第1の発明は、前記断熱箱体の開口部前面を開閉する断熱扉と、前記断熱箱体と前記断熱扉とで形成される貯蔵室と、前記貯蔵室を複数の貯蔵室に区画する断熱仕切壁と、圧縮機を収納する前記断熱箱体の下部に設けられた機械室と、を備え、前記断熱仕切壁の壁厚を、前記機械室を覆う断熱壁の内で最大となる部分の壁厚より大きくしたもので、前記断熱仕切壁は外周を樹脂部で構成し、前面にコ型の金属受け部を備え、前記金属受け部の直下に断熱部材を有し、前記断熱部材は前記断熱仕切壁の外周を構成している樹脂部と前記断熱仕切壁の前面部を構成している樹脂部とで挟み込む状態で保持され、前記金属受け部と前記断熱仕切壁下方の貯蔵室との間に熱侵入抑制構造を設けたことにより、使用する全断熱材の量が一定条件のもと、機械室を覆う断熱壁の断熱材の量を減らして、前記断熱仕切壁前面の開口部において外気の影響を受けて高温となる金属受け部材の近傍に貯蔵室内を循環する冷気の主流との距離を大きくすることができるので、金属受け部材と冷気の熱伝達率が小さくなり、前記断熱仕切壁前面の開口部からの侵入熱を低減でき、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減し、冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
第2の発明は、断熱箱体と、前記断熱箱体の開口部前面を開閉する断熱扉と、前記断熱箱体と前記断熱扉とで形成される貯蔵室と、前記貯蔵室を複数の貯蔵室に区画する断熱仕切壁と、圧縮機を収納する前記断熱箱体の下部に設けられた機械室と、を備え、前記断熱
仕切壁の壁厚を、前記機械室の前後方向に対面する断熱壁の壁厚より大きくしたもので、前記断熱仕切壁は外周を樹脂部で構成し、前面にコ型の金属受け部を備え、前記金属受け部の直下に断熱部材を有し、前記断熱部材は前記断熱仕切壁の外周を構成している樹脂部と前記断熱仕切壁の前面部を構成している樹脂部とで挟み込む状態で保持され、前記金属受け部と前記断熱仕切壁下方の貯蔵室との間に熱侵入抑制構造を設けたことにより、使用する全断熱材の量が一定条件のもと、機械室の前後方向に対面する断熱壁の断熱材の量を減らして、前記断熱仕切壁前面の開口部において外気の影響を受けて高温となる金属受け部材の近傍に貯蔵室内を循環する冷気の主流との距離を大きくすることができるので、金属受け部材と冷気の熱伝達率が小さくなり、前記断熱仕切壁近傍の開口部からの侵入熱を低減でき、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減し、冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
第3の発明は、断熱箱体と、前記断熱箱体の開口部前面を開閉する断熱扉と、前記断熱箱体と前記断熱扉とで形成される貯蔵室と、前記貯蔵室を複数の貯蔵室に区画する断熱仕切壁と、圧縮機を収納する前記断熱箱体の下部に設けられた機械室と、を備え、前記断熱仕切壁の壁厚を、前記機械室を覆う断熱壁の内で貫通路を有しない断熱壁の壁厚より大きくしたもので、前記断熱仕切壁は外周を樹脂部で構成し、前面にコ型の金属受け部を備え、前記金属受け部の直下に断熱部材を有し、前記断熱部材は前記断熱仕切壁の外周を構成している樹脂部と前記断熱仕切壁の前面部を構成している樹脂部とで挟み込む状態で保持され、前記金属受け部と前記断熱仕切壁下方の貯蔵室との間に熱侵入抑制構造を設けたことにより、使用する全断熱材の量が一定条件のもと、機械室を覆う断熱壁の内で貫通路を有しない断熱壁の断熱材の量を減らして、前記断熱仕切壁前面の開口部において外気の影響を受けて高温となる金属受け部材の近傍に貯蔵室内を循環する冷気の主流との距離を大きくすることができるので、金属受け部材と冷気の熱伝達率が小さくなり、前記断熱仕切壁近傍の開口部からの侵入熱を低減でき、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減し、冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
第4の発明は、断熱箱体と、前記断熱箱体の開口部前面を開閉する断熱扉と、前記断熱箱体と前記断熱扉とで形成される貯蔵室と、前記貯蔵室を複数の貯蔵室に区画する断熱仕切壁と、圧縮機を収納する前記断熱箱体の下部に設けられた機械室と、を備え、前記断熱仕切壁の壁厚を、前記機械室の前記貯蔵室内側と対面する断熱壁の壁厚より大きくしたもので、前記断熱仕切壁は外周を樹脂部で構成し、前面にコ型の金属受け部を備え、前記金属受け部の直下に断熱部材を有し、前記断熱部材は前記断熱仕切壁の外周を構成している樹脂部と前記断熱仕切壁の前面部を構成している樹脂部とで挟み込む状態で保持され、前記金属受け部と前記断熱仕切壁下方の貯蔵室との間に熱侵入抑制構造を設けたことにより、使用する全断熱材の量が一定条件のもと、機械室の前記貯蔵室内側と対面する断熱壁の断熱材の量を減らして、前記断熱仕切壁前面の開口部において外気の影響を受けて高温となる金属受け部材の近傍に貯蔵室内を循環する冷気の主流との距離を大きくすることができるので、金属受け部材と冷気の熱伝達率が小さくなり、前記断熱仕切壁近傍の開口部か
らの侵入熱を低減でき、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減し、冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
第5の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、前記断熱箱体の開口部前面に加熱手段を設けたものであり、加熱手段により加熱された外箱の表面を通して冷蔵庫周辺の外気が通常よりも暖められることになり、外気と貯蔵室内との温度差がより増大することで侵入熱は大きくなるが、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減し、冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
第6の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、前記貯蔵室は、冷凍室であることにより、低温であり外気と最も温度差が大きくなることとなり、さらに低減効果が大きくなり、冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
第7の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明において、前記貯蔵室を形成する底面の断熱壁の壁厚を、前記機械室を覆う断熱壁の内で最大となる部分、または、前記機械室を覆う断熱壁の内で貫通路を有しない断熱壁の壁厚、または、前記機械室の前記貯蔵室内側と対面する断熱壁の壁厚より大きくしたことにより、前記底面前面の開口部において外気の影響を受けて高温となる金属受け部材の近傍に貯蔵室内を循環する冷気の主流との距離を大きくすることができるので、金属受け部材と冷気の熱伝達率が小さくなり、前記底面の断熱壁近傍の開口部からの侵入熱を低減でき、さらに冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
第8の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明において、前記貯蔵室を形成する側面の断熱壁の壁厚を、前記機械室を覆う断熱壁の内で最大となる部分、または、前記機械室を覆う断熱壁の内で貫通路を有しない断熱壁の壁厚、または、前記機械室の前記貯蔵室内側と対面する断熱壁の壁厚より大きくしたことにより、前記側面の断熱壁近傍の開口部からの侵入熱を低減でき、さらに冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
以下、本実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の縦断面図である。図2は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の基本構造の縦断面図である。図3は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の基本構造の正面図である。図4は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の断熱扉上部拡大断面図である。
図1において、冷蔵庫100の断熱箱体101は、主に鋼板を用いた外箱102と、ABSなどの樹脂で成型された内箱103と、を備え、その内部には例えば硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材が充填されて、周囲と断熱され、断熱仕切壁120、121で複数の貯蔵室104、105、106に区画されている。
各貯蔵室は、冷蔵庫本体に回転自在に枢示した断熱扉117、118、119によってその前面開口部を閉塞されている。
例えば、貯蔵室104、105、106をそれぞれ冷蔵室、野菜室、冷凍室と仮定した場合、冷蔵室は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃とし、野菜室は冷蔵室と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃としている。冷凍室は冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
断熱箱体101の最下部の貯蔵室106の背面領域に機械室107を形成し、圧縮機108、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側構成部品が収納されている。
図2において、貯蔵室106の背面には冷気を生成する冷却室109が設けられ、その間には、断熱性を有する各室への冷気の搬送風路と、各室と断熱区画するために構成された奥面仕切壁110とが構成されている。冷却室109内には、冷却器111が配設されており、冷却器111の上部空間には強制対流方式により冷却器111で冷却した冷気を貯蔵室104、105、106に送風する冷却ファン112が配置され、冷却器111の下部空間には、冷却時に冷却器111やその周辺に付着する霜や氷を除霜するためのガラス管製のラジアントヒータ113が設けられ、さらにその下部には除霜時に生じる除霜水を受けとめ自重により庫外に排水させるためのドレンパン114が貫通路115に構成され、その下流側の庫外に蒸発皿116が構成されている。
奥面仕切壁110には冷却器111で生成された冷気を冷却ファン112によって貯蔵室106へと供給するための冷気吐出口124と、冷気吐出口124の下方に、貯蔵室106内を循環した冷気を冷却器111へ戻すための冷気吸込み口125と、を設けている
。
また、貯蔵室106内には引き出し機構に保持されて引き出されるとともに、食品類を貯蔵する収納ケースを配置している。本実施の形態では、貯蔵室106内には収納ケースは3つ配置している。具体的には、上段の収納ケース126、中段の収納ケース127、下段の収納ケース128を配置している。
なお、a寸法は貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法である。また、b寸法は断熱仕切壁121の壁厚寸法である。
図3および図4において、断熱扉119の内面の端部には全周にわたり扉ガスケット122が設けられており(貯蔵室104、貯蔵室105においても同様)、貯蔵室105と貯蔵室106とを区画する外周を樹脂部で構成している断熱仕切壁121の前面に貯蔵室内外に渡るように設けたコ型の金属受け部123と扉ガスケット122とを密着させて冷気が外部に漏れるのを防止している。金属受け部123は水平部と垂直部とを有するコ型とすることにより、水平部が断熱仕切壁121の前面部で適切に支持されるとともに、垂直部が扉ガスケット122との密着状態を保持することができる。これにより、貯蔵室105や貯蔵室106への熱侵入を抑制することができる。
また、金属受け部123と貯蔵室106との間に熱侵入抑制構造を設けることによりさらに熱侵入を抑制することができる。
具体的には、断熱部材130が金属受け部123の下方の直下に設けられている。そして、金属受け部123の水平部が断熱部材130の上部に位置するようにし、断熱仕切壁121の前面部と断熱材130とで挟み込まれた状態としている。これにより、金属受け部123の水平部からの放熱を適切に抑えることができる。なお、この断熱部材130は、断熱仕切壁121の外周を構成している樹脂部で保持されている。
ここで、b1寸法は金属受け部123とその保持部を含む高さ寸法、b2寸法は断熱部材130とその保持部を含む高さ寸法である。なお、b1寸法は固定である。
本実施の形態では、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより断熱仕切壁121の壁厚寸法b(=b1+b2)を大きくしている。
具体的には、本実施の形態では、貯蔵室106と機械室107との間の断熱壁厚寸法aは60mm、断熱仕切壁121の壁厚寸法bは70mm(b1寸法は49mm、b2寸法は21mm)である。
開口部前面の四辺の金属受け部123は、その端面を各々接するように構成されている。また、断熱仕切壁121の前面の金属受け部123には、金属受け部123の表面や外箱102の表面に結露することを防止するために、金属受け部123の表面や外箱102の表面を外気よりも高温にするため(露点以上にするため)の加熱手段135(ここでは、放熱パイプ)が設けられており、金属受け部123に密着させている。この加熱手段135には冷凍サイクル(図示せず)における高温冷媒パイプを利用しており、その熱によって金属受け部123および外箱102表面を加熱している。
なお、放熱パイプは、本発明における加熱手段の一例である。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、貯蔵室106内の冷気の流れについて説明する。冷却器111により冷却された冷気は、モータの回転に伴い回転する冷却ファン112により強制的に吐出口124から貯蔵室106内の上段、中段、下段へとそれぞれ吹き出される。吹き出された冷気は、収納ケース126、127、128に吹きつけられて収納されている食品類を冷却する。食品類を冷却した冷気は、矢印に示すように、上段では収納ケース126と断熱仕切壁121との間隙部分、中段では収納ケース126と収納ケース127の間隙部分、下段では収納ケース127と収納ケース128の間隙部分をそれぞれ通って合流し、収納ケース128と内箱底壁との空隙を通って吸込口125より吸い込まれて、冷却器111に戻ってくる風路構成になっている。この時、圧縮機108は内部で昇圧され高温になる冷媒からの熱伝導やモータ損失、機械的損失等による発生で表面が高温になり、その影響で機械室107の温度は周囲の外気に比べて平均で10℃程度高くなる。
上記のように、冷気は貯蔵室106内を循環する際に、貯蔵室内表面と熱交換を行うことで加温される。よって、侵入熱を低減して貯蔵室内表面の温度上昇を防止すれば省電力化を図ることができる。
次に、侵入熱について述べる。
一般に、侵入熱Q(W)は次式で表される。
Q=K*A*ΔT
K=1/(1/αo+L/λ+1/αi)
ここで、Kは熱通過率(W/m2K)、Aは熱通過面積(m2)、ΔTは貯蔵室内外温度差(K)、αoは貯蔵室外の対流熱伝達率(W/m2K)、αiは貯蔵室内の対流熱伝達率(W/m2K)、Lは断熱距離(m)、λは断熱部の熱伝導率(W/mK)である。この式から分かるように、断熱距離Lを大きくすることで侵入熱Qを低減できることが分かる。
特に、開口部から侵入する熱に関しては、庫外側の外気温度に基づく熱が金属受け部123を通して熱伝導により貯蔵室106内へ移動することで熱侵入する。ここで、金属受け部123が貯蔵室内に渡っている部分まで外気とほぼ同等温度となるため、断熱距離Lすなわち図4のb2寸法の寄与度が非常に高いことが分かる(この時、αoの項は無視)。従来のように、断熱部材130が無く、b2寸法が断熱仕切壁121の外周を構成している樹脂部品の板厚のみの場合では、非常に侵入熱量が多いことが分かる。
したがって、加熱手段135が備えられている際には、外気より高温となる加熱手段135によって外箱102を通して生じる熱とに起因し、金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動する熱についてはもちろんのこと、さらに、加熱手段135の熱が金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動させることで熱侵入する点についても考慮したものである。
図5は、一般的な侵入熱量と断熱壁厚の関係を、図6は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の貯蔵室への侵入熱量と断熱壁厚比(b寸法をa寸法で除した値)の関係をそれぞれ示したものである。なお、領域Iはa寸法<b寸法となる領域を示している。
図6より、b寸法(b2寸法)を大きくする、すなわち、断熱仕切壁121の断熱壁厚を大きくすると侵入熱量が低下していくが、ある値を境に再び増加しているのが分かる。
これは、外形に対する収納空間の体積割合を示す容積効率が30%〜70%の場合には、冷蔵庫の外形寸法と収納容積を適切に保持することが前提であるため、一方の断熱壁厚を大きくするともう一方の断熱壁厚が小さくなり、図5を用いて説明すると、ある断熱壁厚比の値を超えるとb2寸法を大きくして低減できる開口部からの侵入熱量ΔQ2とa寸法が小さくして増加する断熱壁を介しての侵入熱量ΔQ1との関係がΔQ1>ΔQ2となるからである。
言い換えると、冷蔵庫の外形寸法と収納容積を保持した前提条件の下で侵入熱量が最も小さくなる断熱壁厚比が存在すると言うことであり、その時には図6よりa寸法<b寸法が成り立つことが分かる。
したがって、本実施の形態のように、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより断熱仕切壁121の壁厚寸法bを大きくすることで、加熱手段135を配設したような場合でも、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減することができる。
以上のように、本実施の形態においては、断熱箱体101と、断熱箱体101の開口部前面を開閉する断熱扉119と、断熱箱体101と断熱扉119とで形成される貯蔵室と、前記断熱箱体の開口部前面に設けられた加熱手段135と、貯蔵室を複数の貯蔵室に区画する断熱仕切壁121と、圧縮機を収納する断熱箱体101の下部に設けられた機械室107と、を備え、断熱仕切壁121の壁厚を、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚、まはた、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚より大きくすることで、加熱手段を配設したような場合でも、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減し、冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
また、侵入熱を低減して貯蔵室内表面の温度上昇を防止できるので、冷気が低い温度のまま循環するため貯蔵室106内全体の温度分布を均一に保つことができる。
また、断熱仕切壁121の壁厚は、貯蔵室の奥行き方向に対して必ずしも一定である必要はなく、すなわち、開口部近傍の断熱仕切壁121の壁厚のみ、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚より断熱壁厚を大きくしても、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態で示した断熱壁厚寸法は一例であり、本発明はこの寸法に限られるものではない。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の基本構造の縦断面図である。図8は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の基本構造の正面図である。図9は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の断熱扉下部拡大断面図である。
図7に示すように、c寸法は貯蔵室106の底面断熱壁133の断熱壁厚寸法である。
図8および9に示すように、底面断熱壁133の前面に貯蔵室内外に渡るように設けた金属受け部123と扉ガスケット122とを密着させて冷気が外部に漏れるのを防止している。
また、金属受け部123の折り返しフランジ部は断熱箱体101の内部に埋設されている。
さらに、金属受け部123と内箱103との間に、金属受け部123表面が外気と接する部分や外箱102の表面に結露することを防止するために加熱手段135(ここでは、放熱パイプ)が配設されており、金属受け部123に密着させている。この加熱手段135には冷凍サイクル(図示せず)における高温冷媒パイプを利用しており、その熱によって金属受け部123および外箱102表面を加熱している。
なお、放熱パイプは、本発明における加熱手段の一例である。
また、開口部前面の四辺の金属受け部123は、その端面を各々接するように構成されている。
ここで、c1寸法は外箱102の底面から金属受け部123の折り返し先端までの高さ寸法、c2寸法は金属受け部123の折り返しフランジ部先端から貯蔵室106までの高さ寸法、すなわち断熱距離である。なお、c1寸法は固定である。
本実施の形態では、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより断熱仕切壁121の壁厚寸法b(=b1+b2)を大きく、かつ、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより底面断熱壁133の断熱壁厚寸法c(=c1+c2)を大きくしている。
具体的には、本実施の形態では、貯蔵室106と機械室107との間の断熱壁厚寸法aは60mm、断熱仕切壁121の壁厚寸法bは70mm(b1寸法は49mm、b2寸法は21mm)、底面断熱壁133の断熱壁厚寸法cは71mm(c1寸法は41mm、c2寸法は30mm)である。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。なお、実施の形態1と同様である動作、作用についての説明は省略する。
実施の形態2においては、貯蔵室内に侵入する熱に関しては、庫外側の外気温度に基づく熱と、外気より高温となる加熱手段135によって外箱102を通して生じる熱とに起因し、金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動する熱についてはもちろんのこと、さらに、加熱手段135の熱が金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動させることで熱侵入する点についても考慮したものである。
開口部の底面では、金属受け部123の折り返しフランジ先端まで加熱手段135とほぼ同等温度となるため、断熱距離、すなわち、図9のc2寸法の寄与度が非常に高いことが分かる。従来のように、貯蔵室内外の温度差のみで設定していた底面断熱壁133の壁厚では、c2寸法が小さくなり、すなわち、断熱距離が小さくなり、非常に侵入熱量が多いことが分かる。
図10は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の貯蔵室への侵入熱量と断熱壁厚比(b寸法とc寸法の平均値をa寸法で除した値)の関係をそれぞれ示したものである。なお、領域Iはa寸法<b寸法、かつa寸法<c寸法となる領域を示している。
これより、断熱壁厚比を大きくすると熱侵入量が低下していくが、ある値を境に再び増加しているのが分かる。つまり、外形に対する収納空間の体積割合を示す容積効率が30%〜70%の場合には、冷蔵庫の外形寸法と収納容積を適切に保持した前提条件の下で侵入熱量が最も小さくなる断熱壁厚比が存在すると言うことであり、その時、a寸法<b寸法、かつa寸法<c寸法が成り立つ。特に、本実施の形態では、加熱手段135を金属受け部123と内箱103との間であって、金属受け部123に密着させるように配設させたことにより、加熱手段135を適切に保持しつつ、c1寸法の距離を短くするとともにdc寸法を長くすることができ、c寸法に対するc1寸法の割合は少なくとも20%を確保することができる。これにより、外気を通して金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動する熱だけでなく、加熱手段135から生じる金属受け部123を通して貯蔵室106内へ移動する熱を低減することができるため、内部への熱侵入の影響を抑制した状態で、効率的に結露を防止することができるものである。
したがって、本実施の形態のように、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより断熱仕切壁121の壁厚寸法bを大きく、かつ、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより底面断熱壁133の断熱壁厚寸法cを大きくすることで、加熱手段を配設したような場合でも、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減することができる。
以上のように、本実施の形態においては、断熱箱体101と、断熱箱体101の開口部前面を開閉する断熱扉119と、断熱箱体101と断熱扉119とで形成される貯蔵室と、前記断熱箱体の開口部前面に設けられた加熱手段135と、貯蔵室を複数の貯蔵室に区画する断熱仕切壁121と、圧縮機を収納する断熱箱体101の下部に設けられた機械室107と、を備え、断熱仕切壁121の壁厚、および貯蔵室106の底面断熱壁133の壁厚を、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚より大きくすることで、加熱手段を配設したような場合でも、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減し、冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
また、侵入熱を低減して貯蔵室内表面の温度上昇を防止できるので、冷気が低い温度のまま循環するため貯蔵室106内全体の温度分布を均一に保つことができる。
また、底面断熱壁133の壁厚は、貯蔵室の奥行き方向に対して必ずしも一定である必要はなく、すなわち、開口部近傍の底面断熱壁133の壁厚のみ、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚より大きくしても、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態で示した断熱壁厚寸法は一例であり、本発明はこの寸法に限られるものではない。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の基本構造の縦断面図である。図12は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の基本構造の正面図である。図13は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の断熱扉下部拡大断面図である。
図11に示すように、c寸法は貯蔵室106の底面断熱壁133の断熱壁厚寸法である。
図12および13に示すように、底面断熱壁133の前面に貯蔵室内外に渡るように設けた金属受け部123と扉ガスケット122とを密着させて冷気が外部に漏れるのを防止している。
また、金属受け部123の折り返しフランジ部は断熱箱体101の内部に埋設されている。
さらに、金属受け部123と内箱103との間に、金属受け部123表面が外気と接する部分や外箱102の表面に結露することを防止するために加熱手段135(ここでは、放熱パイプ)が配設されており、外箱102に密着させている。この加熱手段135には冷凍サイクル(図示せず)における高温冷媒パイプを利用しており、その熱によって金属受け部123および外箱102表面を加熱している。
なお、放熱パイプは、本発明における加熱手段の一例である。
また、開口部前面の四辺の金属受け部123は、その端面を各々接するように構成されている。
ここで、c1寸法は外箱102の底面から金属受け部131の折り返し先端までの高さ寸法、c2寸法は金属受け部123の折り返しフランジ部先端から貯蔵室106までの高さ寸法、すなわち断熱距離である。なお、c1寸法は固定である。
本実施の形態では、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより断熱仕切壁121の壁厚寸法b(=b1+b2)を大きく、かつ、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより底面断熱壁133の断熱壁厚寸法c(=c1+c2)を大きくしている。
具体的には、本実施の形態では、貯蔵室106と機械室107との間の断熱壁厚寸法aは60mm、断熱仕切壁121の壁厚寸法bは70mm(b1寸法は49mm、b2寸法は21mm)、底面断熱壁133の断熱壁厚寸法cは71mm(c1寸法は41mm、c2寸法は30mm)である。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。なお、実施の形態1または2と同様である動作、作用についての説明は省略する。
実施の形態3においては、貯蔵室内に侵入する熱に関しては、庫外側の外気温度に基づ
く熱と、外気より高温となる加熱手段135によって外箱102を通して生じる熱とに起因し、金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動する熱についてはもちろんのこと、さらに、加熱手段135の熱が金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動させることで熱侵入する点についても考慮したものである。
開口部の底面では、金属受け部123の折り返しフランジ先端まで加熱手段135とほぼ同等温度となるため、断熱距離、すなわち、図13のc2寸法の寄与度が非常に高いことが分かる。従来のように、貯蔵室内外の温度差のみで設定していた底面断熱壁133の壁厚では、c2寸法が小さくなり、すなわち、断熱距離が小さくなり、非常に侵入熱量が多いことが分かる。
図14は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の貯蔵室への侵入熱量と断熱壁厚比(b寸法とc寸法の平均値をa寸法で除した値)の関係をそれぞれ示したものである。なお、領域Iはa寸法<b寸法、かつa寸法<c寸法となる領域を示している。
これより、断熱壁厚比を大きくすると熱侵入量が低下していくが、ある値を境に再び増加しているのが分かる。つまり、外形に対する収納空間の体積割合を示す容積効率が30%〜70%の場合には、冷蔵庫の外形寸法と収納容積を適切に保持した前提条件の下で侵入熱量が最も小さくなる断熱壁厚比が存在すると言うことであり、その時、a寸法<b寸法、かつa寸法<c寸法が成り立つ。特に、本実施の形態では、加熱手段135を金属受け部123の折り返しフランジ部と外箱102との間であって、外箱に密着させるように配設させたことにより、加熱手段135を適切に保持しつつ、c1寸法の距離を短くするとともにd2寸法を長くすることができ、c寸法に対するc1寸法の割合は少なくとも20%を確保することができる。これにより、外気を通して金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動する熱だけでなく、加熱手段135から生じる金属受け部123のを通して貯蔵室106内へ移動する熱を低減することができるため、内部への熱侵入の影響を抑制した状態で、より効率的に結露を防止することができるものである。また、加熱手段135を外箱102に密着させているので組み立てが容易で、高精度で寸法を維持することができる。
したがって、本実施の形態のように、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより断熱仕切壁121の壁厚寸法bを大きく、かつ、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより底面断熱壁133の断熱壁厚寸法cを大きくすることで、加熱手段を配設したような場合でも、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減することができる。
以上のように、本実施の形態においては、断熱箱体101と、断熱箱体101の開口部前面を開閉する断熱扉119と、断熱箱体101と断熱扉119とで形成される貯蔵室と、前記断熱箱体の開口部前面に設けられた加熱手段135と、貯蔵室を複数の貯蔵室に区画する断熱仕切壁121と、圧縮機を収納する断熱箱体101の下部に設けられた機械室107と、を備え、断熱仕切壁121の壁厚、および貯蔵室106の底面断熱壁133の壁厚を、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚より大きくすることで、加熱手段を配設したような場合でも、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減し、冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
また、侵入熱を低減して貯蔵室内表面の温度上昇を防止できるので、冷気が低い温度のまま循環するため貯蔵室106内全体の温度分布を均一に保つことができる。
また、底面断熱壁133の壁厚は、貯蔵室の奥行き方向に対して必ずしも一定である必要はなく、すなわち、開口部近傍の底面断熱壁133の壁厚のみ、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚より大きくしても、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態で示した断熱壁厚寸法は一例であり、本発明はこの寸法に限られるものではない。
(実施の形態4)
図15は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の基本構造の平面断面図である。図16は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の基本構造の正面図である。図17は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の断熱扉側部拡大断面図である。
図15に示すように、d寸法は貯蔵室106の側面断熱壁134の断熱壁厚寸法である。
図16および図17に示すように、側面断熱壁134の前面に貯蔵室内外に渡るように外箱102と一体で構成された金属受け部123と扉ガスケット122とを密着させて冷気が外部に漏れるのを防止している。
また、金属受け部123の折り返しフランジ部は断熱箱体101の内部に埋設されている。
さらに、金属受け部123と内箱103との間に、金属受け部123表面が外気と接する部分や外箱102の表面に結露することを防止するために加熱手段135(ここでは、放熱パイプ)が配設されており、金属受け部材123に密着させている。この加熱手段135には冷凍サイクル(図示せず)における高温冷媒パイプを利用しており、その熱によって金属受け部123および外箱102表面を加熱している。
なお、放熱パイプは、本発明における加熱手段の一例である。
また、開口部前面の四辺の金属受け部123は、その端面を各々接するように構成されている。
ここで、d1寸法は外箱102の側面から金属受け部123の折り返しフンラジ先端までの幅寸法、d2寸法は金属受け部123の折り返しフンラジ先端から貯蔵室106までの幅寸法、すなわち断熱距離である。なお、d1寸法は固定である。
本実施の形態では、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより断熱仕切壁121の壁厚寸法b(=b1+b2)を大きく、かつ貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械
室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより底面断熱壁133の断熱壁厚寸法c(=c1+c2)を大きく、かつ貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより側面断熱壁134の断熱壁厚寸法d(=d1+d2)を大きくしている。
具体的には、本実施の形態では、貯蔵室106と機械室107との間の断熱壁厚寸法aは60mm、断熱仕切壁121の壁厚寸法bは70mm(b1寸法は49mm、b2寸法は21mm)、底面断熱壁133の断熱壁厚寸法cは71mm(c1寸法は41mm、c2寸法は30mm)、側面断熱壁134の断熱壁厚寸法dは65mm(d1寸法は20mm、d2寸法は45mm)である。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。なお、実施の形態1または2または3と同様である動作、作用についての説明は省略する。
実施の形態4においては、貯蔵室内に侵入する熱に関しては、庫外側の外気温度に基づく熱と、外気より高温となる加熱手段135によって外箱102を通して生じる熱とに起因し、金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動する熱についてはもちろんのこと、さらに、加熱手段135の熱が金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動させることで熱侵入する点についても考慮したものである。
開口部の側面では、金属受け部123の折り返しフランジ先端まで加熱手段135とほぼ同等温度となるため、断熱距離、すなわち、図13のd2寸法の寄与度が非常に高いことが分かる。従来のように、貯蔵室内外の温度差のみで設定していた側面断熱壁134の壁厚では、d2寸法が小さくなり、すなわち、断熱距離が小さくなり、非常に侵入熱量が多いことが分かる。
図18は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の貯蔵室への侵入熱量と断熱壁厚比(b寸法、c寸法、d寸法の平均値をa寸法で除した値)の関係をそれぞれ示したものである。なお、領域Iはa寸法<b寸法、かつa寸法<c寸法、かつa寸法<d寸法となる領域を示している。
これより、断熱壁厚比を大きくすると熱侵入量が低下していくが、ある値を境に再び増加しているのが分かる。つまり、外形に対する収納空間の体積割合を示す容積効率が30%〜70%の場合には、冷蔵庫の外形寸法と収納容積を適切に保持した前提条件の下で侵入熱量が最も小さくなる断熱壁厚比が存在すると言うことであり、その時、a寸法<b寸法、かつa寸法<c寸法、かつa寸法<d寸法が成り立つ。特に、本実施の形態では、加熱手段135を金属受け部123と内箱103との間であって、金属受け部123に密着させるように配設させたことにより、加熱手段135を適切に保持しつつ、d1寸法の距離を短くするとともにd2寸法を長くすることができ、d寸法に対するd1寸法の割合は少なくとも20%を確保することができる。これにより、外気を通して金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動する熱だけでなく、加熱手段135から生じる金属受け部123を通して貯蔵室106内へ移動する熱を低減することができるため、内部への熱侵入の影響を抑制した状態で、効率的に結露を防止することができるものである。
したがって、本実施の形態のように、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより断熱仕切壁121の壁厚寸法bを大きく、かつ貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆
う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより底面断熱壁133の断熱壁厚寸法cを大きく、かつ貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより側面断熱壁134の断熱壁厚寸法dを大きくすることで、加熱手段を配設したような場合でも、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減することができる。
以上のように、本実施の形態においては、断熱箱体101と、断熱箱体101の開口部前面を開閉する断熱扉119と、断熱箱体101と断熱扉119とで形成される貯蔵室と、前記断熱箱体の開口部前面に設けられた加熱手段135と、貯蔵室を複数の貯蔵室に区画する断熱仕切壁121と、圧縮機を収納する断熱箱体101の下部に設けられた機械室107と、を備え、断熱仕切壁121の壁厚、および貯蔵室106の底面断熱壁133の壁厚、および貯蔵室106の側面断熱壁134の壁厚を、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚より大きくすることで、加熱手段を配設したような場合でも、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減し、冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
また、侵入熱を低減して貯蔵室内表面の温度上昇を防止できるので、冷気が低い温度のまま循環するため貯蔵室106内全体の温度分布を均一に保つことができる。
また、側面断熱壁134の壁厚は、貯蔵室の奥行き方向に対して必ずしも一定である必要はなく、すなわち、開口部近傍の側面断熱壁134の壁厚のみ、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚より大きくしても、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態で示した断熱壁厚寸法は一例であり、本発明はこの寸法に限られるものではない。
(実施の形態5)
図19は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の基本構造の平面断面図である。図20は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の基本構造の正面図である。図21は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫の機械室と隣接する貯蔵室の断熱扉側部拡大断面図である。
図19に示すように、d寸法は貯蔵室106の側面断熱壁134の断熱壁厚寸法である。
図20および図21に示すように、側面断熱壁134の前面に貯蔵室内外に渡るように外箱102と一体で構成された金属受け部123と扉ガスケット122とを密着させて冷気が外部に漏れるのを防止している。
また、金属受け部123の折り返しフランジ部は断熱箱体101の内部に埋設されている。
さらに、金属受け部123の折り返しフランジ部と外箱102との間に、金属受け部123表面が外気と接する部分や外箱102の表面に結露することを防止するために加熱手
段135(ここでは、放熱パイプ)が配設されており、外箱102に密着させている。この加熱手段135には冷凍サイクル(図示せず)における高温冷媒パイプを利用しており、その熱によって金属受け部123および外箱102表面を加熱している。
なお、放熱パイプは、本発明における加熱手段の一例である。
また、開口部前面の四辺の金属受け部123は、その端面を各々接するように構成されている。
ここで、d1寸法は外箱102の側面から金属受け部123の折り返しフンラジ先端までの幅寸法、d2寸法は金属受け部123の折り返しフンラジ先端から貯蔵室106までの幅寸法、すなわち断熱距離である。なお、d1寸法は固定である。
本実施の形態では、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより断熱仕切壁121の壁厚寸法b(=b1+b2)を大きく、かつ貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより底面断熱壁133の断熱壁厚寸法c(=c1+c2)を大きく、かつ貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより側面断熱壁134の断熱壁厚寸法d(=d1+d2)を大きくしている。
具体的には、本実施の形態では、貯蔵室106と機械室107との間の断熱壁厚寸法aは60mm、断熱仕切壁121の壁厚寸法bは70mm(b1寸法は49mm、b2寸法は21mm)、底面断熱壁133の断熱壁厚寸法cは71mm(c1寸法は41mm、c2寸法は30mm)、側面断熱壁134の断熱壁厚寸法dは65mm(d1寸法は20mm、d2寸法は45mm)である。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。なお、実施の形態1または2または3または4と同様である動作、作用についての説明は省略する。
実施の形態5においては、貯蔵室内に侵入する熱に関しては、庫外側の外気温度に基づく熱と、外気より高温となる加熱手段135によって外箱102を通して生じる熱とに起因し、金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動する熱についてはもちろんのこと、さらに、加熱手段135の熱が金属受け部123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動させることで熱侵入する点についても考慮したものである。
開口部側面では、金属受け部123の折り返しフランジ先端まで加熱手段135とほぼ同等温度となるため、断熱距離、すなわち、図17のd2寸法の寄与度が非常に高いことが分かる。従来のように、貯蔵室内外の温度差のみで設定していた側面断熱壁134の壁厚では、d2寸法が小さくなり、すなわち、断熱距離が小さくなり、非常に侵入熱量が多いことが分かる。
図22は、本発明の実施の形態5における冷蔵庫の貯蔵室への侵入熱量と断熱壁厚比(b寸法、c寸法、d寸法の平均値をa寸法で除した値)の関係をそれぞれ示したものである。なお、領域Iはa寸法<b寸法、かつa寸法<c寸法、かつa寸法<d寸法となる領域を示している。
これより、断熱壁厚比を大きくすると熱侵入量が低下していくが、ある値を境に再び増加しているのが分かる。つまり、外形に対する収納空間の体積割合を示す容積効率が30%〜70%の場合には、冷蔵庫の外形寸法と収納容積を適切に保持した前提条件の下で侵入熱量が最も小さくなる断熱壁厚比が存在すると言うことであり、その時、a寸法<b寸法、かつa寸法<c寸法、かつa寸法<d寸法が成り立つ。特に、本実施の形態では、加熱手段135を金属受け部123の折り返しフランジ部と外箱102との間であって、外箱に密着させるように配設させたことにより、加熱手段135を適切に保持しつつ、d1寸法の距離を短くするとともにd2寸法を長くすることができ、d寸法に対するd1寸法の割合は少なくとも20%を確保することができる。これにより、外気を通して金属受け材123の熱伝導により貯蔵室106内へ移動する熱だけでなく、加熱手段135から生じる金属受け部123を通して貯蔵室106内へ移動する熱を低減することができるため、内部への熱侵入の影響を抑制した状態で、より効率的に結露を防止することができるものである。また、加熱手段135を外箱102に密着させているので組み立てが容易で、高精度で寸法を維持することができる。
したがって、本実施の形態のように、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより断熱仕切壁121の壁厚寸法bを大きく、かつ貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより底面断熱壁133の断熱壁厚寸法cを大きく、かつ貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚寸法、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚寸法aより側面断熱壁134の断熱壁厚寸法dを大きくすることで、加熱手段を配設したような場合でも、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減することができる。
以上のように、本実施の形態においては、断熱箱体101と、断熱箱体101の開口部前面を開閉する断熱扉119と、断熱箱体101と断熱扉119とで形成される貯蔵室と、前記断熱箱体の開口部前面に設けられた加熱手段135と、貯蔵室を複数の貯蔵室に区画する断熱仕切壁121と、圧縮機を収納する断熱箱体101の下部に設けられた機械室107と、を備え、断熱仕切壁121の壁厚、および貯蔵室106の底面断熱壁133の壁厚、および貯蔵室106の側面断熱壁134の壁厚を、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚より大きくすることで、加熱手段を配設したような場合でも、断熱壁を介しての侵入熱および開口部からの侵入熱を総合的に低減し、冷却効率を向上させ、省電力化した冷蔵庫を提供することができる。
また、侵入熱を低減して貯蔵室内表面の温度上昇を防止できるので、冷気が低い温度のまま循環するため貯蔵室106内全体の温度分布を均一に保つことができる。
また、側面断熱壁134の壁厚は、貯蔵室の奥行き方向に対して必ずしも一定である必要はなく、すなわち、開口部近傍の側面断熱壁134の壁厚のみ、貯蔵室106と機械室107とが前後方向に対面する断熱壁厚、または、貯蔵室106と機械室107を覆う断熱壁の内で貫通路115を有しない断熱壁の壁厚、または、貯蔵室106と機械室107とが対面する断熱壁の壁厚より大きくしても、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態で示した断熱壁厚寸法は一例であり、本発明はこの寸法に限られるものではない。