さを好適に調整することができる。
また、係止凹部は、側面視において、前記回転子本体の中心を超えて反対側まで、深く形成されていることが好適である。このように係止凹部の深さを深く調整することで、ループ長さを好適に調整することができる。
また、係止凹部には、段差が形成され、複数の編糸を異なる位置で係止可能であることが好ましい。これにより、パイル編みに好適な回転子を実現することができる。
また、本発明による丸編機は、第1方向に延在する軸線回りに回転可能な回転子を有し、前記回転子の回転運動を用いて編目編成を行う編目編成具と、前記編目編成具に供給された編糸を保持するシンカーと、前記編目編成具及び前記シンカーを保持し、前記第1方向と直交する第2方向に延在する第2の軸線回りに、前記編目編成具及びシンカーを回転運動させる保持台と、を備え、前記編目編成具は、円盤状を成し周面が摺動面である前記回転子と、前記回転子の径方向に離間して、前記回転子の周面を摺動可能に支持する一対の軸受け板と、前記回転子及び前記一対の軸受け板を挟んで前記回転子の板厚方向の両側に配置され、前記回転子及び前記一対の軸受け板を支持する一対の支持板と、を備え、前記一対の軸受け板及び前記一対の支持板が一体とされて薄板状を構成し、前記回転子には、前記板厚方向に貫通し前記周面側から内方に開口されることで形成された係止凹部が設けられ、前記回転子の周縁部には、駆動力が伝達される複数の歯が形成され、前記一対の支持板には、前記係止凹部に編糸を進入させると共に脱出させるための編糸挿通口が形成されていることを特徴としている。
このように構成された丸編機によれば、編目編成具が回転可能な回転子を備え、回転子の周面が摺動面とされているため、厚み方向に突出する回転軸を使用せずに、回転子を好適に回転させることができる。また、回転子の周面には、複数の歯が形成されているため、この複数の歯を介して回転駆動力を伝達することができる。回転子、軸受け板、支持板が全て板材から形成可能であり、加工コストを抑えることができる。また、これらの回転子、軸受け板、支持板が一体とされているため、回転子の回転制御を独立して行うことができる。また、回転子、軸受け板、支持板とされて薄板状に構成されているため、構造が簡素であり、編機の小型化を図ることができる。すべての部品を板状とすることで、設計を容易とすることができる。
また、回転子の周縁部に、複数の歯が形成され、この歯と噛み合う駆動歯車を用いて、回転子ごとに独立して回転制御を行うことが可能である。
また、回転子の周縁部に設けられた複数の歯と噛み合う回転子用駆動歯車と、前記回転子用駆動歯車に回転駆動力を付与する回転子用サーボモーターとを備えることが好適である。これにより、サーボモーターを用いて、回転子の回転角を好適に制御することができる。従前のカムを用いて回転子を駆動する方式と異なり、回転子ごとに回転角度を制御することができるため、回転子を用いて、複雑な編み組織を形成することができる。
本発明によれば、回転子の回転制御を独立して行うことができ、実用的な編機に採用可能な編目編成具、この編目編成具を備えた編機、編目編成具の回転子を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るローターの斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るローターの斜視図である。 本発明の第3実施形態に係るローターの斜視図である。 本発明の実施形態に係る編目編成具の側面図である。 本発明の実施形態に係る編目編成具の正面図である。 本発明の実施形態に係る編目編成具の分解斜視図である。 丸編機のホルダーベース、ホルダーベースに固定された編目編成具、及び、編目編成具のローターを駆動させる駆動歯車を示す側面図である。 ローター、ローターと噛み合う駆動歯車、及び、駆動歯車を駆動するサーボモーターを示す概略図である。 本発明の実施形態に係るローターを用いて平編みを行う場合のニッティングサイクルを示す図である。 本発明の実施形態に係るローターを用いてフロート編みを行う場合のニッティングサイクルを示す図である。 本発明の実施形態に係るローターを用いてフロート編みを行う場合のニッティングサイクルを示す図である。 本発明の実施形態に係るローターを用いてタック編みを行う場合のニッティングサイクルを示す図である。 本発明の実施形態に係るローターを用いてタック編みを行う場合のニッティングサイクルを示す図である。 パイル用ローター及びシンカーの配置を示す側面図である。 パイル用ローターを用いてパイル編みを行う場合のニッティングサイクルを示す図である。 図15に示したニッティングサイクルで編成されたパイル編みを示す図である。 ロータリーシンカーの側面図である。 ロータリーシンカーの正面図である。 ロータリーシンカーの分解斜視図である。 丸編機のホルダーベース、ホルダーベースに固定されたロータリーシンカー、及び、ロータリーシンカーのリングシンカーを駆動させる駆動歯車を示す側面図である。 編目編成具のローター、及びロータリーシンカーの配置を示す概略斜視図である。 リングシンカー、及びリングシンカーと噛み合う駆動歯車を示す斜視図である。 ローター及びロータリーシンカーの配置を示す側面図である。 ローター及びロータリーシンカーの配置を示す正面図である。 ローター、リングシンカー、及びこれらによって形成された編目を示す概略図である。 リングシンカー、及びリングシンカーを回転駆動するためのカムを示す斜視図である。 パイルシンカーを示す側面図である。 パイルシンカー、及びパイルシンカーを用いて編成されたパイル編みを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る丸編機を示す斜視図である。 ホルダーベース、編目編成具、ロータリーシンカー、及び駆動歯車を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る編目編成具の変形例を示す側面図である。 編目編成具、及び編目編成具のローターに噛み合う駆動ジャックを示す図である。 駆動ジャックによるローターの駆動サイクルを示す図である。 編機制御装置を示すブロック図である。 ホルダーベース、ローター、リングシンカーの回転制御の動作時期を示すタイムチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(ローター)
図1は、本発明の第1実施形態に係るローターの斜視図である。図1に示されるローター2は、円盤状に形成され、編目編成具1(図4〜図6参照)に搭載されて、所定の回転軸L1回りに回転可能とされている。
ローター2の回転軸L1方向に対向する主面2aは、平坦面とされている。ローター2では、回転軸L1方向に突出する凸部は形成されておらず、同一の厚みを有している。ローター2の周縁部には、ローター2に駆動力を伝達するためのローター歯(ギア)21が設けられている。ローター歯21は、全周にわたり等間隔で配置されている。本実施形態のローター2では、歯数が8個とされている。ローター歯21は、ローター駆動用モータの出力軸に設けられたギアと噛み合い、駆動力が付与され、ローター2が回転軸L1回りに回転する。なお、本実施形態では、ローター2の歯数は8個としているが、ローター2の歯数は8個に限定されない。
また、ローター2の周面(ローター歯21の先端面)は、摺動面として機能する。ローター2は、後述するインナープレート13,14(図6参照)によって回転可能に支持される。
ローター(回転子本体)2には、編糸を編みこむ一対のフック(係止凹部)22が形成されている。フック22は、ローター2の周面側から中心側(内方)へ凹むように形成されている。フック22は、ローター2の径方向において、中央よりも反対側まで形成されていてもよい。フック22は、ローター2の厚み方向において、一方の主面から2aから他方の主面2aまで貫通している。回転子のフック22が、その円周上の相対する位置に2個形成されている。また、フック22は、2個以上(例えば、3個、4個)設けられていることが好適である。
なお、フック22は、ローター歯21間に形成された凹部よりも、ローター2の径方向において深く形成されていることが好ましいが、ローター歯21間の凹部と同程度の深さでもよい。
(第2実施形態のローター)
図2は、本発明の第2実施形態に係るローターの斜視図である。図2に示される第2実施形態のローター2Bが第1実施形態のローター2と違う点は、フック22Bの形状が異なる点である。フック22Bには、段差部が設けられており、編糸が形成される底部23,24が2箇所形成されている。このように、フック22Bには、段差部が設けられ、複数の底部23,24が形成されているため、底部ごとに別々の編糸を形成することで、ループ長さが異なる2つの編目を形成し、パイル編みを編成することができる。ローター2Bは、パイル用ローターとして使用可能である。
(第3実施形態のローター)
図3は、本発明の第3実施形態に係るローターの斜視図である。図3に示される第3実施形態のローター2Cが第1実施形態のローター2と違う点は、周縁部に形成されたローター歯21の歯数が異なる点である。ローター2Cでは、歯数が4個とされている。
(編目編成具)
図4は、本発明の実施形態に係る編目編成具の側面図、図5は、本発明の実施形態に係る編目編成具の正面図、図6は、本発明の実施形態に係る編目編成具の分解斜視図である。なお、編目編成具1の説明において、編目編成具1を丸編機100に搭載した場合に、丸編機の中央側に向く面を、編目編成具の背面とし、丸編機の外側に向く面を、編目編成具の正面とする。
図4〜図6に示される編目編成具(knitting element)1は、例えば丸編機100に搭載され、靴下などの編み立てに利用されるものである。編目編成具1は、ローター2、アウタープレート12,12、インナープレート13,14を備えている。なお、編目編成具1は、ローター2に代えて、ローター2B、またはローター2Cを備える構成でもよい。その他のローターを備える編目編成具でもよい。
アウタープレート12,12は、板状を成し、ローター2を軸線方向L1の両側から挟んで保持するものである。アウタープレート12は、図示上下方向が、長手方向となるように形成されている。
インナープレート13,14は、板状を成し、ローター2を図示上下方向の両側から挟んで保持するものである。インナープレート13,14は、ローター2を挟んで、図示上下方向に離間して配置されている。インナープレート13,14は、軸線方向L1の両側から一対のアウタープレート(支持板)12,12によって挟まれて支持されている。
編目編成具1では、アウタープレート12、インナープレート13,14、アウタープレート12が板厚方向に積層されて固定されている。インナープレート13は、隣接するアウタープレート12,12に溶接などによって接合されている。インナープレート14は、隣接するアウタープレート12,12に溶接などによって接合されている。編目編成具1では、アウタープレート12、インナープレート13,14、アウタープレート12が一体とされて薄板状を成している。
インナープレート13の下端面13aは、ローター2の周面2bと対面し、ローター2を回転可能に支持する摺動面として機能する。インナープレート14の上端面14aは、ローター2の周面2bと対面し、ローター2を回転可能に支持する摺動面として機能する。インナープレート13は、ローター2の径方向に離間して、ローター2の周面を摺動可能に支持する一対の軸受け板として機能する。
アウタープレート12には、板厚方向に貫通する開口部12aが形成されている。この開口部12aは、図4に示すように、アウタープレート12の幅方向Wの一方の端部から、反対側へ形成されている。なお、アウタープレート12は、幅方向Wの他方の端部側では開口されていない。アウタープレート12は、他方の端部側では、図示上下方向に連続して形成されている。また、開口部12aは、幅方向Wの他方の端部側で、円弧状に形成されている。
開口部(編糸挿通口)12aは、編糸をローター2のフック22に進入させるための通路として機能すると共に、フック22に喰われた編糸を外部へ脱出させるための通路として機能する。また、開口部12aの円弧形状は、フック22に喰われた編糸を所定の回転軸L1回りに周回運動させる際の案内部となる。すなわち、フック22および開口部12aに囲まれた空間内に存在する編糸は、フック22の回転運動に伴い、所定の回転軸L1回りに周回運動する。
ローター2は、編目編成具1に装着された状態において、アウタープレート12よりも幅方向Wの外側へ露出している。具体的には、ローター2のローター歯21が、外部側に露出している。
(ローターの駆動方法)
図7は、丸編機のホルダーベース、ホルダーベースに固定された編目編成具、及び、編目編成具のローターを駆動させる駆動歯車を示す側面図である。図8は、ローター、ローターと噛み合う駆動歯車、及び、駆動歯車を駆動するサーボモーターを示す概略図である。
図7に示されるように、編目編成具1は、例えば丸編機100のホルダーベース110に装着されて使用される。ホルダーベース110の外周側には、駆動歯車72が配置されている。駆動歯車72は、図8に示すサーボモーター71の出力軸に固定されている。駆動歯車72は、ローター2の周縁部に形成されたローター歯21と噛み合い、サーボモーター71による駆動力をローター2に伝達し、ローター2を回転駆動する。
(ローターを用いた編目編成方法;平編み)
ロータリー原理による編目編成サイクル(ニッティングサイクル)について説明する。図9は、本発明の実施形態に係るローターを用いて平編みを行う場合のニッティングサイクルを示す図である。ローター2は、矢印a方向(図示左回り)に回転する。
図9(a)に示すローター2の位置を基準位置(0度)として、説明する。ローター2が0度の位置(基準位置)にあるときに、ローター2に編糸202が供給される。このとき、下方側のフック22には、オールドループ201が係止された状態である。
ローター2は、図9(b)に示す45度の位置から45度回転して図9(c)に示す状態となる。ローター2が45度の位置からから90度の位置へ回転移動する際に、編糸202はニューループを形成しながらオールドループ201の中を通過し始める。
ローター2は、図9(c)に示す90度の位置から45度回転して図9(d)に示す状態となる。ローター2が90度の位置から135度の位置へ回転移動する際に、ニューループ202がオールドループ201の中を通過する。
ローター2は、図9(d)に示す135度の位置から45度回転して図9(e)に示す状態となる。ローター2が135度の位置から180度の位置へ回転移動する際に、オールドループ201がフック22から脱出する。これにより、ニューループ202がオールドループ201の中を通過し、平編みができる。ローター2が180度回転して、1つの編目(ループ)ができる。
(ローターを用いた編目編成方法;フロート編み)
図10,11は、本発明の実施形態に係るローターを用いてフロート編みを行う場合のニッティングサイクルを示す図である。図10(a)に示すように、ローター2が0度の位置(基準位置)にあるときに、ローター2に編糸202が供給される。このとき、下方側のフック22には、オールドループ201が係止された状態である。
ローター2は、フック22に編糸202を喰った状態で、0度から45度回転して図10(b)に示す状態となる。
ローター2は、図10(b)に示す45度の位置から、矢印b方向(図示右回り)に45度回転して図10(c)に示す状態となる。ローター2が45度の位置から0度の位置へ逆回転する際に、編糸202がフック22から脱出する。
ローター2が、図11(c)に示すように、0度の位置に戻ると、ローター2に編糸203が供給される。このとき、下方側のフック22には、オールドループ201が係止されたままの状態である。
ローター2は、図11(c)に示す0度の位置から、矢印a方向に180度回転して、上述の平編みと同様に、ニューループ203がオールドループ201の中を通過して、1つの編目ができる。このとき、編糸202は、編み込まれていない状態で、すなわちフロートする。
(ローターを用いた編目編成方法;タック編み)
図12,13は、本発明の実施形態に係るローターを用いてタック編みを行う場合のニッティングサイクルを示す図である。図12(a)に示すように、ローター2が0度の位置(基準位置)にあるときに、ローター2に編糸202が供給される。このとき、下方側のフック22には、オールドループ201が係止された状態である。
ローター2は、フック22に編糸202を喰った状態で、0度から45度回転して図12(b)に示す状態となる。
ローター2は、図12(b)に示す45度位置から、矢印b方向(図示右回り)に45度回転して図12(c)に示す状態となる。ローター2が45度の位置から0度の位置へ逆回転する際に、編糸202はフック22に喰われたままの状態である。
ローター2が、図13(c)に示すように、0度の位置に戻ると、ローター2に編糸203が供給され、上方側のフック22には、編糸202,203が喰われている状態である。このとき、下方側のフック22には、オールドループ201が係止されたままの状態である。
ローター2は、図13(c)に示す0度の位置から、矢印a方向に180度回転して、ニューループ202,203が一緒にオールドループ201の中を通過して、編目ができる。このように、1コース目の編糸202と2コース目の編糸203とを重ねて編み込むことで、タック編みを編成することができる。
ローター2の回転方向(a方向、b方向)を変更する場合には、サーボモーター71を用いることで、容易に行うことができる。サーボモーター71への電気信号指示を変えることで、ローター2の回転角度及び回転方向を任意に変化させることができる。ローター2の回転方向を変更する。これがサーボモーター駆動の大きな特徴である。
(パイル用ローターを用いた編目編成方法;パイル編み)
図14は、パイル用ローター及びシンカーの配置を示す側面図である。図15は、本発明の実施形態に係るパイル用ローターを用いてパイル編みを行う場合のニッティングサイクルを示す図である。
図15(a)に示すように、ローター2Bが0度の位置(基準位置)にあるときに、ローター2Bに編糸202F,202Bが供給される。編糸202Fは、ローター2Bの1段爪(係止凹部の底部)24に係止され、編糸202Bは、ローター2Bの2段爪(係止凹部の底部)23に係止される。このとき、下方側のフック22Bには、オールドループ201F,201Bが係止された状態である。
パイル用ローター2Bは、図15(a)に示す0度の位置から、矢印a方向に180度回転して、ニューループ202F,202Bが一緒に、オールドループ201F,201Bの中を通過して、編目が形成される。この際、1段爪24に係止された編糸202Fと、2段爪23に係止された編糸202Bでは形成される編目の長さが異なっている。具体的には、編糸202Fによる編目は、編糸202Bの編目より長くなる。
図16は、図15に示したニッティングサイクルで編成されたパイル編みを示す図であり、図16(a)は、裏目、図16(b)は、表目を示すものである。図16に示されるように、編糸202Fによるループ(パイルループ)は、編糸202Bによるループよりも長く形成されている。図15に示すニッティングサイクルによる編成方法では、従来のパイル編み(シンカーループによるパイル)と異なり、ローターループ(従来の編糸によるニードルループに相当する)がパイルになる。
(ロータリーシンカー)
次に、ロータリーシンカーについて説明する。図17〜図19は、ロータリーシンカーを示す各図である。ロータリーシンカー3の説明において、ロータリーシンカー3を丸編機100に搭載した場合に、丸編機100の中央側に向く面を、ロータリーシンカーの背面とし、丸編機100の外側を向く面を、ロータリーシンカーの正面とする。
図17〜図19に示されるロータリーシンカー3は、例えば丸編機100に搭載され、靴下などの編み立てに利用されるものである。ロータリーシンカー3は、リングシンカー(回転体)4、アウタープレート32,32、インナープレート33、及びシンカー軸34を備えている。
リングシンカー4は、平板から形成され、リング状を成している。リングシンカー4は、ロータリーシンカー3に搭載されて、所定の回転軸L2回りに回転可能とされている。
ロータリーシンカー4の周縁部には、リングシンカー4に駆動力を伝達するためのシンカー歯41が設けられている。シンカー歯41は、全周にわたり等間隔で配置されている。本実施形態のリングシンカー4では、歯数が12個とされている。シンカー歯41は、リングシンカー駆動用モータの出力軸に設けられたギアと噛み合い、駆動力が付与され、リングシンカー4が回転軸L2回りに回転する。なお、本実施形態では、リングシンカー4の歯数は12個としているが、リングシンカー4の歯数は12個に限定されない。
また、リングシンカー4の内周面4aは、リングシンカー4が回転する際の摺動面として機能する。リングシンカー4は、シンカー軸34及びアウタープレート32,32により回転可能に支持されている。
また、リングシンカー4のシンカー歯41は、駆動力を伝達する機能の他に、シンカーループを保持する係止部として機能する。従来のシンカーは、往復運動により編目編成を補助する働きをするが、リングシンカー4は回転運動を用いているため、従来のシンカーとは異なる機能を有し、シンカーループの保持と、駆動力の伝達の役目を担っている。
アウタープレート32,32は、板状を成し、リングシンカー4を軸線方向L2の両側から挟んで保持するものである。アウタープレート32は、リングシンカー4を覆う円形部32aと、円形部32aに連続して形成された固定部32bとを有する。図17に示すように、リングシンカー4のシンカー歯41は、円形部32aの外形よりも外側に張り出している。
アウタープレート32は、側面視において、シンカー歯41,41を外部に露出させる第1の湾曲形状32cと、第1の湾曲形状よりも曲率半径が大きい第2の湾曲形状とを、円形部32aの周縁に有している。第1の湾曲形状32cは、円形部32aの周縁において、下部側から正面側を経由して上部側を超える位置まで連続して形成されている。
第2の湾曲形状32dは、円形部32aの周縁において、背面側に形成されている。第2の湾曲形状の曲率半径は、第1の湾曲形状の第1の曲率半径よりも徐々に大きくなるように、形成されている。すなわち、リングシンカー4が矢印c方向に回転する際に、第1の湾曲形状32cにおいて、シンカー歯41が外部に露出することになり、第2の湾曲形状32dにおいて、シンカー歯41がアウタープレート32内に徐々に隠れるようになる。これにより、シンカー歯41に係止されていた編糸304が、第2の湾曲形状に対応する部分において、シンカー歯41から脱出することになる(図23参照)。
固定部32bは、ホルダーベース110に設けられた溝に挿入される部分である。また、固定部32bは、対面するアウタープレート32,32で異なる幅としてもよい。このような構造とすることで、挿入方向に延在する段差を設けることができる。この段差は、ロータリーシンカー3の位置決め用段差として機能する。また、この段差は、ロータリーシンカー3がホルダーベース110に装着された状態において、ロータリーシンカー3のホルダーベース110の径方向への移動を拘束することができる。
シンカー軸34は、平板から形成され、円盤状を成している。シンカー軸34は、リングシンカー4の開口部に収納され、軸線方向L2の両側からアウタープレート32,32によって挟まれて支持されている。具体的には、シンカー軸34は、アウタープレート32の円形部32aに挟まれている。シンカー軸34の外径は、リングシンカー4の開口部の大きさに対応するように形成されている。シンカー軸34の外周面34aは、リングシンカー4の内周面4aと当接する摺動面として機能する。
インナープレート33は、板状を成し、シンカー軸34と同一の厚さを有している。インナープレート33は、軸線方向L2の両側から一対のアウタープレート32,32によって挟まれて支持されている。具体的には、インナープレート33は、アウタープレート32の固定部32bに挟まれている。
ロータリーシンカー3では、アウタープレート32、インナープレート33、シンカー軸34、アウタープレート32が板厚方向に積層されて固定されている。インナープレート33は、隣接するアウタープレート32の固定部32bに溶接などによって接合されている。シンカー軸34は、隣接するアウタープレート32の円形部32aに溶接などによって接合されている。
(リングシンカーの駆動方法)
図20は、丸編機のホルダーベース、ホルダーベースに固定されたロータリーシンカー、及び、ロータリーシンカーのリングシンカーを駆動させる駆動歯車を示す側面図である。図22は、リングシンカー、及びリングシンカーと噛み合う駆動歯車を示す斜視図である。
図20に示されるように、ロータリーシンカー3は、例えば丸編機100のホルダーベース110に装着されて使用される。ホルダーベース110の外周側には、駆動歯車82が配置されている。駆動歯車82は、リングシンカー駆動用サーボモーターの出力軸に固定されている。駆動歯車82は、リングシンカー4の周縁部に形成されたシンカー歯41と噛み合い、サーボモーターによる駆動力をリングシンカー4に伝達し、リングシンカー4を回転駆動する。
(ローター及びリングシンカーの配置)
図21は、編目編成具のローター、及びロータリーシンカーの配置を示す概略斜視図である。ローター2及びロータリーシンカー3(リングシンカー4)は、図21に示されるように、丸編機100のホルダーベース110に装着された状態において、ホルダーベース110の周方向に沿って、交互に配列されている。
図23及び図24は、ローター及びロータリーシンカーを用いて編目編成を行う場合のローター及びロータリーシンカーの配置を示す図である。図23に示すように、ローター2及びリングシンカー4の中心は、側面視において所定の間隔を有している。図23では、シンカー歯41でシンカーループ304を保持している状態を示している。
シンカーループ304,303は、シンカー歯41によって、一目ずつ係止されている。リングシンカー4は、矢印c方向(図示左回り)に回転し、シンカーループ304を図示左側へ移送する。リングシンカー4が回転を継続し、シンカー歯41が、アウタープレート32に隠れる位置で、シンカーループ302,303,304は、シンカー歯41から脱出する。
(リングシンカーの作用)
図25は、ローター、リングシンカー、及びこれらによって形成された編目を示す概略図である。図25に示されるように、リングシンカー4のシンカー歯41は、編糸205を係止する。この状態で、ローター2が矢印a方向に回転し編目を形成する。ローター2の回転と同時または回転後、リングシンカー4は、矢印c方向に1歯分(シンカー歯41の1歯分)回転する。
1歯分回転移動したシンカー歯41は、シンカーループ304を保持するとともに、ローター2で形成されたオールドループ203を脱出させる。
(リングシンカーの駆動方法の実施例)
図26は、リングシンカー、及びリングシンカーを回転駆動するためのカムを示す斜視図である。図26に示すように、カム48を用いて、リングシンカー4を回転駆動させてもよい。リングシンカー4を矢印R方向に移動させることで、カム48と係合するシンカー歯41の位置が案内され、リングシンカー4が矢印c方向に回転する。
(パイルシンカー)
図27は、パイルシンカーを示す側面図である。リングシンカーの他の形態として、図27に示すようなパイルシンカー4Bが挙げられる。パイルシンカー4Bが、図19に示すリングシンカー4と違う点は、段差を有するシンカー歯45を備える点である。この段付シンカー歯45は、凹部42の右隣に、1段目のシンカー歯45aを有し、このシンカー歯45aの右隣に、2段目のシンカー歯45bを有する。パイルシンカー4Bは、パイル編みに用いられるものであり、1段目のシンカー歯45aに表糸(パイル糸)が係止され、2段目のシンカー歯45bに裏糸(地糸)が係止されて、パイル編みが形成される。
図28は、パイルシンカー、及びパイルシンカーを用いて編成されたパイル編みを示す斜視図である。図28では、パイルシンカー4Bによって、ループが長いパイルループと、パイルループよりループが短いシンカーループが形成された状態を示している。表糸は、1段目のシンカー歯45aに係止され、裏糸は、2段目のシンカー歯45bに係止されている。このように、シンカー歯45に段差を設けることで、パイル編みに好適なリングシンカーを実現することができる。
(丸編機)
本発明の実施形態に係る編目編成具及びロータリーシンカーを備えた丸編機について説明する。図29は、本発明の実施形態に係る丸編機を示す斜視図である。なお、図29では、編目編成具1及びロータリーシンカー3の記載はその一部のみ表している。
本発明の実施形態に係る丸編機100は、編目編成を行う編目編成具1と、編目編成具1に供給された編糸を保持するロータリーシンカー3と、編目編成具1及びロータリーシンカー3を保持し、第1方向と直交する第2方向に延在する第2の軸線回りに、編目編成具1及びロータリーシンカー3を回転運動させるホルダーベース(保持台)110と、を備えている。丸編機100は、ローター駆動用サーボモーター71、リングシンカー駆動用サーボモーター81、及びホルダーベース駆動用サーボモーター121をそれぞれ1つずつ備えている。
ホルダーベース110は、円筒状を成し、図示上側の端面には、編目編成具1を保持するための編成具保持溝111、及びロータリーシンカー3を保持するためのシンカー保持溝112を備えている。編成具保持溝111及びシンカー保持溝112は、周方向において交互に形成されている。編目編成具1は、編成具保持溝111に挿入されて、ホルダーベース110に固定されている。ロータリーシンカー3は、シンカー保持溝112に挿入されて、ホルダーベース110に固定されている。
ローター駆動用サーボモーター71は、編目編成具1のローター2を回転駆動するものであり、サーボモーター71の出力軸には、駆動歯車72が設けられている。この駆動歯車72が、ローター2のローター歯21と噛み合い、ローター2を回転駆動する。
リングシンカー駆動用サーボモーター81は、ロータリーシンカー3のリングシンカー4を回転駆動するものであり、サーボモーター81の出力軸には、駆動歯車82が設けられている。この駆動歯車82が、リングシンカー4のローター歯21と噛み合い、リングシンカー4を回転駆動する。
ホルダーベース駆動用サーボモーター121は、ホルダーベース110を回転駆動するものである。図示していないが、サーボモーター121の出力軸には、駆動歯車が設けられ、この駆動歯車が、ホルダーベース110に設けられたギアと噛み合い、ホルダーベース110を回転駆動する。ホルダーベース110は、矢印R方向に回転駆動される。
図30は、ホルダーベース、編目編成具、ロータリーシンカー、及び駆動歯車を示す側面図である。図30に示すように、編目編成具1が装着される保持溝111は、ロータリーシンカー3が装着される保持溝112よりも、ホルダーベース110の径方向において外側に配置されている。
また、ローター2の外径は、リングシンカー4の外径よりも大きくされている。丸編機100に装着された状態において、ローター2の中心は、リングシンカー4の中心よりも外側に配置されている。また、ローター2の中心は、リングシンカー4の中心よりも上方に配置されている。ローター2と噛み合う駆動歯車72は、リングシンカー4と噛み合う駆動歯車82よりも上方に配置されている。なお、保持溝111が、ホルダーベース110の径方向において、保持溝112の内側に配置されている構成でもよい。
図30に示すように、編目編成具1では、ホルダーベース110に固定される下部側が、ローター2を保持する上部側よりも、ホルダーベース110の径方向において、内側に配置される構成となっている。編目編成具1は、ローター2を保持する上部側と、ホルダーベース110に固定される下部側との間に、傾斜部が設けられている。このように、編目編成具1は、傾斜部を備え、下部側が上部側より、ホルダーベース110の径方向の内側に配置される構成であるため、ホルダーベース110の外側に駆動歯車82を配置するスペースを確保することができ、丸編機110の小型化が図られている。すなわち、外側への張り出しを抑制することができる。
(編機制御装置)
次に、実施形態に係る編機制御装置について説明する。図34は、編機制御装置を示すブロック図である。図34に示す編機制御装置150は、演算処理を行うCPU、記憶部となるROM及びRAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などにより構成されている。編機制御装置150では、記憶部に記憶されたプログラムを実行することで、ホルダーベース制御部151、ローター制御部152、リングシンカー制御部153が構築されている。
ホルダーベース制御部151は、ホルダーベース駆動用サーボモーター121を制御して、ホルダーベース110の回転角度を制御する。ホルダーベース制御部151は、ホルダーベース駆動用サーボモーター121を制御して、ホルダーベース110の回転位置を制御する。
ローター制御部152は、ローター駆動用サーボモーター71を制御して、ローター2の回転角度を制御する。ローター制御部152は、ローター駆動用サーボモーター71を制御して、ローター2の回転位置を制御する。
リングシンカー制御部153は、リングシンカー駆動用サーボモーター81を制御して、リングシンカー4の回転角度を制御する。リングシンカー制御部153は、リングシンカー駆動用サーボモーター81を制御して、リングシンカー4の回転位置を制御する。
編機制御装置150は、ホルダーベース110が第1の回転角度分移動した後に、ローター2を第2の回転角度分移動させ、リングシンカー制御部153は、ローター2が第2の回転角度分移動した後に、リングシンカー4を第3の回転角度分移動させることが好ましい。
図35は、ホルダーベース、ローター、リングシンカーの回転制御の動作時期を示すタイムチャートである。図35では、各サーボモーターの動作開始時期、動作期間を示している。本実施例では、ホルダーベース110に装着された編目編成具1の個数が40個、ホルダーベース110に装着されたロータリーシンカー3の個数が40個、ローター2のローター歯21の歯数が8個、リングシンカー4のシンカー歯41の歯数が12個の場合について、説明する。
まず、ホルダーベース制御部151が指令信号を送信して、ホルダーベース駆動用サーボモーター121を作動させる(ステップS1)。これにより、ホルダーベース駆動用サーボモーター121は、ホルダーベース110を矢印R方向に9度分回転移動させる。このとき、ホルダーベース110に装着された編目編成具1が矢印R方向に移動し、ローター2と駆動歯車72とが噛み合う回転位置に移動する。同様に、ホルダーベース110に装着されたロータリーシンカー3が矢印R方向に移動し、リングシンカー4と駆動歯車82とが噛み合う回転位置に移動する。
次に、ホルダーベース110の回転移動(S1)後、ローター制御部152が指令信号を送信して、ローター駆動用サーボモーター71を作動させる(ステップS2)。これにより、ローター駆動用サーボモーター71は、ローター2を矢印a方向に180度分回転移動させる。このとき、ローター2のフック22が編糸を喰って矢印a方向に回転することで編目を形成する。
次に、ローター2の回転移動(S2)後、リングシンカー制御部153が指令信号を送信して、リングシンカー駆動用サーボモーター81を作動させる(ステップS3)。これにより、リングシンカー駆動用サーボモーター81は、リングシンカー4を矢印c方向に30度分回転させる。このとき、リングシンカー4が一歯分送られ、ローター2に喰われているオールドループが、フック22から脱出する。
そして、これらのステップS1〜S3の動作を40回繰り返すことで、1コース分の編目が形成される。このように本実施形態に係る編機制御装置150を用いて、丸編機100の動作を制御することで、サーボモーター71,81,121の回転タイミング、回転角度を相互に干渉しないように同期コントロールすることができる。なお、その他のタイミングで、ローター2、リングシンカー4、ホルダーベース110の回転運動を制御してもよい。例えば、ローター2の回転移動(S2)中にリングシンカー4の回転を作動させても良い。
(編目編成具の変形例)
図31は、本発明の実施形態に係る編目編成具の変形例を示す側面図である。図31に示す編目編成具1Bは、ローター2、インナープレート13,14、及びアウタープレート12,12を備えている。編目編成具1Bのアウタープレート12は、インナープレート13,14よりも正面側へ張り出すように形成されている。側面視において、ローター2のローター歯21は、インナープレート13,14よりも正面側へ張り出しているが、アウタープレート12よりも正面側へ張り出していない。
図32は、編目編成具、及び編目編成具のローターに噛み合う駆動ジャックを示す図である。変形例の編目編成具1Bのローター2は、往復動する駆動ジャック5によって回転駆動する。駆動ジャック5は、所定の長さを有し、長手方向の一方の端部には、ローター歯21と係合するノコ歯状の複数のジャック歯51が設けられている。本実施形態の駆動ジャック5では、例えば5つの凸部が設けられている。
駆動ジャック5は、編目編成具1の板厚方向において、一対のアウタープレート12,12に挿入されている。図32に示す状態で、駆動ジャック5が、矢印e方向に上昇すると、ジャック歯51によってローター2が駆動されて、矢印a方向に回転する。
駆動ジャック5は、丸編機100のホルダーベース110に形成された溝に挿入され、ホルダーベース110と共に周方向に回転する。ホルダーベース110の周方向において、駆動ジャック5は、編目編成具1Bと同じ位置に配置されている。
駆動ジャック5の下部側には、ジャック歯51とは反対側へ突出するバット52が設けられている。ホルダーベース110には、図示しないカムが設けられている。ホルダーベース110が回転駆動されると、カムによってバット52がガイドされて、駆動ジャック5が上下動することになる。これにより、駆動ジャック5のジャック歯51が、ローター2を回転させる。
図33は、駆動ジャックによるローターの駆動サイクルを示す図である。ジャック歯51aがローター歯21と噛み合っている状態で、駆動ジャック5が矢印e方向に上昇し、ローター2が矢印a方向に回転する(図33(a)参照)。
さらに、駆動ジャック5が矢印e方向に上昇し、ジャック歯51b〜51eによって、ローター2が回転駆動される(図33(b)〜図33(e)参照)。ジャック歯51a〜51dによって、ローター歯21の4歯分移送されることで、ローター2が180度回転する。
図33(e)に示す状態で、駆動ジャック5の上昇が止まり、図33(f)に示すように、駆動ジャック5の先端部が、ローター2から離間する方向へ移動し、ローター歯21とジャック歯51との噛み合いが外れることになる。例えば、図32に示すように、駆動ジャック5の下端に設けられたバット53が矢印g方向に押されることで、駆動ジャック5の先端部が、矢印f方向に逃げる。この状態で駆動ジャック5を矢印e方向と逆方向へ下降させて、図33(a)の状態に戻す。このとき、ローター2の回転は停止した状態である。このように、図33(a)〜図33(f)に示す状態を繰返すことで、駆動ジャック5を用いてローター2を回転駆動し、編目編成を行うことが可能となる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態において、編目編成具の丸編機への適用について、説明しているが、例えば、横編機、経編機など、その他の編機に本発明の編目編成具を適用してもよい。
なお、編目編成具1Bに保持されるローター2は、その他の形状のローター2B,2Cでもよく、さらに異なる形状のローターでもよい。
なお、編目編成具1を、丸編機以外のその他の編機に適用してもよい。また、ロータリーシンカー3に代えて、従来の往復動するシンカーを備える編機に、編目編成具1を適用してもよい。また、編機は、シンカーを備えていない構成でもよい。
また、編目編成具1の固定部、ロータリーシンカー3の固定部に段差を設けることが好ましい。このように、固定部に段差を備える構成とし、対応するホルダーベース110の溝にも段差を設けることで、編目編成具1、ロータリーシンカー3の位置決めして、径方向の移動を拘束することができる。これにより、ホルダーベース110の回転しても、編目編成具1及びロータリーシンカー3の移動が制限されるため、安定した運動を実現することができる。
1…編目編成具、12…アウタープレート(支持板)、13,14…インナープレート(軸受け板)、2,2B,2C…ローター(回転子)、2a…主面、2b…周面、21…ローター歯、22…フック(係止凹部)、3…ロータリーシンカー、32…アウタープレート、33…インナープレート、34…シンカー軸、4…リングシンカー、4B…パイルシンカー、41…シンカー歯、42…凹部、5…駆動ジャック、51…ジャック歯、71…ローター駆動用サーボモーター、72…駆動歯車、81…リングシンカー駆動用サーバーモーター、100…丸編機、110…ホルダーベース(保持台)、111…編成具保持溝、112…シンカー保持溝、121…ホルダーベース駆動用サーボモーター、150…編機制御装置、151…ホルダーベース制御部、152…ローター制御部、304…シンカーループ。

Claims (6)

  1. 軸線周りに回転可能な回転子を有し、
    前記回転子の回転運動を用いて編目編成を行う編目編成具において、
    円盤状を成し周面が摺動面である前記回転子と、
    前記回転子の径方向に離間して、前記回転子の周面を摺動可能に支持する一対の軸受け板と、
    前記回転子及び前記一対の軸受け板を挟んで前記回転子の板厚方向の両側に配置され、前記回転子及び前記一対の軸受け板を支持する一対の支持板と、を備え、
    前記一対の軸受け板及び前記一対の支持板が一体とされて薄板状を構成し、
    前記回転子には、前記板厚方向に貫通し前記周面側から内方に開口されることで形成された係止凹部が設けられ、
    前記回転子の周縁部には、回転駆動力が伝達される複数の歯が形成され、
    前記一対の支持板には、前記係止凹部に編糸を進入させると共に脱出させるための編糸挿通口が形成されていることを特徴とする編目編成具。
  2. 回転運動を用いて編目編成を行う編目編成具の回転子において、
    円盤状を成し周面が摺動面である回転子本体を備え、
    前記回転子本体には、板厚方向に貫通し前記周面側から内方に開口されることで形成された係止凹部が設けられ、
    前記回転子の周縁部には、回転駆動力が伝達される複数の歯が形成されており、
    係止凹部は、側面視において、前記回転子本体の中心を超えて反対側まで、深く形成されていることを特徴とする編目編成具の回転子。
  3. 前記係止凹部は、前記複数の歯間に形成された凹部よりも、前記回転子本体の径方向において深く形成されていることを特徴とする請求項2記載の編目編成具の回転子。
  4. 前記係止凹部には、段差が形成され、複数の編糸を異なる位置で係止可能であることを特徴とする請求項2又は3に記載の編目編成具の回転子。
  5. 第1方向に延在する軸線回りに回転可能な回転子を有し、前記回転子の回転運動を用いて編目編成を行う編目編成具と、
    前記編目編成具を保持し、前記第1方向と直交する第2方向に延在する第2の軸線回りに、前記編目編成具を回転運動させる保持台と、を備え、
    前記編目編成具は、
    円盤状を成し周面が摺動面である前記回転子と、
    前記回転子の径方向に離間して、前記回転子の周面を摺動可能に支持する一対の軸受け板と、
    前記回転子及び前記一対の軸受け板を挟んで前記回転子の板厚方向の両側に配置され、前記回転子及び前記一対の軸受け板を支持する一対の支持板と、を備え、
    前記一対の軸受け板及び前記一対の支持板が一体とされて薄板状を構成し、
    前記回転子には、前記板厚方向に貫通し前記周面側から内方に開口されることで形成された係止凹部が設けられ、
    前記回転子の周縁部には、駆動力が伝達される複数の歯が形成され、
    前記一対の支持板には、前記係止凹部に編糸を進入させると共に脱出させるための編糸挿通口が形成されていることを特徴とする編機。
  6. 前記回転子の周縁部に設けられた複数の歯と噛み合う回転子用駆動歯車と、
    前記回転子用駆動歯車に回転駆動力を付与する回転子用サーボモーターとを備えることを特徴とする請求項記載の編機。
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